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特許7501687時刻算出装置、時刻算出方法、及びデータベース装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】時刻算出装置、時刻算出方法、及びデータベース装置
(51)【国際特許分類】
   G04F 5/00 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G04F5/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023012753
(22)【出願日】2023-01-31
(62)【分割の表示】P 2017206948の分割
【原出願日】2017-10-26
(65)【公開番号】P2023041801
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】菅原 隆幸
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-234626(JP,A)
【文献】岡田 尚基 Naoki OKADA,”科学衛星のための衛星時刻校正システムの整備” Development of Spacecraft Time Calibration System for Science Spacecrafts,宇宙航空研究開発機構研究開発報告 宇宙科学情報解析論文誌 第二号 [online] JAXA Research and Development Report,宇宙航空研究開発機構(JAXA) Japan Aerospace Exploration Agency(JAXA),2013年03月29日,p.131-136
【文献】福山武志,A6.”GPSの特殊および一般相対論的補正について”〔福山武志〕,GPSハンドブック ,株式会社朝倉書店 柴崎 亮介,2010年09月25日,p.466-474
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04F 3/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準となる慣性系である基準慣性系から見た、前記基準慣性系とは異なる慣性系である相対慣性系において、前記相対慣性系内で検出可能な速度、加速度、重力、および重力源からの距離のうち少なくとも1つを検出するセンサと、
前記センサによって検出されたセンサ値に基づいて所定の単位時間幅毎に、前記相対慣性系を基準慣性系から見た場合の時間である相対慣性系時間が伸縮する相対単位時間幅を計算する時間伸縮計算部と、
前記基準慣性系における所定の一時点である開始基準時刻に、前記時間伸縮計算部によって計算された相対単位時間幅を加算して、前記基準慣性系で刻まれる基準時刻を計算する時刻補正部と、
を備える時刻算出装置。
【請求項2】
前記センサによって検出されたセンサ値の変化を検出するセンサ値変化検出部をさらに備え、
前記時間伸縮計算部は、前記センサ値変化検出部が前記センサ値の変化を検出したときに前記相対単位時間幅を計算して更新し、
前記時刻補正部は、前記時間伸縮計算部が前記相対単位時間幅を更新したときに、更新した値を加算することを特徴とする請求項1に記載の時刻算出装置。
【請求項3】
基準となる慣性系である基準慣性系から見た、前記慣性系とは異なる慣性系である相対慣性系内の物体に備えられているセンサが、前記相対慣性系内で検出可能な速度、加速度、重力、および重力源からの距離のうち少なくとも1つを検出し、
前記物体に備えられた時間伸縮計算部が、前記センサによって検出されたセンサ値に基づいて所定の単位時間幅毎に、前記相対慣性系を基準慣性系から見た場合の時間である相対慣性系時間が伸縮する相対単位時間幅を計算し、
前記物体に備えられた時刻補正部が、前記単位時間幅毎に、前記基準慣性系における所定の一時点である開始基準時刻に、前記時間伸縮計算部によって計算された相対単位時間幅を加算して、前記基準慣性系で刻まれる基準時刻を計算する時刻算出方法。
【請求項4】
基準となる慣性系である基準慣性系から見た前記慣性系とは異なる複数の慣性系である相対慣性系それぞれにおいて検出可能な速度、加速度、重力、および重力源からの距離のうち少なくとも1つに基づいて、前記相対慣性系を前記基準慣性系から見た場合の時間である相対慣性系時が伸縮する相対単位時間幅をそれぞれ計算する時間伸縮計算部と
前記基準慣性系における所定の一時点である開始基準時刻の値に、前記時間伸縮計算部によって計算された相対単位時間幅を加算して、前記基準慣性系で刻まれる基準時刻を計算して得られる基準時刻と、前記複数の相対慣性系それぞれで生成されたデータとを対にした基準時刻対応付けデータを受信するデータ受信部と、前記基準時刻対応付けデータを記憶するデータ記憶部と、
を備えるデータベース装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宇宙空間を航行する宇宙船のように、加速度、速度、重力のうちの少なくと
も1つにより時刻が例えば地球上の時刻である基準時刻とずれる時空間において、基準時
刻を算出する時刻算出装置及び時刻算出方法に関する。また、本発明は、互いに異なる時
刻を有する複数の時空間で生成されたデータを収集するデータベース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般相対性理論または特殊相対性理論に基づき、例えば宇宙船が宇宙空間を航行すると
きの加速度、速度、重力のうちの少なくとも1つにより時刻が地球上の時刻である基準時
刻とずれる(遅くなる)ことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-153250号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】https://futurism.com/how-do-scientists-find-directions-in-space/
【文献】https://physics.aps.org/articles/v8/1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
時刻が基準時刻とずれる時空間において、基準時刻を確認できることが望まれる。しか
しながら、従来、基準時刻を算出する具体的な手法は提案されていない。
【0006】
現在、地球上では、インターネット上のクラウドサービスまたはM2M(Machine to M
achine)によって各種のデータがやりとりされている。地球上でのデータのやりとりでは
時刻が共有されているため、特に不具合が発生することはない。しかしながら、互いに異
なる時刻を有する複数の時空間で生成されたデータをやりとりするとき、時刻が共有され
ていないため、複数の時空間それぞれの機器を同期させることができない等の不具合が発
生する。
【0007】
本発明は、時刻が基準時刻とずれる時空間において基準時刻を算出することができる時
刻算出装置及び時刻算出方法を提供することを目的とする。また、互いに異なる時刻を有
する複数の時空間で生成されたデータを、時刻を共有した状態で収集することができるデ
ータベース装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基準時間を有する第1の時空間とは異なる固有時間を有する第2の時空間の
物体の固有加速度と固有速度と固有重力と重力源からの距離との少なくとも1つを検出す
るセンサと、前記センサによって検出されたセンサ値に基づいて、前記第1の時空間の単
位時間幅が前記第2の時空間において伸縮した固有単位時間幅を、前記第1の時空間の単
位時間幅ごとに計算する時間伸縮計算部と、前記第1の時空間の基準時間における所定の
一時点である開始基準時刻に前記固有単位時間幅を前記固有単位時間幅が計算されるごと
に加算して、前記第1の時空間において刻まれる基準時刻を計算する時刻補正部とを備え
ることを特徴とする時刻算出装置を提供する。
【0009】
本発明は、基準時間を有する第1の時空間とは異なる固有時間を有する第2の時空間の
物体に備えられたセンサが、前記物体の固有加速度と固有速度と固有重力と重力源からの
距離との少なくとも1つを検出し、前記物体に備えられた時間伸縮計算部が、前記センサ
によって検出されたセンサ値に基づいて、前記第1の時空間の単位時間幅が前記第2の時
空間において伸縮した固有単位時間幅を、前記第1の時空間の単位時間幅ごとに計算し、
前記物体に備えられた時刻補正部が、前記第1の時空間の基準時間における所定の一時点
である基準時刻に前記固有単位時間幅を前記固有単位時間幅が計算されるごとに加算して
、前記第1の時空間において刻まれる基準時刻を計算することを特徴とする時刻算出方法
を提供する。
【0010】
本発明は、基準時間を有する第1の時空間とは異なる固有時間を有する第2の時空間の
複数の物体それぞれで生成されたデータと、前記第1の時空間において刻まれる基準時刻
とを対応させた基準時刻対応付けデータを受信するデータ受信部と、前記基準時刻対応付
けデータを記憶するデータ記憶部とを備えることを特徴とするデータベース装置を提供す
る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の時刻算出装置及び時刻算出方法によれば、時刻が基準時刻とずれる時空間にお
いて基準時刻を算出することができる。本発明のデータベース装置によれば、互いに異な
る時刻を有する複数の時空間で生成されたデータを、時刻を共有した状態で収集すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】宇宙船が地球より宇宙空間に向けて発射される状態を示す概念図である。
図2】宇宙船の発射から帰還までの行程における速度の変化の一例を示す図である。
図3】第1実施形態の時刻算出装置を示すブロック図である。
図4】第1実施形態の時刻算出方法を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態の時刻算出装置を示すブロック図である。
図6】第2実施形態の時刻算出方法を示すフローチャートである。
図7】第3実施形態の時刻算出装置を示すブロック図である。
図8】第3実施形態の時刻算出方法を示すフローチャートである。
図9】第4実施形態の時刻算出装置を示すブロック図である。
図10】第4実施形態の時刻算出方法を示すフローチャートである。
図11】第5実施形態の時刻算出装置を示すブロック図である。
図12】第5実施形態の時刻算出方法を示すフローチャートである。
図13】第6実施形態の時刻算出装置を示すブロック図である。
図14】第6実施形態の時刻算出方法を示すフローチャートである。
図15】第7~第9実施形態のデータベース装置を示すブロック図である。
図16】第7実施形態のデータベース装置の設置場所を示す図である。
図17】第8実施形態のデータベース装置の設置場所を示す図である。
図18】第9実施形態のデータベース装置の設置場所を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各実施形態の時刻算出装置、時刻算出方法、及びデータベース装置について、添
付図面を参照して説明する。
【0014】
まず、図1及び図2を用いて、宇宙船が宇宙空間を航行するときの宇宙船内の時刻が地
球上の基準時刻より遅れることについて説明する。図1に示すように、宇宙船120は、
地球100より宇宙空間に向けて発射される。図2に示すように、宇宙船120は、20
17年1月1日に地球100上の出発地より発射され、目的地に到着後、2023年1月
1日に地球100上の帰着地に帰還するとする。
【0015】
区間1において、宇宙船120は、静止した状態から一定の加速度で、慣性系(K系)
である地球100から見た時間(基準時間)で1年間をかけて光速cの90%の速度(0
.9c)まで加速する。区間2において、宇宙船120は、1年間、速度0.9cで等速
直線運動する。区間3において、宇宙船120は、1年間をかけて減速して目的地に到着
して静止する。
【0016】
区間4において、宇宙船120は、静止した状態から一定の加速度で、地球100に向
けて速度0.9cまで加速する。区間5において、宇宙船120は、1年間、速度0.9
cで等速直線運動する。区間6において、宇宙船120は、1年間をかけて減速して地球
100に到着して静止する。
【0017】
宇宙船120内で経過する時間を固有時間と称すると、加速と減速の物理現象の対称性
から区間1、3、4、6における固有時間は等しい。そこで、区間1のみについて検討す
ると、区間1の固有時間T1は式(1)で算出することができる。式(1)におけるAは
地球100での基準時間であり、ここでは1年間である。式(1)におけるaは宇宙船1
20の固有加速度、cは光速(299792.458km/h)であり、arcsinhは式(2)で定義され
る。
【0018】
T1=(c/a)arcsinh(aA/c) …(1)
【0019】
【数1】
【0020】
固有加速度aと、時間Aと、宇宙船120の速度vとは式(3)の関係を有する。
【0021】
【数2】
【0022】
式(3)より、宇宙船120の固有加速度aは19.624m/sと計算される。よっ
て、区間1における宇宙船120の固有時間T1は、2.25×10秒となる。
【0023】
区間2及び5における固有時間は等しいので、区間2のみについて検討すると、区間2
の固有時間T2は式(4)で算出することができる。式(4)におけるTは地球100で
の基準時間であり、ここでは1年間である。
【0024】
【数3】
【0025】
式(4)より、区間2における宇宙船120の固有時間T2は、1.38×10秒と
なる。
【0026】
以上より、区間1~6の全ての宇宙船120の固有時間を足し合わせると、宇宙船12
0内の時計は、地球100に到着した時点で2020年9月22日を表すことになる。地
球100での基準時間は2023年1月1日であるから、2年3か月以上ずれる。
【0027】
宇宙船120の乗員は、地球100上の基準時刻を確認できることが望ましい。以下詳
述する第1~第6実施形態は時刻算出装置及び時刻算出方法に関する。第1~第6実施形
態の時刻算出装置及び時刻算出方法は、宇宙空間を航行する宇宙船120のように基準時
刻とずれた固有時刻を有する時空間において基準時刻を算出し、乗員が確認できるように
構成されている。
<第1実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法>
図3に示す第1実施形態の時刻算出装置は、宇宙船120内に設けられている。時刻算
出装置は、乗員が腕に装着する腕時計のような身に着ける時計として構成されていてもよ
い。
【0028】
図3において、固有加速度センサ11は、宇宙船120が航行するときの固有加速度a
を検出して、検出した固有加速度aを中央処理装置(CPU)30内の時間伸縮計算部3
1に供給する。CPU30は、時間伸縮計算部31、時刻補正部32、表示制御部33を
備える。時間伸縮計算部31、時刻補正部32、表示制御部33は、CPU30が記憶部
40に記憶されているソフトウェア(コンピュータプログラム)を実行することによって
機能的に構成することができる。
【0029】
基準時刻時計21は、基準時間を有する第1の時空間である地球100上の基準時刻T
を時刻補正部32に供給する。固有時刻時計22は、宇宙船120内での固有時刻を表示
制御部33に供給する。宇宙船120は、第1の時空間とは異なる固有時間を有する第2
の時空間の物体の一例である。ここでは、基準時刻時計21と固有時刻時計22とを別々
に図示しているが、実際には1つの時計20で構成することができる。
【0030】
宇宙船120が地球100より宇宙空間に向けて発射される瞬間には、時計20は基準
時刻Tを刻んでいるから、時計20は基準時刻Tを時刻補正部32に供給することができ
る。宇宙船120が発射される瞬間までは、時計20は基準時刻時計21として動作して
いる。宇宙船120が発射された後、宇宙船120が加速することによって時計20は基
準時刻とずれた固有時刻を刻むので、時計20は固有時刻時計22として動作することに
なる。
【0031】
特殊相対性理論に基づき、時間伸縮計算部31は、基準時間を有する地点から見た固有
単位時間幅Δtを式(5)に基づいて計算する。固有単位時間幅Δtは、第1の時空間の
単位時間幅が第2の時空間において伸縮した単位時間幅である。式(5)におけるΔTは
基準時間における単位時間幅であり、ここでは1秒であるとする。高精度とするために単
位時間幅を1μ秒としてもよい。時間伸縮計算部31は、基準時間における単位時間幅Δ
Tごとに固有単位時間幅Δtを計算して、時刻補正部32に供給する。単位時間幅ΔTは
例えばセシウム133原子時計を用いて決めることができる。
【0032】
Δt =(c/a)arcsinh(aΔT/c) …(5)
時刻補正部32は、宇宙船120が発射される瞬間に時計20(基準時刻時計21)よ
り供給された、基準時間における所定の一時点である基準時刻Tに、単位時間幅ΔTごと
に計算された固有単位時間幅Δtを加算する。時刻補正部32に供給される基準時刻Tを
開始基準時刻Tと称することとする。時刻補正部32が開始基準時刻Tに固有単位時間幅
Δtを順に加算していく時刻を時刻T32とする。
【0033】
特殊相対性理論に基づき、固有加速度aが大きくなるほど宇宙船120内で経過する固
有時間は遅くなる。一方で、式(5)で計算される固有単位時間幅Δtは単位時間幅ΔT
よりも短くなる。即ち、時刻補正部32によって計算された時刻T32は、地球100上
で単位時間幅ΔTごとに刻まれる基準時刻を示すことになる。時刻補正部32より出力さ
れる時刻を基準時刻T32とする。
【0034】
固有時刻時計22は、例えばセシウム133原子時計を用いて単位時間幅ΔTごとに時
刻を刻んでいく。固有時刻時計22が単位時間幅ΔTごとに刻む時刻をt22とすると、
時刻t22は基準時刻よりも遅れた宇宙船120内での固有時刻となる。固有時刻時計2
2より出力される時刻を固有時刻t22とする。
【0035】
表示制御部33は、操作部50による指示に基づいて、基準時刻T32または固有時刻
t22を表示部60に表示する。表示制御部33は、表示部60に基準時刻T32と固有
時刻t22とを選択的に表示してもよいし、表示部60に基準時刻T32と固有時刻t2
2とを同時に表示してもよい。表示制御部33は、通常は固有時刻t22を表示して、操
作部50による指示がなされたときに固有時刻t22の代わりに基準時刻T32を表示し
てもよい。
【0036】
図4に示すフローチャートを用いて、図3に示す時刻算出装置で実行される第1実施形
態の時刻算出方法を説明する。図4において、CPU30(時刻補正部32)は、ステッ
プS11にて、基準時間を有する時空間の開始基準時刻Tを初期設定する。CPU30(
時間伸縮計算部31)は、ステップS12にて、固有加速度センサ11が検出した固有加
速度aを取り込む。CPU30は固有加速度aを継続的に取り込む。
【0037】
ステップS11とステップS12とは同時に実行されてもよいし、順番が逆であっても
よい。
【0038】
CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS13にて、固有単位時間幅Δtを式
(5)に基づいて算出する。CPU30(時刻補正部32)は、ステップS14にて、基
準時間を有する時空間の基準時刻T32をT=T+Δtに基づいて算出する。開始基準時
刻Tに固有単位時間幅Δtが加算された以降の時刻Tは計算された基準時刻T32となる
【0039】
CPU30(表示制御部33)は、ステップS15にて、時刻表示が指示されたか否か
を判定する。時刻表示が指示されなければ(NO)、CPU30は処理をステップS13に
戻す。時刻表示が指示されれば(YES)、CPU30(表示制御部33)は、ステップS
16にて、基準時刻T32または固有時刻t22を表示部60に表示して、処理をステッ
プS13に戻す。
<第2実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法>
図5において、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。第2実施形
態の時刻算出装置は、固有加速度センサ11の代わりに固有速度センサ12を備える。固
有速度センサ12は宇宙船120が航行するときの固有速度vを検出して、検出した固有
速度vを時間伸縮計算部31に供給する。
【0040】
特殊相対性理論に基づき、時間伸縮計算部31は、基準時間を有する地点から見た固有
単位時間幅Δtを式(6)に基づいて計算する。
【0041】
【数4】
【0042】
時刻補正部32は、開始基準時刻Tに、単位時間幅ΔTごとに計算された固有単位時間
幅Δtを加算して、基準時刻T32を算出する。
【0043】
図6に示すフローチャートを用いて、図5に示す時刻算出装置で実行される第2実施形
態の時刻算出方法を説明する。図6において、CPU30(時刻補正部32)は、ステッ
プS21にて、基準時間を有する時空間の開始基準時刻Tを初期設定する。CPU30(
時間伸縮計算部31)は、ステップS22にて、固有速度センサ12が検出した固有速度
vを取り込む。CPU30は固有速度vを継続的に取り込む。
【0044】
ステップS21とステップS22とは同時に実行されてもよいし、順番が逆であっても
よい。
【0045】
CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS23にて、固有単位時間幅Δtを式
(6)に基づいて算出する。CPU30(時刻補正部32)は、ステップS24にて、基
準時間を有する時空間の基準時刻T32をT=T+Δtに基づいて算出する。
【0046】
CPU30(表示制御部33)は、ステップS25にて、時刻表示が指示されたか否か
を判定する。時刻表示が指示されなければ(NO)、CPU30は処理をステップS23に
戻す。時刻表示が指示されれば(YES)、CPU30(表示制御部33)は、ステップS
26にて、基準時刻T32または固有時刻t22を表示部60に表示して、処理をステッ
プS23に戻す。
<第3実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法>
図7において、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。第3実施形
態の時刻算出装置は、固有加速度センサ11の代わりに重力源からの距離センサ13を備
える。基準となる時空間を地球100の表面(ジオイド表面)とすれば、地球100のみ
を重力源とみなすことができる。宇宙船120が地球100より宇宙空間に向けて発射さ
れて宇宙空間を航行すると、重力源である地球100から宇宙船120までの距離が変化
する。
【0047】
地球100が重力源であるとき、重力源からの距離は、地球100の半径に宇宙船12
0の高度を加えた距離となる。距離センサ13は、固有時空間における宇宙船120の重
力源からの距離raを検出して、検出した距離raを時間伸縮計算部31に供給する。
【0048】
一般相対性理論に基づき、時間伸縮計算部31は、基準時間を有する地点から見た固有
単位時間幅Δtを式(7)に基づいて計算する。式(7)において、Rは重力源のシュワ
ルツシルト半径、r0は基準時間を有する時空間の重力源からの距離である。
【0049】
【数5】
【0050】
シュワルツシルト半径は2GM/c2で計算することができる。Gは万有引力定数6.67438×1
0-11、Mは重力源の質量である。例えば、地球100の質量は5.974×1024kgであるので
、シュワルツシルト半径は8.9mmとなる。
【0051】
時刻補正部32は、開始基準時刻Tに、単位時間幅ΔTごとに計算された固有単位時間
幅Δtを加算して、基準時刻T32を算出する。
【0052】
図8に示すフローチャートを用いて、図7に示す時刻算出装置で実行される第3実施形
態の時刻算出方法を説明する。図8において、CPU30(時刻補正部32)は、ステッ
プS31にて、基準時間を有する時空間の開始基準時刻Tを初期設定する。また、CPU
30(時間伸縮計算部31)は、ステップS31にて、重力源からの距離r0を設定する
【0053】
CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS32にて、距離センサ13が検出し
た重力源からの距離raを取り込む。CPU30は距離raを継続的に取り込む。
【0054】
ステップS31とステップS32とは同時に実行されてもよいし、順番が逆であっても
よい。
【0055】
CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS33にて、固有単位時間幅Δtを式
(7)に基づいて算出する。CPU30(時刻補正部32)は、ステップS34にて、基
準時間を有する時空間の基準時刻T32をT=T+Δtに基づいて算出する。
【0056】
CPU30(表示制御部33)は、ステップS35にて、時刻表示が指示されたか否か
を判定する。時刻表示が指示されなければ(NO)、CPU30は処理をステップS33に
戻す。時刻表示が指示されれば(YES)、CPU30(表示制御部33)は、ステップS
36にて、基準時刻T32または固有時刻t22を表示部60に表示して、処理をステッ
プS33に戻す。
【0057】
第3実施形態において、地球100と月と太陽を重力源として、これらの重力源の影響
を加算することにより、基準時刻T32の精度を向上させることも可能である。また、地
球100と宇宙船120とに対する太陽からの重力をほぼ同じとみなすことができる。こ
の場合、太陽からの重力による時空の歪みが固定されるので太陽については特殊相対性理
論のみを考慮し、地球100及び月については地球100と月との間の重力を一般相対性
理論で考慮すればよいため、計算が簡略化される。
【0058】
第3実施形態において、重力源からの距離を、宇宙空間における位置(固有位置)とす
ることができる。非特許文献1に記載されているように、宇宙空間における測位システム
が検討されている。宇宙空間における測位システムを用いれば、宇宙空間における固有位
置に基づいて基準時刻T32を算出することができる。
<第4実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法>
図9において、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。第4実施形
態の時刻算出装置は、固有加速度センサ11の代わりに宇宙船120の重力gを検出する
固有重力センサ14を備える。固有重力センサ14は検出した宇宙船120の重力gを時
間伸縮計算部31に供給する。
【0059】
固有重力センサ14としては、一例として、非特許文献2に記載されている技術を採用
することができる。
【0060】
一般相対性理論に基づき、時間伸縮計算部31は、基準時間を有する地点から見た固有
単位時間幅Δtを式(8)に基づいて計算する。
【0061】
【数6】
【0062】
時刻補正部32は、開始基準時刻Tに、単位時間幅ΔTごとに計算された固有単位時間
幅Δtを加算して、基準時刻T32を算出する。
【0063】
図10に示すフローチャートを用いて、図9に示す時刻算出装置で実行される第4実施
形態の時刻算出方法を説明する。図10において、CPU30(時刻補正部32)は、ス
テップS41にて、基準時間を有する時空間の開始基準時刻Tを初期設定する。CPU3
0(時間伸縮計算部31)は、ステップS42にて、固有重力センサ14が検出した重力
gを取り込む。CPU30は重力gを継続的に取り込む。
【0064】
ステップS41とステップS42とは同時に実行されてもよいし、順番が逆であっても
よい。
【0065】
CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS43にて、固有単位時間幅Δtを式
(8)に基づいて算出する。CPU30(時刻補正部32)は、ステップS44にて、基
準時間を有する時空間の基準時刻T32をT=T+Δtに基づいて算出する。
【0066】
CPU30(表示制御部33)は、ステップS45にて、時刻表示が指示されたか否か
を判定する。時刻表示が指示されなければ(NO)、CPU30は処理をステップS43に
戻す。時刻表示が指示されれば(YES)、CPU30(表示制御部33)は、ステップS
46にて、基準時刻T32または固有時刻t22を表示部60に表示して、処理をステッ
プS43に戻す。
<第5実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法>
図11において、図3図5図9と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。第5実施形態の時刻算出装置は、固有加速度センサ11と固有速度センサ12と固有
重力センサ14とを備える。固有加速度センサ11、固有速度センサ12、固有重力セン
サ14は、それぞれ、検出した宇宙船120の固有加速度a、固有速度v、重力gを時間
伸縮計算部31に供給する。
【0067】
時間伸縮計算部31が式(5)に基づいて計算する固有単位時間幅ΔtをΔt11、式
(6)に基づいて計算する固有単位時間幅ΔtをΔt12、式(8)に基づいて計算する
固有単位時間幅ΔtをΔt14とする。時間伸縮計算部31は、単位時間幅ΔT、固有単
位時間幅Δt11、Δt12、Δt14を時刻補正部32に供給する。時刻補正部32は
基準時刻T32を式(9)に基づいて算出する。
【0068】
T=T+ΔT+(Δt11-ΔT)+(Δt12-ΔT)+(Δt14-ΔT) …(9)
図12に示すフローチャートを用いて、図11に示す時刻算出装置で実行される第5実
施形態の時刻算出方法を説明する。図12において、CPU30(時刻補正部32)は、
ステップS51にて、基準時間を有する時空間の開始基準時刻Tを初期設定する。CPU
30(時間伸縮計算部31)は、ステップS52にて、固有加速度a、固有速度v、重力
gを取り込む。CPU30は固有加速度a、固有速度v、重力gを継続的に取り込む。
【0069】
ステップS51とステップS52とは同時に実行されてもよいし、順番が逆であっても
よい。
【0070】
CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS53にて、固有単位時間幅Δtを式
(5)、式(6)、式(8)の各式に基づいて算出する。CPU30(時刻補正部32)
は、ステップS54にて、基準時間を有する時空間の基準時刻T32を式(9)に基づい
て算出する。
【0071】
CPU30(表示制御部33)は、ステップS55にて、時刻表示が指示されたか否か
を判定する。時刻表示が指示されなければ(NO)、CPU30は処理をステップS53に
戻す。時刻表示が指示されれば(YES)、CPU30(表示制御部33)は、ステップS
56にて、基準時刻T32または固有時刻t22を表示部60に表示して、処理をステッ
プS53に戻す。
【0072】
第5実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法によれば、基準時刻T32を第1、第2
、第4実施形態よりも正確に算出することができる。図11では時刻算出装置は固有加速
度センサ11と固有速度センサ12と固有重力センサ14とを備えるが、固有重力センサ
14を省略して、固有加速度センサ11と固有速度センサ12を備える構成としてもよい

<第6実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法>
図13において、図11と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。CPU
30は、固有加速度センサ11が検出する固有加速度a、固有速度センサ12が検出する
固有速度v、固有重力センサ14が検出する重力gの変化を検出するセンサ値変化検出部
34を備える。
【0073】
センサ値変化検出部34は、固有加速度a、固有速度v、重力gのうち、変化したセン
サ値を時間伸縮計算部31に供給する。時間伸縮計算部31は、固有加速度aが変化した
ら式(5)に基づいて固有単位時間幅Δt11を計算し、固有速度vが変化したら式(6
)に基づいて固有単位時間幅Δt12を計算し、重力gが変化したら式(8)に基づいて
固有単位時間幅Δt14を計算する。
【0074】
時間伸縮計算部31は、単位時間幅ΔTごとに、固有加速度aが変化しなければ同じ固
有単位時間幅Δt11を時刻補正部32に供給し、固有加速度aが変化したら新たに計算
された固有単位時間幅Δt11を時刻補正部32に供給する。即ち、固有単位時間幅Δt
11は、固有加速度aが変化したら更新される。
【0075】
時間伸縮計算部31は、単位時間幅ΔTごとに、固有速度vが変化しなければ同じ固有
単位時間幅Δt12を時刻補正部32に供給し、固有速度vが変化したら新たに計算され
た固有単位時間幅Δt12を時刻補正部32に供給する。即ち、固有単位時間幅Δt12
は、固有速度vが変化したら更新される。
【0076】
時間伸縮計算部31は、単位時間幅ΔTごとに、重力gが変化しなければ同じ固有単位
時間幅Δt14を時刻補正部32に供給し、重力gが変化したら新たに計算された固有単
位時間幅Δt14を時刻補正部32に供給する。即ち、固有単位時間幅Δt14は、重力
gが変化したら更新される。
【0077】
時刻補正部32は、時間伸縮計算部31が固有単位時間幅(Δt11、Δt12、また
はΔt14)を新たに計算して固有単位時間幅を更新したときには、開始基準時刻Tまた
は基準時刻T32に更新された固有単位時間幅を加算する。時刻補正部32は、時間伸縮
計算部31が固有単位時間幅を更新しないときには、開始基準時刻Tまたは基準時刻T3
2に直前に計算された固有単位時間幅と同じ固有単位時間幅を加算する。
【0078】
図14に示すフローチャートを用いて、図13に示す時刻算出装置で実行される第6実
施形態の時刻算出方法を説明する。図14において、CPU30(時刻補正部32)は、
ステップS61にて、基準時間を有する時空間の開始基準時刻Tを初期設定する。CPU
30(センサ値変化検出部34)は、ステップS62にて、センサ値が変化したか否かを
判定する。
【0079】
センサ値が変化すれば(YES)、CPU30(時間伸縮計算部31)は、ステップS6
3にて、固有加速度a、固有速度v、重力gのうち変化したセンサ値を取り込む。ステッ
プS64~S67は、図12のステップS53~56と同様である。
【0080】
ステップS62にてセンサ値が変化しなければ(NO)、CPU30は、処理をステップ
S65に移行させる。
【0081】
第6実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法においては、時間伸縮計算部31は固有
加速度a、固有速度v、重力gのうち変化したセンサ値のみを対象として固有単位時間幅
Δtを更新すればよい。従って、第6実施形態の時刻算出装置及び時刻算出方法よれば、
CPU30における処理を簡略化でき、消費電力を低減させることができる。
【0082】
センサ値変化検出部34を備える構成は、固有加速度センサ11、固有速度センサ12
、固有重力センサ14の全てを備える構成に限定されない。図3に示す固有加速度センサ
11のみを備える時刻算出装置が、固有加速度aの変化を検出するセンサ値変化検出部3
4を備えてもよい。図5に示す固有速度センサ12のみを備える時刻算出装置が、固有速
度vの変化を検出するセンサ値変化検出部34を備えてもよい。図9に示す固有重力セン
サ14のみを備える時刻算出装置が、重力gの変化を検出するセンサ値変化検出部34を
備えてもよい。
【0083】
次に詳述する第7~第9実施形態はデータベース装置に関する。図15は、第7~第9
実施形態で共通のデータベース装置500を示している。図16図18に示すように、
図15に示す宇宙船121~124は宇宙船120と同様に宇宙空間を航行する。代表し
て宇宙船121の内部構成を示すように、宇宙船121~124は、データ生成部131
、基準時刻算出部132、データ記憶部133、データ送信部134を備える。
【0084】
データ生成部131は、宇宙船121~124それぞれが任意のデータを生成する。デ
ータは宇宙船121~124自体に関するデータであってもよいし、宇宙船121~12
4それぞれが観測した宇宙に関するデータであってもよい。データは宇宙船121~12
4それぞれに搭乗している乗員の心拍数等の乗員に関するデータであってもよい。
【0085】
基準時刻算出部132は、固有加速度センサ11、固有速度センサ12、距離センサ1
3、固有重力センサ14のうちの少なくとも1つと、基準時刻時計21と、時間伸縮計算
部31と、時刻補正部32とを含む。基準時刻算出部132は、第1~第6実施形態で説
明したように、基準時間を有する時空間の基準時刻を算出する。
【0086】
データ記憶部133は、データ生成部131が生成したデータと基準時刻算出部132
が算出した基準時刻とを対応させて記憶する。データ送信部134は、データ記憶部13
3より読み出された基準時刻対応付けデータをデータベース装置500へと無線送信する
【0087】
データベース装置500は、データ受信部501と、データ記憶部502とを備える。
データ受信部501は宇宙船121~124より送信された基準時刻対応付けデータを受
信し、データ記憶部502は基準時刻対応付けデータを記憶する。
【0088】
宇宙船121~124におけるそれぞれの固有時間は異なるものの、宇宙船121~1
24内でそれぞれのデータに基準時刻算出部132によって算出された基準時刻が対応付
けられている。従って、データ記憶部502には基準時刻で時刻情報が統一されたデータ
が記憶される。
<第7実施形態のデータベース装置>
図16は、地球100、月200、太陽300を含む宇宙空間を、宇宙船121~12
4が航行している状態を示している。第7実施形態においては、データベース装置500
は、地球100のジオイド表面に設置されている。この場合、基準時間は地球100での
基準時間である。地球100を基準時間を有する第1の時空間とすれば、宇宙船121~
124は第1の時空間とは異なる第2の時空間を有する物体である。但し、宇宙船121
~124におけるそれぞれの時空間は異なる。
<第8実施形態のデータベース装置>
図17は、データベース装置500が宇宙空間に位置している宇宙ステーション400
に設置されている。宇宙ステーション400が例えば地球100を周回している。この場
合、基準時刻対応付けデータにおける基準時刻は、宇宙ステーション400での固有時刻
である。図17では、データベース装置500が第1の時空間を有し、宇宙船121~1
24が第2の時空間を有する。但し、宇宙船121~124におけるそれぞれの時空間は
異なる。
<第9実施形態のデータベース装置>
図18は、図17に示す宇宙ステーション400が移動している状態を示している。こ
の場合、宇宙ステーション400が移動していることから、図17における宇宙ステーシ
ョン400での固有時刻を、固有加速度a、固有速度v、重力源からの距離(または宇宙
空間における固有位置)、重力gのうちの少なくとも1つに基づいて求め、その固有時刻
を基準時刻とすればよい。
【0089】
第7~第9実施形態はデータベース装置によれば、互いに異なる時刻を有する複数の時
空間で生成されたデータを、時刻を共有した状態で収集することができる。よって、宇宙
空間においてクラウドサービスまたはM2Mによって各種のデータがやりとりされても、
時刻が共有されていないことによって起こり得る不具合が発生することがない。
【0090】
本発明は以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において種々変形可能である。
【符号の説明】
【0091】
11 固有加速度センサ
12 固有速度センサ
13 距離センサ
14 固有重力センサ
20 時計
21 基準時刻時計
22 固有時刻時計
30 中央処理装置
31 時間伸縮計算部
32 時刻補正部
33 表示制御部
34 センサ値変化検出部
40 記憶部
50 操作部
60 表示部
500 データベース装置
501 データ受信部
502 データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18