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  • 特許-入出庫制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】入出庫制御装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021115133
(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公開番号】P2023011330
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 秀生
(72)【発明者】
【氏名】古橋 正得
(72)【発明者】
【氏名】小原 生光
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030974(JP,A)
【文献】特開2008-037567(JP,A)
【文献】特開2021-038052(JP,A)
【文献】特開2007-153490(JP,A)
【文献】特開昭54-131278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流倉庫において物品の入庫及び出庫を制御する入出庫制御装置であって、
上流側の導入路から導入されたコンテナを並び替えて、下流側の導出路へ導出する仕分部と、
前記導入路に対し、物品が入庫状態で収納された入庫コンテナを導入可能な入庫口と、
前記導出路から、前記物品が出庫状態で収納された出庫コンテナを取り出し可能な出庫口と、
前記導出路へ導出された前記入庫コンテナの前記物品を前記出庫コンテナに移すピッキング作業が行われるピッキング部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記入庫コンテナに収納された前記物品のうち、ピッキング対象となるピッキング対象物が前記ピッキング部におけるピッキング作業に基づいた順番となるように、前記入庫コンテナを前記仕分部で並び替え、
ピッキング作業後の前記出庫コンテナを前記導入路へ循環させる、入出庫制御装置。
【請求項2】
前記ピッキング部を複数備え、
それぞれの前記ピッキング部は、前記入庫コンテナを通過させる経路から分岐する、作業者向けの作業路を有する、請求項1に記載の入出庫制御装置。
【請求項3】
前記ピッキング部に対して、空の前記出庫コンテナを導入する空コンテナ導入口を更に備える、請求項1又は2に記載の入出庫制御装置。
【請求項4】
前記入庫コンテナが空になった場合に、当該空の前記入庫コンテナを排出する排出口を更に備える、請求項1~3の何れか一項に記載の入出庫制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出庫制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入出庫制御装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この入出庫制御装置は、倉庫内に配置された複数の物品をピッキング作業によって出庫可能な状態とする際に、倉庫内での経路計画を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-75016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、入庫された物品に対してピッキング作業を行って出庫する際には、入出庫制御装置は、入庫、ピッキング作業、及び出庫の効率を上げることが求められる。その一方で、入出庫制御装置には、入庫、ピックング作業、及び出庫を行うのに必要な設備の稼働状態を改善し、設備コストを低減することが求められる。
【0005】
従って、本発明は、入庫及び出庫への影響を抑制しつつ、設備コストを低減することができる入出庫制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る入出庫制御装置は、物流倉庫において物品の入庫及び出庫を制御する入出庫制御装置であって、上流側の導入路から導入されたコンテナを並び替えて、下流側の導出路へ導出する仕分部と、導入路に対し、物品が入庫状態で収納された入庫コンテナを導入可能な入庫口と、導出路から、物品が出庫状態で収納された出庫コンテナを取り出し可能な出庫口と、導出路へ導出された入庫コンテナの物品を出庫コンテナに移すピッキング作業が行われるピッキング部と、制御部と、を備え、制御部は、入庫コンテナに収納された物品のうち、ピッキング対象となるピッキング対象物がピッキング部におけるピッキング作業に基づいた順番となるように、入庫コンテナを仕分部で並び替え、ピッキング作業後の出庫コンテナを導入路へ循環させる。
【0007】
制御部は、入庫コンテナに収納された物品のうち、ピッキング対象となるピッキング対象物がピッキング部におけるピッキング作業に基づいた順番となるように、入庫コンテナを仕分部で並び替える。従って、ピッキング部には入庫コンテナがピッキングに適した順番にて搬送されるため、ピッキング作業を効率良く行うことができる。また、制御部は、ピッキング作業後の出庫コンテナを導入路へ循環させる。導入路を循環する出庫コンテナは、仕分部へ導入される。従って、制御部は、入庫コンテナの並び替えを行ったものと同じ仕分部を用いて、出庫コンテナを出庫順に応じて並び替えることができる。このように、同じ仕分部が入庫コンテナの並び替えと出庫コンテナの並び替えを行うことができるため、入庫コンテナ及び出庫コンテナに対して別々の仕分部を設ける場合に比して、設備コストを低減することができる。また、仕分部が入庫コンテナ及び出庫コンテナの両方の並び替えを行うことができるため、入庫、ピッキング作業、及び出庫の効率を下げることなく、入出庫を行うことができる。以上より、入庫及び出庫への影響を抑制しつつ、設備コストを低減することができる。
【0008】
入出庫制御装置は、ピッキング部を複数備え、それぞれのピッキング部は、入庫コンテナを通過させる経路から分岐する、作業者向けの作業路を有してよい。この場合、上流側のピッキング部で必要な入庫コンテナを作業路へ搬送することで、後続の入庫コンテナを下流側のピッキング部へ搬送することができる。従って、各ピッキング部でのピッキング作業の効率を向上することができる。
【0009】
入出庫制御装置は、ピッキング部に対して、空の出庫コンテナを導入する空コンテナ導入口を更に備えてよい。例えば、入庫口などから空の出庫コンテナを導入すると、他のコンテナを搬送するための搬送経路を空のコンテナの搬送に用いる必要が生じ、全体の作業効率が低下してしまう可能性がある。従って、空コンテナ導入口が空の出庫コンテナを導入することで、当該空のコンテナのために他のコンテナの搬送経路が用いられることを回避できる。
【0010】
入出庫制御装置は、入庫コンテナが空になった場合に、当該空の入庫コンテナを排出する排出口を更に備えてよい。例えば、出庫口などから空の入庫コンテナを排出すると、他のコンテナを搬送するための搬送経路を空のコンテナの搬送に用いる必要が生じ、全体の作業効率が低下してしまう可能性がある。従って、排出口が空の入庫コンテナを排出することで、当該空のコンテナのために他のコンテナの搬送経路が用いられることを回避できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入庫及び出庫への影響を抑制しつつ、設備コストを低減することができる入出庫制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る入出庫制御装置を示す概略構成図である。
図2】ピッキングステーションでの作業内容を説明するための概略図である。
図3】ピッキングステーションに対する入庫コンテナの順番について説明するための概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る入出庫制御装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る入出庫制御装置100を示す概略構成図である。入出庫制御装置100は、物流倉庫において物品の入庫及び出庫を制御する装置である。入出庫制御装置100は、入庫コンテナC1を入庫させ、当該入庫コンテナC1の物品をピッキング作業によって出庫コンテナC2へ移し、出庫コンテナC2を出庫する。入出庫制御装置100は、入庫コンテナC1の搬送の順番をピッキング作業が行いやすいように並び替え可能であると共に、出庫コンテナC2の搬送の順番を出庫順に並び替え可能である。図1に示すように、入出庫制御装置100は、搬送装置1と、仕分機2(仕分部)と、ピッキングステーション3(ピッキング部)と、入庫口4と、出庫口6と、空コンテナ導入口7と、排出口8と、制御部10と、を備える。
【0014】
搬送装置1は、搬送経路11,12,13,14,16を備える。これらの搬送経路11,12,13,14,16は、コンテナを搬送可能なベルトコンベアなどの搬送機構によって構成される。
【0015】
搬送経路11は、入庫口4と仕分機2とを接続する経路である。搬送経路12は、仕分機2と排出口8とを接続する経路である。搬送経路13は、搬送経路12の分岐点BP1から分岐して、搬送経路11の合流点JP1にて合流する経路である。搬送経路14は、搬送経路11の分岐点BP2から分岐して、出庫口6に接続される経路である。搬送経路16は、空コンテナ導入口7と搬送経路11とを接続し、合流点JP2にて搬送経路11と合流する経路である。
【0016】
仕分機2は、上流側の導入路20から導入されたコンテナを並び替えて、下流側の導出路21へ導出する装置である。仕分機2は、複数の入庫コンテナC1が導入された場合、所望の順序に並び替えて、導出路21へ導出する。仕分機2は、複数の出庫コンテナC2が導入された場合、所望の順序に並び替えて、導出路21へ導出する。本実施形態では、搬送経路11によって導入路20が構成される。また、本実施形態では、搬送経路12と、搬送経路13と、搬送経路11の合流点JP1及び分岐点BP2間の搬送部分11aと、搬送経路14と、によって導出路21が構成される。
【0017】
入庫口4は、導入路20に対し、物品が入庫状態で収納された入庫コンテナC1を導入可能な箇所である。入庫口4では、トラックなどで物流倉庫に集積された入庫コンテナC1が搬送経路11に供給される。物品が入庫状態で収納された入庫コンテナC1では、特定の種類の複数の物品が収納されている。例えば、図2に示す例では、入庫コンテナC1には、複数の物品Aが収納されている。
【0018】
出庫口6は、導出路21から、物品が出庫状態で収納された出庫コンテナC2を取り出し可能な箇所である。出庫口6では、出庫コンテナC2が目的地に応じた順序で集積されて、物流倉庫から目的地へトラックなどで出荷される。物品が出庫状態で収納された出庫コンテナC2では、目的地からの注文などに応じた種類・数量の物品が収納されている。例えば、図2に示す例では、出庫コンテナC2には、特定の数量の物品Aと、特定の数量の物品Bが収納されている。
【0019】
ピッキングステーション3は、導出路21へ導出された入庫コンテナC1の物品を出庫コンテナC2に移すピッキング作業が行われる箇所である。ピッキングステーション3は、搬送経路12の搬送部分12aと、搬送経路16の搬送部分16aと、の間に設けられる。搬送部分12aと搬送部分16aとは、作業スペース3aを確保できるように一定距離を空けた状態で、互いに平行をなしている。ピッキングステーション3は、作業者向けの作業路3b,3cを有する。作業路3bは、入庫コンテナC1を通過させる搬送部分12aから分岐して作業スペース3aまで延び、折り返して搬送部分12aに再び合流する。作業路3bへは、ピッキングステーション3でのピッキング作業に必要な物品を収納した入庫コンテナC1のみが分岐される。作業路3cは、出庫コンテナC2を通過させる搬送部分16aから分岐して作業スペース3aまで延び、折り返して搬送部分16aに再び合流する。作業路3cへは、ピッキングステーション3にてピッキング作業が行われる出庫コンテナC2のみが分岐される。本実施形態では、入出庫制御装置100は、ピッキングステーション3を複数備える。それぞれのピッキングステーション3は、作業スペース3a、及び作業路3b,3cを有する。
【0020】
図2を参照して、ピッキングステーション3での作業者Wによるピッキング作業について詳細に説明する。図2に示すように、作業路3cは、作業者Wの手前側の位置に、空の出庫コンテナC2を搬送する。なお、図2の例では、作業者Wの手前側の出庫コンテナC2には、注文に応じた個数の物品Bが収納されている。作業路3bは、作業者Wの手前側の位置に、ピッキング対象となるピッキング対象物(物品A)を収容する入庫コンテナC1を搬送する。次に、作業者Wは、表示部3dの個数指示を見る。作業者Wは、手前側の入庫コンテナC1から指定された個数(ここでは4個)の物品Aをピッキングし、出庫コンテナC2に入れる。当該作業が完了したら、作業者Wは、図示されないプッシュボタンなどを押すことで、作業完了の指令を入力する。これにより、作業路3bは、ピッキングを行った入庫コンテナC1を搬送部分12a(図1参照)へ戻すと共に、次のピッキング対象物が収納された入庫コンテナC1を作業者Wの手前側に搬送する。なお、出庫コンテナC2に対するピッキング作業が完了して出庫状態となった場合、作業路3cは、作業路3cは、出庫状態の出庫コンテナC2を搬送部分16a(図1参照)へ戻すと共に、次の空の出庫コンテナC2を作業者Wの手前側に搬送する。作業者Wは人に限定されず、ピッキングロボットであってもよい。
【0021】
図1へ戻り、空コンテナ導入口7は、ピッキングステーション3に対して、空の出庫コンテナC2を導入する箇所である。なお、図1において、空の出庫コンテナC2は白抜きで示されている。空コンテナ導入口7は、空の出庫コンテナC2を搬送経路16へ供給する。
【0022】
排出口8は、入庫コンテナC1が空になった場合に、当該空の入庫コンテナC1を排出する箇所である。排出口8は、ピッキングステーション3から搬送経路12を流れて来た入庫コンテナC1のうち、空のものを排出する。
【0023】
制御部10は、入出庫制御装置100の動作を制御を行う装置である。制御部10は、CPU、RAM、ROM等により構成されている。制御部10は、プログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサはCPU、並びにRAM及びROM等のメモリを有する。メモリには、情報の処理を行うための種々のプログラムが記憶され、CPUは各種プログラムの読み出し、による演算を行う。制御部10は、搬送装置1、及び仕分機2を制御する。
【0024】
制御部10は、入庫コンテナC1に収納された物品のうち、ピッキング対象となるピッキング対象物がピッキングステーション3におけるピッキング作業に基づいた順番となるように、入庫コンテナC1を仕分機2で並び替える。また、制御部10は、ピッキング作業後の出庫コンテナC2を導入路20へ循環させる。これにより、制御部10は導入路20へ循環させた出庫コンテナC2を出庫の順番となるように、仕分機2で並び替える。
【0025】
次に、入出庫制御装置100の動作内容について説明する。制御部10は、搬送経路11を制御して、入庫口4から入庫された入庫状態の入庫コンテナC1を仕分機2側へ搬送する(動作M1)。制御部10は、分岐点BP2において、入庫コンテナC1を搬送経路14へ分岐させることなく搬送経路11で搬送する(動作M2)。なお、搬送経路11のうち、分岐点BP2にはバッファ部24が設けられている。制御部10は、入庫コンテナC1を仕分機2へ導入するタイミングを調整するために、入庫コンテナC1をバッファ部24でストックしてもよい。搬送経路11のうち、仕分機2の直前の部分には、読取部26が設けられている。読取部26は、各コンテナC1,C2に付された識別情報を読み取り、制御部10に送信する。例えば、識別情報はバーコードで示されており、読取部26がバーコードリーダによって構成されてよい。あるいは、読取部26はICタグなどを読み取ることで識別情報を読み取ってもよい。識別情報には、個々のコンテナC1,C2を特定する情報が含まれてよい。識別情報には、対象となる入庫コンテナC1に収納された物品の情報が含まれる。
【0026】
制御部10は、読取部26を通過させることで(動作M3)、仕分機2に導入される複数の入庫コンテナC1の識別情報を取得し、ピッキングステーション3からの要求に応じた順番となるように、入庫コンテナC1の順番を演算する。制御部10は、仕分機2を制御することで、ピッキングステーション3でのピッキング作業に適した順番となるように、入庫コンテナC1を並び替える。制御部10は、搬送経路12を制御して、仕分機2で順番を並び替えられた入庫コンテナC1を各ピッキングステーション3へ搬送する(動作M4)。また、制御部10は、搬送経路16を制御することで、空コンテナ導入口7から供給された空の出庫コンテナC2を各ピッキングステーション3へ搬送する(動作M5)。
【0027】
例えば、図3(a)は、仕分機2で並び替えを行うことなく、入庫時の順番の入庫コンテナC1をピッキングステーションへ搬送した状態を示す。一段目のピッキングステーション3Aが「物品C、物品A」の順で物品を要求しているものに対し、物品Cを収納した入庫コンテナC1は、物品Aを収納した入庫コンテナC1よりも後ろの順番である。また、物品Cを収納した入庫コンテナC1よりも前の順番にて、物品Bを収納した入庫コンテナC1が複数存在している。従って、一段目のピッキングステーション3Aは、一番目の物品Cをピッキング可能となるまでの間に、複数の入庫コンテナC1の通過を待機する必要がある。二段目のピッキングステーション3Bは「物品C、物品D」の順で物品を要求している。従って、従って、二段目のピッキングステーション3Bも、一番目の物品Cをピッキング可能となるまでの間に、複数の入庫コンテナC1の通過を待機する必要がある。これに対し、仕分機2は、図3(b)に示すように、「物品C、物品A、物品C、物品D…」の順番となるように、入庫コンテナC1を並び替える。これにより、図2(c)に示すように、一段目のピッキングステーション3Aには、要求の順序に従って、「物品C、物品A」の順番で、速やかに対象の入庫コンテナC1が搬送される。二段目のピッキングステーション3Bには、要求の順序に従って、「物品C、物品D」の順番で、速やかに対象の入庫コンテナC1が搬送される。
【0028】
図1に戻り、制御部10は、搬送経路12を制御して、空になった入庫コンテナC1を分岐点BP1において排出口8へ搬送する(動作M6)。また、制御部10は、搬送経路12及び搬送経路13を制御して、物品が残っている入庫コンテナC1を分岐点BP1において搬送経路13へ搬送し、合流点JP1で搬送経路11に合流させる(動作M7)。物品が残っている入庫コンテナC1は、入庫状態の入庫コンテナC1と共に、仕分機2で再び仕分けられ、ピッキングステーション3へ搬送される。制御部10は、搬送経路16を制御して、ピッキングステーション3で出庫状態となった出庫コンテナC2を合流点JP2で搬送経路11に合流させる(動作M8)。
【0029】
制御部10は、分岐点BP2において、出庫コンテナC2を搬送経路14へ分岐させることなく搬送経路11で搬送する(動作M2)。制御部10は、読取部26を通過させることで(動作M3)、仕分機2に導入される複数の出庫コンテナC2の識別情報を取得し、出庫順に応じた順番となるように、出庫コンテナC2の順番を演算する。制御部10は、仕分機2を制御することで、出庫順の順番となるように、出庫コンテナC2を並び替える。制御部10は、搬送経路12を制御して、仕分機2で順番を並び替えられた出庫コンテナC2を搬送部分12aへ搬送する(動作M4,M9)。制御部10は、搬送経路12及び搬送経路13を制御して、出庫コンテナC2を分岐点BP1において搬送経路13へ搬送し、合流点JP1で搬送経路11に合流させる(動作M7)。
【0030】
制御部10は、分岐点BP2において、出庫コンテナC2を搬送経路14へ分岐させ、出庫口6から出庫する(動作M10)。なお、制御部10は、出庫コンテナC2の出庫のタイミングを調整するために、出庫コンテナC2をバッファ部24でストックしてもよい。
【0031】
次に、本実施形態に係る入出庫制御装置100の作用・効果について説明する。
【0032】
制御部10は、入庫コンテナC1に収納された物品のうち、ピッキング対象となるピッキング対象物がピッキングステーション3におけるピッキング作業に基づいた順番となるように、入庫コンテナC1を仕分機2で並び替える。従って、ピッキングステーション3には入庫コンテナC1がピッキングに適した順番にて搬送されるため、ピッキング作業を効率良く行うことができる。また、制御部10は、ピッキング作業後の出庫コンテナC2を導入路20へ循環させる。導入路20を循環する出庫コンテナC2は、仕分機2へ導入される。従って、制御部10は、入庫コンテナC1の並び替えを行ったものと同じ仕分機2を用いて、出庫コンテナC2を出庫順に応じて並び替えることができる。このように、同じ仕分機2が入庫コンテナC1の並び替えと出庫コンテナC2の並び替えを行うことができるため、入庫コンテナC1及び出庫コンテナC2に対して別々の仕分機を設ける場合に比して、設備コストを低減することができる。また、仕分機2が入庫コンテナC1及び出庫コンテナC2の両方の並び替えを行うことができるため、入庫、ピッキング作業、及び出庫の効率を下げることなく、入出庫を行うことができる。以上より、入庫及び出庫への影響を抑制しつつ、設備コストを低減することができる。
【0033】
入出庫制御装置100は、ピッキングステーション3を複数備え、それぞれのピッキングステーション3は、入庫コンテナC1を通過させる搬送経路12から分岐する、作業者向けの作業路3bを有してよい。この場合、上流側のピッキングステーション3で必要な入庫コンテナC1を作業路3bへ搬送することで、後続の入庫コンテナC1を下流側のピッキングステーション3へ搬送することができる。従って、各ピッキングステーション3でのピッキング作業の効率を向上することができる。
【0034】
入出庫制御装置100は、ピッキングステーション3に対して、空の出庫コンテナC2を導入する空コンテナ導入口7を更に備えてよい。例えば、入庫口4などから空の出庫コンテナC2を導入すると、他のコンテナを搬送するための搬送経路を空のコンテナの搬送に用いる必要が生じ、全体の作業効率が低下してしまう可能性がある。従って、空コンテナ導入口7が空の出庫コンテナC2を導入することで、当該空のコンテナのために他のコンテナの搬送経路が用いられることを回避できる。
【0035】
入出庫制御装置100は、入庫コンテナC1が空になった場合に、当該空の入庫コンテナC1を排出する排出口8を更に備えてよい。例えば、出庫口などから空の入庫コンテナを排出すると、他のコンテナを搬送するための搬送経路を空のコンテナの搬送に用いる必要が生じ、全体の作業効率が低下してしまう可能性がある。従って、排出口が空の入庫コンテナを排出することで、当該空のコンテナのために他のコンテナの搬送経路が用いられることを回避できる。
【0036】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0037】
搬送装置1の構成は上述の実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。例えば、図4に示す入出庫制御装置200が採用されてもよい。入出庫制御装置200の搬送装置201は、搬送経路11から分岐する搬送経路14が設けられていない。搬送装置201は、仕分機2の下流側の搬送経路12から出庫口6へ延びる搬送経路114を有する。搬送部分12b及び搬送経路114が、仕分機2の下流側の導出路21を構成する。従って、仕分機2で仕分けられた出庫コンテナC2は、搬送部分12b及び搬送経路114によって出庫口6へ搬送される(動作M11)。ピッキングステーション3へ向かう搬送部分12aは、分岐点BP3において導出路21から分岐する。ピッキングステーション3へ向かう搬送部分12aは、入庫コンテナC1のみを搬送し、出庫コンテナC2を搬送しない。なお、分岐点BP3には、出庫口6への搬送のタイミングを調整するバッファ部124が設けられている。
【0038】
また、搬送装置201は、搬送経路114の分岐点BP4から分岐する搬送経路115を有する。搬送経路115は、合流点JP3にて搬送経路16に合流する。出庫状態となっていない出庫コンテナC2は、分岐点BP4にて搬送経路115へ分岐し(動作M12)、合流点JP3にて搬送経路16へ合流する。これにより、出庫状態となっていない出庫コンテナC2は、ピッキングステーション3にて残りの物品を受容する。
【0039】
上述の実施形態及び変形例では、入出庫制御装置は複数のピッキングステーション3を有していたが、ピッキングステーション3を一つだけ有していてもよい。また、作業路3b,3cは省略されてよい。
【0040】
上述の実施形態及び変形例では、入出庫制御装置は一つの仕分機2を有していたが、並列に複数の仕分機2を有してもよい。この場合、各仕分機2に対して、入庫コンテナC1及び出庫コンテナC2の両方が導入される。
【符号の説明】
【0041】
2…仕分機(仕分部)、3…ピッキングステーション(ピッキング部)、3b…作業路、4…入庫口、6…出庫口、7…空コンテナ導入口、8…排出口、10…制御部、100,200…入出庫制御装置。
図1
図2
図3
図4