IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図1
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図2
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図3
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図4
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図5
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図6
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図7
  • 特許-画像形成装置、及び画像形成プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】画像形成装置、及び画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240611BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240611BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B41J29/38 201
G06F3/12 319
G06F3/12 337
G06F3/12 339
H04N1/00 912
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020117178
(22)【出願日】2020-07-07
(65)【公開番号】P2022014688
(43)【公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草野 伸美
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105006(JP,A)
【文献】特開2017-151817(JP,A)
【文献】特開2010-061436(JP,A)
【文献】特開2006-076014(JP,A)
【文献】特開2017-081054(JP,A)
【文献】特開2019-083381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
少なくとも一つの印刷データを取得し、
前記印刷データの印刷を指示するための印刷指示を取得した場合であって、取得した前記印刷データが複数存在し、かつ前記複数の印刷データに編集される前後の印刷データが含まれている場合、前記編集される前後の印刷データにおいて、最新の日時の印刷データを印刷する画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記最新の日時の印刷データ以外の印刷データの印刷が保留されている旨を通知する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記編集される前後の印刷データ以外の印刷データを印刷する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記印刷データのファイル名、前記印刷データの拡張子、及び前記印刷データの画像の一致率の少なくとも1つを用いて、前記編集される前後の印刷データの判定を行う請求項から請求項の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記印刷指示を取得するまでの予め定められた期間の期間外に取得した印刷データが存在する場合、前記予め定められた期間の期間外に取得した印刷データの印刷を保留する請求項1から請求項の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記予め定められた期間の期間外に取得した印刷データが存在する旨を通知する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記予め定められた期間の期間外に取得した印刷データの数を通知する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、さらにユーザを認証し、前記ユーザが認証できた場合、前記印刷指示を取得したと判断する請求項1から請求項の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
少なくとも一つの印刷データを取得し、
前記印刷データの印刷を指示するための印刷指示を取得し、かつ取得した前記印刷データが複数存在する場合であって、
前記印刷データにカラーの印刷データが含まれている場合、及び前記印刷データのページの総数が予め定められた数を超えた場合の少なくとも一方である場合、前記印刷データの印刷を保留する画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータに
少なくとも一つの印刷データを取得し、
前記印刷データの印刷を指示するための印刷指示を取得した場合であって、取得した前記印刷データが複数存在し、かつ前記複数の印刷データに編集される前後の印刷データが含まれている場合、前記編集される前後の印刷データにおいて、最新の日時の印刷データを印刷する
ことを実行させるための画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷データの印刷手段を備える画像形成装置と通信可能な、ユーザの文書データを記憶する文書データ記憶手段を備える情報処理装置であって、前記文書データ記憶手段に記憶された文書データを、前記画像形成装置で印刷するための当該文書データの選択操作をさせることなく印刷可能とする期限を決定する決定手段と、前記画像形成装置へのユーザのログインが行われた日時が、前記決定手段により決定された期限内である印刷データを、ユーザによる選択操作を受け付けることなく印刷実行させるべく制御する印刷制御手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-151817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷データを記憶して蓄積する画像形成装置において、記憶されている印刷データを印刷する指示に代えて、ユーザの認証を行うことによって、画像形成装置に記憶されている印刷データを印刷する技術がある。
【0005】
ところで、画像形成装置に印刷データを送信して印刷する場合において、送信した印刷データに対して編集を加えて、改めて送信することがある。そのため、差異を有した編集前後の印刷データが画像形成装置に記憶されることがある。
【0006】
つまり、記憶されている複数の印刷データを印刷する場合において、ユーザが意図しない編集前の印刷データも印刷されてしまい、不要な印刷物が発生してしまうことがある。
【0007】
したがって、必ずしも不要な印刷データを印刷することを抑制できるとは限らなかった。
【0008】
本発明は、記憶された複数の印刷データを印刷する場合において、印刷データの数を考慮しない場合と比較して、不要な印刷データの印刷を抑制することができる画像形成装置、及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様の画像形成装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、少なくとも一つの印刷データを取得し、印刷データの印刷を指示するための印刷指示を取得した場合であって、取得した印刷データが複数存在する場合、印刷データの印刷を保留する。
【0010】
第2の態様の画像形成装置は、第1の態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、取得した印刷データが複数存在し、かつ複数の印刷データに編集される前後の印刷データが含まれている場合、編集される前後の印刷データの少なくとも一方の印刷を保留する。
【0011】
第3の態様の画像形成装置は、第2の態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、印刷データを取得した日時をさらに取得し、編集される前後の印刷データにおいて、最新の日時の印刷データを印刷する。
【0012】
第4の態様の画像形成装置は、第3の態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、最新の日時の印刷データ以外の印刷データの印刷が保留されている旨を通知する。
【0013】
第5の態様の画像形成装置は、第2の態様から第4の態様の何れか1つの態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、編集される前後の印刷データ以外の印刷データを印刷する。
【0014】
第6の態様の画像形成装置は、第2の態様から第5の態様の何れか1つの態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、印刷データのファイル名、印刷データの拡張子、及び印刷データの画像の一致率の少なくとも1つを用いて、編集される前後の印刷データの判定を行う。
【0015】
第7の態様の画像形成装置は、第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、印刷指示を取得するまでの予め定められた期間の期間外に取得した印刷データが存在する場合、予め定められた期間の期間外に取得した印刷データの印刷を保留する。
【0016】
第8の態様の画像形成装置は、第7の態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、予め定められた期間の期間外に取得した印刷データが存在する旨を通知する。
【0017】
第9の態様の画像形成装置は、第8の態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、予め定められた期間の期間外に取得した印刷データの数を通知する。
【0018】
第10の態様の画像形成装置は、第1の態様から第9の態様の何れか1つの態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、さらにユーザを認証し、ユーザが認証できた場合、印刷指示を取得したと判断する。
【0019】
第11の態様の画像形成装置は、第1の態様から第10の態様の何れか1つの態様に係る画像形成装置において、プロセッサは、印刷データにカラーの印刷データが含まれている場合、及び印刷データのページの総数が予め定められた数を超えた場合の少なくとも一方である場合、印刷データの印刷を保留する。
【0020】
第12の態様の画像形成プログラムは、コンピュータに少なくとも一つの印刷データを取得し、印刷データの印刷を指示するための印刷指示を取得した場合であって、取得した印刷データが複数存在する場合、印刷データの印刷を保留することを実行させる。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様の画像形成装置、及び第12の態様の画像形成プログラムによれば、取得した複数の印刷データを印刷する場合において、印刷データの数を考慮しない場合と比較して、不要な印刷データの印刷を抑制することができる。
【0022】
第2の態様の画像形成装置によれば、編集される前後の印刷データの両方を印刷することを防止でき、結果としてより不要な印刷データの印刷を抑制できる。
【0023】
第3の態様の画像形成装置によれば、取得した日時を考慮して、最新の印刷データのみを印刷できる。
【0024】
第4の態様の画像形成装置によれば、蓄積されている印刷データを認識できる。
【0025】
第5の態様の画像形成装置によれば、編集される前後の印刷データを考慮しない場合と比較して、必要な印刷データを印刷できる。
【0026】
第6の態様の画像形成装置によれば、編集される前後の印刷データを区別できる。
【0027】
第7の態様の画像形成装置によれば、予め定められた期間よりも前に取得された印刷データの印刷を防止できる。
【0028】
第8の態様の画像形成装置によれば、予め定められたきかんよりも前に取得された古い印刷データをユーザに認識させられる。
【0029】
第9の態様の画像形成装置によれば、古い印刷データの数をユーザに認識させられる。
【0030】
第10の態様の画像形成装置によれば、ユーザ認証を印刷指示の動作に兼用でき、兼用した分、動作を簡易化できる。
【0031】
第11の態様の画像形成装置によれば、印刷データの種類、及び数を考慮しない場合と比較して、不要な印刷を実行した場合における費用をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】各実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図2】各実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】各実施形態に係る印刷データの判定対象の説明に供する印刷データ取得するフローの一例を示すフロー図である。
図4】各実施形態に係る印刷対象データベースの一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る画像形成の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る判定の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係る判定の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る印刷対象判定の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0034】
図1を参照して、画像形成装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る画像形成装置10は、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、及びファクシミリ機能等の機能を有し、ユーザから送信された(取得した)印刷データを蓄積する機器である形態について説明する。しかし、これに限定されない。画像形成装置10は、ユーザから送信された印刷データを管理するパーソナルコンピュータ等の端末であってもよい。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、及び通信インターフェース(通信I/F)17を含んで構成されている。CPU11、ROM12、RAM13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、及び通信I/F17の各々はバス19により相互に接続されている。ここで、CPU11は、プロセッサの一例である。
【0036】
CPU11は、画像形成装置10の全体を統括し、制御する。ROM12は、本実施形態で用いる画像形成プログラムを含む各種プログラム及びデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラムの実行時のワークエリアとして用いられるメモリである。CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、印刷データの印刷を制御する処理を行う。ストレージ14は、一例としてHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等である。なお、ストレージ14には、画像形成プログラム等を記憶してもよい。入力部15は、文字の入力等を受け付ける入力キー、及びタッチパネル等である。モニタ16は、画像データ等を表示する。通信I/F17は、印刷データ、及び印刷指示の送受信を行う。
【0037】
次に、図2を参照して、画像形成装置10の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図2に示すように、画像形成装置10は、取得部21、記憶部22、判定部23、及び処理部24を備えている。CPU11が画像形成プログラムを実行することで、取得部21、記憶部22、判定部23、及び処理部24として機能する。
【0039】
取得部21は、ユーザから印刷物の印刷データ、及び蓄積している印刷データを印刷する指示(以下、「印刷指示」という。)を取得する。また、取得部21は、印刷データを取得した場合、印刷データを取得した日時(以下、「取得日時」という。)を取得する。印刷データ、又は印刷指示の取得は、例えば、ユーザが使用する端末から送信された印刷データ、又は印刷指示を受信することにより実現される。
【0040】
なお、本実施形態では、印刷指示を取得した場合、印刷データを印刷する形態について説明する。しかし、これに限定されない。印刷指示に代えて、ユーザを認証することによって、ユーザに係る印刷データを印刷してもよい。例えば、画像形成装置10は、図示しない認証部を備えており、認証部によってユーザが認証された場合、画像形成装置10は、ユーザに係る蓄積された印刷データの印刷を実行する。
【0041】
記憶部22は、取得した印刷データ、及び印刷データに関する情報を印刷対象データベース(以下、「印刷対象DB」という。)30に記憶する。
【0042】
一例として、図3に示すように、印刷対象DB30は、印刷データに関する情報として、ユーザ名、ファイル名、及び取得日時を記憶している。ユーザ名は、印刷データを送信したユーザの名称であり、ファイル名は、印刷データの名称であり、取得日時は、印刷データを受け付け、取得した日時である。
【0043】
記憶部22は、ユーザから印刷データを取得した場合、ユーザ名に、印刷データの名称、及び取得日時を関連付けて印刷対象DB30に記憶する。
【0044】
判定部23は、ユーザから印刷指示を取得した場合、印刷対象DB30からユーザに関する印刷データのファイル名、及び取得日時を取得する。判定部23は、印刷データに係る取得日時が一定期間の範囲内であるか否かを判定する。なお、本実施形態に係る一定期間とは、印刷指示を取得した時点から予め定められた時間(例えば、1日、及び1時間等)まで遡った期間である。しかし、これに限定されない。例えば、当日の9時から17時の間等のユーザに指定された期間であってもよいし、ユーザから取得した印刷データが予め定められた数に達するまでの期間であってもよい。
【0045】
一例として、図4に示すように、判定部23は、ユーザから印刷指示を取得するまでの一定期間に、ユーザから複数の印刷データ31を取得したか否かの判定を行う。例えば、一定期間の期間外に印刷データ31Aを取得した場合、判定部23は、印刷データ31Aを印刷指示に係る印刷の判定の対象にせずに印刷データ31Aの印刷を保留する。
【0046】
一方、一定期間に印刷データ31B、及び印刷データ31Cを取得した場合、判定部23は、印刷データ31B、及び印刷データ31Cを印刷指示に係る印刷の判定の対象にする。なお、以下では、一定期間に取得した印刷データを「判定対象」といい、一定期間の期間外に取得した印刷データを「判定対象外」という。
【0047】
判定部23は、判定対象として、印刷データ31B、及び印刷データ31Cの複数の印刷データが存在する場合、印刷データ31B、及び印刷データ31Cの印刷を保留する。
【0048】
つまり、判定部23は、判定対象となった印刷データが複数存在する場合、印刷データの印刷を保留し、判定対象となった印刷データが1つのみ存在する場合、当該印刷データの印刷を実行する判断をする。
【0049】
なお、本実施形態では、判定対象として、複数の印刷データを取得した場合、印刷指示に係る印刷データの印刷を保留する形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、複数の印刷データが関連するか否かを判定し、複数の印刷データが関連する印刷データである場合、印刷を保留してもよい。
【0050】
処理部24は、判定部23において印刷データを印刷する判断がされた場合、印刷データを印刷する。処理部24は、印刷データの印刷が保留された場合、保留された印刷データの一覧を表示する。また、処理部24は、印刷指示に係る印刷データが、判定対象外のみである場合、判定対象外のみである旨を通知する。例えば、処理部24は、判定対象外と判定された印刷データの数(以下、「文書数」という。)を算出し、文書数を表示する。
【0051】
次に、図5、及び図6を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成処理の一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から画像形成プログラムを読み出し、実行することによって、図5に示す画像形成プログラムが実行される。図5に示す画像形成プログラムは、例えば、印刷データ、及び印刷指示がユーザから入力された場合、画像形成プログラムが実行される。
【0052】
ステップS101において、CPU11は、ユーザから印刷データを取得したか(ユーザの端末から印刷データを受信したか)否かの判定を行う。印刷データを取得した場合(ステップS101:YES)、CPU11は、ステップS102に移行する。一方、印刷データを取得していない場合(ステップS101:NO)、CPU11は、ステップS104に移行する。
【0053】
ステップS102において、CPU11は、印刷データの取得日時を取得する。
【0054】
ステップS103において、CPU11は、印刷データに係るファイル名、及び取得日時をユーザ名に関連付けて、印刷対象DB30に記憶する。
【0055】
ステップS104において、CPU11は、ユーザから印刷指示を取得したか(ユーザの端末から印刷指示を受信したか)否かの判定を行う。印刷指示を取得した場合(ステップS104:YES)、CPU11は、ステップS105に移行する。一方、印刷指示を取得していない場合(ステップS104:NO)、CPU11は、ステップS106に移行する。
【0056】
ステップS105において、CPU11は、印刷指示に係る印刷データの判定処理を行う。判定処理の詳細については、後述する図6において説明する。
【0057】
ステップS106において、CPU11は、画像形成に係る処理を終了するか否かの判定を行う。処理を終了する場合(ステップS106:YES)、CPU11は、処理を終了する。一方、処理を終了しない場合(ステップS106:NO)、CPU11は、ステップS101に移行する。
【0058】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る判定処理について説明する。図6は、本実施形態に係る判定の処理の流れの一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から判定処理プログラムを読み出し、実行することによって、図6に示す判定処理プログラムが実行される。図6に示す判定処理プログラムは、例えば、印刷指示がユーザから入力された場合、判定処理プログラムが実行される。
【0059】
ステップS201において、CPU11は、印刷対象DB30から印刷指示に係る(印刷指示を送信したユーザに関する)印刷データのファイル名、及び取得日時を取得する。
【0060】
ステップS202において、CPU11は、取得日時を用いて、印刷指示を取得するまでの一定期間に取得した印刷データが存在するか否かの判定を行う。一定期間に取得した印刷データが存在する場合(ステップS202:YES)、CPU11は、ステップS206に移行する。一方、一定期間に取得した印刷データが存在しない場合(ステップS202:NO)、CPU11は、ステップS203に移行する。
【0061】
ステップS203において、CPU11は、印刷指示に係る印刷データが存在するか否かの判定を行う。印刷データが存在する場合(ステップS203:YES)、CPU11は、ステップS204に移行する。一方、印刷データが存在しない場合(ステップS203:NO)、CPU11は、ステップS205に移行する。
【0062】
ステップS204において、CPU11は、印刷指示に係る文書数を取得する。
【0063】
ステップS205において、CPU11は、画像形成装置10の操作メニュー画面を表示する。ステップS204において文書数を取得している場合、操作メニュー画面において、文書数を表示して、印刷データが蓄積されている旨を通知する。ステップS204を経由せずにステップS205を実行する場合、CPU11は、特に通知を行わず、操作メニュー画面を表示する。
【0064】
ステップS206において、CPU11は、取得日時を用いて、判定対象が複数存在するか否かの判定を行う。判定対象が複数存在する場合(ステップS206:YES)、CPU11は、ステップS207に移行する。一方、判定対象が複数存在しない(一定期間に取得した印刷データが1つである)場合(ステップS206:NO)、CPU11は、ステップS208に移行する。
【0065】
ステップS207において、CPU11は、判定対象のファイル名の一覧(以下、「文書リスト」という。)を表示する。
【0066】
ステップS208において、CPU11は、印刷指示に係る印刷データを印刷する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、一定期間に蓄積した印刷データを印刷する場合において、複数の印刷データが存在する場合、印刷を保留する。したがって、印刷データの数を考慮しない場合と比較して、不要な印刷データの印刷を抑制することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、一定期間に蓄積した印刷データが複数存在する場合、印刷の実行を保留する形態について説明した。しかし、これに限定されない。印刷データにカラーの印刷データが含まれている場合、及び印刷データのページの総数が予め定められたページ数を超えた場合の少なくとも一方である場合、印刷の実行を保留にしてもよい。
【0069】
また、本実施形態に係る印刷データは、ユーザから取得した印刷データである形態について説明した。しかし、これに限定されない。一度取得した印刷データを保持して再印刷を行う画像形成装置である場合、一度印刷した印刷データを印刷対象に含める、又は除いてもよいし、一度印刷した印刷データを印刷対象に含めるか否かをユーザに選択させてもよい。
【0070】
[第2実施形態]
第1実施形態では、判定対象として、複数の印刷データが存在する場合、印刷を保留する形態について説明した。本実施形態では、判定対象に同一と認められる印刷データが存在する場合、印刷を保留する形態について説明する。
【0071】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10のハードウェア構成(図1参照)、及び画像形成装置10の機能構成(図2参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係る印刷対象DB30の一例(図4参照)、及び画像形成処理の一例を示すフローチャート(図5参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
一例として、図3に示すように、画像形成装置10は、印刷対象DB30を記憶している。本実施形態では、画像形成装置10は、印刷対象DB30からファイル名を取得して、比較することで、同一と認められる印刷データか否かの判定を行う形態について説明する。なお、本実施形態に係る同一と認められる印刷データとは、任意の印刷データが編集されることによって一部の箇所に差異を有することとなった、編集される前後の複数の印刷データである。
【0073】
図3に示すように、印刷データが編集される前後では、印刷データのファイル名は変更されない、又はファイル名の一部のみが変更されて印刷を実行されることがある。したがって、印刷データのファイル名を比較することによって、印刷データが同一であるか否かが判断される。
【0074】
具体的には、ファイル名に付されている拡張子を比較することによって、印刷データの同一性が判定可能である。例えば、ファイル名が同一又は類似であっても、ファイル名に付されている拡張子が異なっている場合、ユーザは意図して拡張子を変更したと、判断できるため、拡張子が異なる印刷データは、同一の印刷データとは認められない。
【0075】
また、拡張子が同一である場合であっても、ファイル名の一致率を比較することによって、印刷データの同一性が判定可能である。例えば、印刷データを編集して、編集前後の各々の印刷データを保持する場合、ファイル名の一部(例えば、ファイル名に付されている版数等)を変更して保存される。そのため、ファイル名の一致率が予め定められた値以上である場合、同一の印刷データであると認められる。例えば、一致率が50パーセント以上である場合、同一のデータであると認められる。そこで、本実施形態では、ファイル名の拡張子、及びファイル名を用いて、印刷データの同一性を判定し、印刷データの印刷を実行するか保留するかの判定を行う形態について説明する。
【0076】
図7、及び図8を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0077】
まず、図7を参照して、本実施形態に係る判定処理について説明する。図7は、本実施形態に係る判定の処理の流れの一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から判定処理プログラムを読み出し、実行することによって、図7に示す判定処理プログラムが実行される。図7に示す判定処理プログラムは、例えば、印刷指示がユーザから入力された場合、判定処理プログラムが実行される。なお、図7における図6に示す判定の処理と同一のステップについては、図6と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
ステップS209において、CPU11は、判定対象が複数存在するか否かの判定を行う。判定対象が複数存在する場合(ステップS209:YES)、CPU11は、ステップS210に移行する。一方、判定対象が複数存在しない(判定対象が1つである)場合(ステップS209:NO)、CPU11は、ステップS208に移行する。
【0079】
ステップS210において、CPU11は、判定対象に対して、印刷する印刷データ(以下、「印刷対象」という。)であるか否かを判定する印刷対象判定処理を実行する。印刷対象判定処理の詳細については、後述する図8において説明する。
【0080】
ステップS211において、CPU11は、印刷対象に設定された印刷データを印刷する。
【0081】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る印刷対象判定処理について説明する。図8は、本実施形態に係る印刷対象判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から印刷対象判定処理プログラムを読み出し、実行することによって、図8に示す印刷対象判定処理プログラムが実行される。図8に示す印刷対象判定処理プログラムは、例えば、印刷指示がユーザから入力され、かつ印刷指示に係る印刷データが複数存在する場合、印刷対象判定処理プログラムが実行される。
【0082】
ステップS301において、CPU11は、判定対象の印刷データのうち、1つの印刷データのファイル名を取得する。
【0083】
ステップS302において、CPU11は、判定対象のうちに、取得したファイル名と拡張子が同一である印刷データが存在するか否かの判定を行う。拡張子が同一である印刷データが存在する場合(ステップS302:YES)、CPU11は、ステップS304に移行する。一方、拡張子が同一である印刷データが存在しない場合(ステップS302:NO)、CPU11は、ステップS303に移行する。
【0084】
ステップS303において、CPU11は、取得したファイル名に係る印刷データを印刷対象に設定する。
【0085】
ステップS304において、CPU11は、拡張子が同一である印刷データのファイル名と、取得したファイル名と、を比較し、一致する文字数を取得する。
【0086】
ステップS305において、CPU11は、一致する文字数が1以上である印刷データが存在するか否かの判定を行う。一致する文字数が1以上である印刷データが存在する場合(ステップS305:YES)、CPU11は、ステップS306に移行する。一方、一致する文字数が1以上である印刷データが存在しない場合(ステップS305:NO)、CPU11は、ステップS303に移行する。
【0087】
ステップS306において、CPU11は、一致する文字数が1以上である印刷データにおいて、一致率が予め定められた値以上か否かの判定を行う。一致率が予め定められた値以上である場合(ステップS306:YES)、CPU11は、ステップS307に移行する。一方、一致率が予め定められた値以上でない(一致率が予め定められた値未満である)場合(ステップS306:NO)、CPU11は、ステップS303に移行する。ここで、一致率は、一致する文字数に、取得したファイル名の文字数を除算して導出される。
【0088】
ステップS307において、CPU11は、拡張子が同一、かつファイル名の一致率が予め定められた値以上であるファイル名に係る印刷データを、同一の印刷データであると判定して、記憶する。
【0089】
ステップS308において、CPU11は、全ての判定対象に対して、判定処理を行ったか否かの判定を行う。全ての判定対象に対して、判定処理を行った場合(ステップS308:YES)、CPU11は、ステップS309に移行する。一方、全ての判定対象に対して、判定処理を行っていない場合(ステップS308:NO)、CPU11は、ステップS301に移行する。
【0090】
ステップS309において、CPU11は、同一の印刷データと判定された印刷データが存在するか否かの判定を行う。同一の印刷データと判定された印刷データが存在する場合(ステップS309:YES)、CPU11は、ステップS310に移行する。一方、同一の印刷データと判定された印刷データが存在しない場合(ステップS309:NO)、CPU11は、印刷対象判定処理を終了する。
【0091】
ステップS310において、CPU11は、同一の印刷データと判定された印刷データに係る取得日時を取得する。
【0092】
ステップS311において、CPU11は、同一の印刷データと判定された印刷データうち、取得日時が最新の日時である印刷データを印刷対象に設定する。
【0093】
ステップS312において、CPU11は、同一の印刷データと判定された印刷データの印刷が保留されている旨を通知する。
【0094】
なお、本実施形態では、印刷データのファイル名を比較することで、印刷データの同一性を判定する形態について説明した。しかし、これに限定されない。画像を比較してもよい。例えば、判定対象である印刷データが複数存在する場合において、印刷データを用いて画像を生成し、各々の画像の一致率を導出し、一致率が予め定められた値以上である場合、同一の印刷データであると判定してもよい。
【0095】
また、本実施形態では、ファイル名の一致率を用いて、同一の印刷データと認められるか否かを判定する形態について説明した。しかし、これに限定されない。一致する文字数を用いてもよい。例えば、一致する文字数が予め定められた数以上の場合、同一の印刷データとしてもよいし、不一致である文字数が予め定められた数以下の場合、同一の印刷データとしてもよいし、先頭から予め定められた文字数が一致した場合、同一の印刷データとしてもよい。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、一定期間に蓄積した印刷データが複数存在する場合においても、印刷データの同一性、及び取得日時を判定して、印刷が実行される。したがって、同一であると認められた印刷データのうち、取得日時が最新の印刷データ以外の印刷データの印刷が保留され、不要な印刷が抑制される。
【0097】
以上、各実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0098】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、例えばCPU等の汎用的なプロセッサや、例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びプログラマブル論理デバイス等の専用のプロセッサを含むものである。
【0099】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0100】
また、本実施形態では、画像形成プログラムがストレージ14にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る画像形成プログラムを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本発明に係る画像形成プログラムを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。本発明に係る画像形成プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る画像形成プログラムを、通信I/F17に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 画像形成装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ストレージ
15 入力部
16 モニタ
17 通信I/F
19 バス
21 取得部
22 記憶部
23 判定部
24 処理部
30 印刷対象データベース
31A、31B、31C 印刷データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8