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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】低粘度の液体洗浄剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240611BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240611BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240611BHJP
   C11D 1/10 20060101ALI20240611BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20240611BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20240611BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20240611BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240611BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
C11D17/08
A61K8/44
A61K8/46
A61Q19/10
C11D1/10
C11D1/66
C11D1/88
C11D3/04
C11D3/20
C11D17/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020569707
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 JP2020003307
(87)【国際公開番号】W WO2020158838
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2019016444
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】小薗 脩平
(72)【発明者】
【氏名】小林 瞬
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-115137(JP,A)
【文献】特開2016-008206(JP,A)
【文献】特開2018-012650(JP,A)
【文献】特開2013-108020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)N-アシル酸性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、(B)N-アシル中性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、ならびに(C)両性界面活性剤を含有し、
成分(A)の含有量が、2~10重量%、
成分(B)の含有量が、1.6~10重量%、及び
成分(C)の含有量が、3~20重量%であり、
(C)両性界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、ココアンホジ酢酸2ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウラミドプロピルヒドロキシスルホベタインからなる群から選ばれる1種以上である、
25℃での粘度が150mPa・s未満であり、pHが~13である液体洗浄剤。
【請求項2】
pHが~13である請求項に記載の液体洗浄剤。
【請求項3】
成分(A)の酸性アミノ酸が、グルタミン酸である請求項1又は2に記載の液体洗浄剤。
【請求項4】
成分(B)の中性アミノ酸が、グリシンである請求項1~のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項5】
成分(A)のアシル基及び(B)のアシル基が、ココイル基である請求項1~のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項6】
前記成分(A)及び(B)の含有量の合計の成分(C)の含有量に対する重量割合((A)+(B))/(C)が、0.4~10である請求項1~のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項7】
前記成分(A)及び(B)の含有量の合計の成分(C)の含有量に対する重量割合((A)+(B))/(C)が、0.4~2である請求項1~6のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項8】
前記成分(A)及び(B)の含有量の合計の成分(C)の含有量に対する重量割合((A)+(B))/(C)が、0.9~2である請求項1~6のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項9】
前記成分(A)の含有量が、6.6重量%以上10重量%以下である請求項1~のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項10】
前記成分(B)の含有量が、3.3重量%以上10重量%以下である請求項1~のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項11】
前記成分(C)の含有量が、重量%以上20重量%以下である請求項1~10のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項12】
さらに成分(D)脂肪酸又はその塩を含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項13】
さらに成分(E)多価アルコールを含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項14】
さらに成分(F)ノニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項15】
さらに成分(G)塩化ナトリウムを含むことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項16】
成分(D)の含有量の成分(B)の含有量に対する重量割合(D)/(B)が0を超えて3以下である請求項12~15のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【請求項17】
フォーマー容器で使用するための、請求項1~16のいずれか1項に記載の液体洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-アシル酸性アミノ酸、N-アシル中性アミノ酸及び両性界面活性剤を含有する低粘度の液体洗浄剤、詳しくはフォーマー容器に充填して使用するのに最適な液体洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、身体や毛髪用の洗浄剤に対しては、高い洗浄力だけでなく、皮膚に対する刺激性が少なく、使用感に優れた洗浄剤組成物が望まれている。中でも、アミノ酸系の洗浄剤組成物に対する注目が集まっているが、例えば、N-アシルグルタミン酸塩やN-アシルグリシン塩等を洗浄剤組成物として用いた、洗浄剤が検討されている(特許文献1)。また、身体や毛髪用の洗浄剤は、洗浄時の皮膚や毛髪へのダメージを軽減させるために、細かい泡を形成し、細かさが長い時間持続することが求められている。しかし、一般的にアミノ酸系の洗浄剤組成物をはじめとするアニオン性界面活性剤は、洗浄力が高いとされている高いpH領域では、アニオン性界面活性剤が電離し、電荷同士の反発の影響を受けやすくなるため、気液界面に界面活性剤が密に配向することができなくなり、細かい泡が生成しにくいという問題がある。
【0003】
近年人気のあるフォーマー容器に充填される洗浄剤は、その容器から押し出すことによって、フォーマー容器内部のメッシュを通過させることで、簡便にクリーミィな泡を吐出することが可能である。したがって、使用性に優れたフォーマー容器入り洗浄剤は、洗顔料、毛髪用シャンプー、ハンドソープといった、様々な洗浄剤として使用されている。
【0004】
例えば、N-アシルアミノ酸系アニオン界面活性剤と、それ以外のクラフト点20℃以上のアニオン界面活性剤と、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤から選択される少なくともいずれかの界面活性剤と、多価アルコールと、ノニオン界面活性剤を含有し、クリーミィで弾力性を有しかつ低温における安定性に優れ、洗浄後にしっとりとした肌感触を与えるフォーマー容器入り洗浄剤組成物が提案されている(特許文献2)。
また高級脂肪酸と、N-アシルアミノ酸系界面活性剤と、アルキルポリグルコシドと、リタ抽出物を含有し、目詰まりがなく、クリーミィで安定した泡が得られ、低温下においても泡の形成性に優れ、しかもすすぎ後のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感に優れる液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献3)。
さらにN-アシルグリシン型界面活性剤と、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、並びに高級脂肪酸石鹸と、多価アルコールを含有し、泡質がクリーミィで弾力性を有し、皮膚刺激感が緩和で、つっぱり感を伴わないさっぱりとした肌感触を付与でき、さらに低温における安定性にも優れ、目詰まり等を生じないフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献4)。
【0005】
しかし、高いpH領域においてもフォーマー容器から吐出された泡の細かさ及びその持続性、擦り後の泡量などの泡の特性や、洗い上がりのさらさら感などの使用感、低温使用時のフォーマー容器からの泡の吐出性の維持、低温安定性を兼ね備えるには改善の余地があった。またフォーマー容器に使用する洗浄剤が容器内のメッシュで目詰まりを起こすという問題が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-9146号公報
【文献】特許第4527655号公報
【文献】特開2016-17118号公報
【文献】特開2012-107147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
pH領域に関わらずフォーマー容器から吐出した泡が細かく、かつ細かさが持続し泡量が良好な洗浄力の高い洗浄剤であって、洗い上がりにはさらさら感を有し、低温使用時のフォーマー容器の目詰まりを防止できるだけでなく低温安定性にも優れたフォーマー容器に充填しうる低粘度の液体洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、N-アシル酸性アミノ酸系界面活性剤とN-アシル中性アミノ酸系界面活性剤と両性界面活性剤を組み合わせることで、高いpH領域でも細かい泡が生成し使用感に優れた低刺激の洗浄剤が得られることを見出し、またかかる洗浄剤は低粘度のためフォーマー容器に充填しても目詰まりが抑制され、さらには低温安定性にも優れた液体洗浄剤組成物を提供できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1-1](A)N-アシル酸性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、(B)N-アシル中性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、ならびに(C)両性界面活性剤を含有する低粘度の液体洗浄剤。
[1-2](A)N-アシル酸性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、(B)N-アシル中性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、ならびに(C)両性界面活性剤を含有し、
25℃での粘度が、150mPa・s未満であり
pHが6.5~13である、低粘度の液体洗浄剤。
[2-1]pHが7~13である[1]に記載の液体洗浄剤。
[2-2]pHが8~11である[1]に記載の液体洗浄剤。
[3]成分(A)の酸性アミノ酸が、グルタミン酸である[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤。
[4]成分(B)の中性アミノ酸が、グリシンである[1]~[3]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[5]成分(A)のアシル基及び(B)のアシル基が、ココイル基である[1]~[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[6]前記成分(C)が、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン型、アルキルヒドロキシスルホベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型、アルキルベタイン型及び脂肪酸アミドプロピルベタイン型界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である[1]~[5]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[7]前記成分(C)が、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココアンホジ酢酸2ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウラミドプロピルヒドロキシスルホベタインからなる群から選ばれる1種以上である[1]~[5]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[8]前記成分(A)及び(B)の含有量の合計の成分(C)の含有量に対する重量割合((A)+(B))/(C)が、0.4~10である[1]~[7]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[9]前記成分(A)の含有量が、2重量%以上10重量%以下である[1]~[8]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[10]前記成分(B)の含有量が、1重量%以上10重量%以下である[1]~[9]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[11]前記成分(C)の含有量が、1重量%以上20重量%以下である[1]~[10]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[12]さらに成分(D)脂肪酸又はその塩を含むことを特徴とする[1]~[11]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[13]さらに成分(E)多価アルコールを含むことを特徴とする[1]~[12]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[14]さらに成分(F)ノニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする[1]~[13]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[15]さらに成分(G)塩化ナトリウムを含むことを特徴とする[1]~[14]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[16]成分(D)の含有量の成分(B)の含有量に対する重量割合(D)/(B)が0を超えて3以下である[12]~[15]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[17]フォーマー容器で使用するための、[1]~[16]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[18]皮膚又は毛髪用である、[1]~[17]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フォーマー容器から吐出した泡が細かく、かつ細かさが持続し泡量が良好な、洗浄力の高い液体洗浄剤を提供することができる。
本発明によれば、低刺激で洗い上がりにさらさら感を有する使用感に優れた液体洗浄剤を提供することができる。
本発明によれば、フォーマー容器に充填しても低温安定性に優れ低温使用時の目詰まりを防止できる液体洗浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、(A)N-アシル酸性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、(B)N-アシル中性アミノ酸及びその塩からなる群から選択される1種以上、ならびに(C)両性界面活性剤を含有する低粘度の液体洗浄剤に関する(以下本発明の液体洗浄剤と略することもある)。
【0012】
本発明において、低粘度とは、25℃での粘度が150mPa・s未満を意味し、フォーマー容器使用時の観点からは、120mPa・s未満が好ましく、100mPa・s未満がより好ましい。粘度の下限は特に限定されないが、1mPa・s以上が挙げられる。粘度は慣用の方法で測定することができるが、例えば25℃での液体洗浄剤はB型粘度計を用いて測定することができる。
本発明における粘度を上記の範囲にする方法としては、例えば洗浄剤組成物の25℃におけるpHを6.5以上にする、洗浄剤組成物中の界面活性剤濃度を20%以下にする方法が挙げられる。
【0013】
本発明における成分(A)N-アシル酸性アミノ酸及びその塩はD体、L体およびDL体のいずれも使用することができる。またこれらのN-アシル酸性アミノ酸及びその塩は、夫々単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0014】
本発明における成分(A)N-アシル酸性アミノ酸塩のアシル基は、炭素原子数8~22の脂肪酸から誘導されるアシル基であり、炭素原子数8~20の脂肪酸から誘導されるアシル基が好ましく、炭素原子数8~18の脂肪酸から誘導されるアシル基がより好ましい。
例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等や、それらの混合物である牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から誘導されるアシル基が挙げられ、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸から誘導されるアシル基(ココイル基)が好ましく、ココイル基がより好ましい。
【0015】
本発明における成分(A)における酸性アミノ酸としては、酸性アミノ酸であれば特に限定されないが、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられ、グルタミン酸が好ましい。
【0016】
N-アシル酸性アミノ酸の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン(TEA)塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩;および塩基性有機物塩等が挙げられる。これらのうち、泡立ちや保存安定性に優れたものを得るうえで、アルカリ金属塩およびアルカノールアミン塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩がより好ましい。
またN-アシル酸性アミノ酸の塩は、モノ塩及びジ塩が好ましい。
また成分(A)は、本発明の液体洗浄剤を調製するときに、N-アシル酸性アミノ酸と上記塩を形成する物質(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、TEA等)と一緒に加えて中和し塩の形態としてもよい。さらに成分(A)は、未中和のN-アシル酸性アミノ酸を含んでいてもよい。
【0017】
本発明に用いられるN-アシル酸性アミノ酸塩は、具体的には、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミルストイルグルタミン酸、N-ココイル(ヤシ油脂肪酸アシル)グルタミン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、N-ミルストイルアスパラギン酸、N-ココイルアスパラギン酸のモノナトリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、ジカリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。これらは1種でも2種以上混合して使用してもよい。なかでもN-ココイルグルタミン酸のモノナトリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、ジカリウム塩、トリエタノールアミン塩、またはそれらの混合物が好ましい。
【0018】
本発明における成分(B)N-アシル中性アミノ酸及びその塩は、夫々単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0019】
本発明における成分(B)N-アシル中性アミノ酸のアシル基は、炭素原子数8~22の脂肪酸から誘導されるアシル基であり、炭素原子数8~20の脂肪酸から誘導されるアシル基が好ましく、炭素原子数8~18の脂肪酸から誘導されるアシル基がより好ましい。
例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等や、それらの混合物である牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から誘導されるアシル基が挙げられ、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸から誘導されるアシル基(ココイル基またはヤシ油脂肪酸アシル基)が泡の持続性や低温使用性の点から好ましく、ココイル基がより好ましい。
【0020】
本発明における成分(B)における中性アミノ酸としては、中性アミノ酸であれば特に限定されないが、グリシン、アラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、セリン、プロリン等が使用できる。グリシン以外の光学活性中心を有するアミノ酸の場合はL体、D体、又はDL体の何れを使用しても構わない。これらのうち1種類を使用しても良いし、上記群から選ばれる2種類以上を混合して使用しても構わない。泡立ちの良さと肌に対してマイルドであるという観点でグリシン、アラニンが好ましく、グリシンがより好ましい。
【0021】
N-アシル中性アミノ酸の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩;および塩基性有機物塩等が挙げられる。
これらのうち、長期の保存安定性の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましく、カリウム塩がさらに好ましい。
また成分(B)は、本発明の液体洗浄剤を調製するときに、N-アシル中性アミノ酸と上記塩を形成する物質(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、TEA等)と一緒に加えて中和し塩の形態としてもよい。さらに成分(B)は、未中和のN-アシル中性アミノ酸を含んでいてもよい。
具体的には、N-ココイル(ヤシ油脂肪酸アシル)グリシンカリウム、N-ココイルグリシンナトリウム等が挙げられ、なかでもN-ココイルグリシンカリウムが好ましい。
【0022】
本発明における成分(C)両性界面活性剤としては、
(1)アミノ酢酸ベタイン型界面活性剤(例、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインなどのアルキルアミドヒドロキシスルホベタイン型、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのアルキルヒドロキシスルホベタイン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシン等)、
(2)イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤(例、ココアンホ酢酸、ラウロアンホ酢酸、ココアンホジ酢酸、ラウロアンホジ酢酸、ラウラミノプロピオン酸等のナトリウム塩等)、
(3)アルキルベタイン型界面活性剤(ココベタイン、ラウリルベタイン等)、
(4)脂肪酸アミドプロピルベタイン型界面活性剤(例、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン等)、
などが挙げられる。
なかでもフォーマー容器から吐出される泡の細かさ、および擦り時の泡の細かさの観点からは、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココアンホジ酢酸2ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン(ラウリルヒドロキシスルタイン)、ラウラミドプロピルヒドロキシスルホベタイン(ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン)が好ましい。
【0023】
本発明では、(A)、(B)及び(C)の合計含有量は、フォーマー容器の目詰まり防止の観点から、洗浄剤の総量を基準として、通常4~30重量%の範囲であり、4~20重量%の範囲が好ましく、5~15重量%の範囲がより好ましい。
【0024】
また本発明の洗浄剤においては、洗い上がりのさらさら感と、低温での安定性の観点から、(B)1重量部に対する(A)の含有量の重量割合(重量比とも称する)は、通常0.5~4重量部、好ましくは、1~3重量部である。
【0025】
また本発明の洗浄剤においては、泡の持続性と擦り後の泡量の観点から、成分(A)及び(B)の合計の成分(C)に対する含有量の重量割合((A)+(B))/(C)は、通常0.4~10であり、0.9~8が好ましく、0.9~5.5がより好ましく、1~4がさらに好ましい。
【0026】
また本発明の洗浄剤においては、成分(A)の含有量は、泡の持続性、洗い上がりのさらさら感の観点から、通常2重量%以上10重量%以下であり、好ましくは2~9重量%であり、より好ましくは3~8.4重量%である。
【0027】
また本発明の洗浄剤においては、成分(B)の含有量は、泡の持続性、洗い上がりのさらさら感、擦り後の泡量の観点から、通常1重量%以上10重量%以下であり、好ましくは1~5重量%であり、より好ましくは1~4重量%である。
【0028】
また本発明の洗浄剤においては、成分(C)の含有量は、泡の持続性、擦り後の泡量の観点から、通常1重量%以上20重量%以下であり、好ましくは2~15重量%であり、より好ましくは2~12重量%である。
【0029】
また本発明の洗浄剤においては、擦り後の泡量の観点から、成分(D)脂肪酸又はその塩を含んでもよい。
脂肪酸としては、例えば、炭素原子数8~22の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸、パーム核脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等が挙げられる。これらのうち1種類を使用してもよいし、上記群から選ばれる2種以上を混合して使用しても構わない。特に、ヤシ油脂肪酸が好ましい。
脂肪酸塩の具体例としては、例えば上記脂肪酸のナトリウム塩やカリウム塩、アルギニン塩などが挙げられ、ヤシ油脂肪酸カリウム等が好ましい。
【0030】
成分(D)脂肪酸又はその塩は1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。また、(D)脂肪酸又はその塩は洗浄剤中に通常0~8重量%、好ましくは0~5重量%の範囲で配合することが望ましい。
【0031】
本発明の洗浄剤において、成分(D)の成分(B)に対する含有量の重量割合(D)/(B)は、洗い上がりのさらさら感、泡の持続性の観点から、通常0を超えて3以下であり、好ましくは0を超えて1.5以下であり、より好ましくは0を超えて0.6以下であり、0を超えて0.5以下がさらに好ましい。
【0032】
また本発明の洗浄剤においては、洗い上がりのさらさら感、泡の持続性の観点から、成分(E)多価アルコールを含んでもよい。
多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン類、ソルビトール、エリトリトールやキシリトールなどの糖アルコール、イソプレングリコール、1,2-プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、エトキシジグリコール、1,3-ブチレングリコール(BG)などのグリコール類が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上を混合してよい。なかでも、グリセリン類、グリコール類が好ましく、グリセリン、DPG、BG、PG等がより好ましい。
【0033】
成分(E)多価アルコールは1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。また、(E)多価アルコールは洗浄剤中に通常0~30重量%、好ましくは0~25重量%の範囲で配合することが望ましい。
【0034】
また本発明の洗浄剤においては、低温での安定性の観点から、成分(F)ノニオン界面活性剤を含んでもよい。
ノニオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型、アルキルポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのエーテル型、アルキルグリコシドなどの非イオン性界面活性剤が挙げられるが、なかでもエステル型界面活性剤、エーテル型界面活性剤が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリエチレングリコールがより好ましく、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル(PPG-6デシルテトラデス-30)がさらに好ましい。
【0035】
成分(F)ノニオン界面活性剤は1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。また、(F)ノニオン界面活性剤は洗浄剤中に通常0~10重量%、好ましくは0~8重量%の範囲で配合することが望ましい。
【0036】
また本発明の洗浄剤においては、フォーマー容器から吐出される泡のクリーミィさの観点から、(G)塩化ナトリウムを含んでもよい。(G)塩化ナトリウムは洗浄剤中に通常0~5重量%、好ましくは0~2重量%の範囲で配合することが望ましい。
【0037】
本発明における(A)~(G)は合成品や市販品を用いることができる。
【0038】
本発明の液体洗浄剤は、水、界面活性剤、多価アルコール等を媒体とする液状であるが、上記成分を配合する固形分を水などと配合して液体洗浄剤とする洗浄剤も本願の液体洗浄剤に含まれる。すなわち液体洗浄剤として使用する前に用時調製する洗浄剤も本発明の液状洗浄剤に含まれる概念である。
【0039】
本発明の液体洗浄剤は、自体公知の方法で製造することができる。例えば、上記した各成分の混合物およびその他の添加物を混合し、この混合物を通常20~60℃で、1分~3時間程度加熱して各成分を均一に溶解し、液体洗浄剤を得ることができる。
【0040】
本発明の液体洗浄剤において、本発明の効果を阻害しない範囲で通常使用される各種添加剤を添加することができる。
例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール、トリメチルグリシン等の保湿剤、(A)成分以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤、植物油、動物系油脂、天然系油脂誘導体、鉱物系油脂、低級および高級脂肪酸エステル、N-アシルグルタミン酸エステル等の合成系油脂、シリコーン化合物、高分子物質、動植物抽出物、アミノ酸、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、酸化染料、pH調整剤、パール化剤等の化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規格、日本薬局方、日本薬局方外医薬品成分規格、食品添加物公定書等の各種公定書記載の原料等が挙げられる。
【0041】
本発明の液体洗浄剤のpHは、低温での安定性と、低温でのメッシュの目詰まり防止の観点から、通常弱酸性から塩基性であり、好ましくは6.5~13、好ましくは7~13、より好ましくは7~11、更に好ましくは8~11に調整することが望ましい。
ここで本発明の液体洗浄剤のpHは、10~15重量%水溶液(25℃)でのpHと定義される。
【0042】
本発明の液体洗浄剤は通常使用されている容器に充填して使用することが可能であるが、なかでもフォーマー容器に充填して使用することで起泡性が良く、泡安定性が良好なものとなるため好ましい。
本発明の液体洗浄剤を充填するフォーマー容器としては、特に限定されないが、例えばスクイズフォーマー及びポンプフォーマー等のノンエアゾール容器、エアゾール缶等のエアゾール容器などの吐出容器等が挙げられるが、機構が簡便で、かつ噴射剤が不要であるため環境に優しいという点でノンエアゾール容器が好ましい。
【0043】
本発明の液体洗浄剤は、シャンプー、洗顔料、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング剤等の皮膚又は毛髪用洗浄剤、台所用洗浄剤、洗濯用洗剤に用いることができる。
【実施例
【0044】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例における配合量は特に断らない限り、界面活性剤の固形分の含有量(重量%)を示す。
【0045】
25℃に調節された実験室内で、表1~5に示す液体洗浄剤組成物を調製し、容量600mLのフォーマー容器(大和製罐株式會社、ネット200メッシュ、100メッシュ、各1枚入り)に充填し、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を得た。得られた液体洗浄剤組成物について(1)及び(2)の評価を行い、その結果を表1~6に併せて示した。
【0046】
(1)泡の細かさ
サンプルの泡の細かさの測定には、測定装置として動的フォームアナライザー(Dynamic Foam Analyzer(DFA100)、KRUSS社製)を使用した。まず該フォーマー容器から各サンプル6.0gを測定用のプリズム付きメスシリンダーに吐出する。次に、サンプルを注いだメスシリンダーを測定用台座に据え付け、経時で単位面積あたりの泡の個数を測定することが可能な付属装置(Foam Structure Module(PA4570)、KRUSS社製)を使用して、高さ195cmの位置で、1mmあたりの泡の個数を測定し、下記の基準で評価した。
【0047】
<判定基準>
A:40秒後の1mmあたりの泡の個数が55個以上
B:40秒後の1mmあたりの泡の個数が45個以上55個未満
C:40秒後の1mmあたりの泡の個数が45個未満
【0048】
(2)泡の持続性
サンプルの泡の持続性の測定には、測定装置として動的フォームアナライザー(Dynamic Foam Analyzer(DFA100)、KRUSS社製)を使用した。まず該フォーマー容器から各サンプル6.0gを測定用のプリズム付きメスシリンダーに吐出する。次に、サンプルを注いだメスシリンダーを測定用台座に据え付け、経時で単位面積あたりの泡の個数を測定することが可能な付属装置(Foam Structure Module(PA4570)、KRUSS社製)を使用して、高さ195cmの位置で、1mmあたりの泡の個数を測定し、下記の基準で評価した。
【0049】
<判定基準>
A:40秒後から480秒後の泡の細かさの減少率が54.9%未満のもの
B:40秒後から480秒後の泡の細かさの減少率が54.9%以上65%未満以上のもの
C:40秒後から480秒後の泡の細かさの減少率が65%以上のもの
【0050】
25℃に調節された実験室内で、表1~5に示す液体洗浄剤組成物を調製し、容量100mLのフォーマー容器(竹本容器株式会社、ネット200メッシュ、100メッシュ、各1枚入り)に充填し、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を得た。得られた液体洗浄剤組成物について(3)~(6)の評価を行い、その結果を表1~6に併せて示した。
【0051】
(3)洗い上がりのさらさら感
各容器入りサンプル2プッシュ(約0.7mL)を手のひらに取り、15秒間両手のひらを擦り合わせた後、下記評価基準に基づいて洗浄後の肌のさらさら感を1名の専門パネルにより官能評価した。
【0052】
<判定基準>
A:さらさら感が非常にある。
B:さらさら感がややある。
C:さらさら感がまったくない。
【0053】
(4)擦り後の泡量
各容器入りサンプル2プッシュ(約0.7mL)を手のひらに取り、15秒間両手のひらを擦り合わせた後、下記の基準に基づいて擦り後の泡量を評価した。
【0054】
A:泡量が非常に多い。
B:泡量がやや多い。
C:泡量が少ない。
【0055】
(5)低温安定性
調製した各サンプルを10mLの透明ガラスバイアルに入れ、-5℃で保存し、10日後の結晶の析出や分離・変色の状態を下記の基準に基づいて目視により評価した。
【0056】
<判定基準>
A:-5℃で結晶の析出や分離・変色が全く認められない。
B:-5℃で結晶の析出や分離・変色がわずかに認められるが、室温に戻すと結晶の析出や分離・変色が全く認められない。
C:室温に戻した後でも結晶の析出や分離・変色が明らかに認められる。
【0057】
(6)低温保存後のメッシュの目詰まり
各容器入りサンプルを20プッシュ吐出した後、-5℃の恒温槽で10日間保存した。保存開始日から1、4及び10日後に40cmの高さから水平方向に、各容器からサンプルを20プッシュ吐出し、下記の基準に基づいて低温条件下でのメッシュの目詰まりを評価した。なお、目詰まりを起こすことによって、フォーマー容器から泡の吐出が鈍くなり、泡の飛距離は短くなる。
【0058】
<判定基準>
A:-5℃の恒温槽からサンプルを出した直後に、サンプルを20プッシュ吐出した泡の平均飛距離が40cm以上の場合。
B:-5℃の恒温槽からサンプルを出した直後では、サンプルを20プッシュ吐出した泡の平均飛距離が40cm未満だが、室温に戻した後にサンプルを20プッシュした泡の平均飛距離が40cm以上の場合。
C:-5℃の恒温槽からサンプルを出した直後および室温に戻した後に、サンプルを20プッシュ吐出した泡の平均飛距離が40cm未満の場合。
【0059】
(7)総合評価
Aを5点、Bを4点、Cを1点として、下記評価基準に基づいて総合評価をした。
【0060】
<判定基準>
A:28点以上
B:25点以上27点以下
C:24点以下
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
実施例1、5、9、20、24、29、30、32及び比較例23について、25℃で設定された実験室内で、サンプルの粘度測定を行った。サンプルの粘度測定は、(株)東洋精機製作所製B型粘度計を用いた。所定のガラスバイアル容器にサンプルを充填し、室温で十分に放置した後に測定した。測定条件を、ローターNo:20、回転数:30rpm、測定時間:30秒に設定し、測定を実施し、その結果を表7に併せて示した。
【0068】
【表7】
【0069】
実施例は、いずれも洗い上がりがさらさらし、フォーマー容器から吐出した泡の擦り後の泡量が良好であり、長期使用時の目詰まりを防止でき、低温安定性に優れた。
また*を付したものはそれぞれ以下の市販品を表す。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】
【表10】
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の液体洗浄剤は、泡質や使用感に優れ、低温でも安定なため、フォーマー容器にて使用される洗浄剤として有用である。
【0074】
本出願は日本で出願された特願2019-016444を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。