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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ホルダ
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
B42F7/00 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019193842
(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公開番号】P2021066110
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 潤
(72)【発明者】
【氏名】山崎 裕二
(72)【発明者】
【氏名】後藤 博子
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-025622(JP,U)
【文献】特開2018-176436(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202996(JP,U)
【文献】実開昭59-140869(JP,U)
【文献】特開2014-233840(JP,A)
【文献】特開2002-264575(JP,A)
【文献】特開2011-143546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の表紙と、
前記一対の表紙の間の領域を紙葉類を収納可能な複数のポケットに区画する複数枚の中仕切と、
前記複数枚の中仕切の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれているメインインデックスタブと、
前記複数枚の中仕切の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれており、その大きさが前記メインインデックスタブに比して小さいサブインデックスタブと
を具備し、
前記複数枚の中仕切の各々に設けられたサブインデックスタブの並びが、人手の甲または手の平を移動させることなく指のみを動かして探ることのできる数十mmの幅の範囲内に集められており、
前記一対の表紙のうちの表表紙及び前記中仕切の剛性に比して、前記一対の表紙のうちの裏表紙の剛性が高いホルダ。
【請求項2】
一対の表紙と、
前記一対の表紙の間の領域を紙葉類を収納可能な複数のポケットに区画する複数枚の中仕切と、
前記複数枚の中仕切の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれているメインインデックスタブと、
前記複数枚の中仕切の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれており、その大きさが前記メインインデックスタブに比して小さいサブインデックスタブと
を具備し、
前記メインインデックスタブは、前記一対の表紙のうちの表表紙側から見て取ることができ、
前記サブインデックスタブは、前記一対の表紙のうちの裏表紙に形成した切欠を通じて裏表紙側から見て取ることができるが、前記表表紙の縁辺よりも外方には突出しておらず表表紙側には露出しないホルダ。
【請求項3】
前記サブインデックスタブが、前記中仕切における前記メインインデックスタブが設けられる縁辺とは異なる、同縁辺と交差する縁辺に設けられている請求項1または2記載のホルダ。
【請求項4】
前記メインインデックスタブがより長尺な側辺に設けられ、
前記サブインデックスタブが側辺よりも短尺な上辺に設けられ
前記一対の表紙における左側辺及び下辺が閉塞されている請求項3記載のホルダ。
【請求項5】
前記メインインデックスタブがより長尺な上辺に設けられ、
前記サブインデックスタブがより短尺な側辺に設けられ、
前記一対の表紙における下辺及び左側辺が閉塞されている請求項3記載のホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類その他の紙葉類を収納して保持するホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の紙葉類を収納し保持することのできるホルダとして、いわゆるクリアホルダまたはクリアファイルが公知である。この種のホルダは、表表紙と裏表紙の間の領域を中仕切により複数のポケットに区画してあるもので、各ポケットに紙葉類を分別して収納することが可能となっている。
【0003】
表表紙、裏表紙及び中仕切はそれぞれ、樹脂製のシートを用いて作製される。中仕切の外縁には、外方に突出するインデックスタブが設けられることが多い(例えば、下記特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-161796号公報(特に、段落0048ないし段落0057、図7ないし図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中仕切が複数枚設けられている、即ち三以上のポケットを包有するホルダでは、何れかのポケットに紙葉類を収納し、または収納している紙葉類をポケットから取り出そうとするときに、中仕切を繰って所望のポケットを開く操作が必要となる。
【0006】
本発明は、中仕切を繰る操作をより容易に行い得るホルダを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るホルダは、一対の表紙と、前記一対の表紙の間の領域を紙葉類を収納可能な複数のポケットに区画する複数枚の中仕切と、前記複数枚の中仕切の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれているメインインデックスタブと、前記複数枚の中仕切の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれており、その大きさが前記メインインデックスタブに比して小さいサブインデックスタブとを具備する。
【0008】
特に、前記複数枚の中仕切の各々に設けられたサブインデックスタブの並びが、人手の甲または手の平を移動させることなく指のみを動かして探ることのできる数十mmの幅の範囲内に集められているものとすることが好ましい。
【0009】
前記サブインデックスタブは、前記中仕切における前記メインインデックスタブが設けられる縁辺とは異なる、同縁辺と交差する縁辺に設けられることが好ましい。
【0010】
より具体的には、前記メインインデックスタブがより長尺な側辺に設けられ、前記サブインデックスタブがより短尺な上辺に設けられるものとする。前記一対の表紙における左側辺及び下辺は、閉塞されてよい。
【0011】
あるいは、前記メインインデックスタブがより長尺な上辺に設けられ、前記サブインデックスタブがより短尺な側辺に設けられていてもよい。前記一対の表紙における下辺及び左側辺は、閉塞されてよい。
【0012】
前記メインインデックスタブは、前記一対の表紙のうちの表表紙側から見て取ることができる一方、前記サブインデックスタブは、前記一対の表紙のうちの裏表紙に形成した切欠を通じて裏表紙側から見て取ることができるが、前記表表紙の縁辺よりも外方には突出しておらず表表紙側には露出しないものとすれば、表表紙によりサブインデックスタブを保護しながら、裏表紙側からサブインデックスタブに指を掛けて中仕切を繰り所望のポケットを開く操作を行うことが可能となる。
【0013】
前記表表紙及び前記中仕切の剛性に比して、前記裏表紙の剛性が高ければ、固い表紙を支えにしてホルダを把持しながら、サブインデックスタブに指を掛けて中仕切を繰ることができ、操作性、利便性が一層向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、中仕切を繰る操作をより容易に行い得るホルダを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態のホルダの斜視図。
図2】同実施形態のホルダの正面図。
図3】同実施形態のホルダの背面図。
図4】同実施形態のホルダの一対の表紙の正面図。
図5】同実施形態のホルダの第一の仕切体の展開図。
図6】同実施形態のホルダの第二の仕切体の展開図。
図7】同実施形態のホルダの第一の仕切体及び第二の仕切体をそれぞれ二つ折りした状態を示す背面図。
図8】同実施形態のホルダの第一の仕切体の内に第二の仕切体を収めた後、表表紙に重ねて第二の仕切体を表表紙に溶着した状態を示す背面図。
図9】同実施形態のホルダのA-A線断面図。
図10】同実施形態のホルダのB-B線断面図。
図11】同実施形態のホルダのC-C線断面図。
図12】同実施形態のホルダに多数枚の紙葉類を収納した状態を示すA-A線断面図。
図13】同実施形態のホルダに多数枚の紙葉類を収納した状態を示すC-C線断面図。
図14】本発明の変形例の一に係る第一の仕切体及び第二の仕切体の展開図。
図15】本発明の変形例の一に係るホルダの正面図。
図16】本発明の変形例の一に係るホルダの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図11に示す本実施形態のホルダは、表表紙1と裏表紙6の間の領域を複数枚の中仕切2、3、4、5により複数のポケットPに区画してなるものである。このホルダは縦型であり、高さ寸法が幅寸法よりも大きい。そして、右方及び上方が開放しており、右方ないし上方から書類その他の紙葉類Sを出し入れすることができる。一方で、左方及び下方は閉塞されており、収納した紙葉類Sを脱落しないように保持する。
【0017】
本実施形態のホルダは、表表紙1と、裏表紙6と、都合四枚の中仕切2、3、4、5とを備える。これら表表紙1、裏表紙6及び中仕切2、3、4、5は、例えば樹脂製の薄いシート材を用いて作製する。表表紙1、裏表紙6及び中仕切2、3、4、5は何れも、透明性または透光性を有しており、ポケットPに収納した紙葉類Sの存在を透かし見ることが可能である。
【0018】
図1図2及び図4に示すように、表表紙1は、その右側辺及び左側辺がそれぞれ上辺及び下辺よりも長尺な方形状の概形をなす。表表紙1の右側辺からは、メインインデックスタブ11が外方即ち右側方に突出している。
【0019】
表表紙1の左側端部及び下端部にはそれぞれ、接合片12、14を一体的に設けている。これら接合片12、14は、裏表紙6の左側端部及び下端部に固着してホルダ内のポケットPを左方及び下方から遮蔽するための部位である。表表紙1の左側辺に連接する接合片12は、高さ方向に延伸する折り目121に沿って背面側に、換言すれば表表紙1の左側辺よりも内方即ち右側方に、折り返される。その折り目121の稜線に近接する箇所には、当該折り目121と平行または略平行な高さ方向に延伸する罫13を形成する。罫13、15は、細い溝または筋であり、表表紙1及び接合片12、14がこれに沿って折れ曲がることを促進する働きをする。罫13、15は、例えば、細い帯状の罫線刃(帯刃)を有するダイを、表表紙1の素材となるシートに押し付ける加工を通じて成形することができる。罫13は複数本、折り目121を挟むように存在する。
【0020】
表表紙1の下辺に連接する接合片14は、幅方向に延伸する折り目141に沿って背面側に、換言すれば表表紙1の下辺よりも内方即ち上方に、折り返される。その折り目141の稜線に近接する箇所には、当該折り目141と平行または略平行な幅方向に延伸する罫15を形成する。罫15は複数本、折り目141を挟むように存在する。
【0021】
図3及び図4に示すように、裏表紙6は、その右側辺及び左側辺がそれぞれ上辺及び下辺よりも長尺な方形状の概形をなす。裏表紙6の高さ寸法は、接合片14を除いた表表紙1の高さ寸法に等しいが、裏表紙6の幅寸法は、メインインデックスタブ11及び接合片12を除いた表表紙1の幅寸法よりも少しく大きい。裏表紙6の右側辺における上半部は、上端部及び下半部と比較して数mm程度内方即ち左側方に凹むように切り欠いてある(切欠61)。裏表紙6の上辺における左側方に偏倚した部分は、左端部及び右半部と比較して数mm程度内方即ち下方に凹むように切り欠いてある(切欠62)。
【0022】
また、裏表紙6の左側辺における中間部は、上端部及び下端部と比較して数mm程度内方即ち右側方に凹むように切り欠いてある(切欠63)。並びに、裏表紙6の下辺における中間部も、右端部及び左端部と比較して数mm程度内方即ち上方に凹むように切り欠いてある(切欠64)。
【0023】
図9ないし図13に示しているように、裏表紙6は、表表紙1及び中仕切2、3、4、5よりも厚みがあって固い、即ち表表紙1及び中仕切2、3、4、5に比して剛性が高く、可撓性が低い。切欠64の左右に位置する、裏表紙6の右下方及び左下方の隅角部は、ホルダ及びこれに収容した紙葉類Sを保護するための保護部65、66として機能する。
【0024】
四枚の中仕切2、3、4、5は、ホルダの正面側即ち表表紙1の側から、同ホルダの背面側即ち裏表紙6の側に向かって、中仕切2、中仕切3、中仕切4及び中仕切5の順に並んでいる。そのうちの中仕切2及び中仕切5が、一体に連結した一枚の仕切体7となっており、中仕切3及び中仕切4もまた、一体に連結した一枚の中仕切8となっている。
【0025】
図5及び図7に示すように、中仕切2及び中仕切5を構成する第一の仕切体7は、中仕切2の左側辺と中仕切5の左側辺とを連結部71を介して相互に連結してなる。中仕切2の右側辺からは、メインインデックスタブ21が外方即ち右側方に突出している。中仕切5の右側辺からは、メインインデックスタブ51が外方即ち右側方に突出している。
【0026】
中仕切2の上辺における左側方に偏倚した部分は、左端部及び右半部と比較して数mm程度内方即ち下方に退避している。その部分からは、サブインデックスタブ22が外方即ち上方に突出している。同様に、中仕切5の上辺における左側方に偏倚した部分もまた、左端部及び右半部と比較して数mm程度内方即ち下方に退避している。その部分からは、サブインデックスタブ22が外方即ち上方に突出している。サブインデックスタブ22、52の大きさは、メインインデックスタブ21、51よりも明らかに小さい。
【0027】
連結部71は、中仕切2の左側辺及び中仕切5の左側辺の各々に連接する。図7に示しているように、第一の仕切体7は、連結部71の中央に位置する、高さ方向に延伸する折り目711に沿って、両中仕切2、5の右側辺同士を重ね合わせるように二つ折りされる。その折り目711の稜線に近接する箇所には、当該折り目711と平行または略平行な高さ方向に延伸する罫72を形成する。罫72は、細い溝または筋であり、第一の仕切体7及び連結部71がこれに沿って折れ曲がることを促進する働きをする。罫72は、例えば、細い帯状の罫線刃を有するダイを、第一の仕切体7の素材となるシートに押し付ける加工を通じて成形することができる。罫72は複数本、折り目711を挟むように存在する。
【0028】
連結部71は上下に対をなして存在し、それらの間は当該仕切体7を貫通した孔またはスリット73となっている。
【0029】
図6及び図7に示すように、中仕切3及び中仕切4を構成する第二の仕切体7は、中仕切3の左側辺と中仕切4の左側辺とを連結部81を介して相互に連結してなる。中仕切3の右側辺からは、メインインデックスタブ31が外方即ち右側方に突出している。中仕切4の右側辺からは、メインインデックスタブ41が外方即ち右側方に突出している。
【0030】
中仕切3の上辺における左側方に偏倚した部分は、左端部及び右半部と比較して数mm程度内方即ち下方に退避している。その部分からは、サブインデックスタブ32が外方即ち上方に突出している。同様に、中仕切4の上辺における左側方に偏倚した部分もまた、左端部及び右半部と比較して数mm程度内方即ち下方に退避している。その部分からは、サブインデックスタブ42が外方即ち上方に突出している。サブインデックスタブ32、42の大きさは、メインインデックスタブ31、41よりも明らかに小さい。
【0031】
連結部81は、中仕切3の左側辺及び中仕切4の左側辺の各々に連接する。図7に示しているように、第二の仕切体8は、連結部81の中央に位置する、高さ方向に延伸する折り目811に沿って、両中仕切3、4の右側辺同士を重ね合わせるように二つ折りされる。
【0032】
本実施形態のホルダの製造工程を述べる。まず、図7に示すように、第一の仕切体7及び第二の仕切体8をそれぞれ折り畳む。次に、第二の仕切体8を、第一の仕切体7の内に収める。このとき、図8に示すように、第二の仕切体8における両中仕切3、4の左側辺から外方即ち左側方に迫り出している連結部81を、第一の仕切体7に形成した貫通孔またはスリット73に挿通する。その結果、連結部81が、第一の仕切体7における両中仕切2、5の左側辺よりも外方即ち左側方に突出した状態となる。
【0033】
続いて、図8に示すように、第一の仕切体7及び第二の仕切体8の組を表表紙1の背面に重ねる。そして、第二の仕切体8の突出部81を、表表紙1の接合片12に対して超音波溶着等により固着する。突出部81を接合片12に溶着する箇所813は、表表紙1における(折り返す前の)接合片12の根元の折り目121の稜線よりも外方即ち左側方に位置するとともに、罫13よりも内方即ち右側方に位置する。
【0034】
しかる後、裏表紙6を、表表紙1及び仕切体7、8の背面に重ねる。それから、図3図9及び図10に示すように、相互に固着した接合片12及び突出部81を、高さ方向に延伸する折り目121、811に沿って内方即ち右側方に折り返して裏表紙6の背面側に回り込ませた上、接合片12を裏表紙6の左側端部に超音波溶着等により固着する。接合片12を裏表紙6に溶着する箇所122は、同接合片12に形成している罫13よりも内方即ち右側方に位置する。
【0035】
さらに、図3及び図11に示すように、表表紙1の接合片14を、幅方向に延伸する折り目141に沿って内方即ち上方に折り返して裏表紙6の背面側に回り込ませた上、その接合片14を裏表紙6の下端部に超音波溶着等により固着する。接合片14を裏表紙6に溶着する箇所142は、同接合片14に形成している罫15よりも内方即ち上方に位置する。
【0036】
本実施形態のホルダは、一対の表紙1、6と、前記一対の表紙1、6の間の領域を紙葉類Sを収納可能な複数のポケットPに区画する中仕切2、5を構成する、折り畳まれた第一の仕切体7と、前記一対の表紙1、6の間の領域を紙葉類Sを収納可能な複数のポケットPに区画する中仕切3、4を構成するとともに、前記第一の仕切体7の内に収められ、その状態で第一の仕切体7の折り目711の稜線よりも突出して何れかの表紙1に固着される突出部81を有している第二の仕切体8とを具備する。
【0037】
より具体的には、前記第一の仕切体7における折り目711の稜線の近傍に、当該第一の仕切体7を貫通する貫通孔またはスリット73が設けられ、前記第二の仕切体8の突出部81が、前記貫通孔またはスリット73を通じて前記第一の仕切体7の折り目711の稜線よりも外方に突出する構造をなしている。
【0038】
第二の仕切体8は、その突出部81を表紙1に対して固着しており、表紙1、6の間から抜出しない。並びに、第一の仕切体7は、その連結部71が第二の仕切体8の左端部をくるむ、または咥えており、当該仕切体7に外力が作用したとしても、第二の仕切体8により止められ、表紙1、6の間から抜出しない。総じて、中仕切2、3、4、5が容易に抜出しない耐久性と利便性とを備えたホルダを実現することができる。
【0039】
前記第二の仕切体8は、折り畳まれて前記第一の仕切体7の内に収められるものであり、二枚の中仕切3、4を構成する。従って、ホルダが包有する中仕切2、3、4、5の枚数及びポケットPの数が増加し、複数枚の紙葉類Sを細かく分類して収納することが可能となっている。
【0040】
前記第二の仕切体8の突出部81が折り返され、その折り目812の稜線が前記一対の表紙1、6の何れかの縁辺121の近傍に位置付けられ、そして突出部81が当該表紙1に固着されるものとしているため、第二の仕切体8の折り目812の存在する方向即ち左側方に向けたポケットPの奥行が深くなり、紙葉類SをポケットP内に差し入れることがより容易となる。
【0041】
前記一対の表紙1、6における、前記第二の仕切体8の突出部81が固着される端部である左側端部と交差する端部即ち下端部同士を接合片14を介して連接しているため、ホルダの下端部が閉鎖されて当該下端部の側から中仕切2、3、4、5や紙葉類Sが脱出することを防止できる。
【0042】
また、本実施形態のホルダは、一対の表紙1、6と、前記一対の表紙1、6の間の領域を紙葉類Sを収納可能な複数のポケットPに区画する複数枚の中仕切2、3、4、5と、前記複数枚の中仕切2、3、4、5の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれているメインインデックスタブ21、31、41、51と、前記複数枚の中仕切2、3、4、5の各々の所定の縁辺よりも外方に突出し、それぞれの位置が当該縁辺に沿って互いにずれており、その大きさが前記メインインデックスタブ21、31、41、51に比して小さいサブインデックスタブ22、32、42、52とを具備する。
【0043】
本実施形態にあって、表表紙1及び中仕切2、3、4、5のそれぞれに設けた各メインインデックスタブ11、21、31、41、51は、表表紙1及び中仕切2、3、4、5の右側辺に沿って高さ方向に並ぶ。それらメインインデックスタブ11、21、31、41、51は、正面視及び背面視において互いに重なり合わない。また、図3に示しているように、メインインデックスタブ11、21、31、41、51は、裏表紙6の縁辺即ち右側辺に形成した切欠61の位置に面しており、若干ながらその右側辺よりも外方即ち右側方に突出している。即ち、メインインデックスタブ11、21、31、41、51は、背面視においても裏表紙6に完全に遮られずに一部が露出する。
【0044】
中仕切2、3、4、5のそれぞれに設けた各サブインデックスタブ22、32、42、52は、メインインデックスタブ21、31、41、51が設けられる縁辺即ち右側辺とは異なる、右側辺と交差した縁辺である上辺に設けられており、中仕切2、3、4、5の上辺に沿って幅方向に並ぶ。それらサブインデックスタブ22、32、42、52は、正面視及び背面視において互いに重なり合わない。また、図3に示しているように、サブインデックスタブ22、32、42、52は、裏表紙6の縁辺即ち上辺に形成した切欠62の位置に面しており、その上辺よりも外方即ち上方に突出している。即ち、サブインデックスタブ22、32、42、52は、背面視において裏表紙6に遮られずに露出する。一方で、図2に示しているように、サブインデックスタブ22、32、42、52は、表表紙1の上辺よりも外方即ち上方には突出しない。つまり、サブインデックスタブ22、32、42、52は、表表紙1により保護されている。
【0045】
サブインデックスタブ22、32、42、52の並びは、人がホルダに対して相対的に手の甲または手の平を移動させることなく指のみを動かして探ることのできる数十mm(例えば、約45mm)の幅の範囲内に集められている。
【0046】
本実施形態によれば、固い裏表紙6を支えにして、例えば左手でホルダを把持しながら、背面側からサブインデックスタブ22、32、42、52に左手の指を掛けて中仕切2、3、4、5を繰る操作を行い、所望のポケットPを容易に開くことができる。その際に、メインインデックスタブ11、21、31、41、51を視認しながら操作することも可能である。
【0047】
並びに、本実施形態のホルダは、一対の表紙1、6と、前記一対の表紙1、6の間の領域を紙葉類Sを収納可能な複数のポケットPに区画する中仕切2、3、4、5と、前記一対の表紙1、6のうちの一方1に設けられ、折り返されかつその折り目122の稜線が一対の表紙1、6のうちの他方6の縁辺63、64よりも外方に位置付けられ、その状態で一対の表紙1、6のうちの他方6の端部に固着される接合片12、14とを具備する。
【0048】
より具体的には、前記接合片12、14が、前記一対の表紙1、6のうちの一方におけるある縁辺即ち左側辺と、左側辺と交差する他の縁辺即ち下辺とに設けられている。前者の接合片12は、一対の表紙1、6のうちの他方6におけるある端部即ち左側端部に固着される。図9に示すように、紙葉類Sを収納していない段階で、この接合片12の折り目121の稜線は、裏表紙6の左側辺63よりも外方即ち左側方に位置している。後者の接合片14は、他方6における左側端部とは異なる他の端部即ち下端部に固着される。図11に示すように、紙葉類Sを収納していない段階で、この接合片14の折り目141の稜線は、裏表紙6の下辺よりも外方即ち下方に位置している。
【0049】
本実施形態によれば、ホルダに多数枚(例えば、五十枚以上)の紙葉類Sを収納したときに、図12に示すように表表紙1の左側端部が裏表紙6の左側方の切欠63に食い込むように、また図13に示すように表表紙1の下端部が裏表紙の下方の切欠64に食い込むように変形しながら、表表紙1が裏表紙6から離反するように変位し、ポケットPの容積を拡大することができる。
【0050】
一方で、図9ないし図11に示すように、収納するべき紙葉類Sの枚数が少ないときには、表表紙1が裏表紙6に接近し、表表紙1、中仕切2、3、4、5及び裏表紙6が相互に密着するようにポケットPの容積が縮小する。このため、ポケットPに収納している紙葉類Sと、表表紙1、中仕切2、3、4、5または裏表紙6との間に生ずる摩擦が大きくなり、紙葉類Sの脱落を効果的に抑止できる。
【0051】
前記一対の表紙1、6のうちの一方1における、前記接合片12、14の根元の折り目121、141の稜線に近接する箇所に、当該折り目121、141と平行または略平行に延伸し、当該一方1の折れ曲がりを促進する罫13、15が設けられているので、多数枚の紙葉類Sを収納するときに、一対の表紙1、6の距離が拡大するように変形しやすくなる。
【0052】
前記一対の表紙1、6のうちの一方1と他方6とは、一体成形されずに別体をなしている。その他方6には、前記罫13、15が設けられていない。その上で、前記一対の表紙1、6のうちの一方1及び前記中仕切2、3、4、5の剛性に比して、一対の表紙1、6のうちの他方6の剛性が高いため、多数枚の紙葉類Sを収納可能でありながら、収納した紙葉類Sを固い表紙6により保護し、紙葉類Sが折れ曲がったり皺が寄ったりすることを抑制できる。
【0053】
前記一対の表紙1、6のうちの他方6の隅角部には、一対の表紙1、6のうちの一方に被覆されずに表出する保護部65、66が設けられている。図12及び図13に示すように、多数枚の紙葉類Sを収納したときに、この保護部65、66は、一対の表紙1、6のうちの一方1よりも外方即ち左側方及び下方に相対的に突出する。保護部65、66は、誤ってホルダを落下させたときに、当該ホルダの表紙1及び中仕切2、3、4、5、並びに収納している紙葉類Sを保護するために役立つ。
【0054】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、第一の仕切体7と第二の仕切体8とが別体をなしていたが、図14に示すように、第一の仕切体7と第二の仕切体8とを連結部9を介して連結し一体化することも考えられる。
【0055】
図示例では、中仕切2の下辺と中仕切3の下辺とを連結部9を介して連接し、中仕切4の下辺と中仕切5の下辺とを連結部9を介して連接している。加えて、仕切体4の左側辺と仕切体5の左側辺とを連結部82を介して連接している。第二の仕切体8における、中仕切4と中仕切5との中間部位には、三方を囲うようなコ字形の切り込み814を入れ、その内側を突出部81としている。
【0056】
この一体化した仕切体7、8からホルダの中仕切2、3、4、5を構成するにあたっては、まず連結部9の折り目91に沿って中仕切2、5の上辺と中仕切3、4の上辺とを重ね合わせるように折り畳み、しかる後連結部71、82の折り目711、821に沿って中仕切2、3の右側辺と中仕切4、5の右側辺とを重ね合わせるように折り畳む。総じて言えば、一体化した仕切体7、8を直角四つ折りまたは十字折りする。
【0057】
また、上記実施形態のホルダは、右側辺及び左側辺が上辺及び下辺よりも長尺な縦型のものであり、その右側辺にメインインデックスタブ11、21、31、41、51を、その上辺にサブインデックスタブ22、32、42、52を設けていた。これに対し、図15及び図16に示すような、右側辺及び左側辺が上辺及び下辺よりも短尺な横型のホルダを構成することも当然に可能である。
【0058】
図示例の横型のホルダの基本的な構造は、上記実施形態の縦型のホルダを反時計回りに横倒ししたものに等しい。横型のホルダは、幅寸法が高さ寸法よりも大きく、上方が開放しており、上方から紙葉類Sを出し入れすることができる。一方で、左方、右方及び下方は閉塞されており、収納した紙葉類Sを脱落しないように保持する。即ち、表表紙1の左右の側辺に連接する接合片18が折り目181に沿って背面側に折り返され、裏表紙6の左右の端部に接合しているとともに、表表紙1の下辺に連接する接合片16が折り目181に沿って背面側に折り返され、裏表紙6の下端部に接合している。表表紙1及び接合片16、18における、折り目161、181の稜線に近接する箇所には、罫17、19を形成する。
【0059】
メインインデックスタブ11、21、31、41、51は、上辺に設ける。背面視において、メインインデックスタブ11、21、31、41、51は、背表紙6に形成した切欠67の上辺から若干ながら上方に突出する。サブインデックスタブ22、32、42、52は、左側辺に設ける。背面視において、サブインデックスタブ22、32、42、52は、背表紙6に形成した切欠68の左側辺から左側方に突出する。裏表紙6の右下方及び左下方の隅角部は、保護部69として機能する。
【0060】
ホルダの表紙1に、罫13、15、17、19を形成することは、必須ではない。
【0061】
その他、各部の具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1、6…一対の表紙(表表紙、裏表紙)
12、14…接合片
121、141…折り目
13、15…罫
2、3、4、5…中仕切
21、31、41、51…メインインデックスタブ
22、32、42、52…サブインデックスタブ
6…裏表紙
63、64…縁辺(左側辺、下辺)
7…第一の仕切体
711…折り目
73…貫通孔またはスリット
8…第二の仕切体
812…折り目
P…ポケット
S…紙葉類
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16