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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】患者適応性の放射性画像化
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20240610BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
G01T1/161 C
G01T1/161 A
A61B6/03 577
A61B6/03 560G
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023015383
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2020570890の分割
【原出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2023059881
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】16/015,233
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593063105
【氏名又は名称】シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】スポティスッド,ブルース エス.
(72)【発明者】
【氏名】ゾルトナー,ユルゲン
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037037(JP,A)
【文献】特表2018-505401(JP,A)
【文献】特開2017-086903(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0164911(US,A1)
【文献】特開2009-082703(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000448(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の放射性画像化走査データを取得するための、放射性画像化走査装置と、
前記身体のコンピュータ断層撮影走査データを取得するための、コンピュータ断層撮影走査装置と、
処理システムと、
を含むシステムであって、前記処理システムは、
前記放射性画像化走査データに基づいて、前記身体の1つ又は複数の内部容積を特定し、前記1つ又は複数の内部容積の各々には、閾値を超える放射能が関連付けら
前記1つ又は複数の内部容積の各々について、少なくとも部分的に前記内部容積と関連付けられた放射能に基づいて、臨床的関心度を示す分類を決定し、
コンピュータ断層撮影走査データに基づいて減衰係数マップを生成し、
記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定された分類と、前記減衰係数マップとに基づいて、複数の走査座標の各々に対して関連付けられた、前記放射性画像化走査装置の走査速度を決定
複数の走査座標の各々に対して、関連付けられた前記走査速度に基づいて、前記身体を走査するように前記放射性画像化走査装置を制御す
システム。
【請求項2】
前記放射性画像化走査装置は、スカウト走査を行って、前記身体の放射性画像化走査データを取得する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定される分類は、前記コンピュータ断層撮影走査データ前記放射性画像化走査データとに基づいて決定される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
さらに、解剖学的領域を走査速度と関連付けたデータを保存する記憶装置を含み、
前記処理システムはさらに、
前記コンピュータ断層撮影走査データを分割して、解剖学的領域境界の3次元座標を取得し、
前記複数の走査座標の各々と関連付けられた走査速度は、少なくとも部分的に、前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々と関連付けられた臨床的関心度と、前記解剖学的領域境界の3次元座標と、前記解剖学的領域を走査速度と関連付けるデータとに基づいて決定される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記身体の1つ又は複数の内部容積の特定は、前記放射性画像化走査データの分割を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
さらに、解剖学的領域を走査速度と関連付けたデータを保存する記憶装置を含み、
前記処理システムはさらに、
前記コンピュータ断層撮影走査データを分割して、解剖学的領域境界の3次元座標を取得し、
前記複数の走査座標の各々と関連付けられた走査速度は、少なくとも部分的に、前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々と関連付けられた臨床的関心度と、前記解剖学的領域境界の3次元座標と、前記解剖学的領域を走査速度と関連付けるデータとに基づいて決定される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
記処理システムは、さらに、
事前に取得した身体のコンピュータ断層撮影走査データに対してコンピュータ断層撮影走査データを登録して、登録変更を決定し、
前記事前に取得した身体の放射性画像化走査データに対して、前記登録変更を適用して、変更された身体の放射性画像化走査データを生成し、前記事前に取得した放射性画像化走査データは、前記事前に取得したコンピュータ断層撮影走査データと時間的及び空間的に関連付けられ、
前記事前に取得した身体のコンピュータ断層撮影走査データに対して前記登録変更を適用して、変更された身体のコンピュータ断層撮影走査データを生成し、
前記1つ又は複数の内部容積は、前記変更された身体の放射性画像化走査データに基づいて特定され、
前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定された分類は、少なくとも部分的に、前記変更されたコンピュータ断層撮影走査データと前記1つ又は複数の内部容積とに基づいて決定される、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
放射性画像化走査装置を制御して、身体の放射性画像化走査データを取得し、
コンピュータ断層撮影走査装置を制御して、前記身体のコンピュータ断層撮影走査データを取得し、
前記放射性画像化走査データに基づいて、前記身体の1つ又は複数の内部容積を特定し、前記1つ又は複数の内部容積の各々は、閾値を超える放射能が関連付けられ、
前記1つ又は複数の内部容積の各々について、少なくとも部分的に前記内部容積と関連付けられた放射能に基づいて、臨床的関心度を示す分類を決定し、
コンピュータ断層撮影走査データに基づいて減衰係数マップを生成し、
前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定された分類と、前記減衰係数マップとに基づいて、複数の走査座標の各々に対して関連付けられた、前記放射性画像化走査装置の走査速度を決定し、
複数の走査座標の各々に対して、関連付けられた前記走査速度で、前記身体を走査するように前記放射性画像化走査装置を制御する、
方法。
【請求項9】
前記放射性画像化走査装置を制御して、前記身体の放射性画像化走査データを取得する際、前記身体のスカウト走査を行うように前記放射性画像化走査装置を制御することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定される分類は、前記コンピュータ断層撮影走査データと前記放射性画像化走査データとに基づいて決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
さらに、
前記コンピュータ断層撮影走査データを分割して、解剖学的領域境界の3次元座標を取得し、
前記複数の走査座標の各々と関連付けられた走査速度は、少なくとも部分的に、前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々と関連付けられた臨床的関心度と、前記解剖学的領域境界の3次元座標と、前記解剖学的領域を査速度と関連付ける記憶されたデータとに基づいて決定される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記身体の1つ又は複数の内部容積の特定は、前記放射性画像化走査データの分割を含む、請求項8に記載の方法
【請求項13】
さらに、
前記コンピュータ断層撮影走査データを分割して、解剖学的領域境界の3次元座標を取得し、
前記複数の走査座標の各々と関連付けられた走査速度は、少なくとも部分的に、前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々と関連付けられた臨床的関心度と、前記解剖学的領域境界の3次元座標と、前記解剖学的領域を走査速度と関連付けるデータとに基づいて決定される、
請求項8に記載の方法
【請求項14】
さらに、
記コンピュータ断層撮影走査データを、事前に取得した身体のコンピュータ断層撮影走査データに対して登録して、登録変更を決定
前記登録変更を前記事前に取得した身体の放射性画像化走査データに対して適用して、変更された身体の放射性画像化走査データを生成、前記事前に取得した放射性画像化走査データは、事前に取得した前記コンピュータ断層撮影走査データと時間的及び空間的に関連付けら
前記登録変更を前記事前に取得した身体のコンピュータ断層撮影走査データに対して適用して、変更された身体のコンピュータ断層撮影走査データを生成
前記1つ又は複数の内部容積は、前記変更された身体の放射性画像化走査データに基づいて特定され、
前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定された分類は、少なくとも部分的に、前記変更されたコンピュータ断層撮影走査データと、前記1つまたは複数の内部容積とに基づいて決定される、
請求項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ・システムのプロセッサが実行可能なプログラム・コードを保存する非一時的な媒体であって、前記コンピュータ・システムを動作させて、
放射性画像化走査装置を制御して、身体の放射性画像化走査データを取得し、
コンピュータ断層撮影走査装置を制御して、前記身体のコンピュータ断層撮影走査データを取得し、
前記放射性画像化走査データに基づいて、前記身体の1つ又は複数の内部容積を特定し、前記1つ又は複数の内部容積の各々は、閾値を超える放射能が関連付けられ、
前記1つ又は複数の内部容積の各々について、少なくとも部分的に前記内部容積と関連付けられた放射能に基づいて、臨床的関心度を示す分類を決定し、
コンピュータ断層撮影走査データに基づいて減衰係数マップを生成し、
前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定された分類と、前記減衰係数マップとに基づいて、複数の走査座標の各々に対して関連付けられた、前記放射性画像化走査装置の走査速度を決定し、
複数の走査座標の各々に対して、関連付けられた前記走査速度で、前記身体を走査するように前記放射性画像化走査装置を制御する、
非一時的な媒体。
【請求項16】
前記放射性画像化走査装置を制御して、前記身体の放射性画像化走査データを取得する際、前記身体のスカウト走査を行うように前記放射性画像化走査装置を制御することを含む、請求項15に記載の非一時的な媒体
【請求項17】
前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定される分類は、前記コンピュータ断層撮影走査データと前記放射性画像化走査データとに基づいて決定される、請求項15に記載の非一時的な媒体。
【請求項18】
前記コンピュータ・システムのプロセッサが実行可能なプログラム・コードは、前記コンピュータ・システムを動作させて、
前記コンピュータ断層撮影走査データを分割して、解剖学的領域境界の3次元座標を取得し、
前記複数の走査座標の各々と関連付けられた走査速度は、少なくとも部分的に、前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々と関連付けられた臨床的関心度と、前記解剖学的領域境界の3次元座標と、前記解剖学的領域を走査速度と関連付ける記憶されたデータとに基づいて決定される、
請求項17に記載の非一時的な媒体。
【請求項19】
前記コンピュータ・システムのプロセッサが実行可能なプログラム・コードは、前記コンピュータ・システムを動作させて、
前記コンピュータ断層撮影走査データを分割して、解剖学的領域境界の3次元座標を取得し、
この際、前記複数の走査座標の各々と関連付けられた走査速度は、少なくとも部分的に、前記1つ又は複数の内部容積の位置と、前記1つ又は複数の内部容積の各々と関連付けられた臨床的関心度と、前記解剖学的領域境界の3次元座標と、前記解剖学的領域を走査速度と関連付けるデータとに基づいて決定される、
請求項15に記載の非一時的な媒体。
【請求項20】
前記コンピュータ・システムのプロセッサが実行可能なプログラム・コードは、前記コンピュータ・システムを動作させて、
コンピュータ断層撮影走査データを事前に取得した身体のコンピュータ断層撮影走査データに対して登録して、登録変更を決定し、
前記登録変更を事前に取得した身体の放射性画像化走査データに対して適用して、変更された身体の放射性画像化走査データを生成し、前記事前に取得した放射性画像化走査データは、前記事前に取得したコンピュータ断層撮影走査データと時間的及び空間的に関連付けられ、
前記事前に取得した身体のコンピュータ断層撮影走査データに対して前記登録変更を適用して、変更された身体のコンピュータ断層撮影走査データを生成し、
この際、前記1つ又は複数の内部容積は、前記変更された身体の放射性画像化走査データに基づいて特定され、かつ
前記1つ又は複数の内部容積の各々について決定された分類は、少なくとも部分的に、前記変更されたコンピュータ断層撮影走査データと、前記1つ又は複数の内部容積とに基づいて決定される、
請求項15に記載の非一時的な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月22日に出願された米国仮出願第16/015,233号に基づく優先権を主張するものであり、上記仮特許出願の開示を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
従来の放射性画像化(ニュークリア・イメージング)では、注射または経口の摂取によって、放射性医薬品が患者の体内に導入されている。放射性医薬品は、SPECT(single-photon-emission-computer-tomography:単一フォトン放出型コンピュータ断層撮影)画像化の場合はガンマ線を放出しており、またPET(positron-emission-tomography:陽電子放出型断層撮影)画像化の場合はガンマ線を生成するために電子と消滅する陽電子(ポジトロン)を放出している。患者の体の外側に配置された検出器(デテクタ)システムによって、放出されたガンマ線を検出し、それに基づいて画像(映像)を再構成している。
【0003】
画像化の処理中、検出器システムは、常に患者の身体部分と近接して配置されて、身体部分から放出されるガンマ線を検出する。放出(エミッション)は経時的に生じるため、検出器システムが身体部分にさらされる期間は、身体部分から検出されるガンマ線の数と、その結果として、そこから再構成される画像の品質に関連する。しかしながら、長期曝露による小さな利益は時間がたつとともに減少しており、全体的な取得時間の短縮化が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムでは、様々な身体部分の取得時間を特定する、一般的な取得プロトコルから選択されることで、画質と取得時間との両立を図っている。連続的なベッドの動きを提供するシステムの場合、ベッドの範囲および対応する速度は、集団平均に基づいて臨床的に適当な画像が生成されると想定可能な値に設定されている。特定の患者の解剖学的構造と代謝活動に基づいて、走査(スキャン)範囲と速度を効率的に決定し、制御するシステムが求められている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、幾つかの実施形態に従って、適応性の走査を行うシステムを例示したブロック図である。
図2図2は、幾つかの実施形態に従って、適応性の走査を行う処理を例示したフロー図である。
図3図3は、幾つかの実施形態に従って、CT走査とPET走査に基づいて適応性の走査を行うシステムを例示したブロック図である。
図4図4は、幾つかの実施形態に従って、画像化システムを例示した図である。
図5図5は、幾つかの実施形態に従って、事前に取得したCT走査とPET走査に基づいて適応性の走査を行うシステムを例示したブロック図である。
図6図6は、幾つかの実施形態に従って、CT走査、PET走査、及び臓器境界を走査速度と関連付けるデータに基づいて、適応性の走査を行うシステムを例示したブロック図である。
図7図7は、幾つかの実施形態に従って、CT走査、PET走査、臓器境界を走査速度と関連付けるデータ、及び減衰係数マップに基づいて、適応性の走査を行うシステムを例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明は、当業者に対して、本明細書に記載の実施形態を製造し、使用することを可能にすることを目的として提供されており、本明細書に記載の実施形態を実施する上でベストモードと考えられるものが例示されている。しかし、当業者であれば、この例示に対して様々な変更等を行えることが明らかだろう。
【0007】
概して、幾つかの実施形態では、撮影対象の患者の解剖学的及び生理学的に特有の画像(イメージ)取得用パラメータを決定する。この取得パラメータは、様々な走査(スキャン)範囲についての走査速度を含み得る。そして、この決定された取得パラメータを用いて、画像が取得されている。従って、本実施形態は、所与の収集時間について、従来の放射性画像化システムと比べて、より臨床的な関連性の高い、高品質画像を提供できる。
【0008】
実施形態の1例では、異なる走査範囲にわたる走査速度は、コンピュータ(を用いた)断層撮影(CT:computed tomography)走査によって提供される解剖学的情報と、放射性画像化走査によって提供される放射性追跡子(放射性トレーサ)分布及び摂取値(取り込み値)とに基づいて決定され得る。この放射性画像化走査は、典型的な放射性画像化走査と比べて、より高い走査速度を使用できる。なぜなら、そのように生成される画像の信号対ノイズ比は、診断に用いられる画像の場合と比較して、重要性が低いからである。
【0009】
図1を参照すると、幾つかの実施形態に従う、適応性の走査が例示されている。エミッション(放出)データ110は、身体の走査中にエミッション画像化システムによって生成される、二次元の放出データの複数組を含み得る。上述のように、このシステムは、SPECTシステム、PETシステム、または他の種類の既に知られている又は将来的に知られ得る放射性画像化システムを含み得る。放出データ110は、当技術分野で知られているように、典型的には、容積測定の画像データに再構成されるデータを示し得る。
【0010】
図2を参照すると、幾つかの実施形態に従う、図1に示した処理(プロセス)200のフロー図が例示されている。本明細書中に記載の処理200及び他の処理は、ハードウエア及びソフトウエアの任意の適当な組み合わせを用いて実施され得る。これら処理を行うソフトウェア・プログラム・コードは、固定ディスク、揮発性または不揮発性のランダムアクセスメモリ、フロッピーディスク、CD、DVD、フラッシュドライブ、または磁気テープを含む任意の非一時的な実体を有する媒体(メディア)を用いて記憶(保存)されてもよい。なお、本実施形態は、以下に記載する例に限定されない。
【0011】
符号S210では、放出データ110に基づいて、分割(セグメント化)及び摂取(取り込み)の分類部120は、身体の内部容積の位置を特定できる。内部容積は、閾値を超える放射能に関連するものでもよい。容積の放射能は、放出データ110から決定される標準的な摂取値に基づいて決定され得る。従って、符号S210では、予め定義された閾値を超える標準的な摂取値と関連付けられた内部容積の位置の特定を含み得る。
【0012】
また、成分120は、少なくとも部分的にその放射能に基づいて、符号S220にてそれぞれ特定された容積を分類する。この分類は、特定された容積を臨床的関心の程度(関心度)と関連付けることができ、及び/または「生理学的」若しくは「疑わしい」等の複数の分類の1つと関連付けることができる。画像130は、幾つかの実施形態に従う部位120によって、このように分類された容積の出力を示しており、この際、比較的に暗い領域は、生理的領域として分類された容積を表し、かつ比較的に明るい領域は、疑わしいと分類された容積を表している。本実施形態は、任意の数または種類の容積の分類を利用できる。部位120の出力は、識別された内部容積のそれぞれの位置を表す三次元座標を含むことができ、また識別された容積の各々と分類を関連付けるメタデータを含むことができる。
【0013】
次に、符号S230において、走査範囲及び速度の決定部140は、分類された容積を表すデータを部位120から受信する。容積の位置及びそれぞれの分類/関心度に基づいて、走査範囲及び速度の決定部140は、それぞれの走査範囲を表す走査座標(スキャナー座標)の組と、走査座標の各組ごとに走査速度を決定する。走査速度は、関連付けられた走査座標にわたる身体と画像化検出器(イメージング・デテクタ)との間の相対的な移動の速度を示し得る。走査座標の組と関連する走査速度は、画像化走査(イメージング・スキャン)のパラメータである。
【0014】
グラフィック(画像または映像)150は、画像130中に示された容積及び分類に基づいて決定された画像化走査の走査範囲及び速度を表す。例示では、画像150のハッチ部(平行線を引いた部分)は「通常の」走査速度を示し、ソリッド部(塗られた部分)は通常よりも遅い走査速度を示している。本実施形態は、走査毎に2つの走査速度を用いる場合に限定されず、また任意の数の走査範囲を用いることができる。
【0015】
概して、幾つかの実施形態によれば、決定部140は、生理学的または臨床的関心が比較的低いと分類された容積に対応する走査範囲よりも、疑わしいまたは臨床的関心が比較的高いと分類された容積に対応する走査範囲に対して、より遅い走査速度を決定するように動作する。走査速度を遅くする場合、走査速度を速くする場合と比較して、走査範囲にわたって容積から放射されるガンマ線をより多く検出することができるため、しばしば、より高品質の画像が得られる。比較的関心の低い領域では、画質が問題になることは比較的少ないため、より速い走査速度を使用できる。本実施形態は、特定された内部容積の各々と関連付けられた単一の走査範囲または走査速度に限定されない。
【0016】
決定された走査座標及び速度は、走査装置(スキャナ・ハードウェア)160に提供され、そこでは、これらパラメータに基づいて、符号S240にて走査を実行可能になる。例えば、走査装置160は、走査範囲と関連付けられた走査速度にて、各走査範囲と検出器との間の相対的な移動を行うことで、走査を実行してもよい。この移動は、各走査範囲を、検出器を通過して移動させることによって(例えば、患者が寝ているベッドを移動させる)、または、検出器を操作方向で移動させることによって、または、これら2つの種類の移動を組み合わせることによって、実行されてもよい。従って、本実施形態は、全体的な走査時間を減少させながら、臨床的に重要な領域について適当な画像を効率的かつ自動的に提供できる。
【0017】
分割及び摂取の分類部120、走査範囲及び速度の決定部140、並びに本明細書に記載の各機能部は、少なくとも部分的に、当該技術分野で公知のコンピュータ・ハードウエア、プログラム・コード及び/またはプログラム・コードの実行用の1つまたは複数のコンピュータ・システムを用いて実施されてもよい。このコンピュータ・システムは、1つまたは複数のプロセッサ(プロセッシング・ユニットまたは処理装置)を含むことができ、各処理装置は、記憶装置(メモリ・システム)に保存されたプロセッサ実行可能プログラム・コードを実行する。
【0018】
図3を参照すると、幾つかの実施形態に従うCT走査及びPET走査に基づく適応性の走査が示されている。概して、CT画像310は解剖学的情報を提供し、PET画像320は放射性トレーサの分布及び摂取値を提供する。これらはいずれも、後続のPET走査中に使用される走査座標とそれぞれの走査速度を決定するために使用される。図3に示された走査は、処理200の実行を含み得るが、本実施形態は、この態様に限定されない。
【0019】
例示のように、部位330はPET画像320を受信し、それに基づいて摂取容積(容量)を分割(セグメント化)する。PET画像320は、当技術分野で知られているように、標準的な摂取値(取り込み値)を示し、既知のアルゴリズムをPET画像320に適用して、閾値を超える標準的な摂取値と関連付けられた、画像化された身体の様々な容積を識別できる。様々な身体領域に対して異なる閾値を用いることができ、また局所的な臓器または容積でのバックグラウンドの活動に基づくことも可能である。一例を挙げると、ケリー(Kelly)らによる米国特許第9,014,442号に開示のものがあるが、この例では、標準的な摂取値に基づく、関心のある容積の識別が記載されている。ただし、本実施形態はこれに限定されない。
【0020】
PET画像320は、典型的な放射性画像化走査よりも早い走査速度で取得された「PETスカウト(調査)」を含むことができる。より速い走査速度は、より低い走査速度で得られるものと比較して、PET画像320中により低い信号対ノイズ比をもたらし得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、より低い信号対ノイズ比は、摂取容積の決定に対して明瞭な影響を与えず、その一方、従来の走査速度でPET画像320を取得する場合と比較して、図3の全工程をより短時間で有意に完了できる。
【0021】
CT画像310は、PET画像320の取得と実質的に同時期に取得され得る。例えば、PET/CT走査装置のCT画像化システムは、患者がPET/CT走査装置のベッド上で所与の位置で横たわっている間にCT画像310を取得するように操作可能であり、またPET/CT走査装置のPET画像化システムは、患者が所与の位置でベッド上にとどまっている間にPET画像320を取得するように、その直後に操作可能である。CT画像310から決定された解剖学的情報は、PET画像320の取得を計画するために(例えば、全体的な走査範囲)使用され得る。また、CT走査装置とPET走査装置の座標間の幾何学的変更(もしあれば)が知られているため、CT画像310とPET画像320は、互いに実質的に登録(レジスタ)されているとみなすことができる。
【0022】
CT画像310、PET画像320、及び分割された摂取容積の境界を記述するデータが、容積分類部340に入力される。容積分類部340は、各摂取容積を2つまたは複数の分類のうちの1つと関連付けることができる。分類は、上記のように、摂取容積の臨床的関心の度合いを示すことができる。画像350は、摂取容積と、それらの分類を、容積分類部340による出力として表す。幾つかの実施形態によれば、容積分類部340は、1つまたは複数の追加の入力を受信するが、たとえば、ゲノム情報、臨床検査結果(例えば、血液サンプルからのもの)、血統若しくは家系、または以前の走査と現在の走査との間で適用される治療を記述する情報を受信するが、これらに限定されない。
【0023】
容積分類部340は、幾つかの実施形態では、訓練されたニューラル分類ネットワークを含み得る。このネットワークの一例を挙げると、米国特許出願公開第2015/0379365号に開示のものがある。一般的に、容積分類部340は、摂取容積を分類するための分類ネットワークを含むことができ、それは、データのラベル付けされた組に基づいて訓練されており、この際、データの各組は、CT画像、同時期のPET画像、PET画像の分割された摂取容積を記述するデータ、及び分割された摂取容積の各分類を含む。
【0024】
走査範囲及び速度の決定部360は、分類された容積を表すデータを容積分類部340から受信する。上述のように、走査範囲及び速度の決定部360は、受信したデータを用いて、それぞれの走査範囲を表す走査座標の組と、走査座標の各組ごとに、走査速度とを決定する。画像370は、画像350中に示された容積及び分類に基づいて決定された画像化走査の走査範囲及び速度を表す。以上のように、画像150のハッチ部は「正常な」走査速度を示し、ソリッド部は通常よりも遅い走査速度を示す。
【0025】
決定された走査座標及び速度は、走査装置(スキャナ・ハードウエア)160に提供され、走査装置160は、これらのパラメータに基づいて、PET走査を実行するように動作可能となっている。例えば、走査装置160は、連続的なベッド運動の走査をサポートすることができ、またベッドを移動させることでPET走査を実行することができ、それによって、走査範囲と関連付けられた走査速度で、PET走査装置の検出器の間で身体の各操作範囲を移動させる。
【0026】
図4を参照すると、PET/CTシステム400が例示されているが、これは、本明細書に記載の処理のうちの1つまたは複数を実行する。なお、本実施形態は、このシステム400に限定されない。
【0027】
システム400は、中空部(ボア)412を画定した構台(ガントリー)410を含む。当技術分野で知られているように、構台410は、PET画像データを取得するためのPET画像化部位と、CT画像データを取得するためのCT画像化部位とを収容する。PET画像化部位は、当該技術分野で公知のように、任意の構成で任意の数のガンマ・カメラを含み得る。CT画像化部位は、1つまたは複数のX線管(チューブ)と、1つまたは複数の対応するX線検出器(デテクタ)を含み得る。
【0028】
ベッド(床)415及び基部(ベース)416は、ベッド415上に横たわる患者を中空部412の内又は外に移動させるように動作可能である。幾つかの実施形態では、ベッド415は、基部416を超えて移動するように構成されてもよく、他の実施形態では、基部416は、ベッドに沿って、あるいは、ベッドから移動可能に構成されてもよい。
【0029】
中空部412の内又は外への患者の移動によって、構台410のCT画像化部位およびPET画像化部位を用いて、患者の走査を可能にする。このような走査は、走査範囲及び対応する走査速度のような走査パラメータに基づいて処理できる。ベッド415及び基部416は、幾つかの実施形態では、その走査中に、段階的に撮影する移動とは対照的な、連続的なベッド移動を提供できる。
【0030】
制御システム420は、任意の一般的なコンピュータ・システムまたは専用のコンピュータ・システムを含むことができる。従って、制御システム420は、本明細書に記載のようにシステム420を動作させるプロセッサ実行可能プログラム・コードを実行するように構成された1つまたは複数の処理装置422と、プログラム・コードを保存する記憶装置430とを含む。記憶装置430は、1つ又は複数の固定ディスク、ソリッドステート・ランダムアクセスメモリ、及び/または対応するインターフェース(例えば、USBポート)に取り付けられるリムーバブルメディア(例えば、親指大の小型メモリ)を含み得る。
【0031】
記憶装置430は、ハードウエア制御プログラム431のプログラム・コードを保存する。1つ又は複数の処理装置(処理ユニット)422は、ハードウエア制御プログラム431を実行して、PETシステム・インターフェース423及びベッド・インターフェース425と共に、患者を中空部412内に移動させるようにハードウエア部位を制御し、その移動中に、ガンマ・カメラを中空部412の周りで回転するように制御して、その回転中に、所定の画像化位置で中空部412内に位置する身体の二次元放出(エミッション)データを取得してもよい。その移動は、本明細書に記載のように決定される走査範囲と対応する走査速度に基づくことができる。取得されたデータは、放出(エミッション)データ434として記憶装置430内に保存されてもよい。
【0032】
1つ又は複数の処理装置422は、ハードウエア制御プログラム431を実行して、CTシステム・インターフェース424と共に、構台410内の放射線源(放射線ソース)から、異なる投射角度で、中空部412内の身体に向けて放射線を放出させて、対応する検出器を制御して、2次元CTデータを取得してもよい。CTデータは、上述の放出データと実質的に同時期に取得することができ、そしてCTデータ435として保存されてもよい。
【0033】
分割(セグメント化)プログラム432は、上述のように、放出データ434の摂取容積を分割するために実行されてもよい。同様に、分類プログラム433を実行して、分割された摂取容積を分類してもよい。上述のように、この分類は、分割された摂取容積、放出データ434、及び対応するCTデータ435に基づくことができる。
【0034】
また、記憶装置430は、幾つかの実施形態に従う走査表(スキャン・テーブル)436を含む。後述のように、走査表は、特定の診断(例えば、前立腺癌)を臓器または解剖学的領域と関連付けることができ、及びその領域の各々を走査速度と関連付けることができる。従って、走査表436の情報は、本明細書に記載の走査範囲と走査速度の決定に対して情報を与えるように使用され得る。
【0035】
決定された走査範囲と走査速度に基づいて取得されたPET画像は、端末(ターミナル)インターフェース426を介して端末(ターミナル)440に送信され得る。端末440は、表示装置(ディスプレイ装置)及びシステム420に結合された入力装置を含むことができる。端末440は、本明細書に記載のように決定された走査範囲及び走査速度に基づいて取得された、PETスカウト(調査)画像、CT画像、PET画像と、摂取容積、摂取容積の分類、及び/または他の任意の適当な画像またはデータを表示できる。端末440は、データの表示、システム400の操作、及び/または本明細書に記載の処理を制御するためのユーザ入力を受信できる。幾つかの実施形態では、端末440は、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、及びスマートフォンのような別個のコンピュータ装置であるが、これらに限定されない。
【0036】
システム400の部位(構成要素)の各々は、その操作に必要な他の構成要素を含むことができ、さらに、本明細書に記載されたもの以外の機能を提供するために、追加の構成要素を含み得る。
【0037】
図5を参照すると、幾つかの実施形態に従う走査範囲及び走査速度を決定するために、事前に取得されたPET及びCTデータを使用するシステムが例示されている。特に、CT画像505及びPET画像510は、同じ画像化の来院(ビジット)/活動(セッション)中に(例えば、前の走査中、互いに直後に)取得され、CT画像515は、将来の日付に(例えば、「現在の」活動中)取得される。PET画像510は、上述のように、高品質の診断用PET画像またはPETスカウト画像を含み得る。
【0038】
CT画像515の取得後、例えば、システム400等のシステムを使用して、変更可能な登録部(レジストレーション部)520は、当技術分野で公知のように、CT画像505及び515の変更可能な登録を行う。画像505及び画像510が互いに実質的に登録されていると仮定すると、変更可能な登録は、前の画像から現在の画像まで変更分野の登録変更(レジストレーション・トランスフォーメーション)を生じさせる。登録変更は、符号525に示すようにCT画像505に適用され、かつ符号530に示すようにPET画像510に適用されて、現在のCT画像515の座標系に対してそれら画像を登録する。
【0039】
次に、上述のように処理を進めることができる。具体的には、部位535は、PET画像510の登録された変形(バージョン)を受信し、それに基づいて摂取容積を分割する。容積分類部(容積分類器)540は、登録されたCT画像505、登録されたPET画像510、及び分割された摂取容積の境界を記述するデータ545に基づいて、各摂取容積を、2つ又は複数の分類の1つと関連付ける。幾つかの実施形態によれば、部位535及び分類部540の操作は、登録されたCT画像505と登録されたPET画像510に基づいて、人間の専門家による摂取容積の手作業の識別及び分類と置き換えることができる。部位550の決定にさらに情報を与えるために、部位535と分類器540の操作と並行して、手動の識別と分類をかわりに行ってもよい。
【0040】
走査範囲及び速度の決定部550は、容積分類部540から分類された容積を表すデータを受信すると、その受信したデータを用いて、それぞれの走査範囲を表す走査座標の組と、走査座標の各組ごとに、画像545上に示されるように、走査速度を決定する。決定された走査座標と速度は、走査装置565に提供され、走査装置565は、それに基づいてPET走査を実行する。
【0041】
図6を参照すると、図3の実施と同様だが、相違点として臓器/領域の分割部635を含む実装が例示されている。部位635は、CT画像605に基づいて、臓器及び/または領域境界の三次元座標を生成する。このような分割化は当技術分野で公知であり、訓練されたニューラルネットワークの使用を含むことができる。
【0042】
また、図6には、疾患(病気)と臓器/解剖学的領域との間の関連性について事前に構成された走査表と、特定の疾患について関連付けられた各臓器/解剖学的領域用の走査速度を含み得るデータ640が示されている。例示の領域は、別個の器官、リンパ節ステーション、または解剖学的標識の任意の組合せを含み得る。したがって、走査範囲及び速度の決定部630は、容積分類部620から分類された容積を表すデータと、分割部635から臓器及び/または領域境界の三次元座標と、データ640から疾患/領域/走査速度の関連性を受信する。
【0043】
これら入力に基づいて、任意の適当なアルゴリズムを用いて、走査座標及び走査速度の組が決定され得る。幾つかの実施形態では、その決定には、関心のある疾患の識別(例え
ば、端末440へのユーザ入力を介して)、データ640から疾患に関連する臓器及び領域を決定することと、三次元境界座標に基づいてこれらの臓器及び領域に関連する走査範囲を決定することと、データ640中の対応する臓器/領域と関連付けられた走査速度に基づいて各走査範囲に走査速度を割り当てることを含む。その後、各領域に対応する摂取容積の分類に基づいて、割り当てられた速度を修正することができる。例えば、データ640が通常の走査速度を特定の領域と関連付けるが、その領域と関連付けられた摂取容積が疑わしいと識別される場合、部位630は、その領域と関連付けられた走査範囲について、通常よりも遅い走査速度を決定してもよい。
【0044】
図7を参照すると、図6の実装と同様の実装が例示されているが、その際、Muマップ導出部745によって、当技術分野で知られているように、CT画像705からMuマップ(例えば、減衰係数マップ)を導出する。Muマップは、例示のように、走査範囲及び速度の決定部730に対する4番目の入力として提供されている。本実施形態は、部位730に対するこれらの4つの入力及び他の入力の任意の組合せを含むことができる。部位730は、Muマップを利用して、ガンマ線減衰を補償するように、走査速度を調整してもよい。例えば、減衰量を大きくするとカウントが減少し、より遅い走査速度が必要となる。
【0045】
上述の幾つかの実施形態は、PETスカウト画像とCT画像の取得を含む。PETスカウト画像は、品質保証の目的のために、CT画像に先立って取得されてもよい。例えば、放射性トレーサの望ましくない吸収を引き起こすように、患者が動いているか否か、速くできなかったか否かを決定するために、PETスカウト画像が用いられてもよい。そのような場合、患者に対して不必要なCT走査を受けさせないように、画像化処理を中止してもよい。
【0046】
当業者であれば、本特許請求の範囲から逸脱することなく、上記実施形態に対して様々な応用や修正を行うことができるであろう。
従って、本特許請求の範囲は、本明細書に具体的に記載されている仕方とは異なるように実施可能なことを理解されたい。
【符号の説明】
【0047】
110 放出(エミッション)データ
120 分割(セグメント化)及び摂取(取り込み)の分類部(分類器)
130 画像
140 走査範囲及び速度の決定部
150 画像
160 走査装置(スキャナ・ハードウェア)
200 処理(プロセス)
310 CT画像
320 PET画像
340 容積分類部(分類器)
350 画像
360 走査範囲及び速度の決定部
370 画像
400 PET/CTシステム
410 構台(ガントリー)
412 中空部(ボア)
415 ベッド(床)
416 基部(ベース)
420 制御システム
430 記憶装置(メモリ)
440 端末(ターミナル)
540 容積分類部(分類器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7