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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240611BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G05D1/43
B65G1/00 501C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023543641
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2022002459
(87)【国際公開番号】W WO2023026512
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-11-13
(31)【優先権主張番号】P 2021139173
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】北村 亘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖久
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-99033(JP,A)
【文献】特開2015-82574(JP,A)
【文献】特開平8-129419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の台車と、複数の前記台車を制御するコントローラと、を備えた搬送システムであって、
前記コントローラは、複数の前記台車との間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信を行い、
複数の前記台車の少なくとも何れかが所定の動作状態である場合に、前記周期的通信における当該台車との間の通信を停止する、又は、前記周期的通信における当該台車との間の通信の頻度を低くする、搬送システム。
【請求項2】
前記所定の動作状態は、前記台車が走行停止して走行以外の動作を実行している第1動作状態を有する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記周期的通信における前記第1動作状態の前記台車との間の通信を、前記第1動作状態の動作に要する時間に基づく期間、停止する、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記第1動作状態は、前記台車が物品の移載を開始してから終了する直前までの状態である移載中状態を含む、請求項2又は3に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記第1動作状態は、前記台車が充電を開始してから終了する直前までの状態である充電中状態を含む、請求項2~4の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記第1動作状態は、前記台車がターンを開始してから、当該台車がターン後に進入する所定領域への他の台車の進入を禁止するブロッキング制御の要求を当該台車が行うべきタイミングの直前までの状態であるターン中状態を含む、請求項2~5の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記所定の動作状態は、前記台車が他の台車の動作による影響で走行停止している第2動作状態を有する、請求項1~6の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記周期的通信における前記第2動作状態の前記台車との間の通信を、前記他の台車の動作による影響が生じている間、又は、当該影響が消失する直前まで停止する、請求項7に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記第2動作状態は、前記他の台車が物品の移載を開始してから終了する直前までにおいて前記台車が走行停止している状態である移載待ち状態を含む、請求項7又は8に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記第2動作状態は、前記他の台車が要求する制御であって前記他の台車以外の前記台車の所定領域への進入を禁止するブロッキング制御に従って、前記台車が走行停止を開始してから終了する直前までの状態であるブロッキング待ち状態を含む、請求項7~9の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記第2動作状態は、複数の走行エリアの何れかに存在する他の台車の台数が規定数以上の場合に当該走行エリアへの進入を禁止するエリア台数制限制御に従って、前記台車が走行停止を開始してから終了する直前までの状態であるエリア進入待ち状態を含む、請求項7~10の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記所定の動作状態は、前記台車が無期限に設定された動作を実行している第3動作状態を有する、請求項1~11の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項13】
前記周期的通信における前記第3動作状態の前記台車との間の通信の頻度を低くする、請求項12に記載の搬送システム。
【請求項14】
前記第3動作状態は、前記台車がメンテナンスモードを実行中の状態であるメンテナンス中状態を含む、請求項12又は13に記載の搬送システム。
【請求項15】
前記第3動作状態は、前記台車がエラーにより停止中の状態であるエラー停止中状態を含む、請求項12~14の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項16】
前記第3動作状態は、前記台車がアイドリング状態で停止中の状態であるアイドリング停止中状態を含む、請求項12~15の何れか一項に記載の搬送システム。
【請求項17】
複数の前記台車が走行する格子状軌道を備える、請求項1~16の何れか一項に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の台車と、複数の台車を制御するコントローラと、を備えた搬送システムが知られている。この種の技術として、例えば特許文献1には、コントローラが複数の台車(走行車)との間で順次に且つ周期的に通信を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-125000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなシステムでは、例えば台車の数が増加するほど、複数の台車との間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信(いわゆる、ポーリング通信)の周期が長くなり、各台車と十分な通信を行うことが困難になる可能性がある。
【0005】
本発明の一側面は、複数の台車との間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信の周期を短くすることが可能な搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る搬送システムは、複数の台車と、複数の台車を制御するコントローラと、を備えた搬送システムであって、コントローラは、複数の台車との間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信を行い、複数の台車の少なくとも何れかが所定の動作状態である場合に、周期的通信における当該台車との間の通信を停止する、又は、周期的通信における当該台車との間の通信の頻度を低くする。
【0007】
この搬送システムでは、複数の台車との間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信(以下、単に「周期的通信」ともいう)において、所定の動作状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。よって、周期的通信の周期を短くすることが可能となる。
【0008】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、所定の動作状態は、台車が走行停止して走行以外の動作を実行している第1動作状態を有していてもよい。この場合、周期的通信において第1動作状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0009】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、周期的通信における第1動作状態の台車との間の通信を、第1動作状態の動作に要する時間に基づく期間、停止してもよい。この場合、周期的通信の周期を、第1動作状態の動作に要する時間に基づく期間、削減することができる。
【0010】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第1動作状態は、台車が物品の移載を開始してから終了する直前までの状態である移載中状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信において移載中状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0011】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第1動作状態は、台車が充電を開始してから終了する直前までの状態である充電中状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信において充電中状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0012】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第1動作状態は、台車がターンを開始してから、当該台車がターン後に進入する所定領域への他の台車の進入を禁止するブロッキング制御の要求を当該台車が行うべきタイミングの直前までの状態であるターン中状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信においてターン中状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0013】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、所定の動作状態は、台車が他の台車の動作による影響で走行停止している第2動作状態を有していてもよい。この場合、周期的通信において第2動作状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0014】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、周期的通信における第2動作状態の台車との間の通信を、他の台車の動作による影響が生じている間、又は、当該影響が消失する直前まで停止してもよい。この場合、周期的通信の周期を、他の台車の動作による影響が生じている間の期間、又は、当該影響が消失する直前までの期間、削減することができる。
【0015】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第2動作状態は、他の台車が物品の移載を開始してから終了する直前までにおいて台車が走行停止している状態である移載待ち状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信において移載待ち状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0016】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第2動作状態は、他の台車が要求する制御であって他の台車以外の台車の所定領域への進入を禁止するブロッキング制御に従って、台車が走行停止を開始してから終了する直前までの状態であるブロッキング待ち状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信においてブロッキング待ち状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0017】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第2動作状態は、複数の走行エリアの何れかに存在する他の台車の台数が規定数以上の場合に当該走行エリアへの進入を禁止するエリア台数制限制御に従って、台車が走行停止を開始してから終了する直前までの状態であるエリア進入待ち状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信においてエリア進入待ち状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0018】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、所定の動作状態は、台車が無期限に設定された動作を実行している第3動作状態を有していてもよい。この場合、周期的通信において第3動作状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0019】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、周期的通信における第3動作状態の台車との間の通信の頻度を低くしてもよい。この場合、周期的通信において、周期を第3動作状態の台車との通信に要する時間削減する頻度を、高めることが可能となる。
【0020】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第3動作状態は、台車がメンテナンスモードを実行中の状態であるメンテナンス中状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信においてメンテナンス中状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0021】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第3動作状態は、台車がエラーにより停止中の状態であるエラー停止中状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信においてエラー停止中状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0022】
本発明の一側面に係る搬送システムでは、第3動作状態は、台車がアイドリング状態で停止中の状態であるアイドリング停止中状態を含んでいてもよい。この場合、周期的通信においてアイドリング停止中状態の台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0023】
本発明の一側面に係る搬送システムは、複数の台車が走行する格子状軌道を備えていてもよい。この場合、いわゆるグリッドシステムを構成することができる。これにより、台車の走行経路を自由に選択しやすくなり、渋滞の発生を抑え、搬送効率を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一側面によれば、複数の台車との間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信の周期を短くすることができる搬送システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施形態に係る搬送システムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1の台車の一例を示す斜視図である。
図3図3は、図1の台車の一例を示す側面図である。
図4図4は、図1の搬送システムを示すブロック図である。
図5図5(a)は、移載中台車の間引き処理を示すフローチャートである。図5(b)は、充電中台車の間引き処理を示すフローチャートである。図5(c)は、ターン中台車の間引き処理を示すフローチャートである。
図6図6(a)は、移載待ち台車の間引き処理を示すフローチャートである。図6(b)は、ブロッキング待ち台車の間引き処理を示すフローチャートである。図6(c)は、エリア進入待ち台車の間引き処理を示すフローチャートである。
図7図7(a)は、メンテナンス中台車の間引き処理を示すフローチャートである。図7(b)は、エラー停止中台車の間引き処理を示すフローチャートである。図7(c)は、アイドリング停止中台車の間引き処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
図1は、実施形態に係る搬送システムSYSの一例を示す斜視図である。図2は、図1の搬送システムSYSで用いられる台車Vの斜視図である。図3は、図2の台車Vを示す側面図である。図4は、図1の搬送システムSYSを示すブロック図である。図面においては、説明の便宜上、縮尺を適宜に変更して表現する。以下、水平面に沿った一方向をX方向とし、X方向に直交し且つ水平面に沿った方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向として説明する。
【0028】
搬送システムSYSは、例えば半導体製造工場のクリーンルームにおいて、物品Mを台車Vにより搬送するためのグリッドシステムである。搬送システムSYSは、第1台車V1~第n台車Vn(以下、「台車V」と総称する)(図4参照)と、複数の台車Vを制御するシステムコントローラ5と、複数の台車Vが走行するレールRと、を備える。本実施形態では、台車Vが天井台車である例を説明する。台車Vは、搬送システムSYSのレールRに沿って移動する。レールRは、台車Vの走行路である。台車Vは、搬送システムSYSのレールRに沿って移動し、半導体ウエハを収容するFOUP、あるいはレチクルを収容するレチクルPod等の物品Mを搬送する。台車Vは、搬送台車、搬送車、走行台車または走行車と称する場合がある。
【0029】
レールRは、クリーンルーム等の建屋の天井又は天井付近に敷設されている。レールRは、例えば、処理装置、ストッカ(自動倉庫)等に隣接して設けられる。処理装置は、例えば、露光装置、コータディベロッパ、製膜装置、エッチング装置等であり、台車Vが搬送する物品M内の半導体ウエハに各種処理を施す。ストッカは、台車Vが搬送する物品Mを保管する。レールRは、軌道の形態の一例である。レールRは、平面視で格子状に配置された格子状軌道である。レールRは、水平方向に沿って延び且つ吊り下げられたレールである。レールRは、複数の第1レールR1と、複数の第2レールR2と、複数の交差部R3と、を有する格子状レールである。
【0030】
複数の第1レールR1は、それぞれX方向に沿って延在する。複数の第2レールR2は、それぞれY方向に沿って延在する。レールRは、複数の第1レールR1と複数の第2レールR2とにより、平面視において格子状に形成されている。レールRは、複数の第1レールR1と複数の第2レールR2とにより複数のマス目を形成する。交差部R3は、第1レールR1と第2レールR2との交差点に対応する部分に配置される。交差部R3は、第1レールR1に対してX方向に隣り合うと共に第2レールR2に対してY方向に隣り合っている。交差部R3は、第1レールR1と第2レールR2との接続、第1レールR1同士の接続、第2レールR2同士の接続をする接続軌道である。交差部R3は、台車Vが第1レールR1に沿って走行する際と、台車Vが第2レールR2に沿って走行する際と、台車Vが第1レールR1から第2レールR2又は第2レールR2から第1レールR1に走行する際と、の何れの際にも用いられる軌道である。
【0031】
レールRは、複数の第1レールR1と複数の第2レールR2とが直交する方向に設けられることで、平面視で複数のグリッドセル2が隣り合う状態となっている。1つのグリッドセル2は、1つのマス目に相当し、平面視において、Y方向に隣り合った2つの第1レールR1と、X方向に隣り合った2つの第2レールR2と、に囲まれた矩形領域である。なお、図1ではレールRの一部について示しており、レールRは、図示している構成からX方向及びY方向に同様の構成が連続して形成されている。
【0032】
第1レールR1、第2レールR2、及び交差部R3は、吊り下げ部材H(図1参照)によって不図示の天井に吊り下げられている。吊り下げ部材Hは、第1レールR1を吊り下げるための第1部分H1と、第2レールR2を吊り下げるための第2部分H2と、交差部R3を吊り下げるための第3部分H3と、を有する。第1部分H1及び第2部分H2は、それぞれ第3部分H3を挟んだ二か所に設けられている。
【0033】
第1レールR1、第2レールR2、及び交差部R3は、それぞれ、台車Vの後述する走行車輪21が走行する走行面R1a、R2a、R3aを有する。第1レールR1と交差部R3との間、及び、第2レールR2と交差部R3との間には、それぞれ間隙が形成される。第1レールR1と交差部R3との間、及び、第2レールR2と交差部R3との間の間隙は、台車Vが第1レールR1を走行して第2レールR2を横切る際、あるいは第2レールR2を走行して第1レールR1を横切る際に、台車Vの一部である後述の連結部30が通過する部分である。従って、第1レールR1と交差部R3との間、及び、第2レールR2と交差部R3との間の間隙は、連結部30が通過可能な幅に設けられている。第1レールR1、第2レールR2、及び交差部R3は、同一の水平面に沿って設けられる。
【0034】
搬送システムSYSは、通信システム(図示せず)を備える。通信システムは、台車V及びシステムコントローラ5の通信に用いられる。台車V及びシステムコントローラ5は、それぞれ通信システムを介して通信可能に接続される。
【0035】
台車Vの構成について説明する。図2図4に示すように、台車Vは、レールRに沿って走行可能に設けられている。台車Vは、本体部10と、走行部20と、連結部30と、台車コントローラ50とを有する。
【0036】
本体部10は、レールRの下方に配置される。本体部10は、平面視で例えば矩形状に形成される。本体部10は、平面視でレールRにおける1つのグリッドセル2(図1参照)に収まる寸法に形成される。このため、隣り合う第1レールR1又は第2レールR2を走行する他の台車Vとすれ違うスペースが確保される。本体部10は、上部ユニット17と、移載装置18とを備える。上部ユニット17は、連結部30を介して走行部20から吊り下げられる。上部ユニット17は、例えば平面視で矩形状であり、上面17aに4つのコーナー部を有する。
【0037】
本体部10は、4つのコーナー部のそれぞれに走行車輪21、連結部30、方向転換機構34を有する。この構成において、本体部10の4つのコーナー部に配置された走行車輪21により、本体部10を安定して吊り下げることができ、且つ、本体部10を安定して走行させることができる。
【0038】
移載装置18は、走行部20に対して水平方向に沿って移動してロードポート(載置台)との間で物品を移載する。移載装置18は、上部ユニット17の下方に設けられている。移載装置18は、Z方向の回転軸AX1まわりに回転可能である。移載装置18は、レールRの下側で物品Mを保持する物品保持部13と、物品保持部13を鉛直方向に昇降させる昇降駆動部14と、昇降駆動部14を水平方向にスライド移動させる横出し機構11と、横出し機構11を保持する回動部12と、を有する。ロードポートは、台車Vの移載先又は移載元であって、台車Vとの間で物品Mの受け渡しをする地点である。
【0039】
物品保持部13は、物品Mのフランジ部Maを把持することにより、物品Mを吊り下げて保持する。物品保持部13は、例えば、水平方向に移動可能な爪部13aを有するチャックであり、爪部13aを物品Mのフランジ部Maの下方に進入させ、物品保持部13を上昇させることで、物品Mを保持する。物品保持部13は、ワイヤあるいはベルト等の吊り下げ部材13bに接続されている。
【0040】
昇降駆動部14は、例えばホイストであり、吊り下げ部材13bを繰り出すことにより物品保持部13を下降させ、吊り下げ部材13bを巻き取ることにより物品保持部13を上昇させる。昇降駆動部14は、台車コントローラ50に制御され、所定の速度で物品保持部13を下降あるいは上昇させる。また、昇降駆動部14は、台車コントローラ50に制御され、物品保持部13を目標の高さに保持する。
【0041】
横出し機構11は、例えばZ方向に重ねて配置された複数の可動板を有する。最下層の可動板には、昇降駆動部14が取り付けられている。横出し機構11では、水平面内において台車Vの走行方向と直角な方向に可動板が移動し、最下層の可動板に取り付けられた昇降駆動部14及び物品保持部13が台車Vの走行方向と直角な方向に横出し(スライド移動)する。
【0042】
回動部12は、横出し機構11と上部ユニット17との間に設けられる。回動部12は、回動部材12a及び回動駆動部12bを有する。回動部材12aは、Z方向の軸周り方向に回動可能に設けられる。回動部材12aは、横出し機構11を支持する。回動駆動部12bは、例えば電動モータ等が用いられ、回動部材12aを回転軸AX1の軸周り方向に回動させる。回動部12は、回動駆動部12bからの駆動力によって回動部材12aを回動させ、横出し機構11(昇降駆動部14及び物品保持部13)を回転軸AX1の軸周り方向に回転させることができる。台車Vは、移載装置18を用いることにより、ロードポートに対して物品Mの受け渡しをすることができる。
【0043】
図2及び図3に示すように、台車Vには、カバーWが設けられてもよい。カバーWは、移載装置18及び移載装置18に保持している物品Mを囲む。カバーWは、下端を開放した筒状であって、且つ、横出し機構11の可動板が突出する部分を切り欠いた形状を有している。カバーWは、上端が回動部12の回動部材12aに取り付けられており、回動部材12aの回動に伴って回転軸AX1の軸周りに回動する。
【0044】
走行部20は、走行車輪21及び補助車輪22を有する。走行車輪21は、上部ユニット17(本体部10)の上面17aの4つのコーナー部にそれぞれ配置される。走行車輪21のそれぞれは、連結部30に設けられた車軸に取り付けられている。走行車輪21のそれぞれは、走行駆動部33の駆動力により回転駆動する。走行車輪21のそれぞれは、レールR上を転動する。走行車輪21のそれぞれは、第1レールR1、第2レールR2、及び交差部R3の走行面R1a、R2a、R3aを転動し、台車Vを走行させる。なお、4つの走行車輪21の全てが走行駆動部33の駆動力により回転駆動することに限定されず、4つの走行車輪21のうち一部について回転駆動させる構成であってもよい。
【0045】
走行車輪21は、旋回軸AX2を中心としてθZ方向に旋回可能に設けられている。走行車輪21は、後述する方向転換機構34によってθZ方向に旋回し、その結果、台車Vの走行方向を変更することができる。補助車輪22は、走行車輪21の走行方向の前後にそれぞれ1つずつ配置される。補助車輪22のそれぞれは、走行車輪21と同様に、XY平面に沿って平行又はほぼ平行な車軸の軸周りに回転可能である。補助車輪22の下端は、走行車輪21の下端より高くなるように設定されている。従って、走行車輪21が走行面R1a、R2a、R3aを走行しているときは、補助車輪22は、走行面R1a、R2a、R3aに接触しない。また、第1レールR1と交差部R3との間、及び、第2レールR2と交差部R3との間の間隙を走行車輪21が通過する際には、補助車輪22が走行面R1a、R2a、R3aに接触して、走行車輪21の落ち込みを抑制している。なお、1つの走行車輪21に2つの補助車輪22を設けることに限定されず、例えば、1つの走行車輪21に1つの補助車輪22が設けられてもよいし、補助車輪22が設けられなくてもよい。
【0046】
図2に示すように、連結部30は、本体部10の上部ユニット17と走行部20とを連結する。連結部30は、上部ユニット17(本体部10)の上面17aの4つのコーナー部にそれぞれ設けられている。この連結部30によって本体部10は、走行部20から吊り下げられた状態となり、レールRよりも下方に配置される。連結部30は、支持部材31及び接続部材32を有する。支持部材31は、走行車輪21の回転軸及び補助車輪22の回転軸を回転可能に支持する。支持部材31は、走行車輪21と補助車輪22との相対位置を保持する。支持部材31は、例えば板状に形成され、第1レールR1と交差部R3との間、及び、第2レールR2と交差部R3との間の間隙を通過可能な厚さに形成される。
【0047】
接続部材32は、支持部材31から下方に延びて上部ユニット17の上面17aに連結され、上部ユニット17を保持する。接続部材32は、後述する走行駆動部33の駆動力を走行車輪21に伝達する伝達機構を内部に備える。この伝達機構は、チェーン又はベルトが用いられる構成であってもよいし、歯車列が用いられる構成であってもよい。接続部材32は、旋回軸AX2を中心としてθZ方向に旋回可能に設けられる。この接続部材32が旋回軸AX2を中心として旋回することで、支持部材31を介して走行車輪21を旋回軸AX2周りのθZ方向に旋回させることができる。
【0048】
連結部30(図2参照)には、走行駆動部33及び方向転換機構34が設けられている。走行駆動部33は、接続部材32に装着される。走行駆動部33は、走行車輪21を駆動する駆動源であり、例えば電動モータ等が用いられる。4つの走行車輪21は、それぞれ走行駆動部33によって駆動されて駆動輪である。4つの走行車輪21は、同一の回転数となるように台車コントローラ50によって制御される。
【0049】
方向転換機構34は、連結部30の接続部材32を、旋回軸AX2を中心として旋回させることにより、走行車輪21を旋回軸AX2周りのθZ方向に旋回させる。走行車輪21をθZ方向に旋回させることにより、台車Vをターンすること(走行方向をX方向とする第1状態から走行方向をY方向とする第2状態に、又は走行方向をY方向とする第2状態から走行方向をX方向とする第1状態に切り替えること)が可能である。方向転換機構34の旋回により、上面17aの4つのコーナー部に配置された走行車輪21及び補助車輪22のそれぞれが旋回軸AX2を中心としてθZ方向に90度の範囲で旋回する。方向転換機構34の駆動は、台車コントローラ50によって制御される。走行車輪21及び補助車輪22を旋回させることにより、走行車輪21が第1レールR1及び第2レールR2の一方に接触した状態から他方に接触した状態に移行する。このため、台車Vの走行方向をX方向とする第1状態とY方向とする第2状態とで切り替えること、つまり、台車Vがターンすることが可能となる。本実施形態における台車Vのターンでは、台車Vは走行停止している。走行停止は、例えば搬送する物品Mの移動していない状態である。
【0050】
台車Vは、位置情報を検出する位置検出部38を備える(図4参照)。位置検出部38は、位置情報を示す位置マーカ(図示せず)を検出することにより、台車Vの現在位置を検出する。位置検出部38は、非接触により位置マーカを検出する。位置マーカは、レールRの各グリッドセル2毎に設置される。
【0051】
台車コントローラ50は、台車Vを統括的に制御する。台車コントローラ50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなるコンピュータである。台車コントローラ50は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。台車コントローラ50は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。台車コントローラ50は、一つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。複数の装置で構成されている場合には、これらがインターネット又はイントラネット等の通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つの台車コントローラ50が構築される。台車コントローラ50は、本実施形態では本体部10に設けられているが(図3参照)、本体部10の外部に設けられてもよい。
【0052】
台車コントローラ50は、搬送指令に基づいて、台車Vの走行を制御する。台車コントローラ50は、走行駆動部33、方向転換機構34等を制御することにより、台車Vの走行を制御する。台車コントローラ50は、例えば、走行速度、停止に関する動作、方向転換に関する動作を制御する。台車コントローラ50は、システムコントローラ5からの指令に応じて、規定数以上の台車Vが存在する走行エリア、ブロッキング領域、及び移載用領域には進入しないように台車Vの走行を制御する(詳しくは後述)。
【0053】
台車コントローラ50は、搬送指令に基づいて、台車Vの移載動作を制御する。台車コントローラ50は、移載装置18等を制御することにより、台車Vの移載動作を制御する。台車コントローラ50は、所定のロードポートに配置される物品Mを把持する荷つかみの動作、保持した物品Mを所定のロードポートに下ろす荷下ろしの動作を制御する。台車コントローラ50は、周期的に状態情報(図示せず)を生成し更新する。状態情報は記憶部51に格納される。台車コントローラ50は、状態情報をシステムコントローラ5に送信する。状態情報は、例えば、台車Vの現在位置の情報、正常又は異常等の台車Vの現在の状態を示す情報、台車Vの充電量、搬送指令等の各種指令の台車Vによる実行状態(実行中、実行完了、実行失敗)に関する情報を含む。台車コントローラ50は、物品Mの移載の際に、ブロッキング制御の要求をシステムコントローラ5に送信する。
【0054】
システムコントローラ5は、CPU、ROM及びRAM等からなるコンピュータである。システムコントローラ5は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。システムコントローラ5は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。システムコントローラ5は、一つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。複数の装置で構成されている場合には、これらがインターネット又はイントラネット等の通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのシステムコントローラ5が構築される。システムコントローラ5の各種の制御は、その少なくとも一部を台車コントローラ50で実行してもよい。
【0055】
システムコントローラ5は、物品Mを搬送可能な複数の台車Vのうちの何れかを選択し、選択した台車Vに搬送指令を割付ける。搬送指令は、台車Vのロードポートまでの走行を実行させる走行指令と、ロードポートに配置された物品Mの荷つかみ指令又は保持している物品Mのロードポートへの荷下ろし指令と、を含む。
【0056】
システムコントローラ5は、台車Vが通過するブロッキング領域(所定領域)への当該台車V以外の台車Vの進入を禁止する排他制御であるブロッキング制御を行う。これにより、当該台車V以外の台車Vは、占有許可が与えられていないブロッキング領域に進入しないように走行が制御され、例えば当該ブロッキング領域の手前で走行停止して待機する。システムコントローラ5は、例えば台車Vの台車コントローラ50からのブロッキング制御の要求に応じて、ブロッキング制御を開始し、当該台車Vにブロッキング領域の占有許可を与える。例えば、ブロッキング領域は、レールRのマス目に対応するグリッドセル2単位で区画される。ブロッキング領域は、台車Vがターン(方向転換)した後に当該台車Vが進入する所定領域である場合がある。
【0057】
システムコントローラ5は、台車Vにより物品Mをロードポートとの間で移載させる移載時には、その移載に要される移載用領域へ当該台車V以外の他の台車Vが進入することを禁止する排他制御である移載用ブロッキング制御を行う。これにより、他の台車Vは、当該台車Vの移載に要される移載用領域に進入しないように走行が制御され、移載用領域の手前で走行停止して待機する。システムコントローラ5は、例えば台車Vに割り付けられた搬送指令に基づいて、当該台車Vの移載用領域に他の台車Vが進入することを禁止する。移載用領域は、平面視において物品Mの移載の際に当該台車Vに占有される領域に対応する。例えば、移載用領域は、レールRのマス目に対応するグリッドセル2単位で区画される。
【0058】
システムコントローラ5は、複数の走行エリアの何れかに存在する台車Vの台数が規定数以上の場合に、その走行エリアへの進入を禁止するエリア台数制限制御を行う。これにより、台車Vは、規定数以上の台車Vが存在する走行エリアに進入しないように走行が制御される。その結果、例えば、規定数以上の台車Vが存在する走行エリアに進入しようとする台車Vは、当該走行エリアの手前で走行停止して待機する。システムコントローラ5は、例えば複数の台車Vの状態情報に含まれる現在位置の情報に基づいて、走行エリアに存在する台車Vの台数が規定数以上か否かを判定できる。走行エリアは、台車Vが走行可能なエリアであってレールRを含むエリアである。走行エリアは、複数設定されている。規定数は、特に限定されず、予め定められた数であればよい。走行エリアは、台車Vが走行可能な全エリアが分割されてなる複数のエリアの1つである。
【0059】
システムコントローラ5は、台車Vの充電が必要な場合に、台車Vを充電させるための指令である充填実行指令を当該台車Vに送信する。充電実行指令では、台車Vを走行停止させる。台車Vの充電要否の判定は、台車Vの状態情報に基づいて行うことができる。また、システムコントローラ5は、台車Vのメンテナンスを行う場合、メンテナンスモードを実行させる指令であるメンテナンスモード実行指令を台車Vに送信する。メンテナンスモードは、台車Vをメンテナンスするためのモードである。メンテナンスモードでは、台車Vを低速走行又は走行停止させる。メンテナンスは特に限定されず、種々のメンテナンスを含む。例えばメンテナンスモードは、ユーザの操作に応じて台車Vをリモート走行させるモードであってもよい。
【0060】
システムコントローラ5は、台車Vにエラーが発生している場合、エラーが発生している台車Vの走行を走行停止させる指令であるエラー停止指令を当該台車Vに送信する。台車Vにエラーが発生しているか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行うことができる。また、システムコントローラ5は、台車Vをアイドリング状態で走行停止させる場合、台車Vをアイドリング状態で走行停止させる指令であるアイドリング停止指令を当該台車Vに送信する。アイドリング状態とは、走行していない台車Vが走行の開始に即応できる様態を維持している状態である。
【0061】
ここで、本実施形態のシステムコントローラ5は、複数の台車Vとの間で順次に且つ周期的に通信する周期的通信(以下、「ポーリング通信」ともいう)を実行する。ポーリング通信では、システムコントローラ5の制御対象範囲に存在する複数の台車Vを通信対象とし、当該複数の台車Vの一部又は全部に対して順次に1台ずつ通信を行うと共に、このような順次に行う通信を繰り返し行う。システムコントローラ5は、複数の台車Vの少なくとも何れかが所定の動作状態である場合に、ポーリング通信における当該台車Vとの間の通信を停止する、又は、ポーリング通信における当該台車Vとの間の通信の頻度を低くするポーリング間引き処理を実行する。
【0062】
ポーリング間引き処理の対象となる台車Vの所定の動作状態は、台車Vが走行停止して走行以外の動作を実行している第1動作状態を有する。システムコントローラ5は、ポーリング通信における第1動作状態の台車Vとの間の通信を、第1動作状態の動作に要する時間に基づく期間、停止する。
【0063】
第1動作状態は、走行停止している台車Vが物品Mの移載を開始してから終了する直前までの状態である移載中状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図5(a)に示される移載中台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0064】
移載中台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、移載中状態の台車Vである移載中台車が存在するか否かを判定する(ステップS11)。例えば台車Vが移載中台車であるか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば台車Vが移載中台車であるか否かの判定は、システムコントローラ5が台車Vに割り付ける搬送指令に基づいて行ってもよい。例えば台車Vが移載中台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの情報又は指令に基づいて行ってもよい。移載中状態における移載が終了する直前とは、例えば移載の終了タイミングの100ms前である。なお、「直前」は、特に限定されず、予め設定された所定期間早いタイミングを意図する(以下、同じ)。台車Vの状態情報は、移載するロードポートに応じた台車Vの移載時間(移載の開始タイミング、終了タイミング、及び移載に要される期間)に関する情報等を含んでいてもよい。
【0065】
上記ステップS11でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS11へ移行する。一方、上記ステップS11でYESの場合、ポーリング通信における移載中台車との間の通信を停止する(ステップS12)。換言すると、上記ステップS12では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、移載中台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、移載中台車を除いた複数の台車Vとの間で、順次に且つ周期的に通信される。
【0066】
第1動作状態は、走行停止している台車Vが充電を開始してから終了する直前までの状態である充電中状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図5(b)に示される充電中台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0067】
充電中台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、充電中状態の台車Vである充電中台車が存在するか否かを判定する(ステップS21)。例えば台車Vが充填中台車であるか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば台車Vが充填中台車であるか否かの判定は、システムコントローラ5が台車Vへ送信する充填実行指令に基づいて行ってもよい。例えば台車Vが充填中台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの情報又は指令に基づいて行ってもよい。台車Vの状態情報は、台車Vの充填の開始タイミング、充填の終了タイミング、及び充填に要される期間(例えば5分)に関する情報等を含んでいてもよい。
【0068】
上記ステップS21でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS21へ移行する。一方、上記ステップS21でYESの場合、ポーリング通信における充電中台車との間の通信を停止する(ステップS22)。換言すると、上記ステップS22では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、充電中台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、充電中台車を除いた複数の台車Vとの間で、順次に且つ周期的に通信される。
【0069】
第1動作状態は、台車Vがターンを開始してから、当該台車Vがターン後に進入する所定領域(ブロッキング領域)への他の台車Vの進入を禁止するブロッキング制御の要求を当該台車Vが行うべきタイミングの直前までの状態であるターン中状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図5(c)に示されるターン中台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。このブロッキング制御の要求タイミングは、ターン動作が完了する前でもよく、これにより、タイムロスを無くすことができる。また、このブロッキング制御の要求タイミングは、ターン動作の完了後でもよい。
【0070】
ターン中台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、ターン中状態の台車Vであるターン中台車が存在するか否かを判定する(ステップS31)。例えば台車Vがターン中台車であるか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがターン中台車であるか否かの判定は、システムコントローラ5が台車Vに割り付ける搬送指令に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがターン中台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの情報又は指令に基づいて行ってもよい。台車Vの状態情報は、台車Vのターンの開始タイミング、ターンの終了タイミング、ターンに要される期間、及び、台車Vのブロッキング制御の要求タイミングに関する情報等を含んでいてもよい。
【0071】
上記ステップS31でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS31へ移行する。一方、上記ステップS31でYESの場合、ポーリング通信におけるターン中台車との間の通信を停止する(ステップS32)。換言すると、上記ステップS32では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、ターン中台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、ターン中台車を除いた複数の台車Vとの間で、順次に且つ周期的に通信される。
【0072】
また、ポーリング間引き処理の対象となる台車Vの所定の動作状態は、台車Vが、他の台車Vの動作による影響で走行停止している第2動作状態を有する。システムコントローラ5は、ポーリング通信における第2動作状態の台車Vとの間の通信を、他の台車Vの動作による影響が生じている間、又は、当該影響が消失する直前まで停止する。以下、通信を停止する対象となる台車Vを、「自台車V」ともいう。
【0073】
第2動作状態は、他の台車Vが物品の移載を開始してから終了する直前までにおいて、自台車Vが走行停止している状態である移載待ち状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図6(a)に示される移載待ち台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0074】
移載待ち台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、移載待ち状態の自台車Vである移載待ち台車が存在するか否かを判定する(ステップS41)。例えば自台車Vが移載待ち台車であるか否かの判定は、自台車V及び他の台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば自台車Vが移載待ち台車であるか否かの判定は、移載用ブロッキング制御の指令に基づいて行ってもよい。例えば自台車Vが移載待ち台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの情報又は指令に基づいて行ってもよい。自台車V及び他の台車Vの状態情報は、他の台車Vの移載の開始タイミング、他の台車Vの移載の終了タイミング、他の台車Vの移載に要される時間、自台車Vの走行停止の開始タイミング、及び、自台車Vの走行停止の終了タイミング等を含んでいてもよい。
【0075】
上記ステップS41でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS41へ移行する。一方、上記ステップS41でYESの場合、ポーリング通信における移載待ち台車との間の通信を停止する(ステップS42)。換言すると、上記ステップS42では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、移載待ち台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、移載待ち台車を除いた複数の台車Vとの間で、順次に且つ周期的に通信される。
【0076】
第2動作状態は、他の台車Vが要求する制御であって他の台車V以外の台車Vのブロッキング制御に従って、自台車Vが走行停止を開始してから終了する直前までの状態であるブロッキング待ち状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図6(b)に示されるブロッキング待ち台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0077】
ブロッキング待ち台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、ブロッキング待ち状態の自台車Vであるブロッキング待ち台車が存在するか否かを判定する(ステップS51)。例えば自台車Vがブロッキング待ち台車であるか否かの判定は、自台車V及び他の台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば自台車Vがブロッキング待ち台車であるか否かの判定は、ブロッキング制御に係る指令に基づいて行ってもよい。例えば自台車Vがブロッキング待ち台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの指令に基づいて行ってもよい。自台車V及び他の台車Vの状態情報は、他の台車Vによるブロッキング制御の要求の有無、自台車Vの走行停止の開始タイミング及び終了タイミング等を含んでいてもよい。
【0078】
上記ステップS51でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS51へ移行する。一方、上記ステップS51でYESの場合、ポーリング通信におけるブロッキング待ち台車との間の通信を停止する(ステップS52)。換言すると、上記ステップS52では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、ブロッキング待ち台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、ブロッキング待ち台車を除いた複数の台車Vとの間で、順次に且つ周期的に通信される。
【0079】
第2動作状態は、複数の走行エリアの何れかに存在する他の台車Vの台数が規定数以上の場合に当該走行エリアへの進入を禁止するエリア台数制限制御に従って、自台車Vが走行停止を開始してから終了する直前までの状態であるエリア進入待ち状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図6(c)に示されるエリア進入待ち台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0080】
エリア進入待ち台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、エリア進入待ち状態の自台車Vであるエリア進入待ち台車が存在するか否かを判定する(ステップS51)。例えば自台車Vがエリア進入待ち台車であるか否かの判定は、自台車V及び他の台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば自台車Vがエリア進入待ち台車であるか否かの判定は、エリア台数制限制御に係る指令に基づいて行ってもよい。例えば自台車Vがエリア進入待ち台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの指令に基づいて行ってもよい。自台車V及び他の台車Vの状態情報は、エリア台数制限制御の有無、自台車Vの現在位置の情報、及び他の台車Vの現在位置の情報等を含んでいてもよい。
【0081】
上記ステップS61でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS61へ移行する。一方、上記ステップS61でYESの場合、ポーリング通信におけるエリア進入待ち台車との間の通信を停止する(ステップS62)。換言すると、上記ステップS62では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、エリア進入待ち台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、エリア進入待ち台車を除いた複数の台車Vとの間で、順次に且つ周期的に通信される。
【0082】
また、ポーリング間引き処理の対象となる台車Vの所定の動作状態は、台車Vが無期限に設定された動作を実行している第3動作状態を有する。システムコントローラ5は、ポーリング通信における第3動作状態の台車Vとの間の通信の頻度を低くする。
【0083】
第3動作状態は、台車Vがメンテナンスモードを実行中の状態であるメンテナンス中状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図7(a)に示されるメンテナンス中台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0084】
メンテナンス中台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、メンテナンス中状態の台車Vであるメンテナンス中台車が存在するか否かを判定する(ステップS71)。例えば台車Vがメンテナンス中台車であるか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがメンテナンス中台車であるか否かの判定は、システムコントローラ5が送信するメンテナンスモード実行指令に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがメンテナンス中台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの指令に基づいて行ってもよい。台車Vの状態情報は、台車Vがメンテナンスモードを実行中であるか否かの情報等を含んでいてもよい。
【0085】
上記ステップS71でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS71へ移行する。一方、上記ステップS71でYESの場合、ポーリング通信におけるメンテナンス中台車との間の通信の頻度を低下させる(ステップS72)。換言すると、上記ステップS72では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、メンテナンス中台車との通信頻度が低くなるようにメンテナンス中台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、メンテナンス中台車との通信の頻度を下げた状態で、複数の台車Vとの間で順次に且つ周期的に通信される。例えば上記ステップS72では、ポーリング通信において5秒に1回の頻度でメンテナンス中台車と通信されるように、メンテナンス中台車の通信頻度を低下させる。
【0086】
第3動作状態は、台車Vがエラーにより停止中の状態であるエラー停止中状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図7(b)に示されるエラー停止中台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0087】
エラー停止中台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、エラー停止中状態の台車Vであるエラー停止中台車が存在するか否かを判定する(ステップS81)。例えば台車Vがエラー停止中台車であるか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがエラー停止中台車であるか否かの判定は、システムコントローラ5が送信するエラー停止指令に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがエラー停止中台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの指令に基づいて行ってもよい。台車Vの状態情報は、台車Vの状態が異常か否か、及び、台車Vが走行停止中か否かの情報等を含んでいてもよい。
【0088】
上記ステップS81でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS81へ移行する。一方、上記ステップS81でYESの場合、ポーリング通信におけるエラー停止中台車との間の通信の頻度を低下させる(ステップS82)。換言すると、上記ステップS82では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、エラー停止中台車との通信頻度が低くなるようにエラー停止中中台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、エラー停止中台車との通信の頻度を下げた状態で、複数の台車Vとの間で順次に且つ周期的に通信される。例えば上記ステップS82では、ポーリング通信において10秒に1回の頻度でエラー停止中台車と通信されるように、エラー停止中台車の通信頻度を低下させる。
【0089】
第3動作状態は、台車がアイドリング状態で停止中の状態であるアイドリング停止中状態を含む。すなわち、ポーリング間引き処理では、図7(c)に示されるアイドリング停止中台車の間引き処理を周期的に繰り返し実行する。
【0090】
アイドリング停止中台車の間引き処理では、ポーリング通信の対象となる複数の台車V中に、アイドリング停止中状態の台車Vであるアイドリング停止中台車が存在するか否かを判定する(ステップS91)。例えば台車Vがアイドリング停止中台車であるか否かの判定は、台車Vの状態情報に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがアイドリング停止中台車であるか否かの判定は、システムコントローラ5が送信するアイドリング停止指令に基づいて行ってもよい。例えば台車Vがアイドリング停止中台車であるか否かの判定は、上位コントローラ(不図示)からの指令に基づいて行ってもよい。台車Vの状態情報は、台車Vがアドリング状態か否か、及び、台車Vが走行停止中か否かの情報等を含んでいてもよい。
【0091】
上記ステップS91でNOの場合、本周期の処理を終了し、次周期の上記ステップS91へ移行する。一方、上記ステップS91でYESの場合、ポーリング通信におけるアイドリング停止中台車との間の通信の頻度を低下させる(ステップS92)。換言すると、上記ステップS92では、ポーリング通信の対象となる複数の台車Vの中から、アイドリング停止中台車との通信頻度が低くなるように、アイドリング停止中台車を間引く。その結果、ポーリング通信では、アイドリング停止中台車との通信の頻度を下げた状態で、複数の台車Vとの間で順次に且つ周期的に通信される。例えば上記ステップS92では、ポーリング通信において5秒に1回の頻度でアイドリング停止中台車と通信されるように、アイドリング停止中台車の通信頻度を低下させる。
【0092】
以上、搬送システムSYSでは、ポーリング間引き処理により、ポーリング通信における所定の動作状態の台車Vとの間の通信を、停止する又はその頻度を低くすることができる。これにより、ポーリング通信において、所定の動作状態の台車Vに対する通信を間引き、所定の動作状態の台車Vとの通信に要する時間を削減することが可能となる。よって、ポーリング通信の周期、つまり、ポーリング通信の1サイクル時間(下式参照)を短くすることが可能となる。その結果、必要な各台車V(所定の動作状態ではない台車V)に対しては、例えば通知通信速度(bps)を高め、滑らかな制御が可能となる。
1サイクル時間=t・N
t:1台の台車当たりの応答時間、N:ポーリング通信の対象となる台車の数
【0093】
搬送システムSYSでは、所定の動作状態は、台車Vが走行停止して走行以外の動作を実行している第1動作状態を有する。この場合、ポーリング通信において第1動作状態の台車Vとの通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0094】
搬送システムSYSでは、ポーリング通信における第1動作状態の台車Vとの間の通信を、第1動作状態の動作に要する時間に基づく期間、停止する。この場合、ポーリング通信の周期を、第1動作状態の動作に要する時間に基づく期間、削減することができる。
【0095】
搬送システムSYSでは、第1動作状態は、移載中状態を含む。この場合、ポーリング通信において移載中台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。搬送システムSYSでは、第1動作状態は、充電中状態を含む。この場合、ポーリング通信において充電中台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。搬送システムSYSでは、第1動作状態は、ターン中状態を含む。この場合、ポーリング通信においてターン中台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0096】
搬送システムSYSでは、所定の動作状態は、台車Vが他の台車Vの動作による影響で走行停止している第2動作状態を有する。この場合、ポーリング通信において第2動作状態の台車Vとの通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0097】
搬送システムSYSでは、ポーリング通信における第2動作状態の台車Vとの間の通信を、他の台車Vの動作による影響が生じている間、又は、当該影響が消失する直前まで停止する。この場合、ポーリング通信の周期を、他の台車Vの動作による影響が生じている間の期間、又は、当該影響が消失する直前までの期間、削減することができる。
【0098】
搬送システムSYSでは、第2動作状態は、移載待ち状態を含む。この場合、ポーリング通信において移載待ち台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。搬送システムSYSでは、第2動作状態は、ブロッキング待ち状態を含む。この場合、ポーリング通信においてブロッキング待ち台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。搬送システムSYSでは、第2動作状態は、エリア進入待ち状態を含む。この場合、ポーリング通信においてエリア進入待ち台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0099】
搬送システムSYSでは、所定の動作状態は、台車Vが無期限に設定された動作を実行している第3動作状態を有する。この場合、ポーリング通信において第3動作状態の台車Vとの通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0100】
搬送システムSYSでは、ポーリング通信における第3動作状態の台車Vとの間の通信の頻度を低くする。この場合、ポーリング通信において、周期を第3動作状態の台車Vとの通信に要する時間削減する頻度を、高めることが可能となる。またこの場合、ポーリング通信における第3動作状態の台車Vとの間の通信を停止しないことから、当該台車Vとの通信を保っておくことができ、これは、当該台車Vが第3動作状態から通常動作状態へ復帰する上で有効である。
【0101】
搬送システムSYSでは、第3動作状態は、メンテナンス中状態を含む。この場合、ポーリング通信においてメンテナンス中台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。搬送システムSYSでは、第3動作状態は、エラー停止中状態を含む。この場合、ポーリング通信においてエラー停止中台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。搬送システムSYSでは、第3動作状態は、アイドリング停止中状態を含む。この場合、ポーリング通信においてアイドリング停止中台車との通信に要する時間を削減することが可能となる。
【0102】
搬送システムSYSは、複数の台車Vが走行するレールRを備えており、いわゆるグリッドシステムを構成する。これにより、台車Vの走行経路を自由に選択しやすくなり、渋滞の発生を抑え、搬送効率を向上させることが可能となる。
【0103】
なお、以上に説明した搬送システムSYSに関してシミュレーションを行い、ポーリング通信の周期の削減割合を検証した。シミュレーションの結果、ポーリング通信の周期が3割強(約31%)削減されることを確認することができた。
【0104】
なお、ポーリング通信においてポーリング間引き処理が実行されているか否かは、例えばシステムコントローラ5のログに基づいて確認することができる。搬送システムSYSでは、ポーリング間引き処理の実行及び停止を、例えば操作入力部を介したユーザの操作入力により選択させ、その選択結果に応じてポーリング間引き処理の実行及び停止を制御してもよい。
【0105】
以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0106】
上記実施形態では、所定の動作状態は特に限定されない。所定の動作状態は、第1動作状態、第2動作状態及び第3動作状態の少なくとも何れかを有していてもよいし、その他の動作状態を有していてもよい。また、台車Vが所定の動作状態であるか否かを判定する上で用いる情報は、特に限定されず、種々の情報を用いてもよい。
【0107】
上記実施形態では、第1動作状態は特に限定されない。第1動作状態は、移載中状態、充電中状態及びターン中状態の少なくとも何れかを含んでいてもよいし、その他の状態を更に含んでいてもよい。上記実施形態では、第2動作状態は特に限定されない。第2動作状態は、移載待ち状態、ブロッキング待ち状態及びエリア進入待ち状態の少なくとも何れかを含んでいてもよいし、その他の状態を更に含んでいてもよい。上記実施形態では、第3動作状態は特に限定されない。第3動作状態は、メンテナンス中状態、エラー停止中状態及びアイドリング停止中状態の少なくとも何れかを含んでいてもよいし、その他の状態を更に含んでいてもよい。
【0108】
上記実施形態では、搬送システムSYSとしてグリッドシステムを採用したが、搬送システムSYSはグリッドシステムに限定されない。例えば搬送システムとして、AGV(Automated Guided Vehicle)を採用してもよいし、格子状の走行路を走行する種々の公知のシステムを採用してもよい。上記実施形態では、台車VはレールRの下側で物品Mを保持したが、本体部10がレールRの上方に配置され、レールRの上側で物品Mを保持してもよい。
【符号の説明】
【0109】
2…グリッドセル、5…システムコントローラ(コントローラ)、13…物品保持部、18…移載装置、20…走行部、21…走行車輪、M…物品、R…レール(格子状軌道)、SYS…搬送システム、V…台車(自台車,他の台車)。
図1
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図7