(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】口栓
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
B65D77/06 G
(21)【出願番号】P 2020042857
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍔 孝太郎
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-104474(JP,A)
【文献】米国特許第08196621(US,B2)
【文献】米国特許第04564132(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内袋と外箱からなる、液体を収納可能な2重容器の口栓であって、
内袋は、プラスチックフィルムを基材としてなり、
内袋に収容された液体は、内袋から口栓を経由して注ぎ出し可能であって、
前記口栓はスパウトと、このスパウトに係合するコネクタ、およびコネクタの外周に位置する円筒のリングからなり、
前記スパウトは、中空の円筒形で、内袋から外側に突き出して設けてあり、
スパウトには、前記コネクタとの係合のための螺子溝、およびフランジが設けてあり、
コネクタには、スパウトとの係合のための螺子溝が設けてあり、
スパウトに係合されたコネクタは、中空の円筒形部分を有して、これが液体の流路となって、スパウトからさらに先への注ぎ出しを可能にしており、
前記リングは、円筒の内面に、円筒の軸と同方向に延びるリブを有しており、
コネクタの円筒形部分の外面には、リブに嵌合可能な凹みが設けてあり、
また、スパウトのフランジの外周には、リブに嵌合可能な凹みが設けてあり、
リングの円筒の内面のリブのうち、容器外側部分のリブが、コネクタの円筒部分の外面の凹みに嵌合可能であり
また、リングの円筒形の内面のリブのうち、容器内側部分のリブが、スパウトのフランジの外周の凹みに嵌合可能であって、
リングは、リブの伸びる方向にスライドが可能であって、
コネクタがスパウトとの螺合の終点に達した時に、リングはスパウトの側にスライドして、リブがコネクタとスパウトの両方の凹みにそれぞれ嵌合して、
コネクタとスパウトの螺合が、回転逆方向に緩むことを防止することを特徴とする、口栓。
【請求項2】
前記リブとそれに嵌合するコネクタの円筒の外側の凹みは1
組又は複数組、およびリブとそれに嵌合するスパウトのフランジ
の外周の凹みは、1
組又は複数組設けてあることを特徴とする請求項1に記載の口栓。
【請求項3】
前記コネクタによる流路がさらに複数に分かれて、収納された液体の注ぎ出しが複数個所で可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の口栓。
【請求項4】
前記リングには、手指で操作可能に、円筒から外方向に突き出した羽根を、1
又は複数設けてあることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の口栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口栓に関するものである。特にプラスチックフィルムからなる内袋と、板紙などからなる外箱とが2重になった液体用容器に用いることのできる口栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内袋と、外箱とが2重になった容器として、たとえばバッグインボックスと呼ばれる形態のものは、外形を形成する外箱の内側に、プラスチックフィルムを基材とするバッグを有して、主に液体用の容器として広く用いられている。バッグには、スパウトが外側に突き出して係合されており、内容物の液体の注ぎ出しにおいては、このスパウトを外箱の外に引き出して用いられる。
【0003】
このとき、スパウトから直接の注ぎ出しも可能ではあるが、スパウトにコネクタを係合して注ぎ出しの位置や方向の自由度を増し、利便性を高めることが可能である。
【0004】
スパウトとコネクタとの係合には、例えば両者を嵌め合わせや、螺合によって係合することが行われている。しかしながら、例えば螺合による係合の場合には、緩みを生じる恐れもあり、万一緩みが生じる場合には、液漏れなどの可能性があり、改善が求められるところである。
【0005】
特許文献1には、スパウトとコネクタを螺子で係合する、螺子嵌めコネクターが提案されているが、可撓性を有するタブを用いてその係合を強化するものではあるが、螺合による係合部に外力が加わる場合などを想定すれば、必ずしも十分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、バッグインボックス用の口栓において、螺合によって係合されたスパウトとコネクタが緩むことのない、ロック機構を有した口栓を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
内袋と外箱からなる、液体を収納可能な2重容器の口栓であって、
内袋は、プラスチックフィルムを基材としてなり、
内袋に収容された液体は、内袋から口栓を経由して注ぎ出し可能であって、
前記口栓はスパウトと、このスパウトに係合するコネクタ、およびコネクタの外周に位置する円筒のリングからなり、
前記スパウトは、中空の円筒形で、内袋から外側に突き出して設けてあり、
スパウトには、前記コネクタとの係合のための螺子溝、およびフランジが設けてあり、
コネクタには、スパウトとの係合のための螺子溝が設けてあり、
スパウトに係合されたコネクタは、中空の円筒形部分を有して、これが液体の流路となって、スパウトからさらに先への注ぎ出しを可能にしており、
前記リングは、円筒の内面に、円筒の軸と同方向に延びるリブを有しており、
コネクタの円筒形部分の外面には、リブに嵌合可能な凹みが設けてあり、
また、スパウトのフランジの外周には、リブに嵌合可能な凹みが設けてあり、
リングの円筒の内面のリブのうち、容器外側部分のリブが、コネクタの円筒部分の外面の凹みに嵌合可能であり、
また、リングの円筒形の内面のリブのうち、容器内側部分のリブが、スパウトのフランジの外周の凹みに嵌合可能であって、
リングは、リブの伸びる方向にスライドが可能であって、
コネクタがスパウトとの螺合の終点に達した時に、リングはスパウトの側にスライドして、リブがコネクタとスパウトの両方の凹みにそれぞれ嵌合して、
コネクタとスパウトの螺合が、回転逆方向に緩むことを防止することを特徴とする、口栓である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記リブとそれに嵌合するコネクタの円筒の外側の凹みは1組又は複数組、およびリブとそれに嵌合するスパウトのフランジの外周の凹みは、1組又は複数組設けてあることを特徴とする請求項1に記載の口栓である。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記コネクタによる流路がさらに複数に分かれて、収納された液体の注ぎ出しが複数個所で可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の口栓である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、前記リングには、手指で操作可能に、円筒から外方向に突き出した羽根を、1又は複数設けてあることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の口栓である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バッグインボックス用の口栓において、螺合によって係合されたスパウトとコネクタが緩むことのない、ロック機構を有した口栓を提供することが可能である。
【0013】
スパウトは、中空の円筒形で、内袋から外側に突き出して設けてあり、スパウトには、前記コネクタとの係合のための螺子溝、およびフランジが設けてあり、コネクタには、スパウトとの係合のための螺子溝が設けてあることによって、口栓の係合は螺合によって行われ、強固で密封性に高い配管の実現が可能になる。
【0014】
またロック機構については、リングは、リブの伸びる方向にスライドが可能であって、コネクタがスパウトとの螺合の終点に達した時に、リングはスパウトの側にスライドして、リブがコネクタとスパウトの両方の凹みにそれぞれ嵌合して、コネクタとスパウトの螺合が、回転逆方向に緩むことを防止する機構であるために、ロック機構を螺合しながら行うのではなく、螺合が終了した時点で縦方向のスライドによって機能させることにより、作業を容易かつ、確実に行うことができ、螺合を解いて分割する際にも、作業を容易に行うことが可能である。
【0015】
特に請求項2に記載の発明によれば、リブとそれに嵌合するコネクタの円筒の外側の凹みは1組又は複数組、およびリブとそれに嵌合するスパウトのフランジの外周の凹みは、1組又は複数組設けてあることによって、嵌合すなわちロック機構をより強固なものとすることが可能である。
【0016】
特に請求項3に記載の発明によれば、コネクタによる流路がさらに複数に分かれて、収納された液体の注ぎ出しが複数個所で可能であることによって、より利便性の高い口栓と
することが可能である。
【0017】
特に請求項4に記載の発明によれば、リングには、手指で操作可能に、円筒から外方向に突き出した羽根を、1又は複数設けることによって、リングの手指による操作はより容易になり、また安定して行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成を説明するための断面摸式図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成および、係合の初期過程を説明するための断面摸式図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成および、係合のうち螺合が完了した状態を説明するための断面摸式図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成および、螺合が完了して、ロック機構が機能した状態を説明するための断面摸式図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る口栓の他の実施態様において、そのパーツの構成を説明するための断面摸式図である。
【
図6】
図6は、本発明に係る口栓の他の実施態様において、そのパーツの構成および、螺合が完了して、ロック機構が機能した状態を説明するための断面摸式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0020】
図1は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成を説明するための断面摸式図である。
【0021】
本発明は、口栓(100)に係るものであって、液体を収納可能な、内袋と外箱からなる2重の容器に用いることができる。口栓(100)はスパウト(10)と、このスパウト(10)に係合するコネクタ(30)、およびコネクタ(30)の外周に位置する円筒のリング(20)からなる。
【0022】
スパウト(10)と、コネクタ(30)もまた中空の円筒形であって、これらの円筒形の係合によって口栓(100)が形成される。
【0023】
例えば内袋と外箱からなる2重の容器のうち、バッグインボックスと呼ばれる形態の包装容器に用いることが可能であって、液体容器として一般に用いられている。バッグインボックスは、外箱の内側にプラスチックフィルムを基材とするバッグを内袋として有しており、主に液体用の容器として用いられている。
【0024】
バッグには、スパウト(10)が容器内側から外側に向けて突き出して設けられている。スパウト(10)は中空円筒形であって、内容物の注ぎ出しにおいては、このスパウト(10)を外箱の外に引き出して用いられる。
【0025】
このスパウト(10)には、コネクタ(30)、およびコネクタ(30)の外周に位置する円筒のリング(20)が係合されており、これらで口栓(100)を形成している。内容物の注ぎ出しは、容器内側からこの口栓(100)を経由して行う。
【0026】
またスパウト(10)には、コネクタ(30)との係合のための螺子溝(11)、およ
びフランジ(12)が設けてある。
【0027】
図1に示す例においてスパウト(10)は、1ピースの部品として示されているが、複数のパーツを組み合わせて構成するのでも良い。また、材質については特段の制約を設けるものではなく、例えばプラスチック材料を用いる場合には、金型による成型品とすることが可能であり、耐水性のほか、形状の自由度や生産性の点で優れている。
【0028】
フランジ(12)は、スパウト(10)の円筒形状の外側に設けた円形の鍔であって、その周縁にはフランジの凹み(13)が設けてある。フランジの凹み(13)は、
図1において縦方向の溝である。
【0029】
この縦方向の溝は、
図1では横から見た断面図であるため、外形は明確に示されていないが、例えばスパウト(10)をその円筒形状の上方から見た場合には、フランジ(12)の円形の一部が欠けた凹型形状とすることができる。
【0030】
このフランジ(12)の欠けた部分の凹型形状は、後述するリング(20)のリブ(22)の断面の凸形状と一致して、それらは嵌合可能である。また、フランジの凹み(13)は、1又は複数で設けることもできる。
【0031】
スパウトには、スパウトの底部(14)を設けることができ、この部分は内袋とシールされて容器内側との接点となる。スパウトの底部(14)の形状は、例えばスパウト(10)の円筒形を囲むドーナツ形状とすることができ、内袋とのシールは、例えばヒートシールによって行うことが可能である。
【0032】
コネクタ(30)には、スパウト(10)との係合のための螺子溝(31)が設けてある。コネクタの螺子溝(31)とスパウトの螺子溝(11)を螺合させることによって、双方が係合される。ちなみにこれらの螺子溝(31)、および螺子溝(11)は、螺合に差し支えがない範囲において、どちらか一方が雄螺子であり、もう一方が雌螺子であればよい。
【0033】
その結果、スパウト(10)に係合されたコネクタ(30)は、中空の円筒形部分を有して、これがスパウト(10)から連続する、液体の流路となって、スパウト(10)から先の、注出口(33)からの注ぎ出しを可能にしている。この注出口(33)にはさらにチューブなどの管を接続して用いることができる。
【0034】
コネクタ(30)は、円筒形状であって、その外側表面にはコネクタの凹み(32)が、
図1において縦方向の溝として設けてある。コネクタの凹み(32)は、
図1では横から見た図であって、外形は明確には示されていないが、例えばコネクタ(30)をその円筒形状の下方から見た場合には、コネクタ(30)の円筒形の表面が溝状に欠けた、凹型形状とすることができる。
【0035】
このコネクタ(30)の欠けた部分の、コネクタの凹み(32)は、後述するリング(20)のリブ(21)の断面の凸形状と一致して、それらは嵌合可能である。また、コネクタの凹み(32)は、1又は複数で設けることができる。
【0036】
図2は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成および、係合の初期過程を説明するための断面摸式図である。
【0037】
前述のように、スパウト(10)には、コネクタ(30)との係合のための螺子溝(11)、およびフランジ(12)が設けてあり、コネクタ(30)には、スパウト(10)との係合のための螺子溝(31)が設けてある。
【0038】
コネクタ(30)とスパウト(10)の係合はまず、コネクタ(30)とリング(20)とを嵌合させた状態で行う。
【0039】
リング(20)には、その円筒形の内面に、円筒の回転軸と同方向すなわち
図2において縦方向に延びるリブ(21)、およびリブ(22)を有しており、これらは凸形状に形成されている。リブ(21)はコネクタの凹み(32)と嵌合することができ、リブ(22)はフランジの凹み(13)と嵌合することができる。
【0040】
すなわちリブ(21)およびリブ(22)の断面の凸形状は、コネクタの凹み(32)の断面およびフランジの凹み(13)の断面と、それぞれ同形状の凹凸の関係にあって嵌合が可能である。
【0041】
また、リング(20)の円筒形の内面のリブは、いずれも円筒形の回転軸と同方向に延びているのであって、コネクタの凹み(32)、およびスパウト(10)のフランジの凹み(13)と嵌合した際には、リング(20)はリブの伸びる方向にスライドすることができる。
【0042】
したがって、リング(20)をコネクタ(30)の、
図2に於いて矢印(42)方向にスライドさせることによって、コネクタ(30)の下部を露出させることができる。
【0043】
こうして、コネクタ(30)はスパウト(10)と向き合って、それぞれに設けられた螺子溝同士を螺合させて係合を開始することができる。
【0044】
この螺合によってコネクタ(30)およびそれに嵌合したリング(20)は、螺旋状に回転しながらそのまま
図2においての矢印(41)方向に移動して、スパウト(10)と係合することができる。この係合によって、スパウト(10)から連続してさらに先に液体の流路が形成され、注ぎ出し口(33)からの注出が可能となる。
【0045】
図3は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成および、係合のうち螺合が完了した状態を説明するための断面摸式図である。
【0046】
図2の説明において述べた螺合の終点は、コネクタ(30)の下端がスパウト(10)のフランジ(12)の上面に接した点であって、接したところで螺合は終了する。このときリング(20)はコネクタ(30)の外周をとり囲む位置にあって、リブ(21)はコネクタの凹み(32)に嵌合した状態である。
【0047】
前述のように、リング(20)には、その下部にフランジの凹み(13)に嵌合するリブが(22)設けてあり、コネクタ(30)とスパウト(10)の螺合の終点で、それらの回転方向の位置が一致するように設けておくことによって、リング(20)は
図3において矢印(43)の方向にスライドすることが可能となり、リブ(22)とスパウトのフランジの凹み(13)は嵌合して、リング(20)とスパウト(10)は固定される。
【0048】
図4は、本発明に係る口栓の一実施態様において、そのパーツの構成および、螺合が完了して、ロック機構が機能した状態を説明するための断面摸式図である。
【0049】
図4に示す状態において、コネクタ(30)の下端は、スパウト(10)のフランジ(12)の上面に接して、螺合終点に達しており、リング(20)もまた下方にスライドしてその終点に達している。
【0050】
すなわちリング(20)のリブ(21)とコネクタの凹み(32)はすでに嵌合して固定しており、リング(20)のリブ(22)とスパウトの(10)のフランジの凹み(13)もまた、嵌合して固定していることになる。
【0051】
したがってこの固定はリブ(21)およびリブ(22)が伸びる方向、すなわち
図4において縦方向に対しては可動であるが、コネクタ(30)とスパウト(10)の両方の螺子溝による螺合の、回転方向に対しては、固定されるため、コネクタ(30)とスパウト(10)の係合のロック機構として有効となる。
【0052】
前述のように、リブ(21)とコネクタの凹み(32)嵌合箇所は1個所又は複数個所に設けることができ、またリブ(22)とスパウトの(10)のフランジの凹み(13)の嵌合箇所も1個所又は複数個所に設けることができ、この場合にはロック機構は一層堅固なものとすることができる。
【0053】
このようにして形成された口栓(100)は、その内部が中空となって、内容液の流路が形成されている。また、この流路の途中に開閉可能な弁機構を設けて、注ぎ出しを制御することが可能である。
【0054】
このようにして、本発明によれば、バッグインボックス用の口栓(100)において、螺合によって係合されたスパウト(10)とコネクタ(30)が緩むことのない、ロック機構を有した口栓(100)を提供することが可能である。
【0055】
図5は、本発明に係る口栓の他の実施態様において、そのパーツの構成を説明するための断面摸式図である。
【0056】
図5に示す実施態様においては、コネクタによる流路がさらに複数に分かれて、収納された液体の注ぎ出しが複数個所で可能である例である。この実施態様においては、注出口(33)、および注出口(34)の2か所からの注ぎ出しが可能であり、利便性の高い口栓(100)とすることが可能である。
【0057】
また、
図5に示す例のように、リング(20)には、手指で操作可能に、リング(20)の円筒から外方向に突き出した羽根(23)を設けることができる。羽根(23)を設けることによって、リング(20)の手指による操作は、回転方向およびスライドの動作ともにより容易になり、また安定して行うことが可能である。羽根(23)は1
又は複数設けることができる。
【0058】
図6は、本発明に係る口栓の他の実施態様において、そのパーツの構成および、螺合が完了して、ロック機構が機能した状態を説明するための断面摸式図である。
【0059】
図6で示す状態は、スパウト(10)とコネクタ(30)の螺合が完了して、リング(20)によるロック機構が機能した状態である。
【0060】
これは
図1~
図4に示す例と同様であって、本発明によれば、バッグインボックス用の口栓(100)において、螺合によって係合されたスパウト(10)とコネクタ(30)が緩むことのない、ロック機構を有した口栓を提供することが可能であることを示すものである。
【符号の説明】
【0061】
10・・・スパウト
11・・・螺子溝
12・・・フランジ
13・・・スパウトの凹み
14・・・スパウトの底部
20・・・リング
21・・・リブ
22・・・リブ
23・・・羽根
30・・・コネクタ
31・・・螺子溝
32・・・コネクタの凹み
33・・・注出口
34・・・注出口
41・・・矢印
42・・・矢印
43・・・矢印
100・・・口栓