(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】移載装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240611BHJP
B65G 47/82 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G47/82 F
(21)【出願番号】P 2021182466
(22)【出願日】2021-11-09
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩章
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】木村 和誠
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-189711(JP,A)
【文献】国際公開第2021/047167(WO,A1)
【文献】特開2000-118625(JP,A)
【文献】特開2011-207616(JP,A)
【文献】特開平06-345214(JP,A)
【文献】特開2016-060623(JP,A)
【文献】米国特許第11407587(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0141349(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持する支持部と移載対象箇所との間で移載方向に沿って前記物品を移動させる移載動作を行う移載装置であって、
上下方向に沿う上下方向視で前記移載方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、前記幅方向の他方側を幅方向第2側として、
前記移載方向に沿って前記支持部に対して出退移動する第1出退部と、
前記第1出退部に対して前記幅方向第2側に配置されており、前記移載方向に沿って前記支持部に対して出退移動する第2出退部と、
前記第1出退部に支持されており、前記移載方向に沿う第1軸心周りに揺動することで第1退避姿勢と第1突出姿勢とに姿勢変更する第1フックと、
前記第2出退部に支持されており、前記移載方向に沿う第2軸心周りに揺動することで第2退避姿勢と第2突出姿勢とに姿勢変更する第2フックと、を備え、
前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を備え、
前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を備え、
前記第1退避姿勢は、前記第1フックが前記上下方向に沿うと共に、前記第1フックの先端部である第1先端部が前記第1軸心よりも上側に配置され、前記移載方向に沿う移載方向視で前記第1フックが前記物品と重複しない姿勢であり、
前記第1突出姿勢は、前記第1先端部が前記第1退避姿勢における前記第1先端部の位置よりも前記幅方向第2側に配置され、前記移載方向視で前記第1フックが前記物品と重複する姿勢であり、
前記第2退避姿勢は、前記第2フックが前記上下方向に沿うと共に、前記第2フックの先端部である第2先端部が前記第2軸心よりも上側に配置され、前記移載方向視で前記第2フックが前記物品と重複しない姿勢であり、
前記第2突出姿勢は、前記第2先端部が前記第2退避姿勢における前記第2先端部の位置よりも前記幅方向第1側に配置され、前記移載方向視で前記第2フックが前記物品と重複する姿勢であり、
前記第1退避姿勢における前記第1フックの前記幅方向第2側の端縁を第1側縁部とし、前記第2退避姿勢における前記第2フックの前記幅方向第1側の端縁を第2側縁部として、
前記第1側縁部は、前記第1退避姿勢において、前記第1対向面の上端部よりも前記第1軸心の側の領域である第1基部側領域と、前記第1対向面の上端部よりも前記第1先端部の側の領域である第1先端側領域と、を備え、
前記第1退避姿勢において、前記第1基部側領域は、前記第1対向面に沿う直線状に形成され、前記第1先端側領域は、前記第1基部側領域から連続して形成されていると共に、前記第1基部側領域に対して前記幅方向第1側に配置され、その全体が、前記第1先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第1側へ向かうように、前記第1側縁部が湾曲又は屈曲した形状とされており、
前記第2側縁部は、前記第2退避姿勢において、前記第2対向面の上端部よりも前記第2軸心の側の領域である第2基部側領域と、前記第2対向面の上端部よりも前記第2先端部の側の領域である第2先端側領域と、を備え、
前記第2退避姿勢において、前記第2基部側領域は、前記第2対向面に沿う直線状に形成され、前記第2先端側領域は、前記第2基部側領域から連続して形成されていると共に、前記第2基部側領域に対して前記幅方向第2側に配置され、その全体が、前記第2先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第2側へ向かうように、前記第2側縁部が湾曲又は屈曲した形状とされている、移載装置
【請求項2】
前記第1出退部と前記第2出退部との前記幅方向の間隔を変更する間隔変更機構を更に備え、
前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を備え、
前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を備え、
前記第1側面が前記第1対向面の上端部よりも上側において前記幅方向第1側に突出するように形成されていると共に前記第2側面が前記第2対向面の上端部よりも上側において前記幅方向第2側に突出するように形成された前記物品を特定物品として、
前記第1対向面が前記特定物品の前記第1側面に接した状態で、前記第1退避姿勢において、前記第1側縁部は、前記移載方向視で前記特定物品の前記第1側面よりも前記幅方向第1側に配置され、
前記第2対向面が前記特定物品の前記第2側面に接した状態で、前記第2退避姿勢において、前記第2側縁部は、前記移載方向視で前記特定物品の前記第2側面よりも前記幅方向第2側に配置されている、請求項
1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を形成する第1本体部と、前記第1本体部を出退移動させる第1出退機構と、を備え、
前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を形成する第2本体部と、前記第2本体部を出退移動させる第2出退機構と、を備え、
前記第1退避姿勢において、前記第1フックにおける、前記第1本体部の上端よりも下側の部分が、前記第1本体部に対して前記移載方向に相対移動する前記第1出退機構と干渉しないように配置され、
前記第2退避姿勢において、前記第2フックにおける、前記第2本体部の上端よりも下側の部分が、前記第2本体部に対して前記移載方向に相対移動する前記第2出退機構と干渉しないように配置されている、請求項1
又は2に記載の移載装置。
【請求項4】
前記第1退避姿勢の前記第1フックに対して前記幅方向第1側から当接する第1ストッパと、前記第2退避姿勢の前記第2フックに対して前記幅方向第2側から当接する第2ストッパと、を更に備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載の移載装置。
【請求項5】
前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を形成する第1本体部を備え、
前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を形成する第2本体部を備え、
前記第1本体部の上部に第1延長部材が取り付けられており、
前記第1延長部材は、前記第1対向面と同じ前記幅方向の位置で、前記第1対向面と平行に前記第1対向面から上側に延在するように配置された第3対向面を備え、
前記第2本体部の上部に第2延長部材が取り付けられており、
前記第2延長部材は、前記第2対向面と同じ前記幅方向の位置で、前記第2対向面と平行に前記第2対向面から上側に延在するように配置された第4対向面を備える、請求項1から
4のいずれか一項に記載の移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を支持する支持部と移載対象箇所との間で移載方向に沿って前記物品を移動させる移載動作を行う移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような移載装置の一例が、特開2012-184085号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号又は名称は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の移載装置は、移載方向(前後方向Y)に出退する一対の出退部(一対の進退部材2)と、一対の出退部の移載方向両端のそれぞれに取り付けられたフック(3)と、を備えている。フック(3)は、移載方向に沿う軸心周りに旋回可能に構成されており、移載方向に直交する幅方向(左右方向X)に突出した突出姿勢で、物品(荷物W)の移載方向を向く面に引っ掛かるように構成されている。この移載装置(1)は、このようにフック(3)を移載対象の物品に引っ掛けて、一対の出退部(2)を移載方向に出退させることで、物品を荷物収容棚(7)との間で移載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の移載装置では、フック(3)は直線的な棒状に形成されている。このため、フック(3)が上下方向に沿う退避姿勢の状態において、移載対象の物品の形状やサイズによっては、フック(3)が物品と干渉してしまう可能性がある。例えば、物品の形状が、上側に向かうに従って幅方向の外側に広がるテーパー状の形状であれば、退避姿勢のフック(3)の先端の領域が、物品の上部に接触してしまう場合がある。このような場合、移載装置(1)は、当該物品を自己と移載対象箇所との間で適切に移載できないことがある。
【0006】
そこで、フックが物品に干渉することなく、物品を適切に移載できる移載装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、移載装置の特徴構成は、物品を支持する支持部と移載対象箇所との間で移載方向に沿って前記物品を移動させる移載動作を行う移載装置であって、上下方向に沿う上下方向視で前記移載方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、前記幅方向の他方側を幅方向第2側として、前記移載方向に沿って前記支持部に対して出退移動する第1出退部と、前記第1出退部に対して前記幅方向第2側に配置されており、前記移載方向に沿って前記支持部に対して出退移動する第2出退部と、前記第1出退部に支持されており、前記移載方向に沿う第1軸心周りに揺動することで第1退避姿勢と第1突出姿勢とに姿勢変更する第1フックと、前記第2出退部に支持されており、前記移載方向に沿う第2軸心周りに揺動することで第2退避姿勢と第2突出姿勢とに姿勢変更する第2フックと、を備え、前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を備え、前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を備え、前記第1退避姿勢は、前記第1フックが前記上下方向に沿うと共に、前記第1フックの先端部である第1先端部が前記第1軸心よりも上側に配置され、前記移載方向に沿う移載方向視で前記第1フックが前記物品と重複しない姿勢であり、前記第1突出姿勢は、前記第1先端部が前記第1退避姿勢における前記第1先端部の位置よりも前記幅方向第2側に配置され、前記移載方向視で前記第1フックが前記物品と重複する姿勢であり、前記第2退避姿勢は、前記第2フックが前記上下方向に沿うと共に、前記第2フックの先端部である第2先端部が前記第2軸心よりも上側に配置され、前記移載方向視で前記第2フックが前記物品と重複しない姿勢であり、前記第2突出姿勢は、前記第2先端部が前記第2退避姿勢における前記第2先端部の位置よりも前記幅方向第1側に配置され、前記移載方向視で前記第2フックが前記物品と重複する姿勢であり、前記第1退避姿勢における前記第1フックの前記幅方向第2側の端縁を第1側縁部とし、前記第2退避姿勢における前記第2フックの前記幅方向第1側の端縁を第2側縁部として、
前記第1側縁部は、前記第1退避姿勢において、前記第1対向面の上端部よりも前記第1軸心の側の領域である第1基部側領域と、前記第1対向面の上端部よりも前記第1先端部の側の領域である第1先端側領域と、を備え、前記第1退避姿勢において、前記第1基部側領域は、前記第1対向面に沿う直線状に形成され、前記第1先端側領域は、前記第1基部側領域から連続して形成されていると共に、前記第1基部側領域に対して前記幅方向第1側に配置され、その全体が、前記第1先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第1側へ向かうように、前記第1側縁部が湾曲又は屈曲した形状とされており、
前記第2側縁部は、前記第2退避姿勢において、前記第2対向面の上端部よりも前記第2軸心の側の領域である第2基部側領域と、前記第2対向面の上端部よりも前記第2先端部の側の領域である第2先端側領域と、を備え、前記第2退避姿勢において、前記第2基部側領域は、前記第2対向面に沿う直線状に形成され、前記第2先端側領域は、前記第2基部側領域から連続して形成されていると共に、前記第2基部側領域に対して前記幅方向第2側に配置され、その全体が、前記第2先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第2側へ向かうように、前記第2側縁部が湾曲又は屈曲した形状とされている。
【0008】
移載装置により移載される物品には、上部の幅方向の寸法が、下部の幅方向の寸法よりも大きい物品がある。本構成によれば、このような物品に対し、退避姿勢の第1フックの先端側の領域及び第2フックの先端側の領域が干渉することを回避し易い。
また、このような干渉を回避するために、退避姿勢において、第1フック及び第2フックを必要以上に幅方向の外側に揺動させる必要がない。よって、退避姿勢と突出姿勢との間の姿勢変更のための、第1フックと第2フックとのそれぞれの揺動量を少なく抑えることができる。これにより、第1フック及び第2フックの姿勢変更に要する時間の短縮を図りやすい。
本構成によれば、第1フックの第1基部側領域は、第1退避姿勢において第1対向面に沿う直線状に形成されていることにより、物品の側に突出することがなく、物品との干渉を回避することができる。同様に、第2フックの第2基部側領域も、第2退避姿勢において第2対向面に沿う直線状に形成されていることにより、物品の側に突出することがなく、物品との干渉を回避することができる。一方、第1フックにおける、第1対向面の上端よりも上側の部分である第1先端側領域は、第1先端部の側へ向かうに従って次第に幅方向外側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされていることにより、上部の幅方向寸法が下部の幅方向寸法よりも大きい物品に対して、第1フックの第1先端側領域が干渉することを適切に回避できる。同様に、第2フックにおける、第2対向面の上端よりも上側の部分である第2先端側領域も、第2先端部の側へ向かうに従って次第に幅方向外側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされていることにより、上部の幅方向寸法が下部の幅方向寸法よりも大きい物品に対して、第2フックの第2先端側領域が干渉することを適切に回避できる。
【0009】
移載装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】出退部を引退状態とした場合における移載装置の斜視図
【
図3】出退部を突出状態とした場合における移載装置の斜視図
【
図4】フックを退避姿勢とした場合における移載方向視図
【
図5】フックを突出姿勢とした場合における移載方向視図
【
図10】第2実施形態に係る移載装置の移載方向視図
【
図11】別実施形態に係るフックの形状を示す移載方向視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
移載装置は、物品の移載動作を行う装置である。以下、物品の搬送や保管が行われる物品搬送設備に、当該移載装置を備えた物品搬送車10が設けられている場合を例示して、移載装置の実施形態について説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
まず、移載装置1の第1実施形態について説明する。
【0013】
1.物品搬送設備の概要
図1に示すように、物品搬送設備100には、移載装置1を備えた物品搬送車10と、複数の収容部13を備えた物品収容棚2と、が設けられている。
【0014】
物品搬送車10は、水平面内における特定の方向に、物品Wを搬送するように構成されている。本実施形態では、物品搬送車10は、物品収容棚2の前面に沿って物品Wを搬送するように構成されている。また本実施形態では、物品収容棚2は上下方向に複数段の棚板13Aを備えた複数段構造となっている。そして、物品搬送車10は、物品収容棚2における各段に配置されている。なお、
図1では、複数の物品搬送車10のうちの、物品収容棚2の最上段に設けられた物品搬送車10のみを示している。
【0015】
物品収容棚2は、上下方向及び物品搬送車10の走行経路の延在方向に沿って配置された、複数の収容部13を備えている。各収容部13は、物品搬送車10から搬送された物品Wを収容するように構成されている。本実施形態では、物品収容棚2は、棚奥行方向及び物品搬送車10の走行経路の延在方向に沿うように配置された棚板13Aを、上下方向に複数備えており、各棚板13Aが収容部13を構成している。物品Wは、棚板13Aに載置されることによって収容部13に収容される。本実施形態では、このような物品収容棚2が一対設けられている。一対の物品収容棚2は、物品搬送車10の走行経路を挟んで棚奥行方向に対向するように配置されている。なお、本実施形態では、棚奥行方向は、上下方向視で、物品搬送車10の走行経路の延在方向に直交する方向である。
【0016】
本実施形態では、物品搬送設備100には、物品収容棚2へ物品Wを入庫するための各種装置が設けられている。具体的には、物品搬送設備100には、入庫用コンベヤ9と、入庫用リフト4と、入庫用中継コンベヤ3と、が設けられている。入庫用コンベヤ9は、物品収容棚2へ入庫される物品Wを外部から搬送するように構成されている。入庫用リフト4は、入庫用コンベヤ9から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを昇降させて入庫用中継コンベヤ3に引き渡すように構成されている。入庫用中継コンベヤ3は、入庫用リフト4から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを物品搬送車10へ引き渡すように構成されている。本例では、入庫用中継コンベヤ3は、物品収容棚2における各段に設けられている。入庫用リフト4は、物品Wを昇降させることによって、各段の入庫用中継コンベヤ3に対して物品Wを引き渡すことが可能となっている。
【0017】
本実施形態では、物品搬送設備100には、物品収容棚2へ物品Wを出庫するための各種装置が設けられている。具体的には、物品搬送設備100には、出庫用コンベヤ14と、出庫用リフト7と、出庫用中継コンベヤ8と、が設けられている。出庫用中継コンベヤ8は、物品搬送車10から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを出庫用リフト7へ引き渡すように構成されている。本例では、出庫用中継コンベヤ8は、物品収容棚2における各段に設けられている。出庫用リフト7は、昇降自在に構成されている。そして、出庫用リフト7は、昇降することによって各段の出庫用中継コンベヤ8から物品Wを受け取ることが可能であると共に、当該物品Wを出庫用コンベヤ14に対して引き渡すように構成されている。出庫用コンベヤ14は、出庫用リフト7から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを外部へ搬送するように構成されている。
【0018】
2.物品搬送車の概要
図2及び
図3に示すように、物品搬送車10は、支持部21と移載装置1とを備えている。移載装置1は、物品Wを支持する支持部21と移載対象箇所11との間で移載方向Yに沿って物品Wを移動させる移載動作を行うように構成されている。これにより、移載装置1は、支持部21と移載対象箇所11との間で物品Wを移載する。本実施形態では、支持部21は、物品搬送車10に設けられている。移載対象箇所11としては、収容部13、入庫用中継コンベヤ3、及び出庫用中継コンベヤ8が挙げられる。
【0019】
以下では、移載装置1が移載動作を行う場合に物品Wが移動する方向を「移載方向Y」とし、移載方向Yの一方側を「移載方向第1側Y1」とし、移載方向Yの他方側を「移載方向第2側Y2」とする。そして、上下方向に沿う上下方向視で移載方向Yに直交する方向を「幅方向X」とし、幅方向Xの一方側を「幅方向第1側X1」とし、幅方向Xの他方側を「幅方向第2側X2」とする。
【0020】
本実施形態では、物品搬送車10は、幅方向Xに沿って走行する走行体12(
図1参照)と、走行体12を駆動する走行モータ12M(
図8参照)と、を備えている。走行体12は、走行モータ12Mにより駆動されて、幅方向Xに沿って走行するように構成されている。本例では、走行体12に、支持部21と移載装置1とが支持されている。
【0021】
本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、支持部21は、物品Wを下方から支持する支持板21aを備えている。支持板21aは、後述する第1出退部31及び第2出退部41のそれぞれに対応して設けられている。そして、支持板21aは、第1出退部31及び第2出退部41のそれぞれに対して、幅方向Xの内側にそれぞれ配置されている(
図4参照)。本例では、幅方向Xに分かれて配置された一対の支持板21aの上に、物品Wが載置される。そして、物品Wは、一対の支持板21aに支持された状態で、物品搬送車10により幅方向Xに搬送される。
【0022】
3.移載装置
図2及び
図3に示すように、移載装置1は、第1出退部31と、第2出退部41と、第1フック5と、第2フック6と、を備えている。本実施形態では、移載装置1は、間隔変更機構80を更に備えている。
【0023】
3-1.第1出退部
第1出退部31は、第1フック5を、移載方向Yに沿って支持部21に対して出退移動させる役割を果たす。また、第1出退部31は、第2出退部41と共に、物品Wの幅方向Xへの移動を規制し、物品Wの移載方向Yへの移動を案内する役割を果たす。
図2及び
図3に示すように、第1出退部31は、移載方向Yに沿って支持部21に対して出退移動するように構成されている。本実施形態では、第1出退部31は、支持部21に対して移載方向第1側Y1に突出した状態と、支持部21に対して移載方向第2側Y2に突出した状態と、の双方の状態となり得るように出退移動する。以下では、第1出退部31の具体的な構成について説明する。
【0024】
本実施形態では、
図2、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1出退部31は、物品Wにおける幅方向第1側X1を向く第1側面71に対向する第1対向面32を備えている。本例では、第1対向面32は、支持部21に支持されている物品Wの第1側面71と対向し、支持部21に対して移載方向Yに移動している物品Wの第1側面71とも対向する。また、第1出退部31は、物品Wにおける幅方向第1側X1を向く第1側面71に対向する第1対向面32を形成する第1本体部33と、第1本体部33を出退移動させる第1出退機構38と、を備えている。本例では、第1本体部33は、移載方向Y及び上下方向に延在する板状部分を有する部材である。そして、第1本体部33の幅方向第2側X2を向く面に、第1対向面32が形成されている。第1出退機構38は、第1固定部35と、第1本体部33と第1固定部35との間に設けられた第1中継部36と、第1中継部36と第1本体部33とを連動させる第1連動部37と、を備えている。
【0025】
本例では、第1固定部35は、走行体12に固定されている。第1中継部36は、第1固定部35に対して移載方向Yに沿って移動自在に支持されている。第1本体部33は、第1中継部36に対して移載方向Yに沿って移動自在に支持されている。第1連動部37は、第1中継部36が第1固定部35に対して移載方向Yに沿って出退移動した場合に、第1中継部36が移動した側と同じ側に、第1本体部33を第1中継部36に対して移動させるように構成されている。図示の例では、第1本体部33は、直動案内機構15を介して第1中継部36に支持されている。同様に、第1中継部36は、直動案内機構15を介して第1固定部35に支持されている。すなわち、第1本体部33と第1中継部36とは、直動案内機構15に案内されて移載方向Yに出退移動する。
【0026】
図3、
図4及び
図5に示すように、本例では、第1出退部31は、第1駆動機構34を更に備えている。第1駆動機構34は、駆動軸34aと、駆動軸34aを回転駆動する出退モータ34M(
図8参照)と、移載方向Yに沿って配置されると共に駆動軸34aの回転によって回動する第1ベルト34bと、第1中継部36に設けられると共に第1ベルト34bに噛み合う第1ラック34cと、を備えている(
図4及び
図5参照)。第1駆動機構34は、出退モータ34Mによって駆動軸34aを回転駆動して、第1ベルト34bをその長手方向(移載方向Y)に沿って回動させる。これにより、第1駆動機構34は、第1本体部33と第1中継部36とを移載方向Yの同じ側に移動させることができる。
【0027】
3-2.第2出退部
図2及び
図3に示すように、第2出退部41は、第1出退部31に対して幅方向第2側X2に配置されている。本実施形態では、第2出退部41は、第1出退部31と幅方向Xに分かれて配置されている。そして、物品Wが支持部21に支持された状態で、物品Wは、第1出退部31と第2出退部41との間に配置される。第2出退部41は、第2フック6を、移載方向Yに沿って支持部21に対して出退移動させる役割を果たす。第2出退部41は、移載方向Yに沿って前記支持部21に対して出退移動するように構成されている。本実施形態では、第2出退部41は、支持部21に対して移載方向第1側Y1に突出した状態と、支持部21に対して移載方向第2側Y2に突出した状態と、の双方の状態となり得るように出退移動する。また、第2出退部41は、第1出退部31と同期して移載方向Yに出退移動するように構成されている。以下では、第2出退部41の具体的な構成について説明する。なお、本実施形態では、第2出退部41は、第1出退部31と同等の構成を備えている。
【0028】
本実施形態では、
図2、
図3、
図4及び
図5に示すように、第2出退部41は、物品Wにおける幅方向第2側X2を向く第2側面72に対向する第2対向面42を備えている。本例では、第2対向面42は、支持部21に支持されている物品Wの第2側面72と対向し、支持部21に対して移載方向Yに移動している物品Wの第2側面72とも対向する。また、第2出退部41は、物品Wにおける幅方向第2側X2を向く第2側面72に対向する第2対向面42を形成する第2本体部43と、第2本体部43を出退移動させる第2出退機構48と、を備えている。本例では、第2本体部43は、移載方向Y及び上下方向に延在する板状部分を有する部材である。そして、第2本体部43の幅方向第1側X1を向く面に、第2対向面42が形成されている。第2出退機構48は、第2固定部45と、第2本体部43と第2固定部45との間に設けられた第2中継部46と、第2中継部46と第2本体部43とを連動させる第2連動部47と、を備えている。
【0029】
本例では、第2固定部45は、移載方向Yの位置が固定された状態で走行体12に支持されている。また、第2固定部45は、第1固定部35に対して幅方向第2側X2に離れて配置されている。第2中継部46は、第2固定部45に対して移載方向Yに沿って移動自在に支持されている。第2本体部43は、第2中継部46に対して移載方向Yに沿って移動自在に支持されている。第2連動部47は、第2中継部46が第2固定部45に対して移載方向Yに沿って出退移動した場合に、第2中継部46が移動した側と同じ側に、第2本体部43を第2中継部46に対して移動させるように構成されている。図示の例では第2本体部43は、直動案内機構15を介して第2中継部46に支持されている。同様に、第2中継部46は、直動案内機構15を介して第2固定部45に支持されている。すなわち、第2本体部43と第2中継部46とは、直動案内機構15に案内されて移載方向Yに出退移動する。
【0030】
図3、
図4及び
図5に示すように、本例では、第2出退部41は、第2駆動機構44を更に備えている。第2駆動機構44は、駆動軸34aと、駆動軸34aを回転駆動する出退モータ34M(
図8参照)と、移載方向Yに沿って配置されると共に駆動軸34aの回転によって回動する第2ベルト44bと、第2中継部46に設けられると共に第2ベルト44bに噛み合う第2ラック44cと、を備えている(
図3及び
図4参照)。第2駆動機構44は、出退モータ34Mによって駆動軸34aを回転駆動して、第2ベルト44bをその長手方向(移載方向Y)に沿って回動させる。これにより、第2駆動機構44は、第2本体部43と第2中継部46とを移載方向Yの同じ側に移動させることができる。このように、本実施形態では、第1駆動機構34の駆動軸34aと出退モータ34Mとが、第2駆動機構44により共用されている。このため、第1本体部33及び第1中継部36と、第2本体部43及び第2中継部46とが、同期して移載方向Yに出退する。なお、第2駆動機構44の駆動源としての出退モータが、第1駆動機構34の駆動源としての出退モータとは別のモータであっても良い。
【0031】
3-3.間隔変更機構
本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、間隔変更機構80は、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を変更するように構成されている。物品搬送設備100では、様々な大きさの物品Wが取り扱われる。そのため、移載装置1は、大きさの異なる複数種類の物品Wを移載可能に構成されている。本実施形態では、間隔変更機構80は、物品Wの幅方向Xの寸法に応じて、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を変更する。そして、物品Wが適切に移載対象箇所11に移載されるように、第1出退部31及び第2出退部41は、物品Wの移載方向Yへの移動を案内する。
【0032】
本実施形態では、第1側面71が第1対向面32の上端部32aよりも上側において幅方向第1側X1に突出するように形成されていると共に第2側面72が第2対向面42の上端部42aよりも上側において幅方向第2側X2に突出するように形成された物品Wを特定物品Wtと称する(
図4及び
図5参照)。また、特定物品Wtについて、第1側面71のうちの、第1対向面32よりも上側においてそれより下側の面よりも幅方向第1側X1に配置された面を第1突出面71aとし、当該第1突出面71aより下側の面(ここでは、第1対向面32と対向する面)を第1下側面71bとする。第1突出面71aは、第1下側面71bよりも幅方向第1側X1に突出した位置に配置されている。同様に、第2側面72のうちの、第2対向面42よりも上側においてそれより下側の面よりも幅方向第2側X2に配置された面を第2突出面72aとし、当該第2突出面72aより下側の面(ここでは、第2対向面42と対向する面)を第2下側面72bとする。第2突出面72aは、第2下側面72bよりも幅方向第2側X2に突出した位置に配置されている。本例では、このような特定物品Wtが支持部21に支持された状態では、間隔変更機構80は、第1出退部31と第2出退部41との間隔を、第1下側面71bと第2下側面72bとの幅方向Xの寸法に応じた間隔に変更する。以下では、間隔変更機構80の具体的な構成について説明する。
【0033】
図2及び
図3に示すように、間隔変更機構80は、幅方向Xに沿って配置された第3ベルト84Aと、第3ベルト84Aをその長手方向(幅方向X)に沿って回動させる間隔変更モータ84M(
図8参照)と、を備えている。本例では、第3ベルト84Aの一部が、第2出退部41の第2固定部45に連結されている。間隔変更機構80は、間隔変更モータ84Mによって第3ベルト84Aを駆動することにより、第3ベルト84Aに連結された第2固定部45を幅方向Xに沿って移動させるように構成されている。これにより、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔が変更される。このように、本例では、間隔変更機構80は、第1出退部31及び第2出退部41のうちの第2出退部41のみを幅方向Xに沿って移動させることにより、第1出退部31と第2出退部41との間隔を変更する。なお、間隔変更機構80が、第1出退部31及び第2出退部41の双方を幅方向Xに沿って移動させる構成であっても良い。
【0034】
3-4.第1フック
図2、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1フック5は、第1出退部31に支持されており、移載方向Yに沿う第1軸心P1周りに揺動することで第1退避姿勢Pr1と第1突出姿勢Pt1とに姿勢変更するように構成されている。本実施形態では、第1フック5は、揺動することによって、第1退避姿勢Pr1と、第1突出姿勢Pt1とに姿勢変更する。
【0035】
本実施形態では、複数の第1フック5が、第1出退部31に支持されている。具体的には、第1フック5は、第1本体部33における移載方向Yの両端部のそれぞれに設けられている。また本例では、第1フック5は、第1本体部33における移載方向Yの中央部にも設けられている。第1フック5は、第1揺動モータ50M(
図8参照)により駆動されて、第1軸心P1周りに揺動するように構成されている。複数の第1フック5(ここでは3つ)は、それぞれに対応して設けられた第1揺動モータ50Mによって駆動され、互いに独立して揺動する。
【0036】
図4に示すように、第1退避姿勢Pr1は、第1フック5が上下方向に沿うと共に、第1フック5の先端部である第1先端部51が第1軸心P1よりも上側に配置され、移載方向Yに沿う移載方向Y視で第1フック5が物品Wと重複しない姿勢である。本実施形態では、第1退避姿勢Pr1の第1フック5は、上下方向に沿うと共に、当該第1フック5の全体が支持部21に支持された物品Wに対して幅方向第1側X1に配置される。更に、図示の例では、第1退避姿勢Pr1の第1フック5の全体が、第1対向面32よりも幅方向Xの外側(幅方向第1側X1)に配置されている。第1先端部51は、第1退避姿勢Pr1において、第1出退部31よりも上側に配置される。第1フック5は、上述の第1先端部51と、第1軸心P1が配置された第1基部53と、第1先端部51と第1基部53とを連結する第1連結部54と、を備えている。本例では、第1連結部54は、第1先端部51の側へ向かうに従って移載方向Y視での幅が次第に狭くなるように形成された帯状の部分である。第1先端部51は、第1連結部54に対して第1フック5の先端側の部分であり、移載方向Y視での幅が第1連結部54よりも広くなるように形成された部分である。第1基部53は、第1連結部54に対して第1軸心P1側の部分であり、移載方向Y視での幅が第1連結部54よりも広くなるように形成された部分である。すなわち、第1退避姿勢Pr1において、第1先端部51の幅方向Xの寸法は、第1連結部54の先端部分(上端部分)の幅方向Xの寸法よりも大きく形成されており、第1基部53の幅方向Xの寸法は、第1連結部54の基端部分(下端部分)の幅方向Xの寸法よりも大きく形成されている。本例では、第1先端部51と第1基部53と第1連結部54とが一体的に形成されている。また、第1フック5は、外縁部の移載方向Yの厚さが一定の板状に形成されている。
【0037】
図5に示すように、第1突出姿勢Pt1は、第1先端部51が第1退避姿勢Pr1における第1先端部51の位置よりも幅方向第2側X2に配置され、移載方向Y視で第1フック5が物品Wと重複する姿勢である。第1突出姿勢Pt1では、第1対向面32よりも幅方向Xの内側(幅方向第2側X2)に第1フック5の一部が配置される。本実施形態では、第1突出姿勢Pt1において、第1先端部51は、第1出退部31よりも幅方向第2側X2に配置されると共に、支持部21(ここでは支持板21a)よりも上側に配置される。これにより、第1フック5が第1突出姿勢Pt1に姿勢変更すると、移載方向Y視で、第1フック5は支持部21に支持された物品Wと重複する。本例では、第1突出姿勢Pt1において、第1フック5の第1連結部54と第1先端部51とが、移載方向Y視で物品Wと重複する位置に配置される(
図5参照)。より詳細には、第1連結部54のうちの、第1基部53の側の端部領域を除いた部分と、第1先端部51とが、移載方向Y視で物品Wと重複する。
【0038】
図4及び
図5に示すように、第1退避姿勢Pr1における第1フック5の幅方向第2側X2の端縁を第1側縁部52として、第1側縁部52における少なくとも第1先端部51を含む一部の領域E1が、第1退避姿勢Pr1において、第1先端部51の側へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされている。本実施形態では、第1側縁部52における少なくとも第1先端部51を含む一部の領域E1が、第1退避姿勢Pr1において、第1先端部51の側へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かうように湾曲した形状とされている。本例では、第1側縁部52は、第1先端部51の幅方向第2側X2の端縁と、第1連結部54の幅方向第2側X2の端縁と、第1基部53の幅方向第2側X2の端縁とで形成されている。以下では、第1フック5の形状について、より具体的に説明する。
【0039】
本実施形態では、
図4及び
図5に示すように、第1側縁部52は、第1退避姿勢Pr1において、第1対向面32の上端部32aよりも第1軸心P1の側の領域である第1基部側領域52aと、第1対向面32の上端部32aよりも第1先端部51の側の領域である第1先端側領域52bと、を備えている。本例では、第1退避姿勢Pr1において、第1フック5の第1先端部51と、第1連結部54の先端側(上端側)の一部の領域とが、第1対向面32の上端部32aよりも上側に突出して配置されている。そのため、第1先端側領域52bは、第1先端部51の幅方向第2側X2の端縁と、第1連結部54の先端側(上端側)の一部の領域における幅方向第2側X2の端縁とで形成されている。また、第1基部側領域52aは、第1退避姿勢Pr1において、第1対向面32の上端部32aよりも下側に配置される第1連結部54の基端側(下端側)の一部の領域における幅方向第2側X2の端縁と、第1基部53の幅方向第2側X2の端縁とで形成されている。すなわち、第1退避姿勢Pr1において、第1基部側領域52aは、第1側縁部52のうちの、第1先端側領域52bよりも基端側(下端側)に配置される領域である。
【0040】
そして、本実施形態では、
図4に示すように、第1退避姿勢Pr1において、第1基部側領域52aは第1対向面32に沿う直線状に形成され、第1先端側領域52bは第1先端部51の側へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされている。本例では、第1側縁部52は、第1退避姿勢Pr1において、先端側(上端側)へ向かうに従って幅方向第1側X1へ向かうように、全体的に湾曲しており、その曲率半径が、先端側(上端側)へ向かうに従って次第に小さくなるように形成されている。そのため、第1退避姿勢Pr1において、第1基部側領域52aは、やや湾曲しているものの、実質的には第1対向面32に沿う(すなわち上下方向に沿う)直線状に形成されている。図示の例では、第1基部側領域52aの先端側(上端側)の部分は、第1対向面32に対して幅方向第1側X1に離間していると共に、第1対向面32に対してわずかに傾斜(ここでは、第1対向面32に対して5°程度傾斜)した姿勢となっている。このように、ある程度湾曲した形状であったり傾斜して配置されていたりしても、全体として第1対向面32に沿う形状であれば「第1対向面32に沿う直線状」に含まれる。一方、第1先端側領域52bは、第1基部側領域52aよりも湾曲の程度が大きくなっており、第1基部側領域52aよりも第1対向面32に対する傾斜角度も大きくなっている。これにより、第1先端側領域52bは、第1先端部51の側へ向かうに従って次第に、幅方向外側(物品Wから離れる側)へ向かうように湾曲した形状となっている。これにより、第1退避姿勢Pr1において、第1先端側領域52bは、第1基部側領域52aよりも幅方向第1側X1に配置され、且つ、第1先端部51の側へ向かうに従って幅方向第1側X1に配置されるように構成されている。
【0041】
上述のように、本実施形態では、物品Wが支持部21に支持されると、間隔変更機構80は、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を、当該物品Wの幅方向Xの寸法に応じた間隔に変更する。本実施形態では、
図4に示すように、第1対向面32が特定物品Wtの第1側面71に接した状態で、第1退避姿勢Pr1において、第1側縁部52は、移載方向Y視で特定物品Wtの第1側面71よりも幅方向第1側X1に配置されている。本例では、第1退避姿勢Pr1において、第1側縁部52の第1基部側領域52aは、物品Wの第1側面71のうちの第1下側面71bよりも幅方向第1側X1に配置されている。また、第1退避姿勢Pr1において、第1側縁部52の第1先端側領域52bは、物品Wの第1側面71のうちの第1突出面71aよりも幅方向第1側X1に配置されている。第1フック5の第1側縁部52が上記のように形成されていることにより、第1下側面71bに対して幅方向第1側X1に突出した第1突出面71aと、第1側縁部52の第1先端側領域52bとが干渉しないような、第1フック5と物品Wとの配置関係が実現されている。
【0042】
また、本実施形態では、
図4に示すように、第1退避姿勢Pr1において、第1フック5における、第1本体部33の上端33aよりも下側の部分が、第1本体部33に対して移載方向Yに相対移動する第1出退機構38と干渉しないように配置されている。更に、本例では、第1退避姿勢Pr1において、第1フック5における、第1本体部33の上端33aよりも下側の部分が、第1駆動機構34とも干渉しないように配置されている。具体的には、第1フック5における第1連結部54の全体と第1基部53とが、第1出退機構38と第1駆動機構34との双方に干渉しないように配置されている。図示の例では、第1退避姿勢Pr1において、第1連結部54及び第1基部53は、移載方向Y視で、第1出退機構38を構成する第1固定部35、第1中継部36、及び第1連動部37と、第1駆動機構34(駆動軸34a、出退モータ34M、第1ベルト34b、第1ラック34c)と、複数の直動案内機構15とに重複しないように配置されている。本例では、第1退避姿勢Pr1において、第1連結部54を、第1対向面32に沿うように配置することで、第1本体部33が出退する際に、第1フック5が、第1出退機構38と第1駆動機構34とに干渉することを回避している。
【0043】
また、本例では、第1退避姿勢Pr1において、上下方向視で、第1先端部51を第1中継部36と重複する位置に配置させることで、特定物品Wtのうちの第1本体部33よりも上側の部分と第1フック5との干渉を回避している。そして、上記のように、第1フック5を、第1退避姿勢Pr1において、第1先端部51の側(上側)へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かうように湾曲した形状としたことにより、特定物品Wtとの干渉を回避するために、第1フック5の全体を幅方向第1側X1に配置する必要がなく、第1先端部51のみを特定物品Wtに対して幅方向第1側X1に配置することができる。従って、第1連結部54と第1基部53とを、第1出退機構38及び第1駆動機構34と干渉しないように配置することができる。
【0044】
3-5.第2フック
図2、
図3、
図4及び
図5に示すように、第2フック6は、第2出退部41に支持されており、移載方向Yに沿う第2軸心P2周りに揺動することで第2退避姿勢Pr2と第2突出姿勢Pt2とに姿勢変更するように構成されている。本実施形態では、第2フック6は、揺動することによって、第2退避姿勢Pr2と、第2突出姿勢Pt2とに姿勢変更する。なお、第2フック6は、第1フック5と同等の構成を備えている。
【0045】
本実施形態では、複数の第2フック6が、第2出退部41に支持されている。具体的には、第2フック6は、第2本体部43における移載方向Yの両端部のそれぞれに設けられている。また、本例では、第2フック6は、第2本体部43における移載方向Yの中央部にも設けられている。第2フック6は、第2揺動モータ60M(
図8参照)により駆動されて、第2軸心P2周りに揺動するように構成されている。複数の第2フック6(ここでは3つ)は、それぞれに対応して設けられた第2揺動モータ60Mによって駆動され、互いに独立して揺動する。
【0046】
図4に示すように、第2退避姿勢Pr2は、第2フック6が上下方向に沿うと共に、第2フック6の先端部である第2先端部61が第2軸心P2よりも上側に配置され、移載方向Y視で第2フック6が物品Wと重複しない姿勢である。本実施形態では、第2退避姿勢Pr2の第2フック6は、上下方向に沿うと共に、当該第2フック6の全体が支持部21に支持された物品Wに対して幅方向第2側X2に配置される。更に、図示の例では、第2退避姿勢Pr2の第2フック6の全体が、第2対向面42よりも幅方向Xの外側(幅方向第2側X2)に配置されている。第2先端部61は、第2退避姿勢Pr2において、第2出退部41よりも上側に配置される。第2フック6は、上述の第2先端部61と、第2軸心P2が配置された第2基部63と、第2先端部61と第2基部63とを連結する第2連結部64と、を備えている。本例では、第2連結部64は、第2先端部61の側へ向かうに従って移載方向Y視での幅が次第に狭くなるように形成された帯状の部分である。第2先端部61は、第2連結部64に対して第2フック6の先端側の部分であり、移載方向Y視での幅が第2連結部64よりも広くなるように形成された部分である。第2基部63は、第2連結部64に対して第1軸心P1側の部分であり、移載方向Y視での幅が第2連結部64よりも広くなるように形成された部分である。すなわち、第2退避姿勢Pr2において、第2先端部61の幅方向Xの寸法は、第2連結部64の先端部分(上端部分)の幅方向Xの寸法よりも大きく形成されており、第2基部63の幅方向Xの寸法は、第2連結部64の基端部分(下端部分)の幅方向Xの寸法よりも大きく形成されている。本例では、第2先端部61と第2基部63と第2連結部64とが一体的に形成されている。また、第2フック6は、外縁部の移載方向Yの厚さが一定の板状に形成されている。
【0047】
図5に示すように、第2突出姿勢Pt2は、第2先端部61が第2退避姿勢Pr2における第2先端部61の位置よりも幅方向第1側X1に配置され、移載方向Y視で第2フック6が物品Wと重複する姿勢である。第2突出姿勢Pt2では、第2対向面42よりも幅方向Xの内側(幅方向第1側X1)に第2フック6の一部が配置される。本実施形態では、第2突出姿勢Pt2において、第2先端部61は、第2出退部41よりも幅方向第1側X1に配置されると共に、支持部21(ここでは支持板21a)よりも上側に配置される。これにより、第2フック6が第2突出姿勢Pt2に姿勢変更すると、移載方向Y視で、第2フック6は支持部21に支持された物品Wと重複する。本例では、第2突出姿勢Pt2において、第2フック6の第2連結部64と第2先端部61とが、移載方向Y視で物品Wと重複する位置に配置される(
図5参照)。より詳細には、第2連結部64のうちの、第2基部63の側の端部領域を除いた部分と、第2先端部61とが、移載方向Y視で物品Wと重複する。
【0048】
図4及び
図5に示すように、第2退避姿勢Pr2における第2フック6の幅方向第1側X1の端縁を第2側縁部62として、第2側縁部62における少なくとも第2先端部61を含む一部の領域E2が、第2退避姿勢Pr2において、第2先端部61の側へ向かうに従って次第に幅方向第2側X2へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされている。本実施形態では、第2側縁部62における少なくとも第2先端部61を含む一部の領域E2が、第2退避姿勢Pr2において、第2先端部61の側へ向かうに従って次第に幅方向第2側X2へ向かうように湾曲した形状とされている。本例では、第2側縁部62は、第2先端部61の幅方向第1側X1の端縁と、第2連結部64の幅方向第1側X1の端縁と、第2基部63の幅方向第1側X1の端縁とで形成されている。以下では、第2フック6の形状について、より具体的に説明する。
【0049】
本実施形態では、
図4及び
図5に示すように、第2側縁部62は、第2退避姿勢Pr2において、第2対向面42の上端部42aよりも第2軸心P2の側の領域である第2基部側領域62aと、第2対向面42の上端部42aよりも第2先端部61の側の領域である第2先端側領域62bと、を備えている。本例では、第2退避姿勢Pr2において、第2フック6の第2先端部61と、第2連結部64の先端側(上端側)の一部の領域とが、第2対向面42の上端部42aよりも上側に突出して配置されている。そのため、第2先端側領域62bは、第2先端部61の幅方向第1側X1の端縁と、第2連結部64の先端側(上端側)の一部の領域における幅方向第1側X1の端縁とで形成されている。また、第2基部側領域62aは、第2退避姿勢Pr2において、第2対向面42の上端部42aよりも下側に配置される第2連結部64の基端側(下端側)の一部の領域における幅方向第1側X1の端縁と、第2基部63の幅方向第1側X1の端縁とで形成されている。すなわち、第2退避姿勢Pr2において、第2基部側領域62aは、第2側縁部62のうちの、第2先端側領域62bよりも基端側(下端側)に配置される領域である。
【0050】
そして、本実施形態では、
図4に示すように、第2退避姿勢Pr2において、第2基部側領域62aは第2対向面42に沿う直線状に形成され、第2先端側領域62bは第2先端部61の側へ向かうに従って次第に幅方向第2側X2へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされている。本例では、第2側縁部62は、第2退避姿勢Pr2において、先端側(上端側)へ向かうに従って幅方向第2側X2へ向かうように、全体的に湾曲しており、その曲率半径が、先端側(上端側)へ向かうに従って次第に小さくなるように形成されている。そのため、第2退避姿勢Pr2において、第2基部側領域62aは、やや湾曲しているものの、実質的には第2対向面42に沿う(すなわち上下方向に沿う)直線状に形成されている。図示の例では、第2基部側領域62aの先端側(上端側)の部分は、第2対向面42に対して幅方向第2側X2に離間していると共に、第2対向面42に対してわずかに傾斜(ここでは、第2対向面42に対して5°程度傾斜)した姿勢となっている。このように、ある程度湾曲した形状であったり傾斜して配置されていたりしても、全体として第2対向面42に沿う形状であれば「第2対向面42に沿う直線状」に含まれる。一方、第2先端側領域62bは、第2基部側領域62aよりも湾曲の程度が大きくなっており、第2基部側領域62aよりも第2対向面42に対する傾斜角度も大きくなっている。これにより、第2先端側領域62bは、第2先端部61の側へ向かうに従って次第に、幅方向外側(物品Wから離れる側)へ向かうように湾曲した形状となっている。これにより、第2退避姿勢Pr2において、第2先端側領域62bは、第2基部側領域62aよりも幅方向第2側X2に配置され、且つ、第2先端部61の側へ向かうに従って幅方向第2側X2に配置されるように構成されている。
【0051】
上述のように、本実施形態では、物品Wが支持部21に支持されると、間隔変更機構80は、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を、当該物品Wの幅方向Xの寸法に応じた間隔に変更する。本実施形態では、
図4に示すように、第2対向面42が特定物品Wtの第2側面72に接した状態で、第2退避姿勢Pr2において、第2側縁部62は、移載方向Y視で特定物品Wtの第2側面72よりも幅方向第2側X2に配置されている。本例では、第2退避姿勢Pr2において、第2側縁部62の第2基部側領域62aは、物品Wの第2側面72のうちの第2下側面72bよりも幅方向第2側X2に配置されている。また、第2退避姿勢Pr2において、第2側縁部62の第2先端側領域62bは、物品Wの第2側面72のうちの第2突出面72aよりも幅方向第2側X2に配置されている。第2フック6の第2側縁部62が上記のように形成されていることにより、第2下側面72bに対して幅方向第2側X2に突出した第2突出面72aと、第2側縁部62の第2先端側領域62bとが干渉しないような、第2フック6と物品Wとの配置関係が実現されている。
【0052】
また、本実施形態では、
図4に示すように、第2退避姿勢Pr2において、第2フック6における、第2本体部43の上端43aよりも下側の部分が、第2本体部43に対して移載方向Yに相対移動する第2出退機構48と干渉しないように配置されている。更に、本例では、第2退避姿勢Pr2において、第2フック6における、第2本体部43の上端43aよりも下側の部分が、第2駆動機構44とも干渉しないように配置されている。具体的には、第2フック6における第2連結部64の全体と第2基部63とが、第2出退機構48と第2駆動機構44との双方に干渉しないように配置されている。図示の例では、第2退避姿勢Pr2において、第2連結部64及び第2基部63は、移載方向Y視で、第2出退機構48を構成する第2固定部45、第2中継部46、及び第2連動部47と、第2駆動機構44(駆動軸34a、出退モータ34M、第2ベルト44b、第2ラック44c)と、複数の直動案内機構15とに重複しないように配置されている。本例では、第2退避姿勢Pr2において、第2連結部64を、第2対向面42に沿うように配置することで、第2本体部43が出退する際に、第2フック6が、第2出退機構48と第2駆動機構44とに干渉することを回避している。
【0053】
また、本例では、第2退避姿勢Pr2において、上下方向視で、第2先端部61を第2中継部46と重複する位置に配置させることで、特定物品Wtのうちの第2本体部43よりも上側の部分と第2フック6との干渉を回避している。そして、上記のように、第2フック6を、第2退避姿勢Pr2において、第2先端部61の側(上側)へ向かうに従って次第に幅方向第2側X2へ向かうように湾曲した形状としたことにより、特定物品Wtとの干渉を回避するために、第2フック6の全体を幅方向第2側X2に配置する必要がなく、第2先端部61のみを特定物品Wtに対して幅方向第2側X2に配置することができる。従って、第2連結部64と第2基部63とを、第2出退機構48及び第2駆動機構44と干渉しないように配置することができる。
【0054】
3-6.ストッパ
本実施形態では、
図3に示すように、移載装置1は、第1退避姿勢Pr1の第1フック5に対して幅方向第1側X1から当接する第1ストッパ91と、第2退避姿勢Pr2の第2フック6に対して幅方向第2側X2から当接する第2ストッパ92と、を更に備えている。本例では、第1ストッパ91と第2ストッパ92とは、同等の構成を備えている。第1ストッパ91は、第1フック5が第1退避姿勢Pr1から更に幅方向外側(幅方向第1側X1)に移動することを規制する。同様に、第2ストッパ92は、第2フック6が第2退避姿勢Pr2から更に幅方向外側(幅方向第2側X2)に移動することを規制する。本例では、第1ストッパ91は、第1出退部31に設けられている。より具体的には、複数(ここでは3つ)の第1ストッパ91は、複数の第1フック5のそれぞれに対応して、第1本体部33の上部に取り付けられている。同様に、複数(ここでは3つ)の第2ストッパ92は、複数の第2フック6のそれぞれに対応して、第2本体部43の上部に取り付けられている。図示の例では、第1ストッパ91は、第1フック5の第1連結部54における第1対向面32の上端部32aよりも上側の部分に対して幅方向第1側X1から当接している。第2ストッパ92は、第2フック6の第2連結部64における第1対向面32の上端部32aよりも上側の部分に対して幅方向第2側X2から当接している。
【0055】
4.制御部
物品搬送車10は、
図8に示すように、各部を制御する制御部Hを備えている。制御部Hは、走行体12及び移載装置1の動作を制御するように構成されている。より詳細には、制御部Hは、走行モータ12M、出退モータ34M、第1揺動モータ50M、第2揺動モータ60M、間隔変更モータ84Mを制御するように構成されている。制御部Hは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0056】
図6及び
図7に示すように、制御部Hは、物品Wの移載動作として、移載対象箇所11から支持部21に物品Wを移載する掬い動作と、支持部21から移載対象箇所11に物品Wを移載する卸し動作と、を行うように構成されている。
【0057】
図6に示すように、制御部Hは、掬い動作を実行する場合には、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を移載対象となる物品Wの幅方向Xの寸法に応じた間隔とするように、間隔変更モータ84Mを制御する。そして、制御部Hは、出退モータ34Mを制御して、第1出退部31及び第2出退部41を移載対象箇所11に向けて突出させて、第1フック5及び第2フック6を、移載対象箇所11の物品Wよりも移載方向Yの奥側の位置に配置した状態とする(
図6左図、中央図参照)。その後、制御部Hは、第1揺動モータ50M及び第2揺動モータ60Mを制御して、第1フック5を第1退避姿勢Pr1から第1突出姿勢Pt1に姿勢変更させると共に、第2フック6を第2退避姿勢Pr2から第2突出姿勢Pt2に姿勢変更させる(
図6中央図参照)。そして、制御部Hは、出退モータ34Mを制御して、第1出退部31及び第2出退部41を支持部21に向けて引退させる(
図6右図参照)。これにより、制御部Hは、移載対象箇所11の物品Wに第1フック5及び第2フック6を接触させた状態で、当該物品Wを支持部21に向けて引き込み、掬い動作を実行する。
【0058】
図7に示すように、制御部Hは、卸し動作を実行する場合には、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を移載対象となる物品Wの幅方向Xの寸法に応じた間隔とするように、間隔変更モータ84Mを制御する。そして、制御部Hは、出退モータ34Mを制御して、第1フック5及び第2フック6を、支持部21の物品Wよりも移載方向Yの手前側の位置に配置するように、第1出退部31及び第2出退部41の位置を調整する。その後、制御部Hは、第1揺動モータ50M及び第2揺動モータ60Mを制御して、第1フック5を第1退避姿勢Pr1から第1突出姿勢Pt1に姿勢変更させると共に、第2フック6を第2退避姿勢Pr2から第2突出姿勢Pt2に姿勢変更させる(
図7左図参照)。そして、制御部Hは、出退モータ34Mを制御して、第1出退部31及び第2出退部41を移載対象箇所11に向けて突出させる(
図7中央図参照)。これにより、制御部Hは、支持部21の物品Wに第1フック5及び第2フック6を接触させた状態で、当該物品Wを移載対象箇所11に向けて押し込み、卸し動作を実行する。その後、制御部Hは、第1フック5を第1突出姿勢Pt1から第1退避姿勢Pr1に姿勢変更すると共に、第2フック6を第2突出姿勢Pt2から第2退避姿勢Pr2に姿勢変更する(
図7右図参照)。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、移載装置の第2実施形態について、図面(
図9及び
図10)を参照して説明する。以下では、本実施形態の移載装置について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0060】
図9及び
図10に示すように、本実施形態では、移載装置1は、第1延長部材101と第2延長部材201とを備えている。本例では、第1延長部材101と第2延長部材201とは、同等の構成を備えている。
【0061】
本実施形態では、第1延長部材101は、第1本体部33の上部に取り付けられている。本例では、第1延長部材101は、第1フック5と第1ストッパ91とに干渉しない位置に取り付けられている。また、本実施形態では、第1延長部材101は、第1対向面32と同じ幅方向Xの位置で、第1対向面32と平行に第1対向面32から上側に延在するように配置された第3対向面102を備えている。すなわち、第3対向面102は、第1フック5の第1先端側領域52bよりも幅方向第2側X2に配置されている。本例では、第1延長部材101は、幅方向X及び上下方向に延在するように形成されており、第3対向面102は、第1延長部材101の移載方向第1側Y1を向く面とされている。そして、第3対向面102は、矩形状に形成されている。図示の例では、第1延長部材101は、L型のブラケットである。そして、不図示の締結部材により、第1延長部材101は、第1本体部33の上側を向く面に固定されている。
【0062】
本実施形態では、第2延長部材201は、第2本体部43の上部に取り付けられている。本例では、第2延長部材201は、第2フック6と第2ストッパ92とに干渉しない位置に取り付けられている。そして、第2延長部材201は、第2対向面42と同じ幅方向Xの位置で、第2対向面42と平行に第2対向面42から上側に延在するように配置された第4対向面202を備えている。すなわち、第4対向面202は、第2フック6の第2先端側領域62bよりも幅方向第1側X1に配置されている。本例では、第2延長部材201は、幅方向X及び上下方向に延在するように形成されており、第4対向面202は、第2延長部材201の移載方向第2側Y2を向く面とされている。そして、第4対向面202は、矩形状に形成されている。図示の例では、第2延長部材201は、L型のブラケットである。そして、不図示の締結部材により、第2延長部材201は、第2本体部43の上側を向く面に固定されている。
【0063】
本実施形態に係る移載装置1は、
図10に示すように、特定物品Wtの移載動作を適切に行うことができるようにするために、第1延長部材101と第2延長部材201とが設けられている。本例では、特定物品Wtは、第1側面71の第1突出面71aが、第1対向面32の上端部32aよりも上側、且つ、少なくとも第1フック5の上端よりも下側の位置において、第1下側面71bに対して幅方向第1側X1に突出しており、第2側面72の第2突出面72aが、第2対向面42の上端部42aよりも上側、且つ、少なくとも第2フック6の上端よりも下側の位置において、第2下側面72bに対して幅方向第2側X2に突出している。
【0064】
図10に示す例では、特定物品Wtの第1突出面71aの下端の位置が、第1対向面32の上端部32aのすぐ上側となっている。同様に、特定物品Wtの第2突出面72aの下端の位置が、第2対向面42の上端部42aのすぐ上側となっている。そのため、第3対向面102が、第1突出面71aと対向している。同様に、第4対向面202が、第2突出面72aと対向している。このような特定物品Wtが、一対の支持板21aの上に載置された場合、間隔変更モータ84Mの駆動により、第1出退部31と第2出退部41とが幅方向Xに接近すると、第3対向面102は第1突出面71aと当接し、第4対向面202は第2突出面72aと当接する。これにより、第1フック5における第1対向面32の上端部32aよりも上側の部分が第1突出面71aと干渉することを回避できる。同様に、第2フック6における第2対向面42の上端部42aよりも上側の部分が第2突出面72aと干渉することを回避できる。
【0065】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送装置のその他の実施形態について説明する。
【0066】
(1)上記の実施形態では、第1退避姿勢Pr1において、第1側縁部52における少なくとも第1先端部51を含む一部の領域E1が、第1先端部51の側へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かうように湾曲しており、第2退避姿勢Pr2において、第2側縁部62における少なくとも第2先端部61を含む一部の領域E2が、第2先端部61の側へ向かうに従って次第に幅方向第2側X2へ向かうように湾曲している構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、第1退避姿勢Pr1において、第1側縁部52における少なくとも第1先端部51を含む一部の領域E1が、第1先端部51の側へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かうように屈曲しており、第2退避姿勢Pr2において、第2側縁部62における少なくとも第2先端部61を含む一部の領域E2が、第2先端部61の側へ向かうに従って次第に幅方向第2側X2へ向かうように屈曲している構成としても良い。このような構成の一例を
図11に示す。
【0067】
本例では、
図11に示すように、第1フック5の第1側縁部52は、第1基部側領域52aと第1先端側領域52bとの境界部分おいて屈曲した形状とされている。そして、第1退避姿勢Pr1において、第1基部側領域52aが第1対向面32に沿う直線状に形成され、第1先端側領域52bが第1先端部51の側へ向かうに従って次第に幅方向第1側X1へ向かう直線状に形成されている。同様に、第2フック6の第2側縁部62は、第2基部側領域62aと第2先端側領域62bとの境界部分おいて屈曲した形状とされている。そして、第2退避姿勢Pr2において、第2基部側領域62aが第2対向面42に沿う直線状に形成され、第2先端側領域62bが第2先端部61の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第2側X2へ向かう直線状に形成されている。このような構成においても、特定物品Wtに対し、第1退避姿勢Pr1の第1フック5及び第2退避姿勢Pr2の第2フック6が干渉することを回避し易くできる。図示の例では、第1フック5の第1側縁部52及び第2フック6の第2側縁部62のそれぞれの1箇所ずつに屈曲部が形成されている。しかし、第1側縁部52の複数箇所に屈曲部が形成されていても良い。同様に、第2フック6の第2側縁部62の複数箇所に屈曲部が形成されていても良い。
【0068】
(2)上記の実施形態では、第1フック5の第1退避姿勢Pr1において、第1基部側領域52aが第1対向面32に沿う直線状に形成されており、第2フック6の第2退避姿勢Pr2において、第2基部側領域62aが第2対向面42に沿う直線状に形成されている構成を例として説明した。しかし、第1基部側領域52a及び第2基部側領域62aの形状は、このようなものに限定されず、様々な形状とすることができる。例えば、第1基部側領域52aと第2基部側領域62aとのそれぞれが、例えば、弧状や波状に湾曲した形状とされていても良い。この場合においても、第1退避姿勢Pr1において、第1基部側領域52aの全体が、第1対向面32よりも幅方向外側(幅方向第1側X1)に配置されていると好適である。同様に、第2退避姿勢Pr2において、第2基部側領域62aの全域が、第2対向面42よりも幅方向外側(幅方向第2側X2)に配置されていると好適である。
【0069】
(3)上記の実施形態では、移載装置1は、第1出退部31と第2出退部41との幅方向Xの間隔を変更する間隔変更機構80を備える構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、移載装置1は、間隔変更機構80を備えていなくても良い。
【0070】
(4)上記の実施形態では、移載装置1は、第1退避姿勢Pr1の第1フック5に対して幅方向第1側X1から当接する第1ストッパ91と、第2退避姿勢Pr2の第2フック6に対して幅方向第2側X2から当接する第2ストッパ92と、を備えている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、移載装置1は、第1ストッパ91と第2ストッパ92とを備えていなくても良い。
【0071】
(5)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0072】
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した移載装置の概要について説明する。
【0073】
移載装置は、物品を支持する支持部と移載対象箇所との間で移載方向に沿って前記物品を移動させる移載動作を行う移載装置であって、上下方向に沿う上下方向視で前記移載方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、前記幅方向の他方側を幅方向第2側として、前記移載方向に沿って前記支持部に対して出退移動する第1出退部と、前記第1出退部に対して前記幅方向第2側に配置されており、前記移載方向に沿って前記支持部に対して出退移動する第2出退部と、前記第1出退部に支持されており、前記移載方向に沿う第1軸心周りに揺動することで第1退避姿勢と第1突出姿勢とに姿勢変更する第1フックと、前記第2出退部に支持されており、前記移載方向に沿う第2軸心周りに揺動することで第2退避姿勢と第2突出姿勢とに姿勢変更する第2フックと、を備え、前記第1退避姿勢は、前記第1フックが前記上下方向に沿うと共に、前記第1フックの先端部である第1先端部が前記第1軸心よりも上側に配置され、前記移載方向に沿う移載方向視で前記第1フックが前記物品と重複しない姿勢であり、前記第1突出姿勢は、前記第1先端部が前記第1退避姿勢における前記第1先端部の位置よりも前記幅方向第2側に配置され、前記移載方向視で前記第1フックが前記物品と重複する姿勢であり、前記第2退避姿勢は、前記第2フックが前記上下方向に沿うと共に、前記第2フックの先端部である第2先端部が前記第2軸心よりも上側に配置され、前記移載方向視で前記第2フックが前記物品と重複しない姿勢であり、前記第2突出姿勢は、前記第2先端部が前記第2退避姿勢における前記第2先端部の位置よりも前記幅方向第1側に配置され、前記移載方向視で前記第2フックが前記物品と重複する姿勢であり、前記第1退避姿勢における前記第1フックの前記幅方向第2側の端縁を第1側縁部として、前記第1側縁部における少なくとも前記第1先端部を含む一部の領域が、前記第1退避姿勢において、前記第1先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第1側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされており、前記第2退避姿勢における前記第2フックの前記幅方向第1側の端縁を第2側縁部として、前記第2側縁部における少なくとも前記第2先端部を含む一部の領域が、前記第2退避姿勢において、前記第2先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第2側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされている。
【0074】
移載装置により移載される物品には、上部の幅方向の寸法が、下部の幅方向の寸法よりも大きい物品がある。本構成によれば、このような物品に対し、退避姿勢の第1フックの先端側の領域及び第2フックの先端側の領域が干渉することを回避し易い。
また、このような干渉を回避するために、退避姿勢において、第1フック及び第2フックを必要以上に幅方向の外側に揺動させる必要がない。よって、退避姿勢と突出姿勢との間の姿勢変更のための、第1フックと第2フックとのそれぞれの揺動量を少なく抑えることができる。これにより、第1フック及び第2フックの姿勢変更に要する時間の短縮を図りやすい。
【0075】
ここで、前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を備え、前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を備え、前記第1側縁部は、前記第1退避姿勢において、前記第1対向面の上端部よりも前記第1軸心の側の領域である第1基部側領域と、前記第1対向面の上端部よりも前記第1先端部の側の領域である第1先端側領域と、を備え、前記第1退避姿勢において、前記第1基部側領域は前記第1対向面に沿う直線状に形成され、前記第1先端側領域は前記第1先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第1側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされており、前記第2側縁部は、前記第2退避姿勢において、前記第2対向面の上端部よりも前記第2軸心の側の領域である第2基部側領域と、前記第2対向面の上端部よりも前記第2先端部の側の領域である第2先端側領域と、を備え、前記第2退避姿勢において、前記第2基部側領域は前記第2対向面に沿う直線状に形成され、前記第2先端側領域は前記第2先端部の側へ向かうに従って次第に前記幅方向第2側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされていると好適である。
【0076】
本構成によれば、第1フックの第1基部側領域は、第1退避姿勢において第1対向面に沿う直線状に形成されてることにより、物品の側に突出することがなく、物品との干渉を回避することができる。同様に、第2フックの第2基部側領域も、第2退避姿勢において第2対向面に沿う直線状に形成されてることにより、物品の側に突出することがなく、物品との干渉を回避することができる。一方、第1フックにおける、第1対向面の上端よりも上側の部分である第1先端側領域は、第1先端部の側へ向かうに従って次第に幅方向外側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされていることにより、上部の幅方向寸法が下部の幅方向寸法よりも大きい物品に対して、第1フックの第1先端側領域が干渉することを適切に回避できる。同様に、第2フックにおける、第2対向面の上端よりも上側の部分である第2先端側領域も、第2先端部の側へ向かうに従って次第に幅方向外側へ向かうように湾曲又は屈曲した形状とされていることにより、上部の幅方向寸法が下部の幅方向寸法よりも大きい物品に対して、第2フックの第2先端側領域が干渉することを適切に回避できる。
【0077】
また、前記第1出退部と前記第2出退部との前記幅方向の間隔を変更する間隔変更機構を更に備え、前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を備え、前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を備え、前記第1側面が前記第1対向面の上端部よりも上側において前記幅方向第1側に突出するように形成されていると共に前記第2側面が前記第2対向面の上端部よりも上側において前記幅方向第2側に突出するように形成された前記物品を特定物品として、前記第1対向面が前記特定物品の前記第1側面に接した状態で、前記第1退避姿勢において、前記第1側縁部は、前記移載方向視で前記特定物品の前記第1側面よりも前記幅方向第1側に配置され、前記第2対向面が前記特定物品の前記第2側面に接した状態で、前記第2退避姿勢において、前記第2側縁部は、前記移載方向視で前記特定物品の前記第2側面よりも前記幅方向第2側に配置されていると好適である。
【0078】
本構成によれば、上部の幅方向寸法が下部の幅方向寸法よりも大きい特定物品に対して、第1対向面及び第2対向面が接する状態であっても、退避姿勢の第1フック及び第2フックが当該特定物品と干渉することを適切に回避できる。
【0079】
また、前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を形成する第1本体部と、前記第1本体部を出退移動させる第1出退機構と、を備え、前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を形成する第2本体部と、前記第2本体部を出退移動させる第2出退機構と、を備え、前記第1退避姿勢において、前記第1フックにおける、前記第1本体部の上端よりも下側の部分が、前記第1本体部に対して前記移載方向に相対移動する前記第1出退機構と干渉しないように配置され、前記第2退避姿勢において、前記第2フックにおける、前記第2本体部の上端よりも下側の部分が、前記第2本体部に対して前記移載方向に相対移動する前記第2出退機構と干渉しないように配置されていると好適である。
【0080】
本構成によれば、第1出退部の第1本体部が出退移動する際に、第1退避姿勢の第1フックが、第1出退機構と干渉することを回避できる。同様に、第2出退部の第2本体部が出退移動する際に、第2退避姿勢の第2フックが、第2出退機構と干渉することを回避できる。よって、第1出退部及び第2出退部の出退動作を適正に行うことができる。
【0081】
また、前記第1退避姿勢の前記第1フックに対して前記幅方向第1側から当接する第1ストッパと、前記第2退避姿勢の前記第2フックに対して前記幅方向第2側から当接する第2ストッパと、を更に備えると好適である。
【0082】
本構成によれば、退避姿勢の第1フック及び第2フックが、更に幅方向の外側に動くことを規制できる。
【0083】
また、前記第1出退部は、前記物品における前記幅方向第1側を向く第1側面に対向する第1対向面を形成する第1本体部を備え、前記第2出退部は、前記物品における前記幅方向第2側を向く第2側面に対向する第2対向面を形成する第2本体部を備え、前記第1本体部の上部に第1延長部材が取り付けられており、前記第1延長部材は、前記第1対向面と同じ前記幅方向の位置で、前記第1対向面と平行に前記第1対向面から上側に延在するように配置された第3対向面を備え、前記第2本体部の上部に第2延長部材が取り付けられており、前記第2延長部材は、前記第2対向面と同じ前記幅方向の位置で、前記第2対向面と平行に前記第2対向面から上側に延在するように配置された第4対向面を備えると好適である。
【0084】
本構成によれば、例えば、第1対向面及び第2対向面の上端部のすぐ上側の部分に、それより下側の部分に対して幅方向の外側に突出した突出部を有する物品を移載する場合であっても、退避姿勢の第1フックにおける第1対向面よりすぐ上側の領域及び第2フックにおける第2対向面よりすぐ上側の領域が、当該物品の突出部に干渉しないようにできる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示に係る技術は、移載装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 :移載装置
5 :第1フック
6 :第2フック
11 :移載対象箇所
21 :支持部
31 :第1出退部
32 :第1対向面
32a :上端部
33 :第1本体部
33a :上端
34 :第1出退機構
41 :第2出退部
42 :第2対向面
42a :上端部
43 :第2本体部
43a :上端
44 :第2出退機構
51 :第1先端部
52 :第1側縁部
52a :第1基部側領域
52b :第1先端側領域
53 :第1基部
61 :第2先端部
62 :第2側縁部
62a :第2基部側領域
62b :第2先端側領域
63 :第2基部
71 :第1側面
72 :第2側面
80 :間隔変更機構
91 :第1ストッパ
92 :第2ストッパ
101 :第1延長部材
102 :第3対向面
201 :第2延長部材
202 :第4対向面
E1 :領域
E2 :領域
P1 :第1軸心
P2 :第2軸心
Pr1 :第1退避姿勢
Pr2 :第2退避姿勢
Pt1 :第1突出姿勢
Pt2 :第2突出姿勢
W :物品
Wt :特定物品
X :幅方向
X1 :幅方向第1側
X2 :幅方向第2側
Y :移載方向