(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20240611BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20240611BHJP
F01N 3/02 20060101ALI20240611BHJP
B01D 53/76 20060101ALI20240611BHJP
B01D 53/44 20060101ALI20240611BHJP
B01D 53/92 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H05H1/24 ZAB
F01N3/08 C
F01N3/02 201
B01D53/76
B01D53/44
B01D53/92 280
B01D53/92 320
(21)【出願番号】P 2022578772
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(86)【国際出願番号】 KR2020010028
(87)【国際公開番号】W WO2021256608
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0072720
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519053119
【氏名又は名称】ザ プライム ソリューション エル.エル.シ-.
(73)【特許権者】
【識別番号】522491074
【氏名又は名称】コ,ウォン テ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ,ウォン テ
(72)【発明者】
【氏名】コ,ジョン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,チャン ス
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-206490(JP,A)
【文献】特開2002-273168(JP,A)
【文献】特開2002-263173(JP,A)
【文献】特開2004-028026(JP,A)
【文献】特開2004-353491(JP,A)
【文献】特開2011-097097(JP,A)
【文献】特表2011-518655(JP,A)
【文献】米国特許第05603893(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0094741(KR,A)
【文献】国際公開第2011/108410(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/199652(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/24
F01N 3/08
F01N 3/02
B01D 53/76
B01D 53/44
B01D 53/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を含む室内空気、外気または排出ガスからなる処理対象ガスが内部に流れる管体であって、接地電源が接続されるチャンバー、
前記チャンバーの外側に配置され、直流または交流に設定された大きさの電圧を連続的に印加する電源供給装置、
外面にプラズマを発生するための複数の先端が形成された中空管体であって、前記処理対象ガスの流れと平行な方向に長く前記チャンバーの内部に配置され、前記電源供給装置と電気的に連結され、低温プラズマを発生させるエミッタ、
前記エミッタと前記電源供給装置を電気的に接続し、前記エミッタが前記チャンバーの内部中央に配置されるように支持するロッド、および
前記ロッドと前記チャンバーを電気的に絶縁させ、前記ロッドと前記チャンバーとの間で発生するアーキング現象を防止する絶縁体、を有
し、
前記ロッドは、前記チャンバーの内面の一側から前記チャンバーの中心まで延びる垂直ロッド、と、前記チャンバーの中心に沿って延び、前記エミッタが結合された水平ロッド、とを有し、
前記絶縁体は、前記チャンバーの内面の一側から前記垂直ロッドを覆い、前記水平ロッドから前記エミッタの垂直高さ(h)の1/2以下に設定された高さ(h)だけ垂直ロッドが露出する長さで備えられることを特徴とする低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項2】
前記エミッタの表面積と前記エミッタの長さに対応する前記チャンバーの内面の面積の最も好ましい比率は1:1であることを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項3】
前記エミッタは、表面が炭素ナノチューブでコーティングされて備えられることを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項4】
前記エミッタに備えられる前記先端は、
円錐、半球、楕円半球、円柱、角錐、角錐台および角柱から選択される少なくとも1つの形状を有する第1の先端形状、
前記第1の先端形状の横面の全部または一部が、円形または楕円形を含む曲面からなる形状を有する第2の先端形状、および
前記第1の先端形状及び第2の先端形状の横面にねじ山、ねじ溝または鋸歯が螺旋状に上部から下部までまたはその一部に形成される形状を有する第3の先端形状、の中から選択された少なくとも1つの形状で備えられたことを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項5】
前記エミッタと前記ロッドを連結する支持台、および
前記エミッタの長手方向に両端に備えられ、前記エミッタの内部を遮蔽するカバー、を有することを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項6】
前記エミッタは、複数個備えられ、
前記複数のエミッタは、長さと垂直高さを異にし、前記チャンバーの長手方向に複数個が順次配置され、
前記複数のエミッタは、前記処理対象ガスの流れ方向に下流に行くほど長さが長いものが配置されるか、垂直高さが小さいものが配置されることを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項7】
前記絶縁体は、複数個が備えられており、
前記複数の絶縁体のうち先頭の前記絶縁体は、電圧が印加されないダミー絶縁体を配置し、
先頭の後ろの前記絶縁体に前記処理対象ガスが直接接触することを防止することにより、先頭の後ろの前記絶縁体の表面に前記処理対象ガスに含まれた汚染源及び水蒸気が溜まることを防止することを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項8】
前記エミッタは、複数個備えられており、
前記複数のエミッタは、
前記チャンバーに似た形状の管体で構成され、直径または大きさを異にし、前記チャンバーの半径方向に重なって同心円上または同一中心点上に配置され、
前記複数のエミッタは、等間隔を有することを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項9】
汚染物質を含む室内空気、外気または排出ガスからなる処理対象ガスが内部に流れる管体であって、接地電源が接続されるチャンバー、
前記チャンバーの外側に配置され、直流または交流に設定された大きさの電圧を連続的に印加する電源供給装置、
外面にプラズマを発生するための複数の先端が形成された中空管体であって、前記処理対象ガスの流れと平行な方向に長く前記チャンバーの内部に配置され、前記電源供給装置と電気的に連結され、低温プラズマを発生させるエミッタ、
前記エミッタと前記電源供給装置を電気的に接続し、前記エミッタが前記チャンバーの内部中央に配置されるように支持するロッド、および
前記ロッドと前記チャンバーを電気的に絶縁させ、前記ロッドと前記チャンバーとの間で発生するアーキング現象を防止する絶縁体、を有し、
前記チャンバーは、
内面一側から外部に向かって凸状に形成された空間であるアーキング防止チャンバー、を有し、
前記ロッドは、
前記アーキング防止チャンバーの内面の一側から前記チャンバーの中心まで延びる垂直ロッド、と、前記チャンバーの中心に沿って延び、末端に前記エミッタが結合される水平ロッド、を有し、
前記アーキング防止チャンバーは、前記水平ロッドと前記アーキング防止チャンバーの内面間の最短距離を前記チャンバーの半径と等しいまたは大きく形成し、前記アーキング防止チャンバーと前記水平ロッドとの間のアーキングを防止することを特徴とす
る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項10】
前記チャンバーは、その内面から中心点まで設定された長さ(b)を有し、
前記絶縁体の長さ(a)は、前記設定された長さ(b)よりも大きいまたは同じ長さで備えられ、
前記アーキング防止チャンバーと前記チャンバーが接触する角から前記垂直ロッドまでの水平長さ(c)は、前記水平ロッドの設定された長さよりも短いまたは等しい長さで備えられたことを特徴とする請求項
9に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項11】
前記アーキング防止チャンバーは、
前記処理対象ガスの流れ方向の断面が円形、楕円形及び多角形の一部を形成する形状の中から選択されるものであることを特徴とする請求項
9に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項12】
前記アーキング防止チャンバーは、
前記チャンバーの周囲に沿って循環して環状に全部または一部に設けられることを特徴とする請求項
9に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項13】
前記ロッドは、前記チャンバーの内面の一側から前記チャンバーの中心まで延びる垂直ロッド、と、前記チャンバーの中心に沿って延び、末端に前記エミッタが結合された水平ロッド、とを有し、
前記絶縁体は、前記チャンバーの内面の一側から前記垂直ロッド端まで全体を覆い、
ステンレススチール、銅を含む金属導体を材質とし、前記水平ロッドの位置から設定された高さ(H)以下の長さで、前記絶縁体の外面を覆う絶縁体の下部外皮、とステンレススチールと銅を含む金属導体を材質とし、前記チャンバー内面の一側から設定された高さ以下の長さで、前記絶縁体の外面を覆う絶縁体の上部外皮、のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項14】
前記絶縁体の上部外皮および絶縁体の下部外皮のうちいずれかのみを含む場合、その長さはエミッタの垂直高さ(h)の1/2以下であり、前記絶縁体の上部の外皮および絶縁体の下部外皮を全部含む場合も、その長さの和は、前記エミッタの垂直高さ(h)の1/2以下であることを特徴とする請求項
13に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項15】
前記電源供給装置であって、
直流を供給する場合、予め設定された時間の周期によって、前記設定された直流の極性を反転して供給することにより、前記処理対象ガスに含まれ、前記チャンバー内部に吸着された汚染源を振り落とすことを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項16】
前記チャンバーの前記処理対象ガスの流動経路上に配置され、前記処理対象ガスの流れ方向の垂直断面全体を複数個に区画する単位チャンバー束、を有し、
前記単位チャンバー束を構成する複数の単位チャンバーは、互いに同一形状の断面を有し、
前記エミッタは、前記複数の単位チャンバーのそれぞれの内部中央に配置され、
前記エミッタの外面は、前記単位チャンバーの内面に似た形状で備えられ、
前記エミッタは、前記エミッタの外面の任意の位置から単位チャンバー内面への最短距離が常に一定の位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【請求項17】
前記垂直ロッドまたは前記水平ロッドは、長手方向に2つ以上に分離して備えられ、
分離された前記垂直ロッドまたは前記水平ロッドが長手方向に連結されるように挿入されて配置された絶縁部材、をさらに含み、
前記絶縁部材は、分離された前記水平ロッドまたは垂直ロッドの間に設定された限界電圧よりも大きい電圧が印加されると、分離された前記水平ロッドまたは垂直ロッド間に電流が円滑に流れるようにし、分離された前記水平ロッドまたは垂直ロッド間に設定された限界電圧以下の電圧が印加されると、分離された前記水平ロッドまたは垂直ロッド間の電流の流れを遮断することを特徴とすることを特徴とする請求項
13に記載の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置に関し、具体的には低温プラズマの発生効率を高めるアーキング防止及び制御構造を有し、工場や人口密集都市の空気と、建物や工場、農畜産施設の室内空気、外気およびLNG石炭などの化石燃料発電所の排出ガスと、内燃機関から排出されるガス中の粒子状物質または揮発性有機物質(VOCs)のような汚染物質を低減させる低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示に関連する背景技術は、必ずしも公知技術を意味するものではない。低温プラズマを用いた一般的な汚染物質低減装置は、チャンバーとエミッタが主な構成からなり、汚染物質とは、室内空気、外気中の汚染物質または排出ガス中の粒子状物質などのような汚染物質を意味する。管体のチャンバーに外気や室内空気または排出ガスが流れ込み、チャンバーの内側にエミッタが配置される。エミッタは高電圧が印加されると、チャンバーとエミッタ間の放電現象が発生し、電子が放出される。
【0003】
このように高速で放出された電子は、外気や室内空気または排出ガスに含まれる汚染物質と衝突し、衝突した汚染物質は、電子、イオン、中性粒子が混合されたプラズマで生成される。エミッタに印加される高電圧は、漏洩(leakage)なくエミッタに印加されなければならない。高電圧が漏洩するとエミッタとチャンバー間の電圧が低下し、プラズマの発生効率が急激に低下することがある。特に、チャンバーとエミッタ間の放電の他に、エミッタをチャンバー内に配置して支持するロッドとチャンバー間でアーキング(arcing)現象が発生すると、エミッタでの放電現象が弱まり、低温プラズマの発生効率が急速に低下する。
【0004】
また、強いアーキング現象は、チャンバーとロッドの表面に損傷を与える可能性がある。さらに、上述したチャンバーとロッドの問題点の他に、高電圧を発生する電源供給装置の疲労度が持続的に増大し、損傷や故障により動作不能状態に陥るという、より深刻な問題が発生するおそれがある。また、ロッドの外面を覆って漏電を防止する絶縁体の表面に、外気や室内空気または排出ガス中の汚染物質または水蒸気が一定限度以上溜まると、絶縁体の表面に溜まった汚染源、水蒸気に乗って微弱に流れ、汚染源を除去する電流以外の、表面に溜まった汚染源、水蒸気に誘導されるアーキングも発生するが、このようなアーキングも同様にロッドとチャンバー間のアーキングと同じ問題点を有する。
【0005】
しかし、絶縁体の表面に誘導されるアーキングは、電力消費の大小にかかわらず、全部インセレータの表面に溜まった汚染源と水蒸気を除去する効果がある。アーキングの問題は、アーキングで消費される電力の多い少ないによって、エミッタ印加電圧の低下をもたらし、エミッタ印加電圧が一定限度以上低下すると、プラズマ発生効率が低下し、このことは結局、外気や室内空気または排出ガス中の汚染源を除去する効率の低下を招く。
【0006】
したがって、アーキングを適切な方法で防止し制御し、すなわち、強いアーキングを防止し、アーキングに必要な電流を一定限度以内に調節し、低電流の弱いアーキングを誘導することにより、エミッタに印加される電圧を一定レベル以上維持し、プラズマ発生効率は、正常レベルを維持しながら同時に絶縁体表面の汚染源と水蒸気を迅速に除去することができる構造と装置が必要である。電圧の一定レベル以上は、好ましくは規定された電圧の90%以上である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質を低減する低温プラズマ低減装置に関する。本発明は、高電力消費の強いアーキングを防止し、低電力消費の弱いアーキングを誘導し、低温プラズマ発生効率の低下を防止するエミッタ構造を有する低温プラズマを用いた汚染物質低減装置に関する。本発明は、高電力消費の強いアーキングによる低温プラズマ発生効率の低下を防止し、低電力消費の弱いアーキングを誘導するチャンバー構造を有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または 排出ガス中の汚染物質低減装置に関する。本発明は、高い電力消費の強いアーキングによる低温プラズマ発生効率の低下を防止し、低電力消費の弱いアーキングを誘導する装置と構造を有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここでは、本発明の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲またはすべての機能の包括的な開示ではない。
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、汚染物質を含む室内空気、外気または排出ガスからなる処理対象ガスが内部に流れる管体であり、接地電源が接続されるチャンバー、該チャンバーの外部に配設され、直流または交流に設定された大きさの電圧を連続的に印加する電源装置、外面にプラズマを発生させるための複数の先端(cusp)が形成された中空管体であって、前記処理対象ガスの流れと平行な方向に長くチャンバー内部に配置され、前記電源供給装置と電気的に連結され、低温プラズマを発生させるエミッタ、該エミッタと前記電源装置とが電気的に連結され、前記エミッタが前記チャンバーの内部中央に配置されるように支持するロッド、および前記ロッドと前記チャンバーとを電気的に絶縁させ、前記ロッドと前記チャンバーとの間で発生するアーキング(arcing)現象を防止するための絶縁体、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタの表面積と前記エミッタの長さに対応する前記チャンバー内面の面積の最も好ましい比率は1:1である。
【0011】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタに備えられる前記先端は、円錐、半球、楕円半球、円柱、角錐、角錐台および角柱から選択される少なくとも1つの形状を有する第1の先端形状、該第1の先端形状の横面の全部または一部が円形または楕円形を含む曲面からなる形状を有する第2の先端形状、および前記第1の先端形状および第2の先端形状の横面に、ねじ山、ねじ溝または鋸歯がらせん状に上部から下部までまたはその一部に形成される形状を有する第3の先端形状、から選択された少なくとも1つの形状で具備される。
【0012】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、表面が炭素ナノチューブ(Carbon Nano Tube)でコーティングされて具備されていることができる。
【0013】
本発明の一態様による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記エミッタと前記ロッドとを連結する支持台、および前記エミッタの長手方向に両端に備えられ、前記エミッタの内部を遮蔽するカバーを有することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、複数個備えられ、前記複数のエミッタは、長さと垂直高さを異にして、前記チャンバーの長手方向に複数個が順次配置され、前記複数のエミッタは、前記処理対象ガスの流れ方向に下流に行くほど長さが長いものを配置してもよく、垂直高さが小さいものを配置してもよい。
【0015】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記絶縁体は、複数個備えられ、前記複数の絶縁体のうち、先頭の絶縁体には電圧が印加されないダミー絶縁体(dummy insulator)が配置され、先頭の後ろの絶縁体に前記処理対象ガスが直接接触することを防止することによって、先頭の後ろの前記絶縁体の表面に前記処理対象ガスに含まれる汚染源及び水蒸気が溜まることを防止することができる。
【0016】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、複数個備えられており、前記複数のエミッタは、前記チャンバーと相似形の管体で備えられるが、直径または大きさを異にして、前記チャンバーの半径方向に重なり合って同心円上または同一中心点上に配置され、前記複数のエミッタは同間隔を有することができる。
【0017】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記チャンバーの外部から内部へ細い円形チューブを少なくとも含む様々な形態の管体で連結されて設けられており、前記処理対象ガスの流れ方向を基準に前記絶縁体の上流に配置され、前記チャンバーの外側から前記絶縁体または前記絶縁体の上流または前記絶縁体の前面部のうちの少なくともいずれかに向かって圧縮空気を噴射するエアカーテン部、を有することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、前記処理対象ガスの流れ方向を基準に下流に、バナジウム(vanadium)、ゼオライト(zeolite)および金属触媒からなる群から選択される1つ以上の材料を含む窒素酸化物低減金属触媒装置を配置し、前記金属触媒装置は、前記処理対象ガスに含まれる窒素酸化物との反応を促進させて、前記処理対象ガス中の窒素酸化物を低減することができる。
【0019】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記エミッタの前記処理対象ガスの流れ方向を基準に下流に酸化マンガン(MnOx)触媒、二酸化チタン(TiO2)触媒またはゼオライト触媒および他の金属触媒からなる群から選択される1つ以上の材料を含むオゾン除去金属触媒装置を配置し、前記オゾン除去金属触媒装置は前記処理対象ガスに残留するオゾンを低減することができる。
【0020】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記の窒素酸化物低減金属触媒装置は、前記のエアカーテン部と共に設けられ、前記エアカーテン部から噴射される前記圧縮空気に含まれる窒素および酸素を用いて、前記窒素酸化物低減装置の金属触媒と前記処理対象ガスに含まれる窒素酸化物の低減反応を促進させることができる。
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記ロッドは、前記チャンバーの内面の一側から前記チャンバーの中心まで延びる垂直ロッド、と、前記チャンバーの中心に沿って延び、末端に前記エミッタが結合された水平ロッドとを有し、前記絶縁体は、チャンバーの内面の一側から垂直ロッドを覆い、水平ロッドからエミッタの垂直高さ(h)の1/2以下に設定された高さ(h)だけ垂直ロッドが露出する長さに具備されてもよい。
【0021】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記チャンバーは、内面一側から外部に向かって凸状に形成された空間であるアーキング防止チャンバー、を有し、前記ロッドは、前記アーキング防止チャンバーの内面の一側から前記チャンバーの中心まで延びる垂直ロッド、と、前記チャンバーの中心に沿って延び、末端に前記エミッタが結合される水平ロッド、とを有し、前記アーキング防止チャンバーは、前記水平ロッドと塩基アーキング防止チャンバー内面間の最短距離を前記チャンバーの半径と等しくまたは大きく形成することによって、前記アーキング防止チャンバーと前記水平ロッド間のアーキングを防止することができる。
【0022】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記チャンバーはその内面から中心点まで設定された長さ(b)を有し、前記絶縁体の長さ(a)は、前記設定された長さ(b)よりも大きいまたは同じ長さで備えられ、前記アーキング防止チャンバーと前記チャンバーとが接する角から垂直ロッドまでの水平長さ(c)は、前記水平ロッドの所定長さよりも短いまたは同じ長さで具備されることができる。
【0023】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記アーキング防止チャンバーは、前記処理対象ガスの流れ方向の断面が円形、楕円半球および多角形の一部分を形成する形状の中から選ばれたものである。
【0024】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記アーキング防止チャンバーは、前記チャンバーの周囲に沿って循環して環状に設けることができる。
【0025】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、前記処理対象ガスの流れ方向を基準に前記絶縁体の下流に位置し、前記エミッタ側の前記絶縁体面に前記処理対象ガスが直接接触しないようにすることによって、前記処理対象ガスに含まれた汚染源及び水蒸気が溜まることを防止することができる。
【0026】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記絶縁体は、その表面に前記汚染源及び前記水蒸気が溜まることを防止するまたはその表面に溜まった前記汚染源および水蒸気を除去できる絶縁体清掃手段をさらに含む。
【0027】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記絶縁体は、複数個設けられ、前記複数の絶縁体の後方に配置されるチャンバーが狭くなったり、曲がった場合に発生する前記処理対象ガス渦または逆流、並びにそれによって前記処理対象ガス中の汚染源が、前記複数の絶縁体に溜まることを防止するために、一番最後の前記絶縁体の後方に少なくとも一つの前記絶縁体を設けることができる長さのチャンバーを有することができる。
【0028】
本発明の一態様による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記ロッドは、前記チャンバーの内面一側から前記チャンバーの中心まで延びる垂直ロッド、と、前記チャンバーの中心に沿って延び、末端に前記エミッタが結合された水平ロッド、を有し、前記絶縁体は、前記チャンバーの内面の一側から前記垂直ロッド縁端まで全体を覆うが、ステンレス鋼、銅を含む金属導体を材質とし、前記水平ロッドの位置から設定された高さ(H)以下の長さで前記絶縁体の外面を覆う絶縁体下部外皮、のうちの少なくともいずれかを含むことができる。
【0029】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記絶縁体上部外皮及び前記絶縁体下部外皮のいずれかのみを含む場合、その長さは前記エミッタの垂直高さ(h)の1/2以下であり、前記絶縁体上部外皮及び前記絶縁体下部外皮の両方を含む場合も、その長さの和は、前記エミッタの垂直高さ(h)の1/2以下である。
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記チャンバーの外面を覆って、内部に発熱絶縁体として備えられたり、発熱装置を含み、前記処理対象ガスが生成され始める時点で、前記処理対象ガスに含まれる水蒸気の凝縮によるアーキングを防止することができる。
【0030】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、前記処理対象ガスの流れ方向に沿って垂直ロッドの前方及び後方に同時に備えられることができる。
【0031】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記絶縁体は、その上部と下部の電気絶縁材料を異にして製造またはその外部と内部の絶縁材料を異にして製造する、2つ以上の電気絶縁材料で製造することができる。
【0032】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記電源供給装置として、直流を供給する場合、予め設定された時間の周期によって、前記設定された直流の極性を反転して供給することにより、前記処理対象ガスに含まれ、前記チャンバー内に吸着された汚染源を落とすことができる。
【0033】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記チャンバーの前記処理対象ガス流動経路上に配置され、前記処理対象ガス流れ方向の垂直な断面全体を複数個区画する単位チャンバー束、を有し、前記単位チャンバー束を構成する複数の単位チャンバーは、互いに同じ形状の断面を有し、前記エミッタは、前記複数の単位チャンバーのそれぞれの内部中央に配置され、前記エミッタの外面は、前記単位チャンバーの内面に似た形状に備えられ、前記エミッタは、前記エミッタの外面の任意の位置から単位チャンバーの内面への最短距離は、常に一定の位置に配置される。
【0034】
本発明の一態様による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記エミッタは、前記処理対象ガスの流れ方向に沿って前記垂直ロッドの前方と後方に同時に一対で備えられてもよい。
【0035】
本発明の一態様に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、前記水平ロッドまたは前記垂直ロッドを分離し、その間に前記水平ロッドまたは垂直ロッド径と同じまたは小さい、楕円体、多面体を少なくとも含む形状のうちのいずれから選択される形状の絶縁物質を密接に配置した前記水平ロッドまたは垂直ロッドであって、前記電源供給装置において、前記水平ロッドまたは垂直ロッドに設定された電圧が印加されると電流がスムーズに流れるが、設定された電圧の一定の限界値以下の電圧が印加されると、前記分離された水平ロッドまたは垂直ロッドとその間に配置された絶縁材料によって電源供給が遮断される電流遮断絶縁部材、と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、エミッタを管体として備えることにより、エミッタの重量を軽く製造することができ、さらにプラズマ発生表面積を拡大させ、プラズマ発生効率を向上させることができる。本発明によれば、管体型のエミッタを用いてアーキングによるプラズマ発生効率の低下を防止することができる。
【0037】
本発明によれば、絶縁体の先頭にダミー絶縁体を設けることにより、アーキングによるプラズマ発生効率の低下を防止することができる。
【0038】
本発明によれば、管内に複数個のチャンバーを設けることにより、アーキングによるプラズマ発生効率の低下を防止することができる。
【0039】
本発明によれば、エアカーテン構造を採用することにより、絶縁体表面でのアーキングを防止し、アーキングによるプラズマ発生効率の低下を防止することができ、さらに注入された空気と触媒を用いて窒素酸化物(NOx)低減効率を高めることができる。
【0040】
本発明によれば、絶縁体が配置される部位のチャンバーの外部へ凸状のアーキング防止チャンバーを採用することにより、アーキングが主に発生するロッドとチャンバー間の距離を管体型エミッタとチャンバーとの距離よりも相対的に遠方に位置付けすることによって、これらの間のアーキングを防止することによってアーキング防止効果を向上させることができる。
【0041】
本発明によれば、絶縁体清掃手段を採用することによって絶縁体表面の汚染物質または水蒸気を除去し、これらによって発生するアーキングを防止することによりプラズマ発生効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を説明する図である。
【
図4】カバーと支持台の様々な実施形態を示す図である。
【
図5】本発明による順次配置された複数のエミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図6】本発明による同心円上に配置された複数のエミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図7】本発明に係るエアカーテン部を有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図8】本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の他の一実施形態の処理対象ガスの流れ方向の断面を示す図である。
【
図9】本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の他の様々な実施形態の処理対象ガスの流れ方向の断面を示す図である。
【
図10】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態の図である。
【
図11】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図12】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図13】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図14】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図15】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図16】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図17】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図18】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図19】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図20】本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【
図21】
図10の逆方向エミッタが順次配置された低温プラズマを用いた室内空気、外気中または排出ガス中の汚染物質低減装置の様々な実施形態を示す図である。
【
図22】
図10の逆方向エミッタが順次配置された低温プラズマを用いた室内空気、外気中または排出ガス中の汚染物質低減装置の様々な実施形態を示す図である。
【
図23】本発明によるエミッタ上部外皮及びエミッタ下部外皮を有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図24】本発明による水蒸気除去手段を備えた低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態の図である。
【
図25】本発明による双方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態の図である。
【
図26】本発明による様々なチャンバーを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の様々な実施形態を示す図である。
【
図27】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図28】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図29】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図30】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図31】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図32】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図33】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図34】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図35】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【
図36】本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置を備えた実施形態を図面に参照し、詳細に説明する。
【0044】
ただし、本発明の本質的な(intrinsic)技術的思想は、以下に説明する実施形態によりその実施可能形態が制限されるものではなく、本発明の本質的な(intrinsic)技術的思想に基づいて通常の技術者によって以下に記載された実施形態を置換または変更の方法で容易に提案され得る範囲を包含することを明らかにする。また、以下で使用する用語は、説明の便宜上、選択したものであるため、本発明の本質的な(intrinsic)技術的思想を把握する上で、辞書的意味に限定されず、本発明の技術的思想に符合する意味として適宜解釈されるべきである。
【0045】
図1は、本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を説明する図であり、
図2は、
図1のA領域を拡大した図である。
図1は、チャンバー100の一部を切開し、除去した状態を示すものである。
【0046】
図1と
図2から確認できるように、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、チャンバー100、電源供給装置200、エミッタ300、ロッド400および絶縁体500を有する。チャンバー100は、室内空気、外気と排出ガスが内部へ流動する1管体であり、接地電源が接続される。電源供給装置200は、チャンバー100の外部に配置され、直流または交流に設定された電圧を連続的に印加する。
【0047】
エミッタ300は、中空の管体として備えられ、外面にプラズマを発生させための複数の先端(cups)を有する。エミッタ300は、室内外の空気と排出ガスの流れ方向と平行な方向に長くチャンバー100の内部に配置され、電源供給装置200と電気的に連結される。エミッタ300は、チャンバー100との電圧差によって低温プラズマを生成する。
【0048】
ロッド400は、エミッタ300と電源供給装置200が電気的に連結され、エミッタ300がチャンバー100の内部中央に配置されるように支持する。絶縁体500は、ロッド400とチャンバー100を電気的に絶縁させ、ロッド400とチャンバー100間で発生するアーキング現象を防止する。
【0049】
図1と
図2を参照すると、本発明に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、中空の管体として備えることによって丸棒型に比べて大きく且つ軽量に製造することができる長所がある。電子は、導体の表面を流れる。したがって、エミッタ300の表面積が大きくなるほど、より大きいプラズマ発生面積を具現することができる。すなわち、プラズマ発生面積を拡張するためには、
図1と
図2に示す本発明による管体型エミッタ300がより効果的である。また、本発明によるエミッタ300は、先端310を有することにより、エミッタ300の表面積をより広くし、さらに先端310から円滑なプラズマ発散がなされる。
【0050】
エミッタ300の外面に形成された先端310が形成されると、エミッタ300の大きさが大きくなるほど、チャンバー100の内面との間隔は狭くなる。
これに対して、エミッタ300の大きさが大きくなっても、ロッド400とチャンバー100間の距離は変動しない。電気(電子)の流れは、電気のアノードとカソード間の最短距離で発生するので、ロッド400とチャンバー100間よりも比較的、相当間隔が狭くなった先端310の突出した縁端とチャンバー100との間に電気が流れるようになり、その結果、エミッタ300からの円滑な放電現象としてプラズマも同様に円滑に発生する。
【0051】
また、
図1と
図2を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、エミッタ300の表面積とエミッタ300の長さに対応するチャンバー100内面の面積の最も好ましい比率は1:1である。しかし、エミッタ300はチャンバー100の内部に配置されるので、エミッタ300の表面積はほとんどの場合、チャンバー100内部の正射影面積よりも小さい。したがって、エミッタ300の表面積とエミッタ300の長さに該当するチャンバー100の内面の最も好ましい比率が1:1の比率に近いほど低温プラズマ発生効率が上昇する。
【0052】
これのために、先端310を含むエミッタ300の表面に高い比表面積を有する炭素ナノチューブ(CNT)をコーティングすることが好ましい。これによれば、炭素ナノチューブ(CNT)によってエミッタ300の表面積が広がり、低温プラズマの発生効率が上昇させ、且つプラズマ発生時に生成されるオゾン(Ozone)の発生を抑制することができる。エミッタ300管体の垂直高さ(h)が高くなるほど、また、先端310の表面積を広くしたり、先端部310の個数を増やすほど、この比率は1:1により近いまたは等しくなる。エミッタ300の高さ方向の断面が円形であるとき、エミッタ300の垂直高さ(h)はその円形の直径である。
【0053】
また、本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、チャンバー100とエミッタ300の高さ方向の断面形状は、円形、楕円形または多角形の形状であってもよい。本発明に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、汚染物質は、第一に、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン及びボイラー等の内燃機関、外燃機関の処理対象ガス中に含まれる汚染物質と、第二に、工場建物、農畜産施設などの汚染された室内空気、第三に、これらが密集した地域の汚染された大気中に存在する汚染物質を含むことができる。
【0054】
図3は、先端形状の様々な実施形態を示す図である。
図3を参照すると、エミッタ300に備えられた先端310は、円錐1100、半球及び楕円半球1400、円柱1410、角柱1110、角錐台1200、角柱1300を含む第1の先端形状と、第1の先端形状の横面の全部または一部が平面ではない円形、楕円形などの曲面からなる1500、第2の先端形状と、第1の先端形状と第2の先端形状の横面にねじ山、ねじ溝または鋸歯が螺旋状に上段から下段まで形成された1600は、第3の先端形状及び第1の先端形状、第2の先端形状、第3の先端形状の組み合わせからなる形状を有する。
【0055】
「第1の先端形状、第2の先端形状、第3の先端形状の組み合わせからなる形状」とは、複数の先端310が様々な形状を有する先端310で構成されたものを意味し、もちろん、それぞれの先端310の形状が様々な形状の組み合わせにより形成されることができることを含む。
【0056】
すなわち、先端310の形状は、円錐、半球、楕円半球、球と円柱、四角錐、四角錐台のような円柱、楕円柱、角錐、角柱及びこれらの形状の横面の全部または一部が平面でない円形、楕円形などの曲面からなる形態の形状およびこれら形状の横面にねじ山、ねじ溝または鋸歯が螺旋状に上段から下段までまたはその一部に形成された形状と、並びにこれに加えて、これらの派生型のこれらの形状の頂点分割、上断面分割、上断面中心点の凹凸、またはこれらの形状の組み合わせのような変形を含む。
【0057】
図4は、カバーと支持台の様々な実施形態を示す図である。
図4を参照すると、本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、支持台320及びカバー330を有する。支持台320は、単数または複数個、エミッタの内側または端部に設けられ、ロッド400とエミッタ300とを連結する。カバー330は、エミッタ300の長手方向に処理対象ガスの流れ方向に前方の一端または両端に備えられ、エミッタ300の内部を遮蔽する。
【0058】
また、カバー330がエミッタ300とロッド400を連結することもできる。カバー330は、円錐形、半球形、平坦型を少なくとも含むカバーを設けることもでき、このカバー330は、エミッタ300の管状の内部へ処理対象ガスが流入されることを遮ることができる。
【0059】
図5は、本発明による順次配置された複数のエミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図5は、チャンバー100の一部を切開し、除去した状態であり、エミッタ300の外面の先端を省略して示した。
【0060】
図5を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、複数のエミッタ300が、長さと垂直高さ(h)を異にしてチャンバー100の長手方向に順次配置される。このとき、複数のエミッタ300は、処理対象ガスの流れ方向1の下流に行くほど、長さが長いものを配置するか、垂直高さの短いものを配置する。
【0061】
エミッタ300の垂直高さは、エミッタ300の垂直高さ方向の形状が円形の場合、直径とすることができる。複数個のエミッタ300を直列に配置し、処理対象ガス中の汚染物質を順次低減する場合、エミッタ300の長さと垂直高さをエミッタの配置順序に従って異に製造することによって、前段に配置するエミッタ300は長さが短く、垂直高さ(h)は大きくなる。よって、先端310とチャンバー100の内面間の距離が短くなり、印加される電圧を低くすることができる。
【0062】
これは電源供給装置200の疲労度を低減させ、寿命を延ばすことができ、ロッド400とチャンバー100間の不要なアーキングを防止することができる。すなわち、配置された低減装置が先頭から先頭の後ろの低減装置に行くほどエミッタ300の長さをより長くすることで、直列配置された順に従った先頭の低減装置の疲労度を低減することができ、よって、先頭に配置されるエミッタ300が最も短く、最後に位置するチエミッタが最も長い。
【0063】
同様に、エミッタ300の垂直高さ(h)の大きさも、低減装置の設置順序に従って最も先頭から後方に行くほどエミッタ300の垂直高さ(h)をより小さくすることで、先頭の低減装置の疲労度を低減させることができる。エミッタ300の垂直高さ(h)が大きくなるほど、印加電圧は逆に低く供給することができる。先頭に配置されるエミッタ300が最も直径が大きく、最後に位置するエミッタ300が最も小さい。
【0064】
したがって、エミッタ300の垂直高さ(h)と長さを調整する場合、チャンバー100の高さとエミッタ300の垂直高さ(h)、長さなどを考慮し、電源供給装置がそれぞれのエミッタ300に合わせて印加電圧を調整し、供給することによって、アーキングを防止し、低減効率を高めることができ、且つ、電源供給装置200の疲労度を低減させることができる。
【0065】
また、
図5を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体は複数個備えられ、複数の絶縁体のうち先頭の絶縁体は電圧が適用されていないダミー絶縁体(dummy insulator、500a)を配置する。ダミー絶縁体500aは、先頭の後ろの絶縁体に処理対象ガスが直接接触することを防止することによって、先頭の後ろの絶縁体の表面に処理対象ガスに含まれる汚染源が溜まることを防止する。
【0066】
また、ダミー絶縁体500aは、先頭の後ろの絶縁体周辺の処理対象ガス中の汚染源濃度の増加により発生する不要なアーキングを防止することができる。また、
図5において処理対象ガス方向に一列に配置された複数の絶縁体の後方に連結されるチャンバーが狭くなったり曲げられて背圧(back pressure)が発生した場合、最縁端の絶縁体の後方に、少なくとも絶縁体1つまたはそれ以上を設けることができる距離である後方離間距離を確保し、チャンバーを連結して初めて、処理対象ガス渦または逆流、そしてこれにより処理対象ガス中の汚染源が絶縁体に溜まることを防止し、これによるアーキングを防止することができる。
【0067】
このとき、1つまたはそれ以上の絶縁体を設けることができる距離において、1つの絶縁体の距離は、一列に配置された複数の絶縁体から隣接する2つの絶縁体間の距離である。また、一列に配置された複数の絶縁体の後方に連結されるチャンバーが狭くなったり曲げられた形状の場合、その狭くなる程度または曲げられた角度が大きいほど、上述した後方離間距離は長くなる。
【0068】
すなわち、一列に配置された複数の絶縁体の後方に連結されるチャンバーの形状が複数の絶縁体が配置されたチャンバーの形状と異なる程度が大きい場合には後方離間距離を長くすることによって、処理対象ガス渦または逆流、並びにそれによって処理対象ガス中の汚染源が絶縁体に溜まることを防ぐために、後方離間距離だけの空間を確保することが好ましい。
【0069】
図6は、本発明による同心円上に配置されたエミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図6は、チャンバー100の一部を切開し、除去した状態であり、エミッタ300の外面の先端は省略して示した。
【0070】
図6を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、エミッタ300は、互いに直径を異にする複数の円筒形管体、楕円状管体または大きさの異なる相似形の多角形管体として備えられるが、チャンバー100の半径方向に重なり合って同心円状または同一中心点上に配置され、これらの複数のエミッタは同じ間隔を有する。このとき、チャンバー100は、同心円上または同一中心点上に配置された複数のエミッタ300と同じ断面形状を有する。
【0071】
チャンバー100流体の流れ方向の垂直切断面からみたとき、チャンバーの中心からチャンバー間に一定の間隔を維持する同心円からなる管体エミッタ300を重々設け、最も内側のエミッタ300から最外側へ行くほど次第に電圧を下げて印加し、同等の電圧差を設け、それぞれのエミッタ300とエミッタ300または最終的に最も外部のエミッタ300とチャンバー100との間の電圧差が等しくなる構造である。
【0072】
このようなエミッタ300は、単数のエミッタ300であって、チャンバー100に電圧を印加するのではなく、それぞれエミッタ300間と最外部のエミッタ300とチャンバー100との間に当初の印加された電圧を「エミッタの個数」で割った差減電圧を計算してから、これを中心にして配置されたエミッタの順に従って、1番目のエミッタは当初の印加電圧であって、2番目のエミッタは当初の印加電圧から「差減電圧×1」を差し引いて印加し、3番目のエミッタは当初の印加電圧から「差減電圧×2」を差し引いて印加する方法で電源を供給する。
【0073】
これを数式で表すと、
(式1)エミッタの順序別に印加電圧=当初の印加電圧-差減電圧×(エミッタの順序-1)、
(式2)差減電圧=当初の印加電圧/エミッタの個数
である。ただし、絶縁体500は、複数のロッドがその中に埋め込まれ、各ロッドは、円形エミッタ300の場合、全てのエミッタ300が円の上部または下部にロッドが連結されたり、またはそれぞれのエミッタが絶縁体500内に備えられたロッドの溝に挿入され、絶縁体500内のロッドと連結される必要がある。
【0074】
図7は、本発明に係るエアカーテン部を有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図7を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、エアカーテン部700を有する。
【0075】
エアカーテン部700は、チャンバー100の外部から内部に細い円形チューブを含む様々な形態の管体に連結されて設けられる。また、エアカーテン部700は、処理対象ガスの流れ方向を基準として絶縁体500の上流に配置され、チャンバー100の外部から絶縁体500の前面部から絶縁体500のうち少なくともこれらのいずれかに向かって圧縮空気を噴射する。
【0076】
このようなエアカーテン部700は、絶縁体500の表面に処理対象ガス中の汚染物質が一定限度以上に溜まることを防止し、絶縁体500の表面の汚染物質を介して発生するアーキングを防止することにより、プラズマ発生効率の低下を防止する。
【0077】
外部の清浄な空気を絶縁体500の表面に強く吹き込むことで、絶縁体500の前段に一種のエアカーテン701が形成されて、絶縁体500の前段の表面に汚染物質が溜まることを防止し、絶縁体500表面の周囲の汚染物質濃度と水蒸気の濃度を下げて、周囲空気(ambient air)の絶縁破壊強度である30kVDC/cmの電圧が処理対象ガス中の汚染物質と水蒸気の高い濃度で処理対象ガスの絶縁破壊電圧が急激に低いレベル(例10kVDC/cm以下)の電圧に降下することを防止し、アーキングを防止するようになる。
【0078】
また、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、エアカーテン部700の下流に窒素酸化物低減金属触媒装置を配置することにより、金属触媒装置が圧縮空気に含まれる酸素、窒素と処理対象ガスに含まれる窒素酸化物との反応を促進させ、処理対象ガス中の窒素酸化物を低減することができる。
【0079】
窒素酸化物低減金属触媒装置は、金属材料の混合物として、好ましくはバナジウム(vanadium) およびゼオライト(zeolite)のうちの少なくともいずれかを含むことができる。
【0080】
本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、前記エミッタの下流にオゾン除去金属触媒装置を配置することによって、金属触媒が前記チャンバー内の処理対象ガスに残留するオゾンを低減することができる。また、オゾン除去金属触媒には、金属材料の混合物として、酸化マンガン(MnOx)、二酸化チタン(TiO2)、またはゼオライト(zeolite)のうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0081】
また、本発明に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、窒素酸化物低減金属触媒装置がエアカーテン部と共に設けることで、エアカーテン部から噴射される圧縮空気に含まれる窒素及び酸素を用いて、窒素酸化物低減装置の金属触媒と処理対象ガスに含まれる窒素酸化物の低減反応を促進させることができる。
【0082】
図8は、本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の他の一実施形態の処理対象ガスの流れ方向の断面を示す図である。
【0083】
図8を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、ロッド400は、垂直ロッド410と水平ロッド420を有する。垂直ロッド410は、チャンバー100の内面の一側からチャンバー100の中心まで延びている。さらに、水平ロッド420は、チャンバー100の中心に沿って延び、末端にエミッタ300が結合される。絶縁体500は、チャンバー100の内面の一側から垂直ロッド410を覆い、水平ロッド420から設定された高さ(h)だけ垂直ロッド410が露出する長さで備えられてもよい。設定された高さ(h)は、エミッタ300の垂直高さ(h)の1/2以下である。
【0084】
図9は、本発明によるアーキング防止チャンバーを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の他の様々な実施形態の処理対象ガスの流れ方向の断面を示す図である。
【0085】
図9を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置において、チャンバー100はアーキング防止チャンバー110を有する。アーキング防止チャンバー110は、チャンバー100の内面一側から外部に凸状に形成された空間である。このとき、ロッド400は、アーキング防止チャンバー110の内面一側からチャンバー100の中心まで延びる垂直ロッド410と、チャンバー100の中心に沿って延び、末端にエミッタが結合される水平ロッド420を有する。
【0086】
アーキング防止チャンバー110は、水平ロッド420とアーキング防止チャンバー110の内面間の最短距離を、チャンバー100の半径よりも大きく形成し、アーキング防止チャンバー110と水平ロッド420間のアーキングを防ぐことができる。
【0087】
また、
図9に示すように、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、チャンバー100は設定された長さ(b)を有する。このとき、絶縁体500の垂直ロッド410の上段からの長さ(a)は、設定された長さ(b)よりも等しいまたは同じ長さが好ましい。また、このとき、アーキング防止チャンバー110とチャンバー100とが接する角から垂直ロッド410までの水平長さ(c)は、水平ロッド420の設定された長さよりも等しいか短い。
【0088】
したがって、エミッタ300の正射影は、チャンバー100の内面に位置し、エミッタ300とチャンバー100間の距離は、水平ロッド420とアーキング防止チャンバー110の内面との間の距離よりも短くなり、水平ロッド420とアーキング防止チャンバー110との間のアーキングを防止する。アーキング防止チャンバー110は、処理対象ガスの流れ方向1の断面が円形、楕円形及び多角形の一部分を形成する形状の中から選択されたものであってもよい。また、アーキング防止チャンバー110は、チャンバー100の周囲に沿って循環して環状に全部または一部に設けられてもよい。
【0089】
図10は、本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図10によれば、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、エミッタ300は、処理対象ガスの流れ方向1の下流に位置する。
【0090】
これにより、エミッタ300側の絶縁体500の表面に処理対象ガスが直接接触せず、よって処理対象ガスに含まれる汚染源及び水蒸気が溜まることを防止することができ、これらにより発生するアーキングを防ぐことができる。本発明に係る逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置の絶縁体500は、処理対象ガスに含まれる汚染源及び水蒸気が絶縁体500の表面に溜まったもの501を防止するまたは溜まった汚染源および水蒸気を除去することができる絶縁体清掃手段をさらに含み得る。
【0091】
本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の他の実施形態では、絶縁体は、その上部と下部の電気絶縁材料を異にして製造する、またはその外部と内部の絶縁材料を異にして製造する、2つ以上の電気絶縁材料で製造することができる。一例として、絶縁体は、チャンバー内側に近い上側がアルミナセラミック材料で備えられ、水平ロッドに近い下側がセラミックガラスで備えられてもよい。他の形態として、絶縁体の中心は、セラミックガラスであって、外皮はアルミナセラミック材料で製造することができる。
【0092】
図11~
図20は、本発明による逆方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段の様々な実施形態を示す図である。
【0093】
図11に示すように、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段は、エミッタ300の反対側の絶縁体の表面に溜まる汚染源と水蒸気を除去できる毛羽810である。毛羽810は、棒状の支持台811の端部に固定することができる。支持台811は長手方向に回転し、汚染源と水蒸気の除去を容易にすることができる。また、毛羽810が絶縁体500に近接または離隔するように回転することができる。
【0094】
また、
図12と
図13によれば、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段は、絶縁体500を高温に保ち、その表面に溜まった汚染源と水蒸気を燃焼除去できる伝熱装置820である。
【0095】
伝熱装置820は、好ましくは、絶縁体500に内包した熱線または発熱体である、または絶縁体500の表面に巻かれた熱線または発熱体を用いた加熱方式である。伝熱装置820は、絶縁体500の全体または水平ロッドに隣接する一部のみを加熱することもできる。
【0096】
また、
図14~
図20を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、絶縁体清掃手段は、噴射型清掃装置である。
【0097】
図14、
図16、および
図18は、燃料噴射型絶縁体洗浄手段の一例である。
図15は、
図14の低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置を上側から見た図であり、
図17は、
図16の低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置を処理対象ガスが流入される方向から見た図である。
【0098】
図19は、
図18の低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置であって、絶縁体を処理対象ガスの排出方向から見た
図2500と上側から見た幅方向断面2600である。まず、
図14と
図15を参照すると、本実施形態に係る噴射型清掃装置は、チャンバー100の外部から絶縁体500の前面部の一部または全部に向かってガスを少なくとも含む燃料を噴射し、絶縁体500の表面に溜まった汚染源と水蒸気を燃焼して除去することができる。このとき、噴射型清掃装置900は、チャンバー100、および絶縁体500のうちの少なくともいずれかに噴射される燃料を点火する点火装置が備えられてもよい。
【0099】
図14と
図15の噴射型清掃装置は、チャンバー100の外側から内側に細い円形チューブを含む様々な形状の管体に連結されて設けられてもよく、処理対象ガスの流れ方向を基準にした絶縁体500の上流に配置することができる。
図16と
図17を参照すると、本実施形態に係る噴射型清掃装置は、アーキング防止チャンバー110の外部から絶縁体500の前面部の一部または全部に向かってガスを含む燃料を噴射し、絶縁体500の表面に溜まった汚染源と水蒸気を燃焼して除去することができる。
【0100】
このとき、噴射型清掃装置900は、チャンバー100、アーキング防止チャンバー110、および絶縁体500のうちの少なくともいずれかに噴射される燃料を点火する点火装置が備えられてもよい。
【0101】
次に、
図18と
図19を参照すると、本実施形態に係る噴射型清掃装置は、チャンバー100の外側に設けられた絶縁体500の一端からガスを含む燃料を運ぶ細いチューブ910または通孔(hole)が絶縁体500の内部に設けられ、上述したガスまたは燃料を噴射し、絶縁体500の表面を加熱することにより、絶縁体500の表面に溜まる汚染物質と水蒸気を燃焼して除去することができる。
【0102】
また、
図20を参照すると、絶縁体500は、自己気孔(pore)920を備え、ガスを含む燃料を噴射し、絶縁体表面に溜まる汚染物質と水蒸気を燃焼して除去することができる。
図21と
図22は、
図10の逆方向エミッタが順次配置された低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の様々な実施形態を示す図である。
【0103】
図21と
図22を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置では、逆方向エミッタが順次配置されることが確認することができる。
図21と
図22に示すように、逆方向エミッタが順次配置されることは、
図5に示す順次配置された複数のエミッタと同じであるので省略する。また、
図21と
図22に示すように、処理対象ガス方向1に一列に配置された複数の絶縁体500の後方に連結されるチャンバー101が狭くなったり曲げられて背圧(back pressure)が発生する場合、最縁端の絶縁体500の後方に、少なくとも絶縁体1つまたはそれ以上を設けることができる距離である後方離間距離D1、D2を確保し、チャンバー100を連結して初めて処理対象ガス渦または逆流、並びにこれにより処理対象ガス中の汚染源が絶縁体に溜まることを防止し、これによるアーキングを防止することができる。
【0104】
このとき、絶縁体500を1つまたはそれ以上を設けることができる距離は、一列に配置された複数の絶縁体500で隣接する2つの絶縁体間の距離である。
また、
図22を示すように、一列に配置された複数の絶縁体500の後方に連結されるチャンバー101が狭くなったり曲げられた形状であるとき、その狭くなる程度または曲げられた角度が大きいほど、上述した後方離間距離は長くなる。すなわち、一列に配置された複数の絶縁体の後方に連結されるチャンバー101の形状が、複数の絶縁体が配置されたチャンバーの形状と大きく異なる場合、後方離間距離を長くすることで、処理対象ガス渦または逆流、並びにこれにより処理対象ガス中の汚染源が絶縁体に溜まらないようにするためには、後方離間距離だけの空間を確保することが好ましい。
【0105】
図21では、後方離間距離D1が1つの絶縁体500の一つを設けることができる距離に設定されることを意味する。その反面、
図22では、絶縁体の後方に連結されるチャンバー101がチャンバー100の幅よりも大きく減少し、後方離間距離がD1+D2であって、後方離間距離D1が絶縁体500の2つを設けることができる距離に設定することができることを示した。
【0106】
図23は、本発明に係る絶縁体の上部外皮及び絶縁体の下部外皮を有する低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図23を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気または排出ガス中の汚染物質低減装置は、絶縁体500の外面を覆う上部外皮502及び下部外皮503のうちの少なくともいずれかをさらに含むことができる。
【0107】
上部外皮502は、ステンレス鋼と銅とを含む金属導体を材質とし、チャンバー内面の一側から設定された高さ以下の長さで絶縁体の外面を覆う。下部外皮503は、ステンレス鋼、銅を含む金属導体を材質とし、水平ロッドの位置から設定された高さ以下の長さで絶縁体の外面を覆う。上部外皮502は、好ましくは、チャンバー100と絶縁体500が締結される部位の絶縁体500の表面の周囲を一定の高さで覆い、チャンバー100の内面から離間して形成される絶縁体の上部外皮502を含む。
【0108】
絶縁体の上部外皮と下部外皮のうちのいずれかを単独で設ける場合、その高さ、または絶縁体の上部外皮と下部外皮を同時に設ける場合の、その高さの和の全部好ましくは、エミッタ垂直高さ(h)の二分の一(1/2)よりも小さくなければならない。このような構造を採用すれば、絶縁体の上部外皮502と絶縁体の下部外皮を通じてアーキングが容易に誘導されることによって、処理対象ガスに含まれる汚染源及び水蒸気が絶縁体500の表面に溜まるのを防止することができる。
【0109】
上部外皮502および下部外皮503は、小規模なアーキング発生現象を頻繁に発生させる意図的なアーキング発生構造である。絶縁体の表面に汚染物質、水蒸気が溜まるとアーキング現象が発生するが、溜まった汚染物質、水蒸気の量が多い状態でアーキング現象が発生すると、システム全体の電圧降下現象が発生するほどに電圧損失が大きく現れる。上部外皮502及び下部外皮503は、絶縁体の表面に溜まった汚染物質、水蒸気により発生するアーキング現象を、小さな電圧降下を伴う小規模アーキング現象として発生するように誘導する。上部外皮502、下部外皮503をそれぞれ単独5020、5030または同時に設けてもよく502030、上部外皮502を単独で設けること5020が最も好ましい。
【0110】
図24は、本発明によるチャンバー100内の水蒸気除去手段を備えた低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
【0111】
図24によれば、チャンバー100の外面を発熱絶縁体100aで覆い、その発熱絶縁体を加熱することができる装置を備えることにより、エンジン作動前または作動初期にこれを作動させてチャンバーを加熱する。チャンバーが加熱されて適正温度を維持することによって、エンジン作動の初期段階で発生する水蒸気の内部凝縮による不要なアーキングを防止することができる。このとき、発熱装置の一例は、発熱絶縁体100aに電流を印加して加熱する方式である。
【0112】
図25は、本発明による双方向エミッタを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図25を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置において、エミッタ300は、処理対象ガスの流れ方向に沿って垂直ロッドの前方及び後方に同時に備えることができる。1つの絶縁体に設けられた2つのエミッタ300を介してプラズマを発生させるので、1つの絶縁体の表面に溜まった汚染物質と水蒸気だけを除去すればよいので、2つの電源供給電力の合計よりも少ない電力を供給する1つの電源供給装置を備えても処理対象ガス中の汚染源を効果的に除去することができる。
【0113】
図26は、本発明による様々なチャンバーを有する低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の様々な実施形態を示す図である。
図26を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気中または排出ガス汚染物質低減装置は、チャンバー100は直線管体、曲線管体または両者が混合された管体からなることができる。このとき、エミッタ300の中心は常にチャンバー100の中心に位置する。
【0114】
図26において、チャンバーは、曲線管体3100、互いに異なる方向を有する複合直線管体3200、さらに長手方向と断面方向が互いに垂直をなしていない直線管体3300であってもよい。本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置のさらに別の実施形態では、逆電源印加装置をさらに含むことができる。
【0115】
逆電源印加装置は、電源供給装置から直流電流を供給する場合、適正な周期で電源の(+)極(-)極の極性を瞬時に変えてエミッタに供給する。処理対象ガス流れにもかかわらず、チャンバー100の内部にイオン化した汚染源が(+)または(-)極性により、相当量を吸着させることができる。ところで、吸着された汚染源は、処理対象ガスの流れが速くなると、予測不能に落ち、絶縁体500周辺のアーキングを誘発する可能性ある。したがって、イオン化した汚染源が大量に吸着する前に振り落とす必要がある。
【0116】
逆電源印加装置を備えた低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置は、チャンバー100内部に吸着された汚染源を頻繁に落とし、円滑に排気させることにより、過度に強いアーキングを防止してプラズマ発生効率が低下しないようにする。
【0117】
図27~
図33は、本発明によるチャンバー内部が区画された低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置の一実施形態を示す図である。
図27~
図33を参照すると、本発明による低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置のさらに別の実施形態では、チャンバーの処理対象ガス流動経路上に配置され、処理対象ガス流れ方向の垂直断面全体を複数個区画する単位チャンバー束を有する。
【0118】
単位チャンバー束を構成する複数の単位チャンバーは、好ましくは、互いに同一形状の断面を有し、複数の単位チャンバーは、それぞれ内部中央にエミッタが備えられる。エミッタの外面は、単位チャンバーの内面に似た形状で備えられ、エミッタの外面任意の位置から単位チャンバーの内面への最短距離は、常に一定の位置にエミッタが配置される。
【0119】
図27~
図29は、その内部に断面形状が角丸四角形のエミッタ300uが配置された単位チャンバー100u、これら単位チャンバー100uを用いた単位チャンバー束(100bundle-rec)及び単位チャンバー束(100bundle-rec)が内部に備えられたチャンバー100を示す。
まず、
図27は、断面形状が角丸四角形のエミッタ300uと、チャンバー100uの断面
図4100及び斜視
図4200である。
【0120】
図28は、
図27の複数個のチャンバー100uを並べて配置した単位チャンバー束(100bundle-rec)を示す。このとき、各チャンバーは単位チャンバーである。
図29は、
図28を単位チャンバー束100(bundle-rec)をさらに他の大型チャンバー100の内部に配置した形態を示す。
図29に示すように、複数の単位チャンバー束(100bundle-rec)を処理対象ガスの流れ方向に配置することができる。
【0121】
図30は、断面が角丸長方形のチャンバーの断面
図5100および斜視
図5200であり、
図31は、これを用いた角丸長方形の単位チャンバー束(100bundle-sq)を示す。
図32は、断面が角丸三角形のチャンバーの断面
図6100および斜視
図6200であり、
図33は、角丸三角形の単位チャンバー束(100bundle-tri)を示す。
【0122】
単位チャンバー束は、汚染物質が含まれた室内空気、外気または排出ガスからなる処理対象ガスが通過するチャンバーが一定長さだけ切断された部分に挿入され、両端がチャンバーの切断面と連結されるように備えられてもよい。
【0123】
また、単位チャンバー束は、LNG発電所のスタック(stack、排出ガス通路)のように処理対象ガスが通るチャンバー自体が電気を通さない不導体である場合、チャンバーの内部に挿入されて備えられてもよく、この場合、チャンバーが不導体であるので、必須に絶縁体を備えなくてもよい。
【0124】
また、
図34と
図35を参照すると、単位チャンバー束から連結水平ロッド400cを十分に長くし、単位チャンバー束から高圧電流の離隔距離を確保し、連結垂直ロッド410cで複数個の連結水平ロッド400cを連結して複数個のエミッタに1本の電線で電力供給することもできる。このとき、連結された複数個の連結水平ロッド400cと連結垂直ロッド410cは、1つの単位チャンバー束内の単位エミッタ300uを連結するまたは複数の単位チャンバー束内の単位エミッタを連結することができる。複数の連結垂直ロッド410cは、各連結垂直ロッド410cの間に配置された連結絶縁体500cによってチャンバーの上部と下部の間に直線的に配置されてもよい。連結絶縁体500cによって上下方向に締結される連結垂直ロッド410cは、互いに分離された状態である。
【0125】
複数備えられた単位チャンバー束は、数十個から数百個の単位チャンバーからなり、よって、一つまたは数個の単位チャンバー内でアーキング現象が発生しても全体プラズマ発生効率に及ぼす影響を最小化することができ、全低温プラズマ発生効率の低下を防ぐことができる。
【0126】
本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置は、チャンバー内部を互いに隔離される多数の単位チャンバー、すなわち単位チャンバー束を配置したものであって、プラズマを発生し、汚染物質を低減する単位チャンバーからアーキング現象が発生する単位チャンバーを分離する。これによって、一部の単位チャンバーでアーキング現象が発生しても、汚染物質低減機能を持続することができる。
【0127】
図36は、単位チャンバー束(100bundle-srec)がチャンバーの長手方向に複数個配置された形態を示す。
図36を参照すると、複数個の単位チャンバー束(100bundle-srec)を処理対象ガスの流れ方向に配置することができる。
【0128】
図37~
図39は、絶縁部材を説明する図である。
図37を参照すると、本実施形態に係る低温プラズマを用いた室内空気、外気内または排出ガス中の汚染物質低減装置は、垂直ロッド410が2つ以上に分離して備えられ、分離された垂直ロッド410間には絶縁部材1000が挿入される。
図38を参照すると、
図37と同様の方式で、水平ロッド420は2つ以上に分離して備えられ、分離された水平ロッド420の間には絶縁部材1000が挿入される。
【0129】
図39を参照すると、垂直ロッド410が水平ロッド420と連結される前に2つに分岐され、2つに分岐された垂直ロッドのそれぞれに絶縁部材1000が挿入される構造で備えられてもよい。このとき、水平ロッド420は、2つに分岐した垂直ロッドにそれぞれ連結される。絶縁部材1000は、分離された垂直ロッド410または分離された水平ロッド420に印加される電圧の大きさが設定された限界電圧よりも大きいと、絶縁部材1000を経由して電流が流れるようにするが、限界電圧よりも小さいと電流を遮断する。
【0130】
これによれば、アーキング発生により分離された垂直ロッド410または分離された水平ロッド420に印加される電圧が限界電圧以下に低下すると、電流の流れを遮断し、エミッタに発生したアーキングを除去することができる。
【0131】
より具体的には、分離された垂直ロッド410または分離された水平ロッド420の間に配置された絶縁部材1000は、エミッタにアーキングが発生すると電圧が下降し、自動に絶縁物質によって電源が遮断され、電源が遮断されるとアーキングがなくなり、アーキングがないので瞬時に正常電圧が回復し、絶縁材料を超えて電流が流れるようになる。
【0132】
絶縁部材1000は、絶縁材料で形成され、水平ロッドおよび垂直ロッドの直径とほぼ類似または小さいサイズの球、楕円体または多面体であり、分離された水平ロッド420および垂直ロッド410は、絶縁部材1000に密接に配置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0133】
100 チャンバー
100a 発熱絶縁体
100u 単位チャンバー
101 チャンバー
110 アーキング防止チャンバー
200 電源供給装置
300 エミッタ
300u 単位エミッタ
310 先端
320 支持台
330 カバー
400 ロッド
400c 連結水平ロッド
410 垂直ロッド
410c 連結垂直ロッド
420 水平ロッド
500 絶縁体
500a ダミー絶縁体
500c 連結絶縁体
501 絶縁体の表面に溜まったもの
502 上部外皮
503 下部外皮
700 エアカーテン部
810 毛羽
811 支持台
820 伝熱装置
900 噴射型清掃装置
910 チューブ
920 自己気孔
1000 絶縁部材
1100 円錐
1110 角柱
1200 角錐台
1300 角柱
1400 半球及び楕円半球
1410 円柱
1500 楕円形などの曲面
3100 曲線管体
3200 複合直線管体
3300 直線管体