(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置、および、ロボット
(51)【国際特許分類】
H02N 2/14 20060101AFI20240611BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H02N2/14
B25J19/00 A
(21)【出願番号】P 2019230203
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶野 喜一
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-067784(JP,A)
【文献】特開2019-030092(JP,A)
【文献】特開平01-034185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/14
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動体を備える圧電駆動装置の制御方法であって、
前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行する第1工程と、
前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する第2工程と、
前記第2工程後に、前記ピックアップ電圧が一定になるように前記第2周波数を調整する第3制御を実行する第3工程と、
を備え
、
前記第3工程において、前記第2周波数の変化量が予め定めた値以上の場合に、再度、前記第1工程を実行する、
圧電駆動装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電駆動装置の制御方法であって、
前記第2周波数は、前記第1時刻以前に前記圧電振動体に印加した前記駆動電圧の周波数である、圧電駆動装置の制御方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧電駆動装置の制御方法であって、
前記第2周波数は、前記第1周波数よりも小さい、圧電駆動装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1から請求項
3までのいずれか一項に記載の圧電駆動装置の制御方法であって、
前記第2工程では、前記第1制御において、前記第1時刻から前記第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から前記第3時刻までの前記ピックアップ電圧の変化量が予め定めた値以上の場合に、前記第2制御を実行する、圧電駆動装置の制御方法。
【請求項5】
被駆動部材を駆動する圧電駆動装置であって、
前記被駆動部材を駆動する圧電振動体と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を前記圧電振動体から取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行し、
前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行
し、
前記第2制御後に、前記ピックアップ電圧が一定になるように前記第2周波数を調整する第3制御を実行し、
前記第3制御において、前記第2周波数の変化量が予め定めた値以上の場合に、再度、前記第1制御を実行する、
圧電駆動装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の圧電駆動装置を備えるロボット。
【請求項7】
圧電振動体を備える圧電駆動装置の制御方法であって、
前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行する第1工程と、
前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する第2工程と、
前記第2工程後に、前記ピックアップ電圧が一定になるように前記第2周波数を調整する第3制御を実行する第3工程と、を備え、
前記第3工程において、前記第2周波数の変化量が予め定めた値以上の場合に、再度、前記第1工程を実行し、
前記第3制御では、前記ピックアップ電圧が上昇した場合には、前記ピックアップ電圧を低下させるべく、前記第2周波数を大きくし、前記ピックアップ電圧が低下した場合には、前記ピックアップ電圧を高めるべく、前記第2周波数を小さくすることにより、前記ピックアップ電圧が一定になるように前記第2周波数を調整する、
圧電駆動装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置、および、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電駆動装置の制御方法に関し、例えば、特許文献1には、弾性体と圧電素子とを有する振動体と、振動体に加圧接触される回転子とで構成された超音波モーターの制御方法が開示されている。特許文献1には、駆動周波数を高周波側から下げていくことによって振動振幅を目標振幅まで大きくする制御において、振動振幅が予め定められた目標振幅まで到達しないと見込まれる場合には、振動振幅の最大値まで目標振幅を低下させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目標振幅とする振動振幅の最大値と振動体の駆動周波数との関係は、振動体の温度等の変化によって変動する可能性がある。そのため、目標振幅に基づいて振動体を制御すると、駆動周波数を適切に設定できない場合が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、圧電駆動装置の制御方法が提供される。この制御方法は、前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行する第1工程と、前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する第2工程と、を備える。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、被駆動部材を駆動する圧電駆動装置が提供される。この圧電駆動装置は、前記被駆動部材を駆動する圧電振動体と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を前記圧電振動体から取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行し、前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する。
【0007】
本開示の第3の形態によれば、上記第2の形態における圧電駆動装置を備えるロボットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の圧電駆動装置を備えた駆動機構を示す斜視図。
【
図3】圧電振動モジュールの振動の様子を示す概念図。
【
図4】圧電素子に供給される駆動電圧の波形の例を示す図。
【
図8】第2実施形態における周波数決定処理のフローチャート。
【
図9】第2実施形態における周波数決定処理の処理内容を示す説明図。
【
図10】第3実施形態における周波数決定処理のフローチャート。
【
図11】第3実施形態における周波数決定処理の処理内容を示す説明図。
【
図12】第4実施形態に係るロボットを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態の圧電駆動装置400を備えた駆動機構を示す斜視図である。圧電駆動装置400は、被駆動部材220を駆動する圧電振動体100と、圧電振動体100を電気的に駆動する制御部300と、を備えている。
図1には、被駆動部材220として、回転軸Oのまわりに回転可能なローターを示している。被駆動部材220としては、この他にも、直線的に移動可能な部材などの他の種類の部材を使用可能である。なお、圧電振動体100は、1つの被駆動部材220に対して複数設けられてもよい。
【0010】
圧電振動体100は、振動可能な振動部110と、振動部110を支持する支持部120と、振動部110と支持部120とを接続する一対の接続部130とを有している。振動部110は、略長方形の板状の形状を有する。振動部110の先端には、被駆動部材220に接触可能な接触子160が設けられている。接触子160は、例えば、耐摩耗性の高いセラミックスによって形成されて、振動部110に接着される。
【0011】
圧電振動体100の支持部120は、振動部110の接触子160とは反対側の部分を囲むU字形の形状を有している。支持部120は、支持部材としてのステージ200に固定されている。ステージ200は、バネ部材210によって被駆動部材220側に向けて押されている。なお、バネ部材210を固定している構造材は図示が省略されている。
【0012】
接触子160の先端は、被駆動部材220の表面222に接触する。圧電振動体100は、バネ部材210によって被駆動部材220側に向けて押しつけられており、これにより、接触子160が十分な摩擦力で被駆動部材220の表面222と接触する。そのため、スリップが抑制され、接触子160を介して振動部110の振動を効率的に被駆動部材220へ伝達することができる。
【0013】
以下では、説明の便宜上、振動部110の長手方向であり、振動部110と被駆動部材220とが並ぶ方向のことを、「X軸方向」と呼ぶ。+X軸方向は、振動部110から被駆動部材220へ向かう方向であり、-X軸方向は、+X軸方向の反対方向である。単に、X軸方向というときは、+X軸方向と-X軸方向の両方の方向を含む。X軸方向に交差する圧電振動体100の厚さ方向を、「Y軸方向」と呼ぶ。+Y軸方向は、圧電駆動装置400から被駆動部材220の回転軸Oへ向かう方向であり、-Y軸方向は、+Y軸方向の反対方向である。単に、Y軸方向というときは、+Y軸方向と-Y軸方向の両方の方向を含む。X軸方向およびY軸方向に交差する振動部110の幅方向を「Z軸方向」と呼ぶ。+Z軸方向は、
図1において、被駆動部材220の回転軸Oから見て、左側の方向であり、-Z軸方向は、+Z軸方向の反対方向である。単に、Z軸方向というときは、+Z軸方向と-Z軸方向の両方の方向を含む。本実施形態において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、互いに直交している。
【0014】
圧電振動体100は、Y軸方向に積層された複数の圧電振動モジュール140を有している。
図1に示した例では、圧電振動モジュール140の数は3である。複数の圧電振動モジュール140は、接着剤等の電気絶縁性の接合部材によって接合されている。但し、圧電振動体100は、1つの圧電振動モジュール140で構成されていてもよい。
【0015】
複数の圧電振動モジュール140は、制御部300に接続されている。制御部300は、駆動電圧生成部310と、振動検出部320とを有している。駆動電圧生成部310は、圧電振動体100に備えられた圧電素子に駆動電圧を供給する機能を有する。振動検出部320は、圧電振動体100に備えられたピックアップ電極に接続されており、圧電振動体100の振動振幅を検出する機能を有する。駆動電圧生成部310は、ピックアップ電極から振動検出部320に供給されるピックアップ電圧Svに応じて、駆動電圧の周波数を調整し、その駆動電圧を圧電素子に供給する。駆動電圧の周波数のことを、以下では、単に、「駆動周波数」とも呼ぶ。ピックアップ電圧Svは、振動検出信号とも呼ばれる。
【0016】
制御部300は、上述した駆動電圧生成部310および振動検出部320の機能を実現する回路によって構成されている。制御部300の動作の詳細については後述する。なお、制御部300の上述した機能の一部または全部は、制御部300に備えられたCPUがメモリーに記憶されたプログラムを実行することによってソフトウェア的に実現されてもよい。
【0017】
図2は、圧電振動モジュール140の一例を示す平面図である。圧電振動モジュール140の振動部110は、5つの圧電素子147A~147Eを含んでいる。矩形の振動部110の1つの対角線上にある一対の圧電素子147A,147Eは同時にX軸方向に伸縮して、振動部110に屈曲振動を生じさせる。振動部110の他の1つの対角線上にある他の一対の圧電素子147B,147Dも同時にX軸方向に伸縮して、振動部110に屈曲振動を生じさせる。但し、一対の圧電素子147A,147Eの伸縮と、他の一対の圧電素子147B,147Dの伸縮は、位相が180度異なることが好ましい。振動部110の幅方向の中央にある圧電素子147Cは、X軸方向に伸縮して、振動部110にX軸方向に沿った縦振動を生じさせる。
【0018】
個々の圧電素子147A~147Eは、圧電体と、圧電体の両面を挟む2つの電極とを有している。圧電体の構成材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、メタニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の圧電セラミックスを用いることができる。圧電セラミックスで構成された圧電体は、例えば、バルク材料から形成してもよいし、ゾル-ゲル法やスパッタリング法を用いて形成してもよい。なお、圧電体の構成材料としては、上述した圧電セラミックスの他にも、ポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いてもよい。
【0019】
圧電振動モジュール140は、更に、ピックアップ電極180を有している。ピックアップ電極180は、圧電振動体100の振動を検出して制御部300にピックアップ電圧Svを供給するための電極である。
図2の例では、ピックアップ電極180は、振動部110の中央にある圧電素子147Cの上側に設けられている。但し、ピックアップ電極180は、圧電素子147Cの上側と下側とに1つずつ設けられてもよい。
【0020】
図3は、圧電振動モジュール140の振動の様子を示す概念図である。圧電振動モジュール140は、接触子160を楕円運動させるように振動することができる。このような楕円運動は、一対の圧電素子147A,147Eの伸縮と他の一対の圧電素子147B,147Dの伸縮によって屈曲振動を発生させ、また、中央の圧電素子147Cの伸縮によって縦振動を発生させることによって実現される。「屈曲振動」は、圧電振動モジュール140の平面内において、圧電振動モジュール140が
図3に示すようにS字状に屈曲する振動である。「縦振動」は、圧電振動モジュール140のX軸方向に沿って伸縮する振動である。圧電振動体100の全体も、圧電振動モジュール140と同様に振動する。4つの圧電素子147A,147B,147D,147Eは、屈曲振動を発生するものであり、「第1圧電素子」とも呼ぶ。圧電素子147Cは、縦振動を発生するものであり、「第2圧電素子」とも呼ぶ。第1圧電素子147A,147B,147D,147Eや第2圧電素子147Cの数は一例であり、第1圧電素子と第2圧電素子の数は、これ以外の値に適宜設定可能である。例えば、一対の第1圧電素子147A,147Bを省略し、他の一対の第1圧電素子147D,147Eで屈曲振動を発生させてもよい。
【0021】
図4は、圧電素子147A~147Eに供給される駆動電圧の波形の例を示している。駆動電圧V1は一対の圧電素子147A,147Eに印加され、駆動電圧V2は圧電素子147Cに印加され、駆動電圧V3は他の一対の圧電素子147B,147Dに印加される。なお、駆動電圧V3は、駆動電圧V1から位相をπ、すなわち、180度変えたものであり、実質的には駆動電圧V1と等価である。これらの駆動電圧V1,V3は、圧電振動モジュール140に屈曲振動を発生させるための駆動電圧であり、「第1駆動電圧」とも呼ぶ。駆動電圧V2は、圧電振動モジュール140に縦振動を発生させるための駆動電圧であり、「第2駆動電圧」とも呼ぶ。なお、第1駆動電圧V1,V3の周波数と、第2駆動電圧V2の周波数は通常は等しい値に設定される。
【0022】
図3に示したように、圧電振動モジュール140は、屈曲振動と縦振動との合成により、接触子160が楕円運動を行うように振動する。このように、一対の圧電素子147A,147Eと、他の一対の圧電素子147B,147Dと、圧電素子147Cと、を
図4に示した駆動波形によって伸縮させることによって、接触子160を楕円軌道に沿って振動させることができる。ただし、接触子160を楕円軌道に沿って振動させることができるのであれば、圧電振動モジュール140の駆動電圧の波形は、
図4に示したもの以外の種々の波形を使用可能である。例えば、駆動電圧は、交流成分の他に直流成分を含むようにしても良い。この場合に、「駆動電圧の周波数」とは、その交流成分の周波数を意味する。
【0023】
図2に示したように、ピックアップ電極180は、平面視において、X軸方向に沿って延びる圧電振動体100の中心軸CX上の位置に配置されていることが好ましい。この中心軸CXは、平面視において、振動部110の中心軸と一致する位置にある。ピックアップ電極180を圧電振動体100の中心軸CX上の位置に配置すれば、屈曲振動の影響が少なくなり、縦振動を正確に検出し易いという利点がある。ピックアップ電極180は、更に、屈曲振動の節n1,n2,n3のいずれか位置に配置されていることが好ましい。
図2の例では、屈曲振動の節n1は、振動部110の中央に存在し、他の2つの節n2,n3は中心軸CX上において振動部110の端部近傍の位置に存在する。これらの屈曲振動の節n1,n2,n3のいずれかの位置にピックアップ電極180を配置すれば、屈曲振動の影響を更に低減できるので、圧電振動体100の縦振動を更に検出し易くなるという利点がある。節n1,n2,n3のうち、屈曲振動の影響を最も低減できるのは節n1である。節n1は、節n1,n2,n3のうち、接続部130に最も近く、屈曲振動の影響を受けにくい。但し、ピックアップ電極180は、これら以外の位置に配置されてもよい。
【0024】
図1に示した駆動電圧生成部310で生成される駆動電圧Vdは、
図4に示した3つの駆動電圧V1~V3のいずれかに相当している。制御部300は、駆動電圧V1~V3を生成するために、駆動電圧生成部310を3つ有するものとしてもよい。或いは、駆動電圧生成部310は、位相調整回路を備え、駆動電圧生成部310で生成された駆動電圧Vdの位相を位相調整回路を用いて調整することにより、1つの駆動電圧から、
図4に示した3つの駆動電圧V1~V3を生成するようにしてもよい。以下では、圧電素子147Cに印加される駆動電圧V2が、駆動電圧生成部310で生成される駆動電圧を代表する駆動電圧Vdであるものとして圧電駆動装置400の動作説明を行う。
【0025】
図5は、第1実施形態における圧電駆動装置400の動作特性を示すグラフである。横軸は、圧電振動体100の駆動周波数であり、右側ほど大きな周波数であることを示す。縦軸は、ピックアップ電極180から出力されるピックアップ電圧であり、上側ほど大きな電圧であることを示す。ピックアップ電圧は、その値が大きいほど、圧電振動体100の振動振幅が大きいことを表す。
【0026】
圧電振動体100の駆動状態において、ピックアップ電圧は、圧電振動体100の共振周波数において最も大きくなる。つまり、駆動周波数を圧電振動体100の共振周波数に合わせることにより、圧電振動体100は最も大きな振動振幅となる。また、駆動周波数が、共振周波数よりも小さくなった場合、ピックアップ電圧は急激に小さくなる。つまり、駆動周波数を共振周波数よりも小さく設定すると、圧電振動体100の振動振幅が極度に小さくなり、被駆動部材220の駆動が困難になる可能性がある。そのため、制御部300は、駆動周波数を、共振周波数よりも大きい駆動周波数であって、所望の振動振幅を得られる周波数に設定することによって、圧電振動体100を振動させることが好ましい。
【0027】
図6は、制御部300によって実行される周波数決定処理のフローチャートである。このフローチャートは、圧電駆動装置400の制御方法を示している。
図7は、周波数決定処理の処理内容を示す説明図である。この周波数決定処理は、圧電駆動装置400に電源が投入された時刻t0以降に開始される。
【0028】
ステップS100において、制御部300は、圧電振動体100の振動振幅を表すピックアップ電圧をピックアップ電極180から取得しながら、圧電振動体100に印加する駆動電圧の周波数を、高周波側の周波数である予め定めた第1周波数f1から低下させる第1制御を実行する。ステップS100の処理のことを、第1工程ともいう。また、第1制御のことを、ダウンスイープ制御ともいう。第1周波数f1は、
図7に示すように、圧電振動体100の共振周波数よりも大きい周波数である。第1周波数f1では、ピックアップ電圧は、共振周波数における最大のピックアップ電圧MAXよりも小さい。
【0029】
ステップS110において、制御部300は、第1制御によって、ピックアップ電圧が小さくなったか否かを判定する。より具体的には、制御部300は、
図7に示すように、第1時刻t1から第2時刻t2までにピックアップ電圧が大きくなり、かつ、第2時刻t2から第3時刻t3までにピックアップ電圧が小さくなったか否かを判定する。第1時刻t1、第2時刻t2、第3時刻t3は、例えば、当該周波数決定処理の実行周期において連続した時刻であり、第2時刻t2と第1時刻との差と、第3時刻と第2時刻との差とは、等しい。
【0030】
ステップS110において、ピックアップ電圧が小さくならなかったと判定された場合、ステップS100において調整された周波数は、共振周波数に到達していないことになる。この場合、制御部300は、処理をステップS100に戻して、再び、第1制御によって、周波数を低下させる。
【0031】
ステップS110において、ピックアップ電圧が小さくなったと判定された場合、ステップS100において調整された周波数は、共振周波数よりも小さくなったことになる。この場合、制御部300は、ステップS120において、第2時刻t2以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数f2まで、圧電振動体100に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する。
図7に示すように、本実施形態では、第2周波数f2は、第1時刻t1よりも前に圧電振動体100に印加した駆動電圧の周波数である。また、本実施形態において、第2周波数f2は、第1周波数f1よりも小さい周波数である。ステップS120の処理を、第2工程ともいう。
【0032】
ステップS130において、制御部300は、ピックアップ電圧が一定になるように駆動周波数を調整する第3制御を実行する。具体的には、制御部300は、ステップS120における第2制御の実行直後におけるピックアップ電圧を一定に保つように、駆動周波数を増加させたり減少させたりする制御を行う。より具体的には、制御部300は、ピックアップ電圧が上昇した場合には、ピックアップ電圧を低下させるべく、駆動周波数を大きくし、ピックアップ電圧が低下した場合には、ピックアップ電圧を高めるべく、駆動周波数を小さくする制御を行う。ステップS130における処理を、第3工程ともいう。圧電振動体100は、その温度等の変化に応じて、
図5に示した動作特性が変化する性質を有する。そのため、第3制御では、ピックアップ電圧が一定となるように駆動周波数の制御を行うことにより、振動振幅を安定させる。
【0033】
ステップS140において、制御部300は、ステップS130における第3制御による駆動周波数の調整の結果、ステップS130の実行直後における第2周波数f2と、調整後の周波数と、の差分の値、つまり変化量が予め定めた値以上となったか否かを判定する。ステップS140における「予め定めた値」は、第2周波数f2の再設定が必要となるほど、圧電振動体100の動作特性が変化したか否かに応じて定められる値であり、実験やシミュレーションによって定められる値である。
【0034】
ステップS140において、調整後の駆動周波数の変化量が予め定めた値以上であると判定されなかった場合には、制御部300は、処理をステップS130に戻して、ピックアップ電圧を一定する処理を継続する。これに対して、調整後の駆動周波数の変化量が予め定めた値以上であると判定された場合には、制御部300は、処理をステップS100に戻して再び第1制御の実行を開始する。こうすることにより、再び、上述した一連の周波数決定処理が実行され、新たな駆動周波数が設定される。
【0035】
以上で説明した第1実施形態における圧電駆動装置400の制御方法によれば、駆動周波数を徐々に低下させる第1制御において、ピックアップ電圧が上昇後、降下した場合に、駆動周波数を大きくする第2制御を実行して、圧電振動体100の駆動周波数を第2周波数f2に設定する。そのため、例えば、圧電振動体100の温度等の変化の影響を受ける可能性のある振動振幅の最大値を目標振幅として駆動周波数を設定するよりも、圧電振動体100の温度等の変化の影響を受けることを抑制しつつ、圧電振動体100の駆動周波数が共振周波数よりも大きくなるように、駆動周波数を適切に設定できる。
【0036】
また、本実施形態では、第2制御において、駆動周波数を、ピックアップ電圧が低下するよりも前の時刻である第1時刻t1以前に印加した周波数まで大きくするので、圧電振動体100の駆動周波数が、共振周波数よりも大きな周波数に確実に設定することができる。この結果、駆動周波数が、共振周波数よりも小さく設定されることがないので、圧電振動体100によって被駆動部材220が駆動されない事態が生じることを抑制できる。
【0037】
また、本実施形態では、第2制御によって設定される第2周波数f2は、第1制御において周波数を下げていく基点となる第1周波数f1よりも小さいので、駆動周波数の調整開始時点よりも圧電振動体100を効率的に駆動できる。
【0038】
また、本実施形態では、第2制御後に、ピックアップ電圧が一定になるように駆動周波数を調整する第3制御を実行するので、圧電振動体100による被駆動部材220の駆動力を一定に保つことができる。更に、本実施形態では、第3制御の実行中において、調整中の駆動周波数が、第3制御開始時点の駆動周波数から所定値以上変動した場合に、再度、周波数を下げていく第1制御を実行するので、温度変化等によって圧電振動体100の動作特性が変動した場合であっても、駆動周波数を適切に再設定することができる。
【0039】
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態における周波数決定処理のフローチャートである。
図9は、第2実施形態における周波数決定処理の処理内容を示す説明図である。本実施形態における圧電駆動装置400の構成は第1実施形態と同じであり、周波数決定処理の一部の処理が異なる。そのため、以下では、圧電駆動装置400の構成の説明については省略し、周波数決定処理について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0040】
第2実施形態では、周波数決定処理において、制御部300は、ステップS100において第1制御を実行することにより、駆動周波数を下げていく。そして、その後、制御部300は、ステップS110Bにおいて、ピックアップ電圧が、予め定めた値以上低下したか否かを判定する。具体的には、制御部300は、
図9に示すように、第1時刻t1から第2時刻t2までにピックアップ電圧が大きくなり、かつ、第2時刻t2から第3時刻t3までにピックアップ電圧が低下した量dV、つまりピックアップ電圧の変化量dVが、予め定めた値以上であるか否かを判定する。
【0041】
上記ステップS110Bにおいて、ピックアップ電圧が、予め定めた値以上低下したと判定された場合には、制御部300は、第1実施形態と同様に、第2制御を実行することにより、駆動周波数を第2周波数f2まで高め、その時点におけるピックアップ電圧が一定となるように、第3制御を実行する。
【0042】
以上で説明した第2実施形態の圧電駆動装置400の制御方法によれば、第2時刻t2から第3時刻t3までに、ピックアップ電圧が、予め定めた値以上低下した場合に、駆動周波数を大きくする第2制御を実行するので、駆動周波数が、共振周波数よりも低下したことを確実に検出した上で、駆動周波数を適切な値に設定することができる。なお、ピックアップ電圧の低下量dVと比較する「予め定めた値」は、高周波数側から低下させる駆動周波数が、共振周波数よりも低下したことを確実に検出することのできる値を、実験やシミュレーションによって求めることによって設定できる。
【0043】
C.第3実施形態:
図10は、第3実施形態における周波数決定処理のフローチャートである。
図11は、第3実施形態における周波数決定処理の処理内容を示す説明図である。本実施形態における圧電駆動装置400の構成は第1実施形態と同じであり、周波数決定処理の一部の処理が異なる。そのため、以下では、圧電駆動装置400の構成の説明については省略し、周波数決定処理について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0044】
第3実施形態では、周波数決定処理において、制御部300は、ステップS100において第1制御を実行することにより、駆動周波数を下げていく。そして、ステップS110において、制御部300は、第1制御によって、ピックアップ電圧が小さくなったか否かを判定する。なお、このステップS110の処理に代えて、第2実施形態におけるステップS110Bの処理を実行してもよい。
【0045】
ステップS110において、ピックアップ電圧が小さくならなかったと判定された場合、ステップS100において調整された周波数は、共振周波数に到達していないことになる。この場合、制御部300は、ステップS115において、目標ピックアップ電圧の設定を行い、その後、処理をステップS100に戻す。例えば、目標ピックアップ電圧は、ステップS115が実行された時点におけるピックアップ電圧とすることができる。また、予め、目標ピックアップ電圧の上限値を設定しておき、現時点のピックアップ電圧がその上限値を超えた場合には、その上限値を目標ピックアップ電圧としてもよい。目標ピックアップ電圧の上限値としては、例えば、ピックアップ電圧の理論上の最大値の50~70%の値とすることができる。
【0046】
ステップS110において、ピックアップ電圧が小さくなったと判定された場合には、ステップS120において、制御部300は、上記第1実施形態と同様に、第2制御を実行することによって、駆動周波数を第2周波数f2まで大きくする。そして、ステップS130Cにおいて、制御部300は、
図11に示すように、ピックアップ電圧が、ステップS115で設定した目標ピックアップ電圧に一致するように、第2周波数f2を調整する。
【0047】
以上で説明した第3実施形態の圧電駆動装置400の制御方法によれば、駆動周波数を下げていく第1制御の実行の過程において、目標とするピックアップ電圧を設定し、第2制御によって駆動周波数を大きくした後のピックアップ電圧が、その目標ピックアップ電圧となるように駆動周波数を設定する。そのため、所望のピックアップ電圧および駆動周波数によって、圧電振動体100を駆動することができる。
【0048】
D.第4実施形態:
図12は、第4実施形態に係るロボット1000を示す斜視図である。ロボット1000は、6軸ロボットであり、床や天井に固定されるベース1010と、ベース1010に回動自在に連結されたアーム1020,1030,1040,1050,1060,1070と、これらアーム1020,1030,1040,1050,1060,1070の駆動を制御するロボット制御部1080と、を有している。ロボット制御部1080には、制御部300が備えられている。アーム1070にはハンド接続部が設けられており、ハンド接続部にはロボット1000に実行させる作業に応じたエンドエフェクター1090が装着される。
【0049】
各アームを連結する関節部のうちの全部または一部には圧電駆動装置400が搭載されている。圧電駆動装置400は、各アーム1020,1030,1040,1050,1060,1070を回動させる。各圧電駆動装置400の駆動は、ロボット制御部1080によって制御される。圧電駆動装置400は、エンドエフェクター1090に搭載され、エンドエフェクター1090の駆動に用いられてもよい。なお、ロボット1000は、6軸ロボットのような垂直多関節ロボットに限らず、水平多関節ロボットであってもよい。
【0050】
E.他の実施形態:
(E-1)上記実施形態において、制御部300は、第2制御において駆動周波数を大きくした後に、ピックアップ電圧を一定とするための第3制御を実行している。これに対して、第3制御の実行は必須ではなく、例えば、制御部300は、第2制御において大きくした駆動周波数によって、それ以降、圧電振動体100を駆動してもよい。
【0051】
(E-2)上記実施形態において、制御部300は、第2制御において、第1時刻t1よりも前に圧電振動体100に印加した駆動電圧の第2周波数f2まで、駆動周波数を大きくしている。これに対して、制御部300は、第2時刻t2あるいは第1時刻t1において圧電振動体100に印加した駆動電圧の周波数まで駆動周波数を大きくしてもよい。また、制御部300は、第1時刻t1よりも後、かつ、第2時刻t2よりも前に圧電振動体100に印加した駆動電圧の周波数まで、駆動周波数を大きくしてもよい。
【0052】
(E-3)上記実施形態において、制御部300が第2制御によって設定する第2周波数f2は、第1制御開示時における駆動周波数である第1周波数f1よりも小さい周波数である。これに対して、第2周波数f2は、第1周波数f1の値によっては、第1周波数f1よりも大きな周波数になってもよい。
【0053】
(E-4)上記実施形態において、制御部300は、第3制御において、ピックアップ電圧を一定とするために駆動周波数を調整した際に、周波数が予め定めた値以上、変化した場合に、再度、第1制御を実行している。これに対して、制御部300は、このような処理を行わなくてもよい。つまり、ピックアップ電圧を一定とするために駆動周波数を調整した結果、周波数が予め定めた値以上変化した場合であっても、そのまま調整を続け、第1制御を実行しないものとしてもよい。
【0054】
F.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0055】
(1)本開示の第1の形態によれば、圧電振動体を備える圧電駆動装置の制御方法が提供される。この制御方法は、前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行する第1工程と、前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する第2工程と、を備える。
このような形態によれば、目標振幅を用いずに圧電振動体の駆動周波数を設定できるので、圧電振動体の温度等の変化の影響を受けることを抑制しつつ、圧電振動体の駆動周波数を適切に設定できる。
【0056】
(2)上記形態の圧電駆動装置の制御方法において、前記第2周波数は、前記第1時刻以前に前記圧電振動体に印加した前記駆動電圧の周波数であってもよい。このような形態であれば、圧電振動体の駆動周波数が、共振周波数よりも小さくなることをより確実に抑制できる。
【0057】
(3)上記形態の圧電駆動装置の制御方法において、前記第2周波数は、前記第1周波数よりも小さくてもよい。このような形態であれば、圧電振動体を効率的に駆動できる。
【0058】
(4)上記形態の圧電駆動装置の制御方法において、前記第2工程後に、前記ピックアップ電圧が一定になるように前記第2周波数を調整する第3制御を実行する第3工程を備え、前記第3工程において、前記第2周波数の変化量が予め定めた値以上の場合に、再度、前記第1工程を実行してもよい。このような形態であれば、温度変化等によって圧電振動体の動作特性が変動した場合であっても、駆動周波数を適切に再設定することができる。
【0059】
(5)上記形態の圧電駆動装置の制御方法において、前記第2工程では、前記第1制御において、前記第1時刻から前記第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から前記第3時刻までの前記ピックアップ電圧の変化量が予め定めた値以上の場合に、前記第2制御を実行してもよい。このような形態であれば、駆動周波数が、共振周波数よりも低下したことを確実に検出した上で、駆動周波数を適切な値に設定できる。
【0060】
(6)本開示の第2の形態によれば、被駆動部材を駆動する圧電駆動装置が提供される。この圧電駆動装置は、前記被駆動部材を駆動する圧電振動体と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記圧電振動体の振動振幅を表すピックアップ電圧を前記圧電振動体から取得しながら、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を予め定めた第1周波数から低下させる第1制御を実行し、前記第1制御において、第1時刻から第2時刻までに前記ピックアップ電圧が大きくなり、かつ、前記第2時刻から第3時刻までに前記ピックアップ電圧が小さくなった場合に、前記第2時刻以前に印加した駆動電圧の周波数である第2周波数まで、前記圧電振動体に印加する駆動電圧の周波数を大きくする第2制御を実行する。このような形態によっても、第1の形態と同様の効果を奏する。
【0061】
(7)本開示の第3の形態によれば、上記第2の形態における圧電駆動装置を備えるロボットが提供される。このような形態によっても、第1の形態と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0062】
100…圧電振動体、110…振動部、120…支持部、130…接続部、140…圧電振動モジュール、147A~147E…圧電素子、160…接触子、180…ピックアップ電極、200…ステージ、210…バネ部材、220…被駆動部材、222…表面、300…制御部、310…駆動電圧生成部、320…振動検出部、400…圧電駆動装置、1000…ロボット、1010…ベース、1020~1070…アーム、1080…ロボット制御部、1090…エンドエフェクター、CX…中心軸、O…回転軸