(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】飼育装置
(51)【国際特許分類】
A01K 67/033 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
A01K67/033 502
(21)【出願番号】P 2020195732
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 望
(72)【発明者】
【氏名】河合 重和
(72)【発明者】
【氏名】村田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】高里 明洋
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崇人
(72)【発明者】
【氏名】三戸 太郎
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1970312(KR,B1)
【文献】特許第6746153(JP,B1)
【文献】特表2023-529271(JP,A)
【文献】国際公開第2021/214375(WO,A1)
【文献】特開平10-191834(JP,A)
【文献】特表2018-509167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0146270(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0360014(US,A1)
【文献】特開2002-142641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 67/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物の飼育空間を形成するフレームと、
前記飼育空間の底部に配置され、前記生物、前記生物の抜け殻、餌、水分、塵埃の少なくとも1つを搬送するベルトコンベアと、
前記飼育空間内において上下方向に延びるように配置され、前記生物が止まることが可能な止まり部材と、
前記止まり部材に沿って下方へ移動することにより前記止まり部材に止まっている前記生物を前記止まり部材から引き離す引離部材と、
前記ベルトコンベアに対して接触状態と非接触状態とを切替可能に設けられ、前記接触状態において前記ベルトコンベアの搬送力を駆動源として前記引離部材を上下動させる動力伝達機構と、
を備える、飼育装置。
【請求項2】
前記動力伝達機構は、
前記ベルトコンベアに対して前記接触状態と前記非接触状態とを切替可能に設けられ、前記接触状態において前記ベルトコンベアの搬送力により回転可能なローラと、
前記ローラと前記引離部材との間を連結し、前記ローラの回転を上下動に変換し、変換された上下動によって前記引離部材を上下動させる変換機構と、
を備える、請求項1に記載の飼育装置。
【請求項3】
前記ローラは、前記非接触状態において自由回転を規制されている、請求項2に記載の飼育装置。
【請求項4】
前記ベルトコンベアは、一方向に搬送可能であり、
前記動力伝達機構は、
前記ローラであって、前記接触状態において前記ベルトコンベアの搬送方向の搬送力により正回転可能な第一ローラと、
前記ローラであって、前記接触状態において前記ベルトコンベアの搬送方向の搬送力により正回転可能な第二ローラと、
前記第一ローラと前記引離部材との間を連結すると共に前記第二ローラと前記引離部材との間を連結し、前記第一ローラの正回転を下方への移動に変換し、前記第二ローラの正回転を上方への移動に変換し、変換された上方への移動及び下方への移動によって前記引離部材を上下動させる前記変換機構と、
を備える、請求項2又は3に記載の飼育装置。
【請求項5】
前記ベルトコンベアは、両方向に搬送可能であり、
前記動力伝達機構は、
前記ローラであって、前記接触状態において前記ベルトコンベアの第一搬送方向の搬送力により正回転可能な第一ローラと、
前記ローラであって、前記接触状態において前記ベルトコンベアの第二搬送方向の搬送力により逆回転可能な第二ローラと、
前記第一ローラと前記引離部材との間を連結すると共に前記第二ローラと前記引離部材との間を連結し、前記第一ローラの正回転を下方への移動に変換し、前記第二ローラの逆回転を上方への移動に変換し、変換された上方への移動及び下方への移動によって前記引離部材を上下動させる前記変換機構と、
を備える、請求項2又は3に記載の飼育装置。
【請求項6】
前記変換機構は、
前記ローラの回転に伴って前記ローラに巻回され、前記止まり部材の上方領域において前記ベルトコンベアの搬送方向に延在するように配置される紐状部材と、
前記紐状部材による前記搬送方向への移動に伴って回転する回転部材と、
前記回転部材の回転を上下動に変換し、変換された上下動の動力を前記引離部材に伝達する機構と、
を備える、請求項2-5の何れか1項に記載の飼育装置。
【請求項7】
前記動力伝達機構は、さらに、
前記ローラを上下動させ、前記接触状態と前記非接触状態とを切り替える切替機構を備える、請求項2-6の何れか1項に記載の飼育装置。
【請求項8】
前記フレームは、複数の前記飼育空間を形成し、
前記ベルトコンベアは、複数の前記飼育空間に跨って配置され、
前記止まり部材及び前記引離部材は、複数の前記飼育空間のそれぞれに配置され、
前記動力伝達機構は、前記接触状態において前記ベルトコンベアの搬送力を駆動源として複数の前記引離部材を上下動させる、請求項1-7の何れか1項に記載の飼育装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼育装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コオロギの飼育装置が記載されている。この飼育装置においては、コオロギに水を与えるために、水を含んだ脱脂綿が置かれた容器を飼育ケース内に設け、産卵、孵化、飼育を全て飼育ケース内で行う。
【0003】
また、特許文献2には、昆虫を繁殖させるための設備が記載されている。当該設備は、産卵容器、初期幼虫用容器、蛹化容器等を有しており、各容器を搬送するベルトコンベアを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-191834号公報
【文献】特表2018-509167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の飼育装置において、コオロギを収集するためには、丸められた新聞紙の表面や内部にいるコオロギを、新聞紙から引き離す必要がある。つまり、丸められた新聞紙を1つ1つ広げて、広げた新聞紙からコオロギを引き離す。このように、コオロギを収集することは手間がかかる。
【0006】
本発明は、昆虫等の生物を飼育する飼育装置において、生物を容易に収集することができ、さらに大規模な生物の飼育を実現できる飼育装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
飼育装置は、生物の飼育空間を形成するフレームと、前記飼育空間の底部に配置され、前記生物、前記生物の抜け殻、餌、水分、塵埃の少なくとも1つを搬送するベルトコンベアと、前記飼育空間内において上下方向に延びるように配置され、前記生物が止まることが可能な止まり部材と、前記止まり部材に沿って下方へ移動することにより前記止まり部材に止まっている前記生物を前記止まり部材から引き離す引離部材と、前記ベルトコンベアに対して接触状態と非接触状態とを切替可能に設けられ、前記接触状態において前記ベルトコンベアの搬送力を駆動源として前記引離部材を上下動させる動力伝達機構とを備える。
【0008】
上述した飼育装置によれば、止まり部材に飼育対象の生物が止まることが可能である。従って、止まり部材が隠れ場所として利用できるため、飼育対象の生物にとって良好な生育環境となる。
【0009】
止まり部材に止まっている生物を収集するために、引離部材が用いられる。つまり、引離部材を止まり部材に沿って下方へ移動することにより、止まり部材に止まっている生物を止まり部材から引き離すことができる。このようにすることで、止まり部材に止まっている生物をフレームの飼育空間の底面に落下させることができるため、生物の収集が容易となる。
【0010】
さらに、引離部材の上下動は、ベルトコンベアの搬送力を利用する動力伝達機構により行う。つまり、ベルトコンベア及び動力伝達機構により、引離部材の上下動を自動化することが可能となる。これにより、飼育対象の生物を容易に収集することができ、さらに大規模な生物の飼育を実現することができる。
【0011】
また、動力伝達機構は、ベルトコンベアの搬送力を動力源として、引離部材を上下動させる。つまり、ベルトコンベアの搬送力を、主目的である生物、生物の抜け殻、餌、水分、塵埃の少なくとも1つの搬送に加えて、引離部材の上下動に用いる。このように、ベルトコンベアの搬送力を兼用することによって、飼育装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1のII方向から見た図、すなわち飼育装置の平面図である。
【
図6】引離部材の下降開始状態に切り替えたときの縦断面図である。
【
図8】引離部材の位置決め状態とし、生物を収集しているときの縦断面図である。
【
図9】引離部材の上昇開始状態に切り替えたときの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1.飼育対象の生物)
飼育装置において飼育対象とする生物は、例えば、節足動物等の小生物である。飼育対象の生物は、例えば、食用、飼料用、研究用等に用いられる生物である。飼育対象の昆虫としては、コオロギ、イナゴ、バッタ等があげられる。特に、飼育対象の生物は、幼虫が直接成虫に変態する不完全変態の節足動物であって、さらには、不完全変態における幼虫が好適である。本例における飼育対象の生物は、昆虫のうち、バッタ目のコオロギやイナゴの幼虫を好適な例として説明する。ただし、成虫(羽化した不完全変態節足動物)を飼育対象の生物としても良い。また、飼育装置は、卵から飼育しても良いし、孵化後の生物を飼育しても良い。
【0014】
(2.飼育装置1の基本構成)
飼育装置1の基本構成について、
図1を参照して説明する。飼育装置1は、
図1に示すように、基本構成として、ベース10、フレーム20、ベルトコンベア30を備える。ベース10は、設置面上に配置される。
【0015】
フレーム20は、第一フレーム21及び第二フレーム22を備える。第一フレーム21及び第二フレーム22は、それぞれ、飼育対象の生物を飼育するための空間を形成し、当該生物が生育するための環境を有している。つまり、飼育装置1は、複数の飼育空間を有している。なお、飼育装置1は、1つの飼育空間を有するようにしても良いし、3以上の飼育空間を有するようにしても良い。
【0016】
第一フレーム21及び第二フレーム22は、ベース10の上方に、隣接して固定されている。第一フレーム21及び第二フレーム22は、飼育空間における上方及び側方を囲む壁面を有するようにしても良いし、壁面を有さない枠部材により形成されるようにしても良い。第一フレーム21及び第二フレーム22は、直方体状に形成する場合を例にあげるが、円筒形状、錐形状等、任意の形状とすることができる。また、第一フレーム21の飼育空間と第二フレーム22の飼育空間とは、仕切られた別空間としたが、仕切られていない同一空間としても良い。
【0017】
ベルトコンベア30は、ベース10に取り付けられており、第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間における底部に配置されている。つまり、ベルトコンベア30の上面が、第一フレーム21及び第二フレーム22の飼育空間の底面を形成する。第一フレーム21及び第二フレーム22は、ベルトコンベア30の搬送方向に配列されている。つまり、ベルトコンベア30は、第一フレーム21の飼育空間と第二フレーム22の飼育空間に跨って配置されている。
【0018】
ベルトコンベア30は、一対のローラ31,31に掛けられた無端状のベルト32を備えており、モータ33により一方のローラ31を駆動することでベルト32は連続して移動することが可能である。ここで、ベルトコンベア30の搬送方向は、ベルト32の上面の移動方向を意味する。モータ33及びローラ31,31は、一方向のみに回転可能としても良いし、両方向に回転可能としても良い。つまり、モータ33が一方向のみに回転可能である場合には、ベルトコンベア30は、
図1における右から左への搬送方向(第一搬送方向)に搬送可能となる。モータ33が両方向に回転可能である場合には、ベルトコンベア30は、
図1における右から左への第一搬送方向と、
図1における左から右への第二搬送方向との両方向に搬送可能となる。
【0019】
ベルトコンベア30は、飼育対象の生物、生物の抜け殻、餌、水分、塵埃の少なくとも1つを搬送する。例えば、ベルトコンベア30は、生育初期の生物又は生物の卵を、外部から第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間に搬入するために用いることができる。また、飼育空間で飼育している生物には、餌や水分が必要である。そこで、ベルトコンベアは、外部から飼育空間に餌や水分を供給するために用いることもできる。また、飼育途中において、飼育空間の底部には、生物の抜け殻、糞や餌の残りやゴミ等が堆積する。そこで、ベルトコンベア30は、抜け殻や塵埃を飼育空間の底部から外部へ排出するために用いることもできる。
【0020】
また、飼育空間の生物が生育した後においては、当該生物を飼育空間から外部へ排出する必要がある。そこで、ベルトコンベア30は、飼育空間の底部(ベルトコンベア30上)に位置する生育した生物を、飼育空間の外部へ搬出するために用いることもできる。つまり、ベルトコンベア30を駆動することによって、生育した生物を収集することができる。
【0021】
なお、図示しないが、飼育装置1は、生育した生物を収集するための収集ケースをベルトコンベア30の端部に備えるようにしても良い。また、飼育装置1は、ベルトコンベア30の表面を洗浄するための洗浄装置を、例えば、ベルトコンベア30の下部に備えるようにしても良い。
【0022】
(3.飼育装置1の飼育空間の内部構成)
第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間の内部構成について、
図1-
図5を参照して説明する。飼育装置1は、第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間に、止まり部材40及び引離部材50を備える。
【0023】
止まり部材40は、それぞれの飼育空間内において上下方向に延びるように配置され、飼育対象の生物が止まることが可能である。止まり部材40は、第一フレーム21及び第二フレーム22における上端部分に固定されている。止まり部材40は、ベルトコンベア30のベルト32の上面からは僅かに離れた位置に位置する。つまり、ベルト32が移動する際に、ベルト32が止まり部材40に接触しない。ただし、ベルトコンベア30と止まり部材40の下端との隙間は、ベルトコンベア30上に存在する生物が止まり部材40へ乗り移ることができる程度に設定されている。当該隙間は、例えば、10-30[mm]である。
【0024】
止まり部材40は、水平方向に対向して配列された複数の板部により構成される。複数の板部は、平板状に形成しても良いし、波形に形成しても良い。本例では、板部は、平板状に形成されている。また、本例では、止まり部材40を構成する複数の板部のそれぞれは、ベルトコンベア30の搬送方向に延在している。つまり、複数の板部が、左右方向(搬送方向に直交する方向)に対向して配列されている。なお、止まり部材40を構成する複数の板部は、搬送方向に対向して配列しても良いし、搬送方向に対して傾斜する方向に対向して配列しても良い。
【0025】
ここで、本例では、止まり部材40を構成する複数の板部が、それぞれ独立した部材、すなわち一体的ではない構成としている。ただし、複数の板部は、一体化された部材としても良い。例えば、複数の板部が搬送方向の前後端や中間部において連結されるようにしても良い。
【0026】
また、止まり部材40は、鉄、アルミニウム等の金属、樹脂、木材、紙等により形成されている。さらに、止まり部材40は、昆虫等の生物が足場となるように、多数の細孔が全面に亘って形成されている。例えば、止まり部材40は、パンチングメタル又は金網等により形成されている。止まり部材40は、例えば、1-5[mm]の厚みを有し、直径約1[mm]、ピッチ約2[mm]程度の細孔を有している。また、止まり部材40を構成する隣り合う板部の間隔は、例えば、10-30[mm]である。
【0027】
引離部材50は、止まり部材40に沿って下方へ移動することにより、止まり部材40に止まっている生物を止まり部材40から引き離す部材である。引離部材50は、鉄、アルミニウム等の金属、樹脂、木材等により形成されている。引離部材50は、止まり部材40を構成する複数の板部のそれぞれに対応する複数の部材を備えるようにしても良いし、複数の板部に対して1つの部材として設けられるようにしても良い。
【0028】
本例では、引離部材50は、止まり部材40を構成する複数の板部に対して1つの部材として設けられている。引離部材50は、水平方向に延在する板状に形成されている。引離部材50は、止まり部材40を構成する複数の板部をそれぞれ挿通可能なスリット51が形成され、止まり部材40に沿って上下方向に移動可能である。
【0029】
引離部材50が、止まり部材40の上端に位置している状態から下方へ移動することにより、止まり部材40に止まっている生物をベルト32の上面に落下させることができる。引離部材50を止まり部材40の下端まで移動することで、大部分の生物がベルト32の上面に移動する。
【0030】
(4.引離部材50の駆動機構)
引離部材50は、上述したように、止まり部材40に沿って上下に移動する。飼育装置1における引離部材50の駆動機構について、
図1-
図5を参照して説明する。
【0031】
飼育装置1は、引離部材50の駆動機構として、動力伝達機構60を備える。動力伝達機構60は、ベルトコンベア30の搬送力を駆動源として、引離部材50を上下動させる。そこで、動力伝達機構60は、ベルトコンベア30に対して接触状態と非接触状態とを切替可能に設けられている。つまり、動力伝達機構60は、ベルトコンベア30に対して接触状態のときに、ベルトコンベア30の搬送力を駆動源として引離部材50を上下動させることができる。一方、動力伝達機構60は、ベルトコンベア30に対して非接触状態のときには、ベルトコンベア30の搬送力を受けることができず、引離部材50を上下方向において位置決めした状態とする。
【0032】
特に、動力伝達機構60は、ベルトコンベア30に対して接触状態において、ベルトコンベア30の搬送力を駆動源として、複数の引離部材50を上下動する。なお、複数の引離部材50は、全てを同時に上下方向に連動させるように構成しても良いし、個別に上下動させるように構成しても良い。つまり、動力伝達機構60は、複数の引離部材50を連動して上下動させることができる。
【0033】
動力伝達機構60は、第一ローラユニット61、第二ローラユニット62、変換機構63を備える。第一ローラユニット61は、第一フレーム21よりもベルトコンベア30の第一搬送方向(
図1の右から左への方向)の下流側に設けられる。第一ローラユニット61は、第一駆動装置61a、第一リンク部材61b、第一ローラ61cを備える。
【0034】
第一駆動装置61aは、第一ローラ61cを上下動させて、第一ローラ61cをベルトコンベア30に対して接触状態と非接触状態とで切り替える。第一駆動装置61aは、例えば、モータやシリンダ等である。本例では、第一駆動装置61aは、回転駆動するアクチュエータとしてモータを採用する。なお、第一駆動装置61aに代えて、手動による切り替え可能な構成としても良い。第一リンク部材61bは、一端が第一駆動装置61aの出力軸に取り付けられ、第一駆動装置61aの回転によって回転する。
【0035】
第一ローラ61cは、第一リンク部材61bの他端に回転可能に取り付けられている。つまり、第一ローラ61cは、第一駆動装置61aが回転駆動することにより、第一リンク部材61bを介して、第一駆動装置61aの中心軸回りに公転する。従って、第一ローラ61cは、第一駆動装置61aの駆動によって上下動することにより、ベルトコンベア30に対して接触状態と非接触状態とを切り替えられる。本例では、第一ローラ61cは、第一駆動装置61aが回転駆動することにより、円弧軌跡に沿って上下動して、ベルトコンベア30に対して接触状態と非接触状態とを切替可能に設けられている。
【0036】
より具体的には、第一ローラ61cが第一駆動装置61aの下方に位置するときに、第一ローラ61cがベルトコンベア30に対して接触状態となる。そして、第一ローラ61cは、ベルトコンベア30に対して接触状態において、ベルトコンベア30の搬送力により回転可能となる。例えば、
図1において、第一ローラ61cは、ベルトコンベア30が
図1の右から左へ搬送する際にベルトコンベア30に対して接触状態となると、ベルトコンベア30の第一搬送方向の搬送力により正回転(
図1の時計回り)に回転する。
【0037】
また、第一ローラ61cが第一駆動装置61aに対して側方、本例では第一フレーム21側に位置するときに、第一ローラ61cが、ベルトコンベア30に対して非接触状態となる。本例では、第一ローラ61cは、第一駆動装置61aの中心軸回りに揺動する。また、第一ローラ61cは、揺動範囲の任意の位置にて位置決め可能である。
【0038】
さらに、第一ローラ61cは、ベルトコンベア30に対して非接触状態において、第一リンク部材61bに対して自由回転を規制されている。つまり、第一ローラ61cは、外力を受けなければ、第一リンク部材61bに対して回転しない構造を有している。例えば、第一リンク部材61bに図示しないブレーキ機構が設けられている。
【0039】
なお、第一駆動装置61aはモータを例に挙げ、第一ローラ61cが公転する場合としたが、第一ローラ61cが、ベルトコンベア30に対して接触状態と非接触状態とを切替可能であれば良い。つまり、第一駆動装置61aは、第一ローラ61cを上下動させることができれば良い。そこで、例えば、第一駆動装置61aは、第一ローラ61cを上下動させるために、直動装置を採用しても良い。
【0040】
第二ローラユニット62は、第二フレーム22よりもベルトコンベア30の第一搬送方向(
図1の右から左への方向)の上流側に設けられる。第二ローラユニット62は、実質的に、第一ローラユニット61と同様に構成される。第二ローラユニット62は、第二駆動装置62a、第二リンク部材62b、第二ローラ62cを備える。第二駆動装置62a、第二リンク部材62b及び第二ローラ62cは、第一ローラユニット61を構成する第一駆動装置61a、第一リンク部材61b及び第一ローラ61cに相当する。なお、第一駆動装置61aと同様に、第二駆動装置62aに代えて、手動による切り替え可能な構成としても良い。
【0041】
本例では、第二ローラ62cが第二駆動装置62aの下方に位置するときに、第二ローラ62cがベルトコンベア30に対して接触状態となる。そして、第二ローラ62cは、ベルトコンベア30に対して接触状態において、ベルトコンベア30の搬送力により回転可能となる。例えば、
図1において、第二ローラ62cは、ベルトコンベア30が
図1の右から左へ搬送する際にベルトコンベア30に対して接触状態となると、ベルトコンベア30の第一搬送方向の搬送力により正回転(
図1の時計回り)に回転する。なお、本例では、第一ローラ61cの正回転及び第二ローラ62cの正回転は、
図1の時計回りとし、第一ローラ61cの逆回転及び第二ローラ62cの逆回転は、
図1の反時計回りとする。
【0042】
また、第二ローラ62cが第二駆動装置62aに対して側方、本例では第二フレーム22側に位置するときに、第二ローラ62cが、ベルトコンベア30に対して非接触状態となる。つまり、本例では、第二ローラ62cは、第二駆動装置62aの中心軸回りに揺動する。また、第二ローラ62cは、揺動範囲の任意の位置にて位置決め可能である。さらに、第一ローラ61cは、ベルトコンベア30に対して非接触状態において、第一リンク部材61bに対して自由回転を規制されている。
【0043】
ここで、第一ローラ61cと第二ローラ62cとの一方のみが、ベルトコンベア30に対して接触状態となることが可能である。つまり、第一ローラ61cが接触状態のときは、第二ローラ62cは非接触状態となり、第二ローラ62cが接触状態のときには、第一ローラ61cは非接触状態となる。さらに、第一ローラ61c及び第二ローラ62cが、同時に、非接触状態となることは可能である。
【0044】
変換機構63は、ローラ61c,62cと引離部材50との間を連結し、ローラ61c,62cの回転を上下動に変換し、変換された上下動によって引離部材50を上下動させる。詳細には、変換機構63は、第一ローラ61cと引離部材50との間を連結し、第一ローラ61cの正回転を下方への移動に変換し、変換された下方への移動によって引離部材50を下降させる。また、変換機構63は、第二ローラ62cと引離部材50との間を連結し、第二ローラ62cの正回転を上方への移動に変換し、変換された上方への移動によって引離部材50を上昇させる。
【0045】
変換機構63は、例えば、紐状部材63a、補助ローラ63b、回転部材63c、張力付与部材63d及び滑りネジ63eを備える。ただし、変換機構63は、当該構成に限定されるものではない。
【0046】
紐状部材63aは、ローラ61c,62cの回転に伴ってローラ61c,62cに巻回され、止まり部材40の上方領域においてベルトコンベア30の搬送方向に延在するように配置される。詳細には、紐状部材63aは、一端が第一ローラ61cに巻回可能に保持され、他端が第二ローラ62cに巻回可能に保持され、中間部分が第一フレーム21及び第二フレーム22の上方領域を通過している。
【0047】
つまり、第一ローラ61cが正回転すると、紐状部材63aが第一ローラ61cに巻き取られるため、紐状部材63aは、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方において、ベルトコンベア30の第一搬送方向(
図2の左側)に向かって移動する。このとき、第二ローラ62cは逆回転しながら、紐状部材63aが、第二ローラ62cから引き出される。
【0048】
一方、第二ローラ62cが正回転すると、紐状部材63aが第二ローラ62cに巻き取られるため、紐状部材63aは、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方において、ベルトコンベア30の第一搬送方向とは反対方向(
図2の右側)に向かって移動する。このとき、第一ローラ61cは逆回転しながら、紐状部材63aが、第一ローラ61cから引き出される。
【0049】
補助ローラ63bは、第一フレーム21の飼育空間の上面よりも僅かに第一搬送方向の位置と、第二フレーム22の飼育空間の上面よりも僅かに第一搬送方向とは反対方向の位置とに設けられている。これらの補助ローラ63bは、紐状部材63aを第一ローラ61cと第二ローラ62cとの間に位置する部分を、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方にて搬送するために設けられている。
【0050】
回転部材63cは、プーリであって、第一フレーム21及び第二フレーム22の鉛直軸回りに回転可能に、第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれに支持されている。回転部材63cは、第一フレーム21及び第二フレーム22の上面に対向するように、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方に設けられている。
【0051】
回転部材63cの外周面の一部分は、紐状部材63aに高い押付力を有する状態で接触している。つまり、回転部材63cの外周面の一部分は、紐状部材63aに密着している。従って、回転部材63cは、紐状部材63aによる搬送方向への移動に伴って回転する。詳細には、紐状部材63aが第一ローラ61cに巻き取られる場合には、紐状部材63aは第一搬送方向に移動するため、回転部材63cのそれぞれは、
図2の反時計回りに回転する。一方、紐状部材63aが第二ローラ62cに巻き取られる場合には、紐状部材63aは第一搬送方向とは反対方向に移動するため、回転部材63cのそれぞれは、
図2の時計回りに回転する。
【0052】
なお、本例では、回転部材63cと紐状部材63aとの摩擦力により、回転部材63cが回転する。この構成の他に、例えば、ラックピニオンタイプのように歯の噛み合いによって、紐状部材63aの直動を回転部材63cの回転に変換するようにしても良い。
【0053】
張力付与部材63dは、第一フレーム21及び第二フレーム22の上面に取り付けられており、紐状部材63aを回転部材63cに密着させるために、紐状部材63aに張力を付与する。つまり、張力付与部材63dは、紐状部材63aと回転部材63cとの間で確実に動力を伝達するために機能する。張力付与部材63dは、例えばローラとすることで、紐状部材63aとの摺動抵抗を低減できる。
【0054】
滑りネジ63e(回転直動変換機構)は、回転部材63cの回転を上下方向に変換し、変換された上下動の動力を引離部材50に伝達する。滑りネジ63eは、ネジ軸とナットとにより構成される。滑りネジ63eは、ネジ軸とナットとの間の抵抗が小さくなるように構成されている。滑りネジ63eは、例えば、ボールを介在するボールネジを採用しても良いし、ボールを介在しない構造を採用しても良い。
【0055】
滑りネジ63eのネジ軸は、回転部材63cに同軸上に一体に固定されている。従って、滑りネジ63eのネジ軸は、回転部材63cと一体的に回転する。滑りネジ63eのネジ軸は、飼育空間のほぼ中央において、上下方向に延びるように設けられている。滑りネジ63eのネジ軸には、ほぼ全長に亘って雄ネジが形成されている。また、滑りネジ63eのネジ軸の下端は、ベルトコンベア30から僅かに離れている。つまり、滑りネジ63eのネジ軸は、ベルトコンベア30に対して非接触となる。
【0056】
滑りネジ63eのナットは、滑りネジ63eのネジ軸に螺合している。従って、滑りネジ63eのネジ軸が回転すると、滑りネジ63eのナットは上下動する。さらに、滑りネジ63eのナットは、引離部材50に固定されている。つまり、滑りネジ63eのネジ軸が回転すると、滑りネジ63eのナットを介して引離部材50が上下動する。
【0057】
例えば、第一ローラ61cが正回転するとき、回転部材63c及び滑りネジ63eのネジ軸が
図2の反時計回りに回転し、その結果、滑りネジ63eのナット及び引離部材50が下降する。一方、第二ローラ62cが正回転するとき、回転部材63c及び滑りネジ63eのネジ軸が
図2の時計回りに回転し、その結果、滑りネジ63eのナット及び引離部材50が上昇する。
【0058】
(5.飼育装置1の動作)
飼育装置1の動作について、
図1、
図6-
図10を参照して説明する。初期状態として、
図1に示すように、第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間において、引離部材50が上方に位置する。さらに、第一駆動装置61a及び第二駆動装置62aによって、第一ローラ61c及び第二ローラ62cは、共に、ベルトコンベア30に対して非接触状態とされている。そして、この初期状態において、飼育対象の生物は、第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間において飼育されている。
【0059】
飼育対象の生物が成長して収集の段階に到達した場合に、
図6に示すように、第一駆動装置61aを駆動して、第一ローラ61cを下方へ移動してベルトコンベア30に対して接触状態とする。同時に、第二駆動装置62aを駆動して、第二ローラ62cを上方へ移動してベルトコンベア30からさらに遠ざける。
【0060】
続いて、
図7に示すように、ベルトコンベア30を第一搬送方向に駆動する。そうすると、第一ローラ61cは、
図7において、時計回り(正回転)に回転する。従って、第一ローラ61cは紐状部材63aを巻き取ることになる。つまり、紐状部材63aは、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方において、第一搬送方向に移動する。さらに、第二ローラ62cが反時計回り(逆回転)に回転しながら、紐状部材63aは、第二ローラ62cから引き出される。
【0061】
紐状部材63aが、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方において第一搬送方向に移動することによって、それぞれの回転部材63cが、
図2の反時計回りに回転する。そして、回転部材63cの
図2の反時計回りの回転により、滑りネジ63eのネジ軸は、回転部材63cと同方向に回転する。その結果、滑りネジ63eのナット及び引離部材50は、
図7に示すように、下降する。引離部材50が止まり部材40に沿って下降することによって、止まり部材40に止まっている生物は、ベルトコンベア30の上面に落下する。
【0062】
続いて、ベルトコンベア30の駆動を停止した後に、第一駆動装置61aを駆動することにより、第一ローラ61cを上昇させ、ベルトコンベア30に対して非接触状態とする。このとき、第二駆動装置62aも同時に駆動することにより、第二ローラ62cを下降させる。ただし、第二ローラ62cは、ベルトコンベア30に対して接触する位置まで下降するのではなく、非接触状態を維持できる位置まで下降する。
【0063】
第一ローラ61c及び第二ローラ62cをベルトコンベア30に対して非接触状態とした後に、ベルトコンベア30を駆動させて第一搬送方向に搬送する。そうすると、ベルトコンベア30上に存在する生物が、第一フレーム21及び第二フレーム22の飼育空間から外部へ搬出される。例えば、搬出された生物を作業者が収集する。もちろん、収集容器を設置しておき、収集容器にて生物を収集するようにしても良い。
【0064】
続いて、
図9に示すように、第二駆動装置62aを駆動して、第二ローラ62cを下方へ移動してベルトコンベア30に対して接触状態とする。同時に、第一駆動装置61aを駆動して、第一ローラ61cを上方へ移動してベルトコンベア30からさらに遠ざける。
【0065】
続いて、
図10に示すように、ベルトコンベア30を第一搬送方向に駆動する。そうすると、第二ローラ62cは、
図10において、時計回り(正回転)に回転する。従って、第二ローラ62cは紐状部材63aを巻き取ることになる。つまり、紐状部材63aは、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方において、第一搬送方向とは反対方向に移動する。さらに、第一ローラ61cが反時計回り(逆回転)に回転しながら、紐状部材63aは、第一ローラ61cから引き出される。
【0066】
紐状部材63aが、第一フレーム21及び第二フレーム22の上方において第一搬送方向とは反対方向に移動することによって、それぞれの回転部材63cが、
図2の時計回りに回転する。そして、回転部材63cの
図2の時計回りの回転により、滑りネジ63eのネジ軸は、回転部材63cと同方向に回転する。その結果、滑りネジ63eのナット及び引離部材50は、
図10に示すように、上昇する。引離部材50が止まり部材40に沿って上昇することによって、引離部材50を
図1に示す初期状態の位置に移動することができる。そして、再び、飼育対象の生物を第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間に搬入して、上記処理を繰り返す。
【0067】
(6.効果)
上述した飼育装置1によれば、止まり部材40に飼育対象の生物が止まることが可能である。従って、止まり部材40が隠れ場所として利用できるため、飼育対象の生物にとって良好な生育環境となる。
【0068】
止まり部材40に止まっている生物を収集するために、引離部材50が用いられる。つまり、引離部材50を止まり部材40に沿って下方へ移動することにより、止まり部材40に止まっている生物を止まり部材40から引き離すことができる。このようにすることで、止まり部材40に止まっている生物を第一フレーム21及び第二フレーム22のそれぞれの飼育空間の底面に落下させることができるため、生物の収集が容易となる。
【0069】
さらに、引離部材50の上下動は、ベルトコンベア30の搬送力を利用する動力伝達機構60により行う。つまり、ベルトコンベア30及び動力伝達機構60により、引離部材50の上下動を自動化することが可能となる。これにより、飼育対象の生物を容易に収集することができ、さらに大規模な生物の飼育を実現することができる。
【0070】
また、動力伝達機構60は、ベルトコンベア30の搬送力を動力源として、引離部材50を上下動させる。つまり、ベルトコンベア30の搬送力を、主目的である生物、生物の抜け殻、餌、水分、塵埃の少なくとも1つの搬送に加えて、引離部材50の上下動に用いる。このように、ベルトコンベア30の搬送力を兼用することによって、飼育装置1のコストを低減することができる。
【0071】
(7.変形例)
上述した飼育装置1においては、ベルトコンベア30が第一搬送方向のみに搬送する場合を説明した。つまり、第一ローラ61cが時計回り(正回転)に回転することにより引離部材50が下降し、第二ローラ62cが時計回り(正回転)に回転することにより引離部材50が上昇する。
【0072】
この他に、飼育装置2は、
図11に示すような構成としても良い。
図11に示す飼育装置2においては、
図1に示す飼育装置1に対して、第二ローラ62cへの紐状部材63aの巻回方向を逆向きとしている。この場合、ベルトコンベア30は第一搬送方向及び第二搬送方向の両方向に搬送可能であるとする。そして、ベルトコンベア30が第一搬送方向へ搬送するによって、第一ローラ61cが時計回り(正回転)に回転することにより引離部材50が下降する。また、ベルトコンベア30が第二搬送方向へ搬送することによって、第二ローラ62cが反時計回り(逆回転)に回転することにより引離部材50が上昇する。
【0073】
この場合、変換機構63は、第一ローラ61cと引離部材50との間を連結すると共に第二ローラ62cと引離部材50との間を連結し、第一ローラ61cの正回転を下方への移動に変換し、第二ローラ62cの逆回転を上方への移動に変換し、変換された上方への移動及び下方への移動によって引離部材50を上下動させる。
【符号の説明】
【0074】
1,2:飼育装置、 10:ベース、 20:フレーム、 21:第一フレーム、 22:第二フレーム、 30:ベルトコンベア、 31:ローラ、 32:ベルト、 33:モータ、 40:止まり部材、 50:引離部材、 51:スリット、 60:動力伝達機構、 61:第一ローラユニット、 61a:第一駆動装置、 61b:第一リンク部材、 61c:第一ローラ、 62:第二ローラユニット、 62a:第二駆動装置、 62b:第二リンク部材、 62c:第二ローラ、 63:変換機構、 63a:紐状部材、 63b:補助ローラ、 63c:回転部材、 63d:張力付与部材、 63e:滑りネジ