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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240610BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20240610BHJP
   B60R 1/04 20060101ALI20240610BHJP
   B60R 1/20 20220101ALI20240610BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
B60K35/23
B60R1/04 Z
B60R1/20
B60R1/04 G
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023531349
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 JP2022000943
(87)【国際公開番号】W WO2023276202
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2021109063
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021196548
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】今村 典広
(72)【発明者】
【氏名】永冨 謙司
(72)【発明者】
【氏名】山形 道弘
(72)【発明者】
【氏名】松崎 圭一
(72)【発明者】
【氏名】星田 裕文
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-107725(JP,A)
【文献】特開2017-210229(JP,A)
【文献】特開2021-88329(JP,A)
【文献】特開2013-148599(JP,A)
【文献】特開平8-179227(JP,A)
【文献】特開2018-185514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
B60K 35/23
B60R 1/04
B60R 1/20
B60R 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記出射部に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備え、
前記少なくとも1つのミラーは、ハーフミラーと、第1ミラーと、第2ミラーとを有し、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光は、前記ハーフミラーで反射し、前記ハーフミラーで反射した後に前記第1ミラーで反射し、前記第1ミラーで反射した後に前記ハーフミラーを透過して前記第2ミラーで反射し、前記第2ミラーで反射した後に前記ハーフミラーで反射して前記出射部から前記筐体の外部に出射する、
光学装置。
【請求項2】
表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記出射部に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備え、
前記入射部から前記出射部に至るまでの光路に設けられる凸レンズをさらに備える、
光学装置。
【請求項3】
表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記出射部に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備え、
前記入射部から前記少なくとも1つのミラーに至るまでの光路に設けられる凸レンズをさらに備え、
前記凸レンズは、前記入射部から前記筐体の内部に入射した映像を縮小し、
前記少なくとも1つのミラーは、前記凸レンズで縮小された映像を拡大する、
光学装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのミラーは、ハーフミラーと、凹面鏡とを有し、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光は、前記ハーフミラーで反射し、前記ハーフミラーで反射した後に前記凹面鏡で反射し、前記凹面鏡で反射した後に前記ハーフミラーを透過して前記出射部から前記筐体の外部に出射する、
請求項2または3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのミラーは、ハーフミラーと、第1ミラーと、第2ミラーとを有し、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光は、前記第1ミラーで反射し、前記第1ミラーで反射した後に前記ハーフミラーで反射し、前記ハーフミラーで反射した後に前記第2ミラーで反射し、前記第2ミラーで反射した後に前記ハーフミラーを透過して前記出射部から前記筐体の外部に出射する、
請求項2または3に記載の光学装置。
【請求項6】
前記凸レンズは、フレネルレンズである、
請求項に記載の光学装置。
【請求項7】
前記凸レンズの一方主面および他方主面のそれぞれは、シリンドリカル面である、
請求項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記一方主面の曲率および前記他方主面の曲率は、相互に異なる、
請求項に記載の光学装置。
【請求項9】
前記出射部に着脱可能に取り付けられるバックミラー、または前記出射部に取り付けられる液晶ミラーをさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項10】
前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部と対向するように前記入射部に設けられる透光カバーをさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項11】
前記透光カバーに貼り付けられる光学フィルムをさらに備える、
請求項10に記載の光学装置。
【請求項12】
前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部に対する前記筐体の位置を調整するための位置調整部をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項13】
前記表示部は、前記表示部を操作するためのスイッチを有し、
前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記スイッチを操作するための操作部をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項14】
前記操作部は、前記筐体の奥行方向に押し込まれることが可能な第1部材と、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記第1部材が前記奥行方向に押し込まれることによって前記奥行方向と交差する交差方向に移動して前記スイッチを押す第2部材とを有し、
前記第2部材は、前記筐体が前記表示部に取り付けられていない状態において、前記交差方向に移動可能である、
請求項13に記載の光学装置。
【請求項15】
前記表示部は、前記表示部の外部の光を検出する光センサを有し、
前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記光センサに光を導光する導光部をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項16】
前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部に当接するように前記入射部の周りに設けられる環状のラバーをさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項17】
前記入射部の周囲における、前記表示部を正面視したときの前記表示部の上部に対応する位置に設けられる上ガイド部と、前記表示部を正面視したときの前記表示部の下部に対応する位置に設けられる下ガイド部と、前記表示部を正面視したときの前記表示部の左部に対応する位置に設けられる左ガイド部と、前記表示部を正面視したときの前記表示部の右部に対応する位置に設けられる右ガイド部とをさらに備え、
前記上ガイド部および前記下ガイド部の少なくとも一方は、前記上ガイド部と前記下ガイド部とが並ぶ方向に可動し、
前記左ガイド部および前記右ガイド部の少なくとも一方は、前記左ガイド部と前記右ガイド部とが並ぶ方向に可動する、
請求項1からのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項18】
表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、
前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記出射部に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備え、
前記筐体は、前記入射部と対向しかつ前記入射部と所定間隔を空けた位置に前記表示部が位置するように、前記表示部が脱着可能に設置される設置部をさらに有
前記出射部に配置される透過型偏光板をさらに備える、
光学装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのミラーは、凹面鏡を有し、
前記設置部は、前記表示部から出射した光の出射角が当該光の前記凹面鏡での反射角と等しくなるように、前記表示部が脱着可能に設置される、
請求項18に記載の光学装置。
【請求項20】
前記設置部は、前記表示部を正面視したときの前記表示部の上辺および下辺のいずれかに当接する第1可動式ストッパと、前記表示部を正面視したときの前記表示部の左辺および右辺のいずれかに当接する第2可動式ストッパとを有する、
請求項18または19に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示するための表示部が知られている。たとえば、表示部の一例として、特許文献1には、カメラで撮影した自動車後方の画像に基づいて生成した画像を表示する画像表示手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-88405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の画像表示手段では、画像表示手段によって表示される画像に焦点を合わせ難くなることがある。
【0005】
そこで、本開示は、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる光学装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光学装置は、表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記出射部に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備える。
【0007】
また、本開示の一態様に係る光学装置は、表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、前記入射部から前記出射部に至るまでの光路に設けられる凸レンズとを備え、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において、前記表示部から前記凸レンズまでの距離は、前記凸レンズの焦点距離よりも短い。
【発明の効果】
【0008】
本開示の光学装置によれば、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施の形態に係る表示装置が車両に設置された状態を示す図である。
図2図2は、図1の表示装置を示す図である。
図3図3は、第2の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図4図4は、第3の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図5図5は、第4の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図6図6は、図5の表示装置の位置調整部を示す斜視図である。
図7図7は、第5の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図8図8は、第6の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図9図9は、第7の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図10図10は、第8の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図11図11は、第9の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図12図12は、第10の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図13図13は、第11の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図14図14は、図13の表示装置が備える凸レンズを示す3面図である。
図15図15は、第12の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図16図16は、第13の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図17図17は、図16の表示装置が備えるガイド部の配置を示す図である。
図18図18は、第13の実施の形態に係る他の表示装置を示す図である。
図19図19は、第14の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図20図20は、第15の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る光学装置は、表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記出射部に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備える。
【0011】
これによれば、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合に、筐体を表示部に取り付けることによって、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部から発せられた光の光路を長くできる。したがって、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部によって表示される画像を遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0012】
また、前記少なくとも1つのミラーは、ハーフミラーと、凹面鏡とを有し、前記入射部から前記筐体の内部に入射した光は、前記ハーフミラーで反射し、前記ハーフミラーで反射した後に前記凹面鏡で反射し、前記凹面鏡で反射した後に前記ハーフミラーを透過して前記出射部から前記筐体の外部に出射してもよい。
【0013】
これによれば、入射部から筐体の内部に入射した光をハーフミラーと凹面鏡とで反射させることによって、表示部から発せられた光の光路を容易に長くできる。したがって、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部によって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0014】
また、前記少なくとも1つのミラーは、ハーフミラーと、第1ミラーと、第2ミラーとを有し、前記入射部から前記筐体の内部に入射した光は、前記第1ミラーで反射し、前記第1ミラーで反射した後に前記ハーフミラーで反射し、前記ハーフミラーで反射した後に前記第2ミラーで反射し、前記第2ミラーで反射した後に前記ハーフミラーを透過して前記出射部から前記筐体の外部に出射してもよい。
【0015】
これによれば、入射部から筐体の内部に入射した光をハーフミラーと第1ミラーと第2ミラーとで反射させることによって、表示部から発せられた光の光路を容易に長くできる。したがって、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部によって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0016】
また、前記少なくとも1つのミラーは、ハーフミラーと、第1ミラーと、第2ミラーとを有し、前記入射部から前記筐体の内部に入射した光は、前記ハーフミラーで反射し、前記ハーフミラーで反射した後に前記第1ミラーで反射し、前記第1ミラーで反射した後に前記ハーフミラーを透過して前記第2ミラーで反射し、前記第2ミラーで反射した後に前記ハーフミラーで反射して前記出射部から前記筐体の外部に出射してもよい。
【0017】
これによれば、入射部から筐体の内部に入射した光をハーフミラーと第1ミラーと第2ミラーとで反射させることによって、表示部から発せられた光の光路を容易に長くできる。したがって、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部によって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0018】
また、前記光学装置は、前記入射部から前記出射部に至るまでの光路に設けられる凸レンズをさらに備えてもよい。
【0019】
これによれば、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部によって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0020】
また、前記光学装置は、前記入射部から前記少なくとも1つのミラーに至るまでの光路に設けられる凸レンズをさらに備え、前記凸レンズは、前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を縮小し、前記少なくとも1つのミラーは、前記凸レンズで縮小された光を拡大してもよい。
【0021】
これによれば、いったん縮小した光(中間像)を形成し、それを拡大するので、虚像の解像度を上げることができる。
【0022】
また、本開示の一態様に係る光学装置は、表示部に着脱可能に取り付けられる筐体であって、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部から発せられた光を前記筐体の内部に入射させるための入射部、および前記入射部から前記筐体の内部に入射した光を前記筐体の外部に出射させるための出射部を有する筐体と、前記入射部から前記出射部に至るまでの光路に設けられる凸レンズとを備え、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において、前記表示部から前記凸レンズまでの距離は、前記凸レンズの焦点距離よりも短い。
【0023】
これによれば、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合に、筐体を表示部に取り付けることによって、筐体を表示部に取り付ける前と比べて表示部によって表示される画像を遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0024】
また、前記凸レンズは、フレネルレンズであってもよい。
【0025】
これによれば、光学装置が大きくなることを抑制しつつ、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0026】
また、前記凸レンズの一方主面および他方主面のそれぞれは、シリンドリカル面であってもよい。
【0027】
これによれば、凸レンズを透過した光が一点に集中することを抑制しつつ、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0028】
また、前記一方主面の曲率および前記他方主面の曲率は、相互に異なってもよい。
【0029】
これによれば、非点隔差が生じることを抑制できる。
【0030】
また、前記光学装置は、前記出射部に着脱可能に取り付けられるバックミラー、または前記出射部に取り付けられる液晶ミラーをさらに備えてもよい。
【0031】
これによれば、表示部が車両に設置されている場合、表示部が故障した場合であっても、バックミラーまたは液晶ミラーによって車両の後方を視認できる。
【0032】
また、前記光学装置は、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部と対向するように前記入射部に設けられる透光カバーをさらに備えてもよい。
【0033】
これによれば、入射部から筐体の内部にホコリ等が侵入することを抑制できる。
【0034】
また、前記光学装置は、前記透光カバーに貼り付けられる光学フィルムをさらに備えてもよい。
【0035】
これによれば、表示部から発せられた光の振動方向等を容易に変化させることができるので、当該光を反射させ易くなり、表示部によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0036】
また、前記光学装置は、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部に対する前記筐体の位置を調整するための位置調整部をさらに備えてもよい。
【0037】
これによれば、表示部から発せられた光の光路の長さを調整し易くなるので、表示部によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0038】
また、前記表示部は、前記表示部を操作するためのスイッチを有し、前記光学装置は、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記スイッチを操作するための操作部をさらに備えてもよい。
【0039】
これによれば、筐体を表示部に取り付けた状態であっても、表示部に設けられたスイッチを操作することができる。
【0040】
また、前記操作部は、前記筐体の奥行方向に押し込まれることが可能な第1部材と、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記第1部材が前記奥行方向に押し込まれることによって前記奥行方向と交差する交差方向に移動して前記スイッチを押す第2部材とを有し、前記第2部材は、前記筐体が前記表示部に取り付けられていない状態において、前記交差方向に移動可能であってもよい。
【0041】
これによれば、筐体を上下逆にして表示部に取り付けようとした場合等に、第2部材を重力によって下方側に飛び出すようにでき、第2部材が表示部に当たって筐体を表示部に取り付けられないようにできる。したがって、筐体が上下逆にして取り付けられる可能性を低減することができる。
【0042】
また、前記表示部は、前記表示部の外部の光を検出する光センサを有し、前記光学装置は、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記光センサに光を導光する導光部をさらに備えてもよい。
【0043】
これによれば、筐体を表示部に取り付けた状態であっても、表示部に設けられた光センサに光を導光できる。
【0044】
また、前記光学装置は、前記筐体が前記表示部に取り付けられた状態において前記表示部に当接するように前記入射部の周りに設けられる環状のラバーをさらに備えてもよい。
【0045】
これによれば、筐体が表示部に取り付けられた状態において、入射部から筐体の内部にホコリ等が侵入することを抑制できる。
【0046】
また、前記入射部の周囲における、前記表示部を正面視したときの前記表示部の上部に対応する位置に設けられる上ガイド部と、前記表示部を正面視したときの前記表示部の下部に対応する位置に設けられる下ガイド部と、前記表示部を正面視したときの前記表示部の左部に対応する位置に設けられる左ガイド部と、前記表示部を正面視したときの前記表示部の右部に対応する位置に設けられる右ガイド部とをさらに備え、前記上ガイド部および前記下ガイド部の少なくとも一方は、前記上ガイド部と前記下ガイド部とが並ぶ方向に可動し、前記左ガイド部および前記右ガイド部の少なくとも一方は、前記左ガイド部と前記右ガイド部とが並ぶ方向に可動してもよい。
【0047】
これによれば、可動するガイド部によって、大きさの異なる表示部に対しても入射部と表示部の表示面とが合うように、筐体を表示部に取り付けることができる。これによって、入射部と表示部の表示面とが合わず、表示面が入射部に対して上下左右にずれたり斜めにずれて固定された場合等にみられる画像の位置ずれや回転ずれを抑制することができる。
【0048】
また、前記筐体は、前記入射部と対向しかつ前記入射部と所定間隔を空けた位置に前記表示部が位置するように、前記表示部が脱着可能に設置される設置部をさらに有してもよい。
【0049】
これによれば、設置部に取り付けられた、たとえば可搬な表示部によって表示される画像を虚像としてより遠くに表示させることができるので、表示部によって表示される画像に焦点を合わせ易くすることができる。
【0050】
また、前記少なくとも1つのミラーは、凹面鏡を有し、前記設置部は、前記表示部から出射した光の出射角が当該光の前記凹面鏡での反射角と等しくなるように、前記表示部が脱着可能に設置されてもよい。
【0051】
これによれば、表示部から出射した光によって視認される画像の歪みを抑制することができる。
【0052】
また、前記設置部は、前記表示部を正面視したときの前記表示部の上辺および下辺のいずれかに当接する第1可動式ストッパと、前記表示部を正面視したときの前記表示部の左辺および右辺のいずれかに当接する第2可動式ストッパとを有してもよい。
【0053】
これによれば、表示部を設置部に容易に固定することができる。
【0054】
また、前記出射部に配置される透過型偏光板をさらに備えてもよい。
【0055】
これによれば、出射部における外光の映り込みを低減できる。
【0056】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0057】
また、以下の実施の形態において、平行および直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。たとえば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、たとえば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0058】
また、以下の実施の形態における各図で例示する光路は、原理的な考え方を示すものであるため、必ずしも実際の光路を反映しているものではない。
【0059】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置10が車両1に設置された状態を示す図である。図1では、車両1および筐体40を断面で示している。
【0060】
図1に示すように、表示装置10は、画像を表示するための装置である。この実施の形態では、表示装置10は、車両1の車室内に設置されている。たとえば、表示装置10は、車両1の後方を撮像するカメラによって撮像された画像を表示する。これによって、車両1の運転手2は、表示装置10を見ることによって(図1の破線矢印を参照)、車両1の後方の状況を視認できる。
【0061】
なお、たとえば、表示装置10は、車両1の車速、車両1に近接する物体の検知結果、または車両1の現在地から目的地までのナビゲーション情報等を示す画像を表示してもよい。
【0062】
図2は、図1の表示装置10を示す図である。図2の(a)は、図1の表示装置10における光学装置30が表示部20から取り外された状態を示しており、図2の(b)は、図1の表示装置10における光学装置30が表示部20に取り付けられた状態を示している。図2では、筐体40を断面で示している。
【0063】
図2に示すように、表示装置10は、表示部20と、光学装置30とを備えている。
【0064】
表示部20は、画像を表す光を発する。たとえば、表示部20は、車両1の後方を撮像するカメラによって撮像された画像を表す光を発する。たとえば、表示部20は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。本実施の形態では、表示部20はLCDであること前提に説明する。
【0065】
光学装置30は、筐体40と、複数のミラーと、透光カバー60とを有している。たとえば、光学装置30は、車両1に元々設置されている表示部20に着脱可能に取り付けられる装置である。
【0066】
筐体40は、表示部20に着脱可能に取り付けられる。筐体40は、取付部41と、入射部42と、出射部43とを有している。
【0067】
取付部41は、筐体40を表示部20に着脱可能に取り付けるための取付部である。この実施の形態では、取付部41は、表示部20が着脱可能に嵌め込まれるように凹んでいる。取付部41に表示部20が嵌め込まれることによって、筐体40が表示部20に取り付けられる(図2の(b)を参照)。
【0068】
入射部42は、筐体40が表示部20に取り付けられた状態において、表示部20から発せられた光を筐体40の内部に入射させるための入射部である。入射部42は、筐体40の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。入射部42は、筐体40が表示部20に取り付けられた状態において、表示部20と対向するように設けられている。
【0069】
出射部43は、入射部42から筐体40の内部に入射した光を筐体40の外部に出射させるための出射部である。出射部43は、筐体40の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。出射部43は、入射部42と対向するように設けられている。
【0070】
複数のミラーは、入射部42から筐体40の内部に入射した光を出射部43に向かって反射させる。複数のミラーは、ハーフミラー50と、第1ミラー52と、第2ミラー54とを有している。
【0071】
ハーフミラー50は、入射部42から筐体40の内部に入射した光を第1ミラー52に向かって反射させる。第1ミラー52は、ハーフミラー50で反射した光をハーフミラー50に向かって反射させる。ハーフミラー50は、第1ミラー52で反射した光を透過させる。第2ミラー54は、ハーフミラー50を透過した光をハーフミラー50に向かって反射させる。ハーフミラー50は、第2ミラー54で反射した光を出射部43に向かって反射させる。
【0072】
たとえば、ハーフミラー50の出射部43側に対向する面には、λ/4位相差フィルムおよび反射型偏光素子等が積層され、反射型偏光素子の透過軸は表示部20(LCD)から出射した直線偏光の光を反射する方向に構成され、第1ミラー52の面上にはλ/4位相差フィルムが構成されている。これによって、ハーフミラー50は、入射部42から筐体40の内部に入射した光を第1ミラー52に向かって反射させ、第1ミラー52で反射した光(λ/4位相差フィルムを往復することで偏光軸が90°回転する)を透過させ、第2ミラー54で反射した光(ハーフミラー50上のλ/4位相差フィルムを往復することで透過軸が90°回転する)を出射部43に向かって反射させることができる。
【0073】
また、たとえば、第1ミラー52は、平面ミラーであり、第2ミラー54は、凹面鏡である。
【0074】
透光カバー60は、出射部43に設けられており、ハーフミラー50で反射した光を透過させる。たとえば、透光カバー60は、透明なガラス、または透明な樹脂等によって形成されている。
【0075】
入射部42から筐体40の内部に入射した光は、ハーフミラー50で反射し、ハーフミラー50で反射した後に第1ミラー52で反射し、第1ミラー52で反射した後にハーフミラー50を透過して第2ミラー54で反射し、第2ミラー54で反射した後にハーフミラー50で反射して出射部43から筐体40の外部に出射する(図2の(b)の太線矢印を参照)。
【0076】
入射部42から複数のミラーを経由して出射部43に至るまでの光路の長さは、出射部43を正面視した場合における、出射部43から表示部20までの距離よりも長い。
【0077】
たとえば、車両1に元々設置されている表示部20によって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合、光学装置30を表示部20に取り付けることによって、表示部20によって表示される画像を虚像としてより遠くに表示させることができ、表示部20によって表示される画像に焦点を合わせ易くすることができる。
【0078】
以上、第1の実施の形態に係る表示装置10について説明した。
【0079】
第1の実施の形態に係る光学装置30は、表示部20に着脱可能に取り付けられる筐体40であって、筐体40が表示部20に取り付けられた状態において表示部20から発せられた光を筐体40の内部に入射させるための入射部42、および入射部42から筐体40の内部に入射した光を筐体40の外部に出射させるための出射部43を有する筐体40と、入射部42から筐体40の内部に入射した光を出射部43に向かって反射させる少なくとも1つのミラーとを備える。
【0080】
これによれば、表示部20によって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合に、筐体40を表示部20に取り付けることによって、筐体40を表示部20に取り付ける前と比べて表示部20から発せられた光の光路を長くできる。したがって、筐体40を表示部20に取り付ける前と比べて表示部20によって表示される画像を遠くに表示させることができるので、表示部20によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0081】
また、第1の実施の形態に係る光学装置30において、少なくとも1つのミラーは、ハーフミラー50と、第1ミラー52と、第2ミラー54とを有し、入射部42から筐体40の内部に入射した光は、ハーフミラー50で反射し、ハーフミラー50で反射した後に第1ミラー52で反射し、第1ミラー52で反射した後にハーフミラー50を透過して第2ミラー54で反射し、第2ミラー54で反射した後にハーフミラー50で反射して出射部43から筐体40の外部に出射してもよい。
【0082】
これによれば、入射部42から筐体40の内部に入射した光をハーフミラー50と第1ミラー52と第2ミラー54とで反射させることによって、表示部20から発せられた光の光路を容易に長くできる。したがって、筐体40を表示部20に取り付ける前と比べて表示部20によって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部20によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0083】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る表示装置10aを示す図である。図3では、第2の実施の形態に係る表示装置10aにおける光学装置30aが表示部20に取り付けられた状態を示している。図3では、筐体40を断面で示している。
【0084】
図3に示すように、第2の実施の形態に係る表示装置10aは、光学装置30とは異なる光学装置30aを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0085】
光学装置30aは、透光カバー60に代えてバックミラー70を有している点において、光学装置30と主に異なっている。
【0086】
バックミラー70は、出射部43に着脱可能に取り付けられる。たとえば、バックミラー70を出射部43に取り付けなければ、表示部20によって表示される画像を視認できる。一方、バックミラー70を出射部43に取り付けることによって、表示部20を用いることなく、車両1の後方を視認できる。
【0087】
なお、たとえば、光学装置30aは、透光カバー60に代えて、出射部43に取り付けられる液晶ミラーを有していてもよい。たとえば、液晶ミラーを透過モードにする(液晶ミラーをオンにする)ことによって、表示部20によって表示される画像を視認できる。一方、液晶ミラーを反射モードにする(液晶ミラーをオフにする)ことによって、表示部20を用いることなく、車両1の後方を視認できる。
【0088】
以上、第2の実施の形態に係る表示装置10aについて説明した。
【0089】
第2の実施の形態に係る光学装置30aは、出射部43に着脱可能に取り付けられるバックミラー70、または出射部43に取り付けられる液晶ミラーをさらに備える。
【0090】
これによれば、表示部20が車両1に設置されている場合、表示部20が故障した場合であっても、バックミラー70または液晶ミラーによって車両1の後方を視認できる。
【0091】
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施の形態に係る表示装置10bを示す図である。図4では、第3の実施の形態に係る表示装置10bにおける光学装置30bが表示部20に取り付けられた状態を示している。図3では、筐体40を断面で示している。
【0092】
図4に示すように、第3の実施の形態に係る表示装置10bは、光学装置30とは異なる光学装置30bを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0093】
光学装置30bは、透光カバー80と、光学フィルム90とをさらに有している点において、光学装置30と主に異なっている。
【0094】
透光カバー80は、筐体40が表示部20に取り付けられた状態において、表示部20と対向するように入射部42に設けられている。透光カバー80は、表示部20から発せられた光を透過させる。たとえば、透光カバー80は、透明なガラス、または透明な樹脂等によって形成されている。
【0095】
光学フィルム90は、透光カバー80に貼り付けられている。たとえば、光学フィルム90は、偏光フィルムおよびλ/4位相差フィルム等を含む。これにより、例えば表示部20から発せられる光が円偏光の場合、直線偏光に変化させることができる。この直線偏光が筐体40に入射することにより、ハーフミラー50、第1ミラー52、および、第2ミラー54にて、図4の太線矢印で示す光路に従って、透光カバー60から光が出射することができる。
【0096】
以上、第3の実施の形態に係る表示装置10bについて説明した。
【0097】
第3の実施の形態に係る光学装置30bは、筐体40が表示部20に取り付けられた状態において表示部20と対向するように入射部42に設けられる透光カバー80をさらに備える。
【0098】
これによれば、入射部42から筐体40の内部にホコリ等が侵入することを抑制できる。
【0099】
また、第3の実施の形態に係る光学装置30bは、透光カバー80に貼り付けられる光学フィルム90をさらに備える。
【0100】
これによれば、表示部20から発せられた光の振動方向等を容易に変化させることができるので、当該光を反射させ易くなり、表示部20によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0101】
(第4の実施の形態)
図5は、第4の実施の形態に係る表示装置10cを示す図である。図5の(a)は、第4の実施の形態に係る表示装置10cにおける光学装置30cが表示部20から取り外された状態を示しており、図5の(b)は、第4の実施の形態に係る表示装置10cにおける光学装置30cが表示部20に取り付けられた状態を示している。図5では、筐体40cを断面で示している。
【0102】
図5に示すように、第4の実施の形態に係る表示装置10cは、光学装置30とは異なる光学装置30cを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0103】
光学装置30cは、筐体40とは異なる筐体40cを有し、位置調整部100とラバー110とをさらに有している点において、光学装置30と主に異なっている。
【0104】
筐体40cは、凹部44と、貫通孔45とをさらに有している点において、筐体40と主に異なっている。
【0105】
凹部44は、入射部42を囲むように入射部42の周りに矩形状で、かつ、環状に設けられている。貫通孔45は、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、表示部20の上端面と対向するように設けられている。なお、たとえば、貫通孔45は、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、表示部20の下端面等の他の端面と対向するように設けられていてもよい。
【0106】
位置調整部100は、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において表示部20に対する筐体40cの位置を調整するための位置調整部である。図6は、図5の表示装置10cの位置調整部100を示す斜視図である。図5および図6に示すように、位置調整部100は、支持部材101と、付勢部材102と、回転部材103とを有している。
【0107】
支持部材101は、表示部20から光が発せられる方向と交差する方向に延びる軸線A回りに回転部材103が回転可能となるように、回転部材103を支持している。
【0108】
付勢部材102は、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、支持部材101を表示部20に向かって付勢している。たとえば、付勢部材102は、バネである。
【0109】
回転部材103は、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、貫通孔45から露出して表示部20の上端面に接しており、支持部材101とともに表示部20に向かって付勢されている。回転部材103は、軸線A方向において、筐体40cの外部に突出している。たとえば、回転部材103における表示部20と接する部分は、ラバー等によって形成されている。
【0110】
筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、運転手2が回転部材103を軸線A回りに回転させることによって、筐体40cを表示部20に対して移動させることができ(図5の(b)の矢印Bを参照)、表示部20に対する筐体40cの位置を調整できる。これによって、表示部20と入射部42との間の距離等を調整できる。
【0111】
ラバー110は、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、表示部20に当接するように入射部42の周りに設けられている環状のラバーである。ラバー110は、凹部44に嵌め込まれている。筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、ラバー110は、筐体40cと表示部20とに挟まれ、筐体40cと表示部20とに密着する。ラバー110は、例えば略四角形状のOリングであってもよい。
【0112】
以上、第4の実施の形態に係る表示装置10cについて説明した。
【0113】
第4の実施の形態に係る光学装置30cは、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において表示部20に対する筐体40cの位置を調整するための位置調整部100をさらに備える。
【0114】
これによれば、表示部20から発せられた光の光路の長さを調整し易くなるので、表示部20によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0115】
また、第4の実施の形態に係る光学装置30cは、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において表示部20に当接するように入射部42の周りに設けられる環状のラバー110をさらに備える。
【0116】
これによれば、筐体40cが表示部20に取り付けられた状態において、入射部42から筐体40cの内部にホコリ等が侵入することを抑制できる。
【0117】
(第5の実施の形態)
図7は、第5の実施の形態に係る表示装置10dを示す図である。図7の(a)は、第5の実施の形態に係る表示装置10dにおける操作部120が操作されていない状態を示しており、図7の(b)は、第5の実施の形態に係る表示装置10dにおける操作部120が操作されている状態を示している。図7では、筐体40dを断面で示している。
【0118】
図7に示すように、第5の実施の形態に係る表示装置10dは、表示部20とは異なる表示部20dと、光学装置30とは異なる光学装置30dとを有している点において、表示装置10と主に異なっている。
【0119】
表示部20dは、スイッチ21と、光センサ22とを有している点において、表示部20と主に異なっている。
【0120】
スイッチ21は、表示部20dを操作するためのスイッチである。たとえば、スイッチ21は、表示部20dによって表示される画像を切り替えるためのスイッチである。
【0121】
光センサ22は、表示部20dの外部の光を検出するセンサである。たとえば、光センサ22の検出結果に応じて、表示部20dから発せられる光の明るさが決定される。
【0122】
光学装置30dは、筐体40とは異なる筐体40dを有し、操作部120と、導光部130とをさらに有している点において、光学装置30と主に異なっている。導光部130は、光ファイバであってもよいし、透明の樹脂成型品であってもよい。
【0123】
筐体40dは、複数の貫通孔46,47,48,49をさらに有している点において、筐体40と主に異なっている。
【0124】
貫通孔46は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において、スイッチ21を筐体40dの内部に露出させるための貫通孔である。
【0125】
貫通孔47は、操作部120が挿通され、操作部120の一部を筐体40dの外部に突出させるための貫通孔である。
【0126】
貫通孔48は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において、光センサ22を筐体40dの内部に露出させるための貫通孔である。
【0127】
貫通孔49は、導光部130が挿通され、導光部130を筐体40dの外部に露出させるための貫通孔である。
【0128】
操作部120は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において、表示部20dに設けられたスイッチ21を操作するための操作部である。操作部120は、第1部材121と、第2部材122とを有している。
【0129】
第1部材121は、筐体40dの内部にスライド可能に設けられており、第1部材121の一部は、筐体40dの外部に突出している。第2部材122は、筐体40dの内部にスライド可能に設けられており、第1部材121がスライドすることによってスライドする。
【0130】
筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において、第1部材121を奥に押し込むことによって、第2部材122が上方にスライドし、スイッチ21が押される。このようにして、スイッチ21を操作できる。
【0131】
このように、第1部材121は、筐体40dの奥行方向に押し込まれることが可能である。たとえば、筐体40dの奥行方向は、表示部20dから発せられた光が出射部43から出射する方向とは反対向きの方向であり、出射部43から入射部42に向かう方向である。また、第2部材122は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において第1部材121が筐体40dの奥行方向に押し込まれることによって当該奥行方向と交差する交差方向に移動してスイッチ21を押す。ここでは、第2部材122は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において第1部材121が筐体40dの奥行方向に押し込まれることによって、鉛直上方側に移動してスイッチ21を押す。つまり、ここでは、交差方向は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において鉛直上下方向に延びる方向である。
【0132】
なお、第2部材122は、筐体40dが表示部20dに取り付けられていない際に、筐体40dの上下方向に自在に移動可能な構成を備えてもよい。たとえば、第2部材122は、筐体40dが表示部20dに取り付けられていない状態において、筐体40dの奥行方向と交差する交差方向に移動可能であってもよい。たとえば、筐体40dを図7に示す向きに対して上下逆向きにした場合に、第2部材122が重力によって鉛直下方側に移動し、第2部材122が鉛直下方側に突出した状態で止まるように、第2部材122は筐体40dの奥行方向と交差する交差方向に移動可能であってもよい。たとえば、第2部材122に突起部(図示せず)を設けて筐体40dに引っ掛けることによって、第2部材122が鉛直下方側に突出した状態で止まるようにしてもよい。これによって、筐体40dを図7に示す向きに対して上下逆向きにした状態で表示部20dに取り付けようとした場合に、第2部材122が表示部20dに当たって、筐体40dを表示部20dに取り付けられないようにできる。
【0133】
導光部130は、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において、表示部20dに設けられた光センサ22に導光する導光素子である。具体的には、導光部130は、筐体40dの外部に露出しており、筐体40dの外部の光を光センサ22に導光する。
【0134】
以上、第5の実施の形態に係る表示装置10dについて説明した。
【0135】
第5の実施の形態に係る光学装置30dにおいて、表示部20dは、表示部20dを操作するためのスイッチ21を有し、光学装置30dは、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態においてスイッチ21を操作するための操作部120をさらに備える。
【0136】
これによれば、筐体40dを表示部20dに取り付けた状態であっても、表示部20dに設けられたスイッチ21を操作することができる。
【0137】
また、第5の実施の形態に係る光学装置30dにおいて、操作部120は、筐体40dの奥行方向に押し込まれることが可能な第1部材121と、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において第1部材121が奥行方向に押し込まれることによって奥行方向と交差する交差方向に移動してスイッチ21を押す第2部材122とを有し、第2部材122は、筐体40dが表示部20dに取り付けられていない状態において、交差方向に移動可能である。
【0138】
これによれば、筐体40dを上下逆にして表示部20dに取り付けようとした場合等に、第2部材122を重力によって下方側に飛び出すようにでき、第2部材122が表示部20dに当たって筐体40dを表示部20dに取り付けられないようにできる。したがって、筐体40dが上下逆にして取り付けられる可能性を低減することができる。
【0139】
また、第5の実施の形態に係る光学装置30dにおいて、表示部20dは、表示部20dの外部の光を検出する光センサ22を有し、光学装置30dは、筐体40dが表示部20dに取り付けられた状態において光センサ22に光を導光する導光部130をさらに備える。
【0140】
これによれば、筐体40dを表示部20dに取り付けた状態であっても、表示部20dに設けられた光センサ22に光を導光することができる。
【0141】
(第6の実施の形態)
図8は、第6の実施の形態に係る表示装置10eを示す図である。図8の(a)は、第6の実施の形態に係る表示装置10eにおける表示部20eを示しており、図8の(b)は、第6の実施の形態に係る表示装置10eにおける光学装置30eが表示部20eに取り付けられた状態を示している。図8では、筐体40eを断面で示している。
【0142】
図8に示すように、表示装置10eは、表示部20eと、光学装置30eとを備えている。
【0143】
表示部20eは、回動可能に設けられており、光を発する方向を例えば90度、変更可能である点において、表示部20と主に異なっている。
【0144】
光学装置30eは、筐体40eと、複数のミラーと、透光カバー60eとを有している。
【0145】
筐体40eは、表示部20eに着脱可能に取り付けられる。筐体40eは、取付部41eと、入射部42eと、出射部43eとを有している。
【0146】
取付部41eは、筐体40eを表示部20eに着脱可能に取り付けるための取付部である。この実施の形態では、取付部41eは、表示部20eが着脱可能に嵌め込まれるように凹んでいる。つまり、取付部41eに表示部20eが嵌め込まれることによって、筐体40eが表示部20eに取り付けられる(図8の(b)を参照)。
【0147】
入射部42eは、筐体40eが表示部20eに取り付けられた状態において、表示部20eから発せられた光を筐体40eの内部に入射させるための入射部である。入射部42eは、筐体40eの内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。入射部42eは、筐体40eが表示部20eに取り付けられた状態において、表示部20eと対向するように設けられている。
【0148】
出射部43eは、入射部42eから筐体40eの内部に入射した光を筐体40eの外部に出射させるための出射部である。出射部43eは、筐体40eの内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。
【0149】
複数のミラーは、入射部42eから筐体40eの内部に入射した光を出射部43eに向かって反射させる。複数のミラーは、ハーフミラー50eと、凹面鏡56とを有している。
【0150】
ハーフミラー50eは、入射部42eから筐体40eの内部に入射した光を凹面鏡56に向かって反射させる。凹面鏡56は、ハーフミラー50eで反射した光をハーフミラー50eに向かって反射させる。ハーフミラー50eは、凹面鏡56で反射した光を透過させる。
【0151】
たとえば、表示部20eの表示面にはλ/4位相差フィルムが貼付されており、ハーフミラー50eは、λ/4位相差フィルムおよび反射型偏光素子等が積層されて構成されている。これによって、ハーフミラー50eは、入射部42eから筐体40eの内部に入射した光を凹面鏡56に向かって反射させ、凹面鏡56で反射した光を透過させることができる。
【0152】
透光カバー60eは、出射部43eに設けられており、ハーフミラー50eを透過した光を透過させる。たとえば、透光カバー60eは、透明なガラス、または透明な樹脂等によって形成されている。
【0153】
入射部42eから筐体40eの内部に入射した光は、ハーフミラー50eで反射し、ハーフミラー50eで反射した後に凹面鏡56で反射し、凹面鏡56で反射した後にハーフミラー50eを透過して出射部43eから筐体40eの外部に出射する(図8の(b)の太線矢印を参照)。
【0154】
たとえば、車両1に元々設置されている表示部20eによって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合、光学装置30eを表示部20eに取り付けることによって、表示部20eによって表示される画像をより遠くに表示させることができ、表示部20eによって表示される画像に焦点を合わせ易くすることができる。
【0155】
以上、第6の実施の形態に係る表示装置10eについて説明した。
【0156】
第6の実施の形態に係る光学装置30eにおいて、少なくとも1つのミラーは、ハーフミラー50eと、凹面鏡56とを有し、入射部42eから筐体40eの内部に入射した光は、ハーフミラー50eで反射し、ハーフミラー50eで反射した後に凹面鏡56で反射し、凹面鏡56で反射した後にハーフミラー50を透過して出射部43eから筐体40eの外部に出射する。
【0157】
これによれば、入射部42eから筐体40eの内部に入射した光をハーフミラー50eと凹面鏡56とで反射させることによって、表示部20eから発せられた光の光路を容易に長くできる。したがって、筐体40eを表示部20eに取り付ける前と比べて表示部20eによって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部20eによって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0158】
(第7の実施の形態)
図9は、第7の実施の形態に係る表示装置10fを示す図である。図9の(a)は、第7の実施の形態に係る表示装置10fにおける表示部20fを示しており、図9の(b)は、第7の実施の形態に係る表示装置10fにおける光学装置30fが表示部20fに取り付けられた状態を示している。図9では、筐体40fを断面で示している。
【0159】
図9に示すように、表示装置10fは、表示部20fと、光学装置30fとを備えている。
【0160】
表示部20fは、回動可能に設けられており、光を発する方向を例えば90度、変更可能である点において、表示部20と主に異なっている。
【0161】
光学装置30fは、筐体40fと、複数のミラーと、透光カバー60fとを有している。
【0162】
筐体40fは、表示部20fに着脱可能に取り付けられる。筐体40fは、取付部41fと、入射部42fと、出射部43fとを有している。
【0163】
取付部41fは、筐体40fを表示部20fに着脱可能に取り付けるための取付部である。この実施の形態では、取付部41fは、表示部20fが着脱可能に嵌め込まれるように凹んでいる。つまり、取付部41fに表示部20fが嵌め込まれることによって、筐体40fが表示部20fに取り付けられる(図9の(b)を参照)。
【0164】
入射部42fは、筐体40fが表示部20fに取り付けられた状態において、表示部20fから発せられた光を筐体40fの内部に入射させるための入射部である。入射部42fは、筐体40fの内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。入射部42fは、筐体40fが表示部20fに取り付けられた状態において、表示部20fと対向するように設けられている。
【0165】
出射部43fは、入射部42fから筐体40fの内部に入射した光を筐体40fの外部に出射させるための出射部である。出射部43fは、筐体40fの内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。
【0166】
複数のミラーは、入射部42fから筐体40fの内部に入射した光を出射部43fに向かって反射させる。複数のミラーは、ハーフミラー50fと、第1ミラー52fと、第2ミラー54fとを有している。
【0167】
第1ミラー52fは、入射部42fから筐体40fの内部に入射した光をハーフミラー50fに向かって反射させる。ハーフミラー50fは、第1ミラー52fで反射した光を第2ミラー54fに向かって反射させる。第2ミラー54fは、ハーフミラー50fで反射した光をハーフミラー50fに向かって反射させる。ハーフミラー50fは、第2ミラー54fで反射した光を透過させる。
【0168】
たとえば、表示部20fの表示面にはλ/4位相差フィルムが貼付されており、ハーフミラー50fは、λ/4位相差フィルムおよび反射型偏光素子等が積層されて構成されている。これによって、ハーフミラー50fは、第1ミラー52fで反射した光を第2ミラー54fに向かって反射させ、第2ミラー54fで反射した光を透過させることができる。
【0169】
透光カバー60fは、出射部43fに設けられており、ハーフミラー50fを透過した光を透過させる。たとえば、透光カバー60fは、透明なガラス、または透明な樹脂等によって形成されている。
【0170】
入射部42fから筐体40fの内部に入射した光は、第1ミラー52fで反射し、第1ミラー52fで反射した後にハーフミラー50fで反射し、ハーフミラー50fで反射した後に第2ミラー54fで反射し、第2ミラー54fで反射した後にハーフミラー50fを透過して出射部43fから筐体40fの外部に出射する(図9の(b)の太線矢印を参照)。
【0171】
たとえば、車両1に元々設置されている表示部20fによって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合、光学装置30fを表示部20fに取り付けることによって、表示部20fによって表示される画像をより遠くに表示させることができ、表示部20fによって表示される画像に焦点を合わせ易くすることができる。
【0172】
以上、第7実施の形態に係る表示装置10fについて説明した。
【0173】
第7の実施の形態に係る光学装置30fにおいて、少なくとも1つのミラーは、ハーフミラー50fと、第1ミラー52fと、第2ミラー54fとを有し、入射部42fから筐体40fの内部に入射した光は、第1ミラー52fで反射し、第1ミラー52fで反射した後にハーフミラー50fで反射し、ハーフミラー50fで反射した後に第2ミラー54fで反射し、第2ミラー54fで反射した後にハーフミラー50fを透過して出射部43fから筐体40fの外部に出射する。
【0174】
これによれば、入射部42fから筐体40fの内部に入射した光をハーフミラー50fと第1ミラー52fと第2ミラー54fとで反射させることによって、表示部20fから発せられた光の光路を容易に長くできる。したがって、筐体40fを表示部20fに取り付ける前と比べて表示部20fによって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部20fによって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0175】
(第8の実施の形態)
図10は、第8の実施の形態に係る表示装置10gを示す図である。図10では、第8の実施の形態に係る表示装置10gにおける光学装置30gが表示部20に取り付けられた状態を示している。図10では、筐体40gを断面で示している。
【0176】
図10に示すように、第8の実施の形態に係る表示装置10gは、光学装置30とは異なる光学装置30gを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0177】
光学装置30gは、筐体40とは異なる筐体40gを有し、凸レンズ140をさらに有している点において、光学装置30と主に異なっている。
【0178】
筐体40gは、筐体40gが表示部20に取り付けられた状態における表示部20と複数のミラーとの距離が、筐体40が表示部20に取り付けられた状態における表示部20と複数のミラーとの距離よりも、凸レンズ140を配置する分、大きくなるように、筐体40よりも大きく形成されている。
【0179】
凸レンズ140は、入射部42gからミラー(ハーフミラー50)に至るまでの光路に設けられている。入射部42gから筐体40gの内部に入射した光は、凸レンズ140を透過した後にハーフミラー50で反射する。凸レンズ140は、入射部42gから筐体40gの内部に入射した映像(光)を縮小し、中間像190を形成する。
【0180】
なお、図10に示すように、中間像190の上端は筐体40gの上下方向に対して右側(表示部20側)へ傾いている。つまり、この中間像190が、例えば図2における入射部42と同じ傾きとなる。このように中間像190を傾けるために、図10の入射部42gは図2の入射部42に対し反時計方向に傾いている。
【0181】
複数のミラーは、凸レンズ140で縮小された光による中間像190を拡大する。この実施の形態では、第2ミラー54は、凹面鏡であり、凸レンズ140で縮小された中間像190を拡大する。なお、凸レンズ140は、単レンズとして図示しているが、複数のレンズによって構成された組合せレンズであってもよい。
【0182】
以上、第8の実施の形態に係る表示装置10gについて説明した。
【0183】
第8の実施の形態に係る光学装置30gは、入射部42gから少なくとも1つのミラー(ハーフミラー50)に至るまでの光路に設けられる凸レンズ140をさらに備え、凸レンズ140は、入射部42gから筐体40gの内部に入射した光を縮小し、少なくとも1つのミラー(第2ミラー54)は、凸レンズ140で縮小された光(中間像190)を拡大する。
【0184】
これによれば、いったん縮小した光(中間像190)を形成し、それを拡大するので、虚像の解像度を上げることができる。
【0185】
(第9の実施の形態)
図11は、第9の実施の形態に係る表示装置10kを示す図である。図11では、第9の実施の形態に係る表示装置10kにおける光学装置30kが表示部20に取り付けられた状態を示している。図11では、筐体40kを断面で示している。
【0186】
図11に示すように、第9の実施の形態に係る表示装置10kは、光学装置30とは異なる光学装置30kを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0187】
光学装置30kは、筐体40とは異なる筐体40kを有し、凸レンズ150をさらに有している点において、光学装置30と主に異なっている。
【0188】
筐体40kは、筐体40kが表示部20に取り付けられた状態における表示部20と複数のミラーとの距離が、筐体40が表示部20に取り付けられた状態における表示部20と複数のミラーとの距離よりも、凸レンズ150を配置する分、大きくなるように、筐体40よりも大きく形成されている。
【0189】
凸レンズ150は、入射部42から出射部43に至るまでの光路に設けられている。この実施の形態では、凸レンズ150は、入射部42とハーフミラー50との間に設けられており、入射部42から筐体40kの内部に入射した光は、凸レンズ150を透過した後にハーフミラー50で反射する。なお、凸レンズ150は、入射部42から出射部43に至るまでの光路において、どの部分に配置されてもよい。
【0190】
以上、第9の実施の形態に係る表示装置10kについて説明した。
【0191】
第9の実施の形態に係る光学装置30kは、入射部42から出射部43に至るまでの光路に設けられる凸レンズ150をさらに備える。
【0192】
これによれば、筐体40kを表示部20に取り付ける前と比べて表示部20によって表示される画像を容易に遠くに表示させることができるので、表示部20によって表示される画像に焦点をさらに合わせ易くなる。
【0193】
(第10の実施の形態)
図12は、第10の実施の形態に係る表示装置10hを示す図である。図12では、第10の実施の形態に係る表示装置10hにおける光学装置30hが表示部20に取り付けられた状態を示している。図12では、筐体40kおよび凸レンズ150hを断面で示している。
【0194】
図12に示すように、第10の実施の形態に係る表示装置10hは、光学装置30kとは異なる光学装置30hを備えている点において、表示装置10kと主に異なっている。
【0195】
光学装置30hは、凸レンズ150とは異なる凸レンズ150hを有している点において、光学装置30kと主に異なっている。
【0196】
凸レンズ150hは、フレネルレンズである。凸レンズ150hの一方主面は、断面略のこぎり状に突出している。
【0197】
以上、第10の実施の形態に係る表示装置10hについて説明した。
【0198】
第10の実施の形態に係る光学装置30hにおいて、凸レンズ150hは、フレネルレンズである。
【0199】
これによれば、光学装置30hが大きくなることを抑制しつつ、表示部20によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0200】
(第11の実施の形態)
図13は、第11の実施の形態に係る表示装置10iを示す図である。図13では、第11の実施の形態に係る表示装置10iにおける光学装置30iが表示部20に取り付けられた状態を示している。図13では、筐体40kを断面で示している。
【0201】
図13に示すように、第11の実施の形態に係る表示装置10iは、光学装置30kとは異なる光学装置30iを備えている点において、表示装置10kと主に異なっている。
【0202】
光学装置30iは、凸レンズ150とは異なる凸レンズ150iを有している点において、光学装置30kと主に異なっている。
【0203】
凸レンズ150iの一方主面151および他方主面152のそれぞれは、シリンドリカル面である。つまり、凸レンズ150iは、いわゆるシリンドリカルレンズである。この実施の形態では、凸レンズ150iは、表示部20から発せられた光が他方主面152から入射して一方主面151から出射するように配置されている。
【0204】
図14は、図13の表示装置10iが備える凸レンズ150iを示す3面図である。図14の(a)は、正面図であり、図14の(b)は、平面図であり、図14の(c)は、側面図である。
【0205】
図14に示すように、一方主面151は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面である。つまり、一方主面151は、第1方向に延びる軸C(軸方向:図14の(a)を参照)を中心とする周方向に沿う面である。第1方向は、図14におけるX軸で示す方向である。
【0206】
他方主面152は、第1方向と直交する第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面である。つまり、他方主面152は、第2方向に延びる軸D(軸方向:図14の(a)を参照)を中心とする周方向に沿う面である。第2方向は、図14におけるY軸で示す方向である。
【0207】
他方主面152は、一方主面151とは反対側の面であり、第1方向と直交しかつ第2方向と直交する第3方向において、一方主面151と並んでいる。つまり、他方主面152は、第3方向から見たとき、一方主面151と重なっている。第3方向は、図14におけるZ軸で示す方向である。
【0208】
他方主面152は、一方主面151とは反対向きに突出している。具体的には、一方主面151は、第3方向における一方側(Z軸方向のプラス側)に突出しており、他方主面152は、第3方向における他方側(Z軸方向のマイナス側)に突出している。
【0209】
また、非点隔差が生じないように、一方主面151の曲率および他方主面152の曲率は、相互に異なっている。
【0210】
なお、たとえば、一方主面151および他方主面152の両方が、第1方向を軸方向とするシリンドリカル面であってもよいし、第2方向を軸方向とするシリンドリカル面であってもよい。また、たとえば、一方主面151の曲率および他方主面152の曲率は、相互に等しくてもよい。
【0211】
以上、第11の実施の形態に係る表示装置10iについて説明した。
【0212】
第11の実施の形態に係る光学装置30iにおいて、凸レンズ150iの一方主面151および他方主面152のそれぞれは、シリンドリカル面である。
【0213】
これによれば、凸レンズ150iを透過した光が一点に集中することを抑制しつつ、表示部20によって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0214】
また、第11の実施の形態に係る光学装置30iにおいて、一方主面151の曲率および他方主面152の曲率は、相互に異なる。
【0215】
これによれば、非点隔差が生じることを抑制できる。
【0216】
(第12の実施の形態)
図15は、第12の実施の形態に係る表示装置10jを示す図である。図15の(a)は、第12の実施の形態に係る表示装置10jにおける光学装置30jが表示部20jから取り外された状態を示しており、図15の(b)は、第12の実施の形態に係る表示装置10jにおける光学装置30jが表示部20jに取り付けられた状態を示している。図15では、筐体40jを断面で示している。
【0217】
図15に示すように、表示装置10jは、表示部20jと、光学装置30jとを備えている。
【0218】
表示部20jは、表示部20と外観形状が異なる点において、表示部20と主に異なっている。
【0219】
光学装置30jは、筐体40jと、凸レンズ160とを有している。たとえば、光学装置30jは、車両1に元々設置されている表示部20jに着脱可能に取り付けられる装置である。
【0220】
筐体40jは、表示部20jに着脱可能に取り付けられる。筐体40jは、取付部41jと、入射部42jと、出射部43jとを有している。
【0221】
取付部41jは、筐体40jを表示部20jに着脱可能に取り付けるための取付部である。この実施の形態では、取付部41jは、表示部20jに引っ掛けられることが可能なフック状に形成されている。つまり、取付部41jが表示部20jに引っ掛けられることによって、筐体40jが表示部20jに取り付けられる(図15の(b)を参照)。
【0222】
入射部42jは、筐体40jが表示部20jに取り付けられた状態において、表示部20jから発せられた光を筐体40jの内部に入射させるための入射部である。入射部42jは、筐体40jの内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。入射部42jは、筐体40jが表示部20jに取り付けられた状態において、表示部20jと対向するように設けられている。
【0223】
出射部43jは、入射部42jから筐体40jの内部に入射した光を筐体40jの外部に出射させるための出射部である。出射部43jは、筐体40jの内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。出射部43jは、入射部42jと対向するように設けられている。
【0224】
凸レンズ160は、入射部42jから出射部43jに至るまでの光路に設けられている。この実施の形態では、凸レンズ160は、出射部43jに設けられており、入射部42jから筐体40jの内部に入射した光を透過させて出射部43jから筐体40jの外部に出射させる。
【0225】
筐体40jが表示部20jに取り付けられた状態において、表示部20jから凸レンズ160までの距離Eは、凸レンズ160の焦点距離よりも短い。たとえば、距離Eは、表示部20jの前面から凸レンズ160の光軸方向の中心までの距離である。
【0226】
入射部42jから筐体40jの内部に入射した光は、凸レンズ160を透過して出射部43jから筐体40jの外部に出射する(図15の(b)の太線矢印を参照)。
【0227】
なお、たとえば、凸レンズ160は、凸レンズ150hのようなフレネルレンズであってもよいし、凸レンズ150iのようなシリンドリカル面を有する凸レンズであってもよい。
【0228】
以上、第12の実施の形態に係る表示装置10jについて説明した。
【0229】
第12の実施の形態に係る光学装置30jは、表示部20jに着脱可能に取り付けられる筐体40jであって、筐体40jが表示部20jに取り付けられた状態において表示部20jから発せられた光を筐体40jの内部に入射させるための入射部42j、および入射部42jから筐体40jの内部に入射した光を筐体40jの外部に出射させるための出射部43jを有する筐体40jと、入射部42jから出射部43jに至るまでの光路に設けられる凸レンズ160とを備え、筐体40jが表示部20jに取り付けられた状態において、表示部20jから凸レンズ160までの距離Eは、凸レンズ160の焦点距離よりも短い。
【0230】
これによれば、表示部20jによって表示される画像に焦点を合わせ難くなった場合に、筐体40jを表示部20jに取り付けることによって、筐体40jを表示部20jに取り付ける前と比べて表示部20jによって表示される画像を遠くに表示させることができるので、表示部20jによって表示される画像に焦点を合わせ易くなる。
【0231】
(第13の実施の形態)
図16は、第13の実施の形態に係る表示装置10mを示す図である。図16の(a)は、第13の実施の形態に係る表示装置10mにおける光学装置30mが表示部20から取り外された状態を示しており、図16の(b)は、第13の実施の形態に係る表示装置10mにおける光学装置30mが表示部20に取り付けられた状態を示している。図16では、筐体40mを断面で示している。図17は、図16の表示装置10mが備えるガイド部の配置を示す図である。
【0232】
図16に示すように、表示装置10mは、表示部20と、光学装置30mとを備えている。
【0233】
光学装置30mは、表示部20との取り付け部分の形状が光学装置30と主に異なっている。具体的には、光学装置30mの筐体40mには表示部20を嵌め込む窪み部が無く、入射部42は筐体40mと面一の構成を有する。そして、光学装置30mは、窪み部の代わりに、図17に示すように、入射部42の周囲に、可動式の上ガイド部171、下ガイド部172、左ガイド部173、および右ガイド部174を備える。入射部42の周囲における、表示部20を正面視したときの表示部20の上部に対応する位置に上ガイド部171が設けられ、表示部20を正面視したときの表示部20の下部に対応する位置に下ガイド部172が設けられ、表示部20を正面視したときの表示部20の左部に対応する位置に左ガイド部173が設けられ、表示部20を正面視したときの表示部20の右部に対応する位置に右ガイド部174が設けられている。そして、上ガイド部171および下ガイド部172の少なくとも一方は、上ガイド部171と下ガイド部172とが並ぶ方向に可動する。第13の実施の形態では、上ガイド部171および下ガイド部172の少なくとも一方は、筐体40mが表示部20に取り付けられた状態における上下方向に可動する構成を備える。第13の実施の形態では、上ガイド部171および下ガイド部172の両方が可動する。同様に、左ガイド部173および右ガイド部174の少なくとも一方は、左ガイド部173と右ガイド部174とが並ぶ方向に可動する。第13の実施の形態では、左ガイド部173および右ガイド部174の少なくとも一方は、筐体40mが表示部20に取り付けられた状態における左右方向に可動する構成を備える。第13の実施の形態では、左ガイド部173および右ガイド部174の両方が可動する。
【0234】
たとえば、筐体40mは、上ガイド部171を所定範囲において移動可能に支持する溝部(図示せず)と、上ガイド部171を下ガイド部172に向けて付勢するバネ(図示せず)等を有する。また、たとえば、筐体40mは、下ガイド部172を所定範囲において移動可能に支持する溝部(図示せず)と、下ガイド部172を上ガイド部171に向けて付勢するバネ(図示せず)等を有する。また、たとえば、筐体40mは、左ガイド部173を所定範囲において移動可能に支持する溝部(図示せず)と、左ガイド部173を右ガイド部174に向けて付勢するバネ(図示せず)等を有する。また、たとえば、筐体40mは、右ガイド部174を所定範囲において移動可能に支持する溝部(図示せず)と、右ガイド部174を左ガイド部173に向けて付勢するバネ(図示せず)等を有する。たとえば、このようにして、上ガイド部171、下ガイド部172、左ガイド部173、および右ガイド部174のそれぞれが可動する。
【0235】
表示部20に筐体40mを取り付ける際には、入射部42が表示部20にほぼ対向するように筐体40mを仮押さえした状態で、上ガイド部171、下ガイド部172、左ガイド部173、および右ガイド部174を動かす。次に、図16の(b)に示すように、筐体40mの上下端に対し、ベルト180を取り付けることで、筐体40mを表示部20に固定する。このとき、ベルト180は伸縮可能であり、ベルト180の両端には留め具181(たとえばオスホック)が設けられるとともに、筐体40mの天面および底面にも留め具182(たとえばメスホック)が設けられている。したがって、ベルト180を引っ張りつつ、留め具181と留め具182とを留めることにより、容易に筐体40mを表示部20に固定できる。なお、ベルト180は複数個所にあってもよい。
【0236】
このようにして、上ガイド部171と下ガイド部172との間および左ガイド部173と右ガイド部174との間に表示部20が挿入されることにより、表示部20に筐体40mが取り付けられる。
【0237】
なお、各ガイド部については、図18に示す構成であってもよい。図18は、第13の実施の形態に係る他の表示装置30mを示す図である。図18の(a)は、第13の実施の形態に係る他の表示装置10mにおける光学装置30mが表示部20から取り外された他の状態を示しており、図18の(b)は、第13の実施の形態に係る他の表示装置10mにおける光学装置30mが表示部20に取り付けられた他の状態を示している。
【0238】
各ガイド部は、先端が膨らみを有するとともに、膨らみ以外の部分が弾性を有する弾性爪の構成である。これら弾性爪は、膨らみ部分が表示部20の背面と嵌合するような長さを有している。さらに、図17で説明したように、各ガイド部を構成する弾性爪は、上ガイド部171および下ガイド部172が上下方向に、左ガイド部173および右ガイド部174が左右方向に、それぞれ動くことができる。この際、各ガイド部は戻り止めのための節度を持って動く構成としている。したがって、表示部20に筐体40mが取り付けられた際に、入射部42が表示部20にほぼ対向するように筐体40mを仮押さえした状態で、上ガイド部171、下ガイド部172、左ガイド部173、および右ガイド部174を動かすことで、それらの位置が節度によりほぼ固定されることになる。よって、図18の構成では、図16の構成のようなベルト180と留め具181とが不要となる。また、表示部20から筐体40mを外す際も、筐体40mを手前に引っ張ることで、それぞれの弾性爪が反りながら広がるため、容易に取り外すことができる。
【0239】
以上、第13の実施の形態に係る表示装置10mについて説明した。
【0240】
第13の実施の形態に係る光学装置30mは、入射部42の周囲における、表示部20を正面視したときの表示部20の上部に対応する位置に設けられる上ガイド部171と、表示部20を正面視したときの表示部20の下部に対応する位置に設けられる下ガイド部172と、表示部20を正面視したときの表示部20の左部に対応する位置に設けられる左ガイド部173と、表示部20を正面視したときの表示部20の右部に対応する位置に設けられる右ガイド部174とをさらに備え、上ガイド部171および下ガイド部172の少なくとも一方は、上ガイド部171と下ガイド部172とが並ぶ方向に可動し、左ガイド部173および右ガイド部174の少なくとも一方は、左ガイド部173と右ガイド部174とが並ぶ方向に可動する。
【0241】
これによれば、可動するガイド部によって、大きさの異なる表示部20に対しても入射部42と表示部20の表示面とが合うように、筐体40mを表示部20に取り付けることができる。これによって、入射部42と表示部20の表示面とが合わず、表示面が入射部42に対して上下左右方向にずれたり斜めにずれて固定された場合等にみられる画像の位置ずれや回転ずれを抑制することができる。
【0242】
(第14の実施の形態)
図19は、第14の実施の形態に係る表示装置10nを示す図である。
【0243】
図19に示すように、表示装置10nは、表示部20nと、光学装置30nとを備えている。
【0244】
光学装置30nは、表示部20nとの取り付け部分の形状が光学装置30と主に異なっている。具体的には、筐体40nの下部に表示部20nであるたとえばスマートフォンを配置することが可能な設置部200が設けられる構成となる。したがって、運転手2は車両1の後方画像に代わって、スマートフォンの画像を虚像として透光カバー60nから視認することができる。
【0245】
光学装置30nは、筐体40nと、複数のミラーと、透光カバー60nとを有している。筐体40nは、表示部20nに着脱可能に取り付けられる。筐体40nは、入射部42nと、出射部43nと、設置部200とを有している。
【0246】
入射部42nは、筐体40nが表示部20nに取り付けられた状態において、表示部20nから発せられた光を筐体40nの内部に入射させるための入射部である。出射部43nは、入射部42nから筐体40nの内部に入射した光を筐体40nの外部に出射させるための出射部である。
【0247】
設置部200は、入射部42nと対向しかつ入射部42nと所定間隔を空けた位置に表示部20nが位置するように、表示部20nが脱着可能に設置される。第14の実施の形態では、設置部200に表示部20nが設置されることによって、筐体40nが表示部20nに取り付けられる。設置部200は、表示部20nの表示面が入射部42nと対向するように表示部20nを配置できる構成を備える。具体的には、設置部200は開口部201を有し、開口部201を介して表示部20nの脱着を行うことができる。このような構成とすることで、図19に示すように、入射部42nと透光カバー60nとは互いに略直角方向となる。したがって、図19における下方からの光を、その直角方向に出射するために、光学装置30nは、光が2回反射する構成か、図9の(b)に示すように光が3回反射する構成が望ましい。
【0248】
なお、開口部201は図19に示す左側の、指が挿入される部分のみに設けられ、それ以外は表示部20nを囲むように筐体40nの壁面になっている。このように構成することで、表示部20nの表示面への外光の映り込みが抑制される。
【0249】
開口部201は、表示部20nであるスマートフォンの脱着と設置部200への装着時の操作が可能な所定間隔を有する。さらに、設置部200は傾斜面206を有し、傾斜面206に表示部20nが配置される。この傾斜面206により、表示部20nの操作が容易になる。
【0250】
なお、傾斜面206に表示部20nを配置すると、そのままの状態では透光カバー60nから視認される画像が歪む可能性がある。そこで、第14の実施の形態では、図19に示すように、傾斜面206に配置した表示部20nの表示面からの出射角θ1が、凹面鏡56nの反射角θ2と略等しくなるように凹面鏡56nの角度を設定している。つまり、光学装置30nが備える少なくとも1つのミラーは、凹面鏡56nを有し、設置部200は、表示部20nから出射した光の出射角θ1が当該光の凹面鏡56nでの反射角θ2と等しくなるように、表示部20nが脱着可能に設置される。たとえば、出射角θ1は、表示部20nの表示面の法線方向に対する角度である。このような構成とすることで、設置部200を傾斜させても透光カバー60nから視認される画像の歪みを抑制している。
【0251】
また、設置部200は、表示部20nを正面視した際の表示部20nの上下辺のいずれかに当接する第1可動式ストッパ202と、表示部20nを正面視した際の表示部20n左右辺のいずれかに当接する第2可動式ストッパ(図示せず)とを備える。つまり、設置部200は、表示部20nを正面視したときの表示部20nの上辺および下辺のいずれかに当接する第1可動式ストッパ202と、表示部20nを正面視したときの表示部20nの左辺および右辺のいずれかに当接する第2可動式ストッパ(図示せず)とを有する。図19の構成では、第1可動式ストッパ202が表示部20nの上辺縁部に当接する構成を示している。なお、ここでは、表示部20nの下辺には第1可動式ストッパを設けていない。
【0252】
第1可動式ストッパ202にはバネ203が接続されている。これにより、第1可動式ストッパ202はバネ203の反力により表示部20nを固定することができる。また、図19には示していないが、表示部20nのたとえば左辺にも第1可動式ストッパ202と同様の構成の第2可動式ストッパが設けられている。この場合、右辺には第2可動式ストッパを設けていない。したがって、表示部20nを設置部200に配置する際には、表示部20nの上辺と左辺とがそれぞれ第1可動式ストッパ202および第2可動式ストッパに当たるようにバネ203等を押し込みながら設置部200に嵌め込む。これにより、表示部20nを設置部200に容易に固定することができる。
【0253】
なお、上辺の第1可動式ストッパ202の一部は、図19に示すように表示部20nの表示面の上辺の一部を覆うように構成される。同様の構成は、左辺に備えた第2可動式ストッパにも適用されている。これらにより、車両1の振動が加わっても表示部20nを動き難くすることができる。
【0254】
また、設置部200において、第1可動式ストッパ202は表示部20nの上辺側に設けられる構成に限定されるものではなく、下辺側に設けられてもよい。また、設置部200において、第2可動式ストッパは表示部20nの左辺側に設けられる構成に限定されるものではなく、右辺側に設けられてもよい。
【0255】
複数のミラーは、ハーフミラー50nと、凹面鏡56nとを含んでいる。ハーフミラー50nは、表示部20nから出射した光を凹面鏡56nに向かって反射させ、凹面鏡56nで反射した光を透過させる。ハーフミラー50nは、λ/4位相差板57nと、反射型偏光板58nと、ガラス基材59nとを有している。λ/4位相差板57n、反射型偏光板58n、およびガラス基材59nは、この順に重ねて配置されている。なお、光学装置30nは、複数ではなく1つのミラーを備えていてもよい。
【0256】
光学装置30nは、λ/4位相差板207と、ガラス基材208とを備えている。λ/4位相差板207およびガラス基材208は、相互に重ねられ、入射部42nに設けられている。λ/4位相差板207およびガラス基材208は、表示部20nから出射した光を透過させる。
【0257】
このような光学系としたことで、表示部20nから発せられた光がP偏光であるとすると、P偏光の光がλ/4位相差板207を透過することにより円偏光となる。この円偏光の光はλ/4位相差板57nでS偏光となり、反射型偏光板58nに至る。反射型偏光板58nはS偏光を反射し、P偏光を透過するため、反射型偏光板58nに至ったS偏光の光は、反射型偏光板58nで反射し、再びλ/4位相差板57nに至る。その結果、S偏光の光は円偏光となり、凹面鏡56nで反射する。凹面鏡56nで反射した円偏光の光はλ/4位相差板57nによりP偏光となる。P偏光となった光は、反射型偏光板58nを透過し、透光カバー60nから視認者の方向に出射する。このような光路を辿ることにより、表示部20nからの光は筐体40n内で2回反射して出射する。
【0258】
なお、筐体40nにおける設置部200の下面には、スタンド部204が設けられている。スタンド部204は筐体40nをダッシュボード等に固定するためのもので、スタンド部204のダッシュボードに固定される部分には、たとえば、吸盤、または両面テープが設けられている。スタンド部204は、透光カバー60nの方向を見やすく調節できるように、筐体40n全体を上下左右方向に動かせるパンチルト機構が内蔵されていてもよい。
【0259】
また、筐体40nの上部には、透光カバー60nを支持するフード部205が配される。これにより、透光カバー60nへの外光の映り込みを低減できる。
【0260】
以上、第14の実施の形態に係る表示装置10nについて説明した。
【0261】
第14の実施の形態に係る光学装置30nにおいて、筐体40nは、入射部42nと対向しかつ入射部42nと所定間隔を空けた位置に表示部20nが位置するように、表示部20nが脱着可能に設置される設置部200をさらに有する。
【0262】
これによれば、設置部200に取り付けられた、たとえば可搬な表示部20nによって表示される画像を虚像としてより遠くに表示させることができるので、表示部20nによって表示される画像に焦点を合わせ易くすることができる。
【0263】
また、少なくとも1つのミラーは、凹面鏡56nを有し、設置部200は、表示部20nから出射した光の出射角θ1が当該光の凹面鏡56nでの反射角θ2と等しくなるように、表示部20nが脱着可能に設置される。
【0264】
これによれば、表示部20nから出射した光によって視認される画像の歪みを抑制することができる。
【0265】
また、設置部200は、表示部20nを正面視したときの表示部20nの上辺および下辺のいずれかに当接する第1可動式ストッパ202と、表示部20nを正面視したときの表示部20nの左辺および右辺のいずれかに当接する第2可動式ストッパとを有する。
【0266】
これによれば、表示部20nを設置部200に容易に固定することができる。
【0267】
なお、設置部200には、表示部20nに電力を供給する非接触給電機構が内蔵されていてもよい。この場合、表示部20nには電力が供給され続けるので、表示部20nが電池切れになり、電源がオフになってしまう可能性を低減できる。
【0268】
(第15の実施の形態)
図20は、第15の実施の形態に係る表示装置10pを示す図である。
【0269】
第15の実施の形態の表示装置10pにおいて、第14の実施の形態における表示装置10nと同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。すなわち、図20において、表示装置10pの特徴となる構成は、光学装置30pにおいて、筐体40pが光学装置30nの筐体40nにおけるフード部205を有さず、出射部43pに設けられる透光カバーに透過型偏光板210を配置した点である。なお、図20の表示装置10pの構成では、ハーフミラー50nが透光カバーの機能も有する。
【0270】
透過型偏光板210は、筐体40pの出射部43pに配置されている。ここでは、透過型偏光板210は、ハーフミラー50nに貼り付けられ、ハーフミラー50nとともに出射部43pに配置されている。透過型偏光板210は、筐体40pの外部から出射部43pに至る外光を透過して筐体40p内に導入する。そのため、外光がハーフミラー50nで反射して映り込む可能性を低減することができる。上記以外の構成は表示装置10nと同一である。したがって、図19の表示装置10nと比較してフード部205が無い分、筐体40pを小型化することができる。
【0271】
以上、第15の実施の形態に係る表示装置10pについて説明した。
【0272】
第15の実施の形態に係る光学装置30pにおいて、出射部43pに配置される透過型偏光板210をさらに備える。
【0273】
これによれば、出射部43pにおける外光の映り込みを低減できる。
【0274】
(他の実施の形態等)
以上、本開示の一つ又は複数の態様に係る光学装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0275】
上述した実施の形態では、取付部41が、表示部20が着脱可能に嵌め込まれるように凹んでいる場合、および取付部41jが、表示部20jに引っ掛けられることが可能なフック状に形成されている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、光学装置は、表示部に設けられている磁石と引き合う磁石を有しており、筐体は、磁石を用いて表示部に着脱可能に取り付けられてもよい。また、たとえば、光学装置は、ベルトを有しており、筐体は、ベルトを用いて表示部に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0276】
また、上述した実施の形態では、光学装置30~30i、及び、光学装置30kが、複数のミラーを有している場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、光学装置は、少なくとも1つのミラーを有していればよい。たとえば、光学装置が、1つのミラーを有している場合、入射部から筐体の内部に入射した光は、当該1つのミラーで反射して出射部から筐体の外部に出射する。
【産業上の利用可能性】
【0277】
本開示は、画像を表示するための表示装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0278】
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10i,10j,10k,10m,10n,10p 表示装置
20,20d,20e,20f,20j,20n 表示部
21 スイッチ
22 光センサ
30,30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30h,30i,30j,30k,30m,30n,30p 光学装置
40,40c,40d,40e,40f,40g,40j,40k,40m,40n,40p 筐体
41,41e,41f,41j 取付部
42,42e,42f,42g,42j,42n 入射部
43,43e,43f,43j,43n,43p 出射部
44 凹部
45,46,47,48,49 貫通孔
50,50e,50f,50n ハーフミラー
52,52f 第1ミラー
54,54f 第2ミラー
56,56n 凹面鏡
57n,207 λ/4位相差板
58n 反射型偏光板
59n,208 ガラス基材
60,60e,60f,60n,80 透光カバー
70 バックミラー
90 光学フィルム
100 位置調整部
101 支持部材
102 付勢部材
103 回転部材
110 ラバー
120 操作部
121 第1部材
122 第2部材
130 導光部
140,150,150h,150i,160 凸レンズ
151 一方主面
152 他方主面
171 上ガイド部
172 下ガイド部
173 左ガイド部
174 右ガイド部
180 ベルト
181,182 留め具
200 設置部
201 開口部
202 第1可動式ストッパ
203 バネ
204 スタンド部
205 フード部
206 傾斜面
210 透過型偏光板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20