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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】デスク
(51)【国際特許分類】
   A47B 9/00 20060101AFI20240611BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240611BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A47B9/00 Z
A47B13/00 Z
A47B17/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020137507
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2022033547
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】千田 啓資
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】山西 学
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-201740(JP,A)
【文献】特開2019-063315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/00
A47B 13/00
A47B 17/00
A47B 9/14
A47B 21/00
A47B 47/00
A47B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所と第2の取付箇所とを有する脚体と、前記第1、第2の取付箇所のいずれかに選択的に取り付けられる天板と、前記天板が前記第2の取付箇所に取り付けられている状態で前記第1の取付箇所に取り付けられる棚板とを具備してなり、
前記天板又は棚板の上面が、隣接配置又は対面配置された同一構造をなす他のデスクの天板又は棚板の上面と面一に連続し得るように構成されているデスク。
【請求項2】
前記第1の取付箇所に取付けられた前記天板は、使用者が起立姿勢で使用するのに適したハイレベル位置に保持されるものである請求項1記載のデスク。
【請求項3】
前記第2の取付箇所に取付けられた前記天板は、使用者が着座姿勢で使用するのに適したローレベル位置に保持されるものである請求項1記載のデスク。
【請求項4】
前記天板の反使用端側に幕板を垂下させて設けたものであり、前記天板を前記幕板とともに移動させて前記第1の取付箇所及び前記第2の取付箇所のいずれかに取り付けることができるように構成されている請求項1、2又は3記載のデスク。
【請求項5】
前記脚体は、後端面を略鉛直に起立させたものであり、
前記天板と前記幕板との関係が天板勝ちとなっている場合における前記天板の後端、又は前記天板と前記幕板との関係が幕板勝ちとなっている場合における前記幕板の後端が、前記脚体の後端面と略面一となるように構成されている請求項4記載のデスク。
【請求項6】
前記幕板の下端部に前記棚板とは異なったサブ棚板が配されている請求項4又は5記載のデスク。
【請求項7】
前記脚体は、前記天板が前記第1の取付箇所に取り付けられている状態で、前記棚板を前記サブ棚板よりも下方位置に取り付けるための第3の取付箇所を備えている請求項6記載のデスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の高さ位置を変更可能なデスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種のデスクとして、一対の脚体間に連結部材を架設し、連結部材の前面に天板を固設した什器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この什器は、脚体に対する連結部材の取付位置を変更することによって、天板の高さ位置を変更することができるようになっている。しかしながら、かかる什器は複数台を隣接配置して使用するようなことは想定されていない。
【0004】
そのため、このような什器を天板高さを揃えて対面配置したとしても、一方の什器の天板と他方の什器の天板との間には連結部材が障害物として存在することになり、対面配置した場合のメリットの一つ、すなわち、対面配置した天板の上面同士を面一に連続させて使用することができるというメリットを享受することができない。
【0005】
また、かかる什器は、天板と他の什器の棚板との高さ関係についても一切配慮がなされておらず、複数台の什器を隣接配置した場合に雑然としたものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-201740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述したような課題を同時に解消することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係るデスクは、相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所と第2の取付箇所とを有する脚体と、前記第1、第2の取付箇所のいずれかに選択的に取り付けられる天板と、前記天板が前記第2の取付箇所に取り付けられている状態で前記第1の取付箇所に取り付けられる棚板とを具備してなり、前記天板又は棚板の上面が、隣接配置又は対面配置された同一構造をなす他のデスクの天板又は棚板の上面と面一に連続し得るように構成されているものである。
【0009】
ここで、「天板又は棚板の上面が、隣接配置又は対面配置された同一構造をなす他のデスクの天板又は棚板の上面と面一に連続し得る」とは、当該天板又は棚板の上面と他のデスクの天板又は棚板の上面との間に障害物がなくこれらにまたがって物品を載置可能であることを示す概念である。
【0010】
請求項2記載の発明に係るデスクは、請求項1記載のものであって、前記第1の取付箇所に取付けられた前記天板が、使用者が起立姿勢で使用するのに適したハイレベル位置に保持されるものである。
【0011】
請求項3記載の発明に係るデスクは、請求項1記載のものであって、前記第2の取付箇所に取付けられた前記天板は、使用者が着座姿勢で使用するのに適したローレベル位置に保持されるものである。
【0012】
請求項4記載の発明に係るデスクは、請求項1、2又は3記載のものであって、前記天板の反使用端側に幕板を垂下させて設けたものであり、前記天板を前記幕板とともに移動させて前記第1の取付箇所及び前記第2の取付箇所のいずれかに取り付けることができるように構成されているものである。
【0013】
請求項5記載の発明に係るデスクは、請求項4記載のものであって、前記脚体は、後端面を略鉛直に起立させたものであり、前記天板と前記幕板との関係が天板勝ちとなっている場合における前記天板の後端、又は前記天板と前記幕板との関係が幕板勝ちとなっている場合における前記幕板の後端が、前記脚体の後端面と略面一となるように構成されているものである。
【0014】
請求項6記載の発明に係るデスクは、請求項4又は5記載のものであって、前記幕板の下端部に前記棚板とは異なったサブ棚板が配されているものである。
【0015】
請求項7記載の発明に係るデスクは、請求項6記載のものであって、前記脚体は、前記天板が前記第1の取付箇所に取り付けられている状態で、前記棚板を前記サブ棚板よりも下方位置に取り付けるための第3の取付箇所を備えているものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、天板の高さ位置を変更して使用姿勢の多様化を図ることができるだけでなく、同一構造をなす他のデスクに隣接させて配置した場合に天板の上面同士あるいは天板と棚板の上面同士を面一に連続させることができる。そのため、それらの上面を広く有効に使用することが可能になるとともに、外観も整然としたものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態1に係るデスクを示す斜視図。
図2】同実施形態に係るデスクを示す中央側断面図。
図3】同実施形態に係るデスクを示す分解斜視図。
図4】同実施形態に係るデスクの他の使用態様を示す斜視図。
図5】同実施形態に係る図4の使用態様のデスクを示す中央側断面図。
図6】同実施形態に係る図4の使用態様のデスクを示す分解斜視図。
図7】同実施形態のデスクを横並びに隣接配置させた状態を示す斜視図。
図8】同実施形態のデスクを対面配置させた状態を示す斜視図。
図9】同実施形態のデスクを横並びに隣接配置させた状態を示す斜視図。
図10】同実施形態のデスクを対面配置させた状態を示す斜視図。
図11】同実施形態のデスクの配置態様の一例を示す斜視図。
図12】本発明の実施形態2に係るデスクを示す斜視図。
図13】同実施形態に係るデスクを示す斜視図。
図14図12におけるX-X線に沿った断面図。
図15】本発明の実施形態3に係るデスクを示す斜視図。
図16】同実施形態に係るデスクを示す斜視図。
図17図15におけるY-Y線に沿った断面図。
図18図15におけるZ-Z線に沿った断面図。
図19】本発明の実施形態4に係るデスクを示す斜視図。
図20】同実施形態に係るデスクを示す斜視図。
図21図19におけるα-α線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)を図1図11を参照して説明する。
【0019】
この実施形態のデスクD(このデスクDを同一構造をなす他のデスクD2と区別して示す必要がある場合には、このデスクを「デスクD1」と称する場合がある)は、図1図6に示すように、相互に高さ位置の異なる第1の取付箇所1aと第2の取付箇所1bとを有する左右一対の脚体1と、第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに選択的に取り付けられる天板2と、その天板2が第2の取付箇所1bに取り付けられている状態で第1の取付箇所1aに取り付けられる棚板3とを具備してなる。そして、天板2の上面2aが、隣接配置された同一構造をなす他のデスクD2の天板2又は棚板3の上面2a、3aと面一に連続し得るように構成されている。
【0020】
詳述すれば、図1図6に示すように、各脚体1は、前脚柱11と、後脚柱12と、これら前脚柱11及び後脚柱12の上端間を連結する上連結部材13と、前脚柱11及び後脚柱12の下端近傍部間を連結する下連結部材14とを具備してなる。前脚柱11は後傾姿勢をなすとともに後脚柱12は略鉛直姿勢をなしており、上下の連結部材13、14は水平姿勢をなしている。第1の取付箇所1aは、脚体1の上端部に設定されたもので、各第1の取付箇所1aには、例えば、天板取付用の3つのナットn1と、棚板取付用の2つのナットn3がそれぞれ配されている。具体的には、各ナットn1、n3は、ねじ孔を脚体1の内側面側に開口させて、前後の脚柱11、12に埋設されている。第2の取付箇所1bは、第1の取付箇所1aよりも一定距離だけ下方に位置させて設定されたもので、各第2の取付箇所1bには、例えば、天板取付用の3つのナットn2が配されている。具体的には、各ナットn2は、第1の取付箇所1aに配された4つのナットn1と同様に、ねじ孔を脚体1の内側面側に開口させて、前後の脚柱11、12に埋設されている。さらに、この脚体1は、天板2が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態で棚板3を下端近傍部の位置に取り付けるための第3の取付箇所1cを備えている。この第3の取付箇所1cには、脚体1の下連結部材14の内面側にねじ孔を開口させたナットn4が配されている。そして、前述したように、第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに天板2が選択的に取り付けられるようになっている。なお、前脚柱11及び後脚柱12は、断面長方形状をなす扁平な角柱パイプ状のもので、左右方向の厚み寸法が前後方向の幅寸法よりも小さく設定されている。そして、前述した上連結部材13及び下連結部材14は、脚柱11、12の外側面11x、12xから突出しない形状をなしており、これら脚柱11、12の外側面11x、12xに同一構造をなす他のデスクD2の脚柱11、12の外側面11x、12xを密着させることができるようになっている。なお、上連結部材13には切欠13aが設けられている。
【0021】
天板2は、図1図6に示すように、矩形状をなす木製の天板本体21と、この天板本体21の下面21cの左右両端部に止着されたブラケット22とを備えている。ブラケット22は、天板本体21の側方に配されるブラケット本体221と、このブラケット本体221の下縁から延出し天板本体21の下面21cに止着される取付部222とを備えている。ブラケット本体221には、脚体1の第1、第2の取付箇所1a、1bにおける天板取付用のナットn1、n2に対応させてねじ挿通孔22aが設けられている。そして、このねじ挿通孔22aを通過させた図示しないボルトを天板取付用のナットn1、n2に螺着することにより、天板2が第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0022】
第1の取付箇所1aに取付けられた天板2は、使用者が起立姿勢で使用するのに適した図1図3に示すようなハイレベル位置(H)に保持されるものであり、第2の取付箇所1bに取付けられた天板2は、使用者が着座姿勢で使用するのに適した図4図6に示すようなローレベル位置(L)に保持されるものである。この実施形態の場合には、ハイレベル位置(H)に保持された天板2の上面2aは、床面から900mm離間した高さ位置に保持され、ローレベル位置(L)に保持された天板2の上面2aは、床面から720mm離間した高さ位置に保持されるようになっている。これらの数値は一例であり、適宜設計変更が可能である。そして、この天板2が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態では、図1図3に示すように、棚板3が第3の取付箇所1cに取り付けられるようになっており、この天板2が第2の取付箇所1bに取り付けられている状態では、図4図6に示すように、棚板3が第1の取付箇所1aに取り付けられるようになっている。なお、第3の取付箇所1cに取り付けられた棚板3は、本来の棚板機能だけでなく、足置きとしての機能を発揮させることも可能である。その場合には、棚板3の上面3a側に図示しない断面コ字型をなすカバーを装着するのが望ましい。
【0023】
棚板3は、前後両縁部及び左右両側縁部を下方に延出させた板金製のものである。この棚板3の前縁及び後縁には、図2図3図5及び図6に示すように、下方に延出した前枠31及び後枠32がそれぞれ設けられているともに、この棚板3の左右両側縁には下方に延出した側板33が設けられている。側板33にはねじ挿通用の切欠33aが形成されている。図5及び図6に示すように、天板2が第2の取付箇所1bに取り付けられている状態では、このねじ挿通用の切欠33aを通過させた図示しないボルトを第1の取付箇所1aにおける棚板取付用の2つのナットn3に螺着することにより、この棚板3を第1の取付箇所1aに着脱可能に取り付けられるようになっている。一方、天板2が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態では、図2及び図3に示すように、ねじ挿通用の切欠33aを通過させた図示しないボルトを下連結板14のナットn4にそれぞれ螺着することにより、この棚板3を第3の取付箇所1cに着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0024】
さらに本実施形態では、天板2の反使用端側には幕板4を垂下させて設けてあり、天板2を幕板4とともに移動させて前述した第1の取付箇所1a及び第2の取付箇所1bのいずれかに取り付けることができるように構成されている。
【0025】
詳述すれば、幕板4は、図2図3図5及び図6に示すように、平板状をなす幕板本体41と、幕板本体41の上縁から前方に延出する上板42と、幕板本体41の左右両側縁から前方にそれぞれ延出する側板43と、幕板本体41の下縁から前方に延出する下枠44とを一体に有した板金製のものであり、上板42を天板2の下面(より正確には天板本体21の下面21c)の後端部にねじ止めしているとともに、側板43のねじ挿通孔43xを通過させた図示しないボルトを後脚柱12の幕板取付用のナットn5に螺着することにより幕板4を脚体1に着脱可能にねじ止めしている。また、側板43の下部には、切欠43aを設けている。
【0026】
幕板4の下端部には、前述した棚板3とは異なったサブ棚板5が配されている。このサブ棚板5は、図2図3図5及び図6に示すように、前後両縁部及び左右両側縁部を下方に延出させた板金製のサブ棚板本体51と、このサブ棚板本体51の左右両側方にそれぞれ設けられたブラケット52とを備えている。サブ棚板本体51の前縁には下方に延出した前枠511が設けられているともに、サブ棚板本体51の後縁には下方に延出した後枠512が設けられており、サブ棚板本体51の左右両側縁には下方に延出した側板513が設けられている。ブラケット52は、後脚柱12の内面に添接するブラケット本体521と、このブラケット本体521から内方に延出しサブ棚板本体51の前枠511及び後枠512の巾方向端部を支持する受け板522とを備えている。そして、受け板522のねじ挿通孔522aを通過させた図示しないボルトをサブ棚板本体51の前枠511及び後枠512内に設けられたナットn6に螺着することによりサブ棚板本体51をブラケット52に固定するようにしているとともに、ブラケット本体521の後部を側板43の切欠43a内に配し、ブラケット本体521のねじ挿通孔521aを通過させた図示しないボルトを後脚柱12のサブ棚板取付用のナットn7に螺着することによりサブ棚板5を脚体1に着脱可能に取り付けるようにしている。
【0027】
ここで、サブ棚板5は、天板2が第1及び第2の取付箇所1a、1bのいずれに取り付けられた場合であっても、第3の取付箇所1cよりも上方に位置している。特に、天板2が第1の取付箇所1aに取り付けられ、棚板3が第3の取付箇所1cに取り付けられている場合には、この棚板3はサブ棚板5よりも下方位置に配されている。
【0028】
そして、このデスクDでは、天板2と幕板4との関係が天板勝ちとなっており、天板2の後端2bが脚体1の後端面12yと略面一となっている。さらに本実施形態では、幕板4の後端4aも脚体1の後端面12yと略面一となっている。そして、このデスクD1と同一構造をなす他のデスクD2とを対面配置させた場合に、このデスクD1の脚体1、天板2及び幕板4の後端(面)12y、2b、4aと同一構造をなす他のデスクD2の脚体1、天板2及び幕板4の後端(面)12y、2b、4aとをそれぞれ密着させることができるようになっている。
【0029】
ここで、図1は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付けた状態を示す全体斜視図である。図2は、同中央側断面図である。図3は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付ける態様を示す分解斜視図である。図4は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付けた状態を示す全体斜視図である。図5は、同中央側断面図である。図6は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付ける態様を示す分解斜視図である。
【0030】
このような構成のものであれば、天板2を左右の脚体1における第1の取付位置1aに取り付けることによって、天板2の上面2aがハイレベル位置(H)に保持されることになり、使用者が起立姿勢で天板2に向き合うことが可能となる。この場合、棚板3は、脚体1における第3の取付位置1cに取り付けることができる。そのため、この棚板3は、幕板4の下端部に位置させて脚体1に取り付けられるサブ棚板5の下方に位置することになり、これら棚板3及びサブ棚板5の両方にファイル等の保管物を載置して使用することができる。この場合、サブ棚板5と天板2との間に形成される空間の背面は幕板4により隠されるため、サブ棚板5上に載置した保管物を後方から他人に見られるのを防止することができる。なお、着座面がオフィスに通常用いられる椅子よりも高いハイタイプの椅子を別途用意し、天板2の上面2aをハイレベル位置(H)に保持させたデスクDとともに用いれば、このデスクDを着座姿勢でも使用できる、その際の着座者の起立及び着座が容易である、着座者と起立している人とのコミュニケーションにも適している、足下にA4サイズのファイルを2段収納できる、といったメリットを得ることもできる。
【0031】
かかる姿勢で複数のデスクD1、D2を横並びに隣接配置したり(図7参照)、対面配置したり(図9参照)した場合、両デスクD1、D2の天板2の上面2aが面一に連続することになる。換言すれば、かかる取付態様においては、特定のデスクD1の天板2の上面2aと、当該デスクD1と同一構造をなす他のデスクD2の天板2の上面2aとが面一に連続することになる。
【0032】
一方、天板2を左右の脚体1における第2の取付位置1bに取り付けることによって、天板2の上面2aがローレベル位置(L)に保持されることになり、使用者が着座姿勢で天板2に向き合うのに適したものとなる。この場合、棚板3は、第3の取付箇所1cから取り外し、第1の取付箇所1aに取り付けることができる。この場合には、棚板3の上面3aがローレベル位置(L)に保持されている天板2の上面2aより高いハイレベル位置(H)に保持されることになる。幕板4は天板2とともに移動させてローレベル位置(L)にある天板2から垂下する姿勢で脚体1に取り付けることができる。サブ棚板5についても同様に下方に移動させて新たな位置に取り付けることができ、この取付状態におけるサブ棚板5と天板2との相対位置は同じになるように構成されている。したがって、サブ棚板5の上には、常に一定の空間が形成されることになり、この空間の背面は幕板4により隠される。そのため、天板2がローレベル位置(L)に保持された状態においてもサブ棚板5上に載置した保管物を後方から他人に見られるのを防止することができる。
【0033】
かかる姿勢で複数のデスクD1、D2を横並びに隣接配置したり(図8参照)、対面配置したり(図10参照)した場合、両デスクD1、D2の天板2又は棚板3の上面2a、3aが面一に連続することになる。換言すれば、かかる取付態様においては、特定のデスクD1の天板2又は棚板3の上面2a、3aと、当該デスクD1と同一構造をなす他のデスクD2の天板2又は棚板3の上面2a、3aとが面一に連続することになる。
【0034】
図7及び図9では、天板2がハイレベル位置(H)に保持されたデスクD同士を隣接配置した場合を例示し、図8及び図10では、天板2がローレベル位置(L)に保持されたデスクD同士を隣接配置した場合を例示しているが、例えば、図11に示すように、天板2がハイレベル位置(H)に保持されたデスクD1、D2と天板2がローレベル位置(L)に保持されたデスクD3、D4とを混在させて隣接配置することもできる。この場合でも、天板2がハイレベル位置(H)に保持されたデスクD1、D2の天板2の上面2aと、天板2がローレベル位置(L)に保持されたデスクD3、D4の棚板3の上面3aとは面一に連続することになる。
【0035】
ここで、複数のデスクD1、D2を横並びに隣接配置した場合、図7図8及び図11に示すように、両デスクD1、D2の上連結部材13同士が当接し、それら上連結部材13の切欠13aが対向して連通し、下方への配線挿通孔として機能する。
【0036】
このように本デスクDは、天板2の上面2aが、隣接配置された同一構造をなす他のデスクDの天板2又は棚板3の上面2a、3aと面一に連続し得るようになっている。そのため、天板2の高さ位置を変更して使用姿勢の多様化を図ることができるだけでなく、同一構造をなす他のデスクDに隣接または対向させて配置した場合に天板2の上面2a同士、棚板3の上面3a同士あるいは天板2と棚板3の上面2a、3a同士を面一に連続させることができる。そのため、それらの上面2a、3aを広く有効に使用することが可能になるとともに、外観も整然としたものにすることができる。
【0037】
また、第1及び第2の取付箇所1a、1bに取付けられた天板2は、それぞれハイレベル位置(H)及びローレベル位置(L)に保持されるようになっているので、必要に応じて天板1の取付箇所を変更することにより、使用者が起立姿勢で使用するいわゆるハイデスクとしても、使用者が着座姿勢で使用する通常のデスクとしても使用することができる。
【0038】
そして、天板2が第1の取付箇所1aに取り付けられている状態で、棚板3をサブ棚板5よりも下方位置に取り付けるための第3の取付箇所1cを脚体1に備えているので、天板2の取付箇所を第2の取付箇所1bから第1の取付箇所1aに変更した際に第1の取付箇所1aから取り外した棚板3の保管箇所を別途確保する必要がなく、その上、前述したように棚板3に足置きとしての機能を発揮させることもできる。
【0039】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0040】
以上説明した実施形態1のデスクDは、天板勝ちの構造をなしているが、本発明は必ずしもこのようなものに限られないのは勿論であり、例えば、図12図14に示すデスクDD(実施形態2)や、図15図18に示すデスクDDD(実施形態3)や、図19図21に示すデスクD4(実施形態4)のように幕板勝ちのものであってもよい。
【0041】
実施形態2のデスクDDは、図12図14に示すように、天板2の後端2bを幕板4の上端部4xで覆うように構成し、幕板4の後端4aを脚体1の後端面12yに面一に合致させた幕板勝ちの構造をなしている。天板2は、実施形態1の天板本体21に比べて前後方向寸法が短い天板本体21と、この天板本体21の下面21cの左右両端部に止着されたブラケット22とを備えたもので、ブラケット22の構成及びブラケット22を脚体1の第1、第2の取付箇所1a、1bのいずれかに選択的に取り付けるための構成は実施形態1に準じたものである。幕板4は、平板状をなす幕板本体41と、この幕板本体41の上縁から前方に延出する上板42と、この上板42の延出端から垂下し天板本体21の後端に添接する垂下板45と、この垂下板45の下端から前方に延出し天板本体21の下面21cの後端部に止着される取付板46と、幕板本体41の左右両側縁から前方にそれぞれ延出する側板43と、幕板本体41の下縁から前方に延出する下枠44とを一体に有した板金製のものであり、上板42の上面42aは天板2の上面2aと面一に連続させてあるとともに、この上板42の左右方向中間部には、天板2の上方と下方とを連通させる開口42xが設けられている。なお、以上説明した以外の構成は実施形態1に準じたものであり、実施形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。ここで、図12は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付けた状態のデスクDDを示す全体斜視図である。図13は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付けた状態のデスクDDを示す全体斜視図である。図14は、図12におけるX-X線に沿った断面図である。
【0042】
実施形態3のデスクDDDは、実施形態2のデスクDDと同じく幕板勝ちの構造をなしているが、実施形態2と異なり、幕板4の上端部4xにより配線ダクトHを形成している。詳述すれば、図15図18に示すように、このデスクDDDの幕板4は、平板状をなす幕板本体41と、この幕板本体41の上縁から前方に延出するダクト水平板47と、このダクト水平板47の延出端から起立させたダクト起立板48と、このダクト起立板48の上縁から前方に延出し天板本体21の下面21cの後端近傍部に止着される取付板49と、幕板本体41の左右両側縁から前方にそれぞれ延出する側板43と、幕板本体41の下縁から前方に延出する下枠44とを一体に有した板金製のものであり、ダクト水平板47とダクト起立板48とによって上方及び後方に開放された配線ダクトHが形成されている。なお、ダクト水平板47の中間部には、配線ダクトH上の配線を案内するガード部材6が設けられている。ガード部材6は、幕板本体41の上縁から立ち上がる後板61と、この後板61の上縁から前方に延出する上板62と、この上板62の延出端から垂下する取付板63とを一体に備えたものであり、取付板63が天板本体21の後端21bに止着されている。ここで、後板61の後面61aは、幕板4の後端4aと面一に連続させてある。また、上板62の上面62aは、天板2の上面2aと面一に連続させてある。ダクト水平板47の左右方向端部には、配線挿通用の切欠47aが設けられている。なお、以上説明した以外の構成は実施形態1に準じたものであり、実施形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。ここで、図15は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付けた状態のデスクDDDを示す全体斜視図である。図16は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付けた状態のデスクDDDを示す全体斜視図である。図17は、図15におけるY-Y線に沿った断面図である。図18は、図15におけるZ-Z線に沿った断面図である。
【0043】
実施形態4のデスクD5は、実施形態2及び3のデスクDD、DDDと同じく幕板勝ちの構造をなしているが、実施形態2及び3と異なり、幕板4の上方かつ天板2の後方に以下に述べるような配線ダクトHを設けている。
【0044】
この配線ダクトHは、図19図21に示すように、後面H1aが幕板4の後面4aと面一な起立板H1と、起立板H1の下端から前方に延び後部が幕板4の上板42に載置される底板H2と、底板H2の前方に位置し図示しないボルトにより天板2の下面21cにねじ止めされる取付部H3とを備えており、底板H2の上方に形成される配線挿通空間Haに天板2の上面2aに載置した図示しない機器類から配線を導くことができるようになっている。なお、以上説明した以外の構成は実施形態1に準じたものであり、実施形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。ここで、図19は、天板2を脚体1の第1の取付箇所1aに取り付けた状態のデスクD5を示す全体斜視図である。図20は、天板2を脚体1の第2の取付箇所1bに取り付けた状態のデスクD5を示す全体斜視図である。図21は、図19におけるα-α線に沿った断面図である。
【0045】
さらに、幕板を有しない、あるいはサブ棚板を有しないデスクに本発明を適用してもよく、幕板及びサブ棚板を有する場合であっても幕板とサブ棚板との相対位置は任意に設定してよい。
【0046】
そして、脚体の取付箇所の数は2箇所以上であれば任意に設定してよく、各取付箇所の高さ位置も任意に設定してよい。脚体の形状も、上述した各実施形態のような後傾姿勢をなす前脚柱と略鉛直姿勢をなす後脚柱とを備えたものに限らず、任意に設定してよい。
【0047】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0048】
D、DD、DDD、D5…デスク
1…脚体
1a…第1の取付箇所
1b…第2の取付箇所
1c…第3の取付箇所
12y…脚体の後端面
2…天板
2a…天板の上面
2b…天板の後端
3…棚板
3a…棚板の上面
4…幕板
4a…幕板の後端
5…サブ棚板
(H)…ハイレベル位置
(L)…ローレベル位置
図1
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