(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】プラントシステム、プラント制御方法及びプラント制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240611BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20240611BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2022057388
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 英朗
(72)【発明者】
【氏名】栗山 勘衛
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 勲
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198169(JP,A)
【文献】特開平09-179604(JP,A)
【文献】特開2004-164388(JP,A)
【文献】特開平08-128304(JP,A)
【文献】特開2016-012299(JP,A)
【文献】特開2018-092439(JP,A)
【文献】国際公開第2019/239666(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントとクラウドサーバとを備えるプラントシステムであって、
前記クラウドサーバは、
前記プラントから第1情報を取得し、前記プラント以外のソースから第2情報を取得する取得部と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定する決定部と、
前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信する送信部とを含み、
前記プラントは、前記設定値及び前記第1条件に基づいて操業
し、
前記第1情報は、前記プラントの操業に用いられる機器のプロセス値および前記プロセス値に付与される前記機器のステータスを含み、
前記決定部は、正常以外のステータスが付与されたであるプロセス値を除外して、前記正常のステータスが付与されたプロセス値をシミュレータに入力することにより、前記プラントの設定値を決定する、プラントシステム。
【請求項2】
前記プラントは、前記プラント内で得られる情報に基づいて第2条件を生成し、前記設定値、前記第1条件及び前記第2条件に基づいて操業する、
請求項1に記載のプラントシステム。
【請求項3】
プラントとクラウドサーバとを備えるプラントシステムであって、
前記クラウドサーバは、
前記プラントから第1情報を取得し、前記プラント以外のソースから第2情報を取得する取得部と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定する決定部と、
前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信する送信部とを含み、
前記プラントは、前記設定値及び前記第1条件に基づいて操業し、
前記第2情報は、前記プラントの操業により製造される製品の販売量もしくは需要予測、または、天気予報の情報を含み、
前記決定部は、仕掛り中である第1の製品の販売量もしくは需要予測、または、前記天気予報から求まる前記第1の製品の販売量もしくは需要予測の減少トレンドの勾配に基づいて、前記プラントが前記第1の製品の製造から前記第1の製品とは異なる第2の製品の製造へと変更するタイミングを前記第1条件として決定する、プラントシステム。
【請求項4】
プラントとクラウドサーバとを備えるプラントシステムであって、
前記クラウドサーバは、
前記プラントから第1情報を取得し、前記プラント以外のソースから第2情報を取得する取得部と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定する決定部と、
前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信する送信部とを含み、
前記プラントは、前記設定値及び前記第1条件に基づいて操業し、
前記第2情報は、前記プラントの操業により製造される製品の納入先への輸送を行う輸送移動体の動態情報を含み、
前記決定部は、前記輸送移動体の動態情報から求まる前記製品の集荷地点への到着予定時間に対応する前記プラントの製造完了予定時間を前記第1条件として決定すると共に、前記プラントの製造完了予定時間をシミュレータに入力することにより前記プラントの設定値を決定する、プラントシステム。
【請求項5】
クラウドサーバが、
プラントから第1情報を取得し、
前記プラント以外のソースから第2情報を取得し、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定し、
前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信し、
前記プラントが、前記設定値及び前記第1条件に基づいて操業
し、
前記第1情報は、前記プラントの操業に用いられる機器のプロセス値および前記プロセス値に付与される前記機器のステータスを含み、
前記決定する処理は、正常以外のステータスが付与されたであるプロセス値を除外して、前記正常のステータスが付与されたプロセス値をシミュレータに入力することにより、前記プラントの設定値を決定する、プラント制御方法。
【請求項6】
クラウドサーバに、
プラントから第1情報を取得し、
前記プラント以外のソースから第2情報を取得し、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定し、
前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信する、
処理をクラウドサーバに実行させ
、
前記第1情報は、前記プラントの操業に用いられる機器のプロセス値および前記プロセス値に付与される前記機器のステータスを含み、
前記決定する処理は、正常以外のステータスが付与されたであるプロセス値を除外して、前記正常のステータスが付与されたプロセス値をシミュレータに入力することにより、前記プラントの設定値を決定する、プラント制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントシステム、プラント制御方法及びプラント制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
石油、石油化学、化学、ガスなどを用いた各種プラントでは、安全操業を行うために、様々な施策が行われている。例えば、プラントの操業に用いられる設備、装置、センサなどの各種機器を監視する監視技術、各種機器の実測値などを用いてプラントの運転制御を行うための制御値の算出やプラントの状態を予測するシミュレーション技術などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-220220号公報
【文献】特開2004-362256号公報
【文献】特開2018-112829号公報
【文献】特開2020-140253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のシミュレーション技術では、プラント内で得られるデータのみを用いて設定値が決定されるので、必ずしも設定値が適切であると限らない側面がある。なぜなら、プラントが設置される環境、需要と供給の状況、原料の価格変化等のプラント外で生じる要因により、運転計画の見直しなどが迫られる一面があるからである。
【0005】
さらに、上記のシミュレーション技術で決定された設定値がプラントの操業に反映されるタイミングも適切であるとは言い難い一面もある。なぜなら、プラントの操業に設定値がどのようなタイミングで反映されるのが適切であるのかは、プラント内の要因ばかりでなく、プラント外の要因の影響も受ける一面があるからである。
【0006】
これらの点から、上記のシミュレーション技術では、必ずしもプラントの好ましい操業状態を実現することができない側面がある。
【0007】
本発明は、プラントのより好ましい操業状態を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面にかかるプラントシステムは、プラントとクラウドサーバとを備えるプラントシステムであって、前記クラウドサーバは、前記プラントから第1情報を取得し、前記プラント以外のソースから第2情報を取得する取得部と、前記第1情報及び第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定する決定部と、前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信する送信部とを含み、前記プラントは、前記設定値及び前記第1条件に基づいて操業する。
【0009】
本発明の一側面にかかるプラント制御方法では、クラウドサーバが、プラントから第1情報を取得し、前記プラント以外のソースから第2情報を取得し、前記第1情報及び第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定し、前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信し、前記プラントが、前記設定値及び前記第1条件に基づいて操業する。
【0010】
本発明の一側面にかかるプラント制御プログラムは、クラウドサーバに、プラントから第1情報を取得し、前記プラント以外のソースから第2情報を取得し、前記第1情報及び第2情報に基づいて、前記プラントの設定値と、前記設定値を前記プラントに反映させるための第1条件とを決定し、前記設定値及び前記第1条件を前記プラントに送信する、処理をクラウドサーバに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
一実施形態によれば、プラントのより好ましい操業状態を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】統合管理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】統合管理システムの処理の流れを示す図である。
【
図3】CIサーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】プラント制御処理の手順を示すフローチャートである
【
図7】シミュレータへのプロセス値の入力例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本願に係るプラントシステム、プラント制御方法及びプラント制御プログラムの実施形態について説明する。各実施形態には、あくまで1つの例や側面を示すに過ぎず、このような例示により数値や機能の範囲、利用シーンなどは限定されない。そして、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0014】
<全体構成>
図1は、統合管理システム1の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、統合管理システム1は、CI(Collaborative Information)サーバ10を有し、複数のプラント5それぞれとネットワークNを介して接続される。なお、ネットワークNは、専用線、インターネット、LTE(Long Term Evolution)網など各種通信網を採用することができる。
【0015】
統合管理システム1は、複数のプラント5を統合的に管理するシステムであり、物理サーバで実現することもでき、クラウドシステムを利用した仮想マシンなどで実現することもできる。
【0016】
CIサーバ10は、プラント5内の様々な機器やシステムに接続され、それらを統合的に管理するクラウドサーバなどの情報処理装置の一例である。具体的には、CIサーバ10は、リモートオペレーション環境の提供、意思決定支援のサービス提供、プラント全体の統合操作監視環境の提供を実行する。
【0017】
例えば、リモートオペレーション環境は、プラント5ごとに、プラントの状態等を管理する監視システムを提供し、アラームの報知、オペレータへの通知などのサービスを提供する。意思決定支援は、プラント5ごとに、プラント5の状態やプラント5内の制御値をシミュレーションし、シミュレーション結果に基づいて、プラント5の運転制御やオペレータ通知などのサービスを提供する。統合操作監視環境は、複数のプラント5を統合的に監視し、複数のプラント5全体でプラントによる生成物の管理、供給制御、コスト管理などのサービスを提供する。このように、CIサーバ10は、指定ユーザへの警告報知や各種情報の送信、生産活動全体の情報管理の最適化と安全で効果的な操業の支援を実行することもできる。
【0018】
各プラント5は、石油、石油化学、化学、ガスなどを用いた各種プラントの一例であり、生成物を得るためのさまざまな施設を備える工場等を含む。生成物の例は、LNG(液化天然ガス)、樹脂(プラスチック、ナイロン等)、化学製品等である。施設の例は、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、石油、天然ガス等を採掘する井戸元における施設等である。
【0019】
プラント5内は、図示しない分散制御システム(Distributed Control Systems:DCS)などを用いて構築され、設備5a、フィールド機器5b、センサ5cなどの運転制御が実行される。例えば、プラント5内の制御システムが、プラント5で利用されるプロセスデータを用いて、制御を行う対象の設備に設置されたフィールド機器5bなどの制御機器や、制御を行う対象の設備に対応する操作機器などに対して各種制御を実行する。
【0020】
なお、設備5aには、例えば警報等を発報するスピーカなどの警報器やプラント5で生成される生成物の運搬に利用される運搬路などが含まれる。フィールド機器5bには、モータ及びアクチュエータなどによって駆動されるバルブ、ポンプ及びファン等などが含まれる。センサ5cには、圧力センサ、温度センサ、流量センサ、pHセンサ、速度センサ、加速度センサ等などのように、例えば物理量を取得、検出、測定する機器が含まれる。
【0021】
また、プラント5内で発生し、CIサーバ10で収集されるデータには、プロセス値PV、設定値SV及び操作値MVなどの制御データが含まれる。プロセス値PVは、プラント5におけるプロセスの状態を示すデータである。プロセス値PVは、例えば対応するフィールド機器5bによって取得される。プロセス値PVの例は、圧力、温度、流量、pH値、速度及び加速度等である。
【0022】
設定値SVは、プラント5におけるプロセス値PVの目標を示すデータ(目標値)である。設定値SVは、例えばプラント5の運転制御を実行するシミュレーションに与えられ、プラント5の制御に供される。設定値SVの例は、プロセス値PVと同様に、圧力、温度、流量、pH、速度及び加速度等である。操作値MVは、プラント5における操作を示すデータである。操作値MVは、例えば対応するフィールド機器5bから取得されたり、シミュレーション実行後にフィールド機器5bに与えられたりする。与えられた操作値MVに従って、フィールド機器5bが動作する。操作値MVの例は、バルブ操作量(例えばバルブ開度)、ポンプ操作量及びファン操作量等である。
【0023】
このようなシステム構成の下、CIサーバ10は、プラント5の操業に用いられる設備5a、フィールド機器5b、センサ5cなどの各種機器から、機器の状態を示す属性情報が付与された、プラント5の操業に関するデータを取得する。そして、CIサーバ10は、取得されたデータの属性情報ごとに、データを分類し、分類された属性情報ごとのデータを用いて、プラント5の操業を実行できる。
【0024】
ここで、本実施形態に係る統合管理システム1は、
図2に示す処理を実行することにより、プラント5のより好ましい操業状態を実現する。
図2は、統合管理システム1の処理の流れを示す図である。
図2には、あくまで一例として、3つのプラント5のうち1つのプラント5に対する制御を抜粋して示すが、CIサーバ10が制御対象とするプラント5は1つに限定されない。
【0025】
図2に示すように、CIサーバ10は、プラント5からフィールド機器5bの現状の設定値などの第1情報を取得する(ステップS1A)。また、CIサーバ10は、プラント5以外のソースであるプラント外ソース7からプラント5で製造中の製品の販売量及び需要予測、並びに天気予報などの第2情報を取得する(ステップS1B)。
【0026】
ここで、CIサーバ10は、ステップS1Aで取得された第1情報及びステップS1Bで取得された第2情報に基づいて、プラント5の設定値と、設定値をプラント5に反映させるための第1条件を決定する(ステップS2)。その上で、CIサーバ10は、ステップS2で決定された設置値および第1条件をプラント5に送信する(ステップS3)。そして、プラント5は、ステップS3で送信された設置値および第1条件に基づいて操業する(ステップS4)。
【0027】
このように、CIサーバ10は、プラント5に反映させる設定値を第1情報および第2情報に基づいて決定するので、プラント5が設置される環境、需要と供給の状況、原料の価格変化等のプラント5外で生じる要因に応じて設定値を決定できる。さらに、CIサーバ10は、プラント5に設定値を反映させるための第1条件を第1情報および第2情報に基づいて決定するので、プラント5内の要因ばかりでなく、プラント5外の要因の影響も込みで第1条件を決定できる。
【0028】
したがって、本実施形態に係る統合管理システム1によれば、プラント5のより好ましい操業状態を実現できる。
【0029】
<機能構成>
図3は、CIサーバ10の機能構成を示す機能ブロック図である。なお、ここでは、一例として、CIサーバ10が、リモートオペレーション環境の提供、意思決定支援のサービス提供、プラント全体の統合操作監視環境の提供を実行する例で説明するが、各サービスは別々の装置で実行されてもよい。
【0030】
通信制御部11は、プラント5の機器などの他の装置との間の通信を制御する機能部である。あくまで一例として、通信制御部11は、LANカードなどのネットワークインタフェースカードにより実現され得る。1つの側面として、通信制御部11は、プラント5から第1情報を受け付けたり、プラント外ソース7から第2情報を受け付けたりする。他の側面として、通信制御部11は、フィールド機器5bなどの設定値をプラント5へ出力する。
【0031】
記憶部13は、各種のデータを記憶する機能部である。あくまで一例として、記憶部13は、CIサーバ10の内部、外部または補助のストレージにより実現される。例えば、記憶部13は、第1情報13Aおよび第2情報13Bを記憶する。なお、第1情報13Aおよび第2情報13Bの説明は、第1情報13Aおよび第2情報13Bが記憶部13に保存される説明と併せて行うこととする。
【0032】
制御部15は、CIサーバ10の全体制御を行う機能部である。例えば、制御部15は、ハードウェアプロセッサにより実現され得る。
図3に示すように、制御部15は、取得部15Aと、決定部15Bと、送信部15Cとを有する。なお、制御部15は、ハードワイヤードロジックなどにより実現されてもよい。
【0033】
取得部15Aは、プラント5から第1情報を取得し、プラント以外のソースから第2情報を取得する処理部である。例えば、第1情報は、プラント5におけるフィールド機器5bの現状の設定値などであってよい。また、第2情報は、製造中の製品の販売量及び需要予測、並びに天気予報などの情報であってよい。このように取得される第1情報および第2情報は、記憶部13に記憶された第1情報13Aおよび第2情報13Bへ追加して保存される。
【0034】
決定部15Bは、第1情報及び第2情報に基づいて、プラント5の設定値と、設定値をプラント5に反映させるための第1条件とを決定する処理部である。あくまで一例として、第1条件は、設定値の変更をプラントに反映させるタイミングなどであってよい。ここで言う「タイミング」は、必ずしも時間やそれに準ずるものに限らず、プラント5に関連する任意の条件であってよい。
【0035】
送信部15Cは、設定値及び第1条件をプラント5に送信する処理部である。あくまで一例として、送信部15Cは、決定部15Bにより設定値及び第1条件が決定された段階で設定値及び第1条件をプラント5に送信することができる。この場合、第1条件を満たすか否かの条件判定は、プラント5に委ねることができる。他の一例として、送信部15Cは、決定部15Bにより決定された第1条件を満たすか否かを監視し、第1条件を満たす段階で設定値をプラント5に送信することもできる。この場合、第1条件を満たすか否かの条件判定は、CIサーバ10に委ねることができる。
【0036】
<処理の流れ>
図4は、プラント制御処理の手順を示すフローチャートである。
図4に示すように、取得部15Aは、プラント5から第1情報を取得すると共に、プラント外ソース7から第2情報を取得する(ステップS101およびステップS102)。
【0037】
このようにステップS101で取得された第1情報およびステップS102で取得された第2情報は、記憶部13に記憶された第1情報13Aおよび第2情報13Bへ追加して保存される(ステップS103)。
【0038】
ここで、決定部15Bは、ステップS105およびステップS106の処理を実行するトリガーとして規定された条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。このような「条件」の例として、一定周期、例えば1時間周期などで処理を実行する設定がなされている場合、前回の実行から一定周期が経過したか否かが判定される。この他、定時、例えば9時、12時、18時などで処理を実行する設定がなされている場合、時刻が定時であるか否かが判定される。
【0039】
このような規定の条件を満たす場合(ステップS104Yes)、決定部15Bは、第1情報及び第2情報に基づいて、プラント5の設定値と、設定値をプラント5に反映させるための第1条件とを決定する(ステップS105およびステップS106)。その後、送信部15Cは、設定値及び第1条件をプラント5に送信し(ステップS107)、ステップS101の処理へ移行する。
【0040】
<具体例(1)>
次に、プラント制御に関する具体例を挙げる。
図5は、取得部15Aの動作例を示す模式図である。
図5には、プラント外ソース7の例として、プラント5が製造する製品を受注する受注システム7Aおよび天気予報などの気象情報を公開する気象サーバ7Bが例示されている。
【0041】
図5に示すように、第1情報の一例として、取得部15Aは、プラント5からフィールド機器5bのプロセス値などを取得する。さらに、取得部15Aは、第1情報の他の一例として、プラント5が製造中である製品(以下、「仕掛り品」と記載)の情報、例えば銘柄などを取得する。このように取得されたプロセス値や仕掛り品などの情報が記憶部13に記憶された第1情報13Aに追加される。
【0042】
なお、プラント5から第1情報を取得する場合、プラント5からリアルタイムで取得してもよいが、一定期間のデータをバッチ処理で取得してもよい。例えば、プロセス値を例に挙げれば、プラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)からプロセス値の時系列データをプロセスデータとして取得してもよい。
【0043】
第2情報の一例として、取得部15Aは、受注システム7Aから製品の販売量などを取得する。このように受注システム7Aから取得される情報は、履歴ベースの販売量の実績であってもよいが、注文が受付済みである受注量や受注がキャンセルされた受注取消数などが取得されてもよいし、これら全部が取得されてもよい。以下、販売量や受注量、受注取消数などをまとめて「販売量等」と記載する場合がある。
【0044】
第2情報の他の一例として、取得部15Aは、気象サーバ7Bから天気予報などを取得する。ここで取得される天気予報のターゲットは、気象サーバ7Bが公開中であるカレンダに関するもの全てであってもよいし、製造に影響がある範囲に絞り込まれてもよいし、気象サーバ7Bへの前回のアクセス時からの差分であってもよい。
【0045】
このように取得された販売量等や天気予報などの情報が記憶部13に記憶された第2情報13Bに追加される。これら第1情報および第2情報が取得された環境の下、決定部15Bは、
図6に示す動作により、設定値および第1条件を決定する。
【0046】
図6は、決定部15Bの動作例を示す模式図である。
図6に示すように、決定部15Bは、第2情報の販売量等および天気予報に基づいて、第1情報の仕掛り品の需要予測を実行する。これにより、仕掛り品の需要予測トレンド、例えば受注数の予測値の時系列データが得られる。
【0047】
このような需要予測には、機械学習モデルを用いることができる。このような機械学習モデルの訓練には、受注数の予測値の時系列データの正解ラベルが付与された販売量等および天気予報を訓練データとして用いることができる。すなわち、訓練データに含まれる販売量等および天気予報を機械学習モデルの説明変数とし、正解ラベルを機械学習モデルの目的変数とし、任意の機械学習アルゴリズム、例えばディープラーニングなどにしたがって機械学習モデルが訓練される。これにより、訓練済みの機械学習モデルが得られる。このような訓練済みの機械学習モデルに販売量等および天気予報を入力することにより、当該機械学習モデルが出力する受注数の予測値の時系列データを需要予測トレンドとして得ることができる。なお、上記の機械学習モデルは、当然のことながら、製品の銘柄ごとに生成することができる。
【0048】
続いて、決定部15Bは、仕掛り品の需要予測トレンドに基づいて、仕掛り品の製造を継続するか否かの継続判定を実行する。あくまで一例として、決定部15Bは、仕掛り品の需要予測トレンドの勾配が減少トレンドであるか否かを判定する。例えば、需要予測トレンドの回帰分析により得られる近似直線の傾きの符号が負である場合、減少トレンドと識別できる。このとき、仕掛り品の需要予測トレンドの勾配が減少トレンドである場合、仕掛り品の需要が減少することが予測できる。この場合、仕掛り品の製造の打ち切りを決定する。一方、仕掛り品の需要予測トレンドの勾配が減少トレンドでない場合、仕掛り品の製造の継続を決定する。
【0049】
以下、あくまで1つの側面として、仕掛り品の製造の打ち切りが決定された場合について例示する。この場合、決定部15Bは、プラント5で製造される製品を仕掛り品から別の製品への変更を決定する。
【0050】
例えば、製品変更が決定されると、決定部15Bは、第1情報のプロセス値をシミュレータに入力することにより、製品変更に伴ってプラント5のフィールド機器5bに変更させる設定値をシミュレーションさせる。
【0051】
このようなシミュレータの例として、リアルタイムでプラントの操業を最適化するオンラインシミュレータの1つであるRTO(Real Time Optimizer)が挙げられる。あくまで一例として、RTOは、第1情報のプロセス値の時系列データ、いわゆるプロセスデータに基づいてプラントの挙動を模擬するシミュレーションを運転条件が異なる複数の事例ごとに実行する。このシミュレーション結果として、事例ごとにシミュレートされたプロセスデータの予測値が制御変数CVとして得られると共に当該制御変数CVを目的関数へ入力することにより目的関数値の一例として利益が出力される。このように、RTOは、事例ごとにシミュレーションを実行するケーススタディにより、制御変数CVの変動と利益の変動との比、すなわちゲインを計算する。その後、RTOは、計算されたゲインを用いて、利益が最適値、例えば最大値となるCVターゲットを計算する。このように計算されたCVターゲットから、プロセスへの入力変数に対応する操作変数MV、あるいはプラント5の制御システム、例えばDCSの設定値SVが計算される。
【0052】
ここで、上記のRTOは、プロセスの運転条件を変更している最中でない整定状態であることを前提としてシミュレーションを実行するものである。このため、決定部15Bは、第1情報に対応するプロセスデータのうち正常以外のステータスが付与されたであるプロセス値を除外して、正常のステータスが付与されたプロセス値をシミュレータに入力することにより、プラントの設定値を決定できる。
【0053】
図7は、シミュレータへのプロセス値の入力例を示す模式図である。
図7には、第1情報のプロセスデータP1に対応するグラフG1が示されている。
図7に示すように、プロセスデータP1に含まれるプロセス値には、属性情報の一例として、プラント5によりステータスのラベルが付与される。例えば、ラベルの例として、「正常(整定)」、「異常」、「不整定」、あるいは「不明」などが挙げられる。
図7に示すように、決定部15Bは、プロセスデータP1のうち、ラベル「正常」以外のラベルが付与されたプロセス値が除外される。
図7に示す例で言えば、ラベル「不整定」が付与されたプロセス値が入力から除外されている。その一方で、決定部15Bは、ラベル「正常」のステータスが付与されたプロセス値がオンラインシミュレータ15B1へ入力される。このようなプロセス値の入力制御により、オンラインシミュレータ15B1によるシミュレーションの精度低下を抑止し、精度向上を実現できる。
【0054】
このように設定値が計算される一方で、決定部15Bは、設定値をプラント5に反映させるタイミングを決定する。あくまで一例として、決定部15Bは、仕掛り品の需要予測トレンドの勾配が閾値を超えるか否かを判定する。このとき、仕掛り品の需要予測トレンドの勾配が閾値を超える場合、仕掛り品の需要が急激に減少することが予測できるので、仕掛り品の製造の即座の打ち切りを決定する。この場合、決定部15Bは、なるべく早くのタイミング、いわゆるASAP(As Soon As Possible)を第1条件として決定する。一方、仕掛り品の需要予測トレンドの勾配が閾値を超えない場合、仕掛り品の需要がなだらかに減少することが予測できる。この場合、決定部15Bは、仕掛り品の製造後のタイミングを第1条件として決定する。
【0055】
以上のように設定値および第1条件が決定される。その後、送信部15Cは、決定部15Bにより決定された設定値および第1条件をネットワークNを介してプラント5へ送信する。
【0056】
なお、上記の具体例(1)では、プラント5から取得されたプラント値をシミュレータに入力する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、不確かなデータを除去するとともに、除去したデータを補完する側面から、別のデータをシミュレータに入力することとしてもよい。あくまで一例として、プラント5内で同一のプロセスが2重化されていれば正常な方の系のプロセス値を入力したり、安全向けの同一または類似の機器があればそのプロセス値を入力したりすることができる。この他、利用できる他の正常なデータを元に作り出すこともできる。例えば、他の正常なデータの例として、パイプの前後のデータからや、マテリアルバランスなどが挙げられる。
【0057】
<具体例(2)>
図8は、取得部15Aの動作例を示す模式図である。
図8には、プラント外ソース7の例として、
図5に示す気象サーバ7Bの他、プラント5で製造される製品の納入先への輸送を行う移動体の動態情報を管理する動態管理システム7C及び道路の交通量などの交通情報を管理する交通情報サーバ7Dが例示されている。
【0058】
図8に示すように、第1情報の一例として、取得部15Aは、プラント5からフィールド機器5bのプロセス値などを取得する。このように取得されたプロセス値などの情報が記憶部13に記憶された第1情報13Aに追加される。
【0059】
第2情報の一例として、取得部15Aは、気象サーバ7Bから天気予報などを取得する。ここで取得される天気予報のターゲットは、気象サーバ7Bが公開中であるカレンダに関するもの全てであってもよいし、製造に影響がある範囲に絞り込まれてもよいし、気象サーバ7Bへの前回のアクセス時からの差分であってもよい。
【0060】
第2情報の他の一例として、取得部15Aは、動態管理システム7Cから移動体の動態情報を取得する。ここで言う「移動体」には、タンクローリーなど車両全般に限らず、タンカーなどの船舶や航空機なども含まれてよい。また、「動態情報」とは、移動体およびその乗務員の位置情報を指す。
【0061】
第2情報の更なる一例として、取得部15Aは、交通情報サーバ7Dから交通情報を取得する。ここで言う「交通情報」には、道路ネットワーク上の走行台数や流量などの交通量を始め、渋滞や事故などの情報が含まれてよい。
【0062】
このように取得された天気予報、動態情報および交通情報などの情報が記憶部13に記憶された第2情報13Bに追加される。これら第1情報および第2情報が取得された環境の下、決定部15Bは、
図9に示す動作により、設定値および第1条件を決定する。
【0063】
図9は、決定部15Bの動作例を示す模式図である。
図9に示すように、決定部15Bは、第2情報の天気予報、動態情報および交通情報に基づいて、プラント5で製造される製品の納入先への輸送を行う移動体がプラント5に到着する時間を予測する。これにより得られる到着時間のことを指して「到着予定時間」と記載する場合がある。このような到着予定時間に対応するタイミングが第1条件として決定される。
【0064】
このような到着時間予測は、汎用のナビゲーション機能により実現したり、移動体に搭載される任意の装置、例えば車載機を始め、スマートフォンなどのモバイル端末を含む端末を介して到着予定時間を取得することにより実現したりできる。この他、到着時間予測にも、機械学習モデルを用いることもできる。このような機械学習モデルには、GNN(Graph Neural Networks)などを用いることもできる。例えば、移動体の位置情報を出発地とし、プラント5を目的地として、道路の交通情報を訓練済みのGNNへ入力することによりGNNが出力するルートの所要時間を到着予定時間として決定することができる。
【0065】
さらに、決定部15Bは、第1情報のプロセス値および到着予定時間に対応する製造完了予定時間をシミュレータに入力する。これにより、プラント5の製造を到着予定時間に完了させる時に物流コストおよびプラント運用コストが最小化する設定値をシミュレーションさせる。
【0066】
以上のように設定値および第1条件が決定される。その後、送信部15Cは、決定部15Bにより決定された設定値および第1条件をネットワークNを介してプラント5へ送信する。
【0067】
なお、上記の具体例(2)は、あくまで一例に過ぎない。例えば、第1情報として、取得部15Aは、仕掛中の製品(油種)の製造完了予想時刻や貯蔵施設(タンク)の容量マージンなどを取得できる。また、第2情報として、取得部15Aは、下記の情報をリアルタイムに取得できる。例えば、製造所から納品先までの交通ルート情報(事故や渋滞、封鎖海域情報など)が挙げられる。この他、陸送用車両(タンクローリー)の稼働情報(GPS位置、到着予想時刻、台数、搭載搭載(油種))や海送用の船舶(タンカー)の稼働情報(GPS位置、入出港時刻、搭載搭載(油種))などが挙げられる。この場合、決定部15Bは、ルート検索情報を取り込み、ソルバーの制約条件を増やして、デリバリーの最適計画を取り込むことにより、次のような第1条件を決定できる。第1条件の例として、「デリバリーが間に合わないので、荷を搭載する時刻を〇〇時に延期してほしい。」や「指定された製造完了予想時刻で、複数のプラント/設備について運転計画を最適化してほしい。」などが挙げられる。このような設定値および第1条件を受信するプラント5は、個々のプラント5の設備5aについて製造完了予想時刻を修正し、製造量を減少させる。
【0068】
<効果>
上述してきたように、本実施形態に係るCIサーバ10は、プラント5に反映させる設定値を第1情報および第2情報に基づいて決定するので、プラント5が設置される環境、需要と供給の状況、原料の価格変化等のプラント5外で生じる要因に応じて設定値を決定できる。さらに、本実施形態に係るCIサーバ10は、プラント5に設定値を反映させるための第1条件を第1情報および第2情報に基づいて決定するので、プラント5内の要因ばかりでなく、プラント5外の要因の影響も込みで第1条件を決定できる。したがって、本実施形態に係るCIサーバ10によれば、プラント5のより好ましい操業状態を実現できる。
【0069】
<その他の実施形態>
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は種々の応用が可能であり、さらに、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0070】
(第2条件の追加)
プラント5は、プラント5内で得られる情報に基づいて第2条件、例えば(例:プラント内の状態により決定される条件などを生成し、設定値、第1条件及び第2条件に基づいて操業することもできる。
【0071】
すなわち、上記の実施形態では、プラントは、取得された設定値、第1条件及び第2条件に基づいて操業する。例えば、プラントにおいて工程1~3が行なわれている場合に、各工程における処理途中において設定値を変更できない事態も生じ得る。このような場合における第2条件の一例として、「各工程における処理が完了したら」といった条件が挙げられる。また、プロセスの制御が安定していない場合、例えば非整定時などのように、設定値を変更できないということも生じ得る。このような場合における第2条件の一例として、「プロセス制御の安定度が所定範囲内に収まっている」といった条件が挙げられる。
【0072】
(適用範囲)
図1や
図2に示す統合管理システム1は、同一プラント内での製品種別の変更以外にも、複数プラントをまたいでの最適化にも適用できる。その際に、CIサーバ10上の情報、例えばベンダが保持する全てのプラント5の情報、需要情報(コンビナートなどで納入先プラントがある場合は、その需要先の情報)、エコシステム、サプライチェーン関連の情報)を活用できる。例えば、制御性の良いプラントを優先したり、プラント5を止める回数をトータルで減らしたり、輸送やエコシステムとの関連つけにより無駄を排除できる。この他、SDGsへの貢献を評価することもできる。さらに、生産計画、生産計画の変更、特定プラントの不調、停止などにクラウド情報と現場のプラント5の状況を踏まえて複数プラントをまとめての最適運転を行うこともできる。
【0073】
(数値等)
上記実施形態で説明したプラント、設備、フィールド機器およびセンサの数、統合処理の内容、あるいは第1情報、第2情報、第1条件および第2条件などの具体例などは、あくまで一例であり、変更することができる。また、実施形態で説明したフローチャートも、矛盾のない範囲内で処理の順序を変更することができる。
【0074】
(システム)
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、取得部15A、決定部15B、送信部15Cは、別々の装置で構成されていてもよい。
【0075】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散および統合して構成することができる。
【0076】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0077】
(ハードウェア)
次に、実施形態で説明したコンピュータのハードウェア構成例を説明する。
図10は、ハードウェア構成例を説明する図である。
図10に示すように、CIサーバ10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、
図10に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0078】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、
図3に示した機能を動作させるプログラムやDBなどを記憶する。
【0079】
プロセッサ10dは、
図3に示された処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD100b等から読み出してメモリ100cに展開することで、
図3等で説明した機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、CIサーバ10が有する処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部15A、決定部15B、送信部15C等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部15A、決定部15B、送信部15C等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0080】
このように、CIサーバ10は、プログラムを読み出して実行することでプラント制御方法を実行する情報処理装置として動作する。また、CIサーバ10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、CIサーバ10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0081】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 統合管理システム
5 プラント
5a 設備
5b フィールド機器
5c センサ
7 プラント外ソース
10 CIサーバ
11 通信制御部
13 記憶部
13A 第1情報
13B 第2情報
15 制御部
15A 取得部
15B 決定部
15C 送信部