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特許7501508道路鋲システム、道路鋲の制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】道路鋲システム、道路鋲の制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/559 20160101AFI20240611BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20240611BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240611BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20240611BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240611BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20240611BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240611BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240611BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240611BHJP
   F21W 131/103 20060101ALN20240611BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240611BHJP
【FI】
E01F9/559
F21S9/02 160
F21V23/00 120
F21V23/00 140
F21V23/04 500
F21S2/00 631
F21V23/00 110
H05B47/115
H05B47/19
H05B47/16
G08G1/09 A
F21W131:103
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021191683
(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公開番号】P2023078526
(43)【公開日】2023-06-07
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】及川 晋
(72)【発明者】
【氏名】中谷 浩之
(72)【発明者】
【氏名】北浜 謙一
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-191197(JP,A)
【文献】特開2018-132833(JP,A)
【文献】特開2021-090342(JP,A)
【文献】特開2008-215991(JP,A)
【文献】特開2020-144576(JP,A)
【文献】特開平06-245326(JP,A)
【文献】特開2010-068632(JP,A)
【文献】国際公開第2013/080860(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0030655(KR,A)
【文献】特表2021-526605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/559
F21S 9/02
F21V 23/00
F21V 23/04
F21S 2/00
H05B 47/115
H05B 47/19
H05B 47/16
G08G 1/09
F21W 131/103
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された固有の固定位置情報を記憶する端末記憶部と、
周辺に対して予め設定された光を発する発光部と、
周辺の動体を検出したことを示す検出信号を生成する動体検出部と、
所定の制御システムから前記発光部の動作の指示信号を前記固定位置情報に基づいて受信し、前記制御システムに対して前記検出信号を前記固定位置情報に基づいて送信する無線通信部と、
前記指示信号に基づいて、前記発光部を制御する端末制御部と、を備え、
前記端末記憶部は、埋設される位置の緯度および経度と紐付いた位置情報に対応する前記固定位置情報を記憶する、道路鋲と、
複数の前記道路鋲のそれぞれと無線通信可能に接続し、前記固定位置情報と共に前記指示信号を送信することにより前記複数の前記道路鋲を制御するグループ制御装置と、
複数の前記グループ制御装置と通信可能に接続し、前記グループ制御装置を介して、
前記複数の前記道路鋲を制御する全体制御装置を備え、
前記全体制御装置は、前記固定位置情報と前記道路鋲を含む所定の領域とを照合して、指示の対象となる前記道路鋲を抽出し、抽出した前記固定位置情報に基づいて、複数のグループに跨る複数の道路鋲を一括して制御する信号を複数のグループに一括して送信する、
道路鋲システム。
【請求項2】
前記道路鋲は、
所定の電力供給線から電力の供給を受ける蓄電池と、
付近に埋設されている交流電力の電力線の周囲にコイルを有することより交流電流を生じるように設定された変流器をさらに備え、
前記蓄電池は、前記変流器に生じる電流に基づいて電力の供給を受ける、
請求項1に記載の道路鋲システム
【請求項3】
前記全体制御装置は、
前記複数の前記道路鋲にかかるそれぞれの前記固定位置情報と、前記発光部の状態と、前記検出信号の状態と、前記グループ制御装置にかかるグループ属性と、を管理する全体記憶部を有する、
請求項1に記載の道路鋲システム。
【請求項4】
前記全体制御装置は、
前記複数の前記道路鋲から供給される前記検出信号と、前記検出信号を送信した前記道路鋲にかかる前記固定位置情報と、に基づいて、移動体が存在することを推定する推定部と、
前記推定の結果に基づいて、前記移動体が進行する領域に埋設されている前記道路鋲の前記発光部を動作させるための前記指示信号を送信する指示部と、をさらに有する
請求項1に記載の道路鋲システム。
【請求項5】
予め設定された固有の固定位置情報を記憶する端末記憶ステップと、
周辺に対して予め設定された光を発する発光ステップと、
周辺の動体を検出したことを示す検出信号を生成する動体検出ステップと、
所定の制御システムから前記発光ステップの動作の指示信号を前記固定位置情報に基づいて受信し、前記制御システムに対して前記検出信号を前記固定位置情報に基づいて送信する無線通信ステップと、
前記指示信号に基づいて、前記発光ステップを制御する端末制御ステップと、
を道路鋲が実行し
前記端末記憶ステップは、前記道路鋲が埋設される位置の緯度および経度と紐付いた位置情報に対応する前記固定位置情報を記憶し、
複数の前記道路鋲のそれぞれと無線通信可能に接続し、前記固定位置情報と共に前記指示信号を送信することにより前記複数の前記道路鋲をグループ制御装置が制御し、
複数の前記グループ制御装置と通信可能に接続し、前記グループ制御装置を介して、
前記複数の前記道路鋲を全体制御装置が制御する道路鋲の制御方法であって、
前記全体制御装置は、
前記固定位置情報と前記道路鋲を含む所定の領域とを照合して、指示の対象となる前記道路鋲を抽出し、抽出した前記固定位置情報に基づいて、複数のグループに跨る複数の道路鋲を一括して制御する信号を複数のグループに一括して送信する、
道路鋲の制御方法。
【請求項6】
予め設定された固有の固定位置情報を記憶する端末記憶ステップと、
周辺に対して予め設定された光を発する発光ステップと、
周辺の動体を検出したことを示す検出信号を生成する動体検出ステップと、
所定の制御システムから前記発光ステップの動作の指示信号を前記固定位置情報に基づいて受信し、前記制御システムに対して前記検出信号を前記固定位置情報に基づいて送信する無線通信ステップと、
前記指示信号に基づいて、前記発光ステップを制御する端末制御ステップと、
を道路鋲に実行させ、
前記端末記憶ステップは、前記道路鋲が埋設される位置の緯度および経度と紐付いた位置情報に対応する前記固定位置情報を記憶し、
複数の前記道路鋲のそれぞれと無線通信可能に接続し、前記固定位置情報と共に前記指示信号を送信することにより前記複数の前記道路鋲をグループ制御装置に制御させ、
複数の前記グループ制御装置と通信可能に接続し、前記グループ制御装置を介して、
前記複数の前記道路鋲を全体制御装置に制御させる、
制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記全体制御装置は、
前記固定位置情報と前記道路鋲を含む所定の領域とを照合して、指示の対象となる前記道路鋲を抽出し、抽出した前記固定位置情報に基づいて、複数のグループに跨る複数の道路鋲を一括して制御する信号を複数のグループに一括して送信する、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路鋲、道路鋲システム、道路鋲の制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の利便性を向上させるための様々な取り組みが行われている。例えば、太陽電池と発光部とを有し、太陽光を利用することにより発光部を発光させる道路鋲が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-345522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術は、太陽電池が太陽光を受けている間は発光部が発光するが、太陽電池から得られる電力は限られている。一方、さらに利便性を向上させた道路鋲システムの開発が期待されている。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、簡便かつ制御が容易な道路鋲または道路鋲システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる道路鋲は、端末記憶部、発光部、動体検出部、無線通信部および端末制御部を有している。端末記憶部は、予め設定された固有の固定位置情報を記憶する。発光部は、周辺に対して予め設定された光を発する。動体検出部は、周辺の動体を検出したことを示す検出信号を生成する。無線通信部は、固定位置情報に基づいて、所定の制御システムから発光部の動作の指示信号を受信し、制御システムに対して検出信号を送信する。端末制御部は、指示信号に基づいて、発光部を制御する。
【0007】
このような構成により、道路鋲は、固定位置情報を識別子として利用し、制御システムから位置情報に紐づいた指示を受けることができる。
【0008】
上記道路鋲において、端末記憶部は、道路鋲が埋設される位置の位置情報に対応する固定位置情報を記憶するものであってもよい。これにより道路鋲は、自機が埋設されている位置に紐づいた発光動作の指示を受けることができる。
【0009】
上記道路鋲は、所定の電力供給線から電力の供給を受ける蓄電池をさらに備えるものであってもよい。これにより、道路鋲は、安定した電力により好適な動作を実現する。
【0010】
上記道路鋲は、道路鋲の付近に埋設されている交流電力の電力線に併設される変流器をさらに備え、上記蓄電池は、変流器に生じる電流に基づいて電力の供給を受けるものであってもよい。これにより、道路鋲は、好適に所望の電力を蓄えることができる。
【0011】
本発明にかかる道路鋲システムは、上記道路鋲と、複数の道路鋲を制御する制御システムと、を有する。上記制御システムは、複数の道路鋲のそれぞれと無線通信可能に接続し、固定位置情報に基づいて、複数の道路鋲を制御するグループ制御装置を有する。これにより、道路鋲システムは、グループが有する複数の道路鋲を一括して制御できる。
【0012】
上記道路鋲システムにおいて、制御システムは、複数のグループ制御装置と通信可能に接続し、グループ制御装置を介して、固定位置情報に基づいて、複数の道路鋲を制御する全体制御装置をさらに備えるものであってもよい。これにより、道路鋲システムは、グループの配置に囚われることなく、複数のグループに跨る複数の道路鋲を一括して制御できる。
【0013】
上記道路鋲システムにおいて、全体制御装置は、複数の道路鋲にかかるそれぞれの固定位置情報と、発光部の状態と、検出信号の状態と、グループ制御装置にかかるグループ属性と、を管理する全体記憶部を有するものであってもよい。これにより、全体制御装置は、位置情報に紐づいた指示信号を送信できる。
【0014】
上記道路鋲システムにおいて、全体制御装置は、推定部と指示部とを有していてもよい。推定部は、複数の道路鋲から供給される検出信号と、検出信号を送信した道路鋲にかかる固定位置情報と、に基づいて、移動体が存在することを推定する。指示部は、上記推定の結果に基づいて、移動体が進行する領域に埋設されている道路鋲の発光部を動作させるための指示信号を送信する。これにより、道路鋲システムは、好適に移動体を推定し、移動体に対応した発光動作を行うことができる。
【0015】
本発明にかかる道路鋲の制御方法は、端末記憶ステップ、発光ステップ、動体検出ステップ、無線通信ステップおよび端末制御ステップを道路鋲が実行する。端末記憶ステップは、予め設定された固有の固定位置情報を記憶する。発光ステップは、周辺に対して予め設定された光を発する。動体検出ステップは、周辺の動体を検出したことを示す検出信号を生成する。無線通信ステップは、固定位置情報に基づいて、所定の制御システムから発光ステップの動作の指示信号を受信し、制御システムに対して検出信号を送信する。端末制御ステップは、指示信号に基づいて、発光ステップを制御する。
【0016】
このような方法により、道路鋲は、固定位置情報を識別子として利用し、制御システムから位置情報に紐づいた指示を受けることができる。
【0017】
本発明にかかる制御プログラムは、以下の制御方法を、コンピュータに実行させる。端末記憶ステップは、予め設定された固有の固定位置情報を記憶する。発光ステップは、周辺に対して予め設定された光を発する。動体検出ステップは、周辺の動体を検出したことを示す検出信号を生成する。無線通信ステップは、固定位置情報に基づいて、所定の制御システムから発光ステップの動作の指示信号を受信し、制御システムに対して検出信号を送信する。端末制御ステップは、指示信号に基づいて、発光ステップを制御する。
【0018】
このような方法により、道路鋲は、固定位置情報を識別子として利用し、制御システムから位置情報に紐づいた指示を受けることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡便かつ制御が容易な道路鋲または道路鋲システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態にかかる道路鋲の構成を示す断面図である。
図2】道路鋲システムの構成を示す平面図である。
図3】道路鋲システムにかかるグループの構成を示す平面図である。
図4】実施の形態にかかる道路鋲システムの全体概要を示すブロック図である。
図5】実施の形態にかかる道路鋲のブロック図である。
図6】実施の形態にかかるグループ制御装置のブロック図である。
図7】実施の形態にかかる全体制御装置のブロック図である。
図8】全体制御装置が記憶するグループ情報を示す図である。
図9】実施の形態にかかる道路鋲システムの動作の例を示す図である。
図10】道路鋲システムにおける指示部が指定する領域を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0022】
<実施の形態>
以下、実施の形態について説明する。図1は、実施の形態にかかる道路鋲の構成を示す断面図である。図1は、道路90および歩道91の延伸方向に直交する面における断面を示している。また図1は、道路90に埋設された道路鋲10の断面を模式的に示している。図1はさらに、道路90と歩道91との間に埋設され配管ボックス81と、歩道91上に設置された多目的ポール82を含む。
【0023】
道路鋲10は、道路上に露出する本体ブロック10Uと、道路に埋め込まれる電源ブロック10Lと、を有している。道路鋲10は、道路90の任意の位置において、本体ブロック10Uの少なくとも一部が露出するように埋設される。道路鋲10は、金属または樹脂の筐体を有し、外部から雨水や泥などの異物が侵入しない構造となっている。本体ブロック10Uは、端末制御部11、無線通信部12、発光部13、動体検出部14、等を含む制御基板を有する。
【0024】
端末制御部11は、制御基板に含まれる各構成から適宜信号を受け取り、または、各構成を制御する。端末制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMCU(Micro Controller Unit)と称される集積回路を含む。
【0025】
無線通信部12は、複数の道路鋲10を制御する制御システムであるグループ制御装置20と相互通信を行う。無線通信部12は、制御基板に実装され、制御システム(グループ制御装置20)との通信を制御する送受信制御回路と、信号の送受信を行うアンテナ部とを含む。無線通信部12は、例えば、920メガヘルツ帯の電波を利用してグループ制御装置20と通信を行う。なお、無線通信部12が使用する周波数帯は一例であって、他の周波数帯位置を使用してもよい。
【0026】
発光部13は、LED(light emitting diode)を含み、周辺に対して予め設定された光を発する。道路鋲10は、発光部13を複数有していてもよい。また発光部13は、異なる複数の方向に発光するように設置されていてもよい。本実施の形態において、道路鋲10は、発光部13を2つ有している。2つの発光部13は、互いに反対方向に向けて発光するように設置されている。本体ブロック10Uは、2つの発光部13の外側に光を透過する窓を有している。発光部13が発光することにより、周辺の歩行者や自動車の運転手などは、道路鋲10から発光される光を視認できる。2つの発光部13は、同じ仕様のLEDを含んでもよいし、異なる仕様のLEDを含んでもよい。2つの発光部13は、色調、輝度、発光タイミング等が別になるように制御され得る。
【0027】
動体検出部14は、動体センサであって、赤外線やマイクロ波等の電磁波を利用して周辺の動体を検出する。動体検出部14は、電磁波を受信するための透過部が道路鋲10の筐体から露出している。
【0028】
電源ブロック10Lは、本体ブロック10Uの下方に位置し、道路90に埋設されている。電源ブロック10Lは蓄電池16および変流器17を有する。
【0029】
蓄電池16は、後述する変流器17に接続しており、変流器17から電力の供給を受ける。蓄電池16は、変流器17から受ける交流電流を適宜直流に変換し、所定の電圧を受けて蓄電する。蓄電池16は、蓄電した電力を、本体ブロック10Uに含まれる制御基板に供給する。これにより道路鋲10は、安定した電力により好適な動作を実現する。
【0030】
変流器17は、道路鋲10の付近に埋設されている交流電力の電力線に併設される。変流器17は、交流電力線の周囲にコイルを有する。これにより変流器17は、交流電流を生じる。変流器17は生じた電流を、電線(電力供給線)を介して蓄電池16に供給する。上述の構成により、道路鋲10は、好適に所望の電力を蓄えることができる。
【0031】
道路90と歩道91との間には、配管ボックス81が敷設されている。配管ボックス81は例えばコンクリートにより形成された矩形状かつ中空の配管設備であって、中空部に送電線、配電線または光ケーブルなどの社会基盤設備を内包する。図1に示す配管ボックス81は、中空部に電力線80を有している。変流器17は、電力線80の周囲を鉄などの磁性体およびコイルが囲む。これにより変流器17に電流が生じる。
【0032】
以上、道路鋲10について説明した。図1に示した道路鋲10は、本体ブロック10Uと電源ブロック10Lの蓄電池16を格納している部分とが一体となった構成を示している。しかし、道路鋲10は、本体ブロック10Uと電源ブロック10Lとが離間していてもよい。これにより、道路鋲10の設置の自由度が向上する。
【0033】
次に、グループ制御装置20について説明する。図1に示すグループ制御装置20は、多目的ポール82に内蔵されている。多目的ポール82は、道路の所定の位置に配置され、無線ネットワークや携帯電話の基地局、監視カメラまたは街灯などの様々な設備を有する。
【0034】
グループ制御装置20は、複数の道路鋲10と通信し、通信する道路鋲10のそれぞれを制御する。グループ制御装置20は、無線通信により、例えば数十あるいは数百の道路鋲10と通信する。
【0035】
次に、図2を参照して、道路鋲10およびグループ制御装置20についてさらに説明する。図2は、道路鋲システムの構成を示す平面図である。図2は道路鋲システムが設置されている街路を示している。図2は、上方向が北、下方向が南、右方向が東、左方向が西である。
【0036】
図2において、道路90は、南北方向に延びている。また道路90の西側には歩道91が道路90に平行して延伸している。道路90と歩道91との境界付近には、電力線80が道路90に平行に埋設されている。さらに歩道91の中間部から西に向かって脇道92が伸びている。
【0037】
図2の道路90において、道路鋲10は、道路90の中央に、数メートル毎に等間隔に埋設されている。またそれぞれの道路鋲10は、変流器17が電力線80に併設されている。このように、道路鋲10は、それぞれが独立して電源となる電力を確保する。これにより、道路鋲10は、例えば故障などの不具合を生じる道路鋲10が他の道路鋲10に不具合の影響を及ぼすことがない。
【0038】
道路90に埋設されている道路鋲10は、発光部13をそれぞれ2つ有している。道路鋲10がそれぞれ有する2つの発光部13のうちの1つは、南方向に発光し、もう1つは北方向に発光する。
【0039】
図2において、道路90と脇道92とが合流している地点付近に、グループ制御装置20が設置されている。グループ制御装置20は、図2に示される複数の道路鋲10を制御する。すなわち、グループ制御装置20は、グループ制御装置20と通信する複数の道路鋲10を自機が管轄するグループとして制御する。
【0040】
道路90には、南から自動車が北に向かって走行している。このような場合に例えば道路鋲10は、動体検出部14が自動車を検出し、自動車が存在する南方向に向かって、緑色の光を発する。また例えば、道路鋲10は、自動車の存在する南方向の反対方向である北方向に向かって、赤い光を発する。
【0041】
次に、道路鋲10の異なる態様について説明する。脇道92の北側には、電力供給装置70が設置されている。電力供給装置70は、複数の道路鋲10に対して電力を供給するための装置である。電力供給装置70は、生成した電力を複数の道路鋲10に供給できるように、電力供給線が複数の道路鋲10と鎖状に繋がっている。脇道92は、電力線が埋設されていない。このような道路に道路鋲10を設置する場合、道路鋲10は、電力供給装置70から電力の供給を受けることができる。
【0042】
次に、図3を参照して道路鋲システムについてさらに説明する。図3は、道路鋲システムにかかるグループの構成を示す平面図である。図3は、図2に示した街路よりもさらに広域の街路であって、所定の市街地を示している。なお、図3に示す平面図は、図2と同様に、方角が定義されている。図3において、東西または南北に延びる太い直線は、道路90を示している。道路90に囲まれたグレーの部分は建物等を示している。
【0043】
図3には、3つのグループ制御装置20(20A、20Bおよび20C)が設置されている。またそれぞれのグループ制御装置20は、矩形の点線によって囲まれている。矩形の点線は、それぞれのグループ制御装置20が管轄する道路鋲10が配置される領域を示している。すなわち、グループ制御装置20Aは、領域200Aの中に配置された道路鋲10を制御する。グループ制御装置20Bは、領域200Bの中に配置された道路鋲10を制御する。そしてグループ制御装置20Cは、領域200C中に配置された道路鋲10を制御する。
【0044】
次に、図4を参照して、道路鋲システムについてさらに説明する。図4は、実施の形態にかかる道路鋲システムの全体概要を示すブロック図である。図4は、道路鋲システム1のブロック図が示されている。道路鋲システム1は、制御システム2と、制御システム2により制御される複数の道路鋲10を有する。
【0045】
制御システム2は、複数のグループ制御装置20と、全体制御装置30と、を有する。複数のグループ制御装置20と全体制御装置30とは、ネットワークNを介して通信可能に接続している。グループ制御装置20は上述のとおり、無線通信可能に接続する、自機のグループである複数の道路鋲10を制御する。グループ制御装置20は、道路鋲10から受け取った情報を、全体制御装置30に供給する。またグループ制御装置20は、全体制御装置30から道路鋲10に対する指示信号を受け取り、受け取った指示信号を、道路鋲10に供給する。
【0046】
全体制御装置30は、ネットワークNを介して複数のグループ制御装置20に接続する。全体制御装置30は、グループ制御装置20から道路鋲10についての情報を受け取る。また全体制御装置30は、受け取った情報に応じて、グループ制御装置20に対して道路鋲10を制御するための指示信号を供給する。
【0047】
なお、道路鋲10、グループ制御装置20および全体制御装置30は、例えばフラッシュメモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびCPU(Central Processing Unit)等が実装された回路基板を含み、メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、システムの機能を実現する。また道路鋲10、グループ制御装置20および全体制御装置30は、不揮発性メモリに予め記憶された制御プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
【0048】
次に、図5を参照して、道路鋲10の機能について説明する。図5は、実施の形態にかかる道路鋲のブロック図である。道路鋲10は、端末制御部11、無線通信部12、発光部13、動体検出部14および端末記憶部15を有する。なお、上述の各構成は、通信バスにより適宜、通信可能に接続されている。
【0049】
端末制御部11は、道路鋲10の各構成に接続し、道路鋲10を制御する。端末制御部11は、発光制御部110および検出信号取得部111を有する。発光制御部110は、無線通信部12を介して指示信号を受信し、受信する指示信号に従い、発光部13を制御する。発光制御部110は、例えば発光部13がR(赤)、G(緑)およびB(青)の3色のLEDを一組とするものであった場合には、それぞれの色の発光頻度等を指示する。検出信号取得部111は、動体検出部14が生成する検出信号を取得し、取得した検出信号を、無線通信部12を介してグループ制御装置20に対して送信する。
【0050】
無線通信部12は、制御システム2(すなわちグループ制御装置20)との無線通信を行う。無線通信部12は、グループ制御装置20との無線通信を実現するための送信回路、受信回路、およびアンテナ等を含む。無線通信部12は、グループ制御装置20から、発光部の動作の指示信号を受信する。無線通信部12は、指示信号を受信すると、受信した指示信号を、端末制御部11に供給する。無線通信部12はまた、端末制御部11から検出信号を受け取ると、受け取った検出信号を、グループ制御装置20に対して送信する。
【0051】
なお、無線通信部12は、上述の無線通信を行う際に、制御システム2に自機を識別させるための情報として、端末記憶部15に記憶している固定位置情報を利用する。すなわち、例えば無線通信部12が検出信号をグループ制御装置20に送信する際には、固定位置情報の送信も併せて行う。また無線通信部12は、グループ制御装置20から所定の指示信号を受け取る際、固定位置情報と共に指示信号を受け取る。
【0052】
ここで、「固定位置情報」とは、予め設定された位置情報であって、制御システム2が自機を識別可能な固有の識別情報でもある。位置情報は、道路鋲10が埋設される位置の位置情報に対応するものであって、固定された情報である。例えば、固定位置情報は、緯度および経度と紐づいた所定の地図情報において、道路鋲10が埋設される位置を指定することにより決定される。これにより道路鋲10は、自機が埋設されている位置に紐づいた発光動作の指示を受けることができる。
【0053】
発光部13は、発光制御部110からの指示に従い、指示に応じた色および頻度により道路鋲10の周辺に光を発する。動体検出部14は、動体を検出すると、検出信号を生成する。動体検出部14は生成した検出信号を、検出信号取得部111に供給する。
【0054】
端末記憶部15は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。端末記憶部15は、上述の固定位置情報150を記憶する。端末記憶部15は、道路鋲10が埋設される前に予め固定位置情報150を記憶する。端末記憶部15は、上書き禁止の記憶領域であってもよい。端末記憶部15は、CPUに付随するレジスタであってもよい。端末記憶部15は、道路鋲10が埋設された後に、制御システム2により固定位置情報150が更新されてもよい。
【0055】
以上、道路鋲10について説明した。このような構成により、道路鋲10は、固定位置情報を識別子として利用し、グループ制御装置20から位置情報に紐づいた指示を受けることができる。
【0056】
次に、図6を参照して、グループ制御装置20の機能について説明する。図6は、実施の形態にかかるグループ制御装置のブロック図である。グループ制御装置20は、グループ制御部21、グループ通信部22およびグループ記憶部23を有する。
【0057】
グループ制御部21は、グループ制御装置20が制御する複数の道路鋲10に対して適宜、指示信号を送信する。またグループ制御部21は、全体制御装置30から指示信号を受け取ると、受け取った指示信号に応じて、道路鋲10に指示信号を送信する。グループ制御部21は、上述の機能を実現するため、グループ通信部22と接続し、種々の信号をやりとりする。またグループ制御部21は、必要に応じてグループ記憶部23から端末情報を読み取る。またグループ制御部21は、必要に応じてグループ記憶部23の端末情報を更新する。
【0058】
グループ通信部22は、複数の道路鋲10のそれぞれと通信する。またグループ通信部22は、全体制御装置30とも通信する。グループ通信部22は、道路鋲10および全体制御装置30との通信を実現するための送信回路、受信回路、インタフェース等を含む。なお、グループ通信部22が道路鋲10と通信する場合の通信方式と、グループ通信部22が全体制御装置30と通信する場合の通信方式とは、異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。
【0059】
グループ記憶部23は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。グループ記憶部23は、端末情報230を記憶する。端末情報230は、グループ制御装置20が制御する道路鋲10の固定位置情報150を少なくとも含む。また端末情報230は、それぞれの道路鋲10における発光部13の動作状態や、動体検出部14が検出信号を送信しているか否かを含んでいてもよい。端末情報230に、発光部13の動作状態や検出信号の状態を含む場合、グループ制御部21は、端末情報230を適宜更新する。以上の構成により、グループ制御装置20は、グループ制御装置20に接続する複数の道路鋲を一括して制御できる。
【0060】
次に、図7を参照して、全体制御装置30の機能について説明する。図7は、実施の形態にかかる全体制御装置のブロック図である。全体制御装置30は、例えばコンピュータである。全体制御装置30は、全体制御部31、全体通信部32および全体記憶部33を有する。
【0061】
全体制御部31は、グループ制御装置20を介して接続する複数の道路鋲10を制御する。全体制御部31は、推定部310および指示部311を有する。推定部310は、グループ制御装置20を介して、道路鋲10から供給される検出信号を受け取る。推定部310は、受け取った検出信号と、検出信号を送信した道路鋲10の固定位置情報と、から、移動体が存在することを推定する。指示部311は、推定部310による上記推定の結果から、移動体が進行する領域に埋設されている道路鋲10の発光部13を動作させるための指示信号を送信する。このような構成により、道路鋲システム1は、好適に移動体を推定し、移動体に対応した発光動作を行うことができる。
【0062】
全体通信部32は、ネットワークNを介して、グループ制御装置20と通信をする。全体記憶部33は、グループ制御装置20との通信を実現するための送信回路、受信回路、インタフェース等を含む。全体通信部32は、グループ制御装置20から受信した検出信号を、全体制御部31に供給する。また全体通信部32は、全体制御部31から受け取った指示信号を、グループ制御装置20に送信する。
【0063】
全体記憶部33は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。全体記憶部33は、全グループ情報330を記憶する。全グループ情報330は、それぞれのグループ制御装置20が管理する端末情報230に含まれる道路鋲10それぞれの固定位置情報と、道路鋲10それぞれの発光部13の動作状態と、動体検出部14の検出信号の状態と、を含む。全体制御装置30は、全体記憶部33に全グループ情報330を記憶し、適宜更新する。これにより全体制御装置30は、道路鋲10それぞれの状態を管理する。すなわち、全体制御装置30は、全てのグループが有する複数の道路鋲を一括して制御できる。
【0064】
次に、図8を参照して、全グループ情報について説明する。図8は、全体制御装置が記憶する全グループ情報を示す図である。図8に示す表は、全グループ情報330の例を示している。全グループ情報330は、固定位置情報、発光部の状態、検出信号の状態、およびグループ属性情報が含まれる。
【0065】
固定位置情報は道路鋲10それぞれが有する位置情報である。例えば、表M30の一行目には、固定位置情報150でもある「E137.16021,N35.05075」が示されている。
【0066】
かかる固定位置情報150の右側には、この道路鋲10が有する2つの発光部13の状態として「発光部Aの状態」が「0:1:0」と示され、「発光部Bの状態」が「1:0:0」と示されている。これらは、発光部13のRGBそれぞれの動作状態を示すものであって、「0」がオフを示し、「1」がオンを示す。すなわち、1行目の道路鋲10は、発光部Aが緑色に点灯し、発光部Bが赤く点灯しているという状態である。同様に、例えば3行目の道路鋲10は、発光部13が点灯していない状態である。また、4行目の道路鋲10は、発光部Aが青く点灯しており、発光部Bは点灯していない状態である。
【0067】
全グループ情報330において、検出信号の状態は、「HI」または「LO」により示される。「HI」は、動体検出部が動体を検出している状態を示し、「LO」は、動体検出部が動体を検出していない状態を示している。1行目の道路鋲10において、検出信号の状態は、「LO」が示されている。すなわち1行目の道路鋲10は、動体を検出していない状態である。また2行目と3行目の道路鋲10は、動体を検出している状態である。
【0068】
検出信号の状態の右側には、グループ属性情報が示されている。グループ属性情報は、同じ行に示された固定位置情報150にかかる道路鋲10が、どのグループに属しているかを示している。例えば1行目から3行目までの道路鋲10は、グループ制御装置20Aが制御することが示されている。また4行目と5行目の道路鋲10は、グループ制御装置20Bが制御することが示されている。
【0069】
以上、全グループ情報330について説明した。全グループ情報330のうち、同じグループ属性情報を有する情報群は、そのグループの端末情報230と同じである。すなわち、全グループ情報330はグループ制御装置20それぞれが有する端末情報230の集合でもある。また端末情報230は、グループ制御装置20が有する道路鋲10それぞれの固定位置情報150を含む。
【0070】
なお、全グループ情報のうち発光部13の状態および検出信号の状態は、常に変化し得る。これらの情報は、例えば1秒ごとに更新される。よって、全グループ情報330は、例えば予め設定された期間分の履歴を記憶するものであってもよい。全体制御部31は、予め設定された期間分の履歴から、移動体の存在を推定してもよい。
【0071】
次に、図9を参照して、全体制御部31の動作の例について説明する。図9は、実施の形態にかかる道路鋲システムの動作の例を示す図である。図9図2に示した街路と同じものである。図9に示す街路において、歩行者P1が歩道91を北から南に向かってあるいている。歩行者P1は、脇道92を横断する直前である。また脇道92の西側からは、自動車V1が東へ向かって走行している。
【0072】
このような状況において、歩行者P1の周辺に埋設された道路鋲10は、歩行者P1の動きを検出する。同様に、自動車V1の周辺に埋設された道路鋲10は、自動車V1の動きを検出する。なお、歩行者P1の付近には、街路樹D1が存在しており、風により揺らいでいる。そのため、街路樹D1の周辺に埋設された道路鋲10は、街路樹D1の動きも検出する。
【0073】
推定部310は、上述のとおり、複数の道路鋲10から歩行者P1、自動車V1および街路樹D1の動きを検出したことを示す検出信号を受け取る。そこで、推定部310は、道路鋲10の固定位置情報と、検出信号の履歴とを参照し、検出信号にかかる動体が移動しているか否かを推定する。これにより、推定部310は、街路樹D1を移動体と推定せず、歩行者P1および自動車V1を移動体と推定できる。
【0074】
推定部310は、移動体を推定すると、移動体のそれぞれの位置および速度から、歩行者、自動車等の種別をさらに推定できる。推定部310が上述の推定をおこなった結果、歩行者P1が進行する領域に自動車V1が接近していることをさらに推定する。全体制御部31の指示部311は、この推定の結果を受けて、自動車V1が進行する領域の道路鋲10に対して、発光部13の動作を指示する指示信号を送信する。指示信号は、西側の発光部13のLEDを赤く点灯させる指示が含まれる。
【0075】
以上、全体制御部31の動作の例について説明した。このように、全体制御装置30は、固定位置情報と、検出信号から移動体を推定し、推定の結果に応じた指示信号を送信できる。
【0076】
次に、図10を参照して、指示部311が指示する指示信号の態様について説明する。図10は、道路鋲システムにおける指示部が指定する領域を説明するための図である。図10に示す街路は、図3に示したものと同じである。図10は、街路の中央部に、領域300を有している点が図3と異なる。
【0077】
図10に示す街路に示す領域300は、指示部311が道路鋲10の発光動作を指示するために設定した領域である。例えば指示部311は、領域300の中に位置する道路鋲10の発光部13を青く発光させることを指示する。このような場合に、指示部311は、領域300の位置情報と、複数の道路鋲10の固定位置情報と、を照合して、領域300の中に含まれる道路鋲10を抽出することができる。
【0078】
また指示部311は、グループ制御装置20A、グループ制御装置20Bおよびグループ制御装置20Cに対して、領域300の中に含まれる道路鋲10の発光部13の点灯を指示する信号を送信してもよい。この場合、指示を受けたグループ制御装置20A、グループ制御装置20Bおよびグループ制御装置20Cは、それぞれが有する道路鋲10の固定位置情報と領域300とを照合して、指示の対象となる道路鋲10を抽出する。
【0079】
以上のように、全体制御装置30は、複数のグループ制御装置20を介して、固定位置情報に基づいて、複数の道路鋲を制御する。これにより道路鋲システム1は、グループの配置に囚われることなく、複数のグループに跨る複数の道路鋲10を一括して制御できる。
【0080】
以上、実施の形態について説明した。実施の形態によれば、簡便かつ制御が容易な道路鋲または道路鋲システムを提供できる。
【0081】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0082】
上述のプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、SSD又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【符号の説明】
【0083】
1 道路鋲システム
2 制御システム
10 道路鋲
10U 本体ブロック
10L 電源ブロック
11 端末制御部
12 無線通信部
13 発光部
14 動体検出部
15 端末記憶部
16 蓄電池
17 変流器
20 グループ制御装置
21 グループ制御部
22 グループ通信部
23 グループ記憶部
30 全体制御装置
31 全体制御部
32 全体通信部
33 全体記憶部
70 電力供給装置
80 電力線
81 配管ボックス
82 多目的ポール
90 道路
91 歩道
92 脇道
110 発光制御部
111 検出信号取得部
310 推定部
311 指示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10