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特許7501463車両用表示制御装置、表示方法及び表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置、表示方法及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/23 20240101AFI20240611BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B60K35/23
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021117434
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013336
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松延 剛
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021019(JP,A)
【文献】特開2020-016541(JP,A)
【文献】特開2018-020779(JP,A)
【文献】国際公開第2017/046937(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/20
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、当該プロセッサは、
車両前方の移動体をターゲットとして検知し、
前記ターゲットと前記車両との距離に応じて当該車両が走行する路面に対するマーカの見かけの角度を直角以下の大きさとされると共に当該マーカと当該路面とがなす指標角度に設定し、
前記車両と前記ターゲットとの距離が短くなるに従って前記指標角度を小さくし、
前記車両と前記ターゲットとの距離が長くなるに従って前記指標角度を大きくし、
前記マーカの形状を前記ターゲットを囲む枠状に設定し、
前記車両の運転者から見て前記ターゲットに対して重なるように前記マーカを表示する、
車両用表示制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記車両と前記ターゲットとの距離が所定の距離以上となったときに前記指標角度を直角に設定する、
請求項に記載の車両用表示制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記車両と前記ターゲットとの距離に応じて前記指標角度を連続的に変化させる、
請求項又は請求項に記載の車両用表示制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記車両と前記ターゲットとの距離に応じて前記マーカの大きさを変更すると共に、当該ターゲットに対する当該マーカの大きさを一定に設定する、
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の車両用表示制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記運転者が視認可能な表示面上に前記マーカを表示する、
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の車両用表示制御装置。
【請求項6】
前記表示面は、前記運転者が視認可能なヘッドアップディスプレイの一部を構成している、
請求項に記載の車両用表示制御装置。
【請求項7】
車両前方の移動体をターゲットとして検知し、
前記ターゲットと前記車両との距離に応じて当該車両が走行する路面に対するマーカの見かけの角度を直角以下の大きさとされると共に当該マーカと前記路面とがなす指標角度に設定し、
前記車両と前記ターゲットとの距離が短くなるに従って前記指標角度を小さくし、
前記車両と前記ターゲットとの距離が長くなるに従って前記指標角度を大きくし、
前記マーカの形状を前記ターゲットを囲む枠状に設定し、
前記車両の運転者から見て前記ターゲットに対して重なるように前記マーカを表示する、
表示方法。
【請求項8】
車両前方の移動体をターゲットとして検知する検知ステップと、
前記ターゲットと前記車両との距離に応じて当該車両が走行する路面に対するマーカの見かけの角度を直角以下の大きさとされると共に当該マーカと当該路面とがなす指標角度に設定し、当該車両と当該ターゲットとの距離が短くなるに従って当該指標角度を小さくし、当該車両と当該ターゲットとの距離が長くなるに従って当該指標角度を大きくする角度設定ステップと、
前記マーカの形状を前記ターゲットを囲む枠状に設定すると共に、前記車両の運転者から見て当該ターゲットに対して重なるように当該マーカを表示する表示ステップと、
をコンピュータに実行させる表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示制御装置、表示方法及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両用表示装置に関する発明が開示されている。この車両用表示装置では、オートクルーズコントロールの作動時等において、ヘッドアップディスプレイに、自車両の追従対象(ターゲット)である他車両に重畳して追従マークが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開WO2017/046937号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術では、他車両と自車両との距離が短くなるに従って追従マークを小さくし、他車両と自車両との距離が長くなるに従って追従マークを大きくしている。その結果、上記先行技術では、自車両の運転者から見て、自車両と他車両との距離と、追従マークの大きさとが比例しないため、自車両の運転者が自車両と他車両との距離感を掴むことが困難となることが考えられる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両の運転者から見て、容易に車両とターゲットとの距離感を掴むことができる車両用表示制御装置、表示方法及び表示プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、プロセッサを備え、当該プロセッサは、車両前方の移動体をターゲットとして検知し、前記ターゲットと前記車両との距離に応じて当該車両が走行する路面に対するマーカの見かけの角度を直角以下の大きさとされると共に当該マーカと当該路面とがなす指標角度に設定し、前記車両と前記ターゲットとの距離が短くなるに従って前記指標角度を小さくし、前記車両と前記ターゲットとの距離が長くなるに従って前記指標角度を大きくし、前記マーカの形状を前記ターゲットを囲む枠状に設定し、前記車両の運転者から見て前記ターゲットに対して重なるように前記マーカを表示する。
【0007】
請求項1に記載の本発明によれば、プロセッサを備えており、このプロセッサは、車両前方のターゲットを検知する。そして、プロセッサは、車両の運転者から見てターゲットと重なるようにマーカを表示する。
【0008】
ところで、車両とターゲットとの距離の如何に関わらず、マーカの表示を一様とすると、車両の運転者が、車両とターゲットとの距離感を掴むことが困難となることが考えられる。
【0009】
ここで、本態様では、プロセッサによって、ターゲットと車両との距離に応じて、当該車両が走行する路面と関連する基準面に対するマーカの見かけの角度が設定されるため、車両の運転者は、当該角度からターゲットと車両との距離を推定することができる。
【0011】
また、本発明によれば、プロセッサは、基準面を車両が走行する路面に設定すると共に、基準面に対するマーカの見かけの角度を、直角以下の大きさとされると共に当該マーカと路面とがなす指標角度に設定する。
【0012】
そして、プロセッサは、車両とターゲットとの距離が短くなるに従って指標角度を小さくし、車両とターゲットとの距離が長くなるに従って指標角度を大きくする。このため、本発明では、マーカの視認性に影響を及ぼすことを抑制しつつ、当該マーカで車両からターゲットまでの距離を表現することができる。
また、本発明によれば、固定物をターゲットから除外することができる。また、マーカの形状を移動体を囲む枠状に設定することで、当該移動体を車両の運転者に注視させ易くすることができる。
【0013】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項に記載の発明において、前記プロセッサは、前記車両と前記ターゲットとの距離が所定の距離以上となったときに前記指標角度を直角に設定する。
【0014】
請求項に記載の本発明によれば、上述したように、車両とターゲットとの距離が短くなるに従って指標角度を小さくし、車両とターゲットとの距離が長くなるに従って指標角度を大きくすることができる。
【0015】
ところで、車両とターゲットとの距離に閾値を設定しない状態で、車両とターゲットとの距離に応じて指標角度を変化させる場合、当該距離の変化に対する指標角度の変化が小さくなり、車両の運転者が、車両とターゲットとの距離感を掴むことが困難となることが考えられる。
【0016】
ここで、本発明では、プロセッサが、車両とターゲットとの距離が所定の距離以上となったときに指標角度を直角に設定する。このため、車両とターゲットとの距離が所定の距離以上である場合、車両の運転者は、指標角度が直角となっている状態を視認することで、車両とターゲットとの距離が所定の距離以上であることを認識することができる。
【0017】
一方、車両とターゲットとの距離が所定の距離に満たない場合、車両とターゲットとの距離の変化に対する指標角度の変化量を確保し、車両の運転者は、指標角度からターゲットと車両との距離を推定し易くなる。
【0018】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項又は請求項に記載の発明において、前記プロセッサは、前記車両と前記ターゲットとの距離に応じて前記指標角度を連続的に変化させる。
【0019】
請求項に記載の本発明によれば、プロセッサが、車両とターゲットとの距離に応じて指標角度を連続的に変化させる。このため、車両の運転者は、車両とターゲットとの相対速度を感覚的に認識することができ、その結果、当該運転者が、車両とターゲットとが近付く傾向にあるか離れる傾向にあるかを認識し易くすることができる。
【0020】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、前記車両と前記ターゲットとの距離に応じて前記マーカの大きさを変更すると共に、当該ターゲットに対する当該マーカの大きさを一定に設定する。
【0021】
請求項に記載の本発明によれば、プロセッサが、車両とターゲットとの距離に応じてマーカの大きさを変更すると共に、ターゲットに対するマーカの大きさを一定に設定している。このため、車両の運転者から見て、ターゲットが車両から遠いときには、ターゲットに重なるマーカが小さく表示され、ターゲットが車両から近いときには、ターゲットに
重なるマーカが大きく表示される。
【0022】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、前記運転者が視認可能な表示面上に前記マーカを表示する。
【0023】
請求項に記載の本発明によれば、プロセッサが、車両の運転者が視認可能な表示面上にマーカを表示する。このため、マーカは、表示面上において、ターゲットと重なるように表示され、その結果、車両の運転者が、ターゲットとマーカとの相関関係を理解し易くすることができる。
【0024】
請求項に記載の本発明に係る車両用表示制御装置は、請求項に記載の発明において、前記表示面は、前記運転者が視認可能なヘッドアップディスプレイの一部を構成している。
【0025】
請求項に記載の本発明によれば、表示面が、車両の運転者が視認可能なヘッドアップディスプレイの一部を構成しているため、当該運転者は、視線を車両前方側に向けたままマーカとターゲットとの関係を確認することができる。
【0030】
請求項に記載の本発明に係る表示方法は、車両前方の移動体をターゲットとして検知し、前記ターゲットと前記車両との距離に応じて当該車両が走行する路面に対するマーカの見かけの角度を直角以下の大きさとされると共に当該マーカと前記路面とがなす指標角度に設定し、前記車両と前記ターゲットとの距離が短くなるに従って前記指標角度を小さくし、前記車両と前記ターゲットとの距離が長くなるに従って前記指標角度を大きくし、
前記マーカの形状を前記ターゲットを囲む枠状に設定し、前記車両の運転者から見て前記ターゲットに対して重なるように前記マーカを表示する。
【0031】
請求項に記載の本発明によれば、車両前方のターゲットを検知し、ターゲットと車両との距離に応じて当該車両が走行する路面と関連する基準面に対するマーカの見かけの角度を設定する。そして、車両の運転者から見てターゲットに対して重なるようにマーカを表示する。このため、車両の運転者は、基準面に対するマーカの見かけの角度からターゲットと車両との距離を推定することができる。
【0032】
請求項に記載の本発明に係る表示プログラムは、車両前方の移動体をターゲットとして検知する検知ステップと、前記ターゲットと前記車両との距離に応じて当該車両が走行する路面に対するマーカの見かけの角度を直角以下の大きさとされると共に当該マーカと当該路面とがなす指標角度に設定し、当該車両と当該ターゲットとの距離が短くなるに従って当該指標角度を小さくし、当該車両と当該ターゲットとの距離が長くなるに従って当該指標角度を大きくする角度設定ステップと、前記マーカの形状を前記ターゲットを囲む枠状に設定すると共に、前記車両の運転者から見て当該ターゲットに対して重なるように当該マーカを表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0033】
請求項に記載の本発明によれば、請求項10に記載の発明と同様に、車両の運転者は、基準面に対するマーカの見かけの角度からターゲットと車両との距離を推定することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明に係る車両用表示制御装置、表示方法及び表示プログラムは、車両の運転者から見て、容易に車両とターゲットとの距離感を掴むことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本実施形態に係る車両用表示制御装置を備えた車両の運転席周辺の構成を示す車両後方側から見た図である。
図2】本実施形態に係る車両用表示制御装置を備えた車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る車両用表示制御装置におけるCPUの機能構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る車両用表示制御装置で行われる移動ターゲットに対するマーカの表示の一例を示すイメージ図である。
図5】本実施形態に係る車両用表示制御装置で行われる移動ターゲットに対するマーカの表示処理の一例を示すイメージ図である。
図6】本実施形態に係る車両用表示制御装置で行われる車両から所定距離以上離れている固定ターゲットに対するマーカの表示の一例を示すイメージ図である。
図7】本実施形態に係る車両用表示制御装置で行われる車両と固定ターゲットとが接近している状態における固定ターゲットに対するマーカの表示の一例を示すイメージ図である。
図8】本実施形態に係る車両用表示制御装置で行われる移動ターゲットに対する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る車両用表示制御装置で行われる固定ターゲットに対する処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の変形例に係る車両用表示装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図1図10を用いて、本発明に係る車両用表示制御装置の実施形態の一例について説明する。本実施形態に係る「車両用表示制御装置10(以下、表示制御装置10と称する。)」は、「車両12」に搭載された車両用表示装置14(以下、表示装置14と称する。)の一部を構成している。
【0037】
図1に示されるように、本実施形態において、車両12は、右ハンドル仕様の車両とされており、車室16の車両前方側における車両幅方向右側の部分には、運転者が着座する図示しないシートが配置されている。
【0038】
そして、表示装置14は、図2にも示されるように、表示制御装置10の他に、カーナビゲーションECU(Electronic Control Unit)18(以下、ECU18と称する。)、自動運転ECU20(以下、ECU20と称する。)及び「ヘッドアップディスプレイ22」を備えている。
【0039】
詳しくは、ECU18は、表示制御装置10に通信可能に接続されると共に、カーナビゲーションシステムを制御可能とされており、ECU18には、GPS(Global Positioning System)装置30及びセンタディスプレイ32が電気的に接続されている。なお、ECU18は、運転者による操作入力によって設定された目的地までの走行経路を設定することが可能とされている。
【0040】
GPS装置30は車両12の現在位置を測定する装置であり、図示しないGPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを備えている。なお、GPS装置30は、表示制御装置10に直接接続されていてもよい。
【0041】
センタディスプレイ32は、液晶ディスプレイとされており、シートの車両前方側に配置されたダッシュボード34の車幅方向中央部に配置されている。このセンタディスプレイ32は、地図M及びGPS装置30で取得された車両12の現在位置を示すマーカPを表示可能とされている(図10参照)。
【0042】
一方、ECU20は、表示制御装置10に通信可能に接続されると共に、自動運転システムを制御可能とされており、ECU20には、外部センサ36と、駆動アクチュエータ38とが電気的に接続されている。
【0043】
詳しくは、外部センサ36は、車両12の周辺環境の検出に用いられるセンサ群とされている。この外部センサ36には、例えば、所定範囲を撮像する外部カメラ、所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ及び所定範囲をスキャンするライダ(Laser Imaging Detection and Ranging)等が含まれる。そして、外部センサ36で取得されたデータは、ECU20を介して表示制御装置10に送信されるようになっている。なお、外部センサ36は、表示制御装置10に直接接続されていてもよい。
【0044】
駆動アクチュエータ38は、それぞれ図示しない操舵アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ及びパワーユニットアクチュエータを備えている。そして、操舵アクチュエータは、図示しないモータを含んで構成されると共に、ECU20から出力される信号に基づいて図示しない操舵装置を駆動させ、自動運転時において、ECU20による制御を図示しない操舵輪の舵角に反映させるようになっている。
【0045】
ブレーキアクチュエータは、図示しないモータを含んで構成されると共に、ECU20から出力される信号に基づいて図示しないブレーキ装置を駆動させ、自動運転時において、ECU20による制御を車両12の制動に反映させるようになっている。
【0046】
パワーユニットアクチュエータは、図示しないモータを含んで構成されると共に、ECU20から出力される信号に基づいて図示しないパワーユニットを駆動させ、自動運転時において、ECU20による制御を車両12の駆動に反映させるようになっている。なお、車両12の前方側に先行車両が走行している場合には、ECU20、外部センサ36及び駆動アクチュエータ38は、オートクルーズコントロールシステムとして機能することが可能となっている。
【0047】
一方、ヘッドアップディスプレイ22は、表示制御装置10に通信可能に接続されると共に、シートの車両前方側に位置するフロントウィンドシールド24の一部を構成する「表示面26」と、表示面26に所定の映像を投影する投影装置28と、投影装置28を調整する調整アクチュエータ40とを備えている。
【0048】
詳しくは、投影装置28は、表示制御装置10から出力された信号に基づいて光線を表示面26に向けて照射することで、運転者から視認可能な虚像を生成することが可能とされている。一方、調整アクチュエータ40は、表示制御装置10から出力された信号に基づいて投影装置28から照射された光線を反射する図示しない反射鏡の角度及び当該反射鏡と投影装置28との相対位置を調整するための駆動装置である。
【0049】
次に、表示制御装置10の構成について説明する。表示制御装置10は、プロセッサとしての「CPU(Central Processing Unit)10A」、ROM(Read Only Memory)10B、RAM(Random Access Memory)10C、ストレージ10D、通信I/F(Interface)10E及び入出力I/F10F10Fを含んで構成されている。なお、CPU10A、ROM10B、RAM10C、ストレージ10D、通信I/F10E及び入出力I/F10F10Fは、内部バス10Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0050】
CPU10Aは、中央演算処理ユニットとされており、各種プログラムの実行によって各種機器の制御が可能とされている。具体的には、CPU10Aは、ROM10Bからプログラムを読み出し、RAM10Cを作業領域としてプログラムを実行可能とされている。そして、ROM10Bに記憶された実行プログラムが、CPU10Aで読み出されて実行されることで、表示制御装置10は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0051】
より詳しくは、ROM10Bには、後述するターゲットと車両12との相対関係の把握、ヘッドアップディスプレイ22の制御、運転者の視線方向の検出及び仮想空間の生成等に関する各種プログラム及び各種データが記憶されている。一方、RAM10Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶することが可能となっている。
【0052】
ストレージ10Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含んで構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、後述する車両外形推定モデル及び3次元地図情報モデル等の各種データを記憶可能とされている。
【0053】
通信I/F10Eは、表示制御装置10と車両12に搭載された各種機器との通信に用いられるインターフェースとされており、CANプロトコルによる通信規格が用いられている。なお、通信I/F10Eは、外部バス10Hを介してECU18及びECU20に接続されている。
【0054】
入出力I/F10Fは、表示制御装置10と車両12に搭載された各種機器とを通信可能に接続するためのインターフェースとされている。そして、表示制御装置10は、入出力I/F10Fを介して、上述したヘッドアップディスプレイ22に加えて内部センサ42及び内部カメラ44のそれぞれに相互に通信可能に接続されている。
【0055】
内部センサ42は、車両12の走行状態の検出に用いられるセンサ群とされており、車速センサ、加速度センサ及びヨーレートセンサを備えている。そして、内部センサ42で取得されたデータは、ストレージ10Dに記憶されるようになっている。
【0056】
内部カメラ44は、車室16の車両前方側における車両上方側の部分に設けられており、運転者の顔の映像を取得可能とされている。この内部カメラ44で取得された映像データは、表示制御装置10に送信されるようになっている。
【0057】
次に、図2を用いて表示制御装置10の機能構成について説明する。表示制御装置10は、CPU10AがROM10Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、対象判定部46、距離測定部48及び表示調整部50の集合体として機能する。そして、本実施形態では、運転者による操作入力によって、ヘッドアップディスプレイ22の表示状態を車間距離監視モード及び運転支援モードの一方又は両方の状態にすることが可能とされている。
【0058】
対象判定部46は、車間距離監視モードにおいて、外部センサ36から得られた情報と、ストレージ10Dに記憶された車両外形推定モデルとに基づいて、車両12の車両前方側に位置する物体が車両であるか否かを判定可能とされている。つまり、車間距離監視モードにおいて、対象判定部46は、「先行車両52(図4参照)」をターゲットとして検出可能とされている。
【0059】
なお、対象判定部46は、設定を変更することで、通行人、二輪車及びボール等の移動体もターゲットとして検出することが可能である。一方で、車間距離監視モードにおいて、対象判定部46は、動いていない状態の車両等の固定物をターゲットから除外するようになっている。
【0060】
詳しくは、車両外形推定モデルには、種々の車種の車両の三次元モデルが格納されており、外部センサ36の外部カメラやライダで取得された情報を車両外形推定モデルに入力することで、当該情報に該当する車両の三次元形状を出力するようになっている。
【0061】
また、対象判定部46は、運転支援モードにおいて、外部センサ36の外部カメラで得られた情報、ECU18から取得した車両12の走行経路、GPS装置30からECU18を介して取得した車両12の位置情報及びストレージ10Dに記憶された3次元地図情報モデルに基づき、外部カメラで取得された映像に走行経路上の所定の位置が写っているか否かを判定可能とされている。つまり、運転支援モードにおいて、対象判定部46は、走行経路上の所定の位置をターゲットとして検出可能とされている。なお、本実施形態では、一例として、上記所定の位置が車両12の走行経路上における「進路変更位置54」に設定されている。
【0062】
距離測定部48は、ターゲットと車両12との距離を測定可能とされている。具体的には、距離測定部48は、車間距離監視モードにおいて、外部センサ36から得られたデータに基づき、車両12の先行車両52と車両12との距離を測定する。なお、距離測定部48は、先行車両52と車両12との所定時間毎の距離の変化(先行車両52と車両12との相対速度)及び内部センサ42で取得されたデータに基づき先行車両52の進行方向を推定可能とされている。
【0063】
また、距離測定部48は、運転支援モードにおいて、外部センサ36から得られた情報に基づき、走行経路上の所定の位置と車両12との距離を測定する。
【0064】
表示調整部50は、車間距離監視モードにおいて、ヘッドアップディスプレイ22を制御し、図4に示されるように、表示面26上において、運転者から見て表示面26を通して視認される先行車両52に対して重なるように「マーカ56」を表示可能とされている。
【0065】
この表示調整部50は、内部カメラ44で取得した映像に基づいて運転者の視線方向を検出すると共に、当該視線方向と、上記仮想空間内の車両12と先行車両52の位置関係とに基づき、運転者から見て表示面26内に先行車両52が位置しているか否かを判定する。
【0066】
そして、表示調整部50は、運転者から見て表示面26内に先行車両52が位置していると判定した場合には、表示面26上において、マーカ56の位置を、運転者から見て先行車両52に対して重なる位置に設定し、表示面26上にマーカ56を表示する。一方、運転者から見て表示面26内に先行車両52が位置していないと表示調整部50が判定した場合には、表示調整部50は、表示面26上にマーカ56を表示しないようになっている。
【0067】
詳しくは、表示調整部50は、GPS装置30から取得した車両12の位置情報、ストレージ10Dに記憶された3次元地図情報モデル、ストレージ10Dに記憶された車両外形推定モデルから得られた先行車両52の三次元情報に基づいて、車両12を中心とする所定の範囲の仮想空間を生成可能とされている。
【0068】
そして、表示調整部50は、仮想空間内において、マーカ56の形状を、先行車両52を車両後方側から見たときに先行車両52の外形を囲む矩形枠状に設定するようになっている。また、表示調整部50は、図5に示されるように、車両12と先行車両52との距離に応じて、仮想空間内において、マーカ56を、先行車両52の車両幅方向から見て先行車両52の後端部(進行方向後側の端部)を通りかつ仮想路面58と直交する直線L1と仮想路面58との交点を通ると共に先行車両52の車両幅方向に延在する直線L2を中心として回転させるようになっている。
【0069】
具体的には、表示調整部50は、車両12と先行車両52との距離に応じて、仮想空間内において、先行車両52を車両幅方向から見たときのマーカ56と仮想路面58とが成す角である「指標角度θ」を連続的に変化させるようになっている。
【0070】
この指標角度θは、直角以下の大きさとされると共に、車両12と先行車両52との距離が短くなるに従って小さくなり、車両12と先行車両52との距離が長くなるに従って大きくなる。なお、表示調整部50は、車両12と先行車両52との距離が所定の距離以上(一例として、100m以上)となったときに、指標角度θを直角に設定するようになっている。また、表示調整部50は、先行車両52が車両12の直前に位置するときに、指標角度θを0度に設定するようになっている。
【0071】
また、表示調整部50は、車両12と先行車両52との距離に応じて、表示面26上に表示されるマーカ56の大きさを変更することで、表示面26上において、先行車両52に対するマーカ56の大きさが一定となるようにヘッドアップディスプレイ22を制御している。なお、車両12と先行車両52との距離の代わりに車両12と先行車両52との車間時間を指標として上述した各制御を行うことも可能である。
【0072】
さらに、表示調整部50は、上記仮想空間内の車両12、先行車両52及びマーカ56の相関関係並びに内部カメラ44で検出された運転者の視線方向を、表示面26上に表示されるマーカ56に反映させることで、車両12が走行する基準面としての「路面60」に対するマーカ56の見かけの角度を設定している。すなわち、運転者が表示面26を見ると、運転者からは、路面60とマーカ56との成す角が指標角度θとなるように見えている。なお、マーカ56の見かけの角度の基準となる基準面には、路面60と直交しかつ車両12の車両幅方向及び車両上下方向に延在する所定の平面等、路面60との関連があれば、種々の平面を採用可能である。
【0073】
なお、本実施形態では、上述したように、表示面26上において、マーカ56は、先行車両52の進行方向後側において車両幅方向周りに回転するため、図4に示されるように、マーカ56と路面60との間隔は、基本的に先行車両52の進行方向前側に向かうに従って大きくなっている。
【0074】
これにより、本実施形態において、運転者は、マーカ56の路面60に対する傾きを確認することで、先行車両52の進行方向を推定することが可能となっている。例えば、先行車両52が車両12に向かって後退するとき、運転者は、マーカ56と路面60との間隔が先行車両52の車両後方側に向かって大きくなっているのを視認することで、先行車両52の後退を確認することが可能となっている。
【0075】
一方、運転支援モードにおいて、表示調整部50は、基本的には、車間距離監視モードのときと同様の制御を行い、図6に示されるように、表示面26上において、運転者から見て進路変更位置54に対して重なるように「マーカ62」を表示可能とされている。
【0076】
具体的には、表示調整部50は、車両12の走行経路、車両12の位置情報及び3次元地図情報モデルに基づき、上記仮想空間内において、マーカ62の形状を進路変更位置54における車両12の進行方向を示す形状に設定可能とされている。具体的には、マーカ62の形状は、車両12の進行方向前側に向かうに従って縮幅されると共に当該進行方向に連なる複数の三角形とされている。
【0077】
また、運転支援モードにおいて、表示面26上での先行車両52に対するマーカ62の大きさ及び路面60に対するマーカ62の見かけの角度は、基本的に車間距離監視モードと同様に設定されている。一方で、運転支援モードでは、図7に示されるように、車両12が進路変更位置54に近付くと、マーカ62が進路変更位置54に到達する前の車両12の進行方向前側に向かって回転するように設定されている点において、車間距離監視モードと異なっている。
【0078】
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
【0079】
まず、図8に示されるフローチャートを主に用いて、表示制御装置10による車間距離監視モード時の処理に係る制御フローについて説明する。この制御フローは、表示制御装置10のCPU10Aが、所定時間毎に所定の制御信号を受け付けることで開始される。
【0080】
この制御フローが開始されると、検知ステップとしての「ステップS100」では、CPU10Aが対象判定部46及び距離測定部48として機能し、車両12の車両前方の先行車両52を検知すると共に、車両12と先行車両52との距離を測定してステップS101に進む。
【0081】
ステップS101では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、運転者から見て表示面26内に先行車両52が位置しているか否かを判定する。そして、運転者から見て表示面26内に先行車両52が位置していると判定された場合(ステップS101:YES)、角度設定ステップとしての「ステップS102」に進む。一方、運転者から見て表示面26内に先行車両52が位置していないと判定された場合(ステップS101:NO)、CPU10Aは、上記制御フローを終了させる。
【0082】
ステップS102では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、車両12と先行車両52との距離に応じて路面60に対するマーカ56の見かけの角度を設定し、ステップS103に進む。
【0083】
ステップS103では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、表示面26上におけるマーカ56の表示位置を設定し、表示ステップとしての「ステップS104」に進む。
【0084】
ステップS104では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、ステップS102で設定されたマーカ56の見かけの角度及びステップS103で設定されたマーカ56の表示位置に基づき、表示面26にマーカ56を表示し、上記制御フローを終了させる。
【0085】
次に、図9に示されるフローチャートを主に用いて、表示制御装置10による運転支援モード時の処理に係る制御フローについて説明する。この制御フローは、表示制御装置10のCPU10Aが、所定時間毎に所定の制御信号を受け付けることで開始される。
【0086】
この制御フローが開始されると、検知ステップとしての「ステップS200」では、CPU10Aが対象判定部46として機能し、進路変更位置54をターゲットとして検出してステップS201に進む。
【0087】
ステップS201では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、運転者から見て表示面26内に進路変更位置54が位置しているか否かを判定する。そして、運転者から見て表示面26内に進路変更位置54が位置していると判定された場合(ステップS201:YES)、ステップS202に進む。一方、運転者から見て表示面26内に進路変更位置54が位置していないと判定された場合(ステップS201:NO)、CPU10Aは、上記制御フローを終了させる。
【0088】
ステップS202では、CPU10Aが距離測定部48として機能し、車両12と進路変更位置54との距離を測定し、角度設定ステップとしての「ステップS203」に進む。
【0089】
ステップS203では、車両12と進路変更位置54との距離に応じて路面60に対するマーカ62の見かけの角度を設定し、ステップS204に進む。
【0090】
ステップS204では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、表示面26上におけるマーカ62の表示位置を設定し、表示ステップとしての「ステップS205」に進む。
【0091】
ステップS205では、CPU10Aが表示調整部50として機能し、ステップS203で設定されたマーカ62の見かけの角度及びステップS204で設定されたマーカ62の表示位置に基づき、表示面26にマーカ62を表示し、上記制御フローを終了させる。
【0092】
また、本実施形態では、図4に示されるように、CPU10Aは、基準面を車両12が走行する路面60に設定すると共に、基準面に対するマーカ56の見かけの角度を、直角以下の大きさとされると共にマーカ56と路面60とがなす指標角度θに設定する。
【0093】
そして、CPU10Aは、車両12と先行車両52との距離が短くなるに従って指標角度θを小さくし、車両12と先行車両52との距離が長くなるに従って指標角度θを大きくする。このため、本実施形態では、マーカ56の視認性に影響を及ぼすことを抑制しつつ、マーカ56で車両12から先行車両52までの距離を表現することができる。
【0094】
ところで、車両12と先行車両52との距離に閾値を設定しない状態で、車両12と先行車両52との距離に応じて指標角度θを変化させる場合、当該距離の変化に対する指標角度θの変化が小さくなり、運転者が、車両12と先行車両52との距離感を掴むことが困難となることが考えられる。
【0095】
ここで、本実施形態では、CPU10Aが、車両12と先行車両52との距離が所定の距離以上となったときに指標角度θを直角に設定する。このため、車両12と先行車両52との距離が所定の距離以上である場合、運転者は、指標角度θが直角となっている状態を視認することで、車両12と先行車両52との距離が所定の距離以上であることを認識することができる。
【0096】
一方、車両12と先行車両52との距離が所定の距離に満たない場合、車両12と先行車両52との距離の変化に対する指標角度θの変化量を確保し、運転者は、指標角度θから先行車両52と車両12との距離を推定し易くなる。
【0097】
また、本実施形態では、CPU10Aが、車両12と先行車両52との距離に応じて指標角度θを連続的に変化させる。このため、運転者は、車両12と先行車両52との相対速度を感覚的に認識することができ、その結果、運転者が、車両12と先行車両52とが近付く傾向にあるか離れる傾向にあるかを認識し易くすることができる。
【0098】
また、本実施形態では、CPU10Aが、車両12と先行車両52との距離に応じてマーカ56の大きさを変更すると共に、先行車両52に対するマーカ56の大きさを一定に設定している。このため、運転者から見て、先行車両52が車両12から遠いときには、先行車両52に重なるマーカ56が小さく表示され、先行車両52が車両12から近いときには、先行車両52に重なるマーカ56が大きく表示される。
【0099】
また、本実施形態では、CPU10Aが、運転者が視認可能な表示面26上にマーカ56を表示する。このため、マーカ56は、表示面26上において、先行車両52と重なるように表示され、その結果、運転者が、先行車両52とマーカ56との相関関係を理解し易くすることができる。
【0100】
また、本実施形態では、図1にも示されるように、表示面26が、運転者が視認可能なヘッドアップディスプレイ22の一部を構成しているため、運転者は、視線を車両前方側に向けたままマーカ56と先行車両52との関係を確認することができる。
【0101】
また、本実施形態では、車間距離監視モードにおいて、固定物をターゲットから除外することができる。さらに、マーカ56の形状を先行車両52を囲む枠状に設定することで、先行車両52を運転者に注視させ易くすることができる。
【0102】
加えて、本実施形態では、図6及び図7に示されるように、CPU10Aが、車両12の走行経路を取得し、ターゲットを走行経路上の進路変更位置54に設定し、マーカ62の形状を車両12の進行方向を示す形状に設定する。このため、運転者は、走行経路上の進路変更位置54をマーカ62によって認識することができると共に、マーカ62を見ることで進路変更位置54における進行方向を認識することができる。また、進路変更位置54と車両12との距離に応じて、路面60に対するマーカ62の見かけの角度が変化するため、運転者は、進路変更位置54と車両12との距離を把握することができる。
【0103】
このように、本実施形態の係る表示制御装置10、表示方法及び表示プログラムは、車両12の運転者から見て、容易に車両12とターゲットとの距離感を掴むことができる。
【0104】
<上記実施形態の変形例>
上述した実施形態では、フロントウィンドシールド24の表示面26を通して視認されるターゲットに対してマーカが重なるように、当該マーカが表示面26に表示されていたが、これに限らない。
【0105】
すなわち、図10に示されるように、車両12の仕様等に応じて、センタディスプレイ32を表示面として機能させ、センタディスプレイ32に外部センサ36の外部カメラによって撮像されたターゲットを含む車両12の前景の画像を表示させると共に、当該画像のターゲットに対してマーカを重ねて表示してもよい。なお、この場合には、マーカの見かけの角度は、運転者の視線方向によらず、所定の視点に対して設定される。
【0106】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、右ハンドル仕様の車両に表示装置14を搭載したが、表示面26の位置等を調整して、左ハンドル仕様の車両に表示装置14を搭載することも可能である。
【0107】
(2) また、上述した実施形態では、表示面26にマーカを表示していたが、車両12の仕様等に応じて、凹面鏡を備えた立体表示装置でマーカを立体的に表示する構成としてもよい。さらに、マーカの形状も上述したものに限らず、種々の形状を採り得る。
【0108】
(3) また、上述した実施形態では、表示面26に表示されるマーカの位置及び見かけの角度を設定するのに参照される要素に運転者の視線方向が含まれていたが、これに限らない。例えば、車両12の仕様等に応じて、表示面26に表示されるマーカの位置及び見かけの角度は、基準アイポイントを参照して設定されてもよい。
【0109】
(4) また、上記実施形態では、CPU10Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで各種処理を実行していたが、これに限らない。すなわち、CPU10Aが実行した各種処理は、CPU以外の各種のプロセッサによって実行されてもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が挙げられる。さらに、上述した処理は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行されてもよい。なお、これらの各種のプロセッサのハードウェア構造としては、例えば、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路が挙げられる。
【0110】
(5) また、上述した実施形態では、各種制御に係るプログラムをコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されているものとして説明したが、これに限らない。例えば、上記プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。さらに、上記プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされるようにしてもよい。
【0111】
(6) 加えて、上述した実施形態における処理は、1つのプロセッサによって実行されるのみならず、複数のプロセッサが協働して実行されるものであってもよい。また、上述した実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0112】
10 車両用表示制御装置
10A CPU(プロセッサ)
12 車両
22 ヘッドアップディスプレイ
26 表示面
52 先行車両(ターゲット)
54 進路変更位置(ターゲット)
56 マーカ
60 路面(基準面)
62 マーカ
S100 検知ステップ
S102 角度設定ステップ
S104 表示ステップ
S200 検知ステップ
S203 角度設定ステップ
S205 表示ステップ
θ 指標角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10