(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】パレット管理システム及びパレット検査方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G01B11/24 K
(21)【出願番号】P 2022179170
(22)【出願日】2022-11-08
【審査請求日】2024-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐グループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【氏名又は名称】青山 純
(72)【発明者】
【氏名】柏原 賢
(72)【発明者】
【氏名】兼森 伸兒
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-017911(JP,A)
【文献】特開2022-051078(JP,A)
【文献】特開2021-156757(JP,A)
【文献】特許第3597283(JP,B2)
【文献】特開2011-117866(JP,A)
【文献】特開2009-102123(JP,A)
【文献】特開2000-213864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を載せることが可能なパレットの天地向きを反転させる反転機と、
前記パレットの天地向きの判別を行う天地向き検査部と、
前記パレットの天地面を検査する天地面検査部と、
前記パレットの良否判定を行う制御部と、
を備え、
前記天地面検査部は、前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の検査を行い、前記反転機によって前記パレットが反転された後、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の検査を行い、
前記制御部は、
前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きに基づいて、前記第1面及び前記第2面のうち、いずれの面が前記パレットの前記天面であるか、または、いずれの面が前記パレットの前記地面であるかを特定し、
当該特定した結果と、前記天地面検査部によって検査された前記第1面の検査結果と、前記第2面の検査結果とに基づいて、前記パレットの良否判定を行い、
前記天地面検査部は、天地面状態検出部を有し、前記天地面状態検出部によって検出された前記第1面及び前記第2面の状態を示す状態データに基づいて、前記第1面及び前記第2面の検査を行い、
前記天地面状態検出部は、天地面撮像部を有しており、前記状態データとして、前記第1面及び前記第2面を撮像した画像データを取得し、
前記反転機は、
前記パレットを支持する支持部と、
前記支持部を回転させる回転部と、
を備え、
前記パレットを支持した状態の前記支持部を、前記回転部が回転させることにより、前記パレットを反転させ、
前記支持部は上方又は下方に移動可能になっており、
前記支持部の上方又は下方への移動により、前記天地面撮像部の焦点が前記パレットに合うように前記天地面撮像部と前記支持部に保持された前記パレットとの距離を調整することができる、パレット管理システム。
【請求項2】
前記天地面状態検出部は、天地面形状検出部を有しており、前記状態データとして、前記第1面及び前記第2面の表面形状を示す形状データを検出する、請求項1に記載のパレット管理システム。
【請求項3】
前記支持部は、事前に設定されている定位置に配置されている前記パレットを支持し、
前記回転部は、前記パレットを支持した状態の前記支持部を上方に移動させてから、前記支持部を回転させ、その後、前記支持部を下方に移動させて前記パレットを前記定位置に戻す、請求項1に記載のパレット管理システム。
【請求項4】
前記支持部は、前記パレットの両側に、対になるように設けられている、請求項1に記載のパレット管理システム。
【請求項5】
前記パレットの側面には、マークが付されており、
前記天地向き検査部は、前記パレットの前記側面を撮像する側面撮像部を備え、前記側面撮像部によって撮像された前記マークの向きに基づいて、前記パレットの天地向きの判別を行う、請求項1に記載のパレット管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記パレットを予め定められた所定の天地向きにするため、前記パレットを反転させるかどうかを、前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きに基づいて判定し、
反転させる必要があると判定する場合、前記反転機に前記パレットを反転させる、請求項1に記載のパレット管理システム。
【請求項7】
前記天地面検査部は、前記パレットの前記第1面と前記第2面との前記状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記第1面の状態を示す指標値と前記第2面の状態を示す指標値とを、前記検査結果として導出し、
前記制御部は、前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きと、前記天地面検査部によって導出された前記第1面の前記指標値と、前記第2面の前記指標値とに基づいて、ルールベースに従って、前記パレットの良否判定を行う、請求項1に記載のパレット管理システム。
【請求項8】
前記制御部には、天面閾値と地面閾値とが保持されており、
前記天面閾値は、パレットの天面の状態を示す指標値と比較するための閾値であり、
前記地面閾値は、パレットの地面の状態を示す指標値と比較するための閾値であり、且つ、前記天面閾値とは異なる値の閾値であり、
前記制御部は、
前記第1面と前記第2面とのうちで前記パレットの前記天面として特定された面の前記指標値と、前記天面閾値とを比較し、
前記第1面と前記第2面とのうちで前記パレットの前記地面として特定された面の前記指標値と、前記地面閾値とを比較し、
各前記比較の結果に基づいて、前記パレットの良否判定を行う、請求項7に記載のパレット管理システム。
【請求項9】
荷物を載せることが可能なパレットの天地向きの判別を行い、
前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の検査を行い、
反転機を用いて、前記パレットの天地向きを反転させ、
前記反転機によって前記パレットが反転された後、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の検査を行い、
判別された前記パレットの天地向きに基づいて、前記第1面及び前記第2面のうち、いずれの面が前記パレットの前記天面であるか、または、いずれの面が前記パレットの前記地面であるかを特定し、
当該特定した結果と、前記第1面の検査結果と、前記第2面の検査結果とに基づいて、前記パレットの良否判定を行い、
天地面撮像部を用いて前記第1面及び前記第2面の検査を行うための前記第1面及び前記第2面を撮像した画像データを取得するために、前記反転機に備えられ、前記パレットを支持している支持部を上方又は下方に移動させ、前記天地面撮像部の焦点が前記パレットに合うように前記天地面撮像部と前記支持部に保持された前記パレットとの距離を調整する、パレット検査方法。
【請求項10】
荷物を載せることが可能なパレットの天地向きを判別し、
前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の状態を示す状態データを取得し、当該状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記第1面の状態を示す指標値を導出し、
反転機によって前記パレットの天地向きが反転された後に検出された、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の状態データを取得し、当該状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記第2面の状態を示す指標値を導出し、
判別された前記パレットの天地向きと、導出された前記第1面の前記指標値と、導出された前記第2面の前記指標値とに基づいて、ルールベースに従って、前記パレットの良否判定を行い、
天地面撮像部を用いて前記第1面及び前記第2面の前記状態データとしての前記第1面及び前記第2面を撮像した画像データを取得するために、前記反転機に備えられ、前記パレットを支持している支持部を上方又は下方に移動させ、前記天地面撮像部の焦点が前記パレットに合うように前記天地面撮像部と前記支持部に保持された前記パレットとの距離を調整する、パレット検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット管理システム及びパレット検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物を運搬するときに用いられる板状のパレットに対して、不良部位の有無を検査するシステムが知られている。このような検査システムとして、特許文献1には、人手によらず、パレットの各部位に生じた種々の不良を検査し、不良部位が生じているパレットを分別するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、パレットの天面側及び地面側の両側に、パレットの不良を検出するセンサ機構を配置し、これらを用いてパレットの天地面の検査を行っている。これに対し、天地面の検査を行う際に用いられるセンサ数を削減したいとの要望がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、パレットの天地面を検査するためのセンサ数を減らしつつ、パレットの天面及び地面の両面の検査を行うことができるパレット管理システム及びパレット検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るパレット管理システムは、
荷物を載せることが可能なパレットの天地向きを反転させる反転機と、
前記パレットの天地向きの判別を行う天地向き検査部と、
前記パレットの天地面を検査する天地面検査部と、
前記パレットの良否判定を行う制御部と、
を備え、
前記天地面検査部は、前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の検査を行い、前記反転機によって前記パレットが反転された後、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の検査を行い、
前記制御部は、
前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きに基づいて、前記第1面及び前記第2面のうち、いずれの面が前記パレットの前記天面であるか、または、いずれの面が前記パレットの前記地面であるかを特定し、
当該特定した結果と、前記天地面検査部によって検査された前記第1面の検査結果と、前記第2面の検査結果とに基づいて、前記パレットの良否判定を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パレットの天地面を検査するためのセンサ数を減らしつつ、パレットの天面及び地面の両面の検査を行うことができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るパレット管理システムの一例を示す概略ブロック図である。
【
図2】
図1に示すパレット管理システムのハードウェア構成の一例を示す斜視図である。
【
図3】天地向き検査及び形状検査が行われているときの状態例を示す図である。
【
図4】天地向き検査及び形状検査が行われているときの状態例を示す図である。
【
図5】天地向き検査及び形状検査が行われた後の状態を示す図である。
【
図6】画像検査が行われているときの状態例を示す図である。
【
図7】反転機によりパレットが持ち上げられているときの状態例を示す図である。
【
図8】反転機によりパレットの回転動作が行われているときの状態例を示す図である。
【
図9】反転機によりパレットの回転動作が行われているときの状態例を示す図である。
【
図10】パレットの回転動作が終了し、パレットが反転したときの状態例を示す図である。
【
図11】反転後のパレットが定位置に戻されたときの状態例を示す図である。
【
図12】パレット管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図13】パレット管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るパレット管理システム100の一例を示す概略ブロック図である。また、
図2は、
図1に示すパレット管理システム100のハードウェア構成の一例を示す斜視図である。
【0012】
パレット管理システム100は、荷物を載せることが可能なパレット200に対し、パレット200の天面及び地面の両面の検査を行うシステムである。また、パレット管理システム100は、予め定められた所定の天地向きとなるように、パレット200の天地向きを統一させることができるシステムである。
【0013】
図1において、パレット管理システム100は、制御部110と、天地向き検査部120と、天地面検査部130と、反転機140と、パレット搬送部150とを備える。
【0014】
制御部110は、天地向き検査部120、天地面検査部130、反転機140、及び、パレット搬送部150の各モジュールと電気的に接続されており、これら各モジュールの動作を制御する。
【0015】
制御部110は、統合PC(Personal Computer)111及び制御盤112を備えている。
【0016】
統合PC111は、PLC(Programmable Logic Controller)として機能するコンピュータである。制御盤112は、各モジュールを制御及び操作するための各種電気機器が格納されている装置である。
【0017】
天地向き検査部120は、パレット200の天地向きの判別を行う。天地向き検査部120は、側面撮像部121を有している。
【0018】
側面撮像部121は、
図2に示すように、パレット200の側面に対向する位置に設けられており、パレット200の側面を撮像するエリアカメラである。側面撮像部121は、パレット200の側面に付されているマーク201を撮像する。天地向き検査部120は、側面撮像部121によって撮像されたマーク201の向きに基づいて、パレット200の天地向きの判別を行う。
【0019】
天地面検査部130は、天地面状態検出部130Aを有している。天地面状態検出部130Aは、パレット200の天地面をセンシングすることにより、パレット200の天地面の状態を示す状態データを取得する。
【0020】
天地面状態検出部130Aには、天地面形状検出部131及び天地面撮像部132が含まれている。天地面形状検出部131は、レーザ形状センサであり、
図2に示すようにパレット200よりも上方に設けられている。また、天地面撮像部132は、エリアカメラであり、
図2に示すようにパレット200よりも上方に設けられている。
【0021】
天地面検査部130は、天地面形状検出部131によって検出された形状データ、及び、天地面撮像部132によって撮像された画像データを、状態データとして取得する。そして、天地面検査部130は、取得した状態データに基づいて、パレット200の天地面を検査する。
【0022】
反転機140は、パレット200の天地向きを反転させる。反転機140は、
図2に示すように、一対の支持部141、及び、一対の回転部142を備える。
【0023】
一対の支持部141は、反転機140内において事前に設定されている位置に配置されているパレット200を支持する。この事前に設定されている位置のことを「定位置」と称する。なお、
図2において、パレット200は定位置に配置されている。
【0024】
各支持部141は、パレット200の両側に、対になるように設けられており、パレット200の両側からパレット200を支持する。各支持部141は、
図2に示すように、シャフト部141A及びアーム部141Bを備えている。
【0025】
シャフト部141Aは、円柱状の軸であり、回転部142から動力を得ることにより回転する。
【0026】
アーム部141Bは、パレット200の側面と対向するように設けられている。アーム部141Bは、シャフト部141Aと固着しており、シャフト部141Aを中心にして回転する。
【0027】
回転部142は、モータ部142A、垂直ガイド部142B、及び、図示しない昇降機構を備えている。
【0028】
モータ部142Aは、筐体内に収納されており、指定された角度で回転するステッピングモータである。
【0029】
モータ部142Aの出力軸は、シャフト部141Aと一体となっており、回転動力をシャフト部141Aに伝達する。そして、シャフト部141Aは、回転部142からの回転動力をアーム部141Bに伝達する。これにより、アーム部141Bは、シャフト部141Aを中心にして回転する。
【0030】
昇降機構は、筐体内に収納されており、モータ部142Aを垂直ガイド部142Bに沿って上下方向に移動させる。
【0031】
パレット搬送部150は、複数の駆動ローラ及び複数の従動ローラにより構成されている。パレット搬送部150は、駆動ローラが回転することにより、パレット200を、各モジュールの検査位置まで搬送する。
【0032】
天地向き検査部120、天地面検査部130、反転機140、及び、パレット搬送部150の各モジュールには、ソフトウェアを実行するための記憶装置及び演算処理装置が備えられている。このため、これらの各モジュールは、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、自律して動作することができる。
【0033】
また、天地向き検査部120、天地面検査部130、反転機140、及び、パレット搬送部150の各モジュールは、制御部110からの動作指示を受け付けることにより、相互に連携しながら動作する。また、天地向き検査部120、天地面検査部130、反転機140、及び、パレット搬送部150の各モジュールは、動作結果、検査結果、判別結果等を、動作終了通知とともに制御部110に出力する。制御部110は、これらの各種結果に基づいてパレット200の良否判定を行う。
【0034】
以下、パレット管理システム100の詳細動作について説明する。
【0035】
図3及び
図4は、天地向き検査及び形状検査が行われているときの状態例を示す図である。
【0036】
まず、検査対象となるパレット200が、パレット搬送部150の端側に載置される。そして、パレット搬送部150は、パレット200を順方向に搬送する。なお、以下の説明において、パレット200を定位置に接近させる方向を「順方向」と称する。また、パレット200を定位置から離間させる方向を「逆方向」と称する。
【0037】
パレット200の前端が天地面形状検出部131の検出位置、すなわち、天地面形状検出部131の直下まで到達すると、天地面検査部130は、天地面形状検出部131を作動させて、パレット200の第1面の形状の検出を開始する。
【0038】
ここで、この段階における検出対象となる面を、第1面とする。この第1面は、天面及び地面のいずれか一方の面であり、この段階において上方を向いて天地面形状検出部131と対向する面である。
【0039】
天地面形状検出部131は、ライン状のレーザ光をパレット200に照射し、その反射光を受光することにより、検出位置におけるパレット200の第1面の形状を検出する。天地面形状検出部131は、パレット200の第1面の形状データとして、パレット200の幅方向の座標値と高さ方向の座標値とを対応付けた、検出位置における2次元の表面形状を検出する。
【0040】
パレット搬送部150が順方向にパレット200を搬送し続けることにより、パレット200の第1面上における検出位置が相対的に移動する。このため、天地面検査部130は、パレット搬送部150と連携することにより、パレット200の第1面の全域の形状データを取得することができる。
【0041】
また、
図3において、天地向き検査部120は、側面撮像部121を作動させて、パレット200の側面の撮像を開始する。
【0042】
パレット搬送部150がパレット200を順方向に搬送し続けることにより、
図3の状態から、
図4に示す状態を経由して、
図5に示す状態となる。
【0043】
この
図4の状態から
図5の状態へ遷移する過程において、側面撮像部121は、パレット200の側面に付されているマーク201を撮像する。
【0044】
天地向き検査部120は、側面撮像部121によって撮像されたマーク201の向きに基づいて、パレット200の天地向きの判別を行う。本例において、天地向き検査部120は、マーク201として付されている「A」の天地向きを判定することにより、パレット200が天地逆向きとなっていると判別する。このため、天地向き検査部120は、現在検査対象としている第1面を、パレット200の地面と判別する。また、第1面の反対面を第2面とすると、天地向き検査部120は、この第2面を、パレット200の天面と判別する。天地向き検査部120は、判別結果を制御部110に出力する。
【0045】
図5は、天地向き検査及び形状検査が行われた後の状態を示す図である。また、
図5は、パレット200が定位置まで搬送された状態を示す図である。
【0046】
図5の状態おいては、天地面検査部130によって、第1面、すなわちパレット200の地面に対する全域の形状データが検出された状態となる。また、天地向き検査部120によって、パレット200の側面全域が撮像され、パレット200の天地向きの判別結果が得られた状態となる。
【0047】
図6は、画像検査が行われているときの状態例を示す図である。
図6において、天地面撮像部132は、天地面検査部130からの作動指示により、直下に位置するパレット200を撮像する。これにより、天地面検査部130は、パレット200の第1面についての画像データを取得する。
【0048】
図7は、反転機140によりパレット200が持ち上げられているときの状態例を示す図である。
【0049】
天地面撮像部132による第1面の撮像が終了すると、反転機140の一対の支持部141は、定位置に配置されているパレット200を、両側面から支持する。
【0050】
ここで、各アーム部141Bの両端部には、アクチュエータ及びロッドがそれぞれ設けられている。各アクチュエータが作動することにより、パレット200側面に形成されている横穴にロッドが挿入される。これにより、パレット200は、支持部141によって支持される。
【0051】
なお、パレット200の支持方法としては、これに限らず、一対のアーム部141Bがパレット200を両側から挟み込んで把持する方法でもよい。
【0052】
その後、昇降機構がモータ部142Aを垂直ガイド部142Bに沿って上方に移動させる。これにより、支持部141によって支持されたパレット200が上方に移動する。
【0053】
図8及び
図9は、反転機140によりパレット200の回転動作が行われているときの状態例を示す図である。また、
図10は、パレット200の回転動作が終了し、パレット200が反転したときの状態例を示す図である。
【0054】
回転部142は、各モータ部142Aを用いて対応する支持部141を回転させる。これに伴い、一対の支持部141によって支持されているパレット200が反転する。
【0055】
図11は、反転後のパレット200が定位置に戻されたときの状態例を示す図である。
【0056】
反転機140は、パレット200の反転動作の後、一対の支持部141を下方に移動させて、パレット200を定位置に戻す。
【0057】
その後、天地面検査部130は、第1面の他方の面である第2面に対して検査を行う。天地面検査部130は、天地面撮像部132を作動させて、第2面を撮像する。これは、
図6において説明した第1面に対する検査と同様の動作となる。
【0058】
第2面の画像データが取得された後、パレット搬送部150は、パレット200を逆方向に搬送して、天地面形状検出部131の検出位置までパレット200を搬送する。そして、天地面検査部130は、天地面形状検出部131を作動させて、第2面の形状データを取得する。
【0059】
天地面形状検出部131は、パレット200が
図5、
図4、
図3の各順となるように搬送されることにより、パレット200の第2面の形状データを取得する。なお、パレット200を
図3に示す位置にまで一旦戻してから、第1面のときと同様に順方向に搬送して、第2面の形状データを取得する方法であってもよい。
【0060】
制御部110は、天地面検査部130によって検査された第1面の検査結果と、第2面の検査結果とに基づいて、パレット200の良否判定を行う。このとき、制御部110は、天地向き検査部120の判別結果に基づいて、第1面及び第2面の各面のいずれが天面であるか、それとも地面であるかを特定した上で、パレット200の良否判定を行う。
【0061】
図12及び
図13は、
図1に示すパレット管理システム100の動作例を示すフローチャートである。
【0062】
パレット搬送部150は、ステップS101において、天地面形状検出部131の検査位置まで、パレット200を順方向に搬送する。
【0063】
天地面検査部130は、ステップS102において、天地面形状検出部131を作動させて、パレット200の第1面に対する形状データの検出を開始する。
【0064】
パレット搬送部150は、ステップS103において、側面撮像部121の検査位置まで、パレット200を順方向に搬送する。そして、天地向き検査部120は、ステップS104において、側面撮像部121を作動させて、パレット200の側面に付されているマーク201を撮像する。
【0065】
天地向き検査部120は、ステップS105において、側面撮像部121によって撮像された画像データを解析する。天地向き検査部120は、マーク201が撮像された画像データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、パレット200の天地向きを判別する。ここで、パターン認識処理としては、深層学習によって得られた学習済みモデルを用いる方法であってもよく、パターンマッチング技術を用いる方法であってもよい。
【0066】
天地向き検査部120は、パレット200の天地向きの判別結果を、制御部110に出力する。
【0067】
天地面検査部130は、パレット200の終端までの形状データが検出されると、ステップS106において、天地面形状検出部131を停止させる。これにより、パレット200の第1面に対する形状データの検出が終了する。
【0068】
天地面検査部130は、ステップS107において、検出した形状データの解析を行う。天地面検査部130は、パレット200の第1面の形状データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、第1面の形状データに関する指標値を導出する。
【0069】
ここで、「指標値」とは、未使用のパレットから得られたデータ、パレット200の設計図面データ等の基準となるデータと、実測されたデータとの類似度を求め、点数化したものである。また、ステップS107におけるパターン認識処理としては、深層学習によって得られた学習済みモデルを用いる方法であってもよく、パターンマッチング技術を用いる方法であってもよい。天地面検査部130は、導出した指標値を、検査結果として制御部110に出力する。
【0070】
パレット搬送部150は、ステップS107の形状データの解析処理と並列して、ステップS108において、定位置までパレット200を搬送する。なお、パレット搬送部150は、ステップS107の処理の完了を待ってから、次工程となるステップS108を行ってもよい。
【0071】
天地面検査部130は、ステップS109において、天地面撮像部132を作動させて、定位置に配置されているパレット200を撮像し、第1面の画像データを取得する。そして、天地面検査部130は、ステップS110において、撮像された第1面の画像データの解析を行う。
【0072】
天地面検査部130は、撮像された第1面の画像データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、第1面の画像データに関する指標値を導出する。このパターン認識処理としては、深層学習によって得られた学習済みモデルを用いる方法であってもよく、パターンマッチング技術を用いる方法であってもよい。天地面検査部130は、導出した指標値を、検査結果として制御部110に出力する。
【0073】
この第1面に関する画像データの解析処理と並列して、反転機140は、ステップS111において、パレット200を反転させる。なお、反転機140は、ステップS110の処理の完了を待ってから、次工程となるステップS111を行ってもよい。
【0074】
天地面検査部130は、ステップS112において、天地面撮像部132を作動させて、定位置に配置されている反転後のパレット200を撮像し、第2面の画像データを取得する。そして、天地面検査部130は、ステップS113において、撮像された第2面の画像データに基づいて、パターン認識処理による解析を行う。
【0075】
このステップS113の処理は、第1面のときと同じ手法により行われる。天地面検査部130は、第2面の画像データに関する指標値を導出し、導出した指標値を、検査結果として制御部110に出力する。
【0076】
第2面に関する画像データの解析処理と並列して、パレット搬送部150は、ステップS114において、パレット200を天地面形状検出部131の検査位置まで搬送する。なお、パレット搬送部150は、ステップS113の処理の完了を待ってから、次工程となるステップS114を行ってもよい。
【0077】
次いで、天地面検査部130は、ステップS115及びステップS116において、天地面形状検出部131を作動させて、第2面についての形状データの検出を行う。
【0078】
天地面検査部130は、ステップS117において、取得された第2面の形状データに基づいて、パターン認識処理による解析を行う。この処理は、第1面のときと同手法により行われる。天地面検査部130は、第2面の形状データに関する指標値を導出し、導出した指標値を、検査結果として制御部110に出力する。
【0079】
制御部110は、ステップS118において、天地向き検査部120によって出力された天地向きの判別結果と、天地面検査部130によって出力された第1面の検査結果と、第2面の検査結果とに基づいて、パレット200の良否判定を行う。
【0080】
ここで、第1面の検査結果には、第1面の形状データ及び画像データに関する指標値、すなわち、第1面の状態データに関する指標値が含まれている。また、第2面の検査結果には、第2面の形状データ及び画像データに関する指標値、すなわち、第2面の状態データに関する指標値が含まれている。以下、この状態データに関する指標値を、単に指標値と称する。
【0081】
制御部110は、ルールベースに従って、パレット200の良否判定を行う。以下、本実施形態におけるルールベースによる判定処理の一例について説明する。
【0082】
例えば、パレット200に軽微な不良箇所がある場合、地面側では問題なしと判定するが、人目に触れやすい天面側では不良と判定したいとのニーズがある。このため、本実施形態においては、天面と地面とにおいて、同程度の不良箇所があっても判定結果に差が出るようにする。
【0083】
制御部110には、天面閾値と地面閾値とが保持されている。ここで、天面閾値は、パレット200の天面の指標値と比較するための閾値である。地面閾値は、パレット200の地面の指標値と比較するための閾値である。また、地面よりも天面の方が、厳格に評価されるように、異なる値が設定されている。
【0084】
制御部110は、天地向きの判別結果から、第1面の指標値がパレット200の天面の指標値であるか、それとも地面の指標値であるかを特定する。制御部110は、同様に、第2面の指標値がパレット200の天面の指標値であるか、それとも地面の指標値であるかを特定する。
【0085】
制御部110は、天面として特定された面の指標値と、天面閾値とを比較する。上記例と同様に、第1面が地面であり、第2面が天面であるものとすると、第2面の指標値と天面閾値とが比較される。
【0086】
また、制御部110は、地面として特定された面の指標値と、地面閾値とを比較する。ここでは、第1面の指標値と地面閾値とが比較される。
【0087】
制御部110は、ステップS121において、比較の結果、天面及び地面のいずれも問題なく良好である場合、良判定とする。一方、制御部110は、天面及び地面のいずれか一方でも、許容範囲外の不良箇所がある場合、不良判定とする。この判定結果は、作業者に通知される。
【0088】
不良判定となったパレット200は、ステップS125において、パレット搬送部150により搬送ラインから除かれる。
【0089】
一方、良判定となったパレット200については、ステップS122以降の処理が行われ、パレット200の天地向きが所定の天地向きとなるように統一される。
【0090】
制御部110は、ステップS122において、天地向き検査部120による判別結果を参照し、現状のパレット200を反転させる必要があるかどうかを判定する。制御部110は、反転が不要であると判定した場合、すなわち、パレット200の現状の天地向きが、所定の天地向きである場合、処理をステップS126に進める。
【0091】
一方、ステップS122において、制御部110は、反転が必要であると判定した場合、すなわち、パレット200の現状の天地向きが、所定の天地向きとは逆向きになっている場合、処理をステップS123に進める。
【0092】
パレット搬送部150は、ステップS123において、パレット200を定位置まで搬送する。そして、反転機140は、ステップS124において、パレット200の天地向きを反転させる。
【0093】
反転機140から反転完了の通知を受けた制御部110は、処理をステップS126に進める。制御部110は、ステップS126において、パレット搬送部150を制御して、次工程のモジュールまでパレット200を搬送する。ここで、パレット200は、洗浄機能を備える洗浄部、研磨機能を備えるメンテナンス部などに搬送される。
【0094】
ステップS125またはステップS126の後、制御部110は、
図12及び
図13に示す処理を終了する。なお、他のパレット200に対して引き続き処理が必要な場合、制御部110は、処理をステップS101に戻して、当該他のパレット200に対して上記同様の処理を行う。
【0095】
本実施形態におけるパレット管理システム100は、反転機140及び天地面検査部130を備えている。反転機140は、荷物を載せることが可能なパレット200の天地向きを反転させる。天地面検査部130は、パレット200の天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の検査を行い、反転機140によってパレット200が反転された後、パレット200の第1面の他方の面である第2面の検査を行う。
【0096】
このため、パレット200の天面及び地面の両面検査を、天面側及び地面側のいずれか一方にセンサを設置することにより行うことができる。従って、天地面を検査するためのセンサ数を減らしつつ、パレット200の天面及び地面の両面の検査を行うことができる。
【0097】
また、パレット管理システム100において、天地向き検査部120は、パレット200の天地向きの判別を行う。そして、制御部110は、判別されたパレット200の天地向きに基づいて、第1面及び第2面のうち、いずれの面がパレット200の天面であるか、または、いずれの面がパレット200の地面であるかを特定する。そして、制御部110は、特定した結果と、第1面の検査結果と、第2面の検査結果とに基づいて、パレット200の良否判定を行う。このため、パレット200の天面及び地面を特定した上で、パレット200の検査を行うことができる。
【0098】
また、天地面検査部130は、天地面状態検出部130Aによって検出された第1面及び第2面の状態を示す状態データに基づいて、第1面及び前記第2面の検査を行う。このため、パレット200の天地面の検査を、定量的に行うことができる。
【0099】
また、天地面状態検出部130Aは、状態データとして、第1面及び第2面の表面形状を示す形状データを検出する。このため、パレット200の天地面の凹凸形状を検出した上で、定量的な検査を行うことができる。
【0100】
また、天地面状態検出部130Aは、状態データとして、第1面及び前記第2面を撮像した画像データを取得する。このため、パレット200の天地面の画像データに基づいた検査を行うことができる。
【0101】
また、反転機140は、パレット200を支持した状態の支持部141を、回転部142によって回転させることにより、パレット200を反転させる。このため、単純な機械構成により、パレット200を反転させることができる。なお、反転機140は、パレット200を反転させるものであるが、必ずしもパレット200を180度回転させることに限られるものではなく、パレット200を所望の角度だけ回転させるものでもよい。
【0102】
また、支持部141は、事前に設定されている定位置に配置されているパレット200を支持する。回転部142は、パレット200を支持した状態の支持部141を上方に移動させてから、支持部141を回転させる。回転部142は、その後、支持部141を下方に移動させてパレット200を定位置に戻す。このため、障害の無い空中でパレット200を反転させることができる。
【0103】
また、支持部141は、パレット200の両側に、対になるように設けられている。このため、パレット200を安定して支持することができる。
【0104】
また、天地向き検査部120は、パレット200の側面に付されたマーク201を撮像し、マーク201の向きに基づいて、パレット200の天地向きの判別を行う。このため、簡易な手法により、パレット200の天地向きの判別を行うことができる。
【0105】
また、制御部110は、パレット200を予め定められた所定の天地向きにするため、パレット200を反転させるかどうかを、判別されたパレット200の天地向きに基づいて判定する。そして、制御部110は、反転させる必要があると判定した場合、反転機140にパレット200を反転させる。このため、従来は作業員の手作業によって行われてきたパレット200の天地向きを統一させる作業を、機械的に行うことができる。
【0106】
また、天地向き検査部120は、パレット200の側面に付されているマーク201が撮像された画像データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、パレット200の天地向きを判別する。そして、天地面検査部130は、パレット200の第1面と第2面との状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、第1面の状態を示す指標値と第2面の状態を示す指標値とを、検査結果として導出する。そして、制御部110は、判別されたパレット200の天地向きと、導出された第1面の指標値と、第2面の指標値とに基づいて、ルールベースに従って、パレット200の良否判定を行う。このため、より定量的にパレット200の良否判定を行うことができる。
【0107】
また、制御部110には、天面閾値と地面閾値とのそれぞれ値の異なる閾値が保持されている。そして、制御部110は、第1面と第2面とのうちでパレット200の天面として特定された面の指標値と、天面閾値とを比較する。また、制御部110は、第1面と第2面とのうちでパレット200の地面として特定された面の指標値と、地面閾値とを比較する。また、制御部110は、各比較の結果に基づいて、パレット200の良否判定を行う。このため、パレット200の地面と天面とのそれぞれに応じた良否判定を行うことができる。
【0108】
また、本実施形態における手法を用いたパレット検査方法を提供することができる。
【0109】
なお、天地向きを統一させる処理に関し、検査前もしくは検査後に、複数枚のパレット200をまとめて反転させる構成としてもよい。例えば、検査前に、全てのパレット200を所定の天地向きと逆向きとなるようにしておくことで、検査後においては、全てのパレット200を所定の天地向きとすることができる。
【0110】
また、回転部142の上下方向の移動を利用することにより、天地画像の検査の際、天地面撮像部132とパレット200との距離を調整できるようにしてもよい。パレット200は、型式、種類などに応じて厚みが異なっている。このため、天地面撮像部132により天地面を撮像する際、パレット200の厚みに起因して、焦点が合わない可能性がある。従って、天地面撮像部132とパレット200との距離を調整できるようにすることで、焦点を合わせることができる。
【0111】
また、側面撮像部121は、本実施形態においては1つのみとし、パレット200の一方の側面に対向する位置のみに設けられている。これに対し、側面撮像部121を、パレット200の両側面にそれぞれに対向する位置に設けてもよい。
【0112】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0113】
(付記1)
荷物を載せることが可能なパレットの天地向きを反転させる反転機と、
前記パレットの天地向きの判別を行う天地向き検査部と、
前記パレットの天地面を検査する天地面検査部と、
前記パレットの良否判定を行う制御部と、
を備え、
前記天地面検査部は、前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の検査を行い、前記反転機によって前記パレットが反転された後、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の検査を行い、
前記制御部は、
前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きに基づいて、前記第1面及び前記第2面のうち、いずれの面が前記パレットの前記天面であるか、または、いずれの面が前記パレットの前記地面であるかを特定し、
当該特定した結果と、前記天地面検査部によって検査された前記第1面の検査結果と、前記第2面の検査結果とに基づいて、前記パレットの良否判定を行う、パレット管理システム。
(付記2)
前記天地面検査部は、天地面状態検出部を有し、前記天地面状態検出部によって検出された前記第1面及び前記第2面の状態を示す状態データに基づいて、前記第1面及び前記第2面の検査を行う、付記1に記載のパレット管理システム。
(付記3)
前記天地面状態検出部は、天地面形状検出部を有しており、前記状態データとして、前記第1面及び前記第2面の表面形状を示す形状データを検出する、付記2に記載のパレット管理システム。
(付記4)
前記天地面状態検出部は、天地面撮像部を有しており、前記状態データとして、前記第1面及び前記第2面を撮像した画像データを取得する、付記2または付記3に記載のパレット管理システム。
(付記5)
前記反転機は、
前記パレットを支持する支持部と、
前記支持部を回転させる回転部と、
を備え、
前記パレットを支持した状態の前記支持部を、前記回転部が回転させることにより、前記パレットを反転させる、付記1乃至付記4のうちいずれか1つに記載のパレット管理システム。
(付記6)
前記支持部は、事前に設定されている定位置に配置されている前記パレットを支持し、
前記回転部は、前記パレットを支持した状態の前記支持部を上方に移動させてから、前記支持部を回転させ、その後、前記支持部を下方に移動させて前記パレットを前記定位置に戻す、付記5に記載のパレット管理システム。
(付記7)
前記支持部は、前記パレットの両側に、対になるように設けられている、付記5または付記6に記載のパレット管理システム。
(付記8)
前記パレットの側面には、マークが付されており、
前記天地向き検査部は、前記パレットの前記側面を撮像する側面撮像部を備え、前記側面撮像部によって撮像された前記マークの向きに基づいて、前記パレットの天地向きの判別を行う、付記1乃至付記7のうちのいずれか1つに記載のパレット管理システム。
(付記9)
前記制御部は、
前記パレットを予め定められた所定の天地向きにするため、前記パレットを反転させるかどうかを、前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きに基づいて判定し、
反転させる必要があると判定する場合、前記反転機に前記パレットを反転させる、付記1乃至付記8のうちのいずれか1つに記載のパレット管理システム。
(付記10)
前記天地向き検査部は、前記パレットの側面に付されているマークが撮像された画像データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記パレットの天地向きを判別し、
前記天地面検査部は、前記パレットの前記第1面と前記第2面との状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記第1面の状態を示す指標値と前記第2面の状態を示す指標値とを、前記検査結果として導出し、
前記制御部は、前記天地向き検査部によって判別された前記パレットの天地向きと、前記天地面検査部によって導出された前記第1面の前記指標値と、前記第2面の前記指標値とに基づいて、ルールベースに従って、前記パレットの良否判定を行う、付記2に記載のパレット管理システム。
(付記11)
前記制御部には、天面閾値と地面閾値とが保持されており、
前記天面閾値は、パレットの天面の状態を示す指標値と比較するための閾値であり、
前記地面閾値は、パレットの地面の状態を示す指標値と比較するための閾値であり、且つ、前記天面閾値とは異なる値の閾値であり、
前記制御部は、
前記第1面と前記第2面とのうちで前記パレットの前記天面として特定された面の前記指標値と、前記天面閾値とを比較し、
前記第1面と前記第2面とのうちで前記パレットの前記地面として特定された面の前記指標値と、前記地面閾値とを比較し、
各前記比較の結果に基づいて、前記パレットの良否判定を行う、付記10に記載のパレット管理システム。
(付記12)
荷物を載せることが可能なパレットの天地向きの判別を行い、
前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の検査を行い、
反転機を用いて、前記パレットの天地向きを反転させ、
前記反転機によって前記パレットが反転された後、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の検査を行い、
判別された前記パレットの天地向きに基づいて、前記第1面及び前記第2面のうち、いずれの面が前記パレットの前記天面であるか、または、いずれの面が前記パレットの前記地面であるかを特定し、
当該特定した結果と、前記第1面の検査結果と、前記第2面の検査結果とに基づいて、前記パレットの良否判定を行う、パレット検査方法。
(付記13)
荷物を載せることが可能なパレットの側面に付されているマークが撮像されている画像データを取得し、当該画像データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記パレットの天地向きを判別し、
前記パレットの天面及び地面のいずれか一方の面である第1面の状態を示す状態データを取得し、当該状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記第1面の状態を示す指標値を導出し、
反転機によって前記パレットの天地向きが反転された後に検出された、前記パレットの前記第1面の他方の面である第2面の状態データを取得し、当該状態データに基づいて、パターン認識処理を行うことにより、前記第2面の状態を示す指標値を導出し、
判別された前記パレットの天地向きと、導出された前記第1面の前記指標値と、導出された前記第2面の前記指標値とに基づいて、ルールベースに従って、前記パレットの良否判定を行う、パレット検査方法。
【符号の説明】
【0114】
100 パレット管理システム、110 制御部、111 統合PC、112 制御盤、120 天地向き検査部、121 側面撮像部、130 天地面検査部、130A 天地面状態検出部、131 天地面形状検出部、132 天地面撮像部、140 反転機、141 支持部、141A シャフト部、141B アーム部、142 回転部、142A モータ部、142B 垂直ガイド部、150 パレット搬送部、200 パレット、201 マーク。