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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/22 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H01R9/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020197471
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085674
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】眞▲崎▼ 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】松尾 慎也
(72)【発明者】
【氏名】矢野 啓介
(72)【発明者】
【氏名】名田 平太
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-530540(JP,A)
【文献】特開2006-339081(JP,A)
【文献】実開平02-050974(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0076538(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02393160(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0315402(US,A1)
【文献】国際公開第2020/121970(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面と、前記取付面に対向する接続面とを有し、前記取付面を介して外部装置に取り付けられると共に、前記接続面から外部配線が接続されるハウジングを備え、
前記接続面には、前記外部配線を収容可能な開口がそれぞれ設けられ、前記ハウジングの幅方向に沿って配置された複数の開口面が含まれ、
前記複数の開口面が、前記幅方向の一端から前記幅方向の他端に向かうに従って前記取付面に交差する高さ方向において前記取付面から前記接続面に向かう方向に傾斜する仮想平面に配置され
前記複数の開口面の各々が、接続可能な前記外部配線に関する情報を表示する表示部を有し、
前記接続面には、前記複数の開口面の各々に隣接する表示突起が設けられ、
前記表示突起は、隣接する前記複数の開口面の各々と同じ傾斜方向でかつ隣接する前記複数の開口面の各々が配置されている前記仮想平面とは異なる角度の傾斜面を有し、
前記傾斜面に、接続可能な前記外部配線に関する情報を表示する補助表示部が設けられている、端子台。
【請求項2】
前記仮想平面として、第1仮想平面および第2仮想平面を有し、
前記幅方向および前記高さ方向に交差する厚さ方向に沿って見たときに、前記幅方向における前記第1仮想平面および前記第2仮想平面の間に、前記取付面の前記幅方向の中心を通りかつ前記高さ方向に延びる中心線が配置されている、請求項1の端子台。
【請求項3】
前記幅方向に沿って見たときに、前記開口が略楕円形状を有している、請求項1または2の端子台。
【請求項4】
前記複数の開口面が、前記幅方向に沿って間隔を空けて配置されている、請求項1から3のいずれか1つの端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、略直方体状のリレーソケットが開示されている。前記リレーソケットは、レール取付部が形成された底面と、この底面に略平行な上面とを有している。上面は、底面に直交する高さ方向における底面との距離が異なりかつ相互に略平行な2つの面を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-323897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記リレーソケットでは、上面の2つの面のそれぞれに、リレーソケットの厚さ方向に並んで配置された複数のリード線挿入用孔が設けられている。このため、前記リレーソケットを底面に交差する斜め方向に沿って見た場合に、各リード線挿入用孔を視認し難く、配線を行うのが困難な場合がある。
【0005】
本開示は、容易に配線を行える端子台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例の端子台は、
取付面と、前記取付面に対向する接続面とを有し、前記取付面を介して外部装置に取り付けられると共に、前記接続面から外部配線が接続されるハウジングを備え、
前記接続面には、前記外部配線を収容可能な開口がそれぞれ設けられ、前記ハウジングの幅方向に沿って配置された複数の開口面が含まれ、
前記複数の開口面が、前記幅方向の一端から前記幅方向の他端に向かうに従って前記取付面に交差する高さ方向において前記取付面から前記接続面に向かう方向に傾斜する仮想平面に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
前記端子台によれば、取付面と取付面に対向する接続面とを有するハウジングを備えている。接続面には、外部配線を収容可能な開口がそれぞれ設けられハウジングの幅方向に沿って配置された複数の開口面が含まれている。複数の開口面が、幅方向の一端から幅方向の他端に向かうに従って取付面に交差する高さ方向において取付面から接続面に向かう方向に傾斜する仮想平面に配置されている。このような構成により、接続面から取付面に向かう方向に沿って開口面を見た場合に、開口面に設けられた開口が視認し易くなり、容易に配線を行える端子台を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態の端子台を示す斜視図。
図2図1の端子台の平面図。
図3図1の端子台の側面図。
図4図1の端子台の開口面を示す部分拡大斜視図。
図5図1の端子台の変形例を示す部分拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0010】
本開示の一実施形態の端子台1は、一例として、プッシュイン接続式の端子台であり、図1に示すように、ハウジング10を備えている。ハウジング10は、一例として、薄板形状で、取付面11と、取付面11に対向する接続面12とを有している。ハウジング10は、取付面11を介して制御盤等の外部装置(図示せず)に取り付けられる。また、ハウジング10には、接続面12から外部配線100(図2に示す)が接続され、外部配線100を介して外部装置内の電子機器に接続される。
【0011】
取付面11は、ハウジング10の幅方向(例えば、X方向)および幅方向Xに交差するハウジング10の厚さ方向(例えば、Y方向)に延びる一面を構成している。取付面11は、一例として、取付面11に交差するハウジング10の高さ方向(例えば、Z方向)に沿って見た場合に、幅方向Xに延びる略矩形状を有している。本実施形態では、取付面11の長手方向の中央に、ハウジング10を外部装置のDINレール200(図2に示す)に取り付けるための取付部13が設けられている。
【0012】
接続面12は、取付面11と同様に、ハウジング10の幅方向Xおよびハウジング10の厚さ方向Yに延びる一面を構成し、一例として、高さ方向Z方向に沿って見た場合に、幅方向Xに延びる略矩形状を有している。本実施形態では、接続面12は、電磁継電器等の電子機器300(図2に示す)が接続される機器接続面14と、幅方向Xに沿って配置された複数の開口面15とを含んでいる。各開口面15には、開口151がそれぞれ設けられている。
【0013】
機器接続面14は、図2に示すように、接続面12の幅方向Xの略中央に配置され、取付面11に対して略平行に延びている。
【0014】
複数の開口面15は、幅方向Xの一端から幅方向Xの他端に向かうに従って高さ方向Zにおいて取付面11から接続面12に向かう方向に傾斜する仮想平面Sに配置されている。本実施形態では、図に示すように、仮想平面Sとして、図2の右端から左端に向かって傾斜する第1仮想平面S1と、図2の左端から右端に向かって傾斜する第2仮想平面S2とを有している。第1仮想平面S1および第2仮想平面S2は、厚さ方向Y(例えば、図2の紙面貫通方向)に沿って見た場合に、取付面11の幅方向Xの中心を通りかつ高さ方向Zに延びる中心線CLに対して異なる側に配置されている。言い換えると、厚さ方向Yに沿って見た場合に、幅方向Xにおける第1仮想平面S1および第2仮想平面S2の間に、取付面11の中心線CLが配置されている。第1仮想平面S1および第2仮想平面S2の各々における取付面11に対する傾斜角度は、例えば、端子台1が取り付けられる外部装置の構成に応じて任意に設定できる。
【0015】
図2に示すように、第1仮想平面S1および第2仮想平面S2における複数の開口面15は、幅方向Xに沿って間隔を空けて配置されている。本実施形態では、複数の開口面15は、第1仮想平面S1および第2仮想平面S2の各々において、幅方向Xに沿って等間隔で配置されている。各開口面15の開口151は、外部配線100を収容可能に構成されている。開口151を介してハウジング10の内部に収容された外部配線100は、ハウジング10の内部に収容された接続端子110に接続される。
【0016】
図3に示すように、本実施形態では、開口151は、幅方向X(例えば、図3の紙面貫通方向)に沿って見たときに、略楕円形状を有している。
【0017】
図4に示すように、本実施形態では、複数の開口面15の各々が、各開口面15の開口151を介して接続可能な外部配線100に関する情報を表示する表示部17を有している。表示部17は、例えば、ハウジング10の他の部分とは異なる色で着色された平面で構成され、各開口面15の開口151周りに配置されている。例えば、表示部17を除いたハウジング10全体の色が灰色であった場合、表示部17は灰色とは異なる赤色または白色で着色されている。これにより、各開口面15の開口151を介して外部配線100が接続される接続端子110の仕様(例えば、入力可能な電流の種類および定格電圧)が表示される。
【0018】
図4に示すように、接続面12の各開口面15に隣接しかつ幅方向Xにおいて各開口面15よりも機器接続面14に近い隣接面141には、表示突起18が設けられている。表示突起18は、隣接する開口面15と同じ傾斜方向でかつ隣接する開口面15が配置されている仮想平面Sとは異なる角度の傾斜面181を有している。傾斜面181には、幅方向Xにおいて隣接しかつ機器接続面14よりも遠くに配置されている開口面15の開口151を介して接続可能な外部配線100に関する情報を表示する補助表示部182が設けられている。図4には、一例として、数字で構成された補助表示部182を示しているが、補助表示部182は、漢字および英字等を含む記号で構成することができる。
【0019】
本実施形態の端子台1は、次のような効果を発揮できる。
【0020】
端子台1によれば、取付面11と取付面11に対向する接続面12とを有するハウジング10を備えている。接続面12には、外部配線100を収容可能な開口151がそれぞれ設けられ、ハウジング10の幅方向Xに沿って配置された複数の開口面15が含まれている。複数の開口面15が、幅方向Xの一端から幅方向Xの他端に向かうに従って取付面11に交差する高さ方向Zにおいて取付面11から接続面12に向かう方向に傾斜する仮想平面Sに配置されている。このような構成により、接続面12から取付面11に向かう方向に沿って開口面15を見た場合に、開口面15に設けられた開口151が視認し易くなり、視点を動かさなくても開口151を容易に視認できる。その結果、容易に配線を行える端子台1を実現できる。
【0021】
仮想平面Sとして、第1仮想平面S1および第2仮想平面S2を有し、幅方向Xおよび高さ方向Zに交差する厚さ方向Yに沿って見たときに、幅方向Xにおける第1仮想平面S1および第2仮想平面S2の間に、取付面11の幅方向Xの中心を通りかつ高さ方向Zに延びる中心線CLが配置されている。このような構成により、容易に配線を行える端子台1をより確実に実現できる。
【0022】
幅方向Xに沿って見たときに、開口151が略楕円形状を有している。このような構成により、開口151の視認性をさらに高めることができるので、より容易に配線を行える端子台1を実現できる。
【0023】
複数の開口面15が、幅方向Xに沿って間隔を空けて配置されている。このような構成により、開口151の視認性をさらに高めることができるので、より容易に配線を行える端子台1を実現できる。
【0024】
複数の開口面15の各々が、接続可能な外部配線100に関する情報を表示する表示部17を有している。このような構成により、より容易に配線を行える端子台1を実現できる。
【0025】
端子台1は、次のように構成することもできる。
【0026】
仮想平面Sは、第1仮想平面S1および第2仮想平面S2で構成されている場合に限らず、例えば、1つの仮想平面で構成されていてもよいし、3つ以上の仮想平面で構成されていてもよい。
【0027】
開口151は、幅方向Xに沿ってみたときに略楕円形状である場合に限らず、外部配線100を収容可能な任意の形状を採用できる。
【0028】
複数の開口面15は、幅方向Xに沿って間隔を空けて配置されている場合に限らず、例えば、隣接する開口面15同士が接続されていてもよい。
【0029】
表示部17および補助表示部182は、省略することができる。
【0030】
本開示は、前記実施形態には限らず、複数の開口面がハウジングの幅方向に沿って配置されていると共に、高さ方向でかつ取付面から接続面に向かう方向においてハウジングの幅方向の一端から幅方向の他端に向かう方向に傾斜する仮想平面に配置されている端子台に適用できる。例えば、本開示は、プッシュイン接続式の端子台1に限らず、図5に示すように、ねじ接続式の端子台1にも適用できる。一例として、図5の端子台1では、開口面15から開口面15に隣接する隣接面141に亘って開口151が形成されている。開口151は、螺子120を収容可能に構成されている。開口151の縁には、高さ方向Zに延びる環状の壁部152が形成されている。
【0031】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0032】
本開示の第1態様の端子台1は、
取付面11と、前記取付面11に対向する接続面12とを有し、前記取付面11を介して外部装置に取り付けられると共に、前記接続面12から外部配線が接続されるハウジング10を備え、
前記接続面12には、前記外部配線を収容可能な開口151がそれぞれ設けられた複数の開口面15が含まれ、
前記複数の開口面15が、前記幅方向の一端から前記幅方向の他端に向かうに従って前記取付面11に交差する高さ方向において前記取付面11から前記接続面12に向かう方向に傾斜する仮想平面Sに配置されている。
【0033】
本開示の第2態様の端子台1は、
前記仮想平面Sとして、第1仮想平面S1および第2仮想平面S2を有し、
前記幅方向および前記高さ方向に交差する厚さ方向に沿って見たときに、前記幅方向における前記第1仮想平面S1および前記第2仮想平面S2の間に、前記取付面11の前記幅方向の中心を通りかつ前記高さ方向に延びる中心線CLが配置されている。
【0034】
本開示の第3態様の端子台1は、
前記幅方向に沿って見たときに、前記開口151が略楕円形状を有している。
【0035】
本開示の第4態様の端子台1は、
前記複数の開口面15が、前記幅方向に沿って間隔を空けて配置されている。
【0036】
本開示の第5態様の端子台1は、
前記複数の開口面15の各々が、接続可能な前記外部配線に関する情報を表示する表示部17を有している。
【0037】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本開示の端子台は、例えば、リレーソケットに適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 端子台
10 ハウジング
11 取付面
12 接続面
13 取付部
14 機器接続面
141 隣接面
15 開口面
151 開口
152 壁部
17 表示部
18 表示突起
181 傾斜面
182 補助表示部
100 外部配線
110 接続端子
120 螺子
200 DINレール
300 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5