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特許7501697発電制御装置、発電制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】発電制御装置、発電制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04858 20160101AFI20240611BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240611BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20240611BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240611BHJP
   B60L 58/40 20190101ALI20240611BHJP
【FI】
H01M8/04858
H01M8/04313
H01M8/04537
H01M8/00 A
H01M8/00 Z
B60L58/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023026180
(22)【出願日】2023-02-22
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】吉永 寛史
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-096012(JP,A)
【文献】特開2009-151801(JP,A)
【文献】特開2011-223870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0391615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M8/04-8/0668
B60L58/00-58/40
B60W20/00-20/50
G08G1/00-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の速度、前記車両と進行方向前方の信号機との距離、及び前記信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得する取得部と、
前記速度と前記距離とに基づいて前記車両が前記信号機を通過する時刻を算出し、前記信号機情報に基づいて前記信号機を通過する時刻に前記信号機が灯火する色を特定する色特定部と、
前記車両に要求された駆動トルクで走行するために前記車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を特定する電力特定部と、
前記色特定部が特定した、前記信号機が灯火する色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定する決定部と、
を有する発電制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記信号機情報として、前記信号機が灯火している色、前記変更時刻、及び当該変更時刻の後に灯火する色を取得する、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記車両のアクセル開度をさらに取得し、
前記決定部は、走行中の前記車両の前記消費電力に対応する第1駆動トルクよりも前記アクセル開度に対応する第2駆動トルクが大きく、かつ前記信号機が灯火する色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記第2駆動トルクに対応する消費電力と前記供給電力との差である不足電力を前記バッテリから前記モータに供給することを決定する、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記色特定部が特定した、前記信号機が灯火する色が赤色又は黄色であり、且つ前記バッテリの充電率が閾値以上である場合、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定する、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記バッテリが前記モータに前記不足電力を供給した後に前記車両が停止し、且つ前記バッテリの充電率が閾値未満である場合、前記燃料電池スタックから前記バッテリに電力を供給することを決定する、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項6】
プロセッサが実行する、
車両の速度、前記車両と進行方向前方の信号機との距離、及び前記信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得するステップと、
前記速度と前記距離とに基づいて前記車両が前記信号機を通過する時刻を算出し、前記信号機情報に基づいて前記信号機を通過する時刻に前記信号機が灯火する色を特定するステップと、
前記車両に要求された駆動トルクで走行するために前記車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を算出するステップと、
前記信号機が灯火する色を特定するステップにおいて特定した色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定するステップと、
を有する発電制御方法。
【請求項7】
プロセッサに、
車両の速度、前記車両と進行方向前方の信号機との距離、及び前記信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得するステップと、
前記速度と前記距離とに基づいて前記車両が前記信号機を通過する時刻を算出し、前記信号機情報に基づいて前記信号機を通過する時刻に前記信号機が灯火する色を特定するステップと、
前記車両に要求された駆動トルクで走行するために前記車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を算出するステップと、
前記信号機が灯火する色を特定するステップにおいて特定した色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電制御装置、発電制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のハイブリッド車両の制御装置は、交差点の有無に応じて、モータで走行するために出力する電力の上限値を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-52652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電力を出力する燃料電池スタックの触媒に塗布された白金粒子は、発電時の負荷の変動に伴い電圧が変動することで、溶出又は析出して粗大化するため、燃料電池スタックが劣化しやすい。その結果、従来の制御装置においては、車両が交差点の手前で加速した後に信号機の色が黄色又は赤色に変化したことにより減速すると、必要な電力量の変動に伴い負荷が変動するため、燃料電池スタックの劣化が進むという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、交差点を走行する際の発電による燃料電池スタックの劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る発電制御装置は、車両の速度、前記車両と進行方向前方の信号機との距離、及び前記信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得する取得部と、前記速度と前記距離とに基づいて前記車両が前記信号機を通過する時刻を算出し、前記信号機情報に基づいて前記信号機を通過する時刻に前記信号機が灯火する色を特定する色特定部と、前記車両に要求された駆動トルクで走行するために前記車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を特定する電力特定部と、前記色特定部が特定した、前記信号機が灯火する色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定する決定部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、前記信号機情報として、前記信号機が灯火している色、前記変更時刻、及び当該変更時刻の後に灯火する色を取得してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記車両のアクセル開度をさらに取得し、前記決定部は、走行中の前記車両の前記消費電力に対応する第1駆動トルクよりも前記アクセル開度に対応する第2駆動トルクが大きく、かつ前記信号機が灯火する色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記第2駆動トルクに対応する消費電力と前記供給電力との差である不足電力を前記バッテリから前記モータに供給することを決定してもよい。
【0009】
前記決定部は、前記色特定部が特定した、前記信号機が灯火する色が赤色又は黄色であり、且つ前記バッテリの充電率が閾値以上である場合、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定してもよい。
【0010】
前記決定部は、前記バッテリが前記モータに前記不足電力を供給した後に前記車両が停止し、且つ前記バッテリの充電率が閾値未満である場合、前記燃料電池スタックから前記バッテリに電力を供給することを決定してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様に係る発電制御装置は、燃料電池スタックとバッテリとから供給された電力で動作するモータを備える車両を制御する発電制御装置であって、現在の時刻における車両の進行方向前方の信号機の第1状態を示す第1情報、及び前記車両が前記信号機を通過する時刻における前記信号機の第2状態を示す第2情報を取得する取得部と、前記第1状態と前記第2状態とが異なる場合は、前記第1状態と前記第2状態とが同じ場合よりも、前記燃料電池スタックの発電量の変化が小さくなるように、前記燃料電池スタック及び前記バッテリから前記モータに供給する電力量を決定する決定部と、を有する。
【0012】
前記決定部は、前記第1状態と前記第2状態とが異なる場合、前記車両が加速する動作により増加した前記モータに供給する電力を前記バッテリから供給するように決定してもよい。
【0013】
本発明の第3の態様に係る発電制御方法は、プロセッサが実行する、車両の速度、前記車両と進行方向前方の信号機との距離、及び前記信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得するステップと、前記速度と前記距離とに基づいて前記車両が前記信号機を通過する時刻を算出し、前記信号機情報に基づいて前記信号機を通過する時刻に前記信号機が灯火する色を特定するステップと、前記車両に要求された駆動トルクで走行するために前記車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を算出するステップと、前記信号機が灯火する色を特定するステップにおいて特定した色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、プロセッサに、車両の速度、前記車両と進行方向前方の信号機との距離、及び前記信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得するステップと、前記速度と前記距離とに基づいて前記車両が前記信号機を通過する時刻を算出し、前記信号機情報に基づいて前記信号機を通過する時刻に前記信号機が灯火する色を特定するステップと、前記車両に要求された駆動トルクで走行するために前記車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を算出するステップと、前記信号機が灯火する色を特定するステップにおいて特定した色が赤色又は黄色である場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給するとともに、前記車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給することを決定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、交差点を走行する際の発電による燃料電池スタックの劣化を抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る車両Sの概要を説明するための図である。
図2】電力の供給元を決定する動作を説明するための図である。
図3】モータ7に供給する電力量を説明するための図である。
図4】発電制御装置10における処理シーケンスの例を示す図である。
図5】変形例に係る車両Sの概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<車両Sの概要>
図1は、本実施形態に係る車両Sの概要を説明するための図である。図1に示す車両Sは、受信装置1と、距離特定装置2と、速度センサ3と、アクセルセンサ4と、FC(Fuel Cell)スタック5と、バッテリ6と、モータ7と、を備える。車両Sは、例えば、HEV(Hybrid Electric Vehicle;すなわちハイブリッド車)又はEV(Electric Vehicle;すなわち電気自動車)であり、車両Sが走行するためにモータ7が消費する電力をFCスタック5から供給するハイブリッドモードで動作する。
【0018】
受信装置1は、V2X(Vehicle-to-Everything)通信を介して、車両Sの周囲の送信装置から情報を受信する無線通信装置である。無線通信の規格は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)であるが、これに限らない。送信装置は、例えば、車両Sの周囲の信号機又は当該信号機と通信可能な情報処理装置である。送信装置から受信する情報は、例えば、信号機が灯火している色、信号機の灯火色を変更する時刻及び変更後の灯火色である。
【0019】
距離特定装置2は、車両Sの進行方向前方に設置された信号機と車両Sとの距離を特定する処理を実行する。距離特定装置2は、例えば、車両Sに搭載されたADAS(Advanced Driver-Assistance Systems;先進運転支援システム)が備えるLiDAR(Light Detection And Ranging)等の三次元レーザ(不図示)が車両Sの周囲の物体を測定して生成した点群データに基づいて、信号機と車両Sとの距離を特定する。信号機と車両Sとの距離は、信号機が設置された位置と車両Sの位置との距離でもよいし、信号機に対応する一時停止線の位置と車両Sの位置との距離でもよい。
【0020】
速度センサ3は、車両Sの速度を検出して発電制御装置10に送信する。アクセルセンサ4は、車両Sが備えるアクセルペダル(不図示)の踏込量を検出し、踏込量に対応するアクセル開度を発電制御装置10に送信する。
【0021】
FCスタック5は、複数の燃料電池セルを積層(スタック)した燃料電池スタックであり、例えば、水素ガス等の燃料ガスと、空気中の酸素等の酸化剤ガスとの化学反応により発電を行う。FCスタック5は、発電した電気を、バッテリ6又はモータ7に供給する。バッテリ6は、充放電可能な蓄電池であり、車両Sが備える電装品(不図示)に電気を供給する。また、バッテリ6は、FCスタック5が発電した電気とモータ7が発生した回生電力とを充電する。モータ7は、FCスタック5から供給された電気を用いて、車両Sが駆動するための動力を発生させる動力源である。モータ7は、車両Sがブレーキ(不図示)を用いて減速する場合に回生電力を発生し、バッテリ6に電気を供給する。
【0022】
発電制御装置10は、車両Sに要求されたトルクをモータ7に発生させるために、FCスタック5の発電量を決定する処理を実行する。発電制御装置10は、電子部品を含む筐体を有していてもよく、電子部品が実装されたプリント基板であってもよい。
【0023】
ところで、FCスタック5においては、触媒金属として用いられる白金が塗布されている。白金は、FCスタック5が発電する際の負荷の変動に伴い電圧が変動することで溶出又は析出して粗大化するため、FCスタック5は、発電量が変動すると劣化しやすくなる。一例として、信号機の手前で加速した車両Sが当該信号機を通過するまでに、信号機の灯火色が変わる場合(すなわち、車両Sが交差点の手前で加速した後に信号機の灯火色が黄色又は赤色に変化するような場合)は、車両Sが加速した直後に減速することが想定される。このような場合、モータ7に発生させるトルクの変化に伴いFCスタック5が発電する際の負荷が変動するため、FCスタック5が劣化しやすくなる。
【0024】
そこで、発電制御装置10は、車両Sの進行方向前方に設置された信号機と車両Sとの距離、及び信号機の灯火色が変化する時刻に基づいて、車両Sが加速した直後に減速することが想定されると判定した場合は、FCスタック5に加えてバッテリ6からもモータ7に電気を供給する。すなわち、発電制御装置10は、車両Sが信号機を通過するまでに信号機の状態が変化する場合は、信号機の状態が変化しない場合よりも、FCスタック5の発電量の変化が小さくなるように、FCスタック5及びバッテリ6から供給する電力量を制御する。具体的には、車両Sが信号機を通過する前に消費電力が増加した場合は、バッテリ6から供給する電力を増加させ、信号機の状態が変化することによりモータ7に要求されるトルクが変化したとしても、FCスタック5の発電量の変化を抑制する。このように動作することで、要求されたトルクのうち車両Sの加速に伴い変動するトルクに対応する電力をバッテリ6から供給できるため、FCスタック5の発電量の変動を抑制できる。その結果、FCスタック5の劣化を抑制することができる。
以下、発電制御装置10の構成及び動作を詳細に説明する。
【0025】
<発電制御装置10の構成>
発電制御装置10は、記憶部11と、制御部12と、を有する。制御部12は、取得部121と、色特定部122と、電力特定部123と、決定部124と、走行制御部125と、を有する。
【0026】
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶している。記憶部11は、FCスタック5及びバッテリ6からモータ7に電気を供給するための各種の情報を記憶している。一例として、記憶部11は、車両Sのアクセル開度と速度とに対応するモータ7のトルクを示すトルクマップを記憶している。トルクマップは、アクセル開度と速度とを軸とする二次元空間上の平面として表されており、当該平面には、アクセル開度と速度とに関連付けられたモータ7のトルクが示されている。
【0027】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はECU(Electronic Control Unit)等のプロセッサである。制御部12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部121、色特定部122、電力特定部123、決定部124及び走行制御部125として機能する。なお、制御部12は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、複数のプロセッサ又は1以上のプロセッサと電子回路との組み合わせにより構成されていてもよい。
以下、制御部12により実現される各部の構成を説明する。
【0028】
取得部121は、車両Sの速度、車両Sのアクセル開度、車両Sと進行方向前方の信号機との距離、及び信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得する。信号機情報は、例えば、信号機が灯火している色、灯火色の変更時刻、及び当該変更時刻の後に灯火する色を含む。取得部121は、例えば、受信装置1が信号機から受信した信号機情報、距離特定装置2が特定した信号機と車両Sとの距離、速度センサ3が検出した車両Sの速度、及びアクセルセンサ4が検出したアクセル開度を取得する。なお、信号機と車両Sとの距離は、信号機が設置された位置と車両Sの位置との距離、又は信号機に対応する一時停止線の位置と車両Sの位置との距離のいずれかである。
【0029】
色特定部122は、車両Sが進行方向前方の信号機を通過する時刻における信号機の灯火色を特定する。例えば、色特定部122は、現在の時刻、車両Sの速度及び信号機と車両Sとの距離に基づいて、車両Sが信号機を通過する時刻を算出する。そして、色特定部122は、信号機情報に基づいて信号機を通過する時刻に信号機が灯火する色を特定する。
【0030】
例えば、信号機を通過する時刻「9時5分30秒」を色特定部122が算出し、信号機情報が「灯火している色は青色」、「変更時刻は9時5分35秒」及び「変更時刻の後に灯火する色は黄色」を示すとする。この場合、色特定部122は、信号機を通過する時刻における信号機の灯火色を「青色」に特定する。
【0031】
電力特定部123は、車両Sに要求された駆動トルクで走行するために車両Sが備えるモータ7が消費する消費電力と、車両Sが備えるFCスタック5が供給している供給電力との差である不足電力を特定する。例えば、電力特定部123は、記憶部11に記憶されたトルクマップが示すモータ7のトルクを参照することにより、車両Sのアクセル開度と速度とに対応するモータ7のトルクを特定する。続いて、電力特定部123は、特定したトルクを発生させるためにモータが消費する消費電力を算出し、当該消費電力と現時刻におけるFCスタック5の発電量(すなわち供給電力)との差である不足電力を特定する。
【0032】
決定部124は、モータ7に電力を供給する供給元(すなわち、FCスタック5及びバッテリ6の少なくともいずれか)と、供給元が供給する電力量とを決定する。決定部124は、色特定部122が特定した、車両Sが信号機を通過する時刻における信号機の灯火色が青色である場合、FCスタック5からモータ7に、電力特定部123が算出した消費電力を供給することを決定する。一方で、決定部124は、色特定部122が特定した信号機の灯火色が赤色又は黄色である場合、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給するとともに、車両Sが備えるバッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定する。
【0033】
図2は、電力の供給元を決定する動作を説明するための図である。図2に示す車両Sは、道路Aを交差点Tに向かって走行しており、信号機R1に対応する一時停止線K1を通過しようとしている。図2において、位置L0は車両Sの先頭の位置を示し、位置L1は車両Sが加速を開始した位置を示し、位置L2は信号機R1の灯火色が黄色に変化したことにより車両Sが減速を開始した位置を示す。
【0034】
まず、色特定部122は、取得部121が取得した車両Sの速度及び一時停止線K1と位置L0との距離に基づいて、車両Sが一時停止線K1を通過する時刻を算出する。色特定部122は、取得部121が取得した信号機R1の信号機情報に基づいて、算出した時刻における信号機R1の灯火色が赤色であるか否かを判定する。色特定部122が信号機R1の灯火色が赤色であると判定した場合、決定部124は、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給する。さらに決定部124は、車両Sが加速する場合に、バッテリ6からモータ7に加速に伴う不足電力を供給することを決定する。すなわち、決定部124は、車両Sが信号機R1を通過する前に信号機R1の状態が変化する場合に、信号機R1の状態が変化しない場合よりもFCスタック5の発電量の変化を抑制するために、バッテリ6からモータ7に加速に伴う不足電力を供給することを決定する。決定部124がこのように動作することで、車両Sの加速及び減速に伴い変動する消費電力と、FCスタック5が供給する供給電力との差である不足電力をバッテリ6からモータ7に供給できるため、FCスタック5の発電量の変動を抑制できる。その結果、FCスタック5の劣化を抑制できる。
【0035】
なお、決定部124は、図2に示す位置L1において車両Sが加速し、位置L2において車両Sが減速しなかった場合、車両Sが交差点Tを通過する時刻より前の時刻においては、不足電力をバッテリ6から供給し、当該時刻を経過した後は、不足電力をFCスタック5から供給することを決定してもよい。車両Sが交差点Tを通過する時刻は、例えば、色特定部122が算出した、車両Sが信号機R1を通過する時刻(図2においては一時停止線K1を通過する時刻)である。決定部124がこのように動作することで、不足電力を供給し続けたバッテリ6の充電率が、放電可能な充電率の範囲よりも低くなることを抑制できる。
【0036】
決定部124は、車両Sに要求された駆動トルクにさらに基づいて、モータ7に電力を供給する供給元と、供給する電力量とを決定してもよい。決定部124は、例えば、走行中の車両Sの消費電力に対応する第1駆動トルクよりもアクセル開度に対応する第2駆動トルクが大きく、かつ車両Sが一時停止線K1を通過する時刻において信号機R1の灯火色が赤色又は黄色であるか否かを判定する。第1駆動トルクは、所定の時刻にモータ7が発生しているトルクであり、第2駆動トルクは、所定の時刻のアクセル開度に基づいて、所定の時刻の次の時刻にモータ7が発生させるトルクである。
【0037】
続いて、決定部124は、第1駆動トルクより第2駆動トルクが大きく、かつ車両Sが一時停止線K1を通過する時刻において信号機R1の灯火色が赤色又は黄色であると判定した場合に、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給するとともに、第2駆動トルクに対応する消費電力と供給電力との差である不足電力をバッテリ6からモータ7に供給することを決定する。すなわち、決定部124は、車両Sに加速することが要求され、かつ色特定部122が特定した信号機R1の灯火色が赤色又は黄色である場合に、FCスタック5から供給電力を供給するとともに、バッテリ6から不足電力を供給することを決定する。
【0038】
図3は、モータ7に供給する電力量を説明するための図である。図3(a)は、電力特定部123が算出した消費電力を示し、図3(b)は、FCスタック5がモータ7に供給する供給電力を示し、図3(c)は、バッテリ6がモータ7に供給する不足電力を示す。図3の横軸は時刻を示し、図3の縦軸は電力量を示す。図3に示す時刻T1は、車両Sが加速を開始する時刻(図2に示す位置L1を車両Sの先頭が走行する時刻)であり、図3に示す時刻T2は、車両Sが加速を終了するとともに減速を開始する時刻(図2に示す位置L2を車両Sの先頭が走行する時刻)である。図3においては、色特定部122が、図2に示す信号機R1の灯火色を赤色に特定したものとする。
【0039】
例えば、図3に示す時刻T0において、電力特定部123は、記憶部11に記憶されたトルクマップを参照することにより、時刻T0に取得部121が取得した車両Sの速度とアクセル開度とに関連付けられたトルクを第2駆動トルクに特定する。決定部124は、時刻T0における消費電力W1に対応する第1駆動トルクと電力特定部123が特定した第2駆動トルクとが同じであることにより、時刻T0において車両Sが加速を要求されていないことを特定する。そして、決定部124は、時刻T0の次の時刻にモータ7に供給する電力量が、FCスタック5が供給する供給電力W1であり、バッテリ6からモータ7に供給する不足電力が0であることを決定する。
【0040】
続いて、車両Sが加速を開始した時刻T1において、取得部121は、時刻T1より前の時刻に取得したアクセル開度よりも大きいアクセル開度を取得する。電力特定部123は、時刻T1に取得部121が取得した車両の速度とアクセル開度とに基づいて、時刻T1における消費電力W1に対応する第1駆動トルクよりも大きい第2駆動トルクを特定する。決定部124は、時刻T1における第2駆動トルクが第1駆動トルクよりも大きいことにより、車両Sが加速を要求されていることを特定し、時刻T1の次の時刻である時刻T3の消費電力が、当該第2駆動トルクに対応する消費電力W3であることを特定する。そして、決定部124は、時刻T3において、供給電力W1をFCスタック5からモータ7に供給するとともに、不足電力「W3-W1」をバッテリ6からモータ7に供給することを決定する。
【0041】
発電制御装置10が上記のように動作することで、車両Sが加速することにより、モータ7の消費電力が増加するとしても、増加する電力(すなわち、不足電力)をバッテリ6からモータ7に供給できる。その結果、FCスタック5からモータ7に供給する供給電力の電力量の変動を抑制できるため、FCスタック5の劣化を抑制できる。
【0042】
決定部124は、色特定部122が特定した、信号機R1が灯火する色が赤色又は黄色であり、且つバッテリ6の充電率が閾値以上である場合、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定してもよい。閾値は、バッテリ6が放電可能な充電率の下限値であり、例えば30%である。決定部124は、色特定部122が特定した、信号機R1が灯火する色が赤色又は黄色であり、且つバッテリ6の充電率が閾値未満である場合、FCスタック5からモータ7に消費電力を供給することを決定する。決定部124がこのように動作することで、バッテリ6が放電できないことにより車両Sが備える電装品(不図示)に電気を供給できなくなることを防ぐことができる。
【0043】
決定部124は、バッテリ6がモータ7に不足電力を供給した後に車両Sが停止し、且つバッテリ6の充電率が閾値未満である場合、FCスタック5からバッテリ6に電力を供給することを決定してもよい。例えば、図2に示す位置L1から位置L2までの距離においてバッテリ6が不足電力を供給した後に、車両Sが一時停止線K1で停止したとする。この場合、決定部124は、バッテリ6の充電率が放電可能な充電率の下限値未満である場合は、FCスタック5からバッテリ6に電力を供給する。決定部124がこのように動作することで、バッテリ6が放電できなくなることを防ぐことができる。
【0044】
走行制御部125は、例えば、VCU(Vehicle Control Unit)であり、FCスタック5及びバッテリ6からモータ7に電力を供給させる。走行制御部125は、決定部124がFCスタック5からモータ7に供給電力を供給することを決定した場合に、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させる。走行制御部125は、決定部124がバッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定した場合に、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる。なお、本実施形態においては、走行制御部125が発電制御装置10に含まれているが、走行制御部125は、発電制御装置10の外部にある電子機器として車両Sに搭載されていてもよい。
【0045】
<発電制御装置10における処理シーケンス>
図4は、発電制御装置10における処理シーケンスの例を示す図である。図4に示す処理シーケンスは、モータ7に電力を供給する供給元を決定する動作を示す。発電制御装置10は、図4に示す処理シーケンスを一定時間ごとに繰り返す。
【0046】
まず、取得部121は、車両Sの速度、車両Sの進行方向前方に設置された信号機と車両Sとの距離、及び当該信号機から受信した信号機情報を取得する(S11)。色特定部122は、取得部121が取得した速度及び距離に基づいて、車両Sが信号機を通過する時刻を算出し、信号機情報に基づいて、算出した時刻に信号機が灯火する色を特定する(S12)。
【0047】
続いて、取得部121は、アクセルセンサ4が検出したアクセル開度を取得する(S13)。電力特定部123は、記憶部11に記憶されたトルクマップを参照することにより、車両Sの速度及びアクセル開度に関連付けられたトルクを車両Sに要求された駆動トルクに特定する。電力特定部123は、駆動トルクをモータ7が発生するための消費電力を算出し、当該消費電力とFCスタック5が供給する供給電力との差である不足電力を特定する(S14)。不足電力が0である場合(S15のNO)、発電制御装置10は、S13及びS14の動作を繰り返す。不足電力が0よりも大きい場合(S15のYES)、決定部124は、色特定部122が特定した信号機の灯火色に基づいて不足電力の供給元を決定する。
【0048】
色特定部122が特定した灯火色が赤色又は黄色である場合(S16のYES)、決定部124は、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定する(S17)。すなわち、決定部124は、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給するとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定する。色特定部122が特定した灯火色が赤色又は黄色ではない場合(S16のNO)、決定部124は、FCスタック5からモータ7に不足電力を供給することを決定する(S18)。すなわち、決定部124は、供給電力と不足電力とを加算した消費電力をFCスタック5からモータ7に供給することを決定する。
【0049】
<変形例>
以上の説明においては、発電制御装置10が、車両Sが進行方向前方の信号機R1を通過する時刻における信号機R1の灯火色が赤色又は黄色である場合に、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給するとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定する動作を説明したが、これに限らない。
【0050】
発電制御装置10は、信号機R1の灯火色を示す情報と異なる情報(以下、「信号機の状態を示す情報」という)を取得して、モータ7に電力を供給する供給元を決定してもよい。信号機の状態を示す情報は、信号機が示す交通に関する指示であり、例えば、停止を指示する状態(赤色を示す灯火色に対応する状態)、安全に停止できない場合を除き停止を指示する状態(黄色を示す灯火色に対応する状態)、及び、進行可能な状態(青色を示す灯火色に対応する状態)のいずれかを示す情報である。信号機の状態を示す情報は、方向指示を含む複数の指示を含んでいてもよい。
【0051】
図5は、変形例に係る変形例に係る車両Sの概要を説明するための図である。図5に示す車両Sは、色特定部122を有しない点と状態特定部126を有する点とにおいて図1に示す車両Sと異なり、他の点において同じである。状態特定部126の詳細は後述するが、受信装置1から信号機の状態を示す情報を取得し、信号機R1の状態を特定する動作を行う。
【0052】
取得部121は、受信装置1を介して、信号機R1から、現在の信号機の第1状態を示す第1情報(現在情報)を取得する。取得部121は、信号機R1の状態が変化する時刻と、信号機R1の状態が変化する時刻の前の時刻と、信号機R1の状態が変化する時刻の次の時刻と、の少なくともいずれかにおける信号機R1の第2状態を示す第2情報(変化情報)を取得する。
【0053】
状態特定部126は、取得した現在情報及び変化情報に基づいて、車両Sの進行方向前方の信号機R1が、車両Sが信号機R1を通過する時刻までに信号機R1の状態が変化するか否かを判定する。すなわち、状態特定部126は、第1情報が示す第1状態と第2情報が示す第2状態とが同じであるか否かを判定する。状態特定部126は、判定結果を決定部124に出力する。
【0054】
決定部124は、状態特定部126から取得した判定結果及び電力特定部123が特定したトルク値に基づいて、FCスタック5及びバッテリ6からモータ7に供給する電力を決定する。決定部124は、車両Sの進行方向前方の信号機R1の状態が、車両Sが信号機R1を通過する時刻よりも前の時刻に変化する場合(すなわち、状態特定部126から取得した判定結果が、第1状態と第2状態とが異なることを示す場合)、車両Sが信号機R1を通過するまでは、供給電力の変化量が小さくなるように、バッテリ6からモータ7に供給する不足電力を決定する。これにより、車両Sの加減速動作に伴う消費電力の変動によって、FCスタック5から出力される供給電力が変化することを抑制できる。
【0055】
信号機R1の状態が、「進行可能を示す状態」から「停止指示を示す状態」へ変化する場合、運転者は、信号機R1が進行可能を示す状態(青灯火)である間に、交差点を通過するために車両Sを加速させ、信号機R1が停止指示を示す状態(赤灯火又は黄灯火)に変化したことに応じて車両Sを減速させることが想定される。そこで、状態特定部126は、車両Sが信号機R1を通過する時刻よりも前の時刻における信号機R1の状態が、進行可能を示す状態から停止指示を示す状態へ変化するか否かを判定し、判定結果を決定部124に出力してもよい。この時、決定部124は、車両Sの進行方向前方の信号機R1の状態が、車両Sが信号機R1を通過する時刻よりも前に「進行可能を示す状態」から「停止指示を示す状態」へ変化する場合に、消費電力の変動量をバッテリ6から供給するように、バッテリ6からモータ7に供給する不足電力を決定する。このように動作することで、信号機の状態の変化が予測される場合に、FCスタック5からの電力供給を抑制し、バッテリ6からの電力供給を促進できる。
【0056】
また、信号機R1の状態が「停止指示を示す状態」から「進行可能を示す状態へ変化」する場合、運転者は、減速させる操作から加速させる操作に切り替え、且つ信号機R1を通過したのち、加速させる操作を中止する(すなわち一定の速度で走行させる操作に切り替える)ことが想定される。そこで、信号機R1の状態が、「停止指示を示す状態」から「進行可能を示す状態」へ変化する場合は、上述のような制御を行わなくてもよい。すなわち、決定部124が、電力特定部123が特定した消費電力をFCスタック5に供給させるように決定してもよい。
【0057】
上記のように動作することで、車両Sが走行中に信号機R1のある交差点に差し掛かり、前記車両Sが信号機R1を通過するまでに信号機R1の状態が変化する(信号機R1の変化により車両Sに加減速が発生する可能性がある)場合、少なくとも交差点を通過するまでは、FCスタック5の発電量の変化を抑制するように、FCスタック5とバッテリ6とを制御するということができる。したがって、FCスタック5の劣化を抑制することが可能である。
【0058】
<発電制御装置10による効果>
以上説明したように、発電制御装置10は、車両Sが進行方向前方の信号機を通過する時刻における当該信号機の灯火色を特定する色特定部122と、モータ7が消費する消費電力とFCスタック5が供給する供給電力との差である不足電力を特定する電力特定部123と、色特定部122が特定した灯火色が赤色又は黄色である場合に、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給するとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給することを決定する決定部124と、を有する。
【0059】
発電制御装置10がこのように構成されることで、車両Sが交差点の手前で加速した直後に減速することにより、モータ7が発生するトルクが変化し、モータ7が消費する電力が変化したとしても、FCスタック5に加えてバッテリ6からもモータ7に電気を供給するため、FCスタック5の発電量の変動を抑制できる。その結果、FCスタック5の劣化を抑制できる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0061】
1 受信装置
2 距離特定装置
3 速度センサ
4 アクセルセンサ
5 FCスタック
6 バッテリ
7 モータ
10 発電制御装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 色特定部
123 電力特定部
124 決定部
125 走行制御部
126 状態特定部
【要約】
【課題】交差点を走行する際の発電による燃料電池スタックの劣化を抑制する。
【解決手段】発電制御装置10は、車両の速度、車両と進行方向前方の信号機との距離、及び信号機の各灯火色の変更時刻を示す信号機情報を取得する取得部121と、速度と距離とに基づいて車両が信号機を通過する時刻を算出し、信号機情報に基づいて信号機を通過する時刻に信号機が灯火する色を特定する色特定部122と、車両に要求された駆動トルクで走行するために車両が備えるモータが消費する消費電力と、車両が備える燃料電池スタックが供給している供給電力との差である不足電力を特定する電力特定部123と、色特定部122が特定した、信号機が灯火する色が赤色又は黄色である場合、燃料電池スタックからモータに供給電力を供給するとともに、車両が備えるバッテリからモータに不足電力を供給することを決定する決定部124と、を有する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5