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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】乾燥小魚箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/22 20060101AFI20240611BHJP
   B65B 25/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65B1/22
B65B25/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020112826
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011593
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】516167853
【氏名又は名称】松山産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519028944
【氏名又は名称】市山水産株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520238473
【氏名又は名称】出水段ボール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】片岡 政茂
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-114225(JP,A)
【文献】特開平10-167201(JP,A)
【文献】特開2007-099378(JP,A)
【文献】実開昭60-041301(JP,U)
【文献】実開昭50-077259(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00
B65B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥小魚を箱に詰める装置であって、
搬送方向に所定の長さを有している第1箱載置部材と、前記第1箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させる第1往復駆動部と、を有する第1振動搬送部と、
前記第1箱載置部材と搬送方向に直交する方向に並んで配置され、搬送方向に所定の長さを有している第2箱載置部材と、前記第1往復駆動部と異なるタイミングで前記第2箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させる第2往復駆動部と、を有する第2振動搬送部と、
を備え
前記第1箱載置部材と前記第2箱載置部材とを、それぞれ搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で、異なるタイミングで往復移動させることによって、箱を振動させながら搬送する、乾燥小魚箱詰め装置。
【請求項2】
前記第1箱載置部材と前記第2箱載置部材の高さの差の最大は、10mm以上である、請求項1に記載の乾燥小魚箱詰め装置。
【請求項3】
前記第1振動搬送部の搬送方向下流側に配置され、搬送方向に所定の長さを有している第3箱載置部材と、前記第3箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させる第3往復駆動部と、を有する第3振動搬送部と、
前記第2振動搬送部の搬送方向下流側に配置され、前記第3箱載置部材と搬送方向に直交する方向に並んで配置され、搬送方向に所定の長さを有している第4箱載置部材と、前記第3往復駆動部と異なるタイミングで前記第4箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させる第4往復駆動部と、を有する第4振動搬送部と、をさらに備えた請求項1又は2に記載の乾燥小魚箱詰め装置。
【請求項4】
前記第3箱載置部材と前記第4箱載置部材の高さの差の最大は、10mm以上である、請求項3に記載の乾燥小魚箱詰め装置。
【請求項5】
前記箱の搬送中に前記箱の蓋を上から押さえつける押さえ部材をさらに備えている、請求項1~4のいずれかに記載の乾燥小魚箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥小魚箱詰め装置に関し、特に、堅く乾燥した小魚を箱にぎっしりと詰める装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いりこ等の乾燥小魚は、通常、水揚げされ、次に蒸したり燻したりされた後に乾燥して半乾き状態にされる(例えば、特許文献1を参照)。その後、乾燥小魚は、例えば、段ボール箱に詰められて運搬及び保管され、その後に削り節にされる。
乾燥小魚を段ボール箱に詰める際には、作業者が上から乾燥小魚を押しつけることで、段ボール箱に入る乾燥小魚の量を多くしている(つまり、充填率を高くしている)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-136430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の箱詰め作業は重労働であり、改善が求められていた。
【0005】
本発明の目的は、いりこ等の乾燥小魚の箱詰め作業を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る乾燥小魚箱詰め装置は、箱に乾燥小魚を詰める装置であって、第1振動搬送部と、第2振動搬送部とを備えている。
第1振動搬送部は、第1箱載置部材と、第1往復駆動部とを有している。第1箱載置部材は、搬送方向に所定の長さを有している。第1往復駆動部は、第1箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させる。
第2振動搬送部は、第2箱載置部材と、第2往復駆動部とを備えている。第2箱載置部材は、第1箱載置部材と搬送方向に直交する方向に並んで配置され、搬送方向に所定の長さを有している。第2往復駆動部は、第1往復駆動部と異なるタイミングで第2箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させる。
この装置では、第1振動搬送部と第2振動搬送部が、乾燥小魚が入った箱に振動を付与しながら搬送を行う。具体的には、第1箱載置部材と第2箱載置部材が異なるタイミングで斜め方向に移動することで、箱は、上下動しつつ第1箱載置部材と第2箱載置部材との間で搬送方向に直交する方向に交互に傾きながら、搬送方向下流側に進んでいく。このように箱が複数の方向に繰り返し揺らされながら搬送されるので、乾燥小魚は箱の中に強制的に詰め込まれる(自動的に沈み込んでいく)。以上の結果、乾燥小魚を箱に大量に詰めること(充填率を高めること)が容易になる。
【0008】
第1箱載置部材と第2箱載置部材の高さの差の最大は、10mm以上であってもよい。
この装置では、箱の傾き角度(箱が第1箱載置部材と第2箱載置部材との間で搬送方向に直交する方向に交互に傾く角度)が大きくなるので、乾燥小魚を箱に大量に詰めること(充填率を高めること)がさらに容易になる。
【0009】
乾燥小魚箱詰め装置は、第3振動搬送部と、第4振動搬送部とをさらに備えていてもよい。
第3振動搬送部は、第3箱載置部材と、第3往復駆動部とを有していてもよい。第3箱載置部材は、第2箱載置部材の搬送方向下流側に配置され、搬送方向に所定の長さを有していてもよい。第3往復駆動部は、第3箱載置部材を搬送方向上流側の下方位置と搬送方向下流側の上方位置との間で往復移動させてもよい。
第4振動搬送部は、第4箱載置部材と、第4往復駆動部とを有していてもよい。第4箱載置部材は、第2箱載置部材の搬送方向下流側に配置され、第4箱載置部材と搬送方向に直交する方向に並んで配置され、搬送方向に所定の長さを有していてもよい。第4往復駆動部は、第3往復動部と異なるタイミングで第4箱載置部材を搬送方向下流側の下方位置と搬送方向上流側の上方位置との間で往復移動させてもよい。
この装置では、第3振動搬送部と第4振動搬送部が、乾燥小魚が入った箱に振動を付与しながら搬送を行う。具体的には、第3箱載置部材と第4箱載置部材が異なるタイミングで斜め方向に移動することで、箱は、上下動しつつ第3箱載置部材と第4箱載置部材との間で搬送方向に直交する方向に交互に傾きながら、搬送方向下流側に進んでいく。このように箱が複数の方向に繰り返し揺らされながら搬送されるので、乾燥小魚は箱の中に強制的に詰め込まれる(自動的に沈み込んでいく)。以上の結果、乾燥小魚を箱に大量に詰めること(充填率を高めること)が容易になる。
特に、第1振動搬送部と第2振動搬送部からなる上流の搬送部で乾燥小魚を箱にある程度詰めた後に、第3振動搬送部と第4振動搬送部からなる下流の搬送部で乾燥小魚を箱にさらに詰めるので、乾燥小魚を箱にさらに大量に詰めること(充填率をさらに高めること)ができる。
【0010】
第3箱載置部材と第4箱載置部材の高さの差の最大は、10mm以上であってもよい。
この装置では、箱の傾き角度(箱が第3箱載置部材と第4箱載置部材との間で搬送方向に直交する方向に交互に傾く角度)が大きくなるので、乾燥小魚を箱に大量に詰めること(充填率を高めること)がさらに容易になる。
【0011】
乾燥小魚箱詰め装置は、箱の搬送中に箱の蓋を上から押さえつける押さえ部材をさらに備えていてもよい。
この装置では、上記のように第1振動搬送部及び第2振動搬送部並びに/又は第3振動搬送部及び第4振動搬送部によって乾燥小魚を箱に詰めながら、押さえ部材が箱の蓋を押さえることで、乾燥小魚がさらに効果的に箱に詰められる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る乾燥小魚箱詰め装置によって、乾燥小魚を箱に大量に詰めること(充填率を高めること)が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における乾燥小魚箱詰め装置の側面図。
図2】乾燥小魚箱詰め装置の平面図。
図3】第1振動搬送装置の正面図。
図4】第2振動搬送装置の正面図。
図5】第1振動搬送装置の側面図。
図6】第1振動搬送装置の側面図。
図7】第1振動搬送装置の側面図。
図8】第1振動搬送装置の側面図。
図9】第1振動搬送装置の正面図。
図10】第1振動搬送装置の正面図。
図11】第1振動搬送装置の正面図。
図12】第1振動搬送装置の正面図。
図13】往復駆動部の拡大側面図。
図14】往復駆動部の拡大側面図。
図15】往復駆動部の拡大側面図。
図16】往復駆動部の拡大側面図。
図17】共通軸及びクランク軸の拡大側面図。
図18】共通軸及びクランク軸の拡大側面図。
図19】共通軸及びクランク軸の拡大側面図。
図20】共通軸及びクランク軸の拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
(1)全体構成
図1図4を用いて、第1実施形態に係る乾燥小魚箱詰め装置1(以下、「装置1」という)を説明する。図1及び図2は、それぞれ、第1実施形態における乾燥小魚箱詰め装置の側面図及び平面図である。図3は、第1振動搬送装置の正面図である。図4は、第2振動搬送装置の正面図である。
【0015】
装置1は、乾燥小魚Fを段ボール箱Bに詰める装置であり、具体的に段ボール箱Bに大森された乾燥小魚Fを段ボール箱Bの上縁まで沈める装置である。乾燥小魚Fとは、例えば、各種のいりこである。乾燥小魚Fは主に削り節の材料になる。段ボール箱Bは、箱本体B1と、一対の内フラップB2と、一対の外フラップB3とを有している。なお、図5以後では、内フラップB2及び外フラップB3は省略されている。
装置1は、第1振動搬送装置3と、第2振動搬送装置5とを有している。第1振動搬送装置3と第2振動搬送装置5は搬送方向(矢印X)に並んで配置されている。つまり、乾燥小魚Fが盛られた箱は、第1振動搬送装置3、第2振動搬送装置5の順番で搬送される。
【0016】
(2)第1振動搬送装置の概略説明
第1振動搬送装置3は、図2に示すように、第1振動搬送部7と、第2振動搬送部9とを有している。第1振動搬送部7と第2振動搬送部9は、協働することで、段ボール箱Bを振動させながら搬送する(後述)。第1振動搬送部7と第2振動搬送部9は、搬送方向に直交する幅方向(矢印Y)に並んでいる。
第1振動搬送部7は、第1箱載置部材11と、第1往復駆動部13とを有している。第1箱載置部材11は、搬送方向に所定の長さを有している。第1箱載置部材11は、具体的には、搬送方向に延びる複数のパイプやその上に配置された振動プレートからなる(以下、他の箱載置部材も同じ)。振動プレートは、幅方向両側に折り返し脱落防止部を有している。
第1往復駆動部13は、第1箱載置部材11を搬送方向上流側の下方位置(以下、「第1振動位置」という)と搬送方向下流側の上方位置(以下、「第2振動位置」という)との間で往復移動させる(後述)。
【0017】
第2振動搬送部9は、第2箱載置部材15と、第2往復駆動部17とを備えている。第2箱載置部材15は、第1箱載置部材11と幅方向に並んで配置され、搬送方向に所定の長さを有している。第2往復駆動部17は、第1往復駆動部13と異なるタイミングで第2箱載置部材15を第1振動位置と第2振動位置との間で往復移動させる(後述)。
【0018】
第1振動搬送装置3では、第1振動搬送部7と第2振動搬送部9が、乾燥小魚Fが入った段ボール箱Bに振動を付与しながら搬送を行う。具体的には、第1箱載置部材11と第2箱載置部材15が異なるタイミングで斜め方向に移動することで、段ボール箱Bは上下動しつつ第1箱載置部材11と第2箱載置部材15との間で搬送方向に直交する方向に交互に傾きながら、搬送方向下流側に進んでいく。このように段ボール箱Bが複数の方向に繰り返し揺らされながら搬送されるので、乾燥小魚Fは段ボール箱Bの中に強制的に詰め込まれる(自動的に沈み込んでいく)。以上の結果、乾燥小魚Fを段ボール箱Bに大量に詰めること(充填率を高めること)が容易になる。
【0019】
(3)第2振動搬送装置の概略説明
第2振動搬送装置5は、図2に示すように、第3振動搬送部27と、第4振動搬送部29とを有している。第3振動搬送部27と第4振動搬送部29は、協働することで、段ボール箱Bを振動させながら搬送する(後述)。第3振動搬送部27と第4振動搬送部29は、幅方向に並んでいる。
第3振動搬送部27は、第3箱載置部材31と、第3往復駆動部33とを有している。第3箱載置部材31は、搬送方向に所定の長さを有している。第3往復駆動部33は、第3箱載置部材31を第1振動位置と第2振動位置との間で往復移動させる(後述)。
【0020】
第4振動搬送部29は、第4箱載置部材35と、第4往復駆動部37とを備えている。第4箱載置部材35は、第3箱載置部材31と幅方向に並んで配置され、搬送方向に所定の長さを有している。第4往復駆動部37は、第3往復駆動部33と異なるタイミングで第4箱載置部材35を第1振動位置と第2振動位置との間で往復移動させる(後述)。
【0021】
第2振動搬送装置5では、第3振動搬送部27と第4振動搬送部29が、乾燥小魚Fが入った段ボール箱Bに振動を付与しながら搬送を行う。具体的には、第3箱載置部材31と第4箱載置部材35が異なるタイミングで斜め方向に移動することで、段ボール箱Bは上下動しつつ第3箱載置部材31と第4箱載置部材35との間で幅方向に交互に傾きながら、搬送方向下流側に進んでいく。このように段ボール箱Bが複数の方向に繰り返し揺らされながら搬送されるので、乾燥小魚Fは段ボール箱Bの中に強制的に詰め込まれる(自動的に沈み込んでいく)。以上の結果、乾燥小魚Fを段ボール箱Bに大量に詰めること(充填率を高めること)が容易になる。
特に、第1振動搬送部7と第2振動搬送部9からなる上流の第1振動搬送装置3で乾燥小魚Fを段ボール箱Bにある程度詰めた後に、第3振動搬送部27と第4振動搬送部29からなる下流の第2振動搬送装置5で乾燥小魚Fを段ボール箱Bにさらに詰めるので、乾燥小魚Fを段ボール箱Bにさらに大量に詰めること(充填率をさらに高めること)ができる。
なお、第1箱載置部材11、第2箱載置部材15、第3箱載置部材31及び第4箱載置部材35の幅方向両側には、搬送方向に延びるガイド部85が設けられている。ガイド部85は、段ボール箱Bの箱本体B1の上下方向中間部に対応する高さに配置されている。
なお、乾燥小魚箱詰め装置1の全体のサイズは、一例として、長さ3000mm、幅500mm、高さ1300mmである。また、段ボール箱Bのサイズは、一例として長さ500mm、幅300mm、高さ300mmである。
【0022】
(4)第1振動搬送装置の詳細説明
第1振動搬送装置3は、第1振動搬送部7及び第2振動搬送部9が装着されるフレーム41を有している。フレーム41は、地面に置かれており、直方体の枠組を形成している。
第1往復駆動部13及び第2往復駆動部17は、共通の動力源として、モータ43と、プーリ45と、ベルト47とを有している。モータ43及びプーリ45はフレーム41に固定されている。ベルト47は、モータ43から延びるプーリ及びプーリ45に掛け回されている。
【0023】
プーリ45の中心からは共通軸49(図9図12)が幅方向に延びている。共通軸49は、フレーム41に設置される一対の軸受(図示せず)に回動自在に保持される。以上の構成により、モータ43がベルト47を駆動すると、共通軸49が回動する。
【0024】
第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15は、各々、フレーム41の下部から延びる支持部材51によって支持されている。支持部材51は、両箱載置部材の搬送方向両側を支持している。具体的には、支持部材51は、フレーム41の下部から、搬送方向上流側かつ上側の斜めに延びており、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15の下部に連結されている。支持部材51の両端は、フレーム41の下部並びに第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15の下部に連結部53及び連結部55によって回動自在に連結されている。連結部53及び連結部55は、幅方向に延びる軸回りに回動可能になるように両部材を連結している。
以上の構成により、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15は、地面に対して平行状態を保ったまま第1振動位置と第2振動位置との間で移動可能である。
【0025】
第1往復駆動部13は、共通軸49に連結された第1クランク軸61(図9図12)と、そこから延びる第1コネクティングロッド62(図9図12)とを有している。第1コネクティングロッド62は、搬送方向下流側かつ上側の斜めに延びており、第1箱載置部材11の下部の搬送方向中間部分に連結部57によって連結されている。連結部57は、幅方向に延びる軸回りに回動できるように両部材を連結している。以上の構成により、スライダ・クランク機構が実現され、その結果、共通軸49の回転を、振動方向の往復直線運動に変換できる。
【0026】
第1クランク軸61は、一対の軸受の間において共通軸49に固定される部材であって、共通軸49から偏心した状態となっている。したがって、共通軸49が回動すると、第1クランク軸61の偏心中心HC1(図13図20)が、共通軸49の回転中心SC(図13図20)に対して偏心回動する。
【0027】
第2往復駆動部17は、プーリ45から延びる共通軸49に連結された第2クランク軸63と、そこから延びる第2コネクティングロッド64とを有している。第2コネクティングロッド64は、搬送方向下流側かつ上側の斜めに延びており、第2箱載置部材15の下部の搬送方向中間部分に連結部59によって連結されている。連結部59は、幅方向に延びる軸回りに回動できるように両部材を連結している。以上の構成により、スライダ・クランク機構が実現され、その結果、共通軸49の回転を、振動方向の往復直線運動に変換できる。
【0028】
第2クランク軸63は、一対の軸受の間において共通軸49に固定される部材であって、共通軸49から偏心した状態となっている。したがって、共通軸49が回動すると、第2クランク軸63の偏心中心HC2(図13図20)が、共通軸49の回転中心SC(図13図20)に対して偏心回動する。
【0029】
さら、第1クランク軸61の偏心方向と第2クランク軸63の偏心方向が、共通軸49に対して相異なる。具体的には、180°の位相差をもって第1クランク軸61と第2クランク軸63が共通軸49に固定される。その結果、第1クランク軸61の第一回転位相(偏心中心HC1の回転位相)と、第2クランク軸63の第二回転位相(偏心中心HC2の回転位相)が、180°の位相差でもって相異なる。
以上の結果、第1コネクティングロッド62と第2コネクティングロッド64とを交互に往復振動させることによって、第1箱載置部材11が第1振動位置にあって第2箱載置部材15が第2振動位置にある状態(図6図10)と、第1箱載置部材11が第2振動位置にあって第2箱載置部材15が第1振動位置にある状態(図8図12)とが交互に実現される。
【0030】
第1振動搬送装置3は、段ボール箱Bの搬送中に段ボール箱Bの内フラップB2(搬送方向両側に位置する一対のフタ)を上から押さえつける第1押さえ部材71をさらに有している。第1押さえ部材71は、第1斜め板部73と、第1水平板部75とを有している。斜め板部73は、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15の搬送方向中間付近において上方に(矢印Z)離れて配置されている。第1押さえ部材71は、幅方向において内フラップB2に対応しており、内フラップB2より幅方向長さが短い。第1斜め板部73は、搬送方向上流側部分が高く、搬送方向下流側部分が低くなっている。これにより、搬送方向下流側の内フラップB2が折り畳まれる。第1水平板部75は、第1斜め板部73から連続して搬送方向下流側に延びており、具体的には、第2振動搬送装置5の搬送方向上流端まで延びている。
【0031】
第1振動搬送装置3は、第1折り畳み機構77を有している。第1折り畳み機構77は、段ボール箱Bの搬送中に搬送方向下流側の内フラップB2を折り畳むことで押さえ部材71の下方に入りやすくする。第1折り畳み機構77は、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15の搬送方向上流側部分において上方に離れて配置されている。そのため、第1折り畳み機構77は、第1押さえ部材71の斜め板部73の搬送方向上流側端に近接して配置されている。
第1折り畳み機構77は、回動押さえ部材と79と、モータ81とを有している。回動押さえ部材79は、側方視で円の一部と直線部とが側面視で反時計回りに連続した押さえ部83を有している。押さえ部83は、図3に示すように、幅方向において内フラップB2に対応しており、内フラップB2より幅方向長さが短い。回動押さえ部材79は、モータ81によって駆動され、押さえ部83が最も時計回り側に回動した第1回動位置と、押さえ部83が最も反時計回り側に回動した第2回動位置との間で回動可能である。
【0032】
以上の構成により、第1振動搬送部7及び第2振動搬送部9によって乾燥小魚Fを段ボール箱Bに詰めながら、第1押さえ部材71が段ボール箱Bの内フラップB2を押さえることで、乾燥小魚Fがさらに効果的に箱に詰められる。
具体的には、搬送方向下流側の内フラップB2が第1押さえ部材71の第1斜め板部73によって折り畳まれるタイミングで、回動押さえ部材79が第1回動位置から第2回動位置に回動することで、搬送方向上流側の内フラップB2を折り畳む。この結果、搬送方向の下流側及び上流側の内フラップB2がスムーズに第1押さえ部材71の第1水平板部75の下方に移動する。これにより、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15の搬送方向下流側部分では、第1押さえ部材71が内フラップB2を押さえた状態で、第1振動搬送部7及び第2振動搬送部9によって乾燥小魚Fが段ボール箱Bに詰められる。
【0033】
(5)第2振動搬送装置の詳細説明
第2振動搬送装置5の詳細構成は基本的に第1振動搬送装置3と同じである。したがって、以下、異なる点を中心に説明する。
【0034】
第2振動搬送装置5は、段ボール箱Bの搬送中に段ボール箱Bの外フラップB3(幅方向両側に位置する一対のフタ)を上から押さえつける第2押さえ部材91を有している。第2押さえ部材91は、第2斜め板部93と、第2水平板部95とを有している。第2斜め板部93は、第3箱載置部材31及び第4箱載置部材35の搬送方向上流側部分において上方に離れて配置されている。第2斜め板部93は、搬送方向上流側部分が高く、搬送方向下流側部分が低くなっている。これにより、段ボール箱Bの一対の外フラップB3が折り畳まれる。第2水平板部95は、第1斜め板部93から連続して搬送方向下流側に延びており、具体的には、第2振動搬送装置5の搬送方向下流端まで延びている。第2水平板部95は、第1水平板部75より低い位置にあり、一対の外フラップB3を水平状態にできる。
なお、第2水平板部95は、わずかに傾斜して搬送方向下流側端が搬送方向上流側端より低くなっていることが好ましい。外フラップB3をより平坦な状態まで押さえ込むことができるからである。
【0035】
第2振動搬送装置5は、第2折り畳み機構97を有している。第2折り畳み機構97は、段ボール箱Bの搬送中に段ボール箱Bの一対の外フラップB3を折り畳むことで第2押さえ部材91の下方に入りやすくする。第2折り畳み機構97は、第1振動搬送装置3と第2振動搬送装置5の境界部分において上方に離れて配置されている。そのため、第2折り畳み機構97は、第2押さえ部材91の第2斜め板部93の搬送方向上流側端に近接して配置されている。
第2折り畳み機構97は、一対の回動押さえ部材と99と、一対のモータ101(図4では片方のみ図示)とを有している。一対の回動押さえ部材99は、図4に示すように、幅方向に並んで配置され、上端が搬送方向に延びる軸回りに回動自在であり、下端が第2押さえ部103となっている。第2押さえ部103は、搬送方向に所定長さを有するローラである。一対の回動押さえ部材99は、それぞれ一対のモータ101によって駆動され、第2押さえ部103が最も外側かつ上方に移動した退避位置と、第2押さえ部103が最も内側かつ下方に移動した押さえ位置との間で回動可能である。
【0036】
以上の構成により、第3振動搬送部27及び第4振動搬送部29によって乾燥小魚Fを段ボール箱Bに詰めながら、第2押さえ部材91が段ボール箱Bの外フラップB3を押さえることで、乾燥小魚Fがさらに効果的に段ボール箱Bに詰められる。
具体的には、段ボール箱Bが第1振動搬送装置3から第2振動搬送装置5へと乗り移るタイミングで、一対の第2押さえ部103が退避位置から押さえ位置に回動することで、段ボール箱Bの一対の外フラップB3を折り畳む。この結果、一対の外フラップB3がスムーズに第2押さえ部材91の第2水平板部95の下方に移動する。これにより、第3箱載置部材31及び第4箱載置部材35の搬送方向中間部から下流側部分にかけて、第2押さえ部103が段ボール箱Bの外フラップB3を押さえた状態で、第3振動搬送部27及び第4振動搬送部29によって乾燥小魚Fが段ボール箱Bに詰められる。
【0037】
(6)基本動作
段ボール箱Bは、他の搬送装置から第1振動搬送装置3に搬入される。このとき、乾燥小魚Fは箱本体B1の上縁を越えて盛られており、内フラップB2及び外フラップB3は立った状態である。なお、このとき、例えば、乾燥小魚Fは内フラップB2及び外フラップB3によって画定される空間の80~90%を占めている。
段ボール箱Bは、第1振動搬送装置3において、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15によって振動搬送される。このとき、第1押さえ部材71によって内フラップB2が閉められた状態になる。
【0038】
続いて、段ボール箱Bは、第2振動搬送装置5において、第3箱載置部材31及び第4箱載置部材35によって振動搬送される。このとき、第2押さえ部材91によって外フラップB3が閉められた状態になる。
最後に、段ボール箱Bは、シール装置(図示せず)に送られ、そこで、外フラップB3同士が合わされた状態でシールされる。以上のように、乾燥小魚Fを段ボール箱Bに強制的に詰めて蓋をする自動強制封函装置が実現されている。
【0039】
(7)振動搬送動作の詳細説明
図5図20を用いて、第1振動搬送装置3の振動搬送動作を詳細に説明する。図5図8は、第1振動搬送装置の側面図である。図9図12は、第1振動搬送装置の正面図である。図13図16は、往復駆動部の拡大側面図である。図17図20は、共通軸及びクランク軸の拡大側面図である。
なお、第2振動搬送装置5の振動搬送動作は第1振動搬送装置3のものと同じであるので、説明を省略する。
【0040】
第1振動搬送装置3の第1往復駆動部13及び第2往復駆動部17は、下記の第1~第4状態を繰り返して実現することで、振動搬送を行う。
(7-1)第1状態
図5図9図13及び図17を用いて、第1状態を説明する。
図13及び図17に示すように、偏心中心HC1と偏心中心HC2は、コネクティングロッド延長方向において回転中心SCと同じ位置にある。したがって、図5及び図9に示すように、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15は同じ高さ位置にある。この高さ位置は、前述の第1振動位置と第2振動位置の中間である。
【0041】
(7-2)第2状態
次に、第1状態から、共通軸49が約90度反時計回りに回動すると、第2状態になる。図6図10図14及び図18を用いて、第2状態を説明する。
第1状態から第2状態に移行するときに、図14及び図18に示すように、偏心中心HC2は、コネクティングロッド延長方向において回転中心SCよりロッド先端側に移動し、偏心中心HC1は、コネクティングロッド延長方向において回転中心SCよりロッド先端と反対側に移動する。したがって、第2コネクティングロッド64が搬送方向下流側の斜め上方に移動して(第2振動位置に移動して)、第1コネクティングロッド62が搬送方向上流側の斜め下方に移動する(第1振動位置に移動する)。その結果、第3状態では、図6及び図10に示すように、第2箱載置部材15が第1箱載置部材11より高くなり、そのため、段ボール箱Bは第1箱載置部材11側に傾く。
【0042】
(7-3)第3状態
次に、第2状態から、共通軸49が約90度反時計回りに回動すると、第3状態になる。図7図11図15及び図19を用いて、第3状態を説明する。
第2状態から第3状態に移行するときに、図15及び図19に示すように、偏心中心HC1と偏心中心HC2は、コネクティングロッド延長方向において回転中心SCと同じ位置に移動する。したがって、第2コネクティングロッド64が搬送方向下流側の斜め上方に移動して、第1コネクティングロッド62が搬送方向上流側の斜め下方に移動する。その結果、第3状態では、図7及び図11に示すように、第1箱載置部材11及び第2箱載置部材15は同じ高さ位置になる。
【0043】
(7-4)第4状態
次に、第3状態から、共通軸49が約90度反時計回りに回動すると、第4状態になる。図8図12図16及び図20を用いて、第4状態を説明する。
第3状態から第4状態に移行するときに、図16及び図20に示すように、偏心中心HC1は、コネクティングロッド延長方向において回転中心SCよりロッド先端側に移動し、偏心中心HC2は、コネクティングロッド延長方向において回転中心SCよりロッド先端と反対側に移動する。したがって、図16及び図20に示すように、第1コネクティングロッド62が搬送方向下流側の斜め上方に移動して(第2振動位置に移動して)、第2コネクティングロッド64が搬送方向上流側の斜め下方に移動する(第1振動位置に移動する)。その結果、第4状態では、図8及び図12に示すように、第1箱載置部材11が第2箱載置部材15より高くなり、そのため段ボール箱Bは第2箱載置部材15側に傾く。
【0044】
なお、第1箱載置部材11と第2箱載置部材15の高さの差の最大は、10mm以上である。好ましくは、10~20mmの範囲である。したがって、段ボール箱Bの傾き角度(段ボール箱Bが第1箱載置部材11と第2箱載置部材15との間で幅方向に交互に傾く角度)が大きくなるので、乾燥小魚Fを段ボール箱Bに大量に詰めること(充填率を高めること)がさらに容易になる。
また、第1箱載置部材11と第2箱載置部材15の搬送方向位置の差の最大は、10mm以上である。好ましくは、10~20mmの範囲である。
さらに、第1箱載置部材11と第2箱載置部材15の振動周波数は、一例として、5~20Hzの範囲である。
さらに、段ボール箱Bの移動速度は、一例として、15~20m/分である。
【0045】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0046】
箱は段ボール箱に限定されない。
振動搬送装置は1台でもよいし、3台以上でもよい。
押さえ部材や折り畳み機構は適宜省略されてもよい。
【0047】
往復駆動部において、共通軸は、全体が一体でも良いし、複数の軸がカップリングやギアによって接続されて一体的に回動するものでもよい。
上記実施形態では複数の往復駆動部の間で共通軸を用いていたが、例えば、複数のプーリによって回動される複数の軸を利用して、それぞれをモータ等によって回動させてもよい。
【0048】
さらに上記実施形態では、往復駆動部がスライダ・クランク機構によって回転運動を直線運動に変換する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、他の運動変換機構を採用することができる。例えば、コイルによる磁力を用いた直動機構(ソレノイド機構)、油圧や空圧を用いてもよい。
【0049】
上記実施形態では第1往復駆動部の回転位相と第2往復駆動部の回転位相とが相異なるように設定されていれば充分であるので、位相差は特に限定されない。
押さえ部材は、例えばキャタピラ式のコンベヤであってもよい。その場合は、押さえ部材は段ボール箱の蓋を押さえながら段ボール箱に搬送力を与える。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、堅く乾燥した小魚を箱にぎっしりと詰める乾燥小魚箱詰め装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0051】
1 :乾燥小魚箱詰め装置
3 :第1振動搬送装置
5 :第2振動搬送装置
7 :第1振動搬送部
9 :第2振動搬送部
11 :第1箱載置部材
13 :第1往復駆動部
15 :第2箱載置部材
17 :第2往復駆動部
27 :第3振動搬送部
29 :第4振動搬送部
31 :第3箱載置部材
33 :第3往復駆動部
35 :第4箱載置部材
37 :第4往復駆動部
B :段ボール箱
F :乾燥小魚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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