(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H01R 9/00 20060101AFI20240611BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240611BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240611BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240611BHJP
【FI】
H01R9/00 A
F21S8/04
F21V23/00 170
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020097389
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-133260(JP,A)
【文献】特開2018-116882(JP,A)
【文献】特開2008-123845(JP,A)
【文献】特開2018-195499(JP,A)
【文献】特開平06-251614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
F21S 8/04
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源が光を発する方向とは反対側に設けられた天板と、
前記天板に取り付けられた長尺状の電源装置と、
前記電源装置へ電源を供給するための端子装置と、を備え、
前記端子装置は、前記電源装置の長手方向の端部に配置され、
前記端子装置は、前記電源装置の長手方向の端部に対向する方向から電源ケーブルを接続する端子台、及び、前記端子台を固定する取付部材を備え、
前記取付部材は、前記電源装置の電源ユニットカバーと前記端子台との間の隙間を塞ぐ形状であり、
前記電源装置の長手方向の端部は、前記天板の外周ないし外周近傍に設けられており、
前記端子装置は、前記天板の外周ないし外周近傍に配置され
、
前記取付部材は、さらに、下面固定部及び上面固定部を備え、前記下面固定部は前記電源装置の底面側に固着され、前記上面固定部は前記電源装置の上面側に固着されることを特徴とすることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記取付部材は、板状材を折り曲げて形成したことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記端子台からの配線が貫通する配線貫通部、前記配線貫通部と連続し、前記端子台を固定する端子台固定部、及び、前記端子台固定部と連続し、前記配線貫通部とは異なる方向に延在した延在部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記延在部には、コネクタを固定するコネクタ固定部を備えることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記配線貫通部と対向する位置には電源基板が設けられており、前記延在部と前記端子台固定部と前記電源基板との間には、所定の空間が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記端子台の周囲には端子台カバーを設けることができ、
前記端子台カバーの下部には、前記端子台に接続されるケーブルを挿通させるためのケーブル用空間が設けられることを特徴とすると請求項1~
5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記天板の形状は平面視で円形状ないし方形状であり、前記電源装置の形状は平面視で方形状であることを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端子装置及び端子装置を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置の電源部には端子台が設けられ、端子台を介して照明装置に電源が供給されている。従来、端子台として特許文献1の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、電源ユニットの端子台を覆う開閉可能な端子カバーが設けられている照明装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されている照明装置では、端子台の電源線が挿入される挿入孔とベースの端部とが離れているため、電源コードがベースと接触しやすい。ベースは光源部が取り付けられたヒートシンクの上面にあり、ヒートシンクの放熱によりベースは高温となっており、ベースの端部と端子台とが離れていると電源コードがベースからの熱の影響を受けるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、電源コードがベースに接触することを抑制した端子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様の照明装置は、光源と、前記光源が光を発する方向とは反対側に設けられた天板と、前記天板に取り付けられた長尺状の電源装置と、前記電源装置へ電源を供給するための端子装置と、を備え、前記端子装置は、前記電源装置の長手方向の端部に配置され、前記端子装置は、前記電源装置の長手方向の端部に対向する方向から電源ケーブルを接続する端子台、及び、前記端子台を固定する取付部材を備え、前記取付部材は、前記電源装置の電源ユニットカバーと前記端子台との間の隙間を塞ぐ形状であり、前記電源装置の長手方向の端部は、前記天板の外周ないし外周近傍に設けられており、前記端子装置は、前記天板の外周ないし外周近傍に配置され、前記取付部材は、さらに、下面固定部及び上面固定部を備え、前記下面固定部は前記電源装置の底面側に固着され、前記上面固定部は前記電源装置の上面側に固着されていることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施態様によれば、電源ケーブルが天板に接触することを避けると共に、構造を簡略化した照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】
図3から端子台カバーを取り外した斜視図である。
【
図6】電源ユニット内部におけるリード線の配線の模式図である。
【
図7】電源ユニットの変形例についての模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る端子装置及び端子装置を備えた照明装置
について詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための端子装置及び端子装置を備えた照明装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
図1においてX方向、Y方向、Z方向をもちいて説明する。X方向は
図1の横方向である。Y方向は
図1の縦方向である。Z方向は
図1の高さ方向である。また、Z1方向は
図1の上向きであり、Z2方向は
図1の下向きである。
【0011】
[実施形態]
本発明の実施形態に係る端子装置及び端子装置を備えた照明装置について、
図1~5を参照して説明する。本実施形態では、体育館や倉庫など、天井高が高いところに設置される高天井照明装置を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類の照明装置や照明装置以外の電気機器の端子装置にも適用可能である。
【0012】
図1は、実施形態の端子装置を備えた照明装置の斜視図である。照明装置1は、ベース10、カバー13、フィン14、フィンブラケット15、天板16、アーム17及び電源ユニット18を備えている。ベース10には、ベース10と一体のフランジ部11及びフランジ11に設けられたフランジ
切欠部12が設けられている。フランジ11は、ベース10と共通の板材からベース10の下面側すなわちZ2方向側には例えば複数のLEDからなる光源部が設けられており、この光源部はカバー13により覆われている。カバー13は周囲にベース10の形状に対応した外周部を備えており、このカバー13の外周部の上面すなわちZ1方向側の面は、ベース10の下面すなわちZ2方向側の面に対向ないし当接すると共に、カバー13の外周部の側面は、フランジ11の内面に対向ないし当接している。
【0013】
光源部は図示しない板状の基板に複数の発光素子が実装さえたものである。光源部の形状としては、照明装置1の仕様によって様々であるが、例えば円形、方形、あるいは、多角形等が挙げられる。本実施形態の冷却装置は光源部を方形のベース10に対して45°回転した状態で収まる方形の基板、仕様ないし形状の異なる照明装置に対しても共通に使用可能である。
【0014】
照明装置1には、方形のカバー13が用いられる。カバー13は光源が収容される膨出部と膨出部の外周の平板部とからなる。カバー13が方形である場合には、カバー13の外周に角部が存在する。ベース10もカバー13の形状に合わせた形状とされており、フランジ11もカバー13の外周形状に沿うように形成されている。カバー13の全周に亘ってフランジ11を設けることもできるが、例えば、フランジ11のカバー13の角部に対応する箇所にフランジ切欠部12を設けることもできる。フランジ切欠部12を設けた場合には、フランジ11及びカバー13の平板部の角部における寸法ないしは形状の精度を高める必要がなくなる。カバー13の角部にはアールが設けられており、フランジ切欠部12からはカバーのアール形状の部分が露出することになるので、フランジ切欠部12から鋭角な角部が露出するようなことはない。
【0015】
また例えば照明装置1は、円形のカバー13を用いてもよい。カバー13は光源が収容される膨出部と膨出部の外周の円形の平板部とからなる。フランジ11はカバー13の外周形状に沿うように円形に形成されている。円形の平板部の外周は平板部に対応する円形のフランジにより覆われる。なお、カバー13の膨出部の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、ベース10が方形の場合には方形に、ベース10が円形の場合には円形とすることができる。なお、
図1には省略されているが、適宜、落下防止ワイヤー取付部等を設けることができる。
【0016】
電源ユニット18は円板形状をした天板16の上面に、電源ユニット18の長手方向Yがアーム17と交差する方向に取り付けられており、長手方向Y端部に端子台22が配置されている。これにより、アーム17の取り付け角度を調整する際に、端子台22に挿入された電源ケーブルとアーム17とが干渉しないような構造としている。なお、天板16は方形状に限定されるものではなく、例えば円形状でもよい。
【0017】
電源ユニット18の長手方向Yの端部には、
図2に示されるように端子台22が設けられ、端子台22は端子台カバー19によって覆われている。端子台カバー19と天板
16との間には、電源ケーブルを挿通するためのケーブル用空間20が設けられており、電源ケーブルはこのケーブル用空間を通して、端子台22の電源ケーブル端子に接続される。端子台22が端子台カバー19によって覆われているため、端子台22や
図6に示されている電源基板50等からの万一の出火に対しても、外部への延焼を防止し、安全性を確保すると共に、ケーブル用空間20を設けることによって、電源ケーブルの引き出しに支障がない構造となっている。
【0018】
端子台22を電源ユニット18の長手方向Yの端部に配置することによって、レイアウト上も端子台22への電源ケーブルの接続が容易となり、設計もし易く、かつ、端子台22の電源ユニット18への取付工程も簡略化できる。
【0019】
また、端子台22は電源ユニット18の長手方向Yを向くように配置されている。先行技術においては、端子台の電源ケーブル接続方向は、電源ユニットの長手方向Yに対して側面側を向いているため、端子台への電源ケーブル接続位置が天板16の外周ではない。このため、電源ケーブルは天板16に接触することになるので、電源ケーブルの耐熱性が問題となる。これに対して、端子台22が電源ユニット18の長手方向Yを向くように配置されていると、電源ケーブルは電源ユニット18の長手方向Yに引き出され、端子台22へ電源ケーブルを挿入する位置が天板16の外周付近となるため、電源ケーブルは天板16に触れない、あるいは、天板16に触れにくくすることができる。よって電源ケーブルに対する天板からの熱の影響を抑制することができる。
【0020】
図2は端子台取り付け部分の斜視図であり、
図3は端子台の模式図であり、
図4は
図2から端子台カバーを取り外した斜視図であり、
図5は取付金具21の斜視図である。
図3に示されているように、端子台22は略立方体形状をしている。端子台22の一面には電源ケーブル52を挿入し電気的に接続する電源ケーブル挿入孔60が設けられている。この一面の反対側の面には電源基板50と接続される電源リード線53が挿入されて電気的に接続されている図示されない電源リード線挿入孔が設けられている。端子台22のZ1方向面には取付金具21の第4バーリングと対応する取付孔61及び固定孔46に挿入すされる、あるいは、圧入される取付突起62が設けられている。
図3では、1個の取付孔61とその両側に一対の取付突起62が直線状に設けられているが、これらの個数及び配置は上述のものに限定されるものではなく、取付金具21の第4バーリング及び固定孔46に対応する限りにおいて、さまざまな態様が採用可能である。
【0021】
端子台22は取付金具21を用いて電源ユニット18に取り付けられている。取付金具21は、電源ユニット18の電源ユニットカバー29と電源ユニット底板30との間で開放されている空間の中、端子台22との間の隙間を閉塞する構造となっている。
【0022】
取付金具21は、板金を折り曲げて形成されている。取付金具21は、電源ユニット18の剛性部材としての機能を有する。取付金具21は、端子台22を保持できる厚さを有している。取付金具21は、電源ユニットカバー29と電源ユニット底板30との間で開放されている空間を閉塞するように保持されている。取付金具21が端子台22等を安定して固定するのに十分な強度を有するだけの厚みのある板金により形成されていることにより、電源ユニットカバー29に求められる強度を低減することができる。電源ユニットカバー29は、取付金具21よりも薄い金属によって成形されている。また、取付金具21に後述のように複数の保持部、例えばバーリング加工で形成されたねじ孔を設け、取付金具によりネジ留めする構造とすることができる。このため電源ユニットカバー29に求められる強度を低減することができるため、電源ユニットカバー29は比較的薄い金属、例えばアルミニウム等により形成することができる。また、電源ユニットカバー29の材質は金属に限定されるものではなく、電源装置をカバーできるものであればよく、例えば樹脂製とすることも可能である。
【0023】
取付金具21は、中央に端子台固定部32が設けられ、端子台固定部32の一方の側面から配線貫通部31が端子台固定部32と略垂直な方向、すなわち
図5のX方向と逆向きに設けられている。端子台固定部32の配線貫通部31と対向する側面からは、配線貫通部31とは反対の方向、かつ、端子台固定部32と略垂直な方向に、すなわち
図5のX方向にコネクタ固定部33が設けられている。
【0024】
配線貫通部31の上端には、コネクタ固定部33とは反対の方向に上部閉塞部43が設けられている。配線貫通部31には端子台22の配線を貫通するための配線貫通孔31aが設けられている。端子台22から引き出される配線は、取付金具21の配線貫通孔31aから電源ユニット18の内部に引き出される。配線貫通孔31aには電源基板50と端子台22とを接続する電源リード線53が挿通される。配線貫通孔31aは略矩形状であり、複数の電源リード線53をまとめて挿通できるため、取り付け作業がし易い。配線貫通孔31aは端子台22の一面によって塞がれているため、埃や虫などの異物の侵入を防ぐことができる。
【0025】
端子台22は、配線貫通孔31a側の面が配線貫通部31の配線貫通孔31aの周囲に当接するように設けられており、端子台22の電源ケーブル挿入孔60に電源ケーブル52を挿し込んだときにY方向へ押圧される負荷に対して、配線貫通孔31aの周囲に保持され受けることができ、端子台22が取付金具21の所定の位置から外れるのを抑制される。
【0026】
端子台固定部32のZ1方向端部にはコネクタ固定部33の方向へカバー側固定部44が設けられている。コネクタ固定部33及びカバー側固定部44により、端子台22の底面側、すなわち、配線が引き出される側において、電源ユニットカバー29及び電源ユニット底板30との間の空間が閉塞される。
【0027】
端子台固定部32のZ2方向端部にはコネクタ固定部33の方向へ底部側固定部42が設けられている。底部側固定部42には、取付金具21を電源ユニット底板30にネジ留めするため、
図5に示されるように、例えば2個の底部側ネジ孔47が設けられている。電源ユニット底板30には、底板側ネジ孔47の対応位置に例えば2個のネジ孔が設けられている。2個の底部側ネジ孔47のZ1方向側から2個の雄ネジを挿入し、そのZ2方向で、それぞれ電源ユニット底板30の対応する位置に設けられた図示省略されたネジ孔を介し、さらにそのZ2方向で、例えば天板16に設けられた雌ネジを有する2個の図示省略された保持部、例えばバーリング加工で形成されたねじ孔へ、それぞれ雄ネジを螺合することにより、天板16に対して、電源ユニット底板30及び取付金具21を取り付ける。
【0028】
端子台固定部32には端子台22の背面に突設されている位置決め固定用突起を貫通するための例えば2個の固定孔46、及び、端子台22を端子台固定部へネジ留めするための第4バーリング45が設けられている。カバー側固定部44には、取付金具21を電源ユニットカバー29の上面にネジ留めするための第1バーリング35が設けられている。電源ユニットカバー29の上面のネジ孔から、第1ネジを挿入して第1バーリング35に螺合することにより、取付金具21を電源ユニットカバー29に固定する。
【0029】
端子台固定部32、カバー側固定部44及び底部側固定部42は、端子台22の背面側、すなわち、端子台22が固定される側において、電源ユニットカバー29及び電源ユニット底板30との間の空間が閉塞される。
【0030】
端子台固定部32の背面には、位置決め固定用の突起が例えば2個設けられており、端子台固定部32に設けられた例えば2個の固定孔46に挿入された状態で、端子台22のネジ孔側から雄ネジを挿入し、第4バーリング45の雌ネジに螺合することにより、端子台22を取付金具21に取り付ける。
【0031】
コネクタ固定部33には、オプションコネクタ23を貫通して取り付けるためのコネクタ固定孔34が設けられている。また、コネクタ固定部33には、電源ユニットカバー29の長手方向Yの側面には第3バーリングが設けられている。なお、オプションコネクタ23は例えば調光用のコネクタである。
【0032】
電源ユニットカバー29の長手方向Yの側面には第3ネジ26に対応するネジ孔が設けられている。また、端子台カバー19の電源ユニットカバー29長手方向Y端面には第3ネジ26に対応するネジ孔26aが設けられている。そして、端子台カバー19のネジ孔の外側から第3ネジ26を挿入し、その内側で電源ユニットカバー29のネジ孔を貫通し、さらにその内側で第3バーリングの雌ネジに第3ネジを螺合することにより、電源ユニットカバー29に、取付金具21及び端子台カバー19を取り付ける。
【0033】
オプションコネクタ23の周囲において、電源ユニットカバー29の長手方向Yの側面と電源ユニット底板30との間で開放された空間は、コネクタ固定部33によって塞がれている。すなわち、コネクタ固定部33はかかる空間を閉塞するような形状となっている。
【0034】
電源ユニット底板30の長手方向Yの両側面には、上方すなわちZ1方向に向けて立ち上げ、屈曲形成した底板側面部40が設けられている。底板側面部40の外面は、電源ユニットカバー29の側面の内面と係合し、電源ユニットカバー29は底板側面部40に適宜の固着手段、例えばネジ、凹凸嵌合等により固定される。底板側面部40には、雌ネジが形成された第2バーリング36が設けられており、端子台カバー19の側面のネジ穴から
図2に示されている第2ネジを挿通して
図4に示されている第2バーリング36の雌ネジに第2ネジを螺合することにより、端子台カバー19を電源ユニット底板30に固定する。
【0035】
電源ユニット底板30の底部の長手方向Y端部には、第4ネジ27及び第5ネジ28に対応する位置にネジ孔が設けられている。天板16には第4ネジ27及び第5ネジ28に対応する位置に雌ネジを有するバーリングが設けられている。そして、電源ユニット底板30の各ネジ孔の上面側から第4ネジ27及び第5ネジ28を挿入し、それぞれ天板16の対応するバーリングの雌ネジに第4ネジ27及び第5ネジ28を螺合することにより、天板に対して電源ユニット底板30を固定する。なお、ここではネジ孔の加工方法としてバーリングを例示したが、保持部の形態はバーリングに限定されるものでなく、例えばネジ留めする場合にはネジ孔が形成できる限りにおいて如何なる加工方法を採用してもよい。
【0036】
第1ネジ24、第2ネジ25、第3ネジ26、第4ネジ27、第5ネジ28、第1バーリング35、第2バーリング36、第3バーリング37、第4バーリング45、第1ネジ孔38、及び、第2ネジ孔39等のネジ、バーリング及びネジ孔の配置を、ネジ留めを共用できるように設定すること等により、取付金具21、端子台22、電源ユニットカバー29、電源ユニット底板30及び天板16を固定する構造を簡略化している。具体的には次のような構成となっている。
【0037】
取付部材21は、底部側固定部42及びカバー側固定部44を備えており、底部側固定部42には底部側ネジ孔47が設けられ、カバー側固定部44には第1バーリング35が設けられることにより、それぞれ電源ユニット底板30側と電源ユニットカバー29上面側すなわちZ1方向側に固着される。
【0038】
底部側ネジ孔47の上面側から雄ネジを挿入し、その下方で、電源ユニット底板30のネジ孔を貫通し、さらにその下方で、例えば天板16に設けられた雌ネジを有する図示省略されたバーリングへ、それぞれ雄ネジを螺合することにより、天板16に対して、電源ユニット底板30及び取付金具21を取り付ける。
【0039】
電源ユニットカバー29の上面のネジ孔から、第1ネジ24を挿入して第1バーリング35に螺合することにより、取付金具21を電源ユニットカバー29に固定する。
【0040】
第3バーリング37の雌ネジには、オプションコネクタ23側の電源ユニットカバー29のネジ孔から挿入された第3ネジ26が螺合している。
【0041】
端子台固定部32の背面には、位置決め固定用の突起が例えば2個設けられており、端子台固定部32に設けられた例えば2個の固定孔46に挿入された状態で、端子台22のネジ孔側から雄ネジを挿入し、第4バーリング45の雌ネジに螺合することにより、端子台22を取付金具21に取り付ける。このとき、端子台22は電源リード線53が挿入された状態で配線貫通孔31aを塞ぐ。
【0042】
第2バーリング36の雌ネジには、端子台カバー19に設けられたネジ孔から挿入された第2ネジ25を螺合することにより、端子台カバー19を電源ユニット底板30に固定している。
【0043】
第1ネジ孔38から挿入された第4ネジ27は、天板16の対応位置に設けられたバーリングの雌ネジに螺合される。また、第2ネジ孔39から挿入された第5ネジ28は、天板16の対応位置に設けられたバーリングの雌ネジに螺合される。これにより、電源ユニット底板30は、天板に固着される。
【0044】
取付金具21にネジ加工を集約させたことで電源ユニットカバー29にネジ加工の必要がなくなる。また、配線貫通孔31aを設けたことにより、配線作業が容易になる。このように、取付部材21に複数の保持部、例えばネジ孔やバーリング等を設けることにより、取付金具21に端子台22及び電源ユニットカバー29を固定する構造を簡略化している。
【0045】
図6は電源ユニット内部におけるリード線の配線の模式図であり、電源ユニットカバー29が取り付けられていない状態として描かれている。Z1方向から見たときに、取付金具21の配線貫通部31と対向する平面において、電源基板50が設けられている。電源基板50の取付金具21側には、コネクタ51が設けられている。端子台22には電源ケーブル52が接続される。そして、端子台22から導出された電源リード線53は配線貫通部31を貫通して、コネクタ51に接続されている。オプションコネクタ23にはオプションコネクタケーブル54が接続される。そして、オプションコネクタ23から導出されたオプションコネクタリード線55はコネクタ51に接続されている。
【0046】
端子台22は、取付孔61及び取付突起62が設けられた面が端子台固定部32により固定されると共に、底面は配線貫通部に接しており、取付金具21によって安定して固定されている。端子台22の背面を端子台固定部32に固定することにより、電源ユニット18の端部に対向する方向から電源ケーブル52を端子台22に接続することができる。すなわち、
図6の平面視で、電源ケーブル52は端子台固定部32と平行な方向から端子台22に取り付けられている。電源ユニット18の長手方向Yに沿って配線することができる。また、コネクタ固定部33と端子台固定部32と電源基板50との間には、空間Sが形成されている。この空間Sが形成されていることにより、オプションコネクタリード線55や電源リード線53を引き回しするために十分な空間を確保することができ、また、取付金具21の固着ないし固着作業用の空間を確保することもできる。
【0047】
[変形例]
電源ユニット18の変形例について、
図7を用いて説明する。
図7は、電源ユニットの変形例についての模式図である。
図1~6と同様の構成については同一の符号を用い、その説明は省略する。
【0048】
図7(a)は、天板16が円形であり、電源ユニット18が方形であり、その長さが短い場合の例である。電源ユニット18の端部には端子台22が設けられている。端子台22は、天板16の外周側に配置されるため、電源ケーブル52が天板16に接触しないか、あるいは、接触する距離が短くすることができる。
【0049】
図7(b)は、天板16が円形であり、電源ユニット18が方形であり、その長さ方向を円周に沿が短い場合の例である。電源ユニット18において、天板16の外周側に端子台22が設けられている。端子台22は、天板16の外周側に配置されるため、電源ケーブル52が天板16に接触しないか、あるいは、接触する距離が短くすることができる。
【0050】
図7(c)は、天板16が方形であり、電源ユニット18が方形、例えば長方形である場合の例である。電源ユニット18において、天板16の外周側に端子台22が設けられている。端子台22は、天板16の外周側に配置されるため、電源ケーブル52が天板16に接触しないか、あるいは、接触する距離が短くすることができる。
【0051】
電源ユニット18における端子台22の配置は、天板の外周側である限りにおいて、任意に設定することができる。例えば、
図7(a)では端子台22は電源ユニット18の図面上、左下に配置されており、
図7(b)では端子台22は電源ユニット18の図面上、中央下に配置されており、
図7(c)では端子台22は電源ユニット18の図面上、右下に配置されている。
【0052】
以上の実施形態の端子装置により、次のような効果を得ることができる。
端子台22は、電源ユニット18の端部に配置されると共に、電源ユニット18の端部に対向する方向から電源ケーブル52を接続している。これにより、アーム17の可動に電源ユニット18が干渉しないように電源ユニット18を配置することができると共に、端子台22を電源ユニット18の端部に配置することが可能となり、レイアウト上も端子台22への電源ケーブルの接続が容易となる。さらに、電源ユニット18の端部に対向する方向から電源ケーブル52を端子台22に接続するため、電源ケーブル52が天板16に接触しないか、あるいは、接触する距離が短くすることができるため、天板16の熱による電源ケーブル52への影響を低減し、電源ケーブル52の耐熱性の問題を解消することができる。
【0053】
また、取付部材としての取付金具21は、電源ユニットカバー29よりも厚い板状材を折り曲げて形成されているため、容易に製造することができる上に、十分な強度を持たせることができる。また、取付金具21に複数のバーリングを設け、取付金具によりネジ留めする構造とすることができる。このため電源ユニットカバー29に求められる強度を低減することができる。
【0054】
また、取付部材21は、端子台22からの電源リード線53が貫通する配線貫通部31、配線貫通部31と連続し、端子台22を固定する端子台固定部32、及び、端子台固定部32と連続し、配線貫通部31とは異なる方向に延在したコネクタ固定部33とを備えている。これにより端子台22は背面が端子台固定部32により固定されると共に、底面は配線貫通部に接しており、取付金具21によって安定して固定されている。また、端子台22の背面を端子台固定部32に固定することにより、電源ユニット18の端部に対向する方向から電源ケーブル52を端子台22に接続することができる。
【0055】
また、コネクタ固定部には、オプションコネクタが設けられている。これにより、例えば調光用のコネクタ等を取り付けることが可能となる。
【0056】
また、配線貫通部31と対向する位置には電源基板50が設けられており、コネクタ固定部33と端子台固定部32と電源基板50との間に、空間Sを設けることができる。これにより、オプションコネクタリード線55や電源リード線53を引き回しするために十分なスペースを確保することができ、また、取付金具21の固着ないし固着作業用のスペースを確保することもできる。
【0057】
また、取付部材21は、底部側固定部42及びカバー側固定部44を備えており、底部側固定部42には底部側ネジ孔47が設けられ、カバー側固定部44には第1バーリング35が設けられることにより、それぞれ電源ユニット底板30側と電源ユニットカバー29上面側に固着される。
【0058】
底部側ネジ孔47の上面側から雄ネジを挿入し、その下方で、電源ユニット底板30のネジ孔を貫通し、さらにその下方で、例えば天板16に設けられた雌ネジを有する図示省略されたバーリングへ、それぞれ雄ネジを螺合することにより、天板16に対して、電源ユニット底板30及び取付金具21を取り付ける。
【0059】
電源ユニットカバー29の上面のネジ孔から、第1ネジ24を挿入して第1バーリング35に螺合することにより、取付金具21を電源ユニットカバー29に固定する。
【0060】
第3バーリング37の雌ネジには、オプションコネクタ23側の電源ユニットカバー29のネジ孔から挿入された第3ネジ26が螺合している。
【0061】
端子台固定部32の背面には、位置決め固定用の突起が例えば2個設けられており、端子台固定部32に設けられた例えば2個の固定孔46に挿入された状態で、端子台22のネジ孔側から雄ネジを挿入し、第4バーリング45の雌ネジに螺合することにより、端子台22を取付金具21に取り付ける。
【0062】
第2バーリング36の雌ネジには、端子台カバー19に設けられたネジ孔から挿入された第2ネジ25を螺合することにより、端子台カバー19を電源ユニット底板30に固定している。
【0063】
第1ネジ孔38から挿入された第4ネジ27は、天板16の対応位置に設けられたバーリングの雌ネジに螺合される。また、第2ネジ孔39から挿入された第5ネジ28は、天板16の対応位置に設けられたバーリングの雌ネジに螺合される。これにより、電源ユニット底板30は、天板に固着される。
【0064】
このように、取付部材21に複数のネジ孔やバーリングを設けることにより、取付金具21に端子台22及び電源ユニットカバー29を固定する構造を簡略化している。
【0065】
また、端子台22の周囲には端子台カバー19が設けられ、端子台カバー19の下部には、端子台22に接続される電源ケーブル52を挿通させるためのケーブル用空間20が設けられている。端子台22が端子台カバー19によって覆われているため、端子台や基板からの万一の出火に対しても、外部への延焼を防止し、安全性を確保すると共に、ケーブル用空間20を設けることによって、電源ケーブルの引き出しに支障がない構造となっている。
【0066】
また、電源ユニットの端部は、天板の外周ないし外周近傍に設けられており、端子台は天板の外周ないし外周近傍に配置されている。これにより、電源ケーブル52が天板16に接触しないか、あるいは、接触する部分を確実に少なくすることができる。
【0067】
また、天板の形状は例えば平面視で円形状ないし方形状であり、電源ユニットの形状は例えば平面視で方形状である。天板の形状は円形に限定されるものではなく、方形を含む多様な形状とすることができる。また、電源ユニットの形状、サイズ、天板上での配置としては、多様なものが採用可能であり、設計の自由度を大きくすることができる。
【0068】
また、端子装置を照明装置に適用した場合には、上述のような効果を奏する照明装置を提供することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態に係る端子装置及び端子装置を備えた照明装置ついて説明したが、上記の実施形態は本発明の技術思想を具体化するための端子装置及び端子装置を備えた照明装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、各実施形態の変形例や各実施形態を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【符号の説明】
【0070】
1 照明装置、10 ベース、11 フランジ、12 フランジ切り欠き部、13 カバー、14 フィン、15 フィンブラケット、16 天板、17 アーム、18 電源ユニット、19 端子台カバー、20 ケーブル用空間、21 取付金具、22 端子台、23 オプションコネクタ、24 第1ネジ、25 第2ネジ、26 第3ネジ、26a ネジ孔、27 第4ネジ、28 第5ネジ、29 電源ユニットカバー、30 電源ユニット底板、31 配線貫通部、31a 配線貫通孔、32 端子台固定部、33 コネクタ固定部、34 コネクタ固定孔、35 第1バーリング、36 第2バーリング、37 第3バーリング、38 第1ネジ孔、39 第2ネジ孔、40 底板側面部、42 底部側固定部、43 上部閉塞部、44 カバー側固定部、45 第41バーリング、46 固定孔、47 底部側ネジ孔、50 電源基板、51 コネクタ、52 電源ケーブル、53 電源リード線、54 オプションコネクタケーブル、55 オプションコネクタリード線。