(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】アクセスポイントAPマルチリンクデバイス発見方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/15 20180101AFI20240611BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240611BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2022560030
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2021082828
(87)【国際公開番号】W WO2021197174
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202010263231.7
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010763205.0
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】フアン、グオガン
(72)【発明者】
【氏名】リ、イチン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ、イファン
(72)【発明者】
【氏名】フ、メンシ
(72)【発明者】
【氏名】リアン、ダンダン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】laurent cariou (Intel),Multi-link discovery part 1,IEEE 802.11-20/0389r0,IEEE,2020年03月15日,[検索日 2023.08.17],インターネット:<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0389-00-00be-multi-link-discovery-part-1.pptx>
【文献】laurent cariou (Intel),Multi-link discovery part 2,IEEE 802.11-20/0390r0,IEEE,2020年02月13日,[検索日 2023.08.17],インターネット:<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0390-00-00be-multi-link-discovery-part-2.pptx>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)発見方法であって、
レポート元APが管理フレームを生成する段階であって、前記管理フレームは
、簡素化近隣レポート要素を含み、前記簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入している前記AP MLDのMLDインデックスフィールドを含み、前記MLDインデックスフィールドは、MLD識別子を保持し、前記MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APが前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうかを示
し、
前記レポート先APと前記レポート元APとが、同一のAP MLDに加入している場合、前記MLDのインデックスを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値0が保持されて、前記レポート先APと前記レポート元APとが同一のAP MLDに加入していることを示し、前記レポート先APが、どのAP MLDにも加入していない場合、前記レポート先APが対応するMLDインデックスを有していないことを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値255が保持されて、前記レポート先APがどのMLDにも加入していないことを示す、段階と、
前記レポート元APが前記管理フレームをステーションへ送信する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記
MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APは前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうか、または、前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記AP MLDのメンバと同一のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セットに所属しているかどうかを示す、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理フレームは更に、前記レポート先APのリンク識別子を含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記リンク識別子は、前記レポート先APの動作クラス、チャネル番号、またはMACアドレスに対応する、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記レポート先APの前記リンク識別子は、前記レポート先APが加入しているAP MLDにおいて一意である、請求項
3または
4に記載の方法。
【請求項6】
前記管理フレームは更に、前記レポート元APのリンク識別子を含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記レポート元APの前記リンク識別子は、
前記簡素化近隣レポート要素において保持される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記管理フレームは更にMLD要素を含み、前記MLD要素は、MLD MACアドレス存在フィールドまたはリンクID存在フィールドを保持する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記MLDインデックスフィールドは
前記簡素化近隣レポート要素に保持される、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
AP MLD発見方法であって、
ステーションが、管理フレームをレポート元APから受信する段階であって、前記管理フレームは
、簡素化近隣レポート要素を含み、前記簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入している前記AP MLDのMLDインデックスフィールドを含み、前記MLDインデックスフィールドは、MLD識別子を保持し、前記MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APが前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうかを示
し、
前記レポート先APと前記レポート元APとが、同一のAP MLDに加入している場合、前記MLDのインデックスを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値0が保持されて、前記レポート先APと前記レポート元APとが同一のAP MLDに加入していることを示し、前記レポート先APが、どのAP MLDにも加入していない場合、前記レポート先APが対応するMLDインデックスを有していないことを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値255が保持されて、前記レポート先APがどのMLDにも加入していないことを示す、段階と、
前記ステーションが、前記
MLDインデックスフィールドに従って、前記レポート先APが前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうかを決定する段階と
を備える方法。
【請求項12】
前記
MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APは前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうか、または、前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記AP MLDのメンバと同一のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セットに所属しているかどうかを示す、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記管理フレームは更に、前記レポート先APのリンク識別子を含む、請求項
11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記リンク識別子は、前記レポート先APの動作クラス、チャネル番号、またはMACアドレスに対応する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記レポート先APの前記リンク識別子は、前記レポート先APが加入しているAP MLDにおいて一意である、請求項
13または
14に記載の方法。
【請求項16】
前記管理フレームは更に、前記レポート元APのリンク識別子を含む、請求項
11から
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記レポート元APの前記リンク識別子は、
前記簡素化近隣レポート要素において保持される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記管理フレームは更にMLD要素を含み、前記MLD要素は、MLD MACアドレス存在フィールドまたはリンクID存在フィールドを保持する、請求項
11から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記
MLDインデックスフィールドは
前記簡素化近隣レポート要素に保持される、請求項
11から
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、請求項
11から
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
プログラム命令を記憶するメモリと、前記メモリに連結されたプロセッサとを備える装置であって、
前記プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記装置に、
管理フレームを生成することであって、前記管理フレームは
、簡素化近隣レポート要素を含み、前記簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているAP MLDのMLDインデックスフィールドを含み、前記MLDインデックスフィールドは、MLD識別子を保持し、前記MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APがレポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうかを示
し、
前記レポート先APと前記レポート元APとが、同一のAP MLDに加入している場合、前記MLDのインデックスを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値0が保持されて、前記レポート先APと前記レポート元APとが同一のAP MLDに加入していることを示し、前記レポート先APが、どのAP MLDにも加入していない場合、前記レポート先APが対応するMLDインデックスを有していないことを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値255が保持されて、前記レポート先APがどのMLDにも加入していないことを示す、こと、および、
前記管理フレームをステーションへ送信すること
を行わせる、装置。
【請求項22】
前記装置はAP、AP MLD、またはAP MLDに加入しているAPを含む、請求項
21に記載の装置。
【請求項23】
前記装置は、APまたはAP MLDに含まれるチップを含む、請求項
21に記載の装置。
【請求項24】
前記
MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APは前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうか、または、前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記AP MLDのメンバと同一のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セットに所属しているかどうかを示す、請求項
21から
23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記管理フレームは更に、前記レポート先APのリンク識別子を含む、請求項
21から
24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記管理フレームは更に、前記レポート元APのリンク識別子を含む、請求項
21から
25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記レポート元APの前記リンク識別子は
、前記簡素化近隣レポート要素において保持される、請求項
26に記載の装置。
【請求項28】
前記
MLDインデックスフィールドは
前記簡素化近隣レポート要素に保持される、請求項
21から
27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、請求項
21から
28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
プログラム命令を記憶するメモリと、前記メモリに連結されているプロセッサとを備える装置であって、前記プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記装置に、
管理フレームをレポート元APから受信することであって、前記管理フレームは
、簡素化近隣レポート要素を含み、前記簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているAP MLDのMLDインデックスフィールドを含み、前記MLDインデックスフィールドは、MLD識別子を保持し、前記MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APが前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうかを示
し、
前記レポート先APと前記レポート元APとが、同一のAP MLDに加入している場合、前記MLDのインデックスを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値0が保持されて、前記レポート先APと前記レポート元APとが同一のAP MLDに加入していることを示し、前記レポート先APが、どのAP MLDにも加入していない場合、前記レポート先APが対応するMLDインデックスを有していないことを示すために、前記MLDインデックスフィールドにおいてMLDインデックス値255が保持されて、前記レポート先APがどのMLDにも加入していないことを示す、こと、および、
前記
MLDインデックスフィールドに従って、前記レポート先APが前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうかを決定すること
を行わせる、装置。
【請求項31】
前記装置はステーション、ステーションMLD、またはステーションMLDに加入しているステーションを含む、請求項
30に記載の装置。
【請求項32】
前記装置はステーションまたはステーションMLDに含まれるチップを含む、請求項
30に記載の装置。
【請求項33】
前記
MLDインデックスフィールドは、前記レポート先APは前記レポート元APと同一のAP MLDに加入しているかどうか、または、前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記AP MLDのメンバと同一のマルチ基本サービスセット識別子(BSSID)セットに所属しているかどうかを示す、請求項
30から
32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記管理フレームは更に、前記レポート先APのリンク識別子を含む、請求項
30から
33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記管理フレームは更に、前記レポート元APのリンク識別子を含む、請求項
30から
34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記レポート元APの前記リンク識別子は
、前記簡素化近隣レポート要素において保持される、請求項
35に記載の装置。
【請求項37】
前記
MLDインデックスフィールドは
前記簡素化近隣レポート要素に保持される、請求項
30から
36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、請求項
30から
37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行するとき、前記コンピュータは請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能となる、コンピュータプログラム。
【請求項40】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行するとき、前記コンピュータは請求項
11から
20のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能となる、コンピュータプログラム。
【請求項41】
請求項
21から
29のいずれか一項に記載の装置と、請求項
30から
38のいずれか一項に記載の装置とを備える通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信技術の分野に関連し、特に、アクセスポイントAPマルチリンクデバイス発見方法および関連装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
WLANシステムのサービス伝送レートを大きく増加させるために、米国電気電子学会((Institute of Electrical and Electronics Engineers, IEEE) 802.11ax)規格は更に、既存の直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing, OFDM)技術に基づく直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access, OFDMA)技術を使用する。OFDMA技術は、データを同時に送信および受信するために複数のノードをサポートする。これによりマルチステーションのダイバーシティ利得を達成する。2017年に802.11ax規格が完成されたとき、米国の連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)は、以下で6GHzと称される新しい無料周波数バンド5925~7125MHzを解放した。この場合において、802.11ax規格の担当者は、802.11axプロジェクト認可要請(Project Authorization Request, PAR)において、802.11axデバイスの動作範囲を2.4GHzおよび5GHzから2.4GHz、5GHz、および6GHzに拡張する。
【0003】
IEEE802.11次世代Wi-Fi(登録商標)プロトコル(extremely high throughput, EHT)デバイスは前方互換性を有する必要がある。従って、それらはまた、802.11axデバイスの動作スペクトル、すなわち、2.4GHz、5GHzおよび6GHz周波数バンドをサポートする。チャネル分割は、新しく開かれた無料6GHz周波数バンドに基づいて実行され、サポート可能な帯域幅は、5GHzにおいてサポートされる最大帯域幅160MHzを超え得、例えば320MHzであり得る。IEEE802.11ax次世代Wi-Fi(登録商標)超高スループットプロトコルにおいて、最大スループットはまた、超高帯域幅を使用することに加えて、より多くのストリームを使用することによって、例えば、ストリームの数を16に増加させることによって、複数の周波数バンド(2.4GHz、5GHzおよび6GHz)との連携を通じて、または、別の方式で増加され得る。同一の周波数バンド上で、最大スループットは更に、複数のチャネルとの連携を通じて、または、別の方式で増加され得る。これによりサービス伝送遅延を低減する。以下では、複数の周波数バンドまたは複数のチャネルは、複数のリンクと総称される。802.11ax Wi-Fi(登録商標)、および、それ以前の同一の動作周波数バンドを有するWi-Fi(登録商標)に複数のリンクが構成されるが、異なる基本サービスセット(Basic Service Set, BSS)が通常、複数のリンクの各々について確立され、リンクが所属するBSSにおけるステーションとの通信が、1つのリンクだけで同時に実行され得る。
【0004】
802.11axおよびそれ以前のマルチ(Multiple)基本サービスセット識別子(Basic Service Set identifier, BSSID)技術の主な機能は、1つの物理的APを複数の論理APに仮想化する、すなわち、複数の仮想ネットワークを形成することである。各仮想ネットワークは、異なるステーションを管理するために使用される。現在のWi-Fi(登録商標)シナリオにおけるAP製品と同様に、APは、ホームAP(home AP)およびゲストAP(guest AP)に仮想化され得る。
【0005】
どのようにしてステーションにAPマルチリンクデバイスを迅速に発見させ、それにより、ステーションが関連付けに適切なAPを迅速に見つけることを助けるかは、当業者によって研究されている技術的問題である。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態は、リンクをより良く発見するための、APマルチリンクデバイス発見方法および関連装置を開示する。
【0007】
第1態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見方法を提供する。方法は、以下のことを含む。
【0008】
レポート元APが第1管理フレームをステーションへ送信する。第1管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している。
【0009】
近隣APについての情報は、第1情報、第2情報または第3情報のうち1または複数を含む。
【0010】
第1情報は、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0011】
第2情報は、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0012】
第3情報は、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかを示す。
【0013】
上述した方法において、第1管理フレームの簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報、および、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットについての情報を保持し、その結果、第1管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDおよびマルチBSSIDセットにおける、各レポート先APの基本ステータスを認識でき、それにより、レポート元APおよびレポート先APから適切なAPをより良く選択して関連付けを行う。
【0014】
第2態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見方法を提供する。方法は以下の段階を備える。
【0015】
ステーションが、レポート元APによって送信された第1管理フレームを受信する。第1管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している。
【0016】
近隣APについての情報は、第1情報、第2情報または第3情報のうち1または複数を含む。
【0017】
第1情報は、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0018】
第2情報は、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0019】
第3情報は、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかを示す。
【0020】
上述した方法において、第1管理フレームの簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報、および、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットについての情報を保持し、その結果、第1管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDおよびマルチBSSIDセットにおける、各レポート先APの基本ステータスを認識でき、それにより、レポート元APおよびレポート先APから適切なAPをより良く選択して関連付けを行う。
【0021】
第3態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見装置を提供する。装置は、第1管理フレームをステーションへ送信するように構成される送信ユニットを備え、第1管理フレームは近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している。
【0022】
近隣APについての情報は、第1情報、第2情報または第3情報のうち1または複数を含む。
【0023】
第1情報は、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0024】
第2情報は、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0025】
第3情報は、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうかを示す。
【0026】
上述した方法において、第1管理フレームの簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報、および、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットについての情報を保持し、その結果、第1管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDおよびマルチBSSIDセットにおける、各レポート先APの基本ステータスを認識でき、それにより、レポート元APおよびレポート先APから適切なAPをより良く選択して関連付けを行う。
【0027】
第4態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見装置を提供する。装置は、レポート元APによって送信された第1管理フレームを受信するように構成される受信ユニットを備え、第1管理フレームは近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している。
【0028】
近隣APについての情報は、第1情報、第2情報または第3情報のうち1または複数を含む。
【0029】
第1情報は、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0030】
第2情報は、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0031】
第3情報は、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかを示す。
【0032】
上述した方法において、第1管理フレームの簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報、および、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットについての情報を保持し、その結果、第1管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDおよびマルチBSSIDセットにおける、各レポート先APの基本ステータスを認識でき、それにより、レポート元APおよびレポート先APから適切なAPをより良く選択して関連付けを行う。
【0033】
第1態様、第2態様、第3態様または第4態様の可能な実装において、近隣APについての情報は更に第4情報を含む。第4情報は、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを示す。
【0034】
第1態様、第2態様、第3態様または第4態様の可能な実装において、近隣APについての情報は更に第8情報を含む。第8情報は、レポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスを含む。
【0035】
第1態様、第2態様、第3態様または第4態様の可能な実装において、レポート先APはレポート元APと同一のMLDに加入しているか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、近隣APについての情報は第8情報を含む。
【0036】
第1態様、第2態様、第3態様、または第4態様の可能な実装において、レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、近隣APについての情報は第8情報を含む。
【0037】
第1態様、第2態様、第3態様または第4態様の可能な実装において、近隣APについての情報は更に第9情報を含む。第9情報は、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのマルチBSSIDセットインデックスを含む。
【0038】
第1態様、第2態様、第3態様、または第4態様の可能な実装において、レポート先APはマルチBSSIDセットに所属し、レポート先APはレポート元APと同一のMLDに加入し、近隣APについての情報は第9情報を含む。
【0039】
第1態様、第2態様、第3態様、または第4態様の可能な実装において、レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、近隣APについての情報は第9情報を含む。
【0040】
第1態様、第2態様、第3態様または第4態様の可能な実装において、近隣APについての情報は更に第5情報を含む。第5情報はレポート先APのリンク識別子を示す。
【0041】
第1態様、第2態様、第3態様、または第4態様の可能な実装において、近隣APについての情報は更に、第6情報または第7情報の1または複数を含む。
【0042】
第6情報は、レポート元APのリンク識別子、および/または、レポート元APが加入しているMLDのMACアドレスを示す。
【0043】
実装において、第6情報は第1管理フレームのMLD要素に位置する。
【0044】
実装において、AP MLDにおけるレポート元APは、レポート元APが動作するリンク上で第1管理フレームを送信する。第1管理フレームはMLD要素を保持する。
【0045】
実装において、MLD要素はMLD共通情報を含むが、各APに対応するサブ要素情報を保持しない。MLD共通情報は、MLD MACアドレス、リンク識別子またはMLDインデックスのうち少なくとも1つを含む。
【0046】
MLDインデックスは、AP MLDのシーケンス番号を示し、第1管理フレームにおける簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element,RNR要素)における第8情報によって示されるMLDインデックスと同一である。言い換えれば、同一のAP MLDとは、第1管理フレームにおいて保持されるRNR要素において保持されるMLDインデックスが、第1管理フレームにおいて保持されるMLD要素において保持されるMLDインデックスと同一であることを意味する。
【0047】
第7情報は、第1管理フレームがすべての第1レポート先APについての情報を保持するかどうかを示すか、または、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を管理フレームが保持するかどうかを示す。第1レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのレポート元AP以外のAPメンバである。
【0048】
第1態様、第2態様、第3態様、または第4態様の可能な実装において、近隣APについての情報は、簡素化近隣レポート要素または近隣レポート要素において保持される。
【0049】
第1態様、第2態様、第3態様、または第4態様の可能な実装において、第1管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである。
【0050】
第5態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見方法を提供する。方法は以下の段階を備える。
【0051】
レポート元APが第2管理フレームをステーションへ送信する。第2管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している。近隣APについての情報は第1情報を含む。第1情報は、以下の内容、すなわち、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、レポート先APがMLDにおけるAPであるかどうか、または、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかのうち1または複数を含む。
【0052】
上述した方法において、第2管理フレームの近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報を保持し、その結果、第2管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDにおける各レポート先APの基本ステータスを認識できる。これにより、ステーションのBSS移行中に存在する候補APを近隣APから選択することを助ける。
【0053】
第6態様によれば、本願の実施形態は、APマルチリンクデバイス発見方法を提供する。方法は以下の段階を備える。
【0054】
ステーションが、レポート元APによって送信された第2管理フレームを受信する。第2管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している。近隣APについての情報は第1情報を含む。第1情報は、以下の内容、すなわち、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、レポート先APがMLDにおけるAPであるかどうか、または、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかのうち1または複数を含む。
【0055】
上述した方法において、第2管理フレームの近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報を保持し、その結果、第2管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDにおける各レポート先APの基本ステータスを認識できる。これにより、ステーションのBSS移行中に存在する候補APを近隣APから選択することを助ける。
【0056】
第7態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見装置を提供する。装置は、第2管理フレームをステーションへ送信するように構成れる送信ユニットを備え、第2管理フレームは近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入しており、近隣APについての情報は第1情報を含み、第1情報は、以下の内容、すなわち、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、レポート先APがMLDにおけるAPであるかどうか、または、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかのうち1または複数を含む。
【0057】
上述した方法において、第2管理フレームの近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報を保持し、その結果、第2管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDにおける各レポート先APの基本ステータスを認識できる。これにより、ステーションのBSS移行中に存在する候補APを近隣APから選択することを助ける。
【0058】
第8態様によれば、本願の実施形態はAPマルチリンクデバイス発見装置を提供する。装置は、レポート元APによって送信された第2管理フレームを受信するように構成される受信ユニットを備え、第2管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入しており、近隣APについての情報は第1情報を含み、第1情報は、以下の内容、すなわち、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、レポート先APがMLDにおけるAPであるかどうか、または、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかのうち1または複数を含む。
【0059】
上述した方法において、第2管理フレームの近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報を保持し、その結果、第2管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDにおける各レポート先APの基本ステータスを認識できる。これにより、ステーションのBSS移行中に存在する候補APを近隣APから選択することを助ける。
【0060】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、近隣APについての情報は更に第2情報を含む。第2情報は、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDのMACアドレス、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDに含まれるAPの数、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるAP間の同時送信/受信STR能力の指示、レポート先APに対応するリンク識別子、または、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるレポート先AP以外のAPについての情報のうち1または複数を含む。
【0061】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、レポート先APがMLDにおけるAPである場合、近隣APについての情報は更に第2情報を含む。
【0062】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、第2情報は具体的には、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDのMACアドレスを含む。
【0063】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスにおけるレポート先AP以外のAPの各々についての情報は、1つの近隣レポート要素において保持される。
【0064】
第5態様、第6態様、第7態様または第8態様の可能な実装において、近隣APについての情報は、動作クラス、チャネル番号、およびBSSIDを含み、近隣APについての情報は近隣レポート要素において保持される。
【0065】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、近隣APについての情報はリンク識別子を含み、近隣APについての情報は近隣レポート要素において保持される。
【0066】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、第1情報は具体的には、近隣レポート要素または簡素化近隣レポート要素におけるBSSID情報フィールドのreservedフィールドにおいて保持される。
【0067】
第5態様、第6態様、第7態様、または第8態様の可能な実装において、第2情報は具体的には、近隣レポート要素の任意選択のサブ要素フィールドにおいて保持される。
【0068】
第5態様、第6態様、第7態様または第8態様の可能な実装において、第2管理フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、関連付け応答フレーム、再関連付け応答フレーム、または認証フレームである。
【0069】
第9態様によれば、本願の実施形態は高速BSS移行方法を提供する。方法は、関連付けられた現在のアクセスポイントAPへ高速移行要求フレームを送信する段階であって、高速移行要求フレームは、ターゲットAPへの移行を要求するためのものであり、ターゲットAPはAPマルチリンクデバイスMLDにおけるAPである、段階と、現在のAPによって送信された高速移行応答フレームを受信する段階であって、高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含む、段階とを備える。
【0070】
高速移行要求フレームおよび高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含み、第1アドレス情報は、高速移行要求フレームを送信するステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを含む。
【0071】
上述した方法は、マルチリンクデバイスにおけるすべてのステーションが高速移行に参加することを助けることができる。
【0072】
第10態様によれば、本願の実施形態は、高速BSS移行方法を提供する。本方法は、以下の段階を含む。
【0073】
現在のアクセスポイントAPは、ステーションによって送信された高速移行要求フレームを受信する。高速移行要求フレームは、ターゲットAPへの移行を要求するためのものであり、ターゲットAPは、APマルチリンクデバイスMLDにおけるAPである。
【0074】
現在のAPは高速移行応答フレームをステーションへ送信する。高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含む。
【0075】
高速移行要求フレームおよび高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含み、第1アドレス情報は、高速移行要求フレームを送信するステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを含む。
【0076】
上述した方法は、マルチリンクデバイスにおけるすべてのステーションが高速移行に参加することを助けることができる。
【0077】
第11態様によれば、本願の実施形態は高速BSS移行装置を提供する。装置は、関連付けられた現在のアクセスポイントAPへ高速移行要求フレームを送信するように構成される送信ユニットであって、高速移行要求フレームは、ターゲットAPへの移行を要求するためのものであり、ターゲットAPはAPマルチリンクデバイスMLDにおけるAPである、送信ユニットと、現在のAPによって送信された高速移行応答フレームを受信するように構成される受信ユニットであって、高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含む、受信ユニットとを備える。
【0078】
高速移行要求フレームおよび高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含み、第1アドレス情報は、高速移行要求フレームを送信するステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを含む。
【0079】
上述した方法は、マルチリンクデバイスにおけるすべてのステーションが高速移行に参加することを助けることができる。
【0080】
第12の態様によれば、本願の実施形態は高速BSS移行装置を提供する。装置は、ステーションによって送信された高速移行要求フレームを受信するように構成される受信ユニットであって、高速移行要求フレームはターゲットAPへの移行を要求するためのものであり、ターゲットAPはAPマルチリンクデバイスMLDにおけるAPである、受信ユニットと、高速移行応答フレームをステーションへ送信するように構成される送信ユニットであって、高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含む、送信ユニットとを備える。
【0081】
高速移行要求フレームおよび高速移行応答フレームは第1アドレス情報を含み、第1アドレス情報は、高速移行要求フレームを送信するステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを含む。
【0082】
上述した方法は、マルチリンクデバイスにおけるすべてのステーションが高速移行に参加することを助け得る。
【0083】
第9態様、第10態様、第11態様、または第12の態様の可能な実装において、第1アドレス情報における、高速移行要求フレームおよび高速移行応答フレームを送信するステーションが加入しているMLDのMACアドレスは、ステーションアドレスフィールドにおいて保持され、第1アドレス情報における、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、ターゲットAPアドレスフィールドにおいて保持される。
【0084】
本願の実施形態の第13態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行するとき、プロセッサは、第1態様、第2態様、第5態様、第6態様、第9態様、または第10態様のいずれか1つ、および、対応する可能な実装における方法を実行することが可能である。
【0085】
本願の実施形態の第14態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。プログラム製品は、前述のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラム(命令)を記憶する。コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行するとき、プロセッサは、第1態様、第2態様、第5態様、第6態様、第9態様、または第10態様のいずれか1つ、および、対応する可能な実装における方法を実行することが可能である。
【0086】
本願の実施形態の第15の態様によれば、通信装置が提供される。装置はプロセッサを含み、送受信機およびメモリを更に含み得る。送受信機は、情報を送信および受信するように構成されるか、または、別のネットワーク要素と通信するように構成される。メモリは、コンピュータプログラム(命令)を記憶するように構成される。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行して、第1態様、第2態様、第5態様、第6態様、第9態様、または第10態様のいずれか1つ、および対応する可能な実装における方法を実行するように通信装置をサポートするように構成される。
【0087】
本願の実施形態の第16の態様によれば、通信装置が提供される。本装置は、チップの製品形態で存在してよい。装置の構造はプロセッサを含み、更にメモリを含み得る。メモリはプロセッサに連結され、装置に必要なプログラム(命令)およびデータを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して、第1態様、第2態様、第5態様、第6態様、第9態様、または第10態様のいずれか1つ、および対応する可能な実装における方法を実行するように通信装置をサポートするように構成される。任意選択的に、メモリは、プロセッサに位置し得、内部ストレージである。代替的に、プロセッサは、プロセッサの外側に位置し得、プロセッサに連結され、外部ストレージである。
【0088】
本願の実施形態の第17の態様によれば、通信装置が提供される。本装置は、チップの製品形態で存在してよい。装置の構造はプロセッサおよびインタフェース回路を備える。プロセッサは、受信回路を使用することによって別の装置と通信するように構成され、その結果、装置は、第1態様、第2態様、第5態様、第6態様、第9態様、または第10態様のいずれか1つ、および対応する可能な実装における方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
以下で、本願の実施形態で使用される添付図面を説明する。
【0090】
【
図1】本願の実施形態による通信システムの構造の概略図である。
【0091】
【
図2(a)】本願の実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。
【0092】
【
図2(b)】本願の実施形態による別のマルチリンクデバイスの構造の概略図である。
【0093】
【
図2(c)】本願の実施形態による別のマルチリンクデバイスの構造の概略図である。
【0094】
【
図3(a)】本願の実施形態による、あるタイプのマルチリンク通信の概略図である。
【0095】
【
図3(b)】本願の実施形態による、別のタイプのマルチリンク通信の概略図である。
【0096】
【
図3(c)】本願の実施形態による近隣レポート要素のフォーマットの概略図である。
【0097】
【
図3(d)】本願の実施形態による簡素化近隣レポート要素のフォーマットの概略図である。
【0098】
【
図3(e)】本願の実施形態によるTBTT情報フィールドのフォーマットの概略図である。
【0099】
【
図4】本願の実施形態によるAPマルチリンクデバイス発見方法のインタラクションの概略図である。
【0100】
【
図5】本願の実施形態によるMLDベースのマルチBSSIDセットのフレームワークの概略図である。
【0101】
【
図6】本願の実施形態による別のMLDベースのマルチBSSIDセットのフレームワークの概略図である。
【0102】
【
図7】本願の実施形態による更に別のMLDベースのマルチBSSIDセットのフレームワークの概略図である。
【0103】
【
図8(a)】本願の実施形態による別のTBTT情報フィールドのフォーマットの概略図である。
【0104】
【
図8(b)】本願の実施形態による更に別のTBTT情報フィールドのフォーマットの概略図である。
【0105】
【
図8(c)】本願の実施形態による更に別のTBTT情報フィールドのフォーマットの概略図である。
【0106】
【
図9】本願の実施形態による、別のAPマルチリンクデバイス発見方法のインタラクションの概略図である。
【0107】
【
図10】本願の実施形態による別の近隣レポート要素のフォーマットの概略図である。
【0108】
【
図11】本願の実施形態によるDSシステムに基づく高速BSS移行方法のインタラクションの概略図である。
【0109】
【
図12】本願の実施形態による無線エアインタフェースに基づく高速BSS移行方法のインタラクションの概略図である。
【0110】
【
図13】本願の実施形態によるFT要求アクションフレームフィールドのフォーマットの概略図である。
【0111】
【
図14】本願の実施形態による別のFT要求アクションフレームフィールドのフォーマットの概略図である。
【0112】
【
図15】本願の実施形態による通信装置の構成の概略図である。
【0113】
【
図16】本願の実施形態による別の通信装置の構成の概略図である。
【0114】
【
図17】本願の実施形態によるMLD要素の構造の概略図である。
【0115】
【
図18】本願の実施形態による別のMLD要素の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0116】
以下ではまず、本願における関連技術を説明し、次に、添付図面を参照して本願の実施形態を説明する。
【0117】
本願の実施形態は、ワイヤレス通信システムに適用される通信方法を提供する。ワイヤレス通信システムは、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless local area network, WLAN)またはセルラネットワークであり得る。方法は、ワイヤレス通信システムにおける通信デバイス、または、通信デバイスにおけるチップもしくはプロセッサによって実行され得る。通信デバイスは、複数のリンクによって実行される同時伝送をサポートするワイヤレス通信デバイスであり得る。例えば、通信デバイスは、マルチリンクデバイス(Multi-link device)またはマルチバンドデバイス(multi-band device)と称される。例えば、無線ローカルエリアネットワークにおいて、通信デバイスは、IEEE802.11シリーズプロトコルを使用することによって実行される通信をサポートし、IEEE802.11シリーズプロトコルは、802.11be、802.11ax、または802.11a/b/g/n/acを含む。
【0118】
1.マルチリンクデバイス(Multi-link device, MLD)はマルチバンドデバイス(multi-band device)とも称される。
【0119】
マルチリンクデバイスMLDは、1または複数の加入ステーションを含み、加入ステーションは論理ステーションである。本願の実施形態において、「マルチリンクデバイスは加入ステーションを含む」はまた、簡潔に「マルチリンクデバイスはステーションを含む」として説明される。加入ステーションは、アクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイントステーション(non-access point station, non-AP STA)であり得る。説明を容易にするべく、本願において、加入ステーションがAPであるマルチリンクデバイスはマルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(AP multi-link device)と称され得、加入ステーションが非AP STAであるマルチリンクデバイスはマルチリンクSTA、マルチリンクSTAデバイス、またはSTAマルチリンクデバイス(STA multi-link device)と称され得る。
【0120】
マルチリンクデバイスMLDは、802.11シリーズプロトコルに準拠して、例えば、超高スループット(Extremely High Throughput, EHT)プロトコルに準拠して、または、802.11beベースもしくは802.11be互換プロトコルに準拠して無線通信を実装し得、それにより別のデバイスとの通信を実装する。別のデバイスはマルチリンクデバイスであり得るか、または、マルチリンクデバイスでないことがあり得る。
【0121】
各論理ステーションが1つのリンク上で動作し得るが、複数の論理ステーションが同一のリンク上で動作されることが許可される。下で述べられるリンク識別子は、1つのリンク上で動作する1つのステーションを識別する、または表す。言い換えれば、1つのリンク上に1つより多くの論理ステーションがある場合、1つより多くのリンク識別子は、論理ステーションを識別する、または表すために必要である。下で述べられるリンク識別子はまた、場合によっては、リンク上で動作するステーションを示す。マルチリンクデバイスと別のマルチリンクデバイスとの間でデータ伝送が実行される場合、通信前に、マルチリンクデバイスおよび別のマルチリンクデバイスはまず、リンク識別子とリンクまたはリンク上のステーションとの間の対応関係について互いにネゴシエートまたは通信し得るか、または、APマルチリンクデバイスは、ブロードキャスト管理フレーム、例えばビーコンフレームを通じて、リンク識別子とリンクまたはリンク上のステーションとの間の対応関係を示す。従って、データ伝送中に、リンクまたはリンク上のステーションを示すために大量のシグナリング情報を伝送することなく、リンク識別子が保持される。これによりシグナリングオーバヘッドを低減し、伝送効率を改善する。
【0122】
以下では、前述の1つのマルチリンクデバイスがAPマルチリンクデバイスであり、前述の別のマルチリンクデバイスがSTAマルチリンクデバイスである例を説明のために使用する。例において、APマルチリンクデバイスがBSSを確立するとき、APマルチリンクデバイスによって送信された管理フレーム、例えばビーコンフレームは、複数のリンク識別子情報フィールドを含む要素を保持する。各リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子とリンク上で動作するステーションとの間の対応関係を示し得る。各リンク識別子情報フィールドはリンク識別子を含み、更に、MACアドレス、動作クラス、またはチャネル番号のうち1または複数を含む。MACアドレス、動作クラス、またはチャネル番号のうち1または複数はリンクを識別し得る。別の例では、マルチリンク関連付け確立プロセスにおいて、APマルチリンクデバイスおよびSTAマルチリンクデバイスは、複数のリンク識別子情報フィールドについてネゴシエートする。後の通信において、APマルチリンクデバイスまたはSTAマルチリンクデバイスは、リンク識別子を使用することによって、マルチリンクデバイスにおけるステーションを識別する、または表す。リンク識別子は更に、ステーションのMACアドレス、動作セット、およびチャネル番号のうち1または複数の属性を表し得る。MACアドレスは代替的に、関連付けられたAPマルチリンクデバイスの関連付け識別子であり得る。任意選択的に、複数ステーションが1つのリンク上で動作する場合、(数値IDである)リンク識別子によって表される意味は、リンクが位置するチャネル番号および動作クラスだけでなく、リンク上で動作するステーションの識別子、例えば、ステーションのMACアドレスまたはAIDも含む。
【0123】
図1は、本願の実施形態が適用される適用シナリオの例示的な図である。適用シナリオは第1ステーション101および第2ステーション102を含む。複数のリンクは、スループットを改善するために、第1ステーション101と第2ステーション102との間の通信に使用され得る。第1ステーションはマルチリンクデバイスであり得、第2ステーションはシングルリンクデバイス、マルチリンクデバイスまたは同様のものであり得る。シナリオにおいて、第1ステーション101はAPマルチリンクデバイスであり、第2ステーション102はSTAマルチリンクデバイスまたはステーション(例えばシングルリンクステーション)である。別のシナリオにおいて、第1ステーション101はSTAマルチリンクデバイスであり、第2ステーション102はAP(例えば、シングルリンクAP)またはAPマルチリンクデバイスである。更に別のシナリオにおいて、第1ステーション101はAPマルチリンクデバイスであり、第2ステーション102はAPマルチリンクデバイスまたはAPである。更に別のシナリオにおいて、第1ステーション101はSTAマルチリンクデバイスであり、第2ステーション102はSTAマルチリンクデバイスまたはSTAである。当然、無線ローカルエリアネットワークは更に別のデバイスを含み得る。
図1に示されるデバイスの数およびタイプは単に例である。
【0124】
図2(a)および
図2(b)は、通信に参加するAPマルチリンクデバイスおよびSTAマルチリンクデバイスの構造の概略図である。802.11規格は、APマルチリンクデバイスおよびSTAマルチリンクデバイス(携帯電話およびノートブックコンピュータなど)の802.11物理層(Physical layer, PHY)および媒体アクセス制御(Media Access Control, MAC)層部分に焦点を当てる。
【0125】
図2(a)に示されるように、APマルチリンクデバイスに含まれる複数のAPは、
下位MAC(Low MAC)層およびPHY層において互いに独立し、また、
上位MAC(High MAC)層において互いに独立する。STAマルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、
下位MAC(Low MAC)層およびPHY層において互いに独立し、また、
上位MAC(High MAC)層において互いに独立する。
【0126】
図2(b)に示されるように、APマルチリンクデバイスに含まれる複数のAPは、
下位MAC(Low MAC)層およびPHY層において互いに独立し、
上位MAC(High MAC)層を共有する。STAマルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、
下位MAC(Low MAC)層およびPHY層において互いに独立し、
上位MAC(High MAC)層を共有する。
【0127】
例えば、STAマルチリンクデバイスは、上位MAC層が互いに独立する構造を使用し得、APマルチリンクデバイスは、上位MAC層が共有される構造を使用し得る。代替的に、STAマルチリンクデバイスは、上位MAC層が共有される構造を使用し得、APマルチリンクデバイスは、上位MAC層が互いに独立する構造を使用し得る。例えば、上位MAC層または下位MAC層は、マルチリンクデバイスのチップシステムにおける1つのプロセッサによって実装され得るか、または、チップシステムにおける異なる処理モジュールによって実装され得る。
【0128】
例えば、本願の本実施形態におけるマルチリンクデバイスは、単一アンテナデバイスであり得るか、または、マルチアンテナデバイスであり得る。例えば、マルチリンクデバイスは、2より多くのアンテナを有するデバイスであり得る。マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は本願の実施形態に限定されない。例えば、
図2(c)は、APマルチリンクデバイスがマルチアンテナデバイスであり、STAマルチリンクデバイスが単一アンテナデバイスである例を示す。本願の本実施形態において、マルチリンクデバイスは、同一のアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で伝送されることを可能にし得るか、または、同一のデータパケットが異なるリンク上で伝送されることさえ可能にし得る。代替的に、マルチリンクデバイスは、同一のアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で伝送されることを可能にしないことがあり得るが、異なるアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で伝送されることを可能にし得る。
【0129】
マルチリンクデバイスが動作する周波数バンドは、サブ1GHz、2.4GHz、5GHz、6GHz、および高周波数60GHzを含み得るが、これらに限定されない。
図3(a)および
図3(b)は、複数のリンク上の無線ローカルエリアネットワークにおけるマルチリンクデバイスと別のデバイスとの間の通信の2つの概略図である。
【0130】
図3(a)は、APマルチリンクデバイス101がSTAマルチリンクデバイス102と通信するシナリオを示す。APマルチリンクデバイス101は加入AP101-1および加入AP101-2を含み、STAマルチリンクデバイス102は加入STA102-1および加入STA102-2を含み、APマルチリンクデバイス101はリンク1およびリンク2上で並行してSTAマルチリンクデバイス102と通信する。
【0131】
図3(b)は、APマルチリンクデバイス101がSTAマルチリンクデバイス102、STAマルチリンクデバイス103、およびSTA104と通信するシナリオを示す。APマルチリンクデバイス101は加入AP101-1~加入AP101-3を含む。STAマルチリンクデバイス102は、2つの加入STA、すなわち、STA102-1およびSTA102-2を含む。STAマルチリンクデバイス103は2つの加入STA、すなわち、STA103-1およびSTA103-2を含む。STA104は各々、シングルリンクデバイスである。APマルチリンクデバイスは、別々に、リンク1およびリンク3上でSTAマルチリンクデバイス102と通信し、リンク2およびリンク3上でSTAマルチリンクデバイス103と通信し、リンク1上でSTA104と通信し得る。例において、STA104は2.4GHz周波数バンド上で動作する。STAマルチリンクデバイス103は、STA103-1およびSTA103-2を含み、STA103-1は5GHz周波数バンド上で動作し、STA103-2は6GHz周波数バンド上で動作する。STAマルチリンクデバイス102はSTA102-1およびSTA102-2を含み、STA102-1は2.4GHz周波数バンド上で動作し、STA102-2は6GHz周波数バンド上で動作する。APマルチリンクデバイスにおける2.4GHz周波数バンド上で動作するAP101-1は、リンク1上でSTAマルチリンクデバイス102においてSTA104およびSTA102-1とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。APマルチリンクデバイスにおける5GHz周波数バンド上で動作するAP101-2は、リンク2上でSTAマルチリンクデバイス103において5GHz周波数バンドで動作するSTA103-1とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。APマルチリンクデバイス101において6GHz周波数バンド上で動作するAP101-3は、リンク3上でSTAマルチリンクデバイス102において6GHz周波数バンドで動作するSTA102-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得、また、リンク3上でSTAマルチリンクデバイスにおいてSTA103-2とのアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。
【0132】
図3(a)は、APマルチリンクデバイスが2つの周波数バンドのみをサポートすることを示し、
図3(b)は、APマルチリンクデバイスが3つの周波数バンド(2.4GHz、5GHz、および6GHz)をサポートし、各周波数バンドが1つのリンクに対応し、APマルチリンクデバイス101がリンク1、リンク2、またはリンク3の1または複数で動作し得る例のみを使用することに留意されたい。AP側またはSTA側で、ここでのリンクは更に、リンク上で動作するステーションとして理解され得る。実際の適用において、APマルチリンクデバイスおよびSTAマルチリンクデバイスは更に、より多くの、または、より少ない周波数バンドをサポートし得、すなわち、APマルチリンクデバイスおよびSTAマルチリンクデバイスは、より多い、もしくは、より少ないリンクで動作し得る。これについては、本願の本実施形態において限定されない。
【0133】
例えば、マルチリンクデバイスは、無線通信機能を有する装置であり、装置はデバイスであり得るか、または、デバイスに設置されたチップ、処理システム、または同様のものであり得る。チップまたは処理システムが設置されたデバイスは、チップまたは処理システムの制御下で、本願の実施形態における方法および機能を実装し得る。例えば、本願の実施形態におけるマルチリンクSTAは無線トランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートし得、マルチリンクAP、別のマルチリンクSTA、またはシングルリンクデバイスと通信し得る。例えば、マルチリンクSTAは、ユーザがAPと通信し、次にWLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、マルチリンクSTAは、ネットワークにアクセスできるユーザ機器、例えば、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-mobile Personal Computer, UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、または携帯電話であり得るか、または、インターネットオブシングスにおけるインターネットオブシングスノード、インターネットオブビークルにおける車載通信装置、または同様のものであり得る。マルチリンクSTAは代替的に、前述の端末におけるチップまたは処理システムであり得る。本願の実施形態におけるマルチリンクAPは、サービスをマルチリンクSTAに提供する装置であり、802.11シリーズプロトコルをサポートできる。例えば、マルチリンクAPは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはネットワークブリッジなどの通信エンティティであり得るか、または、マルチリンクAPは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局、または同様のものを含み得る。当然、マルチリンクAPは更に、本願の実施形態の方法および機能を実装するための様々な形態のデバイスにおけるチップおよび処理システムであり得る。加えて、マルチリンクデバイスは、高レートおよび低レイテンシ伝送をサポートし得る。無線ローカルエリアネットワーク適用シナリオの継続的な発展に伴い、マルチリンクデバイスは更に、より多くのシナリオに適用され、例えば、スマートシティにおけるセンサノード(例えば、スマート水道メータ、スマート電気メータ、または、スマート空気検出ノード)、スマートホームにおけるスマートデバイス(例えば、スマートカメラ、プロジェクタ、表示画面、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、または洗濯機)、インターネットオブシングスにおけるノード、エンタテインメント端末(例えば、AR、VR、または、別のウェアラブルデバイス)、スマートオフィスにおけるスマートデバイス(例えば、プリンタまたはプロジェクタ)、インターネットオブビークルにおけるインターネットオブビークルデバイス、または、日常生活のシナリオにおけるインフラストラクチャ(例えば、自動販売機、セルフサービスナビゲーションコンソール、セルフチェックアウトデバイス、または、セルフサービスフードマシン)として機能し得る。特定の形態のマルチリンクSTAおよびマルチリンクAPは、本願の実施形態において具体的に限定されるものではなく、本明細書における説明のための例に過ぎない。802.11シリーズプロトコルは、802.11be、802.11ax、802.11a/b/g/n/ac、および同様のものを含み得る。
【0134】
2.マルチ(Multipe)サービスセット識別子(Basic Service Set identifier, BSSID)モード
【0135】
マルチBSSID(multiple BSSID)セットは、いくつかの協調APの組み合わせであり、すべての協調APは、1つの動作クラス、1つのチャネル番号、および1つのアンテナインタフェースを共有する。マルチBSSIDセットにおいて、伝送(transmitted)BSSIDに対応する1つのAPのみがあり、他のAPは、非伝送(nontransmitted)BSSIDに対応するAPである。マルチBSSIDセット(すなわち、マルチBSSID要素)についての情報は、伝送BSSIDに対応するAPによって送信されるビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、または近隣レポートに保持される。非伝送BSSIDに対応するAPのBSSIDについての情報は、前述の受信されたビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、近隣レポートにおけるマルチBSSID要素または同様のものに基づいて導出される。
【0136】
マルチBSSID技術において、1つの物理的APが複数の論理APに仮想化され得る。各仮想APは1つのBSSを管理する。異なる仮想APは通常、異なるSSIDおよび権限、例えばセキュリティ機構または伝送機会などを有する。仮想化を通じて取得された複数のAPにおける1つの仮想APに対応するBSSIDは、伝送(Transmitted)BSSIDとして構成される。仮想APは伝送(Transmitted)APと称され得る。別の仮想APに対応するBSSIDは、非伝送BSSIDとして構成される。仮想APは、非伝送(nontransmitted)APと称され得る。概して、マルチBSSIDセットにおける複数のAPはまた、1つのAPデバイスを仮想化することによって取得される複数の協調APデバイスとして理解され得る。伝送BSSIDに対応するAPのみがビーコン(beacon)フレームおよびプローブ応答(Probe Response)フレームを送信できる。STAによって送信されたプローブ要求(Probe Request)フレームが、マルチBSSIDセット(set)における非伝送BSSIDに対応するAPについてのものである場合、伝送BSSIDに対応するAPは、プローブ応答フレームを用いてリプライすることを支援する必要がある。伝送BSSIDに対応するAPによって送信されたビーコンフレームはマルチBSSID要素を含み、非伝送BSSIDに対応するAPはビーコンフレームを送信できない。複数の仮想APによって管理されるステーションに対して複数の仮想APによって割り当てられた関連付け識別子(AID, association identifier)は1つの空間を共有し、すなわち、複数の仮想BSSによって管理されるステーションに割り当てられたAIDは同一であることができない。
【0137】
任意選択的に、表1に示されるように、マルチBSSID要素は、要素ID、長さ、最大BSSIDインジケータ、およびサブ要素を含む。最大BSSIDインジケータは、前述のマルチBSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数がnであることを示し、任意選択のサブ要素は、各非伝送BSSIDについての情報を含む。受信側は、参照BSSID、最大BSSIDインジケータ、およびBSSIDインデックスに基づいて、マルチBSSIDセットにおける各BSSIDの値を計算し得る。各BSSIDは48ビットを含む。マルチBSSIDセットにおける各BSSIDの最上位(48~n)ビットの値は、参照BSSIDの最上位(48~n)ビットの値と同一であり、マルチBSSIDセットにおける各BSSIDの最下位nビットの値は、2nを使用して、参照BSSIDの最下位nビットの値とBSSIDインデックスxの値との和に対して剰余演算を実行することによって取得される。参照BSSID(すなわち、伝送BSSID)は、マルチBSSID要素を含むフレーム(例えばビーコンフレーム)のMACヘッダにおけるBSSIDフィールドに保持される。具体的な計算方法については、802.11-2016規格プロトコルを参照されたい。
表1 マルチBSSID要素
【表1】
【0138】
表2は、表1における「任意選択のサブ要素」を示し得る。
表2 任意選択のサブ要素
【表2】
【0139】
表2において、非伝送BSSIDプロファイル(profile)は、非伝送BSSIDを有する、1または複数のAPまたはDMG STAの要素または複数の要素を含み、非伝送BSSIDプロファイル(profile)は、以下の要素を含むが、これらに限定されない。
【0140】
1.各非伝送BSSIDに含まれる必要がある、ビーコンにおける複数の他の要素、および、非伝送BSSID能力要素。
【0141】
2.SSID要素およびマルチBSSIDインデックス要素:マルチBSSIDインデックス要素はBSSIDインデックスフィールドを含む。
【0142】
3.マルチBSSID要素がビーコンに保持される場合に更に含まれるFMS記述子(descriptor)要素。
【0143】
4.以下の要素、すなわち、タイムスタンプおよびビーコンフレーム間隔フィールド(The Timestamp and Beacon Interval fields)、DSSSパラメータセット(DSSS Parameter Set)、IBSSパラメータセット(IBSS Parameter Set)、国(Country)、チャネル切り替え告知(Channel Switch Announcement)、拡張型チャネル切り替え告知(Extended Channel Switch Announcement)、広帯域幅チャネルスイッチ(Wide Bandwidth Channel Switch)、送信電力エンベロープ(Transmit Power Envelope)、サポートされる動作クラス(Supported Operating Classes)、IBSS DFS、ERP情報(ERP Information)、HT能力(HT Capabilities)、HT動作(HT Operation)、VHT能力(VHT Capabilities)、VHT動作(VHT Operation)、SIGビーコン互換性(SIG Beacon Compatibility)、短ビーコン間隔(Short Beacon Interval)、SIG能力(SIG Capabilities)、SIG動作(SIG Operation (11ah))および他の要素のいずれも含まない。これらの要素は通常、伝送BSSIDに対応するAPと同一の要素値を有する。
【0144】
5.任意選択の非継承(non-inheritance)要素:要素は非伝送BSSIDプロファイルにおける最後の要素である。非継承要素は、伝送BSSIDから継承できない、非伝送BSSIDにおける一連の要素のIDおよび要素IDエクステンションを含む。要素の具体的な内容はここで省略することに留意されたい。具体的には、表3に示されるように、非継承要素は、要素ID、長さ、要素IDエクステンション、要素IDリスト、および要素IDエクステンションリストを含む。要素IDエクステンション番号は、要素ID値が255であるときだけ存在する。
表3 非継承要素
【表3】
【0145】
3.AP発見および関連付け
【0146】
APに関連付けられ、APとの接続を確立するためには、ステーションはまず、スキャンを通じてAPを発見する必要がある。スキャンには、能動的スキャニングおよび受動的スキャニングの2つのタイプがある。
【0147】
受動的スキャニングは、チャネル上でAPによって送信された管理フレーム、例えば、ビーコンフレーム、関連付け応答フレーム、再関連付け応答フレーム、認証フレーム、またはプローブ応答フレームを受信することを意味する。例えば、ステーションは、異なるチャネル間で移行して、APによって送信されたビーコンフレームを検索する。ステーションがビーコンフレームを使用することによってAPのアドミッション制御情報を取得すると、ステーションは更に、プローブ要求(Probe Request)フレームおよびプローブ応答(Probe Response)フレームを交換することによって、他の追加情報をAPから取得し得る。
【0148】
能動的スキャニングとは、ステーションがビーコンフレームを検出しないとき、ステーションが能動的にブロードキャストプローブ要求(Probe Request)フレームを送信し、特定の条件が満たされた場合、プローブ要求フレームを受信するAPは、ランダムチャネルアクセスを開始して、プローブ応答フレームを用いてリプライし得ることを意味する。
【0149】
スキャンプロセスでは、高速スキャンにおいてステーションを支援するために、APは管理フレーム、例えばビーコン(Beacon)フレームまたはプローブ応答(Probe response)フレームに簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)を含み、ステーションが継続的にチャネルスキャンを実行することを防止する。これによりステーションのスキャン時間を低減する。加えて、現在関連付けられているAPの受信信号強度インジケータ(Received Signal Strength Indicator, RSSI)が特定の値に減少すること、または、他の理由に起因して基本サービスセット(Basic Service Set, BSS)移行が実行される必要があることをステーションが発見したとき、APは、BSS移行管理クエリ(BSS Transition management Query)フレーム、BSS移行管理要求(BSS Transition management Request)フレーム、または、BSS移行管理応答(BSS Transition management Response)フレームにおいて近隣レポート要素(Neighbor Report element)を含み得ることにより、周囲のBSSおよびBSSの関連情報をステーションに通知し、ステーションがBSS移行を実行することを支援する。以下では近隣レポート要素および簡素化近隣レポート要素を説明する。
【0150】
近隣レポート要素(Neighbor Report element):APが管理フレーム、例えば、ビーコンフレーム、関連付け応答フレーム、再関連付け応答フレーム、認証フレーム、またはプローブ応答フレームにおいて近隣レポート要素を保持する。スキャン中、ステーションは、APによって送信された管理フレームを受信し、管理フレームにおける近隣レポート要素に基づいて周囲のAPについての情報を取得し、次に、適切なAPに関連付けられることを選択する。
【0151】
具体的に、近隣レポート要素(Neighbor Report element)は、近隣APについての情報、および、近隣APが所属するBSSについての情報を説明する。APは、複数の近隣APの関連情報を示すために、複数の近隣レポート要素を保持し得る。
図3(c)は指示フォーマットを示す。
図3(c)から、近隣レポート要素は以下のフィールドを含み得るかことが分かる。
・レポートされた近隣APに対応するBSSIDを示すBSSIDフィールド
・近隣BSSIDの関連情報を示すBSSID info(BSSID情報)フィールド
・近隣BSSIDが位置する特定のチャネルを示すoperating class(動作クラス)フィールドおよびchannel number(チャネル番号)フィールド
・近隣BSSIDに対応するAPの物理層タイプを示すPHY type(PHYタイプ)フィールド
・いくつかの任意選択のサブ要素を保持するoptional subelement(任意選択のサブ要素)フィールド
【0152】
BSSID info(BSSID情報)フィールドは以下の情報フィールドを保持する。
・近隣APが到達可能かどうかを示すAP reachability(AP到達可能性)フィールド
・近隣APが既存の接続と同一のセキュリティ構成をサポートするかどうかを示すsecurity(セキュリティ)フィールド
・近隣APがレポート元APと同一の認証子を有するかどうかを示すkey scope(キー範囲)フィールド
・近隣APのいくつかの任意選択の能力情報を示すcapability(能力)フィールド
・近隣APおよびレポート元APが同一のモビリティドメインにあるかどうかを示すmobility domain(モビリティドメイン)フィールド
・近隣APのHT能力要素の内容(optional subelementフィールドに保持される)がレポート元APのHT能力要素の内容と同一であることを示すhigh throughput(高スループット)フィールド
・近隣APのVHT能力要素(VHT capabilities element)の内容がレポート元APのVHT能力要素の内容と同一であることを示すvery high throughput(超高スループット)フィールド
・近隣APが精密時間測定をサポートするかどうかを示すFTM(fine time measurement、精密時間測定)フィールド
・近隣APのHE能力要素(HE capabilities element)の内容がレポート元APのHE能力要素の内容と同一であることを示すhigh efficiency(高効率)フィールド
・近隣APによって送信されたビーコンがHE ER SU PPDU方式で送信されることを示すER(Extended range)BSS(拡張範囲BSS)フィールド
・近隣APおよびレポート元APが共位置APであるかどうかを示すco-located AP(共位置AP)フィールド
・近隣APが能動的なプローブ応答を可能にするかどうかを示すunsolicited probe response active(自発的プローブ応答アクティブ)フィールド
・近隣APが、2.4/5GHzのAPと共位置であり、拡張サービスセットのメンバであるかどうかを示す、member of ESS with 2.4/5 GHz co-located AP(2.4/5GHzの共位置APが位置するESS(extended service set、拡張サービスセット))フィールド
近隣APがチャネル上トンネル(On-channel tunneling, OCT)機構を使用することによって管理フレームタイプのMPDUの交換をサポートするかどうかを示す、OCT supported with reporting AP(近隣APでサポートされるOCT)フィールド、および、
・近隣APおよび6GHz APが共位置であるかどうかを示す、co-located with 6GHz AP(6GHz APと共位置)フィールド
【0153】
capabilities(能力)フィールドは更に、以下の情報フィールドを含み得る。
・近隣APがスペクトル管理機能をサポートするかどうかを示すspectrum management(スペクトル管理)フィールド
・近隣APがQoS機構をサポートするかどうかを示すQoSフィールド
・近隣APが自動節電供給機構をサポートするかどうかを示すAPSDフィールド、および、
近隣APが無線測定機能をサポートするかどうかを示すradio measurement(無線測定)フィールド。
【0154】
簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element):APは、管理フレーム、例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームに簡素化近隣レポート要素を含む。スキャン中、ステーションは、APによって送信された管理フレームを受信し、管理フレームにおける簡素化近隣レポート要素に基づいて周囲のAPについての情報を取得し、次に、適切なAPに関連付けられることを選択する。
【0155】
具体的には、簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)は通常、1または複数のneighbor AP infoフィールドを保持することにより、1または複数の近隣APについての情報、および、1または複数の近隣APが所属するBSSについての情報を説明する。
図3(d)は指示フォーマットを示す。
図3(d)から、簡素化近隣レポート要素は以下のフィールドを含み得ることが分かる。
TBTT info header(ターゲットビーコン伝送時間(target beacon transmission time, TBTT)情報ヘッダ)フィールドは以下の情報フィールドを保持する。
・TBTT info(TBTT情報)のタイプを示し、TBTT info length(TBTT情報長)フィールドと共にTBTT infoフィールドのフォーマットを示すTBTT info field type(TBTT情報フィールドタイプ)フィールド
・neighbor AP info(近隣AP情報)フィールドに保持されるすべてのBSSのSSIDがプローブ要求フレームにおけるSSIDと一致するかどうかを示す、filtered neighbor AP(フィルタリングされた近隣AP)フィールド
・reservedフィールド(1ビット)
・TBTT infoセットに含まれるTBTT infoフィールドの数を示すTBTT info countフィールド、および、
・各TBTT infoフィールドの長さを示すTBTT info length(TBTT情報長)フィールド
表4は、保持される異なる長さの具体的な情報のフォーマットを示す。
表4
【表4】
【0156】
以下では、TBTT情報長が12バイトであるときに存在するTBTT info(TBTT情報)フィールドの具体的なフォーマットを提供する。
・近隣APのビーコン送信時間とレポート元APのビーコン送信時間との間のオフセットを示すneighbor AP TBTT offset(近隣APのターゲットビーコン伝送時間オフセット)フィールド
・近隣APに対応するBSS識別子を示すBSSID(BSS識別子)フィールド
・近隣APが所属するサービスセット識別子を示すshort SSID(短サービスセット識別子)フィールド
・近隣APの関連パラメータを示し、
図3(e)に示されるように、以下の情報フィールドを含むBSS parameter(BSSパラメータ)フィールド
・近隣APがOCT機構を使用することによって管理タイプのMPDUをレポート元APと交換することを期待することを示す、OCT recommended(推奨されるチャネル上トンネル機構)フィールド
・近隣APおよびレポート元APが同一のSSIDを有するかどうかを示すsame SSID(同一サービスセット識別子)フィールド
・近隣APがマルチBSSIDセットの部分であるかどうかを示すmultiple BSSID(マルチ基本サービスセット識別子)フィールド
・近隣APがマルチBSSIDセットの一部である場合、近隣APが伝送BSSIDまたは非伝送BSSIDであるかどうかを示すtransmitted BSSID(伝送された基本サービスセット識別子)フィールド
・近隣APが2.4/5GHzのAPと共位置であって拡張サービスセットのメンバであるかどうか(すなわち、近隣APが6GHzのみのAPであるかどうか)を示す、member of ESS with 2.4/5 GHz co-located AP(2.4/5GHzのAPと共位置であって拡張サービスセットのメンバ)フィールド
・近隣APが能動的プローブ応答を可能にしているかどうかを示すunsolicited probe response active(
自発的プローブ応答アクティブ)フィールド、および、
・近隣APおよびレポート元APが共位置であるかどうかを示すco-located AP(共位置AP)フィールド
【0157】
本願の本実施形態において、近隣レポート要素(Neighbor Report element)または簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)において説明されるAPは、レポート先AP(レポート先アクセスポイント(AP)(reported access point (AP)):近隣レポート要素または簡素化近隣レポート要素などの要素として説明されるAP)であることに留意されたい。後述される近隣APは、レポート先APとして理解され得る。近隣レポート要素または簡素化近隣レポート要素を送信するAPはレポート元AP(reporting access point (AP):レポート先APを記述する、近隣レポート要素または簡素化近隣レポート要素などの要素を伝送するAP)である。
【0158】
どのようにステーションにAPマルチリンクデバイス(APマルチリンクデバイスにおけるAPは任意選択的にマルチBSSIDセットに所属する)を発見させるかは、当業者によって研究されている技術的問題である。
【0159】
図4を参照されたい。
図4は、本願の実施形態によるAPマルチリンクデバイス発見方法を示す。方法は、ステーション間、アクセスポイントとステーションとの間、および、アクセスポイント間で適用され得る。説明を容易にするべく、以下では、説明のための例として、アクセスポイントとステーションとの間の通信を使用する。本方法は、限定されることはないが、以下の段階を含む。
【0160】
段階S401:アクセスポイントAPが第1管理フレームをステーションへ送信する。
【0161】
第1管理フレームは、APマルチリンクデバイスを発見するためにステーションによって使用される情報を保持し、その結果、情報を受信するステーションは、対応するAPとの関連付けを確立できる。例えば第1管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームであり得る。第1管理フレームは、APマルチリンクデバイスまたはAPマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP(reporting AP)によって送信され得る。第1管理フレームを受信するステーションは、ステーションマルチリンクデバイスにおけるステーションであり得るか、または、シングルリンクステーションであり得る。別のタイプのBSS(例えば、メッシュ(mesh)BSSまたは独立(independent)BSS)において、第1管理フレームはまた、マルチリンクデバイスMLDに加入しているステーションによって送信され得る。第1管理フレームは代替的に、MLDに加入している、または、シングルリンクアクセスポイントであるアクセスポイントによって受信され得る。以下では、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元APが第1管理フレームをステーションへ送信する例を示す。
【0162】
本願の本実施形態において、例において、APマルチリンクデバイスは、複数のリンク上で移行して動作する1つの論理APを含み得る。別の例において、APマルチリンクデバイスは、n個の異なるリンク(link)上でそれぞれ動作するn個の論理APを含む。従って、n個のリンクがリンク識別子link1、link2、...、およびlinknによって表され得る。APのMACアドレスは異なる。APマルチリンクデバイスは、MLD MACアドレス(address)を使用することによって識別され、すなわち、MACアドレスは、APマルチリンクデバイス管理エンティティ(management entity)を識別するためのものである。APマルチリンクデバイスのMACアドレスは、マルチリンクAPに含まれるn個の論理APの1つのMACアドレスと同一であり得るか、または、n個の論理APのすべてのMACアドレスと異なり得る。例えば、APマルチリンクデバイスのMACアドレスは共通のMACアドレスであり、APマルチリンクデバイスを識別し得る。
【0163】
例において、APマルチリンクデバイスにおける1または複数の論理APは、1または複数のマルチ(Multiple)ベースサービスセット識別子(Basic Service Set Identifier, BSSID)セット(set)に所属し得る。例において、APマルチリンクデバイスにおける論理APは異なるマルチBSSIDセットに所属する。別の例において、APマルチリンクデバイスにおける複数の論理APは同一のマルチBSSIDセットに所属し得る。例えば、APマルチリンクデバイスにおける2つの論理APが1つのリンク上で動作する場合、2つの論理APは同一のマルチBSSIDセットに所属し得る。
【0164】
例えば、
図5に示されるように、マルチリンクデバイスのMACアドレスは、例えばMLD1であり、マルチリンクデバイスは、3つの論理AP、すなわちAP1、AP2およびAP3を含む。AP1、AP2およびAP3はそれぞれ、リンク1(link 1)、リンク2(link 2)、およびリンク3(link 3)上で動作する。AP1、AP2、およびAP3のMACアドレスはそれぞれ、BSSID_11、BSSID_21、およびBSSID_31である(802.11axの前は、APによって確立されたBSSのBSSIDはAP MACアドレスであり、その後変化し得る)。AP1はマルチBSSIDセット1のメンバであり、マルチBSSIDセット1は更に、MACアドレスがBSSID_13であるAP4を含む。AP2はマルチBSSIDセット2のメンバであり、マルチBSSIDセット2は更に、MACアドレスがBSSID_22であるAP5およびMACアドレスがBSSID_23であるAP6を含む。AP3はマルチBSSIDセット3のメンバであり、マルチBSSIDセット3は更に、MACアドレスがBSSID_32であるAP7、および、MACアドレスがBSSID_33であるAP8を含む。
【0165】
図6は、複数のマルチBSSIDセットにおける伝送BSSIDによって識別されるBSSにおけるAPが同一のAPマルチリンクデバイスに加入していないアーキテクチャを示す。説明を容易にするために、伝送BSSIDによって識別されるBSSにおけるAPは、伝送AP(伝送BSSIDに対応するAP)と称され得る。非伝送BSSIDによって識別されるBSSにおけるAPは、非伝送AP(非伝送BSSIDに対応するAP)と称される。MACアドレス識別子がxで終了するAPは、伝送BSSIDに対応するAPであり、MACアドレス識別子がyまたはzで終了するAPは、非伝送BSSIDに対応するAPである。例えば、マルチBSSIDセット1における伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_1xであるAP1であり、マルチBSSIDセット1における非伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_1yであるAP4である。マルチBSSIDセット2における伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_2xであるAP5であり、マルチBSSIDセット2における非伝送BSSIDに対応するAPは、アドレス識別子がBSSID_2yであるAP2、および、MACアドレス識別子がBSSID_2zであるAP6を含む。マルチBSSIDセット3における伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_3xであるAP3であり、マルチBSSIDセット3における非伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_3yであるAP7、および、MACアドレス識別子がBSSID_3zであるAP8を含む。異なるマルチBSSIDセットからの伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、伝送AP)が、異なるAPマルチリンクデバイスに分布していることが
図6から分かる。例えば、MACアドレスがBSSID-1xであるAP、および、MACアドレスがBSSID-2xであるAPはそれぞれ、APマルチリンクデバイスMLD1およびAPマルチリンクデバイスMLD2に位置する。
【0166】
図7は、複数のマルチBSSIDセットにおける伝送BSSIDによって識別されるBSSにおけるAPは、同一のAPマルチリンクデバイスに由来することを示す。説明を容易にするために、伝送BSSIDによって識別されるBSSにおけるAPは、伝送AP(伝送BSSIDに対応するAP)と称され得る。非伝送BSSIDによって識別されるBSSにおけるAPは、非伝送AP(非伝送BSSIDに対応するAP)と称される。MACアドレス識別子がxで終了するAPは、伝送BSSIDに対応するAPであり、MACアドレス識別子がyまたはzで終了するAPは、非伝送BSSIDに対応するAPである。例えば、マルチBSSIDセット1における伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_1xであるAP1であり、マルチBSSIDセット1における非伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_1yであるAP4である。マルチBSSIDセット2における伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_2xであるAP2であり、マルチBSSIDセット2における非伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_2yであるAP5、および、MACアドレス識別子がBSSID_2zであるAP6を含む。マルチBSSIDセット3における伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_3xであるAP3であり、マルチBSSIDセット3における非伝送BSSIDに対応するAPは、MACアドレス識別子がBSSID_3yであるAP7、および、MACアドレス識別子がBSSID_3zであるAP8を含む。異なるマルチBSSIDセットからの伝送BSSIDに対応するAP(すなわち、伝送AP)はすべて、APマルチリンクデバイスMLD1にあることが
図7から分かる。
【0167】
本願の本実施形態において、第1管理フレームは近隣APについての情報を保持する。例えば、近隣APについての情報は、近隣レポート要素または簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)に保持される。以下では簡素化近隣レポート要素を説明のための例として使用する。簡素化近隣レポート要素は、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP以外のAPについての情報を保持する必要がある。例えば、レポート元AP以外のAPについての情報は、レポート元AP以外のAPの動作クラス、チャネル番号、BSSID、または、短SSID、レポート元AP以外のAPがマルチBSSIDセットに所属しているかどうかについての情報、および、レポート元AP以外のAPが伝送BSSIDに所属しているかどうかについての情報のうち1または複数を含む。レポート元AP以外のAPがマルチBSSIDセットに所属する場合、マルチBSSIDセットにおける各APについての情報が更に含まれる。レポート元APの近隣APについての情報がレポート元APによってレポートされるとき、近隣APはレポート先APとも称されることが理解され得る。以下では、例を使用して簡素化近隣レポート要素を説明する。
【0168】
簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)は、第1情報(またはCo-MLDフィールドと称される)、第2情報(またはMLD multiple BSSIDフィールドと称される)、または、第3情報(またはsame MLDフィールドと称される)のうち1または複数を含む。
【0169】
第1情報は、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバAPと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0170】
第1情報を保持するフィールドは第1情報フィールドと称され得る。第1情報フィールドはまた、別の名称、例えば、Co-MLD(共MLD)フィールドを有し得る。
【0171】
任意選択的に、第1情報フィールドは、簡素化近隣レポート要素のBSS parameter(BSSパラメータ)フィールドまたはTBTT情報フィールドにおいて設定され得る。
図8(a)は、Co-MLDフィールドが、BSS parameter(BSSパラメータ)フィールドの予約(reserved)ビット(bit 7)である具体的な例を示す。
図8(a)における例1に示されるように、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入している場合、または、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属している場合、BSS paramterフィールドにおけるCo-MLDフィールドの指示ビットの値は1に設定される。レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していない、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していない場合、指示ビットの値は0に設定される。例2において、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかは、1つの指示ビットを使用することによって示され得る。例えば、指示ビットの値が1に設定されているとき、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していることを示す。指示ビットの値が0に設定されているとき、それは、レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入していないことを示す。加えて、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属しているかどうかが、別の指示ビットを使用することによって示され得る。例えば、指示ビットの値が1に設定されているとき、それは、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していることを示す。指示ビットの値が0に設定されているとき、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していないことを示す。2つの指示ビットがCo-MLDフィールドに保持される。更に別の例において、レポート先APは、レポート元APと同一のMLDに加入している、または、レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していると想定する。この場合、Co-MLDフィールドが1に設定されているとき、それは、レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入していること、または、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していることを示す。対照的に、レポート先APはレポート元APと同一のMLDに加入していない、または、レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していないと想定する。この場合、Co-MLDフィールドが0に設定されているとき、それは、レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入していない、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していないことを示す。
【0172】
図8(a)に示されるように、任意選択的に、TBTT情報フィールドは更にMLD-indexフィールドを含み得る。Co-MLDフィールドが1に設定されているとき、MLD-indexフィールドは、レポート元APおよびレポート先APが加入しているMLDのインデックスまたはMACアドレスを保持し、MLDを示す。Co-MLDフィールドが0に設定されているとき、TBTT情報フィールドは、MLD-indexフィールドを含み得る。MLD-indexフィールドは、予約、または、別の値に設定され得る。当然、TBTT情報フィールドは代替的に、MLD-indexフィールドを含まないことがあり得る。以下では更に、MLD-indexフィールドの他の例を説明する。
【0173】
第2情報は、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを示す。
【0174】
第2情報を保持するフィールドは、第2情報フィールドと称され得る。第2情報フィールドはまた、別の名称、例えばMLD multiple BSSIDフィールドを有し得る。第2情報フィールドは、簡素化近隣レポート要素のBSS paramterフィールドまたはTBTT情報フィールドにおいて設定され得、MLD multiple BSSIDフィールドは、簡素化近隣レポート要素のBSS paramterフィールドまたはTBTT情報フィールドにおける新しく追加されたフィールドであり得る。
【0175】
第3情報は、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかを示す。レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入している場合、第3情報は第7の値に設定される。レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していない場合、第3情報は第8の値に設定される。例えば、第3情報は1ビットを含む。ビットが1に設定されているとき、それは、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していることを示す。ビットが0に設定されているとき、それは、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していないことを示す。第3情報を保持するフィールドは第3情報フィールドと称され得る。第3情報フィールドは別の名称を有し得る。
【0176】
第3情報フィールドは、簡素化近隣レポート要素のBSS parameter(BSSパラメータ)フィールドまたはTBTT情報フィールドにおいて設定され得る。
図8(b)は例として使用される。第3情報フィールドは具体的には、簡素化近隣レポート要素のBSS paramterフィールドにおけるsame MLDフィールドであり得る。same MLDフィールドは、BSS paramterフィールドにおける予約(reserved)ビット(B7)であり得る。レポート先APがレポート元APと同一のMLDである場合、BSS paramterフィールドにおけるsame MLDフィールドにおける指示ビットの値が1に設定される。レポート先APがレポート元APと同一のMLDにない場合、指示ビットの値は0に設定される。
図8(b)は例として使用される。任意選択的に、TBTT情報フィールドは更にMLD-indexフィールドを含み得る。same MLDフィールドが1に設定されているとき、MLD-indexフィールドは、レポート元APおよびレポート先APが加入しているMLDのインデックスまたはMACアドレスを保持し、MLDを示す。same MLDフィールドが0に設定されているとき、TBTT情報フィールドは、MLD-indexフィールドを含み得る。MLD-indexフィールドは、予約、または、別の値に設定され得る。当然、TBTT情報フィールドは代替的に、MLD-indexフィールドを含まないことがあり得る。以下では更に、MLD-indexフィールドの他の例を説明する。
【0177】
第4情報は、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを示す。
【0178】
例えば、第4情報は具体的にはマルチBSSID指示ビットであり得る。マルチBSSID指示ビットは特定の値に設定される。例えば、マルチBSSID指示ビットは1ビットを含む。ビットが1に設定されているとき、それは、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属することを示す。代替的に、マルチBSSID指示ビットは別の特定の値に設定される。例えば、マルチBSSID指示ビットは1ビットを含む。ビットが0に設定されているとき、それは、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属していないことを示す。例えば、マルチBSSID指示ビットは、BSS paramterフィールドにおけるマルチBSSIDフィールドであり得る。
【0179】
第8情報は、レポート先AP(reported AP)のMLDインデックス(MLD-Index)を示す。第8情報を保持するフィールドは第8情報フィールドと称され得る。第8情報フィールドはまた、別の名称、例えばMLD-indexフィールドを有し得る。第8情報サブフィールドは、簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)のTBTT info(TBTT情報)フィールドにおいて設定され得る。任意選択的に、レポート元APが複数のレポート先APについてのレポートを実行する必要があるとき、複数のレポート先APの各々はMLDインデックスに対応し、MLDインデックスは、異なるMLDを区別するために使用され得る。従って、2つのレポート先APのMLDインデックスが同一であるとき、それは、2つのレポート先APが同一のMLDに加入していることを示す。例えば、MACアドレスがBSSID-2xであるレポート先APが加入しているMLDのMLDインデックス、および、MACアドレスがBSSID-3yであるレポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスの両方が2である場合、それは、2つのレポート先APが両方ともMLD2に加入していることを示す。任意選択的に、同一のレポート先APが異なるレポート元APによってマークされるとき、マークされたMLDインデックスは同一であり得る、または異なり得る。任意選択的に、MLD-indexフィールドはMLDインデックスを保持し得るか、または、MLD MACアドレス、MLD識別子、または同様のものを保持し得る。
【0180】
任意選択的に、MLD-indexフィールドの特殊な値は、レポート先APおよびレポート元APが同一のMLDに加入しているかどうかを示し得る。例えば、レポート先APおよびレポート元APが同一のMLDに加入している場合、特殊MLDインデックス値(例えば、すべて0)が第8情報に保持されて、MLDのインデックスを示し得、それにより、レポート先APおよびレポート元APが同一のMLDに加入していることを示す。その後、受信側(例えば、ステーション)が特殊MLDインデックス値を読むとき、受信側は、レポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスを直接取得できないが、受信側は、レポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスがレポート元APのMLDインデックスと同一であると認識し得る。受信側は、レポート元APが加入しているMLDのMLDインデックスを第1管理フレームから取得し得るので、受信側は、レポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスを取得できる。
【0181】
任意選択的に、レポート先APがいずれのMLDにも加入していない場合、レポート先APは対応するMLDインデックスを有しない。従って、特殊MLDインデックス値(例えば255に設定される)が第8情報に保持され、レポート先APが対応するMLDインデックスを有しないことを示し得る(言い換えれば、第8情報の特殊な値(例えば、255に設定される)は、レポート先APがいずれのMLDにも加入していないことを示す)。当然、レポート先APがいずれのMLDにも加入していない場合、レポート先APは、仮想APマルチリンクデバイスMLDに加入しているともみなされ得る。仮想APマルチリンクデバイスMLDは1つのAPを含む。この場合、レポート先APが加入している仮想MLDはまた、通常のMLDインデックスを有するが、別のAPが加入しているMLDのMLDインデックスは、レポート元APが加入している仮想MLDのMLDインデックスと異なる。
【0182】
実施形態において、レポート先APがレポート元APと同一のMLDにある、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属している場合だけ、第8情報は、簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)に保持され得る。以下では、説明のために例を用いる。
【0183】
任意選択的に、第1情報は、レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入している、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを示し得る。レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入している、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属している場合、第1情報は第3の値を保持し得る。レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入していない、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していない場合(すなわち、レポート先APは、レポート元APと同一のMLDにない、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していない)、第1情報は第4の値を保持し得る。例えば、第1情報は1つのビットを含む。ビットが1に設定されているとき、それは、レポート先APはレポート元APと同一のMLDに加入している、または、レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していることを示す。ビットが0に設定されているとき、それは、レポート先APは、レポート元APと同一のMLDに加入していない、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していないことを示す。任意選択的に、第3情報は、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していることを示し得る。更に、第8情報は、簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)に保持される。
【0184】
例えば、
図8(a)に示されるように、Co-MLDフィールドにおける第1情報が、レポート先APがレポート元APと同一のMLDにある、または、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していることを示す場合、第8情報はMLD-indexフィールドに保持される。
【0185】
任意選択的に、
図8(b)に示されるように、same MLDフィールドが、レポート先APがレポート元APと同一のMLDにあることを示す場合、第8情報はMLD-indexフィールドに保持される。例えば、
図6は例として使用される。MACアドレスがBSSID-1xであるAPはレポート元APであると想定すると、MACアドレスがBSSID-2xであるAP、および、MACアドレスがBSSID-2yであるAPは、2つのレポート先APである。MACアドレスがBSSID-2yであるレポート先AP、および、MACアドレスがBSSID-1xであるレポート元APは、同一のMLDにあるので、MACアドレスがBSSID-2xであるレポート先APに対応する簡素化近隣レポート要素の第1情報フィールドは第3の値を保持する。加えて、MACアドレスがBSSID-2xであるレポート先APは、MACアドレスがBSSID-1xであるレポート元APと同一のMLDに加入していないが、MACアドレスがBSSID-2xであるレポート先APは、MACアドレスがBSSID-1xであるレポート元APが加入しているMLDにおける、MACアドレスがBSSID-2yであるAPと同一のマルチBSSIDセットに所属する。従って、MACアドレスがBSSID-2yであるレポート先APに対応する簡素化近隣レポート要素の第1情報フィールドは第3の値を保持する。第1情報が第3の値を保持するとき、対応するフィールドが簡素化近隣レポート要素に追加され、第8情報を保持する。
【0186】
別の実施形態において、第8情報は、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属しているときだけ、簡素化近隣レポート要素に保持され得る。以下では、例を使用して説明を提供する。
【0187】
任意選択的に、第2情報は、レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを示し得る。レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属している場合、第2情報は第5の値を保持する。レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していない場合、第2情報は第6の値を保持する。例えば、第1情報は1つのビットを含む。ビットが1に設定されているとき、それは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していることを示す。ビットが0に設定されているとき、それは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していないことを示す。第2情報に保持される値が第5の値であるとき、対応するフィールドが簡素化近隣レポート要素に追加され、第8情報を保持する。
【0188】
更に別の例において、第4情報が、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属することを示す、例えば、BSS paramterフィールドにおけるマルチBSSIDフィールドが、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属することを示す場合、TBTT情報フィールドはまた、MLD-indexフィールドを保持し得る。
【0189】
本願の本実施形態において、レポート元APが加入しているMLDのメンバについて、具体的に以下の通りである2つの可能性がある。
1.レポート元APが加入しているMLDの任意のメンバ、および、
2.レポート元APが加入しているMLDのレポート元AP以外の任意のメンバ。
本願において、任意のレポート元APが加入しているMLDのメンバについて、前述の2つの可能性がある。詳細は他の場所で説明されない。
【0190】
第9情報は、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのマルチBSSIDセットインデックス(Multiple BSSID set-index)を示す。第9情報を保持するフィールドは、第9情報フィールドと称され得る。第9情報フィールドはまた、別の名称、例えばmultiple BSSID set-indexフィールドを有し得る。第9情報フィールドは、簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)のTBTT infoフィールドにおいて設定され得る。任意選択的に、multiple BSSID set-indexフィールドは、マルチBSSIDセットのインデックスまたはIDに保持され得る。
【0191】
任意選択的に、方式1において、以下の条件の両方が満たされたときだけ、第9情報は簡素化近隣レポート要素に保持され得る。
【0192】
条件1:レポート先APがマルチBSSIDセットに所属する。
【0193】
条件2:レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入しているか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属する。
【0194】
任意選択的に、方式2において、第9情報は、以下の条件が満たされたときに解析される。
【0195】
条件1:レポート先APが、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属する。
【0196】
任意選択的に、方式3において、第9情報は、以下の条件が満たされたときに解析される。
【0197】
条件1:レポート先APがマルチBSSIDセットに所属する。
【0198】
例えば、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属する場合、BSS paramterフィールドにおけるマルチBSSID指示ビットは、第1の値に設定され、例えば1に設定される。レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属する場合、Co-MLDフィールドの値は1である。マルチBSSID指示ビットおよびCo-MLDフィールドの両方が1に設定されている場合、multiple BSSID set-indexフィールドがTBTT infoフィールドに追加される。任意選択的に、条件1が満たされたときだけ、新しいmultiple BSSID set-indexフィールドもTBTT infoフィールドに追加され得る。
【0199】
複数のマルチレポート先APの簡素化近隣レポート要素が同一の第9情報(例えばマルチBSSIDセットインデックス)を含む場合、それは、複数のレポート先APが同一のマルチBSSIDセットにおけるAPであることを示すことが理解され得る。任意選択的に、レポート先APがレポート元APと同一のマルチBSSIDセットにあるとき、レポート先APの簡素化近隣レポート要素におけるマルチBSSIDセットインデックスは、特殊な値(例えば0)に設定され得る。その後、レポート先APの簡素化近隣レポート要素におけるマルチBSSIDセットインデックスが特殊な値であることを読んだ後に、受信側は、レポート先APがレポート元APと同一のマルチBSSIDセットにあると決定し得る。別の方式において、同一のマルチBSSIDセットにおける各APについての情報は、レポート元APによって、第1管理フレームに保持されるマルチBSSID要素に基づいて認識され得る。
【0200】
当然、前述の2つの条件が満たされない場合、TBTT infoフィールドはまた、multiple BSSID set-indexフィールドを含み得る。フィールドは予約値であるか、または、任意のマルチBSSIDセットを示さない。条件1および条件2が満たされる場合だけmultiple BSSID set-indexフィールドが保持される解決手段、ならびに、条件1が満たされるときだけmultiple BSSID set-indexフィールドが保持される解決手段において、シグナリングオーバヘッドは、より低い。
【0201】
任意選択的に、レポート元APと同一のマルチBSSIDセットにおけるレポート元AP以外のメンバについての情報は、簡素化近隣レポート要素に保持されるのではなく、管理フレームに保持されるマルチBSSID要素によって示され得る。
【0202】
第8情報、第9情報、第1情報、第2情報、第3情報、または第4情報のうち1または複数を含むことに加えて、簡素化近隣レポート要素は更に、第5情報、第6情報、または第7情報のうち1または複数を含み得る。
【0203】
第5情報は、レポート先APのリンク識別子(Link ID)を示す。同一のAPマルチリンクデバイスMLDに含まれる複数のAPの各々は、一意のリンク識別子(Link ID)を占有すると理解され得る。従って、決定されたリンク識別子(Link ID)に対応するAPは、リンク識別子(Link ID)に基づいて一意に決定され得る。本願の本実施形態において、リンクIDは、動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(channel number)、レポート先AP MACアドレス、または、動作クラス、チャネル番号、およびレポート先AP MACアドレスのうち複数の組み合わせに1対1で対応し得る。従って、特定のレポート先APのBSSパラメータが、レポート元APによって送信された第1管理フレームまたは別の管理フレームに保持される必要がある場合、レポート先APに対応するリンク識別子(Link ID)が直接に追加され得、受信側が、情報を繰り返し示すことなく、レポート先APに対応するリンク識別子(Link ID)に基づいて、対応する動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(channel number)およびレポート先AP MACアドレスなどの情報を決定し得る。これによりオーバヘッドを低減する。
【0204】
例えば、
図8(c)に示されるように、Co-MLDフィールドにおける第1情報が、レポート先APが、レポート元APと同一のMLDにあること、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属することを示す場合、第8情報はMLD-indexフィールドに保持される。加えて、第9情報は更にmultiple BSSID set-indexフィールドに保持され得る。第5情報はLink IDフィールドに保持され得る。当然、
図8(b)に示されるTBTT情報フィールドは更に、Link IDフィールドおよびmultiple BSSID set-indexフィールドを含み得る。
【0205】
第6情報は、レポート元APのリンク識別子(Link ID)、および/または、レポート元APが加入しているMLDのMACアドレス(Address)を示す。レポート元APのリンク識別子(Link ID)の使用原理については、第5情報におけるレポート先APの使用原理についての説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。加えて、レポート元APが加入しているMLDのMACアドレス(Address)は、レポート先APが加入しているMLDのMACアドレスを決定することを助ける。前述の解決手段において述べられたように、レポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスが、レポート元APが加入しているMLDのMLDインデックスと同一である場合、レポート先APが加入しているMLDのMLDインデックスは単純に第1の値によって表され得る。従って、第1の値に基づいて、レポート先APのMLDインデックスがレポート元APと同一であると決定された後に、レポート先APが加入しているMLDのMACアドレス(MLDインデックスとして使用され得る)は更に、レポート元APが加入しているMLDの示されたMACアドレスに基づいて決定され得る。加えて、APが加入しているMLDのMACアドレスは更に、マルチリンクデバイス間の関連付けを確立するためのものであり得、例えば、インタラクションプロセスにおける、プローブ要求フレーム/プローブ応答フレーム、認証要求フレーム/認証応答フレーム、および関連付け要求フレーム/関連付け応答フレームに保持され得る。
【0206】
任意選択的に、第6情報は、簡素化近隣レポート要素にないことがあり得るが、依然として、第1管理フレーム、例えば、第1管理フレームのMLD要素にある。MLD要素は、同一のMLDにおける複数のAPについての情報、または、1または複数のシングルリンクAPについての情報を示す。
【0207】
図17に示されるように、MLD要素は、共通制御フィールド、MLD共通情報フィールド、および1または複数の任意選択のサブ要素を含む。任意選択的に、MLD共通情報フィールドはMLD MACアドレスフィールドを含み、任意選択的に、フィールド、例えば認証アルゴリズムフィールドを含む。MLD MACアドレスフィールドは、MLD要素によって示されるMLDのアドレスを示し、アドレスは1つのMLDを識別するためのものである。任意選択的に、MLDのアドレスは、MLDのMACアドレス(address)である。言い換えれば、MACアドレスは、APマルチリンクデバイス管理エンティティ(management entity)を識別するためのものである。APマルチリンクデバイスのMACアドレスは、マルチリンクAP MLDに含まれるn個のAPの1つのMACアドレスと同一であり得るか、または、n個のAPのすべてのMACアドレスと異なり得る。例えば、APマルチリンクデバイスのMACアドレスは共通のMACアドレスであり、マルチリンクAPを識別し得る。
【0208】
任意選択的に、共通制御フィールドは、MLDアドレス既存フィールド(または、MLDアドレス存在フィールド、または、MLDアドレス存在識別子と称される)を含み、MLD共通情報フィールドにMLDアドレスフィールドがあるかどうかを示す。任意選択的に、共通制御フィールドは更に、認証アルゴリズム存在フィールドを含み、MLD共通情報フィールドに認証アルゴリズムフィールドがあるかどうかを示す。任意選択的に、「存在フィールド」は1ビットを含み得る。第1の値は、対応するフィールドが存在することを示し、第2の値は、対応するフィールドが存在しないことを示す。例えば、第1の値は1であり、第2の値は0である。
【0209】
任意選択的に、1つのMLD要素は更に、1または複数のサブ要素を含み、1つのサブ要素は、マルチAPマルチリンクデバイスにおける1つのAPについての情報を記述する。各サブ要素の内容は、APのリンク識別子を含む。任意選択的に、各サブ要素は更に、APに関連するフィールド、例えば、SSIDフィールド、タイムスタンプ(timestamp)フィールド、ビーコン間隔フィールド、および、APの要素などを含む。APの要素は、例えば、BSSロード要素、EHT能力要素、または、EHT動作要素である。
【0210】
AP MLD発見機構において、AP MLDにおけるレポート元AP(マルチBSSIDセットにおける非伝送AP以外の任意のAPは、レポート元APとして機能し得る)は、レポート元APが動作するリンク上で、第1管理フレーム、例えば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームを送信する。送信された簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element,RNR要素)に加えて、MLD要素が更に保持される必要がある。MLD要素は、AP MLDの共通情報、および、各APの具体的な情報を示し得る。これにより、STA MLDは、最適なAP MLDとのマルチリンク関連付けを確立するように選択することを助けることができる。過度に長い第1管理フレームを回避するべく、第1管理フレームは、各APに対応するサブ要素についての情報を保持することなく、MLD要素のMLD共通情報のみを保持する。
図18に示されるMLD要素の前半部分は、MLD MACアドレス、リンク識別子、またはMLDインデックスのうち1または複数またはすべてを含み、任意選択的に、認証アルゴリズムフィールドを更に含む。リンク識別子はレポート元APを示す。詳細は第6情報において記述され、本明細書において再び記述されない。MLDインデックスはAP MLDインデックスを示し、RNR要素における第8情報によって示されるMLDインデックスと整合する。具体的には、同一のAP MLDについて、RNR要素によって使用されるMLDインデックスは、MLD要素におけるMLDインデックスと同一である。例えば、
図6に示されるように、MLD1におけるレポート元APはBSSID-1xであると想定される。この場合、レポート元APによって送信された第1管理フレームはRNR要素を保持する。RNR要素は、BSSID-2y、BSSID-3x、BSSID-2x、BSSID-3y、BSSID-1y、およびBSSID-2zなどのAPについての情報を保持し、任意選択的に、BSSID-3zについての情報を保持する。この場合、第1管理フレームは更に、MLD1のMLD要素の前半部分、MLD2のMLD要素の前半部分、および、MLD3のMLD要素の前半部分を追加的に保持し、任意選択的に、BSSID-3zを示す特殊MLD要素の前半部分を含む。特殊MLD要素のMLDインデックスは、特殊な値、例えば255に設定される。MLD MACアドレスはAP MACアドレスであるか、または、存在しない。リンク識別子は単一のAPのリンク識別子である。
【0211】
レポート元APによって送信されたRNR要素は、レポート先APについての以下の情報を含む必要がある。
(1)レポート元APと同一のAP MLDに加入しているすべてのAP、または、レポート元APが加入しているAP MLDにおけるすべてのAP、
(2)レポート元APと同一のマルチBSSIDセットにおける非伝送APが加入しているAP MLDにおけるすべてのAP、または、レポート元APが所属するマルチBSSIDセットにおける非伝送APが加入しているAP MLDにおけるすべてのAP、または
(3)以下の2つの条件、すなわち、(1)AP MLDにおける少なくとも1つのAPが、レポート元APが加入しているAP MLDにおける1つのAPと同一のマルチBSSIDセットにあること、および、(2)AP MLDにおけるAPがレポート元APと同一のリンク上で動作しないことを満たす、AP MLDにおけるすべてのAP。特殊なケースにおいて、AP MLDは1つのAPのみを含む。任意選択的に、AP MLDは、6GHzで動作するAPを含む。任意選択的に、AP MLDは、1つのAPのみを含むAP MLDであり得る。
【0212】
条件1および2を満たすAP MLDについては、情報を取得した後に、STA MLDにおけるステーションは、直接的に、現在のリンク上でプローブ応答フレームを送信するか、または、現在のリンク上でビーコンフレームを受信し得る。プローブ要求フレームは、MLD要素の第1の部分を保持するか、または、1または複数のAPのリンク識別子または複数のリンク識別子を更に保持し、対応するAP MLDの完全な情報を取得し、すなわち、対応するAP MLDにおける各APの詳細な情報を更に含む。STA MLDにおけるステーションは、複数のAPの詳細な情報を指定し、次に、AP MLDとのマルチリンク関連付けを確立するか、または、スキャン無しで、AP MLDとのマルチリンク関連付けを直接確立する。MLD要素の前半部分において、MLD MACアドレスは、特殊なMACアドレスであり得るか、または、MLDインデックスは、特殊MLDインデックスに設定され、周囲のすべてのAPのMLD情報を取得する。STA MLDの要求を受信した後に、AP MLDにおけるAPはプローブ応答フレームを送信する。プローブ応答フレームは、STA MLDの要求の内容を含み、例えば、1または複数のMLD要素を保持する。任意選択的に、各MLD要素はMLDインデックスを含む。
【0213】
条件3を満たすAP MLDは、任意選択的に、6GHzで動作するAPを含む。STA MLDは、別のリンクに対してスキャンを実行することなく、AP MLDについての情報を直接取得し得る。STA MLDがAP MLDに関心がある、例えば、適切な周波数バンドにある場合、STA MLDは更に、前述のプローブ要求フレームを送信し得るか、または、AP MLDにおける1つのAPによって送信された具体的な情報を対応するリンク上で受信し得、次に、AP MLDとのマルチリンク関連付けを確立するか、または、スキャン無しでAP MLDとのマルチリンク関連付けを直接的に確立する。STA MLDの要求を受信した後に、AP MLDにおけるAPはプローブ応答フレームを送信する。プローブ応答フレームは、STA MLDの要求の内容を含み、例えば、1または複数のMLD要素を保持する。任意選択的に、各MLD要素はMLDインデックスを含む。
【0214】
STA MLDにおける1つのSTAによって送信されたプローブ要求フレームに保持されるMLD要素の前半におけるMLD共通情報は、1または2つのフィールドのみを含み得、すべてのフィールドを保持する必要はなく、例えば、MLDインデックスまたはMLD MACアドレスを保持する。
【0215】
図6は例として使用される。以下の条件が含まれる。
(1)BSSID-1xを有するレポート元APと同一のAP MLD1におけるすべてのAP、すなわち、BSSID-2yおよびBSSID-3x
(2)BSSID-1xを有するレポート元APと同一のマルチBSSIDセット1における非伝送AP(すなわち、BSSID-1y)が加入しているAP MLD3におけるすべてのAP:BSSID-1yおよびBSSID-2z、および、
(3)AP MLD2、すなわち、
図6における前述の2つの条件を満たすAP MLDにおける2つのAP:BSSID-2x、BSSID-3y、ここで、AP MLD2におけるBSSID-2xは、AP MLD1におけるAP 2yと同一のマルチBSSIDセット2であり、AP MLD2におけるAPはBSSID-1xと同一のリンク上に無い。任意選択的に、
図6における前述の2つの条件を満たすAP MLDは代替的に、1つのAPのみ、すなわち、BSSID-3zを含む。
【0216】
加えて、
図18に示されるMLD要素の前半部分は更に共通制御フィールドを含む。共通制御フィールドは、MLD MACアドレス存在フィールド、リンクID存在フィールド、MLDインデックス存在フィールド、およびサブ要素存在フィールドのうち1または複数またはすべてを含み、任意選択的に認証アルゴリズムフィールドを含む。MLD MACアドレス存在フィールドは、MLD共通情報がMLD MACアドレスフィールドを含むかどうかを示す。リンクID存在フィールドは、MLD共通情報がLink IDフィールドを含むかどうかを示す。MLDインデックス存在フィールドは、MLD共通情報がMLD-indexフィールドを含むかどうかを示す。前述のフィールドは1つのビットを使用することによって示され得る。例えば、1は存在することを示す。0は存在しないことを示す。1つのフィールドの2つの値が使用され、第1の値は存在することを示し、第2の値は存在しないことを示す。
【0217】
図17に示されるMLD要素の前半は代替的に、
図18に示されるMLD要素の前半と置き換えられ得、それにより、AP MLDは更なる詳細な情報をステーションMLDに提供することが理解されるべきである。例えば、MLD要素の前半は、プローブ応答フレームまたは関連付け応答フレームに配置される。任意選択的に、共通制御フィールドは、MLD共通情報存在フィールドを含み、MLD共通情報が存在するかどうか、または、MLD共通情報フィールドにおけるMLD MACアドレスまたはMLDインデックス以外のフィールドが存在するかどうかを示し、情報の反復を更に低減することを助ける(この場合、STA MLDは情報のこの部分を認識した)。
【0218】
レポート元APがマルチBSSIDセットに所属する場合、レポート元APは更に、非伝送プロファイルを含むマルチBSSID要素を送信して、1または複数の非伝送APについての情報を示す必要がある。1つの非伝送APが1つのAP MLDに由来する場合、
図18に示されるMLD要素の第1の部分、または、
図17に示されるMLD要素の完全部分は更に、非伝送APについての情報に配置され得る。
【0219】
第7情報は、第1管理フレームがすべての第1レポート先APについての情報を保持するかどうかを示す。第1レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバである。別の方式において、第7情報は、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を管理フレームが保持するかどうかを示す。第7情報は、簡素化近隣レポート要素、第1管理フレームにおける別の既存の要素、または、第1管理フレームに新しく追加された要素に位置し得る。理解を容易にするべく、以下では、第7情報の複数の任意選択の指示の例を提供する。
【0220】
例1:第7情報は特定のフィールド(例えば、「完全フィールド」と称され得る)に保持される。特定のフィールドは、レポート元APが、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を管理フレームにおいて含むかどうかを示す。例えば、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報をレポート元APが管理フレームにおいて含む場合、第7情報は具体的には、ある値、例えば1に設定され得る。すべての第1レポート先APについての情報、または、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報をレポート元APが管理フレームにおいて含まない場合、第7情報は具体的には、別の値、例えば0に設定され得る。
【0221】
第7情報を取得した後に、受信側は、すべてのレポート先APに対応する関連情報が受信されたかどうかを認識し得る。
【0222】
例2:第7情報は特定のフィールド(例えば、「完全フィールド」と称され得る)に保持される。特定のフィールドは、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのすべてのメンバについての情報をレポート元APが送信するのに必要な情報周期の数を示す。1つの情報期間は、具体的には、1つのビーコンフレーム、または、2つのビーコンフレーム、または、時間の長さを測定できる別の時間単位であり得る。
【0223】
第7情報を取得した後に、受信側は、すべてのレポート先APに対応するすべての関連情報が受信されたかどうかを認識し得る。すべてのレポート先APに対応するすべての関連情報が受信されていない場合、受信側は更に、すべての関連情報を受信するためにいくつの情報周期が依然として必要であるかを認識し得る。
【0224】
本願の本実施形態において、レポート元APが加入しているMLDのメンバについて、具体的に以下の通りである2つの可能性がある。
1.レポート元APが加入しているMLDの任意のメンバ、および、
2.レポート元APが加入しているMLDのレポート元AP以外の任意のメンバ。
本願において、任意のレポート元APが加入しているMLDのメンバについて、前述の2つの可能性がある。詳細は他の場所で説明されない。
【0225】
本願の本実施形態において、第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバには2つの可能性がある。具体的には以下の通りである。
1.第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットの任意のメンバ、および、
2.第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットにおける第1レポート先AP以外の任意のメンバ。
本願において、任意の第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバには前述の2つの可能性があり、詳細は他の場所で説明されない。
【0226】
本願の本実施形態において言及されるTBTT情報フィールドに配置される情報は、第8情報、第9情報、第1情報、第2情報、第3情報、第4情報、または第5情報のうち1または複数を含む。第1情報、第2情報、第3情報、第4情報、または第5情報の1または複数は、TBTT情報フィールドにおけるBSS paramterフィールドに保持される。従って、BSS paramterフィールドは、1または2バイトの長さを有し得る。BSS paramterフィールドの長さが2バイトに変更された場合、BSS paramterフィールドは、表4における1バイトBSS paramterフィールドおよび1バイトBSSパラメータエクステンションフィールドと同等である。第8情報は1バイトの長さを有し、第9情報は1バイトの長さを有する。
【0227】
従って、TBTT information length(TBTT情報長)フィールドは、各TBTT infoフィールドの長さを示す。表5は、保持される異なる長さの具体的な情報のフォーマットを示す。13バイトの長さ、14バイトの長さ、または、15バイトの長さの1または複数が追加される。
表5
【表5】
【0228】
当然、BSS paramterフィールドの長さは代替的に、別のバイト数、例えば、3バイト、4バイト、または5バイトであり得る。第8情報の長さは、代替的に、別のバイト数、例えば、2~6バイトであり得る。第9情報の長さは、代替的に、別のバイト数、例えば、2~6バイトであり得る。
【0229】
段階S402:ステーションが第1管理フレームを受信する。
【0230】
具体的には、第1管理フレームを受信した後に、ステーションは解析を通じて、第1管理フレームにおける情報、例えば、第1管理フレームにおける簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)、および、レポート元APに対応するマルチBSSID要素を取得する。以下では、解析を通じて簡素化近隣レポート要素における情報をどのように取得するかについて焦点を当てる。
【0231】
簡素化近隣レポート要素において保持される、第8情報、第9情報、第1情報、第2情報、第3情報、第4情報、第5情報、第6情報、および第7情報における具体的な情報は、解析を通じてステーションによって取得される。概して、簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)が、1または複数のneighbor AP infoフィールドを保持する場合、1または複数のレポート先APに対応するターゲット情報(第8情報、第9情報、第1情報、第2情報、第3情報、第4情報、第5情報、第6情報、または第7情報のうち少なくとも1つを含む)は、それに対応して解析を通じて取得される。簡素化近隣レポート要素(Reduced Neighbor Report element)が1または複数のneighbor AP infoフィールドを保持する場合、すなわち、ケース1において、各neighbor AP infoフィールドが1つのレポート先APの情報に対応し、ケース2において、複数のレポート先APが1つの動作クラスおよび1つのチャネル番号を共有する場合、1つのneighbor AP infoフィールドは、複数のレポート先APの情報を含み得る。この場合、neighbor AP infoフィールドにおけるTBTT情報フィールドの各々は、1つのレポート先APの他の情報を含む。ケース2において、任意選択的に、レポート先APに対応するすべてのTBTT情報フィールドの長さは同一である。長さが異なる場合、各レポート先APは、1つのneighbor AP infoフィールドのみを使用して示され得る。
【0232】
以下では、レポート先APの1つに対応するneighbor AP infoフィールドにおけるターゲット情報をステーションが受信する例を使用することによって説明を提供する(他のレポート先APに対応するneighbor AP infoフィールドにおけるターゲット情報の原理は同様であり得る)。詳細は以下のとおりである。
【0233】
解析を通じて第1情報が取得された場合、ステーションは、第1情報に基づいて、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを認識し得る。例えば、第1情報に保持される値が第3の値(例えば1)であるとき、ステーションは、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入していると、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していると決定する。第1情報に保持される値が第4の値(例えば0)である場合、ステーションは、レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入していないと、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属していないと決定する。
【0234】
第2情報が解析を通じて取得される場合、ステーションは、第2情報に基づいて、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを認識し得る。例えば、第2情報に保持される値が第5の値(例えば1)であるとき、ステーションは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していると決定する。第2情報に保持される値が第6の値(例えば0)であるとき、ステーションは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していないと決定する。
【0235】
任意選択的に、ステーションが第1情報に基づいて、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入していると、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していると決定し、第2情報に基づいて、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していると決定する場合、ステーションは更に、第8情報を解析し、すなわち、レポート先APのMLDインデックス(MLD-Index)を解析して取得する。当然、第1情報および第2情報が存在しない場合、ステーションは直接的に、第8情報を解析することを試行し得る。
【0236】
第3情報が解析を通じて取得された場合、ステーションは、第3情報に基づいて、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかを認識し得る。例えば、第3情報に保持される値が第7の値(例えば1)であるとき、ステーションは、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していると決定し得る。第3情報に保持される値が第8の値(例えば0)であるとき、ステーションは、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していないと決定し得る。
【0237】
第4情報が解析を通じて取得される場合、ステーションは、第4情報に基づいて、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを認識し得る。例えば、第4情報は具体的にはマルチBSSID指示ビットであり得る。マルチBSSID指示ビットが特定の値(例えば1であり得る)に設定されているとき、それは、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属していることを示す。マルチBSSID指示ビットが別の特定の値(例えば0であり得る)に設定されるとき、それは、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属していないことを示す。
【0238】
任意選択的に、方式1において、第9情報は、以下の条件がすべて満たされたときに解析される。
【0239】
条件1:レポート先APがマルチBSSIDセットに所属している。
【0240】
条件2:レポート先APが、レポート元APと同一のMLDに加入しているか、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属している。
【0241】
任意選択的に、方式2において、第9情報は、以下の条件が満たされたときに解析される。
【0242】
条件1:レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに所属する。
【0243】
任意選択的に、方式3において、第9情報は、以下の条件が満たされたときに解析される。
【0244】
条件1:レポート先APがマルチBSSIDセットに所属する。
【0245】
レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのマルチBSSIDセットインデックスは第9情報から認識され得ることが理解され得る。
【0246】
解析を通じて第5情報が取得された場合、レポート先APのリンク識別子(Link ID)が取得され得る。リンクIDが動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(channel number)、レポート先AP MACアドレス、または、動作クラス、チャネル番号、もしくはレポート先AP MACアドレスのうち1または複数の組み合わせに1対1に対応するので、ステーションが、レポート先APの動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(channel number)、および、レポート先APのMACアドレスなどの情報を以前に受信した場合、ステーションは、情報を繰り返し示すことなく、対応関係に基づいて情報を取得し得る。これによりオーバヘッドを低減する。
【0247】
解析を通じて第6情報が取得された場合、レポート元APのリンク識別子(Link ID)が取得され得る。リンクIDが動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(channel number)、レポート元AP MACアドレス、または、動作クラス、チャネル番号、もしくはレポート元AP MACアドレスのうち1または複数の組み合わせに1対1に対応するので、ステーションが、レポート元APの動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(channel number)、および、レポート元APのMACアドレスなどの情報を以前に受信した場合、ステーションは、情報を繰り返し示すことなく、対応関係に基づいて情報を取得し得る。これによりオーバヘッドを低減する。
【0248】
第7情報が解析を通じて取得された場合、第7情報に基づいて、第1管理フレームがすべての第1レポート先APについての情報を保持するかどうかが認識され得る。第1レポート先APは、レポート元APが加入しているMLDのメンバである。任意選択的に、すべての第1レポート先APについての情報を第1管理フレームが保持しないことを第7情報が示す場合、すべての第1レポート先APについての情報が受信されるまで、ステーションは継続的に新しい管理フレームを受信する。第7情報が、受信を完了できるまでいくつの情報周期が残っているかを示す場合、受信は、対応する情報周期にわたって継続し得、それにより、すべての第1レポート先APについての情報を受信する。
【0249】
別の方式において、解析を通じて第7情報が取得される場合、第7情報に基づいて、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を管理フレームが保持しているかどうかが認識され得る。任意選択的に、第1管理フレームがすべての第1レポート先APについての情報を保持しない、または、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を保持しないことを第7情報が示す場合、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報が受信されるまで、ステーションは継続的に新しい管理フレームを受信する。受信を完了できるまでいくつの情報周期が残っているかを第7情報が示す場合、対応する情報周期にわたって受信が継続し得、それにより、すべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を受信する。
【0250】
図8(a)は例として使用される。解析を通じてCo-MLDフィールドを取得した後に、ステーションは、Co-MLDフィールドが1に設定されていると決定し、次に、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入していると、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバAPと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していると決定する。この場合、ステーションは更に、TBTT情報フィールドが更にMLD-indexフィールドを含むと決定し、更にMLD-indexフィールドを解析して、レポート先APが加入しているMLDのインデックスまたはMACアドレスを取得する。
図8(b)が例として使用される。解析を通じてsame MLDフィールドを取得した後に、ステーションは、same MLDフィールドが1に設定されていると決定し、次に、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していると決定する。加えて、ステーションは更に、MLD multiple BSSIDフィールドに基づいて、レポート元APが加入しているMLDのメンバAPと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属しているかどうかを決定し得る。この場合、ステーションは更に、MLD-indexフィールドを解析して、レポート先APが加入しているMLDのインデックスまたはMACアドレスを取得する。
【0251】
図8(c)が例として使用される。解析を通じてCo-MLDフィールドを取得した後に、ステーションは、Co-MLDフィールドが1に設定されていると決定し、次に、レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入していると、または、レポート元APが加入しているMLDのメンバAPと同一のマルチBSSIDセットにレポート先APが所属していると決定する。この場合、ステーションは更に、MLD-indexフィールド、Link IDフィールドおよびmultiple BSSID set-indexフィールドを解析し、レポート先APが加入しているMLDのインデックスまたはMACアドレス、リンクID、およびマルチBSSIDセットインデックスを取得する。
【0252】
本願の本実施形態において、任意選択的に、ステーションは、第8情報、第9情報、第1情報、第2情報、第3情報、第4情報、第5情報、第6情報、または第7情報の1または複数に基づいて、各レポート先APが加入している特定のMLD、および、各レポート先APが所属している特定のマルチBSSIDセットを認識し得、それにより、APマルチリンクデバイスに基づくマルチBSSIDセットの構造を全体的に理解する。このようにして、ステーションは、APマルチリンクデバイスに基づくマルチBSSIDセットの構造から必要な適切なAPを選択し得る。具体的な実装中に、ステーションは、プローブ要求フレームにおけるリンク識別子(Link ID)またはリンクIDリストを含み、任意選択的に、MLDインデックスまたはMLD MACアドレスを保持し得る。この場合、プローブ要求フレームを受信した後に、APは、プローブ要求フレームにおけるリンクID、リンクIDリスト、MLDインデックス、またはMLD MACアドレスに基づいて対応するAPを決定し、次に、より詳細な情報を用いてステーションにリプライする(例えば、APの能力情報およびオペレーション情報)。能力情報は、APによってサポートされる特定の機能を示し、オペレーション情報は、APの動作中心周波数、動作帯域幅、および同様のものを示し得る。次に、ステーションは、より詳細な情報に基づいて、対応するAPとの関連付けを確立する。以下では、説明のために例を使用する。
【0253】
例1において、ステーションは、プローブ要求フレームにおいて、MLDインデックスまたは1または複数のリンクIDのうち1または複数を含み、プローブ応答フレームにおいて、1または複数のリンクIDに対応するAPまたは複数のAPについての情報を用いてリプライするようAPに要求する。次に、ステーションは、1または複数のリンクIDに対応するAPまたは複数のAPについての情報に基づいてAPのうち1または複数との関連付けを確立する。例えば、
図6に示されるように、プローブ要求に保持されるMLDインデックスはMLD2であり、保持されるリンクIDはリンク2(link2)である。この場合、APは、MLD2およびリンク2に基づいて、対応するAPはMACアドレスがBSSID-2xであるAPであると決定し、従って、MACアドレスがBSSID-2xであるAPのより詳細な情報をステーションへ送信し得る。ステーションは、MACアドレスがBSSID-2xであるAPとの関連付けを確立する。
【0254】
例2において、ステーションは、プローブ要求フレームにおいてMLDインデックスおよび1または複数のリンクIDを含み、プローブ応答フレームにおいて、1または複数のリンクID以外のリンクIDに対応するAPについての情報を用いてリプライするようAPに要求する。次に、ステーションは、1または複数のリンクID以外のリンクIDに対応するAPについての情報に基づいて、APの1または複数との関連付けを確立することを選択する。例えば、
図6に示されるように、プローブ要求に保持されるMLDインデックスはMLD1であり、プローブ要求に保持されるリンクIDはリンク1(link 1)およびリンク3(link 3)である。この場合、APは、MLD2、リンク1、およびリンク3に基づいて、MLD2に対応するMLDにおけるリンク1およびリンク3以外のリンク2上のAPは、MACアドレスがBSSID-2xであるAPであると決定し得、従って、MACアドレスがBSSID-2xであるAPのより詳細な情報をステーションへ送信する。ステーションは、MACアドレスがBSSID-2xであるAPとの関連付けを確立する。
【0255】
任意選択的に、ステーションは更に、プローブ要求フレームにおいて、シグナリング、例えば特殊なリンクIDを含み得、APが加入しているMLDにおけるすべての第1レポート先APについての情報、および、すべての第1レポート先APが所属しているマルチBSSIDセットのメンバについての情報を用いてリプライするようAPに要求するか、または、単にAPが加入しているMLDにおけるすべての第1レポート先APについての情報を用いてリプライするようAPに要求し、それにより、関連付けられたAPをステーションが選択するための基礎として機能する。
【0256】
図4に示される方法において、第1管理フレームの簡素化近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報、および、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットについての情報を保持し、その結果、第1管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDおよびマルチBSSIDセットにおける、各レポート先APの基本ステータスを認識でき、それにより、レポート元APおよびレポート先APから適切なAPをより良く選択して関連付けを行う。
【0257】
図9は、本願の実施形態によるAPマルチリンクデバイス発見方法を示す。方法は、ステーション間、アクセスポイントとステーションとの間、および、アクセスポイント間で適用され得る。説明を容易にするべく、以下では、説明のための例として、アクセスポイントとステーションとの間の通信を使用する。本方法は、限定されることはないが、以下の段階を含む。
【0258】
段階S901:アクセスポイントAPが第2管理フレームをステーションへ送信する。
【0259】
具体的には、第2管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、近隣APは、ステーションのBSS移行中に候補APとして機能し得る。第2管理フレームは、関連付けられたAPの近隣APについての情報をステーションが取得することを助け得、近隣APは、潜在的な候補のローミングAPとして使用され得る。例えば、第2管理フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、関連付け応答フレーム、再関連付け応答フレームまたは認証フレームであり得る。第2管理フレームは、APマルチリンクデバイスまたはAPマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP(reporting AP)によって送信され得る。第2管理フレームを受信するステーションは、ステーションマルチリンクデバイスにおけるステーション、または、シングルリンクステーションであり得る。別のタイプのBSSにおいて、第2管理フレームは代替的に、マルチリンクデバイスMLDに所属するステーションによって送信され得る。第2管理フレームは代替的に、MLDに加入している、または、シングルリンクアクセスポイントであるアクセスポイントによって受信され得る。以下では、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元APが第2管理フレームをステーションへ送信する例を示す。
【0260】
本願の本実施形態において、例において、APマルチリンクデバイスは、複数のリンク上で移行して動作する1つの論理APを含み得る。別の例において、APマルチリンクデバイスは、n個の異なるリンク(link)上でそれぞれ動作するn個の論理APを含む。従って、n個のリンクがリンク識別子link1、link2、...、およびlinknによって表され得る。APのMACアドレスは異なる。APマルチリンクデバイスは、MLD MACアドレス(address)を使用することによって識別され、すなわち、MACアドレスは、APマルチリンクデバイス管理エンティティ(management entity)を識別するためのものである。APマルチリンクデバイスのMACアドレスは、マルチリンクAPに含まれるn個の論理APの1つのMACアドレスと同一であり得るか、または、n個の論理APのすべてのMACアドレスと異なり得る。例えば、APマルチリンクデバイスのMACアドレスは共通のMACアドレスであり、APマルチリンクデバイスを識別し得る。
【0261】
例において、APマルチリンクデバイスにおける1または複数の論理APは、1または複数のマルチ(Multiple)ベースサービスセット識別子(Basic Service Set Identifier, BSSID)セット(set)に所属し得る。例において、APマルチリンクデバイスにおける論理APは異なるマルチBSSIDセットに所属する。別の例において、APマルチリンクデバイスにおける複数の論理APは同一のマルチBSSIDセットに所属し得る。例えば、APマルチリンクデバイスにおける2つの論理APが1つのリンク上で動作する場合、2つの論理APは同一のマルチBSSIDセットに所属し得る。
【0262】
本願の本実施形態において、APマルチリンクデバイスに基づくマルチBSSIDセットのアーキテクチャは、上述の実施形態における
図5、
図6、および
図7の関連する説明と同様であり得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0263】
本願の本実施形態において、第2管理フレームは近隣レポート要素(Neighbor Report element)を保持する。近隣レポート要素は、レポート元APの近隣APについての情報、例えば、近隣APが動作する動作クラス、チャネル番号、およびBSSIDを保持する必要がある。APマルチリンクデバイスにおけるAPがマルチBSSIDセットに所属する場合、近隣レポート要素は更に、対応するマルチBSSID要素を含み得る。以下では、近隣レポート要素の例を使用することによって説明を提供する。
【0264】
第1情報は、近隣レポート要素(Neighbor Report element)、例えば、近隣レポート要素におけるBSSID情報フィールドにおいて保持される。
【0265】
第1情報
【0266】
第1情報は、以下の情報、すなわち、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、レポート先APがMLDにおけるAPであるかどうか、または、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかのうち1または複数を示す。
【0267】
任意選択的に、第1情報が前述の列挙された3つの項目のうち複数を示すとき、複数の項目は、別々に示され得る。例えば、第1情報は3ビットを含み、各ビットは3つの項目の1つを示す。例えば、第1ビットが1であるとき、それは、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していることを示す。第1ビットが0であるとき、それは、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入していないことを示す。第2ビットが1に設定されているとき、それは、レポート先APがMLDにおけるAPであることを示す。第2ビットが0に設定されているとき、それは、レポート先APがMLDにおけるAPでないことを示す。第3ビットが1に設定されているとき、それは、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入していることを示す。第3ビットが0に設定されているとき、それは、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入していないことを示す。
【0268】
任意選択的に、第2情報は、近隣レポート要素(Neighbor Report element)、例えば、近隣レポート要素における任意選択のサブ要素フィールドに保持される。
【0269】
第2情報
【0270】
第1の任意選択の解決手段において、第2情報は、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDのMACアドレス(Address)、APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDに含まれるAPの数、APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるAP間の同時送信/受信(simultaneous transmit/receive, STR)能力の指示、レポート先APに対応するリンク識別子(Link ID)、または、APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるレポート先AP以外のAPについての情報(例えば、リンクID、動作クラス、チャネル番号、BSSID、能力(capabilities)、または動作情報(Operating Information))のうち1または複数を含む。
【0271】
第2の任意選択の解決手段において、第2情報は、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDのMACアドレス(Address)、レポート先APに対応するリンク識別子(Link ID)、能力(capabilities)、または動作情報(Operating Information)のうち1または複数を含む。任意選択的に、本解決手段において、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるレポート先AP以外のAPについての情報(例えば、リンクID、動作クラス、チャネル番号、およびBSSID)は、1または複数の他の近隣レポート要素において示され得る。任意選択的に、1つの近隣レポート要素は、1つのAPについての情報を保持する。
【0272】
任意選択的に、MLD指示ビット(例えば、ビット21とビット31との間のビット1がMLD指示ビットとして使用される)が近隣レポート要素において設定され、レポート先APが特定のMLDに加入しているかどうかを示す。レポート先APが特定のMLDにおけるAPである場合、MLD指示ビットの値は第1の値である。または、レポート先APが特定のMLDにおけるAPでない場合、MLD指示ビットの値は第2の値である。例えば、MLD指示ビットは1つのビットを含む。ビットが1に設定されているとき、それは、レポート先APが特定のMLDにおけるAPであることを示す。ビットが0に設定されているとき、それは、レポート先APが特定のMLDにおけるAPでないことを示す。
図10は、フレーム構造におけるビット21から31を示す。
【0273】
任意選択的に、MLD指示ビットが第1の値に設定されているとき、第2情報は保持される(例えば、レポート先APが加入しているMLDを記述するためのサブ要素が任意選択のサブ要素において保持され、次に、第2情報がサブ要素において保持される)。
【0274】
任意選択的に、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入している場合、ステーションは別のフィールドに基づいてレポート元APを取得したので、近隣レポート要素はもはや第2情報を保持しなくなる。
【0275】
任意選択的に、レポート先APは前のレポート先APと同一のMLDに加入していると想定する。この場合、ステーションが別のフィールドに基づいて、前のレポート先APが加入しているMLDの関連情報を取得したので、近隣レポート要素はもはや、レポート先APが加入しているMLDのMACアドレスを保持しなくなり、当然、レポート先APが加入しているMLDのMACアドレスを保持することを選択し得る。
【0276】
任意選択的に、レポート先APがマルチBSSIDセットに所属する場合、近隣レポート要素(Neighbor Report element)の任意選択のサブ要素(optional subelements)フィールドは、レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのマルチBSSID要素(element)フィールドを保持する。マルチBSSID要素の参照BSSID(または伝送BSSID)は、近隣レポート要素におけるBSSIDフィールドにおいて保持される。
【0277】
段階S902:ステーションが第2管理フレームを受信する。
【0278】
具体的には、第2管理フレームを受信した後に、ステーションは、解析を通じて、第2管理フレームにおける情報、例えば、第2管理フレームにおける近隣レポート要素(Neighbor Report element)を取得する。以下では、近隣レポート要素における情報をどのように使用するかに焦点を当てる。
【0279】
近隣レポート要素に保持される第2情報および第1情報における具体的な情報は、解析を通じてステーションによって取得され得る。例えば、近隣レポート要素(Neighbor Report element)におけるoptional subelements(任意選択のサブ要素)フィールドが第2情報を保持する、および/または、BSSID infoフィールドにおけるビット21とビット31との間のreserved(予約)フィールドが第1情報を保持する場合、第2情報および/または第1情報は解析を通じて取得される。
【0280】
第1情報が解析を通じて取得される場合、ステーションは、第1情報に基づいて、以下の内容のうち1または複数、すなわち、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、レポート先APがMLDにおけるAPであるかどうか、または、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかを認識し得る。
【0281】
本願の本実施形態において、任意選択的に、レポート先APがMLDにおけるAPに加入している場合、ステーションは更に第2情報を解析する。
【0282】
第1の任意選択の解決手段において、第2情報は、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDのMACアドレス(Address)、APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDに含まれるAPの数、APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるAP間の同時送信/受信(simultaneous transmit/receive, STR)能力の指示、レポート先APに対応するリンク識別子(Link ID)、または、APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるレポート先AP以外のAPについての情報(リンクID、動作クラス、チャネル番号、BSSID、能力(capabilities)、または動作情報(Operating Information))のうち1または複数を含む。
【0283】
第2の任意選択の解決手段において、第2情報は、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDのMACアドレス(Address)、レポート先APに対応するリンク識別子(Link ID)、能力(capabilities)、または動作情報(Operating Information)のうち1または複数を含む。任意選択的に、本解決手段において、レポート先APが加入しているAPマルチリンクデバイスMLDにおけるレポート先AP以外のAPについての情報(例えば、リンクID、動作クラス、チャネル番号、およびBSSID)は、1または複数の他の近隣レポート要素において示され得る。任意選択的に、1つの近隣レポート要素は、1つのAPについての情報を保持する。
【0284】
本願の本実施形態において、ステーションは、近隣レポート要素における第2情報に基づいて、レポート先APが加入している特定のMLDを認識し得、他のレポート先APに対応する近隣レポート要素における情報を参照して、APマルチリンクデバイスの構造を全体的に理解し得、それにより、ステーションのBSS移行中に存在する任意選択のAPを選択する。
【0285】
具体的な実装中に、ステーションは、関連付け要求フレームまたは再関連付け要求フレームをAPへ送信する。関連付け要求フレームまたは再関連付け要求フレームを受信した後に、APは、返された関連付け応答フレームまたは再関連付け応答フレームにおいて近隣レポート要素を含む。近隣レポート要素は、MLDに所属する1または複数のAPについての情報、例えば、APの能力情報およびオペレーション情報を保持する。能力情報は、APによってサポートされる特定の機能を示し、オペレーション情報は、APの動作中心周波数、動作帯域幅および同様のものを示し得る。次に、ステーションはより詳細な情報に基づいて、対応するAPとの関連付けを確立することを選択する。以下では、説明のために例を用いる。
【0286】
例1において、ステーションは、関連付け要求をAPへ送信し、APは、関連付け応答フレームまたは再関連付け応答において近隣レポート要素を含み、近隣レポート要素は、1または複数のAPについての情報を含む。次に、ステーションは、MLDにおける1または複数のAPとの関連付けを確立することを選択し得る。例えば、
図6に示されるように、ステーションは関連付け要求フレームをAPへ送信する。この場合、APは、関連付け応答フレームにおけるAPの近隣レポート要素を含み、または、再関連付け応答フレームは、MACアドレスがBSSID-2xである、MLD2におけるAPについての情報を保持する。次に、ステーションは、MACアドレスがBSSID-2xであるAPとの関連付けを確立するかどうかを選択する。
【0287】
図9に示される方法において、第2管理フレームの近隣レポート要素は、レポート先APが加入しているMLDについての情報を保持し、その結果、第2管理フレームを受信するステーションは、情報に基づいて、MLDにおける各レポート先APの基本ステータスを認識できる。これにより、ステーションのBSS移行中に存在する候補APを近隣APから選択することを助ける。
【0288】
第2管理フレームにおける近隣レポート要素については、別の実装において、本実施形態は、以下の情報のうち少なくとも1つを近隣レポート要素に追加することを提案する。
・レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうか、
・レポート先APが特定のMLDに所属しているかどうか、または、
・レポート先APが特定のMLDに所属している場合、MLDに対応する情報の一部または全部、例えば、MLD MACアドレス、レポート先APに対応するリンクID、MLDに含まれるステーションの数、または、各ステーションについての情報のうち1または複数が更に示される。
【0289】
第1の実装において、
図10に示されるように、1つの1ビットMLD指示ビットが、BSS情報フィールドにおいてB21とB31との間に保持され、BSSIDが特定のMLDに加入しているかどうかを示す。BSSIDが特定のMLDに加入している場合、MLD指示ビットは1に設定され、そうでない場合、MLD指示ビットは0に設定される。
【0290】
MLD指示ビットが1に設定されているとき、レポート元APが加入しているMLDを記述するためのサブ要素が任意選択のサブ要素に保持され、以下の指示情報のうち1または複数がサブ要素に保持される。
・MLD MACアドレス
・MLDにおけるAPの数
・AP間のSTR(同時送信/受信、simultaneous transmit/receive)能力の指示
・レポート先APに対応するリンクID、または、
・メンバAPのリンクID、動作クラス、チャネル番号、およびBSSIDなど、MLDにおける別のメンバAPについての情報
【0291】
第2の実装において、例えば、
図10に示されるように、1つの1ビットMLD指示ビットが、BSS情報フィールドにおいてB21とB31との間に保持され、BSSIDが特定のMLDに加入しているかどうかを示す。BSSIDが特定のMLDの一部である場合、MLD指示ビットは1に設定され、そうでない場合、MLD指示ビットは0に設定される。
【0292】
MLD指示ビットが1に設定されているとき、レポート先APが加入しているMLDを記述するためのサブ要素が任意選択のサブ要素に保持され、以下の指示情報がサブ要素に保持される。
・MLD MACアドレス
【0293】
MLDにおける別のAPについての情報、例えば、動作クラス、チャネル番号およびBSSIDは、別の近隣レポート要素を使用して示され得、対応するMLDを記述するための同一のサブ要素は、任意選択のサブ要素において保持される。
【0294】
任意選択的に、第2の実装において、近隣レポート要素は更に、近隣レポート要素によって示されるレポート先APが、管理フレームにおける次の近隣レポート要素によって示されるレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかを示すための指示方式を含み得る。例えば、BSS情報フィールドにおけるB21とB31との間に1つの1ビットの前のMLD指示ビットが保持され、レポート先APが前のレポート先APと同一のMLDに加入しているかどうかを示す。
【0295】
第3の実装において、1つの1ビットMLD指示ビットが、BSS情報フィールドにおけるB21とB31との間に保持され、レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入しているかどうかを示す。レポート先APがレポート元APと同一のMLDに加入している場合、任意選択的に、近隣レポート要素は、レポート先APおよびレポート元APが加入しているMLDについての情報を含まないことがあり得る。なぜなら、レポート元APによって送信される管理フレームは、レポート元APが加入しているMLDについての情報を保持するからである。
【0296】
本願の本実施形態における方法において、ステーションは、レポート先APが加入しているMLDについての情報を近隣レポート要素から取得し得、その結果、ステーションは、情報に基づいてMLDにおける各レポート先APの基本ステータスを認識できる。これにより、ステーションのBSS移行中に存在する候補APを近隣APから選択することを助ける。
【0297】
図11は、本願の実施形態によるDSシステムに基づく高速BSS移行方法を示す。ステーション(non-AP)、ステーションに関連付けられた現在のAP(current AP)、および、ステーションが移行する必要があるターゲットAP(Target AP)が方法に含まれる。ステーションによって、関連付けられた現在のAPからターゲットAPへ移行するための方法は、以下の段階を備える。
【0298】
段階S1101:ステーションが高速移行(fast transition, FT)要求(Request)フレームを現在のAPへ送信する。
【0299】
任意選択的に、現在のAPは、FT要求フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0300】
段階S1102:現在のAPが、FT応答フレームをステーションへ送信する。
【0301】
任意選択的に、ステーションが、FT応答フレームまたは認証応答フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0302】
本願の本実施形態において、ステーションは具体的には、高速移行オリジネータ(Fast Transition Originator, FTO)として機能する。FT要求フレームを送信することによって、ステーションは、分散システム(Distributed system, DS)に基づいて実行されるBSS移行を開始する。FT要求フレームの送信アドレスはステーションのMACアドレスであり、FT要求フレームの受信アドレスは、現在のAPのMACアドレスであり、FT要求フレームは更に第1アドレス情報を保持する。第1アドレス情報は、ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAP MACアドレスを含み、または、第1アドレス情報は、ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを含む。
【0303】
例えば、
図13および
図14は、TF要求アクションフィールドおよびTF応答フレームアクションフィールドを示す。TF要求アクションフィールドは、
図13に示されるように、カテゴリサブフィールド、FTアクションサブフィールド、STAアドレスサブフィールド、ターゲットAPアドレスサブフィールド、および、FT要求フレームボディサブフィールドを含む。FT応答フレームアクションフィールドは、FT確認アクションフィールドを含み、FT要求アクションフィールドは、
図14に示されるように、カテゴリサブフィールド、FTアクションサブフィールド、STAアドレスサブフィールド、ターゲットAPアドレスサブフィールド、ステータスコードサブフィールド、および、FT応答フレームボディサブフィールドを含む。TF要求フレームアクションフィールドおよびTF応答アクションフィールドはそれぞれ、TF要求フレームおよびTF応答フレームに保持される。TF要求フレームおよびTF応答フレームのMACヘッダは、受信アドレスおよび送信アドレスを保持する。
【0304】
任意選択的に、ステーションがステーションMLDにおけるステーションであり、かつ、ターゲットAPがAPマルチリンクデバイスにおけるAPである場合、第1アドレス情報における、ステーションが加入しているMLDのMACアドレスは、
図13または
図14におけるステーションMACアドレスフィールドに保持される。第1アドレス情報における、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、
図13または
図14におけるターゲットAP MACアドレスフィールドに保持される。FT要求フレームを送信するステーションがMLDに加入していない場合でも、ステーションMACアドレスフィールドは依然として、FT要求フレームを送信するステーションのMACアドレスを保持することに留意されたい。FT要求フレームを送信するステーションが移行される必要があるターゲットAPがMLDに加入していない場合でも、ターゲットAPアドレスフィールドは依然として、ステーションが移行される必要があるターゲットAP MACアドレスを保持する。
【0305】
別の方式において、FT要求アクションフィールドにおけるステーションMACアドレスフィールドは依然として、FT要求フレームを送信するステーションのMACアドレスを保持し、ターゲットAPアドレスフィールドは依然として、FT要求フレームを送信するステーションが移行される必要があるターゲットAP MACアドレスを保持する。ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、
図13または
図14におけるFT要求フレームボディサブフィールドに保持される。FT要求フレームを送信するステーションがMLDに加入している場合、ステーションが加入しているMLDのMACアドレスは存在しないことに留意されたい。FT要求フレームを送信するステーションが移行される必要があるターゲットAPがMLDに加入していない場合、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは存在しない。
【0306】
具体的には、FTアクションフレームを受信した後に、現在のAPはFTアクションフレームを解析して、FTアクションフレームに保持される第1アドレス情報を取得し、解析を通じて取得された第1アドレス情報をターゲットAP(Target AP)へ送信する。
【0307】
段階S1103:ステーションが再関連付け要求フレームをターゲットAPへ送信する。
【0308】
再関連付け要求フレームにおける現在のAPアドレスフィールドは、現在のAPが加入しているMLDのMACアドレスを保持する。
【0309】
任意選択的に、ターゲットステーションは、再関連付け要求フレームを受信した後にACKフレームを用いて応答する。
【0310】
段階S1104:ターゲットAPは、現在のステーションに対して再関連付け応答フレームを用いてリプライする。
【0311】
任意選択的に、ステーションは、再関連付け応答フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0312】
任意選択的に、再関連付け要求フレームおよび再関連付け応答フレームの両方は第1アドレス情報を保持する。第1アドレス情報における、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、ターゲットAP MACアドレスフィールドに保持されるか、または、新しく追加されたフィールドに保持される。任意選択的に、第1アドレス情報における、ステーションが加入しているMLDのMACアドレスは、ステーションMACアドレスフィールドに保持されるか、または、新しく追加されたフィールドに保持される。加えて、再関連付け要求フレームを送信するステーションがMLDに加入していない場合、ステーションMACアドレスフィールドは更に、再関連付け要求フレームを送信するステーションのMACアドレスを保持する。
【0313】
前述のFTプロトコルに加えて、本願の本実施形態は更にFTリソース要求プロトコルに適用可能である。段階S1101、S1102、S1103およびS1104に加えて、DSシステムに基づくFTリソース要求プロトコルは更に、段階S1102と段階S1103との間の以下の段階を含む。
【0314】
段階S1105:ステーションがFT確認(confirm)フレームを現在のAPへ送信する。
【0315】
任意選択的に、現在のAPは、FT確認(confirm)フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0316】
段階S1106:現在のAPがFT ACKフレームをステーションへ送信する。
【0317】
任意選択的に、ステーションは、FT ACKフレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0318】
FT確認(confirm)フレームはFT確認アクションフィールドを含む。FT確認アクションフィールドは、カテゴリサブフィールド、FTアクションサブフィールド、STAアドレスサブフィールド、ターゲットAPアドレスサブフィールド、およびFT確認フレームボディサブフィールドを含み、
図13と同様の構造を有する。FT ACKフレームは、FT ACKアクションフィールドを含む。FT ACK アクションフィールドは、カテゴリサブフィールド、FTアクションサブフィールド、STAアドレスサブフィールド、ターゲットAPアドレスサブフィールド、ステータスコードサブフィールド、およびFT ACKフレームボディサブフィールドを含み、
図14と同様の構造を有する。FT確認フレームおよびFT ACKフレームは第1アドレス情報を保持する。具体的な保持方法は、前述のFT要求フレームおよびFT応答フレームにおいて説明される。詳細を再び説明しない。ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、1または複数あり得るか、または、無いことがあり得る。詳細については、FT要求フレームおよびFT応答フレームの説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0319】
図11に示される方法は、ステーションマルチリンクデバイスからAPマルチリンクデバイスへ、ステーションからAPマルチリンクデバイスへ、または、ステーションマルチリンクデバイスからAPへ高速移行して、マルチリンクデバイスにおけるすべてのステーションが高速移行に参加することを助けるためのものである。
【0320】
図12は、本願の実施形態による無線エアインタフェースに基づく高速BSS移行方法を示す。ステーション(non-AP)、ステーションに関連付けられた現在のAP(current AP)、および、ステーションが移行される必要があるターゲットAP(Target AP)が方法に含まれる。ステーションがステーションMLDにおけるステーションであり、かつ、ターゲットAPがAPマルチリンクデバイスにおけるAPである場合、ステーションが、関連付けられた現在のAPからターゲットAPへ移行するとき、方法は以下の段階を含む。
【0321】
段階S1201:ステーションが認証要求フレームをターゲットAPへ送信する。
【0322】
任意選択的に、ターゲットAPは、認証要求フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0323】
段階S1202:ターゲットAPが認証応答フレームをステーションへ送信する。
【0324】
任意選択的に、ステーションは、認証応答フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0325】
本願の本実施形態において、認証要求フレームおよび認証応答フレームは更に第1アドレス情報を保持する。例えば、第1アドレス情報はフレームボディに保持される。第1アドレス情報は、ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレス、およびターゲットAP MACアドレスを含む。代替的に、第1アドレス情報は、ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを含む。別の方式において、認証要求フレームは第1アドレス情報を保持する。具体的には、認証要求フレームにおいて、SAアドレスフィールドは、STAが加入しているMLDのMACアドレスを保持し、DAフィールドは、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを保持する。認証応答フレームは第1アドレス情報を保持する。具体的には、認証応答フレームにおいて、SAアドレスフィールドは、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを保持し、DAフィールドは、STAが加入しているMLDのアドレスを保持する。ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、1または複数あり得るか、または、無いことがあり得る。詳細については、FT要求フレームおよびFT応答フレームの説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0326】
段階S1203:ステーションが再関連付け要求フレームをターゲットAPへ送信する。
【0327】
再関連付け要求フレームにおける現在のAPアドレスフィールドは、現在のAPが加入しているMLDのMACアドレスを保持する。
【0328】
任意選択的に、ターゲットステーションは、再関連付け要求フレームを受信した後にACKフレームを用いて応答する。
【0329】
段階S1204:ターゲットAPは、現在のステーションに対して再関連付け応答フレームを用いてリプライする。
【0330】
任意選択的に、ステーションは、再関連付け応答フレームを受信した後に、ACKフレームを用いてリプライする。
【0331】
任意選択的に、再関連付け要求フレームおよび再関連付け応答フレームの両方は第1アドレス情報を保持する。第1アドレス情報における、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、ターゲットAP MACアドレスフィールドに保持されるか、または、新しく追加されたフィールドに保持される。任意選択的に、第1アドレス情報における、ステーションが加入しているMLDのMACアドレスは、ステーションMACアドレスフィールドに保持されるか、または、新しく追加されたフィールドに保持される。加えて、再関連付け要求フレームを送信するステーションがMLDに加入していない場合、ステーションMACアドレスフィールドは依然として、再関連付け要求フレームを送信するステーションのMACアドレスを保持する。
【0332】
前述のFTプロトコルに加えて、本願の本実施形態は更にFTリソース要求プロトコルに適用可能である。無線エアインタフェースに基づくFTリソース要求プロトコルは、前述の段階S1201、S1202、S1203、およびS1204を含むだけでなく、段階S1202とS1203との間の以下の段階も含む。
【0333】
段階S1205:ステーションが認証確認(confirm)フレームを現在のAPへ送信する。
【0334】
段階S1206:現在のAPが認証ACKフレームをステーションへ送信する。
【0335】
認証確認(confirm)フレームおよび認証ACKフレームは更に、ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスのうち1または複数を保持し、これらは例えばフレームボディに保持される。別の方式において、認証確認(confirm)フレームは第1アドレス情報を保持する。具体的には、認証確認(confirm)フレームにおいて、SAアドレスフィールドは、STAが加入しているMLDのアドレスを保持し、DAフィールドは、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを保持する。認証ACKフレームは第1アドレス情報を保持する。具体的には、認証ACKフレームにおいて、SAアドレスフィールドは、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスを保持し、DAフィールドは、STAが加入しているMLDのアドレスを保持する。ステーションが加入しているMLDのMACアドレス、および、ターゲットAPが加入しているMLDのMACアドレスは、1または複数あり得るか、または、無いことがあり得る。詳細については、FT要求フレームおよびFT応答フレームの説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0336】
非AP MLDからAP MLDへの移行については、例において、対応するFT要求/応答/確認/ACKフレームにおけるSTAアドレスフィールドおよびターゲットAPアドレスフィールドはそれぞれ、対応する非AP MLDのSAPアドレス、および、対応するAP MLDのSAPアドレスを保持するべきである。
【0337】
図12に示される方法は、ステーションマルチリンクデバイスからAPマルチリンクデバイスへ、ステーションからAPマルチリンクデバイスへ、または、ステーションマルチリンクデバイスからAPへ高速移行して、マルチリンクデバイスにおけるすべてのステーションが高速移行に参加することを助けるためのものである。
【0338】
以下では、本願の実施形態において提供される装置を詳細に説明し、AP発見の効率を改善する。
【0339】
図15は、本願の実施形態による通信装置1500を示す。装置は、上述の実施形態におけるアクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)、または、上述の実施形態におけるステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSS移行手順におけるステーション)であり得るか、または、アクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)もしくはステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSS移行手順におけるステーション)におけるチップもしくは処理システムであり得る。装置は、
図4に示される実施形態における方法および機能、
図9に示される実施形態における方法および機能、
図11に示される実施形態における方法および機能、または、
図12に示される実施形態における方法および機能を実装し得る。集積度の差に起因して、通信装置は、
図15に示されるコンポーネントのうち1または複数を含み得る。
図15に示されるコンポーネントは、少なくとも1つのプロセッサ1501、メモリ1502、送受信機1503、および通信バス1504を含み得る。
【0340】
以下では、
図15を参照して通信装置1500のコンポーネントを具体的に説明する。
【0341】
プロセッサ1501は、通信装置1500の制御センタであり、1つのプロセッサであり得るか、または、複数の処理要素の総称であり得る。例えば、プロセッサ1501は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit, ASIC)、または、本願の実施形態を実装するように構成される1または複数の集積回路、例えば、1または複数のマイクロプロセッサ(digital signal processor, DSP)、または、1または複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array, FPGA)である。プロセッサ1501は、メモリ1502に記憶されたソフトウェアプログラムを動作させ、または実行し、メモリ1502に記憶されたデータを呼び出すことによって、通信デバイスの様々な機能を実装し得る。具体的な実装中、実施形態において、プロセッサ1501は、1または複数のCPU、例えば、
図15に示されるCPU0およびCPU1を含み得る。
【0342】
具体的な実装中、実施形態において、通信装置1500は、複数のプロセッサ、例えば、
図15に示されるプロセッサ1501およびプロセッサ1505を含み得る。プロセッサの各々はシングルコア(シングルCPU)プロセッサであり得、または、マルチコア(マルチCPU)プロセッサであり得る。ここでのプロセッサは、データ(例えばコンピュータプログラム命令)を処理するように構成される1または複数の通信デバイス、回路、および/または、処理コアであり得る。
【0343】
メモリ1502は、リードオンリメモリ(read-only memory、ROM)、もしくは、静的情報および命令を記憶できる別のタイプの静的記憶通信デバイスであり得るか、または、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、もしくは、情報および命令を記憶できる別のタイプの動的記憶通信デバイスであり得る。メモリは代替的に、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory, EEPROM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(Compact Disc Read-Only Memory, CD-ROM)、または、別のコンパクトディスクストレージ、光ディスクストレージ(コンパクトディスク、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクまたは同様のものを含む)、磁気ディスク記憶媒体もしくは別の磁気記憶通信デバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保持または記憶するために使用され得る、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体であり得るが、これらに限定されない。メモリ1502は独立に存在し得るか、または、通信バス15010を通じてプロセッサ1501に接続され得る。代替的に、メモリ1502は、プロセッサ1501と統合され得る。メモリ1502は、本願の解決手段を実行するためのソフトウェアプログラムを記憶するように構成され、プロセッサ1501は、ソフトウェアプログラムの実行を制御する。
【0344】
送受信機1503は、別のデバイス(例えば第2デバイス)と通信するように構成される。当然、送受信機1503は更に、通信ネットワーク、例えば、イーサネット(登録商標)、無線アクセスネットワーク(radio access network, RAN)、または無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network, WLAN)と通信するように構成され得る。送受信機1503は、受信機能を実装するための受信ユニット、および、送信機能を実装するための送信ユニットを含み得る。
【0345】
通信バス15010は、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture, ISA)バス、周辺コンポーネントインターコネクト(Peripheral Component interconnect, PCI)バス、拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture, EISA)バス、または同様のものであり得る。バスは、アドレスバス、データバス、および制御バスなどに分類されてよい。表現しやすくするために、
図15ではバスを表すのに1本の太線のみが用いられているが、このことは、1つのバスのみまたは1つのタイプのバスのみが存在することを意味しない。
【0346】
例において、通信装置1500は完全なデバイスである。通信装置は、プロセッサ1501、メモリ1502、送受信機1503、および通信バス1504を含み得る。任意選択的に、通信装置は更に、例えばディスプレイなど別のコンポーネントを含み得る。
【0347】
任意選択的に、通信装置1500は、アクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)であり、
図4に示される実施形態における方法および機能を実装するように構成され得る。例えば、メモリはコンピュータプログラム(命令)を記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムを呼び出すとき、上述した方法および機能が実装される。例えば、プロセッサは、第1管理フレーム(簡素化近隣レポート要素を保持する)を生成するように構成され、送受信機は、第2管理フレーム(近隣レポート要素を保持する)を送信するように構成される。例えば、プロセッサは、段階S401を実行するために送受信機を制御するように構成される。当然、段階S401において第1管理フレームを生成するプロセスは、プロセッサによっても実行され得る。
【0348】
任意選択的に、通信装置1500はステーションであり、
図9に示される実施形態におけるステーションの方法および機能を実装するように構成され得る。例えば、メモリはコンピュータプログラムを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムを呼び出すとき、上述した方法および機能が実装される。例えば、プロセッサは、シグナリングまたはフレーム(例えば、FT要求フレームまたは認証要求フレーム)を生成するように構成され、送受信機は、シグナリングまたはフレーム(例えば、FT応答フレームまたは認証応答フレーム)を送信するように構成される。例えば、プロセッサは、段階S901におけるFT要求フレームまたは認証要求フレームを受信するために送受信機を生成および制御するように構成される。プロセッサは次に、関連する条件に基づいて、FT応答フレームまたは認証応答フレームを用いてリプライする必要があるかどうかを決定し、FT応答フレームまたは認証応答フレームを用いてリプライされる必要がある場合、送受信機はFT応答フレームまたは認証応答フレームを送信する。別の例において、通信装置1500は、アクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)またはステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSSハンドオーバ手順におけるステーション)におけるチップシステムまたは処理システムであり、その結果、チップシステムまたは処理システムが設置されるデバイスが、
図4、
図9、
図11または
図12に示される実施形態における方法および機能を実装する。この場合、通信装置1500は、
図15に示されるコンポーネントの一部を含み得る。例えば、通信装置1500はプロセッサを含み、プロセッサはメモリに連結されてメモリにおける命令を呼び出して実行し得、その結果、チップシステムまたは処理システムが設置されたデバイスは、
図4、
図9、
図11または
図12に示される方法および機能を実装するように構成される。任意選択的に、メモリは、チップシステムもしくは処理システムにおけるコンポーネントであり得るか、または、チップシステムもしくは処理システムの外側の連結/接続されたコンポーネントであり得る。例において、チップシステムまたは処理システムがアクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)またはステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSS移行手順におけるステーション)に設置され、その結果、アクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)またはステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSSハンドオーバ手順におけるステーション)は、上述の実施形態における対応する方法および機能を実装し得る。
【0349】
チップシステムまたは処理システムは、802.11シリーズプロトコル、例えば802.11be、802.11ax、および802.11acに基づく通信をサポートし得る。チップシステムは、WLAN伝送をサポートする様々なシナリオにおいてデバイスに設置され得る。WLAN伝送シナリオにおけるデバイスは、本明細書の最初に説明され、詳細はここで説明されない。
【0350】
本願の実施形態において、上述した方法の例に基づいて、機能モジュールへの分割が、アクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)またはステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSS移行手順におけるステーション)に対して実行され得る。例えば、各機能モジュールは、対応する機能に基づく分割によって取得されてよく、または、2つまたはそれより多くの機能が、1つの処理モジュールに統合されてよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、またはソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本願の実施形態において、モジュールへの分割は例であり、論理的な機能分割に過ぎないことに留意されたい。実際の実装では、別の分割方式を使用し得る。
【0351】
統合されたユニットが使用されるとき、
図16は、通信装置1600の構造のあり得る概略図である。通信装置1600は、リンクデバイスであり得るか、または、マルチリンクデバイスにおけるチップもしくは処理システムであり得る。通信装置1600は、上述の方法の実施形態におけるマルチリンクデバイスの動作を実行し得る。通信装置1600は処理ユニット1601および送受信ユニット1602を含む。
【0352】
例において、通信装置1600は、前述のアクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)、または、前述のステーション(例えば、第1管理フレームを受信するステーション、第2管理フレームを受信するステーション、または、前述のBSS移行手順におけるステーション)である。
【0353】
処理ユニット1601は、通信装置1600のアクションを制御および管理するように構成され得、例えば、第1管理フレームまたは第2管理フレームを生成する。別の例として、処理ユニット1601は、送受信ユニット1602の動作を制御する。任意選択的に、通信装置1600がストレージユニットを含む場合、処理ユニット1601は更に、ストレージユニットに記憶されたプログラムまたは命令を実行し得、その結果、通信装置1600は、上述の実施形態のいずれか1つにおける方法および機能を実装する。
【0354】
例えば、処理ユニット1601は、送受信ユニットを制御して、例えば、
図4における段階S401、
図9における段階901、
図11における段階S1101~S1104、または、
図12における段階S1201~S1204、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行し得る。上述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0355】
例えば、送受信ユニット1602は、1つのリンク上で伝送されるデータもしくはシグナリングを送信および受信し得るか、または、複数のリンク上で伝送されるデータもしくはシグナリングを送信および受信し得る。任意選択的に、送受信ユニット1602は1つの送受信機モジュールであり得るか、または、複数の送受信機モジュールを含み得る。送受信ユニット1602が1つの送受信機モジュールであるとき、送受信機モジュールは、複数のリンク上でデータを送信および受信し得る。例えば、第1マルチリンクデバイスが2つのリンク上で動作する場合、送受信ユニット1602が2つの送受信機モジュールを含むとき、送受信機モジュールの1つは、1つのリンク上で動作し、他の送受信機モジュールは他のリンク上で動作する。例えば、送受信ユニット1602は、例えば
図4における段階S401、
図9における段階S901、
図11における段階S1101~S1104、または、
図12における段階S1201~S1204、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するように構成され得る。上述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0356】
例えば、通信装置1600は、
図15に示される通信装置であり得、処理ユニット1601は
図15におけるプロセッサ1501であり得、送受信ユニットBB02は、
図15における送受信機1503であり得る。任意選択的に、通信装置1600は更にメモリを含み得る。メモリは、通信装置1600がマルチリンクデバイス間で前述の通信方法のいずれか1つを実行するための対応するプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
図15におけるコンポーネントのすべての関連内容の説明は、通信装置1600の対応するコンポーネントの機能説明において引用され得、詳細はここで再び説明しない。
【0357】
例えば、通信装置1600は代替的に、チップまたはプロセッサであり得、処理ユニット1601は、チップまたはプロセッサにおける処理回路であり、送受信ユニット1602は、チップまたはプロセッサにおける入力/出力回路であり得、入力/出力回路は、チップまたはプロセッサと別の連結されたコンポーネントとの間の相互通信またはデータ交換のためのインタフェースである。シグナリングまたはデータ情報またはプログラム命令が処理のためにチップまたはプロセッサに入力されること、処理済みデータまたはシグナリングが別の連結されたコンポーネントに出力されること、および、機能を実装するように、チップまたはプロセッサが設置された第1マルチリンクデバイスが制御されることを確実にできる。
【0358】
別の例において、通信装置1600は第2デバイスまたは第2デバイスにおけるチップである。
【0359】
例えば、処理ユニット1601は、第1管理フレームまたは第2管理フレームを生成するように構成され得、例えば、
図4の段階S401における第1管理フレームは、処理ユニット1601によって生成され、
図9のS901における第2管理フレームは、処理ユニット1601によって生成され、
図11の段階S1101におけるFT要求フレームは、処理ユニット1601によって生成され、または、
図12の段階S1201における認証要求フレームは、処理ユニット1601によって生成され、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するように構成される。上述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0360】
例えば、送受信ユニット1602は、1つのリンク上で伝送されるデータもしくはシグナリングを送信および受信し得るか、または、複数のリンク上で伝送されるデータもしくはシグナリングを送信および受信し得る。任意選択的に、送受信ユニット1602は1つの送受信機モジュールであり得るか、または、複数の送受信機モジュールを含み得る。送受信ユニット1602が1つの送受信機モジュールであるとき、送受信機モジュールは、複数のリンク上でデータを送信および受信し得る。例えば、ステーションが2つのリンク上で動作する場合、送受信ユニット1602が2つの送受信機モジュールを含むとき、1つの送受信機モジュールが1つのリンク上で動作し、他の送受信機モジュールが他のリンク上で動作する。例えば、送受信ユニット1602は、例えば
図4における段階S401、
図9における段階S901およびS902、
図11に示される段階S1101~S1104、または、
図12に示される段階S1201~S1204、および/または、本明細書において説明される技術の別のプロセスを実行するように構成され得る。上述の方法の実施形態における段階のすべての関連内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用され得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0361】
例えば、通信装置1600は、
図15に示される通信装置であり得、処理ユニット1601は
図15におけるプロセッサ1501であり得、送受信ユニット1602は、
図15における送受信機1503であり得る。任意選択的に、通信装置1600は更にメモリを含み得る。メモリは、通信装置1600が上述の実施形態のいずれか1つを実行するためのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
図15におけるコンポーネントのすべての関連内容の説明は、通信装置1600の対応するコンポーネントの機能説明において引用され得、詳細はここで再び説明しない。
【0362】
例えば、通信装置1600は代替的に、チップまたはプロセッサであり得、処理ユニット1601は、チップまたはプロセッサにおける処理回路であり、送受信ユニット1602は、チップまたはプロセッサにおける入力/出力回路であり得、入力/出力回路は、チップまたはプロセッサと別の連結されたコンポーネントとの間の相互通信またはデータ交換のためのインタフェースである。シグナリングまたはデータ情報またはプログラム命令が処理のためにチップまたはプロセッサに入力されること、処理済みデータまたはシグナリングが別の連結されたコンポーネントに出力されること、および、機能を実装するように、チップまたはプロセッサが設置されたデバイスが制御されることを確実にできる。
【0363】
本願の実施形態は更に、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。前述のプロセッサがコンピュータプログラムコードを実行するとき、プロセッサが位置する電子デバイス(例えば、APまたはステーション)は、
図4、
図9、
図11および
図12における実施形態のいずれか1つにおける方法を実行することが可能である。
【0364】
本願の実施形態は更にコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータ(例えばAPまたはステーション)は、
図4、
図9、
図11、および
図12における実施形態のいずれか1つにおける方法を実行することが可能である。
【0365】
本願の実施形態は、通信装置を更に提供する。本装置は、チップの製品形態で存在してよい。装置の構造はプロセッサおよびインタフェース回路を備える。プロセッサは、受信回路を使用することによって別の装置と通信するように構成され、その結果、装置は、
図4、
図9、
図11および
図12における実施形態のいずれか1つにおける方法を実行する。
【0366】
本願の実施形態は、通信システムを更に提供する。通信システムは、前述のアクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)および前述のステーションを含む。アクセスポイントAP(例えば、APマルチリンクデバイスにおけるレポート元AP)およびステーションは、
図4、
図9、
図11、または
図12における実施形態における方法を実行し得る。代替的に、通信システムは前述のステーションを含む。ステーションは、
図11における上述の実施形態における方法を実行し得る。本願に開示される内容と組み合わせて説明される方法またはアルゴリズム段階は、ハードウェアによって実装され得るか、または、プロセッサによってソフトウェア命令を実行することによって実装され得る。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含んでよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、または、当該技術分野において周知の任意の他の形態の記憶媒体に記憶されてよい。例えば、記憶媒体はプロセッサに連結され、したがって、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取り、または、記憶媒体に情報を書き込むことができる。当然、記憶媒体は、プロセッサのコンポーネントであってよい。プロセッサおよび記憶媒体はASICに配置され得る。加えて、ASICはコアネットワークインタフェースデバイスに配置され得る。当然、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとしてコアネットワークインタフェースデバイスに存在してもよい。
【0367】
当業者であれば、前述の例の1または複数において、本願において説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用することによって実装され得ることを認識するはずである。機能がソフトウェアにより実装されるとき、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶され、または、コンピュータ可読媒体内の1または複数の命令またはコードとして伝送されてよい。コンピュータ可読媒体はコンピュータ可読記憶媒体および通信媒体を含む。通信媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータからアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよい。
【0368】
本願の目的、技術的解決手段、および利点は、前述の具体的な実装において詳細に更に説明される。説明されるものは単に、本願の具体的な実装であり、本願の保護範囲を制限することを意図するものではないことが理解されるべきである。本願の技術的解決手段に基づいて行われる任意の修正、同等の置換または改良が本願の保護範囲に含まれるものとする。
[他の可能な項目]
(項目1)
APマルチリンクデバイス発見方法であって、
レポート元APが、第1管理フレームをステーションへ送信する段階であって、前記第1管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、前記レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している、段階を備え、
前記近隣APについての前記情報は、第1情報、第2情報または第3情報のうち1または複数を含み、
前記第1情報は、前記レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、前記レポート元APが加入している前記MLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記第2情報は、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記第3情報は、前記レポート元APと同一のMLDに前記レポート先APが加入しているかどうかを示す、方法。
(項目2)
APマルチリンクデバイス発見方法であって、
ステーションが、レポート元APによって送信された第1管理フレームを受信する段階であって、前記第1管理フレームは、近隣APについての情報を保持し、前記レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している、段階を備え、
前記近隣APについての前記情報は、第1情報、第2情報または第3情報のうち1または複数を含み、
前記第1情報は、前記レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、前記レポート元APが加入している前記MLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記第2情報は、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記第3情報は、前記レポート元APと同一のMLDに前記レポート先APが加入しているかどうかを示す、方法。
(項目3)
前記近隣APについての前記情報は更に第4情報を含み、前記第4情報は、前記レポート先APがマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを示す、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記近隣APについての前記情報は更に第8情報を含み、前記第8情報は、前記レポート先APが加入している前記MLDのMLDインデックスを含む、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記レポート先APは前記レポート元APと同一のMLDに加入しているか、または、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、前記近隣APについての前記情報は前記第8情報を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、前記近隣APについての前記情報は前記第8情報を含む、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記近隣APについての前記情報は更に第9情報を含み、前記第9情報は、前記レポート先APが所属する前記マルチBSSIDセットのマルチBSSIDセットインデックスを含む、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記レポート先APは前記マルチBSSIDセットに所属し、
前記レポート先APは前記レポート元APと同一のMLDに加入し、
前記近隣APについての前記情報は前記第9情報を含む、
項目7に記載の方法。
(項目9)
前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、前記近隣APについての前記情報は前記第9情報を含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記近隣APについての前記情報は更に第5情報を含み、前記第5情報は前記レポート先APのリンク識別子を示す、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記近隣APについての前記情報は更に、第6情報または第7情報のうち1または複数を含み、
前記第6情報は、前記レポート元APのリンク識別子、および/または、前記レポート元APが加入している前記MLDのMACアドレスを示し、
前記第7情報は、すべての第1レポート先APについての情報を前記第1管理フレームが保持するかどうかを示し、または、前記第1レポート先APについての前記情報、および、すべての前記第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報をすべての前記管理フレームが保持するかどうかを示し、前記第1レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記MLDにおける前記レポート元AP以外のAPメンバである、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記近隣APについての前記情報は、簡素化近隣レポート要素または近隣レポート要素に保持される、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記第1管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
APマルチリンクデバイス発見装置であって、
第1管理フレームをステーションへ送信するように構成される送信ユニットであって、前記第1管理フレームは近隣APについての情報を保持し、前記レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している、送信ユニットを備え、
前記近隣APについての前記情報は、情報A、情報B、または情報Cのうち1または複数を含み、
前記情報Aは、前記レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、前記レポート元APが加入している前記MLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記情報Bは、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記情報Cは、前記レポート元APと同一のMLDに前記レポート先APが加入しているかどうかを示す、
装置。
(項目15)
APマルチリンクデバイス発見装置であって、
レポート元APによって送信された第1管理フレームを受信するように構成される受信ユニットであって、前記第1管理フレームは近隣APについての情報を保持し、前記レポート元APはAPマルチリンクデバイスに加入している、受信ユニットを備え、
前記近隣APについての前記情報は、情報A、情報B、または情報Cのうち1または複数を含み、
前記情報Aは、前記レポート元APと同一のMLDにレポート先APが加入しているかどうか、または、前記レポート元APが加入している前記MLDのメンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記情報Bは、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに前記レポート先APが所属しているかどうかを示し、
前記情報Cは、前記レポート元APと同一のMLDに前記レポート先APが加入しているかどうかを示す、
装置。
(項目16)
前記近隣APについての前記情報は更に、情報Dを含み、前記情報Dは、前記レポート先APがマルチBSSIDセットに所属しているかどうかを示す、項目14または15に記載の装置。
(項目17)
前記近隣APについての前記情報は更に、情報Hを含み、前記情報Hは、前記レポート先APが加入している前記MLDのMLDインデックスを含む、項目14から16のいずれか一項に記載の装置。
(項目18)
前記レポート先APは前記レポート元APと同一のMLDに加入しているか、または、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、前記近隣APについての前記情報は前記情報Hを含む、項目17に記載の装置。
(項目19)
前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、前記近隣APについての前記情報は前記情報Hを含む、項目17に記載の装置。
(項目20)
前記近隣APについての前記情報は更に情報Iを含み、前記情報Iは、前記レポート先APが所属する前記マルチBSSIDセットのマルチBSSIDセットインデックスを含む、項目1から19のいずれか一項に記載の装置。
(項目21)
前記レポート先APは、前記マルチBSSIDセットに所属し、
前記レポート先APは、前記レポート元APと同一のMLDに加入し、
前記近隣APについての前記情報は前記情報Iを含む、
項目20に記載の装置。
(項目22)
前記レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記MLDの前記メンバと同一のマルチBSSIDセットに所属し、
前記近隣APについての前記情報は前記情報Iを含む、
項目20に記載の装置。
(項目23)
前記近隣APについての前記情報は更に、情報Eを含み、前記情報Eは、前記レポート先APのリンク識別子を示す、項目14から22のいずれか一項に記載の装置。
(項目24)
前記近隣APについての前記情報は更に、情報Fまたは情報Gのうち1または複数を含み、
前記情報Fは、前記レポート元APのリンク識別子、および/または、前記レポート元APが加入している前記MLDのMACアドレスを示し、
前記情報Gは、すべての第1レポート先APについての情報を前記第1管理フレームが保持するかどうかを示し、または、すべての前記第1レポート先APについての前記情報、および、すべての前記第1レポート先APが所属するマルチBSSIDセットのメンバについての情報を前記管理フレームが保持するかどうかを示し、
前記第1レポート先APは、前記レポート元APが加入している前記MLDにおける前記レポート元AP以外のAPメンバである、
項目14から23のいずれか一項に記載の装置。
(項目25)
前記近隣APについての前記情報は、簡素化近隣レポート要素または近隣レポート要素において保持される、項目14から24のいずれか一項に記載の装置。
(項目26)
前記第1管理フレームはビーコンフレームまたはプローブ応答フレームである、項目14から25のいずれか一項に記載の装置。
(項目27)
プロセッサを備える通信装置であって、前記プロセッサは、項目1および3から13のいずれか一項に記載の方法、または、項目2から13のいずれか一項に記載の方法を実行するためにコンピュータプログラムを実行するように構成される、通信装置。
(項目28)
プロセッサおよびメモリを備える通信装置であって、前記メモリは前記プロセッサに連結され、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、項目1および3から13のいずれか一項に記載の方法、または、項目2から13のいずれか一項に記載の方法を実行するために、前記メモリに記憶された前記コンピュータプログラムを実行するように構成される、通信装置。
(項目29)
プロセッサおよび送受信機を備える通信装置であって、前記送受信機は、情報を送信および受信するか、または、別のネットワーク要素と通信するように構成され、前記プロセッサは、前記情報を送信および受信するように、または、前記別のネットワーク要素と通信するように前記送受信機を制御することによって、項目1および3から13のいずれか一項に記載の方法、または、項目2から13のいずれか一項に記載の方法を実行する、通信装置。
(項目30)
プロセッサおよびインタフェース回路を備える通信装置であって、前記プロセッサは、インタフェース回路を使用することによって別の装置と通信するように構成され、その結果、前記装置は、項目1および3から13のいずれか一項に記載の方法、または、項目2から13のいずれか一項に記載の方法を実行する、通信装置。
(項目31)
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されるとき、項目1から13のいずれか一項に記載の方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
(項目32)
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行するとき、前記コンピュータは項目1から13のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能となる、コンピュータプログラム製品。
(項目33)
項目14および16から26のいずれか一項に記載の装置、および、項目15から26のいずれか一項に記載の装置を備える通信システム。