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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】座席家具シャーシ
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/02 20060101AFI20240611BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20240611BHJP
   A47C 1/024 20060101ALI20240611BHJP
   A47C 1/032 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A47C7/02 A
A47C7/54
A47C1/024
A47C1/032
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021524240
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2019080283
(87)【国際公開番号】W WO2020094666
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】202018106331.6
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518324784
【氏名又は名称】イノテック モーション ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】INNOTEC MOTION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】マッケルト,ミハエル
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0035322(US,A1)
【文献】実開平04-027854(JP,U)
【文献】特開2004-141247(JP,A)
【文献】特開2009-056268(JP,A)
【文献】米国特許第09402479(US,B1)
【文献】登録実用新案第3198305(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/00 -1/037
A47C 7/02, 7/48 ,7/54
B60N 2/00 -2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座フレーム(101)と、背フレーム(102)と、2つのアームレスト(103)と、駆動手段(200)とを備え、背フレーム(102)は、仮想の回動軸回りに回動可能であり、回動軸は、2つの支点(104)によって規定され、背フレーム(102)は、支点(104)においてアームレスト(103)に取り付けられ、駆動手段(200)は、並進手段(201)を介して背フレーム(102)に接続され、並進手段(201)の並進を誘発するように構成され、並進は、回動軸を中心とした背フレーム(102)の回動移動に変換され、背フレーム(102)は、支点(104)の下方で座フレーム(101)に接続され、それによって、座フレーム(101)は、回動移動中に並進移動する、座席家具シャーシ(100)であって、駆動手段(200)が、座フレーム(101)の第1の側部エッジ領域の下方に配設されており、
駆動手段(200)は、座フレーム(101)の下方に配設されたブラケットに接続されており、該ブラケットは座フレーム(101)に固定的に接続されていることを特徴とする座席家具シャーシ(100)。
【請求項2】
ガイド手段(105)とガイド要素(106)とを備え、ガイド手段(105)はアームレスト(103)の下方に配設され、並進移動中に座フレーム(101)がガイド手段(105)において案内されたガイド要素(106)によって案内されることを特徴とする、請求項1に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項3】
ガイド手段(105)が曲率を有することを特徴とする請求項2に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項4】
ガイド要素(106)が、座フレーム(101)の前部に隣接して配設されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項5】
ガイド手段(105)が、前方に向かって上方に湾曲していることを特徴とする請求項2または3に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項6】
ガイド要素(106)が、ローラ状に形成されることを特徴とする、請求項2~5のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項7】
並進手段(201)は、背フレーム(102)の下端部で背フレーム(102)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項8】
並進手段(201)と支点(104)との間で、座フレーム(101)が背フレーム(102)に固定されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項9】
並進手段(201)は、ねじ式のロッドとして構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項10】
支点(104)が回動軸上に配設されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項11】
駆動手段(200)が、座フレーム(101)の後部の下に配設されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項12】
第1の側部エッジ領域の反対側に配設された第2の側部エッジ領域の下に配設された更なる駆動手段(200)を備えることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)。
【請求項13】
詰め物と、請求項1~12のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ(100)とを含む座席家具であって、詰め物が、座席家具シャーシに取り付けられていることを特徴とする座席家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に従った座席家具シャーシに関する。
【背景技術】
【0002】
座席家具シャーシは、先行技術から知られている。それらは、たとえば、椅子や肘掛け椅子に使用される。詰め物が、ユーザが座ることが可能である座席家具シャーシに取り付けられる。回動可能な背フレームと並進可能な座フレームとを有する座席家具シャーシが知られている。また、背フレームの動きと座フレームの動きが互いに連動している座席家具シャーシも知られている。
【発明の概要】
【0003】
これに対し、本発明は、背フレームと座フレームの調整に駆動手段が用いられている、特にコンパクトな座席家具シャーシを作製することを課題とする。さらに、そのような座席家具シャーシを有する座席家具を作製することである。
【0004】
この課題は、請求項1に記載の座席家具シャーシと、請求項14に記載の座席家具とによって解決される。本発明の実施形態は、従属請求項に示されている。
【0005】
座席家具シャーシは、座フレーム、背フレーム、2つのアームレスト、および駆動手段を含む。本明細書において、座フレームとは、特に、ユーザが座面として使用することが可能である張地を取り付けることが可能であるフレームを意味すると理解する。背フレームとは、本明細書では、特に、座面に座っているユーザが背もたれとして使用可能である、張地を取り付けることが可能であるフレームを意味すると理解する。アームレストとは、本明細書では、特に、座面に座っているユーザがアームレストとして使用可能である、張地を取り付けることが可能である構造物を意味すると理解する。
【0006】
背フレームは、仮想回動軸回りに回動可能である。本明細書では、仮想回動軸とは、特に、構成要素としては存在しないが、回動動作を規定する役割を果たす幾何学上の軸を意味すると解する。回動軸は、2つの支点によって規定される。背フレームは、これらの支点でアームレストに取り付けられている。
【0007】
駆動手段は、並進手段を介して背フレームに接続されている。駆動手段は、たとえば、電気モータとすることが可能である。駆動手段は、並進手段の並進を引き起こすように構成されている。並進は、回動軸回りの、背フレームの回動移動に変換される。背フレームは、それらの支点の下方で座フレームに接続されているので、座フレームは、回動移動中に並進移動する。本明細書の文脈において、「下方」という用語は、特に、座席家具シャーシを規定どおりに使用している場合に下になる方向を意味すると理解される。座フレームの下方には、たとえば、座席家具シャーシを規定どおりに使用している場合に床に配設される座席家具シャーシの足を配設することも可能である。
【0008】
前記駆動手段は、前記座フレームの第1の側部エッジ領域の下に配設されている。このような配設は、特に省スペースとなるので、座席家具シャーシは、特に省スペースの構成とすることが可能である。本明細書の文脈においては、側部エッジ領域は、特にアームレストに面するエッジ領域を意味すると理解する。側部エッジ領域は、座フレームの側部の支柱に接続してよい。側部の支柱は、後部から前部に向かって延びている。座席家具シャーシの場合、後部は、特に、背フレームに面する座フレームの端部であってよい。この場合、前端部は、後端部の反対側の座フレームの端部である。
【0009】
本発明の一実施形態に従えば、座席家具シャーシは、ガイド手段とガイド要素とを含んでよい。ガイド手段は、アームレストの下方に配設されてよい。座フレームは、並進移動の間、ガイド手段内のガイド要素によって案内されてよい。この種の案内は特にコンパクトである。
【0010】
本発明の一実施形態に従えば、ガイド手段は、曲率を有してよい。このようにすれば、背もたれを旋回させたときに、座席家具シャーシの高さを自動的に調整することが可能である。
【0011】
本発明の一実施形態に従えば、ガイド要素は、座フレームの前部領域の隣に配設することが可能である。本明細書の文脈において、前部領域は、特に、座フレームの前半分を意味すると理解する。
【0012】
本発明の一実施形態に従えば、ガイド手段は、前方に向かって上方に湾曲してよい。このようにして、背フレームの上部が後方に回動すると、座フレームが前方かつ上方に動くことを実現することが可能である。これは、しばしば、特に快適であることが分かる。
【0013】
本発明の一実施形態に従えば、ガイド要素は、ローラ状に形成されてよい。本明細書の文脈において、これは特に、ガイド要素がガイド手段上で転がることを意味する。
【0014】
本発明の一実施形態に従えば、並進手段は、背フレームの下端部で背フレームに取り付けられてよい。このようにすると、背フレームの特に大きなたわみを実現することが可能である。これは、駆動手段が、たとえば、座フレームに取り付けられ、座フレームの並進移動に伴って動く場合に特に有利である。
【0015】
本発明の一実施形態に従えば、座フレームは、並進手段と支点との間で背フレームに取り付けられてよい。これは、駆動手段が、たとえば、座フレームに取り付けられて、座フレームの並進移動に伴って動く場合には、特に有利である。
【0016】
本発明の一実施形態に従えば、並進手段は、ねじ式のロッドであってよい。
【0017】
本発明の一実施形態に従えば、支点は、回動軸上に配設されてよい。
【0018】
本発明の一実施形態に従えば、駆動手段は、座フレームの後方部分の下に配設されてよい。
【0019】
本発明の一実施形態に従えば、駆動手段は、座フレームの下方に配設されたブラケットに接続されてよい。このブラケットは、座フレームに固定的に接続されてよい。本明細書の文脈において、これは特に、座フレームの並進中にブラケットが同じ方法で並進移動することを意味していると解する。
【0020】
本発明の一実施形態に従えば、座席家具シャーシは、さらなる駆動手段であって、第1の側部エッジ領域の反対側に配設された第2の側部エッジ領域の下方に配設されたさらなる駆動手段を含んでもよい。
【0021】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図を参照した好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるだろう。同一または類似の構成要素、および同一または類似の機能を有する構成要素には、同じ参照符号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に従った座席家具シャーシの第1の位置における概略的斜視図である。
図2図1のRで示された部分の図である。
図3図1の座席家具シャーシの、第2の位置における概略斜視図である。
図4図3の、Rで示された部分の図である。
図5図1の座席家具シャーシの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
座席家具シャーシ100は、座フレーム101、背フレーム102、および2つのアームレスト103を含む。アームレスト103は、取付部104で背フレーム102に取り付けられている。座フレーム101は、背フレーム102の下端部に接続されている。背フレーム102が回動する時、2つの取付点104は、幾何学上の回動軸を規定する。
【0024】
駆動手段200は、座フレーム101の下方の2つの側部領域のそれぞれに配設されており、たとえばねじ切りされたロッドなどの並進手段201を介して背フレーム102に接続されている。駆動手段200は、並進手段201の並進を誘発するように構成されている。それによって、並進手段201の並進は、背フレーム102と接続しているので、背フレーム102の回動移動に変換される。
【0025】
背フレーム102が回動する時、座フレーム101は並進移動する。背フレーム102の上部が後方に回動すると、座フレーム101は前方に動く。また、背フレーム102の上部が前方に回動する時、座フレーム101は後方に動く。
【0026】
移動中は、座フレーム101は、ガイド手段105において案内されたガイド要素106によって案内される。ガイド手段105は湾曲しており、アームレスト103の下方に配設されている。ガイド手段105は、アームレスト103に直接取り付けられている。ガイド要素106は、座フレーム101の外側側部に配設されている。ガイド手段105におけるガイド要素106の案内により、座フレーム102は、前方への移動時に上昇し、後方への移動時に下降する。
【0027】
駆動手段200を座フレーム101の直下の側部エッジ領域に配設することは、特に省スペースであるので有利である。特に少ない設置スペースで済む。したがって、座フレーム101の下には特に大きな空間があり、駆動手段200は、通常の動作時には隠されているか、または努力すればユーザが見れるだけなので、座席家具の美的外観を損なわない。または軽微な程度でしか損なわない。
図1
図2
図3
図4
図5