(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】方法及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20240611BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20240611BHJP
H04W 72/25 20230101ALI20240611BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240611BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W52/02 110
H04W72/25
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2022538840
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2019127503
(87)【国際公開番号】W WO2021127866
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ジャオバン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/064477(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0097874(US,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Motivation for new SI proposal on 5G V2X[online],3GPP TSG RAN #79 RP-180384,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_79/Docs/RP-180384.zip>,2018年03月12日
【文献】Sequans Communications,Discussion on paging relay and sidelink maintenance[online],3GPP TSG RAN WG2 #97bis R2-1703593,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97bis/Docs/R2-1703593.zip>,2017年03月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末によって実行される方法であって、
第2の端末の識別子に基づいてオフセットを得ることと、
サイドリンクDRXサイクル内の第1の持続時間の期間において、
前記第1の持続時間の開始時点から前記オフセットに対応する時間後のターゲット時点に、第1の端末から前記第2の端末へのサイドリンク通信を実行することと、
を含み、
第1のタイマーは、前記第2の端末から前記第1の端末へのサイドリンク送信についてのネガティブフィードバックを送信することで、スタートされ、
前記第1のタイマーは、第1の数のサイドリンクタイムスロットが含まれる持続時間を示し、
第2のタイマーは、前記第1のタイマーが終了する際にスタートされ、前記サイドリンク送信についてのサイドリンク再送が前記第1の端末によって受信されると停止され、
前記方法は、
前記サイドリンク送信を検出した後の第3の持続時間を示す第3のタイマーを決定することと、
前記第3のタイマーが終了する前に前記第1の端末がサイドリンク送信を実行すると、第4の持続時間を示す第4のタイマーをスタートすることと、
前記第4のタイマーが終了すると、前記第2のタイマーをスタートすることと、
をさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記第2のタイマーが動作している間、前記第2の端末からのサイドリンク送信を監視することを含む
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の端末は、サイドリンクマルチキャスト通信における端末デバイスグループのうちのメンバーである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
プロセッサーを含み、
前記プロセッサーは、第2の端末の識別子に基づいてオフセットを得て、サイドリンクDRXサイクル内の第1の持続時間の期間において、
前記第1の持続時間の開始時点から前記オフセットに対応する時間後のターゲット時点に、第1の端末から前記第2の端末へのサイドリンク通信を実行し、
第1のタイマーは、前記第2の端末から前記第1の端末へのサイドリンク送信についてのネガティブフィードバックを送信することで、スタートされ、
前記第1のタイマーは、第1の数のサイドリンクタイムスロットが含まれる持続時間を示し、
第2のタイマーは、前記第1のタイマーが終了する際にスタートされ、前記サイドリンク送信についてのサイドリンク再送が前記第1の端末によって受信されると停止され、
前記プロセッサーは、さらに、
前記サイドリンク送信を検出した後の第3の持続時間を示す第3のタイマーを決定し、
前記第3のタイマーが終了する前に前記第1の端末がサイドリンク送信を実行すると、第4の持続時間を示す第4のタイマーをスタートし、
前記第4のタイマーが終了すると、前記第2のタイマーをスタートする、
第1の端末。
【請求項5】
前記プロセッサーは、前記第2のタイマーが動作している間、前記第2の端末からのサイドリンク送信を監視する、
請求項
4に記載の第1の端末。
【請求項6】
前記第1の端末は、サイドリンクマルチキャスト通信における端末デバイスグループのうちのメンバーである、
請求項
4に記載の第1の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は一般に通信分野に関して、特にサイドリンク通信における不連続受信(DRX)のための解決策に関している。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格の最新の発展は、進化したパケットコア(EPC)ネットワークのロングタームエボリューション(LTE)及び進化したユニバーサル移動体通信システム(UMTS)陸地無線アクセスネットワーク(E―UTRAN)と呼ばれ、一般的に、「4G」とも呼ばれる。また、用語である「5G新無線(NR)」は、各種のアプリケーション及びサービスをサポートすると予期される進化した通信技術を指す。5G NRは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって発表された継続的なモバイル ブロードバンド進化の一部であり、遅延、信頼性、セキュリティ、拡張可能性(例えば、モノのインターネット)に関する新規要求及び他の要求を満たすことができる。5G NRのいくつかの態様は4G長期進化(LTE)規格を基礎とする。
【0003】
サイドリンクDRXは3GPPのリリース17のターゲットの一つであり、ビークルツーエブリシング(V2X)用例における、攻撃を受けやすい交通弱者(VRU)、及び公共安全、ビジネス用例におけるユーザ機器(UE)の電力消耗を低減させ、UEにおける電力消耗を最小化する必要がある。ところが、今まで、実行可能なサイドリンクDRX通信の解決策はまだ存在していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、本開示の例示的な実施例は、サイドリンク通信におけるDRX(ここで、サイドリンクDRX通信とも呼ばれる)のための解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信方法を提供する。当該方法は、通信ネットワークにおける端末デバイスの第1の端末デバイスにおいてサイドリンクDRX設定(configuration)を取得することを含む。また、当該方法は、サイドリンクDRX設定からサイドリンクDRXサイクルを決定することを含み、当該サイドリンクDRXサイクルは、第1の持続時間と第2の持続時間とを含み、第1の持続時間期間においてはサイドリンク通信の、端末デバイスの間での実行が許可され、第2の持続時間期間においてはサイドリンク通信の実行が許可されていない。さらに、当該方法は、第1の持続時間期間で、端末デバイスの第2の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行することを含む。
【0006】
第2の態様において、通信方法を提供する。当該方法は、通信ネットワークにおけるネットワークデバイスから、サイドリンクDRXサイクルを示すサイドリンクDRX設定を決定することを含み、サイドリンクDRXサイクルは、第1の持続時間と第2の持続時間とを含み、第1の持続時間期間においてはサイドリンク通信の、通信ネットワークの端末デバイスの間での実行が許可され、第2の持続時間期間においてはサイドリンク通信の実行が許可されていない。また、当該方法は、第1の端末デバイスはサイドリンクDRX設定に基づいて、端末デバイスの第2の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行するように、サイドリンクDRX設定を端末デバイスにおける第1の端末デバイスに送信することを含む。
【0007】
第3の態様において、端末デバイスを提供する。端末デバイスは、プロセッサーと、指令が記憶されるメモリとを含む。メモリ及び指令は、端末デバイスに第1の態様による方法を実行させるように、プロセッサーに設定される。
【0008】
第4の態様において、ネットワークデバイスを提供する。当該ネットワークデバイスは、プロセッサーと、指令が記憶されるメモリとを含む。メモリ及び指令は、ネットワークデバイスに第2の態様による方法を実行させるように、プロセッサーに設定される。
【0009】
第5の態様において、指令が記憶されたコンピュータ可読媒体を提供する。指令がデバイスの少なくとも一つのプロセッサーにより実行される場合、デバイスに第1の態様による方法を実行させる。
【0010】
第6の態様において、指令が記憶されたコンピュータ可読媒体を提供する。指令がデバイスの少なくとも一つのプロセッサーによる実行される場合、デバイスに第2の態様による方法を実行させる。
【0011】
ここで、この発明の概要は、本開示の実施例の主な又は基本的な特徴を特定するものではなく、本開示の範囲も限定していない。以下の記載によって、本開示の他の特徴は分かりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面において、本開示のいくつかの実施例をより詳しく記載することで、本開示の上記及び他の目的、特徴、利点はより明らかになる。
【0013】
【
図1】本開示のいくつかの実施例を実現可能な通信環境の概略図である。
【0014】
【
図2】本開示のいくつかの実施例による第1の端末デバイスと第2の端末デバイスとの間の例示的な通信プロセスを示す。
【0015】
【
図3】本開示のいくつかの実施例による、第1の持続時間と第2の持続時間とを含むサイドリンクDRXサイクルの一つの例示を示す。
【0016】
【
図4】本開示のいくつかの実施例による、ネットワークデバイスと第1の端末デバイスとの間の例示的な通信プロセスを示す。
【0017】
【
図5】本開示のいくつかの実施例による、サイドリンクDRXサイクルの第1の持続時間期間でサイドリンク送信を実行するためのオフセットの二つの例示を示す。
【0018】
【
図6】本開示のいくつかの実施例による、ヘッド機器とメンバー端末デバイスとの間の例示的な通信プロセスを示す。
【0019】
【
図7】本開示のいくつかの実施例による、グローバルサイドリンクDRXサイクル及びグループサイドリンクDRXサイクルという両者が第1の端末デバイスを対象として設定された場合、送信持続時間の二つの例示、及び受信持続時間の二つの例示を示す。
【0020】
【
図8】本開示のいくつかの実施例による、サイドリンクDRXオペレーション用の第1のタイマーの例示、及び第2のタイマーの例示を示す。
【0021】
【
図9】本開示のいくつかの実施例による、ダウンリンク送信のDRXオペレーション用の非アクティブタイマーをサイドリンク通信に適用する場合、出現した問題を解釈するための例示を示す。
【0022】
【
図10】本開示のいくつかの実施例による、サイドリンクDRXオペレーション用の第3のタイマーの例示、及び第4のタイマーの例示を示す。
【0023】
【
図11】本開示のいくつかの実施例による例示的な方法のフローチャートを示す。
【0024】
【
図12】本開示のいくつかの実施例による別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0025】
【
図13】本開示のいくつかの実施例を実施するデバイスの簡略化ブロック図である。
【0026】
全ての図面において、同一又は類似の符号は同一又は類似の素子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これから、いくつかの例示的な実施例を参照して本開示の原理を記載する。ここで、これらの実施例の記載は本開示の範囲についての何の限定ではなく、ただ説明し、及び当業者が本開示を理解して実施するためのものである。ここに記載の開示は、以下に記載の態様以外の各種の態様で実現されてもよい。
【0028】
以下の記載及び請求項において、別の定義がない限り、本明細書が使用した全ての技術及び科学用語は、本開示の当業者の一般的な理解と同一意味を有する。
【0029】
本明細書が使用するように、用語である「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS)は、端末デバイスが通信を実行できるセル又はカバレッジを提供又はホストできるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例示は、ノードB(NodeB又はNB)、進化したNodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、V2X通信用インフラストラクチャーデバイス、送信/受信ポイント(TRP)、リモート無線ユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、遠隔ラジオヘッド(RRH)、例えばマイクロノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されていない。
【0030】
本明細書が使用するように、用語である「端末デバイス」は、無線又は有線通信能力を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例示は、ユーザ機器(UE)、車載端末デバイス、歩行者デバイス、ロードサイドユニット、パーソナル コンピュータ、デスクトップパソコン、携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、画像キャプチャデバイス、例えばデジタルカメラ、ゲームデバイス、音楽記憶及び再生電気製品、又は無線又は有線インターネットアクセス及び閲覧などをサポートするインターネット電気製品を含むが、これらに限定されていない。議論を目的とし、端末デバイスの例示としてのUEを参照して、いくつかの実施例を記載し、用語である「端末デバイス」及び「ユーザ機器」(UE)は、本開示の明細書において、互いに交換されるように使用されてもよい。
【0031】
一つの実施例において、端末デバイスは第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスに接続される。第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスのうちの一方はマスターノードであり、他方はセカンダリノードである。第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスは異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一つの実施例において、第1のネットワークデバイスは第1のRATデバイスであり、第2のネットワークデバイスは第2のRATデバイスであってもよい。一つの実施例において、第1のRATデバイスはeNBであり、第2のRATデバイスはgNBである。
【0032】
異なるRATと関連付けられた情報は第1のネットワークデバイス及び第2のネットワークデバイスのうちの少なくとも一方から、端末デバイスに送信されてもよい。一つの実施例において、第1の情報は第1のネットワークデバイスから端末デバイスに送信され、第2の情報は第2のネットワークデバイスから直接的又は第1のネットワークデバイスを介して端末デバイスに送信されてもよい。一つの実施例において、端末デバイスのための設定と関連付けられた、第2のネットワークデバイスによって設定された情報は第2のネットワークデバイスから第1のネットワークデバイスを介して送信されてもよい。端末デバイスのための再設定と関連付けられた、第2のネットワークデバイスによって設定された情報は第2のネットワークデバイスから直接的又は第1のネットワークデバイスを介して、端末デバイスに送信される。
【0033】
明細書において特に明記されていない限り、本明細書が使用するように、単数形態は複数形態も含むように意図される。用語である「含む」及びその変形は、オープンターム(open term)として理解され、「……を含むが、限定されていない」ことを意味する。用語である「基づく」は、「少なくとも部分的に基づく」として理解される。用語である「一つの実施例」及び「実施例」は、「少なくとも一つの実施例」として理解される。用語である「別の実施例」は、「少なくとも一つの別の実施例」として理解される。用語である「第1」、「第2」などは、異なる又は同一オブジェクトを指す。明示及び暗黙的な他の定義は以下に含まれてもよい。
【0034】
いくつかの例示において、値、プロシージャ又は装置は「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと呼ばれる。ここで、このような記載は、使用される多くの機能候補から選択を実行してもよく、このような選択が他の選択よりよく、小さく、高く又は他の態様で好適である必要がないと示す。
【0035】
図1は本開示のいくつかの実施例を実現可能な通信環境100の概略図である。
図1に示すように、通信環境100(通信ネットワーク100とも呼ばれる)は、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140をサービスするネットワークデバイス110を含む。特に、第1の端末デバイス120は通信チャネル105を介してネットワークデバイス110と通信し、第2の端末デバイス130は通信チャネル115を介してネットワークデバイス110と通信し、第3の端末デバイス140は通信チャネル125を介してネットワークデバイス110と通信する。ネットワークデバイス110から第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130又は第3の端末デバイス140への送信について、通信チャネル105、通信チャネル115又は通信チャネル125はダウンリンクチャネルと呼ばれ、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130又は第3の端末デバイス140からネットワークデバイス110への送信について、通信チャネル105、通信チャネル115又は通信チャネル125は代替的に、アップリンクチャネルと呼ばれてもよい。
【0036】
また、第1の端末デバイス120はデバイスツーデバイス(D2D)チャネル135(サイドリンクチャネル135とも呼ばれる)を介して第2の端末デバイス130と通信する。同様に、第1の端末デバイス120はサイドリンクチャネル145を介して第3の端末デバイス140と通信し、第2の端末デバイス130はサイドリンクチャネル155を介して第3の端末デバイス140と通信する。ある場合、ネットワークデバイス110は通信環境100に存在しなくてもよい。例えば、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140のうちの一つ又は複数は、ネットワークデバイス110のカバレッジを超える可能性がある。この場合、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130、第3の端末デバイス140、及び
図1に示されていない他の可能な端末デバイスの間にはサイドリンク通信のみが存在する。
【0037】
いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140のうちの一つ又は複数は、3GPP仕様に定義されたサイドリンクマルチキャスト通信における1グループの端末デバイスに属してもよいし、又は異なるグループの端末デバイスにそれぞれ属してもよい。一つの例示として、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は、サイドリンクマルチキャスト通信における同一グループの端末デバイスであってもよい。この場合、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140のうちの何れか一つは、ヘッド端末デバイスであってもよく、当該グループにおけるヘッド端末デバイスを除いた他の端末デバイスは、メンバー端末デバイスであってもよい。
【0038】
本明細書が使用するように、ヘッド端末デバイスは、サイドリンクマルチキャスト通信における1グループの端末デバイスの端末デバイスであり、グループにおけるサイドリンクマルチキャスト通信を制御又は管理し、当該グループを代表してグループ外部の他のデバイスと通信する。ある場合、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は、何れもメンバー端末デバイスであってもよく、ヘッド端末デバイスは、別の端末デバイスである。別の例示として、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140のうちの一つ又は複数は、サイドリンクマルチキャスト通信における異なるグループの端末デバイスに属する。例えば、三つの端末デバイスは、3グループの端末デバイスにそれぞれ属してもよい。
【0039】
又は、第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130は、同一グループに存在し、第3の端末デバイス140は、別のグループに属してもよい。又は、第1の端末デバイス120及び第3の端末デバイス140は、同一グループに属し、第2の端末デバイス130は、別のグループに属してもよい。他の場合、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は、同一グループに属し、第1の端末デバイス120は、別のグループに属してもよい。いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140のうちの何れか一つ又は複数は、サイドリンクマルチキャスト通信における何れかのグループの端末デバイスに属しなくてもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120と第2の端末デバイス130との間の、サイドリンクチャネル135によるサイドリンク通信期間で、第1の端末デバイス120は、1グループの送信リソースを使用して、第2の端末デバイス130へのサイドリンク通信を実行する。本明細書が使用するように、用語である「サイドリンク送信」は、一般的に、これらの間のサイドリンクチャネルを介して一つの端末デバイスから別の端末デバイスへ実行される任意の送信を指す。サイドリンク送信は、サイドリンク通信に関する任意のデータ又は制御情報、例えば、サイドリンクデータ又はサイドリンク制御情報、若しくはサイドリンクフィードバック情報を送信する。本明細書が使用するように、用語である「サイドリンクチャネル」は一般的に、サイドリンク通信用の任意のチャネル、例えば、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク発見チャネル(PSDCH)、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)及び他の従来又は将来のサイドリンクチャネルを指す。
【0041】
本明細書が使用するように、用語である「リソース」、「送信リソース」又は「サイドリンクリソース」は、通信を実行するための任意のリソース、例えば、端末デバイスの間のサイドリンク通信、時間領域におけるリソース(例えば、タイムスロット)、周波数領域リソース(例えば、サブチャネル)、空間領域リソース、コード領域リソース、又は通信を可能にする他の任意のリソースなどを指す。以下、周波数領域及び時間領域という両者のリソースは何れもサイドリンクリソースの例示として、本開示のいくつかの実施例を記載するために用いられる。ところが、ここで、本開示の実施例は同じように、他の任意の領域における、他の任意のリソースに適用される。
【0042】
ネットワークデバイス110、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は
図1の通信環境100に記載されるが、本開示の実施例は同じように、互いに通信する他の任意の適切な通信デバイスに適用されてもよい。即ち、本開示の実施例は
図1の例示的なシナリオに限定されていない。これについて、ここで、
図1において、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は概略的に携帯電話として描画されるが、このような記載はいかなる限定も意味していなく、ただ例示的なものである。他のいくつかの実施例において、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は他の任意の無線通信デバイス、例えば、車載端末デバイスであってもよい。
【0043】
第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は車載端末デバイスである場合、これらに関する通信はV2X通信と呼ばれてもよい。より一般的に、
図1において図示していないが、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140に関するV2X通信は、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130又は第3の端末デバイス140と、インフラストラクチャーデバイス、他の車載端末デバイス、歩行者のデバイス、ロードサイドユニットなどを含むが、これらに限定されていない他の任意の通信デバイスとの間の通信を含んでもよい。また、図示していないが、
図1に示された全ての通信リンクは何れも一つ又は複数の中継を経ってもよい。
【0044】
ここで、
図1に示される端末デバイスの数及びネットワークデバイスの数はいかなる限定も意味していなく、ただ説明を目的とする。通信環境100は、任意の適切な数の端末デバイス、任意の適切な数のネットワークデバイス、及び本開示の実施例を実施するための任意の適切な数の他の通信デバイスを含んでもよい。また、ここで、全ての通信デバイスの間には各種の無線通信及び有線通信が存在してもよい(必要があれば)。
【0045】
通信環境100における通信は任意の適切な規格に合って、グローバル移動通信システム(GSM)、拡張カバレッジグローバル移動モノのインターネットシステム(EC―GSM―IoT)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE―エボリューション、LTE―アドバンスト(LTE―A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)などを含むが、これらに限定されていない。また、現在既知又は将来開発しようとする任意の世代の通信プロトコルに基づいて通信を実行してもよい。通信プロトコルの例示は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されていない。
【0046】
以上のように、サイドリンクDRXは3GPPのリリース17のターゲットの1つであり、V2X用例における、攻撃を受けやすい交通弱者(VRU)の電力消耗、及び公共安全、ビジネス用例におけるUEの電力消耗を低減させ、当該公共安全及びビジネス用例において、UEにおける電力消耗を最小化する必要がある。本明細書が使用するように、攻撃を受けやすい交通弱者は、各種の原因のため、他のユーザよりその境遇が危険である人として定義される。攻撃を受けやすい交通弱者は、子供、障害者、サイクリストとモーターサイクリスト、家畜、歩行者、高齢者、学習者及び新卒運転者を含んでもよい。ところが、現在、実行可能なサイドリンクDRX通信の解決策はまだ存在していない。
【0047】
従前、UEと基地局との間のUuインターフェースにおいて、ダウンリンクへ送信されたDRX設定のDRXサイクルに基づいて、UEはDRXサイクルのオン持続時間帯(On Duration)期間で、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視して復号化し、DRXサイクルのオフ持続時間帯(Off Duration)期間で、スリープモードに入る。より具体的に、接続モード(例えば、RRC接続状態)にあるUEはPDCCHを監視して、UEが物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)でダウンリンクデータを受信するためのダウンリンク送信許可を取得する。LTE/LTE―A規格に接続状態でのDRXプロセス(procedure)を導入することで、UEの電力節約を実現する。DRXサイクルは「オン持続時間」及び「DRX時間帯(DRX period)」から構成される。「オン持続時間」期間で、UEは、PDCCHを監視して許可(grant)を取得する。許可を受信する度に、UEは、「非アクティブタイマー」をスタートすることができる。非アクティブタイマーが終了するまで又は非アクティブタイマーがメディアアクセス制御(MAC)によって停止されるまで、UEは、PDCCHを監視し続ける。それから、UEは、DRX時間帯になり、この期間、電力を節約するために、UEはスリープモードに入る。
【0048】
ところが、ダウンリンク送信のための従前のDRX設定は、サイドリンク通信に適用されると、異なるUEは異なるウェイクアップ持続時間帯及びスリープ持続時間帯を有し、gNB/eNB Uuインターフェースにおいて現在のDRX解決策に従う。従って、UEはLTE/NR Uuインターフェースにおける従前のDRX解決策に基づいてサイドリンク通信を介して互いに効果的に通信できない。
【0049】
上記の技術問題及び従前の解決策に存在する恐れがある他の技術問題を解决するために、本開示の実施例はサイドリンク通信におけるサイドリンクDRXオペレーションのための解決策を提供する。いくつかの実施例において、ネットワークデバイスは、例えば異なるUEについてのサイドリンク送信の異なる遅延を持っている関連する複数のUEについて、ウェイクアップ持続時間及びスリープ持続時間のグローバル(ブロードコモン(broad common)とも呼ばれる)サイドリンクDRX設定を、設定又は事前設定する。従って、UEはサイドリンクチャネルを介して互いにより効果的に通信でき、例えば、少ない半二重及びリソース衝突問題を有する場合である。いくつかの実施例において、サイドリンクマルチキャスト通信における1グループのUEにおいて、ヘッドUEは、メンバーUEについて、ウェイクアップ持続時間及びスリープ持続時間のグループ(又はグループ共通)サイドリンクDRX設定を設定してもよい。このように、サイドリンクマルチキャスト通信におけるUEはサイドリンクチャネルを介して互いにより効果的に通信できる。
【0050】
いくつかの実施例において、UEについて、グローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定という両者を有効にする。いくつかの実施例において、サイドリンクDRXオペレーションについてのハイブリッド自動リピート要求(HARQ)往復時間(RTT)タイマー及び再送タイマーは、サイドリンク通信におけるHARQ再送問題を処理するように定義される。いくつかの実施例において、サイドリンクDRXオペレーションの非アクティブタイマーを対象とする際の特定のUE行為はサイドリンク送信によって中断される。従って、本開示の実施例によれば、端末デバイスはサイドリンクDRXオペレーションを使用して互いに効果的に通信できる。以下、図面を結合して本開示の原理及び実施形態の実行を詳しく説明する。
【0051】
図2は本開示のいくつかの実施例による、第1の端末デバイス120と第2の端末デバイス130との間の例示的な通信プロセス200を示す。議論を目的とし、
図1を参照して通信プロセス200を記載する。ところが、ここで、通信プロセス200は同じように、二つの端末デバイスがサイドリンクチャネルを介して互いに通信する他の通信シナリオに適用される。
【0052】
図2に示すように、第1の端末デバイス120はサイドリンクDRX設定を取得し(210)、例えば、第1の端末デバイス120が通信ネットワーク100における他の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行するために用いられる。以下、第1の端末デバイス120のためのサイドリンクDRX設定は、第1のサイドリンクDRX設定とも呼ばれてもよい。本明細書が使用するように、サイドリンクDRX設定は、第1の端末デバイス120が実行サイドリンクDRXオペレーションを実行するための1グループのパラメータを示す。例えば、サイドリンクDRX機能についてのこれらのパラメータは、3GPP仕様に規定されるネットワークデバイスと端末デバイスとの間のダウンリンク通信におけるDRXオペレーションのパラメータに類似する。より一般的に、サイドリンクDRX設定は、端末デバイスの、サイドリンク通信におけるDRX機能についての任意の設定を指してもよい。
【0053】
一般的に、第1の端末デバイス120は各種の適切な方式のうちの何れかの一つの方式で、サイドリンクDRX設定を取得してもよい(210)。例えば、第1の端末デバイス120は、事前定義された設定に基づいて、サイドリンクDRX設定を決定してもよい。言い換えると、サイドリンクDRX設定は第1の端末デバイス120について事前設定される。このように、ネットワークデバイス110又は他の制御デバイスは、サイドリンクDRX設定を第1の端末デバイス120に通知するための制御信号を送信する必要がないため、シグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0054】
別の例示として、第1の端末デバイス120は推奨のサイドリンクDRX設定をネットワークデバイス110に報告し、そして、ネットワークデバイス110は、推奨のサイドリンクDRX設定が第1の端末デバイス120に適用されるかどうかを決定する。他のいくつかの実施例において、第1の端末デバイス120は一つ以上の推奨のサイドリンクDRX設定をネットワークデバイス110に報告し、その後、ネットワークデバイス110は、これらの推奨のサイドリンクDRX設定のうちの一つを選択して、第1の端末デバイス120に適用する。ある場合、ネットワークデバイス110は、何れかの推奨のサイドリンクDRX設定を選択していなく、ネットワークデバイス110が、第1の端末デバイス120に合うと認めたサイドリンクDRX設定を使用して、第1の端末デバイス120を設定してもよい。いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120からネットワークデバイス110への一つ又は複数の推奨のサイドリンクDRX設定についての報告は、ネットワークデバイス110からの指示に基づいてトリガーされ、当該指示は、報告をネットワークデバイス110に送信するように第1の端末デバイス120に通知する。代替的又は付加的に、第1の端末デバイス120からネットワークデバイス110への報告は、一つ又は複数の事前定義された基準に基づいてトリガーされる。
【0055】
代替的又は付加的に、第1の端末デバイス120は、例えば無線リソース制御(RRC)信号に基づいて、ネットワークデバイス110からサイドリンクDRX設定を受信する。このように、ネットワークデバイス110は異なる端末デバイスについて、異なるサイドリンクDRX設定を設定し、異なる通信ネットワークにおいて、一つの端末デバイスには異なるサイドリンクDRX設定が設定されてもよいため、サイドリンクDRX設定の有効性及び柔軟性を改善する。以降、
図4を参照して、第1の端末デバイス120がネットワークデバイス110からサイドリンクDRX設定を受信する例示を詳しく記載する。
【0056】
類似の方式で、第2の端末デバイス130は第2のサイドリンクDRX設定を取得でき(215)、第2の端末デバイス130が通信ネットワーク100における他の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行するために用いられる。いくつかの実施例において、第2の端末デバイス130のための第2のサイドリンクDRX設定は、第1の端末デバイス120のための第1のサイドリンクDRX設定と同様であってもよい。言い換えると、一つのサイドリンクDRX設定は第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130という両者に適用されてもよい。より一般的に、いくつかの実施例において、一つのサイドリンクDRX設定は、通信ネットワーク100における全ての端末デバイスに適用されるように設定される。この場合、サイドリンクDRX設定はグローバル(又はブロードコモン)サイドリンクDRX設定とも呼ばれてもよく、ネットワークデバイス110から全ての端末デバイスにブロードキャストされる。
【0057】
他のいくつかの実施例において、第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130は、それぞれのデバイス固有サイドリンクDRX設定を有してもよい。言い換えると、第2のサイドリンクDRX設定は第1のサイドリンクDRX設定と異なって、ユニキャスト通信において、第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130に個別に送信されてもよい。この場合、第1のサイドリンクDRX設定は第2のサイドリンクDRX設定と異なるが、第1のサイドリンクDRX設定において示されるパラメータの値は、第2のサイドリンクDRX設定において示されるパラメータの値と同様であってもよい。例えば、このようなパラメータは、通信ネットワーク100における全ての端末デバイスにとって共通であってもよく、例えば、サイドリンクDRXサイクルである。また、第1のサイドリンクDRX設定は、別のパラメータの第1の値を示し、第2のサイドリンクDRX設定は、当該別のパラメータの異なる第2の値を示す。即ち、第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130について、当該別のパラメータの値は異なってもよい。例えば、サイドリンクDRXオペレーションを実行する各種のタイマーのうちの一つ又は複数のタイマーは、異なる端末デバイスについての異なる値を有してもよい。
【0058】
第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130という両者についての共通のパラメータの一つの例示として、二つの端末デバイスについての同じサイドリンクDRXサイクルは、二つの端末デバイスについての共通の同じサイドリンクDRX設定から取得され、又はそれぞれの第1のサイドリンクDRX設定及び第2のサイドリンクDRX設定から取得されてもよい。以下、
図3を参照して、二つの端末デバイスについての共通のサイドリンクDRXサイクルを記載する。
【0059】
図3は本開示のいくつかの実施例による、第1の持続時間310と第2の持続時間320とを含むサイドリンクDRXサイクル305の一つの例示を示す。
図3に示すように、第1の端末デバイス120には、第1の持続時間310と第2の持続時間320とを含むサイドリンクDRXサイクル305が設定される。第1の持続時間310期間においては、サイドリンク通信の、通信ネットワーク100における端末デバイスの間での実行が許可され、第2の持続時間320期間においては、サイドリンク通信の、通信ネットワーク100における端末デバイスの間での実行が許可されていない。言い換えると、サイドリンク通信について、第1の端末デバイス120及び他の端末デバイスは第1の持続時間310期間で、ウェイクアップモードにあり、第2の持続時間320期間で、スリープモードにあり、これによって、電力を節約する。
【0060】
いくつかの実施例において、第1の持続時間310及び第2の持続時間320はサイドリンクタイムスロットの数(例えば、1、2、...、10、...、100、...、1000又は他の適切な数)に定義される。本明細書が使用するように、サイドリンクタイムスロットは一般的に、サイドリンク通信に用いられるように設計されるタイムスロット、例えば、リソースプール内で、サイドリンク送信のためのタイムスロットを指す。特に、サイドリンクタイムスロットは、3GPP仕様に定義される十四(14)個の記号から構成されてもよい。ところが、ここで、本開示の実施例は、現在定義された任意のサイドリンクタイムスロット、又は将来定義されえる任意のサイドリンクタイムスロットに適用されてもよい。
【0061】
図3に示すように、サイドリンクDRXサイクル305は時間領域(T)において周期的に又は繰り返して発生してもよい。言い換えると、前の一つのサイドリンクDRXサイクル305の第2の持続時間320の終了時点は、次のサイドリンクDRXサイクル305の第1の持続時間310の開始時点であってもよい。即ち、第1の端末デバイス120は時間に連れて、交互にウェイクアップモード及びスリープモードにある。同様に、第2の端末デバイス130には同じサイドリンクDRXサイクル305が設定され、当該サイドリンクDRXサイクル305は同じ第1の持続時間310及び第2の持続時間320を含むため、時間に連れて交互にウェイクアップモード及びスリープモードにある。より一般的に、通信ネットワーク100における全ての関連端末デバイスには、統一のウェイクアップ持続時間及びスリープ持続時間を示すブロードコモンサイドリンクDRX設定が設定され、又は事前設定される。
【0062】
図2及び
図3を参照し、第1の端末デバイス120は第1の端末デバイス120のための第1のサイドリンクDRX設定からサイドリンクDRXサイクル305を決定する(220)。サイドリンクDRXサイクル305を決定した(220)後、第1の端末デバイス120は、どんな時に第2の端末デバイス130又は他の端末デバイスとサイドリンク通信を実行できるのか、及びどんな時にこのようなサイドリンク通信を実行できないのかということが分かる。同じように、第2の端末デバイス130は、第2の端末デバイス130のための第2のサイドリンクDRX設定からサイドリンクDRXサイクル305を決定する(225)。サイドリンクDRXサイクル305に基づいて、第2の端末デバイス130も、どんな時に第1の端末デバイス120又は他の端末デバイスとサイドリンク通信を実行できるのか、及びどんな時にこのようなサイドリンク通信を実行できないのかということが分かる。
【0063】
サイドリンクDRXサイクル305を決定した(220)後、第1の端末デバイス120は、サイドリンクDRXサイクル305の第1の持続時間310期間で、第2の端末デバイス130とのサイドリンク通信を実行する(230)。例えば、第1の端末デバイス120は第1の持続時間310期間で、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)又は他の任意のサイドリンクチャネルを第2の端末デバイス130に送信する。別の例示として、第1の端末デバイス120は第1の持続時間310期間で、第2の端末デバイス130からPSCCH、PSSCH又は他の任意のサイドリンクチャネルを受信できる。従って、受信UE及び送信UEという二つの角度から見れば、UEの、PSCCH/PSSCHへの受信及び送信は、グローバルサイドリンクDRX設定から決定されたウェイクアップ持続時間(例えば、第1の持続時間310)期間のみに発生でき、UEはスリープ持続時間(例えば、第2の持続時間320)期間で、スリープモードに入ることができる。
【0064】
図2の通信プロセス200によって、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び他の端末デバイスはサイドリンクDRXオペレーションを使用して相互のサイドリンク通信を実行し、即ち、端末デバイスはサイドリンクDRXオペレーションを使用して効率的に互いに通信できる。
【0065】
いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120のための第1のサイドリンクDRX設定及び/又は第2の端末デバイス130のための第2のサイドリンクDRX設定は、ネットワークデバイス110によって有効にされ又は無効にされる。より一般的に、ネットワークデバイス110は、任意の端末デバイスについてのサイドリンクDRX設定を有効にして又は無効にすることができる。例えば、ネットワークデバイス110は、指示を第1の端末デバイス120に、例えばRRCシグナリングを介して送信する。当該指示は、第1のサイドリンクDRX設定が有効にされるか、或いは無効にされるかということを第1の端末デバイス120に通知する。例えば、当該指示は、「無効」を示す偽値及び「有効」を示す真値を有し、その逆もある。
【0066】
従って、第1の端末デバイス120はネットワークデバイス110から指示を受信し、当該指示に基づいて、第1のサイドリンクDRX設定が有効にされるか、或いは無効にされるかということを決定する。このように、ネットワークデバイス110は端末デバイスの性質又は通信シナリオに基づいて、サイドリンクDRX設定を端末デバイスに適用することを決定し、これによって、サイドリンクDRX設定の柔軟性及び有効性を改善する。例えば、第1の端末デバイス120は、電力を節約する必要がない車載デバイスであれば、サイドリンクDRX設定は第1の端末デバイス120について、無効にされる。
【0067】
以上、
図2を参照して通信プロセス200を記載する際、言及されるように、サイドリンクDRX設定を取得するために、第1の端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からサイドリンクDRX設定を受信する。これについて、
図4を参照して詳しく説明し、
図4は本開示のいくつかの実施例によるネットワークデバイス110と第1の端末デバイス120との間の例示的な通信プロセス400を示す。議論を目的とし、
図1を参照して通信プロセス400を記載する。ところが、ここで、通信プロセス400は同じように、端末デバイス及びネットワークデバイスがアップリンクチャネル/ダウンリンクチャネルを介して互いに通信する他の通信シナリオに適用される。
【0068】
図4に示すように、ネットワークデバイス110は、第1の持続時間310及び第2の持続時間320を含むサイドリンクDRXサイクル305のサイドリンクDRX設定を示すと決定できる(410)。例えば、ネットワークデバイス110は、通信ネットワーク100における全ての端末デバイスが使用しようとするグローバルサイドリンクDRX設定を決定できる。又は、ネットワークデバイス110は、通信ネットワーク100における各端末デバイスについてのデバイス固有サイドリンクDRX設定を決定できる。例えば、ネットワークデバイス110は、第1の端末デバイス120についての第1のサイドリンクDRX設定、及び第2の端末デバイス130についての第2のサイドリンクDRX設定などを決定できる。
【0069】
いくつかの実施例において、ネットワークデバイス110は、例えば、通信ネットワーク100で実行対象となるサイドリンク通信の推定量、個別の端末デバイスの性質、個別の端末デバイスの具体的な通信シナリオなどである、各種の可能な要因のうちの何れか一つ又は複数に基づいて、サイドリンクDRX設定を決定する(410)。
【0070】
サイドリンクDRX設定を決定した(410)後、ネットワークデバイス110は、サイドリンクDRX設定を第1の端末デバイス120に送信し(420)、このため、第1の端末デバイス120は、ネットワークデバイス110からサイドリンクDRX設定を受信し(420)、これにより、第1の端末デバイス120は、サイドリンクDRX設定に基づいて、第2の端末デバイス130とのサイドリンク通信を実行する(230)。
【0071】
例えば、通信ネットワーク100における全ての端末デバイスにとってサイドリンクDRX設定がグローバルであると、ネットワークデバイス110は、サイドリンクDRX設定を端末デバイスにブロードキャストする。又は、サイドリンクDRX設定が第1の端末デバイス120にとって固有のものであると、ネットワークデバイス110は、第1の端末デバイス120とのユニキャスト通信で、サイドリンクDRX設定を送信する。他のいくつかの実施例において、ネットワークデバイス110と1グループの端末デバイスとの間のマルチキャスト通信は、サイドリンクDRX設定を送信してもよい。
【0072】
別のいくつかの実施例において、ネットワークデバイス110は、異なる端末デバイスのためのサイドリンクDRX設定の共通パラメータ(例えば、グローバルサイドリンクDRXサイクル)をブロードキャストしてもよい。また、ネットワークデバイス110はデバイスの固有パラメータ(例えば、DRXオペレーションのための各種タイマー)を個別の端末デバイスにユニキャストしてもよい。
図4の通信プロセス400によって、ネットワークデバイス110は柔軟且つ個別的に各端末デバイスについてサイドリンクDRX設定を設定するとともに、適切な方式を選択してサイドリンクDRX設定を一つ又は複数の端末デバイスに送信する。
【0073】
いくつかの実施例において、グローバルサイドリンクDRXサイクル305が通信ネットワーク100における複数の端末デバイスに用いられるように設定された場合、これらの端末デバイスが第1の持続時間310の前にサイドリンク送信を実行することを決定するとき、これらの端末デバイスは、これらのサイドリンク送信を実行ために、第1の持続時間310の開始を待つ必要がある。このとき、複数の端末デバイスは、何れも第1の持続時間310の始めにこれらのサイドリンク送信を実行する場合、半二重性質のために他の端末デバイスからのサイドリンク送信を受信できず、サイドリンク送信を実行するためのリソースを選択する際にこれらの端末デバイスの間にはリソース衝突が発生する恐れがある。ひどい半二重及びリソース衝突の問題を軽減又は除去させるために、複数の端末デバイスは、異なる遅延(オフセットとも呼ばれる)を使用して、これらのサイドリンク送信を実行してもよい。これについて、以下、
図5を参照して詳しく記載する。
【0074】
図5は本開示のいくつかの実施例による、サイドリンクDRXサイクル305の第1の持続時間310期間で、サイドリンク送信を実行するためのオフセットの二つの例示520及び535を示す。
図5に示すように、第1の端末デバイス120と第2の端末デバイス130との間のサイドリンク通信期間において、第1の持続時間310の開始の前に、第1の端末デバイス120が、第1の端末デバイス120から第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスへ実行されるべき第1のサイドリンク送信を決定する、と仮定する。
【0075】
従って、第1のサイドリンク送信を実行するために、第1の端末デバイス120は第1の持続時間310の開始時点510を決定する。また、第1の端末デバイス120は第1のサイドリンク送信を実行するためのオフセット520を決定する。そして、第1の端末デバイス120は開始時点510及びオフセット520に基づいて、ターゲット時点530を決定する。従って、第1の端末デバイス120はターゲット時点530で第1のサイドリンク送信を実行できる。言い換えると、送信UEの角度から見れば、ウェイクアップ時間(例えば、第1の持続時間310)の開始の際、UEのバッファにおいて送信対象となるサイドリンクデータを有するUE、特に、Mode―2 UE(自体が送信リソースを選択する)にとって、PSCCH/PSSCHは、少なくとも遅延後に送信されることが許可され、そして、遅延の持続時間期間で受信状態を保持する。
【0076】
同様に、第1の持続時間310の開始の前に、第2の端末デバイス130は、第2の端末デバイス130から第1の端末デバイス120又は別の端末デバイスへ実行されるべき第2のサイドリンク送信を決定する、と仮定する。従って、第2の端末デバイス130は、第1の持続時間310の開始時点510を決定できる。また、第2の端末デバイス130は、第2のサイドリンク送信を実行するためのオフセット525を決定し、当該オフセット525は、第1の端末デバイス120のためのオフセット520と異なってもよい。そして、第2の端末デバイス130は開始時点510及びオフセット525に基づいてターゲット時点535を決定する。従って、第2の端末デバイス130はターゲット時点535で第2のサイドリンク送信を実行できる。
【0077】
これから分かるように、第1の端末デバイス120及び第2の端末デバイス130は異なるオフセット520及びオフセット525を使用するため、これらのサイドリンク送信は異なるターゲット時点530及びターゲット時点535で実行されることができる。このように、異なる端末デバイスからのサイドリンク送信の間のひどい半二重及びリソース衝突の問題は、低減又は除去されることができる。より一般的に、通信ネットワークにおける全ての関連端末デバイスは何れもサイドリンクチャネルを介して互いに通信し、ひどい半二重及びリソース衝突の問題を軽減できる。いくつかの実施例において、オフセット(又は遅延)はサイドリンクタイムスロットの数(例えば、1、2、3、4、5又は他の適切な数)に定義される。他のいくつかの実施例において、オフセット(又は遅延)は、いくつかのミリ秒、いくつかのシンボル、又はいくつかの他の任意の時間領域単位に定義される。
【0078】
いくつかの実施例において、オフセット(又は遅延)は各種の要因のうちの一つ又は複数に基づいて決定される。一つの例示として、オフセットは、実行対象となるサイドリンク送信の優先度、例えば、端末デバイスのバッファにおいて送信対象となるサービスの優先度に基づいて決定される。例えば、高い優先度は、小さいオフセットを導き、これによって、高い優先度を有するパケットは、低い優先度を有するパケットより早く送信されることを確保する。又は、設定された又は事前設定された閾値「delta_priority」より低い優先度は、非ゼロオフセット値を導く可能性があり、そして、それ以外の場合、オフセットは、ゼロに設定されてもよい。このように、低い優先度を有するサイドリンク送信の前に、高い優先度を有するサイドリンク送信を実行してもよい。いくつかの実施例において、閾値「delta_priority」はRRCシグナリングを介してネットワークデバイスから端末デバイスに送信され、その値は{1、2、...、8}のうちの一つであってもよい。
【0079】
代替的又は付加的に、サイドリンク送信の遅延要求に基づいて、オフセットを決定してもよい。より具体的に、オフセットは端末デバイスのバッファにおいて送信対象となるサービスの残りのパケット遅延バジェットによって決定される。例えば、データパケットは10ms内で一つの端末デバイスから別の端末デバイスに送信され、当該データパケットの初期送信は3msかかって、受信端末デバイスによって成功的に受信されていないと仮定する。そうすれば、データパケットの再送にとって、残りのパケット遅延バジェットは10―3=7msであってもよい。一般的に、短い残りのパケット遅延バジェットは、小さいオフセット量を導き、これによって、短い残りのパケット遅延バジェットを有するパケットはより早く送信されることを確保する。このように、サイドリンク送信の遅延要求を満たすことができる。
【0080】
代替的又は付加的に、オフセットはランダム的に決定されてもよい。言い換えると、オフセットはランダム的に、例えば、ランダムシーケンスを使用して生成されてもよいし、又は、サイドリンク送信のソース端末デバイスの識別子及び/又はサイドリンク送信の宛先端末デバイスの識別子と関連付けられてもよく、これにより、サイドリンク送信を実行しようとする端末デバイスの間の公平性を改善する。従って、端末デバイスの間の半二重問題及びリソース衝突をさらに減少させる。代替的又は付加的に、オフセットは、事前定義された値に基づいて決定されてもよい、即ち、事前設定されてもよい。このように、オフセット量のシグナリングオーバーヘッドを減少させることができる。
【0081】
代替的又は付加的に、オフセットは、通信ネットワーク100におけるネットワークデバイス110が指示した値に基づいて、決定される。例えば、ネットワークデバイス110はオフセットの指示を第1の端末デバイス120に、例えばRRCシグナリングを介して送信する。当該指示は、第2の端末デバイス130又は他の端末デバイスへのサイドリンク送信を実行するためのオフセットを第1の端末デバイス120に通知する。このように、オフセットは、ネットワークデバイス110によって第1の端末デバイス120について、柔軟に設定される。
【0082】
いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120はサイドリンク送信を実行すると、第1の端末デバイス120の上位層(例えば、メディアアクセス制御、MAC、層)は、まず、トリガーを第1の端末デバイス120の物理層に送信することで、サイドリンク送信を実行するための利用可能なリソースを検出する。そして、物理層は利用可能なリソースを検出して、利用可能なリソースからリソースを選択するための選択時間ウィンドウを上位層に提供する。その後、上位層は選択時間ウィンドウに基づいて、サイドリンク送信を実行するためのリソースを選択し、選択されたリソースを使用してサイドリンク送信を実行するように、物理層に示す。
【0083】
このような実施例において、サイドリンク送信を実行するためのオフセット(又は遅延)は各種の方式のうちの一つで実現されてもよい。例えば、ターゲット時点530でサイドリンク送信を実行するために、第1の端末デバイス120は、上位層から物理層への上記トリガーの送信をオフセット520の後に開始させる。即ち、送信UEの角度から見れば、上位層から下位層(例えば、物理層)へのリソースセンシング及び選択をトリガーする予定タイミングは、オフセットによって遅延されてもよい。
【0084】
別の例示として、第1の端末デバイス120は、オフセット520無しにトリガーの送信を起こして、物理層にオフセット520の後で利用可能なリソースを検出させてもよい。即ち、送信UEの角度から見れば、物理層において上位層からリソースセンシング及び選択へのトリガーを受信した場合、物理層は、リソースセンシング及び選択プロセスを実行するために、遅延オフセット520を遅延させる。
【0085】
さらなる例示として、第1の端末デバイス120は、オフセット520無しにトリガーの送信を起こし、物理層にオフセット520無しに利用可能なリソースを検出させ、上記選択時間ウィンドウをオフセット520の後で開始させてもよい。言い換えると、送信UEの角度から見れば、リソース選択ウィンドウの開始は、オフセット520だけ遅延できる。この場合、リソース選択ウィンドウの終了時点は、相応的にオフセット520だけ遅延されてもよいし、又は、代替的に遅延されなくてもよい。例えば、物理層は、タイムスロットnで上位層からのトリガーを受信し、リソース選択ウィンドウは、オフセット無しにタイムスロットn+1からタイムスロットn+100までであってもよい、と仮定する。そして、四つのタイムスロットのオフセットを使用して、リソース選択ウィンドウは、タイムスロットn+5からタイムスロットn+100までであり、又は、タイムスロットn+5からタイムスロットn+104までであるように、変更される。上記の各種の方式で、送信サイドリンクの送信際のオフセットを実現して保証する。
【0086】
いくつかの実施例において、
図5を参照し、ターゲット時点530が第1の持続時間310の終了時点540より遅く、又は実行対象となるサイドリンク送信の遅延要求を満たすことができないと、第1の端末デバイス120は、オフセット520を所定値、例えば、最小値又はゼロに設定する。このように、サイドリンク送信がオフセット520の悪影響を受けないことを確保する。
【0087】
また、送信UEの角度から見れば、サイドリンク送信を実行する際の遅延行為は、上位層からの設定又は事前設定によって、無効にされ、又は有効にされてもよい。例えば、ネットワークデバイス110は指示を第1の端末デバイス120に送信し、当該指示は、オフセットが有効にされるか、或いは無効にされるかを指示できる。従って、第1の端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から指示を受信してから、当該指示に基づいて、サイドリンク送信を実行する時、オフセットを有効に又は無効にする。このように、ネットワークデバイス110は、柔軟且つ個別的に、各端末デバイスについてのオフセットを有効に又は無効にすることができる。
【0088】
以上のように、いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140のうちの一つ又は複数は、サイドリンクマルチキャスト通信における1グループの端末デバイスに存在してもよい。このような1グループの端末デバイスにおいて、ヘッド端末デバイスは、メンバー端末デバイスについてのグループ(グループ共通とも呼ばれる)サイドリンクDRX設定を、例えばRRCシグナリング又はMAC制御要素(CE)を介して設定する。グローバルサイドリンクDRX設定に類似し、サイドリンクマルチキャスト通信における1グループの端末デバイスのうちの端末デバイスがグループ内でサイドリンクDRXオペレーションを実行するように、グループサイドリンクDRX設定は、1グループのパラメータを示す。例えば、グループサイドリンクDRX設定は、第3の持続時間(ウェイクアップ持続時間)及び第4の持続時間(スリープ持続時間)を示し、第3の持続時間及び第4の持続時間は、サイドリンクタイムスロットの数(例えば、1、2、……、10、...、100、...、1000又は他の適切な数)に定義されてもよいが、グローバルサイドリンクDRX設定において示した第1の持続時間及び第2の持続時間と異なってもよい。
【0089】
図6は本開示のいくつかの実施例によるヘッド端末デバイス120、メンバー端末デバイス130及びメンバー端末デバイス140の間の例示的な通信プロセス600を示す。
図6の例示において、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140はサイドリンクマルチキャスト通信において、同一グループの端末デバイスに位置すると仮定する。また、第1の端末デバイス120は当該グループ端末デバイスにおけるヘッド端末デバイスであり、第2の端末デバイス130及び第3の端末デバイス140は当該グループ端末デバイスにおけるメンバー端末デバイスであると仮定する。
【0090】
ところが、ここで、
図6に描画される場合はいかなる限定も意味していなく、ただ例示的なものである。他のいくつかの実施例において、第1の端末デバイス120はグループにおけるメンバー端末デバイスであり、第2の端末デバイス130又は第3の端末デバイス140は当該グループにおけるヘッド端末デバイスであってもよい。従って、上記の第2の端末デバイス130又は第3の端末デバイス140が実行するオペレーションは第1の端末デバイス120によって実行されてもよく、その逆もある。
【0091】
図6に示すように、ヘッド端末デバイス120はグループサイドリンクDRX設定をメンバー端末デバイス130及びメンバー端末デバイス140に送信する(605)。従って、メンバー端末デバイス130及びメンバー端末デバイス140は、ヘッド端末デバイス120からグループサイドリンクDRX設定を受信できる(605)。いくつかの実施例において、ヘッド端末デバイス120はグループサイドリンクDRX設定をグループにおける全てのメンバー端末デバイスにブロードキャストし、例えば、グループサイドリンクDRX設定は、全てのメンバー端末デバイスについての共通のパラメータ(例えば、グループサイドリンクDRXサイクル)を含む。他のいくつかの実施例において、ヘッド端末デバイス120はデバイスの固有パラメータの異なる値(例えば、グループサイドリンクDRXオペレーションのための各種タイマー)を個別のメンバー端末デバイスにユニキャストする。
【0092】
ヘッド端末デバイス120は、グループサイドリンクDRX設定からグループサイドリンクDRXサイクルを決定する(610)。また、メンバー端末デバイス130は、グループサイドリンクDRX設定からグループサイドリンクDRXサイクルを決定し(615)、メンバー端末デバイス140は、グループサイドリンクDRX設定からグループサイドリンクDRXサイクルを決定する(620)。グループサイドリンクDRXサイクルは、第3の持続時間及び第4の持続時間を含む。ヘッド端末デバイス120は、第3の持続時間期間で、メンバー端末デバイス130、メンバー端末デバイス140及び他のメンバー端末デバイスへのサイドリンク送信を実行し、第3の持続時間及び第4の持続時間期間で、メンバー端末デバイス130、メンバー端末デバイス140及び他のメンバー端末デバイスからのサイドリンク送信を受信することが許可される。即ち、ヘッド(送信)端末デバイスの角度から見れば、ウェイクアップ持続時間及びスリープ持続時間の設定は、上位層シグナリング(例えば、PC5 RRCシグナリング又はMAC CE)を介して一つ又は複数のメンバーUEに伝達される。そして、ヘッドUEは、ウェイクアップ持続時間期間のみで、PSCCH/PSSCHをこれらの設定されたメンバーUEに送信し、ウェイクアップ持続時間期間及びスリープ持続時間期間という両者で、メンバーUEからPSCCH/PSSCHを受信できる。
【0093】
また、メンバー端末デバイス130、メンバー端末デバイス140及び他のメンバー端末デバイスは、第3の持続時間期間で、ヘッド端末デバイス120からのサイドリンク送信を監視する。即ち、メンバー(受信)端末デバイスの角度から見れば、ウェイクアップ持続時間及びスリープ持続時間の設定は、上位層のシグナリング(例えばPC5 RRCシグナリング又はMAC CE)を介してヘッドUEから取得される。そして、メンバーUEは、ウェイクアップ持続時間期間で、ヘッドUEからのPSCCH/PSSCHを監視して復号化すればよく、設定されたウェイクアップ持続時間期間及びスリープ持続時間期間という両者で、PSCCH/PSSCHをヘッドUEに送信できる。
【0094】
ヘッド端末デバイス120は、グループサイドリンクDRXサイクルを決定し(610)、メンバー端末デバイス130は、グループサイドリンクDRXサイクルを決定し(615)、メンバー端末デバイス140がグループサイドリンクDRXサイクルを決定した(620)後、ヘッド端末デバイス120は、グループサイドリンクDRXサイクルに基づいて、メンバー端末デバイス130とのサイドリンク通信を実行し(625)、ヘッド端末デバイス120は、グループサイドリンクDRXサイクルに基づいて、メンバー端末デバイス140とのサイドリンク通信を実行する(630)。
【0095】
図6の通信プロセス600によって、いくつかの場合、ヘッドUEから一つ又は複数のメンバーUEに送信されるグループサイドリンクDRX設定は、サイドリンク通信をより効率にする。また、ここで、グローバルサイドリンクDRX設定に加えて、又は、グローバルサイドリンクDRX設定の代わりとして、端末デバイスについてグループサイドリンクDRX設定を設定してもよい。言い換えると、いくつかの実施例において、端末デバイスにはグローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定という両者が設定される。他のいくつかの実施例において、端末デバイスにはグローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定のうちの一つのみが設定されてもよい。
【0096】
いくつかの実施例において、上位層信号又はMAC CEを使用して、グループサイドリンクDRX設定を送信してもよい。このように、グループサイドリンクDRX設定を送信するための新たなシグナリングを設計する必要がなく、ヘッド端末デバイス120は既存のシグナリングを使用して、グループサイドリンクDRX設定をメンバー端末デバイスに通知してもよい。
【0097】
付加的又は代替的に、事前定義された時間帯を有する周期的な方式でグループサイドリンクDRX設定を送信してもよい。即ち、ヘッドUEからメンバーUEへのグループサイドリンクDRX設定のシグナリングは事前定義された時間帯で周期的に出現してもよい。いくつかの実施例において、事前定義された時間帯は、事前設定され、又はRRCシグナリングを介してシグナリングされ、いくつかのサイドリンクタイムスロット(例えば、5、10、20又は他の適切な数)、いくつかの秒、いくつかのミリ秒などであってもよい。このように、グループサイドリンクDRX設定は、時間に連れて更新され、グループに新規参加した端末デバイスもグループサイドリンクDRX設定を受信できる。
【0098】
いくつかの実施例において、メンバー端末デバイスがヘッド端末デバイスからグループサイドリンクDRX設定を受信していない持続時間が事前定義された時間帯を超えると、メンバー端末デバイスは、グループサイドリンクDRX設定が無効にされると決定できる。言い換えると、UEが事前定義された時間帯を超えた時間カウント内で何れかのヘッドUEからウェイクアップ持続時間及びスリープ持続時間の設定を受信していないと、グループサイドリンクDRX設定は、無効にされ、グローバルサイドリンクDRX設定は、使用されることができる。このように、グループサイドリンクDRX設定は暗黙的に無効にされることで、シグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0099】
図6の例示において、メンバー端末デバイス130及びメンバー端末デバイス140は、ヘッド端末デバイス120からグループサイドリンクDRX設定を受信する。このように、ヘッド端末デバイス120は、現在の通信要求又は状況に基づいて、グループについて適切なグループサイドリンクDRX設定を設定し、時間に連れてグループサイドリンクDRX設定を更新する。ところが、ここで、メンバー端末デバイス130及びメンバー端末デバイス140は、他の任意の適切な方式でグループサイドリンクDRX設定を取得してもよく、例えば、グループサイドリンクDRX設定は、メンバー端末デバイスが事前定義された設定に基づいて決定される。このように、ヘッド端末デバイス120はグループサイドリンクDRX設定をメンバー端末デバイス130、メンバー端末デバイス140及び他のメンバー端末デバイスに送信する必要がないため、シグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0100】
別の例示として、メンバー端末デバイスは、推奨のグループサイドリンクDRX設定をヘッド端末デバイス120に報告してもよく、これにより、ヘッド端末デバイス120は、推奨のグループサイドリンクDRX設定がメンバー端末デバイスに適用されるかどうかを決定することができる。他のいくつかの実施例において、メンバー端末デバイスは、一つ以上の推奨のグループサイドリンクDRX設定をヘッド端末デバイス120に報告してもよく、これにより、ヘッド端末デバイス120は、これらの推奨のグループサイドリンクDRX設定のうちの一つを選択してメンバー端末デバイスに適用することができる。いくつかの場合、ヘッド端末デバイス120は何れかの推奨のグループサイドリンクDRX設定を選択しなくてもよく、ヘッド端末デバイス120が、メンバー端末デバイス又はグループに適すると認めたグループサイドリンクDRX設定を使用して、メンバー端末デバイスを設定してもよい。
【0101】
いくつかの実施例において、メンバー端末デバイスからヘッド端末デバイス120への、一つ又は複数の推奨のグループサイドリンクDRX設定についての報告は、ヘッド端末デバイス120からの指示に基づいてトリガーされ、当該指示は報告をヘッド端末デバイス120に送信するように、メンバー端末デバイスに通知する。代替的又は付加的に、メンバー端末デバイスからヘッド端末デバイス120への報告は、一つ又は複数の事前定義された基準に基づいてトリガーされる。また、ここで、ヘッドUEを含む端末デバイスのグループのサイズは2である場合、上記サイドリンクマルチキャスト通信のシナリオは、サイドリンクユニキャスト通信に変更されてもよい。
【0102】
いくつかの実施例において、メンバー端末デバイス130のためのグループサイドリンクDRX設定は、ヘッド端末デバイス120によって有効にされ、又は無効にされてもよい。一般的に、ヘッド端末デバイス120は、任意のメンバー端末デバイスのためのグループサイドリンクDRX設定を有効に又は無効にすることができる。具体的に、ヘッド端末デバイス120は指示をメンバー端末デバイス130に送信し、例えば、当該指示はRRCシグナリングを経てもよい。当該指示は、グループサイドリンクDRX設定が有効にされるか、それと無効にされるかということをメンバー端末デバイス130に通知する。例えば、当該指示は「無効にする」を示す偽値、及び「有効にする」を示す真値を有し、その逆もある。
【0103】
従って、メンバー端末デバイス130はヘッド端末デバイス120からの指示を受信し、当該指示に基づいてグループサイドリンクDRX設定が有効にされるか、或いは無効にされるかということを決定する。このように、グループサイドリンクDRX設定の、メンバー端末デバイス130についての適用は、メンバー端末デバイス130の性質又は現在の通信状況に依存し、これによって、グループサイドリンクDRX設定の柔軟性を改善する。
【0104】
いくつかの実施例において、第3の持続時間内でメンバー端末デバイスにおけるターゲットメンバー端末デバイスへ実行されるサイドリンク送信がないと、ヘッド端末デバイス120は、指示をターゲットメンバー端末デバイス130に、例えばRRCシグナリング又はMAC CEを介して送信してもよい。当該指示は、電力節約モードに入るように、ターゲットメンバー端末デバイスに通知する。グループサイドリンクDRXサイクルの第3の持続時間(ウェイクアップ持続時間)期間で、ヘッド端末デバイス120からの指示を受信した場合、メンバー端末デバイス130は、電力節約モードに入ることができ、ヘッド端末デバイス120は、メンバー端末デバイス130へのサイドリンク送信を実行しない。このように、ターゲットメンバー端末デバイスはより多くの電力を節約できる。
【0105】
図7は、本開示のいくつかの実施例による、グローバルサイドリンクDRXサイクル305及びグループサイドリンクDRXサイクル705という両者が第1の端末デバイス120に用いられるように設定される場合での送信持続時間の二つの例示740、750、及び受信持続時間の二つの例示740、760を示す。
図7に示すように、第1の端末デバイス120には、第1の持続時間310及び第2の持続時間320を含むグローバルサイドリンクDRXサイクル305が設定されると仮定する。第1の端末デバイス120は、グローバルサイドリンクDRXサイクル305を使用して、通信ネットワーク100における他の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行する。さらに、第1の端末デバイス120には、第3の持続時間710及び第4の持続時間720を含むグループサイドリンクDRXサイクル705がさらに設定されると仮定する。第1の端末デバイス120は、グループサイドリンクDRXサイクル705を使用して、サイドリンクマルチキャスト通信における同一グループの端末デバイスのうちの他の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行する。
【0106】
これから分かるように、グローバルサイドリンクDRXサイクル305及びグループサイドリンクDRXサイクル705は、異なる時間長を有してもよい。例えば、第1の持続時間310及び第3の持続時間710の時間長は異なって、第2の持続時間320及び第4の持続時間720の時間長も異なってもよい。また、通信ネットワーク100における他の端末デバイスは、各種の相応的なグループサイドリンクDRXサイクルを有してもよい。例えば、第2の端末デバイス130が所属する端末デバイスのグループが第1の端末デバイス120が所属するグループと異なると、第2の端末デバイス130には、グローバルサイドリンクDRXサイクル305、及びグループサイドリンクDRXサイクル705と異なる別のグループのサイドリンクDRXサイクルが設定される。別の例示として、第3の端末デバイス140は、グローバルサイドリンクDRXサイクル305のみが設定され、グループサイドリンクDRXサイクルを有していない。なぜならば、サイドリンクマルチキャスト通信における端末デバイスの何れかのグループに属していないためである。
【0107】
このようなシナリオで、第1の端末デバイス120及び他の端末デバイスのための異なるグループサイドリンクDRXサイクルにもかかわらず、第1の端末デバイス120は、統一の送信持続時間及び統一の受信持続時間を使用して、他の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行できる。統一の送信持続時間及び統一の受信持続時間のための二つの選択肢が存在してもよい。
【0108】
第1の選択肢として、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスのグループサイドリンクDRXサイクルにも関わらず、第1の端末デバイス120は第1の持続時間310と第3の持続時間710との共通部分(例えば、持続時間730及び持続時間750)期間で、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスへのサイドリンク送信を実行し、第1の持続時間及び第3の持続時間(例えば、持続時間740及び持続時間760)の両者の期間で、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスからのサイドリンク送信を受信する。言い換えると、メンバー端末デバイスとしての第1の端末デバイス120について、サイドリンク送信は、全てのサイドリンクDRX設定(例えば、グローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定)の非ゼロウェイクアップ持続時間の共通期間で実行され、全てのサイドリンクDRX設定(例えば、グローバル及びグループサイドリンクDRX設定)のウェイクアップ持続時間の合併期間でサイドリンク受信を実行する。このように、サイドリンク送信の信頼性を改善でき、なぜならば、サイドリンク送信は小さな時間範囲内で実行され、サイドリンク受信は大きな時間範囲内で実行されるためである。
【0109】
第2の選択肢として、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスのグループサイドリンクDRXサイクルにも関わらず、第1の端末デバイス120は、第1の持続時間305期間で第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスへのサイドリンク送信を実行し、第1の持続時間及び第3の持続時間(例えば、持続時間740及び持続時間760)の両者の期間で、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスからのサイドリンク送信を受信する。言い換えると、メンバー端末デバイスとしての第1の端末デバイス120について、サイドリンク送信は、ブロードコモンサイドリンクDRX設定からのウェイクアップ持続時間期間で実行され、サイドリンク受信は全てのサイドリンクDRX設定(例えば、グローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定)のウェイクアップ持続時間の合併期間で実行される。このように、サイドリンク送信の信頼性を改善でき、なぜならば、サイドリンク送信は小さな時間範囲内で実行され、サイドリンク受信は大きな時間範囲内で実行されるためである。
【0110】
統一の送信持続時間及び統一の受信持続時間を使用することで、異なるサイドリンクDRX設定を有するUEの間のサイドリンク通信の信頼性を改善できる。ここで、第1の選択肢及び第2の選択肢において、第2の端末デバイス130は、第1の端末デバイス120が所属する端末デバイスのグループにおけるヘッド端末デバイスであってもよい。つまり、第1の選択肢及び第2の選択肢は、ヘッド端末デバイスに適用されてもよく、これによって、サイドリンク通信を実行する場合、第1の端末デバイス120は、ヘッド端末デバイス及び他の端末デバイスを区別する必要がない。又は、第1の端末デバイス120は、第1の選択肢又は第2の選択肢を使用して、ヘッド端末デバイスを除いた端末デバイスとのサイドリンク通信を実行し、グループサイドリンクDRXサイクル705を使用して、ヘッド端末デバイスとのサイドリンク通信を実行してもよい。
【0111】
いくつかの実施例において、一つ又は複数のタイマーは、サイドリンクDRXオペレーションを実行するために、第1の端末デバイス120及び他の端末デバイスについて、設定され、又は事前設定されてもよい。これらのタイマーのうちのいくつかのタイマーについて、以下、
図8から
図10を参照して記載する。ここで、いくつかの実施例において、これらのタイマーは、以上に記載のグローバルサイドリンクDRX設定又はグループサイドリンクDRX設定において示される。ところが、他のいくつかの実施例において、これらのタイマーは記載されるグローバルサイドリンクDRX設定又はグループサイドリンクDRX設定を除いた任意の設定情報において、ネットワークデバイス又はヘッド端末デバイスによって事前定義され、又は示されてもよい。
【0112】
図8は本開示のいくつかの実施例による、サイドリンクDRXオペレーションのための第1のタイマーの例示、及び第2のタイマーの例示を示す。
図8に示すように、第1の端末デバイス120は、第1の持続時間310及び第2の持続時間320を含むサイドリンクDRXサイクル305に基づいて、サイドリンクDRXオペレーションを実行する。第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130からのサイドリンク送信(例えば、PSCCH)を受信すると仮定する。また、第1の端末デバイス120はサイドリンク送信を成功的に受信していないと仮定する。
【0113】
この場合、第1の端末デバイス120は、サイドリンク通信のためのネガティブフィードバックを送信するとき、サイドリンク送信を受信したとき、又はサイドリンク送信を成功的に復号化しないとき、時点810で第1のタイマーをスタートする。第1のタイマーは、時点810から時点820までの第1の持続時間815を示す。第1の持続時間815は第1の数(例えば、0、1、2、4、8又は他の適切な数)のサイドリンクタイムスロットを含む。いくつかの実施例において、第1のタイマーは、3GPP仕様(例えば、3GPP TS 38.321)に定義される「drx―HARQ―RTT―タイマーDL」に類似する機能を有してもよいため、本明細書において、HARQ―RTT―TimerSLと呼ばれてもよい。
【0114】
言い換えると、HARQが有効にされた場合、受信UEの角度から見れば、HARQ―RTT―TimerSLは、ネットワークデバイス又はヘッドUEの上位層からの各サイドリンクHARQプロセスに用いられるように、設定され又は事前設定されてもよい。HARQ―RTT―TimerSLの値は、サイドリンクタイムスロットの数の形態であり、HARQ―RTT―TimerSLは関連のPSFCHタイムスロットからスタートされてもよく、又は送信ブロックが受信されたBWPのPSCCH/PSSCHの受信時間、又は復号化の失敗時間からスタートされてもよい。ここで使用するように、BWPは、帯域幅部分を表すとともに、キャリアの帯域幅の一部を指す。また、受信UEの角度から見れば、HARQ―RTT―TimerSLが終了するまで、対応するHARQプロセスのデータを成功的に復号化しないと、送信端末デバイスはHARQ―RTT―TimerSLの持続時間815期間で、再送を準備する必要があるため、UEはスリープに保持されることができる。
【0115】
いくつかの実施例において、第1のタイマーが時点820で終了した場合、第1の端末デバイス120は、サイドリンク送信についてのサイドリンク再送が第1の端末デバイス120によって受信される前に、第2のタイマーをスタートし、当該第2のタイマーは、時点820から時点830までの第2の持続時間825を示す。第2の持続時間825は、第2の数(例えば、0、1、2、4、8、16又はその他の適切な数)のサイドリンクタイムスロットを含んでもよい。いくつかの実施例において、第2のタイマーは、3GPP仕様(例えば、3GPP TS 38.321)に定義される「drx―再送タイマーDL」に類似する機能を有してもよいため、本明細書において、RetransmissionTimerSLとも呼ばれてもよい。いくつかの実施例において、第2のタイマーの第2の持続時間825期間で、第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130のみから、予期されるサイドリンク再送を受信できる。又は、第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130及び他の端末デバイスから、予期されるサイドリンク再送及び他の任意のサイドリンク送信を受信してもよい。
【0116】
言い換えると、HARQが有効にされた場合について、サイドリンク通信における受信端末デバイスの角度から見れば、RetransmissionTimerSLは、ネットワークデバイス又はヘッドUEの上位層からの各サイドリンクHARQプロセスに用いられるように、設定され、又は事前設定される。RetransmissionTimerSLの値は、BWPのサイドリンクタイムスロットの数の形態であってもよい。UEは、HARQ―RTT―TimerSLが終了した後、当該タイマーRetransmissionTimerSLをスタートして、相応的なHARQプロセスのサイドリンク再送を受信した場合、当該タイマーを停止する。いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120は第2の端末デバイス130から予期されるサイドリンク再送を受信する必要があるため、第1の端末デバイス120は、第2のタイマーがアクティブである間、第2の端末デバイスからのサイドリンク送信を監視する。つまり、受信UEの角度から見れば、UEは、RetransmissionTimerSLタイマーがアクティブである期間で、ウェイクアップに保持される。
【0117】
いくつかの実施例において、第1のタイマー及び第2のタイマーは、ネットワークデバイス110から第1の端末デバイス120に例えばRRCシグナリング又はMAC CEを介して送信されたサイドリンクDRX設定において、示され得る。従って、第1の端末デバイス120はサイドリンクDRX設定から第1のタイマー及び第2のタイマーを決定できる。ここで、グローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定は、それぞれの第1のタイマー(例えば、グローバル―drx―HARQ―RTT―TimerSL及びグループ―drx―HARQ―RTT―TimerSL)、並びに、それぞれの第2のタイマー(例えばグローバル―drx―RetransmissionTimerSL及びグループ―drx―RetransmissionTimerSL)を有していてもよい。従って、グループサイドリンクDRXオペレーションのための第1のタイマー及び第2のタイマーは、ヘッド端末デバイスからメンバー端末デバイスに例えばRRCシグナリング又はMAC CEを介して送信されたグループサイドリンクDRX設定において示されてもよい。いくつかの実施例において、第1のタイマー及び第2のタイマーは、各端末デバイスに用いられるように事前設定される。
【0118】
ここで、従前の解決策において、LTEにおいて、「K+4」サブフレームによる「HARQ―RTT―TimerSL」の定義は、異なるヌメロロジー(numerology)に関するサイドリンク通信にとって合理的ではない。また、NRにおいて、(0…56個)物理シンボルによる「HARQ―RTT―TimerSL」の定義も、サイドリンク通信における、タイムスロットによるスケジューリング及びサイドリンクタイムスロットにとって合理的ではない。また、LTE及びNR Uuインターフェースにおいて、「RetransmissionTimerSL」の定義は、サイドリンク通信で使用するサイドリンクタイムスロットにとって合理的ではない。上記の実施例に定義された第1のタイマー及び第2のタイマーはこれらの問題をよく解決できる。
【0119】
ダウンリンク通信の従前のDRX解決策において、端末デバイスは、非アクティブタイマー、例えば、「drx―InactivityItimer」が設定されてもよい。「drx―InactivityItimer」は、3GPP仕様において、PDCCHがMACエンティティについての新たなUL又はDLを指示するPDCCH機会の後の持続時間として定義されている。ところが、このようなダウンリンク通信のための非アクティブタイマーは、サイドリンク通信に適用されると、問題が生じる可能性があり、以下、
図9を参照して、当該実行を説明する。
【0120】
図9は本開示のいくつかの実施例による、ダウンリンク送信におけるDRXオペレーションの非アクティブタイマーがサイドリンク通信に適用される場合、生じた問題を解釈するための例示を示す。
図9に示すように、ネットワークデバイス110とのアップリンク/ダウンリンク通信を実行するように、第1の端末デバイス120には、アップリンク/ダウンリンクタイムスロットのアップリンク/ダウンリンクタイムスロットシーケンス910が割り当てられると仮定する。アップリンク/ダウンリンクタイムスロットシーケンス910はダウンリンクタイムスロット912、アップリンクタイムスロット914、ダウンリンクタイムスロット916、ダウンリンクタイムスロット918、アップリンクタイムスロット920、ダウンリンクタイムスロット922などを含んでもよい。第1の端末デバイス120はダウンリンクタイムスロット912、916、918及び922で、ネットワークデバイス110とのダウンリンク通信を実行し、アップリンクタイムスロット914及び920で、ネットワークデバイス110とのアップリンク通信を実行する。
【0121】
また、第1の端末デバイス120はアップリンクタイムスロット914で、ネットワークデバイス110からダウンリンク制御チャネル(例えば、PDCCH)を受信すると仮定する。そして、第1の端末デバイス120は、ダウンリンクデータ送信のために、非アクティブタイマーをスタートする。非アクティブタイマーは、第1の端末デバイス110が非アクティブタイマーのアクティブである間にスリープモードに入ることを防止できる。非アクティブタイマーは、指定数(当該例示において、三つである)のダウンリンクタイムスロット916、918及び922を含む持続時間925を示す。このように、第1の端末デバイス120は、非アクティブタイマーが示す持続時間925期間でウェイクアップされ、次の三つのダウンリンクタイムスロット916、918及び922において、ネットワークデバイス110からのダウンリンクデータ送信を受信する。また、第1の端末デバイス120はアップリンクタイムスロット914及び920において、ネットワークデバイス110とのアップリンク通信を正常に実行できる。
【0122】
以上のように、このようなダウンリンク通信のための非アクティブタイマーのメカニズムは端末デバイスの間のサイドリンク通信に適用されると、問題が生じる恐れがある。
図9に示すように、第2の端末デバイス130とのサイドリンク通信を実行するように、第1の端末デバイス120にはサイドリンクタイムスロットのサイドリンクタイムスロットシーケンス930が割り当てられると仮定する。サイドリンクタイムスロットシーケンス930はサイドリンクタイムスロット932~942などを含んでもよい。第1の端末デバイス120はサイドリンクタイムスロット932~942において、第2の端末デバイス130又は他の端末デバイスとのサイドリンク通信を実行できる。具体的に、サイドリンクタイムスロット932~942のそれぞれにおいて、第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130又は他の端末デバイスへのサイドリンク送信を実行し、代替的に、第2の端末デバイス130又は他の端末デバイスからのサイドリンク送信を受信できる。
【0123】
第1の端末デバイス120はサイドリンクタイムスロット934において、第2の端末デバイス130からサイドリンク制御チャネル(例えば、PSCCH)を受信すると仮定する。そして、第1の端末デバイス120はサイドリンク通信のための非アクティブタイマー(例えば、データ送信)を有効にする。非アクティブタイマーは、第1の端末デバイス110が非アクティブタイマーのアクティブである間にスリープモードに入ることを防止できる。非アクティブタイマーは、指定数(当該例示において、三つである)のサイドリンクタイムスロット934、936及び938を含む持続時間945を示す。このように、第1の端末デバイス120は、非アクティブタイマーが示す持続時間945期間でウェイクアップされるため、次の三つのサイドリンクタイムスロット934、936及び938期間で、第2の端末デバイス130からサイドリンク送信(例えば、データ送信)を受信する。
【0124】
ところが、第1の端末デバイス120はサイドリンクタイムスロット938期間で、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスへのサイドリンク送信(例えば、より高い優先度を有するサイドリンク送信)を実行すると、サイドリンク通信の半二重性質のため、第1の端末デバイス120は第2の端末デバイス130からのサイドリンク送信(例えば、データ送信)を受信できない。言い換えると、サイドリンク通信のための非アクティブタイマーと関連付けられたオペレーションは、ダウンリンク通信のための非アクティブタイマーと異なる非アクティブタイマーを必要とするかもしれない。これについて、以下、
図10を参照してさらに詳しく記載する。
【0125】
図10は本開示のいくつかの実施例による、サイドリンクDRXオペレーションのための第3のタイマーの例示及び第4のタイマーの例示を示す。
図10に示すように、第1の端末デバイス120は、第1の持続時間310及び第2の持続時間320を含むサイドリンクDRXサイクル305に基づいてサイドリンクDRXオペレーションを実行する。時点1010で、第1の端末デバイス120は第2の端末デバイス130からのサイドリンク送信(例えば、PSCCH)を受信したと仮定する。例えば、サイドリンク送信は新たなデータのサイドリンク送信(例えばPSSCH)をスケジューリングする。言い換えると、スケジューリングされたサイドリンク送信はサイドリンク再送ではない。
【0126】
時点1010でサイドリンク送信を検出した後、第1の端末デバイス120は第3のタイマーをスタートして、時点1010から時点1030までの第3の持続時間1015を示す。いくつかの実施例において、第3のタイマーは、ダウンリンク通信におけるDRXオペレーションのための非アクティブタイマーに類似する機能を有し、例えば、3GPP仕様(例えば、3GPP TS 38.321)に定義された「drx―InactivityTimer」である。従って、本明細書が使用するように、第3のタイマーは、サイドリンク通信のための非アクティブタイマー又は「drx―InactivityTimerSL」とも呼ばれてもよい。第3のタイマーがアクティブである間、即ち、持続時間1015期間で、第2の端末デバイス130からの新たなデータのサイドリンク送信を受信するように、第1の端末デバイス120はウェイクアップに保持される。
【0127】
第3のタイマーのアクティブである時点1020で、第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスへのサイドリンク送信を実行すると仮定する。
図9を参照して解釈するように、第1の端末デバイス120が実行するサイドリンク送信のため、第1の端末デバイス120は第2の端末デバイス130から新たなデータのサイドリンク送信を受信できない可能性がある。第2の端末デバイス130から第1の端末デバイス120への新データのサイドリンク送信のため、HARQプロセスが有効にされると、第1の端末デバイス120からのポジティブフィードバック(例えば、ACK)及びネガティブフィードバック(例えば、NACK)がないため、第2の端末デバイス130は第1の端末デバイス120の不連続送信(DTX)を検出する可能性がある。第1の端末デバイス120のDTXを検出した後、第2の端末デバイス130は準備して、第1の端末デバイス120へのサイドリンク送信についてのサイドリンク再送を実行する。
【0128】
相応的に、第3のタイマーが終了する前の時点1020で、第1の端末デバイス120が第2の端末デバイス130又は別の端末デバイスへのサイドリンク送信を実行すると、第1の端末デバイス120は、第4のタイマーをスタートし、当該第4のタイマーは、時点1020から時点1040までの持続時間1025を示し、例えば、サイドリンクタイムスロットの数(例えば0、1、2、4、8又は他の適切な数)である。いくつかの実施例において、第4のタイマーは、第1のタイマーに類似する機能を有し、例えば、以上に記載の「drx―HARQ―RTT―TimerSL」である。例えば、第4のタイマーがアクティブである間、即ち、持続時間1025期間で、第2の端末デバイス130から第1の端末デバイス120へのサイドリンク再送は、第2の端末デバイス130がサイドリンク送信を準備するための必要な時間のため、発生することがない。ところが、第1のタイマーと違って、いくつかの実施例において、第1の端末デバイス120は持続時間1025期間で、ウェイクアップモード又はスリープモードにあってもよく、これは、グローバルサイドリンクDRXサイクル及び/又はグループサイドリンクDRXサイクルに依存してもよい。
【0129】
第4のタイマーと第1のタイマーとの間の別の区別は、第1のタイマーは、第1の端末デバイス120から第2の端末デバイス130までのネガティブフィードバックのためにスタートされてもよい一方で、第4のタイマーは、第2の端末デバイス130によって検出された第1の端末デバイス120のDTXのためにスタートされてもよい、ことである。従って、本明細書が使用するように、第4のタイマーは「drx―HARQ―DTX―TimerSL」と呼ばれてもよい。
【0130】
第4のタイマーが時点1040で終了する場合、第1の端末デバイス120は、第2のタイマーをスタートし、当該第2のタイマーは、時点1040から時点1050までの第2の持続時間825を示す。以上のように、第2のタイマーがアクティブである間、即ち、持続時間825期間で、第1の端末デバイス120は、ウェイクアップに保持され、第2の端末デバイス130から、予期されるサイドリンク再送を受信する。いくつかの実施例において、第2のタイマーの第2の持続時間825期間、第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130のみから、予期されるサイドリンク再送を受信してもよい。従って、持続時間825期間でサイドリンク再送を受信した場合、第1の端末デバイス120は、第2のタイマーを停止してもよい。又は、第1の端末デバイス120は、第2の端末デバイス130及び他の端末デバイスから、予期されるサイドリンク再送及び他の任意のサイドリンク送信を受信してもよい。
【0131】
概して、HARQが有効にされる場合、PSCCH/PSSCHのInactivityTimerSLを受信する持続時間期間において、UEがサイドリンクタイムスロットnでPSCCH/PSSCHを送信した場合、UEは、タイムスロットn+1でHARQ―DTX―TimerSLタイマーをスタートし、HARQ―DTX―TimerSLが終了した後、RetransmissionTimerSLタイマーをスタートする。HARQプロセスに対応するサイドリンク再送を受信し、又はRetransmissionTimerSLが終了すると、UEは、RetransmissionTimerSLタイマーを停止してもよい。受信UEの角度から見れば、RetransmissionTimerSLタイマーがアクティブである間、UEはウェイクアップモードに入ることができる。従って、
図9を参照して解釈するように、非アクティブタイマーはサイドリンク送信によって中断されることによって生じた問題は、第3のタイマー及び第4のタイマーによってよく解决される。
【0132】
いくつかの実施例において、第3のタイマー及び第4のタイマーは、ネットワークデバイス110から第1の端末デバイス120に例えばRRCシグナリング又はMAC CEを介して送信されたサイドリンクDRX設定において示され得る。従って、第1の端末デバイス120は、サイドリンクDRX設定から第3のタイマー及び第4のタイマーを決定できる。ここで、グローバルサイドリンクDRX設定及びグループサイドリンクDRX設定は、それぞれの第3のタイマー(例えばグローバル―drx―InactivityTimerSL及びグループ―drx―InactivityTimerSL)、及びそれぞれの第4のタイマー(例えばグローバル―drx―HARQ―DTX―TimerSL及びグループ―drx―HARQ―DTX―TimerSL)を有してもよい。従って、グループサイドリンクDRXオペレーションのための第3のタイマー及び第4のタイマーは、ヘッド端末デバイスからメンバー端末デバイスに例えばRRCシグナリング又はMAC CEを介して送信されたグループサイドリンクDRX設定において示され得る。
【0133】
図11は、本開示のいくつかの実施例による例示的な方法1100のフローチャートを示す。いくつかの実施例において、方法1100は端末デバイス、例えば、
図1の第1の端末デバイス120に実施されてもよい。付加的又は代替的に、方法1100は第2の端末デバイス130、第3の端末デバイス140又は
図1に示されていない他の端末デバイスに実施されてもよい。議論を目的とし、一般性を失うことなく、
図1を参照して第1の端末デバイス120によって実行される方法1100を記載する。
【0134】
ブロック1110で、第1の端末デバイス120はサイドリンクDRX設定を取得する。ブロック1120で、第1の端末デバイス120はサイドリンクDRX設定から第1の持続時間及び第2の持続時間を含むサイドリンクDRXサイクルを決定し、第1の持続時間期間においては、サイドリンク通信の、端末デバイスの間での実行が許可され、第2の持続時間期間においてはサイドリンク通信の実行が許可されていない。ブロック1130で、第1の端末デバイス120は第1の持続時間期間で端末デバイスにおける第2の端末デバイス130とのサイドリンク通信を実行する。
【0135】
いくつかの実施例において、サイドリンク通信を実行することは、第1の端末デバイス120から第2の端末デバイス130へのサイドリンク送信が実行されると決定したことに基づいて、第1の持続時間の開始時点を決定することと、サイドリンク送信を実行するためのオフセットを決定することと、開始時点及びオフセットに基づいて、ターゲット時点を決定することと、ターゲット時点でサイドリンク送信を実行することと、を含む。
【0136】
いくつかの実施例において、オフセットは、サイドリンク送信の優先度、サイドリンク送信の遅延要求、ランダム方式、事前定義された値、及び通信ネットワークにおけるネットワークデバイス110が指示する値のうちの少なくとも一つに基づいて決定される。
【0137】
いくつかの実施例において、ターゲット時点でサイドリンク送信を実行することは、トリガーの、第1の端末デバイス120の上位層から物理層への送信をオフセットの後で開始させることと、物理層にオフセットの後の利用可能なリソースを検出させることと、利用可能なリソースからリソースを選択するために用いられる選択時間ウィンドウをオフセットの後で開始させることと、のうちの一つを含む。上記のトリガーは、サイドリンク送信を実行するための利用可能なリソースを検出するように、物理層をトリガーするために用いられる。
【0138】
いくつかの実施例において、方法1100は、ターゲット時点が第1の持続時間の終了時点より遅く、又はサイドリンク送信の遅延要求を満たすことができないと決定したことに基づいて、オフセットを所定値に設定することをさらに含む。
【0139】
いくつかの実施例において、方法1100は、通信ネットワークにおけるネットワークデバイス110から、オフセットが有効にされるか、或いは無効にされるかという指示を受信することをさらに含む。
【0140】
いくつかの実施例において、サイドリンクDRX設定を取得することは、通信ネットワークにおけるネットワークデバイス110からサイドリンクDRX設定を受信することと、事前定義された設定に基づいてサイドリンクDRX設定を決定することとのうちの一つを含む。
【0141】
いくつかの実施例において、方法1100は、通信ネットワークにおけるネットワークデバイス110から、サイドリンクDRX設定が有効にされるか、或いは無効にされるかという指示を受信することをさらに含む。
【0142】
いくつかの実施例において、方法1100は、第1の端末デバイス120がサイドリンクマルチキャスト通信における1グループの端末デバイスのヘッド端末デバイスであると決定したことに基づいて、グループサイドリンクDRX設定を当該グループのメンバー端末デバイスに送信することと、グループサイドリンクDRX設定から、第3の持続時間及び第4の持続時間を含むグループサイドリンクDRXサイクルを決定することと、をさらに含み、ヘッド端末デバイスは、第3の持続時間期間で、メンバー端末デバイスへのサイドリンク送信を実行することが許可され、第3の持続時間及び第4の持続時間期間で、メンバー端末デバイスからのサイドリンク送信を受信することが許可される。
【0143】
いくつかの実施例において、グループサイドリンクDRX設定は、上位層信号、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)、及び事前定義された時間帯を有する周期的な方式のうちの少なくとも一つによって送信される。
【0144】
いくつかの実施例において、方法1100は、第3の持続時間内でメンバー端末デバイスにおけるターゲットメンバー端末デバイスへサイドリンク送信を実行しないと決定したことに基づいて、電力節約モードに入る指示をターゲットメンバー端末デバイスに送信することをさらに含む。
【0145】
いくつかの実施例において、方法1100は、第1の端末デバイス120が1グループのサイドリンクマルチキャスト通信におけるメンバー端末デバイスのうちの一つであると決定したことに基づいて、グループサイドリンクDRX設定を取得することと、グループサイドリンクDRX設定から、第3の持続時間及び第4の持続時間を含むグループサイドリンクDRXサイクルを決定することと、をさらに含み、メンバー端末デバイスは、第3の持続時間期間で、グループのヘッド端末デバイスからのサイドリンク送信を監視する。
【0146】
いくつかの実施例において、グループサイドリンクDRX設定を取得することは、ヘッド端末デバイスからグループサイドリンクDRX設定を受信することと、事前定義された設定に基づいてグループサイドリンクDRX設定を決定することとのうちの一つを含む。
【0147】
いくつかの実施例において、グループサイドリンクDRX設定は、上位層の信号、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)、及び事前定義された時間帯を有する周期的な方式のうちの少なくとも一つによって受信される。
【0148】
いくつかの実施例において、方法1100は、第1の端末デバイス120がヘッド端末デバイスからグループサイドリンクDRX設定を受信していない持続時間が事前定義された時間帯を超えると決定したことに基づいて、グループサイドリンクDRX設定が無効にされると決定することをさらに含む。
【0149】
いくつかの実施例において、方法1100は、第3の持続時間期間で、電力節約モードに入る指示をヘッド端末デバイスから受信したことに基づいて、電力節約モードに入ることをさらに含み、電力節約モードでは、ヘッド端末デバイスは、第1の端末デバイス120へのサイドリンク送信を実行しない。
【0150】
いくつかの実施例において、第2の端末デバイス130とのサイドリンクとの通信を実行することは、第1の持続時間、又は第1の持続時間と第3の持続時間との共通部分の期間で、第2の端末デバイス130へのサイドリンク送信を実行することと、第1の持続時間及び第3の持続時間の両者の期間で、第2の端末デバイス130からのサイドリンク送信を受信することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0151】
いくつかの実施例において、第2の端末デバイス130は、ヘッド端末デバイスである。
【0152】
いくつかの実施例において、サイドリンク通信は第2の端末デバイス130から第1の端末デバイス120へのサイドリンク送信であり、当該方法は、サイドリンクDRX設定から第1の持続時間を示す第1のタイマーを決定することをさらに含み、第1の持続時間は第1の数のサイドリンクタイムスロットを含み、第1のタイマーは、サイドリンク通信についてのネガティブフィードバックを送信すること、サイドリンク送信を受信すること、又はサイドリンク送信を成功的に復号化しないことで、スタートされる。
【0153】
いくつかの実施例において、方法1100は、サイドリンクDRX設定から第2のタイマーを決定することをさらに含み、当該第2のタイマーは、サイドリンク送信についてのサイドリンク再送が第1の端末デバイス120によって受信される前の第2の持続時間を示し、第2の持続時間は第2の数のサイドリンクタイムスロットを含み、第1のタイマーが終了する際、第2のタイマーはスタートされる。
【0154】
いくつかの実施例において、方法1100は、第2のタイマーがアクティブである間、第2の端末デバイス130からのサイドリンク送信を監視することをさらに含む。
【0155】
いくつかの実施例において、方法1100は、サイドリンクDRX設定から第3のタイマーを決定することをさらに含み、第3のタイマーは、サイドリンク送信を検出した後の第3の持続時間を示し、方法1100は、第3のタイマーが終了する前に第1の端末デバイス120がサイドリンク送信を実行すると決定したことに基づいて、第4の持続時間を示す第4のタイマーをスタートすることと、第4のタイマーが終了すると決定したことに基づいて、第2のタイマーをスタートすることと、をさらに含む。
【0156】
図12は本開示のいくつかの実施例による別の例示的な方法1200のフローチャートを示す。いくつかの実施例において、方法1200はネットワークデバイス、例えば
図1のネットワークデバイス110に実施されてもよい。付加的又は代替的に、方法1200は、
図1に示されていない他のネットワークデバイスに実施されてもよい。議論を目的とし、一般性を失うことなく、
図1を参照してネットワークデバイス110によって実行される方法1200を記載する。
【0157】
ブロック1210で、ネットワークデバイス110は、サイドリンクDRXサイクルを示すサイドリンクDRX設定を決定し、当該サイドリンクDRXサイクルは、第1の持続時間と第2の持続時間とを含み、第1の持続時間期間においては、サイドリンク通信の、通信ネットワークにおける端末デバイスの間での実行が許可され、第2の持続時間期間においては、サイドリンク通信の実行が許可されていない。ステップ1220において、ネットワークデバイス110は、サイドリンクDRX設定を端末デバイスにおける第1の端末デバイス120に送信し、これにより、第1の端末デバイス120は、サイドリンクDRX設定に基づいて、端末デバイスにおける第2の端末デバイス130とのサイドリンク通信を実行する。
【0158】
いくつかの実施例において、方法1200は、サイドリンクDRX設定が有効にされるか、或いは無効にされるかという指示を第1の端末デバイス120に送信することと、第1の端末デバイス120が第2の端末デバイス130へのサイドリンク送信を実行するためのオフセットの指示を第1の端末デバイス120に送信することと、オフセットが有効にされるか、或いは無効にされるかという指示を第1の端末デバイス120に送信することとのうちの少なくとも一つを含む。
【0159】
いくつかの実施例において、サイドリンク通信は第2の端末デバイス130から第1の端末デバイス120へのサイドリンク送信であり、サイドリンクDRX設定は、第1のタイマー、第2のタイマー、第3のタイマー、及び第4のタイマーの少なくとも一つを示す。第1のタイマーは、第1の数のサイドリンクタイムスロットを含む第1の持続時間を示し、サイドリンク通信についてのネガティブフィードバックを送信すること、サイドリンク送信を受信すること、又はサイドリンク送信を成功的に復号化しないことで、スタートされる。第2のタイマーは、サイドリンク送信についてのサイドリンク再送が第1の端末デバイス120によって受信される前の第2の持続時間を示し、第1のタイマーが終了する際、スタートされる。第2の持続時間は、第2の数のサイドリンクタイムスロットを含む。第3のタイマーは、サイドリンク送信を検出した後の第3の持続時間を示す。第4のタイマーは、第3のタイマーが終了する前に第1の端末デバイス120がサイドリンク送信を実行した後の第4の持続時間を示す。第4のタイマーが終了する際、第2のタイマーは、スタートされる。
【0160】
図13は本開示のいくつかの実施例を実施するためのデバイス1300の簡略化ブロック図である。デバイス1300は
図1の第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130、第3の端末デバイス140及びネットワークデバイス110の別の例示的な実施例と見なされてもよい。従って、デバイス1300は、第1の端末デバイス120、第2の端末デバイス130、第3の端末デバイス140及びネットワークデバイス110のうちの少なくとも一部に実現され、又はこれらの少なくとも一部として実現されてもよい。
【0161】
図面に示すように、デバイス1300はプロセッサー1310、プロセッサー1310に結合されたメモリ1320、プロセッサー1310に結合された適切な送信機(TX)、受信機(RX)1340、及びTX/ RX 1340に結合された通信インターフェースを含む。メモリ1320はプログラム1330の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1340は双方向通信に適用される。TX/RX 1340は通信を促進するための少なくとも一つのアンテナを有するが、実践において、本出願に言及されたアクセスノードは若干のアンテナを有する可能性がある。通信インターフェースは、他のネットワーク素子との通信の必要な任意のインターフェース、例えばgNB又はeNBの間の双方向通信のためのX2インターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービスゲートウェイ(S―GW)とgNB又はeNBとの間の通信のためのS1インターフェース、gNB又はeNBと中継ノード(RN)との間の通信のためのUnインターフェース、或いはgNB又はeNBと端末デバイスとの間の通信のためのUuインターフェースを示してもよい。
【0162】
本明細書において、
図11~
図12を参照して議論するように、プログラム1330はプログラム指令を含み、当該プログラム指令が関連のプロセッサー1310によって実行される場合、デバイス1300は本開示の実施例に基づいてオペレーションできると仮定する。本明細書における実施例は、デバイス1300のプロセッサー1310が実行可能なコンピュータソフトウェアによって実現され、又はハードウェア、或いはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。プロセッサー1310は本開示の各種の実施例を実現するように設定されてもよい。また、プロセッサー1310とメモリ1320との組み合わせは、本開示の各種の実施例を実現するための処理部材1350を形成できる。
【0163】
メモリ1320はロカール技術ネットワークに適する任意のタイプであり、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現されてもよく、非限定的な例示として、例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、半導体による記憶デバイス、磁気記憶デバイス及びシステム、光記憶デバイス及びシステム、固定メモリ及び取り外し可能メモリがある。デバイス1300において、一つのメモリ1320のみを示すが、デバイス1300には物理で分離した若干のメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサー1310はロカール技術ネットワークに適する任意のタイプであり、非限定的な例示として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサー、デジタル信号プロセッサー(DSP)及びマルチコアプロセッサーアーキテクチャによるプロセッサーのうちの一つ又は複数を含んでもよい。デバイス1300は複数のプロセッサーを有してもよく、例えば、時間でメインプロセッサーと同期するクロックに従属する特定用途向け集積回路チップである。
【0164】
本開示の装置及び/又は機器に含まれるコンポーネントは各種の方式で実現されてもよく、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はその任意の組み合わせを含む。一つの実施例において、一つ又は複数のユニットはソフトウェア及び/又はファームウェアを使用して実現され、例えば記憶媒体に記憶されるマシン実行可能指令である。マシン実行可能指令以外、又はマシン実行可能指令の代わりとして、装置及び/又は機器における一部又は全てのユニットは少なくとも部分的に一つ又は複数のハードウェアロジックコンポーネントで実現されてもよい。例えば、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントの模式的なタイプはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などを含むが、これらに限定されていない。
【0165】
一般的に、本開示の各種の実施例はハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック又はその任意の組み合わせで実現されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実現され、他の態様はコントローラー、マイクロプロセッサー又は他のコンピューティングデバイスが実行可能なファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施例の各態様はブロック図、フローチャートとして図示及び記載され、又はいくつかの他のパターンを使用して示されるが、ここで、非限定的な例示として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア或いはコントローラー、若しくは他のコンピューティングデバイス、又はこれらのある組み合わせで実現されてもよい。
【0166】
本開示は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に有形的に記憶される少なくとも一つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品はコンピュータ可実行指令を含み、例えば、プログラムモジュールに含まれるものであり、ターゲット実又は仮想プロセッサーでのデバイスにおいて実行されることで、以上、
図11~
図12における何れか一つを参照して記載されるプロセス又は方法を実行する。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ベース、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構成などを含む。各種の実施例において、プログラムモジュールの機能性は所望の通り、プログラムモジュールの間で組み合わせ又は分割を行ってもよい。プログラムモジュールのためのマシン実行可能指令はロカールデバイス又は分散型デバイス内で実行される。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはロカール及びリモート記憶媒体に位置してもよい。
【0167】
一つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで、本開示の方法を実行するためのプログラムコードを作成してもよい。これらのプログラムコードは汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサー又はコントローラーに提供されることで、当該プログラムコードはプロセッサー又はコントローラーにより実行される時、フローチャート及び/又はブロック図において指定された機能/オペレーションを実現する。プログラムコードは完全にマシンで実行されてもよく、部分的にマシンで実行されてもよく、独立したパッケージソフトとして実行されてもよく、一部がマシンで、他の一部がリモートマシンで実行されてもよく、又は完全にリモートマシン或いはサーバーで実行されてもよい。
【0168】
以上のプログラムコードはマシン可読媒体に体現され、当該マシン可読媒体は、指令実行システム、装置又は機器が使用し、又はそれと結合して使用するためのプログラムを含み又は記憶する任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体はマシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は電気、磁気、光学、電磁、赤外線又は半導体システム、装置又は機器、又は上記各々の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されていない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例示は、1本又は複数本のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータフレキシブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD―ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス又は上記各々の任意の適切な組み合わせを含む。
【0169】
また、特定の順序で各オペレーションを描画したが、示される特定の順序又は連続的な順序でこのようなオペレーションを実行し、又は示された全てのオペレーションを実行することで、所望の結果を実現するように要求されていない。ある環境において、マルチタスク及び並行処理は有利である可能性がある。同様に、上記の議論には若干の特定の実施例細部が含まれるが、これらは本開示の範囲についての限定として理解されるわけではなく、特定の実施例の固有の特徴についての記載として解釈される。個別の実施例の明細書に記載のいくつかの特徴は、単一の実施例において組み合わせるように実現される。逆に、単一の実施例の明細書に記載の各種特徴も、複数の実施例にそれぞれ実現され、又は任意の適切なサブ組み合わせで実現されてもよい。
【0170】
構成特徴及び/又は方法動作の固有の言語で本開示を記載したが、ここで、添付の請求項に定義される本開示は、上記の固有の特徴又は動作に限定されていない。逆に、上記の固有の特徴及び動作は請求項を実現する例示的な形態として、開示される。