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7500825キャップを容器のネック部分と整列させるための方法、キャップを容器のネック部分上に螺合させるための方法及びツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】キャップを容器のネック部分と整列させるための方法、キャップを容器のネック部分上に螺合させるための方法及びツール
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
B65B7/28 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023081157
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2020127568の分割
【原出願日】2016-01-14
(65)【公開番号】P2023103384
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】1550070-5
(32)【優先日】2015-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン・ベルク
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス・ヴィルギリ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-219261(JP,A)
【文献】特開平02-282092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 3/00-3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ山付きスクリューキャップをパッケージング容器の相補的なネジ山付きネック部分と整列させるための方法であって、
- スクリューキャップホルダがスクリューキャップ供給ツールに面するようにスクリューキャップホルダを位置決めするステップと;
- 前記スクリューキャップ供給ツールから前記スクリューキャップホルダ内にスクリューキャップを供給するステップと;
- 前記スクリューキャップの係合部分と前記スクリューキャップ供給ツールの相補的な係合部分との間で係合するまで前記スクリューキャップホルダを回転させるステップと;
- 前記スクリューキャップホルダの径方向位置を記録するステップと;
- 前記スクリューキャップ供給ツールから前記スクリューキャップを係合解除するステップと;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのネジ山付き部分を備えるスクリューキャップを、少なくとも1つの相補的なネジ山付き部分を備えるパッケージング容器のネック部分上に螺合させるための方法であって、
- スクリューキャップがパッケージング容器の前記相補的なネジ山付き部分に面するように且つ前記スクリューキャップと前記パッケージング容器との対称軸が整列させられるように、スクリューキャップを保持するスクリューキャップホルダを位置決めするステップと;
- 請求項1に記載の方法において、前記スクリューキャップホルダの径方向位置が記録され、前記記録された所定の径方向位置まで前記スクリューキャップを回転させるステップと;
- 前記パッケージング容器に向かって前記スクリューキャップホルダを移動させるか、又は前記スクリューキャップホルダに向かって前記パッケージング容器を移動させるステップと;
- 前記スクリューキャップが前記相補的なネジ山付き部分上に螺合させられるように、前記パッケージング容器の前記相補的なネジ山付き部分と係合する方向に前記スクリューキャップホルダを、従って前記スクリューキャップを回転させるステップと;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
ネジ山付きスクリューキャップをパッケージング容器の相補的なネジ山付きネック部分と整列させるための方法に使用されるツール(300)であって、
- 本体(310)と;
- 前記本体(310)と連結する頂端部分(320)であって、前記スクリューキャップと係合するように構成された、頂端部分(320)と;
- 前記ツール周りに前記スクリューキャップを回転させるとき又は前記スクリューキャップ内で前記ツールを回転させるときに前記スクリューキャップ上の少なくとも1つの相補的な係合部分と係合するための少なくとも1つの係合部分(324)と;
を備え、
前記係合部分が、前記スクリューキャップ上の相補的な係合手段と係合するように構成された少なくとも3つのショルダ部分を備え、前記少なくとも3つのショルダ部分が、前記頂端部分の円周に沿って配置され、且つ前記頂端部分の中心と径方向で整列させられている、ツール(300)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ山付きスクリューキャップをパッケージング容器の相補的なネジ山付きネック部分と整列させるための方法に関する。また、本発明は、少なくとも1つのネジ山付き部分を備えるスクリューキャップをパッケージング容器のネック部分上に螺合させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネジ山付きネック部分を有する容器のためのスクリューキャップは、非常に長い間、当技術分野で公知である。
【0003】
通常、スクリューキャップ及びネック部分の双方は、ポリマー材料から作られ、キャップをネック上に螺合させるために1つ以上の相補的なネジ山付き部分を備える。食品パッケージング産業では、ボトルのような形状を有するパッケージング容器が、周知であり、これらパッケージング容器は、積層された紙材料からなる本体部分と、ネジ山付きネック部を含む、ポリマー材料からなる頂部部分と、を有する。このようなパッケージング容器の例は、テトラ・トップ(商標)、テトラ・エベロ(商標)及びテトラ・エベロ・アセプティック(商標)であり、これらのうちの後者は、パッケージング容器内に収容された食品のより長い貯蔵時間のために、積層された紙材料の一部としてアルミニウムホイルの形態の酸素バリアをさらに備えている。
【0004】
紙材料のウェブが、いくつかの外側ポリマー材料とともに積層され、折り曲げられ且つ接合されて中空のパッケージング容器本体を形成した後に、ネジ山付きネック部を備える頂部部分が、本体上に射出成形される。本体は、段落[0003]で言及されたパッケージング容器から明らかなように頂部部分と異なる材料からなってもよい。次のステップでは、スクリューキャップ閉めユニットが、通常ではポリマー材料から作られ且つネジ山付きネック部と相補的なネジ山を有するネジ山付きキャップをパッケージング容器のネック部上に螺合させる。次のステップでは、パッケージング容器の中空側が、収容される食品で充填され、その後、容器の中空端部が、折り曲げられて密封される。キャップ閉めプロセスの1つの考えられ且つ公知の実施では、射出成形された頂部部分を有する中空のパッケージング容器本体が、回転ドラム内に供給され、且つスクリューキャップがスクリューキャップホルダに供給された所定距離にある間にスクリューキャップホルダに面するように回転させられることが言及されるべきである。パッケージング容器及びスクリューキャップホルダの双方が、それらの径方向位置にロックされる間に、スクリューキャップは、パッケージング容器の頂部部分に向かって回転して移動させられてパッケージング容器のネック部分上に螺合させられる。
【0005】
実験は、このようにキャップ閉めされたパッケージング容器のわずかながら一部が、キャップと、容器のネック部と、の間の誤整列を表すことを示す。
【0006】
誤整列の1つの理由は、キャップに対する保管状態、例えば温度及び水分であり、これらは、キャップ材料の膨張係数に影響を与える可能性がある。別の理由は、スクリュー取付ツール(チャック)とスクリューキャップとの間の相対位置の不正確性である。このような誤整列は、ネックへのキャップの若干傾斜した取付につながり、従って十分に密封されていない容器では、ネック部上のネジ山付き部分と、キャップ自体上のネジ山付き部分と、が損傷されるか、又はボトルを開けることが容易になりすぎる。これらのずれを有する容器は、廃棄される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いかなる場合であっても、キャップ閉めされたパッケージング容器のより良好な密封と、より低い廃棄率と、につながる、上述した問題の少なくともいくつかを解消することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
本発明の一側面は、パッケージング容器の相補的なネジ山付きネック部分とネジ山付きスクリューキャップを整列させるための方法によって規定される。当該方法によれば、スクリューキャップホルダは、スクリューキャップ供給ツールに面するように位置決めされ、スクリューキャップホルダは、当該スクリューキャップ供給ツールからスクリューキャップを受け取る。スクリューキャップホルダは、スクリューキャップの係合部分と、供給ツールの相補的な係合部分と、の間で係合するまで回転させられる。スクリューキャップホルダの径方向位置は記録され、スクリューキャップは供給ツールから係合解除される。
【0023】
スクリューキャップホルダが、供給ツールに向かって移動するか、又はスクリューキャップホルダ及び供給ツールの双方が互いに向かって移動してもよいことが、言及される。
【0024】
係合解除は、係合から離れる方向にスクリューキャップを回転させることと、供給ツールからスクリューキャップを後退させることと、によって行われてもよい。
【0025】
最後に、本発明のさらに別の側面は、少なくとも1つの相補的なネジ山付き部分を備えるパッケージング容器のネック部分にスクリューキャップを螺合させるための方法によって規定される。方法は、スクリューキャップがパッケージング容器のネジ山付き部分に面するように且つスクリューキャップとパッケージング容器との対称軸線が整列させられるように、スクリューキャップを保持するスクリューキャップホルダを位置決めするステップによって行われる。スクリューキャップホルダは、スクリューキャップ供給ツールとの整列ステップ中に記録された所定の径方向位置までスクリューキャップを回転させる。スクリューキャップホルダは、パッケージング容器に向かって移動するか、又はパッケージング容器は、スクリューキャップホルダに向かって移動し、キャップがネジ山付き部分上に螺合させられるように、パッケージング容器のネジ山付き部分と係合する方向にスクリューキャップホルダを、従ってスクリューキャップを回転させる。
【0026】
このようにして、スクリューキャップは、スクリューキャップが螺合されるパッケージング容器のネック部分に対して明確に規定された径方向位置を常に有し、誤整列が最小化される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】キャップ取付装置を示す。
図2A】本発明によるスクリューキャップの一参考形態を示す。
図2B】本発明によるスクリューキャップの一参考形態を示す。
図2C】本発明によるスクリューキャップの一参考形態を示す
図3A】本発明による装填ピストンの一実施形態を示す。
図3B】本発明による装填ピストンの一実施形態を示す。
図3C】本発明による装填ピストンの一実施形態を示す。
図4】本発明の方法の一実施形態による、スクリューキャップ及び装填ツールの整列を示すフローチャートを示す。
図5】本発明の方法の他の一実施形態による、スクリューキャップ取付ユニットによるスクリューキャップの螺合を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態が、当業者が本発明を実行することが可能となるように、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとみなされるべきではない。実施形態は、本発明を限定せず、本発明は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、添付の図面に示された特別な実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定するよう意図されない。
【0029】
図1は、パッケージング容器上にスクリューキャップを取り付けるためのキャップ取付組立体100を示す。ここで、パッケージング積層ウェブが切断されて中空のパッケージング容器本体に折り曲げられるとともに、ネジ山付きネック部分を備えるポリマー部分がパッケージング容器の頂部に射出成形されると、パッケージング容器は、キャップ取付組立体100まで前進させられることが言及されるべきである。キャップ取付組立体100は、軸線A-A周りに回転可能なドラム130と、パッケージング容器を受け取るためのチューブ状開口部132と、を備えている。さらに、キャップ取付組立体100は、ドラム130からキャップ閉めステーションにパッケージング容器を供給するストリッパユニット110を備え、キャップ閉めステーションでは、スクリューキャップがパッケージング容器のネジ山付きネック部分に取り付けられる。その後、ストリッパユニット110は、キャップ閉めステーション120から離れる方向にパッケージング容器を移動させ、キャップ取付ステーション120に新たなパッケージング容器を設置する。新たなパッケージング容器がキャップ閉めステーション120に供給される間に、スクリューキャップ取付ユニット140は、図1の矢印の方向に、B-B軸線に沿って下方に且つC-C軸線に沿って前方に移動し(前方はドラム130に向かう方向を意味する)、これにより、スクリューキャップ操作ユニット(図示せず)からスクリューキャップを捕捉する。スクリューキャップは、スクリューキャップホルダ又はチャック150内にピストン(図示せず)上で供給される。そして、スクリューキャップ取付ユニット140は、矢印の方向に、B-B軸線に沿って上方に且つA-A軸線に沿って後方に(すなわちドラム130から離れる方向に)移動し、これにより、スクリューキャップを保持するチャック150をキャップ閉めステーション120内のパッケージの前に位置決めする。最後に、スクリューキャップ取付ユニット140は、チャック150を回転させつつ、パッケージング容器は、チャック150に向かって移動させられる。このやり方で、チャック150内に保持されたスクリューキャップは、パッケージング容器のネジ山付きネック部分上に螺合させられる。螺合ステップが完了すると、ストリッパユニット110は、パッケージ充填ステップへキャップ閉めステーション120から離れる方向に、このように閉じられたパッケージング容器を移動させ、パッケージ充填ステップでは、キャップ端部の反対側の端部で中空であるパッケージング容器が食品で充填され、且つパッケージング容器の開放端部がともに整理折り曲げられて密封される。同時に、新たなパッケージング容器がキャップ閉めステーション120に供給され、スクリュー取付サイクルが再び新たに始まる。
【0030】
図2Aは、本発明の一参考形態によるパッケージング容器のためのスクリューキャップ200の平面図である。図2Bから分かるように、例示的なスクリューキャップは、頂面212及び底面214を有するベース部210を本質的に備え、面21は、パッケージング容器の開放注ぎ口(図示せず)に向けられ、スクリューキャップは、開放注ぎ口上に取り付けられる。スクリューキャップは、第1の隆起型環状部分220をさらに備え、第1の隆起型環状部分220は、ベース部210からベース部210の面212の方向に延在し、且つベース部の周囲に沿って延在している。この環状部分は、パッケージング容器のネック部分上に螺合されるために環状部分が準備されるときに図1で説明したキャップ取付ユニットのキャップホルダ150によって保持され、このパッケージング容器のタイプは本明細書の背景技術で述べてある。環状部分220の外面は、密閉パッケージング容器が開かれるときにスクリューキャップの把持を容易にする鉛直リブを備えていても備えていなくてもよい。さらに、例示的なスクリューキャップ200は、第2の隆起型環状部分230も備え、第2の隆起型環状部分230は、スクリューキャップ200の中心軸線C-Cを中心とし、且つ第1の隆起型環状部分220の高さよりも実質的に低い高さまで延在している。加えて、図2Aの実施形態によるスクリューキャップ200は、面21に配置された3組の突出部242及び凹部244を備える係合部分240も備えている。図2Aから明らかなように、3つの係合手段240は、スクリューキャップ200の対称軸線C-Cを中心とした円上に配置され、対称軸線C-Cは、底面が配置される平面と垂直である。この特別な実施形態では、突出部242及び凹部244は、互いに平行に且つ接近して配置されている。図2Aにおいて3つの係合部分240の間の角度αによって示される角度分離は約120°であるが、分離は一様である必要はなく、係合部分240の数は3つに関係する必要もない。いかなる数の係合部分が、一様に分離されることなく配置されてもよい。
【0031】
図2Bは、図2のスクリューキャップ200を軸線A-Aに沿った断面図で示している。スクリューキャップ200は、第1の隆起型環状部分220の内面222に複数のネジ山を備え、これら複数のネジ山のうちの第1のネジ山252及び第2のネジ山254が示されており、複数のネジ山は、パッケージング容器のネック部分上に配置された相補的なネジ山にキャップ200を螺合させることを可能にし、従って容器を密閉することを可能にする。2つのネジ山は、面212からパッケージング容器(図示せず)のネック部分の方向に見ると、下っている。スクリューキャップ200の考えられる一変形例では、3つのネジ山があり、これら3つのネジ山のうちの1つが図2Bには示されておらず、3つのネジ山の各ネジ山は、図2Aで示した1つの係合部分240に整列させられている。2つのネジ山及び係合部分240は、各ネジ山の始点、例えば第2のネジ山254の始点255が係合部分240の突出部242の一端と鉛直方向で整列させられるように、整列させられている。この構成の重要性は、後の文章において説明する。
【0032】
係合部分240の目的は、対応するキャップ装填ツール、例えば装填ピストン300と係合することであり、これにより、装填ピストン300の頂部上に配置されたショルダ部分が係合部分240と係合することを可能にする。下記の文章でさらに説明されるスクリューキャップ整列手順中に、スクリューキャップ200と装填ピストン300との間の係合は、スクリューキャップ200のさらなる回転を防止する。係合に起因して回転方向でロックされる間に、ロックされたスクリューキャップ位置は、パッケージング容器の相補的なネジ山付きネック部分の始点に達するために、後のスクリューキャップ取付プロセスで使用される。スクリューキャップの係合部分240のための突出部242及び凹所244を使用することは、装填ピストン300の相補的なショルダ部分との係合が非常に小さい遊びで達成されるという追加的な利点を有する。従って、装填ピストン300に係合されたときに達成されるスクリューキャップ200の回転位置は、さらにより正確に決定することができる。従って、スクリューキャップ200の係合部分240と装填ピストン300のショルダ部分との間の減少された遊びは、スクリューキャップ200をパッケージング容器の相補的なネジ山付きネック部分に取り付けるときに精度を増大させ、従って容器のより良好な密封を達成する。
【0033】
このような例示的な装填ツールは、図3Aから図3Cに示してある。この場合について、後の文章において説明する。
【0034】
図2Cは、図2Aのスクリューキャップ200を軸線E-Eに沿った断面図で示しており、図2Cでは、特に、上述した係合部分240の1つの拡大図が示してある。
【0035】
図2Cの拡大図から分かるように、係合部分240は、鉛直部分及び水平部分とさらに1つの下降部分とを有する突出部242を備えている。さらに、突出部242は、突出部242の鉛直部分に隣り合う凹部244を備え、凹部244は、下降部分及び弧状部分を備えている。係合部分のこの構造は、スクリューキャップ200の係合部分240と係合される装填ピストンのショルダ部分が、凹所244の弧状部分にとどまり、スクリューキャップ200のさらなる回転運動が、極めて小さな遊びで突出部242の鉛直部分によって制限されることを保証する。しかしながら、係合部分として突出部のみを備えるスクリューキャップ200を製造することが可能であり、これは、装填ピストンのショルダ部分とスクリューキャップの係合部分との間のいくらかの遊びをもたらすが、それでもスクリューキャップとパッケージング容器のネック部分との間の十分な整列につながる。
【0036】
続いて、図3Aは、キャップ200をチャック内に押し込み且つキャップを定位するためのツールとして使用される装填ピストン300の例示的な実施形態を示している。
【0037】
図3Aから分かるように、装填ピストン300は、シリンダ状本体310と頂部320とベース330とを備えるシリンダ形状を有する。頂部320は、円錐状部分328からなり、円錐状部分328の頂部では、ショルダ324を有する環状部分322が位置しており、ショルダ324は、相補的な係合部分として環状部分322の周囲に沿って配置されている。装填ピストン300は、装填ピストン300の頂部320に形成された陥凹部326も備え、これにより、例えば図2Bで見ることができる、スクリューキャップの中心の若干の突出部と接触しない。
【0038】
装填ピストン300のこの実施形態では3つが存在するショルダ324の機能は、図2Aのスクリューキャップ200上の係合部分240と係合することである。この実施形態では、装填ピストン300は、スクリューキャップ上の係合部分240の数と一致するように3つのショルダを有しているが、装填ピストン300は、相補的な係合部分のための任意の形状と、スクリューキャップ上の係合部分と係合することができるように製造されたこれら相補的な部分の任意の数と、を有してもよい。係合手段が、装填ピストン300の相補的な係合部分と係合することができ、スクリューキャップと装填ピストンが係合されるときにスクリューキャップ内での装填ピストン300の制限された移動につながるのであれば、係合手段が、図2Dに示されたものと異なる形状を有してもよいことを念頭に置くべきである。
【0039】
装填ピストン300のベース330に関して、ベース330は、供給ユニットへの取り付けのための円錐状ボア336及び円錐状孔334を備え、供給ユニットは、図1で説明したスクリューキャップホルダ150内に新たなスクリューキャップを供給するように構成されている。
【0040】
バネ(図示せず)が、円錐状ボア336内に配置されてもよく、そのテンションが、装填ピストンに対してチャック150を回転させるサーボモータによって使用することができ、これにより、装填ピストン300のショルダ部分324と、スクリューキャップ200の対応する係合部分240と、の間の係合の位置を検出する。
【0041】
しかしながら、円錐状ボア336内のバネの存在は、この動作のために必須ではない。
【0042】
それらは、チャックのいくつかのセットであってもよく、各チャックは、異なるサイズのキャップを螺合させるように構成され、且つ可能であれば異なるスクリューキャップの異なる係合部分との係合を達成するためにキャップの相補的な係合部分内に適合されることが言及される。
【0043】
続いて、パッケージング容器のネジ山付きネック部分に対するスクリューキャップ定位及び整列のプロセスが、図4及び図5に描かれたフローチャートを用いて説明される。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態によるキャップ定位方法のステップを示している。スクリューキャップが、図1で説明したキャップ取付ユニットのチャックまで装填ピストンによって運ばれたときには、スクリューキャップの中心軸線C-Cに対するスクリューキャップの回転位置と、チャックに対するスクリューキャップの回転位置と、は分かっていない。上記の文章で述べたように、この規定されていない回転関係は、キャップ取付ユニットがキャップをネック部分に螺合させるときに、スクリューキャップと、パッケージング容器のネック上の相補的なネジ山付き部分と、の間の誤整列につながる可能性がある。従って、キャップ配向の目的は、キャップの明確に規定された回転位置を達成することであり、この位置は、後に、キャップのパッケージング容器への整列された螺合のために使用される。
【0045】
ここで、ステップ410では、スクリューキャップ、例えば図2Aから図2Dに示したスクリューキャップ200は、ピストン上に装填され、ピストン上で静止して保持される。ピストンは、チャックに向かってC-C軸線に沿って移動させられる。同時に、チャック、例えば図3Aから図3Cに示したチャック300が取り付けられたサーボモータは、キャップがチャック内に装填された後に、チャックの中心軸線周りにチャックを回転させる。キャップ取付ユニットの構造に応じて、チャックが取り付けられたサーボモータは、スクリューキャップが装填された静止したピストンに向かって移動するか、又はチャックとともにサーボモータと、スクリューキャップとともにピストンと、の双方が互いに向かって移動する。
【0046】
ステップ430では、サーボモータは、スクリューキャップの係合部分が装填ツールの相補的な係合部分と接触しているかどうかを確認する。これは、トルクの増大を検出するための特別な手段が配置されていない場合には、チャックの移動の停止として検出することができる。スクリューキャップと装填ツールとの間の係合は、サーボモータの停止にもつながる。そして、ステップ440では、チャックの回転位置が、例えばサーボモータに接続された内部メモリ内に記録される。チャックとスクリューキャップとの係合が検出することができなかった場合、サーボモータは、停止し、且つ回転整列を知ることなくキャップ閉めルーチンに進む。
【0047】
次のステップ450では、スクリューキャップは、係合とは反対方向にサーボモータにより回転させられることによって、装填ピストンの係合部分から係合解除される。
【0048】
最後に、ステップ460では、装填ピストンは、チャック及びキャップから離れるように中心軸線C-Cに沿う方向に移動させられる。
【0049】
これらのステップが完了した後に、チャックは、スクリューキャップに対して正確に規定された回転位置を有することができ、このため、スクリューキャップと、パッケージング容器のネジ山付きネック部分と、の誤整列のリスクが最小化される。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態によるスクリューキャップ取付方法をフローチャートの形態で示している。
【0051】
ステップ510では、サーボモータは、スクリューキャップに対するチャックのすでに保存された回転位置を読み出し、保存された回転位置に関して新たな位置にチャックを回転させ、従って、キャップ及びネックが係合すると、キャップ及びネックは互いに当って完全に整列される。
【0052】
ステップ530では、サーボモータは、パッケージング容器上の特定の位置にチャック位置をロックする。これは、仮想的なカムシャフトによりなすことができる。通常、実際の機械的カムシャフトを使用すると、カムシャフトが、どのように他のシャフトがカムシャフトの位置に対して回転すべきかを決定することができる。このケースでは、このような機械的カムシャフトは、仮想的に形成され、他のサーボモータカムシャフトは、仮想的な機械的カムシャフトに対して回動する。このようにして、スクリューキャップ上のネジ山の開始部は、パッケージング容器のネック部分の特定の回転位置と整列され、このため、キャップがネック上に螺合されると、キャップは、ネック部分上の所定のスポットに達する。
【0053】
最後に、ステップ540では、キャップが、図1で説明したステップを使用してパッケージング容器上に螺合される。
【0054】
スクリューキャップの係合部分と装填ピストンとが、特定の一実施形態について説明されたが、スクリューキャップ及び装填ピストンは、係合部分がスクリューキャップの外面212に配置されるように製造されることも可能であることが言及されるべきである。また、スクリューキャップの係合部分は、キャップのネジ山の開始部と鉛直方向で整列される必要があるが、開始部から所定の回転距離に配置されてもよい。同様に、スクリューキャップに配置された突出部及び凹部の代わりに、突出部及び凹部が装填ピストン上に配置されるとともに、相補的な係合部分がスクリューキャップに配置されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
200 スクリューキャップ、210 ベース部分、212 頂面、214 底面、220 環状部分、222 外面、224 内面、240 係合部分、242 突出部、244 凹部、252 ネジ山付き部分、300 ツール、310 本体、320 頂端部分、324 係合部分
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5