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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】シート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240611BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65H5/06 D
G03G15/00 430
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023572777
(86)(22)【出願日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 JP2023022445
(87)【国際公開番号】W WO2023248950
(87)【国際公開日】2023-12-28
【審査請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2022101716
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 正尚
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕治
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-210900(JP,A)
【文献】特開2007-55774(JP,A)
【文献】特開平8-151142(JP,A)
【文献】特開昭60-137740(JP,A)
【文献】特開2017-210334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート受入口およびシート排出口を有する装置本体と、
前記装置本体に装着され、前記シート受入口から搬送されてくるシートを受け入れ、前記シートを下流側へ搬送する第1ユニットと、
前記装置本体のうち前記第1ユニットよりもシート搬送方向下流側に装着され、前記シート排出口から前記シートを排出する第2ユニットと、
前記第2ユニットに軸支される一端部と、前記一端部の軸支部分を中心に揺動可能であり、前記第1ユニットに対して連結解除可能に連結される他端部と、を有し、前記第1ユニットから前記第2ユニットに前記シートを搬送する連結ユニットと、を備え、
前記連結ユニットは、
前記他端部に回転可能に配置されるシャフトと、
前記シャフトの軸線方向の端部を支持するシャフトホルダーと、
前記シャフトホルダーが取り付けられる取付孔を有するシャフト取付板と、を備え、
前記シャフトホルダーは、
前記取付孔に回転可能に支持される円筒形状のホルダー本体と、
前記ホルダー本体から前記軸線方向における外方に突出する第1連結部と、を有し、
前記第1ユニットは、前記シャフト取付板の前記軸線方向における外方に配置される第2連結部を備え、
前記第1ユニットは、前記装置本体に対して前記第2ユニットのシート搬送方向上流側から水平方向に装着可能であり、
前記第1ユニットを前記装置本体に装着して前記第2ユニットに連結する場合、前記他端部を上方に揺動させた状態で、前記第1ユニットを前記装置本体に装着し、その後、前記他端部を下方に揺動させて、前記第1連結部を前記第2連結部に連結する、シート搬送装置。
【請求項2】
前記第1連結部は、前記軸線方向から見て、小判形状に形成されることにより、大径部と、前記大径部よりも径方向の幅が小さい小径部と、を有し、
前記第2連結部は、前記取付孔と前記軸線方向に対向し、前記第1連結部が挿入される連結孔を有し、
前記連結孔は、前記軸線方向から見て、前記他端部と共に揺動する前記第1連結部の前記小径部が通過可能であって前記大径部が通過不能な連通口を有し、
前記取付孔の内部で前記シャフトホルダーを回転させて前記第1連結部を第1角度に固定することによって前記第1連結部が前記連通口を通過可能な状態にし、前記連通口を介して前記第1連結部を前記連結孔に挿入した後、前記取付孔の内部で前記シャフトホルダーを回転させて前記第1連結部を第2角度に固定することによって前記第1連結部が前記連通口を通過不能な状態にすることにより、前記第1ユニットと前記第2ユニットとが連結される、請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記連通口は、前記軸線方向から見て、シート搬送方向上流側に向けて開口し、
前記第1ユニットを前記装置本体に装着して前記第2ユニットに連結する場合、前記他端部を上方に揺動させた状態で、前記第1ユニットを前記装置本体に装着し、その後、前記他端部を下方に揺動させて、前記連通口から前記連結孔に前記第1連結部を挿入する、請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記シャフトホルダーは、
前記ホルダー本体の前記軸線方向における一端側に形成された鍔部と、
前記鍔部から前記ホルダー本体の前記軸線方向における他端側に延びる係止片と、を有し、
前記シャフト取付板は、前記係止片が選択的に係合可能な第1係合部および第2係合部を有し、
前記係止片と前記第1係合部とが係合することにより、前記第1連結部が前記第1角度に固定され、前記係止片と前記第2係合部とが係合することにより、前記第2連結部が前記第2角度に固定される、請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記係止片は、前記鍔部から前記軸線方向における内方に延びる第1片と、前記第1片から折り返して前記軸線方向における外方に延びる第2片と、を有するU字形状に形成される、請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記係止片は、前記第2片の側辺から張り出し、把持可能な操作部を有する、請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記連結ユニットは、前記シャフトに取り付けられ、回転することによって前記シートを搬送する搬送ローラーを備え、
前記連結ユニットは、前記搬送ローラーを前記シャフトと共に回転させることにより、前記第1ユニットから前記第2ユニットに前記シートを搬送する、請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記第1ユニットは、画像形成装置から出力されるシートに対して折り処理を行うユニットである、請求項1に記載のシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを搬送するシート搬送装置が知られている。シート搬送装置として、たとえば、画像形成装置が知られている。画像形成装置は、シートを搬送し、搬送中のシートに画像を印刷する(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-169256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、シート搬送装置は、それぞれがシートを搬送する複数のユニットを含む。ユニット同士は連結される。また、複数のユニットは、装置本体に対してユニット単位で別個に着脱可能である。この構成では、シート搬送装置の複数のユニットのうち、或るユニットだけを交換したり、或るユニットだけを点検のために取り外したり、といったことを行える。
【0005】
しかし、シート搬送装置の本体に対するユニットの着脱作業では、ユニット同士の連結および連結解除をシート搬送装置の本体内で行う必要がある。このため、ユニット同士の連結および連結解除が複雑であれば、シート搬送装置の本体に対するユニットの着脱作業の作業性が悪くなる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、装置本体に対するユニットの着脱作業の作業性を向上させることが可能なシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によるシート搬送装置は、シート受入口およびシート排出口を有する装置本体と、装置本体に装着され、シート受入口から搬送されてくるシートを受け入れ、シートを下流側へ搬送する第1ユニットと、装置本体のうち第1ユニットよりもシート搬送方向下流側に装着され、シート排出口からシートを排出する第2ユニットと、第2ユニットに軸支される一端部と、一端部の軸支部分を中心に揺動可能であり、第1ユニットに対して連結解除可能に連結される他端部と、を有し、第1ユニットから第2ユニットにシートを搬送する連結ユニットと、を備える。連結ユニットは、他端部に回転可能に配置されるシャフトと、シャフトの軸線方向の端部を支持するシャフトホルダーと、シャフトホルダーが取り付けられる取付孔を有するシャフト取付板と、を備える。シャフトホルダーは、取付孔に回転可能に支持される円筒形状のホルダー本体と、ホルダー本体から軸線方向における外方に突出する第1連結部と、を有する。第1ユニットは、シャフト取付板の軸線方向における外方に配置される第2連結部を備える。第1ユニットは、装置本体に対して第2ユニットのシート搬送方向上流側から水平方向に装着可能である。第1ユニットを装置本体に装着して第2ユニットに連結する場合、他端部を上方に揺動させた状態で、第1ユニットを装置本体に装着し、その後、他端部を下方に揺動させて、第1連結部を第2連結部に連結する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によると、装置本体に対するユニットの着脱作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による後処理装置を含む画像形成システムの概略図である。
図2】一実施形態による後処理装置の内部構成を示す概略図である。
図3】一実施形態による後処理装置に装着されるユニットの斜視図である。
図4】一実施形態による後処理装置のサブ排出ユニットおよび連結ユニットの斜視図である。
図5】一実施形態による後処理装置の折りユニットの斜視図である。
図6】一実施形態による後処理装置の第1連結部と第2連結部との連結位置およびその周辺を外方から見た拡大斜視図である。
図7】一実施形態による後処理装置の第1連結部と第2連結部との連結位置およびその周辺を内方から見た拡大斜視図である。
図8】一実施形態による後処理装置の第1連結部の斜視図である。
図9】一実施形態による後処理装置の第2連結部の斜視図である。
図10】一実施形態による後処理装置の第1連結部と第2連結部との位置関係を示す図である。
図11】一実施形態による後処理装置のシャフト取付板の取付孔周辺の拡大斜視図である。
図12】一実施形態による後処理装置の連結ユニットの斜視図である。
図13】一実施形態による後処理装置のサブ排出ユニットの斜視図である。
図14】一実施形態による後処理装置の連結ユニットの回動前後の位置を示す図である。
図15】一実施形態による後処理装置の第1連結部の回動経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態によるシート搬送装置について説明する。なお、本実施形態によるシート搬送装置は、画像形成装置に装着される後処理装置である。
【0011】
<画像形成システムの概要>
図1に示すように、後処理装置100(「シート搬送装置」に相当)は、画像形成装置200と共に画像形成システムを構成する。画像形成装置200は、印刷を行う。画像形成装置200は、画像形成部(図示せず)を備える。画像形成部は、シートに画像を形成する。画像形成部の印刷方式は特に限定されない。印刷方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。画像形成装置200による印刷では、たとえば、シートとしての用紙が使用される。
【0012】
画像形成装置200は、シートを搬送し、搬送中のシートに画像を印刷する。また、画像形成装置200は、印刷済みのシートを搬送する。
【0013】
後処理装置100は、画像形成装置200に連結される。後処理装置100は、画像形成装置200に対して着脱可能である。後処理装置100は、印刷済みのシートを画像形成装置200から受け入れる。すなわち、後処理装置100は、画像形成装置200に対してシート搬送方向下流側に配置される。
【0014】
後処理装置100は、印刷済みのシートを搬送し、パンチ処理、ステープル処理および折り処理などの後処理をシートに対して行う。そして、後処理装置100は、シートを排出する。
【0015】
後処理装置100は、ユーザーにより設定されたジョブの内容に応じた後処理を行う。ジョブの設定内容によっては、後処理装置100において印刷済みのシートに対する後処理が行われず、後処理装置100からシートが排出される場合もある。
【0016】
後処理装置100は、画像形成装置200に連結しなくても、単独で使用可能であってもよい。この場合、たとえば、後処理装置100にセットトレイが設けられる。そして、後処理装置100は、セットトレイにセットされたシートを自動搬入して搬送し、後処理を行う。
【0017】
また、後処理装置100に代えて、画像形成装置200から搬入したシートを搬送して排出する機能のみを有するシート搬送装置が画像形成装置200に連結されてもよい。
【0018】
なお、図1は、後処理装置100を装置正面から見た場合の概略図である。以下の説明において、「左」および「右」は、装置正面から見た場合の向きである。
【0019】
<後処理装置の構成>
図2に示すように、後処理装置100は、シート受入口100A、シート排出口100B、第1排出トレイT1および第2排出トレイT2を装置本体1000に備える。また、後処理装置100は、第1搬送路P1および第2搬送路P2を備える。
【0020】
シート受入口100Aは、後処理装置100のうち画像形成装置200との連結側に設けられる開口である。シート受入口100Aを介して、画像形成装置200から後処理装置100にシートが搬入される。
【0021】
第1排出トレイT1および第2排出トレイT2は、後処理装置100のうち画像形成装置200との連結側とは反対側に設けられる。第1排出トレイT1は、メインの排出トレイである。第2排出トレイT2は、第1排出トレイT1の上方に配置される。後処理装置100は、第1排出トレイT1または第2排出トレイT2にシートを排出する。第2排出トレイT2へは、シート排出口100Bを介して、シートが排出される。
【0022】
第1搬送路P1は、メイン搬送路である。第1搬送路P1は、シート受入口100Aから、第1排出トレイT1へのシートの排出口(符号省略)に至る。第1搬送路P1は、シート受入口100Aから、略水平方向に延びる。第2搬送路P2は、第1搬送路P1から分岐し、シート排出口100Bに至る。第2搬送路P2は、第1搬送路P1との分岐位置から、左上方向に延びる。
【0023】
シートは、シート受入口100Aから、第1排出トレイT1または第2排出トレイT2に向けて搬送される。いずれにしても、シートは、図2の右から左に向けて搬送される。すなわち、図2において、右から左に向かう方向がシート搬送方向である。
【0024】
後処理装置100は、パンチユニットU1、ステープルユニットU2およびブックレットユニットU3を備える。パンチユニットU1、ステープルユニットU2およびブックレットユニットU3は、それぞれ、シートに後処理を行う後処理部である。パンチユニットU1、ステープルユニットU2およびブックレットユニットU3は、それぞれ、対応する後処理をシートに対して行う。なお、後述するが、後処理装置100は、後処理を行うユニットとして、折りユニット2をさらに備える。
【0025】
パンチユニットU1は、第1搬送路P1の搬送経路上に配置される。パンチユニットU1は、第1搬送路P1に沿って搬送されるシートに対してパンチ穴を形成するパンチ処理を行う。
【0026】
ステープルユニットU2は、第1搬送路P1に沿って搬送されるシートを処理トレイ(符号省略)にスタックしていく。そして、ステープルユニットU2は、シート束をステープル針で綴じるステープル処理を行う。ステープル処理が行われる場合、第1排出トレイT1にシートが排出される。ステープル処理が行われない場合には、第2排出トレイT2にシートを排出できる。ステープル処理が行われない場合であっても、第1排出トレイT1にシートを排出できてもよい。
【0027】
ブックレットユニットU3は、シート束の中央部をステープル針で綴じる中綴じ用のステープル部(符号省略)を有する。ブックレットユニットU3は、ステープル部で中綴じしたシート束を中折りするブックレット処理を行う。
【0028】
たとえば、後処理装置100は、第1搬送路P1から分岐して下方に延びる第3搬送路P3を備える。第3搬送路P3は、ブックレットユニットU3に繋がる。ブックレット処理が行われる場合には、第3搬送路P3を介して、ブックレットユニットU3にシートが搬送される。
【0029】
また、後処理装置100は、第3排出トレイT3を備える。第3排出トレイT3は、後処理装置100のうち画像形成装置200との連結側とは反対側に設けられる。第3排出トレイT3は、ブックレット用の排出トレイであり、第1排出トレイT1の下方に配置される。ブックレットユニットU3は、ブックレット処理によって得られる小冊子を第3排出トレイT3に排出する。
【0030】
<搬送ユニットの構成>
後処理装置100は、メイン排出ユニットMUを備える。メイン排出ユニットMUは、装置本体1000に装着される。第1搬送路P1は、メイン排出ユニットMUに設けられる。メイン排出ユニットMUは、シートを搬送し、第1排出トレイT1にシートを排出する。
【0031】
メイン排出ユニットMUは、搬送ローラー対Rmを備える。搬送ローラー対Rmは、第1搬送路P1に配置される。搬送ローラー対Rmは、第1搬送路P1に沿ってシートを搬送する。
【0032】
また、後処理装置100は、サブ排出ユニット1を備える。なお、サブ排出ユニット1は「第2ユニット」に相当する。サブ排出ユニット1は、装置本体1000に装着される。サブ排出ユニット1は、後述する折りユニット2よりもシート搬送方向下流側に装着される。サブ排出ユニット1は、オプションユニットであり、装置本体1000の上方側から上下方向に着脱可能である。第2搬送路P2は、サブ排出ユニット1に設けられる。サブ排出ユニット1は、シートの搬送および排出を行うユニットである。サブ排出ユニット1は、シートを搬送し、シート排出口100Bから第2排出トレイT2にシートを排出する。
【0033】
サブ排出ユニット1は、複数の搬送ローラー対R11、R12およびR13を備える。複数の搬送ローラー対R11、R12およびR13は、シート搬送方向の上流側から下流側に向かって、この順番で第2搬送路P2に配置される。複数の搬送ローラー対R11、R12およびR13は、シートに接触し、回転することにより、第2搬送路P2に沿ってシートを搬送する。
【0034】
なお、サブ排出ユニット1に代えて、シートの排出機能を有さずシートの搬送のみを行うユニットが設置されてもよい。すなわち、「第2ユニット」がシートの搬送のみを行うユニットであってもよい。
【0035】
また、後処理装置100は、折りユニット2を備える。なお、折りユニット2は「第1ユニット」に相当する。折りユニット2は、装置本体1000に装着される。折りユニット2の装着位置(「所定位置」に相当)は、サブ排出ユニット1の装着位置よりもシート搬送方向上流側の位置である。折りユニット2は、装置本体1000の所定位置が装着位置となるオプションユニットであり、装置本体1000に対してサブ排出ユニット1のシート搬送方向上流側から水平方向に着脱可能である。折りユニット2は、シートの搬送を行うユニットである。折りユニット2は、シート受入口100Aから搬送されてくるシートを受け入れ、シートを下流側へ搬送する。折りユニット2は、画像形成装置200から出力されるシートに対する折り処理を後処理として行うユニットでもある。
【0036】
第1搬送路P1は、折りユニット2に設けられる。折りユニット2の第1搬送路P1とメイン排出ユニットMUの第1搬送路P1とが繋がる。折りユニット2の第1搬送路P1が上流側であり、メイン排出ユニットMUの第1搬送路P1が下流側である。第1排出トレイT1がシートの排出先となる場合、折りユニット2は、メイン排出ユニットMUに向けてシートを搬送する。メイン排出ユニットMUは、折りユニット2からシートを受け入れ、第1排出トレイT1にシートを排出する。
【0037】
ここで、第2搬送路P2は、折りユニット2の第1搬送路P1から分岐する。言い換えると、折りユニット2は、第1搬送路P1と第2搬送路P2との分岐部分を有する。たとえば、第1搬送路P1と第2搬送路P2との分岐部分には、切替爪(符号省略)が回動可能に設けられる。切替爪がメイン位置に保持されることにより、折りユニット2からメイン排出ユニットMUへの搬送経路が開通状態となる。そして、切替爪をメイン位置からサブ位置に変位させることにより、折りユニット2からメイン排出ユニットMUへの搬送経路が塞がり、折りユニット2からサブ排出ユニット1への搬送経路が開通状態となる。
【0038】
折りユニット2は、搬送ローラー対R2を備える。たとえば、搬送ローラー対R2の設置数は複数である。搬送ローラー対R2は、第1搬送路P1に配置される。搬送ローラー対R2は、第1搬送路P1に沿ってシートを搬送する。
【0039】
また、折りユニット2は、折り部FPを備える。折り部FPは、符号は省略するが、シートに折り目を付けるためにシートの表面に押し当てられる折りガイド、折り処理の対象シートをニップしつつ搬送する専用のローラー対、および、折り処理の対象シートを搬送するための専用の搬送路、などを含む。折り処理が行われる場合には、折り部FPにシートが引き込まれる。折り処理が行われない場合、折り部FPにシートが引き込まれることなく、第1搬送路P1と第2搬送路P2との分岐部分に向かってシートが搬送される。
【0040】
なお、折りユニット2に代えて、折り部FPが非搭載でシートの搬送のみを行うユニットが設置されてもよい。すなわち、「第1ユニット」がシートの搬送のみを行うユニットであってもよい。
【0041】
ここで、メイン排出ユニットMU、サブ排出ユニット1および折りユニット2は、装置本体1000に対して別個に着脱可能である。たとえば、サブ排出ユニット1および折りユニット2は互いに連結されるが、装置本体1000にサブ排出ユニット1を残したまま、装置本体1000から折りユニット2を取り外すことができる。
【0042】
<サブ排出ユニットおよび折りユニットの各構成>
サブ排出ユニット1および折りユニット2は、連結ユニットUC(図3参照)を介して、互いに連結される。すなわち、後処理装置100は、連結ユニットUCを備える。サブ排出ユニット1、折りユニット2および連結ユニットUCによってユニット連結機構UCM(図3参照)が構成される。
【0043】
詳細は後述するが、連結ユニットUCは、第1連結部10を備える。連結ユニットUCは、サブ排出ユニット1に軸支される。折りユニット2は、第2連結部20を備える。そして、第1連結部10および第2連結部20が互いに連結することにより、サブ排出ユニット1と折りユニット2とが連結状態となる。言い換えると、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が固定された状態となる。さらに言い換えると、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が位置決めされる。これにより、折りユニット2からサブ排出ユニット1へのシートの搬送時にシートの位置ずれ(シートの斜行およびシートの撓みなどを含む)が生じることを抑制できる。
【0044】
以下、図3図15を参照し、具体的に説明する。以下の説明では、シート搬送方向と直交する方向を幅方向と称する。後処理装置100を装置正面から見た場合の前後方向が幅方向に相当する。なお、幅方向は「軸線方向」に相当する。
【0045】
サブ排出ユニット1と折りユニット2とが連結した状態は図3に示される。サブ排出ユニット1および連結ユニットUCが図4に示され、折りユニット2が図5に示される。また、第1連結部10と第2連結部20とが連結した状態は、図6および図7に示される。図6は幅方向の一方(外方)から見た図であり、図7は、幅方向の他方(内方)から見た図である。
【0046】
<ユニット間の固定>
サブ排出ユニット1は、連結ユニットUCと共に1つのユニットを構成する。言い換えると、サブ排出ユニット1は、連結ユニットUCから分離されない。
【0047】
連結ユニットUCは、サブ排出ユニット1に軸支される一端部UC1と、一端部UC1の軸支部分を中心に上下方向に揺動可能であり、折りユニット2に対して連結解除可能に連結される他端部UC2と、を有する。そして、連結ユニットUCは、折りユニット2からサブ排出ユニット1にシートを搬送する。言い換えると、連結ユニットUCは、シートを搬送するユニットでもある。さらに言い換えると、連結ユニットUCは、サブ排出ユニット1と共にシート搬送ユニットを構成する。
【0048】
連結ユニットUCには、搬送ローラー対R11およびR12(図2参照)が設けられる。サブ排出ユニット1には、搬送ローラー対R13(図2参照)が設けられる。すなわち、連結ユニットUCは、サブ排出ユニット1よりもシート搬送方向上流側に配置され、折りユニット2からシートを受け入れ、サブ排出ユニット1にシートを搬送する。サブ排出ユニット1は、連結ユニットUCを介して、折りユニット2からシートを受け入れる。
【0049】
ここで、幅方向から見て、搬送ローラー対R11を構成する一対の搬送ローラーのうち一方の搬送ローラーの配置位置が連結ユニットUCの他端部UC2と折りユニット2との連結位置となる。以下の説明では、当該連結位置にある一方の搬送ローラーに符号R10を付し、他の搬送ローラーと区別する。
【0050】
連結ユニットUCは、幅方向に延びるシャフト11を有する。シャフト11は、連結ユニットUCの他端部UC2に配置される。シャフト11は、回転可能に支持される。搬送ローラーR10は、シャフト11に取り付けられる。搬送ローラーR10は、シャフト11と共に回転する。すなわち、シャフト11は、幅方向から見て、他端部UC2と折りユニット2との連結位置に配置される。搬送ローラーR10は、シャフト11と共に回転することにより、シートを搬送する。連結ユニットUCは、搬送ローラーR10をシャフト11と共に回転させることにより、折りユニット2からサブ排出ユニット1にシートを搬送する。
【0051】
連結ユニットUCは、シャフト11が取り付けられる板状部材であるシャフト取付板12を有する。連結ユニットUCは、連結ユニットUCの筐体(フレーム)の一部をシャフト取付板12として有する。たとえば、連結ユニットUCは、幅方向に対向する一対の側板を筐体の一部として有する。当該一対の側板は、それぞれ、幅方向を板厚方向とする。当該一対の側板がそれぞれシャフト取付板12となる。すなわち、シャフト取付板12は、幅方向に対向する一対の側板である。シャフト取付板12には、幅方向に貫通する取付孔12a(図11参照)が形成される。
【0052】
連結ユニットUCは、図8に示すシャフトホルダー13を有する。シャフトホルダー13は、シャフト11の幅方向の両端部にそれぞれ取り付けられる。シャフトホルダー13は、シャフト11の幅方向の両端部を支持する。具体的には、連結ユニットUCは、ベアリング14(図7参照)をさらに有する。ベアリング14は、シャフト11の幅方向の両端部にそれぞれ取り付けられる。ベアリング14の内輪がシャフト11に固定される。ベアリング14の外輪がシャフトホルダー13に固定される。これにより、シャフト11は、幅方向の両端がそれぞれ回転可能に支持される。シャフトホルダー13は、シャフト11の中心軸を中心に回転可能となる。なお、ベアリング14は、止め輪140(図7参照)によってシャフト11の幅方向への位置ずれが抑制される。
【0053】
以下の説明では、シート搬送方向と直交する幅方向(後処理装置100の前後方向)において、シャフト11の中心から離れる向きを外方と定義し、シャフト11の中心に近づく向きを内方と定義する。
【0054】
シャフトホルダー13は、ホルダー本体131を有する。ホルダー本体131は、円筒形状に形成された部分であり、幅方向の内方側に開口(符号省略)を有する。ベアリング14は、当該開口からホルダー本体131の内部に嵌め込まれる。ベアリング14の外輪は、ホルダー本体131の内周面に固定される。シャフト11の先端は、ホルダー本体131の内部にベアリング14が嵌め込まれた状態において、ホルダー本体131の内部から幅方向の外方に突出する。
【0055】
ホルダー本体131のうち幅方向の内方側の外周(開口の外縁)には、鍔部1311が形成される。すなわち、シャフトホルダー13は、ホルダー本体131の幅方向における一端側に形成された鍔部1311を有する。鍔部1311は、円環状である。鍔部1311は、ホルダー本体131の外周から全周にわたって径方向に突出する。
【0056】
ホルダー本体131は、シャフト取付板12の取付孔12aに対し、幅方向の内方から挿入されることにより、取付孔12aに取り付けられる。ホルダー本体131は、シャフト取付板12から外方に突出する。なお、鍔部1311の外径は、取付孔12aの直径よりも大きい。これにより、シャフトホルダー13が外方に抜け落ちることを抑制できる。
【0057】
ここで、シャフトホルダー13は、第1連結部10を有する。第1連結部10は、連結ユニットUCと折りユニット2との連結で使用される。
【0058】
第1連結部10は、ホルダー本体131から幅方向の外方に向かって突出する突出部である。第1連結部10の幅方向から見た外形は、小判形状(オーバル形状)である。すなわち、第1連結部10は、幅方向から見て、シャフト11の中心軸を中心として点対称に配置される一対の円弧面101を有する。一対の円弧面101は、互いに逆方向を向く。また、第1連結部10は、幅方向から見て、互いに平行に延びる一対の平坦面102を有する。なお、第1連結部10の幅方向から見た外形は、楕円形状であってもよい。また、第1連結部10の幅方向から見た外形は、平坦面102に相当する面が凹んだ形状であってもよい。
【0059】
第1連結部10は、幅方向から見て、小判形状に形成されることにより、径方向の幅が大きい大径部(符号省略)と、その大径部よりも径方向の幅が小さい小径部(符号省略)と、を有する。なお、第1連結部10の大径部は、一対の円弧面101で構成される部分である。第1連結部10の小径部は、一対の平坦面102で構成される部分である。
【0060】
折りユニット2は、図9に示す第2連結部20をさらに備える。第2連結部20は、第1連結部10と連結(係合)する。第1連結部10と第2連結部20とを連結することにより、サブ排出ユニット1と折りユニット2とが連結ユニットUCを介して連結された状態にできる。すなわち、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2を固定できる。
【0061】
第2連結部20は、折りユニット2の筐体のうち幅方向に対向する一対の側板にそれぞれ設けられる。折りユニット2の筐体に対し、第2連結部20が一体的に形成されてもよいが、第2連結部20が後付けされてもよい。
【0062】
第2連結部20は、シャフト11の幅方向の両端側にそれぞれ配置される。なお、一対のシャフト取付板12は、それぞれ、幅方向の同じ側の第2連結部20よりも幅方向の内方に配置される。すなわち、一対の第2連結部20は、それぞれ、幅方向の同じ側のシャフト取付板12よりも幅方向の外方に配置される。一対の第1連結部10は、それぞれ、幅方向の同じ側の第2連結部20に向かって突出する。
【0063】
第2連結部20は、幅方向に貫通する連結孔201を有する。連結孔201の幅方向から見た形状は、一部に切れ目を有する円形である。すなわち、第2連結部20は、連結孔201の径方向の内側と外側とを連通する連通口202を有する。連通口202は、幅方向から見て、連結孔201の内側と外側との間を貫通する。連通口202は、幅方向から見て、シート搬送方向上流側に向けて開口する。
【0064】
サブ排出ユニット1と折りユニット2とが連結状態にあるとき、第1連結部10は、第2連結部20の連結孔201に挿入される(図6参照)。言い換えると、第2連結部20は、第1連結部10が装着される連結孔201を有する。ここで、第1連結部10は、一対の円弧面101を有する。一対の円弧面101は、幅方向から見て、シャフト11の中心軸を中心として点対称に配置される。また、第1連結部10は、一対の平坦面102を有する。一対の平坦面102は、幅方向から見て、互いに平行である。
【0065】
第1連結部10が連結孔201に挿入された状態において、一対の円弧面101は、連結孔201の内周面と同時に接触可能である。一方で、一対の平坦面102は、第1連結部10の連結孔201での位置にかかわらず連結孔201の内周面に接触しない。
【0066】
第1連結部10を連結孔201に挿入し、一対の円弧面101を連結孔201の内周面に接触させた状態(図6に示す状態)で保持することにより、第1連結部10と第2連結部20とを連結(固定)できる。第1連結部10と第2連結部20とを連結することにより、サブ排出ユニット1と折りユニット2とが連結される。すなわち、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2を固定できる。
【0067】
<ユニット間の連結および連結解除>
第1連結部10の連結孔201に対する嵌め合い公差は、第1連結部10を手動で回転させることが可能に設定される。たとえば、第1連結部10の連結孔201に対する嵌め合い公差は、中間ばめでもよい。
【0068】
また、連結孔201は、軸線方向から見て、他端部UC2と共に揺動する第1連結部10の小径部が通過可能であって大径部が通過不能な開口を連通口202として有する、すなわち、幅方向から見て、第1連結部10の大径部は、連通口202を通過できない幅を有する。一方で、幅方向から見て、第1連結部10の小径部は、連通口202を通過できる幅を有する。
【0069】
第1連結部10の一対の円弧面101を連結孔201の内周面に同時に接触させることにより、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2を連結(固定)できる。言い換えると、第1連結部10の一対の円弧面101のうち一方が連結孔201の内周面に接触していなければ、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が連結されない。さらに言い換えると、第1連結部10の一対の円弧面101のうち一方が連結孔201の内周面に接触していなければ、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が位置ずれする。
【0070】
ここで、第1連結部10が連結孔201に挿入された状態であっても、第1連結部10はシャフト11の中心軸を中心に回転可能であるため、第1連結部10を回転させることにより、一対の円弧面101の位置をずらすことができる。また、第2連結部20は、連結孔201の縁を径方向に貫通する連通口202を有する。言い換えると、第2連結部20は、連結孔201の径方向の内側と外側とを連通する連通口202を有する。
【0071】
これにより、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が連結されているとき、一対の円弧面101のうち一方が連通口202を向くよう第1連結部10を回転させれば、一対の円弧面101のうち一方が連結孔201の内周面に接触しなくなるので、サブ排出ユニット1と折りユニット2との連結状態を解除できる。以下、幅方向の一方側(前方側)から見た場合を例にとって説明する。
【0072】
第1連結部10は、連結孔201に挿入された状態において、シャフト取付板12の取付孔12aの内部でシャフト11の中心軸を中心に回転することにより、連結位置と連結解除位置とに選択的に配置される。シャフト取付板12の取付孔12aの内部において、シャフトホルダー13を回転させ、第1連結部10の幅方向から見た場合の角度(一対の円弧面101および一対の平坦面102の幅方向から見た場合の位置)を第1角度に固定することにより、第1連結部10の位置が連結解除位置となる。その状態から、シャフトホルダー13をさらに回転させ、第1連結部10の幅方向から見た場合の角度を第2角度に固定することにより、第1連結部10の位置が連結位置となる。たとえば、第1連結部10の回転は、後処理装置100の点検および交換などの作業を行う作業者によって手動で行われる。
【0073】
連結位置は、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が連結(固定)される位置である。すなわち、第1連結部10が連結位置にあるとき、一対の円弧面101は、両方とも、連結孔201の内周面に接触する(図10の上図参照)。
【0074】
第1連結部10が連結位置にある状態では、第1連結部10は連通口202を通過できない。すなわち、第1連結部10が連結位置にあるとき、第1連結部10の幅方向から見た場合の角度は第2角度である。
【0075】
一方で、連結解除位置は、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結(固定)が解除される位置である。すなわち、第1連結部10が連結解除位置にあるとき、一対の円弧面101のうち一方は、連結孔201の内周面に接触し、一対の円弧面101のうち他方は、連通口202に配置されることにより、連結孔201の内周面に接触しない(図10の下図参照)。
【0076】
第1連結部10が連結解除位置にある状態では、第1連結部10は連通口202を通過できる。すなわち、第1連結部10が連結解除位置にあるとき、第1連結部10の幅方向から見た場合の角度は第1角度である。
【0077】
この構成では、サブ排出ユニット1と折りユニット2とを連結(固定)する場合、シャフト取付板12の取付孔12aの内部でシャフトホルダー13を回転させて第1連結部10を第1角度に固定することによって第1連結部10が連通口202を通過可能な状態にし、連通口202を介して第1連結部10を連結孔201に挿入した後、シャフト取付板12の取付孔12aの内部でシャフトホルダー13を回転させて第1連結部10を第2角度に固定することによって第1連結部10が連通口202を通過不能な状態にすることにより、サブ排出ユニット1と折りユニット2とが連結される。
【0078】
これにより、後処理装置100に装着されるユニットの点検および交換などの作業を行う作業者の利便性が向上する。具体的には、装置本体1000に対してサブ排出ユニット1または折りユニット2を着脱するとき、第1連結部10を回転させるだけで、サブ排出ユニット1(連結ユニットUC)に対する折りユニット2の連結と連結解除とが切り替わるので、ユニットの一部を分解するなどの作業が不要となる。その結果、装置本体1000に対するユニットの着脱作業の作業性を向上させることができる。
【0079】
また、第2連結部20に連通口202が形成される構成では、第1連結部10を回転させることにより、容易に、一対の円弧面101のうち、一方が連結孔201の内周面に接触し、他方が連結孔201の内周面に接触しない状態にできる。言い換えると、第1連結部10を回転させることにより、容易に、第1連結部10が連通口202を通過可能な状態と、第1連結部10が連通口202を通過不能な状態と、を切り替えることができる。
【0080】
さらに、第1連結部10を連結孔201に挿入するとき、第1連結部10を幅方向から挿入する必要がない。具体的には、幅方向から見て、連通口202を介して、連結孔201の外側から内側に第1連結部10を移動させるだけで、第1連結部10が連結孔201に挿入された状態にできる。これにより、シャフトホルダー13およびベアリング14などをシャフト11から取り外さなくても、すなわち、シャフト11を回転可能に支持する機構を分解しなくても、第1連結部10を連結孔201に嵌め込むことができる。その結果、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結作業および連結解除作業が容易になる。
【0081】
また、ベアリング14が固定されるシャフトホルダー13の一部を第1連結部10とする構成では、部品点数が増加することを抑制できる。
【0082】
また、シャフトホルダー13の一部を第1連結部10とする構成では、シートの搬送を担う搬送ローラーR10の回転軸(すなわち、シャフト11)を基準にサブ排出ユニット1と折りユニット2との間の位置決めを行える。これにより、折りユニット2からサブ排出ユニット1へのシートの搬送時、シートの位置ずれが抑制される。その結果、シートが撓んだり斜行したりすることを抑制できる。
【0083】
<シャフトホルダーの位置決め>
シャフト取付板12は、他端部UC2側の部分であって幅方向から見た場合の外周部に位置決め係合部120を有する(図11参照)。位置決め係合部120は、シャフト取付板12に形成される孔および切欠きなどである。位置決め係合部120は、第1係合部121と第2係合部122とを含む。
【0084】
また、シャフトホルダー13は、位置決め係合部120と係合可能なフック132を有する(図8参照)。フック132は「係止片」に相当する。フック132は、ホルダー本体131に接続される。フック132は、鍔部1311から幅方向の内方に延びる第1片132aと、第1片132aから折り返して幅方向の外方に延びる第2片132bと、を有するU字形状に形成される。フック132は、係合突起1321を有する。係合突起1321は、フック132のうちホルダー本体131との接続側とは反対側の先端部に形成される。フック132のうち係合突起1321が位置決め係合部120と係合可能である。係合突起1321が位置決め係合部120と係合することにより、フック132と位置決め係合部120とが係合した状態となる。
【0085】
なお、シャフトホルダー13は、シャフト11の中心軸を中心に回転可能である。シャフトホルダー13が回転することにより、シャフト11の中心軸を中心に係合突起1321が回動する。係合突起1321は、第1係合部121と第2係合部122との間を回動可能である。言い換えると、シャフト取付板12は、フック132が選択的に係合可能な第1係合部121および第2係合部122を有する。
【0086】
第1係合部121とフック132とが係合することにより、第1連結部10が第1角度に固定される。シャフト取付板12の取付孔12aの内部でシャフトホルダー13を回転させて第1連結部10を第1角度に固定することにより、幅方向から見て、第1連結部10が連通口202を通過可能な状態(第1連結部10が連結解除位置にある状態)となる。第1係合部121とフック132との係合が解除されなければ、第1連結部10が連結解除位置で保持される。このとき、一対の円弧面101のうち一方は、連結孔201の内周面に接触し、一対の円弧面101のうち他方は、連通口202に配置されることにより、連結孔201の内周面に接触しない。すなわち、第1係合部121とフック132とが係合状態にあるとき、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結(固定)が解除される。
【0087】
第2係合部122とフック132とが係合することにより、第1連結部10が第2角度に固定される。シャフト取付板12の取付孔12aの内部でシャフトホルダー13を回転させて第1連結部10を第2角度に固定することにより、幅方向から見て、第1連結部10が連通口202を通過不能な状態(第1連結部10が連結位置にある状態)となる。第2係合部122とフック132との係合が解除されなければ、第1連結部10が連結位置で保持される。このとき、一対の円弧面101は、両方とも、連結孔201の内周面に接触する。すなわち、第2係合部122とフック132とが係合状態にあるとき、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2が連結(固定)される。
【0088】
シャフト取付板12に位置決め係合部120が設けられ、位置決め係合部120と係合可能なフック132がシャフトホルダー13に設けられる構成では、シャフト11の中心軸を中心に第1連結部10が回転可能であっても、確実に、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結状態(固定状態)を保持できる。言い換えると、第1連結部10が意図せず回転することを抑制できる。これにより、たとえば、サブ排出ユニット1と折りユニット2との間のがたつきを抑制できる。
【0089】
ここで、フック132は、幅方向に弾性変形可能である。フック132をU字形状に形成することにより、容易に、フック132を弾性変形可能にできる。
【0090】
また、係合突起1321は、位置決め係合部120と幅方向に係合する。これにより、フック132が第1係合部121に係合した状態から、フック132のうち係合突起1321を有する先端部を外方に引っ張ってフック132を変形させることにより、フック132と第1係合部121との係合を解除できる。その後、フック132を外方に引っ張ったまま第1連結部10を回転させ、フック132と第2係合部122とが係合する位置でフック132の引っ張りを解除することにより、フック132が元の形状に復元するので、フック132と第2係合部122とを係合させることができる。フック132の係合先を第2係合部122から第1係合部121に変更する場合も同様、フック132を変形させることにより、フック132と第1係合部121とを係合させることができる。
【0091】
このような手段を用いる場合には、第1連結部10の回転作業時に作業者にとってフック132が把持し易いことが好ましい。そこで、シャフトホルダー13は、操作部1322を有する。操作部1322は、フック132のうちホルダー本体131との接続側とは反対側の先端部に形成される。なお、当該先端部には、係合突起1321も形成される。操作部1322は、幅方向から見て、シャフトホルダー13の円筒部分であるホルダー本体131の周方向に突出する。言い換えると、フック132は、第2片132bの側辺から張り出し、作業者が把持可能な操作部1322を有する。操作部1322は、第1連結部10を連結位置と連結解除位置との間で回転させる作業時に把持される。操作部1322は、たとえば、互いに逆方向に突出する一対の突起を含む。
【0092】
フック132に操作部1322を設けることにより、フック132を容易に引っ張ることができる。また、フック132のうち係合突起1321を有する先端部に操作部1322を配置することにより、位置決め係合部120に対する係合突起1321の係合と係合解除との切り替え作業が容易になる。
【0093】
<ユニットの取り出し>
メイン排出ユニットMU、サブ排出ユニット1および折りユニット2は、装置本体1000から、ユニット単位で別個に取り外しできる。たとえば、装置本体1000から折りユニット2を取り外すときには、まず、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結(固定)を解除しておく必要がある。解除後、折りユニット2を水平方向に移動させることにより、装置本体1000のシート搬送方向上流側から折りユニット2を取り外すことができる。装置本体1000の所定位置に折りユニット2を装着する場合には、装置本体1000のシート搬送方向上流側から折りユニット2を所定位置に配置した後、連結ユニットUCを介して、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2を連結(固定)すればよい。
【0094】
ただし、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結(固定)を解除しても、連結ユニットUCが存在する。このため、サブ排出ユニット1に対する折りユニット2の連結を解除しただけでは、装置本体1000から折りユニット2を取り出せない。
【0095】
そこで、連結ユニットUCは、サブ排出ユニット1に軸支される一端部UC1と、一端部UC1の軸支部分を中心に揺動可能であり、折りユニット2に対して連結解除可能に連結される他端部UC2と、を有する。すなわち、連結ユニットUCは、装置本体1000の内部において、一端部UC1の軸支部分を支点とし、他端部UC2を上下方向に振ることができる。他端部UC2を上方に移動(回動)させることにより、装置本体1000にサブ排出ユニット1を残したまま、装置本体1000のシート搬送方向上流側から折りユニット2を取り出すことができる。
【0096】
なお、連結ユニットUCは、装置本体1000の内部では、サブ排出ユニット1から分離されない。すなわち、連結ユニットUCは、サブ排出ユニット1と共に1つのユニットを構成する。連結ユニットUCおよびサブ排出ユニット1は、それぞれ、シートを搬送する機構部である。連結ユニットUCは、折りユニット2からシートを受け入れ、シートを搬送する。サブ排出ユニット1は、連結ユニットUCからシートを受け入れ、シートを搬送し、第2排出トレイT2にシートを排出する。図12および図13では、連結ユニットUCおよびサブ排出ユニット1をそれぞれ単体で示す。
【0097】
連結ユニットUCは、幅方向に対向する一対の側板であるシャフト取付板12を筐体の一部として有する。サブ排出ユニット1は、幅方向に対向する一対の側板15をサブ排出ユニット1の筐体の一部として有する。サブ排出ユニット1の側板15は、シャフト取付板12とは別部材である。詳細は後述するが、装置本体1000にサブ排出ユニット1が装着された状態では、サブ排出ユニット1が固定され、サブ排出ユニット1に対して連結ユニットUCが持ち上がる。そこで、以下の説明では、サブ排出ユニット1の側板15を固定側板15と称する。
【0098】
一対の固定側板15は、それぞれ、同じ側に位置するシャフト取付板12と一部で幅方向に重なる。以下の説明では、便宜上、固定側板15とシャフト取付板12とが幅方向に重なる領域を側板重畳領域と称する。
【0099】
サブ排出ユニット1は、支点ピンPをさらに備える。また、シャフト取付板12の側板重畳領域には、幅方向に貫通するピン孔P0が形成される。固定側板15の側板重畳領域にも同様、幅方向に貫通するピン孔P0が形成される。そして、幅方向の一方側および他方側には、それぞれ、支点ピンPが配置される。各支点ピンPは、幅方向の同じ側に位置するシャフト取付板12および固定側板15の各ピン孔P0に挿入される。これにより、シャフト取付板12は、支点ピンPを支点に回転可能である。
【0100】
ピン孔P0は、幅方向から見て、シャフト取付板12のうち取付孔12aが配置される端部とは反対側の端部に配置される。このため、連結ユニットUCは、幅方向から見て、シャフト取付板12のうち取付孔12aが配置された端部を上下方向に振るように回転可能である。言い換えると、連結ユニットUCは、幅方向から見て、支点ピンPに支持される一端部UC1を有する。そして、連結ユニットUCは、支点ピンPを支点に他端部UC2を上下方向に振るように回動する。この構成では、一端部UC1のうちピン孔P0の形成部分が「軸支部分」に相当する。シャフトホルダー13は、幅方向から見て、他端部UC2に配置されることにより、支点ピンPを支点に回動可能である。連結ユニットUCは、支点ピンPを介して、サブ排出ユニット1に連結される。
【0101】
なお、第1連結部10は、取付孔12aに配置されるシャフトホルダー13の一部である。これにより、第1連結部10は、幅方向から見て、支点ピンPを支点に回動可能である。支点ピンPを支点に第1連結部10を回動させることにより、第1連結部10が第2連結部20に対して連結または連結解除される。
【0102】
具体的には、第1連結部10と第2連結部20とが連結される位置(図14上図で示す位置)から、支点ピンPを支点に第1連結部10を第1方向D1に回動させることにより、第1連結部10が第2連結部20から離間する。第1連結部10を第1方向D1に回動させることにより、図14下図に示す状態になる。言い換えると、第1連結部10と第2連結部20との連結(係合)が解除される。さらに言い換えると、連結ユニットUCが折りユニット2から引き離される。
【0103】
これにより、装置本体1000にサブ排出ユニット1を残したまま、装置本体1000から折りユニット2を取り出すことができる。言い換えると、支点ピンPを支点に第1連結部10を回動させるだけで、装置本体1000から折りユニット2を取り出すことができる。その結果、装置本体1000に対する折りユニット2の着脱作業の作業性を向上させることができる。折りユニット2の点検および交換などを担う作業者からすると、装置本体1000から折りユニット2だけを取り出すことができるので、利便性が良い。
【0104】
また、第1連結部10と第2連結部20との連結(第1連結部10の連結孔201への挿入)が解除された状態、すなわち、図14下図に示す状態から、支点ピンPを支点に第1連結部10を第1方向D1とは逆の第2方向D2に回動させることにより、第1連結部10が第2連結部20に接近する。これにより、図14上図に示す状態に戻すことができる。その結果、第1連結部10と第2連結部20とを連結できる。
【0105】
ここで、第2連結部20は、幅方向から見て、連結孔201の径方向の内側と外側とを連通する開口である連通口202を第1連結部10の回動経路上に有する(図15参照)。言い換えると、連通口202は、幅方向から見て、シート搬送方向上流側に向けて開口する。図15では、第1連結部10の回動軌跡を一点鎖線で示す。また、回動中の第1連結部10を破線で示す。
【0106】
この構成では、第1連結部10を連結孔201に対して径方向から挿入できる。言い換えると、第1連結部10と第2連結部20との連結が解除された状態から、支点ピンPを支点に第1連結部10を第2方向D2に回動させるだけで、第1連結部10と第2連結部20とを連結できる。第1連結部10と第2連結部20との連結後、第1連結部10を回転して連結位置に保持することにより、サブ排出ユニット1に対して折りユニット2を固定できる。
【0107】
すなわち、サブ排出ユニット1が装着された装置本体1000に折りユニット2を装着する場合、連結ユニットUCの他端部UC2を上方に揺動させた状態で折りユニット2を装置本体1000の所定位置に配置した後、連結ユニットUCの他端部UC2を下方に揺動させて連通口202から連結孔201に第1連結部10を挿入することにより、装置本体1000に折りユニット2が装着される。
【0108】
図示しないが、たとえば、連結ユニットUCを上方に揺動させた状態で保持するため、その状態の連結ユニットUCの他端部UC2と係合する保持係合部が装置本体1000に設けられる。他端部UC2と保持係合部とが係合することにより、連結ユニットUCが下方へ揺動しないよう保持される。なお、連結ユニットUCを上方に揺動させた状態で保持する部材の構成は特に限定されない。
【0109】
これにより、装置本体1000に対する折りユニット2の装着作業としては、装置本体1000の所定位置に折りユニット2を配置した後、連結ユニットUCの回転作業および第1連結部10の回転作業だけでよくなる。その結果、作業性が良くなるので、作業者の利便性向上する。
【0110】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
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