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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】移動体および移動体群
(51)【国際特許分類】
   B61F 3/08 20060101AFI20240611BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B61F3/08
B61D15/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022030521
(22)【出願日】2022-02-28
(65)【公開番号】P2023126060
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-05-05
(73)【特許権者】
【識別番号】591236932
【氏名又は名称】株式会社ロッソ
(74)【代理人】
【識別番号】100124017
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 晃秀
(72)【発明者】
【氏名】早川 泰弘
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-013875(JP,U)
【文献】特開2012-146171(JP,A)
【文献】特開2001-138913(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111003004(CN,A)
【文献】特開平09-150742(JP,A)
【文献】特開2015-081017(JP,A)
【文献】特開2020-179797(JP,A)
【文献】特開2007-083875(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0135981(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 3/08
B61D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース体と、
前記ベース体の平面方向に沿って相対的に回動または回転可能に設けられた第1の車輪保持部と、
前記ベース体の平面方向に沿って相対的に回動または回転可能に設けられた第2の車輪保持部と、
前記第1の車輪保持部の下に装着された第1の車輪および第2の車輪と、
前記第2の車輪保持部の下に装着された第3の車輪および第4の車輪と、を含み、
前記第1の車輪と前記第2の車輪とは、それぞれ独立して転動し、
前記第3の車輪と前記第4の車輪とは、それぞれ独立して転動し、
前記第1の車輪保持部に設けられ、かつ、前記ベース体にかかった荷重を吸収するための第1のボールベアリングが少なくとも一つ設けられており、
前記第2の車輪保持部に設けられ、かつ、前記ベース体にかかった荷重を吸収するための第2のボールベアリングが少なくとも一つ設けられ、
前記第1のボールベアリングおよび前記第2のボールベアリングは、前記ベース体の前記第1の車輪保持部および前記第2の車輪保持部側の面と接し、
前記第1の車輪保持部が前記ベース体の平面方向に沿って前記ベース体に対して相対的に回動または回転すると、前記第1のボールベアリングが回転し、
前記第2の車輪保持部が前記ベース体の平面方向に沿って前記ベース体に対して相対的に回動または回転すると、前記第2のボールベアリングが回転する移動体。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の車輪および前記第2の車輪は、前記第1の車輪保持部の平面方向に沿って相対的に回転または回動可能に設けられており、
前記第3の車輪および前記第4の車輪は、前記第1の車輪保持部の平面方向に沿って相対的に回転または回動可能に設けられている移動体。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の車輪保持部は前記ベース体に軸支された第1の軸に連結され、
前記第2の車輪保持部は前記ベース体に軸支された第2の軸に連結されている移動体。
【請求項4】
請求項において、
前記第1の車輪保持部は、前記第1の車輪および前記第2の車輪の中央の位置において、前記第1の軸に連結され、
前記第2の車輪保持部は、前記第3の車輪および前記第4の車輪の中央の位置において、前記第2の軸に連結されている移動体。
【請求項5】
請求項またはに記載の移動体を複数含み、
隣り合う二つの移動体は、連結体により連結され、
前記連結体は、隣り合う二つの移動体において、一つの移動体の前記第1の軸または前記第2の軸と、他の移動体の前記第1の軸または前記第2の軸との間を連結する移動体群。
【請求項6】
請求項において、
前記連結体は、長さ調整機構を有する移動体群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール上を移動する移動体および移動体群に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レールを走る移動体に車輪を設け、移動体を移動させる技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-179797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、左右のカーブを有するレール上を走行することができる移動体および移動体群を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の移動体は、
ベース体と、
前記ベース体の平面方向に沿って相対的に回動または回転可能に設けられた第1の車輪保持部と、
前記ベース体の平面方向に沿って相対的に回動または回転可能に設けられた第2の車輪保持部と、
前記第1の車輪保持部の下に装着された第1の車輪および第2の車輪と、
前記第2の車輪保持部の下に装着された第3の車輪および第4の車輪と、を含み、
前記第1の車輪と前記第2の車輪とは、それぞれ独立して転動し、
前記第3の車輪と前記第4の車輪とは、それぞれ独立して転動する。
【0006】
本発明において、
前記第1の車輪および前記第2の車輪は、前記第1の車輪保持部の平面方向に沿って相対的に回転または回動可能に設けられており、
前記第3の車輪および前記第4の車輪は、前記第1の車輪保持部の平面方向に沿って相対的に回転または回動可能に設けられていることができる。
【0007】
本発明において、
前記ベース体と前記第1の車輪保持部との間に前記ベース体にかかった荷重を吸収するための第1のボールベアリングが少なくとも一つ設けられており、
前記ベース体と前記第2の車輪保持部との間に前記ベース体にかかった荷重を吸収するための第2のボールベアリングが少なくとも一つ設けられていることができる。
【0008】
本発明において、
前記第1の車輪保持部は前記ベース体に軸支された第1の軸に連結され、
前記第2の車輪保持部は前記ベース体に軸支された第2の軸に連結されていることができる。
【0009】
本発明において、
前記第1の車輪保持部は、前記第1の車輪および前記第2の車輪の中央の位置において、前記第1の軸に連結され、
前記第2の車輪保持部は、前記第3の車輪および前記第4の車輪の中央の位置において、前記第2の軸に連結されていることができる。
【0010】
本発明の移動体群は、
本発明の移動体を複数含み、
前記隣り合う二つの移動体は、連結体により連結され、
前記連結体は、隣り合う二つの移動体において、一つの移動体の前記第1軸または前記第2の軸と、他の移動体の前記第1の軸または前記第2の軸との間を連結するものであることができる。
【0011】
本発明において、前記連結体は、長さ調整機構を有することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の移動体および移動体群によれば、左右のカーブを有するレール上を走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】移動体を模式的に示す図である。
図2図1のA1-A1線に沿った断面を模式的に示す図である
図3】移動体の側面を模式的に示す図である。
図4】移動体を模式的に示す斜視図である。
図5】レール上に置かれた移動体を模式的に示す図である。
図6】レール上に置かれた移動体群を模式的に示す図である。
図7】レール上に置かれた移動体群を模式的に示す図である。
図8】レール上に置かれた移動体群を模式的に示す図である。
図9】移動体の作用効果を模式的に示す図である。
図10】移動体の使用例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
1.移動体
図1から図5を参照しながら、移動体を説明する。
【0016】
移動体10は、ベース体12と、第1の車輪保持部20と、第2の車輪保持部30とを含む。
【0017】
第1の車輪保持部20および第2の車輪保持部30は、ベース体12の平面方向に沿って相対的に回動または回転可能に設けられている。第1の車輪保持部20の下に、第1の車輪22aおよび第2の車輪22bが装着されている。第2の車輪保持部30の下に、第3の車輪32aおよび第4の車輪32bが装着されている。
【0018】
第1の車輪22aと第2の車輪22bとは、それぞれ独立して転動するものである。第3の車輪32aと第4の車輪32bとは、それぞれ独立して転動するものである。
【0019】
第1の車輪22aおよび第2の車輪22bは、第1の車輪保持部20の平面方向に沿って対して相対的に回転または回動可能に設けられていることができる。第3の車輪32aおよび第4の車輪32bは、第2の車輪保持部30の平面方向に沿って相対的に回転または回動可能に設けられていることができる。
【0020】
第1の車輪保持部20はベース体12に軸支された第1の軸26に連結されている。第1の軸26は、第1の車輪保持部20を回動または回転させるための軸である。第1の軸26を受ける部分は、たとえば、ピローベアリングにより構成することができる。第1の車輪保持部20は、第1の車輪22aおよび第2の車輪22bの中央の位置において、第1の軸26に連結されている。
【0021】
第2の車輪保持部30はベース体12に軸支された第2の軸36に連結されている。第2の軸36は、第2の車輪保持部30を回動または回転させるための軸である。第2の軸36を受ける部分は、たとえば、ピローベアリングにより構成することができる。第2の車輪保持部30は、第3の車輪32aおよび第4の車輪32bの中央の位置において、第2の軸36に連結されている移動体10。
【0022】
ベース体12と第1の車輪保持部20との間にベース体12にかかった荷重を吸収するための第1のボールベアリング24が少なくとも一つ、好ましくは第1の軸26の両サイドに2つ設けられていることができる。第1のボールベアリング24を設けることで、第1の車輪保持部20がベース体12からかかる荷重を第1の軸26以外に、第1のボールベアリング24でも受けることができ、かつ、ベース体12から荷重をうけつつも、第1のボールベアリング24の回転により第1の車輪保持部20とベース体12とが回転または回動のスライドが容易となる。
【0023】
ベース体12と第2の車輪保持部30との間にベース体12にかかった荷重を吸収するための第2のボールベアリング34が少なくとも一つ、好ましくは第2の軸36の両サイドに2つ設けられていることができる。第2のボールベアリング34を設けることで、第2の車輪保持部30がベース体12からかかる荷重を第2の軸36以外に、第2のボールベアリング34でも受けることができ、かつ、ベース体12から荷重をうけつつも、第2のボールベアリング34の回転により第2の車輪保持部30とベース体12とが回転または回動のスライドが容易となる。
【0024】
第1の車輪22aおよび第2の車輪22bは、たとえば、キャスターにより構成することができ、車輪を車輪装着部を介して第1の車輪保持部20に取り付けることができる。車輪装着部は、第1の車輪保持部20に回転または回動可能に設けることができる。
【0025】
第3の車輪32aおよび第4の車輪32bは、たとえば、キャスターにより構成することができ、車輪を車輪装着部を介して第2の車輪保持部30に取り付けることができる。車輪装着部は、第2の車輪保持部30に回転または回動可能に設けることができる。
【0026】
第1の車輪保持部20および第2の車輪保持部30は、たとえば長板状部材により構成することができる。
【0027】
移動体10は、第1のレール50aと第2のレール50bからなる軌道50を移動させるものとして好適である。第1の車輪22a、第2の車輪22b、第3の車輪32a、第4の車輪32bは、案内レールを転動するものであれば特に限定されないが、たとえば、案内レールの伸びる方向に対して垂直方向への動きを規制するストッパー(たとえばフランジ)が設けられた車輪であることができる。
【0028】
本願発明者は、実施の形態に係る移動体10により、図9に示すように、右カーブ、左カーブを問わず移動でき、S字カーブがある軌道にも適用することができることを見出した。つまり、車輪同士が車軸で接続されていない構造を採用することなく、右カーブおよび左カーブの軌道において移動体を移動させることができることを見出した。
【0029】
2.移動体群
図6図8を参照しながら、移動体群を説明する。
【0030】
移動体群は、複数の移動体10を含み、隣り合う二つの移動体10は、連結体40により連結されている。連結体40は、隣り合う二つの移動体10において、一つの移動体10の第1の軸26または第2の軸36と、他の移動体10の第1の軸26または第2の軸36との間を連結している。連結体40は、長さ調整機構(たとえばターンバックル)を有することができる。
【0031】
移動体10には、ベース体12の上に何らかの物を載置してもよいし、図10に示すようにベース体12の下に運搬物を吊り下げてもよい。
【0032】
本願発明者は、複数の移動体10が連結した移動体群であっても、図9に示すように、右カーブ、左カーブを問わず移動でき、S字カーブがあるレールにも適用することができることを見出した。
【0033】
本実施の形態は、本発明の範囲内において種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 移動体
12 ベース体
20 第1の車輪保持部
22a 第1の車輪
22b 第2の車輪
24 第1のボールベアリング
26 第1の軸
30 第2の車輪保持部
32a 第3の車輪
32b 第4の車輪
34 第2のボールベアリング
36 第2の軸
40 連結体
50 軌道
50a 第1のレール
50b 第2のレール


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10