(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】入場監視装置、及び入場監視方法
(51)【国際特許分類】
G07C 9/20 20200101AFI20240611BHJP
【FI】
G07C9/20
(21)【出願番号】P 2020121771
(22)【出願日】2020-07-16
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【氏名又は名称】秦 恵子
(73)【特許権者】
【識別番号】711004506
【氏名又は名称】トーヨーケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健二郎
(72)【発明者】
【氏名】池上 智紀
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-261159(JP,A)
【文献】特開2007-272842(JP,A)
【文献】特開2010-218383(JP,A)
【文献】特開2007-233692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00 - 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入り口を通過して所定の領域に入場する人の入場データである第1のデータを取得するデータ取得部と、
前記入り口に設けられ、前記入り口を通過する人の足を検出する床センサと、
前記入り口における前記人の入場の状態を監視する監視部と、を備え、
前記データ取得部で取得された前記第1のデータには、前記人が前記所定の領域に入場した時刻と前記人の識別情報とが含まれており、
前記床センサで検出された前記人の足に関するデータである第2のデータには、前記床センサにおける前記人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とが含まれており、
前記監視部は、
前記第1のデータと、当該第1のデータの時刻が前記第2のデータの前記検出開始時刻から前記検出終了時刻までの間に含まれる第2のデータと、を用いて、前記入り口における前記人の入場の状態を監視する、
入場監視装置。
【請求項2】
前記監視部は、
前記第2のデータを用いて、前記入り口を通過した人数を算出し、
所定の時間における前記第1のデータに基づく人数が、前記所定の時間において前記第2のデータに基づき算出された人数と異なる場合、異常であると判定する、
請求項1に記載の入場監視装置。
【請求項3】
前記入り口は出入口として使用可能に構成されており、
前記データ取得部は、前記出入口を通過して前記所定の領域から外部へと退場する人の退場データを前記第1のデータとして更に取得可能に構成されており、
前記床センサは、前記出入口を通過する人の足を検出可能に構成されており、
前記監視部は、前記データ取得部で取得された前記第1のデータと、前記床センサで検出された前記人の足に関するデータである第2のデータと、を用いて、前記出入口における前記人の退場の状態を監視する、
請求項1
または2に記載の入場監視装置。
【請求項4】
前記第2のデータには、前記床センサを通過した人の移動方向に関する情報が含まれており、
前記監視部は、前記第2のデータに含まれる前記人の移動方向に関するデータを更に用いて、前記出入口における前記人の退場の状態を監視する、
請求項
3に記載の入場監視装置。
【請求項5】
前記入り口にはドアが設けられており、
前記床センサは、前記ドアを基準として前記所定の領域側および外側の少なくとも一方に設けられている、
請求項1~
4のいずれか一項に記載の入場監視装置。
【請求項6】
前記データ取得部は、前記入り口とは別に設けられた出口を通過して前記所定の領域から外部へと退場する人の退場データを第3のデータとして取得可能に構成されており、
前記出口には、前記出口を通過する人の足を検出する出口側床センサが設けられており、
前記監視部は、前記データ取得部で取得された前記第3のデータと、前記出口側床センサで検出された前記人の足に関するデータである第4のデータと、を用いて、前記出口における前記人の退場の状態を監視する、
請求項1
または2に記載の入場監視装置。
【請求項7】
前記監視部において異常と判定された場合に異常を報知する報知部を更に備える、請求項1~
6のいずれか一項に記載の入場監視装置。
【請求項8】
前記入り口を通過する人を撮像可能な撮像部と、
前記撮像部で撮像された映像を表示可能なディスプレイと、を更に備え、
前記監視部は、前記入り口における前記人の入場の状態が異常であると判定した場合、当該異常と判定された時刻に対応する映像を前記ディスプレイに表示する、
請求項1~
7のいずれか一項に記載の入場監視装置。
【請求項9】
入り口を通過して所定の領域に入場する人の入場データである第1のデータを取得するステップと、
前記入り口に設けられた床センサを用いて、前記入り口を通過する人の足を検出するステップと、
前記入り口における前記人の入場の状態を監視するステップと、を備え、
前記取得された第1のデータには、前記人が前記所定の領域に入場した時刻と前記人の識別情報とが含まれており、
前記床センサで検出された前記人の足に関するデータである第2のデータには、前記床センサにおける前記人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とが含まれており、
前記監視するステップは、
前記第1のデータと、当該第1のデータの時刻が前記第2のデータの前記検出開始時刻から前記検出終了時刻までの間に含まれる第2のデータと、を用いて、前記入り口における前記人の入場の状態を監視する、
入場監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入場監視装置、及び入場監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティの向上を目的として、ICカードを用いた入室管理システムの開発が進められている。特許文献1には、ICカードを用いた入室管理装置に関する技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術では、カードリーダによって読取られたICカードの個人データが解錠許可データの個人データに一致した場合に電気錠を解錠している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術では、カードリーダによって読取られたICカードの個人データが解錠許可データの個人データに一致した場合に電気錠を解錠している。しかしながら、このようなシステムでは、例えば、ICカードの所有者が電気錠を解錠した際に、ICカードの所有者とICカードを所有しない者とが共にドアを通過する共連れ等の不正な入場が起こる場合がある。
【0005】
上記課題に鑑み本発明の目的は、不正な入場を監視することが可能な入場監視装置、及び入場監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる入場監視装置は、入り口を通過して所定の領域に入場する人の入場データである第1のデータを取得するデータ取得部と、前記入り口に設けられ、前記入り口を通過する人の足を検出する床センサと、前記入り口における前記人の入場の状態を監視する監視部と、を備える。前記監視部は、前記データ取得部で取得された前記第1のデータと、前記床センサで検出された前記人の足に関するデータである第2のデータと、を用いて、前記入り口における前記人の入場の状態を監視する。
【0007】
本発明の一態様にかかる入場監視方法は、入り口を通過して所定の領域に入場する人の入場データである第1のデータを取得するステップと、前記入り口に設けられた床センサを用いて、前記入り口を通過する人の足を検出するステップと、前記入り口における前記人の入場の状態を監視するステップと、を備える。前記監視するステップは、前記取得された第1のデータと、前記床センサで検出された前記人の足に関するデータである第2のデータと、を用いて、前記入り口における前記人の入場の状態を監視する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、不正な入場を監視することが可能な入場監視装置、及び入場監視方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するためのブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図3】実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図4】実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図5】実施の形態1にかかる入場監視装置のデータ例を説明するための図である。
【
図6】実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図7】実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図8】実施の形態2にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図9】実施の形態2にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図10】実施の形態2にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図11】実施の形態2にかかる入場監視装置のデータ例を説明するための図である。
【
図12】実施の形態3にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図13】実施の形態3にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図14】実施の形態3にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
【
図15】その他の実施の形態にかかる入場監視装置を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる入場監視装置1は、データ取得部11、床センサ12、監視部13、及び報知部14を備える。
【0011】
図2は、実施の形態1にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる入場監視装置は、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の状態を監視する装置である。入り口21には、ドア22が設けられている。
図1に示す本実施の形態にかかる入場監視装置1は、
図2に示すような入場監視が必要な場所に組み込まれている。なお、所定の領域20は、例えば、ビル等のセキュリティが必要な領域、駅構内、スポーツジム等の有料商業施設の内部、製造現場や工事現場等の危険エリア、病院、福祉施設等であるが、これらに限定されることはない。
【0012】
図1に示すデータ取得部11は、入り口21(
図2)を通過して所定の領域20に入場する人の入場データである第1のデータを取得する。例えば、データ取得部11は、ICカード15のデータを読み取り可能なカードリーダである。ICカード15には、ICカード15の所有者の識別情報が含まれている。データ取得部11は、ICカード15がかざされると、ICカード15の所有者の識別情報とICカード15がかざされた時刻の情報とを取得する。これにより、データ取得部11は、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の入場データ(第1のデータ)として、人が所定の領域20に入場した時刻に関する情報と人の識別情報とを取得する(
図5参照)。以下では、第1のデータを「ICカードデータ」とも記載する。
【0013】
なお、本実施の形態においてデータ取得部11は、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の入場データ(第1のデータ)を取得可能であれば、どのようなものを用いてもよい。例えば、ICカード15の代わりに、所有者の識別情報が含まれたバーコードを用いてもよい。この場合は、データ取得部11としてバーコード読み取り装置を用いることができる。例えば、バーコードは、所有者のスマートフォンのディスプレイに表示させてもよい。また、データ取得部11は、顔認証、指紋認証、静脈認証などを用いて、入場する人の入場データを取得してもよい。また、データ取得部11は、入場する人の認証情報を送信し、外部や遠隔から施錠を制御できる入退管理システム(いわゆるスマートロック)であってもよい。
【0014】
床センサ12は、所定の領域20の入り口21に設けられており、入り口21を通過する人の足31_1~31_4(
図3参照)を検出する。本実施の形態にかかる入場監視装置1では、床センサ12を用いることで、第2のデータを取得することができる。第2のデータは、床センサ12で検出された人の足に関するデータである。例えば、第2のデータには、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とが含まれている(
図5参照)。以下では、第2のデータを「床センサデータ」とも記載する。
【0015】
床センサ12は、例えば、荷重を検出する複数の検出セルが行方向及び列方向にマトリックス状に配置されたセンサパネルを用いて構成することができる。なお、このようなセンサパネルは、特開2019-060622号公報に開示されている。また、床センサ12として、圧電素子を用いた感圧シートや、静電容量検出素子を用いた静電容量センサを用いてもよい。
【0016】
床センサ12を設ける場所は、所定の領域20の入り口21近傍であれば特に限定されることはない。例えば、床センサ12は、ドア22を基準として所定の領域20側および外側の少なくとも一方に設けてもよい。具体的には、
図2に示すように、所定の領域20の外側に床センサ12を設けてもよい。また、
図6に示すように、所定の領域20の外側に床センサ12_1を設けるとともに、所定の領域20側にも床センサ12_2を設けてもよい。また、
図7に示すように、所定の領域20側のみに床センサ12_2を設けてもよい。
【0017】
図1に示す監視部13は、入り口21における人の入場の状態を監視する。つまり、監視部13は、データ取得部11で取得された第1のデータ(ICカードデータ)と、床センサ12で検出された人の足に関するデータである第2のデータ(床センサデータ)と、を用いて、入り口21における人の入場の状態を監視する。
【0018】
具体的には、監視部13は、床センサデータを用いて、入り口21を通過した人数を算出し、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と同一である場合、正常であると判定する。一方、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と異なる場合、異常であると判定する。
【0019】
ここで、ICカードデータには、人が所定の領域20に入場した時刻と人の識別情報とが含まれており、床センサデータには、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とが含まれている。よって、監視部13は、ICカードデータと、当該ICカードデータの時刻が床センサデータの検出開始時刻から検出終了時刻までの間に含まれる床センサデータと、を用いることで、入り口21における人の入場の状態を監視することができる。
【0020】
なお、床センサデータに基づいて人数を算出する際は、検出された人の足をグルーピングすることで人数を求めることができる。例えば、互いの距離が所定の範囲内にある2つの足のデータをグルーピングし、当該グルーピングした足の対の数を求めることで人数を求めることができる。具体的には、
図3に示すように、人の右足31_1と左足31_2とをグルーピングすることで、人数を求めることができる。
【0021】
図1に示す報知部14は、監視部13において異常と判定された場合に異常を報知する。報知部14は、例えば、警告音を発生するスピーカ、警告メッセージを表示するディスプレイ、警告光を発光する発光手段等を用いて構成することができる。また、報知部14は、監視部13における判定情報を外部システムや遠隔に送信する通信機能を備えていてもよい。
【0022】
次に、本実施の形態にかかる入場監視装置1の動作について、
図3~
図5を用いて説明する。
【0023】
まず、正常な場合の動作について説明する。
図3に示すように、人が入り口21を通過して所定の領域20に入場する際、人が所持している自身のICカード15をデータ取得部11にかざす。これにより、データ取得部11は、ICカード15の所有者の識別情報と、人がICカード15をデータ取得部11にかざした時刻とを取得する。具体的には、
図5に示すように、データ取得部11は、時刻情報である「2020/03/01 21:04:53」と、識別情報(IDNo.)である「1000」とをICカードデータとして取得する。
【0024】
監視部13は、ICカード15の所有者の識別情報(「1000」)が、所定の領域20への入場が許可されている者の識別情報に該当する場合、ドア22の電気錠を解錠する。これにより、ICカード15の所有者は、所定の領域20へと入場する。
【0025】
また、床センサ12は、人が入り口21を通過して所定の領域20に入場する際、入り口21を通過する人の足31_1~31_4を検出する。このとき、床センサ12は、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とを床センサデータとして検出する。具体的には、
図5に示すように、検出開始時刻である「2020/03/01 21:04:51」と、検出終了時刻である「2020/03/01 21:05:01」と、検出No.である「001」と、を床センサデータとして取得する。
【0026】
また、監視部13は、床センサデータを用いて、入り口21を通過した人数を算出する。
図3に示す例では、足31_1~31_4は同一人物の足であるので、入り口21を通過した人数は1人である。そして、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数と、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数とを比較し、これらの比較結果に基づいて異常であるか否かを判定する。
図3に示す場合は、ICカードデータに基づく人数は1人であり、床センサデータに基づき算出された人数は1人であるので、監視部13は正常であると判定する。
【0027】
つまり、監視部13は、ICカードデータの時刻情報「2020/03/01 21:04:53」が、検出No.「001」の床センサデータの検出開始時刻「2020/03/01 21:04:51」と検出終了時刻「2020/03/01 21:05:01」との間に含まれているので、入り口21を通過した人数が1人であると判断し、正常であると判断する。なお、床センサデータの各検出No.に対応するデータは、一人当たりのデータに対応している。
【0028】
次に、異常な場合の動作について説明する。
図4に示すように、人32が入り口21を通過して所定の領域20に入場する際、人32が所持している自身のICカード15をデータ取得部11にかざす。これにより、データ取得部11は、ICカード15の所有者の識別情報と、人32がICカード15をデータ取得部11にかざした時刻とを取得する。具体的には、
図5に示すように、データ取得部11は、時刻情報である「2020/03/01 21:07:30」と、識別情報(IDNo.)である「2000」とをICカードデータとして取得する。
【0029】
監視部13は、ICカード15の所有者(人32)の識別情報(「2000」)が、所定の領域20への入場が許可されている者の識別情報に該当する場合、ドア22の電気錠を解錠する。これにより、ICカード15の所有者(人32)は、所定の領域20へと入場する。
【0030】
また、床センサ12は、人32が入り口21を通過して所定の領域20に入場する際、入り口21を通過する人32の足を検出する。このとき、床センサ12は、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とを床センサデータとして検出する。具体的には、
図5に示すように、検出開始時刻である「2020/03/01 21:07:26」と、検出終了時刻である「2020/03/01 21:07:40」と、検出No.である「002」と、を床センサデータとして取得する。
【0031】
更に、
図4に示す場合は、床センサ12は、人32が入り口21を通過して所定の領域20に入場する際、別の人物である人33が入り口21を通過することを検出する。この場合も、床センサ12は、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とを床センサデータとして検出する。具体的には、
図5に示すように、検出開始時刻である「2020/03/01 21:07:28」と、検出終了時刻である「2020/03/01 21:07:42」と、検出No.である「003」と、を床センサデータとして取得する。
【0032】
監視部13は、床センサデータを用いて、入り口21を通過した人数を算出する。
図4に示す例では、人32の足と人33の足は別人物の足であるので、入り口21を通過した人数は2人である。つまり、
図4に示す場合は、人32が入場した後に続けて人33が入場しており、いわゆる共連れの状態である。
【0033】
そして、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数と、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数とを比較し、これらの比較結果に基づいて異常であるか否かを判定する。
図4に示す場合は、ICカードデータに基づく人数は1人であり、床センサデータに基づき算出された人数は2人であるので、監視部13は異常であると判定する。
【0034】
つまり、監視部13は、ICカードデータの時刻情報「2020/03/01 21:07:30」が、検出No.「002」の床センサデータの検出開始時刻「2020/03/01 21:07:26」と検出終了時刻「2020/03/01 21:07:40」との間、及び検出No.「003」の床センサデータの検出開始時刻「2020/03/01 21:07:28」と検出終了時刻「2020/03/01 21:07:42」との間に含まれているので、入り口21を通過した人数が2人であると判断し、異常であると判断する。なお、床センサデータの各検出No.に対応するデータは、一人当たりのデータに対応している。
【0035】
図1に示す報知部14は、監視部13において異常と判定された場合に異常を報知する。報知部14は、例えば、警告音を発生するスピーカ、警告メッセージを表示するディスプレイ、警告光を発光する発光手段等を用いて構成することができる。
【0036】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる入場監視装置では、データ取得部11を用いて、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の入場データである第1のデータを取得している。また、床センサ12を用いて、入り口21を通過する人の足を検出している。そして、監視部13は、データ取得部11で取得された第1のデータと、床センサ12で検出された人の足に関するデータである第2のデータと、を用いて、入り口における人の入場の状態を監視している。
【0037】
このように、本実施の形態では、データ取得部11を用いて取得した第1のデータと、床センサ12を用いて取得した第2のデータとを用いて、入り口21における人の入場の状態を監視している。したがって、例えば、ICカードの所有者が電気錠を解錠した際に、ICカードの所有者とICカードを所有しない者とが共にドアを通過する共連れ等の不正な入場を検出することができる。よって、不正な入場を監視することが可能な入場監視装置、及び入場監視方法を提供することができる。
【0038】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、入場監視に加えて退場監視も実施可能な入場監視装置について説明する。なお、実施の形態2にかかる入場監視装置の基本的な構成は、実施の形態1で説明した入場監視装置1(
図1参照)と同様であるので、重複した説明は適宜省略する。
【0039】
図8は、実施の形態2にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
図8に示すように、本実施の形態にかかる入場監視装置は、出入口23を通過して所定の領域20に入場する人の状態(
図10参照)、及び出入口23を通過して所定の領域20から外部へと退場する人の状態(
図8参照)を監視する装置である。すなわち、本実施の形態では実施の形態1で説明した入り口21が出入口23として使用可能に構成されている。
【0040】
図8に示すように、データ取得部11_1、11_2は、ICカード15のデータを読み取り可能なカードリーダである。データ取得部11_1は、所定の領域20の外側に設けられており、人が所定の領域20に入場する際にICカード15のデータを読み取るカードリーダである(
図10参照)。データ取得部11_2は、所定の領域20の内側に設けられており、人が所定の領域20から外部へと退場する際にICカード15のデータを読み取るカードリーダである(
図8参照)。なお、データ取得部11_1、11_2は、
図1に示すブロック図のデータ取得部11に対応している。
【0041】
データ取得部11_1は、出入口23を通過して所定の領域20に入場する人の入場データである第1のデータを取得する。更にデータ取得部11_2は、出入口23を通過して所定の領域20から外部へと退場する人の退場データを第1のデータとして取得可能に構成されている。ICカード15には、ICカード15の所有者の識別情報が含まれている。
【0042】
データ取得部11_1、11_2は、ICカード15がかざされると、ICカード15の所有者の識別情報とICカード15がかざされた時刻の情報とを取得する。よって、データ取得部11_1は、出入口23を通過して所定の領域20に入場する人の入場データ(第1のデータ)として、人が所定の領域20に入場した時刻に関する情報、人の識別情報、及び入退場の種別(入場)を取得する。また、データ取得部11_2は、出入口23を通過して所定の領域20から外部に退場する人の退場データ(第1のデータ)として、人が所定の領域20から退場した時刻に関する情報、人の識別情報、及び入退場の種別(退場)を取得する(
図11参照)。
【0043】
床センサ12は、所定の領域20の出入口23に設けられており、出入口23を通過する人の足35_1~35_4を検出する。
図8に示す例では、人が所定の領域20から外部へと退場する際の状態を示しており、退場する人の足35_1~35_4を床センサ12が検出している例を示している。
【0044】
図9は、本実施の形態にかかる入場監視装置を説明するための上面図であり、床センサ12を詳細に説明するための上面図である。本実施の形態にかかる入場監視装置において、床センサ12は、床センサ12を通過した人の移動方向を検出可能に構成されている。すなわち、床センサ12を用いて取得される床センサデータ(第2のデータ)には、床センサ12における人の足の検出開始時刻および検出終了時刻に加えて、床センサ12を通過した人の移動方向に関する情報が含まれている(
図11参照)。
【0045】
図9に示すように、床センサ12(床センサデータ)を用いて人の移動方向を求める際は、互いの距離が所定の範囲内にある2つの足のデータをグルーピングし、当該グルーピングした人の足を継続的に追跡することで人の移動方向を求めることができる。例えば、
図9に示すように、グルーピングした足データ36_1とグルーピングした足データ36_2は、入場の方向に経時的に移動しているので、足データ36_1、36_2に対応する人は入場の方向に移動していると判断することができる。一方、グルーピングした足データ37_1とグルーピングした足データ37_2は、退場の方向に経時的に移動しているので、足データ37_1、37_2に対応する人は退場の方向に移動していると判断することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、床センサ12が人の足を検出した際の足の重心の移動方向を用いて、人の移動方向を求めてもよい。つまり、人が歩く際、人の足は踵からつま先の順に床に接するが、このときの足の重心の移動方向を床センサ12で検出することで、人の移動方向を求めてもよい。
【0047】
本実施の形態において監視部13(
図1参照)は、出入口23における人の入場および退場の状態を監視する。つまり、監視部13は、データ取得部11_1、11_2で取得されたICカードデータ(第1のデータ)と、床センサ12で検出された人の足に関するデータである床センサデータ(第2のデータ)と、を用いて、出入口23における人の入場および退場の状態を監視する。このとき監視部13は、床センサデータに含まれる人の移動方向に関するデータを更に用いて、出入口23における人の入場および退場の状態を監視する。
【0048】
具体的には、監視部13は、床センサデータを用いて、出入口23を通過した人数を算出し、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と同一である場合、正常であると判定する。一方、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と異なる場合、異常であると判定する。このとき監視部13は、ICカードデータに含まれる人の移動方向に関するデータと、床センサデータに含まれる人の移動方向に関するデータと、が一致するデータを用いて、出入口23における人の入場および退場の状態を監視する。
【0049】
次に、本実施の形態にかかる入場監視装置の動作について、
図8、
図10、
図11を用いて説明する。まず、正常な場合の動作について説明する。なお、以下では、人が出入口23を通過して所定の領域20から外部に退場する際の動作を用いて、正常な場合の動作について説明する。
【0050】
図8に示すように、人が出入口23を通過して所定の領域20から外部に退場する際、人が所持している自身のICカード15をデータ取得部11_2にかざす。これにより、データ取得部11_2は、ICカード15の所有者の識別情報と、人がICカード15をデータ取得部11_2にかざした時刻とを取得する。また、この場合は、データ取得部11_2にICカード15がかざされたので、ICカードデータの入退場の種別は「退場」となる。具体的には、
図11に示すように、データ取得部11_2は、時刻情報である「2020/03/01 21:04:49」と、識別情報(IDNo.)である「1000」と、入退場の種別である「退場」と、をICカードデータとして取得する。
【0051】
監視部13は、ICカード15の所有者の識別情報(「1000」)が、所定の領域20から外部へ退場することが許可されている者の識別情報に該当する場合、ドア22の電気錠を解錠する。これにより、ICカード15の所有者は、所定の領域20から外部へと退場する。
【0052】
また、床センサ12は、人が出入口23を通過して所定の領域20から外部へと退場する際、出入口23を通過する人の足35_1~35_4を検出する。このとき、床センサ12は、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とを床センサデータとして検出する。更に床センサ12は、床センサ12を通過した人の移動方向に関する情報(入退場の種別)を取得する(
図8参照)。具体的には、
図11に示すように、検出開始時刻である「2020/03/01 21:04:51」と、検出終了時刻である「2020/03/01 21:05:01」と、検出No.である「001」と、入退場の種別である「退場」と、を床センサデータとして取得する。
【0053】
また、監視部13は、床センサデータを用いて、出入口23を通過した人数を算出する。
図8に示す例では、足35_1~35_4は同一人物の足であるので、出入口23を通過した人数は1人である。そして、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数と、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数とを比較し、これらの比較結果に基づいて異常であるか否かを判定する。
図8に示す場合は、ICカードデータに基づく人数は1人であり、床センサデータに基づき算出された人数は1人であり、また、ICカードデータの人の移動方向(退場)と床センサデータの人の移動方向(退場)とが一致しているので、監視部13は正常であると判定する。
【0054】
つまり、監視部13は、ICカードデータの時刻情報「2020/03/01 21:04:49」から一定時間以内(例えば、5秒以内)に床センサ12が検出を開始しており(検出開始時刻「2020/03/01 21:04:51」)、また、ICカードデータの人の移動方向(退場)と床センサデータの人の移動方向(退場)とが一致しているので、出入口23を退場した人数が1人であると判断し、正常であると判断する。
【0055】
なお、上記説明では一例として、人が出入口23を通過して所定の領域20から外部に退場する際の動作について説明したが、上記正常な場合の動作は、人が出入口23を通過して所定の領域20に入場する際にも同様に適用することができる。
【0056】
次に、
図10を用いて、異常な場合の動作について説明する。以下では、人が出入口23を通過して所定の領域20に入場する際の動作を用いて、異常な場合の動作について説明する。
【0057】
図10に示すように、人38が出入口23を通過して所定の領域20に入場する際、人38が所持している自身のICカード15をデータ取得部11_1にかざす。これにより、データ取得部11_1は、ICカード15の所有者の識別情報と、人38がICカード15をデータ取得部11_1にかざした時刻とを取得する。具体的には、
図11に示すように、データ取得部11_1は、時刻情報である「2020/03/01 21:07:30」と、識別情報(IDNo.)である「2000」と、入退場の種別である「入場」と、をICカードデータとして取得する。
【0058】
監視部13は、ICカード15の所有者(人38)の識別情報(「2000」)が、所定の領域20への入場が許可されている者の識別情報に該当する場合、ドア22の電気錠を解錠する。これにより、ICカード15の所有者(人38)は、所定の領域20へと入場する。
【0059】
また、床センサ12は、人38が出入口23を通過して所定の領域20に入場する際、出入口23を通過する人38の足を検出する。このとき、床センサ12は、床センサ12における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とを床センサデータとして検出する。また、床センサ12は、床センサ12を通過した人の移動方向(入退場の種別)を検出する。具体的には、
図11に示すように、検出開始時刻である「2020/03/01 21:07:26」と、検出終了時刻である「2020/03/01 21:07:40」と、検出No.である「002」と、入退場の種別である「入場」と、を床センサデータとして取得する。
【0060】
更に、
図10に示す場合、床センサ12は、人38が出入口23を通過して所定の領域20に入場する際、別の人物である人39が出入口23を通過することを検出する。この場合も、床センサ12は、床センサ12における人39の足の検出開始時刻と検出終了時刻とを床センサデータとして検出する。また、床センサ12は、床センサ12を通過した人の移動方向(入退場の種別)を検出する。具体的には、
図11に示すように、検出開始時刻である「2020/03/01 21:07:28」と、検出終了時刻である「2020/03/01 21:07:42」と、検出No.である「003」と、入退場の種別である「入場」と、を床センサデータとして取得する。
【0061】
監視部13は、床センサデータを用いて、出入口23を通過した人数を算出する。
図10に示す例では、人38の足と人39の足は別人物の足であるので、出入口23を通過した人数は2人である。つまり、
図10に示す場合は、人38が入場した後に続けて人39が入場しており、いわゆる共連れの状態である。
【0062】
そして、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数と、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数とを比較し、これらの比較結果に基づいて異常であるか否かを判定する。このとき、監視部13は、ICカードデータの人の移動方向(入場)と床センサデータの人の移動方向(入場)とが一致しているデータを用いて、異常であるか否かを判定する。
図10に示す場合は、ICカードデータに基づく人数は1人であり、床センサデータに基づき算出された人数は2人であるので、監視部13は異常であると判定する。
【0063】
つまり、監視部13は、ICカードデータの時刻情報「2020/03/01 21:07:30」が、検出No.「002」の床センサデータの検出開始時刻「2020/03/01 21:07:26」と検出終了時刻「2020/03/01 21:07:40」との間、及び検出No.「003」の床センサデータの検出開始時刻「2020/03/01 21:07:28」と検出終了時刻「2020/03/01 21:07:42」との間に含まれているので、出入口23を通過した人数が2人であると判断し、異常であると判断する。このとき監視部13は、ICカードデータの人の移動方向(入場)と床センサデータの人の移動方向(入場)とが一致しているデータを用いて、異常であるか否かを判定する。なお、床センサデータの各検出No.に対応するデータは、一人当たりのデータに対応している。
【0064】
図1に示す報知部14は、監視部13において異常と判定された場合に異常を報知する。報知部14は、例えば、警告音を発生するスピーカ、警告メッセージを表示するディスプレイ、警告光を発光する発光手段等を用いて構成することができる。
【0065】
以上で説明した本実施の形態にかかる発明では、入場監視に加えて退場監視も実施することができる。
【0066】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、入場監視に加えて退場監視も実施可能な入場監視装置について説明する。なお、実施の形態3にかかる入場監視装置の基本的な構成は、実施の形態1で説明した入場監視装置1(
図1参照)と同様であるので、重複した説明は適宜省略する。
【0067】
図12は、実施の形態3にかかる入場監視装置を説明するための上面図である。
図12に示すように、本実施の形態にかかる入場監視装置は、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の状態(
図13参照)、及び出口24を通過して所定の領域20から外部へと退場する人の状態(
図14参照)を監視する装置である。すなわち、本実施の形態は、実施の形態1で説明した構成に出口24を追加した構成である。
【0068】
図12に示すように、データ取得部11_1、11_2は、ICカード15のデータを読み取り可能なカードリーダである。データ取得部11_1は、所定の領域20の外側に設けられており、人が所定の領域20に入場する際にICカード15のデータを読み取るカードリーダである。データ取得部11_2は、所定の領域20の内側に設けられており、人が所定の領域20から外部へと退場する際にICカード15のデータを読み取るカードリーダである。なお、データ取得部11_1、11_2は、
図1に示すブロック図のデータ取得部11に対応している。
【0069】
データ取得部11_1は、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の入場データである第1のデータを取得する。また、データ取得部11_2は、入り口21とは別に設けられた出口24を通過して所定の領域20から外部へと退場する人の退場データを第3のデータとして取得可能に構成されている。ICカード15には、ICカード15の所有者の識別情報が含まれている。
【0070】
データ取得部11_1、11_2は、ICカード15がかざされると、ICカード15の所有者の識別情報とICカード15がかざされた時刻の情報とを取得する。よって、データ取得部11_1は、入り口21を通過して所定の領域20に入場する人の入場データ(第1のデータ)として、人が所定の領域20に入場した時刻に関する情報、人の識別情報、及び入退場の種別(入場)を取得する。また、データ取得部11_2は、出口24を通過して所定の領域20から外部に退場する人の退場データ(第3のデータ)として、人が所定の領域20から退場した時刻に関する情報、人の識別情報、及び入退場の種別(退場)を取得する。
【0071】
床センサ12_1は、所定の領域20の入り口21に設けられており、入り口21を通過する人の足31_1~31_4(
図13参照)を検出する。本実施の形態にかかる入場監視装置では、床センサ12_1を用いることで、入り口21を通過する人の足に関するデータ(床センサデータ)を取得することができる。例えば、床センサデータには、床センサ12_1における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とが含まれている。また、床センサデータには、入退場の種別(入場)が含まれていてもよい。
【0072】
なお、床センサ12_1を設ける場所は、所定の領域20の入り口21近傍であれば特に限定されることはない。例えば、床センサ12_1は、ドア22_1を基準として所定の領域20側および外側の少なくとも一方に設けてもよい(
図6、
図7参照)。
【0073】
床センサ12_2(出口側床センサ)は、所定の領域20の出口24に設けられており、出口24を通過する人の足35_1~35_4(
図14参照)を検出する。本実施の形態にかかる入場監視装置では、床センサ12_2を用いることで、出口24を通過する人の足に関するデータ(床センサデータ)を取得することができる。例えば、床センサデータには、床センサ12_2における人の足の検出開始時刻と検出終了時刻とが含まれている。また、床センサデータには、入退場の種別(退場)が含まれていてもよい。
【0074】
なお、床センサ12_2を設ける場所は、所定の領域20の出口24近傍であれば特に限定されることはない。例えば、床センサ12_2は、ドア22_2を基準として所定の領域20側および外側の少なくとも一方に設けてもよい(
図6、
図7参照)。
【0075】
本実施の形態において監視部13(
図1参照)は、入り口21および出口24における人の入場および退場の状態を監視する。つまり、監視部13は、データ取得部11_1で取得されたICカードデータ(第1のデータ)と、データ取得部11_2で取得されたICカードデータ(第3のデータ)と、床センサ12_1で検出された人の足に関するデータである床センサデータ(第2のデータ)と、床センサ12_2で検出された人の足に関するデータである床センサデータ(第4のデータ)と、を用いて、入り口21および出口24における人の入場および退場の状態を監視する。このとき監視部13は、床センサデータに含まれる人の移動方向に関するデータを更に用いて、出入口23における人の入場および退場の状態を監視してもよい。
【0076】
具体的には、監視部13は、床センサデータを用いて、入り口21を通過した人数を算出し、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と同一である場合、正常であると判定する。一方、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と異なる場合、異常であると判定する。
【0077】
同様に、監視部13は、床センサデータを用いて、出口24を通過した人数を算出し、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と同一である場合、正常であると判定する。一方、監視部13は、所定の時間におけるICカードデータに基づく人数が、所定の時間において床センサデータに基づき算出された人数と異なる場合、異常であると判定する。
【0078】
なお、実施の形態3にかかる入場監視装置の基本的な動作については、実施の形態1、2で説明した入場監視装置の動作と同様であるので、重複した説明は適宜省略する。
【0079】
以上で説明した本実施の形態にかかる発明では、入場監視に加えて退場監視も実施することができる。
【0080】
<その他の実施の形態>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。
図15は、その他の実施の形態にかかる入場監視装置2を説明するためのブロック図である。
図15に示すように、その他の実施の形態にかかる入場監視装置2は、データ取得部11、床センサ12、監視部13、及び報知部14に加えて、ドアセンサ16、撮像部17、及びディスプレイ18を備えていてもよい。
【0081】
ドアセンサ16は、ドア22(
図2参照)の開閉を検知するセンサである。ドアセンサ16を設けることとで、人がドア22を開けたことを検知することができる。例えば、監視部13は、ICカード15の所有者の識別情報が、所定の領域20への入場が許可されている者の識別情報に該当する場合、ドア22の電気錠を解錠する。しかしながら、ICカード15の所有者は、電気錠が解錠された場合であっても、何らかの理由により所定の領域20に入場しない場合も想定される。本実施の形態では、ドア22の開閉を検知するドアセンサ16を設けることで、人がドア22を開けて所定の領域20に入場したことを確実に検出することができる。
【0082】
また、本実施の形態では、
図15に示すように、撮像部17およびディスプレイ18を備えていてもよい。例えば、撮像部17は、
図2の入り口21を通過する人を撮像可能に構成されている。例えば、撮像部17は監視カメラであり、入り口21を通過する人を継続的に撮像することができる。撮像部17で撮像された映像は、監視部13へと供給される。
【0083】
ディスプレイ18は、撮像部17で撮像された映像を表示するディスプレイである。ディスプレイ18には、撮像部17で撮像された映像が監視部13から供給される。
【0084】
監視部13は、入り口21における人の入場の状態が異常であると判定した場合、当該異常と判定された時刻に対応する映像をディスプレイ18に表示してもよい。このように、異常と判定された時刻に対応する映像をディスプレイ18に選択的に表示した場合は、入り口21を監視している監視者が、全ての映像をディスプレイ18で確認する必要がなくなるので、監視者の負担を軽減することができる。なお、撮像部17は、
図2に示す入り口21以外にも、
図8に示す出入口23、及び
図12に示す出口24に設けてもよい。これにより、出入口23、及び出口24の状態をディスプレイ18で確認することができる。
【0085】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本発明にかかる入場監視装置は、複数の部屋に設けてもよい。このように、複数の部屋に入場監視装置を設けることで、複数の部屋の入場状態(退場状態を含んでもよい)を、入場監視装置を用いて一括で管理することができる。
【0086】
また、例えば、ビルの各部屋にデータ取得部11と床センサ12とを設け、ビルの管理室に監視部13を設けることで、ビルの入場状態(退場状態を含んでもよい)を管理室で一括して管理することができる。また、監視部13をビルから離れた遠隔地に設置した場合は、遠隔地においてビルを一括して管理することができる。また、複数のビルの各部屋にデータ取得部11と床センサ12とを設けた場合は、複数のビルの入場状態(退場状態を含んでもよい)を遠隔地で一括して管理することができる。
【0087】
また、本発明にかかる入場監視装置を用いて、不正入場(不正退場でもよい)のデータを収集することで、所定の場所における不正入場の実態を解明することができる。
【0088】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
1、2 入場監視装置
11 データ取得部
12 床センサ
13 監視部
14 報知部
15 ICカード
16 ドアセンサ
17 撮像部
18 ディスプレイ
20 所定の領域
21 入り口
22 ドア
23 出入口
24 出口
31_1~31_4、35_1~35_4 足
32、33、38、39 人
36_1、36_2、37_1、37_2 足データ