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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】車両用無線給電装置および該方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20240611BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240611BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20240611BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240611BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240611BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H02J50/10
B60R16/02 645Z
H01M10/46
H01M10/48 301
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02J7/00 301D
H02J7/10 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020085195
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021180570
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 崚平
(72)【発明者】
【氏名】田中 真帆
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 孝祥
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0125277(US,A1)
【文献】特開2018-045845(JP,A)
【文献】特開平09-084271(JP,A)
【文献】特開2016-220464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R16/00-17/02
H01M10/42-10/48
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装置に無線で給電する送電部と、前記送電部の温度を測定する温度測定部とを備え、前記温度測定部で測定した温度が所定の第1温度閾値以上または超えた場合に前記給電を停止する車両用無線給電装置において、
動の際に、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、前記受電装置に無線で給電するように、前記送電部を制御する制御部備える、
車両用無線給電装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記起動の際に、前記温度測定部で測定した温度が前記第2温度閾値を超えているまたは以上である場合に、前記受電装置に無線で給電しないように、前記送電部を制御する、
請求項1に記載の車両用無線給電装置。
【請求項3】
前記第2温度閾値は、当該車両用無線給電装置の動作を保証する動作保証温度である、
請求項1または請求項2に記載の車両用無線給電装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記起動の際に前記受電装置に無線で給電する場合、前記第2温度閾値と前記温度測定部で測定した温度と差に基づく電力値で前記受電装置に無線で給電するように、前記送電部を制御する、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用無線給電装置。
【請求項5】
送電部によって受電装置に無線で給電する送電工程と、前記送電部の温度を測定する温度測定工程とを備え、前記温度測定工程で測定した温度が所定の第1温度閾値以上または超えた場合に前記給電を停止する車両用無線給電方法において、
動の際に、前記温度測定工程で測定した温度が前記第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、前記受電装置に無線で給電する給電工程備える、
車両用無線給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に用いられ、受電装置に無線で給電する車両用無線給電装置および車両用無線給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を消費する受電装置と、前記受電装置に無線で給電する無線給電装置とを備える無線給電システムは、様々な装置に採用され、広く使われている。このような無線給電システムは、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示された送電装置は、受電装置へ無線で送電を行う送電装置であって、当該送電装置の内部または周辺の温度を検出する検出手段と、前記受電装置に送電を行う際に前記検出手段により検出される温度が所定の温度を超えないという条件で前記受電装置が出力可能な電力の値を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された電力の値に基づいて、前記受電装置へ送電を行う送電手段と、を有する。
【0004】
前記特許文献2に開示された電力伝達装置は、商用電源から電源供給を受ける第1コイルを有する本体と、第1コイルと電磁誘導結合する第2コイルを有する端末とから成り、第1、第2コイルを介して、前記本体から前記端末へ非接触で電力供給を行う電力伝達装置において、所定以上の温度を検出した場合、前記端末への電力供給を自動的に停止するための温度過昇防止装置を前記本体に設けた電力伝達装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-045845号公報
【文献】特開2001-258182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記特許文献1に開示された送電装置は、所定の温度を超えないという条件で受電装置が出力可能な電力の値に基づいて前記受電装置へ送電を行う装置であるが、そもそも、送電開始の際に、前記所定の温度を超えていると送電することができない。前記特許文献2に開示された電力伝達装置は、所定以上の温度を検出した場合、前記端末への電力供給を自動的に停止するので、同様に、送電することができない。このため、これら装置が車両に用いられた場合、例えば、前記車両が温度上昇する環境(例えば炎天下等の日射に晒される環境等)の下に駐車されていると、前記車両の始動の際に、前記所定の温度を超えてしまって無線給電システムで受電装置に給電することができない。これら装置では、例えば外気やカーエアーコンディショナーで無線給電システム周囲の温度を下げるまで、前記無線給電システムで前記受電装置に給電することができず、走行中の給電時間が短くなってしまう。場合によっては、前記所定の温度より下がって前記無線給電システムで前記受電装置に給電を開始する前に、前記車両が目的地に到着してしまい、これら装置では、全く給電できない場合も生じ得る。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、起動の際に給電実施の機会を向上できる車両用無線給電装置および車両用無線給電方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる車両用無線給電装置は、電装置に無線で給電する送電部と、前記送電部の温度を測定する温度測定部とを備え、前記温度測定部で測定した温度が所定の第1温度閾値以上または超えた場合に前記給電を停止する車両用無線給電装置において、動の際に、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、前記受電装置に無線で給電するように、前記送電部を制御する制御部備える。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記第1温度閾値は、人が安全に当該車両用無線給電装置を使用できる温度である(人の安全を確保する観点から設定された温度である)。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記第1温度閾値は、人が当該車両用無線給電装置に接触した場合に、前記人が熱いと感じる温度である。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記第1温度閾値は、45℃ないし50℃の範囲内における所定の温度である。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記制御部は、起動後、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値未満または以下に初めて成るまでの間、給電開始時に、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、前記受電装置に無線で給電するように、前記送電部を制御する。
【0009】
通常、第1温度閾値は、人の安全を確保するために、人が熱いと感じる程度の温度に設定され、車両用無線給電装置の動作を保証する動作保証温度より低く設定される。このため、第1温度閾値以上であっても、給電が可能である。そして、車両が温度上昇する環境下に駐車されている場合、車両の始動の際には、乗員は、車両が熱くなっていることを、経験上、認識(予想)しているので、その認識の上で、車両用無線給電装置に受電装置を載置するから、第1温度閾値以上で給電しても差し支えないと考えられる。このような事情が活用され、上記車両用無線給電装置は、起動の際に、温度測定部で測定した温度が第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、受電装置に無線で給電するように、送電部を制御するので、当該車両用無線給電装置の起動の際に給電実施の機会を向上できる。
【0010】
他の一態様では、上述の車両用無線給電装置において、前記制御部は、前記起動の際に、前記温度測定部で測定した温度が前記第2温度閾値を超えているまたは以上である場合に、前記受電装置に無線で給電しないように、前記送電部を制御する。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記制御部は、前記起動の際に前記受電装置に無線で給電する場合であって給電中に、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値より低い所定の第3温度閾値未満または以下になった後には、給電を継続し、給電中に、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値を超えたまたは以上になった場合に前記給電を停止するように、前記送電部を制御し、給電が必要であるが給電の停止中に、前記温度測定部で測定した温度が前記第3温度閾値未満または以下になった場合に前記給電を再開するように、前記送電部を制御する。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記制御部は、前記起動の際に前記受電装置に無線で給電しない場合、前記温度測定部で測定した温度が前記第3温度閾値未満または以下になった場合に前記給電を開始し、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値を超えているまたは以上になった場合に前記給電を停止するように、前記送電部を制御し、給電が必要であるが給電の停止中に、前記温度測定部で測定した温度が、前記第3温度閾値未満または以下になった場合に前記給電を再開するように、前記送電部を制御する。
【0011】
このような車両用無線給電装置は、起動の際に、温度測定部で測定した温度が第2温度閾値を超えているまたは以上である場合に、受電装置に無線で給電しないように、送電部を制御するので、適切に使用され得る。
【0012】
他の一態様では、これら上述の車両用無線給電装置において、前記第2温度閾値は、当該車両用無線給電装置の動作を保証する動作保証温度である。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記第2温度閾値は、85℃ないし100℃の範囲内における所定の温度である。
【0013】
このような車両用無線給電装置は、第2温度閾値が当該車両用無線給電装置の動作を保証する動作保証温度であるので、動作保証下で適切に給電できる。
【0014】
他の一態様では、これら上述の車両用無線給電装置において、前記制御部は、前記起動の際に前記受電装置に無線で給電する場合、前記第2温度閾値と前記温度測定部で測定した温度と差に基づく電力値で前記受電装置に無線で給電するように、前記送電部を制御する。好ましくは、上述の車両用無線給電装置において、前記制御部は、前記差が小さいほど前記電力値が小さくなるように、前記差に基づく電力値を設定する。
【0015】
車両用無線給電装置は、一般に、無線の給電によって昇温し、単位時間当たりの昇温の割合は、給電の電力値の大きさに依存する。上記車両用無線給電装置は、第2温度閾値と温度測定部で測定した温度と差に基づく電力値で受電装置に無線で給電するように、送電部を制御するので、給電時間をより長くでき、給電の電力量をより多くできる。
【0016】
本発明の他の一態様にかかる車両用無線給電方法は、送電部によって受電装置に無線で給電する送電工程と、前記送電部の温度を測定する温度測定工程とを備え、前記温度測定工程で測定した温度が所定の第1温度閾値以上または超えた場合に前記給電を停止する車両用無線給電方法において、動の際に、前記温度測定工程で測定した温度が前記第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、前記受電装置に無線で給電する給電工程備える。
【0017】
このような車両用無線給電方法は、起動の際に、温度測定工程で測定した温度が第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、受電装置に無線で給電するので、起動の際に給電実施の機会を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる車両用無線給電装置および車両用無線給電方法は、起動の際に給電実施の機会を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態における、車両用無線給電装置を含む車両用無線給電システムを説明するための図である。
図2】前記車両用無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
図3図2に示す通常給電モードの処理を示すフローチャートである。
図4図2に示す起動時給電モードの処理を示すフローチャートである。
図5】一例として、前記通常給電モードでの、起動後における経過時間に対する車両用無線給電装置の温度変化を示す図である。
図6】一例として、前記起動時給電モードでの、起動後における経過時間に対する車両用無線給電装置の温度変化を示す図である。
図7】比較例として、前記起動時給電モードを備えない比較例の車両用無線給電装置での、起動後における経過時間に対する比較例の車両用無線給電装置の温度変化を示す図である。
図8】変形形態における起動時給電モードの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0021】
実施形態における車両用無線給電装置は、車両に用いられ、受電装置に無線で給電し、所定の第1温度閾値以上または超えた場合に前記給電を停止する装置である。そして、本実施形態では、この車両用無線給電装置は、前記受電装置に無線で給電する送電部と、前記送電部の温度を測定する温度測定部と、起動の際に、前記温度測定部で測定した温度が前記第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、前記受電装置に無線で給電するように、前記送電部を制御する制御部とを備える。前記受電装置は、前記車両用無線給電装置から無線で給電を受けることができる装置であれば、任意の装置であってよい。すなわち、前記受電装置は、無線で給電され、前記給電された電力を直接的に消費する電気機器であってよく、前記給電された電力を一旦蓄電素子(例えばコンデンサ、電荷二重コンデンサ、二次電池等)に充電してから間接的に消費する電気機器であってよい。ここでは、前記受電装置の一例として、二次電池に充電するスマートフォンを用い、前記スマートフォンと、車両用無線給電装置とを備える車両用無線給電システムで、上述の車両用無線給電装置を、より具体的に説明する。
【0022】
図1は、実施形態における、車両用無線給電装置を含む車両用無線給電システムを説明するための図である。図1Aは、車両用無線給電システムの構成を示すブロック図であり、図1Bは、車両の一例を示す図である。
【0023】
実施形態における車両用無線給電システムSSは、例えば、図1Aに示すように、スマートフォン(受電装置の一例)RDと、車両用無線給電装置SDとを備える。
【0024】
スマートフォンRDは、無線で給電を受ける無線受電機能と、前記給電された電力を充放電する充放電機能と、移動体通信を行う移動体通信機能と、例えばブラウザ、メーラー、ゲームソフトウェアおよびビデオ再生ソフトウェア等の所定の情報処理を行う情報処理機能とを備える電気機器である。
【0025】
無線で給電を行う無線給電方式は、例えば金属接点やコネクタ等の直接的な接続手段を介さずに(すなわち、無線(ワイヤレス)で)、電力を送る方式であり、例えば、磁界結合式(電磁誘導式、磁界共振式)、電界結合式、マイクロ波式および超音波式等の種々の方式がある。本実施形態では、無線の給電により車両用無線給電装置SDが昇温する方式であれば、よく、ここでは、一例として、磁界結合式を用いて説明する。この磁界結合式には、種々の手法があり、任意の手法が用いられてよいが、ここでは、ワイヤレス給電の国際標準規格であり、多くのスマートフォンに採用されているQi(チー)規格を用いて説明する。Qi規格は、それまで独自開発されたワイヤレス給電方式が多かったために機器間で互換性が無い状況に鑑み、ワイヤレスパワーコンソーシアム(Wireless Power Consortium)によって策定された規格である。Qi規格は、磁界結合式で給電するだけでなく、受電側(受電装置)から送電側(無線給電装置)への単方向で通信する。この単方向通信には、受電側での負荷を変動させることによる2値ASK(Amplitude Shift Keying)が利用されている。この単方向通信では、受電側から送電側へ、給電の要求、給電の電力値および給電の終了等が送信され、受電側は、電力を受け取っている限り、所定の時間間隔で定期的に通信信号(パケット)を送信している。これにより、送電側は、送電面上に載置されたモノがQi規格を利用した電気機器であるかその他の異物であるかを判定できるようになっている。
【0026】
このため、スマートフォンRDは、前記無線受電機能として、線状の導電体を巻き回した受電コイル(受電部)と、前記受電コイルに接続されQi規格に準拠した受電通信回路と、電力を充放電する二次電池と、前記受電コイルおよび前記二次電池それぞれに接続され前記受電コイルで受電した電力を整流して前記二次電池に充電する充電回路を含む。二次電池に充電された電力は、前記移動体通信機能および前記情報処理機能の実施に利用される。スマートフォンRDでは、前記給電の要求、前記給電の電力値および前記給電の終了として、それぞれ、充電要求、充電の電力値および充電終了が用いられる。
【0027】
車両用無線給電装置SDは、上述のように、車両に用いられ、前記受電装置の一例であるスマートフォンRDに無線で給電し、予め設定された所定の第1温度閾値以上である場合(または前記第1閾値を超えた場合)に前記給電を停止する装置であり、例えば、図1Aに示すように、制御部1と、温度測定部2と、送電部3とを備える。
【0028】
車両用無線給電装置SDは、例えば自動車、バス、トラック、列車等の任意の車両に用いられてよいが、例えば、図1Bに示す乗用車VCに搭載され用いられる。この乗用車VCでは、例えば、運転席と助手席との間に配置されるセンターコンソールに設けられた小物入れの凹所における底部に車両用無線給電装置SDの送電部3が配置される。例えば、前記底部を形成する底板内あるいは前記底板の背面に送電部3が配設される。送電部3を小物入れの凹所に設けることで、スマートフォンRDは、給電中、前記小物入れの凹所に入れられることになり、乗用車VCが揺れても前記スマートフォンRDが前記小物入れの凹所から飛び出すことが抑制され、車両用無線給電装置SDは、給電を継続できる。
【0029】
送電部3は、制御部1に接続され、制御部1の制御に従って、図略の電源からの電力を、磁界結合したスマートフォンRDの受電コイルに無線で給電する装置であり、例えば、線状の導電体を巻き回した送電コイルである。前記送電コイルは、例えば、絶縁被覆した導体線(例えば銅線等)を巻き回すことによって形成されてよく、あるいは、例えば、基板上に成膜された導体層(例えば銅等の金属層)をコイル状にエッチングすることによって形成されてよい。
【0030】
温度測定部2は、制御部1に接続され、制御部1の制御に従って、送電部3の温度を測定する装置である。温度測定部2は、例えば、送電部3に、あるいは、送電部3の周辺に配置されたサーミスタおよびその周辺回路を備えて構成される。
【0031】
制御部1は、車両用無線給電装置SDの各部2、3を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、無線によるスマートフォンRDへの給電を制御する装置である。制御部1は、例えば、マイクロコンピュータを備えて構成される。あるいは、制御部1は、例えばトランジスタ、コンデンサおよび抵抗素子等の個別部品で形成された回路であってもよい。
【0032】
制御部1がマイクロコンピュータを備えて構成される場合、前記マイクロコンピュータには、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータが記憶される。前記各種の所定のプログラムには、例えば、車両用無線給電装置SDの各部2、3を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、無線によるスマートフォンRDへの給電を制御する給電制御プログラム等が含まれる。前記給電制御プログラムには、後述の通常給電モードを処理する通常給電制御プログラムや、後述の起動時給電モードを処理する起動時給電制御プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、例えば、後述の第1ないし第3温度閾値等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。
【0033】
制御部1は、スマートフォンRDに無線で給電するために、起動時給電モードと通常給電モードとを備え、これに応じて通常給電制御部11と、起動時給電制御部12とを機能的に備える。
【0034】
通常給電制御部11は、送電部3によってスマートフォンRDに無線で給電し、予め設定された所定の第1温度閾値以上である場合(または前記第1温度閾値を超えた場合)に前記給電を停止する通常給電モードを実行するものである。この通常給電モードでは、より具体的には、通常給電制御部11は、給電開始の際に、温度測定部2で測定した温度が前記第1温度閾値以下である場合(または前記第1温度閾値未満である場合)に前記給電を開始するように、前記送電部3を制御し、給電中に、温度測定部2で測定した温度が前記第1温度閾値を超えた場合(または前記第1温度閾値以上になった場合)に前記給電を停止するように、前記送電部を制御し、給電が必要であるが給電の停止中に、温度測定部2で測定した温度が、前記第1温度閾値より低い、予め設定された所定の第3温度閾値未満になった場合(または前記第3温度閾値以下になった場合)に前記給電を開始(再開)するように、前記送電部3を制御する。
【0035】
前記第1および第3温度閾値は、それぞれ、例えば実用上の観点から適宜に設定される。例えば、前記第1温度閾値は、人が安全に当該車両用無線給電装置SDを使用できる温度である(人の安全を確保する観点から設定された温度である)。あるいは、例えば、前記第1温度閾値は、人が当該車両用無線給電装置SDに接触した場合に、前記人が熱いと感じる温度である。あるいは、例えば、前記第1温度閾値は、45℃ないし50℃の範囲内における所定の温度である。前記第3温度閾値は、前記第1温度閾値より、例えば5℃や10℃等だけ低い温度である。
【0036】
起動時給電制御部12は、当該車両用無線給電装置SDの起動の際に、温度測定部2で測定した温度が、前記第1温度閾値より高い、予め設定された所定の第2温度閾値以下である場合(または前記第2温度閾値未満である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御する起動時給電モードを実行するものである。本実施形態では、起動時給電制御部12は、前記起動の際に前記スマートフォンRDに無線で給電する場合、前記第2温度閾値と温度測定部2で測定した温度と差に基づく電力値で前記スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御する。好ましくは、起動時給電制御部12は、前記差が小さいほど前記電力値が小さくなるように、前記差に基づく電力値を設定する。この起動時給電モードでは、起動時給電制御部12は、さらに、前記起動の際に、温度測定部2で測定した温度が前記第2温度閾値を超えている場合(前記第2温度閾値以上である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電しないように、送電部3を制御する。
【0037】
そして、制御部1は、前記起動の際にスマートフォンRDに無線で給電する場合であって給電中に、温度測定部2で測定した温度が前記第3温度閾値未満になった後(または前記第3温度閾値以下になった後)には、給電を継続し、給電中に、温度測定部2で測定した温度が前記第1温度閾値を超えた場合(または前記第1温度閾値以上になった場合)に前記給電を停止するように、送電部3を制御し、給電が必要であるが給電の停止中に、温度測定部2で測定した温度が、前記第1温度閾値より低い、予め設定された所定の第3温度閾値未満になった場合(または前記第3温度閾値以下になった場合)に前記給電を再開するように、送電部3を制御する。すなわち、制御部1は、前記起動の際にスマートフォンRDに無線で給電する場合であって給電中に、温度測定部2で測定した温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記第3温度閾値以下になった場合)には、起動時給電制御部12による起動時給電モードの実行を終了し、通常給電制御部11による通常給電モードを開始して実行する。
【0038】
制御部1は、前記起動の際にスマートフォンRDに無線で給電しない場合、温度測定部2で測定した温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記第3温度閾値以下になった場合)に前記給電を開始し、温度測定部2で測定した温度が前記第1温度閾値を超えている場合(または前記第1温度閾値以上になった場合)に前記給電を停止するように、送電部3を制御し、給電が必要であるが給電の停止中に、温度測定部2で測定した温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記第3温度閾値以下になった場合)に前記給電を再開するように、送電部3を制御する。すなわち、制御部1は、前記起動の際にスマートフォンRDに無線で給電しない場合、起動時給電制御部12による起動時給電モードの実行を終了し、通常給電制御部11による通常給電モードを開始して実行する。
【0039】
前記第2温度閾値は、例えば実用上の観点から適宜に設定される。例えば、前記第2温度閾値は、当該車両用無線給電装置SDの動作を保証する動作保証温度である。あるいは、例えば、前記第2温度閾値は、85℃ないし100℃の範囲内における所定の温度である。各温度閾値は、(第2温度閾値)>(第1温度閾値)>(第3温度閾値)の関係にある。
【0040】
次に、本実施形態の動作について説明する。図2は、前記車両用無線給電装置の動作を示すフローチャートである。図3は、図2に示す通常給電モードの処理を示すフローチャートである。図4は、図2に示す起動時給電モードの処理を示すフローチャートである。
【0041】
このような構成の車両用無線給電システムSSにおける車両用無線給電装置SDでは、図2において、乗用車VCが起動すると、車両用無線給電装置SDは、これに応じて起動し、必要な各部の初期化を実行する(S1)。
【0042】
次に、車両用無線給電装置SDは、制御部1によって、給電要求を受け付けたか否かを判定する(S2)。より具体的には、制御部1は、送電部3でスマートフォンRDから、充電要求を収容する通信信号(充電要求信号)を受信したか否かを判定する。この判定の結果、前記充電要求信号を受信している場合には、制御部1は、給電要求有りと判定し(Yes)、次に、処理S3を実行する。一方、前記判定の結果、前記充電要求信号を受信していない場合には、制御部1は、給電要求無しと判定し(No)、次に、後述の通常給電モードの処理を実行し(S5)、本処理を終了する。
【0043】
例えば、乗員が乗用車VCに搭乗し、スマートフォンRDを前記小物入れの凹所に入れる。スマートフォンRDは、前記二次電池の充電残量をモニタ(監視)しており、前記充電残量が、充電を必要とする、予め設定された所定の閾値(残量閾値)以下である場合に、前記受電コイルから前記充電要求信号を送信する。前記充電要求信号には、充電の電力値(給電の電力値)も収容される。
【0044】
前記処理S3では、車両用無線給電装置SDは、制御部1によって、温度測定部2で送電部3の温度を測定する。この温度測定部2で測定した送電部3の温度が温度測定部2から制御部1へ出力され、制御部1は、送電部3の温度を取得する。
【0045】
前記処理S3の次に、車両用無線給電装置SDは、制御部1によって、この起動の際に、温度測定部2で測定した送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えているか否か(または前記第1温度閾値以上であるか否か)を判定する(S4)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えている場合(または前記送電部3の温度が前記第1温度閾値以上である場合)(Yes)には、制御部1は、後述の起動時給電モードの処理を実行し(S6)、本処理を終了する。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えていない場合(または前記送電部3の温度が前記第1温度閾値以上ではない場合)(No)には、言い換えれば、前記送電部3の温度が前記第1温度閾値以下である場合(または前記送電部3の温度が前記第1温度閾値未満である場合)(No)には、制御部1は、後述の通常給電モードの処理を実行し(S5)、本処理を終了する。
【0046】
次に、通常給電モードの処理S5について説明する。
【0047】
この通常給電モードの処理S5では、図3において、まず、図2に示す上述の処理S2で判定した給電要求(充電要求)に従って、車両用無線給電装置SDは、制御部1の通常給電制御部11によって、充電要求信号に収容された充電の電力値(給電の電力値)で、送電部3からスマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御する(S11)。これによって送電部3からスマートフォンRDに無線で給電される。
【0048】
次に、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、給電終了を受け付けたか否かを判定する(S12)。より具体的には、通常給電制御部11は、送電部3でスマートフォンRDから、充電終了を収容する通信信号(充電終了信号)を受信したか否かを判定する。この判定の結果、前記充電終了信号を受信している場合には、通常給電制御部11は、給電終了有りと判定し(Yes)、次に、処理S21を実行する。一方、前記判定の結果、前記充電終了信号を受信していない場合には、通常給電制御部11は、給電終了無しと判定し(No)、次に、処理S13を実行する。
【0049】
この処理S13では、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、温度測定部2で送電部3の温度を測定する。この温度測定部2で測定した送電部3の温度が温度測定部2から制御部1へ出力され、通常給電制御部11は、送電部3の温度を取得する。なお、この処理S13では、通常給電制御部11は、処理の実行を所定の時間(待機時間)だけ待機するいわゆるウェイト処理を実行してから、温度測定部2で送電部3の温度を測定してもよい。これによって、車両用無線給電装置SDは、略待機時間の間、送電部3の温度変化を待つことができる。
【0050】
前記処理S13の次に、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、処理S13で温度測定部2で測定した送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えた否か(または前記第1温度閾値以上になったか否か)を判定する(S14)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えた場合(または前記送電部3の温度が前記第1温度閾値以上になった場合)(Yes)には、通常給電制御部11は、次に、処理S15を実行する。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えていない場合(または前記送電部3の温度が前記第1温度閾値以上になってない場合)(No)には、通常給電制御部11は、次に、処理を処理S11に戻す。これによって処理S13で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えていない場合(または前記送電部3の温度が前記第1温度閾値以上になってない場合)には、給電が継続される。
【0051】
一方、前記処理S15では、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、送電部3の給電を停止する。これによって送電部3の昇温がピークアウトし、その後、送電部3は、降温する。
【0052】
前記処理S15の次に、車両用無線給電装置SDは、前記処理S13と同様に、通常給電制御部11によって、温度測定部2で送電部3の温度を測定する(S16)。なお、この処理S16でも、前記処理S13と同様に、通常給電制御部11は、ウェイト処理の実行後に、温度測定部2で送電部3の温度を測定してもよい。
【0053】
前記処理S16の次に、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、処理S16で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になったか否か(または前記第3温度閾値以下になったか否か)を判定する(S17)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になった場合)(Yes)には、通常給電制御部11は、次に、処理を処理S11に戻す。これによって処理S16で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になってない場合)には、給電が必要であるが送電部3の温度に基づき停止していた給電が再開され、給電される。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になっていない場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になってない場合)(No)には、通常給電制御部11は、次に、処理を処理S16に戻す。これによって前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になるまで、処理S16および処理S17が繰り返される。
【0054】
一方、前記処理S21では、処理S12で判定した給電終了に従って、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、給電を停止するように、送電部3を制御する。これによって給電が停止される。
【0055】
前記処理S21の次に、車両用無線給電装置SDは、通常給電制御部11によって、上述の処理S2と同様に、給電要求を受け付けたか否かを判定する(S22)。この判定の結果、前記充電要求信号を受信している場合には、通常給電制御部11は、給電要求有りと判定し(Yes)、次に、処理S13を実行する。これによって新たな給電要求を受けた場合に、給電が通常給電モードで実施される。一方、前記判定の結果、前記充電要求信号を受信していない場合には、通常給電制御部11は、給電要求無しと判定し(No)、次に、処理S23を実行する。
【0056】
この処理S23では、車両用無線給電装置SDは、制御部1によって、稼動の終了か否かを判定する。この判定の結果、稼動の終了である場合(Yes)には、制御部1は、本処理を終了する。一方、前記判定の結果、稼動の終了ではない場合(No)には、制御部1は、処理を処理S22に戻す。これによって新たな給電要求を受け付けるまで、処理S22および処理S23が繰り返される。稼動の終了は、例えば、駐車等により乗用車VCの稼動が終了すると、これに応じて車両用無線給電装置SDの稼動が終了される。なお、処理S11ないし処理S17の各処理の実行中に、稼動が終了すると、例えば割り込み処理により、本処理が終了される。
【0057】
このような通常給電モードの処理を実行することにより、通常給電制御部11は、給電開始の際に、温度測定部2で測定した温度が前記第1温度閾値以下である場合(または前記第1温度閾値未満である場合)に前記給電を開始するように、前記送電部3を制御し、給電中に、温度測定部2で測定した温度が前記第1温度閾値を超えた場合(または前記第1温度閾値以上になった場合)に前記給電を停止するように、送電部3を制御し、給電が必要であるが給電の停止中に、温度測定部2で測定した温度が、前記第1温度閾値より低い、予め設定された所定の第3温度閾値未満になった場合(または前記第3温度閾値以下になった場合)に前記給電を開始(再開)するように、前記送電部3を制御する。
【0058】
次に、起動時給電モードの処理S6について説明する。
【0059】
この起動時給電モードの処理S6では、図4において、まず、車両用無線給電装置SDは、制御部1の起動時給電制御部12によって、処理S3で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている否か(または前記第2温度閾値以上になっているか否か)を判定する(S31)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている場合(または前記送電部3の温度が前記第2温度閾値以上になっている場合)(Yes)には、起動時給電制御部12は、次に、図3に示す上述の処理S13を実行する(S37)。これによって起動時給電モードの処理が終了され、通常給電モードの処理が実行される。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えていない場合(または前記送電部3の温度が前記第2温度閾値以上になってない場合)(No)には、起動時給電制御部12は、次に、処理S32を実行する。
【0060】
この処理S32では、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、前記第2温度閾値と処理S3で温度測定部2によって測定した温度との差に基づく電力値で、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御する。これによって送電部3からスマートフォンRDに無線で給電される。例えば、前記第2温度閾値が85℃に設定されており、処理S3で温度測定部2によって測定した温度が55℃である場合には、これらの差30℃に予め対応付けられた電力値4Wで給電するように送電部3が制御され、また例えば、処理S3で温度測定部2によって測定した温度が70℃である場合には、これらの差15℃に予め対応付けられた電力値2Wで給電するように送電部3が制御される。このように起動時給電制御部12は、前記差が小さいほど前記電力値が小さくなるように、前記差に基づく電力値を設定する。
【0061】
前記処理S32の次に、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、上述の処理S12と同様に、給電終了を受け付けたか否かを判定する(S33)。この判定の結果、前記充電終了信号を受信している場合には、起動時給電制御部12は、給電終了有りと判定し(Yes)、次に、処理S41を実行する。一方、前記判定の結果、前記充電終了信号を受信していない場合には、起動時給電制御部12は、給電終了無しと判定し(No)、次に、処理S34を実行する。
【0062】
この処理S34では、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、上述の処理S13と同様に、温度測定部2で送電部3の温度を測定する。なお、この処理S34でも、前記処理S13と同様に、起動時給電制御部12は、ウェイト処理の実行後に、温度測定部2で送電部3の温度を測定してもよい。
【0063】
前記処理S34の次に、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、処理S34で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になったか否か(または前記第3温度閾値以下になったか否か)を判定する(S35)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になった場合)(Yes)には、起動時給電制御部12は、次に、前記差に基づく電力値を、充電要求信号に収容された充電の電力値(給電の電力値)へ変更し、次に、図3に示す上述の処理S11を実行する(S36)。これによって処理S34で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になってない場合)には、起動時給電モードの処理が終了され、通常給電モードの処理が実行される。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になっていない場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になってない場合)(No)には、起動時給電制御部12は、次に、処理を処理S32に戻す。これによって前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になるまで、処理S32ないし処理S35が繰り返される。
【0064】
一方、前記処理S41では、処理S33で判定した給電終了に従って、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、給電を停止するように、送電部3を制御する。これによって給電が停止される。
【0065】
前記処理S41の次に、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、上述の処理S2と同様に、給電要求を受け付けたか否かを判定する(S42)。この判定の結果、前記充電要求信号を受信している場合には、起動時給電制御部12は、給電要求有りと判定し(Yes)、次に、処理S37を実行する。これによって新たな給電要求を受けた場合に、給電が通常給電モードで実施される。なお、破線で示すように、次に、処理S31が実行され、給電が起動時給電モードで実施されてもよい。一方、前記判定の結果、前記充電要求信号を受信していない場合には、起動時給電制御部12は、給電要求無しと判定し(No)、次に、処理S43を実行する。
【0066】
この処理S43では、車両用無線給電装置SDは、制御部1によって、稼動の終了か否かを判定する。この判定の結果、稼動の終了である場合(Yes)には、制御部1は、本処理を終了する。一方、前記判定の結果、稼動の終了ではない場合(No)には、制御部1は、処理を処理S42に戻す。これによって新たな給電要求を受け付けるまで、処理S42および処理S43が繰り返される。なお、処理S31ないし処理S36の各処理の実行中に、乗用車VCの稼動が終了すると、例えば割り込み処理により、本処理が終了される。
【0067】
このような起動時給電モードの処理を実行することにより、起動時給電制御部12は、当該車両用無線給電装置SDの起動の際に、温度測定部2で測定した温度が、前記第2温度閾値以下である場合(または前記第2温度閾値未満である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御し、前記起動の際に、温度測定部2で測定した温度が前記第2温度閾値を超えている場合(前記第2温度閾値以上である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電しないように、送電部3を制御する。
【0068】
比較例と共に一例を挙げて、通常給電モードおよび起動時給電モードの動作について、より具体的に説明する。図5は、一例として、前記通常給電モードでの、起動後における経過時間に対する車両用無線給電装置の温度変化を示す図である。図6は、一例として、前記起動時給電モードでの、起動後における経過時間に対する車両用無線給電装置の温度変化を示す図である。図7は比較例として、前記起動時給電モードを備えない比較例の車両用無線給電装置での、起動後における経過時間に対する比較例の車両用無線給電装置の温度変化を示す図である。図5ないし図7の各横軸は、起動タイミングt0からの経過時間であり、これら各縦軸は、車両用無線給電装置SDの温度である。比較例の車両用無線給電装置は、起動時給電モードを備えず、所定の第1温度閾値以上または超えた場合に前記給電を停止する装置である。本実施形態の車両用無線給電装置SDにおける前記第1ないし第3温度閾値は、それぞれ、温度Tth1、温度Tth2および温度Tth3である。比較例の車両用無線給電装置SDにおける前記第1および第3温度閾値は、それぞれ、温度THLおよび温度THSである。ここでは、温度Tth1と温度THLとは、同値とし、温度Tth3と温度THSとは、同値とする。
【0069】
図5において、起動タイミングt0における送電部3の温度が第1温度閾値Tth1を超えていない場合、図2において、処理S1ないし処理S4の各処理が実行され、続いて、通常給電モードの処理S5が実行される。このため、図3において、処理S11が実行され、車両用無線給電装置SDは、給電を開始し、この給電により、図5に示すように、送電部3が昇温を始める。この車両用無線給電装置SDの給電中であって送電部3の昇温中、処理S11ないし処理S14の各処理が繰り返し実行され、経過時間t1で送電部3の温度が第1温度閾値Tth1を超えると、処理S15が実行され、車両用無線給電装置SDは、給電を停止する。続いて、処理S16および処理S17の各処理が繰り返し実行され、前記給電の停止により、図5に示すように、送電部3の昇温がピークアウトし、その後、送電部3は、降温する。上述のように、処理S16および処理S17の各処理が繰り返し実行され、図5に示すように、経過時間t2で送電部3の温度が第3温度閾値Tth3未満になると、処理S11が実行され、給電が再開され、この給電により、図5に示すように、送電部3が昇温を始める。以降、給電の終了が受信されるまで、上述のように各処理が実行される。
【0070】
一方、図6において、起動タイミングt0における送電部3の温度が第1温度閾値Tth1を超えている場合、図2において、処理S1ないし処理S4の各処理が実行され、続いて、起動時給電モードの処理S6が実行される。このため、図4において、処理S31が実行され、前記起動タイミングt0における送電部3の温度が第2温度閾値Tth2を超えていない場合、処理S32が実行され、車両用無線給電装置SDは、前記第2温度閾値Tth2と前記起動タイミングt0における送電部3の温度との差に基づく電力値で給電を開始し、この給電により、図6に示すように、送電部3が昇温を始める。この車両用無線給電装置SDの給電中では、処理S32ないし処理S35の各処理が繰り返し実行される。乗用車VC内への外気の取り入れや、エアーコンディショナーの稼動により、乗用車VC内の温度が低下すると、図6に示すように、これに応じて送電部3の温度も降温を始め、経過時間t11で送電部3の温度が第3温度閾値Tth3未満になると、処理S36が実行され、起動時給電モードが終了され、通常給電モードが実行され、これにより、図6に示すように、引き続き、給電が継続される。以降、通常給電モードで、給電の終了が受信されるまで、上述のように各処理が実行される。このように起動時給電モードでは、起動の際の送電部3の温度が第1温度閾値Tth1を超えている場合でも、第2温度閾値Tth2を超えていない場合、起動タイミングt0から給電が開始される。
【0071】
これに対し、比較例の車両用無線給電装置では、図7に示すように、起動の際の送電部3の温度が第1温度閾値Tth1を超えている場合、送電部3の温度が第3温度閾値Tth3未満になる経過時間t21まで、給電が開始されない。
【0072】
したがって、実施形態における車両用無線給電装置SDは、比較例の車両用無線給電装置に較べ、起動の際に給電実施の機会を向上できる。
【0073】
通常、前記第1温度閾値は、人の安全を確保するために、人が熱いと感じる程度の温度に設定され、車両用無線給電装置SDの動作を保証する動作保証温度より低く設定される。このため、前記第1温度閾値以上であっても、給電が可能である。そして、車両が温度上昇する環境下に駐車されている場合、車両の始動の際には、乗員は、車両が熱くなっていることを、経験上、認識(予想)しているので、その認識の上で、車両用無線給電装置SDにスマートフォン(受電装置)RDを載置するから、前記第1温度閾値以上で給電しても差し支えないと考えられる。このような事情が活用され、実施形態における車両用無線給電装置SDおよびこれに実装された車両用無線給電方法は、起動の際に、温度測定部2で測定した温度が第1温度閾値より高い所定の第2温度閾値以下または未満である場合に、スマートフォン(受電装置)RDに無線で給電するように、送電部3を制御するので、当該車両用無線給電装置SDの起動の際に給電実施の機会を向上できる。
【0074】
上記車両用無線給電装置SDおよび車両用無線給電方法は、起動の際に、温度測定部2で測定した温度が第2温度閾値を超えているまたは以上である場合に、スマートフォンRD(受電装置の一例)に無線で給電しないように、送電部3を制御するので、適切に使用され得る。
【0075】
上記車両用無線給電装置SDおよび車両用無線給電方法は、第2温度閾値が当該車両用無線給電装置SDの動作を保証する動作保証温度であるので、動作保証下で適切に給電できる。
【0076】
車両用無線給電装置は、一般に、無線の給電によって昇温し、単位時間当たりの昇温の割合は、給電の電力値の大きさに依存する。上記車両用無線給電装置SDおよび車両用無線給電方法は、第2温度閾値と温度測定部2で測定した温度と差に基づく電力値でスマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御するので、給電時間をより長くでき、給電の電力量をより多くできる。
【0077】
なお、上述の実施形態では、起動の際に、起動の際に、温度測定部2で測定した温度が第2温度閾値を超えているまたは以上である場合に、車両用無線給電装置SDは、スマートフォンRDに無線で給電しないように、送電部3を制御し、起動時給電モードから通常給電モードへ移行したが、車両内への外気の取り入れや、エアーコンディショナーの稼動により、車両内の温度が低下するので、温度測定部2で測定した温度が第2温度閾値未満になった場合に、車両用無線給電装置SDは、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御してもよい。
【0078】
より具体的には、制御部1は、起動後、温度測定部2で測定した温度が第1温度閾値未満または以下に初めて成るまでの間、給電開始時に、前記温度測定部2で測定した温度が前記第2温度閾値以下または未満である場合に、受電装置(ここでは、その一例のスマートフォンRD)に無線で給電するように、送電部3を制御する。温度測定部2で測定した温度が第2温度閾値以下近傍で、制御部1が給電を始めると、昇温により、短時間で、温度測定部2で測定した温度が第2温度閾値を超えてしまう。このため、ここでは、制御部1は、起動時給電制御部12によって、温度測定部2で測定した温度が、第2温度閾値より低く、第1温度閾値より高い、予め設定された所定の第4温度閾値以下または未満である場合に、受電装置(ここでは、その一例のスマートフォンRD)に無線で給電するように、送電部3を制御する((第2温度閾値)>(第4温度閾値)>(第1温度閾値)>(第3温度閾値))。
【0079】
このような変形形態では、車両用無線給電装置SDは、次のように動作する。図8は、変形形態における起動時給電モードの処理を示すフローチャートである。
【0080】
この変形形態における起動時給電モードの処理S6では、図8において、まず、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、処理S3で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている否か(または前記第2温度閾値以上になっているか否か)を判定する(S51)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている場合(または前記送電部3の温度が前記第2温度閾値以上になっている場合)(Yes)には、起動時給電制御部12は、次に、処理S54を実行する。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えていない場合(または前記送電部3の温度が前記第2温度閾値以上になってない場合)(No)には、起動時給電制御部12は、次に、処理S52を実行する。
【0081】
この処理S52では、車両用無線給電装置SDは、上述の処理S32と同様に、起動時給電制御部12によって、前記第2温度閾値と処理S3で温度測定部2によって測定した温度との差に基づく電力値で、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御する。これによって送電部3からスマートフォンRDに無線で給電される。
【0082】
前記処理S52の次に、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、上述の処理S12と同様に、給電終了を受け付けたか否かを判定する(S53)。この判定の結果、前記充電終了信号を受信している場合には、起動時給電制御部12は、給電終了有りと判定し(Yes)、次に、処理S61を実行する。一方、前記判定の結果、前記充電終了信号を受信していない場合には、起動時給電制御部12は、給電終了無しと判定し(No)、次に、処理S54を実行する。
【0083】
この処理S54では、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、上述の処理S13と同様に、温度測定部2で送電部3の温度を測定する。なお、この処理S54でも、前記処理S13と同様に、起動時給電制御部12は、ウェイト処理の実行後に、温度測定部2で送電部3の温度を測定してもよい。
【0084】
前記処理S54の次に、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、処理S54で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になったか否か(または前記第3温度閾値以下になったか否か)を判定する(S55)。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になった場合)(Yes)には、起動時給電制御部12は、次に、前記差に基づく電力値を、充電要求信号に収容された充電の電力値(給電の電力値)へ変更し、次に、図3に示す上述の処理S11を実行する(S59)。これによって処理S54で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になってない場合)には、起動時給電モードの処理が終了され、通常給電モードの処理が実行される。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になっていない場合(または前記送電部3の温度が前記第3温度閾値以下になってない場合)(No)には、起動時給電制御部12は、次に、処理S56を実行する。
【0085】
この処理S56では、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、処理S54で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第4温度閾値未満になったか否か(または前記第4温度閾値以下になったか否か)を判定する。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第4温度閾値未満になった場合(または前記送電部3の温度が前記第4温度閾値以下になった場合)(Yes)には、起動時給電制御部12は、処理を処理S52に戻す。これによって、前記差に基づく電力値で、送電部3からスマートフォンRDに無線で給電される。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第4温度閾値未満になっていない場合(または前記送電部3の温度が前記第4温度閾値以下になってない場合)(No)には、起動時給電制御部12は、次に、処理S57を実行する。
【0086】
この処理S57では、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、処理S54で温度測定部2によって測定した送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている否か(または前記第2温度閾値以上になっているか否か)を判定する。この判定の結果、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている場合(または前記送電部3の温度が前記第2温度閾値以上になっている場合)(Yes)には、起動時給電制御部12は、次に、給電を停止するように、送電部3を制御し(S58、給電の停止)、次に、処理を処理S54に戻す。一方、前記判定の結果、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えていない場合(または前記送電部3の温度が前記第2温度閾値以上になってない場合)(No)には、起動時給電制御部12は、次に、処理を処理S54に戻す。
【0087】
一方、前記処理S61では、処理S53で判定した給電終了に従って、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、給電を停止するように、送電部3を制御する。これによって給電が停止される。
【0088】
前記処理S61の次に、車両用無線給電装置SDは、起動時給電制御部12によって、上述の処理S2と同様に、給電要求を受け付けたか否かを判定する(S62)。この判定の結果、前記充電要求信号を受信している場合には、起動時給電制御部12は、給電要求有りと判定し(Yes)、次に、処理S51を実行する。これによって新たな給電要求を受けた場合に、給電が起動時給電モードで実施される。一方、前記判定の結果、前記充電要求信号を受信していない場合には、起動時給電制御部12は、給電要求無しと判定し(No)、次に、処理S63を実行する。
【0089】
この処理S63では、車両用無線給電装置SDは、制御部1によって、稼動の終了か否かを判定する。この判定の結果、稼動の終了である場合(Yes)には、制御部1は、本処理を終了する。一方、前記判定の結果、稼動の終了ではない場合(No)には、制御部1は、処理を処理S62に戻す。これによって新たな給電要求を受け付けるまで、処理S62および処理S63が繰り返される。なお、処理S51ないし処理S59の各処理の実行中に、乗用車VCの稼動が終了すると、例えば割り込み処理により、本処理が終了される。
【0090】
例えば、起動の際に、送電部3の温度が前記第1温度閾値を超えている場合、図2において、処理S1ないし処理S4の各処理が実行され、続いて、起動時給電モードの処理S6が実行される。このため、図8において、処理S51が実行され、前記起動の際に、前記送電部3の温度が前記第2温度閾値を超えている場合、処理S54が実行され、送電部3の温度が前記第4温度閾値未満になるまで(または前記第4温度閾値以下になるまで)、処理S54ないし処理S58の各処理が繰り返される。送電部3の温度が前記第4温度閾値未満になると(または前記第4温度閾値以下になると)、処理S56から処理S52が実行され、前記差に基づく電力値で給電される。その後、例えば、給電終了の前に、送電部3の温度が前記第3温度閾値未満になると(または前記第3温度閾値以下になると)、処理S55から処理S11が実行され、起動時給電モードから都城給電モードへ移行する。あるいは、例えば、その後、給電終了の前に、送電部3の温度が再び前記第2温度閾値を超えると(または前記第2温度閾値以上になると)、処理S57から処理S58が実行され、給電が停止され、処理が処理S54に戻され、再び、送電部3の温度が前記第4温度閾値未満になるまで(または前記第4温度閾値以下になるまで)、処理S54ないし処理S58の各処理が繰り返される。
【0091】
このような変形形態の起動時給電モードの処理を実行することにより、起動時給電制御部12は、当該車両用無線給電装置SDの起動の際に、温度測定部2で測定した温度が、前記第2温度閾値以下である場合(または前記第2温度閾値未満である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御し、前記起動の際に、温度測定部2で測定した温度が前記第2温度閾値を超えている場合(前記第2温度閾値以上である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電しないように、送電部3を制御する。そして、この変形形態では、起動時給電制御部12は、さらに、起動後、温度測定部2で測定した温度が、前記第1温度閾値未満に初めて成るまでの間(または前記第1温度閾値以下に初めて成るまでの間)、給電開始時に、温度測定部2で測定した温度が、前記第2温度閾値(上述では前記第4温度閾値)以下である場合(または前記第2温度閾値(上述では前記第4温度閾値)未満である場合)に、スマートフォンRDに無線で給電するように、送電部3を制御する。
【0092】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0093】
VC 乗用車(車両の一例)
SS 車両用無線給電システム
SD 車両用無線給電装置
RD スマートフォン(受電装置の一例)
1 制御部
2 温度測定部
3 送電部
11 通常給電制御部
12 起動時給電制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8