(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ライトフィールドおよびホログラフィック導波路アレイにおけるエネルギーの選択的伝搬
(51)【国際特許分類】
G02B 30/00 20200101AFI20240611BHJP
G03H 1/02 20060101ALI20240611BHJP
G03H 1/04 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G02B30/00
G03H1/02
G03H1/04
(21)【出願番号】P 2019501706
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(86)【国際出願番号】 US2017042276
(87)【国際公開番号】W WO2018014010
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-13
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-07
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519006883
【氏名又は名称】ライト フィールド ラボ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラフィン、ジョナサン ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ベヴェンシー、ブレンダン、エルウッド
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】野村 伸雄
【審判官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-536069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0137730(US,A1)
【文献】特表2003-524205(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0224062(US,A1)
【文献】特開平10-186275(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0241608(US,A1)
【文献】国際公開第2013/172233(WO,A1)
【文献】特開2007-25601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00-30/60
H04N 13/00-13/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエネルギー伝搬経路を画定するためのエネルギー導波路システムであって、
エネルギー導波路のアレイであって、前記アレイが、第1の側面および第2の側面を備え、前記第1の側面
の側の複数のエネルギー位置を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路に沿って通るエネルギーを指向するように構成され、
前記複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットが、第1のエネルギー位置を通って延在し、
前記複数のエネルギー伝搬経路のうちの第2のサブセットが、第2のエネルギー位置を通って延在し、
第1のエネルギー導波路が、前記第1のサブセットの
うちの第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、前記第1のエネルギー伝搬経路が、前記第1のエネルギー位置と前記第1のエネルギー導波路との間に形成される第1の主光線によって画定され、さらに、前記第1のエネルギー伝搬経路が、少なくとも前記第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向において、前記第1のエネルギー導波路から前記アレイの前記第2の側面
の側に向かって延在し、
第2のエネルギー導波路が、前記第2のサブセットのうちの第2のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、前記第2のエネルギー伝搬経路が、前記第2のエネルギー位置と前記第2のエネルギー導波路との間に形成される第2の主光線によって画定され、さらに、前記第2のエネルギー伝搬経路が、少なくとも前記第2のエネルギー位置によって確定されている固有の方向において、前記第2のエネルギー導波路から前記アレイの前記第2の側面の側に向かって延在し、
前記第1のエネルギー導波路を通る前記第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第1のエネルギー導波路の第1のアパーチャを実質的に充填
し、前記第2のエネルギー導波路を通る前記第2のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第2のエネルギー導波路の第2のアパーチャを実質的に充填する、エネルギー導波路のアレイと、
前記第1のアパーチャを通って延在しない前記第1のサブセットの
中のエネルギー伝搬経路に沿っ
たエネルギーの伝搬を抑制する
ことによって、前記第1のエネルギー位置から前記第1のエネルギー伝搬経路に沿ったもののみへのエネルギーの伝播を可能にし、さらに、前記第2のアパーチャを通って延在しない前記第2のサブセットの中のエネルギー伝搬経路に沿ったエネルギーの伝搬を抑制することによって、前記第2のエネルギー位置から前記第2のエネルギー伝搬経路に沿ったもののみへのエネルギーの伝播を可能にするように配置されている、エネルギー抑制素子と、を備え、
前記エネルギー抑制素子は、前記エネルギー導波路へのエネルギーの角度分布を制限するための
開口数を有し、
前記
第1のエネルギー伝搬経路が、第1の領域を通って延在し、前記
第2のエネルギー伝搬経路が、第2の領域を通って延在し、前記第1の領域および前記第2の領域が、
その間に前記エネルギー抑制素子
を有し、
前記第1のエネルギー伝搬経路
および前記第2の
エネルギー伝搬経路が、前記アレイの前記第2の側面
の側において収束する、エネルギー導波路システム。
【請求項2】
前記エネルギー抑制素子が、前記エネルギー導波路のアレイと前記複数のエネルギー位置との間の前記第1の側面
の側に配置されている、請求項1に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項3】
前記第1のエネルギー導波路が、2次元空間座標を含み、少なくとも前記第1のエネルギー位置によって確定された前記固有の方向が、2次元角度座標を含み、それによって、前記2次元空間座標および前記2次元角度座標が、4次元(4D)座標セットを形成する、請求項1または2に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項4】
前記第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第1の主光線に実質的に平行である方向に、前記第1のエネルギー導波路を通って指向された1つ以上のエネルギー光線を含む、請求項3に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項5】
各エネルギー導波路が、エネルギーを指向するための
1以上の構造体を備え、
1以上の前記構造体が、
a)通過するエネルギーの角度方向を変更するように構成されている構造体、
b)少なくとも1つの
開口数を含む構造体、
c)少なくとも1つの内部表面からエネルギーを再指向するように構成されている構造体、
から成る群から選択される、請求項1から
4のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項6】
前記エネルギー抑制素子が、エネルギー伝搬経路を減衰または修正するための
1以上の構造体を備え、
1以上の前記構造体が、
a)エネルギー抑制構造体、
b)前記第1のアパーチャの充填率を変更するために、第1のエネルギー伝搬経路を変更するように構成されている素子、
c)前記第1のエネルギー位置に近接するエネルギーの角度範囲を制限するように構成されている構造体、から成る群から選択される、請求項1から
5のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項7】
前記エネルギー抑制構造体が、前記第1のエネルギー位置に近接するエネルギーの角度範囲を制限するように構成されている構造体である場合、前記第1のエネルギー位置に近接するエネルギーの角度範囲を制限するように構成されている前記構造体が、前記第1のエネルギー位置に隣接する光学リレーフェースプレートを備える、請求項
6に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項8】
前記エネルギー抑制構造体が、少なくとも1つの
開口数を含む、請求項
6または
7に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項9】
前記エネルギー抑制構造体が、バッフル構造体を含む、請求項
6から
8のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項10】
前記エネルギー抑制構造体が、前記第1のエネルギー導波路に隣接して配置され、概して前記第1のエネルギー位置に向かって延在している、請求項
6から
9のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項11】
前記エネルギー抑制構造体が、前記第1のエネルギー位置に隣接して配置され、概して前記第1のエネルギー導波路に向かって延在している、請求項
6から
9のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項12】
前記エネルギー導波路のアレイが、平面を形成するように配設されている、請求項1から1
1のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項13】
前記エネルギー導波路のアレイが、曲面を形成するように配設されている、請求項1から1
1のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項14】
前記第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、波長によって定義される電磁エネルギーであり、前記波長は、
a)可視光、
b)紫外線、
c)赤外線、
d)X線、から成る群から選択されるレジームに属する、請求項1から1
3のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項15】
前記第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、圧力波によって定義される機械的エネルギーであり、前記圧力波は、
a)触圧波、
b)音響振動、から成る群から選択される、請求項1から1
3のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項16】
複数のエネルギー伝搬経路を画定するためのエネルギー導波路システムであって、
レンズのアレイであって、前記アレイは、第1の側面および第2の側面を備え、複数のエネルギー位置を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路に沿ってそれを通るエネルギーを指向させるように構成され、
前記複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットが、第1のエネルギー位置を通って延在し、
前記複数のエネルギー伝搬経路のうちの第2のサブセットが、第2のエネルギー位置を通って延在し、
第1の
レンズが、前記第1のサブセットの
うちの第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、前記第1のエネルギー伝搬経路は、前記第1のエネルギー位置と前記第1の
レンズとの間に形成される第1の主光線によって画定され、さらに、前記第1のエネルギー伝搬経路が、前記第1の
レンズから前記アレイの前記第2の側面
の側に向かって、少なくとも前記第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向に延在し、
第2のレンズが、前記第2のサブセットのうちの第2のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、前記第2のエネルギー伝搬経路は、前記第2のエネルギー位置と前記第2のレンズとの間に形成される第2の主光線によって画定され、さらに、前記第2のエネルギー伝搬経路が、前記第2のレンズから前記アレイの前記第2の側面の側に向かって、少なくとも前記第2のエネルギー位置によって確定されている固有の方向に延在し、
前記第1の
レンズを通る前記第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第1の
レンズの第1のアパーチャを実質的に充填
し、前記第2のレンズを通る前記第2のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第2のレンズの第2のアパーチャを実質的に充填する、
レンズのアレイと、
前記第1のアパーチャを通っては延在しない前記第1のサブセット
の中のエネルギー伝搬経路に沿っ
たエネルギーの伝搬を抑制する
ことによって、前記第1のエネルギー位置から前記第1のエネルギー伝搬経路に沿ったもののみへのエネルギーの伝播を可能にし、さらに、前記第2のアパーチャを通って延在しない前記第2のサブセットの中のエネルギー伝搬経路に沿ったエネルギーの伝搬を抑制することによって、前記第2のエネルギー位置から前記第2のエネルギー伝搬経路に沿ったもののみへのエネルギーの伝搬を可能にするように配置されている、エネルギー抑制素子と、を備え、 前記エネルギー抑制素子は、前記
レンズへのエネルギーの角度分布を制限するための
開口数を有し、
前記
第1のエネルギー伝搬経路が、第1の領域を通って延在し、前記
第2のエネルギー伝搬経路が、第2の領域を通って延在し、前記第1の領域および前記第2の領域が、
その間に前記エネルギー抑制素子
を有し、
前記第1のエネルギー伝搬経路
および前記第2の
エネルギー伝搬経路が、前記アレイの前記第2の側面
の側において収束する、エネルギー導波路システム。
【請求項17】
前記
レンズのアレイが、平面を形成するように配設されている、請求項
16に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項18】
前記
レンズのアレイが、曲面を形成するように配設されている、請求項
16に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項19】
前記
レンズのアレイの
レンズが、
a)六角形パッキン配設、
b)正方形パッキン配設、
c)不規則パッキン配設、から成る群から選択される配設において、並んで配置されている、請求項
16から
18のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項20】
前記
レンズのアレイのうちの
レンズが、フレネルレンズである、請求項
16から
19のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項21】
前記第1の
レンズの形状が、少なくとも前記第1のエネルギー位置によって確定されている前記固有の方向を追加的に変更するように構成されている、請求項
16から2
0のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項22】
複数のエネルギー伝搬経路を画定するためのエネルギー導波路システムであって、
反射器素子が、
前記反射器素子の第1の側面上に配置された第1の反射器であって、それを通って形成された1つ以上の
開口絞りを含む、第1の反射器と、
前記反射器素子の第2の側面上に配置された第2の反射器であって、それを通って形成された1つ以上の
開口絞りを含む、第2の反射器と、を備え、
前記第1の反射器および前記第2の反射器が、前記第1の反射器および前記第2の反射器の前記
開口絞り、ならびに前記反射器素子の前記第1の側面
の側の複数のエネルギー位置を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路に沿って、エネルギーを指向するように構成され、
前記複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットが、第1のエネルギー位置を通って延在し、
前記複数のエネルギー伝搬経路のうちの第2のサブセットが、第2のエネルギー位置を通って延在し、
前記反射器素子が、前記第1のサブセットの
うちの第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、前記第1のエネルギー伝搬経路が、前記第1のエネルギー位置と前記第1の反射器の第1の
開口絞りとの間に形成される第1の主光線によって画定され、さらに、前記第1のエネルギー伝搬経路が、前記第
1の反射器の第1の
開口絞りから前記反射器素子の前記第2の側面
の側に向かって、少なくとも前記第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向に延在し、
前記反射器素子が、前記第2のサブセットのうちの第2のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、前記第2のエネルギー伝搬経路が、前記第2のエネルギー位置と前記第2の反射器の第2の開口絞りとの間に形成される第2の主光線によって画定され、さらに、前記第2のエネルギー伝搬経路が、前記第2の反射器の第2の開口絞りから前記反射器素子の前記第2の側面の側に向かって、少なくとも前記第2のエネルギー位置によって確定されている固有の方向に延在し、
前記第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第1の反射器の前記第1の
開口絞り
を実質的に充填し、
前記第2のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、前記第2の反射器の前記第
2の
開口絞りを
、実質的に充填する、反射器素子と、
前記第1の反射器の前記第1の
開口絞りを通って延在しない前記第1のサブセットの
中のエネルギー伝搬経路に沿っ
たエネルギーの伝搬を抑制する
ことによって、前記第1のエネルギー位置から前記第1のエネルギー伝搬経路に沿ったもののみへのエネルギーの伝播を可能にし、さらに、前記第2の反射器の前記第2の開口絞りを通って延在しない前記第2のサブセットの中のエネルギー伝搬経路に沿ったエネルギーの伝搬を抑制することによって、前記第2のエネルギー位置から前記第2のエネルギー伝搬経路に沿ったもののみへのエネルギーの伝播を可能にするように配置されている、エネルギー抑制素子と、を備え、
前記
第1のエネルギー伝搬経路が、第1の領域を通って延在し、前記
第2のエネルギー伝搬経路が、第2の領域を通って延在し、前記第1の領域および前記第2の領域が、
その間に前記エネルギー抑制素子
を有し、
前記第1のエネルギー伝搬経路
および前記第2の
エネルギー伝搬経路が、前記反射器素子の前記第2の側面
の側において収束する、エネルギー導波路システム。
【請求項23】
前記第1の反射器および前記第2の反射器の前記1つ以上の
開口絞りのサイズが、一定である、請求項2
2に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項24】
前記第1の反射器および前記第2の反射器の前記1つ以上の
開口絞りのサイズが、変動する、請求項2
2に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項25】
前記第1の反射器および前記第2の反射器が、前記第1の反射器の第1の放物面、および前記第2の反射器の第1の放物面が、前記第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを反射するように構成されるように、1つ以上の放物面を含む、請求項2
2から2
4のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項26】
前記第1の反射器の前記第1の放物面の焦点距離が、前記第2の反射器の前記第1の放物面の焦点距離と同じである、請求項2
5に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項27】
前記第1の反射器の前記第1の放物面の焦点距離が、前記第2の反射器の前記第1の放物面の焦点距離とは異なる、請求項2
5に記載のエネルギー導波路システム。
【請求項28】
追加のエネルギー抑制素子が、前記反射器素子の前記第1の側面
の側および前記第2の側面
の側との間に配置されている、請求項2
2から
27のいずれか一項に記載のエネルギー導波路システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー指向デバイスに関し、詳細には、4次元プレノプティックシステムに従ってエネルギーを指向させるように構成されているエネルギー導波路に関する。
【背景技術】
【0002】
Gene RoddenberryのStar Trekにより世間一般に普及され、1900年代初期に作家Alexander Moszkowskiによって当初計画された「ホロデッキ」室内のインタラクティブな仮想世界の夢は、ほぼ一世紀の間、空想科学小説および技術革新に対するインスピレーションである。しかしながら、この経験の画期的な実現は、文献、メディア、ならびに子供達および同様に大人達の集合的な想像力の外には、全く存在していない。
【発明の概要】
【0003】
複数のエネルギー伝搬経路を画定するためのエネルギー導波路システムの実施形態は、エネルギー導波路のアレイを備え、アレイは、第1の側面および第2の側面を含み、第1の側面の側の複数のエネルギー位置を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路に沿ってそこを通るエネルギーを指向するように構成されている。複数のエネルギー伝搬経路のサブセットが、第1のエネルギー位置を通って延在し得る。
【0004】
一実施形態では、第1のエネルギー導波路が、複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットの第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、第1のエネルギー伝搬経路は、第1のエネルギー位置と第1のエネルギー導波路との間に形成される第1の主光線によって画定され、さらに、第1のエネルギー伝搬経路は、第1のエネルギー導波路からアレイの第2の側面の側に向かって、少なくとも第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向に延在する。第1のエネルギー導波路を通る第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、第1のエネルギー導波路の第1のアパーチャを実質的に充填し得る。一実施形態では、エネルギー導波路システムは、第1のアパーチャを通っては延在しない複数のエネルギー伝搬経路の第1のサブセットの一部分に沿って、エネルギーの伝搬を制限するように配置されているエネルギー抑制素子を備える。
【0005】
一実施形態では、エネルギー抑制素子が、エネルギー導波路のアレイと複数のエネルギー位置との間の第1の側面の側に配置され得る。一実施形態では、第1のエネルギー導波路が、2次元空間座標を含み、少なくとも第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向が、2次元角度座標を含み、それによって、2D空間座標および2D角度座標が、4次元(4D)座標セットを形成する。
【0006】
一実施形態では、第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、第1の主光線に実質的に平行である方向に第1のエネルギー導波路を通って指向される1つ以上のエネルギー光線を含み得る。
【0007】
第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されているエネルギーが、第2のエネルギー導波路を通って第2のエネルギー伝搬経路に沿って指向されているエネルギーと共に収束し得る。さらに、第1および第2のエネルギー伝搬経路が、アレイの第2の側面の側、アレイの第1の側面の側、または第1および第2の側面の側との間において収束し得る。
【0008】
さらに、第1のエネルギー位置に近接するエネルギーの角度範囲を制限するように構成され得るエネルギー抑制素子の構造体が、第1のエネルギー位置に隣接するエネルギーリレーを備え得る。さらに、エネルギー抑制構造体が、少なくとも1つの開口数を含み得、バッフル構造を備え得る。エネルギー抑制構造体が、第1のエネルギー導波路に隣接して配置され、概して第1のエネルギー位置に向かって延在し、または第1のエネルギー位置に隣接して配置され、概して第1のエネルギー導波路に向かって延在し得る。
【0009】
一実施形態では、エネルギー導波路のアレイが、平面を形成するように配設され得るか、または曲面を形成するように配設され得る。
【0010】
複数のエネルギー伝搬経路を画定するためのエネルギー導波路システムの一実施形態が、小型レンズのアレイを含み得、アレイは、第1の側面および第2の側面を含み、複数のエネルギー位置を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路に沿ってそこを通ってエネルギーを指向するように構成され得る。複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットが、第1のエネルギー位置を通って延在する。
【0011】
一実施形態では、第1の小型レンズが、複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットの第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向するように構成され、第1のエネルギー伝搬経路は、第1のエネルギー位置と第1の小型レンズとの間に形成される第1の主光線によって画定され、さらに、第1のエネルギー伝搬経路は、第1のエネルギー導波路からアレイの第2の側面の側に向かって、少なくとも第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向に延在する。第1の小型レンズを通る第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、第1の小型レンズの第1のアパーチャを実質的に充填し得る。
【0012】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、第1のアパーチャを通っては延在しない複数のエネルギー伝搬経路の第1のサブセットの一部に沿って、エネルギーの伝搬を制限するように配置される、エネルギー抑制素子を含む。一実施形態では、導波路のアレイが、平面を形成するように配設され得るか、または曲面を形成するように配設され得る。
【0013】
一実施形態では、導波路のアレイの素子が、フレネルレンズであり得る。
【0014】
一実施形態では、第1の導波路の形状が、少なくとも第1のエネルギー位置によって確定されている固有の方向を追加的に変更するように構成され得る。
【0015】
複数のエネルギー伝搬経路を画定するためのエネルギー導波路システムの一実施形態が、反射器素子であって、反射器素子の第1の側面上に配置された第1の反射器であって、第1の反射器は、それを通って形成された1つ以上の開口絞りを含む、第1の反射器と、反射器素子の第2の側面上に配置された第2の反射器であって、第2の反射器は、それを通って形成された1つ以上の開口絞りを備える、第2の反射器と、を備える、反射器素子を含む。第1および第2の反射器が、第1および第2の反射器の開口絞り、および反射器素子の第1の側面の側の複数のエネルギー位置を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路に沿って、エネルギーを指向させるように構成されている。複数のエネルギー伝搬経路の第1のサブセットが、第1のエネルギー位置を通って延在し得る。
【0016】
一実施形態では、反射器素子は、複数のエネルギー伝搬経路のうちの第1のサブセットの第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを指向させるように構成され、第1のエネルギー伝搬経路は、第1のエネルギー位置と第1の反射器の第1の開口絞りとの間に形成される第1の主光線によって画定され、さらに、第1のエネルギー伝搬経路は、第2の反射器の第1の開口絞りから反射器素子の第2の側面の側に向かって、少なくとも第1のエネルギー位置により確定されている固有の方向に延在する。第1のエネルギー伝搬経路に沿って指向されたエネルギーが、第1の反射器の第1の開口絞り、および第2の反射器の第1の開口絞りを実質的に充填し得る。
【0017】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、第1の反射器の第1の開口絞りを通っては延在しない複数のエネルギー伝搬経路の第1のサブセットの一部に沿ってエネルギーの伝搬を制限するように配置されているエネルギー抑制素子を含む。
【0018】
一実施形態では、第1および第2の反射器の1つ以上の開口絞りのサイズが、一定であり得、または変化し得る。
【0019】
一実施形態では、第1および第2の反射器が、1つ以上の放物面を含み、その結果、第1の反射器の第1の放物面、および第2の反射器の第1の放物面が、第1のエネルギー伝搬経路に沿ってエネルギーを反射するように構成される。第1の反射器の第1の放物面の焦点距離が、第2の反射器の第1の放物面の焦点距離と同じであり得、または第2の反射器の第1の放物面の焦点距離と異なり得る。
【0020】
一実施形態では、追加のエネルギー抑制素子が、反射器素子の第1および第2の側面の側との間に配置され得る。
【0021】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、双方向にエネルギーを伝搬させる。
【0022】
一実施形態では、エネルギー導波路が、機械的エネルギーの伝搬のために構成される。
【0023】
一実施形態では、エネルギー導波路が、電磁エネルギーの伝搬のために構成される。
【0024】
一実施形態では、エネルギー導波路が、機械的、電磁的、および/または他の形態のエネルギーの同時伝搬のために構成される。
【0025】
一実施形態では、エネルギー導波路が、4D座標系内でuおよびvに対して、それぞれ異なる比率でエネルギーを伝搬させる。
【0026】
一実施形態では、エネルギー導波路が、アナモルフィックな関数を使用してエネルギーを伝搬させる。
【0027】
一実施形態では、エネルギー導波路が、エネルギー伝搬経路に沿って複数の素子を備える。
【0028】
一実施形態では、エネルギー導波路が、光ファイバリレー研磨表面から直接形成される。
【0029】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、横方向アンダーソン局在化を呈する材料を含む。
【0030】
一実施形態では、エネルギー抑制素子が、電磁エネルギーを抑制するために構成される。
【0031】
一実施形態では、エネルギー抑制素子が、機械的エネルギーを抑制するために構成される。
【0032】
一実施形態では、エネルギー抑制素子が、機械的、電磁的、および/または他の形態のエネルギーを抑制するために構成される。
【0033】
本開示のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】エネルギー指向システムのための設計パラメータを例解する概略図である。
【
図2】機械的エンベロープを備えた能動デバイス領域を有するエネルギーシステムを例解する概略図である。
【
図3】エネルギーリレーシステムを例解する概略図である。
【
図4】ベース構造体に一緒に接着および締着されたエネルギーリレー素子の一実施形態を例解する概略図である。
【
図5A】マルチコア光ファイバを通るリレーされた画像の一例を例解する概略図である。
【
図5B】横方向アンダーソン局在化原理の特性を呈する光学リレーを通るリレーされた画像の一例を例解する概略図である。
【
図6】エネルギー表面から視認者に伝搬される光線を示す概略図である。
【
図7】複数のエネルギー伝搬経路を画定するように動作可能なエネルギー導波路システムの一実施形態の上面斜視図を例解する。
【
図8】
図7に示す実施形態の正面斜視図を例解する。
【
図9A】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9B】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9C】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9D】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9E】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9F】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9G】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図9H】エネルギー抑制素子の様々な実施形態を例解する。
【
図10】エネルギー導波路システムの追加の実施形態を例解する。
【
図11】エネルギー導波路システムの追加の実施形態を例解する。
【
図12】エネルギー導波路設計検討のための正方形パッキン、六角形パッキン、および不規則パッキンとの間の相違を強調する。
【
図13】曲面構成に配置されたエネルギー導波路のアレイを特徴付ける実施形態を例解する。
【
図14】導波路素子が、通過するエネルギーの空間的分布にどのような影響を及ぼし得るかを強調する実施形態を例解する。
【
図15】導波路素子が、通過するエネルギーの空間的分布にどのような影響を及ぼし得るかをさらに強調する追加の実施形態を例解する。
【
図16】複数のエネルギー導波路が、回折導波路素子を備える実施形態を例解する。
【
図17】所望の視角に対する光線照度の完全な密度を提供するために使用される小型レンズ構成を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ホロデッキ(Holodeck)(集合的に「ホロデッキ設計パラメータ」と呼ばれる)の一実施形態は、十分なエネルギー刺激を提供して、人間の感覚受容器をだまし、仮想的、社会的、およびインタラクティブな環境内で受容されたエネルギーインパルスが真実であると信じ込ませ、1)外付けアクセサリ、ヘッドマウントアイウェア、または他の周辺機器を伴わない両眼視差、2)任意の数の視認者に対して同時に視認体積全域にわたる正確な運動視差、閉鎖、および不透明度、3)知覚されたすべての光線に対する、同期収束、目の遠近調節、および縮瞳を介した視覚的焦点、ならびに4)視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、および/またはバランスに対して人間の感覚「解像度」を超えるほどの十分な密度および解像度の収束エネルギー波伝搬を提供する。
【0036】
これまでの従来の技術に基づいて、視覚系、聴覚系、体性感覚系、味覚系、嗅覚系、および前庭系を含むホロデッキ設計パラメータ(Holodeck Design Parameter)によって示唆されたように、画期的な方法ですべての受容野を提供することが可能な技術から、我々は、数世紀とまでは言わないが、数十年経過したところにある。
【0037】
本開示では、ライトフィールドおよびホログラフィックという用語は、任意の感覚受容器応答の刺激のためのエネルギー伝搬を定義するために、同義的に使用され得る。最初の開示は、ホログラフィック画像および体積触覚に対するエネルギー表面を通る電磁的および機械的エネルギー伝搬の例に言及し得るが、あらゆる形態の感覚受容器が、本開示の中で想定される。さらに、伝搬経路に沿ったエネルギー伝搬に対する本明細書に開示された原理は、エネルギー放出およびエネルギー捕捉の両方に適用可能であり得る。
【0038】
今日、多くの技術が存在し、それらは、残念ながら、レンチキュラー印刷、ペッパーズゴースト、裸眼立体ディスプレイ、水平視差ディスプレイ、ヘッドマウントVRおよびARディスプレイ(HMD)、ならびに「フォークスログラフィ」として一般化された他のそのような錯覚を含む、ホログラムと混同されていることが多い。これらの技術は、真のホログラフィックディスプレイの所望の特性のいくつかを呈し得るが、識別された4つのホルデッキ設計パラメータのうちの少なくとも2つに対処するのに十分な任意の方法で、人間の視覚感覚応答を刺激する能力が不足している。
【0039】
これらの課題は、ホログラフィックエネルギー伝搬に対して十分にシームレスなエネルギー表面を生成するためように、従来の技術によっては首尾よく実施されていない。しかしながら、視差バリア、ホーゲル、ボクセル、回折光学素子、マルチビュー投射、ホログラフィック拡散器、回転ミラー、多層ディスプレイ、時系列ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等を含む体積式および方向多重化ライトフィールドディスプレイを実施するには、様々な手法があるが、従来の手法は、画質、解像度、角度サンプリング密度、サイズ、コスト、安全性、フレームレート等に関する妥協を必要とすることがあり、最終的には実行不可能な技術となる可能性がある。
【0040】
視覚系、聴覚系、体性感覚系のためのホルデッキ設計パラメータを達成するために、それぞれの系の各々の人間の鋭敏さが研究され、人間の感覚受容器を十分欺くためにエネルギー波を伝搬させることが理解される。視覚系は、約1角度分まで解像することができ、聴覚系は、わずか3度の配置差を区別し得、手の体性感覚系は、2~12mm離れた点を識別することができる。これらの鋭敏さを測定するには、様々な相反する方法があるが、これらの値は、エネルギー伝搬の知覚を刺激するためのシステムおよび方法を理解するには十分である。
【0041】
よく知られている感覚受容器のうち、人間の視覚系は、単一の光子でさえ感覚を誘発することができるとして、はるかに感度が高い。この理由のため、本導入の多くは、視覚エネルギー波伝搬に焦点を絞り、開示されたエネルギー導波路表面内に結合された極めて低い解像度のエネルギーシステムが、適切な信号を収束させ、ホログラフィック感覚上の知覚を誘発し得る。特に断りのない限り、すべての開示は、すべてのエネルギーおよび感覚領域に当てはまる。
【0042】
視認体積および視距離が与えられた視覚系の場合のエネルギー伝搬の有効設計パラメータを計算する場合、所望のエネルギー表面は、有効エネルギー位置密度の多くのギガピクセルを含むように設計し得る。広い視認体積、または近視野観察の場合、所望のエネルギー表面の設計パラメータは、数百ギガピクセルまたはそれを越える有効エネルギー位置密度を含み得る。比較すると、所望のエネルギー源は、入力環境変数に従って、体積触覚学の超音波伝搬の場合には1~250有効ギガピクセルのエネルギー位置密度、またはホログラフィック音響の音響伝搬の場合には36~3,600個の有効エネルギー位置のアレイを有するように設計され得る。留意すべき重要なことは、開示された双方向エネルギー表面アーキテクチャを使って、すべてのコンポーネントが、任意のエネルギー領域に対して適切な構造体を形成し、ホログラフィック伝搬を可能にするように構成され得ることである。
【0043】
しかしながら、今日、ホロデッキを可能にするための主な課題は、利用可能な視覚技術および電磁気デバイスの限界を内包している。音響デバイスおよび超音波デバイスは、それぞれの受容野における感覚的鋭敏さに基づいて所望の密度における大きさに数桁の違いがあるならば、それほど困難なものではないが、その複雑さを軽視すべきではない。ホログラフィックエマルジョンは、所望の密度を上回る解像度を伴って存在し、静止画像内の干渉パターンを符号化するが、これに対して、最先端のディスプレイデバイスは、解像度、データスループット、および製造の実現可能性によって制約される。これまで、並外れたディスプレイデバイスでも、視力に対してほぼ近いホログラフィック解像度を有するライトフィールドを有意に生成することができなかった。
【0044】
画期的なライトフィールドディスプレイのための所望の解像度を満たすことが可能な単一のシリコンベースデバイスの製造は、現実的ではなく、現在の製造能力を超える極めて複雑な製造プロセスを内包し得る。既存の複数のディスプレイデバイスを一緒にタイル状に並べることに対する制約は、パッケージング、電子機器回路、筐体、光学部品により形成される継ぎ目および間隙、ならびに画像化、コスト、および/またはサイズの観点から結果として必然的に実行不可能な技術となる他の多くの課題を内包する。
【0045】
本明細書に開示された実施形態は、ホロデッキを構築するための現実世界の道筋を提供し得る。
【0046】
ここで、これ以降の本明細書に、添付図面を参照して、実施形態例について説明するが、添付図面は、本明細書の一部を形成し、それらは、実施されることが可能な実施形態例を例解している。本開示および付属の特許請求の範囲の中で使用されているように、「実施形態」、「実施形態例」、および「例示的実施形態」という用語は、必ずしも単一の実施形態を指しているわけではないが、それらは単一の実施形態であってもよく、また、様々な実施形態例が、実施形態例の範囲または趣旨から逸脱しなければ、容易に組み合わされ、同義的に使用され得る。さらに、本明細書内で使用される専門用語は、実施形態例を説明することのみを目的としており、限定されたものであることを意図されていない。この点において、本明細書内で使用されているように、用語「in」は、「の中(in)」および「の上(on)」を含み得、用語「a」、「an」、および「the」は、単数および複数を指すことを含み得る。さらに、本明細書内で使用されているように、用語「by」は、また、その文脈に従って「から(from)」をも意味し得る。さらに、本明細書内で使用されているように、用語「if」は、また、その文脈に従って「when(の場合)」または「on(のとき)」をも意味し得る。さらに、本明細書内で使用されているように、単語「および/または」は、関連して列挙された項目のうちの1つ以上の任意およびすべての可能な組み合わせを指し、包含し得る。
【0047】
ホログラフィックシステムの検討
ライトフィールドエネルギー伝搬解像度の概要
ライトフィールドおよびホログラフィックディスプレイは、エネルギー表面位置が、視認体積内に伝搬された角度、色、および強度の情報を提供する複数の投射の結果である。開示されたエネルギー表面は、追加の情報が同じ表面を通って共存および伝搬する機会を提供し、他の感覚系応答を誘発する。立体ディスプレイとは異なり、空間内の収束されたエネルギー伝搬経路の視認される位置は、視認者が視認体積の周りを移動しても変化せず、多数の視認者が、あたかも対象物が本当にそこに存在するかのように、現実世界の空間内の伝搬された対象物を同時に観察し得る。いくつかの実施形態では、エネルギーの伝搬は、同じエネルギー伝搬経路内に配置され得るが、反対方向に配置されてもよい。例えば、エネルギー伝搬経路に沿ったエネルギー放出およびエネルギー捕捉は、本開示のいくつかの実施態様では、両方とも可能である。
【0048】
図1は、感覚受容器応答の刺激に関連した変数を例解する概略図である。これらの変数には、表面対角01、表面幅02、表面高さ03、確定したターゲット座席距離18、ディスプレイの中心からの視野のターゲット座席フィールド04、両眼の間のサンプルとしてここで実証された中間サンプルの数05、大人の眼間の平均離隔距離06、人間の目の角度分当たりの平均解像度07、ターゲット視認者位置と表面幅との間に形成される水平視野08、ターゲット視認者位置と表面高さとの間に形成される垂直視野09、結果として得られる水平導波路素子解像度、または表面を横切る素子の総数10、結果として得られる垂直導波路素子解像度、または表面を横切る素子の総数11、両眼の間における眼間の間隙、および両眼の間の角度投射に対する中間サンプル数に基づいたサンプル距離12、が含まれ得る。角度サンプリングは、サンプル距離およびターゲット座席距離13に基づき得、導波路素子当たりの全解像度水平方向(Horizontal)は、所望の角度サンプリング14から導出され得、導波路素子当たりの全解像度垂直方向(Vertical)は、所望の角度サンプリング15から導出され得る。デバイス水平方向(Device Horizontal)は、所望の慎重なエネルギー源の確定された数のカウント16であり、デバイス垂直方向(Device Vertical)は、所望の慎重なエネルギー源の確定された数のカウント17である。
【0049】
所望の最小解像度を理解するための方法は、視覚(または他の)感覚受容器応答の十分な刺激を確保するための以下の基準、すなわち、表面サイズ(例えば、84インチ対角線)、表面アスペクト比(例えば、16:9)、座席距離(例えば、ディスプレイからの距離128インチ)、座席視野(例えば、ディスプレイの中心に対して120度または±60度)、ある距離を隔てた所望の中間サンプル(例えば、両眼の間にある1つの追加伝搬経路)、大人のレンズ間の平均離隔距離(約65mm)、および人間の目の平均解像度(約1角度分)に基づき得る。これらの例の値は、具体的なアプリケーション設計パラメータに応じたプレースホルダとみなされるべきである。
【0050】
さらに、視覚感覚受容器に起因する値の各々は、他の系と置き換えられ、所望の伝搬経路パラメータを決定し得る。他のエネルギー伝搬の実施形態の場合、聴覚系の角度感度を3度と低くなるように、また、手の体性感覚系の空間解像度を2~12mmと小さくなるように考慮され得る。
【0051】
これらの知覚の鋭敏さを測定するための様々な、相反する方法が存在するが、これらの値は、仮想エネルギー伝搬の知覚を刺激するシステムおよび方法を理解するのに十分である。設計解像度を考慮するための多くの方法が存在するが、以下に提案される原理体系は、実用的な製品検討と感覚系の生物学的な解像限界とを組み合わせる。当業者には理解されるように、以下の概要は、かかる任意のシステム設計を単純化したものであり、単なる例示的な目的のみのために考慮されるべきである。
【0052】
知覚系の解像度限界が理解されると、全エネルギー導波路素子密度は、受容する感覚系が、隣接する素子から単一のエネルギー導波路素子を識別することができないように計算され得、以下のように与えられる。
【数1】
【0053】
上記の計算の結果、約32×18°の視野が得られ、その結果、約1920×1080(最も近いフォーマットに丸められている)エネルギー導波路素子が望ましい。また、視野が(u,v)の両方に対して両立し、エネルギー位置のより規則的な空間サンプリング(例えば、ピクセルアスペクト比)を提供するように、変数を抑制し得る。システムの角度サンプリングは、最適化された距離における2点間で画定されたターゲット視認体積位置、および追加伝搬エネルギー経路を、以下のように推定する。
【数2】
【0054】
この場合、眼間距離を活用してサンプル距離を計算するが、任意の尺度を利用して所与の距離としての適切なサンプル数を説明し得る。上記の変数を考慮すると、0.57°当たり約1本の光線が望ましく、個別の感覚系毎の系全体の解像度が、算出され得、以下のように与えられる。
【数3】
【0055】
上記のシナリオを使用して、視力システムに対して対処されたエネルギー表面のサイズ、および角度解像度が与えられると、その結果得られるエネルギー表面は、望ましくは、約400k×225kピクセルのエネルギー解像位置、または90ギガピクセルのホログラフィック伝搬密度を含み得る。これらの与えられた変数は、単なる例示的な目的のみのためであり、他の多くの感覚およびエネルギー計測学上の考察は、エネルギーのホログラフィック伝搬の最適化に対して検討されるべきである。追加の実施形態では、1ギガピクセルのエネルギー解像位置が、入力変数に基づいて求められ得る。追加の実施形態では、1,000ギガピクセルのエネルギー解像位置が、入力変数に基づいて求められ得る。
【0056】
現行技術の限界
能動領域、デバイス電子機器回路、パッケージング、および機械的エンベロープ
図2は、ある特定の機械的形状因子を伴う能動領域22を有するデバイス20を例解する。デバイス20は、電力供給のためのドライバ23および電子機器回路24を含み、能動領域22に接続し得、その能動領域は、xおよびyの矢印により示される寸法を有する。このデバイス20は、電力および冷却のコンポーネントを駆動するためのケーブル配線および機械的構造体を考慮に入れておらず、さらに、機械的実装面積は、可撓ケーブルをデバイス20の中に導入することによって最小化され得る。また、かかるデバイス20に対する最小実装面積は、M:xおよびM:yの矢印により示される寸法を有する機械的エンベロープ21と呼ばれ得る。このデバイス20は、単に例解目的のみのためであり、特定用途向け電子機器回路設計は、機械的エンベロープオーバーヘッドをさらに減らす可能性があるが、ほとんどすべての場合において、デバイスの能動領域の正確なサイズとはなり得ない。一実施形態では、このデバイス20は、マイクロOLED、DLPチップ、もしくはLCDパネル、または画像照明の目的を有する他の任意の技術に対する能動画像領域22と関連するため、電子機器回路の依存状態を例解する。
【0057】
いくつかの実施形態では、より大規模なディスプレイ全体上に複数の画像を集約するために、他の投射技術を検討することも可能となり得る。しかしながら、このことは、投写距離、最小焦点、光学品質、均一なフィールド解像度、色収差、熱特性、較正、整列、追加サイズ、または形状因子に対するより大きな複雑化によるコストをもたらし得る。最も実用的な応用の場合、数十または数百個のこれらの投射源20をホストとして機能させることは、結果として、より信頼性が低く、より大規模な設計となり得る。
【0058】
単に例示的な目的だけのため、3840×2160サイトのエネルギー位置密度を有するエネルギーデバイスを仮定すると、エネルギー表面に対して望ましい個別のエネルギーデバイス(例えば、デバイス10)の数を算出し得、以下のように与えられる。
【数4】
【0059】
上記の解像度の考慮を前提とすると、
図2に示すエネルギーデバイスと同様の、約105×105個のデバイスが望まれ得る。数多くのデバイスが、規則正しい格子状にマッピングされてもされなくてもよいような様々なピクセル構造体から構成されることに留意されたい。各完全なピクセル内に追加のサブピクセルまたは位置が存在するという場合には、これらは、活用され、追加の解像度または角度密度を生成し得る。追加の信号処理を使用して、ピクセル構造体(複数可)の指定された位置に従って、ライトフィールドを正しい(u,v)座標に変換する方法を決定することができ、各デバイスの、既知の、較正された明示的な特性となり得る。さらに、他のエネルギー領域は、これらの比率およびデバイス構造体の異なる取り扱いが必要となり得、当業者は、所望の周波数領域の各々の間にある直接的な内在的関係を理解するであろう。これについては、以降の開示の中でより詳細に示され、検討されるであろう。
【0060】
結果得られた計算を使用して、最大解像度エネルギー表面を生成するには、これらの個別のデバイスのうちのどれだけの個数が望ましいのかを理解し得る。この場合、視力閾値を達成するには、約105×105個、または約11,080個のデバイスが望まれ得る。十分な感覚ホログラフィック伝搬に対してこれらの利用可能なエネルギー位置からシームレスなエネルギー表面を作り出すことには、課題および新規性が存在する。
【0061】
シームレスなエネルギー表面の概要
エネルギーリレーのアレイの構成および設計
いくつかの実施形態では、各デバイスの機械的構造の制約による継ぎ目がない個別デバイスのアレイから高エネルギー位置密度を生成する課題に対処するための手法について開示されている。一実施形態では、エネルギー伝搬リレーシステムにより、能動デバイス領域の有効サイズを増加させることが、機械的寸法を満たすか、または超過することを可能にして、リレーのアレイを構成し、かつ単一のシームレスなエネルギー表面を形成し得る。
【0062】
図3は、かかるエネルギーリレーシステム30の一実施形態を例解する。図に示すように、リレーシステム30は、機械的エンベロープ32に搭載されたデバイス31を含み得、デバイス31からエネルギーを伝搬させるエネルギーリレー素子33を有する。リレー素子33は、デバイスの複数の機械的エンベロープ32が複数のデバイス31のアレイ中に配置されているときに生じ得る任意の間隙34を減らす能力を提供するように構成され得る。
【0063】
例えば、デバイスの能動領域310が20mm×10mmであり、かつ機械的エンベロープ32が40mm×20mmである場合、各デバイス31の機械的エンベロープ32を変化または衝突させずにこれらの素子33のアレイを共にシームレスに整列することができると仮定すると、エネルギーリレー素子33は、2対1の倍率で設計され、縮小端部(矢印A)上に約20mm×10mm、および拡大端部(矢印B)上に約40mm×20mmのテーパ形状を生成し得る。機械的に、リレー素子33は、一緒に結合または溶融され、各デバイス31間の最低限の継ぎ目間隙34を確保しながら整列し、かつ研磨し得る。かかる一実施形態では、目の視力限界より小さい継ぎ目間隙34を達成することが可能になる。
【0064】
図4は、一緒に形成され、追加の機械的構造体430に確実に締着されたエネルギーリレー素子410を有するベース構造体400の一例を例解する。シームレスなエネルギー表面420の機械的構造体は、複数のエネルギーリレー素子410、450を、リレー素子410、450を搭載するための結合または他の機械的プロセスを通じて、同じベース構造体に直列に結合させる能力を提供する。いくつかの実施態様では、各リレー素子410は、溶融され、結合され、接着され、圧力嵌合され、整列され、またはそれ以外では、一緒に取り付けられて、その結果得られるシームレスなエネルギー表面420を形成し得る。いくつかの実施態様では、デバイス480は、リレー素子410の後部に搭載され、パッシブまたはアクティブ調芯されて、決められた公差を維持する範囲内で適切なエネルギー位置整列を確保し得る。
【0065】
一実施形態では、シームレスエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー位置を含み、1つ以上のエネルギーリレー素子スタックは、第1および第2の側面を含み、各エネルギーリレー素子スタックは、1つ以上のエネルギー位置とシームレスディスプレイ表面との間で延在する伝搬経路に沿ってエネルギーを指向する唯一のシームレスなディスプレイ表面を形成するように配置され、ここで、終端エネルギーリレー素子の任意の2つの隣接する第2の側面の端部間距離は、唯一のシームレスなディスプレイ表面の幅より大きい距離において20/40の映像よりも良好な人間の視力によって画定されるような最小の認知可能な輪郭よりも小さい。
【0066】
一実施形態では、シームレスなエネルギー表面の各々は、横方向および長手方向の配向に第1および第2の表面を形成する1つ以上の構造体を各々有する1つ以上のエネルギーリレー素子を含む。第1のリレー表面は、結果として正または負の倍率となる第2のリレー表面と異なる領域を有し、第2のリレー表面全体を横切る表面輪郭の法線に対して±10度の角度を実質的に満たすように、第2のリレー表面を通ってエネルギーを通過させる第1および第2のリレー表面の両方に対して明白な表面輪郭を伴って構成されている。
【0067】
一実施形態では、複数のエネルギー領域は、視覚、聴覚、触覚、または他のエネルギー領域を含む1つ以上の感覚ホログラフィックエネルギー伝搬経路を指向するように、単一のエネルギーリレー内、または複数のエネルギーリレーの間に構成され得る。
【0068】
一実施形態では、シームレスなエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー領域を同時に受信および放出の両方を行ってそのシステム全体にわたって双方向のエネルギー伝搬を提供するように、各第2の側面に対して2つ以上の第1の側面を含むエネルギーリレーで構成され得る。
【0069】
一実施形態では、エネルギーリレーは、緩いコヒーレント素子として提供される。
【0070】
コンポーネント設計構造体の導入
横方向アンダーソン局在エネルギーリレーにおける開示された進展
エネルギーリレーの特性は、横方向アンダーソン局在を誘発させるエネルギーリレー素子に対して本明細書に開示された原理に従って大幅に最適化され得る。横方向アンダーソン局在は、横方向には無秩序であるが長手方向には一貫性のある材料を通って輸送される光線の伝搬である。
【0071】
これは、アンダーソン局在現象を生じさせる材料の影響は、波の干渉が横方向の配向の伝搬を完全に制限し得る一方で長手方向の配向の伝搬を継続するような多重散乱経路間のランダム化によるよりも、全反射による影響を受けにくいであろうことを意味する。
【0072】
さらに重要な利点としては、従来のマルチコア光ファイバ材料のクラッドを除去することである。このクラッドは、ファイバ間のエネルギーの散乱を機能的に除去するが、同時に光線エネルギーに対する障壁として機能し、これによって少なくともコア対クラッド比(例えば、70:30のコア対クラッド比では、受信されたエネルギー伝送のうちの最大70%で送信し得る)まで伝送を減少させ、さらに、伝搬されたエネルギー内に強いピクセル化パターニングを形成する。
【0073】
図5Aは、かかる1つの非アンダーソン局在エネルギーリレー500の一例の端面図を例解し、ここでは、画像が、光ファイバの固有の特性のためにピクセル化およびファイバノイズが呈し得るマルチコア光ファイバを介してリレーされている。従来のマルチモードおよびマルチコア光ファイバを使うと、リレーされた画像は、離散的なアレイコアの全反射特性のために本質的にピクセル化され得、そこでは、任意のコア間クロストークが変調伝達関数を低下させ、かつ輪郭ボケを増加させるであろう。従来のマルチコア光ファイバを使って結果として生成された画像は、
図3に示すものと同様の残留固定ノイズファイバパターンを有する傾向がある。
【0074】
図5Bは、横方向アンダーソン局在の特性を呈する材料を含むエネルギーリレーを通って同じリレー画像550の一例を例解し、ここでは、リレーパターンが、
図5Aからの固定されたファイバパターンと比較してより大きな密度の粒子構造を有する。一実施形態では、ランダム化された微小コンポーネント設計構造体を含むリレーは、横方向アンダーソン局在を誘発し、市販のマルチモードガラス光ファイバよりも高い、解決可能な解像度の伝搬で光をより有効に輸送する。
【0075】
コストおよび重量の両方に関して、横方向アンダーソン局在材料特性には大きな利点があり、同様の光学グレードのガラス材料が、一実施形態内で生成された同じ材料のコストよりも10~100倍以上のコストおよび重量がかかる可能性があり、開示されたシステムおよび方法は、当技術分野で知られる他の技術を凌駕してコストおよび品質の両方を改善する重要な機会を実証するランダム化された微小コンポーネント設計構造体を含む。
【0076】
一実施形態では、横方向アンダーソン局在を呈するリレー素子は、1次元格子状に配置された3つの各々の直交平面内に、複数の少なくとも2つの異なるコンポーネント設計構造体を含み得、その複数の構造体は、1次元格子内の横方向平面内の材料の波伝搬特性のランダム化された分布、および1次元格子内の長手方向平面内の材料の波伝搬特性の同値チャネルを形成し、エネルギーリレーを通って伝搬する局在化されたエネルギー波は、横方向配向に対して長手方向配向におけるより高い輸送効率を有する。
【0077】
一実施形態では、複数のエネルギー領域は、単一内、または複数の横方向アンダーソン局在エネルギーリレーの間に構成され、視覚、聴覚、触覚、または他のエネルギー領域を含む1つ以上の感覚ホログラフィックエネルギー伝搬経路を指向し得る。
【0078】
一実施形態では、シームレスなエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー領域を同時に受信および放出の両方を行ってそのシステム全体にわたって双方向のエネルギー伝搬を提供するように、各第2の側面に対して2つ以上の第1の側面を含む横方向アンダーソン局在エネルギーリレーで構成され得る。
【0079】
一実施形態では、横方向アンダーソン局在エネルギーリレーは、緩いコヒーレント素子、またはフレキシブルなエネルギーリレー素子として構成されている。
【0080】
4Dプレノプティック関数に関する考察
ホログラフィック導波路アレイを通るエネルギーの選択的伝搬
上記および本明細書全体にわたって論述されているように、ライトフィールドディスプレイシステムは、一般に、エネルギー源(例えば、照明源)、および上記の論述で明確に示したような、十分なエネルギー位置密度で構成されたシームレスなエネルギー表面を含む。複数のリレー素子を使用して、エネルギーデバイスからシームレスなエネルギー表面にエネルギーをリレーし得る。一旦、エネルギーが所要のエネルギー位置密度を有するシームレスなエネルギー表面に送達されると、エネルギーは、開示されたエネルギー導波路システムを介して4Dプレノプティック関数に従って伝搬され得る。当業者により理解されるように、4Dプレノプティック関数は、当技術分野でよく知られており、本明細書では、これ以上詳述しない。
【0081】
エネルギー導波路システムは、4Dプレノプティック関数の角度コンポーネントを表すことを通じて通過するエネルギー波の角度方向を変化させるように構成された構造体と共に、4Dプレノプティック関数の空間座標を表すシームレスなエネルギー表面に沿って複数のエネルギー位置を通ってエネルギーを選択的に伝搬させ、伝搬されたエネルギー波は、4Dプレノプティック関数により指向された複数の伝搬経路に従って空間内に収束し得る。
【0082】
ここで、
図6を参照して、4Dプレノプティック関数に従って4D画像空間におけるライトフィールドエネルギー表面の一例を例解する。この図は、エネルギーの光線が視認体積内の様々な位置から空間630内でどのように収束するかを説明する際の視認者620へのエネルギー表面600の光線追跡を示している。図に示すように、各導波路素子610は、エネルギー表面600を通るエネルギー伝搬640を説明する4次元情報を画定する。2つの空間次元(本明細書では、xおよびyと呼ばれる)とは、画像空間内で観察され得る物理的な複数のエネルギー位置、ならびに角度成分θおよびφ(本明細書では、uおよびvと呼ばれる)であり、このことは、エネルギー導波路アレイを通って投射されるときに仮想空間内で観察される。通常、および4Dプレノプティック関数に従って、複数の導波路(例えば、小型レンズ)は、本明細書に記載されたホログラフィックまたはライトフィールドシステムを形成する際、u、v角度成分により画定された方向に沿って、x、y次元から仮想空間内の特定の位置にエネルギー位置を指向することができる。
【0083】
しかしながら、当業者であれば、ライトフィールドおよびホログラフィックディスプレイ技術に対する重要な課題は、回折、散乱、拡散、角度方向、較正、焦点、視準、曲率、均一性、素子クロストーク、ならびに減少する有効解像度ならびに極めて忠実にエネルギーを正確に収束させることができないことの一因となる他の多数のパラメータのいずれかを正確に考慮しなかった設計のために、制御されていないエネルギー伝搬を引き起こすことを理解するであろう。
【0084】
一実施形態では、ホログラフィックディスプレイと関連付けられた課題に対処するための選択的エネルギー伝搬への手法は、エネルギー抑制素子、およびほぼコリメートされたエネルギーを有する導波路アパーチャを、4Dプレノプティック関数により画定された環境の中に実質的に満たすことを含み得る。
【0085】
一実施形態では、エネルギー導波路のアレイは、各導波路素子が通って延在する複数のエネルギー伝搬経路を画定し、単一導波路素子を通過するのみのために各エネルギー位置の伝搬を制限するように配置された1つ以上の素子によって抑制されたシームレスなエネルギー表面に沿って、複数のエネルギー位置に対する規定された4D関数により画定された固有の方向の導波路素子の有効アパーチャを、実質的に満たし得る。
【0086】
一実施形態では、複数のエネルギー領域は、単一のエネルギー導波路内に、または複数のエネルギー導波路の間に構成され、視覚、聴覚、触覚、または他のエネルギー領域を含む1つ以上の感覚ホログラフィックエネルギー伝搬を指向し得る。
【0087】
一実施形態では、エネルギー導波路およびシームレスなエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー領域を受信および放出の両方を行うように構成され、システム全体を通じて双方向エネルギー伝搬を提供する。
【0088】
一実施形態では、エネルギー導波路は、エネルギーの非線形または非規則的なエネルギー分布を伝搬するように構成されており、そのエネルギー分布は、非透過性空隙領域を含み、デジタル符号化、回折、屈折、反射、グリン、ホログラフィック、フレネル、または壁、テーブル、床、天井、部屋、もしくは他の幾何学ベース環境を含む任意のシームレスなエネルギー表面配向のための同様な導波路構成を活用する。さらなる実施形態では、エネルギー導波路素子は、ユーザが360度構成でエネルギー表面のすべての周辺からホログラフィック画像を視認することを可能にする任意の表面プロファイルおよび/または卓上視野を提供する様々な形状を生成するように構成され得る。
【0089】
一実施形態では、エネルギー導波路アレイ素子は、反射表面としてもよく、それらの素子の配置は、六角形、正方形、不規則、半規則、湾曲、非平面、球面、円筒、傾斜規則、傾斜不規則、空間的に変化する、かつ/または多層化されてもよい。
【0090】
シームレスなエネルギー表面内の任意のコンポーネントの場合、導波路またはリレーコンポーネントとしては、以下に限定されないが、光ファイバ、シリコン、ガラス、ポリマー、光学リレー、回折、ホログラフィック、屈折、または反射素子、光学面板、エネルギー結合器、ビームスプリッタ、プリズム、偏光素子、空間光変調器、能動ピクセル、液晶セル、透明ディスプレイ、またはアンダーソン局在化もしくは全反射を呈する任意の同様な材料が挙げられる。
【0091】
ホロデッキの実現
ホログラフィック環境内で人間の感覚受容器を刺激するための双方向シームレスエネルギー表面システムの集約
複数のシームレスなエネルギー表面を一緒にタイル張り、溶融、結合、取り付け、および/または縫い合わせを行い、部屋全体を含む任意のサイズ、形状、輪郭、または形状因子を形成することによって、シームレスなエネルギー表面システムの大規模な環境を構築することが可能になる。各エネルギー表面システムは、双方向ホログラフィックエネルギーの伝搬、放出、反射、または検知のために集合的に構成されたベース構造体、エネルギー表面、リレー、導波路、デバイス、および電子機器回路を有するアセンブリを含み得る。
【0092】
一実施形態では、タイル張り式シームレスエネルギーシステムの環境が、集約されて所与の環境内のすべての表面まで構成する設備を含む大きくてシームレスな平面または曲面壁を形成し、シームレス、不連続面、カット面、曲面、円筒、球面、幾何学的、または非規則的な形状の任意の組み合わせとして構成されている。
【0093】
一実施形態では、平面表面の集約タイルは、劇場または会場ベースのホログラフィックエンターテイメントのための壁サイズのシステムを形成する。一実施形態では、平面表面の集約タイルは、洞窟ベースのホログラフィック設備のために天井および床の両方を含む4~6つの壁を有する部屋をカバーする。一実施形態では、湾曲した表面の集約タイルは、没入型ホログラフィック設備のための円筒型シームレス環境を生成する。一実施形態では、シームレス球形表面の集約タイルは、没入型ホロデッキベース体験のためのホログラフィックドームを生成する。
【0094】
一実施形態では、シームレスな湾曲エネルギー導波路の集約タイルは、エネルギー導波路構造体内のエネルギー抑制素子の境界に沿って正確なパターンに従う機械的端部を提供し、隣接する導波路表面の隣接するタイル状機械的端部を結合、整列、または溶融し、結果としてモジュール式のシームレスなエネルギー導波路システムを得る。
【0095】
集約タイル環境のさらなる実施形態では、エネルギーは、複数の同時エネルギー領域に対して双方向に伝搬される。さらなる実施形態では、エネルギー表面は、導波路を使って同じエネルギー表面から同時に表示および捕捉の両方を行う能力を提供し、その導波路は、ライトフィールドデータが導波路を通って照明源により投射され、同時に同じエネルギー表面を通って受信され得るように設計されている。さらなる実施形態では、深度検知および能動走査技術をさらに活用して、正確な世界座標内のエネルギー伝搬と視認者との間の相互作用を可能にし得る。さらなる実施形態では、エネルギー表面および導波路は、触覚興奮または体積触覚学のフィードバックを誘発するような周波数を放出、反射、または収束させるように動作可能である。いくつかの実施形態では、双方向エネルギー伝搬および集約表面の任意の組み合わせが可能である。
【0096】
一実施形態では、システムは、少なくとも2つのエネルギーデバイスをシームレスなエネルギー表面の同じ部分にペアにするために、2つ以上の経路エネルギー結合器を使用して別々にペアにされた、1つ以上のエネルギーデバイスを伴うエネルギー表面を通ってエネルギーの双方向放出および検知を可能にするエネルギー導波路を備え、または1つ以上のエネルギーデバイスは、エネルギー表面の後ろに固定され、ベース構造体に固定された追加のコンポーネントに、または軸外の直接もしくは反射の投射もしくは検知のための導波路のFOVの前方かつ外側の位置に、最も近接しており、その結果得られたエネルギー表面は、双方向エネルギー伝送を提供し、その双方向エネルギー伝送は、導波路がエネルギーを収束させ、第1のデバイスがエネルギーを放出させ、そして第2のデバイスがエネルギーを検知するのを可能にし、そこでは、その情報を処理し、以下に限定されないが、4Dプレノプティックアイ、および伝搬エネルギーパターン内干渉の網膜追跡もしくは検知、深度推定、近似、動作追跡、画像、色、もしくは音響情報、または他のエネルギー周波数解析を含むコンピュータ視覚関連タスクを実行する。さらなる実施形態では、追跡された位置は、双方向に捕捉されたデータと投射情報との間の干渉に基づいて、エネルギーの位置を能動的に計算し、修正する。
【0097】
いくつかの実施形態では、超音波センサ、可視電磁ディスプレイ、および超音波放出デバイスを含む3つのエネルギーデバイスの複数の組み合わせが、各デバイスのエネルギー領域に特有の加工特性、ならびに超音波および電磁エネルギーが、各デバイスのエネルギーを別々に指向および収束させ、分離したエネルギー領域のために構成されている他の導波路素子によっては実質的に影響を受けない能力をそれぞれ提供するように構成された2つの加工導波路素子、を含む3つの第1の表面の各々と一緒に単一の第2のエネルギーリレー表面の中に結合されたエネルギーを伝搬させる3つの第1のリレー表面の各々、に対して共に構成されている。
【0098】
いくつかの実施形態では、符号化/復号化技術、ならびに較正された構成ファイルに基づいてエネルギー伝搬に適切な較正情報にデータを変換するための専用の集積システムを使用して、効率的な製造がシステムアーチファクトの除去、および得られたエネルギー表面の幾何学的マッピングの生成を可能にする較正手順が開示されている。
【0099】
いくつかの実施形態では、一連の追加のエネルギー導波路、および1つ以上のエネルギーデバイスが1つのシステムに一体化され、不明瞭なホログラフィックピクセルを生成し得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、追加の導波路素子が、エネルギー抑制素子、ビームスプリッタ、プリズム、能動視差バリア、または偏光技術を含めて一体化され、導波路の直径よりも大きい空間解像度および/もしくは角度解像度を提供し、または他の超解像の目的のために提供する。
【0101】
いくつかの実施形態では、開示されたエネルギーシステムは、また、仮想現実(VR)または拡張現実(AR)などのウェアラブル双方向デバイスとしても構成され得る。他の実施形態では、エネルギーシステムは、表示または受信されたエネルギーが、視認者に対して空間内に決められた平面の近接するところに焦点を合わせるような調整光学素子を含み得る。いくつかの実施形態では、導波路アレイは、ホログラフィックヘッドマウントディスプレイに組み込まれ得る。他の実施形態では、システムは、視認者がエネルギーシステムおよび現実世界環境(例えば、透明ホログラフィックディスプレイ)の両方を見ることが可能になる複数の光学経路を含み得る。これらの例では、システムは、他の方法に加えて近視野として呈してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、データの送信は、情報およびメタデータの任意のデータセットを受信し、当該データセットを分析し、材料特性、ベクトル、表面ID、より疎なデータセットを形成する新規ピクセルデータを受信または割り当てを行う、選択可能または可変の圧縮率を有する符号化処理を含み、受信されたデータは、2D、立体、マルチビュー、メタデータ、ライトフィールド、ホログラフィック、幾何学的形状、ベクトルもしくはベクトル化されたメタデータを含んでもよく、符号器/復号器は、2D、2Dプラス深度、メタデータもしくは他のベクトル化された情報、立体、立体プラス深度、メタデータもしくは他のベクトル化された情報、マルチビュー、マルチビュープラス深度、メタデータもしくは他のベクトル化された情報、ホログラフィック、またはライトフィールドコンテンツに対する画像処理を含む実時間またはオフラインのデータを、深度メタデータの有無にかかわらず深度推定アルゴリズムを介して変換する能力を提供してもよく、逆光線追跡方法は、特徴付けられた4Dプレノプティック関数を介して、様々な2D、立体、マルチビュー、体積、ライトフィールド、またはホログラフィックのデータから実世界座標に逆光線追跡によって生成されて得られた変換データを適切にマッピングする。これらの実施形態では、所望の全データ送信は、未処理のライトフィールドデータセットよりも数桁小さい送信情報となり得る。
【0103】
ライトフィールドおよびホログラフィック導波路アレイにおけるエネルギーの選択的伝搬
図7は、複数のエネルギー伝搬経路108を画定するように動作可能なエネルギー導波路システム100の一実施形態の上面斜視図を例解する。エネルギー導波路システム100は、複数のエネルギー伝搬経路108に沿ってエネルギーをそこを通って指向させるように構成されたエネルギー導波路のアレイ112を備える。一実施形態では、複数のエネルギー伝搬経路108は、アレイ116の第1の
側面の側の複数のエネルギー位置118を通ってアレイ114の第2の
側面の側まで延在する。
【0104】
図7および
図9Hを参照すると、一実施形態では、複数のエネルギー伝搬経路108の第1のサブセット290は、第1のエネルギー位置122を通って延在する。第1のエネルギー導波路104は、複数のエネルギー伝搬経路108のうちの第1のサブセット290の第1のエネルギー伝搬経路120に沿ってエネルギーを指向させるように構成されている。第1のエネルギー伝搬経路120は、第1のエネルギー位置122と第1のエネルギー導波路104との間に形成された第1の主光線138によって画定され得る。第1のエネルギー伝搬経路120は、第1のエネルギー位置122と第1のエネルギー導波路104との間に形成された光線138Aおよび138Bを含み得、それらの光線は、エネルギー伝搬経路120Aおよび120Bに沿って第1のエネルギー導波路104によって、それぞれ、指向されている。第1のエネルギー伝搬経路120は、第1のエネルギー導波路104から、アレイ114の第2の
側面の側に向かって、延在し得る。一実施形態では、第1のエネルギー伝搬経路120に沿って指向されたエネルギーは、エネルギー伝搬経路120Aおよび120Bとの間に、またはそれらを含めて1つ以上のエネルギー伝搬経路を含み、それらの伝搬経路は、第1の主光線138によって第2の
側面の側114を通って伝搬された角度に実質的に平行である方向に第1のエネルギー導波路104を通って指向されている。
【0105】
いくつかの実施形態は、第1のエネルギー伝搬経路120に沿って指向されたエネルギーが、エネルギー伝搬経路120Aおよび120B、ならびに第1の主光線138に対して実質的に平行である方向に第1のエネルギー導波路104に退出し得るように構成され得る。第2の側面の側114のエネルギー導波路素子112を通って延在するエネルギー伝搬経路は、実質的に同様の伝搬方向の複数のエネルギー伝搬経路を含むと推定され得る。
【0106】
図8は、エネルギー導波路システム100の一実施形態の正面例解図である。第1のエネルギー伝搬経路120は、
図7に示されたアレイ112の第2の
側面の側114に向かって、第1のエネルギー導波路104から延在する固有の方向208に延在し得、その固有の方向は、少なくとも第1のエネルギー位置122によって確定されている。第1のエネルギー導波路104は、空間座標204により画定され得、少なくとも第1のエネルギー位置122により確定されている固有の方向208は、第1のエネルギー伝搬経路120の方向を画定する角度座標206によって画定され得る。空間座標204および角度座標206は、第1のエネルギー伝搬経路120の固有の方向208を画定する4次元プレノプティック座標セット210を形成し得る。
【0107】
一実施形態では、第1のエネルギー導波路104を通る第1のエネルギー伝搬経路120に沿って指向されたエネルギーは、第1のエネルギー導波路104の第1のアパーチャ134を実質的に充填し、エネルギー伝搬経路120Aおよび120Bとの間に位置し、かつ第1のエネルギー伝搬経路120の方向と平行である1つ以上のエネルギー伝搬経路に沿って伝搬する。一実施形態では、第1のアパーチャ134を実質的に充填する1つ以上のエネルギー伝搬経路は、第1のアパーチャ134の直径のうちの50%超を含み得る。
【0108】
好ましい実施形態では、第1のアパーチャ134を実質的に充填する第1のエネルギー導波路104を通る第1のエネルギー伝搬経路120に沿って指向されたエネルギーは、第1のアパーチャ134の直径のうちの50%~80%を含み得る。
【0109】
図7および
図9A~
図9Hを再度参照すると、一実施形態では、エネルギー導波路システム100は、第1の
側面の側116と第2の
側面の側114との間のエネルギーの伝搬を制限し、隣接導波路112間のエネルギー伝搬を抑制するように配置されたエネルギー抑制素子124をさらに備え得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子は、第1のアパーチャ134を通っては延在していない複数のエネルギー伝搬経路108の第1のサブセット290の一部分に沿ったエネルギー伝搬を抑制するように構成されている。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、エネルギー導波路112のアレイと複数のエネルギー位置118との間の第1の
側面の側116
に配置され得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、複数のエネルギー位置118とエネルギー伝搬経路108との間の第2の
側面の側114
に配置され得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、エネルギー導波路112のアレイまたは複数のエネルギー位置118に直交する第1の
側面の側116または第2の
側面の側114
に配置され得る。
【0110】
一実施形態では、第1のエネルギー伝搬経路120に沿って指向されたエネルギーは、第2のエネルギー導波路128を通る第2のエネルギー伝搬経路126に沿って指向されたエネルギーと一緒に収束し得る。第1および第2のエネルギー伝搬経路は、アレイ112の第2の側面の側114の位置130において収束し得る。一実施形態では、第3および第4のエネルギー伝搬経路140、141もまた、アレイ112の第1の側面の側116の位置132において収束し得る。一実施形態では、第5および第6のエネルギー伝搬経路142、143もまた、アレイ112の第1および第2の側面の側116、114との間の位置136において収束し得る。
【0111】
一実施形態では、エネルギー導波路システム100は、通過するエネルギーの角度方向を変更するように構成された構造体、例えば、屈折素子、回折素子、反射素子、屈折率分布型素子、ホログラフィック素子、または他の光学素子、少なくとも1つの開口数を含む構造体、エネルギーを少なくとも1つの内部表面から向け直すように構成された構造体、光学リレー等などの、エネルギーを指向させるための構造体を備え得る。導波路112は、
a)屈折、回折、または反射、
b)単層または複合多層素子、
c)ホログラフィック光学素子およびデジタル符号化光学系、
d)3Dプリント素子、またはリソグラフィックマスタもしくはレプリカ、
e)フレネルレンズ、回折格子、ゾーンプレート、バイナリ光学素子、
f)レトロ反射素子、
g)光ファイバ、全反射、またはアンダーソン局在化、
h)屈折率分布型光学系、または種々の屈折率整合材料、
i)ガラス、ポリマー、気体、固体、液体、
j)音響導波路、
k)マイクロおよびナノスケール素子、または
l)偏光、プリズム、もしくはビームスプリッタ、などの双方向エネルギー指向構造体もしくは材料のいずれか、または組み合わせを含み得ることを認識されたい。
【0112】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、エネルギーを双方向に伝搬させる。
【0113】
一実施形態では、エネルギー導波路が、機械的エネルギーの伝搬のために構成されている。
【0114】
一実施形態では、エネルギー導波路が、電磁エネルギーの伝搬のために構成されている。
【0115】
一実施形態では、エネルギー導波路素子内の1つ以上の構造体内、およびエネルギー導波路システムを含む1つ以上の層内で適切な材料特性を絡合すること、層状化すること、反射させること、組み合わせること、または他の方法で供給することによって、エネルギー導波路が、機械的、電磁的、および/または他の形態のエネルギーを同時に伝搬させるように構成されている。
【0116】
一実施形態では、エネルギー導波路が、4D座標系内で、uおよびvに対して、それぞれ異なる比率を有するエネルギーを伝搬させる。
【0117】
一実施形態では、エネルギー導波路が、アナモルフィックな関数を使用してエネルギーを伝搬させる。一実施形態では、エネルギー導波路が、エネルギー伝搬経路に沿って複数の素子を備える。
【0118】
一実施形態では、エネルギー導波路が、光ファイバリレー研磨表面から直接形成されている。
【0119】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、横方向アンダーソン局在化を呈する材料を含む。
【0120】
一実施形態では、エネルギー導波路システムが、極超音速周波数を伝搬させて立体空間内で触感を収束させる。
【0121】
図9A~
図9Hは、エネルギー抑制素子124の様々な実施形態の例解図である。疑義を避けるため、これらの実施形態は、例示目的のために提供されており、本開示の範囲内で提供される組み合わせまたは実施態様の範囲を限定する仕方では、決して提供されていない。
【0122】
図9Aは、複数のエネルギー位置118の一実施形態を例解し、エネルギー抑制素子251が、エネルギー位置118の表面に隣接して配置され、特定の屈折、回折、反射、または他のエネルギー変換特性を含む。エネルギー抑制素子251は、エネルギー伝搬経路252に沿ってエネルギーの伝搬を抑制することによって、エネルギー伝搬経路290のうちの第1のサブセットを、より小さい範囲の伝搬経路253に制限するように構成され得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子は、1未満の
開口数を有するエネルギーリレーである。
【0123】
図9Bは、複数のエネルギー位置118の一実施形態を例解し、エネルギー抑制構造体254が、エネルギー位置118の領域の間と直交するように配置され、エネルギー抑制構造体254は、吸収特性を呈し、抑制エネルギー構造体254は、ある特定のエネルギー伝搬経路255が抑制されるように、エネルギー伝搬経路256に沿って画定された高さを有する。一実施形態では、エネルギー抑制構造体254の形状が、六角形である。一実施形態では、エネルギー抑制構造体254の形状が、円形である。一実施形態では、エネルギー抑制構造体254の形状またはサイズが、伝搬経路の任意の配向に沿って、不均一である。一実施形態では、エネルギー抑制構造体254が、追加の特性を有する別の構造体内に埋め込まれている。
【0124】
図9Cは、複数のエネルギー位置118を例解し、第1のエネルギー抑制構造体257が、それを通って伝搬するエネルギー259を実質的に第1の状態に配向させるように構成されている。第2のエネルギー抑制構造体258は、実質的に第1の状態に配向したエネルギー259が、それを通って伝搬し、第1の状態とは実質的に異なって配向されたエネルギー260の伝搬を制限するのを可能にするように構成されている。一実施形態では、エネルギー抑制素子257、258が、エネルギー偏光素子ペアである。一実施形態では、エネルギー抑制素子257、258が、エネルギー波バンドパス素子ペアである。一実施形態では、エネルギー抑制素子257、258が、回折導波路ペアである。
【0125】
図9Dは、複数のエネルギー位置118の一実施形態を例解し、エネルギー抑制素子261は、エネルギー伝搬経路263が複数のエネルギー位置118のうちのいずれを通って延在するかに応じて、エネルギー伝搬経路263をある特定の範囲に変更するように構築されている。エネルギー抑制素子261は、ある特定のエネルギー伝搬経路262が抑制されるように、エネルギー伝搬経路263に沿って均一または不均一なようにエネルギー伝搬経路263を変更し得る。エネルギー抑制構造体254が、エネルギー位置118の領域の間と直交して配置され、エネルギー抑制構造体254は、吸収特性を呈し、抑制エネルギー構造体254は、ある特定のエネルギー伝搬経路262が抑制されるように、エネルギー伝搬経路263に沿って画定された高さを有する。一実施形態では、抑制素子261が、視野レンズである。一実施形態では、抑制素子261が、回折導波路である。一実施形態では、抑制素子261が、湾曲導波路表面である。
【0126】
図9Eは、複数のエネルギー位置118の一実施形態を例解し、エネルギー抑制素子264は、吸収特性を提供して、他の伝搬経路267が通過するのを可能にしながら、エネルギー266の伝搬を制限する。
【0127】
図9Fは、複数のエネルギー位置118、および複数のエネルギー導波路112の一実施形態を例解し、第1のエネルギー抑制構造体268が、それを通って伝搬するエネルギー270を、実質的に第1の状態に配向させるように構成されている。第2のエネルギー抑制構造体271は、実質的に第1の状態に配向されたエネルギー270が、それを通って伝搬し、第1の状態とは実質的に異なって配向されたエネルギー269の伝搬を制限するのを可能にするように構成されている。逸れたエネルギー伝搬272によって例示された、システムを通るエネルギー伝搬をさらに制御するために、エネルギー抑制構造体268、271は、エネルギー伝搬が正確な伝搬経路の維持を確実にするために複合エネルギー抑制素子を必要とし得る。
【0128】
図9Gは、複数のエネルギー位置118の一実施形態を例解し、エネルギー抑制素子276は、吸収特性を提供し、エネルギー伝搬経路277に沿った他のエネルギーが導波路のアレイ112内の有効なアパーチャ284に対してエネルギー導波路112のペアを通過するのを可能にしながら、エネルギー伝搬経路278に沿ったエネルギーの伝搬を制限する。一実施形態では、エネルギー抑制素子276が、黒色クロムを含む。一実施形態では、エネルギー抑制素子276が、吸収材料を含む。一実施形態では、エネルギー抑制素子276が、透明ピクセルアレイを含む。一実施形態では、エネルギー抑制素子276が、陽極酸化処理された材料を含む。
【0129】
図9Hは、複数のエネルギー位置118、および複数のエネルギー導波路112を含む一実施形態を例解し、第1のエネルギー抑制構造体251が、エネルギー位置118の表面に隣接して配置され、特定の屈折、回折、反射、または他のエネルギーの変換特性を含む。エネルギー抑制構造体251は、エネルギー伝搬経路274に沿ってエネルギーの伝搬を抑制することによって、エネルギー伝搬経路290のうちの第1のサブセットを、より小さい範囲の伝搬経路275に制限するように構成され得る。第2のエネルギー抑制構造体261は、エネルギー伝搬経路275が複数のエネルギー位置118のうちのいずれを通って延在するかに応じて、エネルギー伝搬経路275をある特定の範囲に変更するように構築されている。エネルギー抑制構造体261は、ある特定のエネルギー伝搬経路274が抑制されるような均一または不均一な方法でエネルギー伝搬経路275を変更し得る。第3のエネルギー抑制構造体254が、エネルギー位置118の領域の間と直交して配置されている。エネルギー抑制構造体254は、吸収特性を呈し、ある特定のエネルギー伝搬経路274が抑制されるように、エネルギー伝搬経路275に沿って画定された高さを有する。エネルギー抑制素子276が、吸収特性を提供して、エネルギー281が通過するのを可能にしながら、エネルギー280の伝搬を制限する。類似または非類似の導波路素子112の複合システムは、有効な導波路素子アパーチャ285を複数のエネルギー位置118からのエネルギーで実質的に充填し、特定のシステムによって画定されたエネルギーの伝搬経路273を変更するように配置されている。
【0130】
一実施形態では、エネルギー抑制素子124が、エネルギー伝搬経路を減衰または修正するための構造体を備え得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124が、システム内に配置された1つ以上のエネルギー吸収素子または壁を含み、エネルギーの伝搬を、導波路112に、またはそれから制限し得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124が、システム100内に配置された特定の開口数を含み、エネルギーの角度分布を導波路112に、かつそれから制限し得る。
【0131】
一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、1つ以上のエネルギー遮断壁、構造体、金属、プラスチック、ガラス、エポキシ、顔料、液体、ディスプレイ技術、または他の吸収材料もしくは構造材料を含み得、エネルギー位置122の平面と、導波路アパーチャ直径のピッチ以下である空隙または構造体を有する導波路アレイ平面との間に確定された厚さを有する。
【0132】
一実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、第1のエネルギー位置122に近接して配置され、第1のエネルギー位置122に隣接する光学リレーフェースプレートを含む。一実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、1つ以上の空間的に一貫した、または可変の開口数を含む光学リレーフェースプレートを含み得、開口数値は、導波路112への、およびそれからのエネルギーの角度分布を有意に制限する。例えば、開口数の一実施形態は、特定の導波路アパーチャ134に対して軸外充填率を提供するために、エネルギーの位置と、有効導波路素子サイズ、入射瞳、アパーチャの中心、またはエネルギー伝搬に対する他の物理的パラメータに対して垂直な位置との間に形成された視野の2倍またはほぼ2倍である角度分布を提供するように設計され得る。
【0133】
一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、システムを通るエネルギー波の経路を変更して散乱、拡散、迷光、もしくは色収差を低減するバイナリ、屈折率分布型、フレネル、ホログラフィック光学素子、ゾーンプレート、または他の回折光学素子を含み得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、その位置において、またはその周辺で正または負の光学素子を含み得、そこでは、エネルギー伝搬経路を変更して導波路アパーチャ134の充填率をさらに増大させるか、または迷光を低減する。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、エネルギー位置122、導波路アパーチャ134の画定された領域、または他の領域の空間的または時間的に多重化された減衰を提供するように設計された第2の能動または受動偏光素子と組み合わされる能動または受動偏光素子を含み得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、エネルギー位置122、導波路アパーチャ134の画定された領域、または他の領域の空間的もしくは時間的に多重化された減衰を提供するように設計された能動または受動開口絞りバリアを含み得る。一実施形態では、エネルギー抑制素子124は、以下のいずれかの1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことが多く(many)、それらは、
a)物理的なエネルギーバッフル構造体、
b)体積型、テーパ型、またはファセット型の機械的構造体、
c)開口絞りまたはマスク、
d)光学リレーおよび制御された開口数、
e)屈折、回折、または反射、
f)レトロ反射素子、
g)単層または複合多層素子、
h)ホログラフィック光学素子およびデジタル符号化光学系、
i)3Dプリント素子、またはリソグラフマスタもしくはレプリカ、
j)フレネルレンズ、回折格子、ゾーンプレート、バイナリ光学素子、
k)光ファイバ、全反射、またはアンダーソン局在化、
l)屈折率分布型光学系、または多種の屈折率整合材料、
m)ガラス、ポリマー、気体、固体、液体、
n)ミリ、マイクロおよびナノスケール素子、ならびに、
o)偏光、プリズム、またはビームスプリッタ、である。
【0134】
一実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、Z軸に沿ってテーパ形状とされた空隙を形成するように構築され、導波路システムに対する開口絞り位置に到達するにつれ空隙サイズが減少する六角形稠密エネルギー遮断バッフルを含むように構築され得る。別の実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、光学リレーフェースプレートに結合された六角形稠密エネルギー遮断バッフルを含むように構築され得る。別の実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、規定された屈折率で充填された六角形稠密エネルギー遮断バッフルを含むように構築され得、エネルギー波投射の経路をエネルギー導波路アレイに、またはそこからさらに変更し得る。別の実施形態では、回折素子または屈折素子が、定義された導波路規定を用いて、エネルギー遮断バッフルに配置され、取り付けられ、または結合されて、エネルギー導波路素子112への、およびそこからのエネルギー投射の経路をさらに変更し得る。別の例では、エネルギー抑制構造体124は、単一の機械的アセンブリの中に形成され得、エネルギー導波路アレイ112は、組み立てられたエネルギー抑制素子124に配置され、取り付けられ、または結合され得る。他の実施態様を利用して、他のエネルギー導波路構成または超解像度考察を可能にし得ることを認識されたい。
【0135】
一実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、第1のエネルギー位置122に近接して配置され得、概して第1のエネルギー導波路104に向かって延在する。一実施形態では、エネルギー抑制構造体124は、第1のエネルギー導波路104に近接して配置され得、概して第1のエネルギー位置122に向かって延在する。
【0136】
一実施形態では、エネルギー抑制素子は、電磁エネルギーを抑制するように構成されている。
【0137】
一実施形態では、エネルギー抑制素子は、機械的エネルギーを抑制するように構成されている。
【0138】
一実施形態では、エネルギー抑制素子内の1つ以上の構造体内、およびエネルギー導波路システムを含む1つ以上の層内で、適切な材料特性を絡合すること、層状化すること、反射させること、組み合わせること、またはその他の方法で提供することによって、エネルギー抑制素子が、機械的、電磁的、および/または他の形態のエネルギーを同時に減衰させるように構成されている。
【0139】
一実施形態では、エネルギー導波路のアレイは、平面、または望ましい形状の曲面を形成するように配設され得る。
図13は、湾曲構成内に配設されたエネルギー導波路1102のアレイを特徴とする実施形態1100の例解図である。
【0140】
本開示の実施形態は、可視光、紫外線、赤外線、X線等を含めて、電磁スペクトルに属する任意の波長のエネルギーを指向させるように構成され得る。また、本開示は、音響振動および触圧波などの他のエネルギー形態も指向させるように構成され得る。
【0141】
図10は、エネルギー導波路システム300の追加の実施形態の例解図である。エネルギー導波路システム300は、複数のエネルギー伝搬経路304を画定し得、反射器素子314の第1の
側面の側310
に配置された第1の反射器306を含む反射器素子314を備え得、第1の反射器306は、それを通って形成された1つ以上の
開口絞り316、および反射器素子314の第2の
側面の側312
に配置された第2の反射器308を含み、第2の反射器308は、そこを通って形成された1つ以上の
開口絞り318を含む。第1および第2の反射器306、308は、第1および第2の反射器316、318の
開口絞り、および反射器素子314の第1の
側面の側310
の複数のエネルギー位置320を通って延在する複数のエネルギー伝搬経路304に沿ってエネルギーを指向させるように構成されている。複数のエネルギー伝搬経路304の第1のサブセット322が、第1のエネルギー位置324を通って延在する。反射器素子314は、複数のエネルギー伝搬経路304のうちの第1のサブセット322の第1のエネルギー伝搬経路326に沿ってエネルギーを指向させるように構成されている。
【0142】
一実施形態では、第1のエネルギー伝搬経路326は、第1のエネルギー位置324と、第1の反射器306の第1の開口絞り328との間に形成された第1の主光線338によって画定され得る。第1のエネルギー伝搬経路326は、第2の反射器308の第1の開口絞り330から延在する固有の方向に、反射器素子314の第2の側面の側312に向かって、第2の反射器308の第1の開口絞り330から延在し得、その固有の方向は、少なくとも第1のエネルギー位置324によって確定されている。
【0143】
一実施形態では、第1のエネルギー伝搬経路326に沿って指向されたエネルギーは、第1の反射器306の第1の開口絞り328、および第2の反射器308の第1の開口絞り330を実質的に充填する。
【0144】
一実施形態では、エネルギー抑制素子332は、第1の反射器306の第1の開口絞り328を通っては延在しない複数のエネルギー伝搬経路304のうちの第1のサブセット322の一部分に沿ってエネルギーの伝搬を制限するように配置され得る。
【0145】
エネルギーが光であり、エネルギー導波路が完全な放物線構造体を用いて該光を指向させるのに動作可能である一実施形態では、第1の反射器の焦点を通過するか、またはそこから通過するいずれの光線も、光軸に対して平行に反射し、第2の反射器から離れて反射し、次いで逆配向に同じ角度でリレーする。
【0146】
一実施形態では、第1の反射器および第2の反射器は、エネルギー情報の様々な倍率を生成するため、かつ/または第2の反射器の表面の上方から視認者が反射情報を視認するときに角度視野範囲を変更するため、異なる焦点距離を有する。開口絞りは、様々な焦点距離に応じて、様々な設計目的のために異なるサイズのものとなり得る。
【0147】
両方の反射表面が、円錐形であるか、切子面であるか、非線形形状に湾曲しているか、または他の形状である追加の実施形態が、提供されている。この曲率の設計は、ディスプレイ情報および視認情報が、信号処理を変更または単純化するための非線形関係を有し得ることを確実にするのに重要である。
【0148】
一実施形態では、エネルギー導波路は、反射表面プロファイルを動的に変更して、エネルギー導波路システムを通るエネルギーの伝搬経路を変化させることを可能にする可撓性反射表面を含む。
【0149】
一実施形態では、以下に限定されないが、反射または光学素子、複屈折材料、液体レンズ、屈折、回折、ホログラフィック等を含む追加の導波路が、エネルギー伝搬経路内のどこにでも配置され得る。この手法を用いると、かかる一実施形態は、視認されたときに視野角が
開口絞りよりも著しく異なる位置に存在し、焦点距離が他の方法で提供することになるような設計を提供する。
図11は、この手法のかかる一応用を実証する。
【0150】
図11は、エネルギー導波路システム700の一実施形態の例解図である。エネルギー導波路システム700は、第1および第2の反射器702および704を、それぞれ、備える。第2の反射器702の焦点に、追加の光学素子706、およびエネルギー位置708に対して垂直なエネルギー抑制剤707が配置されている。追加の光学素子は、エネルギー導波路システム700を通って伝搬するエネルギーのエネルギー伝搬経路に影響を及ぼすように設計されている。追加の導波路素子は、エネルギー導波路システム700内に含まれ得、または追加のエネルギー導波路システムは、エネルギー伝搬経路中に配置され得る。
【0151】
一実施形態では、エネルギー導波路素子のアレイは、
a)エネルギー導波路のアレイの六角形パッキン、
b)エネルギー導波路のアレイの正方形パッキン、
c)エネルギー導波路のアレイの不規則または半規則的パッキン、
d)エネルギー導波路の湾曲または非平面アレイ、
e)エネルギー導波路の球形アレイ、
f)エネルギー導波路の円筒形アレイ、
g)エネルギー導波路の傾斜した規則的アレイ、
h)エネルギー導波路の傾斜した不規則アレイ、
i)エネルギー導波路の空間的に変化するアレイ、
j)エネルギー導波路の多層アレイ、を含み得る。
【0152】
図12は、エネルギー導波路素子のアレイの正方形パッキン901、六角形パッキン902、および不規則パッキン903との間の相違を強調している。
【0153】
エネルギー導波路は、必要に応じて具体的には光学リレー素子を含むように、ガラスまたはプラスチック基板上に製造され得、具体的にならびに望ましくは光学リレーを含むように、ガラスまたはプラスチック光学素子と一緒に設計され得る。さらに、エネルギー導波路は、複数の伝搬経路もしくは他の列/行、またはチェッカーボードの配向を提供する設計のためにファセット化され得、以下に限定されないが、ビームスプリッタもしくはプリズムによって分離され、またはタイル張りもしくは単一のモノリシックプレートを可能にする導波路構成のためにタイル張りされ、または湾曲配設(例えば、結果的に嵌合するタイルに幾何学的変更を与えるファセット化された円筒形もしくは球形)にタイル張りされた複数の伝搬経路、また以下に限定されないが、球形および円筒形、または特定の用途に必要ないずれの他の任意の幾何学的形状を含む曲面を特に考慮する。
【0154】
エネルギー導波路のアレイが湾曲構成を含む一実施形態では、湾曲導波路は、熱処理を介して、または光学リレー素子を含むような湾曲面上への直接製造によって製造され得る。
【0155】
一実施形態では、エネルギー導波路のアレイは、他の導波路と隣接し得、特定の用途に応じて、壁および/または天井および/または部屋の全体を覆い得る。導波路は、基板を上または下に取り付けるように明示的に設計され得る。導波路は、エネルギー表面に直接嵌合するように設計され得、または空隙もしくは他のオフセット媒体を使用してオフセットされ得る。導波路は、恒久的固定具か、または基準素子のいずれかとして能動的もしくは受動的に平面に焦点を合わせる能力を提供する位置合わせ装置を含み得る。記載された幾何学的形状の目的は、導波路素子および表示画像の法線によって定義された視野角度の最適化に役立つことである。非常に大きなエネルギー表面の平面の場合、表面の左端および右端における角度サンプルの大部分は、主に環境に対する視認体積の外側にある。湾曲した輪郭および湾曲した導波路を有するその同じエネルギー表面に対して、これらの伝搬光線のより多くを使用して収束体積を形成する能力は、大幅に増大する。しかしながら、これは、軸外の場合には、有効な情報を犠牲にしている。設計に関する用途の特異性は、一般に、提案された設計のうちのどれが実施されるかを決定する。さらに、導波路は、規則的、階段的、または領域的な素子構造体と一緒に設計され得、それらの構造体は、追加の導波路素子と一緒に製造され、所定の導波路軸に向かってその素子を傾斜させる。
【0156】
エネルギー導波路がレンズである実施形態では、その実施形態は、凸型および凹型の小型レンズの両方を含み得、光学リレー表面上にレンズを直接製造することを含み得る。これは、破壊的または加法的小型レンズ製造プロセスを必要とし、形成または刻印するための材料の除去、および小型レンズプロファイル、またはこの表面に直接製造される直接レプリカを含み得る。
【0157】
一実施形態は、追加のエネルギー伝搬最適化および角度制御を提供する多層導波路設計を含み得る。上記のすべての実施形態は、単独で、またはこの手法と連係して一緒に組み合わせられ得る。一実施形態では、第1の導波路素子上の傾斜導波路構造体、および第2の導波路素子のための領域的に変化する構造体を有する多層設計が、考えられ得る。
【0158】
一実施形態は、単一の導波路として互いに接合された素子毎または領域毎の液体レンズ導波路の設計および製造を含む。この手法の追加の設計は、導波路アレイ全体を同時に修正することができる単一の複屈折または液体レンズ導波路電池を含む。この設計は、導波路を再設計することなく、システムの有効導波路パラメータを動的に制御する能力を提供する。
【0159】
本明細書で提案された開示の任意の組み合わせを用いて、光を指向させるように構成された一実施形態では、壁掛け2D、ライトフィールド、またはホログラフィックディスプレイを生成することが可能である。この壁掛け構成は、視認者が、設計されたディスプレイ表面の前方または後方において浮遊し得る画像を見ているように設計されている。この手法を用いると、光線の角度分布は、均一となり得るか、または特定のディスプレイ要件に応じて空間内の任意の特定の場所において密度の増大をもたらし得る。このようにして、導波路を、表面プロファイルの関数として角度分布を変更するように構成することが可能である。例えば、ディスプレイ表面および平面導波路アレイに垂直な所与の距離に対して、光学的に完全な導波路は、ディスプレイに対する所与の垂直距離に沿った光線分離距離内で漸増するディスプレイの垂直中心における密度を増大させるであろう。逆に、視認者が、両目とディスプレイの中心点との間の距離を維持するディスプレイの周りを半径方向に光線を視認する場合、視認された光線は、視野全体にわたって一貫した密度を維持するであろう。予想される視認条件に応じて、導波路関数を変更して任意の潜在的な光線分布を生成し、かかる任意の環境に対して視認経験を最適化することによって、各素子の特性が最適化され得る。
【0160】
図14は、単一の導波路素子関数1202が半径方向の視認環境1206にわたってエネルギー1204の同一分布をどのように生成し得るかを強調する実施形態1200の例解図であり、同じ導波路素子関数1202は、導波路表面1210に対して一定であり、かつ平行である距離1208において伝搬される場合、導波路表面の導波路素子中心1212における密度が増大し、かつ導波路表面の中心1212からさらに遠ざかると、密度が減少するように見えるであろう。
【0161】
図15は、導波路素子関数1302が、導波路表面1306と平行である一定の距離1304において均一な密度を呈する構成を例解する実施形態1300の例解図であり、この均一な密度は、導波路表面1306の中心の周りの半径1308の周りで測定される場合、導波路表面1306の中心1310において、同時に、見かけ上一層小さい密度を生成する。
【0162】
フィールド距離にわたってサンプリング周波数を変化させる導波路関数を生成するための能力は、様々な導波路の歪み特性であり、当技術分野において知られている。従来、導波路関数に歪みが含まれることは、望ましくないが、導波路素子設計の目的のためには、これらはすべて、必要とされる特定の視認体積に応じてエネルギーの伝搬をさらに制御および分配する能力に対する利点として主張される特性である。それは、視認体積の要件に応じて導波路アレイの全体にわたって複数の関数もしくは複数の層、または関数の勾配を追加することを必要とし得る。
【0163】
一実施形態では、それらの関数は、エネルギー表面および/または導波路アレイの湾曲表面によってさらに最適化され得る。エネルギー表面自体に対する主光線角度の法線の変動は、効率をさらに増大させ、平面と異なる関数を必要とし得るが、導波路関数の勾配、変動、および/または最適化は、依然として適用する。
【0164】
さらに、導波路の縫い合わせ方法論を考慮して得られた最適化導波路アレイを利用すると、導波路およびシステムの各々をタイル張りすることによって導波路の有効サイズをさらに増大させ、所望の任意のサイズまたは形状因子を生成することが可能になる。導波路アレイは、任意の2つの別個の基板の間に生成された反射、機械的継ぎ目における見かけのコントラストの差異、または非正方形格子パッキンスキーマの任意の形成によって、エネルギー表面と異なる継ぎ目アーチファクトを呈し得ることに留意することが重要である。この効力を弱めるため、より大きい単一の導波路が生成され得るか、屈折率整合材料が任意の2つの表面のエッジの間に利用され得るか、または規則的な導波路格子構造体を使用して、素子が2つの導波路表面の間で分割されないことを保証し得、かつ/またはエネルギー抑制素子と、非正方形導波路格子構造体に沿った継ぎ目との間の正確な切断が利用され得る。
【0165】
この手法を用いると、部屋スケール2D、ライトフィールド、および/またはホログラフィックディスプレイを製造することが可能である。これらのディスプレイは、大きな平面または湾曲壁にわたってシームレスであり得、すべての壁を立方体で覆うように生成され得、または、円筒形もしくは球形を形成してシステム全体の視野角効率を増大させる湾曲構成で製造され得る。
【0166】
別の方法として、伝搬されたエネルギーをゆがませ、必要な視野角内において望ましくない領域を仮想的に除去して、エネルギー伝搬の不均一な分布をもたらす導波路関数を設計することが可能である。これを達成するため、トーラス(Taurus)形状の光学プロファイル、環状レンズ、同心レンズアレイ、フレネルまたは回折機能、バイナリ、屈折、ホログラフィック、ならびに/または、より大きなアパーチャおよびより短い焦点距離(本明細書では、「フレネル小型レンズと呼ばれる」)を可能とし、単一もしくはマルチ素子(もしくは多重シート)フレネル導波路アレイを実際に形成する能力を提供し得る任意の他の導波路設計を実施し得る。これは、導波路構成に応じて、追加の導波路アレイを含む追加の光学系と組み合わせてもされなくてもよい。
【0167】
広いエネルギー伝搬角度(例えば、180度)を生成するため、極めて低い有効Fナンバ(例えば、<f/0.5)が必要であり、4D「ディスクフリッピング」が起こらないこと(1つの導波路からの光線が、任意の第2の導波路素子の望ましくないエネルギー位置の下部を見る能力)を確実にするため、焦点距離が、必要とされる視野角に適切にほぼ整合され得ることがさらに必要である。これは、約160度視認体積を生成するためには、約f/0.17レンズ、およびほぼ整合された約0.17mmの焦点距離が必要となることを意味する。
【0168】
図16は、複数のエネルギー導波路が回折導波路素子1402を含む実施形態1400を例解し、明示的に画定された位置1406にエネルギーの光線を同時に指向させながら、実質的に極めて短い焦点距離、および低いf/ナンバを生成する修正されたフレネル導波路素子構造体1404に対する1つの提案された構造体を実証している。
【0169】
図17は、複数のエネルギー導波路が素子1502を備える実施形態1500を例解し、かかる導波路構成1506がアレイ内でどのように使用され得、所望の視認体積1504に対して光線伝搬の全密度を提供するかを実証している。
【0170】
提案された修正導波路構成のさらなる実施形態は、直径Xを有する1個当たりのリングピッチの所定量により分割された屈折率を有する、横方向配向もしくは長手方向配向のどちらか一方、またはそれらの両方に沿って、半径方向対称もしくは螺旋リング、または2つ以上の材料の勾配を生成する方法を提供しており、ここでXは一定でも可変でもよい。
【0171】
さらなる実施形態では、すべての光線の等しい、または非線形な分布は、壁掛けおよび/またはテーブル取り付け型導波路構造体に対して修正された導波路構成、ならびに複数の導波路がタイル張りされている導波路構造体をベースとするすべての部屋または環境の有無にかかわらず、生成されている。
【0172】
導波路アレイを用いると、ディスプレイ自体の表面に配置されていない位置において空間内に収束する投射光の平面を生成することは可能である。これらの光線を光線追跡することによって、包含される幾何学的形状、および収束光線がスクリーン内(視認者から離れている)、ならびにスクリーン外(視認者に向かって)の両方、または両方同時にどのように現れ得るかを明確に見ることができる。平面が、伝統的な導波路アレイ設計を有する平面ディスプレイ上で視認者から離れるように移動するにつれ、その平面は、その視点の円錐台と共に成長する傾向があり、寄与する照明源の数に応じてディスプレイ自体の物理的なフレームによって遮られるようになり得る。対照的に、平面が、伝統的な導波路アレイ設計を有する平面ディスプレイ上で視認者に向かって移動するにつれ、その平面は、その視点の円錐台と共に縮む傾向があるが、視認者が、目に対してエネルギーを示す角度にいる限り、特定の位置におけるあらゆる角度から視認可能であり、仮想平面は、視認者と能動ディスプレイ領域との間に作り出される角度を越えて移動することはない。
【0173】
一実施形態では、視認された2D画像または複数の画像は、スクリーン外に示される。
【0174】
別の実施形態では、視認された2D画像または複数の画像は、スクリーン内に示される。
【0175】
別の実施形態では、視認された2D画像または複数の画像は、スクリーン内および/またはスクリーン外に同時に示される。
【0176】
別の実施形態では、視認された2D画像または複数の画像は、他の立体素子と組み合わせて示されるか、または他のグラフィック設計もしくはインタラクティブな理由により文字として示される。
【0177】
別の実施形態では、視認された2D画像または複数の画像は、X個およびY個の導波路素子の物理的な数よりも高い有効2D解像度で示され、光線が物理的な素子よりも高い空間内密度で収束する能力により、他の方法で提案するであろう。
【0178】
この手法の新規性は、立体画像化の可能性、ならびに極めて高解像度の2D画像の両方を生成するホログラフィックディスプレイを製造することが完全に可能であることであり、その結果、平面画像と立体画像との間をシームレスに移動したり、または他の興味深い効果を生成するために、ディスプレイ内の導波路に対してさらなる機械的もしくは電子的デバイス、または変更を必要としない。
【0179】
この特性を用いると、ある特定の照明源をプログラムで分離して、ディスプレイに対して明示的な角度においてのみ視覚可能である視認者に示すことが可能になる。
【0180】
一実施形態では、単一ピクセルまたは群ピクセルが、視認者の目に対して三角形になる角度で各導波路素子下で照射され、空間内の視認者のその位置からしか視認できない画像を示す。
【0181】
別の実施形態では、第2の照明源または群の照明源が同時に示され、第2の視認者しか視認できない位置に対して三角形を成し、第1の視認者に示された第1の画像と同じ、または異なり得る画像を含む。疑義を避けるため、これは、X個のアドレス指定可能な視点とし得、ここで、Xは、1つ以上となり得る個々にアドレス指定可能な視点の数を代表している。
【0182】
別の実施形態では、これらの画像は、目、網膜、物体などの追跡センサ、および当技術分野で既知のアルゴリズムで示され、照明されたピクセル位置を動的に変化させて、視認者と各導波路素子下のピクセルとの間の三角形を成す位置に画像を動的に示す。これは、1人以上の視認者にも適用され得る。追跡は、2Dプロセスとして、もしくは3D/立体プロセスとして、または当技術分野で既知の他の深度検知技術を利用して実現され得る。
【0183】
一実施形態では、第1の領域および第2の領域の両方のプロファイルが、放物線であり、第1の領域の焦点は、第2の領域の頂点に位置し、第2の領域の焦点は、第1の領域の頂点に位置し、ディスプレイ表面は、第2の領域の頂点に位置したアパーチャ部に位置し、ディスプレイ表面の直径に等しいアパーチャ部は、第1の領域の頂点に位置した第2の領域の頂点に示されている。この手法を用いると、ディスプレイ表面画像は、任意の物理的な表面なしに表面の上方に浮遊するように現れ、そのとき、軸外の視点から第2の領域の焦点を通過する視認された光線は、第2の領域表面外に、かつ第1の表面と平行にならず、次いで視認位置から同じ角度で、第1の領域からディスプレイ表面へ逆の配向に反射する。
【0184】
一実施形態では、各々が交互反射器の頂点に位置する焦点を有する2つの反射領域、第2の領域の頂点に位置するディスプレイ表面、およびディスプレイ表面の仮想画像を生成する第1の領域に位置して示されたディスプレイ表面の直径に等しいアパーチャ部を含む。導波路アレイ、ホログラフィック、またはライトフィールドディスプレイが利用される場合には、視認された画像は、ホログラフィックデータの性質を保持するだけでなく、物理的なディスプレイ表面なしで空間内に浮遊するように見えるであろう。
【0185】
別の実施形態では、2つの領域の焦点位置は異なり、拡大画像または縮小画像を生成する。第2の実施形態では、領域は、一致する焦点距離を有し、倍率が増大した仮想画像を生成するために、焦点距離よりも大きい距離によってオフセットされている。
【0186】
別の実施形態では、放物線プロファイルが、特定の形状に適用するように製造され、その形状は、結果としてディスプレイからの視認された位置と異なり、様々なディスプレイ表面の幾何学的形状、または他の必要な視野角もしくは条件に対応する。
【0187】
別の実施形態では、領域は、単一の表面としてではなく、ファセット領域によって光線を別個に伝搬させるために複数のファセットを包含する。
【0188】
別の実施形態では、反射表面は、エネルギー表面のCRAが1つ以上の表面に適用される湾曲から可能な視野角度を超えるように、エネルギーリレーで形成され、そうでなければ反射表面であったはずの第1の表面が、ある特定の幾何学的プロファイルを有し、導波路素子の交互する端部における第2の表面は、ある特定の幾何学的プロファイルを有し、累積的に、それらの表面は、視認者の位置からのエネルギーを反射し、第2の表面におけるエネルギー表面パネルの追加が実施され得、それによって、視認者の直接位置から視認できないエネルギー情報を提供するが、1つ以上の反射表面、および最終的に視認されるデータに対応する反射画像データを計算するのに必要な関連較正プロセスを介してエネルギー情報を間接的に提供し得る。
【0189】
本明細書に開示された原理に従う様々な実施形態が上述されてきたが、それらの実施形態は、単なる例示としての目的のために示されており、限定されないことを理解されたい。したがって、本発明の幅広さおよび範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、本開示に由来する特許請求の範囲、およびそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。さらに、上記の利点および特徴は、記載された実施形態において提供されているが、上記の利点のいずれかまたはすべてを達成するプロセスおよび構造に対して、かかる由来の特許請求の範囲の適用を限定しない。
【0190】
本開示の原理的な特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく様々な実施形態の中で使用することができることを理解されたい。当業者は、日常的なわずかな実験を用いて、本明細書に記載された特定の手順に対する多くの等価物を認識するか、または探求することができるであろう。かかる等価物は、本開示の範囲内にあるとみなされ、特許請求の範囲によりカバーされる。
【0191】
さらに、本明細書におけるセクションの見出しは、37CFR1.77に基づく示唆との一貫性を持たせるために、またはそれ以外では内容構成のヒントを与えるために、提供されている。これらの見出しは、本開示に由来し得る任意の特許請求の範囲の中に記載された本発明を限定または特徴付けるものではない。具体的には、一例として、見出しが「発明の分野」と呼ばれていても、かかる特許請求の範囲は、いわゆる技術分野を説明するためのこの見出しの言語によって限定されるべきではない。さらに、「発明の背景」のセクションにおける技術の説明は、技術が本開示内の任意の発明の先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。「要約」は、論点となる特許請求の範囲に記載された本発明の特徴付けとは、決してみなされない。さらに、本開示内での単数形の「発明」の言及は、本開示において単一の新規性のみ存在すると主張するために使用されるべきではない。多重発明は、本発明に由来する多重請求項の制限に従って記載される可能性があり、したがって、かかる請求項は、それによって保護される本発明およびそれらの等価物を定義する。すべての例では、かかる請求項の範囲は、本開示に照らしてそれら自体のメリットを考慮されるであろうが、本明細書内で記載された見出しによって制約されるべきではない。
【0192】
特許請求の範囲および/または明細書中の用語「備える(comprising)」と併せて使用されるときに使われる単語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「1つ(one)」を意味し得るが、それはまた、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」、および「1つまたは1つ超(one or more than one)」の意味とも矛盾しない。特許請求の範囲の中で使用される用語「または(or)」は、代替物のみに明示的に言及せず、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または(and/or)」を意味するように使用されているが、本開示は、代替物のみ、および「および/または(and/or)」を指す定義を支持する。本出願全体を通じて、用語「約(about)」は、1つの値が、デバイスの固有の誤差ばらつきを含むことを示すために使用され、方法は、その値、または研究課題の間に存在するばらつきを判定するために使用されている。一般に、ただし前述の議論に対する対象であるが、「約(about)」などの近似の単語により修飾された本明細書中の数的な値は、記述された値から、少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12、または15%だけ変化する可能性がある。
【0193】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているように、単語「備える(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」などの任意の形式の備える)、「有する(having)」(ならびに「have」および「has」などの任意の形式の有する)、「含む(including)」(ならびに「includes」および「include」などの任意の形式の含む)、または「containing」(ならびに「contains」および「contain」などの任意の形式の包含する)は、包括的または開放的、追加的、引用されていない要素または方法ステップを排除しない。
【0194】
「その時(at the time)」、「同等(equivalent)」、「間中(during)」、「完全(complete)」等の比較、測定、およびタイミングに関する単語は、「実質的にその時(substantially at the time)」、「実質的に同等(substantially equivalent)」、「実質的に~間中(substantially during)」、「実質的に完全(substantially complete)」等を意味すると理解されるべきであり、ここで、「実質的に(substantially)」とは、そのような比較、測定、およびタイミングが、暗黙のうちに、または明示的に記述された所望の結果を達成するために、実用的であることを意味している。「近く(near)」、「近接する(proximate to)」、「隣接する(adjacent to)」などの要素の相対的位置に関係する単語は、それぞれのシステム要素の相互作用に実質的な影響を及ぼすのに十分近いことを意味するものとする。近似の他の言葉は、同様に、そのように変更されたとき、必ずしも絶対的または完全であるとは理解されないが、存在しているとしてその条件を指定することを保証するために、当業者にとっては十分近いとみなされるであろうという条件を指す。記述が変わる可能性の程度は、どのように大きな変化がもたらされるかに依存し、当業者であれば、修正されていない特徴の要求された特性および可能性を依然として有するような修正された特徴を認識するであろう。
【0195】
本明細書で使用される用語「またはそれらの組み合わせ」は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列および組み合わせを指す。例えば、A、B、C、またはそれらの組み合わせは、A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうちの少なくとも1つを含むことを意図しており、特定の文脈で順番が重要である場合には、BA, CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABも同様である。この例を続けると、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどのような1つ以上の項目または用語の繰り返しを含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者であれば、文脈から明らかでない限り、典型的には、任意の組み合わせにおける項目または用語の数に制限はないことを理解するであろう。
【0196】
本明細書に開示および請求された組成物および/または方法のすべては、本開示に照らして過度の実験をすることなく作製および実行することができる。本開示の組成物および方法は、好ましい実施形態の観点から記載されているが、組成物および/または方法に対して、ならびに本明細書に記載された方法のステップまたはステップの順序において、本開示の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、様々なバリエーションを適用することができることは、当業者にとって明らかであろう。当業者に明らかなこのような類似の置換および修飾はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。