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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】補助方法、制御プログラム及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/34 20180101AFI20240611BHJP
【FI】
G06F8/34
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020087152
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021182232
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】小田 利彦
(72)【発明者】
【氏名】廣田 達哉
(72)【発明者】
【氏名】吉川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】宮浦 宏之
(72)【発明者】
【氏名】松島 星子
【審査官】武田 広太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-099564(JP,A)
【文献】特開2005-284741(JP,A)
【文献】特表2019-534523(JP,A)
【文献】特表2017-515179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラム開発環境におけるビジュアルプログラミングの補助方法であって、
前記プログラム開発環境においては、各々がアイコンとして表される複数種類のプログラム要素が用意されており、前記複数種類のプログラム要素の全部又は一部を接続することによってプログラムが開発され、
前記複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されており、
前記補助方法は、
前記複数種類のプログラム要素のいずれかの選択をプログラム開発者から受け付けるステップと、
過去に作成された前記プログラムの一部分を表示するステップとを含み、
前記プログラムの一部分は、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とを含
前記複数種類のプログラム要素の全部又は一部においては、値を設定する設定項目が設けられており、
前記プログラムの一部分に含まれる、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素において、前記設定項目に設定されている値を表示するステップをさらに含む、
補助方法。
【請求項2】
前記プログラムの一部分は、他のプログラム要素を含まない、請求項1に記載の補助方法。
【請求項3】
前記プログラムの一部分は、プログラム開発画面上に表示され、
前記補助方法は、前記プログラム開発画面上に開発途中の前記プログラムを表示するステップをさらに含み、
前記プログラム開発画面上においては、前記プログラムの一部分と、開発途中の前記プログラムとの両方が表示される、請求項1又は請求項2に記載の補助方法。
【請求項4】
前記プログラムは、ETL(Extract/Transform/Load)処理を実行するように構成されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の補助方法。
【請求項5】
プログラム開発環境におけるビジュアルプログラミングの補助動作をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記プログラム開発環境においては、各々がアイコンとして表される複数種類のプログラム要素が用意されており、前記複数種類のプログラム要素の全部又は一部を接続することによってプログラムが開発され、
前記複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されており、
前記制御プログラムは、
前記複数種類のプログラム要素のいずれかの選択をプログラム開発者から受け付けるステップと、
過去に作成された前記プログラムの一部分を表示するステップとを前記コンピュータに実行させるように構成されており、
前記プログラムの一部分は、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とを含
前記複数種類のプログラム要素の全部又は一部においては、値を設定する設定項目が設けられており、
前記プログラムの一部分に含まれる、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素において、前記設定項目に設定されている値を表示するステップをさらに、前記コンピュータに実行させる、
制御プログラム。
【請求項6】
プログラム開発環境を提供する装置であって、
前記プログラム開発環境においては、各々がアイコンとして表される複数種類のプログラム要素が用意されており、前記複数種類のプログラム要素の全部又は一部を接続することによってプログラムが開発され、
前記複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されており、
前記装置は、
前記複数種類のプログラム要素のいずれかの選択をプログラム開発者から受け付けるように構成された受付部と、
過去に作成された前記プログラムの一部分を表示するように構成された表示部とを備え、
前記プログラムの一部分は、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とを含
前記複数種類のプログラム要素の全部又は一部においては、値を設定する設定項目が設けられており、
前記表示部は、前記プログラムの一部分に含まれる、前記プログラム開発者によって選択されたプログラム要素において、前記設定項目に設定されている値をさらに表示する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助方法、制御プログラム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002-366401号公報(特許文献1)は、データマート構築及び運用支援システムを開示する。このデータマート構築及び運用支援システムにおいては、予め準備されたプログラム構造の雛型を用いることによって、利用者がデータマート作成プログラムを生成する。したがって、このデータマート構築及び運用支援システムによれば、利用者がデータマート作成プログラムを短時間で生成することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-366401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビジュアルプログラミングに対応したプログラム開発環境においては、複数種類のプログラム要素が用意されている。ビジュアルプログラミングにおいては、各プログラム要素に対応するアイコン同士を接続することによってプログラムが開発される。しかしながら、ビジュアルプログラミングの初心者は各アイコンの使用方法を正確に理解していない場合が多く、初心者にとってビジュアルプログラミングによるプログラム開発は必ずしも容易ではない。このような問題の解決手段は、上記特許文献1には開示されていない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ビジュアルプログラミングによるプログラム開発をより容易にする補助方法、制御プログラム及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う補助方法は、プログラム開発環境におけるビジュアルプログラミングの補助方法である。プログラム開発環境においては、各々がアイコンとして表される複数種類のプログラム要素が用意されており、複数種類のプログラム要素の全部又は一部を接続することによってプログラムが開発される。複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されている。補助方法は、複数種類のプログラム要素のいずれかの選択をプログラム開発者から受け付けるステップと、過去に作成されたプログラムの一部分を表示するステップとを含む。上記プログラムの一部分は、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とを含む。
【0007】
この補助方法においては、プログラム開発者によってプログラム要素が選択された場合に、該プログラム要素を含む過去に作成されたプログラムの一部分が表示される。表示されるプログラムの一部分には、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とが含まれる。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素の前後に接続されるプログラム要素の一例を認識できるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0008】
上記補助方法において、上記プログラムの一部分は、他のプログラム要素を含まなくてもよい。
【0009】
この補助方法においては、表示されるプログラムの一部分には、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素以外の他のプログラム要素が含まれない。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素に直接的に接続されるプログラム要素の一例を容易に認識できるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0010】
上記補助方法において、上記プログラムの一部分は、プログラム開発画面上に表示され、補助方法は、プログラム開発画面上に開発途中のプログラムを表示するステップをさらに含み、プログラム開発画面上においては、上記プログラムの一部分と、開発途中のプログラムとの両方が表示されてもよい。
【0011】
この補助方法においては、プログラム開発画面上に、上記プログラムの一部分と、開発途中のプログラムとの両方が表示される。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素の使用例を確認しながら、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0012】
上記補助方法において、複数種類のプログラム要素の全部又は一部においては、値を設定する設定項目が設けられており、補助方法は、上記プログラムの一部分に含まれる、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素において、設定項目に設定されている値を表示するステップをさらに含んでもよい。
【0013】
この補助方法においては、選択されたプログラム要素において設定項目に設定されている値が表示される。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素において設定項目に設定される値の一例を容易に認識することができる。
【0014】
上記補助方法において、上記プログラムは、ETL(Extract/Transform/Load)処理を実行するように構成されていてもよい。
【0015】
本発明の他の局面に従う制御プログラムは、プログラム開発環境におけるビジュアルプログラミングの補助動作をコンピュータに実行させる。プログラム開発環境においては、各々がアイコンとして表される複数種類のプログラム要素が用意されており、複数種類のプログラム要素の全部又は一部を接続することによってプログラムが開発される。複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されている。制御プログラムは、複数種類のプログラム要素のいずれかの選択をプログラム開発者から受け付けるステップと、過去に作成されたプログラムの一部分を表示するステップとをコンピュータに実行させるように構成されている。上記プログラムの一部分は、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とを含む。
【0016】
この制御プログラムにおいては、プログラム開発者によってプログラム要素が選択された場合に、該プログラム要素を含む過去に作成されたプログラムの一部分が表示される。表示されるプログラムの一部分には、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とが含まれる。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素の前後に接続されるプログラム要素の一例を認識できるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0017】
本発明の他の局面に従う装置は、プログラム開発環境を提供する。プログラム開発環境においては、各々がアイコンとして表される複数種類のプログラム要素が用意されており、複数種類のプログラム要素の全部又は一部を接続することによってプログラムが開発され、複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されている。装置は、受付部と、表示部とを備えている。受付部は、複数種類のプログラム要素のいずれかの選択をプログラム開発者から受け付けるように構成されている。表示部は、過去に作成されたプログラムの一部分を表示するように構成されている。上記プログラムの一部分は、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とを含む。
【0018】
この装置においては、プログラム開発者によってプログラム要素が選択された場合に、該プログラム要素を含む過去に作成されたプログラムの一部分が表示される。表示されるプログラムの一部分には、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素の前後に接続されたプログラム要素とが含まれる。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素の前後に接続されるプログラム要素の一例を認識できるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ビジュアルプログラミングによるプログラム開発をより容易にする補助方法、制御プログラム及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】装置の概要を説明するための図である。
図2】装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】プログラム開発環境において用意されているプログラム要素の一例を示す図である。
図4】プログラム開発環境において作成されるプログラムの一例を示す図である。
図5図4に示されるプログラムの開発過程における画面の第1の例を示す図である。
図6図4に示されるプログラムの開発過程における画面の第2の例を示す図である。
図7】画面の一例を示す図である。
図8】プログラム開発環境におけるプログラム開発画面の第1の表示動作を示すフローチャートである。
図9】プログラム開発環境におけるプログラム開発画面の第2の表示動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下で説明する本実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。本実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【0022】
[1.概要]
図1は、本実施の形態に従う装置100の概要を説明するための図である。図1を参照して、装置100は、プログラム開発環境を提供するように構成されている。装置100においては、ビジュアルプログラミングによってプログラムが開発される。
【0023】
装置100において開発されるプログラムは、例えば、データにETL(Extract/Transform/Load)処理を施すプログラム(以下、「ETLプログラム」とも称する。)である。ETLプログラムが実行されると、例えば、製造ライン等の外部装置からデータが読み出され、読み出されたデータに処理が施され、処理後のデータが他の外部装置に提供される。
【0024】
装置100で提供されるプログラム開発環境(以下、単に「プログラム開発環境」とも称する。)においては、複数種類のプログラム要素が用意されている。複数種類のプログラム要素の各々は、所定の情報処理を実行するように構成されている。プログラム要素を自由に組み合わせることによって、所望のプログラムが開発される。
【0025】
装置100は、表示部140と、制御部110とを含んでいる。表示部140は、画面200を表示するように構成されている。制御部110は、表示部140を制御するように構成されている。
【0026】
画面200は、プログラム開発画面であり、例えば、プログラム作成領域202と、メニュー表示領域201と、使用例表示領域203とを含んでいる。プログラム作成領域202には、開発中のプログラム220が表示される。プログラム220は、例えば、1種類以上のプログラム要素PEを含む。プログラム開発環境においては、各々がいずれかのプログラム要素PEに対応する複数のアイコンを接続することによってプログラムが開発される。
【0027】
メニュー表示領域201には、メニュー210が表示される。メニュー210は、複数の項目211を含む。複数の項目211の各々には、複数種類のプログラム要素PEのいずれかが対応付けられている。ユーザによっていずれかの項目211が選択されると、選択された項目211に対応するプログラム要素PEが開発中のプログラム220に追加可能となる。
【0028】
しかしながら、ビジュアルプログラミングの初心者は各プログラム要素PEの使用方法を正確に理解していない場合が多い。本実施の形態に従う装置100においては、プログラム開発者にプログラム要素PEの使用方法を示唆する機能が実装されている。すなわち、いずれかの項目211が選択された後に(図1においては、項目3が選択されている。)、検索指示項目212が選択されると、使用例表示領域203に過去に作成されたプログラム220の一部分が表示される。
【0029】
過去に作成されたプログラム220の一部分は、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素PEと、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素PEの前後に接続されたプログラム要素PEとが含まれる。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素PEの前後に接続されるプログラム要素PEの一例を参照し、選択されたプログラム要素PEの使用方法を認識することができるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0030】
[2.装置のハードウェア構成]
図2は、装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施の形態において、装置100は、例えば、汎用コンピュータによって実現される。図2の例において、装置100は、制御部110と、通信I/F(interface)130と、表示部140と、受付部150と、記憶部120とを含み、各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0031】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112及びROM(Read Only Memory)113等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0032】
通信I/F130は、ネットワークを介して、装置100の外部に設けられた外部装置と通信するように構成されている。通信I/F130は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュールや無線LANモジュールで構成される。
【0033】
表示部140は、画面200(図1)等を表示するように構成されている。表示部140は、例えば、液晶モニタや有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。
【0034】
受付部150は、プログラム開発者等のユーザからの入力を受け付けるように構成されている。受付部150は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。
【0035】
記憶部120は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120は、例えば、開発された複数のETLプログラムを管理するETLプログラムDB101と、制御プログラム102とを記憶するように構成されている。
【0036】
制御部110は、例えば、制御プログラム102を実行することによって、プログラム開発環境を提供する。このプログラム開発環境においては、少なくとも、ETLプログラム作成機能、ETLプログラム実行機能、ETLプログラム格納機能及びETLプログラム検索機能が実現されている。
【0037】
ETLプログラム作成機能は、プログラム開発者による新たなETLプログラムの作成を実現する機能である。ETLプログラム実行機能は、作成されたETLプログラムを実行する機能である。ETLプログラム格納機能は、作成されたETLプログラムをETLプログラムDB101に格納する機能である。ETLプログラム検索機能は、ETLプログラムDB101において所望のETLプログラムを検索する機能である。
【0038】
上述のように、プログラム開発環境においては、複数種類のプログラム要素PEが用意されている。次に、プログラム開発環境において用意されているプログラム要素PEの一例、及び、作成されるプログラム220の一例について説明する。
【0039】
[3.プログラム要素及びプログラムの一例]
図3は、プログラム開発環境において用意されているプログラム要素PEの一例を示す図である。図3に示されるように、プログラム開発環境においては、各々が「基本」、「クラウド関連」、「DB関連」及び「ファイル関連」等の大分類のいずれかに含まれる複数のプログラム要素PEが用意されている。
【0040】
たとえば、「基本」という大分類には、「プログラム制御」及び「表」等の「中分類」が含まれている。また、たとえば、「プログラム制御」という中分類には、「条件繰返し」、「条件分岐」、「複数条件分岐」、「例外検査」、「繰返し離脱」及び「ジャンプ」等のプログラム要素PEが含まれている。プログラム開発環境においては、各々がいずれかのプログラム要素PEに対応する複数のアイコンを接続することによってプログラムが開発される。
【0041】
図4は、プログラム開発環境において作成されるプログラム220の一例を示す図である。図4を参照して、プログラム220は、ある発表会の申込者に案内状をメールで送信するプログラムである。プログラム220は、プログラム要素PE1-PE5を含んでいる。
【0042】
プログラム要素PE1は、「メール受信」であり、メールサーバから申込みに関するメールを受信する処理を実行する。プログラム要素PE2は、「参加申込者リスト作成」であり、受信したメールに基づいて参加申込者のリストを作成する処理を実行する。プログラム要素PE3は、「リスト出力」であり、作成されたリストを出力する処理を実行する。プログラム要素PE4は、「案内状の作成」であり、各申込者宛の案内状を作成する処理を実行する。プログラム要素PE5は、「メール送信」であり、作成された案内状を各申込者に送信する処理を実行する。次に、図4に示されるプログラム220の開発過程における装置100の動作例について説明する。
【0043】
[4.プログラム開発環境における動作例]
図5は、図4に示されるプログラム220の開発過程における画面200の第1の例を示す図である。図5を参照して、メニュー210に含まれるいずれかの項目211(この例では、「項目3(メール受信)」)が選択されて検索指示項目212の表示指示が行なわれると、検索指示項目212が表示される。なお、上述のように、各項目211には、複数種類のプログラム要素PEのいずれかが対応付けられている。
【0044】
検索指示項目212が選択されると、使用例表示領域203に過去に作成されたプログラム220の一部分が表示される。過去に作成されたプログラム220の一部分は、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素PE(この例では、「項目3(メール受信)」)と、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素PEの前後に接続されたプログラム要素PEとが含まれる。
【0045】
すなわち、検索指示項目212が選択されると、制御部110は、ETLプログラムDB101において、選択されたプログラム要素PEを含むプログラム220を検索する。制御部110は、検索を通じて得られたプログラム220の一部分を抽出する。すなわち、制御部110は、検索を通じて得られたプログラム220から、選択されたプログラム要素PEと、選択されたプログラム要素PEの前後に接続されたプログラム要素PEとを抽出する。制御部110は、該プログラム220の一部分を使用例表示領域203に表示するように表示部140を制御する。例えば、検索を通じて複数のプログラム220が得られた場合には、複数のプログラム220の一部分が使用例表示領域203に表示される。
【0046】
これにより、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素PEの前後に接続されるプログラム要素PEの一例を参照し、選択されたプログラム要素PEの使用方法を認識することができるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。また、本実施の形態においては、画面200上に、使用例表示領域203と、プログラム作成領域202との両方が同時に表示される。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素PEの使用例を確認しながら、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0047】
図6は、図4に示されるプログラム220の開発過程における画面200の第2の例を示す図である。図6を参照して、使用例表示領域203に使用例が表示された状態で、使用例に含まれるプログラム要素PE(この例では、「メール受信」)が選択され表示指示項目213の表示指示が行なわれると、表示指示項目213が表示される。表示指示項目213が選択されると、例えば、画面300が表示される。なお、プログラム開発環境において用意されている複数種類のプログラム要素PEの全部又は一部においては、値を設定する設定項目が設けられている。
【0048】
図7は、画面300の一例を示す図である。図7を参照して、画面300は、「メール受信」を示すプログラム要素PEにおける各設定項目と各設定項目において設定された値とを表示する。「メール受信」を示すプログラム要素PEにおいては、例えば、「受信メールサーバのサーバ名」、「メールアカウントのユーザ名」、「メールアカウントのパスワード」、「一回で取得する最大受信数」及び「受信時のエンコード」が設定項目として設けられている。
【0049】
画面300には、これらの設定項目及び各設定項目における設定値が表示される。プログラム開発者は、画面300を参照することによって、選択されたプログラム要素PEにおいて設定項目に設定される値の一例を容易に認識することができる。
【0050】
[5.装置の動作]
図8は、プログラム開発環境におけるプログラム開発画面の第1の表示動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、プログラム開発画面の表示中に繰り返し実行される。プログラム開発画面の一例は、図5及び図6である。
【0051】
図8を参照して、制御部110は、プログラム要素PEの使用例に関する検索指示があったか否かを判定する(ステップS100)。すなわち、制御部110は、項目211が選択され、その後に検索指示項目212(図5)が選択されたか否かを判定する。プログラム要素PEの使用例に関する検索指示がないと判定されると(ステップS100においてNO)、処理はリターンへ移行する。
【0052】
一方、プログラム要素PEの使用例に関する検索指示があったと判定されると(ステップS100においてYES)、制御部110は、ETLプログラムDB101において、選択されたプログラム要素PEを含むプログラム220を検索する(ステップS110)。
【0053】
検索の後、制御部110は、選択されたプログラム要素PEを含むプログラム220がETLプログラムDB101にあったか否かを判定する(ステップS120)。選択されたプログラム要素PEを含むプログラム220がETLプログラムDB101になかったと判定されると(ステップS120においてNO)、処理はリターンへ移行する。
【0054】
一方、選択されたプログラム要素PEを含むプログラム220がETLプログラムDB101にあったと判定されると(ステップS120においてYES)、制御部110は、検索を通じて得られたプログラム220の一部分を抽出する(ステップS130)。すなわち、制御部110は、検索を通じて得られたプログラム220から、選択されたプログラム要素PEと、選択されたプログラム要素PEの前後に接続されたプログラム要素PEとを抽出する。制御部110は、該プログラム220の一部分を表示するように表示部140を制御する(ステップS140)。
【0055】
これにより、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素PEの前後に接続されるプログラム要素PEの一例を参照し、選択されたプログラム要素PEの使用方法を認識することができるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0056】
図9は、プログラム開発環境におけるプログラム開発画面の第2の表示動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、プログラム開発画面においてプログラム要素PEの使用例が表示されている場合に繰り返し実行される。
【0057】
図9を参照して、制御部110は、プログラム要素PEの設定値例に関する表示指示があったか否かを判定する(ステップS200)。すなわち、制御部110は、使用例に含まれているいずれかのプログラム要素PEが選択され、その後に表示指示項目213(図6)が選択されたか否かを判定する。プログラム要素PEの設定値例に関する表示指示がないと判定されると(ステップS200においてNO)、処理はリターンへ移行する。
【0058】
一方、プログラム要素PEの設定値例に関する表示指示があったと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部110は、ETLプログラムDB101から、選択されたプログラム要素PEの設定値を読み出す(ステップS210)。制御部110は、読み出された設定値を含む画面300(図7)を表示するように表示部140を制御する(ステップS220)。
【0059】
これにより、プログラム開発者は、画面300を参照することによって、選択されたプログラム要素PEにおいて設定項目に設定される値の一例を容易に認識することができる。
【0060】
[6.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う装置100においては、プログラム開発者によってプログラム要素PEが選択された場合に、該プログラム要素PEを含む過去に作成されたプログラム220の一部分が表示される。表示されるプログラム220の一部分には、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素PEと、プログラム開発者によって選択されたプログラム要素PEの前後に接続されたプログラム要素PEとが含まれる。したがって、プログラム開発者は、選択されたプログラム要素PEの前後に接続されるプログラム要素PEの一例を認識できるため、より容易にプログラム開発を行なうことができる。
【0061】
[7.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0062】
上記実施の形態においては、プログラム220の一部分として、選択されたプログラム要素PEと、選択されたプログラム要素PEの前に接続された1つのプログラム要素PEと、選択されたプログラム要素PEの後に接続された1つのプログラム要素PEとが抽出された。しかしながら、抽出されるプログラム220の一部分はこれに限定されない。例えば、選択されたプログラム要素PEと、選択されたプログラム要素PEの前に接続された2つ以上のプログラム要素PEと、選択されたプログラム要素PEの後に接続された2つ以上のプログラム要素PEとが抽出されてもよい。
【0063】
また、上記実施の形態においては、装置100内にETLプログラムDB101が含まれていた。しかしながら、ETLプログラムDB101は、必ずしも装置100内に存在していなくてもよい。ETLプログラムDB101は、装置100の外部に存在していてもよい。この場合には、装置100とETLプログラムDB101とは、例えば、通信I/F130を介してデータ通信する。
【符号の説明】
【0064】
100 装置、101 ETLプログラムDB、102 制御プログラム、110 制御部、111 CPU、112 RAM、113 ROM、120 記憶部、130 通信I/F、140 表示部、150 受付部、200,300 画面、201 メニュー表示領域、202 プログラム作成領域、203 使用例表示領域、210 メニュー、211 項目、212 検索指示項目、213 表示指示項目、220 プログラム、PE,PE1,PE2,PE3,PE4,PE5 プログラム要素。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9