(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/30 20230101AFI20240611BHJP
G06Q 30/01 20230101ALI20240611BHJP
【FI】
G06Q10/30
G06Q30/01
(21)【出願番号】P 2021151597
(22)【出願日】2021-09-16
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100224694
【氏名又は名称】伊藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】竹本 毅
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 春佳
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 博之
(72)【発明者】
【氏名】堀 雄志
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0052619(US,A1)
【文献】特開2001-319015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の各車両について、車両を識別する車両識別データと、車両から得られる情報の開示に保有者が同意したかどうかを示す同意状況データとが格納されるとともに、前記複数の車両のうち、第1車両群の各車両について、保有者が保有を終了した日付を保有終了日として示す保有期間データが格納され
、かつ前記複数の車両のうち、前記第1車両群を除く他の車両群の各車両について、保有期間データが格納されていない第1データベースを参照し、前記複数の車両の
中から、対応する同意状況データで前記開示に保有者が同意したことが示され
、かつ対応する保有期間データが前記第1データベースに格納されていない車両群を第2車両群として特定し、前記第2車両群の各車両について、対応する車両識別データを照会車両データとして取得する制御部と、
前記制御部により取得された照会車両データを含む要求データを、前記複数の車両の各車両について、1種類以上の登録手続きが行われた日付と、行われた登録手続きの種類とを示すデータが格納される第2データベースを管理する管理システムに送信し、送信した要求データに応じて送信され、前記第2車両群のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む応答データを受信する通信部と、を備え、
前記制御部は、前記基準期間に基づき、前記通信部により受信された応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、対応する保有終了日を算出する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、単位期間ごとに、前記第1データベースを参照して前記照会車両データを取得し、
前記通信部は、単位期間ごとに、前記要求データを送信し、
前記基準期間は、前記要求データが送信された単位期間の1つ前の単位期間であり、
前記制御部は、前記応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、前記基準期間の末日を、対応する保有終了日として算出する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記応答データが前記通信部により受信された後に、前記第1データベースを再び参照し、前記応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、対応する保有期間データが前記第1データベースに格納されているかどうかを判定し、対応する保有期間データが前記第1データベースに格納されていないと判定した場合に、算出した保有終了日を示すデータを、対応する保有期間データとして前記第1データベースに追加する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1データベースには、前記複数の車両のうち、前記第1車両群を除く他の車両群の各車両について、保有期間データと同じ形式で保有終了日の代わりに固定日を示すダミー期間データが格納され、
前記制御部は、前記第1データベースを参照し、前記複数の車両の中から、対応する同意状況データで前記開示に保有者が同意したことが示され、かつ対応するダミー期間データで前記固定日が示されている車両群を前記第2車両群として特定する請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記応答データは、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きが前記基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記応答データは、使用の一時中止、輸出、又は解体の登録手続きである抹消登録手続きが前記基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、登録手続きの種類を指定する照会条件データを前記要求データに更に含め、
前記応答データは、前記照会条件データで指定された種類の登録手続きが前記基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理システムは、行政機関、又は行政機関の代わりに登録手続きを受け付ける機関によって運用されるシステムである請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記複数の車両の各車両について、対応する車両識別データと、車両に付帯するサービスを保有者が契約中かどうかを示す契約状況データとが格納された第3データベースを参照し、前記複数の車両のうち、対応する契約状況データで前記サービスを保有者が契約中であることが示されている第3車両群の各車両について、対応する車両識別データを、重複を避けて追加の照会車両データとして前記要求データに含める請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、前記第3データベースに格納されている契約状況データを、前記サービスを保有者が契約中でないことを示すデータに更新する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数の車両の各車両について、車両を識別する車両識別データと、車両から得られる情報の開示に保有者が同意したかどうかを示す同意状況データとが格納されるとともに、前記複数の車両のうち、第1車両群の各車両について、保有者が保有を終了した日付を保有終了日として示す保有期間データが格納され
、かつ前記複数の車両のうち、前記第1車両群を除く他の車両群の各車両について、保有期間データが格納されていない第1データベースを参照し、前記複数の車両の
中から、対応する同意状況データで前記開示に保有者が同意したことが示され
、かつ対応する保有期間データが前記第1データベースに格納されていない車両群を第2車両群として特定し、前記第2車両群の各車両について、対応する車両識別データを照会車両データとして取得することと、
取得された照会車両データを含む要求データを、前記複数の車両の各車両について、1種類以上の登録手続きが行われた日付と、行われた登録手続きの種類とを示すデータが格納される第2データベースを管理する管理システムに送信することと、
送信した要求データに応じて送信され、前記第2車両群のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む応答データを受信することと、
前記基準期間に基づき、受信された応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、対応する保有終了日を算出することと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
前記照会車両データを取得することと、前記要求データを送信することとは、単位期間ごとに行われ、
前記基準期間は、前記要求データが送信された単位期間の1つ前の単位期間であり、
前記算出することは、前記応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、前記基準期間の末日を、対応する保有終了日として算出することを含む請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記応答データを受信することの後に、前記第1データベースを再び参照し、前記応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、対応する保有期間データが前記第1データベースに格納されているかどうかを判定し、対応する保有期間データが前記第1データベースに格納されていないと判定した場合に、算出された保有終了日を示すデータを、対応する保有期間データとして前記第1データベースに追加することを更に含む請求項11又は12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記第1データベースには、前記複数の車両のうち、前記第1車両群を除く他の車両群の各車両について、保有期間データと同じ形式で保有終了日の代わりに固定日を示すダミー期間データが格納され、
前記第1データベースを参照し、前記複数の車両の中から、対応する同意状況データで前記開示に保有者が同意したことが示され、かつ対応するダミー期間データで前記固定日が示されている車両群を前記第2車両群として特定することを更に含む請求項11から13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記応答データは、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きが前記基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む請求項11から14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記応答データは、使用の一時中止、輸出、又は解体の登録手続きである抹消登録手続きが前記基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む請求項11から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記要求データは、登録手続きの種類を指定する照会条件データを更に含み、
前記応答データは、前記照会条件データで指定された種類の登録手続きが前記基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む請求項11から16のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記管理システムは、行政機関、又は行政機関の代わりに登録手続きを受け付ける機関によって運用されるシステムである請求項11から17のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記複数の車両の各車両について、対応する車両識別データと、車両に付帯するサービスを保有者が契約中かどうかを示す契約状況データとが格納された第3データベースを参照し、前記複数の車両のうち、対応する契約状況データで前記サービスを保有者が契約中であることが示されている第3車両群の各車両について、対応する車両識別データを、重複を避けて追加の照会車両データとして前記要求データに含めることを更に含む請求項11から18のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、前記第3データベースに格納されている契約状況データを、前記サービスを保有者が契約中でないことを示すデータに更新することを更に含む請求項19に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パーソナルデータの利用同意を管理する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両診断ログ等、車両から得られる情報を、保有者から個別に同意を得て第三者に開示するサービスを提供するサービスプロバイダは、
図15に示すように、保有者の変更を検知することが困難なことがある。その結果、車両から得られる情報の開示について保有者の同意が得られた期間(以下、「同意期間」ともいう)が適切に管理されず、車両から得られる情報が同意期間を超えて望ましくない形で開示されてしまう可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、車両から得られる情報の望ましくない開示を回避しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、
複数の車両の各車両について、車両を識別する車両識別データと、車両から得られる情報の開示に保有者が同意したかどうかを示す同意状況データとが格納されるとともに、前記複数の車両のうち、第1車両群の各車両について、保有者が保有を終了した日付を保有終了日として示す保有期間データが格納された第1データベースを参照し、前記複数の車両のうち、前記第1車両群を除き、かつ対応する同意状況データで前記開示に保有者が同意したことが示されている第2車両群の各車両について、対応する車両識別データを照会車両データとして取得する制御部と、
前記制御部により取得された照会車両データを含む要求データを、前記複数の車両の各車両について、1種類以上の登録手続きが行われた日付と、行われた登録手続きの種類とを示すデータが格納される第2データベースを管理する管理システムに送信し、送信した要求データに応じて送信され、前記第2車両群のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む応答データを受信する通信部と、を備え、
前記制御部は、前記基準期間に基づき、前記通信部により受信された応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、対応する保有終了日を算出する。
【0007】
本開示に係る情報処理方法は、
複数の車両の各車両について、車両を識別する車両識別データと、車両から得られる情報の開示に保有者が同意したかどうかを示す同意状況データとが格納されるとともに、前記複数の車両のうち、第1車両群の各車両について、保有者が保有を終了した日付を保有終了日として示す保有期間データが格納された第1データベースを参照し、前記複数の車両のうち、前記第1車両群を除き、かつ対応する同意状況データで前記開示に保有者が同意したことが示されている第2車両群の各車両について、対応する車両識別データを照会車両データとして取得することと、
取得された照会車両データを含む要求データを、前記複数の車両の各車両について、1種類以上の登録手続きが行われた日付と、行われた登録手続きの種類とを示すデータが格納される第2データベースを管理する管理システムに送信することと、
送信した要求データに応じて送信され、前記第2車両群のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データを含む応答データを受信することと、
前記基準期間に基づき、受信された応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、対応する保有終了日を算出することと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両から得られる情報の望ましくない開示を回避しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る情報処理装置が参照するデータベースを示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る第1データベースに格納されたデータの例を示す表である。
【
図4】第1実施形態に係る第2データベースに格納されたデータの例を示す表である。
【
図5】第1実施形態に係る第1フェーズの処理を示すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態に係る第2フェーズの処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る第3フェーズの処理を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る第4フェーズの処理を示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態に係る要求データの具体例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係る応答データの具体例を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係る情報処理装置が参照するデータベースを示す図である。
【
図12】第2実施形態に係る第1フェーズの処理を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係る要求データの具体例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る契約状況データを更新する具体例を示す図である。
【
図15】車両の保有者が変更された場合の旧保有者及び新保有者の保有期間の関係を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の幾つかの実施形態について、図を参照して説明する。
【0011】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
本開示の第1実施形態について説明する。
【0013】
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの構成を説明する。
【0014】
本実施形態に係るシステムは、情報処理装置100と、管理システム200とを備える。
【0015】
情報処理装置100は、データセンタ等の施設に設置される。情報処理装置100は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。情報処理装置100は、ネットワーク40を介して、管理システム200と通信可能である。
【0016】
管理システム200は、データセンタ等の施設に設置される。管理システム200は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。例えば、管理システム200は、車両の移転登録の手続き等、車両に関する登録手続きを受け付ける行政機関、又は行政機関の代わりに登録手続きを受け付ける機関(以下、「行政機関等」ともいう)によって運用される。
【0017】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの任意の組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0018】
図1から
図4を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0019】
本実施形態に係る情報処理装置100は、
図2に示すように、第1データベースDB1及び第2データベースDB2に格納されたデータを利用する。
【0020】
情報処理装置100は、第1データベースDB1を参照し、照会車両データを取得する。第1データベースDB1には、複数の車両の各車両について、車両識別データD11と、同意状況データD13とが格納されるとともに、複数の車両のうち、第1車両群G1の各車両について、保有期間データD14が格納される。車両識別データD11は、車両を識別するデータであり、具体的には、車台番号を示す。同意状況データD13は、車両から得られる情報の開示に保有者が同意したかどうかを示す。保有期間データD14は、保有者が保有を終了した日付を保有終了日として示す。情報処理装置100は、複数の車両のうち、第1車両群G1を除き、かつ対応する同意状況データD13で車両から得られる情報の開示に保有者が同意したことが示されている第2車両群G2の各車両について、対応する車両識別データD11を照会車両データとして取得する。情報処理装置100は、任意の時点で第1データベースDB1を参照して照会車両データを取得してよいが、本実施形態では単位期間ごとに、具体的には毎月、第1データベースDB1を参照して照会車両データを取得する。
【0021】
情報処理装置100は、取得された照会車両データを含む要求データを、第2データベースDB2を管理する管理システム200に送信する。管理システム200は、本実施形態では行政機関等によって運用されるシステムであるが、民間企業等、他の機関によって運用されるシステムでもよい。第2データベースDB2には、複数の車両の各車両について、1種類以上の登録手続きが行われた日付と、行われた登録手続きの種類とを示すデータが格納される。情報処理装置100は、任意の時点で要求データを送信してよいが、本実施形態では単位期間ごとに、具体的には毎月、要求データを送信する。
【0022】
情報処理装置100は、応答データを管理システム200から受信する。応答データは、要求データに応じて送信され、第2車両群G2のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データD21を含む。本実施形態では、応答データは、保有者の変更を伴う可能性の高い登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データD21を含む。本実施形態では、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続き、又は、使用の一時中止、輸出、若しくは解体の登録手続きである抹消登録手続きが、保有者の変更を伴う可能性の高い登録手続きに相当する。基準期間は、任意の期間でよいが、本実施形態では、要求データが送信された単位期間の1つ前の単位期間、具体的には、要求データの送信日である要求日の属する月の前月である。単位期間は、本実施形態では1か月であるが、1か月より短い期間、例えば1週間であってもよい。その場合、基準期間は、要求データの送信日の属する週の前週となる。
【0023】
情報処理装置100は、基準期間に基づき、受信された応答データに含まれる車両識別データD21で識別される車両について、対応する保有終了日を算出する。
【0024】
本実施形態によれば、保有者の変更を検知することが困難な場合でも、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続き、又は、抹消登録手続き等、特定の種類の登録手続きが基準期間内に行われたという情報に基づき、保有終了日を算出することができる。その結果、同意期間を適切に管理することができ、車両から得られる情報の望ましくない開示を回避しやすくすることができる。
【0025】
本実施形態では、第1データベースDB1に、複数の車両のうち、第1車両群G1を除く他の車両群の各車両について、ダミー期間データD15が格納される。ダミー期間データD15は、保有期間データD14と同じ形式で保有終了日の代わりに固定日を示す。保有期間データD14で示される保有終了日の形式は、「yyyy/mm/dd」である。したがって、ダミー期間データD15で示される固定日の形式も、「yyyy/mm/dd」である。固定日は、保有終了日になる可能性がゼロ又は非常に低い任意の日付でよいが、本実施形態では「9999/12/31」である。本実施形態では、保有期間データD14が第1データベースDB1に格納されていない車両について、ダミー期間データD15を使用しているが、ダミー期間データD15の代わりに、「---」又は「N/A」を示すデータが第1データベースDB1に格納されてもよい。情報処理装置100は、第1データベースDB1を参照し、複数の車両の中から、対応する同意状況データD13で車両から得られる情報の開示に保有者が同意したことが示され、かつ対応するダミー期間データD15で固定日が示されている車両群を第2車両群G2として特定する。
【0026】
本実施形態では、保有期間データD14は、保有終了日を示すだけでなく、保有者が保有を開始した日付を保有開始日として示す。ダミー期間データD15は、保有期間データD14と同じ形式で保有終了日の代わりに固定日を示すだけでなく、保有期間データD14と同じ形式で保有開始日を示す。
【0027】
本実施形態では、第1データベースDB1に、複数の車両の各車両について、保有者データD12が更に格納される。保有者データD12は、本実施形態では、保有者の氏名及び住所を示すが、保有者を識別するデータであってもよく、例えば、顧客番号を示してもよい。
【0028】
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理装置100の構成を説明する。
【0029】
情報処理装置100は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0030】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部11は、情報処理装置100の各部を制御しながら、情報処理装置100の動作に関わる処理を実行する。
【0031】
記憶部12は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12には、情報処理装置100の動作に用いられるデータと、情報処理装置100の動作によって得られたデータとが記憶される。第1データベースDB1は、本実施形態では記憶部12に構築されるが、外部のストレージに構築され、情報処理装置100に接続されてもよい。
【0032】
第1データベースDB1には、上述したとおり、複数の車両の各車両について、車両識別データD11と、同意状況データD13とが格納されるとともに、複数の車両のうち、第1車両群G1の各車両について、保有期間データD14が格納される。具体的には、第1データベースDB1には、
図3に示すようなテーブルTB1が格納される。
【0033】
図3に示す例では、テーブルTB1は、「VIN」、「氏名」、「住所」、「状況」、「開始日」、及び「終了日」カラムを含む。「VIN」カラムには、車両識別データD11が格納される。具体的には、「VIN」カラムに、車台番号が格納される。「氏名」及び「住所」カラムには、保有者データD12が格納される。具体的には、「氏名」カラムに、保有者の氏名が格納される。「住所」カラムに、保有者の住所が格納される。「状況」カラムには、同意状況データD13が格納される。具体的には、「状況」カラムに、「同意」又は「拒否」を示すフラグが格納される。「同意」は、車両から得られる情報の開示に保有者が同意していることを示す。「拒否」は、そのような開示を保有者が拒否していることを示す。例えば、ある車両が旧保有者から中古車ディーラーを介して新保有者に譲渡されたことをサービスプロバイダが知り得ない場合は、当該車両の「状況」カラムに、旧保有者の意思としての「同意」又は「拒否」を示すフラグが格納されたままとなる。「開始日」及び「終了日」カラムには、保有期間データD14又はダミー期間データD15が格納される。具体的には、「開始日」カラムに、保有開始日が格納される。「終了日」カラムに、保有終了日又は固定日が格納される。例えば、ある車両が旧保有者から中古車ディーラーを介して新保有者に譲渡されたことをサービスプロバイダが知り得ない場合は、当該車両の「終了日」カラムに固定日が格納されたままとなる。すなわち、ダミー期間データD15が格納されたままとなる。一方、ある車両が旧保有者から正規ディーラーを介して新保有者に譲渡されたことをサービスプロバイダが知り得る場合は、当該車両の「終了日」カラムに格納されていた固定日がサービスプロバイダによって保有終了日で上書きされる。すなわち、ダミー期間データD15が上書きされて保有期間データD14が格納される。
【0034】
図3に示す例では、車台番号「ABC-001」から「ABC-004」及び「ABC-008」から「ABC-009」で識別される6台の車両が、第1車両群G1に相当する。車台番号「ABC-005」から「ABC-007」で識別される3台の車両が、第2車両群G2に相当する。
【0035】
通信部13は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部13は、情報処理装置100の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置100の動作によって得られるデータを送信する。
【0036】
情報処理装置100の機能は、本実施形態に係るプログラムを、制御部11としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、情報処理装置100の機能は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは、情報処理装置100の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを情報処理装置100として機能させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って情報処理装置100の動作を実行することにより情報処理装置100として機能する。
【0037】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROM等の可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0038】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0039】
情報処理装置100の一部又は全ての機能が、制御部11としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0040】
図1を参照して、本実施形態に係る管理システム30の構成を説明する。
【0041】
管理システム200は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0042】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部21は、管理システム200の各部を制御しながら、管理システム200の動作に関わる処理を実行する。
【0043】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、管理システム200の動作に用いられるデータと、管理システム200の動作によって得られたデータとが記憶される。第2データベースDB2は、本実施形態では記憶部22に構築されるが、外部のストレージに構築され、管理システム200に接続されてもよい。
【0044】
第2データベースDB2には、複数の車両の各車両について、1種類以上の登録手続きが行われた日付を手続日として示すとともに、行われた登録手続きの種類とを示すデータが登録手続きデータD22として格納される。本実施形態では、第2データベースDB2には、複数の車両の各車両について、車両識別データD21が更に格納される。車両識別データD21は、車両を識別するデータであり、具体的には、車両識別データD11と同じ車台番号を示す。具体的には、第2データベースDB2には、
図4に示すようなテーブルTB2が格納される。
【0045】
図4に示す例では、テーブルTB2は、「VIN」、「手続日」、及び「種類」カラムを含む。「VIN」カラムには、車両識別データD21が格納される。具体的には、「VIN」カラムに、車台番号が格納される。「手続日」及び「種類」カラムには、登録手続きデータD22が格納される。具体的には、「手続日」カラムに、手続日が格納される。「種類」カラムには、手続日に行われた登録手続きの種類を示す値が格納される。具体的な値として、「A001」は、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きを示す。「A002」は、抹消登録手続きを示す。
【0046】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、情報処理装置100の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置100の動作によって得られるデータを送信する。
【0047】
図5から
図8を参照して、本実施形態に係るシステムの動作を説明する。これらの動作は、本実施形態に係る情報処理方法に相当する。本実施形態に係る情報処理方法は、第1フェーズから第4フェーズに大別される。本実施形態に係る第1フェーズでは、情報処理装置100が管理システム200に要求データを送信する。本実施形態に係る第2フェーズでは、管理システム200が保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きを検知する。本実施形態に係る第3フェーズでは、管理システム200が抹消登録手続きを検知する。本実施形態に係る第4フェーズでは、情報処理装置100が管理システム200から応答データを受信した後に、保有終了日を算出する。
【0048】
図5を参照して、本実施形態に係る第1フェーズの処理について説明する。
【0049】
以下に説明するように、ステップS101からS104において、情報処理装置100の制御部11は、第1データベースDB1を参照し、照会車両データを取得する。
【0050】
ステップS101において、情報処理装置100の制御部11は、第1データベースD1を参照する。具体的には、制御部11は、
図3に示すようなテーブルTB1を参照する。
【0051】
ステップS102において、情報処理装置100の制御部11は、複数の車両の各車両について、対応する同意状況データD13で、車両から得られる情報の開示(以下、「情報開示」ともいう)に保有者が同意したことが示されているかどうかを判定する。具体的には、制御部11は、各車両について、テーブルTB1の「状況」カラムに「同意」を示すフラグが格納されているかどうかを判定する。制御部11は、いずれの車両についても、対応する同意状況データD13で、情報開示に保有者が同意したことが示されていない場合、すなわち、テーブルTB1の「状況」カラムに「同意」を示すフラグが格納されている車両がない場合は、処理を終了する。
図3に示す例では、車台番号「ABC-001」から「ABC-007」で識別される7台の車両について、「状況」カラムに「同意」を示すフラグが格納されている。したがって、制御部11は、これら7台の車両について、対応する同意状況データD13で情報開示に保有者が同意したことが示されていると判定する。
【0052】
ステップS103において、情報処理装置100の制御部11は、ステップS102で、対応する同意状況データD13で情報開示に保有者が同意したことが示されていると判定した車両のそれぞれについて、対応するダミー期間データD15で固定日が示されているかどうかを判定する。具体的には、制御部11は、テーブルTB1の「状況」カラムに「同意」を示すフラグが格納されている車両のそれぞれについて、テーブルTB1の「終了日」カラムに固定日が格納されているかどうかを判定する。いずれの車両についても、対応するダミー期間データD15で固定日が示されていない場合、すなわち、テーブルTB1の「状況」カラムに「同意」を示すフラグが格納され、かつテーブルTB1の「終了日」カラムに固定日が格納されている車両がない場合は、処理を終了する。
図3に示す例では、車台番号「ABC-001」から「ABC-007」で識別される7台の車両のうち、車台番号「ABC-005」から「ABC-007」で識別される3台の車両について、「終了日」カラムに固定日が格納されている。したがって、制御部11は、これら3台の車両について、対応するダミー期間データD15で固定日が示されていると判定する。
【0053】
ステップS104において、情報処理装置100の制御部11は、第2車両群G2の各車両について、対応する車両識別データD11を照会車両データとして取得する。第2車両群G2は、複数の車両のうち、ステップS102で、対応する同意状況データD13で情報開示に保有者が同意したことが示されていると判定され、かつステップS103で、対応するダミー期間データD15で固定日が示されていると判定された車両群である。具体的には、制御部11は、第2車両群G2の各車両について、テーブルTB1の「VIN」カラムに格納されている車台番号を取得する。制御部11は、第2車両群G2の車台番号を照会車両データとして取得する。
図3に示す例では、制御部11は、車台番号「ABC-005」から「ABC-007」を照会車両データとして記憶部12に記憶する。
【0054】
ステップS105において、情報処理装置100の制御部11は、ステップS104で取得した照会車両データを含む要求データを生成する。具体的には、制御部11は、記憶部12に記憶された照会車両データを含む要求データを、
図9に示すようなファイルQ1として生成する。本実施形態では、制御部11は、照会条件データを要求データに更に含める。照会条件データは、登録手続きの種類を指定する。
図9に示す例では、制御部11は、車台番号「ABC-005」から「ABC-007」を照会条件データとしてファイルQ1に含める。制御部11は、登録手続きの種類「A001」及び「A002」を示す照会条件フラグを照会条件データとしてファイルQ1に更に含める。制御部11は、
図9に示すように、車台番号及び照会条件フラグに加えて、要求日及びサービスフラグをファイルQ1に更に含める。要求日は、情報処理装置100から管理システム200にファイルQ1が送信される日付である。
図9に示す例では、いずれの車両についても、要求日が「2021/04/05」である。したがって、ファイルQ1は、2021年4月5日に、情報処理装置100から管理システム200に送信される。この場合、要求データが送信される単位期間は、2021年4月である。サービスフラグは、対応する車台番号で識別される車両に関連するサービスの種類を示す。本実施形態において、車両に関連するサービスは、車両から得られる情報の開示について保有者から個別に同意を得てデータ提供を行うサービス(以下、「車両データ提供サービス」ともいう)である。車両から得られる情報としては、走行データ、又は車両検査データ等の情報が挙げられる。
図9に示す例では、車台番号「ABC-005」から「ABC-007」に対応するサービスフラグの値「001」が車両データ提供サービスを示す。
【0055】
ステップS106において、情報処理装置100の通信部13は、ステップS105で生成された要求データを管理システム200に送信する。本実施形態では、情報処理装置100の制御部11は、単位期間ごとに、第1データベースDB1を参照して照会車両データを取得する。単位期間は、上述したとおり月である。つまり、制御部11は、月に1回、第1データベースDB1を参照して照会車両データを取得する。そのため、通信部13は、月に1回、要求データを送信する。
図9に示す例では、通信部13は、2021年4月の照会分として制御部11により生成されたファイルQ1を、2021年4月5日に管理システム200に送信する。
【0056】
図6を参照して、本実施形態に係る第2フェーズの処理について説明する。
【0057】
ステップS201において、管理システム200の通信部23は、情報処理装置100から送信されたファイルQ1を要求データとして受信する。
図9に示す例では、ファイルQ1には、登録手続きの種類「A001」を示す照会条件フラグが照会条件データとして含まれているため、管理システム200の制御部21は、ファイルQ1を記憶部22に記憶した後、ステップS202からS204の変更情報検知を開始する。変更情報検知とは、保有者の氏名変更及び保有者の住所変更の登録手続きを検知する動作のことである。
【0058】
ステップS202において、管理システム200の制御部21は、第2データベースDB2を参照して、ステップS201で受信されたファイルQ1に含まれる照会車両データで識別される車両、すなわち、第2車両群G2の各車両について、保有者の氏名変更の登録手続きが基準期間内に行われたかどうかを判定する。本実施形態では、基準期間は、ファイルQ1の送信日の属する月の前月である。
図9に示す例では、ファイルQ1の送信日は、2021年4月5日である。よって、基準期間は、2021年3月である。制御部21は、テーブルTB2を参照して、第2車両群G2のいずれの車両についても、保有者の氏名変更の登録手続きが2021年3月中に行われていない場合は、処理を終了する。
図4に示す例では、車台番号「ABC-006」で識別される車両について、テーブルTB2の「種類」カラムに「A001」、「手続日」カラムに「2021/03/20」が格納されている。したがって、制御部21は、この1台の車両について、保有者の氏名変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定する。
【0059】
ステップS203において、管理システム200の制御部21は、第2データベースDB2を参照して、ステップS201で受信されたファイルQ1に含まれる照会車両データで識別される車両、すなわち、第2車両群G2の各車両について、保有者の住所変更が基準期間内に行われたかどうかを判定する。
図9に示す例では、制御部21は、テーブルTB2を参照して、第2車両群G2のいずれの車両についても、保有者の住所変更の登録手続きが2021年3月中に行われていない場合は、処理を終了する。
図4に示す例では、車台番号「ABC-006」で識別される車両について、テーブルTB2の「種類」カラムに「A001」、「手続日」カラムに「2021/03/20」が格納されている。したがって、制御部21は、この1台の車両について、保有者の住所変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定する。
【0060】
図4に示す例では、保有者の氏名変更及び住所変更の両方の登録手続きが一括して行われるものとしているが、保有者の氏名変更の登録手続きと、保有者の住所変更の登録手続きとが別々に行われてもよい。その場合、ファイルQ1には、保有者の氏名変更の登録手続きを示す照会条件フラグと、保有者の住所変更の登録手続きを示す照会条件フラグとが照会条件データとして含まれていてもよい。テーブルTB2では、車台番号「ABC-006」で識別される車両について、「手続日」カラムに「2021/03/20」が格納されている2つのレコードが存在していてもよい。これら2つのレコードのうち、一方のレコードの「種類」カラムには、保有者の氏名変更の登録手続きを示す値、他方のレコードの「種類」カラムには、保有者の住所変更の登録手続きを示す値が格納されていてもよい。
【0061】
ステップS204において、管理システム200の制御部21は、ステップS202で、保有者の氏名変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定し、かつステップS203で、保有者の住所変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定した車両を識別する車台番号を、対象VINとして抽出する。具体的には、制御部21は、記憶部22に記憶されたファイルQ1に変更フラグを追加することで、ファイルQ1を
図10に示すようなファイルA1に変換する。変更フラグは、対応する車台番号で識別される車両について、保有者の氏名変更及び保有者の住所変更の登録手続きが行われていない場合は「0」、行われている場合は「1」を示す。
図10に示す例では、制御部21は、対象VINとして抽出した車台番号「ABC-006」で識別される車両について、「1」を示す変更フラグを追加する。制御部21は、対象VIN以外のVINである非対象VINに相当する車台番号「ABC-005」及び「ABC-007」で識別される車両について、「0」を示す変更フラグを追加する。
【0062】
図7を参照して、本実施形態に係る第3フェーズの処理について説明する。
【0063】
図9に示す例では、ファイルQ1には、登録手続きの種類「A002」を示す照会条件フラグも照会条件データとして含まれているため、管理システム200の制御部21は、第2フェーズの処理の後、ステップS301からS305の抹消登録検知を開始する。抹消登録検知とは、抹消登録手続きを検知する動作のことである。抹消登録検知は、第2フェーズの変更情報検知に代えて又は変更情報検知に加えて、実行されてよい。本実施形態では、抹消登録検知は、変更情報検知に加えて実行される。
【0064】
ステップS301からS303において、管理システム200の制御部21は、第2データベースDB2を参照して、ステップS201で受信されたファイルQ1に含まれる照会車両データで識別される車両、すなわち、第2車両群G2の各車両について、使用の一時中止、輸出、又は解体の登録手続きが基準期間内に行われたかどうかを判定する。
図9に示す例では、制御部21は、テーブルTB2を参照して、第2車両群G2のいずれの車両についても、使用の一時中止、輸出、又は解体の登録手続きが2021年3月中に行われていない場合は、処理を終了する。
図4に示す例では、車台番号「ABC-005」で識別される車両について、テーブルTB2の「種類」カラムに「A002」、「手続日」カラムに「2021/03/25」が格納されている。したがって、制御部21は、この1台の車両について、使用の一時中止、輸出、又は解体の登録手続きが基準期間内に行われたと判定する。
【0065】
図4に示す例では、説明を簡単にするために、使用の一時中止、輸出、及び解体の登録手続きを区別していないが、本実施形態では、これらの登録手続きが3種類の異なる登録手続きとして区別されているものとする。そのため、ファイルQ1には、使用の一時中止の登録手続きを示す照会条件フラグと、輸出の登録手続きを示す照会条件フラグと、解体の登録手続きを示す照会条件フラグとが照会条件データとして含まれている。テーブルTB2では、車台番号「ABC-005」で識別される車両について、「手続日」カラムに「2021/03/25」、「種類」カラムに、使用の一時中止の登録手続きを示す値、輸出の登録手続きを示す値、又は解体の登録手続きを示す値が格納されている。
【0066】
ステップS304において、管理システム200の制御部21は、ステップS301からS303で、使用の一時中止、輸出、又は解体の登録手続きが基準期間内に行われたと判定した車両を識別する車台番号を、対象VINとして抽出する。具体的には、制御部21は、記憶部22に記憶されたファイルA1に抹消フラグを追加することで、ファイルA1を更新する。抹消フラグは、対応する車台番号で識別される車両について、抹消登録手続きが行われていない場合は「0」が、行われている場合は「1」を示す。
図10に示す例では、制御部21は、対象VINとして抽出した車台番号「ABC-005」で識別される車両について、「1」を示す抹消フラグを追加する。制御部21は、対象VIN以外のVINである非対象VINに相当する車台番号「ABC-006」及び「ABC-007」で識別される車両について、「0」を示す抹消フラグを追加する。
【0067】
ステップS305において、管理システム200の制御部21は、第2車両群G2のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データD21を含む応答データを生成する。具体的には、制御部21は、記憶部22に記憶されたファイルA1に応答日を追加することで、ファイルA1を応答データとして更新する。応答日は、管理システム200から情報処理装置100にファイルA1が送信される日付である。
図10に示す例では、いずれの車両についても、応答日が「2021/04/10」である。したがって、ファイルA1は、2021年4月10日に、管理システム200から情報処理装置100に送信される。
【0068】
ステップS306において、管理システム200の通信部23は、ネットワーク40を介して、ステップS306で生成された応答データを情報処理装置100に送信する。
図10に示す例では、通信部23は、記憶部22に記憶されたファイルA1を、2021年4月10日に情報処理装置100に送信する。
【0069】
本実施形態では、変更情報検知が完了してから、抹消登録検知が実行されるが、変更情報検知と抹消登録検知とは、逆順又は同時に実行されてもよい。
【0070】
図8を参照して、本実施形態に係る第4フェーズの処理について説明する。
【0071】
ステップS401において、情報処理装置100の通信部13は、管理システム200から送信された応答データを受信する。具体的には、通信部13は、ステップS306で送信されたファイルA1を応答データとして受信する。
【0072】
ステップS402において、情報処理装置100の制御部11は、通信部13により受信された応答データを参照して、第2車両群G2の各車両について、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きが基準期間内に行われたかどうかを判定する。制御部11は、第2車両群G2のいずれの車両についても、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きが基準期間内に行われていないと判定した場合は、ステップS403に進む。具体的には、制御部11は、ファイルA1を参照して、第2車両群G2のいずれの車両についても、対応する変更フラグが「0」を示している場合は、ステップS403に進む。一方、制御部11は、第2車両群G2のうち少なくとも1台の車両について、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定した場合は、ステップS404に進む。具体的には、制御部11は、ファイルA1を参照して、第2車両群G2のうち少なくとも1台の車両について、対応する変更フラグが「1」を示している場合は、ステップS404に進む。
図10に示す例では、車台番号「ABC-006」で識別される車両について、ファイルA1の変更フラグが「1」を示している。したがって、制御部21は、この1台の車両について、保有者の氏名変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定する。
【0073】
ステップS403において、情報処理装置100の制御部11は、応答データを参照して、第2車両群G2の各車両について、抹消登録手続きが基準期間内に行われたかどうかを判定する。制御部11は、第2車両群G2のいずれの車両についても、抹消登録手続きが基準期間内に行われていないと判定した場合は、処理を終了する。具体的には、制御部11は、ファイルA1を参照して、第2車両群G2のいずれの車両についても、対応する抹消フラグが「0」を示している場合は、処理を終了する。一方、制御部11は、第2車両群G2のうち少なくとも1台の車両について、抹消登録手続きが基準期間内に行われたと判定した場合は、ステップS404に進む。具体的には、制御部11は、ファイルA1を参照して、第2車両群G2のうち少なくとも1台の車両について、対応する抹消フラグが「1」を示している場合は、ステップS404に進む。
図10に示す例では、車台番号「ABC-005」で識別される車両について、ファイルA1の抹消フラグが「1」を示している。したがって、制御部11は、仮にステップS403に進んだとすると、この1台の車両について、抹消登録手続きが基準期間内に行われたと判定する。
【0074】
ステップS404において、情報処理装置100の制御部11は、応答データを参照して、第2車両群G2のうち、ステップS402で、保有者の氏名変更及び住所変更の登録手続きが基準期間内に行われたと判定した車両と、ステップS403で、抹消登録手続きが基準期間内に行われたと判定した車両との各車両について、車両識別データD21を取得する。具体的には、制御部11は、ファイルA1を参照して、対応する変更フラグが「1」を示している車両と、対応する抹消フラグが「1」を示している車両との各車両の車台番号及び対応する応答日を取得する。
図10に示す例では、制御部11は、車台番号「ABC-005」及び「ABC-006」、並びに応答日「2021/04/10」を取得する。
【0075】
ステップS405において、情報処理装置100の制御部11は、基準期間に基づき、通信部13により受信された応答データに含まれる車両識別データD21で識別される車両について、対応する保有終了日を算出する。本実施形態では、制御部11は、応答データに含まれる車両識別データD21で識別される車両について、基準期間の末日を、対応する保有終了日として算出する。具体的には、制御部11は、ステップS404で取得した車台番号で識別される車両について、ステップS404で取得した応答日の属する月の前月末日に相当する日付を算出する。
図10の例では、車台番号「ABC-005」及び「ABC-006」で識別される車両について、2021年4月10日の属する月の前月末日、すなわち、2021年3月31日が、対応する保有終了日として算出される。
【0076】
ステップS406において、情報処理装置100の制御部11は、第1データベースDB1を参照して、応答データに含まれる車両識別データD21で識別される車両について、対応する保有期間データD14又はダミー期間データD15を取得する。具体的には、制御部11は、ステップS404で取得した車台番号で識別される車両について、テーブルTB1の「終了日」カラムに格納されている日付を取得する。
図3に示す例では、テーブルTB1において、車台番号「ABC-005」及び「ABC-006」で識別される2台の車両について、「終了日」カラムに格納されている固定日「9999/12/31」が取得される。
【0077】
ステップS407において、情報処理装置100の制御部11は、応答データに含まれる車両識別データD21で識別される車両について、対応する保有期間データD14が第1データベースDB1に格納されているかどうかを判定する。制御部11は、少なくとも1台の車両について、ステップS406で、対応するダミー期間データD15を取得していた場合、当該少なくとも1台の車両について、対応する保有期間データD14が第1データベースDB1に格納されていないと判定する。そして、制御部11は、当該少なくとも1台の車両について、ステップS405で算出した保有終了日を示すデータを、対応する保有期間データD14として第1データベースDB1に追加する。すなわち、制御部11は、当該少なくとも1台の車両について、対応するダミー期間データD15を、ステップS405で算出した保有終了日を示すデータで上書き更新する。具体的には、制御部11は、ステップS404で取得した車台番号で識別される車両について、テーブルTB1の「終了日」カラムに格納されている日付が固定日である場合に、「終了日」カラムに格納されている日付を、ステップS405で算出した保有終了日に置き換える。一方、制御部11は、1台の車両についても、ステップS406で、対応するダミー期間データD15を取得していなかった場合、車両識別データD21で識別される車両について、対応する保有期間データD14が第1データベースDB1に格納されていると判定する。そして、制御部11は、処理を終了する。具体的には、制御部11は、ステップS404で取得した車台番号で識別される車両について、テーブルTB1の「終了日」カラムに格納されている日付が固定日でない場合に、処理を終了する。
図3に示す例では、テーブルTB1において、車台番号「ABC-005」及び「ABC-006」で識別される2台の車両について、「終了日」カラムが、固定日「9999/12/31」から、ステップS405で算出された日付「2021/03/31」に上書き更新される。つまり、本実施形態では、登録手続きが行われた実際の日付の代わりに、ステップS405で算出された日付、すなわち、応答日の属する月の前月末日に相当する日付を、保有終了日と擬制している。
【0078】
情報処理装置100から管理システム200に要求データが送信される「要求日」から、情報処理装置100がステップS407の判定を行うまでに、1日以上のタイムラグが生じることがある。このタイムラグの期間に、第2車両群G2のいずれかの車両について、保有者が変更され、該当車両に対応するダミー期間データD15が、実際の保有終了日を示すデータに変更されることがある。このような場合に、本実施形態では、該当車両について、実際の保有終了日が、ステップS405で算出された保有終了日で上書きされるという事態を回避することができる。
【0079】
上述したとおり、本実施形態に係る情報処理装置100は、第2車両群G2の各車両のうち、ある種類の登録手続きが基準期間内に行われた車両の車両識別データD21を含む応答データを管理システム200から受信する。情報処理装置100は、基準期間に基づき、受信された応答データに含まれる車両識別データD21で識別される車両について、対応する保有終了日を算出する。
【0080】
本実施形態によれば、第2車両群G2の各車両について、保有者の変更を実質的に検知し得る。したがって、同意期間を適切に管理することができる。その結果、車両から得られる情報の望ましくない開示を回避しやすくすることができる。
【0081】
図11を参照して、本実施形態の一変形例である第2実施形態の概要を説明する。
【0082】
本実施形態において、情報処理装置100は、
図11に示すように、第1データベースDB1及び第2データベースDB2に格納されたデータに加えて、第3データベースDB3に格納されたデータも利用する。
【0083】
第3データベースDB3には、複数の車両の各車両について、車両識別データD31と、契約状況データD32とが格納される。車両識別データD31は、車両を識別するデータであり、具体的には、車両識別データD11と同じ車台番号を示す。契約状況データD32は、車両に付帯するサービスを保有者が契約中かどうかを示す。情報処理装置100は、第3データベースDB3を参照し、複数の車両のうち、対応する契約状況データD32で車両に付帯するサービス(以下、「付帯サービス」ともいう)を保有者が契約中であることが示されている第3車両群G3の各車両について、対応する車両識別データを、重複を避けて追加の照会車両データとして要求データに含める。第3データベースDB3は、本実施形態では記憶部12に構築されるが、外部のストレージに構築され、情報処理装置100に接続されてもよい。
【0084】
図12を参照して、本実施形態に係る第1フェーズの処理に含まれる、
図5に示すステップS105の詳細な処理手順について、第1実施形態との差異を説明する。
【0085】
ステップS501において、情報処理装置100の制御部11は、第3データベースDB3を参照して、第3車両群G3の各車両の車台番号(以下、「サービス契約中VIN」ともいう)を取得する。具体的には、制御部11は、契約状況データD32で付帯サービスの契約があることが示される車両の車台番号、例えば、「ABC-005」から「ABC-007」及び「ABC-010」を、サービス契約中VINとして取得する。
【0086】
ステップS502において、情報処理装置100の制御部11は、サービス契約中VINと、ステップS104で取得した照会車両データに含まれる第2車両群G2の車台番号とを統合する。例えば、制御部11は、サービス契約中VIN「ABC-005」、「ABC-006」、「ABC-007」、及び「ABC-010」と、第2車両群G2の車台番号「ABC-005」、「ABC-006」、及び「ABC-007」とを並べたリストを生成する。
【0087】
ステップS503において、情報処理装置100の制御部11は、ステップS502で生成したリスト内のVINの重複を回避するために、リストから1つの重複VINを除く。ステップS504において、制御部11は、リストの中に他にも重複VINがあるかどうかを判定する。制御部11は、リストの中にそれ以上重複VINがないと判定するまでステップS503及びS504の処理を繰り返す。例えば、制御部11は、第2車両群G2の車台番号「ABC-005」、「ABC-006」、及び「ABC-007」と重複するサービス契約中VIN「ABC-005」、「ABC-006」、及び「ABC-007」をリストから削除する。
【0088】
本実施形態では、ステップS501からS504の処理を実行することで得られたリストが照会車両データとして要求データに含められる。具体的には、制御部11は、要求データを、
図13に示すようなファイルQ2として生成する。
図13に示す例では、制御部11は、
図9に示す例と同じ照会条件データのほかに、車台番号「ABC-010」を追加の照会車両データとしてファイルQ2に含める。
図13に示す例では、
図9に示す例と同じように、いずれの車両についても、要求日が「2021/04/05」である。したがって、ファイルQ2は、2021年4月5日に、情報処理装置100から管理システム200に送信される。本実施形態では、車両に関連するサービスとして、車両データ提供サービスのほかに、付帯サービスがある。
図13に示す例では、車台番号「ABC-010」に対応するサービスフラグの値「002」が付帯サービスを示す。
【0089】
このように、ステップS501からS504を実行することにより、制御部11は、複数の車両のうち、対応する契約状況データD32で車両に付帯するサービスを保有者が契約中であることが示されている第3車両群G3の各車両について、対応する車両識別データD31を、重複を避けて追加の照会車両データとして要求データに含める。
【0090】
図12に示す動作は、本実施形態では情報処理装置100の制御部11によって実行されるが、情報処理装置100とは別の装置によって実行されてもよい。この装置は、例えば、ネットワーク40を介して情報処理装置100及び管理システム200と通信可能な、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータであってよい。
【0091】
本実施形態に係る第4フェーズの処理に含まれる、
図8に示すステップS407の詳細な処理手順について、第1実施形態との差異を説明する。
【0092】
本実施形態において、情報処理装置100の通信部13は、ステップS401において、
図14に示すようなファイルA3を応答データとして受信する。情報処理装置100の制御部11は、ステップS402からS406を経て、ステップS407において、応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、第3データベースDB3に格納されている契約状況データD32を更新する。具体的には、制御部11は、ファイルA3を参照して、第3車両群G3のうち少なくとも1台の車両について、対応する変更フラグ又は抹消フラグが「1」を示している場合に、第3データベースDB3に格納された契約状況データD32により、付帯ービスを保有者が契約中であることが示されたままかどうかを判定する。
図14に示す例では、制御部11は、車台番号「ABC-005」、「ABC-006」、及び「ABC-010」で識別される車両について、対応する変更フラグ又は抹消フラグが「1」を示している。この場合、制御部11は、これらの3台の車両について、第3データベースDB3に格納された契約状況データD32により、付帯サービスを保有者が契約中であることが示されたままかどうかを判定する。例えば、車台番号「ABC-005」で識別される車両について、契約状況データD32により、付帯サービスを保有者が契約中であることが示されたままであると判定された場合は、制御部11は、当該車両の契約状況データD32を、付帯サービスを保有者が契約中でないことを示すデータに更新する。
【0093】
上述したとおり、本実施形態に係る情報処理装置100の制御部11は、管理システム200から受信された応答データに含まれる車両識別データで識別される車両について、第3データベースDB3に格納されている契約状況データD32を、付帯サービスを保有者が契約中でないことを示すデータに更新する。
【0094】
本実施形態によれば、第3車両群G3の各車両についても、保有者の変更を実質的に検知し得る。したがって、第3車両群G3の各車両について、契約状況データD32を最新の状態に維持し、車両に付帯するサービスの契約期間を適切に管理することができる。その結果、車両から得られる情報の望ましくない開示を回避しやすくすることができる。
【0095】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の2つ以上のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の2つ以上のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0096】
11、21 制御部
12、22 記憶部
13、23 通信部
40 ネットワーク
100 情報処理装置
200 管理システム
G1 第1車両群
G2 第2車両群
G3 第3車両群
DB1 第1データベース
DB2 第2データベース
DB3 第3データベース
D11、D21、D31 車両識別データ
D12 保有者データ
D13 同意状況データ
D14 保有期間データ
D22 登録手続きデータ
D32 契約状況データ
TB1、TB2、TB3 テーブル
Q1、Q2 ファイル
A1、A3 ファイル