(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】プロジェクターの制御方法、及び表示システム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240611BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240611BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240611BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240611BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/38 100
G03B21/00 E
G03B21/14 Z
H04N5/74 Z
(21)【出願番号】P 2022006172
(22)【出願日】2022-01-19
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】溝森 将輝
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-254029(JP,A)
【文献】特開2011-095405(JP,A)
【文献】特開2018-022110(JP,A)
【文献】特開2019-028441(JP,A)
【文献】特開2019-090857(JP,A)
【文献】特開2020-136909(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111131800(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0120372(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 ー 5/42
G03B 21/00 ー 21/64
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロジェクターが、投射面の第1領域へ第1画像を投射することと、
第2プロジェクターが、前記投射面の第2領域へ第2画像を投射することと、
前記第1画像の投射領域を前記第1領域から第3領域へ移動し、且つ、前記第2画像の
投射領域を前記第2領域から第4領域へ移動する指示を受け付けることと、
前記指示を受け付けた場合に、
前記第1プロジェクターが、前記第1画像を、前記第1領域から第3領域へ第1移動速
度で移動することと、
前記第2プロジェクターが、前記第2画像を、前記第2領域から前記第4領域へ第2移
動速度で移動することと、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が所定距離以上且つ前記第1画像から前記第
3領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第1移動速度を基準速度に設定し、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が前記所定距離未満または前記第1画像から前
記第3領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第1移動速度を前記基準速
度よりも遅い減速速度に設定すること、
前記第2画像から前記第2領域までの距離が所定距離以上且つ前記第2画像から前記第
4領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第2移動速度を基準速度に設定し、
前記第2画像から前記第2領域までの距離が前記所定距離未満または前記第2画像から前
記第4領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第2移動速度を前記基準速
度よりも遅い減速速度に設定すること、
を含み、
前記第3領域に投射される前記第1画像と、前記第4領域に投射される前記第2画像と
が1つの画像を表示する、
プロジェクターの制御方法。
【請求項2】
前記第1画像が前記第3領域に到達し、且つ、前記第2画像が前記第4領域に到達した
場合に、前記第1プロジェクターが、前記第1画像として、前記移動が完了したことを報
知する画像を投射すること、
を含む、請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項3】
前記第1領域から前記第3領域までの距離が、前記第2領域から前記第4領域までの距
離よりも長い場合には、前記第1移動速度を前記第2移動速度よりも速い速度に設定し、
前記第1領域から前記第3領域までの距離が、前記第2領域から前記第4領域までの距
離よりも短い場合には、前記第1移動速度を前記第2移動速度よりも遅い速度に設定する
こと、
を含む、請求項3に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項4】
プロジェクターが、投射面の第1領域へ第1画像を投射することと、
前記第1画像の投射領域を前記第1領域から第3領域へ移動する指示を受け付けること
と、
前記指示を受け付けた場合に、前記プロジェクターが、前記第1画像を、前記第1領域
から第3領域へ第1移動速度で移動することと、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が所定距離以上且つ前記第1画像から前記第
3領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第1移動速度を基準速度に設定し、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が前記所定距離未満または前記第1画像から前
記第3領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第1移動速度を前記基準速
度よりも遅い減速速度に設定すること、
を含む、プロジェクターの制御方法。
【請求項5】
第1プロジェクターと、
第2プロジェクターと、を含み、
前記第1プロジェクターが、投射面の第1領域へ第1画像を投射し、
前記第2プロジェクターが、前記投射面の第2領域へ第2画像を投射し、
前記第1プロジェクター、及び前記第2プロジェクターの少なくとも一方が、前記第1
画像の投射領域を前記第1領域から第3領域へ移動し、且つ、前記第2画像の投射領域を
前記第2領域から第4領域へ移動する指示を受け付け、
前記指示を受け付けた場合に、
前記第1プロジェクターが、前記第1画像を、前記第1領域から第3領域へ第1移動速
度で移動し、
前記第2プロジェクターが、前記第2画像を、前記第2領域から前記第4領域へ第2移
動速度で移動し、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が所定距離以上且つ前記第1画像から前記第
3領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第1移動速度を基準速度に設定し、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が前記所定距離未満または前記第1画像から
前記第3領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第1移動速度を前記基準
速度よりも遅い減速速度に設定し、
前記第2画像から前記第2領域までの距離が所定距離以上且つ前記第2画像から前記第
4領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第2移動速度を基準速度に設定し、
前記第2画像から前記第2領域までの距離が前記所定距離未満または前記第2画像から
前記第4領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第2移動速度を前記基準
速度よりも遅い減速速度に設定し、
前記第3領域に投射される前記第1画像と、前記第4領域に投射される前記第2画像と
が1つの画像を表示する、
表示システム。
【請求項6】
第1プロジェクターと、
第2プロジェクターと、
情報処理装置と、を含み、
前記第1プロジェクターが、投射面の第1領域へ第1画像を投射し、
前記第2プロジェクターが、前記投射面の第2領域へ第2画像を投射し、
前記情報処理装置が、前記第1画像の投射領域を前記第1領域から第3領域へ移動する
第1指示情報、及び、前記第2画像の投射領域を前記第2領域から第4領域へ移動する第
2指示情報を受け付け、
前記第1指示情報および前記第2指示情報を受け付けた場合に、
前記第1プロジェクターが、前記第1指示情報に基づき、前記第1画像を、前記第1領
域から第3領域へ第1移動速度で移動し、
前記第2プロジェクターが、前記第2指示情報に基づき、前記第2画像を、前記第2領
域から前記第4領域へ第2移動速度で移動し、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が所定距離以上且つ前記第1画像から前記第
3領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第1移動速度を基準速度に設定し、
前記第1画像から前記第1領域までの距離が前記所定距離未満または前記第1画像から
前記第3領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第1移動速度を前記基準
速度よりも遅い減速速度に設定し、
前記第2画像から前記第2領域までの距離が所定距離以上且つ前記第2画像から前記第
4領域までの距離が所定距離以上である場合には前記第2移動速度を基準速度に設定し、
前記第2画像から前記第2領域までの距離が前記所定距離未満または前記第2画像から
前記第4領域までの距離が前記所定距離未満である場合には前記第2移動速度を前記基準
速度よりも遅い減速速度に設定し、
前記第3領域に投射される前記第1画像と、前記第4領域に投射される前記第2画像と
が1つの画像を表示する
表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターの制御方法、及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプロジェクターによって1つの画像を投射する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、複数のプロジェクターによって1つの画像を投射することが記載されており、各プロジェクターが、投射画像のローテーションの調整や平行移動を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の複数のプロジェクターでは、投射領域を調整する際に、調整前の投射領域から調整後の投射領域までの途中経過が見えないため、投射領域の調整の内容をユーザーが確認できない可能性がある。その結果、ユーザーの利便性が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るプロジェクターの制御方法は、第1プロジェクターが、投射面の第1領域へ第1画像を投射することと、第2プロジェクターが、前記投射面の第2領域へ第2画像を投射することと、前記第1画像の投射領域を前記第1領域から第3領域へ移動し、且つ、前記第2画像の投射領域を前記第2領域から第4領域へ移動する指示を受け付けることと、前記指示を受け付けた場合に、前記第1プロジェクターが、前記第1画像を、前記第1領域から第3領域へ第1移動速度で移動することと、前記第2プロジェクターが、前記第2画像を、前記第2領域から前記第4領域へ第2移動速度で移動することと、を含み、前記第3領域に投射される前記第1画像と、前記第4領域に投射される前記第2画像とが1つの画像を表示する。
【0006】
本開示の他の一態様に係る表示システムは、第1プロジェクターと、第2プロジェクターと、を含み、前記第1プロジェクターが、投射面の第1領域へ第1画像を投射し、前記第2プロジェクターが、前記投射面の第2領域へ第2画像を投射し、前記第1プロジェクター、及び前記第2プロジェクターの少なくとも一方が、前記第1画像の投射領域を前記第1領域から第3領域へ移動し、且つ、前記第2画像の投射領域を前記第2領域から第4領域へ移動する指示を受け付け、前記指示を受け付けた場合に、前記第1プロジェクターが、前記第1画像を、前記第1領域から第3領域へ第1移動速度で移動し、前記第2プロジェクターが、前記第2画像を、前記第2領域から前記第4領域へ第2移動速度で移動し、前記第3領域に投射される前記第1画像と、前記第4領域に投射される前記第2画像とが1つの画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る表示システムの構成の一例を示す図。
【
図2】本実施形態に係るプロジェクターの構成の一例を示す図。
【
図3】プロジェクターの制御部の構成の一例を示す図。
【
図4】スクリーンに表示される画像の変化の一例を示す画像遷移図。
【
図5】液晶パネルに表示する画像の変化の一例を示す画像遷移図。
【
図6】第1画像の第1移動速度の変化の一例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0009】
[1.表示システムの構成]
図1は、本実施形態に係る表示システム1の構成の一例を示す図である。
表示システム1は、第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bとを備える。第1プロジェクター100Aは、第2プロジェクター100Bと、ケーブルCBを介して、通信可能に接続される。
【0010】
第1プロジェクター100Aは、第1画像PAをスクリーンSCの第1領域R1に投射する。第1プロジェクター100Aは、例えば、投射光PLAをスクリーンSCに向けて投射することによって、第1画像PAをスクリーンSCの第1領域R1に表示する。
第2プロジェクター100Bは、第2画像PBをスクリーンSCの第2領域R2に投射する。第2プロジェクター100Bは、例えば、投射光PLBをスクリーンSCに向けて投射することによって、第2画像PBをスクリーンSCの第2領域R2に投射する。第1画像PA及び第2画像PBの各々は、例えば、パターン画像PPである。スクリーンSCにおいて、例えば、第1領域R1は、第2領域R2の左側に配置される。
スクリーンSCは、「投射面」の一例に対応する。
【0011】
図1には、第1プロジェクター100A、及び第2プロジェクター100BをスクリーンSCの前方に床置きした床置き設置の例を図示するが、プロジェクター100を、例えば、天井から吊り下げて設置してもよい。本実施形態では、第1プロジェクター100A、及び第2プロジェクター100Bが平面のスクリーンSCに投射する場合を例示するが、投射対象はスクリーンSCに限らず、建物の壁面等の平面であってもよく、曲面や凹凸面であってもよい。
【0012】
第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bとは、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、通信可能に接続される。
第1プロジェクター100Aは、例えば、ユーザーから移動指示を受け付けた場合に、移動指示情報CMを第2プロジェクター100Bに送信する。移動指示情報CMは、例えば、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動することを指示する情報である。第3領域R3は、第1画像PAの移動先の目標領域である。第4領域R4は、第2画像PBの移動先の目標領域である。
第3領域R3、及び第4領域R4については、
図4を参照して更に説明する。
【0013】
[2.プロジェクターの構成]
図2は、本実施形態に係るプロジェクター100の構成の一例を示す図である。
図2では、第1プロジェクター100Aの構成について説明する。第2プロジェクター100Bは、第1プロジェクター100Aと同様の構成を有するため、第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bとを区別しない場合には、プロジェクター100と記載する場合がある。
プロジェクター100は、投射部110と、投射部110を駆動する駆動部120とを備える。投射部110は、光学的な画像の形成を行い、スクリーンSCに画像を投射する。
投射部110は、光源部111、光変調装置112及び投射光学系113を備える。駆動部120は、光源駆動部121及び光変調装置駆動部122を備える。
【0014】
光源部111は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ、又はLED(Light Emitting Diode)、レーザー光源等の固体光源を備える。
また、光源部111は、光源が発した光を光変調装置112に導くリフレクター、及び補助リフレクターを備えてもよい。更に、光源部111は、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群、偏光板、又は光源が発した光の光量を光変調装置112に至る経路上で低減させる調光素子等を備えてもよい。
光源駆動部121は、内部バス107に接続され、同じく内部バス107に接続された制御部150の指示に従って、光源部111の光源を点灯及び消灯させる。
【0015】
光変調装置112は、例えば、R、G及びBの三原色に対応した3枚の液晶パネル115を備える。Rは赤色を示し、Gは緑色を示し、Bは青色を示す。すなわち、光変調装置112は、R色光に対応した液晶パネル115と、G色光に対応した液晶パネル115と、B色光に対応した液晶パネル115とを備える。
光源部111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、それぞれ対応する液晶パネル115に入射される。3枚の液晶パネル115の各々は、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して画像光PLを生成する。各液晶パネル115を通過して変調された画像光PLは、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系113に射出される。
以下の説明において、第1プロジェクター100Aの液晶パネル115を、第1液晶パネル115Aと記載し、第2プロジェクター100Bの液晶パネル115を、第2液晶パネル115Bと記載する場合がある。
【0016】
光変調装置112は、光変調装置駆動部122によって駆動される。光変調装置駆動部122は、画像処理部145に接続される。
光変調装置駆動部122には、画像処理部145からR,G,Bの各原色に対応する画像データが入力される。光変調装置駆動部122は、入力された画像データを液晶パネル115の動作に適したデータ信号に変換する。光変調装置駆動部122は、変換したデータ信号に基づいて、各液晶パネル115の各画素に電圧を印加し、各液晶パネル115に画像を描画する。
【0017】
投射光学系113は、入射された画像光PLをスクリーンSC上に結像させるレンズやミラー等を備える。また、投射光学系113は、スクリーンSCに投射される画像を拡大又は縮小させるズーム機構や、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構等を備えてもよい。
【0018】
プロジェクター100は、操作部131、リモコン受光部133、入力インターフェース135、記憶部137、通信インターフェース141、フレームメモリー143、画像処理部145及び制御部150を更に備える。入力インターフェース135、記憶部137、通信インターフェース141、画像処理部145及び制御部150は、内部バス107を介して互いにデータ通信可能に接続される。
【0019】
操作部131は、プロジェクター100の筐体表面に設けられた各種のボタンやスイッチを備え、これらのボタンやスイッチの操作に対応した操作信号を生成して、入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、操作部131から入力された操作信号を制御部150に出力する。
【0020】
リモコン受光部133は、リモコン5から送信される赤外線信号を受光し、受光した赤外線信号をデコードして操作信号を生成する。リモコン受光部133は、生成した操作信号を入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、リモコン受光部133から入力された操作信号を制御部150に出力する。
【0021】
記憶部137は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置である。記憶部137は、制御部150が実行するプログラム、制御部150が処理したデータ、画像データ等を記憶する。
【0022】
通信インターフェース141は、コネクター及びインターフェース回路を備え、移動指示情報CMを第2プロジェクター100Bに送信する。本実施形態では、通信インターフェース141は、例えば、Ethernet規格に則って第2プロジェクター100Bと通信するためのインターフェースである。通信インターフェース141は、ケーブルCBを介して、第2プロジェクター100Bと通信可能に接続される。
【0023】
制御部150は、プロセッサー150A及びメモリー150Bを備える。
メモリー150Bは、プロセッサー150Aが実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリー150Bは、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。また、メモリー150Bは、プロセッサー150Aのワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。また、メモリー150Bは、HDD、SSD等の不揮発性の記憶装置を含んでもよい。
メモリー150Bは、制御部150により処理されるデータや、プロセッサー150Aが実行する制御プログラム154を記憶する。
【0024】
プロセッサー150Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーがプロセッサー150Aとして機能する構成であってもよい。プロセッサー150Aは、制御プログラム154を実行してプロジェクター100の各部を制御する。例えば、プロセッサー150Aは、操作部131やリモコン5により受け付けた操作に対応した画像処理の実行指示と、この画像処理に用いるパラメーターとを画像処理部145に出力する。パラメーターには、例えば、スクリーンSCに投射する画像の幾何的な歪みを補正するための幾何補正パラメーター等が含まれる。また、プロセッサー150Aは、光源駆動部121を制御して光源部111の点灯と消灯とを制御する。
【0025】
制御部150、画像処理部145及びフレームメモリー143の各々は、例えば、集積回路により構成することができる。集積回路は、LSI、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0026】
画像処理部145は、メモリー150B又は記憶部137に記憶された画像データをフレームメモリー143に展開する。フレームメモリー143は、複数のバンクを備える。各バンクは、1フレーム分の画像データを書き込み可能な記憶容量を有する。フレームメモリー143は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成される。
【0027】
画像処理部145は、フレームメモリー143に展開した画像データに対して、例えば、解像度変換処理又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。
また、画像処理部145は、垂直同期信号の入力フレーム周波数を描画周波数に変換した垂直同期信号を生成する。生成した垂直同期信号を出力同期信号という。画像処理部145は、生成した出力同期信号を光変調装置駆動部122に出力する。
【0028】
[3.制御部の構成]
図3は、プロジェクター100の制御部150の構成の一例を示す図である。
図3では、第1プロジェクター100Aの制御部150の構成について説明する。第2プロジェクター100Bの制御部150は、第1プロジェクター100Aの制御部150と同様の構成を有するため、第1プロジェクター100Aの制御部150と、第2プロジェクター100Bの制御部150とを区別しない場合には、制御部150と記載する場合がある。
図3に示すように、制御部150は、指示受付部151と、速度設定部152と、移動実行部153と、パターン画像記憶部155と、移動完了画像記憶部156と、を備える。具体的には、制御部150のプロセッサー150Aが、メモリー150Bに記憶された制御プログラム154を実行することによって、指示受付部151、速度設定部152、及び移動実行部153、として機能する。また、制御部150のプロセッサー150Aが、メモリー150Bに記憶された制御プログラム154を実行することによって、メモリー150Bを、パターン画像記憶部155、及び移動完了画像記憶部156、として機能させる。
【0029】
パターン画像記憶部155は、パターン画像PPを記憶する。パターン画像PPは、第1領域R1に第1画像PAを表示する場合に、第1画像PAとして表示される。パターン画像PPは、第1画像PAを表示する領域の位置、形状及びサイズ、第1画像PAの色等を調整する場合に表示される。
【0030】
移動完了画像記憶部156は、第1移動完了画像PE1を記憶する。第1移動完了画像PE1は、第1画像PAの第3領域R3への移動と、第2画像PBの第4領域R4への移動とが完了したことを示す画像である。第1移動完了画像PE1は、第1画像PAが第1領域R1から第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第2領域R2から第4領域R4に到達した場合に、移動実行部153によって、第1画像PAとして表示される。
本実施形態では、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示するように、第3領域R3、及び第4領域R4がスクリーンSCに配置される。具体的には、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとは、いわゆる「タイリング投射」され、1つの画像PTを表示する。1つの画像PTは、例えば、移動完了画像PEである。
移動完了画像PEについては、
図4を参照して更に説明する。
【0031】
同様に、第2プロジェクター100Bの移動完了画像記憶部156は、第2移動完了画像PE2を記憶する。第2移動完了画像PE2は、第1画像PAの第3領域R3への移動と、第2画像PBの第4領域R4への移動とが完了したことを示す画像である。第2移動完了画像PE2は、第1画像PAが第1領域R1から第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第2領域R2から第4領域R4に到達した場合に、第2プロジェクター100Bの移動実行部153によって、第2画像PBとして表示される。
【0032】
本実施形態では、第1画像PAと第2画像PBとがスクリーンSCの左右方向に並べられて、1つの画像PTを表示する。そこで、第3領域R3に投射される第1移動完了画像PE1は、例えば、移動完了画像PEの左半分の画像であり、第4領域R4に投射される第2移動完了画像PE2は、例えば、移動完了画像PEの右半分の画像である。
本実施形態では、第1画像PAと第2画像PBとがスクリーンSCの左右方向に並べられて、1つの画像PTを表示するが、これに限定されない。第1画像PAと第2画像PBとがスクリーンSCの上下方向に並べられて、1つの画像PTを表示してもよい。
【0033】
指示受付部151は、操作部131又はリモコン5に対するユーザーの操作に応じて、ユーザーから移動指示を受け付ける。移動指示は、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3へ移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ移動することの指示である。第1領域R1及び第3領域R3の各々は、第1プロジェクター100Aの投射領域の一例に対応する。第2領域R2及び第4領域R4の各々は、第2プロジェクター100Bの投射領域の一例に対応する。
第3領域R3、及び第4領域R4については、
図4を参照して更に説明する。
指示受付部151は、移動指示を受け付けた場合に、移動指示情報CMを生成し、移動指示情報CMを第2プロジェクター100Bへ送信する。
【0034】
本実施形態では、第1プロジェクター100Aの指示受付部151が、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3へ移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ移動することの指示を受け付ける場合について説明するが、これに限定されない。第1プロジェクター100A及び第2プロジェクター100Bの少なくとも一方が、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3へ移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ移動することの指示を受ければよい。
【0035】
また、本実施形態では、第1プロジェクター100Aがユーザーから移動指示を受け付ける場合について説明するが、これに限定されない。表示システム1が、第1プロジェクター100A及び第2プロジェクター100Bと通信可能に接続されたパーソナルコンピューター等の情報処理装置を備え、情報処理装置が、ユーザーから移動指示を受け付けた場合に、移動指示情報CMを第1プロジェクター100A及び第2プロジェクター100Bに送信してもよい。
また、移動指示情報CMが、第1移動指示情報CM1と、第2移動指示情報CM2とを含み、情報処理装置が、第1移動指示情報CM1を第1プロジェクター100Aに送信し、第2移動指示情報CM2を第2プロジェクター100Bに送信してもよい。なお、第1移動指示情報CM1は、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3へ移動することを指示する情報である。第2移動指示情報CM2は、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ移動することを指示する情報である。
【0036】
速度設定部152は、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1に基づき、第1移動速度V1を設定する。
同様に、第2プロジェクター100Bの速度設定部152は、第2領域R2から第4領域R4までの第2距離L2に基づき、第2移動速度V2を設定する。
速度設定部152は、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1が、第2領域R2から第4領域R4までの第2距離L2よりも長い場合には、第1移動速度V1を第2移動速度V2よりも速い速度に設定する。また、速度設定部152は、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1が、第2領域R2から第4領域R4までの第2距離L2よりも短い場合には、第1移動速度V1を第2移動速度V2よりも遅い速度に設定する。
速度設定部152は、例えば、第1画像PAが第3領域R3に到達するタイミングと、第2画像PBが第4領域R4に到達するタイミングとが一致するように、第1移動速度V1及び第2移動速度V2を設定する。
第1距離L1、及び第2距離L2については、
図4を参照して更に説明する。
【0037】
速度設定部152は、第1領域R1から第1画像PAまでの距離が、第1閾値距離SL1以上である場合には、第1移動速度V1を第1基準速度VH1に設定する。また、速度設定部152は、第1領域R1から第1画像PAまでの距離が、第1閾値距離SL1未満である場合には、第1移動速度V1を、第1基準速度VH1よりも遅い第1減速速度VL1に設定する。
同様に、第2プロジェクター100Bの速度設定部152は、第2領域R2から第2画像PBまでの距離が、第2閾値距離SL2以上である場合には、第2移動速度V2を第2基準速度VH2に設定する。また、第2プロジェクター100Bの速度設定部152は、第2領域R2から第2画像PBまでの距離が、第2閾値距離SL2未満である場合には、第2移動速度V2を、第2基準速度VH2よりも遅い第2減速速度VL2に設定する。
【0038】
また、速度設定部152は、第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3以上である場合には、第1移動速度V1を第1基準速度VH1に設定する。また、速度設定部152は、第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3未満である場合には、第1移動速度V1を、第1基準速度VH1よりも遅い第3減速速度VL3に設定する。
同様に、第2プロジェクター100Bの速度設定部152は、第2画像PBから第4領域R4までの距離が、第4閾値距離SL4以上である場合には、第2移動速度V2を第2基準速度VH2に設定する。また、第2プロジェクター100Bの速度設定部152は、第2画像PBから第4領域R4までの距離が、第4閾値距離SL4未満である場合には、第2移動速度V2を、第2基準速度VH2よりも遅い第4減速速度VL4に設定する。
第1基準速度VH1は、「基準速度」の一例に対応する。第3減速速度VL3は、「減速速度」の一例に対応する。第3閾値距離SL
3は、「所定距離」の一例に対応する。
第1基準速度VH1、第1減速速度VL1、第3減速速度VL3、第1閾値距離SL1、及び第3閾値距離SL3については、
図6を参照して更に説明する。
【0039】
移動実行部153は、速度設定部152が設定した第1移動速度V1で、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3まで移動する。移動実行部153は、例えば、第1液晶パネル115Aに生成する画像の位置を移動することによって、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3まで移動する。換言すれば、移動実行部153は、いわゆる、「デジタルシフト機能」によって、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3まで移動する。
同様に、第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、速度設定部152が設定した第2移動速度V2で、第2画像PBを第2領域R2から第4領域R4まで移動する。第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、例えば、第2液晶パネル115Bに生成する画像の位置を移動することによって、第2画像PBを第2領域R2から第4領域R4まで移動する。換言すれば、第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、いわゆる、「デジタルシフト機能」によって、第2画像PBを第2領域R2から第4領域R4まで移動する。
【0040】
また、移動実行部153は、第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達した場合に、移動完了画像記憶部156から第1移動完了画像PE1を読み出し、第1画像PAとして表示する。
同様に、第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達した場合に、移動完了画像記憶部156から第2移動完了画像PE2を読み出し、第2画像PBとして表示する。
なお、移動実行部153は、第1画像PAが第3領域R3に到達したときに、第1画像PAが第3領域R3に到達したことを示す情報を、第2プロジェクター100Bへ送信する。また、第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、第2画像PBが第4領域R4に到達したときに、第2画像PBが第4領域R4に到達したことを示す情報を、第1プロジェクター100Aへ送信する。
【0041】
[4.具体例]
図4は、スクリーンSCに表示される画像の変化の一例を示す画像遷移
図TPである。
画像遷移
図TPは、上段に、移動前の第1画像PA及び第2画像PBがスクリーンSCに表示された状態を示し、下段に、移動後の第1画像PA及び第2画像PBがスクリーンSCに表示された状態を示す。
【0042】
具体的には、上段には、第1プロジェクター100Aによって、スクリーンSCの第1領域R1に第1画像PAとしてパターン画像PPが表示される。また、第2プロジェクター100Bによって、スクリーンSCの第2領域R2に第2画像PBとしてパターン画像PPが表示される。第1領域R1は、スクリーンSCの左部分に位置し、第2領域R2は、スクリーンSCの右部分に位置する。第1領域R1と、第2領域R2とは離間している。
【0043】
下段には、第1プロジェクター100Aの移動実行部153によって、スクリーンSCの第3領域R3に第1画像PAとして第1移動完了画像PE1が表示される。また、第2プロジェクター100Bの移動実行部153によって、スクリーンSCの第4領域R4に第2画像PBとして第2移動完了画像PE2が表示される。
第3領域R3は、スクリーンSCにおいて、第1領域R1を右向きに第1距離L1だけ移動した位置に配置される。第4領域R4は、スクリーンSCにおいて、第2領域R2を左向きに第2距離L2だけ移動した位置に配置される。
図4では、第1距離L1は、第2距離L2よりも長い。この場合には、速度設定部152は、例えば、第1移動速度V1を第2移動速度V2よりも速い速度に設定する。
【0044】
なお、本実施形態では、第1領域R1と第3領域R3とは、同一形状であり、且つ、同一サイズである。また、第2領域R2と第4領域R4とは、同一形状であり、且つ、同一サイズである。換言すれば、本実施形態における投射領域の調整は、投射領域の移動である。
【0045】
第3領域R3の右端と、第4領域R4の左端とは接する。第3領域R3に表示された第1移動完了画像PE1と、第4領域R4に表示された第2移動完了画像PE2とは、移動完了画像PEを構成する。移動完了画像PEは、1つの画像PTの一例に対応する。
移動完了画像PEは、例えば、楕円形の図形画像と、「Adjustment completed」という、移動、すなわち、投射領域の調整が完了したことを示す文字画像とを含む。
なお、「タイリング投射」によって1つの画像PTを表示する場合には、第1プロジェクター100Aの投射領域と、第2プロジェクター100Bの投射領域の一部とが重なる領域が生成され、この領域においてエッジブレンディング処理が施される。本実施形態では、便宜上、この領域が無い場合について説明する。
【0046】
図5は、液晶パネル115に表示する画像の変化の一例を示す画像遷移
図TQである。
画像遷移
図TQは、左側に、第1プロジェクター100Aの第1液晶パネル115Aに表示される第1画像QAの表示位置の変化を示し、右側に、第2プロジェクター100Bの第2液晶パネル115Bに表示される第2画像QBの表示位置の変化を示す。
第1画像QAは、第1画像PAに対応する。すなわち、第1画像QAを第1液晶パネル115Aに表示することによって、第1プロジェクター100AはスクリーンSCに第1画像PAを投射する。第2画像QBは、第2画像PBに対応する。すなわち、第2画像QBを第2液晶パネル115Bに表示することによって、第2プロジェクター100BはスクリーンSCに第2画像PBを投射する。
【0047】
まず、画像遷移
図TQの左部に示す図を参照して、第1プロジェクター100Aの第1液晶パネル115Aに表示される第1画像QAの表示位置の変化について説明する。
上段には、第1液晶パネル115Aの第1領域S1に第1画像QAが表示される。第1液晶パネル115Aの第1領域S1に第1画像QAを表示することによって、第1プロジェクター100Aは、スクリーンSCの第1領域R1に第1画像PAを表示する。
【0048】
下段に示すように、第1プロジェクター100Aの移動実行部153は、第1画像QAを第1液晶パネル115Aの第1領域S1から第3領域S3に移動する。第1液晶パネル115Aにおいて、第1画像QAを第1領域S1から第3領域S3に移動することによって、第1プロジェクター100Aは、スクリーンSCにおいて、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3に移動する。
第3領域S3は、第1領域S1を右向きに第1距離M1だけ移動した位置に配置される。第1液晶パネル115Aにおいて、第1領域S1を右向きに第1距離M1だけ移動することによって、スクリーンSCにおいて、第1画像PAが右向きに第1距離L1だけ移動する。
【0049】
次に、画像遷移
図TQの右部に示す図を参照して、第2プロジェクター100Bの第2液晶パネル115Bに表示される第2画像QBの表示位置の変化について説明する。
上段には、第2液晶パネル115Bの第2領域S2に第2画像QBが表示される。第2液晶パネル115Bの第2領域S2に第2画像QBを表示することによって、第2プロジェクター100Bは、スクリーンSCの第2領域R2に第2画像PBを表示する。
【0050】
下段に示すように、第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、第2画像QBを第2液晶パネル115Bの第2領域S2から第4領域S4に移動する。第2液晶パネル115Bにおいて、第2画像QBを第2領域S2から第4領域S4に移動することによって、第2プロジェクター100Bは、スクリーンSCにおいて、第2画像PBを第2領域R2から第4領域R4に移動する。
第4領域S4は、第2領域S2を左向きに第2距離M2だけ移動した位置に配置される。第2液晶パネル115Bにおいて、第2領域S2を左向きに第2距離M2だけ移動することによって、スクリーンSCにおいて、第2画像PBが左向きに第2距離L2だけ移動する。
【0051】
図4及び
図5を参照して説明したように、第1プロジェクター100Aの移動実行部153は、第1画像QAを第1液晶パネル115Aの第1領域S1から第3領域S3に移動することによって、第1プロジェクター100Aは、スクリーンSCにおいて、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3に移動する。同様に、第2プロジェクター100Bの移動実行部153は、第2画像QBを第2液晶パネル115Bの第2領域S2から第4領域S4に移動することによって、スクリーンSCにおいて、第2画像PBを第2領域R2から第4領域R4に移動する。
したがって、スクリーンSCにおいて、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3に容易に移動できる。同様に、スクリーンSCにおいて、第2画像PBを第2領域R2から第4領域R4に容易に移動できる。
また、第1画像PAの第1領域R1から第3領域R3までの第1移動速度V1を容易に調整できる。同様に、第2画像PBの第2領域R2から第4領域R4までの第2移動速度V2を容易に調整できる。
第1移動速度V1については、
図6を参照して更に説明する。
【0052】
図6は、スクリーンSCに表示される第1画像PAの第1移動速度V1の変化の一例を示すグラフである。横軸は、移動距離Lであり、縦軸は、第1移動速度V1である。グラフGは、第1移動速度V1の変化を示す。なお、
図6に示す第1移動速度V1は、速度設定部152によって設定される。
なお、
図6では、移動距離Lの単位はcmであり、第1移動速度V1の単位は(cm/フレーム)である。すなわち、第1移動速度V1の単位は、1フレームにおける移動距離である。移動距離Lの最大値は、第1距離L1に対応する。第1距離L1は、
図6では、21cmである。第1移動速度V1の最大値は、第1基準速度VH1に対応する。第1基準速度VH1は、
図6では、1cm/フレームである。
例えば、第1プロジェクター100Aが60fpsで第1画像PAを表示する場合には、1フレームは、1/60秒に対応する。この場合には、1cm/フレームは、60cm/秒である。
【0053】
移動距離Lが零の状態では、第1画像PAは第1領域R1に位置する。グラフGに示すように、移動距離Lが零から距離L11の間において、第1移動速度V1は、単調に増加する。
図6では、距離L11は、4cmであり、第1移動速度V1は、0.2cm/フレームから、第1基準速度VH1である1cm/フレームまで単調に増加する。移動距離Lが零から距離L11の間において、第1移動速度V1は、第1基準速度VH1よりも遅い。移動距離Lが零から距離L11の間における第1移動速度V1は、第1減速速度VL1の一例である。距離L11は、第1閾値距離SL1の一例に対応する。
【0054】
また、移動距離Lが4cmから16cmの間、すなわち、移動距離Lが距離L11から距離(L11+L12)の間において、第1移動速度V1は、第1基準速度VH1である。距離L12は、移動距離Lが4cmから16cmの間の距離である。
また、移動距離Lが16cmから21cmの間、すなわち、移動距離Lが距離(L11+L12)から第1距離L1(=L11+L12+L13)の間において、第1移動速度V1は、1cm/フレームから0cm/フレームまで単調に減少する。移動距離Lが16cmから21cmの間において、第1移動速度V1は、第1基準速度VH1よりも遅い。
移動距離Lが16cmから21cmの間における第1移動速度V1は、第3減速速度VL3の一例に対応する。移動距離Lが16cmから21cmの間の距離L13は、第3閾値距離SL3の一例に対応する。
移動距離Lが21cmの状態では、第1画像PAは第3領域R3に位置する。
図6では、第1閾値距離SL1は、移動距離Lが16cmから21cmの間の5cmである。
【0055】
図6を参照して説明したように、移動距離Lが零から距離L11の間において、第1移動速度V1が単調に増加するため、第1画像PAが第1領域R1からに第3領域R3に向けて、滑らかに動き始めるように第1画像PAを表示できる。
また、移動距離Lが距離(L11+L12)から第1距離L1の間において、第1移動速度V1が単調に減少するため、第1画像PAが第3領域R3で滑らかに停止するように第1画像PAを表示できる。
【0056】
[5.制御部の処理]
次に、
図7を参照して、第1プロジェクター100Aにおける制御部150の処理の具体例について説明する。
図7は、第1プロジェクター100Aにおける制御部150の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、制御部150は、第1画像PAを、スクリーンSCの第1領域R1に投射する。
次に、ステップS103において、指示受付部151は、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3へ移動することを指示する移動指示を受け付ける。
次に、ステップS105において、速度設定部152は、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1に基づき、第1移動速度V1を設定する。具体的には、速度設定部152は、第1移動速度V1として、第1減速速度VL1、第1基準速度VH1、及び第3減速速度VL3を設定する。
【0057】
次に、ステップS107において、移動実行部153は、第1画像PAの第1領域R1からの移動を開始する。
次に、ステップS109において、移動実行部153は、第1領域R1から第1画像PAまでの距離が、第1閾値距離SL1以上であるか否かを判定する。
第1領域R1から第1画像PAまでの距離が、第1閾値距離SL1以上ではないと移動実行部153が判定した場合(ステップS109;NO)には、処理がステップS111へ進む。
そして、ステップS111において、移動実行部153は、第1移動速度V1を第1減速速度VL1に設定する。その後、処理がステップS109に戻る。
第1領域R1から第1画像PAまでの距離が、第1閾値距離SL1以上であると移動実行部153が判定した場合(ステップS109;YES)には、処理がステップS113へ進む。
そして、ステップS113において、移動実行部153は、第1移動速度V1を第1基準速度VH1に設定する。
【0058】
次に、ステップS115において、移動実行部153は、第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3未満であるか否かを判定する。
第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3未満ではないと移動実行部153が判定した場合(ステップS115;NO)には、処理が待機状態になる。第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3未満であると移動実行部153が判定した場合(ステップS115;YES)には、処理がステップS117へ進む。
そして、ステップS117において、移動実行部153は、第1移動速度V1を第3減速速度VL3に設定する。
次に、ステップS119において、移動実行部153は、第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達したか否かを判定する。移動実行部153は、例えば、第2プロジェクター100Bから第2画像PBが第4領域R4に到達したことを示す情報を受信した場合に、第2画像PBが第4領域R4に到達したと判定する。
第1画像PAが第3領域R3に到達していない、又は、第2画像PBが第4領域R4に到達してはいないと移動実行部153が判定した場合(ステップS119;NO)には、処理が待機状態になる。第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達したと移動実行部153が判定した場合(ステップS119;YES)には、処理がステップS121へ進む。
そして、ステップS121において、移動実行部153は、第1移動完了画像PE1を第1画像PAとして表示する。その後、処理が終了する。
【0059】
[6.本実施形態及び作用効果]
以上、
図1~
図7を参照して説明したように、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1プロジェクター100Aが、スクリーンSCの第1領域R1へ第1画像PAを投射することと、第2プロジェクター100Bが、スクリーンSCの第2領域R2へ第2画像PBを投射することと、第1画像PAの投射領域を第1領域R1から第3領域R3へ移動し、且つ、第2画像PBの投射領域を第2領域R2から第4領域R4へ移動する指示を受け付けることと、この指示を受け付けた場合に、第1プロジェクター100Aが、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動することと、第2プロジェクター100Bが、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動することと、を含み、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示する。
【0060】
この構成によれば、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動する。
よって、第1移動速度V1、及び第2移動速度V2を適正な値に設定することによって、ユーザーは、第1画像PA及び第2画像PBの各々の投射領域の調整内容を容易に視認できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
また、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示する。
したがって、第1画像PA及び第2画像PBが、いわゆる、「タイリング投射」又は「スタック投射」される場合に、第1画像PA及び第2画像PBの各々の投射領域の調整内容を容易に視認できる。
【0061】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達した場合に、第1プロジェクター100Aが、第1画像PAとして、移動が完了したことを報知する第1移動完了画像PE1を投射すること、を含む。
この構成によれば、第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達した場合に、第1プロジェクター100Aが、第1画像PAとして、移動が完了したことを報知する第1移動完了画像PE1を投射する。
よって、ユーザーは、第1移動完了画像PE1を視認することによって、第1画像PAが第3領域R3に到達し、且つ、第2画像PBが第4領域R4に到達したことを確認できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
【0062】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1に基づき、第1移動速度V1を設定し、第2領域R2から第4領域R4までの第2距離L2に基づき、第2移動速度V2を設定すること、を含む。
例えば、第1距離L1が長い程、第1移動速度V1を速い速度に設定し、第2距離L2が長い程、第2移動速度V2を速い速度に設定する。
よって、第1移動速度V1及び第2移動速度V2を適正な速度に設定できる。したがって、例えば、第1画像PAが第3領域R3に到達するタイミングと、第2画像PBが第4領域R4に到達するタイミングを、略一致させることができる。
【0063】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1が、第2領域R2から第4領域R4までの第2距離L2よりも長い場合には、第1移動速度V1を第2移動速度V2よりも速い速度に設定し、第1領域R1から第3領域R3までの第1距離L1が、第2領域R2から第4領域R4までの第2距離L2よりも短い場合には、第1移動速度V1を第2移動速度V2よりも遅い速度に設定すること、を含む。
したがって、例えば、第1画像PAが第3領域R3に到達するタイミングと、第2画像PBが第4領域R4に到達するタイミングを、略一致させることができる。
【0064】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3以上である場合には、第1移動速度V1を第1基準速度VH1に設定し、第1画像PAから第3領域R3までの距離が、第3閾値距離SL3未満である場合には、第1移動速度V1を、第1基準速度よりも遅い第3減速速度VL3に設定すること、を含む。
よって、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3に移動する際に、第1画像PAから第3領域R3までの距離が第3閾値距離SL3に到達したときに、第1移動速度V1が、第1基準速度から第3減速速度VL3に減速される。したがって、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3に移動する動きを滑らかに表示できる。
【0065】
本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1プロジェクター100Aが、スクリーンSCの第1領域R1へ第1画像PAを投射することと、第1画像PAの投射領域を第1領域R1から第3領域R3へ移動する指示を受け付けることと、この指示を受け付けた場合に、第1プロジェクター100Aが、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動することと、を含む。
よって、第1移動速度V1を適正な値に設定することによって、ユーザーは、第1画像PAの投射領域の調整内容を容易に視認できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
【0066】
本実施形態に係る表示システム1は、第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bと、を含み、第1プロジェクター100Aが、スクリーンSCの第1領域R1へ第1画像PAを投射し、第2プロジェクター100Bが、スクリーンSCの第2領域R2へ第2画像PBを投射し、第1プロジェクター100A、及び第2プロジェクター100Bの少なくとも一方が、第1画像PAの投射領域を第1領域R1から第3領域R3へ移動し、且つ、第2画像PBの投射領域を第2領域R2から第4領域R4へ移動する指示を受け付け、この指示を受け付けた場合に、第1プロジェクター100Aが、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動し、第2プロジェクター100Bが、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動し、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示する。
【0067】
この構成によれば、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動する。
よって、第1移動速度V1、及び第2移動速度V2を適正な値に設定することによって、ユーザーは、第1画像PA及び第2画像PBの各々の投射領域の調整内容を容易に視認できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
また、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示する。
したがって、第1画像PA及び第2画像PBが、いわゆる、「タイリング投射」又は「スタック投射」される場合に、第1画像PA及び第2画像PBの各々の表示位置の調整内容を容易に視認できる。
【0068】
本実施形態に係る表示システム1は、第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bと、情報処理装置と、を含み、第1プロジェクター100Aが、スクリーンSCの第1領域R1へ第1画像PAを投射し、第2プロジェクター100Bが、スクリーンSCの第2領域R2へ第2画像PBを投射し、前記情報処理装置が、第1画像PAの投射領域を第1領域R1から第3領域R3へ移動する第1指示情報CM1、及び、第2画像PBの投射領域を第2領域R2から第4領域R4へ移動する第2指示情報CM2を受け付け、第1指示情報CM1及び第2指示情報CM2を受け付けた場合に、第1プロジェクター100Aが、第1指示情報CM1に基づき、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動し、第2プロジェクター100Bが、第2指示情報CM2に基づき、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動し、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示する。
【0069】
この構成によれば、第1画像PAを、第1領域R1から第3領域R3へ第1移動速度V1で移動し、第2画像PBを、第2領域R2から第4領域R4へ第2移動速度V2で移動する。
よって、第1移動速度V1、及び第2移動速度V2を適正な値に設定することによって、ユーザーは、第1画像PA及び第2画像PBの各々の投射領域の調整内容を容易に視認できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
また、第3領域R3に投射される第1画像PAと、第4領域R4に投射される第2画像PBとが1つの画像PTを表示する。
したがって、第1画像PA及び第2画像PBが、いわゆる、「タイリング投射」又は「スタック投射」される場合に、第1画像PA及び第2画像PBの各々の表示位置の調整内容を容易に視認できる。
【0070】
[7.他の実施形態]
上述した本実施形態は、好適な実施の形態である。ただし、上述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0071】
本実施形態では、第1プロジェクター100Aの投射領域を第1領域R1から第3領域R3へ移動する場合について説明するが、これに限定されない。第1プロジェクター100Aの投射領域を調整すればよい。例えば、第1領域R1と第3領域R3との投射形状、及び投射面積の少なくとも一方が相違する形態でもよい。
例えば、第1領域R1と第3領域R3との投射位置、投射形状、及び投射面積が相違する場合には、本発明の効果は更に顕著になる。例えば、第3領域R3が第1領域R1よりも投射面積が大きい場合には、以下のように表示することが好ましい。すなわち、第1領域R1から第3領域R3へ第1画像PAを移動する動作中に、第1画像PAの投射面積を、第1領域R1の投射面積から第3領域R3の投射面積に向けて、徐々に大きくする。
【0072】
本実施形態では、第1プロジェクター100Aと第2プロジェクター100Bとが、「タイリング投射」する場合について説明するが、これに限定されない。第1プロジェクター100Aと第2プロジェクター100Bとが、いわゆる「スタック投射」してもよい。この場合には、第3領域R3に投射される第1画像PAは、移動完了画像PEの全体の画像である。
【0073】
また、
図2及び
図3に示す各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター100の他の各部の具体的な細部構成についても、趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0074】
また、
図7に示すフローチャートの処理単位は、制御部150の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。
図7のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0075】
また、プロジェクター100の制御方法は、プロジェクター100が備えるプロセッサー150Aに、プロジェクター100の制御方法に対応した制御プログラム154を実行させることで実現できる。また、この制御プログラム154は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。
具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、画像処理装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、プロジェクター100の制御方法に対応した制御プログラム154をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置からプロジェクター100に、制御プログラム154をダウンロードすることでプロジェクター100の制御方法を実現することもできる。
【0076】
また、本実施形態のプロジェクター100は、光変調装置112が、例えば、R、G及びBの三原色に対応した3枚の液晶パネル115を備える構成を例示したが、これに限定されない。例えば、光変調装置112として、デジタルミラーデバイスを用いる構成であってもよい。この場合、第1プロジェクター100Aの移動実行部153は、第1画像QAをデジタルミラーデバイスの第1領域S1から第3領域S3に移動することによって、第1プロジェクター100Aは、スクリーンSCにおいて、第1画像PAを第1領域R1から第3領域R3に移動するように、動作させればよい。
【符号の説明】
【0077】
1…表示システム、100…プロジェクター、100A…第1プロジェクター、100B…第2プロジェクター、110…投射部、112…光変調装置、115…液晶パネル、115A…第1液晶パネル、115B…第2液晶パネル、150…制御部、150A…プロセッサー、150B…メモリー、151…指示受付部、152…速度設定部、153…移動実行部、154…制御プログラム、155…パターン画像記憶部、156…移動完了画像記憶部、CM…移動指示情報、L…移動距離、L1、M1…第1距離、L2、M2…第2距離、PA、QA…第1画像、PB、QB…第2画像、PE…移動完了画像、PE1…第1移動完了画像、PE2…第2移動完了画像、PLA、PLB…投射光、PP…パターン画像、PT…画像、R1、S1…第1領域、R2、S2…第2領域、R3、S3…第3領域、R4、S4…第4領域、SC…スクリーン(投射面)、SL1…第1閾値距離、SL2…第2閾値距離、SL3…第3閾値距離(所定距離)、SL4…第4閾値距離、TP、TQ…画像遷移図、V1…第1移動速度、VH1…第1基準速度(基準速度)、VH2…第2基準速度、VL1…第1減速速度、VL2…第2減速速度、VL3…第3減速速度(減速速度)、VL4…第4減速速度。