(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】照明灯
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20240611BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20240611BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240611BHJP
【FI】
F21V33/00 400
F21S8/08 100
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020111363
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】有松 孝之
(72)【発明者】
【氏名】清水 政宏
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3129597(JP,U)
【文献】登録実用新案第3159488(JP,U)
【文献】特開2014-059984(JP,A)
【文献】特開平11-155462(JP,A)
【文献】特開2017-069076(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0018455(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00-99/00
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部が収容される筐体と、
前記筐体に取り付けられる防鳥針とを備え、
前記防鳥針は、基端部が前記筐体の側部に接続された状態で、前記筐体の上面に対向する姿勢で延びて
おり、
前記筐体は、上方が開放した本体部と、前記本体部の開放部分を開閉する蓋部と、を備え、
前記防鳥針の前記基端部は、前記本体部と前記蓋部とにより挟まれている
照明灯。
【請求項2】
前記防鳥針の前記基端部は、前記蓋部の側部に取り付けられている
請求項
1に記載の照明灯。
【請求項3】
前記筐体は、基部が支柱に連結されており、
前記防鳥針の前記基端部は、前記筐体の先端部に接続されている
請求項1または
2に記載の照明灯。
【請求項4】
前記筐体は、支柱に対して角度調整自在に連結される連結部を有する
請求項1~
3のいずれか一項に記載の照明灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明灯においては、筐体の上面から防鳥用の突出部(防鳥針)が突出したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成の照明灯のように、筐体の上面から防鳥針を突出させただけでは、防鳥針が対応できない領域が生じ、防鳥効果を発揮できない部分が生じうる。
【0005】
このため、本発明の目的は、より広範囲にわたって防鳥効果を発揮することができる照明灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明灯は、光源部が収容される筐体と、筐体に取り付けられる防鳥針とを備え、防鳥針は、基端部が筐体の側部に接続された状態で、筐体の上面に対向する姿勢で延びている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明灯によれば、より広範囲にわたって防鳥効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る照明灯を備える照明柱の外観を示す概念図である。
【
図3】
図1の照明灯に備わる蓋部を開放させた状態を示す平面図である。
【
図4】
図1の照明灯に備わる蓋部を開放させた状態を示す側面図である。
【
図5】実施の形態に係る防鳥針を示す斜視図である。
【
図6】
図5の防鳥針と筐体との接続構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る照明灯について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、同一又は同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0010】
(実施の形態)
[照明灯]
まず、本実施の形態に係る照明灯10を備えた照明柱1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明灯10を備えた照明柱1の外観を示す概念図である。
【0011】
図1に示すように、照明柱1は、その最上部に設けられ且つ照明用の光を発する照明灯10と、地面等から立設する支柱2とを備えている。照明灯10は、光源にLED321(Light Emitting Diode:
図2参照)を用いて道路を照らすLED照明灯であり、支柱2によって支持されている。また、商用電源等の電力系統に電気的に接続された電力ケーブルが、支柱2内に通されて、照明灯10に電気的に接続されることで、照明灯10に電力が供給される。なお、照明灯10は、支柱2に据え付けられるのではなく、柱以外の構造物に取り付けられるように構成されていてもよい。また、照明灯10の設置場所は、道路(歩道や車道)脇には限定されず、例えば、公園等の広場内、工場の敷地内、ガソリンスタンドのサービスステーション内等、どのような場所にでも設置可能である。
【0012】
次に、照明灯10の構成について詳細に説明する。
図2は、
図1の照明灯10の構成を示す断面図である。
図3は、
図1の照明灯10に備わる蓋部60を開放させた状態を示す平面図である。
図4は、
図1の照明灯10に備わる蓋部60を開放させた状態を示す側面図である。
【0013】
なお、以下の説明及び図面中において、照明灯10の長手方向をY軸方向と定義する。また、照明灯10の左右方向をX軸方向と定義する。また、照明灯10の厚み方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向側(一方側)を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対側(他方側)を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
【0014】
本実施の形態では、Z軸方向が上下方向に対して傾くように、照明灯10が支柱2に取り付けられている(
図1参照)。しかしながら、説明の便宜上、以下の説明においては、Z軸プラス方向を上方と称し、Z軸マイナス方向を下方と称する場合もある。
【0015】
図2~
図4に示すように、照明灯10は、筐体20と、筐体20に収容される光源ユニット30と、筐体20に取り付けられた防鳥針40とを備えている。
【0016】
[筐体]
筐体20は、上方が開放された本体部50と、本体部50の上方に配置されて、当該本体部50の開放部分を開閉する蓋部60とを備えている。以降の説明において、筐体20におけるY軸マイナス方向の端部を基部と称し、Y軸プラス方向の端部を先端部と称する場合がある。本体部50及び蓋部60のそれぞれの材質は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、または亜鉛合金等の高い熱伝導性を有する金属材料から形成されている。
【0017】
本体部50は、上方が開放した略箱状に形成されており、光源ユニット30が収容される。具体的には、本体部50は、X軸方向視において基部が厚く、Y軸プラス方向に向かうに連れて先細る形状となっている(
図2参照)。また、本体部50は、Z軸方向視において、基部が幅狭であり、Y軸方向の略中央部から幅が膨らんだ形状となっている。以降、本体部50において、幅狭な部分(基部)を連結部51と称し、膨らんだ部分(中央部~先端部)を照明部52と称す。連結部51と照明部52との間には、これらを区画する区画壁53が設けられている。区画壁53は、X軸方向に沿って延設されており、その中央部に、上方が開放した切欠部531が形成されている。切欠部531内には、光源ユニット30の一部が収容されている。
【0018】
連結部51は、支柱2に連結される部位である。連結部51には、支柱2が締結される締結部511が設けられている(
図3等参照)。締結部511は、略円筒状の部材であり、その内部に支柱2の一部が挿入された状態で、ボルト等で締め付けられることにより、締結部511に支柱2の一部が締結され連結される。
【0019】
連結部51において、X軸マイナス方向の端部の内底面には、Y軸方向に所定の間隔をあけて配置された複数のボス512a、512b、512cが立設されている。各ボス512a、512b、512cの上端面には、雌ネジが形成されている。複数のボス512a、512b、512cのうち、Y軸プラス方向の2つのボス512a、512bは、光源ユニット30を固定するためのものであり、残りのボス512cは、本体部50に収容される他の部材(例えばケーブルなど)を固定するためのものである。
【0020】
照明部52は、光源ユニット30からの光を照射する部位である。照明部52には、区画壁53に連続し、当該区画壁53とともに光源ユニット30を囲む囲壁54が設けられている。
【0021】
照明部52の下面であって、区画壁53及び囲壁54の内方には、光源ユニット30からの光を外部に透過させるための開口55が形成されている。開口55は、Z軸方向視(平面視)略矩形状であり、各角部が湾曲している。開口55は、透光性のカバー56により覆われている。
【0022】
カバー56は、透光性を有する平板状かつZ軸方向視(平面視)略矩形状の部材である。カバー56の各角部は湾曲している。カバー56及び開口55のそれぞれにおいて、一対の辺はY軸方向で対向してX軸方向に沿って延設しており、他の一対の辺はX軸方向で対向してY軸方向に沿って延設している。
【0023】
カバー56は、例えば、ガラスまたは樹脂等によって形成されている。なお、カバー56の形状は平面視略矩形状には限定されず、平面視で円形状、楕円形状、多角形状等でもよい。カバー56は、平板状にも限定されず、半楕円球状、半球状、半円柱状、半楕円柱状等でもよい。カバー56の材質も特に限定されない。
【0024】
照明部52における開口55よりも上方の部位には、光源ユニット30を下方から支持する支持面57が形成されている。支持面57は、開口55の周縁に沿って延設されており、平面状に形成されている。具体的には、支持面57は、開口55においてY軸プラス方向の一辺と、X軸方向で対向する一対の辺とに沿いながら、Z軸方向視において逆C字状に形成されている。なお、支持面57は、開口55の全周にわたって延設されていてもよいし、断続的に延設されていてもよい。また、支持面57は、光源ユニット30に接する部分が面接触するのであれば、全体として連続した平面状に形成されていてもよいし、部分的に平面状に形成されていてもよい。
【0025】
支持面57には、光源ユニット30を係止する係止部80が取り付けられた規制部70が設けられている。具体的には、支持面57においてY軸プラス方向の部位に2つの規制部70がX軸方向に所定の間隔をあけて設けられており、支持面57においてX軸方向で対向する部位のそれぞれに1つの規制部70が設けられている。各規制部70には、一つの係止部80が取り付けられている。
【0026】
蓋部60は、本体部50に収容された光源ユニット30を覆う開閉式の蓋体である。蓋部60は、基部がヒンジ61を介して本体部50に連結されている。これにより、蓋部60は、ヒンジ61により基部を中心に、X軸方向周りに回動する。蓋部60は、下方が開放された箱状に形成されており、閉塞時において蓋部60の下端周縁が全周にわたって本体部50の上端周縁に対して重なり合う。蓋部60の下端周縁と本体部50の上端周縁との間には、密閉性を高めるべく、全周にわたってパッキンが介在していてもよい。
【0027】
蓋部60の上面は、X軸方向視において上方に向かって突出した曲面形状となっている(
図2参照)。このため、蓋部60において、Y軸プラス方向の端部(先端部)の上面は、Y軸プラス方向に向かうに連れて徐々に下方へと向かう傾斜面となっている。
【0028】
蓋部60の内天面には、本体部50の区画壁53に対応する位置に、Z軸マイナス方向に向けて突出した押さえ部62が設けられている。押さえ部62は、X軸方向に延設された板状の部位であり、その下端部(先端部)で光源ユニット30の一部に当接している。
【0029】
蓋部60の先端部には、貫通孔64が形成されている。この貫通孔64には、蓋部60を本体部50に固定するための固定ネジ63が挿通されている。防鳥針40と筐体20との接続構造については後述する。
【0030】
[光源ユニット]
光源ユニット30は、
図2に示すように、基台31と、光源部32と、端子台33と、照度センサ34と、電源部35とを一体的に備えている。つまり、光源ユニット30は、基台31と、光源部32と、端子台33と、照度センサ34と、電源部35と、がユニット化(モジュール化)されている。
【0031】
基台31は、光源部32と、端子台33と、照度センサ34と、電源部35と、を支持する部位である。基台31は、基板311と、立壁312と、台座313とを備えている。
【0032】
基板311は、光源部32を支持する平板状の基板である。具体的には、基板311は、下面で光源部32を支持している。基板311は、照明部52の開口55を覆う形状に形成されており、その外周縁が照明部52の支持面57により下方から支持されるようになっている。基板311の外周縁において各規制部70に対応する位置には、矩形凹状に切り欠かれた凹部314が形成されている。各凹部314に対して、各規制部70に取り付けられた係止部80が引っかかることで、光源ユニット30を係止するようになっている。凹部314と係止部80との係止形態については後述する。基板311の材質は特に限定されないが、例えばアルミニウム等の金属によって形成されている。
【0033】
立壁312は、基板311と台座313とを連結する部位であり、照度センサ34を支持する部位である。立壁312は、基板311におけるY軸マイナス方向の端部に取り付けられている。立壁312は、基部315と、基部315に対して折り曲げられた立設部316とを備えたX軸方向視でL字状の板金である。基部315は、平板状かつ矩形状の部位であり、基板311と平行な姿勢で、基板311におけるY軸マイナス方向の端部にネジ止めされている。立設部316は、平板状かつ矩形状の部位であり、基部315のY軸マイナス方向の端部からZ軸プラス方向に向けて立設されている。立設部316は、区画壁53の切欠部531内に収容されている。立設部316の上端部は、閉塞時における蓋部60の押さえ部62によって本体部50に向けて押さえられている(
図2参照)。これにより、光源ユニット30が本体部50に向けて押さえられ、より強固に固定されることになる。
【0034】
台座313は、端子台33を支持する部位である。台座313は、平板状の板金であり、立壁312の上部に取り付けられた状態で、Y軸マイナス方向に延設されている。台座313におけるX軸マイナス方向の端部には、X軸マイナス方向に延びる小片状の第一取付部317が設けられている。また、台座313におけるY軸マイナス方向の端部には、Y軸マイナス方向に延びる小片状の第二取付部318が設けられている。第一取付部317は、本体部50に備わるボス512aにネジ止めされ、第二取付部318は、本体部50に備わるボス512bにネジ止めされている。これにより、光源ユニット30が本体部50に対してより強固に固定されることになる。なお、金属製のネジでネジ止めされる場合、端子台33は当該ネジ及び台座313を介して本体部50に接地(アース)されることになる。
【0035】
光源部32は、基板311の下面に実装された複数のLED321(発光素子)である。複数のLED321は、基板311上でマトリクス上に配列されているが、LED321の個数や配置位置等は特に限定されない。LED321は、SMD(Surface Mount Device)型のLEDであってもよいし、COB(Chip On Board)型のLEDであってもよい。また、本実施の形態では、光源部32は、基板311の下面に取り付けられたレンズ体322で全体的に覆われている。レンズ体322は、透光性を有する樹脂またはガラス等の材料から形成されており、各LED321が発する光を、放射状に拡散するように配光する。なお、レンズ体322は、基板311に設けられていなくてもよい。
【0036】
端子台33は、各種ケーブル(図示省略)が接続される部位である。端子台33には、照明灯10の外部から引き込まれた電力ケーブルや、電源部35に接続されたケーブルなどが接続されている。
【0037】
照度センサ34は、照明灯10周囲環境の照度を検出するセンサである。照度センサ34は、立壁312の基部315上に配置されている。
【0038】
電源部35は、電力ケーブル、端子台33及びケーブルを介して照明灯10の外部から供給された電力を、光源部32に供給する電源回路である。電源部35は、基板311の上面に支持されている。電源部35は、照度センサ34に接続されており、照度センサ34の検出結果に基づいて、光源部32に対する電力供給をON/OFFするようになっている。つまり、電源部35は、照度センサ34の検出結果が所定の閾値以上であるときは、光源部32に対する電力供給をOFFとして消灯状態とし、照度センサ34の検出結果が所定の閾値未満であるときは、光源部32に対する電力供給をONとして点灯状態とする。
【0039】
[防鳥針]
図5は、実施の形態に係る防鳥針40を示す斜視図である。
図6は、
図5の防鳥針40と筐体20との接続構造を示す断面図である。
【0040】
図2~
図6に示すように、防鳥針40は、蓋部60に接続される基端部41と、基端部41から延設された一対の針部42とを備えた金属部材である。基端部41は、X軸方向に延びる平板状の部位であり、X軸方向の中央部であってY軸マイナス方向の端部にX軸方向に長尺な切欠を有している。基端部41には、X軸方向で切欠を挟む位置に一対の挿通孔411が形成されている。
【0041】
図6に示すように、蓋部60の貫通孔64に挿通された固定ネジ63は、本体部50のY軸プラス方向の端部に設けられたネジ穴58に螺合している。これにより、閉塞時の蓋部60が本体部50に固定されている。また、蓋部60のY軸プラス方向の端部において、下端面には防鳥針40の基端部41が固定される一対のネジ穴(図示省略)が形成されている。このネジ穴に対して、基端部41の一対の挿通孔411に挿通されたネジ(図示省略)が螺合しており、これにより、基端部41が蓋部60に取り付けられている。蓋部60の閉塞時には、本体部50の先端部に備わる平面状の第一挟持面59と、蓋部60の先端部に備わる平面状の第二挟持面69とによって、基端部41が挟まれた状態となっている。つまり、防鳥針40の基端部41は、筐体20の先端部側の側部に接続されている。また、閉塞時には、本体部50の第一挟持面59と、蓋部60の第二挟持面69とによって基端部41が挟まれているので、万が一、防鳥針40の基端部41を固定するためのネジが脱落したとしても防鳥針40が落下することを抑制できる。
【0042】
一対の針部42は、X軸方向に所定の間隔をあけて配置されており、基端部41からZ軸プラス方向かつY軸マイナス方向へ延びている。各針部42の先端部は、蓋部60の上面の頂点部分に対応する位置に配置されている(
図2参照)。また、各針部42には、中心から基端部41寄りの部位に屈折点421が設けられている。この屈折点421により、各針部42は、蓋部60におけるY軸プラス方向の端部の上面に沿いながら、当該上面に対向する姿勢で延びている。このように、各針部42は、筐体20の先端部側の側部から、筐体20(蓋部60)の上面に対向する姿勢で延びているので、筐体20の側部と上面の一部とに対向することができる。これにより、筐体20の側部や、上面に止まろうとする鳥を遮ることができる。各針部42は細く長い部位であるために、鳥が各針部42自体に止まりにくい。仮に各針部42上に鳥が止まったとしても、鳥の自重で各針部42が振動するので、鳥の滞在を阻害することができる。
【0043】
そして、
図1に示すように、筐体20の全体で見ると、連結部51が支柱2に連結された状態では、筐体20の基部が支柱2に連結されていると言える。筐体20は、先端部が、基部よりも上方となる姿勢となっている。この姿勢では、本体部50も先端部が上方を向く傾きとなっているために、開口55から照射される光は、支柱2からより離れた地面を照らすことになる。このとき、筐体20(蓋部60)の先端部の上面は、筐体20が傾いていない場合よりも水平面に近くなっており、鳥が止まりやすくなっている。上述したように、各針部42は、筐体20の先端部側の側部から延びて、筐体20の先端側の側部と、先端部の上面とに対向しているので、鳥が止まりやすくなった部位に対する防鳥効果を確実に発揮することが可能である。
【0044】
[効果等]
以上のように、防鳥針40の基端部41が筐体20の側部に接続された状態で、各針部42が筐体20の上面に対向する姿勢で延びているので、筐体20の上面とともに側部も、筐体20の側部から上面にわたって、各針部42が対向することになる。したがって、筐体20の上面から防鳥針を突出させた場合よりも、より広範囲にわたって防鳥効果を発揮することができる。
【0045】
また、蓋部60が本体部50を閉塞した状態では、本体部50と蓋部60とにより防鳥針40の基端部41が挟まれているので、防鳥針40が落下することを抑制でき、安全性を高めることが可能である。
【0046】
また、防鳥針40の基端部41が筐体20の先端部に接続されているので、先端部が基部よりも上方となるように筐体20が支柱2に対して取り付けられた際に、水平面に近くなる筐体20の先端部の上面に、各針部42を確実に対向させることができる。これにより、鳥が止まりやすくなった部位に対する防鳥効果を確実に発揮することが可能である。
【0047】
ここで、筐体20の基部に対して防鳥針40の基端部41を接続することも可能であるが、当該基部は、蓋部60を開放させる機構(ヒンジ61等)が設けられていて構造的にも設置スペース的にも制約がある。一方、筐体20の先端部は、開放される部位であり、前述した制約もわずかである。このため、防鳥針40の基端部41を容易に筐体20に接続することが可能である。
【0048】
さらに、メンテナス時などには、作業者は支柱2上で蓋部60を開いて作業することもあるが、防鳥針40の基端部41が蓋部60の先端部に接続されていれば、防鳥針40の基端部41は、最も本体部50から離れ、針部42も本体部50から遠ざかる姿勢となる(
図4参照)。メンテナンスは主に本体部50内の各部に対して行われるので、防鳥針40がメンテナンス作業の邪魔となることを抑制することが可能である。なお、防鳥針40の基端部41は、蓋部60の先端部以外の側部に取り付けられていてもよい。この場合においても、蓋部60が開かれれば防鳥針40が本体部50から遠ざかるので、防鳥針40がメンテナンス作業の邪魔となることを抑制できる。
【0049】
(その他)
以上、本発明の実施の形態に係る照明灯10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0050】
例えば、上記実施の形態では、筐体20は支柱2に対して固定される場合を例示したが、筐体20は支柱2に対して角度調整自在に連結されていてもよい。具体的には、防鳥針40の基端部41が上下に移動するように、筐体20の基部に備わる連結部51がX軸方向周りに角度調整自在に支柱2に連結されている。より詳細には、連結部51に備わる締結部511がX軸方向周りに角度調整自在となっている。これにより、照明灯10の照射範囲を調整することが可能である。筐体20を角度調整したとしても、基本的には、筐体20の先端部は基部よりも上方となる姿勢となっている。つまり、いずれの姿勢においても、筐体20(蓋部60)の先端部の上面は、筐体20が傾いていない場合よりも水平面に近くなっており、鳥が止まりやすくなっている。各針部42は、筐体20の先端部側の側部から延びて、筐体20の先端側の側部と、先端部の上面とに対向しているので、鳥が止まりやすくなった部位に対する防鳥効果を確実に発揮することが可能である。このように、角度調整自在な筐体20であっても、鳥が止まりやすくなった部位に対する防鳥効果を確実に発揮することができる。
【0051】
また、上記実施の形態では、光源部32が他の部位とともにユニット化されている場合を例示したが、光源部はユニット化されていない状態で筐体20に収容されていてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態では、複数のLED321からなる光源部32を例示して説明したが、LED以外の光源からなる光源部であってもよい。
【0053】
また、上記実施の形態では、防鳥針40が一対の針部42を有する場合を例示した。しかしながら、防鳥針40が有する針部42の個数は、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、各針部42の先端部が、蓋部60の上面の頂点部分に対応する位置に配置されている場合を例示した。しかしながら、各針部の先端部は蓋部60の基端部に対応する位置に配置されていてもよい。この場合、より広範囲にわたって防鳥効果を発揮することができる。
【0055】
また、上記実施の形態では、防鳥針40の基端部41は、筐体20の先端部側の側部に接続されている場合を例示した。しかしながら、防鳥針40の基端部41は、筐体20の側部であれば如何なる箇所に接続されていてもよい。例えば防鳥針40の基端部41は、筐体20の基部側の側部に接続されてもよいし、Y軸方向における中央部の側部に接続されていてもよい。防鳥針40の基端部41が、Y軸方向における中央部の側部に接続されている場合には、当該基端部41が上下方向に移動するように、筐体20の連結部51が、Y軸方向周りに角度調整自在に支柱2に連結されていてもよい。この場合においても、針部42は、筐体20のY軸方向における中央部の側部から延びて、筐体20の中央部の側部と、中央部の上面とに対向しているので、鳥が止まりやすくなった部位に対する防鳥効果を確実に発揮することが可能である。
【0056】
また、上記実施の形態では、防鳥針40の基端部41が蓋部60に接続されている場合を例示したが、本体部50に接続されていてもよい。
【0057】
また、防鳥針40に対して微弱な電流を付与することで、より防鳥効果を高めてもよい。
【0058】
なお、上記実施の形態及びその変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 照明柱
2 支柱
10 照明灯
20 筐体
30 光源ユニット
31 基台
32 光源部
33 端子台
34 照度センサ
35 電源部
40 防鳥針
41 基端部
42 針部
50 本体部
51 連結部
52 照明部
53 区画壁
54 囲壁
55 開口
56 カバー
57 支持面
58 ネジ穴
59 第一挟持面
60 蓋部
61 ヒンジ
62 押さえ部
63 固定ネジ
64 貫通孔
69 第二挟持面
70 規制部
80 係止部
311 基板
312 立壁
313 台座
314 凹部
315 基部
316 立設部
317 第一取付部
318 第二取付部
321 LED
322 レンズ体
411 挿通孔
421 屈折点
511 締結部
512a、512b、512c ボス
531 切欠部