(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】マンホールガード
(51)【国際特許分類】
E02D 29/12 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
E02D29/12 B
(21)【出願番号】P 2020180153
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】弁理士法人小竹アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河野 貴志
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-317456(JP,A)
【文献】特開2000-209757(JP,A)
【文献】特開2001-193086(JP,A)
【文献】登録実用新案第3078606(JP,U)
【文献】実開昭60-115950(JP,U)
【文献】米国特許第05295557(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/00
29/045-37/00
E04B 1/38-1/61
E04F 11/00-11/18
E04G 7/34
21/32
F16B 9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールの開口部を取り囲むように配置される筒状の土台と、この土台上に脱着可能に組み付けられる一対の枠体と、を有するマンホールガードにおいて、
前記枠体は、上下方向に延びる複数の支柱部材と、前記複数の支柱部材の上端を水平方向に接続する手摺部材と、を有し、
前記土台は、前記支柱部材が差し込まれる支柱支持部材の総数が前記一対の枠体の複数の支柱部材と同数設けられ、
前記一対の枠体の一方を第1枠体とすると、前記第1枠体の前記支柱部材の下端側部分と前記支柱部材が差し込まれる前記支柱支持部材の上端側部分には、第1識別手段が設けられ、
前記一対の枠体の他方を第2枠体とすると、前記第2枠体の前記支柱部材の下端側部分と前記支柱部材が差し込まれる前記支柱支持部材の上端側部分には、前記第1識別手段と異なる第2識別手段が設けられた、
ことを特徴とするマンホールガード。
【請求項2】
前記一対の枠体は、前記土台上に着脱可能に組み付けられた場合、前記手摺部材の一端部側に位置し且つ隣り合って位置する前記支柱部材同士の間隔が前記手摺部材の他端部側に位置し且つ隣り合って位置する前記支柱部材同士の間隔よりも広くなっており、
前記第1枠体の前記手摺部材の他端部側には、前記第2枠体の前記手摺部材の他端部側へ向かって延びる第1接続部が形成され、
前記第2枠体の前記手摺部材の他端部側には、前記第1枠体の前記手摺部材の他案部側へ向かって延び且つ前記第1接続部と重ね合わされる第2接続部が形成され、
前記第1接続部と前記第2接続部の重ね合わされた部分は、固定手段によって分離可能に固定された、
ことを特徴とする請求項1に記載のマンホールガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マンホールの開口部の周囲を囲うように配置されるマンホールガードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、マンホール内で各種作業を行う場合には、作業者がマンホールに出入りできるようにするため、マンホールの蓋が取り外された状態になっているので、マンホールの開口部の周囲をマンホールガードで取り囲むことにより、通行人等がマンホール内に誤って落下するのを防止している。
【0003】
図7(a)は、従来のマンホールガード101を示す斜視図であり、円筒状の土台102に一対の枠体103,104が正しく組み付けられた状態のマンホールガード101を示す図である。この
図7(a)に示すように、マンホールガード101は、マンホールの開口部を取り囲むように配置される円筒状の土台102と、この土台102に組み付けられる一対の枠体103,104と、を有している。土台102は、円管状の鞘部材105が枠体103,104の各支柱部材106に対応するように複数固定されている。一対の枠体103,104の一方と他方は、同一形状となるように形成されている。枠体103,104は、土台102の鞘部材105に挿入される支柱部材106が等間隔で複数(3本)配置され、これら支柱部材106が上横桟部材107と中間横桟部材108とで接続され、複数の支柱部材106、上横桟部材107、及び中間横桟部材108が一体化されている。
【0004】
このようなマンホールガード101は、一方の枠体103と他方の枠体104の正面側の隣り合う支柱部材106,106間に形成された開口部が作業者が通過できる(出入りできる)間隔になっており、一方の枠体103と他方の枠体104の背面側の隣り合う支柱部材106,106間に形成された開口部が作業者の通過を妨げる(出入りを妨げる)狭い間隔になっている。そして、マンホールガード101の正面側の隣り合う支柱部材106,106間には着脱可能なチェーン110(人の落下防止用のチェーン)が掛け渡されており、マンホールガード101の正面側の隣り合う支柱部材106,106間を作業者が通過する(出入りする)際には、チェーン110の一端を支柱部材106から外すことができるようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、
図7(b)に示すように、従来のマンホールガード101は、一対の枠体103,104の一方と他方を間違えて土台102に組み付けると、作業者の通過を予定していた隣り合う支柱部材106,106間の間隔(チェーン110が掛け渡される間隔)が作業者の通過を不可能にする狭い間隔になり、作業者の通過を予定していない隣り合う支柱部材106,106間の間隔(チェーン110が掛け渡されない間隔)が作業者の通過を可能にする広い間隔になってしまうため、作業中における安全確保の観点(マンホール内への人の落下を防止する観点)から問題を生じる。
【0007】
そこで、本発明は、枠体が土台に誤って組み付けられるのを防止できるようにしたマンホールガードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、マンホールの開口部を取り囲むように配置される筒状の土台2と、この土台2上に脱着可能に組み付けられる一対の枠体3,4と、を有するマンホールガード1に関するものである。本発明に係るマンホールガード1において、前記枠体3,4は、上下方向に延びる複数の支柱部材6と、前記複数の支柱部材6の上端を水平方向に接続する手摺部材7と、を有している。また、前記土台2は、前記支柱部材6が差し込まれる支柱支持部材10,14の総数が前記一対の枠体3,4の複数の支柱部材6と同数設けられている。また、前記一対の枠体3,4の一方を第1枠体3とすると、前記第1枠体3の前記支柱部材6の下端側部分と前記支柱部材6が差し込まれる前記支柱支持部材10の上端側部分には、第1識別手段13が設けられている。そして、前記一対の枠体3,4の他方を第2枠体4とすると、前記第2枠体4の前記支柱部材6の下端側部分と前記支柱部材6が差し込まれる前記支柱支持部材14の上端側部分には、前記第1識別手段13と異なる第2識別手段15が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るマンホールガードは、第1識別手段が設けられた枠体の支柱部材を第1識別手段が設けられた土台の支柱支持部材に差し込み、第2識別手段が設けられた枠体の支柱部材を第2識別手段が設けられた土台の支柱支持部材に差し込むことにより、枠体が土台に誤って取り付けられるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るマンホールガードを示す図であり、門型フレームを取り除いた状態のマンホールガードの外観斜視図である。
【
図2】
図2(a)は
図1に示したマンホールガードの平面図であり、
図2(b)は
図1に示したマンホールガードの正面図である。
【
図3】
図3(a)は
図3(b)のA方向から見た土台の平面図であり、
図3(b)は
図2(b)に示したマンホールガードの分解図である。
【
図4】
図2に示したマンホールガードに門型フレームを組み付けた状態を示す図であり、
図4(a)はマンホールガードの平面図、
図4(b)はマンホールガードの正面図である。
【
図5】
図5(a)は一対の枠体が土台に誤って取り付けられた場合のマンホールガードの平面図であり、
図5(b)は一対の枠体が土台に誤って取り付けられた場合のマンホールガードの正面図である。
【
図6】
図2に示したマンホールガードの土台の変形例を示す図であり、
図6(a)は変形例に係る土台の平面図、
図6(b)は変形例に係る土台の正面図である。
【
図7】従来のマンホールガードを示す外観斜視図であり、
図7(a)は枠体が土台に正しく組み付けられた状態を示す図であり、
図7(b)は枠体が土台に誤って組み付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳述する。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係るマンホールガード1を示す図であり、門型フレームを取り除いた状態のマンホールガード1の外観斜視図である。また、
図2(a)は
図1に示したマンホールガード1の平面図であり、
図2(b)は
図1に示したマンホールガード1の正面図である。
【0013】
(全体の概略構成)
図1及び
図2に示すように、本実施例に係るマンホールガード1は、マンホールの開口部を取り囲むように配置される円筒状の土台2と、この土台2上に脱着可能に組み付けられる一対の枠体3,4と、土台2に脱着可能に組み付けられる門型フレーム5と、を有している(
図4参照)。このように、本実施例に係るマンホールガード1は、可搬性及び保管・収納性を考慮して、複数の構成物(2~5)を作業現場において組み立てるようになっている。なお、本実施例の説明において、一対の枠体3,4の一方を第1枠体3と呼称し、一対の枠体3,4の他方を第2枠体4と呼称する。本実施例におけるマンホールガード1は、土台2、一対の枠体3,4、及び門型フレーム5が金属で形成されるが、これに限られず、プラスチック製の部材を適宜使用してもよい。
【0014】
(枠体)
枠体3(4)は、上下方向に延びる2本の支柱部材6,6と、これらの支柱部材6,6の上端を水平方向に接続する手摺部材7と、2本の支柱部材6,6の上下方向における中間部分を水平方向に接続する中間横桟部材8と、を有している。そして、一対の枠体3,4は、2本の支柱部材6,6、手摺部材7、及び中間横桟部材8の形状が同一形状になっており、2本の支柱部材6,6間の間隔が同一寸法になっている。そして、第1枠体3における支柱部材6,6の下端側部分は、土台2の支柱支持部材10,10に差し込まれる挿入軸部11,11が支柱部材6,6の他部(支柱本体部12,12)よりも小径に形成され、支柱本体部12,12のうちの挿入軸部11,11に隣接する位置に第1着色テープ(第1識別手段)13,13が巻かれている。また、第2枠体4における支柱部材6,6の下端側部分は、土台2の支柱支持部材14,14に差し込まれる挿入軸部11,11が支柱部材6,6の他部(支柱本体部12,12)よりも小径に形成され、支柱本体部12,12のうちの挿入軸部11,11に隣接する位置に第1着色テープ13,13と異なる第2着色テープ(第2識別手段)15,15が巻かれている。なお、例えば、第1着色テープ13は赤色テープを使用し、第2着色テープ15は青色テープを使用することにより、作業者が第1枠体3と第2枠体4とを容易に見分けることができる。
【0015】
また、一対の枠体3,4は、土台2に正しく組み付けられた際に、手摺部材7,7の一端部側(
図2(a)における正面側)に位置し且つ隣り合って位置する支柱部材6,6同士の間隔W1が手摺部材7,7の他端部側(
図2(a)における背面側)に位置し且つ隣り合って位置する支柱部材6,6同士の間隔W2よりも広くなっており、作業者が出入りできる間隔になっている。また、第1枠体3の手摺部材7の他端部には、第2枠体4の手摺部材7の他端部側へ向かって延びる第1接続部16が形成されている。また、第2枠体4の手摺部材7の他端部には、第1枠体3の手摺部材7の他端部側へ向かって延び且つ第1接続部16と重ね合わされる第2接続部17が形成されている。そして、第1接続部16と第2接続部17の重ね合わされた部分は、蝶ボルト(固定手段)18によって分離可能に固定されている。
【0016】
(土台)
図1乃至
図3に示すように、土台2の外周面2aには、第1枠体3の挿入軸部11を差し込むパイプ状の第1の支柱支持部材10が第1枠体3の支柱部材6と同数(2個)形成されている(溶接されている)。また、土台2の外周面2aには、第2枠体4の挿入軸部11を差し込むパイプ状の第2の支柱支持部材14が第2枠体4の支柱部材6と同数(2個)形成されている(溶接されている)。また、一対の第1の支柱支持部材10,10間の寸法(土台2の外周に沿った寸法)と一対の第2の支柱支持部材14,14間の寸法(土台2の外周に沿った寸法)とが同一寸法になっている。また、一対の第1の支柱支持部材10,10間の寸法と第1枠体3の一対の支柱部材6,6間の寸法(土台2の外周に沿った寸法)とが同一寸法になっている。また、第2の支柱支持部材14,14間の寸法と第2枠体4の一対の支柱部材6,6間の寸法(土台2の外周に沿った寸法)とが同一寸法になっている。そして、第1の支柱支持部材10の上端面10aは、第1枠体3の支柱部材6の挿入軸部基端面20に当接し、第1枠体3を土台2上に支持するようになっている。また、第2の支柱支持部材14の上端面14aは、第2枠体4の支柱部材6の挿入軸部基端面21に当接し、第2枠体4を土台2上に支持するようになっている。なお、第1の支柱支持部材10と第2の支柱支持部材14は、同一形状になっている。
【0017】
また、土台2は、第1枠体3の支柱部材6(第1着色テープ13が巻かれた支柱部材6の挿入軸部11)が差し込まれる第1の支柱支持部材10の上端側部分には、第1着色テープ(第1識別手段)13が巻かれている。また、土台2は、第2枠体4の支柱部材6(第2着色テープ15が巻かれた支柱部材6の挿入軸部11)が差し込まれる第2の支柱支持部材14の上端側部分には、第2着色テープ(第2識別手段)15が巻かれている。これにより、作業者は、土台2の第1の支柱支持部材10に巻かれた第1着色テープ13と第1枠体3の支柱部材6に巻かれた第1着色テープ13とを視認した上で、第1枠体3を土台2上に間違いなく組み付けることができる。また、作業者は、土台2の第2の支柱支持部材14に巻かれた第2着色テープ15と第2枠体4の支柱部材6に巻かれた第2着色テープ15とを視認した上で、第2枠体4を土台2上に間違いなく組み付けることができる。
【0018】
(門型フレーム)
図4は、
図2に示したマンホールガード1の土台2に門型フレーム5を組み付けた状態を示す図である。なお、
図4(a)は門型フレーム5を組み付けたマンホールガード1の平面図であり、
図4(b)は門型フレーム5を組み付けたマンホールガード1の正面図である。
【0019】
図4に示すように、門型フレーム5は、一対の支柱部材22,22と、これら一対の支柱部材22,22の上端を接続する横梁部材23と、を有している。そして、支柱部材22の下端側部分は、土台2の支柱支持部材24に差し込まれる挿入軸部25が支柱部材22の他部(支柱本体部26)よりも小径に形成され、支柱本体部26のうちの挿入軸部25に隣接する位置に第3着色テープ(第3識別手段)27が巻かれている。なお、横梁部材23には舌片状部材28が吊り下げられるように固定されており、舌片状部材28の穴30にはマンホール内における作業者の昇降をサポートするロープ等が引っ掛けられるようになっている。
【0020】
また、
図4に示すように、門型フレーム5が取り付けられる土台2の内周面2bには、一対の第3の支柱支持部材24,24が土台2の中心C1を通る中心線31であり且つX方向と平行の中心線31上に位置するように(土台2の中心C1に対して回転対称となるように)固定されている(
図3(a)参照)。この一対の第3の支柱支持部材24,24は、第1及び第2の支柱支持部材10,14と同様のパイプ状のものであり、門型フレーム5の支柱部材22の下端側部分に設けられた挿入軸部25が挿入され、門型フレーム5の支柱部材22の挿入軸部基端面32が上端面に当接させられることにより、門型フレーム5を土台2上に支持するようになっている。そして、第3の支柱支持部材24の上端側部分には、門型フレーム5の支柱部材22の第3着色テープ(第3識別手段)27と同様のもの(第3着色テープ27)が巻かれている。なお、第3着色テープ27は、第1着色テープ13及び第2着色テープ15とは異なる色(例えば、黄色)のものが使用されている。これにより、作業者は、門型フレーム5の挿入軸部25と第3の支柱支持部材24とを容易に視認することができる。また、第3の支柱支持部材24は、第1の支柱支持部材10及び第2の支柱支持部材14と同一形状のものが使用される。
【0021】
(実施例の効果)
以上のように、本実施例に係るマンホールガード1は、第1着色テープ13が巻き付けられた第1枠体3の支柱部材6を第1着色テープ14が巻き付けられた土台2の第1の支柱支持部材10に差し込み、第2着色テープ15が巻き付けられた第2枠体4の支柱部材6を第2着色テープ15が巻き付けられた土台2の第2の支柱支持部材14に差し込むことにより、第1枠体3と第2枠体4とが土台2に誤って取り付けられるのを防止できる。したがって、作業者は、作業現場において、土台2と枠体2,3の組立作業を円滑に行うことができる。
【0022】
また、本実施例に係るマンホールガード1は、第1枠体3の第1接続部16と第2枠体4の第2接続部17とが重ね合わされた部分で蝶ボルト18で固定されることにより、一対の枠体(第1枠体3と第2枠体4)の上端部に位置する手摺部材7,7同士が固定されて一体化するため、第1枠体3と第2枠体4の手摺部材7,7同士が固定されない場合(一体化されない場合)と比較し、第1枠体3又は第2枠体4に作用する横荷重(
図2に示す荷重F)に対する強度が向上する。
【0023】
図5は、本実施例における第1着色テープ13及び第2着色テープ15を巻き付けないマンホールガード1に生じる不具合を示す図である。なお、
図5(a)は一対の枠体3,4が土台2に誤って取り付けられた場合のマンホールガード1の平面図であり、
図5(b)は一対の枠体3,4が土台2に誤って取り付けられた場合のマンホールガード1の正面図である。
【0024】
図5に示すように、本実施例における第1着色テープ13及び第2着色テープ15を巻き付けない(第1識別手段及び第2識別手段を設けない)マンホールガード1は、作業者が土台2の第1の支柱支持部材10に一対の枠体3,4のいずれを組み付けるべきか視認できず、また、作業者が土台2の第2の支柱支持部材14に一対の枠体3,4のいずれを組み付けるべきか視認できないため、
図2に示す正しい組立状態のマンホールガード1に対して、一対の枠体3,4をほぼ180°回転させた状態(誤った組み付け状態)で土台2に組み付ける場合が生じ得る。このような場合には、マンホールガード1の正面側において、第1枠体3の第1接続部16と第2枠体4の第2接続部17との間に隙間ができるため、第1接続部16と第2接続部17とを重ね合わせることができず、第1接続部16と第2接続部17とを蝶ボルト18で固定することができない。また、マンホールガード1の背面側において、第1枠体3と第2枠体4の間に生じる隙間は、作業者の通過を困難にする程の狭さになる。したがって、このような場合には、作業現場において、作業者が一対の枠体3,4と土台2の組立作業をやり直すことなり、現場作業の効率が低下してしまう。しかし、本実施例におけるマンホールガード1は、作業現場において、一対の枠体3,4と土台2の組立作業をやり直すことがなくなり、現場作業の効率を向上させることが可能になる。
【0025】
(変形例1)
図6は、マンホールガード1の土台2の変形例を示す図である。なお、
図6(a)は本変形例に係る土台2の平面図であり、
図6(b)は本変形例に係る土台2の正面図である。
【0026】
この
図6に示すように、マンホールガード1は、複数の貫通穴33を土台2の周方向に沿って千鳥状に(ジグザグに)形成し、土台2を軽量化することにより、土台2の可搬性を向上させるようにしてもよい。
【0027】
(変形例2)
マンホールガード1は、上記実施例に限定されるものでなく、支柱部材6の下端をパイプ状にし、支柱支持部材10(14)の上端を丸棒状にしてもよい(上記実施例と逆の構成にしてもよい)。
【0028】
(変形例3)
第1識別手段と第2識別手段は、上記実施例の着色テープ13,15に限られず、塗料でもよい。
【0029】
(変形例4)
第1識別手段と第2識別手段は、上記実施例に限られず、第1枠体3の支柱部材6と第1の支柱支持部材10、及び第2枠体4の支柱部材6と第2の支柱支持部材14との組合せの違いを作業者が視認できるものであればよく、例えば、第1枠体3の支柱部材6の挿入軸部11の断面形状をD形状とし、第1の支柱支持部材10の穴の断面形状をD形状とする一方、第2枠体4の支柱部材6の挿入軸部11の断面形状を丸形状とし、第2の支柱支持部材14の穴の断面形状を丸形状としたものでもよい。
【0030】
(変形例5)
固定手段は、蝶ボルト18に限られず、第1枠体3の第1接続部16と第2枠体4の第2接続部17とを脱着可能に固定できるものであればよく、六角ボルト、クリップ、紐等でもよい。
【符号の説明】
【0031】
1……マンホールガード、2……土台、3……枠体(第1枠体)、4……枠体(第2枠体)、6……支持部材、7……手摺部材、10……第1の支柱支持部材、13……第1着色テープ(第1識別手段)、14……第2の支柱支持部材、15……第2着色テープ(第2識別手段)