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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】荷物積付装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20240611BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B25J13/00 A
B65G47/90 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020185050
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074737
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】窪田 博司
(72)【発明者】
【氏名】古橋 正得
(72)【発明者】
【氏名】永井 亘
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/197070(WO,A1)
【文献】特開2020-171983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B65G 47/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角柱状の荷物をコンテナの側方から前記コンテナ内に積み付ける荷物積付装置であって、
前記荷物を保持するL字状のロボットハンドを有する積付用ロボットと、
前記ロボットハンドを3軸方向に移動させる動作及び前記ロボットハンドを3軸回りに回動させる動作を行う駆動部と、
前記荷物を保持した状態の前記ロボットハンドを前記コンテナ内の積付位置の左右一方側まで移動させるように前記駆動部を制御し、その後前記ロボットハンドに保持された前記荷物が前記積付位置に向かって転がる方向に前記ロボットハンドを回動させるように前記駆動部を制御する第1積付制御処理を実行する制御部とを備える荷物積付装置。
【請求項2】
前記コンテナの左右一方側には、前記コンテナの下側角部を切り欠いた構造を有する切欠部が設けられており、
前記コンテナ内における前記切欠部に対応する領域には、前記荷物が載置される棚板が配置されており、
前記制御部は、前記コンテナ内における前記切欠部に対応する領域に前記荷物を積み付けるときに、前記第1積付制御処理を実行する請求項1記載の荷物積付装置。
【請求項3】
前記ロボットハンドは、前記荷物が載置されると共に前記荷物を移動させるコンベア部を有し、
前記制御部は、前記コンテナ内における前記切欠部に対応する領域を除く領域に前記荷物を積み付けるときは、前記荷物を保持した状態の前記ロボットハンドを前記コンテナ内の積付位置の手前まで移動させるように前記駆動部を制御し、その後前記ロボットハンドに保持された前記荷物が前記積付位置に向かって移動する方向に前記コンベア部を駆動するように制御する第2積付制御処理を実行する請求項2記載の荷物積付装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1積付制御処理または前記第2積付制御処理を実行する前に、前記ロボットハンドに前記荷物を保持する方向に前記コンベア部を駆動するように制御する保持制御処理を実行する請求項3記載の荷物積付装置。
【請求項5】
前記駆動部は、前記ロボットハンドを3軸方向に移動させる第1駆動部と、前記ロボットハンドを3軸回りに回動させる第2駆動部とを有し、
前記制御部は、前記第1積付制御処理を実行するときは、前記荷物を保持した状態の前記ロボットハンドを前記コンテナ内の積付位置の左右一方側まで移動させるように前記第1駆動部を制御し、その後前記ロボットハンドに保持された前記荷物が前記積付位置に向かって転がる方向に前記ロボットハンドを回動させるように前記第2駆動部を制御する請求項1~4の何れか一項記載の荷物積付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物積付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の荷物積付装置としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の荷物積付装置では、ロボットによって手荷物をコンテナ内に積み付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-246546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、手荷物をコンテナの側方からコンテナ内に積み付ける際に、コンテナの構造等によっては、コンテナ内にロボットハンドが届かない領域が存在することがある。この場合には、手荷物を積み付けることができない。
【0005】
本発明の目的は、コンテナ内におけるロボットハンドが届かない領域にも荷物を積み付けることができる荷物積付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、四角柱状の荷物をコンテナの側方からコンテナ内に積み付ける荷物積付装置であって、荷物を保持するL字状のロボットハンドを有する積付用ロボットと、ロボットハンドを3軸方向に移動させる動作及びロボットハンドを3軸回りに回動させる動作を行う駆動部と、荷物を保持した状態のロボットハンドをコンテナ内の積付位置の左右一方側まで移動させるように駆動部を制御し、その後ロボットハンドに保持された荷物が積付位置に向かって転がる方向にロボットハンドを回動させるように駆動部を制御する第1積付制御処理を実行する制御部とを備える。
【0007】
このような荷物積付装置においては、まず荷物を保持した状態のロボットハンドがコンテナ内の積付位置の左右一方側まで移動する。そして、ロボットハンドに保持された荷物が積付位置に向かって転がる方向に回動する。このため、ロボットハンドから荷物が離れ、その荷物が転がりながら積付位置に置かれる。従って、ロボットハンドが積付位置に届かなくても、積付位置に荷物が置かれることになる。これにより、コンテナ内におけるロボットハンドが届かない領域にも荷物を積み付けることができる。
【0008】
コンテナの左右一方側には、コンテナの下側角部を切り欠いた構造を有する切欠部が設けられており、コンテナ内における切欠部に対応する領域には、荷物が載置される棚板が配置されており、制御部は、コンテナ内における切欠部に対応する領域に荷物を積み付けるときに、第1積付制御処理を実行してもよい。このような構成では、コンテナ内における切欠部に対応する領域にロボットハンドが届かなくても、コンテナ内における切欠部に対応する領域に荷物を確実に積み付けることができる。
【0009】
ロボットハンドは、荷物が載置されると共に荷物を移動させるコンベア部を有し、制御部は、コンテナ内における切欠部に対応する領域を除く領域に荷物を積み付けるときは、荷物を保持した状態のロボットハンドをコンテナ内の積付位置の手前まで移動させるように駆動部を制御し、その後ロボットハンドに保持された荷物が積付位置に向かって移動する方向にコンベア部を駆動するように制御する第2積付制御処理を実行してもよい。このような構成では、コンテナ内における切欠部に対応する領域を除く領域に荷物を積み付けるときは、ロボットハンドがコンテナ内の積付位置の手前まで移動した後、コンベア部により荷物が積付位置まで移動するため、荷物の積付をコンテナの左右方向に対してスペース効率良く行うことができる。
【0010】
制御部は、第1積付制御処理または第2積付制御処理を実行する前に、ロボットハンドに荷物を保持する方向にコンベア部を駆動するように制御する保持制御処理を実行してもよい。このような構成では、ロボットハンドに荷物を保持する際には、コンベア部により荷物が移動するため、ロボットハンドによる荷物の保持を容易に行うことができる。
【0011】
駆動部は、ロボットハンドを3軸方向に移動させる第1駆動部と、ロボットハンドを3軸回りに回動させる第2駆動部とを有し、制御部は、第1積付制御処理を実行するときは、荷物を保持した状態のロボットハンドをコンテナ内の積付位置の左右一方側まで移動させるように第1駆動部を制御し、その後ロボットハンドに保持された荷物が前記積付位置に向かって転がる方向にロボットハンドを回動させるように第2駆動部を制御してもよい。このような構成では、ロボットハンドを3軸方向に移動させる動作とロボットハンドを3軸回りに回動させる動作とが別々に行われる。従って、ロボットハンドの移動動作及び回動動作を行う駆動部の構造を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンテナ内におけるロボットハンドが届かない領域にも荷物を積み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る荷物積付装置を示す概略構成図である。
図2図1に示されたロボットハンドの外観を示す斜視図である。
図3図2に示されたロボットハンドにより手荷物が横置き状態及び縦置き状態で保持される様子を示す斜視図である。
図4図2に示された第1コンベア部及び第2コンベア部の駆動方向を示す斜視図である。
図5図1に示された荷物積付装置の制御系構成図である。
図6】コンテナ内に設定された複数の収容エリアを手荷物の積付順の一例と共に示す図である。
図7】コンテナ内に設定されたアドレスを収容エリアと共に示す図である。
図8図2に示された積付制御部により実行される積付制御処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
図9図2に示されたロボットハンドに保持された手荷物が壁部により第1コンベア部及び第2コンベア部に対して位置決めされる様子を示す側面図である。
図10図2に示されたコンテナ内の補助収容エリアに手荷物を積み付ける様子を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る荷物積付装置を示す概略構成図である。図1において、本実施形態の荷物積付装置1は、例えば空港におけるバックヤードの積付場に設置されている。荷物積付装置1は、航空機に積載されるコンテナ2に搭乗者の手荷物3(荷物)を自動的に積み付ける装置である。
【0016】
コンテナ2に積み付けられる手荷物3は、直方体状のスーツケースである。なお、ここでいう直方体は、完全な直方体だけでなく、例えば角部に面取り等が設けられた略直方体も含んでいる。手荷物3は、2つの主面3aと、上面3bと、下面3cと、2つの側面3dとを有している。上面3bには、取っ手31が設けられている。下面3cには、複数のキャスター32が設けられている。
【0017】
コンテナ2は、トーイングトラクタ(図示せず)により牽引される複数(ここでは2つ)の台車4上に載置されている。台車4の前端及び後端には、連結器4aが設けられている。各台車4同士は、連結器4aにより連結されている。
【0018】
荷物積付装置1は、2つのコンテナ2に対して同時に手荷物3を積み付ける。コンテナ2の一側面には、扉(図示せず)が設けられている。荷物積付装置1は、コンテナ2の扉が開いた状態で、コンテナ2の側方からコンテナ2内に手荷物3を積み付ける。なお、トーイングトラクタの前側に位置するコンテナ2を前コンテナ2Aとし、トーイングトラクタの後側に位置するコンテナ2を後コンテナ2Bとする。
【0019】
荷物積付装置1は、メインコンベア5と、仕分コンベア6と、退避コンベア7と、荷受コンベア8と、プッシャー9と、ターンテーブル10と、プッシャー11と、バッファコンベア12と、プッシャー13と、プッシャー14と、積付用ロボット15とを備えている。
【0020】
メインコンベア5は、空港側コンベア16から受け取った手荷物3をコンテナ2に向けて搬送する。空港側コンベア16は、空港のターミナルビルに設置された搭乗手続きカウンタからバックヤードの積付場まで手荷物3を搬送する。メインコンベア5は、手荷物3を1つずつ順送りする複数(ここでは5つ)の順送りコンベア17から構成されている。
【0021】
仕分コンベア6は、メインコンベア5よりも下流側に配置されている。仕分コンベア6は、後述する積付用ロボット15によりコンテナ2に積み付けられない積付対象外の手荷物3、つまりスーツケース以外の手荷物3を退避コンベア7に向けて送り出す。退避コンベア7は、積付対象外の手荷物3を指定場所まで搬送する。
【0022】
荷受コンベア8は、仕分コンベア6よりも下流側において退避コンベア7に対して分岐して配置されている。荷受コンベア8には、積付用ロボット15によりコンテナ2に積み付けられる積付対象の手荷物3(スーツケース)が載置される。プッシャー9は、積付対象の手荷物3を仕分コンベア6から荷受コンベア8に向けて押し付けて移動させる。
【0023】
ターンテーブル10は、荷受コンベア8よりも下流側に配置されている。ターンテーブル10には、積付対象の手荷物3が載置される。プッシャー11は、積付対象の手荷物3を荷受コンベア8からターンテーブル10に向けて押し付けて移動させる。
【0024】
バッファコンベア12は、ターンテーブル10よりも下流側に配置されている。バッファコンベア12には、積付対象の手荷物3が載置される。バッファコンベア12のコンテナ2側端部には、位置決め用の壁部18が設けられている。バッファコンベア12のコンテナ2側端部は、バッファコンベア12におけるターンテーブル10とバッファコンベア12との配列方向に垂直な方向の一端部である。プッシャー13は、積付対象の手荷物3をターンテーブル10からバッファコンベア12に向けて押し付けて移動させる。
【0025】
プッシャー14は、バッファコンベア12に載置された積付対象の手荷物3を壁部18に突き当てるように押し付ける。プッシャー14及び壁部18は、バッファコンベア12に載置された手荷物3をターンテーブル10とバッファコンベア12との配列方向に垂直な方向に対して位置決めする。
【0026】
積付用ロボット15は、積付対象の手荷物3をコンテナ2に積み付けるロボットである。積付用ロボット15は、走行台車19と、この走行台車19に取り付けられたロボットアーム20とを有している。
【0027】
走行台車19は、各コンテナ2の配列方向に平行に延びるレール21に沿って走行する。レール21は、各コンテナ2の正面側(扉側)に設置されている。ロボットアーム20は、3軸方向に移動可能であると共に3軸回りに回動可能である(後述)。ロボットアーム20の先端部には、バッファコンベア12に載置された積付対象の手荷物3を保持するL字状のロボットハンド22が設けられている。
【0028】
図2は、ロボットハンド22の外観を示す斜視図である。図2において、ロボットハンド22は、第1コンベア部23と、この第1コンベア部23に対してL字状に配置された第2コンベア部24とを有している。第2コンベア部24は、第1コンベア部23の幅方向の一側縁部に連結部25を介して垂直に立設されている。つまり、第1コンベア部23及び第2コンベア部24は、ロボットハンド22の正面側から見てL字状に設けられている。第1コンベア部23及び第2コンベア部24としては、薄型コンベアが使用される。
【0029】
第1コンベア部23は、手荷物3が載置されると共に、手荷物3を移動させる横置き用のコンベア部である。第1コンベア部23は、手荷物3の主面3aと係合する。第2コンベア部24は、手荷物3が載置されると共に、手荷物3を移動させる縦置き用のコンベア部である。第2コンベア部24は、手荷物3の側面3dと係合する。
【0030】
第1コンベア部23の幅寸法W1は、第2コンベア部24の幅寸法W2よりも大きい。第1コンベア部23の幅寸法W1は、例えば後述する大サイズの手荷物3Aの横寸法よりも小さい。第2コンベア部24の幅寸法W2は、例えば大サイズの手荷物3Aの縦寸法よりも小さい。これにより、ロボットハンド22のコンパクト化が図られる。
【0031】
ロボットハンド22の基端部には、収容ケース26が設けられている。ロボットハンド22の基端部は、ロボットハンド22におけるロボットアーム20側の端部である。収容ケース26は、第1コンベア部23及び第2コンベア部24にわたって設けられている。
【0032】
収容ケース26の内部には、第1コンベア部23を駆動するモータローラ27と、第2コンベア部24を駆動するモータローラ28と、モータローラ27,28を制御することで、第1コンベア部23及び第2コンベア部24を制御する制御基板29とが収容されている。
【0033】
収容ケース26は、手荷物3を第1コンベア部23及び第2コンベア部24に対して第1コンベア部23及び第2コンベア部24の駆動方向(長手方向)に位置決めする壁部30を有している。壁部30は、ロボットハンド22の基端側に設けられている。
【0034】
ロボットハンド22に手荷物3を保持するときは、図3(a)に示されるように、手荷物3が第1コンベア部23に横置きされる。手荷物3が横置きされた状態は、手荷物3の2つの主面3aが上下に位置する状態である。このとき、手荷物3は、取っ手31が壁部30側を向くように第1コンベア部23に載置される。
【0035】
一方、ロボットハンド22に保持された手荷物3をコンテナ2内に積み付けるときは、図3(a)に示されるように、手荷物3が第1コンベア部23に横置きされるか、或いは図3(b)に示されるように、手荷物3が第2コンベア部24に縦置きされる。手荷物3が縦置きされた状態は、手荷物3の2つの側面3dが上下に位置する状態である。このときも、手荷物3は、取っ手31が壁部30側を向くように第2コンベア部24に載置される。
【0036】
ロボットハンド22に手荷物3を保持するときは、図4(a)に示されるように、第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30側(ロボットハンド22の基端側)に駆動される。この場合には、手荷物3が壁部30に向かって移動する。
【0037】
ロボットハンド22に保持された手荷物3をコンテナ2内に積み付けるときは、図4(b)に示されるように、第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30の反対側(ロボットハンド22の先端側)に駆動される。この場合には、手荷物3が壁部30から離れるように移動する。
【0038】
また、積付用ロボット15は、図5に示されるように、第1駆動部33と、第2駆動部34と、制御基板35とを有している。第1駆動部33は、ロボットハンド22を3軸方向(X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向)に移動させる駆動部である。第2駆動部34は、ロボットハンド22を3軸回り(X軸回り、Y軸回り及びZ軸回り)に回動させる駆動部である。制御基板35は、第1駆動部33及び第2駆動部34を制御する。
【0039】
X軸、Y軸及びZ軸は、図1に示されるように、積付用ロボット15の規定位置を原点としたロボット座標系で表される。規定位置は、例えばロボットアーム20の基端位置である。X軸方向は、積付用ロボット15の前後方向に相当する。積付用ロボット15の前側は、ロボットアーム20が向いている側である。Y軸方向は、積付用ロボット15の左右方向に相当する。Z軸方向は、積付用ロボット15の上下方向(高さ方向)に相当する。
【0040】
また、荷物積付装置1は、図5に示されるように、上流カメラ36と、下流カメラ37と、積付処理ユニット38と、制御盤39とを備えている。
【0041】
上流カメラ36は、メインコンベア5における最も上流側に位置する順送りコンベア17の上方に配置されている。上流カメラ36は、メインコンベア5に載置された手荷物3を撮像し、手荷物3の撮像画像を取得する。下流カメラ37は、ターンテーブル10の上方に配置されている。下流カメラ37は、ターンテーブル10に載置された手荷物3を撮像し、手荷物3の撮像画像を取得する。
【0042】
積付処理ユニット38は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。積付処理ユニット38は、上流カメラ36及び下流カメラ37により得られた手荷物3の撮像画像を取得し、手荷物3の撮像画像に基づいて手荷物3を検知し、手荷物3の検知データと手荷物3をコンテナ2内に積み付けるような制御信号とを制御盤39に出力する。
【0043】
制御盤39は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。制御盤39は、積付処理ユニット38からの検知データ及び制御信号に基づいて所定の処理を実行し、積付用ロボット15に向けて手荷物3を搬送するようにプッシャー9,11、ターンテーブル10及びプッシャー13,14を制御すると共に、手荷物3をコンテナ2内に積み付けるようにバッファコンベア12及び積付用ロボット15を制御する。
【0044】
積付処理ユニット38は、第1手荷物検知部41と、第2手荷物検知部42と、積付演算部43とを有している。
【0045】
第1手荷物検知部41は、上流カメラ36により取得された手荷物3の撮像画像に基づいて、メインコンベア5により搬送される手荷物3の種別を検知し、その検知データを制御盤39に送出する。第1手荷物検知部41は、上流カメラ36と協働して手荷物3の種別を検知する。
【0046】
第2手荷物検知部42は、下流カメラ37により取得された手荷物3の撮像画像に基づいて、ターンテーブル10に載置された手荷物3の寸法及び向きを検知し、その検知データを制御盤39に送出する。第2手荷物検知部42は、下流カメラ37と協働して手荷物3の寸法及び向きを検知する。
【0047】
積付演算部43は、第2手荷物検知部42により検知された手荷物3の寸法に基づいて、手荷物3をコンテナ2に積み付けるような制御信号を求め、その制御信号を制御盤39に送出する。なお、積付演算部43による演算処理については、後で詳述する。
【0048】
制御盤39は、移動制御部44と、回転制御部45と、位置制御部46と、積付制御部47とを有している。
【0049】
移動制御部44は、第1手荷物検知部41の検知データに基づいて、手荷物3が積付対象(スーツケース)であるかどうかを判断し、手荷物3が積付対象であるときに、手荷物3をターンテーブル10に移動させるようにプッシャー9,11を制御する。
【0050】
回転制御部45は、第2手荷物検知部42により検知された手荷物3の向きに基づいて、ターンテーブル10に載置された手荷物3の向きが一定となるようにターンテーブル10を制御する。このとき、回転制御部45は、手荷物3の取っ手31がターンテーブル10の下流側(バッファコンベア12側)を向くようなターンテーブル10の回転方向及び回転量を求め、その回転方向及び回転量に応じてターンテーブル10を制御する。
【0051】
位置制御部46は、手荷物3の向きが一定となるようにターンテーブル10が制御された後、バッファコンベア12において手荷物3が壁部18に対して位置決めされるようにプッシャー13,14を制御する。
【0052】
積付制御部47は、積付処理ユニット38の積付演算部43からの制御信号に応じて、バッファコンベア12を駆動するように制御すると共に、制御基板29,35を介して第1コンベア部23、第2コンベア部24、第1駆動部33及び第2駆動部34を制御する。
【0053】
以上のように構成された荷物積付装置1において、手荷物3をコンテナ2に積み付ける方法について具体的に説明する。
【0054】
手荷物3は、図6に示されるように、メインコンベア5により寸法に関係なくランダムに搬送されてくる。そして、手荷物3は、前コンテナ2A及び後コンテナ2Bに搬送順に積み付けられる。
【0055】
コンテナ2の扉側(図示せず)から見てコンテナ2の左右一方側(ここでは左側)には、切欠部2fが設けられている。切欠部2fは、コンテナ2の下側角部をテーパ状に切り欠いた構造を有している。コンテナ2内には、手荷物3の寸法に応じた複数(ここでは3つ)の収容エリアが設定されている。
【0056】
具体的には、前コンテナ2A内には、前コンテナ2Aの主要領域の奥側に位置する奥側収容エリアSa1と、前コンテナ2Aの主要領域の手前側に位置する手前側収容エリアSa2と、前コンテナ2Aにおける切欠部2fに対応する領域に位置する補助収容エリアSa3とが設定されている。前コンテナ2Aの主要領域は、前コンテナ2Aにおける切欠部2fに対応する領域を除く領域である。補助収容エリアSa3には、手荷物3が載置される棚板50が配置されている(図10参照)。
【0057】
奥側収容エリアSa1には、大サイズの手荷物3Aが積み付けられる。手前側収容エリアSa2には、中サイズの手荷物3Bが積み付けられる。補助収容エリアSa3には、主として小サイズの手荷物3Cが積み付けられる。ここでは、補助収容エリアSa3には、小サイズの手荷物3Cと大サイズの手荷物3Aとが積み付けられる。
【0058】
後コンテナ2B内には、後コンテナ2Bの主要領域の奥側に位置する奥側収容エリアSb1と、後コンテナ2Bの主要領域の手前側に位置する手前側収容エリアSb2と、後コンテナ2Bにおける切欠部2fに対応する領域に位置する補助収容エリアSb3とが設定されている。後コンテナ2Bの主要領域は、後コンテナ2Bにおける切欠部2fに対応する領域を除く領域である。補助収容エリアSb3には、手荷物3が載置される棚板50が配置されている(図10参照)。
【0059】
奥側収容エリアSb1には、中サイズの手荷物3Bが積み付けられる。手前側収容エリアSb2には、大サイズの手荷物3Aが積み付けられる。補助収容エリアSb3には、主として小サイズの手荷物3Cが積み付けられる。ここでは、補助収容エリアSb3には、小サイズの手荷物3Cと大サイズの手荷物3Aとが積み付けられる。
【0060】
コンテナ2の扉(前述)は、コンテナ2の主要領域に設けられており、コンテナ2における切欠部2fに対応する領域には設けられていない。このため、積付用ロボット15のロボットアーム20は、前コンテナ2Aの奥側収容エリアSa1及び手前側収容エリアSa2と後コンテナ2Bの奥側収容エリアSb1及び手前側収容エリアSb2とに入り込むことはできるが、前コンテナ2Aの補助収容エリアSa3及び後コンテナ2Bの補助収容エリアSb3には入り込むことができない。
【0061】
また、図7に示されるように、コンテナ2内には、手荷物3の積付位置を指定するためのアドレスが予め設定されている。コンテナ2の内部には、アドレスが下側から上側に向かうと共に奥側から手前側に向かって順番に設定されている。また、前コンテナ2Aの奥側収容エリアSa1及び手前側収容エリアSa2には、アドレスが右側(補助収容エリアSa3の反対側)から左側(補助収容エリアSa3側)に向かって順番に設定されている。後コンテナ2Bの奥側収容エリアSb1及び手前側収容エリアSb2には、アドレスが右側(補助収容エリアSb3の反対側)から左側(補助収容エリアSb3側)に向かって順番に設定されている。
【0062】
大サイズの手荷物3Aは、前コンテナ2Aの奥側収容エリアSa1及び後コンテナ2Bの手前側収容エリアSb2にアドレス順に積み付けられる。中サイズの手荷物3Bは、後コンテナ2Bの奥側収容エリアSb1及び前コンテナ2Aの手前側収容エリアSa2にアドレス順に積み付けられる。小サイズの手荷物3Cは、前コンテナ2Aの補助収容エリアSa3及び後コンテナ2Bの補助収容エリアSb3にアドレス順に積み付けられる。
【0063】
積付処理ユニット38の積付演算部43及び制御盤39の積付制御部47は、コンテナ2内における切欠部2fに対応する領域に手荷物3を積み付けるときに、手荷物3を保持した状態のロボットハンド22をコンテナ2内の積付位置の左右一方側(ここでは右側)まで移動させるように第1駆動部33を制御し、その後ロボットハンド22に保持された手荷物3が積付位置に向かって転がる方向にロボットハンド22を回動させるように第2駆動部34を制御する第1積付制御処理を実行する。
【0064】
また、積付演算部43及び積付制御部47は、コンテナ2内における切欠部fに対応する領域を除く領域に手荷物3を積み付けるときは、手荷物3を保持した状態のロボットハンド22をコンテナ2内の積付位置の手前まで移動させるように第1駆動部33を制御し、その後ロボットハンド22に保持された手荷物3が積付位置に向かって移動する方向に第1コンベア部23及び第2コンベア部24を駆動するように制御する第2積付制御処理を実行する。
【0065】
また、積付演算部43及び積付制御部47は、第1積付制御処理または第2積付制御処理を実行する前に、ロボットハンド22に手荷物3を保持する方向に第1コンベア部23及び第2コンベア部24を駆動するように制御する保持制御処理を実行する。
【0066】
積付演算部43及び積付制御部47は、制御基板29,35と協働して、第1積付制御処理、第2積付制御処理及び保持制御処理を実行する制御部を構成する。
【0067】
図8は、積付演算部43により実行される積付演算処理の手順の詳細を示すフローチャートである。本処理は、手荷物3毎の演算処理の手順を示している。
【0068】
なお、本処理の実行時には、積付用ロボット15のロボットハンド22は、バッファコンベア12に載置された手荷物3を保持する保持位置にある。保持位置は、バッファコンベア12の下流側において、バッファコンベア12からロボットハンド22の第1コンベア部23に手荷物3を受け渡すことが可能な位置である。このとき、第1コンベア部23は、壁部30側に向かって僅かに下がるように傾斜して配置されてもよい。
【0069】
ロボットハンド22は、保持位置にあるときには、バッファコンベア12から手荷物3を受け取ることが可能な初期状態となっている。また、ロボットハンド22の第1コンベア部23及び第2コンベア部24は、停止した状態となっている。
【0070】
図8において、積付演算部43は、まずバッファコンベア12を規定時間だけ駆動するような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S101)。また、積付演算部43は、第1コンベア部23及び第2コンベア部24を同時に規定時間だけ壁部30側に駆動するような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S102)。これにより、バッファコンベア12が駆動されると共に、第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30側に駆動されるため、バッファコンベア12から第1コンベア部23に手荷物3が移載される。
【0071】
続いて、積付演算部43は、図9に示されるように、壁部30が下側に位置する状態にロボットハンド22をY軸回りに回動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S103)。これにより、ロボットハンド22がY軸回りに回動し、壁部30が下側に位置するようにロボットハンド22が傾いた状態となる。
【0072】
続いて、積付演算部43は、第1コンベア部23に載置された手荷物3が第2コンベア部24に当たる状態にロボットハンド22をX軸回りに回動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S104)。これにより、ロボットハンド22がX軸回りに回動し、手荷物3が第2コンベア部24に当たる。
【0073】
続いて、積付演算部43は、手荷物3が積み付けられる収容エリアが前コンテナ2Aの補助収容エリアSa3及び後コンテナ2Bの補助収容エリアSb3でないかどうかを判断する(手順S105)。
【0074】
積付演算部43は、手荷物3が積み付けられる収容エリアが補助収容エリアSa3,Sb3でないと判断したときは、ロボットハンド22を手荷物3の積付位置の手前まで移動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S106)。これにより、ロボットハンド22が手荷物3の積付位置の手前まで移動する。
【0075】
続いて、積付演算部43は、手荷物3の積付位置が横置き状態で積み付けられるアドレスに相当するかどうかを判断する(手順S107)。積付演算部43は、手荷物3の積付位置が横置き状態で積み付けられるアドレスに相当すると判断したときは、第1コンベア部23及び第2コンベア部24を同時に規定時間だけ壁部30の反対側に駆動するような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S108)。これにより、第1コンベア部23からコンテナ2内の積付位置に手荷物3が横置き状態で移載される。
【0076】
積付演算部43は、手荷物3の積付位置が横置き状態で積み付けられるアドレスに相当しない、つまり手荷物3の積付位置が縦置き状態で積み付けられるアドレスに相当すると判断したときは、ロボットハンド22をX軸回りに90度回動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S109)。これにより、ロボットハンド22の姿勢が横置き状態から縦置き状態となる。そして、積付演算部43は、上記の手順S108を実行する。これにより、第1コンベア部23からコンテナ2内の積付位置に手荷物3が縦置き状態で移載される。
【0077】
積付演算部43は、手順S105で手荷物3が積み付けられる収容エリアが補助収容エリアSa3,Sb3であると判断したときは、図10(a)に示されるように、ロボットハンド22を手荷物3の積付位置の右上側まで移動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S110)。これにより、ロボットハンド22が手荷物3の積付位置の右上側まで移動する。
【0078】
そして、積付演算部43は、図10(b)、(c)に示されるように、ロボットハンド22をX軸回りに積付用ロボット15の前方向に見て反時計回りに回動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S111)。これにより、ロボットハンド22からコンテナ2内の積付位置に手荷物3が横置き状態で移載される。なお、図10では、ロボットハンド22の収容ケース26が省略されている。
【0079】
積付演算部43は、上記の手順S108または手順S111を実行した後、ロボットハンド22を初期状態に戻して保持位置まで移動させるような制御信号を積付制御部47に送出する(手順S112)。これにより、ロボットハンド22が保持位置まで移動するため、次に搬送されてくる手荷物3を積み付けることが可能となる。
【0080】
ここで、手順S101~S104,S112は、上記の保持制御処理に相当する。手順S105~S109は、上記の第2積付制御処理に相当する。手順S105,S110,S111は、上記の第1積付制御処理に相当する。
【0081】
以上のような荷物積付装置1において、積付対象の手荷物3をコンテナ2に積み付けるときは、まず積付用ロボット15のロボットハンド22に手荷物3が保持される。具体的には、ロボットハンド22が保持位置にある状態で、バッファコンベア12が駆動されると共に、図4(a)に示されるように、ロボットハンド22の第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30に駆動することで、バッファコンベア12からロボットハンド22の第1コンベア部23に手荷物3が移載される。
【0082】
そして、図9に示されるように、手荷物3が下側に位置するようにロボットハンド22がY軸回りに回動して傾斜することで、手荷物3が自重により第1コンベア部23に沿って下がり、手荷物3の取っ手31が壁部30に突き当たる。従って、手荷物3は、第1コンベア部23に対して壁部30を基準として第1コンベア部23の駆動方向に位置決めされた状態となる。
【0083】
また、手荷物3が第2コンベア部24に当たるようにロボットハンド22がX軸回りに回動することで、手荷物3の側面3dが第2コンベア部24に突き当たる。従って、手荷物3は、第1コンベア部23に対して第1コンベア部23の駆動方向に垂直な方向にも位置決めされた状態となる。
【0084】
そして、その状態で、ロボットハンド22が3軸方向に移動すると共に3軸回りに回動することで、ロボットハンド22に保持された手荷物3がコンテナ2内における手荷物3の寸法に応じた収容エリアに積み付けられる。
【0085】
手荷物3が前コンテナ2Aに積み付けられるときは、走行台車19は前コンテナ2Aの手前位置で停止したままである(図1参照)。手荷物3が後コンテナ2Bに積み付けられるときは、走行台車19がレール21に沿って後コンテナ2Bの手前位置まで走行する。手荷物3は、取っ手31がコンテナ2の手前側を向いた状態でコンテナ2に積み付けられる。
【0086】
大サイズの手荷物3Aは、まず前コンテナ2Aの奥側収容エリアSa1及び補助収容エリアSa3にアドレス順に積み付けられ、続いて後コンテナ2Bの手前側収容エリアSb2にアドレス順に積み付けられる。中サイズの手荷物3Bは、まず後コンテナ2Bの奥側収容エリアSb1にアドレス順に積み付けられ、続いて前コンテナ2Aの手前側収容エリアSa2にアドレス順に積み付けられる。小サイズの手荷物3Cは、前コンテナ2Aの補助収容エリアSa3及び後コンテナ2Bの補助収容エリアSb3にアドレス順に積み付けられる。
【0087】
手荷物3Aが奥側収容エリアSa1及び手前側収容エリアSb2に積み付けられるときは、ロボットハンド22が手荷物3Aの積付位置の手前まで移動する。このとき、手荷物3Aの積付位置が横置き状態で積み付けられるアドレスに相当する場合は、図3(a)、図4(b)に示されるように、ロボットハンド22の第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30の反対側に駆動されることで、ロボットハンド22から積付位置に手荷物3Aが横置き状態で移載される。
【0088】
手荷物3Aの積付位置が縦置き状態で積み付けられるアドレスに相当する場合は、図3(b)に示されるように、手荷物3Aの積付位置の手前において、ロボットハンド22がX軸回りに90度回動することで、ロボットハンド22の姿勢が横置き状態から縦置き状態となる。なお、縦置き状態で積み付けられるアドレスは、5番、8番、23番及び28番である(図7参照)。その状態で、第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30の反対側に駆動されることで、ロボットハンド22から積付位置に手荷物3Aが縦置き状態で移載される。
【0089】
手荷物3Aが補助収容エリアSa3,Sb3に積み付けられるときは、図10(a)に示されるように、ロボットハンド22が手荷物3Aの積付位置の右上側まで移動する。そして、図10(b)、(c)に示されるように、ロボットハンド22がX軸回りにロボットアーム20側から見て反時計回りに回動することで、ロボットハンド22から手荷物3Aが離れる。すると、手荷物3Aは、転がりながら積付位置に横置き状態で置かれる。
【0090】
手荷物3Bが奥側収容エリアSb1及び手前側収容エリアSa2に積み付けられるときは、ロボットハンド22が手荷物3Bの積付位置の手前まで移動する。そして、図4(b)に示されるように、第1コンベア部23及び第2コンベア部24が壁部30の反対側に駆動されることで、ロボットハンド22から積付位置に手荷物3Bが横置き状態で移載される。
【0091】
手荷物3Cが補助収容エリアSa3,Sb3に積み付けられるときは、図10(a)に示されるように、ロボットハンド22が手荷物3Cの積付位置の右上側まで移動する。そして、図10(b)、(c)に示されるように、ロボットハンド22がX軸回りにロボットアーム20側から見て反時計回りに回動することで、ロボットハンド22から手荷物3Cが離れ、手荷物3Cが転がりながら積付位置に横置き状態で載置される。
【0092】
以上のように本実施形態にあっては、まず手荷物3を保持した状態のロボットハンド22がコンテナ2内の積付位置の右側まで移動する。そして、ロボットハンド22に保持された手荷物3が積付位置に向かって転がる方向に回動する。このため、ロボットハンド22から手荷物3が離れ、その手荷物3が転がりながら積付位置に置かれる。従って、ロボットハンド22が積付位置に届かなくても、積付位置に手荷物3が置かれることになる。これにより、コンテナ2内におけるロボットハンド22が届かない領域にも手荷物3を積み付けることができる。また、手荷物3を転がすという1モーションで、手荷物3が積付位置に適切に置かれる。従って、手荷物3の積付時間を短縮することができる。
【0093】
また、本実施形態では、コンテナ2内における切欠部2fに対応する領域にロボットハンド22が届かなくても、コンテナ2内における切欠部2fに対応する領域に手荷物3を確実に積み付けることができる。
【0094】
また、本実施形態では、コンテナ2内における切欠部2fに対応する領域を除く領域に手荷物3を積み付けるときは、ロボットハンド22がコンテナ2内の積付位置の手前まで移動した後、第1コンベア部23及び第2コンベア部24により手荷物3が積付位置まで移動するため、手荷物3の積付をコンテナ2の左右方向に対してスペース効率良く行うことができる。
【0095】
また、本実施形態では、ロボットハンド22に手荷物3を保持する際には、第1コンベア部23及び第2コンベア部24により手荷物3が移動するため、ロボットハンド22による手荷物3の保持を容易に行うことができる。
【0096】
また、本実施形態では、第1駆動部33及び第2駆動部34によって、ロボットハンド22を3軸方向に移動させる動作とロボットハンド22を3軸回りに回動させる動作とが別々に行われる。従って、ロボットハンド22の移動動作及び回動動作を行う駆動部の構造を簡素化することができる。
【0097】
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、手荷物3がコンテナ2内に横置き状態または縦置き状態で積み付けられているが、特にその形態には限られず、全ての手荷物3をコンテナ2内に横置き状態で積み付けてもよい。この場合には、第2コンベア部24は不要である。つまり、ロボットハンドは、第1コンベア部23に相当するコンベア部と、このコンベア部に対してL字状に配置され、手荷物3の側面3dを受ける壁部とを有していてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、コンテナ2内における切欠部2fに対応する領域である補助収容エリアSa3,Sb3に手荷物3を積み付けるときのみ、ロボットハンド22に保持された手荷物3が積付位置に向かって転がる方向にロボットハンド22が回動するように、第2駆動部34が制御されているが、特にそのような形態では限られない。手荷物3をコンテナ2内の奥側収容エリアSa1,Sb1及び手前側収容エリアSa2,Sb2に積み付けるときでも、ロボットハンド22に保持された手荷物3が積付位置に向かって転がる方向にロボットハンド22が回動するように、第2駆動部34を制御してもよい。
【0099】
このとき、バッファコンベア12を駆動させるだけで、ロボットハンド22に手荷物3を保持することが可能であれば、特に手荷物3を移動させるコンベア部をロボットハンドに具備しなくてもよい。この場合には、ロボットハンドは、例えばL字状の保持壁部を有する構造であってもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、制御盤39は、移動制御部44、回転制御部45、位置制御部46及び積付制御部47を有しているが、特にそのような形態には限られない。例えば制御盤39が設置されていない場合には、移動制御部44、回転制御部45、位置制御部46及び積付制御部47を積付処理ユニット38に備えてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、第1駆動部33及び第2駆動部34の動作は別々に行われているが、特にその形態には限られず、第1駆動部33及び第2駆動部34の動作を同時に行ってもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、直方体状の手荷物3がコンテナ2に積み付けられているが、手荷物3の形状としては、特に直方体状には限られず、立方体状であってもよい。つまり、手荷物3の形状としては、四角柱状であればよい。なお、四角柱状は、完全な四角柱状及び略四角柱状を含んでいる。
【0103】
また、上記実施形態では、左右一方の下側角部に切欠部2fが設けられたコンテナ2に手荷物3が積み付けられているが、本発明は、特にその形態には限られず、コンテナ2内にロボットハンド22が届かない領域が存在するのであれば、例えば切欠部2fが無い直方体状のコンテナに荷物を積み付ける荷物積付装置にも適用可能である。
【0104】
また、本発明は、航空機用以外のコンテナに荷物を積み付ける荷物積付装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0105】
1…荷物積付装置、2…コンテナ、2f…切欠部、3…手荷物(荷物)、15…積付用ロボット、22…ロボットハンド、23…第1コンベア部(コンベア部)、24…第2コンベア部(コンベア部)、29…制御基板(制御部)、33…第1駆動部、34…第2駆動部、35…制御基板(制御部)、43…積付演算部(制御部)、47…積付制御部(制御部)、50…棚板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10