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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/22 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H01R9/22
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020211820
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098336
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】阿部 智貴
(72)【発明者】
【氏名】羽生 拓也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】末谷 正晴
(72)【発明者】
【氏名】舘 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】金 度亨
(72)【発明者】
【氏名】田村 康
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-170984(JP,A)
【文献】特開2013-27203(JP,A)
【文献】特開2015-122250(JP,A)
【文献】特開2018-200823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装品に電気的に接続される第1端子と、
前記第1端子に電気的に接続される第2端子と、を備える端子台であって、
前記第1端子又は前記第2端子には、前記第1端子又は前記第2端子を流れる電流を検出する電流センサが一体化されており、
前記第1端子及び前記第2端子の一方は、クリップ部を有し、
前記第1端子及び前記第2端子の他方は、前記クリップ部に挟持される平板状のバスバーであり、
前記クリップ部は、前記バスバーを挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部を互いに接近する方向へ付勢する付勢部材と、を有している、
端子台。
【請求項2】
前記第2端子は、前記クリップ部を有し、
前記第1端子は、前記バスバーである、
請求項に記載の端子台。
【請求項3】
前記バスバーは、前記電流センサに取り囲まれる平板部を有している、
請求項又は請求項に記載の端子台。
【請求項4】
前記第2端子は、前記バスバーであり、
前記第1端子は、前記クリップ部を有する、
請求項に記載の端子台。
【請求項5】
前記第1端子は、前記クリップ部から延びるとともに前記電流センサに取り囲まれる平板部を有している、
請求項に記載の端子台。
【請求項6】
前記第1端子及び前記第2端子を複数組備え、
前記電流センサは、それぞれの前記第1端子又はそれぞれの前記第2端子に対応して設けられたセンサ部品と、複数の前記センサ部品を内蔵するベース部材と、を有する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両に搭載されるインバータやモータ等の電装品に電気的に接続される第1端子と、第1端子に電気的に接続される第2端子と、を備えた端子台が知られている。また、例えば特許文献1のように、第1端子又は第2端子を流れる電流が電流センサにより検出されることによって、電装品の駆動の制御が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-115123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、インバータやモータのような電装品が電流センサを備えている構成である場合、電流センサを備えている分だけ、電装品が大型化してしまう。
本開示の目的は、電装品の小型化に貢献することができる端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の端子台は、電装品に電気的に接続される第1端子と、前記第1端子に電気的に接続される第2端子と、を備える端子台であって、前記第1端子又は前記第2端子には、前記第1端子又は前記第2端子を流れる電流を検出する電流センサが一体化されている。
【0006】
本開示の端子台は、電装品に電気的に接続される第1端子と、前記第1端子に電気的に接続される第2端子と、前記第2端子を保持する樹脂製のハウジングと、を備える端子台であって、前記ハウジングには、前記第2端子を流れる電流を検出する電流センサが一体化されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電装品の小型化に貢献することができる端子台を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態にかかる端子台が車両に搭載されている状態を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、端子台の斜視図である。
図3図3は、中継端子を説明するための斜視図である。
図4図4は、端子台の一部分を拡大して示す斜視図である。
図5図5は、電流センサを説明するための平面図である。
図6図6は、電流センサの一部分を拡大して示す断面図である。
図7図7は、第2実施形態の端子台を示す斜視図である。
図8図8は、第3実施形態の端子台を示す斜視図である。
図9図9は、第4実施形態の端子台を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示の端子台は、
[1]電装品に電気的に接続される第1端子と、前記第1端子に電気的に接続される第2端子と、を備える端子台であって、前記第1端子又は前記第2端子には、前記第1端子又は前記第2端子を流れる電流を検出する電流センサが一体化されている。
【0010】
この構成によれば、電装品が電流センサを備えている必要が無いため、例えば、電装品が電流センサを備えている構成である場合のように、電流センサを備えている分だけ、電装品が大型化してしまうといったことが無くなる。したがって、電装品の小型化に貢献することができる。
【0011】
[2]前記第1端子及び前記第2端子の一方は、クリップ部を有し、前記第1端子及び前記第2端子の他方は、前記クリップ部に挟持される平板状のバスバーであるとよい。
この構成によれば、クリップ部によってバスバーを挟持するだけで、第1端子と第2端子とを接続することができるため、例えば、第1端子と第2端子とを接続するための部品を別途用意する必要が無く、端子台自体を小型化することができる。さらには、第1端子及び第2端子それぞれの寸法公差を吸収しつつも、第1端子と第2端子とを容易に電気的に接続することができる。
【0012】
[3]前記第2端子は、前記クリップ部を有し、前記第1端子は、前記バスバーであるとよい。
この構成によれば、第1端子の構成を簡素な構成にすることができるため、例えば、第1端子の構成が複雑化することによって、第1端子の周囲に存在する部品の設計を変更しなければならなくなってしまうといった問題を回避することができる。
【0013】
[4]前記バスバーは、前記電流センサに取り囲まれる平板部を有しているとよい。
この構成によれば、バスバーが、電流センサに取り囲まれる平板部を有しているため、第1端子に電流センサを容易に一体化することができる。
【0014】
[5]前記第2端子は、前記バスバーであり、前記第1端子は、前記クリップ部を有するとよい。
この構成によれば、第2端子の構成を簡素な構成にすることができるため、例えば、第2端子の構成が複雑化することによって、第2端子の周囲に存在する部品の設計を変更しなければならなくなってしまうといった問題を回避することができる。
【0015】
[6]前記第1端子は、前記クリップ部から延びるとともに前記電流センサに取り囲まれる平板部を有しているとよい。
この構成によれば、第1端子が、クリップ部から延びるとともに電流センサに取り囲まれる平板部を有しているため、第1端子に電流センサを容易に一体化することができる。
【0016】
[7]前記クリップ部は、前記バスバーを挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部を互いに接近する方向へ付勢する付勢部材と、を有しているとよい。
この構成によれば、付勢部材が一対の挟持部を互いに接近する方向へ付勢することにより、一対の挟持部によってバスバーを安定的に挟持することができる。したがって、第1端子と第2端子との電気的接続状態を安定的なものとすることができるため、信頼性を向上させることができる。
【0017】
[8]前記第1端子及び前記第2端子を複数組備え、前記電流センサは、それぞれの前記第1端子又はそれぞれの前記第2端子に対応して設けられたセンサ部品と、複数の前記センサ部品を内蔵するベース部材と、を有するとよい。
【0018】
この構成によれば、電流センサが、各第1端子又は各第2端子に対応して設けられた各センサ部品を内蔵するベース部材を有しているため、各センサ部品を、各第1端子又は各第2端子に対応するようにそれぞれ配置する作業を容易なものとすることができる。
【0019】
本開示の端子台は、
[9]電装品に電気的に接続される第1端子と、前記第1端子に電気的に接続される第2端子と、前記第2端子を保持する樹脂製のハウジングと、を備える端子台であって、前記ハウジングには、前記第2端子を流れる電流を検出する電流センサが一体化されている。
【0020】
この構成によれば、電装品が電流センサを備えている必要が無いため、例えば、電装品が電流センサを備えている構成である場合のように、電流センサを備えている分だけ、電装品が大型化してしまうといったことが無くなる。したがって、電装品の小型化に貢献することができる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の端子台の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合があり、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。さらには、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。
【0022】
(第1実施形態)
以下、端子台の第1実施形態について説明する。
(全体構成)
図1に示す端子台10は、車両Vに搭載されている。車両Vは、モータ11と、インバータ12と、を備えている。モータ11及びインバータ12は、車両Vに搭載される電装品である。モータ11は、モータハウジング13内に収容されている。インバータ12は、回路基板12aを有している。端子台10は、モータハウジング13に取り付けられている。具体的には、端子台10は、例えば、ボルト14によってモータハウジング13に固定されている。そして、端子台10は、モータ11とインバータ12の回路基板12aとを電気的に接続している。
【0023】
(端子台10の全体構成)
図1及び図2に示すように、端子台10は、ハウジング20と、インバータ端子30と、中継端子40と、モータ端子50と、電流センサ60と、を備えている。端子台10は、モータ11のU相、V相、及びW相に対応して、インバータ端子30、中継端子40、及びモータ端子50をそれぞれ3つずつ備えている。したがって、端子台10は、インバータ端子30、中継端子40、及びモータ端子50をそれぞれ複数組備えている。
【0024】
(インバータ端子30の構成)
各インバータ端子30は、細長薄板平板状のバスバーである。各インバータ端子30の厚みはそれぞれ同じである。各インバータ端子30の長辺が延びる方向である長辺方向の長さはそれぞれ同じである。各インバータ端子30の短辺が延びる方向を幅方向とすると、各インバータ端子30の幅はそれぞれ同じである。各インバータ端子30は、それぞれの厚み方向が一致し、且つそれぞれの幅方向が一致した状態で互いに配置されている。各インバータ端子30の長辺方向の一方に位置する第1端部は、インバータ12の回路基板12aに電気的に接続されている。したがって、各インバータ端子30は、電装品であるインバータ12に電気的に接続される第1端子である。各インバータ端子30の長辺方向の他方に位置する第2端部は、中継端子40に電気的に接続されている。
【0025】
各インバータ端子30は、電流センサ60に取り囲まれる平板部31をそれぞれ有している。各インバータ端子30の平板部31は、電流センサ60の内部を貫通している。各インバータ端子30には、電流センサ60が一体化されている。
【0026】
(モータ端子50の構成)
各モータ端子50は、細長薄板平板状のバスバーである。各モータ端子50の厚みはそれぞれ同じである。各モータ端子50の長辺が延びる方向である長辺方向の長さはそれぞれ同じである。各モータ端子50の短辺が延びる方向を幅方向とすると、各モータ端子50の幅はそれぞれ同じである。各モータ端子50は、それぞれの厚み方向が一致し、且つそれぞれの幅方向が一致した状態で互いに配置されている。各モータ端子50の長辺方向の一方に位置する第1端部は、モータ11のU相コイル、V相コイル、及びW相コイルそれぞれから引き出される各モータ配線11aにそれぞれ電気的に接続されている。なお、各モータ端子50の第1端部と各モータ配線11aとは、図示しない接続端子を介してそれぞれ接続されている。そして、各モータ端子50は、各モータ配線11aを介してモータ11に電気的に接続されている。したがって、各モータ端子50は、電装品であるモータ11に電気的に接続される第1端子である。なお、図1では、各モータ配線11aを模式的に図示している。各モータ端子50の長辺方向の他方に位置する第2端部は、中継端子40に電気的に接続されている。
【0027】
(中継端子40の全体構成)
図3に示すように、各中継端子40は、クリップ部である第1クリップ部41及び第2クリップ部42と、接続部43と、をそれぞれ有している。第1クリップ部41は、インバータ端子30の第2端部を挟持する。そして、中継端子40は、第1クリップ部41がインバータ端子30を挟持することにより、インバータ端子30に電気的に接続されている。第2クリップ部42は、モータ端子50の第2端部を挟持する。そして、中継端子40は、第2クリップ部42がモータ端子50を挟持することにより、モータ端子50に電気的に接続されている。したがって、中継端子40は、第1端子であるインバータ端子30及びモータ端子50にそれぞれ電気的に接続される第2端子である。
【0028】
接続部43は、第1クリップ部41と第2クリップ部42とを接続している。接続部43は、細長板状である。第1クリップ部41は、接続部43の長辺が延びる方向である長辺方向の一方に位置する第1端部に連続している。第2クリップ部42は、接続部43の長辺方向の他方に位置する第2端部に連続している。
【0029】
(第1クリップ部及び第2クリップ部42の構成)
第1クリップ部41及び第2クリップ部42の構成は同じであるため、以下の説明では、第1クリップ部41の構成の説明を詳細に説明し、第2クリップ部42の構成の説明は、同一符号を付すなどして簡略化する。
【0030】
第1クリップ部41は、一対の基部44、一対の延在部45、一対の屈曲部46、及び一対の挟持部47を有している。各基部44は、接続部43の第1端部から互いに離間する方向に延びる薄板平板状である。なお、第2クリップ部42の各基部44は、接続部43の第2端部から互いに離間する方向に延びている。各基部44における接続部43からの延在方向は、接続部43の厚み方向に一致している。
【0031】
各延在部45は、各基部44における接続部43とは反対側の端部から各基部44の厚み方向にそれぞれ延びる細長薄板平板状である。各延在部45の長さは同じである。各延在部45は、互いに平行に延びている。各屈曲部46は、各延在部45における基部44とは反対側の端部にそれぞれ連続している。各屈曲部46は、弧状に湾曲する湾曲板状である。各屈曲部46は、各延在部45から互いに接近する方向に湾曲している。
【0032】
各挟持部47は、各屈曲部46における延在部45とは反対側の端部から各基部44に向けて延びる細長薄板平板状である。各挟持部47は、各屈曲部46から離間するにつれて、各延在部45から徐々に離間していく。したがって、各挟持部47は、各延在部45の延在方向に対して交差するように斜めに延びている。各挟持部47の先端は、各基部44から離間している。第1クリップ部41の一対の挟持部47は、バスバーであるインバータ端子30を挟持する。第2クリップ部42の一対の挟持部47は、バスバーであるモータ端子50を挟持する。
【0033】
第1クリップ部41及び第2クリップ部42は、付勢部材48をそれぞれ有している。付勢部材48は、連結部48aと、一対の付勢部48bと、を有している。連結部48aは、長薄板平板状である。各付勢部48bは、連結部48aの短辺方向に位置する両端縁からそれぞれ延びる薄板状である。各付勢部48bは、連結部48aの両端縁それぞれから連結部48aの延在方向に対して交差するように斜めに延びている。各付勢部48bは、連結部48aから離間するにつれて互いに接近する方向にそれぞれ延びている。
【0034】
付勢部材48は、一対の挟持部47の先端部に取り付けられている。一対の挟持部47は、一対の付勢部48bの間に配置されている。一対の挟持部47が、一対の付勢部48bの間に配置されると、各付勢部48bが、各付勢部48bにおける連結部48a側の端部を基点として、互いに離間する方向へそれぞれ変位する。そして、各付勢部48bが、互いに離間する方向へ変位する前の元の位置に復帰しようとすることにより、各付勢部48bが各挟持部47をそれぞれ付勢する。このように、各付勢部48bにより、例えば、第1クリップ部41の一対の挟持部47が互いに接近する方向へ付勢されるため、インバータ端子30が一対の挟持部47の間に配置されると、一対の挟持部47によってインバータ端子30が安定的に挟持される。また、各付勢部48bにより、例えば、第2クリップ部42の一対の挟持部47が互いに接近する方向へ付勢されるため、モータ端子50が一対の挟持部47の間に配置されると、一対の挟持部47によってモータ端子50が安定的に挟持される。したがって、付勢部材48は、一対の挟持部47を互いに接近する方向へ付勢する。
【0035】
(ハウジング20の構成)
図2に示すように、ハウジング20は、樹脂製である。ハウジング20は、板状である。ハウジング20は、ボルト14が挿通可能なボルト挿通孔21を有している。ハウジング20は、各中継端子40を保持している。具体的には、ハウジング20は、各中継端子40の接続部43の一部分を保持している。各中継端子40とハウジング20とは、インサート成形により一体化されている。
【0036】
(電流センサ60の構成)
図4及び図5に示すように、電流センサ60は、各インバータ端子30の平板部31に一体化されている。電流センサ60は、それぞれのインバータ端子30に対応して設けられたセンサ部品61と、複数のセンサ部品61を内蔵するベース部材62と、を有している。ベース部材62は、樹脂製である。ベース部材62は、長四角ブロック状である。ベース部材62の長辺が延びる方向は、各インバータ端子30の幅方向に一致している。ベース部材62は、各インバータ端子30の平板部31を取り囲んでいる。
【0037】
図6に示すように、各センサ部品61は、コア部材63と、ホール素子64と、をそれぞれ有している。各コア部材63は、C型のフェライトコアである。したがって、各コア部材63の一部にはギャップ65が形成されている。各コア部材63は、各インバータ端子30の平板部31を取り囲むようにそれぞれ配置されている。各ホール素子64は、各コア部材63のギャップ65内にそれぞれ配置されている。各ホール素子64は、各配線66を介して車両ECU67にそれぞれ電気的に接続されている。ベース部材62と、各インバータ端子30の平板部31と、各コア部材63と、各ホール素子64とは、インサート成形により一体化されている。
【0038】
(第1実施形態の作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
インバータ12の回路基板12aから各インバータ端子30に流れた電流は、各中継端子40、各モータ端子50、及び各モータ配線11aを介してモータ11に供給される。インバータ12の回路基板12aから各インバータ端子30に電流が流れると、各コア部材63に磁束が発生し、各コア部材63で発生した磁束が各ホール素子64を通過する。これにより、各ホール素子64には、磁束に基づいたホール電圧が生じる。ホール電圧は、各インバータ端子30を流れる電流の値に比例している。したがって、電流センサ60は、各インバータ端子30を流れる電流を検出していると言える。
【0039】
各ホール素子64により生じたホール電圧に関する信号は、配線66を介して車両ECU67に出力される。車両ECU67は、各ホール素子64から出力された信号に基づいて、インバータ12からモータ11に供給される電流値が、所望の電流値になるように、インバータ12の駆動を制御する。そして、インバータ12からモータ11に供給される電流値が所望の電流値となることにより、モータ11が所望の回転数で回転する。したがって、各インバータ端子30を流れる電流が電流センサ60により検出されることによって、インバータ12の駆動の制御が行われ、結果として、モータ11の駆動の制御が行われる。
【0040】
第1実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1-1)インバータ端子30には、インバータ端子30を流れる電流を検出する電流センサ60が一体化されている。この構成によれば、インバータ12が電流センサ60を備えている必要が無いため、例えば、インバータ12が電流センサ60を備えている構成である場合のように、電流センサ60を備えている分だけ、インバータ12が大型化してしまうといったことが無くなる。したがって、インバータ12の小型化に貢献することができる。
【0041】
(1-2)中継端子40は、第1クリップ部41及び第2クリップ部42を有する。インバータ端子30は、第1クリップ部41に挟持される平板状のバスバーであり、モータ端子50は、第2クリップ部42に挟持される平板状のバスバーである。この構成によれば、第1クリップ部41によってインバータ端子30を挟持するだけで、インバータ端子30と中継端子40とを接続することができるため、例えば、インバータ端子30と中継端子40とを接続するための部品を別途用意する必要が無く、端子台10自体を小型化することができる。さらには、インバータ端子30及び中継端子40それぞれの寸法公差を吸収しつつも、インバータ端子30と中継端子40とを容易に電気的に接続することができる。また、第2クリップ部42によってモータ端子50を挟持するだけで、モータ端子50と中継端子40とを接続することができるため、例えば、モータ端子50と中継端子40とを接続するための部品を別途用意する必要が無く、端子台10自体を小型化することができる。さらには、モータ端子50及び中継端子40それぞれの寸法公差を吸収しつつも、モータ端子50と中継端子40とを容易に電気的に接続することができる。
【0042】
(1-3)中継端子40は、第1クリップ部41及び第2クリップ部42を有する。インバータ端子30及びモータ端子50は、バスバーである。この構成によれば、インバータ端子30及びモータ端子50の構成を簡素な構成にすることができるため、例えば、インバータ端子30及びモータ端子50の構成が複雑化することによって、インバータ端子30及びモータ端子50それぞれの周囲に存在する部品の設計を変更しなければならなくなってしまうといった問題を回避することができる。
【0043】
(1-4)インバータ端子30は、電流センサ60に取り囲まれる平板部31を有している。この構成によれば、インバータ端子30が、電流センサ60に取り囲まれる平板部31を有しているため、インバータ端子30に電流センサ60を容易に一体化することができる。
【0044】
(1-5)第1クリップ部41は、インバータ端子30を挟持する一対の挟持部47と、一対の挟持部47を互いに接近する方向へ付勢する付勢部材48と、を有している。この構成によれば、第1クリップ部41において、付勢部材48が一対の挟持部47を互いに接近する方向へ付勢することにより、一対の挟持部47によってインバータ端子30を安定的に挟持することができる。したがって、インバータ端子30と中継端子40との電気的接続状態を安定的なものとすることができるため、信頼性を向上させることができる。また、第2クリップ部42は、モータ端子50を挟持する一対の挟持部47と、一対の挟持部47を互いに接近する方向へ付勢する付勢部材48と、を有している。この構成によれば、第2クリップ部42において、付勢部材48が一対の挟持部47を互いに接近する方向へ付勢することにより、一対の挟持部47によってモータ端子50を安定的に挟持することができる。したがって、モータ端子50と中継端子40との電気的接続状態を安定的なものとすることができるため、信頼性を向上させることができる。
【0045】
(1-6)電流センサ60は、それぞれのインバータ端子30に対応して設けられたセンサ部品61と、複数のセンサ部品61を内蔵するベース部材62と、を有する。この構成によれば、電流センサ60が、各インバータ端子30に対応して設けられた各センサ部品61を内蔵するベース部材62を有しているため、各センサ部品61を、各インバータ端子30に対応するようにそれぞれ配置する作業を容易なものとすることができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、端子台の第2実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態では、第1実施形態との相違点について主に説明し、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して、説明の一部又は全部を割愛する場合がある。
【0047】
(中継端子70の構成)
図7に示すように、各中継端子70は、細長薄板平板状のバスバーである。各中継端子70の厚みはそれぞれ同じである。各中継端子70の長辺が延びる方向である長辺方向の長さはそれぞれ同じである。各中継端子70の短辺が延びる方向を幅方向とすると、各中継端子70の幅はそれぞれ同じである。各中継端子70は、それぞれの厚み方向が一致し、且つそれぞれの幅方向が一致した状態で互いに配置されている。各中継端子70の長辺方向の一方に位置する第1端部は、各インバータ端子80に電気的に接続されている。したがって、中継端子70は、第1端子であるインバータ端子80に電気的に接続される第2端子である。なお、各中継端子70の長辺方向の他方に位置する第2端部は、図示しない各モータ端子に電気的に接続されている。
【0048】
(インバータ端子80の構成)
各インバータ端子80は、電装品であるインバータ12に電気的に接続される第1端子である。各インバータ端子80は、クリップ部81と、クリップ部81から延びる平板部82と、をそれぞれ有している。なお、クリップ部81の構成は、第1実施形態で説明した第1クリップ部41及び第2クリップ部42の構成と同じであるため、同一符号を付すなどして、その詳細な説明を省略する。
【0049】
クリップ部81は、中継端子70の第1端部を挟持する。そして、インバータ端子80は、クリップ部81が中継端子70の第1端部を挟持することにより、中継端子70に電気的に接続されている。平板部82は、クリップ部81から延びる細長薄板状である。各インバータ端子80の平板部82は、電流センサ60に取り囲まれている。各インバータ端子80の平板部82は、電流センサ60の内部を貫通している。各インバータ端子80には、電流センサ60が一体化されている。
【0050】
したがって、第1実施形態及び第2実施形態のように、インバータ端子30,80及び中継端子40,70の一方が、クリップ部を有し、インバータ端子30,80及び中継端子40,70の他方が、クリップ部に挟持される平板状のバスバーであればよい。
【0051】
第2実施形態の作用の説明は、第1実施形態の作用の説明と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1-1)、(1-5)、及び(1-6)と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0052】
(2-1)インバータ端子80は、クリップ部81を有する。中継端子70は、クリップ部81に挟持される平板状のバスバーである。この構成によれば、クリップ部81によって中継端子70を挟持するだけで、インバータ端子80と中継端子70とを接続することができるため、例えば、インバータ端子80と中継端子70とを接続するための部品を別途用意する必要が無く、端子台10自体を小型化することができる。さらには、インバータ端子80及び中継端子70それぞれの寸法公差を吸収しつつも、インバータ端子80と中継端子70とを容易に電気的に接続することができる。
【0053】
(2-2)中継端子70は、バスバーであり、インバータ端子80は、クリップ部81を有する。この構成によれば、中継端子70の構成を簡素な構成にすることができるため、例えば、中継端子70の構成が複雑化することによって、中継端子70の周囲に存在する部品の設計を変更しなければならなくなってしまうといった問題を回避することができる。
【0054】
(2-3)インバータ端子80は、クリップ部81から延びるとともに電流センサ60に取り囲まれる平板部82を有している。この構成によれば、インバータ端子80が、クリップ部81から延びるとともに電流センサ60に取り囲まれる平板部82を有しているため、インバータ端子80に電流センサ60を容易に一体化することができる。
【0055】
(第3実施形態)
次に、端子台の第3実施形態について説明する。
図8に示すように、電流センサ60は、各中継端子40の接続部43に一体化されている。各中継端子40の接続部43におけるハウジング20からの突出長さは、第1クリップ部41側の部分の突出長さと第2クリップ部42側の部分の突出長さとで異なっている。具体的には、接続部43における第1クリップ部41側の部分のハウジング20からの突出長さは、接続部43における第2クリップ部42側の部分のハウジング20からの突出長さよりも長くなっている。そして、電流センサ60は、各中継端子40の接続部43におけるハウジング20と第1クリップ部41との間に位置する部位に一体化されている。
【0056】
電流センサ60の各センサ部品61は、それぞれの中継端子40に対応して設けられている。各センサ部品61のコア部材63は、各中継端子40の接続部43を取り囲むようにそれぞれ配置されている。ベース部材62と、各中継端子40の接続部43と、各コア部材63と、各ホール素子64とは、インサート成形により一体化されている。
【0057】
インバータ12の回路基板12aから各インバータ端子30を経由して各中継端子40に電流が流れると、各コア部材63に磁束が発生し、各コア部材63で発生した磁束が各ホール素子64を通過する。これにより、各ホール素子64には、磁束に基づいたホール電圧が生じる。ホール電圧は、各中継端子40を流れる電流の値に比例している。よって、電流センサ60は、各中継端子40を流れる電流を検出していると言える。
【0058】
したがって、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態のように、インバータ端子30,80又は中継端子40,70に、インバータ端子30,80又は中継端子40,70を流れる電流を検出する電流センサ60が一体化されていればよい。そして、各センサ部品61は、それぞれのインバータ端子30,80又はそれぞれの中継端子40,70に対応して設けられていればよい。
【0059】
第3実施形態の作用の説明は、第1実施形態の作用の説明と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態では、第1実施形態の効果(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-5)、及び(1-6)と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0060】
(3-1)電流センサ60は、各中継端子40の接続部43におけるハウジング20と第1クリップ部41との間に位置する部位に一体化されている。この構成によれば、例えば、インバータ端子30に電流センサ60を一体化する場合のように、電流センサ60を一体化するスペースを確保するために、インバータ端子30を長くするといった設計変更が必要無くなる。したがって、インバータ端子30の構成を簡素化することができる。
【0061】
(第4実施形態)
次に、端子台の第4実施形態について説明する。
図9に示すように、ハウジング20には、電流センサ60が一体化されている。電流センサ60の各センサ部品61は、それぞれの中継端子40に対応して設けられている。各センサ部品61のコア部材63は、各中継端子40の接続部43を取り囲むようにそれぞれ配置されている。各センサ部品61のコア部材63及びホール素子64は、ハウジング20内に埋設されている。ハウジング20と、各中継端子40の接続部43と、各コア部材63と、各ホール素子64とは、インサート成形により一体化されている。
【0062】
インバータ12の回路基板12aから各インバータ端子30を経由して各中継端子40に電流が流れると、各コア部材63に磁束が発生し、各コア部材63で発生した磁束が各ホール素子64を通過する。これにより、各ホール素子64には、磁束に基づいたホール電圧が生じる。ホール電圧は、各中継端子40を流れる電流の値に比例している。したがって、電流センサ60は、各中継端子40を流れる電流を検出していると言える。
【0063】
第4実施形態の作用の説明は、第1実施形態の作用の説明と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第4実施形態では、第1実施形態の効果(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-5)、及び(1-6)と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0064】
(4-1)電流センサ60が、ハウジング20に一体化されている。この構成によれば、例えば、インバータ端子30に電流センサ60を一体化したり、中継端子40に電流センサ60を一体化したりする場合のように、電流センサ60を一体化するスペースを確保するために、インバータ端子30や中継端子40の接続部43を長くするといった設計変更が必要無くなる。したがって、インバータ端子30や中継端子40の構成を簡素化することができる。
【0065】
(変更例)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0066】
・第1実施形態において、電流センサ60が各インバータ端子30に一体化されておらず、例えば、電流センサ60が各モータ端子50に一体化されていてもよい。この場合、各モータ端子50は、電流センサ60に取り囲まれる平板部をそれぞれ有している。この構成によれば、例えば、電流センサ60の配置スペースの都合上、電流センサ60をモータハウジング13内に収容する場合であったとしても、モータ11が電流センサ60を備えている必要が無い。このため、例えば、モータ11が電流センサ60を備えている構成である場合のように、電流センサ60を備えている分だけ、モータ11が大型化してしまうといったことが無くなる。したがって、モータ11の小型化に貢献することができる。
【0067】
・第3実施形態において、電流センサ60が、各中継端子40の接続部43におけるハウジング20と第1クリップ部41との間に位置する部位に一体化されているのではなく、各中継端子40の接続部43におけるハウジング20と第2クリップ部42との間に位置する部位に一体化されていてもよい。この場合、接続部43における第2クリップ部42側の部分のハウジング20からの突出長さは、接続部43における第1クリップ部41側の部分のハウジング20からの突出長さよりも長くなっている。
【0068】
・上記各実施形態において、第1クリップ部41、第2クリップ部42、又はクリップ部81の具体的な構成は特に限定されるものではない。例えば、一対の挟持部47自身でバスバーであるインバータ端子30、モータ端子50、又は中継端子70を挟持することが十分可能であれば、第1クリップ部41、第2クリップ部42、又はクリップ部81は、付勢部材48を省略した構成であってもよい。
【0069】
・上記各実施形態において、電流センサ60の各センサ部品61の構成は、特に限定されるものではない。各センサ部品61は、ホール素子64を利用せずに、例えば、環状のコア部材に巻線が巻回されている構成であってもよい。
【0070】
・上記各実施形態において、インバータ端子30,80、中継端子40、70、及びモータ端子50それぞれの数は、インバータ端子30,80、中継端子40、70、及びモータ端子50それぞれが同じ数であれば特に限定されるものではない。
【0071】
・上記各実施形態において、端子台10は、モータ11とインバータ12とを電気的に接続するものであったが、これに限らず、モータ11やインバータ12以外の電装品同士を電気的に接続するものであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 端子台
11 モータ(電装品)
11a モータ配線
12 インバータ(電装品)
12a 回路基板
13 モータハウジング
14 ボルト
20 ハウジング
21 ボルト挿通孔
30 インバータ端子(第1端子、バスバー)
31 平板部
40 中継端子(第2端子)
41 第1クリップ部(クリップ部)
42 第2クリップ部(クリップ部)
43 接続部
44 基部
45 延在部
46 屈曲部
47 挟持部
48 付勢部材
48a 連結部
48b 付勢部
50 モータ端子(第1端子)
60 電流センサ
61 センサ部品
62 ベース部材
63 コア部材
64 ホール素子
65 ギャップ
66 配線
67 車両ECU
70 中継端子(第2端子、バスバー)
80 インバータ端子(第1端子)
81 クリップ部
82 平板部
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9