(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】X線放射の検出のためのモジュールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01T 7/00 20060101AFI20240610BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20240610BHJP
【FI】
G01T7/00 A
A61B6/42 530R
(21)【出願番号】P 2023527425
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2021081324
(87)【国際公開番号】W WO2022101313
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】102020130002.6
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505325040
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM AG
【住所又は居所原語表記】Schloss Premstaetten, Tobelbaderstr. 30, 8141 Premstaetten, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタッドラー エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】エシュマイアー ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】フーバー ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ペルトル ヨセフ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-264280(JP,A)
【文献】特開2012-118060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0090825(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0158894(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0120447(US,A1)
【文献】特開2004-265884(JP,A)
【文献】特表2009-544011(JP,A)
【文献】特開2018-078274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0154124(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/16
G01T 1/167-7/12
A61B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線放射を検出するためのモジュールアセンブリであって、
-X線放射のフォトンを受け取り、受け取ったフォトンに応答して電気信号を提供するように構成された、X線センサ(100)と、
-電気信号を処理するためのシステムインパッケージ構造(200)であって、入力/出力端子(201)と、第1のインターポーザ(210)および第2のインターポーザ(220)と、集積回路(230)とを含み、前記第1のインターポーザ(210)および前記第2のインターポーザ(220)および前記集積回路(230)は前記システムインパッケージ構造(200)内の積層構成で配置される、システムインパッケージ構造(200)と、を備え、
-前記集積回路(230)は前記電気信号を評価するように構成され、
-前記第1のインターポーザ(210)は、前記X線センサ(100)と前記集積回路(230)との間に電気的な接続を提供するように構成され、
-前記第2のインターポーザ(220)は、前記集積回路(230)と前記入力/出力端子(201)との間に電気的な接続を提供するように構成さ
れ、
前記システムインパッケージ構造(200)は、前記第1および前記第2のインターポーザ(210、220)の各々がモールドコンパウンド(250)に直接接触するように、前記第1および前記第2のインターポーザ(210、220)の間に配置される前記モールドコンパウンド(250)を含む、モジュールアセンブリ。
【請求項2】
-前記第1のインターポーザ(210)は前記X線センサ(100)への電気的な接続を提供する第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、前記集積回路(230)は前記第1のインターポーザ(210)の前記第2の面に配置され、
-前記第2のインターポーザ(220)は第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、前記入力/出力端子(201)は前記第2のインターポーザ(220)の前記第2の面に配置され、
-前記第1および前記第2のインターポーザ(210、220)は、前記第2のインターポーザ(220)の前記第1の面が前記第1のインターポーザ(210)の前記第2の面に対向するように積層される、請求項1に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項3】
-前記第1および第2のインターポーザ(210、220)は、互いに離間して配置され、
-前記システムインパッケージ構造(200)は、前記第1のインターポーザ(210)の前記第2の面と前記第2のインターポーザ(220)の前記第1の面との間に電気的な接続を提供するために、前記第1および第2のインターポーザ(210、220)の間に配置された少なくとも1つの相互接続素子(240)を含む、請求項2に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項4】
-前記第1のインターポーザ(210)は、前記集積回路(230)を前記X線センサ(200)に電気的に結合するための第1の導電路(241)と、前記集積回路(230)を相互接続素子(240)に電気的に結合するための第2の導電路(242)とを備え、
-前記第2のインターポーザ(220)は、相互接続素子(240)を前記入力/出力端子(201)に電気的に結合するための第3の導電路(243)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項5】
前記相互接続素子(240)は、銅またははんだボールとして構成される、請求項3または4に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項6】
前記システムインパッケージ構造(200)は受動回路素子(260)を備え、前記受動回路素子(260)は、前記第1のインターポーザ(210)の第2の面または前記第2のインターポーザ(220)の第1の面に配置される、請求項2~
5のいずれか一項に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項7】
前記システムインパッケージ構造(200)は温度調節のための加熱素子(270)を備え、前記加熱素子(270)は、前記第1のインターポーザの第1の面および第2の面のうちの少なくとも1つ、または前記第2のインターポーザの第1の面および第2の面のうちの少なくとも1つ、または前記第1または前記第2のインターポーザ(210、220)の内側に配置される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項8】
前記加熱素子(270)は、前記システムインパッケージ構造(200)の断面図において、前記第1または第2のインターポーザ(210、220)の全領域にわたって延在するように配置される、請求項
7に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項9】
前記加熱素子(270)は、前記システムインパッケージ構造(200)の断面図において、垂直に突出して配置された前記第1または第2のインターポーザ(210、220)のそれぞれの領域にわたって延在し、前記モジュールアセンブリ(10)の頂部から見て、前記集積回路(230)に対して横方向にオフセットするように配置される、請求項
7に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項10】
前記加熱素子(270)は、前記入力/出力端子(201)に印加される信号によって外部制御されるか、または前記集積回路(230)によって内部制御されるように構成される、請求項
7に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項11】
-前記システムインパッケージ構造(200)は、第1の導電路(241)を第2の導電路(242)から遮蔽するための少なくとも1つの遮蔽層(280)を備え、
-前記遮蔽層(280)は、前記第1のインターポーザ(210)の内側または前記集積回路(230)の表面上に配置される、請求項4~
10のいずれか一項に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項12】
前記X線センサ(100)は、直接または間接変換のために構成される、請求項1~
11のいずれか一項に記載のモジュールアセンブリ。
【請求項13】
請求項1~
12のいずれか一項に記載のX線放射を検出するためのモジュールアセンブリを製造するための方法であって、
-パネルレベルプロセスを用いてパネルアセンブリ(2)を構築することであって、前記パネルアセンブリは前記第1のインターポーザ(210)を形成するための第1のパネル(P1)と、前記第2のインターポーザ(220)を形成するための第2のパネル(P2)と、前記第1のパネル(P1)の表面に取り付けられた複数の集積回路(230)とを含
み、モールドコンパウンド(250)が、前記第1および前記第2のインターポーザ(210、220)の各々が前記モールドコンパウンド(250)に直接接触するように、前記第1および前記第2のインターポーザ(210、220)の間に配置される、構築することと、
-パネルアセンブリ(2)を単一化して、前記システムインパッケージ構造(200)の個々のものを提供することと、
-各X線センサ(100)を前記システムインパッケージ構造(200)の個々のもの上に配置することと、を含む、方法。
【請求項14】
X線検出器であって、
-複数の請求項1~
12のいずれか一項に記載のX線放射を検出するためのモジュールアセンブリ(10)を備え、
-前記モジュールアセンブリ(10)の各X線センサ(100)は、前記X線放射をそれぞれ受信するための複数のピクセル(111)を含むピクセル化された検出器領域(110)を備え、
-前記複数のモジュールアセンブリ(10)は、前記X線センサ(100)のそれぞれのピクセル化された検出器領域(110)がそれらの間に間隙を形成することなく互いに当接するように並べて配置される、X線検出器。
【請求項15】
医学的診断のための装置であって、
-請求項
14に記載の前記X線検出器(20)を備え、
-前記装置(1)は、コンピュータ断層撮影スキャナ用のX線装置として構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ断層撮影用途において使用され得る、X線放射を検出するためのモジュールアセンブリに関する。本開示はさらに、X線検出器、およびX線検出器を備える医療診断のための装置に関する。本開示はまた、X線放射を検出するためのモジュールアセンブリを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線装置では、X線源によって放出されたX線放射が人間の組織などの物体を通過した後に検出され、評価される。X線診断において、コンピュータ断層撮影は、高分解能X線画像を撮影するために長い間使用されてきた。
【0003】
従来のコンピュータ断層撮影スキャナは、X線のフォトンを電気信号に変換するために間接変換原理を使用する。X線は、まず、シンチレータ材料を用いて可視光に変換され、その後、可視光は電気信号に変換される。
【0004】
新しい世代のコンピュータ断層撮影スキャナは、直接変換原理を使用する。いわゆるフォトンカウンティングコンピュータ断層撮影法では、X線放射を直接充電に変換する検出器材料が使用される。フォトンカウンティングシステムでは、単一のX線フォトンイベントが検出され、カウントされ、応答はスペクトル情報を得ることを可能にするフォトンエネルギーに依存する。
【0005】
従来のコンピュータ断層撮影においても、フォトンカウンティングコンピュータ断層撮影においても、大きなX線検出器が必要とされている。大きなX線検出器のアセンブリは、検出器の撮像領域を全方向に延ばすことを可能にするために4面突き合わせ可能(four side buttable modules)モジュールを必要とする。隣接するモジュールは、ピクセル間に隙間なく、4つの側面すべてに取り付けることができる。
【0006】
例えば、コンピュータ断層撮影において使用され得る大きな検出器面積を有するX線検出器を構築することを可能にする、4面突き合わせ可能パッケージを有するX線放射を検出するためのモジュールアセンブリを提供することが望まれている。
【0007】
さらなる要望は例えば、コンピュータ断層撮影において使用され得る大きな検出器面積を有するX線検出器を提供することである。
【0008】
さらなる要望は、非常に高いカウント率で動作する大きなX線検出器を有する医療診断のための装置を提供することである。
【0009】
さらに、X線放射を検出するためのモジュールアセンブリを製造するための費用効果の高い方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
大きいX線検出器の構成を可能にするための4面突き合わせ可能な構成を有するX線放射の検出のためのモジュールアセンブリが請求項1に記載されている。
【0011】
X線放射を検出するためのモジュールアセンブリは、X線放射のフォトンを受け取り、受け取ったフォトンに応答して電気信号を提供するように構成されたX線センサを備える。モジュールアセンブリは、電気信号を処理するためのシステムインパッケージ構造をさらに備える。システムインパッケージ構造は、入力/出力端子と、第1のインターポーザと、第2のインターポーザと、集積回路とを含む。第1のインターポーザおよび第2のインターポーザならびに集積回路は、システムインパッケージ構造において積層構成で配置される。
【0012】
集積回路は、電気信号を評価するように構成される。第1のインターポーザは、X線センサと集積回路との間に電気的な接続を提供するように構成される。第2のインターポーザは、集積回路と入力/出力端子との間に電気的な接続を提供するように構成される。
【0013】
モジュールアセンブリは、X線センサの大きいピクセル化された検出器からデータを読み出す4面突き合わせ可能モジュールを構築することを可能にするシステムインパッケージ構造を有する。パッケージ構造は4つの側面全てに組み立てることができ、したがって、4面突き合わせ可能である。したがって、複数のモジュールアセンブリを並べて配置して、X線検出器の大きな連続X線感応領域を形成することができる。
【0014】
パッケージ構造は、X線センサと、パッケージ構造の両側、特に上面および底側の入力/出力/供給接続とを接続することを可能にする。パッケージ構造の上面と底面との間の電気的接続は、パッケージ内で確立される。
【0015】
集積回路がX線センサに直接実装される、例えば直接はんだ付けされるスルーシリコンビア手法とは対照的に、提案されるシステムインパッケージ構造は、集積回路とX線センサの寸法との整合を必要としない。システムインパッケージ構造は、使用されるX線センサへの容易な適合を可能にする。X線センサの設計が変更される場合、第1の/上面インターポーザを変更するだけでよいが、はるかに複雑な集積回路は変更されないままであり得る。これは、X線センサの寸法またはピクセルピッチを変化させることは、集積回路の完全な再設計を必要としないことを意味する。
【0016】
入力/入出力端子、第1および第2のインターポーザならびに集積回路を備えるシステムインパッケージ構造は、単一の試験可能ユニットとして構成され、その機能性は、システムインパッケージ構造およびX線センサを含む完全なモジュールアセンブリが完成する前に試験することができ、顕著な生産の増大をもたらす。
【0017】
さらに、システムインパッケージ構造は、温度調整のための加熱素子の集積化、または検出器システムに必要とされ得る受動回路素子の集積化など、いくつかの電気構成素子のパッケージ内部への直接的な集積化を可能にする。
【0018】
以下では、モジュールアセンブリのいくつかの実施形態が特定される。
【0019】
モジュールアセンブリの一実施形態によれば、第1のインターポーザは、X線センサへの電気的接続を提供するための第1の/上面と、第1の面とは反対側の第2の/底面とを有する。集積回路は、第1のインターポーザの第2の面に配置される。
【0020】
第2のインターポーザは、第1の/上面と、第1の面の反対側の第2の/底面とを有する。入力/出力端子は、第2のインターポーザの第2の/底面に配置される。第1および第2のインターポーザは、第2のインターポーザの第1の/上面が第1のインターポーザの第2の/底面に面するように積層される。
【0021】
システムインパッケージ構造は、第1のインターポーザの第1の/上面および第2のインターポーザの第2の/底面に入力/出力接続を有し、X線センサを第1のインターポーザの第1の/上面に取り付けることができ、入力/出力または供給のための外部接続を第2のインターポーザの第2の/底面に配置することができる。
【0022】
第1および第2のインターポーザは、互いに離間して配置される。モジュールアセンブリの一実施形態によれば、システムインパッケージ構造は、第1のインターポーザの第2の/底面と第2のインターポーザの第1の/上面との間に電気的な接続を提供するために、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間に配置された少なくとも1つの相互接続素子を含む。第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間の相互接続素子は、銅またははんだボールとして構成され得る。
【0023】
電気信号はまた、第1および第2のインターポーザの第1の/上面および第2の/底面の間で伝送されてもよい。この目的のために、第1のインターポーザは、集積回路をX線センサに電気的に結合するための第1の導電経路と、集積回路を相互接続素子に電気的に結合するための第2の導電経路とを備える。第2のインターポーザは、相互接続素子を第2のインターポーザの第2の/底面の入力/出力端子に電気的に結合するための第3の導電経路を備える。
【0024】
モジュールアセンブリの可能な実施形態によれば、システムインパッケージ構造は、第1の導電層を第2の導電層から遮蔽するための少なくとも1つの遮蔽層を備える。遮蔽層は、第1のインターポーザの内側に配置されてもよく、または集積回路の表面上に配置されてもよい。遮蔽層は、第1および第2の導電層上で伝送される非常に小さい信号レベルの相互干渉を回避するために設けられる。
【0025】
モジュールアセンブリの一実施形態によれば、システムインパッケージ構造は、受動回路素子を備える。受動回路素子は、第1のインターポーザの第2の/底面、または第2のインターポーザの第1の/上面に配置されてもよい。
【0026】
モジュールアセンブリの別の実施形態によれば、システムインパッケージ構造は、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間に配置されたモールドコンパウンドを備える。
【0027】
モールドコンパウンドは、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間の固定された接続を可能にし、したがって、システムインパッケージ構造の全体の配置を一緒に保持する。相互接続素子、例えば、銅またはんだボール、および/または受動回路素子は、モールドコンパウンドに埋め込まれてもよい。
【0028】
モジュールアセンブリの別の可能な実施形態によれば、システムインパッケージ構造は、温度調節のための加熱素子を備える。加熱素子は、第1のインターポーザの第1および第2の面のうちの少なくとも1つの上に、または第2のインターポーザの第1および第2の面のうちの1つの上に、または別の実施形態によれば、第1または第2のインターポーザの内側に配置され得る。
【0029】
モジュールアセンブリの可能な実施形態によれば、加熱素子は、システムインパッケージ構造の断面図において、第1および第2のインターポーザの全領域にわたって延在するように配置される。
【0030】
モジュールアセンブリの別の可能な実施形態によれば、加熱素子は、システムインパッケージ構造の断面図において、垂直凸部に位置する第1または第2のインターポーザのそれぞれの領域にわたって延在し、モジュールアセンブリの頂部から見て、集積回路に対して横方向にオフセットするように配置される。
【0031】
加熱素子は入力/出力端子に印加される信号によって外部制御されるように、または集積回路によって内部制御されるように構成される。
【0032】
大きなピクセル化された検出器領域を有するX線検出器の実施形態は、請求項14に記載されている。
【0033】
X線検出器は、上述のように、X線放射を検出するための複数のモジュールアセンブリを備える。モジュールアセンブリの各X線センサは、X線放射をそれぞれ受け取るための複数のピクセルを含むピクセル化された検出器領域を備える。複数のモジュールアセンブリは、X線センサのそれぞれのピクセル化された検出器領域がそれらの間に間隙を形成することなく互いに当接するように、並んで配置される。複数の突き合わされたモジュールアセンブリは、大きいX線感受性検出器表面の構築を可能にする。
【0034】
X線検出器を含む医療診断用装置は、請求項15に記載される。装置は例えば、コンピュータ断層撮影スキャナのためのX線装置として構成されてもよい。
【0035】
X線放射を検出するためのモジュールアセンブリを製造する方法は、請求項13に記載されている。
【0036】
X線放射を検出するためのモジュールアセンブリを製造するための提案された方法によれば、パネルアセンブリは、パネルレベル処理を使用して構築される。パネルアセンブリは、第1のインターポーザを形成するための第1のパネルと、第2のインターポーザを形成するための第2のパネルと、第1のパネルの表面に取り付けられた複数の集積回路とを含む。パネルアセンブリは、単一化されて、システムインパッケージ構造の個々のものを提供する。それぞれのX線センサは、システムインパッケージ構造の個々のX線センサのそれぞれに配置される。
【0037】
これは、システムインパッケージ構造は完全なモジュールアセンブリとは別に、パネルレベルプロセスフローで製造される、ということを意味する。パネルレベルプロセスにおける複数のパッケージ構造の製造は、費用効果の高い製造方法を提供する。さらに、個々のシステムインパッケージ構造およびX線センサはそれぞれ、X線センサをシステムインパッケージ構造上に配置する前に、適切な機能性について試験することができる、それぞれ単一の試験可能ユニットとして構成される。
【0038】
X線モジュールアセンブリのさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は単なる例示であり、特許請求の範囲の性質および特徴を理解するための概要またはフレームワークを提供することが意図されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。したがって、本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解されるのであろう。
【
図1】X線放射を検出するためのモジュールアセンブリの断面図を示す。
【
図2A】パッケージ領域全体にわたって底面インターポーザの内部に一体化された加熱素子を有するモジュールアセンブリの実施形態を示す。
【
図2B】パッケージ領域全体にわたって上面インターポーザ内に一体化された加熱素子を有するX線放射の検出のためのモジュールアセンブリの実施形態を示す。
【
図3A】非シリコン領域上の底面インターポーザに一体化された加熱素子を有するX線放射の検出のためのモジュールアセンブリの実施形態を示す。
【
図3B】非シリコン領域上の上面インターポーザ内に一体化された加熱素子を有するX線放射の検出のためのモジュールアセンブリの実施形態を示す。
【
図4A】底面インターポーザに集積された集積回路制御加熱素子を有するX線放射の検出のためのモジュールアセンブリの実施形態を示す。
【
図4B】上面インターポーザ内に集積された集積回路制御加熱素子を有するX線放射の検出のためのモジュールアセンブリの実施形態を示す。
【
図5】集積回路からの熱を効率的にヒートシンクに通過させる方法で設計されたモジュールの実施形態を示す。
【
図6】X線放射を検出するためのモジュールアセンブリのシールド概念を示す。
【
図7】X線検出器を含む、医学的診断のための装置、コンピュータ断層撮影スキャナを示す。
【
図8A】複数の集積回路を備えるシステムインパッケージ構造の分解図を示す。
【
図8B】側面図におけるシステムインパッケージ構造の空間図を示す。
【
図9】複数のシステムインパッケージ構造を製造するための製造プロセスにおいて使用されるパネルアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
X線放射を検出するためのモジュールアセンブリの一実施形態が
図1の断面図に示されている。モジュールアセンブリ10は、X線放射のフォトンを受け取るように構成されたX線センサ100を備える。X線センサ100は、受け取ったフォトンに応答して電気信号を提供する。X線センサ100は、X線放射をそれぞれ受け取る複数のピクセル111を含むピクセル化された検出器領域110を含む。X線センサ100は、ピクセル化された検出器領域110に衝突する各フォトンに対して電気信号を提供する。電気信号は、X線検出器100の底面に位置する出力に提供されてもよい。
【0041】
X線センサ100は、X線を電荷に間接的または直接的に変換するように構成されてもよい。フォトンカウンティングCTで使用されるような直接変換のために、
図1に示されるX線センサ100は、CZTまたはCdTeのような直接変換材料を含む。CZTの材料またはCdTeの材料は、システムインパッケージ構造200の上部に直接取り付けられる。それは、X線フォトンを直接電気信号に変換する。
【0042】
間接変換のために、古典的CTで使用されるように、X線センサ100は、シンチレータおよびフォトダイオードアレイを備える。X線センサ100は、シンチレータとフォトダイオードとの積層体として構成されている。フォトダイオードアレイは、システムインパッケージ構造200の上部に直接取り付けられる。さらに、シンチレータ/結晶がフォトダイオードアレイの上部に接着される。シンチレータは、X線フォトンを可視光に変換する。可視光は、光を電気信号に変換するフォトダイオードアレイによって捕捉される。
【0043】
モジュールアセンブリ10は、X線センサ100によって提供される電気信号を処理するためのシステムインパッケージ構造200をさらに備える。システムインパッケージ構造200は、入力/出力端子201と、第1の/上面インターポーザ210と、第2/底面インターポーザ220と、集積回路/ASIC230とを含む。第1のインターポーザ210、第2のインターポーザ220、および集積回路230は、システムインパッケージ構造200内に積層構成で配置される。
【0044】
集積回路230は、X線センサ100から受信した電気信号を評価するように構成される。特に、集積回路は、X線センサ100から提供されるアナログ電気信号を評価し、アナログ電気信号に応答してデジタル信号を出力するように構成され得る。
【0045】
第1のインターポーザ210は、X線センサ100と集積回路230との間に電気的な接続を提供するように構成される。第2のインターポーザ220は、集積回路230と入力/出力端子201との間に電気的な接続を提供するように構成される。好ましい実施形態によれば、第1および第2のインターポーザは、同じ材料、例えば、特に低い熱膨張係数を有する多層ガラス繊維強化エポキシ積層体を有する。
【0046】
第1のインターポーザ210は、X線センサ100への電気的接続を提供するための第1の/上面を有する。電気的接触202、例えば、導電性パッドが、第1のインターポーザ210の表面上に提供されて、システムインパッケージ構造200への電気接続を提供し得る。可能な実施形態によれば、
図1に示されるように、電気接続素子290、例えば、はんだボールまたは銅ボールが、X線センサ100と第1のインターポーザ210との間の電気接続のために、第1のインターポーザ210とX線センサ100との間に設けられる。電気接続素子290は、X線センサ100の底面と電気的接触202との間に配置される。
【0047】
集積回路230は、第1のインターポーザ210の第2/底面側に配置される。集積回路230は、X線センサ100から受信したアナログ電気信号をデジタル出力信号に変換する。接続を短く保つために、集積回路230は、第1のインターポーザ210上にフリップチップ実装され得る。
【0048】
第1のインターポーザ210は、第1のインターポーザ210の第1の/上面上の電気的接触202を集積回路230に電気的に結合するための複数の導電路241を含む。したがって、第1のインターポーザ210は、X線センサ100のピクセル化された検出器領域110のピクセル111を、電気的接触202および導電路211を介して集積回路230に接続する。
【0049】
図1に示すように、集積回路230が第1のインターポーザ210の第2/底面側で占める面積は、第1のインターポーザ210の完全な第1の面を覆うX線センサ100の面積よりもはるかに小さい。それにもかかわらず、第1のインターポーザ210内の導電路241の配置は、第1のインターポーザ210の第1の/上面上の電気的接触202の各々を集積回路230と電気的に接触させることを可能にする。結論として、集積回路230がX線センサ100のわずかな部分のみを覆うので、第1のインターポーザ210を介したX線センサ100への集積回路230の結合は、著しいコスト低減を可能にする。
【0050】
第2のインターポーザ220は、第1の/上面と、第1の面とは反対側の第2の/底面とを有する。入力/出力端子201は、第2のインターポーザ220の第2の面上に配置されている。端子201はまた、供給電圧を印加して集積回路230に電力を供給するための供給端子として構成され得る。
【0051】
第1および第2のインターポーザ210、220は、第2のインターポーザ220の第1の/上面が第1のインターポーザ210の第2の/底面に面するように積層される。第1のインターポーザ210および第2のインターポーザ220は、互いに離隔して配置される。
【0052】
システムインパッケージ構造200は、第1のインターポーザ210の第2の/底面と第2のインターポーザ220の第1の/上面との間の電気的接続を提供するために、第1のインターポーザ210と第2のインターポーザ220との間に配置された(垂直)相互接続素子240(パッケージ貫通ビア;TPV)を含む。相互接続素子240は、銅またははんだボールとして構成されてもよい。相互接続素子240は、スルーシリコンビアの費用対効果の高い代替物である。
【0053】
図1に示されるように、集積回路230によって生成された出力信号は導電路242を介して第1のインターポーザ210を通過し、相互接続素子240を介して第2のインターポーザ220に接続される。相互接続素子241は、第2のインターポーザ220の内部に配置された導電路243を介して入力/出力端子201と電気的に接触している。
【0054】
システムインパッケージ構造200は、受動回路素子260、例えば、コンデンサ、サーミスタ、抵抗器などを含むことができる。システムインパッケージ構造200は、X線検出器システムの動作に必要な受動回路素子260をパッケージの内部に直接集積することを可能にする。
図1に示されるように、受動回路素子260は、第1のインターポーザ210の内部の導電路を介して集積回路230に電気的に接続され得る。受動回路素子260は、第1のインターポーザ210の第2の/底面側、または第2のインターポーザ220の第1の/上部側に配置することができる。
【0055】
システムインパッケージ構造200は、システムインパッケージ構造200の第1のインターポーザ210と第2のインターポーザ220との間の安定した凝集を提供するために、第1のインターポーザ210と第2のインターポーザ220との間に配置されたモールドコンパウンド250を備える。
図1に示すように、相互接続素子241、例えば、はんだまたは銅ボール、および/または受動回路素子260は、モールドコンパウンド250に埋め込むことができる。
【0056】
図1に示されるように、第1および第2のインターポーザ210、220は、第1および第2のインターポーザの間に配置される、単一の相互接続素子240、例えば、はんだまたは銅ボールによって接合される。相互接続素子240は、第1および第2のインターポーザ210、220に同時にはんだ付けされ、モールドコンパウンド250に埋め込まれる。モールドコンパウンド250は、第1のインターポーザ210と第2のインターポーザ220との間の空間を完全に充填する。それは、第1のインターポーザ210はモールドコンパウンド250の上面に直接配置され、したがって、間隙を設けることなくモールドコンパウンド250と直接接触し、また、第2のインターポーザ220は、モールドコンパウンド250の底面に直接配置され、したがって、間隙を設けることなくモールドコンパウンド250と直接接触する、ことを意味する。これにより、第1のインターポーザ210、モールドコンパウンド250、および第2のインターポーザ220のシステムインパッケージ構造200を単一の対称ユニットとして提供することが可能になる。提案されたシステムインパッケージ構造200の配置は、モジュールアセンブリの機械的性能および熱的特性の点で利点を提供する。
【0057】
機械的管理に関して、モールドコンパウンドおよび/または相互接続素子240は反りなどの厳しい機械的要件を満たすために、システムインパッケージ構造200に十分な安定性を提供することを可能にする。システムインパッケージ構造200の単一ユニットおよび対称スタックアップは、X線センサ100との接続に不可欠な、第1のインターポーザ210の上面上の平面、すなわち低い反りの表面を提供することを可能にする。インターポーザ210の上面における平坦性は、接続素子290、例えば小さいはんだボールが実際に、インターポーザ210の表面全体にわたってセンサ100とパッケージ200との間の信頼できる接続を形成することを確実にするために重要である。したがって、センサ100との共平面性を達成するためにパッケージ200の十分な平面性を提供し、それによってセンサ内の機械的応力を低減し、パッケージとセンサとの間の信頼できる接続を可能にすることが重要である。さらに、システムインパッケージ構造内のモールドコンパウンド250の上下に2つのインターポーザ210、220を対称的に配置することにより、システムインパッケージ構造200の熱膨張係数を良好に制御し、X線センサ100の熱膨張係数に適合させることができる。
【0058】
熱管理に関して、システムインパッケージ構造200は、集積回路230から第2のインターポーザ220への効率的な熱伝達を可能にする。第2のインターポーザ220はその完了上面でモールドコンパウンド250に接触し、したがってモールドコンパウンド250に直接接触するので、その意図された動作中に集積回路230によって生成された熱は、モールドコンパウンド250および第2のインターポーザ220を介して確実に放散され得る。
【0059】
X線検出の意図された用途のために、モジュールアセンブリ、特にX線センサ100のピクセル化された検出器領域110が、システムインパッケージにわたって均一に分布される一定の温度に保たれることが必要である。
【0060】
モジュールアセンブリ10の全体の温度を一定かつ均一に保つために、システムインパッケージ構造200は、温度調節のための加熱素子270を備える。加熱素子270は、第1のインターポーザ210の第1および第2の面のうちの少なくとも1つ、または第2のインターポーザ220の第1および第2の面のうちの1つの上に配置され得る。
【0061】
別の実施形態によれば、加熱素子270は、
図2A~
図4Bに示されるように、第1のインターポーザ210の内部または第2のインターポーザ220の内部に配置されてもよい。加熱素子270は、第1および第2のインターポーザのうちの1つの中に、または第1および底部インターポーザ210および220のうちの1つの上面または底面/表面上に、すなわちパッケージの直接内部に一体化される銅蛇行部として構成されてもよい。
【0062】
第1または第2のインターポーザ210、220の内部の加熱素子の集積は、検出システムの温度を安定させる。加熱素子270は、パッケージ全体にわたって均一な温度分布を可能にする。特に、加熱素子270は、モジュールアセンブリ、特にピクセル化された検出器領域110を一定の絶対温度に保つことを可能にする。
【0063】
集積回路230のシリコン原料に一体化されたヒータと比較して、第1または第2のインターポーザ上の加熱素子270の配置、または第1または第2のインターポーザ210、220の原料内の加熱素子270の一体化は、柔軟な設計を可能にする。
【0064】
図2Aはモジュールアセンブリ10の実施形態を示し、加熱素子270は、第2のインターポーザ220の内側に配置され、システムインパッケージ構造200の断面図において、第2のインターポーザ220の全領域にわたって延在する。加熱素子270は、第2のインターポーザ220内の外部制御ヒータとして構成されてもよい。
【0065】
図2Bに示されるモジュールアセンブリの実施形態によれば、加熱素子270は、第1のインターポーザ210の内側に配置され、システムインパッケージ構造200の断面図において、第1のインターポーザ210の全領域にわたって延在する。加熱素子270は、外部制御ヒータとして構成されてもよい。
【0066】
図3Aおよび
図3Bはモジュールアセンブリ10の実施形態を示し、加熱素子270は、第2のインターポーザ220(
図3A)の内側または第1のインターポーザ210(
図3B)の内側に配置される。
図3Aおよび
図3Bに示される実施形態に関して、加熱素子270は、システムインパッケージ構造200の断面図において、モジュールアセンブリ10の頂部から見て、集積回路230に対して横方向にオフセットして、垂直凸部に位置する第1または第2のインターポーザ210、220のそれぞれの領域にわたって延在するように配置される。それは、加熱素子270は、集積回路230の非シリコン領域上に配置される、ということを意味する。
【0067】
図3Aおよび
図3Bは、入力/出力端子201に印加される信号によって外部から制御されるように構成された加熱素子270を示す。
図4Aおよび
図4Bはモジュールアセンブリ10の実施形態を示し、加熱素子270は、
図4Aおよび
図4Bに示されるのと同じ方法で、すなわち、集積回路230に対して横方向にオフセットされた垂直突出部に位置する第1または第2のインターポーザ210、220のそれぞれの領域の内側に配置される。
図3Aおよび
図3Bに示される実施形態とは対照的に、
図4Aおよび
図4Bに示される加熱素子270は、集積回路230によって内部制御されるように構成される。
【0068】
モジュールアセンブリ10の温度を監視するために、図示されていない温度感知素子が、第2のインターポーザ220上に含まれてもよい。この別個の加熱素子の供給電圧は、CMOSプロセスノードによって限定されず、簡単な方法で調整することができる。
【0069】
図5は、第2のインターポーザ220の構造が熱を効率的にヒートシンクに通すように設計されたモジュールアセンブリ10の実施形態を示す。これは、第2のインターポーザ220の底面に熱パッド221を設けることによって達成することができる。大型熱パッド221は、ヒートシンクを用いて、システムインパッケージ構造200をキャリア、例えばプリント回路基板にはんだ付けするように構成される。さらに、サーマルビア222は、集積回路230から熱パッド221への熱伝達を可能にするために、第2のインターポーザ220に埋め込むことができる。サーマルビア222は、積み重ねられた、または互い違いに配置された設計で提供され得る。可能な実施形態によれば、サーマルビア222は、銅充填ビアとして構成することができる。
図5に示される放熱設計は、他の図に示される実施形態のいずれにおいても使用され得ることに留意されたい。
【0070】
図6はシステムインパッケージ構造200の断面図を示し、システムインパッケージ構造200は、第1の導電路241を第2の導電路242から遮蔽するための少なくとも1つの遮蔽層280を備える。遮蔽層280は、第1インターポーザ210の内部に配置されてもよいし、集積回路230の表面に配置されてもよい。遮蔽層280は、導電路211および212上の低レベルの信号伝送が妨害されないように、第1および第2の導電路241、242を互いに遮蔽するために使用される。
【0071】
図7は、医療診断装置1の一実施形態を示す。装置1は、コンピュータ断層撮影スキャナ用のX線装置として構成される。装置1は、X線放射を検出するための複数のモジュールアセンブリ10を備えるX線検出器20を備える。
【0072】
図7に示されるように、モジュールアセンブリ10の構成は4面突き合わせ可能テーブルであり、検出器の撮像領域を全方向に延ばすために、様々なモジュールアセンブリ10を並べて配置することを可能にする。隣接するモジュールは、ピクセル間に隙間なく、4つの側面すべてに取り付けることができる。
【0073】
図8Aは、第1のインターポーザ210と、複数の集積回路230と、受動回路素子260と、モールドコンパウンド250と、相互接続素子240と、第2のインターポーザ220とを備えるシステムインパッケージ構造200の分解図を示す。
図8Bは、側面図におけるシステムインパッケージ構造200の空間図を示す。
図8Aおよび
図8Bに示されるように、複数の集積回路230が、システムインパッケージ構造200内に集積/埋め込まれ得る。複数の集積回路/ASICは、集積回路/ASICに対するX線センサピクセル間の接続線/導電路の長さが等しいように配置することができる。
【0074】
図9は、複数のシステムインパッケージ構造200を製造するための製造プロセスにおいて使用されるパネルアセンブリ2を示す。システムインパッケージ構造200を製造するために、パネルアセンブリ2は、パネルレベル処理を使用して構築される。パネルアセンブリ2は、第1の/上面インターポーザ210を形成するための第1の/上面パネルP1と、第2の/底部インターポーザ220を形成するための第2の/底部パネルP2と、第1のパネルP1の底面に取り付けられた複数の集積回路/ASIC230とを含む。
図9は、パネルアセンブリ2を通る上面図を示す。第1の/上面パネルP1および第2の/底面パネルP2は、
図9の簡略化された表現で透明に示されている。
【0075】
図9に示されるパネルアセンブリ2は、システムインパッケージ構造200の個々のものを提供するために、単一化される。
図9は、システムインパッケージ構造がパネルアセンブリ2全体から切り出されるソーイングストリートを破線で示す。パネルアセンブリ2の図示の例は、4×3=12のシステムインパッケージ構造200を示す。各システムインパッケージ構造200は、6つの集積回路/ASIC230を備える。X線放射を検出するためのモジュールアセンブリ10を製造するために、それぞれのX線センサ100が、システムインパッケージ構造200の個々のものそれぞれの上に配置される。
【0076】
個々のシステムインパッケージ構造200は、それぞれのX線センサ100が単一化構造200のそれぞれの上に配置される前に、適切な機能性について試験することができる単一の試験可能ユニットをそれぞれ形成する。これは、費用効果の高い製造方法を提供する。
【0077】
本明細書に開示されているシステムインパッケージ構造200、X線放射の検出のためのモジュールアセンブリ10、X線検出器20、および医療診断のための装置1の実施形態は、提案されている設計の新規な態様を読み手に周知させる目的で説明されている。好ましい実施形態が示され、説明されてきたが、開示された概念の多くの変更、修正、等価物、および置換が、特許請求の範囲から不必要に逸脱することなく、当業者によって行われ得る。
【0078】
特に、システムインパッケージ構造100、モジュールアセンブリ10、X線検出器20、および医療診断のための装置1の設計は、開示された実施形態に限定されず、論じられる実施形態に含まれる特徴について可能な限り多くの代替の例を与える。しかしながら、開示された概念の任意の修正、等価物、および置換は、本明細書に添付される特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0079】
別々の従属請求項に記載された特徴は、有利に組み合わせることができる。さらに、特許請求の範囲で使用される参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0080】
さらに、本明細書で使用するとき、用語「含む(comprising)」は、他の素子を除外しない。加えて、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、1つまたは2つ以上の構成素子または素子を含むことが意図され、1つのみを意味すると解釈されることに限定されない。
【0081】
本特許出願は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、出願番号102020130002.6を有するドイツ特許出願の優先権を主張する。
【符号の説明】
【0082】
1 医療診断装置
10 X線放射を検出するためのモジュールアセンブリ
20 X線検出器
30 X線源
100 X線センサ
110 ピクセル化された検出器領域
111 ピクセル
200 システムインパッケージ構造
201 入力/出力端子
210 第1のインターポーザ
220 第2のインターポーザ
230 集積回路
240 相互接続素子
250 モールドコンパウンド
260 受動回路素子
270 加熱素子
280 遮蔽層
290 接続素子