IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産トーソク株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電動アクチュエータ 図1
  • 特許-電動アクチュエータ 図2
  • 特許-電動アクチュエータ 図3
  • 特許-電動アクチュエータ 図4
  • 特許-電動アクチュエータ 図5
  • 特許-電動アクチュエータ 図6
  • 特許-電動アクチュエータ 図7
  • 特許-電動アクチュエータ 図8
  • 特許-電動アクチュエータ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H02K3/50 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020160916
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022053986
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-115129(JP,A)
【文献】特開2020-088877(JP,A)
【文献】特開2019-170072(JP,A)
【文献】特開2019-068506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/30- 3/52
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータおよび前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータ部と、
前記モータ部を収容するモータケース部と、
前記ステータに電気的に接続されたバスバーと、
前記バスバーを保持するバスバーホルダと、
を備え、
前記ロータは、
軸方向に延びるモータシャフトと、
前記モータシャフトの外周面に固定されたロータ本体と、
を有し、
前記モータケース部は、前記ロータ本体および前記ステータを軸方向一方側から覆う蓋部を有し、
前記バスバーホルダは、前記モータケース部の内部において前記ロータ本体と前記蓋部との軸方向の間に位置し、かつ、前記蓋部に固定されており、
前記蓋部は、前記蓋部を軸方向に貫通する固定孔を有し、
前記バスバーホルダは、
前記蓋部の軸方向他方側に位置するバスバーホルダ本体と、
前記バスバーホルダ本体から軸方向一方側に突出し、前記固定孔内に固定された突出部と、
を有し、
前記バスバーホルダは、樹脂製であり、
前記突出部は、溶着されて前記固定孔内に固定されており、
前記固定孔は、
前記蓋部の軸方向一方側の面に開口する大径孔部と、
前記大径孔部の軸方向他方側に繋がり、内径が前記大径孔部よりも小さい小径孔部と、
を有し、
前記突出部の軸方向一方側の端部は、前記大径孔部の内部に位置し、
前記突出部の軸方向一方側の端部における外径は、前記小径孔部の内径よりも大きい、
電動アクチュエータ。
【請求項2】
前記モータケース部は、前記蓋部から軸方向他方側に突出するベアリング保持部を有し、
前記バスバーホルダは、前記ベアリング保持部の径方向外側に位置し、前記ベアリング保持部の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側に位置する、請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記大径孔部と前記小径孔部との軸方向に間には、軸方向一方側を向く段差面を有する段差が設けられている、請求項1または2に記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記小径孔部の軸方向両側の端部のうち少なくとも一方の端部における内周縁部は、全周に亘って面取りされた形状である、請求項1から3のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記大径孔部の軸方向一方側の端部における内周縁部は、全周に亘って面取りされた形状である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記蓋部は、前記バスバーが通されたバスバー貫通孔を有し、
前記バスバーホルダは、前記バスバー貫通孔内に嵌め合わされた被嵌合部を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に示すように、ステータに電気的に接続されたバスバーを備える電動アクチュエータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-197567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電動アクチュエータにおいては、バスバーを保持するバスバーホルダが設けられる場合がある。この場合、単にバスバーホルダを配置すると、電動アクチュエータが大型化しやすい場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、大型化することを抑制できる構造を有する電動アクチュエータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動アクチュエータの一つの態様は、軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータおよび前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータ部と、前記モータ部を収容するモータケース部と、前記ステータに電気的に接続されたバスバーと、前記バスバーを保持するバスバーホルダと、を備える。前記ロータは、軸方向に延びるモータシャフトと、前記モータシャフトの外周面に固定されたロータ本体と、を有する。前記モータケース部は、前記ロータ本体および前記ステータを軸方向一方側から覆う蓋部を有する。前記バスバーホルダは、前記モータケース部の内部において前記ロータ本体と前記蓋部との軸方向の間に位置し、かつ、前記蓋部に固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、電動アクチュエータが大型化することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の電動アクチュエータを示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態の電動アクチュエータを示す断面図であって、図1におけるII-II断面図である。
図3図3は、上側カバーを外した状態の本実施形態の電動アクチュエータを上側から見た図である。
図4図4は、上側カバーおよび基板を外した状態の本実施形態の電動アクチュエータを上側から見た図である。
図5図5は、本実施形態のモータケース部の一部およびバスバーユニットの一部を示す斜視図である。
図6図6は、本実施形態のバスバーホルダの固定構造を示す断面図である。
図7図7は、本実施形態のバスバーユニットを示す斜視図である。
図8図8は、本実施形態のバスバーホルダにおける固定手順の一部を示す断面図である。
図9図9は、本実施形態のステータ固定部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明においては、特に断りのない限り、各図に適宜示す仮想軸である中心軸J1が延びる軸方向を単に「軸方向」と呼ぶ。また、特に断りのない限り、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
各図に適宜示すZ軸は、軸方向を示している。以下の説明においては、軸方向のうち、Z軸の矢印が向く正の側(+Z側)を「上側」と呼び、Z軸の矢印が向く側と逆側の負の側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。また、各図には、Z軸と直交し、互いに直交するX軸とY軸とを示す。以下の説明においては、X軸と平行な方向を「前後方向」と呼び、Y軸と平行な方向を「左右方向」と呼ぶ。前後方向のうち、X軸の矢印が向く正の側(+X側)を「前側」と呼び、X軸の矢印が向く側と逆側の負の側(-X側)を「後側」と呼ぶ。左右方向のうち、Y軸の矢印が向く正の側(+Y側)を「左側」と呼び、Y軸の矢印が向く側と逆側の負の側(-Y側)を「右側」と呼ぶ。
【0011】
本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、前後方向、左右方向、上側、下側、前側、後側、左側、および右側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0012】
図1に示す本実施形態の電動アクチュエータ10は、車両に取り付けられる。より詳細には、電動アクチュエータ10は、例えば、車両の運転者のシフト操作に基づいて駆動されるパーク・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載される。図2に示すように、電動アクチュエータ10は、モータ部40と、伝達機構部50と、出力部60と、ハウジング11と、バスバーユニット90と、基板70と、モータ部センサ73と、出力部センサ74と、ステータ固定部材80と、を備える。
【0013】
モータ部40の中心軸は、中心軸J1である。モータ部40は、ロータ40aと、第1ベアリング44aと、第2ベアリング44bと、第3ベアリング44cと、第4ベアリング44dと、ステータ43と、第1センサマグネット45と、を有する。ロータ40aは、軸方向に延びる中心軸J1を中心として回転可能である。ロータ40aは、モータシャフト41と、ロータ本体42と、を有する。
【0014】
モータシャフト41は、軸方向に延びている。モータシャフト41は、中心軸J1を中心として回転可能である。モータシャフト41は、中心軸J1に対して偏心した偏心軸J2を中心とする偏心軸部41aを有する。本実施形態において偏心軸部41aは、モータシャフト41の下側部分の一部である。偏心軸部41aには、第3ベアリング44cが固定されている。偏心軸J2は、中心軸J1と平行である。偏心軸部41aは、偏心軸J2を中心として延びる円柱状である。モータシャフト41のうち偏心軸部41a以外の部分は、中心軸J1を中心として延びる円柱状である。
【0015】
本実施形態において、第1ベアリング44a、第2ベアリング44b、第3ベアリング44c、および第4ベアリング44dは、例えば、ボールベアリングである。第1ベアリング44aと第2ベアリング44bと第3ベアリング44cと第4ベアリング44dとは、モータシャフト41に固定されている。第1ベアリング44aと第2ベアリング44bとは、モータシャフト41を中心軸J1回りに回転可能に支持している。
【0016】
ロータ本体42は、モータシャフト41の外周面に固定されている。ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されたロータコア42aと、ロータコア42aの外周部に固定されたロータマグネット42bと、を有する。
【0017】
ステータ43は、ロータ40aの径方向外側に位置する。ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側に隙間を介して配置されている。ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側を囲む環状である。ステータ43は、例えば、ステータコア43aと、インシュレータ43bと、複数のコイル43cと、を有する。ステータコア43aは、ロータ本体42を径方向外側から囲む環状である。ステータコア43aは、例えば、複数の電磁鋼板が軸方向に積層されて構成されている。各々のコイル43cは、インシュレータ43bを介してステータコア43aのティースに装着されている。
【0018】
第1センサマグネット45は、モータシャフト41に固定されている。第1センサマグネット45は、例えば、モータシャフト41の上端部に設けられた凹部に嵌め込まれている。第1センサマグネット45は、例えば、軸方向に見て、中心軸J1を中心とする円形状である。第1センサマグネット45は、モータ部センサ73の下側に隙間を空けて配置されている。
【0019】
伝達機構部50は、モータ部40の下側に位置する。伝達機構部50は、例えば、ロータ本体42およびステータ43の下側に位置する。伝達機構部50は、モータ部40のロータ40aに連結されている。本実施形態において伝達機構部50は、モータシャフト41の下側部分に連結されている。本実施形態において伝達機構部50は、ロータ40aの回転を減速して出力部60に伝達する減速機構である。伝達機構部50は、外歯ギア51と、内歯ギア52と、出力ギア53と、複数のピン部54と、を有する。
【0020】
外歯ギア51は、偏心軸部41aの偏心軸J2を中心として、偏心軸J2の径方向に広がる円環板状である。外歯ギア51の径方向外側面には、歯車部が設けられている。外歯ギア51の歯車部は、外歯ギア51の外周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。外歯ギア51は、モータシャフト41に連結されている。より詳細には、外歯ギア51は、モータシャフト41の偏心軸部41aに第3ベアリング44cを介して連結されている。これにより、伝達機構部50は、モータシャフト41に連結されている。外歯ギア51は、第3ベアリング44cの外輪に径方向外側から嵌め合わされている。これにより、第3ベアリング44cは、モータシャフト41と外歯ギア51とを、偏心軸J2回りに相対的に回転可能に連結している。
【0021】
本実施形態において外歯ギア51は、複数の穴部51aを有する。本実施形態において穴部51aは、外歯ギア51を軸方向に貫通している。複数の穴部51aは、周方向に沿って配置されている。より詳細には、複数の穴部51aは、偏心軸J2を中心とする周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。穴部51aは、軸方向に見て円形状である。穴部51aは、内径がピン部54の外径よりも大きい。なお、穴部51aは、底部を有する穴であってもよい。
【0022】
内歯ギア52は、外歯ギア51の径方向外側に位置し、外歯ギア51を囲む環状である。本実施形態において内歯ギア52は、中心軸J1を中心とする円環状である。内歯ギア52は、ハウジング11に固定されている。内歯ギア52の径方向内側面には、歯車部が設けられている。内歯ギア52の歯車部は、内歯ギア52の内周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。内歯ギア52の歯車部は、周方向の一部のみにおいて外歯ギア51の歯車部と噛み合っている。
【0023】
出力ギア53は、外歯ギア51および内歯ギア52の上側に配置されている。出力ギア53は、軸方向に見て外歯ギア51と重なって配置されている。出力ギア53は、モータシャフト41に第4ベアリング44dを介して接続されている。出力ギア53は、例えば、中心軸J1を中心とする円環状である。出力ギア53の径方向外側面には、歯車部が設けられている。出力ギア53の歯車部は、出力ギア53の外周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。出力ギア53は、後述する駆動ギア62と噛み合っている。出力ギア53は、出力ギア53を軸方向に貫通する複数の貫通孔53aを有する。複数の貫通孔53aは、例えば、中心軸J1を中心とする周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。貫通孔53aは、例えば、軸方向に見て円形状である。
【0024】
本実施形態においてピン部54は、軸方向に延びる円柱状の部材である。各ピン部54の上側部分は、例えば、各貫通孔53a内に固定されている。各ピン部54の下側部分は、貫通孔53aよりも下側に位置する。これにより、複数のピン部54は、出力ギア53から外歯ギア51に向かって軸方向に突出している。複数のピン部54は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。
【0025】
複数のピン部54は、複数の穴部51aのそれぞれに上側から挿入されている。ピン部54のうち穴部51a内に挿入された部分の外径は、穴部51aの内径よりも小さい。ピン部54の外周面は、穴部51aの内側面と内接している。複数のピン部54は、穴部51aの内側面を介して、外歯ギア51を中心軸J1回りに揺動可能に支持している。
【0026】
出力部60は、電動アクチュエータ10の駆動力を出力する部分である。出力部60は、モータ部40の径方向外側に配置されている。出力部60は、例えば、モータ部40と左右方向に並んで配置されている。出力部60は、例えば、モータ部40の右側に位置する。出力部60は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、滑り軸受65と、第2センサマグネット63と、を有する。つまり、電動アクチュエータ10は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、滑り軸受65と、第2センサマグネット63と、を備える。
【0027】
出力シャフト61は、モータシャフト41の軸方向に延びる筒状である。このように、出力シャフト61がモータシャフト41と同じ方向に延びているため、モータシャフト41の回転を出力シャフト61に伝達する伝達機構部50の構造を簡単化できる。出力シャフト61は、伝達機構部50を介してモータシャフト41に連結されている。本実施形態において出力シャフト61は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。
【0028】
出力中心軸J3は、出力シャフト61の中心軸である。出力中心軸J3は、中心軸J1と平行であり、中心軸J1から径方向に離れて配置されている。すなわち、モータシャフト41と出力シャフト61とは、軸方向と直交する方向に互いに離れて配置されている。言い換えれば、モータシャフト41と出力シャフト61とは、モータシャフト41の径方向に互いに離れて配置されている。そのため、モータシャフト41と出力シャフト61とが軸方向に並んで配置される場合に比べて、電動アクチュエータ10を軸方向に小型化できる。出力中心軸J3は、例えば、中心軸J1の右側に位置する。なお、出力中心軸J3を中心とする径方向を「出力径方向」と呼ぶ。出力径方向は、出力シャフト61の径方向である。
【0029】
出力シャフト61は、下側に開口している。出力シャフト61は、内周面に、スプライン溝を有する。出力シャフト61は、モータシャフト41の径方向においてロータ本体42と重なる位置に配置されている。出力シャフト61の下側部分には、シャフトフランジ部61bが設けられている。シャフトフランジ部61bは、出力径方向の外側に突出している。シャフトフランジ部61bは、出力中心軸J3を中心とする円環状である。
【0030】
出力シャフト61には、下側から被駆動シャフトDSが挿入されて連結される。より詳細には、被駆動シャフトDSの外周面に設けられたスプライン部が、出力シャフト61の内周面に設けられたスプライン溝に嵌め合わされることで、出力シャフト61と被駆動シャフトDSとが連結される。被駆動シャフトDSには、出力シャフト61を介して電動アクチュエータ10の駆動力が伝達される。これにより、電動アクチュエータ10は、被駆動シャフトDSを出力中心軸J3回りに回転させる。
【0031】
駆動ギア62は、出力シャフト61に固定されている。駆動ギア62は、出力シャフト61から出力ギア53に向かって延びている。駆動ギア62は、出力ギア53と噛み合っている。図示は省略するが、駆動ギア62は、例えば、軸方向に見て、略扇形形状である。出力中心軸J3を中心とする周方向における駆動ギア62の寸法は、出力径方向の外側に向かうに従って大きくなっている。駆動ギア62は、出力径方向の外端部に歯車部を有する。駆動ギア62の歯車部は、出力中心軸J3を中心とする周方向に沿って並ぶ複数の歯部を有する。駆動ギア62の歯車部は、出力ギア53の歯車部と噛み合っている。これにより、駆動ギア62は、伝達機構部50に接続されている。駆動ギア62には、伝達機構部50を介してモータ部40の回転が伝達される。
【0032】
第2センサマグネット63は、出力シャフト61に固定されている。第2センサマグネット63は、例えば、出力シャフト61の上端部に設けられた凹部に嵌め込まれている。第2センサマグネット63は、例えば、軸方向に見て、出力中心軸J3を中心とする円形状である。第2センサマグネット63は、出力部センサ74の下側に隙間を空けて配置されている。
【0033】
モータシャフト41が中心軸J1回りに回転されると、偏心軸部41aは、中心軸J1を中心として周方向に公転する。偏心軸部41aの公転は第3ベアリング44cを介して外歯ギア51に伝達され、外歯ギア51は、穴部51aの内周面とピン部54の外周面との内接する位置が変化しつつ、揺動する。これにより、外歯ギア51の歯車部と内歯ギア52の歯車部との噛み合う位置が、周方向に変化する。したがって、内歯ギア52に、外歯ギア51を介してモータシャフト41の回転力が伝達される。
【0034】
ここで、本実施形態では、内歯ギア52はハウジング11に固定されているため回転しない。そのため、内歯ギア52に伝達される回転力の反力によって、外歯ギア51が偏心軸J2回りに回転する。このとき外歯ギア51の回転する向きは、モータシャフト41の回転する向きと反対向きとなる。外歯ギア51の偏心軸J2回りの回転は、穴部51aとピン部54とを介して、出力ギア53に伝達される。これにより、出力ギア53が中心軸J1回りに回転する。出力ギア53には、モータシャフト41の回転が減速されて伝達される。
【0035】
出力ギア53が回転すると、出力ギア53に噛み合う駆動ギア62が出力中心軸J3回りに回転する。これにより、駆動ギア62に固定された出力シャフト61が出力中心軸J3回りに回転する。このようにして、出力シャフト61には、伝達機構部50を介してロータ40aの回転が伝達される。このような伝達機構部50の構成によれば、モータシャフト41の回転に対して、出力シャフト61の回転を比較的大きく減速できる。そのため、出力シャフト61の回転トルクを比較的大きくできる。したがって、電動アクチュエータ10を小型化しつつ、電動アクチュエータ10の出力を確保しやすい。本実施形態の電動アクチュエータ10において出力シャフト61は、1周しない範囲内で双方向に回転させられる。
【0036】
図1に示すように、ハウジング11は、例えば、左右方向に長い略直方体状である。図2に示すように、ハウジング11は、モータ部40、伝達機構部50、出力シャフト61を含む出力部60、基板70、バスバーユニット90、およびステータ固定部材80を収容している。ハウジング11は、軸方向両側にそれぞれ開口部12a,12bを有するハウジング本体12と、ハウジング本体12の上側の開口部12aを塞ぐ上側カバー13と、ハウジング本体12の下側の開口部12bを塞ぐ下側カバー14と、を有する。
【0037】
本実施形態においてハウジング本体12は、金属製である。ハウジング本体12は、例えば、ダイカストによって単一の部材として成形されたダイカスト製品である。ハウジング本体12を構成する材料は、例えば、アルミニウムなどである。ハウジング本体12は、電動アクチュエータ10の筐体を構成する角筒状の外壁部30と、外壁部30の下側の端部から径方向内側に広がる底壁部31と、底壁部31に設けられたモータケース部32および出力シャフト保持部33と、底壁部31から下側に突出する筒状壁39と、を有する。つまり、ハウジング11は、外壁部30と、底壁部31と、モータケース部32と、出力シャフト保持部33と、筒状壁39と、を有する。また、電動アクチュエータ10は、外壁部30と、底壁部31と、モータケース部32と、出力シャフト保持部33と、筒状壁39と、を備える。
【0038】
図1および図3に示すように、本実施形態において外壁部30は、軸方向に見て左右方向に長い四角筒状である。外壁部30の後側の面における右側の端部には、コネクタ部15が取り付けられている。図2に示すように、外壁部30は、モータケース部32を径方向外側から囲んでいる。本実施形態においては、外壁部30の上側の開口部が、ハウジング本体12の上側の開口部12aである。
【0039】
モータケース部32は、外壁部30の内部に位置する。モータケース部32は、モータ部40を収容している。本実施形態においてモータケース部32は、ダイカスト製品であるハウジング本体12の一部である。つまり、本実施形態においてモータケース部32は、ダイカスト製品である。モータケース部32は、モータ部40を径方向外側から囲む筒状である。本実施形態においてモータケース部32の内周面は、中心軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。モータケース部32は、モータ部40を内側に保持している。より詳細には、モータケース部32の内周面に、モータ部40のステータ43が固定されている。モータケース部32は、周壁部32bと、蓋部32aと、ベアリング保持部32cと、を有する。
【0040】
周壁部32bは、底壁部31から上側に延びる筒状である。周壁部32bの内周面は、例えば、中心軸J1を中心とする円筒状である。周壁部32bは、ステータ43の径方向外側を囲んでいる。周壁部32bの内部には、ステータコア43aが嵌め合わされている。本実施形態においてステータコア43aは、周壁部32bの内部に圧入により固定されている。ステータコア43aは、例えば、周壁部32bの内部に軽圧入されている。周壁部32bの外周面は、外壁部30の内側面に繋がっている。周壁部32bの一部は、例えば、外壁部30の一部で構成されている。
【0041】
周壁部32bの内周面には、下側を向く段差面32fを有する段差32eが設けられている。段差32eは、下側から上側に向かって周壁部32bの内径が小さくなる段差である。段差面32fは、例えば、中心軸J1を中心とする円環状である。段差面32fは、例えば、軸方向と直交する平坦な面である。段差面32fには、ステータコア43aの径方向外周縁部が下側から接触している。これにより、ステータコア43aが上側に移動することが抑制されている。
【0042】
本実施形態において周壁部32bの線膨張率は、ステータコア43aの線膨張率よりも大きい。本実施形態において周壁部32bは、単一の部材であるハウジング本体12の一部である。つまり、本実施形態では、モータケース部32全体の線膨張率およびハウジング本体12全体の線膨張率も、ステータコア43aの線膨張率より大きい。周壁部32bを構成する材料は、例えば、アルミニウムなどである。
【0043】
蓋部32aは、例えば、周壁部32bの上側の端部から径方向内側に広がっている。蓋部32aは、モータ部40の少なくとも一部を上側から覆っている。本実施形態において蓋部32aは、ロータ本体42およびステータ43を上側から覆っている。蓋部32aは、蓋部32aを軸方向に貫通する中央孔32dを有する。中央孔32dは、例えば、中心軸J1を中心とする円形状の孔である。例えば、中央孔32dには、モータ部センサ73の下端部が上側から挿入されている。
【0044】
図4および図5に示すように、本実施形態において蓋部32aは、蓋部32aを軸方向に貫通するバスバー貫通孔37を有する。バスバー貫通孔37は、例えば、径方向に長い角丸長方形状の孔である。バスバー貫通孔37には、後述するバスバー92が通されている。本実施形態においてバスバー貫通孔37は、複数設けられている。複数のバスバー貫通孔37は、周方向に間隔を空けて配置されている。
【0045】
バスバー貫通孔37は、例えば、3つ設けられている。例えば、3つのバスバー貫通孔37のうち1つのバスバー貫通孔37は、中心軸J1の左側に位置し、モータシャフト41と出力シャフト61とが並ぶ左右方向に延びている。例えば、3つのバスバー貫通孔37のうち残りの2つのバスバー貫通孔37は、中心軸J1の左側に位置するバスバー貫通孔37を周方向に挟んで配置されている。
【0046】
図4に示すように、本実施形態においてバスバー貫通孔37は、軸方向に見て、仮想線ILを挟んで出力シャフト61および後述する第1固定部材101と反対側に配置されている。仮想線ILは、軸方向に見て、モータシャフト41と出力シャフト61とが並ぶ左右方向と直交する前後方向に延び、モータシャフト41を通る線である。仮想線ILは、例えば、中心軸J1を通っている。複数のバスバー貫通孔37は、軸方向に見て、仮想線ILよりも左側の領域に位置する。出力シャフト61および第1固定部材101は、軸方向に見て、仮想線ILよりも右側の領域に位置する。
【0047】
本実施形態において蓋部32aは、蓋部32aを軸方向に貫通する固定孔38を有する。図6に示すように、本実施形態において固定孔38は、大径孔部38aと、小径孔部38bと、を有する。大径孔部38aは、蓋部32aの上側の面に開口している。小径孔部38bは、大径孔部38aの下側に繋がっている。小径孔部38bは、蓋部32aの下側の面に開口している。小径孔部38bの内径は、大径孔部38aの内径よりも小さい。本実施形態において大径孔部38aと小径孔部38bとの軸方向の間には、上側を向く段差面38dを有する段差38cが設けられている。段差面38dは、固定孔38を囲む円環状の面である。段差面38dは、例えば、軸方向と直交する平坦な面である。
【0048】
大径孔部38aの上側の端部における内周縁部は、全周に亘って面取りされた形状である。これにより、大径孔部38aの内周面における上側の端部は、上側に向かうに従って内径が大きくなるテーパ面38eとなっている。大径孔部38aの上側の端部における内周縁部は、例えば、全周に亘ってC面取りされた形状である。
【0049】
小径孔部38bの軸方向両側の端部のうち少なくとも一方の端部における内周縁部は、全周に亘って面取りされた形状である。本実施形態においては、小径孔部38bの軸方向両側の端部における内周縁部の両方が、全周に亘って面取りされた形状である。これにより、小径孔部38bの内周面における下側の端部は、下側に向かうに従って内径が大きくなるテーパ面38fとなっている。小径孔部38bの内周面における上側の端部は、上側に向かうに従って内径が大きくなるテーパ面38gとなっている。小径孔部38bの軸方向両側の端部における内周縁部は、例えば、全周に亘ってC面取りされた形状である。
【0050】
図4および図5に示すように、本実施形態において固定孔38は、複数設けられている。複数の固定孔38は、周方向に間隔を空けて配置されている。固定孔38は、例えば、4つ設けられている。周方向に隣り合う固定孔38同士の間のそれぞれには、各バスバー貫通孔37の径方向内端部が位置する。複数の固定孔38のそれぞれは、軸方向に見て、仮想線ILと重なる位置、または仮想線ILを挟んで出力シャフト61と反対側となる位置に配置されている。
【0051】
4つの固定孔38のうち2つの固定孔38は、例えば、軸方向に見て、中心軸J1を前後方向に挟んで互いに反対側に配置され、かつ、中心が仮想線IL上に配置されている。4つの固定孔38のうち残りの2つの固定孔38は、軸方向に見て、仮想線ILよりも左側の領域に配置されている。
【0052】
図2に示すように、ベアリング保持部32cは、蓋部32aから下側に突出している。ベアリング保持部32cは、例えば、蓋部32aの下側の面のうち中央孔32dの周縁部から下側に突出している。ベアリング保持部32cは、例えば、中心軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。ベアリング保持部32cの内部には、第2ベアリング44bが嵌め合わされて保持されている。
【0053】
出力シャフト保持部33は、外壁部30の内部に位置する。出力シャフト保持部33は、例えば、モータケース部32の右側に位置する。出力シャフト保持部33は、底壁部31から上側に突出している。出力シャフト保持部33の左側の側面は、例えば、モータケース部32の右側の側面に繋がっている。出力シャフト保持部33は、出力シャフト保持部33を軸方向に貫通する孔部33aを有する。孔部33aは、例えば、出力中心軸J3を中心とする円形状の孔である。孔部33aの内側には、円筒状の滑り軸受65が嵌め合わされている。
【0054】
筒状壁39は、底壁部31の下側の面から下側に突出している。筒状壁39は、中心軸J1および出力中心軸J3を囲む筒状である。筒状壁39は、下側に開口している。本実施形態においては、筒状壁39の下側の開口部が、ハウジング本体12の下側の開口部12bである。
【0055】
図4に示すように、ハウジング本体12は、第1雌ネジ穴34と、第2雌ネジ穴35a~35fと、を有する。第1雌ネジ穴34および第2雌ネジ穴35a~35fは、下側に窪む穴である。第1雌ネジ穴34および第2雌ネジ穴35a,35b,35d,35eは、蓋部32aの上側の面に設けられている。図5に示すように、蓋部32aの上側の面のうち第1雌ネジ穴34および第2雌ネジ穴35a,35b,35d,35eが設けられた部分は、例えば、蓋部32aの上側の面における他の部分よりも上側に突出している。
【0056】
図4に示すように、第2雌ネジ穴35c,35fは、底壁部31から上側に延びる柱部36c,36fのそれぞれの上端面に設けられている。柱部36cは、四角筒状の外壁部30の内部における右側かつ前側の角部に設けられている。柱部36fは、四角筒状の外壁部30の内部における右側かつ後側の角部に設けられている。
【0057】
第1雌ネジ穴34は、軸方向に見て、例えば、ハウジング本体12の左右方向の中央、かつ、前後方向の中央に配置されている。第1雌ネジ穴34は、軸方向に見て、モータシャフト41と出力シャフト61との左右方向の間に位置する。第2雌ネジ穴35aと第2雌ネジ穴35bとは、軸方向に見て、第1雌ネジ穴34を前後方向に挟んで配置されている。第2雌ネジ穴35aは、第1雌ネジ穴34の前側に位置する。第2雌ネジ穴35bは、第1雌ネジ穴34の後側に位置する。
【0058】
第2雌ネジ穴35cと第2雌ネジ穴35dとは、軸方向に見て、四角筒状の外壁部30の対角線方向のうち一方の対角線方向に第1雌ネジ穴34を挟んで配置されている。第2雌ネジ穴35cは、四角筒状の外壁部30の内部における右側かつ前側の角部に設けられている。第2雌ネジ穴35dは、四角筒状の外壁部30の内部における左側かつ後側の角部に設けられている。
【0059】
第2雌ネジ穴35eと第2雌ネジ穴35fとは、軸方向に見て、四角筒状の外壁部30の対角線方向のうち他方の対角線方向に第1雌ネジ穴34を挟んで配置されている。第2雌ネジ穴35eは、四角筒状の外壁部30の内部における左側かつ前側の角部に設けられている。第2雌ネジ穴35fは、四角筒状の外壁部30の内部における右側かつ後側の角部に設けられている。6つの第2雌ネジ穴35a~35fは、例えば、軸方向に見て、左右方向に長い長方形状に沿って配置されている。
【0060】
図2に示すように、本実施形態において上側カバー13は、板面が軸方向を向く板状の部材である。本実施形態において上側カバー13は、金属製である。上側カバー13は、例えば、板状の金属部材をプレス加工で成形することによって作られている。上側カバー13は、例えば、複数のボルトによってハウジング本体12に固定されている。上側カバー13は、基板70を上側から覆っている。上側カバー13は、下側の面から上側に窪む凹部13bを有する。
【0061】
下側カバー14は、伝達機構部50を下側から覆っている。本実施形態において下側カバー14は、金属製である。下側カバー14は、例えば、ダイカストによって成形されている。下側カバー14は、保持筒部14aと、底壁部14fと、円筒部14bと、フランジ部14cと、嵌合筒部14gと、を有する。
【0062】
保持筒部14aは、中心軸J1を中心とする円筒状である。保持筒部14aは、上側に開口し、下側に底部14dを有する。保持筒部14aは、円筒部14bよりも内径が小さく、円筒部14bよりも下側に位置する。保持筒部14aの径方向内側には、第1ベアリング44aが保持されている。
【0063】
底壁部14fは、保持筒部14aの上側の端部から径方向外側に広がっている。底壁部14fは、中心軸J1を中心とする円環状である。円筒部14bは、底壁部14fの外周縁部から上側に延びている。円筒部14bは、保持筒部14aよりも径方向外側に位置する。円筒部14bは、中心軸J1を中心とする円筒状である。円筒部14bは、上側に開口している。円筒部14bの内部には、内歯ギア52が嵌め合わされている。本実施形態において円筒部14bの内部には、内歯ギア52が圧入されている。
【0064】
フランジ部14cは、円筒部14bから径方向外側に広がっている。フランジ部14cの上面は、例えば、筒状壁39の下端面と接触している。フランジ部14cは、例えば、筒状壁39とネジで固定されている。これにより、下側カバー14がハウジング本体12に固定されている。嵌合筒部14gは、フランジ部14cから上側に突出している。嵌合筒部14gは、中心軸J1および出力中心軸J3を囲む筒状である。嵌合筒部14gは、筒状壁39の内部に嵌め合わされている。
【0065】
下側カバー14は、出力部60と軸方向に重なる開口部14eを有する。出力シャフト61の下側の端部は、下側カバー14の開口部14eを通じて下側に露出している。下側カバー14は、シャフトフランジ部61bを下側から支持している。
【0066】
バスバーユニット90は、蓋部32aに固定されている。バスバーユニット90は、バスバーホルダ91と、バスバー92と、を有する。つまり、電動アクチュエータ10は、バスバーホルダ91と、バスバー92と、を備える。バスバーホルダ91は、バスバー92を保持する部材である。本実施形態においてバスバーホルダ91は、樹脂製である。バスバーホルダ91は、例えば、バスバー92をインサート部材とするインサート成形によって作られる。図7に示すように、バスバーホルダ91は、例えば、中心軸J1回りの周方向に延びる円弧状の部材である。
【0067】
図2に示すように、バスバーホルダ91は、モータケース部32の内部においてモータ部40と蓋部32aとの軸方向の間に位置する。本実施形態においてバスバーホルダ91は、モータケース部32の内部においてロータ本体42と蓋部32aとの軸方向の間に位置する。つまり、バスバーホルダ91は、モータケース部32の内部においてロータ本体42の上側に位置する。バスバーホルダ91は、蓋部32aに固定されている。バスバーホルダ91は、例えば、蓋部32aのうちロータ本体42を覆う部分における下側の面に固定されている。
【0068】
本実施形態においてバスバーホルダ91は、ベアリング保持部32cの径方向外側に位置する。バスバーホルダ91は、例えば、ベアリング保持部32cの左側に位置する。本実施形態においてバスバーホルダ91は、ベアリング保持部32cの下側の端部よりも上側に位置する。バスバーホルダ91の径方向外周縁部の径方向位置は、例えば、ロータ本体42の径方向外周縁部の径方向位置と同じ、またはロータ本体42の径方向外周縁部の径方向位置よりも径方向内側である。図2においてバスバーホルダ91の径方向外周縁部は、例えば、ロータ本体42の径方向外周縁部よりも僅かに径方向内側に位置する。図7に示すようにバスバーホルダ91は、バスバーホルダ本体91aと、被嵌合部91bと、突出部91cと、を有する。
【0069】
バスバーホルダ本体91aは、例えば、板面が軸方向を向く板状である。バスバーホルダ本体91aは、例えば、周方向に延びる円弧状である。図6に示すように、バスバーホルダ本体91aは、蓋部32aの下側に位置する。バスバーホルダ本体91aの上側の面は、例えば、蓋部32aの下側の面に接触している。
【0070】
図7に示すように、被嵌合部91bは、バスバーホルダ本体91aの上側の面から上側に突出している。被嵌合部91bは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。被嵌合部91bは、例えば、3つ設けられている。各被嵌合部91bは、例えば、バスバーホルダ本体91aの周方向両端部よりも周方向に離れた位置に配置されている。図5に示すように、各被嵌合部91bは、各バスバー貫通孔37内に嵌め合わされている。被嵌合部91bは、例えば、バスバー貫通孔37の径方向内側部分の内部に嵌め合わされている。
【0071】
図6に示すように、突出部91cは、バスバーホルダ本体91aから上側に突出している。突出部91cは、例えば、円柱状である。突出部91cは、固定孔38内に位置する。突出部91cは、小径部91dと、大径部91eと、を有する。小径部91dは、バスバーホルダ本体91aから上側に延びる部分である。小径部91dは、小径孔部38b内に位置する。小径部91dは、例えば、小径孔部38b内に充填されている。
【0072】
大径部91eは、小径部91dの上側に繋がる部分である。大径部91eの外径は、小径部91dの外径よりも大きい。本実施形態において大径部91eの上側の端部は、突出部91cの上側の端部である。大径部91eの上側の端部は、大径孔部38aの内部に位置する。本実施形態では、大径部91eの全体が、大径孔部38aの内部に位置する。大径部91eは、例えば、大径孔部38aのうちテーパ面38eよりも下側に位置する部分の内部に充填されている。大径孔部38aの上側の端部における外径は、小径孔部38bの内径よりも大きい。大径孔部38aの径方向外縁部は、段差面38dに上側から接触している。
【0073】
突出部91cは、固定孔38内に固定されている。突出部91cが固定孔38内に固定されることで、バスバーホルダ本体91aは、固定孔38を介して蓋部32aに固定されている。本実施形態において突出部91cは、溶着されて固定孔38内に固定されている。図7では、溶着される前の突出部91cを示している。溶着される前において突出部91cは、軸方向のほぼ全体に亘って外径が均一な円柱状である。図8に示すように、溶着される前の突出部91cを固定孔38内に下側から挿入し、固定孔38内の上側から加熱部材Hによって突出部91cを溶融させることで、突出部91cが固定孔38内に溶着される。溶着される際に突出部91cを構成する樹脂が溶融して固定孔38内に充填されることで、突出部91cが上述した小径部91dおよび大径部91eを有する形状となる。
【0074】
図7に示すように、本実施形態において突出部91cは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。突出部91cは、例えば、4つ設けられている。突出部91cのうち2つの突出部91cは、バスバーホルダ本体91aの周方向両端部に設けられている。突出部91cのうち残りの2つは、周方向に隣り合う被嵌合部91b同士の間のそれぞれに設けられている。これにより、各被嵌合部91bの周方向両側には、それぞれ突出部91cが配置されている。
【0075】
本実施形態においてバスバー92は、一部がバスバーホルダ91に埋め込まれて、バスバーホルダ91に保持されている。バスバー92は、例えば、板状の金属部材が折り曲げられて作られている。本実施形態においてバスバー92は、複数設けられている。バスバー92は、例えば、3つ設けられている。各バスバー92は、各被嵌合部91bに保持されている。バスバー92は、把持部92aと、端子部92bと、を有する。
【0076】
把持部92aは、バスバーホルダ91から径方向外側に突出している。本実施形態において把持部92aは、被嵌合部91bから径方向外側に突出している。把持部92aは、例えば、軸方向に見て、径方向内側に開口するU字形状である。図4および図5に示すように、把持部92aは、コイル43cから上側に引き出されたコイル引出線43dを内側に挟んで把持している。把持部92aは、例えば、2本のコイル引出線43dを把持している。把持部92aには、例えば、はんだ付けまたは溶接などにより、コイル引出線43dが固定されている。これにより、バスバー92がステータ43に電気的に接続されている。また、バスバー92がモータ部40に電気的に接続されている。
【0077】
図5に示すように、端子部92bは、軸方向に延びて、バスバーホルダ91から上側に突出している。本実施形態において端子部92bは、被嵌合部91bから上側に突出している。端子部92bは、バスバー貫通孔37に軸方向に通されている。図2に示すように、端子部92bは、例えば、基板70を軸方向に貫通している。端子部92bは、例えば、はんだ付けなどにより、基板70の図示しない配線パターンに電気的に接続されている。
【0078】
基板70は、板面が軸方向を向く板状である。基板70の板面は、例えば、軸方向と直交する。基板70は、モータケース部32を挟んでモータ部40の上側に位置する。基板70は、蓋部32aの上側に位置する。図3に示すように、基板70は、軸方向に見て、モータシャフト41および出力シャフト61に重なっている。基板70は、例えば、軸方向に見て、左右方向に長い角丸の長方形状である。
【0079】
基板70のうち軸方向に見た場合に基板70の中央に位置する基板中央部71は、軸方向に見てモータシャフト41に重なる位置に対して出力シャフト61に近い側にずれて配置されている。本実施形態において基板中央部71は、軸方向に見てモータシャフト41と出力シャフト61との間に位置する。基板中央部71は、例えば、軸方向に見て、中心軸J1と出力中心軸J3との左右方向の間に位置する。軸方向に見て、基板中央部71と中心軸J1との間の左右方向の距離は、例えば、基板中央部71と出力中心軸J3との間の左右方向の距離よりも小さい。
【0080】
なお、本明細書において「基板中央部」とは、軸方向と直交する少なくとも2つの方向において基板の中心となる部分、および当該中心となる部分の周辺部を含む。また、周辺部とは、例えば、当該中心となる部分からの距離が、当該中心となる部分から基板の外周縁までの距離の半分以下である部分を含む。本実施形態において基板中央部71は、基板70における左右方向の中心かつ前後方向の中心となる部分と、当該中心となる部分の周辺部と、を含む。
【0081】
また、本明細書において「基板中央部が、軸方向に見てモータシャフトに重なる位置に対して出力シャフトに近い側にずれて配置されている」とは、軸方向に見て、基板中央部がモータシャフトからずれて配置され、基板中央部と出力シャフトとの間の距離が、モータシャフトと出力シャフトとの間の距離よりも小さければよい。
【0082】
基板70は、第1固定部材101および第2固定部材102によって、ハウジング11に固定されている。本実施形態において基板70は、ハウジング本体12に固定されている。本実施形態において第1固定部材101および第2固定部材102は、ネジである。第1固定部材101および第2固定部材102は、基板70に設けられた貫通孔に上側から通されて、ハウジング11に設けられた雌ネジ穴に締め込まれている。
【0083】
本実施形態において基板中央部71は、第1固定部材101によってハウジング11に固定されている。図2に示すように、第1固定部材101は、基板中央部71に設けられた貫通孔に上側から通されて、第1雌ネジ穴34に締め込まれている。これにより、基板中央部71は、第1固定部材101によって蓋部32aに固定されている。図3に示すように、第1固定部材101は、例えば、基板中央部71のうちの中心、つまり基板70の左右方向および前後方向の中心を蓋部32aに固定している。
【0084】
本実施形態において基板70のうち軸方向に見た場合に基板70の外縁部に位置する基板外縁部72は、第2固定部材102によってハウジング11に固定されている。基板外縁部72は、軸方向に見て、左右方向に長い長方形枠状である。
【0085】
本実施形態において第2固定部材102は、第2固定部材102a~102fの6つ設けられている。第2固定部材102a~102fのそれぞれは、基板外縁部72に設けられた貫通孔に上側から通されて、図4に示す第2雌ネジ穴35a~35fのそれぞれに締め込まれている。図3に示すように、第2固定部材102aと第2固定部材102bとは、軸方向に見て第1固定部材101を前後方向に挟んで配置されている。第2固定部材102aは、第2雌ネジ穴35aに締め込まれて、基板外縁部72のうち前側に位置する部分における左右方向の中央部を蓋部32aに固定している。第2固定部材102bは、第2雌ネジ穴35bに締め込まれて、基板外縁部72のうち後側に位置する部分における左右方向の中央部を蓋部32aに固定している。
【0086】
第2固定部材102cと第2固定部材102dとは、軸方向に見て、基板70の対角線方向のうち一方の対角線方向に第1固定部材101を挟んで配置されている。第2固定部材102cは、第2雌ネジ穴35cに締め込まれて、基板外縁部72のうち右側かつ前側の角部を柱部36cに固定している。第2固定部材102dは、第2雌ネジ穴35dに締め込まれて、基板外縁部72のうち左側かつ後側の角部を蓋部32aに固定している。
【0087】
第2固定部材102eと第2固定部材102fとは、軸方向に見て、基板70の対角線方向のうち他方の対角線方向に第1固定部材101を挟んで配置されている。第2固定部材102eは、第2雌ネジ穴35eに締め込まれて、基板外縁部72のうち左側かつ前側の角部を蓋部32aに固定している。第2固定部材102fは、第2雌ネジ穴35fに締め込まれて、基板外縁部72のうち右側かつ後側の角部を柱部36fに固定している。
【0088】
このように、基板外縁部72は、軸方向に見て第1固定部材101を挟んで配置された少なくとも一対の第2固定部材102によってハウジング11に固定されている。本実施形態において基板外縁部72は、三対の第2固定部材102、すなわち第2固定部材102a,102bと第2固定部材102c,102dと第2固定部材102e,102fとによってハウジング11に固定されている。
【0089】
図示は省略するが、基板70の板面には、配線パターンが設けられている。基板70の上側の面には、電子部品75a,75b,75cが取り付けられている。電子部品75aは、例えば、基板70の上側の面のうち左側の縁部に複数取り付けられている。複数の電子部品75aは、例えば、インバータ回路76を構成するトランジスタである。インバータ回路76は、例えば、基板70上の配線パターンを介して、複数のバスバー92における端子部92bと電気的に接続されている。インバータ回路76は、モータ部40に供給される電力を調整可能な回路である。本実施形態では、コネクタ部15に接続された図示しない電力系統から供給された電力がインバータ回路76で調整されて、バスバー92を介してステータ43のコイル43cに供給される。
【0090】
本実施形態においてモータ部40には、1つの電力系統のみから電力が供給される。モータ部40に電力を供給する1つの電力系統は、例えば、三相交流電力をモータ部40に供給する。なお、本明細書において「モータ部に電力を供給する電力系統」とは、モータ部を駆動可能な電力を独立してモータ部に供給できるシステムである。例えば、複数の電力系統がモータ部に電力を供給する場合には、各電力系統はそれぞれ独立してモータ部を駆動可能な電力を供給することができる。本実施形態では、コネクタ部15に接続された1つの電力系統によって、ステータ43に三相交流電力が供給される。
【0091】
電子部品75bは、電子部品75a,75cよりも軸方向の寸法が大きい電子部品である。電子部品75bは、例えば、コンデンサである。電子部品75bは、例えば、基板70の上側の面のうち基板中央部71よりも右側に位置する部分に複数取り付けられている。図2に示すように、電子部品75bの上側の端部は、凹部13bの内部に収容されている。電子部品75cは、例えば、トランジスタなどである。電子部品75cは、例えば、基板70の上側の面のうち右側の縁部に複数取り付けられている。
【0092】
モータ部センサ73は、基板70の下面に固定されている。より詳細には、モータ部センサ73は、基板70の下側の面のうち第1センサマグネット45と隙間を介して軸方向に対向する部分に固定されている。モータ部センサ73は、第1センサマグネット45およびモータシャフト41の上側に位置する。モータ部センサ73の下側の端部は、例えば、中央孔32d内に挿入されている。モータ部センサ73は、第1センサマグネット45の磁界を検出可能な磁気センサである。モータ部センサ73は、例えば、磁気抵抗効果素子である。モータ部センサ73は、第1センサマグネット45の磁界を検出することで第1センサマグネット45の回転位置を検出してモータシャフト41の回転を検出する。なお、モータ部センサ73は、ホールICなどのホール素子であってもよい。
【0093】
出力部センサ74は、基板70の下面に固定されている。より詳細には、出力部センサ74は、基板70の下側の面のうち第2センサマグネット63と隙間を介して軸方向に対向する部分に固定されている。出力部センサ74は、第2センサマグネット63および出力シャフト61の上側に位置する。出力部センサ74は、第2センサマグネット63の磁界を検出可能な磁気センサである。出力部センサ74は、例えば、磁気抵抗効果素子である。出力部センサ74は、第2センサマグネット63の磁界を検出することで第2センサマグネット63の回転位置を検出して出力シャフト61の回転を検出する。なお、出力部センサ74は、ホールICなどのホール素子であってもよい。
【0094】
ステータ固定部材80は、モータケース部32の内部に固定されている。図9に示すように、本実施形態においてステータ固定部材80は、固定筒部81と、仕切部82と、を有する。固定筒部81は、中心軸J1を囲む筒状である。固定筒部81は、例えば、中心軸J1を中心とする円筒状である。固定筒部81は、上側に開口している。図2に示すように、固定筒部81は、周壁部32bの内部に嵌め合わされている。本実施形態において固定筒部81は、周壁部32bの内部に圧入により固定されている。これにより、本実施形態においてステータ固定部材80は、周壁部32bの内部に圧入により固定されている。固定筒部81は、例えば、周壁部32bの下側の端部に下側から圧入されている。
【0095】
本実施形態において固定筒部81の締め代は、ステータコア43aの締め代よりも大きい。つまり、本実施形態においてステータコア43aの締め代は、ステータ固定部材80の締め代よりも小さい。周壁部32bのうち固定筒部81が嵌め合わされている部分の内径と周壁部32bのうちステータコア43aが嵌め合わされている部分の内径とは、例えば、互いに同じである。この場合、周壁部32b内から取り外されている状態において、固定筒部81の外径は、ステータコア43aの外径よりも大きい。
【0096】
固定筒部81の下側の端部は、例えば、周壁部32bの下側の端部よりも上側に位置する。固定筒部81の上側の端部は、ステータコア43aの下側の面における径方向外縁部に接触している。これにより、ステータコア43aは、段差面32fと固定筒部81とによって軸方向に挟まれている。したがって、ステータコア43aが軸方向に移動することが抑制されている。以上のようにして、ステータ固定部材80は、周壁部32bの内部に嵌め合わされ、かつ、ステータコア43aを下側から支持して周壁部32b内に固定している。
【0097】
仕切部82は、固定筒部81の内周面から径方向内側に突出している。本実施形態において仕切部82は、固定筒部81の下側の端部における内周面から径方向内側に突出している。図9に示すように、仕切部82は、中心軸J1を囲む環状である。仕切部82は、例えば、中心軸J1を中心とする円環状である。仕切部82は、例えば、板面が軸方向を向く板状である。仕切部82の板面は、例えば、軸方向と直交している。
【0098】
図2に示すように、仕切部82は、モータ部40と伝達機構部50との軸方向の間に位置する。仕切部82は、例えば、ステータ43と出力ギア53との軸方向の間、ステータ43と駆動ギア62との軸方向の間、およびステータ43と嵌合筒部14gとの軸方向の間に跨って配置されている。仕切部82は、例えば、出力ギア53と駆動ギア62とが噛み合っている部分を上側から覆っている。仕切部82の径方向内縁部は、例えば、ステータコア43aの径方向内縁部よりも径方向外側に位置する。
【0099】
ステータ固定部材80の線膨張率は、例えば、ステータコア43aの線膨張率よりも大きい。本実施形態においてステータ固定部材80を構成する材料は、周壁部32bを構成する材料、すなわちハウジング本体12を構成する材料と同じである。つまり、本実施形態においてステータ固定部材80の線膨張率は、周壁部32bの線膨張率と同じである。これにより、周壁部32bの線膨張率とステータ固定部材80の線膨張率との差は、周壁部32bの線膨張率とステータコア43aの線膨張率との差よりも小さい。本実施形態において周壁部32bの線膨張率とステータ固定部材80の線膨張率との差は、ゼロである。ステータ固定部材80を構成する材料は、例えば、アルミニウムなどである。
【0100】
本実施形態によれば、基板70のうち軸方向に見た場合に基板70の中央に位置する基板中央部71は、軸方向に見てモータシャフト41に重なる位置に対して出力シャフト61に近い側にずれて配置され、かつ、第1固定部材101によってハウジング11に固定されている。このように、基板中央部71が軸方向に見てモータシャフト41に重なる位置に対してずれて配置されることで、基板中央部71を第1固定部材101によってハウジング11に容易に固定できる。ここで、基板中央部71は、基板70が振動する際に、振動の腹となりやすい。したがって、基板中央部71を第1固定部材101で固定することによって、基板70が振動することを好適に抑制できる。
【0101】
また、本実施形態のようにモータ部センサ73および出力部センサ74が設けられる場合などには、基板70が軸方向に見てモータシャフト41および出力シャフト61に重なって配置される。そのため、基板中央部71をモータシャフト41からずらす向きを出力シャフト61に近づく向きとすることで、基板中央部71をずらしても基板70が径方向に大型化することを抑制できる。これにより、電動アクチュエータ10が径方向に大型化することを抑制できる。
【0102】
また、本実施形態によれば、基板中央部71は、軸方向に見てモータシャフト41と出力シャフト61との間に位置する。そのため、基板中央部71が軸方向に見てモータシャフト41と出力シャフト61との間からずれて配置される場合に比べて、基板70がモータシャフト41と出力シャフト61とが並ぶ方向と交差する方向に大型化することを抑制できる。具体的には、例えば、基板中央部71がモータシャフト41と出力シャフト61との間から前後方向にずれている場合に比べて、基板70が前後方向に大型化することを抑制できる。これにより、電動アクチュエータ10が径方向に大型化することをより抑制できる。
【0103】
また、本実施形態によれば、基板70のうち軸方向に見た場合に基板70の外縁部に位置する基板外縁部72は、軸方向に見て第1固定部材101を挟んで配置された少なくとも一対の第2固定部材102によってハウジング11に固定されている。そのため、第1固定部材101と少なくとも一対の第2固定部材102とによって、基板70をより安定してハウジング11に固定することができる。これにより、基板70が振動することをより好適に抑制できる。
【0104】
また、本実施形態によれば、第1固定部材101および第2固定部材102は、ネジである。そのため、第1固定部材101および第2固定部材102によって、基板70を容易かつ強固に固定できる。
【0105】
例えば、図2に示すように、ハウジング11の内部には、モータケース部32の右側に、出力シャフト61などが配置される空間が設けられている。この場合、当該空間と軸方向に重なる位置において第1固定部材101によって基板中央部71を固定しようとすると、例えば柱部36c,36fのような部分を設ける必要がある。
【0106】
これに対して、本実施形態によれば、基板中央部71は、第1固定部材101によって蓋部32aに固定されている。そのため、第1固定部材101によって基板中央部71を固定するために、柱部36c,36fのような部分を別途設ける必要がない。これにより、ハウジング11の形状が複雑化することを抑制しつつ、基板中央部71をハウジング11に好適に固定できる。
【0107】
また、本実施形態によれば、蓋部32aは、バスバー92が通されたバスバー貫通孔37を有する。バスバー貫通孔37は、軸方向に見て、モータシャフト41と出力シャフト61とが並ぶ方向と直交する方向に延びモータシャフト41を通る仮想線ILを挟んで第1固定部材101と反対側に配置されている。そのため、蓋部32aのうち仮想線ILよりも出力シャフト61側に位置する部分にバスバー貫通孔37が設けられる場合に比べて、モータシャフト41に対して出力シャフト61に近い側にずれて配置された基板中央部71を固定するための部分を蓋部32aに設けやすい。言い換えれば、基板中央部71を固定するための部分を、バスバー貫通孔37と干渉することを抑制しつつ、蓋部32aに設けやすい。したがって、第1固定部材101によって、蓋部32aに対して基板中央部71をより好適に固定しやすい。
【0108】
また、複数のバスバー貫通孔37が仮想線ILを挟んで第1固定部材101と反対側に配置されることで、各バスバー貫通孔37に通されるバスバー92の端子部92bを仮想線ILよりも左側の領域にまとめて配置できる。そのため、各端子部92bが接続されるインバータ回路76を構成する複数の電子部品75aを、仮想線ILよりも左側の領域にまとめて配置できる。これにより、軸方向の寸法が異なる電子部品75a,75bを基板70上において領域を分けて配置しやすくできる。したがって、上側カバー13に凹部13bなどの電子部品75a,75bを収容する部分を設ける場合に、当該収容する部分の領域を好適に分けて設けやすい。そのため、上側カバー13の形状が複雑化することを抑制できる。
【0109】
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ91は、蓋部32aの下側に位置するバスバーホルダ本体91aを有する。蓋部32aは、蓋部32aを軸方向に貫通する固定孔38を有する。バスバーホルダ本体91aは、固定孔38を介して蓋部32aに固定されている。このように蓋部32aに固定孔38が設けられる場合であっても、バスバー92が通されたバスバー貫通孔37が仮想線ILを挟んで第1固定部材101と反対側に配置されることで、固定孔38の位置を、出力シャフト61から離れた位置にしやすい。これにより、固定孔38と干渉することを抑制しつつ、基板中央部71を固定するための部分を蓋部32aに設けやすい。したがって、第1固定部材101によって、蓋部32aに対して基板中央部71をより好適に固定しやすい。
【0110】
また、本実施形態によれば、モータ部40には、1つの電力系統のみから電力が供給される。そのため、モータ部40に複数の電力系統から電力が供給される場合に比べて、バスバー92の数を少なくしやすい。これにより、バスバー貫通孔37の数を少なくしやすい。したがって、蓋部32aに、基板中央部71を固定するための部分をより設けやすくできる。
【0111】
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ91は、モータケース部32の内部においてロータ本体42と蓋部32aとの軸方向の間に位置し、かつ、蓋部32aに固定されている。ここで、モータケース部32内におけるロータ本体42の上側の空間は、モータケース部32内におけるステータ43の上側の空間などに比べて、比較的軸方向の寸法が大きくなりやすい。そのため、バスバーホルダ91をロータ本体42と蓋部32aとの軸方向の間に配置して蓋部32aに固定することで、モータケース部32内の空間を有効に利用してバスバーホルダ91を配置できる。これにより、例えば、バスバーホルダ91を蓋部32aの上側に配置する場合などに比べて、電動アクチュエータ10が軸方向に大型化することを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、バスバーホルダ91を設けても、電動アクチュエータ10が大型化することを抑制できる。
【0112】
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ91は、ベアリング保持部32cの径方向外側に位置し、ベアリング保持部32cの下側の端部よりも上側に位置する。そのため、バスバーホルダ91がロータ本体42に接触することを抑制できる。
【0113】
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ91は、蓋部32aの下側に位置するバスバーホルダ本体91aと、バスバーホルダ本体91aから上側に突出し、固定孔38内に固定された突出部91cと、を有する。そのため、例えばネジ止めなどによってバスバーホルダ91を蓋部32aに固定する場合に比べて、電動アクチュエータ10の部品点数を少なくしやすい。
【0114】
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ91は、樹脂製であり、突出部91cは、溶着されて固定孔38内に固定されている。そのため、電動アクチュエータ10の部品点数を増加させることなく、容易かつ強固にバスバーホルダ91を蓋部32aに固定できる。また、例えば、突出部91cがスナップフィット構造などで固定される場合に比べて、突出部91cを固定孔38内に充填させることができる。これにより、バスバーホルダ91が、蓋部32aに対して、軸方向と直交する方向にガタつくことを抑制できる。そのため、バスバーホルダ91が保持するバスバー92とコイル引出線43dとの接続が外れるなどの不具合が生じることを抑制できる。また、例えばモータ部40が高温になった場合などに突出部91cが熱で変形しても、突出部91cが固定孔38内で固定孔38の径方向にずれることを抑制できる。したがって、モータ部40が高温になっても、バスバーホルダ91の位置がずれることを抑制できる。そのため、バスバーホルダ91が保持するバスバー92とコイル引出線43dとの接続が外れるなどの不具合が生じることをより抑制できる。
【0115】
また、本実施形態によれば、固定孔38は、蓋部32aの上側の面に開口する大径孔部38aと、大径孔部38aの下側に繋がり、内径が大径孔部38aよりも小さい小径孔部38bと、を有する。突出部91cの上側の端部は、大径孔部38aの内部に位置する。突出部91cの上側の端部における外径は、小径孔部38bの内径よりも大きい。そのため、突出部91cの上側の端部が小径孔部38bを通って下側に抜けることを抑制できる。これにより、モータケース部32内においてバスバーホルダ91が下側に脱落することを好適に抑制できる。
【0116】
また、本実施形態によれば、大径孔部38aと小径孔部38bとの軸方向に間には、上側を向く段差面38dを有する段差38cが設けられている。そのため、突出部91cのうち大径孔部38a内に位置する大径部91eを、段差面38dに上側から接触させることができる。これにより、蓋部32aによって大径部91eを下側から好適に支持でき、突出部91cが下側に抜けることをより好適に抑制できる。したがって、モータケース部32内においてバスバーホルダ91が下側に脱落することをより好適に抑制できる。
【0117】
また、本実施形態によれば、小径孔部38bの軸方向両側の端部のうち少なくとも一方の端部における内周縁部は、全周に亘って面取りされた形状である。そのため、小径孔部38bの軸方向両側の端部のうち少なくとも一方の端部における内周縁部に、テーパ面を設けることができる。本実施形態では、小径孔部38bの軸方向両側の端部にテーパ面38f,38gが設けられている。これにより、突出部91cを溶着する際、溶融した樹脂がテーパ面38f,38gに沿って固定孔38の中心に集められやすい。したがって、突出部91cを溶着する際に、軸方向と直交する方向においてバスバーホルダ91の位置がずれることを抑制できる。また、例えばモータ部40が高温になった場合などに突出部91cが熱で多少溶融しても、溶融した樹脂が、テーパ面38f,38gに沿って固定孔38の中心に集められやすい。これにより、モータ部40が高温になっても、固定孔38に対して突出部91cの位置が、固定孔38の径方向にずれることを抑制でき、バスバーホルダ91の位置がずれることをより抑制できる。したがって、バスバーホルダ91が保持するバスバー92とコイル引出線43dとの接続が外れるなどの不具合が生じることをより抑制できる。
【0118】
また、本実施形態によれば、大径孔部38aの上側の端部における内周縁部は、全周に亘って面取りされた形状である。そのため、大径孔部38aの上側の端部における内周縁部にテーパ面38eを設けることができる。これにより、図8に示すように、加熱部材Hを用いて突出部91cを溶着する際に、加熱部材Hの下側の端部を、テーパ面38eの内側に嵌めることで、加熱部材Hを安定して配置することができる。したがって、加熱部材Hを用いて突出部91cを溶着しやすくできる。
【0119】
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ91は、バスバー貫通孔37内に嵌め合わされた被嵌合部91bを有する。そのため、軸方向と直交する方向においてバスバーホルダ91がずれることをより抑制できる。本実施形態では、被嵌合部91bがバスバー貫通孔37内に嵌め合わされることで、バスバーホルダ91が周方向にずれることを抑制できる。
【0120】
例えば、本実施形態のように周壁部32bがダイカストによって作られている場合などにおいては、周壁部32bの線膨張率がステータコア43aの線膨張率よりも大きく、かつ、周壁部32bの線膨張率とステータコア43aの線膨張率との差が比較的大きくなりやすい。この場合において、ステータコア43aを圧入によって周壁部32b内に固定すると、締め代が比較的小さいため、モータ部40が高温となって周壁部32bおよびステータコア43aが熱膨張した際に、ステータコア43aと周壁部32bとの径方向の間に隙間が生じてステータコア43aが外れる虞がある。そのため、このような場合には、ステータコア43aを周壁部32b内に焼き嵌めで固定して、締め代を比較的大きくする必要があった。しかし、この場合には、焼き嵌めによってハウジング11が高温になるため、ハウジング11に樹脂製のバスバーホルダ91などが取り付けられた状態では、バスバーホルダ91などが熱によって損傷する虞がある。したがって、バスバーホルダ91などのハウジング11に取り付ける部品は、ステータコア43aを周壁部32b内に焼き嵌めした後に取り付ける必要があるなど、電動アクチュエータ10の構造および組立方法などに制限が生じる場合があった。
【0121】
これに対して、本実施形態によれば、ステータ固定部材80は、周壁部32bの内部に嵌め合わされ、かつ、ステータコア43aを下側から支持して周壁部32b内に固定している。周壁部32bの線膨張率は、ステータコア43aの線膨張率よりも大きい。周壁部32bの線膨張率とステータ固定部材80の線膨張率との差は、周壁部32bの線膨張率とステータコア43aの線膨張率との差よりも小さい。そのため、ステータ固定部材80の線膨張率を、周壁部32bの線膨張率に近い値、または周壁部32bの線膨張率と同じ値にできる。これにより、周壁部32bおよびステータ固定部材80がモータ部40の熱によって膨張しても、ステータ固定部材80が周壁部32bから外れることを抑制できる。したがって、仮に線膨張率の差によってステータコア43aと周壁部32bとの間に隙間が生じるなどしても、ステータ固定部材80によってステータコア43aを固定した状態を維持できる。そのため、モータ部40が高温になってもステータコア43aがハウジング11から外れることを抑制できる。これにより、周壁部32bの線膨張率とステータコア43aの線膨張率との差が比較的大きい場合であっても、焼き嵌めに比べて締め代が小さい圧入などの方法を用いてステータコア43aを周壁部32b内に配置しつつ、ステータコア43aがモータ部40の熱に起因して外れることを抑制できる。
【0122】
このように、ステータコア43aを周壁部32b内に固定するために焼き嵌めを用いる必要がないため、焼き嵌め以外の方法でステータコア43aを周壁部32b内に配置することで、ステータコア43aを組み付ける前に、バスバーホルダ91などをハウジング11に取り付ける組立方法を採用できる。したがって、電動アクチュエータ10の構造および組立方法などに制限が生じることを抑制できる。
【0123】
また、ステータコア43aを組み付ける前にバスバーホルダ91をハウジング11に取り付けることが可能であるため、バスバーホルダ91をモータケース部32の内部において蓋部32aの下側に固定した後に、ステータコア43aをモータケース部32内に固定することが可能となる。したがって、バスバーホルダ91をモータケース部32内におけるロータ本体42の上側に配置して電動アクチュエータ10が軸方向の大型化することを抑制しつつ、モータ部40が高温になってもステータコア43aがハウジング11から外れることを抑制できる。
【0124】
また、本実施形態によれば、ステータコア43aおよびステータ固定部材80は、周壁部32bの内部に圧入により固定されている。ステータコア43aの締め代は、ステータ固定部材80の締め代よりも小さい。そのため、ステータコア43aを周壁部32b内に軽圧入できる。これにより、電動アクチュエータ10を組み立てる際に、ステータ固定部材80を組み付ける前にステータコア43aが周壁部32b内から脱落することを抑制でき、かつ、ステータコア43aを周壁部32b内に容易に組み付けることができる。
【0125】
また、本実施形態によれば、ステータ固定部材80を構成する材料は、周壁部32bを構成する材料と同じである。そのため、ステータ固定部材80の線膨張率と周壁部32bの線膨張率とを互いに同じにできる。これにより、モータ部40の熱によってステータ固定部材80および周壁部32bが膨張しても、ステータ固定部材80の固定が緩むことを好適に抑制できる。したがって、ステータ固定部材80によってステータコア43aを周壁部32b内に固定した状態をより好適に維持できる。
【0126】
また、本実施形態によれば、モータケース部32は、ダイカスト製品である。そのため、上述したように周壁部32bの線膨張率とステータコア43aの線膨張率との差が比較的大きくなりやすい。これに対して、本実施形態では、上述したようにステータ固定部材80を用いることで、焼き嵌めすることなく、ステータコア43aを周壁部32b内に好適に固定できる。このように、電動アクチュエータ10の構造および組立方法などに制限が生じることを抑制できる効果は、モータケース部32がダイカスト製品である場合に、より有用に得られる。
【0127】
また、本実施形態によれば、ステータ固定部材80は、周壁部32bの内部に嵌め合わされた筒状の固定筒部81と、固定筒部81の内周面から径方向内側に突出し、モータ部40と伝達機構部50との軸方向の間に位置する仕切部82と、を有する。そのため、仕切部82によって、伝達機構部50で生じた金属粉等の異物がステータ43に移動することを抑制できる。これにより、モータ部40に異物が侵入することを抑制できる。このように、ステータ固定部材80の一部を利用してモータ部40に異物が侵入することを抑制できるため、モータ部40に異物が侵入することを抑制するために他の部材を別途設ける必要がない。これにより、電動アクチュエータ10の部品点数が増加することを抑制しつつ、モータ部40に異物が侵入することを抑制できる。
【0128】
また、筒状の固定筒部81が周壁部32bの内部に嵌め合わされているため、周壁部32bの内周面と固定筒部81の外周面との間を好適に封止することができる。これにより、周壁部32bの内周面と固定筒部81の外周面との間から異物がステータ43に移動することを好適に抑制できる。したがって、モータ部40に異物が侵入することをより抑制できる。
【0129】
また、本実施形態によれば、仕切部82は、駆動ギア62と出力ギア53とが噛み合っている部分を覆っている。そのため、互いに噛み合う駆動ギア62と出力ギア53とが擦れ合って金属粉が生じる場合であっても、生じた金属粉を仕切部82によって遮ることができる。これにより、駆動ギア62と出力ギア53とが擦れ合って生じた金属粉がステータ43に移動することを抑制できる。したがって、モータ部40に異物が侵入することをより抑制できる。
【0130】
特に、伝達機構部50から出力部60へと回転トルクが伝達される際においては、互いに噛み合うギア同士に大きな負荷が掛かりやすい。そのため、互いに噛み合う駆動ギア62と出力ギア53とには、伝達機構部50における他のギアに比べて負荷が掛かりやすい。これにより、駆動ギア62と出力ギア53とが噛み合う部分においては、伝達機構部50における他のギア同士が噛み合っている部分に比べて、ギア同士が強く擦れやすく金属粉が生じやすい。そのため、駆動ギア62と出力ギア53とが擦れ合って生じた金属粉がステータ43に移動することを仕切部82によって抑制できることで、モータ部40に異物が侵入することを好適に抑制できる。
【0131】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。基板中央部は、ハウジングに対してどのような位置に配置されてもよい。基板中央部は、軸方向に見て、モータシャフトと出力シャフトとの間からずれて配置されていてもよい。基板中央部は、モータケース部の蓋部以外の部分に固定されてもよい。基板外縁部は、一対の第2固定部材によって固定されていなくてもよい。第1固定部材および第2固定部材は、リベットなどネジ以外の部材であってもよい。バスバー貫通孔および固定孔は、蓋部においてどのように配置されてもよい。バスバー貫通孔は、設けられていなくてもよい。固定孔は、設けられていなくてもよい。
【0132】
モータケース部の周壁部の線膨張率は、特に限定されない。周壁部の線膨張率は、ステータコアの線膨張率と同じであってもよいし、ステータコアの線膨張率より小さくてもよい。周壁部の線膨張率は、蓋部の線膨張率と異なっていてもよい。周壁部の線膨張率は、ステータ固定部材の線膨張率より大きくてもよいし、ステータ固定部材の線膨張率より小さくてもよい。モータケース部は、ダイカスト製品でなくてもよい。
【0133】
バスバーホルダは、モータケース部の内部においてロータ本体と蓋部との軸方向の間に位置し、かつ、蓋部に固定されているならば、どのような形状であってもよいし、どのように配置されていてもよいし、蓋部に対してどのように固定されていてもよい。バスバーホルダは、ネジ止めによって蓋部に固定されていてもよい。この場合、例えば、蓋部に設けられた固定孔にネジが通される。バスバーホルダは、スナップフィット構造によって蓋部に固定されていてもよい。
【0134】
バスバーホルダは、ベアリング保持部の径方向外側に位置しなくてもよい。溶着によってバスバーホルダが蓋部に固定される場合において、固定孔の形状は、どのような形状であってもよい。固定孔の小径孔部および大径孔部は、全周に亘って面取りされた形状を有しなくてもよい。固定孔は、内径が均一な孔であってもよい。バスバーホルダは、被嵌合部を有しなくてもよい。
【0135】
ステータコアが周壁部の内部に圧入される場合、ステータコアの締め代は、ステータ固定部材の締め代以上であってもよい。ステータコアは、周壁部の内部に圧入されていなくてもよい。ステータコアは、周壁部の内部に隙間嵌めなどによって配置されてもよい。モータ部には、2つ以上の電力系統から電力が供給されてもよい。
【0136】
ステータ固定部材は、周壁部の内部に嵌め合わされ、かつ、ステータコアを下側から支持して周壁部内に固定できるならば、どのような形状であってもよい。ステータ固定部材は、仕切部を有しなくてもよい。ステータ固定部材を構成する材料は、周壁部を構成する材料と異なっていてもよい。ステータ固定部材は、例えば、接着剤などによって周壁部内に固定されてもよい。ステータ固定部材は、設けられなくてもよい。
【0137】
伝達機構部は、モータシャフトの回転を出力シャフトに伝達できるならば、どのような構造であってもよい。伝達機構部は、増速機であってもよいし、モータシャフトの回転を変速しない機構であってもよい。伝達機構部および出力シャフトは、設けられていなくてもよい。この場合、電動アクチュエータは、モータであってもよい。
【0138】
本発明が適用される電動アクチュエータの用途は、特に限定されない。電動アクチュエータは、運転者のシフト操作に基づいて駆動されるシフト・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載されてもよい。また、電動アクチュエータは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0139】
10…電動アクチュエータ、32…モータケース部、32a…蓋部、32c…ベアリング保持部、38c…段差、38d…段差面、37…バスバー貫通孔、38…固定孔、38a…大径孔部、38b…小径孔部、40…モータ部、40a…ロータ、41…モータシャフト、42…ロータ本体、43…ステータ、91…バスバーホルダ、91a…バスバーホルダ本体、91b…被嵌合部、91c…突出部、92…バスバー、J1…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9