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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】釣竿用リールシート及び釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/06 20060101AFI20240610BHJP
   A01K 87/08 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
A01K87/06 B
A01K87/08 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023082672
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2020078911の分割
【原出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2023103435
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】川村 拓司
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕一
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-182677(JP,U)
【文献】米国特許第00950656(US,A)
【文献】実開昭62-134912(JP,U)
【文献】特開2000-032883(JP,A)
【文献】実開平05-091326(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/06
A01K 87/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール脚が載置されるリール脚載置部と、案内・係止溝と、が形成されたリールシート本体と、該リールシート本体の案内・係止溝に案内・係止される案内・係止突起を備え、該リールシートの軸線方向に沿って移動可能に構成された筒状の移動フードと、を備えた釣竿用リールシートであって、
前記案内・係止突起は、前記移動フードの内面に形成され、前記案内・係止溝は、前記リールシート本体の外面に形成され、前記案内・係止突起が前記案内・係止溝に係止された状態で、前記案内・係止溝全体は前記移動フードに覆われるものであり、該案内・係止溝は、該リールシートの軸線方向若しくは該軸線方向から傾斜して延びる第1の溝部と、該第1の溝部から、該リールシートの軸線方向に垂直な方向若しくは該リールシートの軸線方向に垂直な方向から傾斜して延びる第2の溝部と、を備えることを特徴とする、釣竿用リールシート。
【請求項2】
前記第1の溝部は、該リールシートの軸線方向に対して-20度から20度の範囲で傾斜して延びる、請求項1に記載の釣竿用リールシート。
【請求項3】
前記第2の溝部は、該リールシートの軸線方向に垂直な方向に対して-20度から20度の範囲で傾斜して延びる、請求項1又は2に記載の釣竿用リールシート。
【請求項4】
前記第2の溝部は、直線状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項5】
前記第2の溝部は、少なくともその一部が曲線状に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項6】
前記第1の溝部の、前記第2の溝部が形成された側とは反対側の端部は切り欠かれている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項7】
前記第1の溝部の、前記第2の溝部が形成された側とは反対側の端部は丸み付けされている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシート。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の釣竿用リールシートを備えた釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿にリールを固定するための釣竿用リールシート及びこれを備えた釣竿に
関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿にリールを固定するための釣竿用リールシートとして、リールシート本体に外装さ
れる筒状の可動フードを備えたものが知られている。このようなリールシートでは、リー
ルシート本体の上側又は下側にリール脚を載置するためのリール脚載置部が形成され、左
右両側にはそれぞれ案内溝が形成される。
【0003】
このようなリールシートは、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1では、
リールの脚部を取付ける支持材の支持部の内面に弾性を有する資材を設けた釣竿用シート
が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、移動受座の後部両側に設けた保持窪の前縁に切欠溝を削設し、
移動受座の後部両側に設けた保持窪の後縁にストッパーを突設した釣竿用リールシートが
開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭52-1688号公報
【文献】実開昭54-027084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る態様では、リールを固定するためにらせん部5に移動
可能にねじ嵌合したリング6を複数回回すのに時間を要し、また支持材やらせん部を設け
る必要があるために重量が増大してしまうという問題があった。また、特許文献2に係る
態様でも、移動受座をスライドさせてリールに固定するため、緊止爪を鋸状係止溝の各溝
に噛合わせる必要があり、固定を行うのに時間が掛かり、またこれらの部材を設ける必要
があるために重量が増加してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リール脚
を固定するための構造を簡易かつ軽量なものとしつつ、リール脚を確実に固定することに
ある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートは、リール脚が載置されるリール脚載置
部と、案内・係止突起と、が形成されたリールシート本体と、該リールシート本体の案内
・係止突起に案内・係止される案内・係止溝を備え、該リールシートの軸線方向に沿って
移動可能に構成された筒状の移動フードと、を備え、該案内・係止溝は、該リールシート
の軸線方向若しくは該軸線方向から傾斜して延びる第1の溝部と、該第1の溝部から、該
リールシートの軸線方向に垂直な方向若しくは該リールシートの軸線方向に垂直な方向か
ら傾斜して延びる第2の溝部と、を備えるよう構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第1の溝部は、該リール
シートの軸線方向に対して-20度から20度の範囲で傾斜して延びるよう構成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第2の溝部は、該リール
シートの軸線方向に垂直な方向に対して-20度から20度の範囲で傾斜して延びるよう
構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第2の溝部は、直線状に
形成されている。また、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第
2の溝部は、少なくともその一部が曲線状に形成されている。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第2の溝部は、第1の部
分と第2の部分を有し、該第1の部分は該リールシートの軸線方向に垂直な方向に対して
-20度から20度の範囲で傾斜して延び、該第2の部分は該リールシートの軸線方向に
垂直な方向に対して-20度から20度の範囲で傾斜して延びるよう構成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第2の溝部は、第1の部
分と第2の部分を有し、該第1の部分は該リールシートの軸線方向に垂直な方向に対して
-20度から20度の範囲で傾斜して延び、該第2の部分は曲線状に延びるよう構成され
る。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第1の溝部の、当該第2
の溝部が形成された側とは反対側の端部は切り欠かれている。また、本発明の一実施形態
に係る釣竿用リールシートにおいて、当該第1の溝部の、当該第2の溝部が形成された側
とは反対側の端部は丸み付けされている。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、上記いずれかの釣竿用リールシートを備えるよう構
成される。
【発明の効果】
【0016】
上記実施形態によれば、リール脚を固定するための構造を簡易かつ軽量なものとしつつ
、リール脚を確実に固定することが可能な釣竿用リールシート及びこれを備えた釣竿を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
図4a】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
図4b】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートを示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードを説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードを説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードを説明する図である。
図8】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードの案内・係止溝を説明する図である。
図9】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードの案内・係止溝を説明する図である。
図10】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードの案内・係止溝を説明する図である。
図11】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードの案内・係止溝を説明する図である。
図12】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードの構造を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシートの移動フードの案内・係止溝を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明す
る。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0019】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実
施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2に釣竿用リールシート9を介して取り付けられ
たリール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態に
おいては、釣竿用リールシート9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付け
られる取付部品に該当する。また、図1では、リール6としてベイトリールが設けられ
ているが、リール6としてスピニングリールが設けられるようにしてもよい。
【0020】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成され
ている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先
竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式
により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0021】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている
。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂
プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化
させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば
、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる
。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。ま
た、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0022】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、釣竿用リールシート9に
装着されるリール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド
10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設
けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設け
られている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられるが、詳細は省略する
【0023】
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9について説明
する。本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9は、魚釣用リール6のリール脚6
aが載置されるリール脚載置部12aをその軸方向に沿って有するリールシート本体12
を備えている。リールシート本体12は、全体として筒状に形成されている。リールシー
ト本体12は、例えば、60-160mmの長さを有するよう構成できるが、これに限ら
れない。
【0024】
また、このリールシート本体12は、リール脚載置部12aの反対側を僅かに膨出させ
、握持する手で握り込んだときに、母指球またはその近部を支えることで握持し易い湾曲
形状の外面を有する握り部12bを形成してある。
【0025】
リールシート本体12のリール脚載置部12aは、平坦または、リールシート本体12
のリール脚載置部12aに隣接する他の周方向の部位(例えば握り部12b)よりも大き
な曲率をもって略平坦に形成することができ、かつ、図2に示すリールシート本体12の
軸方向に延びた状態に形成されている。リールシート本体12には、一端(竿元側)に固
定フード14が一体的に配設されている。リールシート本体12のリール脚載置部12a
の一端は、固定フード14の内部に配設されている。
【0026】
リールシート本体12には、他端(竿先側)に移動フード22が軸方向に移動自在に装
着される。本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9の詳細は後述する。
【0027】
次に、図3、4を参照して、本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9について
さらに説明する。前述のように、本発明の一実施形態による釣竿用リールシート9は、魚
釣用リール6のリール脚6aが載置されるリール脚載置部12aをその軸方向に沿って有
するリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、全体として筒状に形
成されている。また、リールシート本体12は、合成樹脂(例えばポリアミド系合成繊維
やABS樹脂等)あるいは金属(例えばSUS、アルミニウム、チタン、真鍮等)等の適
宜の材料から形成されている。
【0028】
リールシート本体12のリール脚載置部12aは、平坦または、リールシート本体12
のリール脚載置部12aに隣接する他の周方向の部位(例えば握り部12b)よりも大き
な曲率をもって略平坦に形成され、かつ、図2および図3に示す上側にリールシート本体
12の軸方向に延びた状態に形成されている。リールシート本体12は、一端(竿先側)
に固定フード14が一体的に配設されている。リールシート本体12のリール脚載置部1
2aの一端は、固定フード14の内部に配設されている。
【0029】
図5-12を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9の詳細につき
説明する。図5、6、7に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9
は、リール脚6aが載置されるリール脚載置部12aと、案内・係止突起8と、が形成さ
れたリールシート本体12と、該リールシート本体12の案内・係止突起8に案内・係止
される案内・係止溝16を備え、該釣竿用リールシート9の軸線方向に沿って移動可能に
構成された筒状の移動フード22と、を備えるようにされる。
【0030】
次に、図8に示すように、該案内・係止溝16は、該釣竿用リールシート9の軸線方向
(X)若しくは該軸線方向(X)から傾斜して延びる第1の溝部17と、該第1の溝部1
7から、該釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に垂直な方向(Y)若しくは該釣竿用
リールシート9の軸線方向(X)に垂直な方向(Y)から傾斜して延びる第2の溝部18
と、を備えるよう構成される。ここで、リールシート本体12の案内・係止突起8に代え
て、これに案内・係止される案内・係止溝16を備えるように構成することができる(以
下同様)。その場合、移動フード22は、案内・係止突起8を備えるように構成される(
以下同様)。
【0031】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9によれば、リール脚を固定するための
構造を簡易かつ軽量なものとしつつ、リール脚を確実に固定することが可能となる。
【0032】
再度図5、6、7を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9におけ
る、案内・係止突起8と同突起8に案内・係止される案内・係止溝16との案内状態及び
係止状態について説明する。
【0033】
まず、図5は、リールシート本体12に筒状の移動フード22が取り付けられて、該リ
ールシート本体12の案内・係止突起8が該移動フード22の案内・係止溝16に到達し
たときの状態を示している。このような状態から、該案内・係止突起8の案内・係止溝1
6による案内が開始される。
【0034】
次に、該案内・係止突起8の案内・係止溝16による案内されると、筒状の移動フード
22がリールシート本体12をさらに覆うような状態となる。図6は、案内・係止突起8
が案内・係止溝16の第1の溝部17の終点まで案内された状態を示している。
【0035】
その状態から、筒状の移動フード22をリールシート本体12の周方向に回転させると
、該案内・係止突起8は案内・係止溝16の第2の溝18により案内される。図7は、案
内・係止突起8が案内・係止溝16の第2の溝部18の終点まで案内されかつ該案内・係
止突起8が案内・係止溝16の第2の溝18の端部に係止された状態を示している。これ
により、リール脚の固定において、釣竿の軸方向に対して、水平方向、垂直方向及び上下
方向の拘束が可能となる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該第1の溝部17は、該
釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に対して-20度から20度(±20度)の範囲
で傾斜して延びるよう構成されていてもよい。これにより、リール脚を確実に固定するこ
とが可能となる。
【0037】
図8に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該第
2の溝部18は、該釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に垂直な方向(Y)に対して
傾斜して延びるようにされ、例えば、-20度から20度(±20度)の範囲の角度で傾
斜して延びるよう構成される。これにより、リール脚を確実に固定することが可能となる
【0038】
ここで、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、当該第2の溝部1
8は、直線状に形成してもよい。
【0039】
また、図9に例として示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9に
おいて、当該第2の溝部18は、少なくともその一部が曲線状に形成されていてもよい。
これにより、リール脚を確実に固定することが可能となるだけでなく、固定加減を調節し
易くなる。
【0040】
また、図10に例として示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9
において、当該第2の溝部18は、第1の部分23と第2の部分24とを有し、該第1の
部分23は該釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に垂直な方向(Y)に対して-20
度から20度(±20度)の範囲で傾斜して延び(図示の例では傾斜角度は凡そ10度)
、該第2の部分24は該釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に垂直な方向(Y)に対
して-20度から20度(±20度)の範囲で傾斜して延びる(図示の例では傾斜角度は
0度)よう構成される。これにより、リール脚を確実に固定できるだけでなく、移動フー
ド22の固定力が向上し、釣りの最中にリールが脱落等することを的確に防止することが
可能となる。
【0041】
また、図9に例として示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9に
おいて、当該第2の溝部18は、第1の部分23と第2の部分24を有し、該第1の部分
23は該釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に垂直な方向(Y)に対して-20度か
ら20度(±20度)の範囲で傾斜して延び、該第2の部分24は曲線状に延びるよう構
成される。これにより、リール脚を確実に固定できるだけでなく、移動フード22の固定
力が向上し、釣りの最中にリールが脱落等することを的確に防止することが可能となる。
【0042】
また、図8に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において、
当該第1の溝部17の、当該第2の溝部18が形成された側とは反対側の端部11は切り
欠かれている。これにより、案内・係止突起を容易に溝部に案内することが可能となる。
【0043】
また、図11に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9において
、当該第1の溝部17の、当該第2の溝部18が形成された側とは反対側の端部11は丸
み付けされている。これにより、案内・係止突起を容易に溝部に案内することが可能とな
る。
【0044】
図12は、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9の移動フード22の形状の
一例を示すものである。前述の通り、移動フード22は円筒状に形成され、移動フード2
2の開口部(押圧部)19は、その入口側がリールシート本体12及びリール脚6aを収
容するために拡開されると共に、リールシート本体12に載置されたリール脚6aを移動
フード22開口部(押圧部)19で押圧するようにして固定する。図示のように、該移動
フード22はその内周面に上述の案内・係止溝16が形成されている。
【0045】
次に、図13を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9の移動フー
ド22の案内・係止溝16を説明する。図13に示すように、該案内・係止溝16は、該
釣竿用リールシート9の軸線方向(X)若しくは該軸線方向(X)から傾斜して延びる第
1の溝部17と、該第1の溝部17のいずれかの部分から、該釣竿用リールシート9の軸
線方向(X)に垂直な方向(Y)若しくは該釣竿用リールシート9の軸線方向(X)に垂
直な方向(Y)から傾斜して延びる複数の第2の溝部18(図示の例では2つの第2の溝
部)と、を備えるよう構成してもよい。
【0046】
このようにして、異なる複数のサイズのリール脚に応じて、複数の第2の溝部18の中
からより適切な溝部を使用して、釣竿用リールシート9の移動フード22が該リール脚を
リールシート本体に固定することが可能となる。
【0047】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9の移動フード22の案内・係止溝16
の第1の溝部17の形状、構造等は、種々様々考えられ、図5-11及びこれらを説明し
た既述の記載と同様に構成することもできるし、その他の態様としてもよい。なお、適宜
必要に応じて、第1の溝部17を複数設けるよう構成してもよい。また、本発明の一実施
形態に係る釣竿用リールシート9の移動フード22の案内・係止溝16の複数の第2の溝
部18の各溝部の形状、構造等についても、種々様々考えられ、図5-11及びこれらを
説明した既述の記載と同様に構成することもできるし、その他の態様としてもよい。また
、複数の第2の溝部18のそれぞれは、第1の溝部17の任意の場所から延びるように構
成することができる。
【0048】
本発明の一実施形態に係る釣竿1は、上記いずれかの釣竿用リールシート9を備えるよ
う構成される。
【0049】
本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9を備えた釣竿1によれば、リール脚を
固定するための構造を簡易かつ軽量なものとしつつ、リール脚を確実に固定することが可
能となる。
【0050】
次に、再度図2、3を参照して、釣竿用ハンドル部材20について簡単に説明する。こ
こで、釣竿用ハンドル部材20とは、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9の
リールシート本体12と、該リールシート本体12に隣接して形成されたグリップ4を含
むものとする。なお、本発明の一実施形態に係る釣竿用リールシート9と、該グリップ4
を含めて釣竿用ハンドル部材20と呼んでも構わない。
【0051】
図示のように、釣竿用ハンドル部材20において、リール脚6bが載置されるリール脚
載置部12aが形成されたリールシート本体12と、該リールシート本体12に接続され
るグリップ4とが一体成形されるよう構成してもよい。
【0052】
また、図4a、4bを参照して、既述の釣竿用ハンドル部材20について説明する。図
示のように、釣竿用ハンドル部材20において、該釣竿用ハンドル部材は中空に形成して
もよい。ここで、当該釣竿用ハンドル部材20は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP
)により形成されるよう構成される。また、該釣竿用ハンドル部材20の材料として、C
FRTP(連続繊維)、CFRTP(不連続繊維)又はハイブリッドで形成するようにし
てもよい。
【0053】
また、図4a、4bに示すように、釣竿用ハンドル部材20において、釣竿用竿体3の
端部13が、該リールシート本体12の一方の端部15であって、該グリップ4とは反対
側の端部15に取付けられるよう構成される。
【0054】
ここで、釣竿用竿体3の端部13の釣竿用ハンドル部材20への取付方法は、例えば、
勘合(圧入)、接着又は締結が考えられる、これらに限られない。ここで挙げた取付方法
により、竿体とハンドル部材の着脱がより容易となるといった利点がある。
【0055】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説
明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、
材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に
説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態に
おいて説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
4 グリップ
5 中竿
6 リール
6a リール脚
7 穂先竿
8 案内・係止突起
9 釣竿用リールシート
10 釣糸ガイド
11 端部
12 リールシート本体
12a リール脚載置部
13 端部
14 固定フード
15 端部
16 案内・係止溝
17 第1の溝
18 第2の溝
19 開口部(押圧部)
20 釣竿用ハンドル部材
22 移動フード
23 第1の部分
24 第2の部分
A 端部領域の長さ
X 釣竿用リールシート9の軸線方向
Y 釣竿用リールシート9の軸線方向に垂直な方向
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13