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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】照明システム、照明器具および操作装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20240611BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240611BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20240611BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240611BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/105
H05B47/17
H05B47/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020163520
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055849
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】羽生田 有美
(72)【発明者】
【氏名】貞照 知基
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 美雪
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-094452(JP,A)
【文献】特開2019-204705(JP,A)
【文献】特開2017-108208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/19
H05B 47/105
H05B 47/17
H05B 47/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具と複数の操作装置とを有する照明システムにおいて、
前記照明器具は、
照明光を照射する照明部と;
複数の操作装置と通信する第1の通信部と;
前記第1の通信部により各操作装置から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に基づいて前記照明部を制御し、選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置へ送信する第1の制御部と;
を備え、
前記操作装置は、
前記照明器具と通信する第2の通信部と;
前記第2の通信部により前記照明器具に対する作動指令を送信するとともに、前記照明器具からの制御状態信号を受信し、前記制御状態信号に基づいて前記照明器具が前記照明部の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報を表示装置に表示させる第2の制御部と;
を備える、照明システム。
【請求項2】
前記操作装置の前記第2の制御部は、前記照明器具に対する調光信号と前記調光信号の送信元である当該操作装置を示す情報とを含む作動指令を前記第2の通信部により前記照明器具へ送信し、
前記照明器具の前記第1の制御部は、前記第1の通信部により各操作装置から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に含まれる調光信号に基づいて前記照明部を制御し、選択中の作動指令に含まれる情報によって当該作動指令の送信元である操作装置を特定し、前記選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置へ送信する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記照明器具の前記第1の制御部は、設定されている動作モードに従って前記第2の通信部により各操作装置から受信する作動指令の中から前記照明部の制御に用いる1つの作動指令を選択する、
請求項1又は2の何れか1項に記載の照明システム。
【請求項4】
前記照明器具の前記第1の制御部は、動作モードがHTPモードである場合には、前記第2の通信部により各操作装置から受信する作動指令の中から最も作動指令レベルが高い作動指令を選択し、動作モードが優先操作装置モードである場合には、前記第2の通信部により各操作装置から受信する作動指令の中から優先操作装置に設定されている操作装置からの作動指令を優先して選択する、
請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記照明器具の前記第1の制御部は、設定されている動作モードを示す情報をさらに含む制御状態情報を各操作装置へ送信し、
前記操作装置の前記第2の制御部は、前記制御状態信号に基づいて前記照明器具が前記照明部の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報とともに前記照明器具に設定されている動作モードを示す情報を表示装置に表示させる、
請求項3又は4の何れか1項に記載の照明システム。
【請求項6】
作動指令の送信元である操作装置を示す情報を表示装置に表示させる操作装置と通信可能な照明器具であって、
照明光を照射する照明部と;
複数の操作装置と通信する通信部と;
前記通信部により複数の操作装置から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に基づいて前記照明部を制御し、選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置へ送信する制御部と;
を備える照明器具。
【請求項7】
複数の操作装置と通信可能である照明器具と通信する通信部と;
前記通信部を用いて前記照明器具に対する作動指令を送信するとともに、前記照明器具からの制御状態信号を受信し、前記通信部で受信した前記制御状態信号に基づいて前記照明器具が照明光の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報を文字情報として表示装置に表示させる制御部と;
を備える操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システム、照明器具および操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明システムでは、複数の操作装置からネットワークを用いて送信される調光信号に基づいて複数の照明器具が制御されるものがある。このような照明システムでは、照明器具は、複数の操作装置から複数の調光信号を受信した場合、複数の調光信号から1つの調光信号を選択し、選択した調光信号に基づいて照明光を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-117566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の照明システムでは、各操作装置が、照明器具を指定した調光信号を送信するだけであるため、照明器具では、複数の操作装置からの調光信号がどの操作装置からの調光信号であるかを特定することが難しい。また、従来の照明システムでは、各操作装置において照明器具がどこの操作装置からの調光信号によって照明光を制御しているかを確認することができない。
本発明が解決しようとする課題は、照明器具がどの操作装置からの信号によって照明光を制御しているかを確認できる照明システム、照明器具および操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、照明システムは、照明器具と複数の操作装置とを有する。照明器具は、照明部と第1の通信部と第1の制御部とを備える。照明部は、照明光を照射する。第1の通信部は、複数の操作装置と通信する。第1の制御部は、第1の通信部により各操作装置から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に基づいて照明部を制御し、選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置へ送信する。操作装置は、第2の通信部と第1の制御部とを備える。第2の通信部は、照明器具と通信する。第1の制御部は、第2の通信部により照明器具に対する作動指令を送信するとともに照明器具からの制御状態信号を受信し、制御状態信号に基づいて照明器具が照明部の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報を表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、照明器具がどの操作装置からの信号によって照明光を制御しているかを確認できる照明システム、照明器具および操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る照明システムの照明器具における構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る照明システムの操作装置における構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る照明システムの照明器具の動作例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る照明システムの操作装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る照明システムの操作装置が表示部に表示させる照明器具の動作状態を示す状態画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の照明システム(100)は、照明器具(101~106)と複数の操作装置(111~114)とを有する。照明器具(101~106)は、照明部(202)と第1の通信部(203)と第1の制御部(201)とを備える。照明部(202)は、照明光を照射する。第1の通信部(203)は、複数の操作装置(111~114)と通信する。第1の制御部(201)は、第1の通信部(203)により各操作装置(101~106)から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に基づいて照明部(202)を制御し、選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置(111~114)へ送信する。操作装置(111~114)は、第2の通信部(302)と第1の制御部(301)とを備える。第2の通信部(302)は、照明器具(101~106)と通信する。第1の制御部(301)は、第2の通信部(302)により照明器具(101~106)に対する作動指令を送信するとともに、照明器具(101~106)からの制御状態信号を受信し、制御状態信号に基づいて照明器具(101~106)が照明部(202)の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報を表示装置(305)に表示させる。これにより、照明器具がどの操作装置からの信号によって照明光を制御しているか示す情報を表示装置に表示でき、オペレータが簡単に照明器具の動作状態を確認することができる。
【0009】
実施形態の照明システム(100)において、操作装置(111~114)の第2の制御部(301)は、照明器具(101~106)に対する調光信号と調光信号の送信元である当該操作装置を示す情報とを含む作動指令を第2の通信部(302)により照明器具(101~106)へ送信する。照明器具(101~106)の第1の制御部(201)は、第1の通信部(203)により各操作装置(111~114)から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に含まれる調光信号に基づいて照明部(202)を制御し、選択中の作動指令に含まれる情報によって当該作動指令の送信元である操作装置を特定し、選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置(111~114)へ送信する。これにより、操作装置から各照明器具へ送信される作動指令では送信元である操作装置を明示でき、照明器具では選択した作動指令がどの操作装置からの作動指令であるかを特定できる。この結果、照明器具は制御状態信号において選択中の作動指令の送信元である操作装置を明示することでき、オペレータが操作装置において各照明器具がどの操作装置からの作動指令によって照明光を制御しているかを確認できる。
【0010】
実施形態の照明システム(100)において、照明器具(101~106)の第1の制御部(201)は、設定されている動作モードに従って第2の通信部(202)により各操作装置(111~114)から受信する作動指令の中から照明部(202)の制御に用いる1つの作動指令を選択する。これにより、照明器具では設定された動作モードに従って照明部の制御に用いる作動指令を選択できる。
【0011】
実施形態の照明システム(100)において、照明器具(101~106)の第1の制御部(201)は、動作モードがHTPモードである場合には第1の通信部(203)により各操作装置(111~114)から受信する作動指令の中から最も調光信号レベルが高い作動指令を選択し、動作モードが優先操作装置モードである場合には第1の通信部(203)により各操作装置(111~114)から受信する調光信号の中から優先操作装置に設定されている操作装置からの調光信号を優先して選択する。これにより、照明システムにおける照明器具には必要に応じてHTPモードと優先操作装置モードとの何れかの動作モードを適宜設定できる。
【0012】
実施形態の照明システム(100)において、照明器具(101~106)の第1の制御部(201)は、設定されている動作モードを示す情報をさらに含む制御状態情報を各操作装置(111~114)へ送信する。操作装置(111~114)の第2の制御部(203)は、制御状態信号に基づいて照明器具(101~106)が照明部(202)の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報とともに照明器具(101~106)に設定されている動作モードを示す情報を表示装置(305)に表示させる。これにより、オペレータは、照明システムにおける各照明器具の動作状態を各操作装置において簡単に確認することできる。
【0013】
実施形態の照明器具(101~104)において、照明部(202)と通信部(203)と制御部(201)とを備える。照明部(202)は、照明光を照射する。通信部(203)は、複数の操作装置(111~114)と通信する。制御部(201)は、通信部(203)により複数の操作装置(111~114)から受信する作動指令の中から選択する1つの作動指令に基づいて照明部(202)を制御し、選択中の調光信号の送信元となる操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置(111~114)へ送信する。これにより、照明器具は、どの操作装置からの作動指令によって動作しているかを示す情報を各操作装置に提供でき、オペレータが任意の操作装置において照明器具の動作状態を確認可能とすることができる。
【0014】
実施形態の操作装置(111~114)は、通信部(302)と制御部(301)とを備える。通信部(302)は、照明器具(101~104)と通信する。制御部(301)は、通信部(302)を用いて照明器具(101~104)に対する作動指令を送信するとともに、照明器具(101~104)からの制御状態信号を受信し、通信部(302)で受信した制御状態信号に基づいて照明器具(101~104)が照明光の制御に用いている作動指令の送信元である操作装置を示す情報を表示装置(305)に表示させる。これにより、オペレータは、各操作装置において、照明器具がどの操作装置からの作動指令によって動作しているかを簡単に確認することができる。
【0015】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る照明システム100の構成例を示す図である。
図1に示すように、照明システム100は、複数の照明器具101~106、複数の操作装置111~115、中間装置121および中間機器(DMXノード)122を備える。
複数の照明器具101~106は、例えば、スタジオ、劇場、舞台等に設置されるムービングライト、スポットライト、フラッドライト、ダウンライト等である。照明器具101~104は、複数の操作装置111~114からの調光信号と送信元を示す情報とを含む作動指令を受信する機能を有する。照明器具101~104は、複数の操作装置111~114から複数の作動指令を受けた場合には、設定されている動作モードに従って複数の作動指令の中から1つの作動指令を選択し、選択した作動指令に含まれる調光信号などに従って照明光を制御する。
【0016】
また、照明器具101~104は、自身の制御状態を示す制御状態信号を複数の操作装置111~114へ送信する。照明器具101~104は、各操作装置111~114から調光信号と送信元の操作装置とを示す情報を含む作動指令を受信し、受信した作動指令の中から選択した作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置111~114へ送信する。
【0017】
照明器具105、106は、中間機器122からの調光信号を受信し、受信した調光信号に基づいて照明光を制御する。照明器具105、106は、受信した調光信号に基づく制御状態を示す制御信号を中間機器122へ送信する。
【0018】
中間機器122は、照明器具105、106に対する複数の操作装置111~114からの調光信号を含む作動指令および簡易操作装置115からの調光信号を受信する。中間機器122は、複数の操作装置111~114および簡易操作装置115からの照明器具105、106に対する複数の調光信号を受けた場合には、設定されている動作モードに従って複数の調光信号の中から1つの調光信号を選択し、選択した調光信号を照明器具105、106へ送信する。中間機器122は、照明器具105、106から受信した制御信号と照明器具105、106へ送信した調光信号の送信元の操作装置を示す情報とを含む照明器具105、106の制御状態信号を操作装置111~114へ送信する。
【0019】
操作装置111~114は、例えば、スタジオや劇場等に設置される常設の調光操作卓を含む。また、操作装置111~114は、例えば、スタジオや劇場等に持ち込まれる持込操作端末、スタジオや劇場等に設置されるバックアップ端末を含むものであっても良い。さらに、操作装置111~114は、スタジオや劇場等の照明器具が設置される場所の外部(遠隔地)から、インターネット等のネットワークを介して接続される携帯端末などの操作端末(例えば、携帯端末又はPCなど)で構成される装置を含むものであっても良い。
【0020】
操作装置111~114は、各照明器具101~106が照射する照明光を制御するための調光信号と送信元を示す情報とを含む作動指令を各照明器具101~106へ送信する。また、操作装置111~115は、各照明器具101~106における制御状態を示す制御状態信号を各照明器具101~106から受信する。操作装置111~114は、各照明器具101~106の制御状態信号に基づいて各照明器具111~114の制御状態を示す情報(状態画面)を表示装置(表示部)に表示する。
【0021】
操作装置111~114は、各照明器具111~114に適用されている作動指令の送信元の操作装置を示す情報を含む制御状態信号を受信する。これにより、操作装置111~114は、各照明器具111~114の制御状態を示す情報として、各照明器具111~114の照明光の制御に採用している調光信号(作動指令)の送信元である操作装置を示す情報を表示装置に表示する。
【0022】
中間装置121は、照明器具101~104と操作装置111~114との間の通信経路を接続するための接続装置である。中間装置121は、例えば、スイッチングハブ、ルータ等である。また、図1に示す構成例においては、中間装置121は、操作装置111~114と照明器具105~106が接続される中間機器122との間の通信経路を接続するための接続装置としても機能する。
【0023】
図1に示す構成例において、照明器具101~104は、中間装置121を介して接続される操作装置111~114と第1の通信規格によるネットワーク通信によって通信する。照明器具101~104は、第1の通信規格での通信によって、操作装置111~114からの作動指令を受信し、動作状態を示す制御信号(制御状態信号)を操作装置111~114へ送信する通信機能を有する。
【0024】
第1の通信規格は、後述するような操作装置111~114からの照明器具101~106に対する作動指令と照明器具101~104および中間機器122から操作装置111~114への制御状態信号とが伝送できるものであれば良い。第1の通信規格は、例えば、イーサネット(登録商標)である。
【0025】
照明器具105~106は、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって中間機器122と通信する。第2の通信規格は、例えば、DMX(Digital mutipleX)やRDM(Remote Device Management)等の照明関連の機器固有の通信規格である。照明器具105、106は、第2の通信規格で通信する中間機器122からの調光信号を受けて制御信号を中間機器122に返す機能を有する。
【0026】
中間機器122は、中間装置121を介して接続される操作装置111~114と第1の通信規格によって通信する。中間機器122は、第1の通信規格による通信を用いて操作装置111~114から送信された調光信号を含む作動指令を照明器具105、106に固有な通信規格に調光信号に変換する機能を有する。中間機器122は、例えば、DMXノードである。この場合、中間機器122は、操作装置111~114からの第1の通信規格を用いて受信した調光信号を含む作動指令をDMX信号に変換する。また、中間機器122は、簡易操作装置115にも接続され、簡易操作装置115からの照明器具105、106に対する調光信号も受信する。
【0027】
中間機器122は、操作装置111~114および簡易操作装置115からの複数の調光信号から中間機器122に設定された処理方法(動作モード)に基づいて選択した1つの調光信号を照明器具105、106へ送信する。中間機器122に設定される処理方法としては、例えば、HTP(Highest Takes Precedence)、LTP(Latest Takes Precedence)等が挙げられる。
【0028】
また、中間機器122は、照明器具105、106に送信した調光信号の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を操作装置111~114へ送信する。例えば、中間機器122は、照明器具105に送信した調光信号の送信元である操作装置を示す情報などを含む照明器具105の制御状態信号を操作装置111~114へ送信する。また、中間機器122は、照明器具106に送信した調光信号の送信元である操作装置を示す情報などを含む照明器具106の制御状態信号を操作装置111~114へ送信する。
【0029】
なお、図1に示す例では、第1の通信規格により通信する通信経路を実線の矢印を用いて示し、第2の通信規格により通信する通信経路を破線の矢印を用いて示す。
また、本実施形態の照明器具101~106には、それぞれDMXアドレスが設定される。DMXアドレスは、DMXのデータの中でどの番号のデータを使用するかを設定する番号である。また、照明器具101~106には、それぞれ器具IDが割り当てられる。器具IDは、照明器具101~106のそれぞれに固有のIDである。
【0030】
次に、実施形態に係わる照明器具101~106の構成について説明する。
照明器具101~106は、制御部201、照明部202、通信部203、記憶部204を備える。照明器具101~104と照明器具105~106とは、図2に示すような同様の構成を備える。ただし、照明器具101~104と照明器具105~106とは、通信部203が対応する通信規格が異なる。
【0031】
制御部201は、照明器具101~106全体を制御する。制御部201は、プロセッサ、メモリ、および、各種のインターフェースなどにより構成される。制御部201は、例えば、1つ以上のコンピュータから構成される。制御部201において、プロセッサは、メモリなどに記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。
【0032】
制御部201のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、および、DSP(Digital Signal processor)などで構成される。メモリは、ROM、RAM、半導体メモリなどの記憶装置により構成される。メモリには、プロセッサが実行するプログラムあるいは設定データなどが記憶される。
【0033】
照明部202は、光を照射する。例えば、照明部202は、LED等の発光素子を備え、発光素子で発光した光を照明光として照射する。照明部202は、制御部201の制御に従って制御される。例えば、照明部202は、制御部201から指定される調光レベルに調整した照明光を照射する。
【0034】
また、照明部202は、制御部201からの制御指令に応じて照明光の光色を制御するようにして良い。この場合、照明器具101~106に対する作動指令に含まれる調光信号には、照明光の光色を指定する情報が含まれる。また、照明部202は、制御部201からの制御指令に応じて照明光の照射方向を制御するようにして良い。この場合、照明器具101~106に対する作動指令に含まれる調光信号には、照明光の照射方向を指定する情報が含まれる。
【0035】
通信部203は、他の照明関連の機器と通信する通信インターフェースである。照明器具101~104の通信部203は、第1の通信規格による通信を用いて、他の照明関連の機器と通信する。例えば、照明器具101~104は、第1の通信規格による通信によって中間装置121を介して操作装置111~114と通信する。第1の通信規格は、作動指令および制御状態情報を送受信できる通信プロトコルを用いた通信であれば良い。
【0036】
照明器具105、106の通信部203は、第2の通信規格による信号を送信および受信する。照明器具105、106の通信部203は、DMXあるいはRDM等の第1の通信規格とは異なる第2の通信規格を用いて他の照明関連の機器と通信する。
【0037】
操作部204および表示部205は、ユーザインターフェースである。操作部204は、オペレータによって各種の操作等が入力される。表示部205は、オペレータに報知する情報などを表示する。例えば、操作部204および表示部205は、ディスプレイ、タッチパネル等を含むユーザインターフェースで構成される。
【0038】
なお、一部の照明器具101~106では、操作部204および表示部205を省略した構成であっても良いし、インターフェースを介して接続される照明器具101~106とは別の装置として設けられるユーザインターフェースで操作部204および表示部205の機能を実現するようにしても良い。
【0039】
次に、実施形態に係わる操作装置111~114の構成について説明する。
図3は、実施形態に係わる操作装置111~114における制御系の構成例を示すブロック図である。
操作装置111~114は、制御部301、通信部302、記憶部303、操作部304、表示部305、端末通信部306を備える。
【0040】
制御部301は、操作装置111~114全体を制御する。制御部301は、プロセッサ、メモリ、および、各種のインターフェースなどにより構成される。制御部301は、例えば、1つ以上のコンピュータから構成される。制御部301において、プロセッサは、メモリなどに記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。
【0041】
制御部301のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、および、DSP(Digital Signal processor)などで構成される。メモリは、ROM、RAM、半導体メモリなどの記憶装置により構成される。メモリには、プロセッサが実行するプログラムあるいは設定データなどが記憶される。
【0042】
ただし、制御部301のプロセッサが実行するプログラムは、インターネット等のネットワークを介して接続されたコンピュータ(サーバ)、又は、クラウド環境のサーバ等に格納されてもよい。この場合、制御部301のプロセッサは、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードする。ネットワークとしては、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、移動体通信網、Bluetooth(登録商標)などが挙げられる。
【0043】
通信部302は、他の照明関連の機器と通信する通信インターフェースである。操作装置111~114の通信部302は、第1の通信規格による通信を用いて、他の照明関連の機器と通信する。操作装置111~114の通信部302は、第1の通信規格による通信によって中間装置121を介して照明器具101~104と通信する。通信部302は、第1の通信規格による通信によって中間装置121を介して照明器具101~104へ作動指令を送信し、照明器具101~104からの制御状態情報を中間装置121を介して受信する。
【0044】
また、通信部302は、中間装置121および中間機器122を介して照明器具105、106に対する作動指令を送信する。通信部302は、第1の通信規格による通信によって中間装置121を介して中間機器122と通信する。中間機器122は、第2の通信規格による通信によって照明器具105、106と通信する。
【0045】
すなわち、通信部302は、第1の通信規格で中間装置121を介して照明器具105、106に対する作動指令を中間機器122へ送信し、中間機器122からは第2の通信規格で調光信号を照明器具105、106へ送信する。また、中間機器122は、第2の通信規格で照明器具105、106からの制御信号を受信し、受信した制御信号に基づく照明器具105、106の制御状態情報を生成し、生成した照明器具105、106の制御状態情報を第1の通信規格で各操作装置111~114へ送信する。
【0046】
記憶部303は、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶装置により構成される。例えば、記憶部303は、各照明器具101~106から受信する制御状態情報などを記憶する。
【0047】
操作部304および表示部305は、ユーザインターフェースである。操作部304は、オペレータによって各照明器具101~106に対する調光の指示入力などの各種の操作等が入力される。表示部305は、オペレータに報知する情報などを表示する表示装置である。例えば、操作部304および表示部305は、ディスプレイ、タッチパネル等を含むユーザインターフェースで構成される。
【0048】
なお、操作部304および表示部305は、インターフェースを介して接続される操作装置111~114とは別の装置で実現しても良い。例えば、無線通信などによって接続されるタブレットPCやスマートフォンなどの携帯端末と通信する通信インターフェースを設け、通信インターフェースを介して通信する携帯端末の操作部および表示部を操作部304および表示部305として動作させるような構成としても良い。
【0049】
また、簡易操作装置115は、操作装置111~114と同様の構成を備える。ただし、簡易操作装置115は、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格を用いて、中間機器122に接続される照明器具105、106に対する調光信号を出力する。すなわち、簡易操作装置115は、DMX、RDM等の第2の通信規格を用いて照明器具105、106に対する調光信号を中間機器122へ送信する。
【0050】
次に、実施形態に係わる照明システム100の動作について説明する。
まず、実施形態に係わる照明システム100における照明器具101~104の動作について説明する。
図4は、実施形態に係わる照明器具101~104の動作を説明するためのフローチャートである。
各照明器具101~104は、第1の通信規格により複数の操作装置111~114からの作動指令を受信できる。各操作装置111~114では、オペレータからの操作指示に応じた照明器具101~104に対する作動指令を通信部302により送信する。操作装置111~114から送信された作動指令は、中間装置121を経由して、DMXアドレスで指定される照明器具101~104の通信部203で受信される。
【0051】
照明器具101~104の制御部201は、通信部203に作動指令を受信すると(ST11、YES)、通信部203が受信した作動指令をメモリに保持する。これにより、制御部201は、複数の操作装置111~114からの作動指令をメモリに保持する。制御部201は、通信部203が受信した作動指令を受け取ると、メモリに保持している作動指令の中から照明部202の制御に用いる1つの作動指令を選択する(ST12)。
【0052】
制御部201は、予め設定されている動作モードに従って作動指令を選択する。例えば、制御部201は、操作部204を用いてオペレータが指定する動作モードを設定するものとする。また、制御部201は、当該照明器具101~104に接続される外部装置から指定される動作モードを設定するようにしても良いし、何れかの操作装置111~114から指定される動作モードを設定するようにしても良い。
【0053】
また、照明器具101~104に設定される動作モードとしては、HTPモードおよび優先操作装置モードなどがある。HTPモードは、当該照明器具101~104が受信した作動指令に含まれる調光信号のうち最も調光信号レベルが高いものと選択する動作モードである。また、優先操作装置モードは、予め指定した操作装置からの作動指令を優先して選択する動作モードである。
【0054】
制御部201は、照明部202の制御に用いる1つの作動指令を選択すると、選択した作動指令に基づいて照明部202の制御に用いる制御信号を生成する。制御信号は、選択した作動指令における指令内容に基づいて生成される。ただし、制御部201は、当該照明器具自身が有する機能によって作動指令による制御信号を変更(調整)することがあり得る。例えば、手元調光機能および自動点灯機能などの照明光の信号レベルを調整する機能を有する照明器具では、作動指令に含まれる調光信号で指示される調光信号レベルとは異なる信号レベルの照明光を照射させる制御信号となることがある。ここでは、作動指令の調光信号で指示される信号レベルを調光信号レベルと称し、実際に照明部202に供給する制御信号で指定される信号レベルの器具制御信号レベルと称するものとする。
【0055】
照明部202を制御するための制御信号を生成すると、制御部201は、生成した制御信号に基づいて照明部202を制御する。制御部201は、次の作動指令を受信するなどの制御内容を変更する必要が生じるまでの間、生成した制御信号による照明部202の制御状態を維持する。
【0056】
また、制御部201は、所定のタイミングで照明部202の制御状態を示す制御状態信号を各操作装置111~114へ送信する。例えば、制御部201は、所定の周期(例えば、照明部202の制御状態の変化を操作装置111~114がリアルタイムに監視できる程度の周期)で照明部202の制御状態を示す制御状態信号を送信する。制御部201は、所定の周期で制御状態信号を各操作装置111~114に送信することにより、リアルタイムに制御状態を各操作装置111~114に通知することができる。また、制御部201は、操作装置111~114からの要求に応じて制御状態信号を送信するようにしても良い。
【0057】
制御部201は、制御状態信号を送信する場合(ST14、YES)、選択中の作動指令の内容および照明部202へ供給している制御信号などに基づいて制御状態信号を生成する(ST15)。例えば、制御部201は、選択中の作動指令の送信元である操作装置、選択中の作動指令に含まれる調光信号で指定される調光信号レベル、実際に照明部202を制御する制御信号による器具制御信号レベル、および、動作モードなどを特定し、これらの情報を含む制御状態情報を生成する。
【0058】
制御状態情報を生成すると、制御部201は、生成した制御状態信号を通信部203により各操作装置111~114へ送信する(ST16)。なお、制御部201は、照明部202の制御状態が変わるごとに制御状態情報を生成してメモリなどに保持しておくようにしても良い。この場合、制御部201は、所定のタイミングでメモリに保持する制御状態情報を各操作装置111~114へ送信するようにすれば良い。
【0059】
上述した動作例では、第1の通信規格での通信が可能な照明器具101~104の動作例について説明したが、照明器具105、106は、直接的に作動指令を受信できない。このため、照明器具105、106に関しては、中間機器122が第1の通信規格での各操作装置111~114からの照明器具105、106に対する作動指令を受信し、照明器具105、106の制御状態信号の各操作装置111~114へ送信する。
【0060】
例えば、操作装置111~115からの照明器具105、106に対する作動指令は、中間機器122が受信する。中間機器122は、照明器具105(106)に対する複数の作動指令から所定の動作モード(例えば、HTPモード)を用いて1つの作動指令を選択し、選択した作動指令を第2の通信規格用の調光信号として照明器具105(106)へ供給する。
【0061】
また、照明器具105、106は、第2の通信規格で中間機器122からの調光信号を受信し、中間機器122から受信した調光信号に基づく制御信号で照明部202を制御する。照明器具105、106は、照明部202の制御に用いた制御信号を第2の通信規格で中間機器122へ送信する。
【0062】
中間機器122は、第2の通信規格で照明器具105、106からの制御信号を受信する。中間機器122は、照明器具105、106から受信した制御信号に当該照明器具105、106用として選択した作動指令の送信元である操作装置を示す情報などを付加した制御状態信号を生成する。中間機器122は、生成した照明器具105の制御状態信号および照明器具105の制御状態信号を各操作装置111~114へ送信する。
【0063】
次に、実施形態に係わる照明システム100における操作装置111~114の動作について説明する。
図5は、実施形態に係わる操作装置111~114の動作を説明するためのフローチャートである。
各操作装置111~114において、オペレータは、操作部304を用いて各照明器具101~106に対する作動指令を入力する。操作装置111~114の制御部301は、操作部304に照明器具101~106に対する調光指示などの作動に関する操作指示の入力を受け付ける。オペレータが操作部304を用いて照明器具101~106に対する作動に関する操作指示を入力すると(ST31、YES)、制御部301は、操作部304への操作指示の内容に応じて作動指令を生成し、生成した作動指令を通信部302により送信する。
【0064】
例えば、作動指令は、対象とする照明器具のDMXアドレス、照明光の明るさ等を指定する調光信号、送信元である操作装置を示す情報、さらに、ユニバースなどの情報などを含む。制御部301は、上述した情報を第1の通信規格(例えば、Art-NetやsACN等)のプロトコルに準じたフォーマットの作動指令を生成する。また、制御部301は、照明光の光色を指定する調光信号を含む作動指令を生成するようにしても良いし、
照明光の照射方向を指定する情報を含む作動指令を生成するようにしても良い。
【0065】
また、制御部301は、所定のタイミングで照明器具101~104又は中間機器122から送信されてくる制御状態情報を通信部302により受信する。通信部302が制御状態情報を受信すると(ST33、YES)、制御部301は、受信した制御状態情報を記憶部303に保存する(ST34)。制御部301は、照明器具ごとに最新の制御状態情報を記憶部303に保存する。例えば、制御部301は、各照明器具の制御状態情報を受信するごとに当該照明器具の制御状態情報を上書きすることで最新の制御状態情報を記憶部303に保存する。
【0066】
また、操作装置111~114の制御部301は、オペレータによる操作部304への状態画面の表示要求の指示を受け付ける。状態画面の表示要求を受けると、制御部301は、各照明器具の制御状態情報に基づいて各照明器具101~106の動作状態を示す状態画面の表示データを生成し(ST36)、生成した表示データにより表示部305に状態画面を表示する(ST37)。
【0067】
次に、実施形態に係る操作装置111~114が表示部305に表示させる各照明器具101~106の動作状態を示す状態画面について説明する。
図6は、実施形態に係る操作装置111~114が表示部305に表示する各照明器具101~106の動作状態を示す状態画面の表示例を示す図である。
図6に示す状態画面においては、本照明システム100にある各照明器具101~106を識別する情報が一覧で表示される。照明器具101~106を識別する情報としては、例えば、器具名、型式、器具IDが挙げられる。
【0068】
また、照明システム100では、照明関連の機器固有の通信規格である第2の通信規格を用いて照明器具101~106の制御を実行しているものとする。このため、状態画面では、第2の通信規格に関連する情報を各照明器具101~106を識別する情報と対応させて表示する。
【0069】
例えば、第2の通信規格に関連する情報としては、DMXアドレス、ユニバース等が挙げられる。ここで、DMXアドレスは、ネットワーク上において個々の照明器具101~106を特定(指定)するための情報である。また、ユニバースは、制御対象となる機器群を示す情報である。例えば、制御対象とする照明器具群を分けたい場合、ユニバースが異なる値に設定される。図6に示す例では、「照明器具4」のユニバース(「2」)が他の照明器具のユニバース(「1」)とは異なる値に設定されるため、ユニバース「1」に対応する操作装置からは「照明器具4」は応答なしと認識される。
【0070】
また、状態画面では、操作装置111~114からの作動指令が指定する指令内容と照明器具101~106が実行している制御内容とが照明器具101~106ごとに表示される。図6に示す例においては、作動指令が指定する指令内容として調光信号レベルが表示されるとともに、実際の制御内容として器具制御信号レベルが表示される。
【0071】
調光信号レベルは、選択した作動指令に含まれる調光信号で指定される照明光の明るさに対応する。器具制御信号レベルは、照明器具101~106の制御部201が実際に照明部202に供給する制御信号で指定する照明光の明るさに対応する。図6に示す状態画面によれば、オペレータは、各照明器具において指令内容と制御内容とが一致しているか否かが一目で視認することができる。
【0072】
具体例としては、図6に示す例において、「照明器具1」では、調光信号レベルが30%であり、器具制御信号レベルが30%である。このような表示により、オペレータは、調光信号レベルと制御信号レベルとが一致していることが視認できる。また、「照明器具2」、「照明器具5」および「照明器具6」についても、オペレータは、調光信号レベルと制御信号レベルとが一致していることを視認できる。
【0073】
また、「照明器具3」では、調光信号レベルが50%であり、制御信号レベルが100%である。この場合、オペレータは、調光信号レベルと制御信号レベルとが一致していないことを視認できる。照明器具の照明部が実際に照射する照明光は、照明器具が有する手元調光機能および自動点灯機能等によって調光信号で指示される明るさ(調光信号レベル)とは異なる明るさ(器具制御信号レベル)となることがある。
【0074】
つまり、照明器具101~104は、複数の操作装置から受信する複数の作動指令の中から選択した作動指令の指令内容(調光信号レベル)と、制御部201が照明部202を実際に制御する制御信号の制御内容(器具制御信号レベル)とが1対1に対応しないことがある。このような場合であっても、図6に示す状態画面によれば、オペレータは、照明器具がどの操作装置からの制御で動作しているかだけでなく、操作装置から指定される照明光の明るさを示す調光信号レベルと実際の照明光の明るさを示す器具制御信号レベルとを一目で確認できる。
【0075】
なお、「照明器具4」では、応答(制御状態信号)が受信できないため、調光信号レベルと器具制御信号レベルとが表示されていない。これは、「照明器具4」に設定されるユニバースが「照明器具1~3、5、6」と異なり、「照明器具1~3、5、6」と通信可能な操作装置では、通信不能となるためである。このような場合、操作装置は、「照明器具4」がネットワーク上に存在することは認識できるものの、通信が不能となるため、「応答なし」と表示される。これにより、オペレータは、「照明器具4」が当該操作装置では制御不能な照明器具であることを視認できる。
【0076】
また、状態画面に表示される指令内容および制御内容の項目は、照明器具101~106における照明光を制御する信号レベル(照明光の明るさ)に限られるものではなく、指令内容および制御内容に対応した項目が表示されるようにしても良い。例えば、表示される項目としては、照明器具101~106の照明光の光色、照明器具101~106の姿勢(照明光の照射方向)、照明器具101~106のフォーカスの位置、照明器具101~106のフォーカスの方向などが挙げられる。
【0077】
さらに、状態画面では、各照明器具101~106が選択している作動指令の送信元である操作装置を示す情報が動作モードを示す情報とともに表示される。図6に示す例では、各照明器具は、動作モードとして、最も調光信号レベルの高い作動指令(調光信号)を選択するHTPモードと、予め設定した操作装置からの作動指令を優先的に選択する優先操作装置モードとの何れかが設定されるものとする。
【0078】
図6に示す例において、「照明器具1」は、動作モードが「HTP」モードであり、選択中の作動指令が「操作装置1」からのものであることが表示されている。このような表示により、オペレータは、「照明器具1」がHTPモードで、操作装置1からの作動指令に基づいて動作(照明光を制御)していることを視認できる。
「照明器具2」は、動作モードが「優先操作装置」モードであり、選択中の作動指令が「操作装置2」からのものであることが表示されている。このような表示により、オペレータは、「照明器具2」が優先操作装置モードで、「操作装置2」からの作動指令に基づいて動作(照明光を制御)していることを視認できる。
【0079】
「照明器具3」は、動作モードが「HTP」モードであり、選択中の作動指令が「操作装置3」からのものであることが表示されている。このような表示により、オペレータは、「照明器具3」がHTPモードで、「操作装置3」からの作動指令に基づいて動作(照明光を制御)していることを視認できる。
「照明器具4」は、応答なし(通信不能)であるため、動作モードおよび選択中の作動指令の送信元である操作装置が表示されていない。このような表示により、オペレータは、「照明器具4」が当該操作装置では制御不可で動作状態を確認できない照明器具であることを視認できる。
【0080】
「照明器具5」は、中間機器(ノード)122による動作モードが「HTP」モードであり、中間機器(ノード)122がHTPモードで選択する作動指令が「操作装置5(簡易操作装置)」からの調光信号であることが表示されている。このような表示により、オペレータは、「照明器具5」がHTPモードの中間機器122が選択する「操作装置5(簡易操作装置)」からの作動指令に基づいて動作(照明光を制御)していることを視認できる。
【0081】
「照明器具6」は、中間機器(ノード)122による動作モードが「HTP」モードであり、中間機器(ノード)122がHTPモードで選択する作動指令が「操作装置1」からの作動指令に含まれる調光信号であることが表示されている。このような表示により、オペレータは、「照明器具6」がHTPモードの中間機器122が選択する「操作装置1」からの調光信号に基づいて動作(照明光を制御)していることを視認できる。
【0082】
以上のように、実施形態によれば、照明システムは、照明器具と複数の操作装置とを具備する。照明器具は、イーサネットなどの第1の通信規格で複数の操作装置と通信し、複数の操作装置からの作動指令の中から1つの作動指令を選択して照明光を制御し、選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を含む制御状態信号を各操作装置へ送信する。操作装置は、照明器具から受信する制御状態信号に基づいて照明器具が選択中の作動指令の送信元である操作装置を特定し、照明器具が選択中の作動指令の送信元である操作装置を示す情報を表示部に表示する。これにより、オペレータは、各操作装置において、照明器具がどの操作装置からの調光信号によって照明光の制御を行っているかを簡単に確認できる。
【0083】
また、実施形態によれば、照明器具は、設定される動作モードに従って作動指令を選択して照明光を制御し、さらに、選択中の作動指令の送信元となる操作装置を示す情報と動作モードを示す情報とを含む制御状態信号を各操作装置へ送信する。各操作装置は、照明器具から受信する制御状態信号に基づいて、当該照明器具が採用している作動指令の送信元である操作装置を示す情報と当該照明器具に設定されている動作モードを示す情報を表示部に表示する。これにより、オペレータは、各操作装置において照明器具に設定されている動作モードとともに当該照明器具がどの操作装置からの作動指令を用いて照明光を制御しているかを確認できる。
【0084】
また、実施形態によれば、照明器具は、さらに、選択中の作動指令による調光信号レベルと実際に照明部へ供給した制御信号における器具制御信号レベルとを含む制御状態信号を各操作装置へ送信する。操作装置は、照明器具から受信する制御状態信号に基づいて、当該照明器具が採用している作動指令の送信元である操作装置を示す情報だけでなく、当該作動指令が指示する明るさ(調光信号レベル)又は実際に照明器具が照射している照明光の明るさ(器具制御信号レベル)などを示す情報を表示部に表示する。これにより、オペレータは、各操作装置において照明器具が選択している調光信号と選択している調光信号の調光信号レベルと実際に照明光を制御している制御信号の器具制御信号レベルとを対比して確認できる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
100…照明システム10001~106…照明器具、111~114…操作装置、115…簡易操作装置、121…中間装置(接続装置)、122…中間機器、201…制御部(第1の制御部)、202…照明部、203…通信部(第1の通信部)、301…制御部(第2の制御部)、302…通信部(第2の通信部)、304…操作部、305…表示部(表示装置)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6