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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】骨材ストックヤードの施工法
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20240611BHJP
   E01C 19/10 20060101ALI20240611BHJP
   B65G 3/02 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
E04H17/14
E01C19/10 Z
B65G3/02 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023040610
(22)【出願日】2023-03-15
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】592130426
【氏名又は名称】東栄運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】添野 和良
(72)【発明者】
【氏名】添野 将矢
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特許第2537730(JP,B2)
【文献】特開2013-112934(JP,A)
【文献】特開平10-280739(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110847699(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00-17/26
E01C 19/00-19/52
B65G 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱間に波板を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして掛け渡して構成する骨材ストックヤードにおいて、下端に鋼材による脚体を自立する脚体として設けた鋼材による第1の支柱を第1のクレーンで吊降ろして接地させ、この支柱に対して同じ第1のクレーンで波板を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして水平に吊降ろして第1の支柱と波板を結合し、第1の支柱は波板を結合した状態で自立することができ、前記同じ第1のクレーンで第1の支柱に並ぶように第2の支柱を吊り降ろしてこの第2の支柱と前記波板を結合することを特徴とする骨材ストックヤードの施工法。
【請求項2】
第1の支柱と波板を結合した段階で、波板の下に角材による枕をかませる請求項1記載の骨材ストックヤードの施工法。
【請求項3】
第1の支柱の脚体は十字方向に突設し、第2の支柱の脚体は横一文字に突設する請求項1または請求項2記載の骨材ストックヤードの施工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートやアスファルト等の骨材ストックヤードの施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路舗装工事では、工事規模がかなりのものになると舗装材料としてのアスファルトを製造するための製造プラントや骨材ストックヤードを仮設的に設けることがある。
【0003】
そして、この骨材ストックヤードは砂利、砂等の骨材を種類ごとに野積みできるものとして、間隔を存してフェンスを並列させてなるものである。
【0004】
並列するフェンス間が骨材のストック場所であり、当該フェンスの前後が材料の搬入、搬出口となる。
【0005】
出願人は先に設置の施工が簡単で、しかも各フェンスは骨材の荷重に十分に耐え得る強度を有し、また、撤去も簡単で、しかも撤去に際して産業廃棄物の発生も生じない骨材ストックヤードとして下記の特許文献のものを提案し、特許を取得した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第2537730号明細書
【0007】
これは図9に示すように 間隔を存してフェンス1,1aを並列させてなる骨材ストックヤードにおいて、鋼材による脚体5を直交方向に向けて設けた鋼材による支柱3を該脚体5が相互に平行になるようにして適宜間隔で立設し、この支柱3の側面に板体としてのコルゲートシート4を張設してフェンス1として構成する。また、端のフェンス1aを構成する支柱3は脚体5aがストックヤード外側に突出するようにし、該支柱1aの中間から脚体5aの先端にかけて鋼材による斜材6をかけわたすものである。
【0008】
端列のフェンス1aを除いて中列のフェンス1は全て同じ形のものである。また、フェンス1の間にスクリニングスの上屋2を設けている。
【0009】
このようにして、垂直に立ち上げられた支柱3の側面に波板としてのコルゲートシート4をこのコルゲートシート4の波の山が連続する方向に対して支柱3の長手方向が直交するように張設することで、このコルゲートシート4は適宜間隔で立設する支柱3,3間に掛け渡される。
【0010】
一方、端列のフェンス1aについても、前記中状列のフェンス1と同様に、H型鋼等の鋼材による支柱3aと、この支柱3aとおなじH型鋼等の鋼材による支柱根としての脚体5aと、波板であるコルゲートシート4の組合せからなる。
【0011】
支柱3の下端に脚体5をフェンス1aに対して直交方向に設け、かつこの支柱3は脚体5の端によせて結合して全体をL字形となるように結合する。さらに、支柱3の中間から脚体5の先端にかけて鋼材による斜材6を掛け渡すことにより、下部をトラス状とした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記特許文献1の骨材ストックヤードを施工するには、図6図8に示すように、支柱3をクレーン13で吊降ろして接地し、この支柱3に他のクレーン14でコルゲートシート4を水平状態に吊降ろし、支柱3にこのコルゲートシート4の端を結合した上で、コルゲートシート4をクレーン14で吊ったままで支柱3を吊っていたクレーン13を解除する。
【0013】
前記支柱3に並ぶ支柱3を同じクレーン13を用いて吊降ろし、この支柱3を接地してコルゲートシート4の他の端を該支柱3に結合する。
【0014】
このようにして、垂直に立ち上げられた支柱3の側面に波板としてのコルゲートシート4をこのコルゲートシート4の波の山が連続する方向に対して支柱3aの長手方向が直交するように張設する。このコルゲートシート4は適宜間隔で立設する支柱3,3間に掛け渡される。
【0015】
支柱3は自立しないのでクレーン13で吊った状態にしておく必要があり、コルゲートシート4は第2のクレーン14で吊下すことになり、2台のクレーンを必要とした。
【0016】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、1台のみのクレーンで施工を可能とし、その結果、工費が低減でき、また、安全性を高めることができる骨材ストックヤードの施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、支柱間に波板を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして掛け渡して構成する骨材ストックヤードにおいて、下端に鋼材による脚体を自立する脚体として設けた鋼材による第1の支柱を第1のクレーンで吊降ろして接地させ、この支柱に対して同じ第1のクレーンで波板を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして水平に吊降ろして第1の支柱と波板を結合し、第1の支柱は波板を結合した状態で自立することができ、前記同じ第1のクレーンで第1の支柱に並ぶように第2の支柱を吊り降ろしてこの第2の支柱と前記波板を結合することを要旨とするものである。
【0018】
請求項1記載の本発明によれば、第1の支柱は下端に鋼材による脚体を自立する脚体として設けたものであり、この第1の支柱をクレーンで吊降ろして接地させたなら、そのクレーンを開放して同じクレーンで波板を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして水平に吊降ろして第1の支柱と波板を結合することができる。また、そのクレーンでさらに第1の支柱に並ぶように第2の支柱を吊り降ろしてこの第2の支柱と前記波板を結合することができるので1台のクレーンのみの使用ですむ。
【0019】
請求項2記載の本発明は第1の支柱と波板を結合した段階で、波板の下に角材による枕をかませることを要旨とするものである。
【0020】
請求項2記載の本発明によれば、第1の支柱と波板を結合した状態のものはそのままでも自立はできるが、波板の下に角材による枕をかませることで波板の水平を保ち、より安定した状態で次の作業に移行できる。
【0021】
請求項3記載の本発明は、第1の支柱の脚体は十字方向に突設し、第2の支柱の脚体は横一文字に突設することを要旨とするものである。
【0022】
請求項3記載の本発明によれば、第1の支柱の脚体は自立するものとして十字方向に突設したが、第2の支柱はクレーンで吊降ろしてそのまま波板を結合することができ、第1の支柱と第2の支柱に架け渡される波板で全体が自立するものとなるので、第2の支柱を吊降ろしたクレーンは開放して他の作業に用いるこことができる。
【0023】
このようにして第2の支柱以下は第1の支柱と比較して脚体が簡易な安価なもので済む。
【発明の効果】
【0024】
以上述べたように本発明の骨材ストックヤードの施工法は1台のみのクレーンで施工を可能としたので、その結果、重機の使用料等の工費が低減でき、また、複数の重機が錯綜して作業することもないので安全性を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の骨材ストックヤードの施工法の1実施形態の第1工程を示す斜視図である。
図2】本発明の骨材ストックヤードの施工法の1実施形態の第2工程を示す斜視図である。
図3】本発明の骨材ストックヤードの施工法の1実施形態の第3工程を示す斜視図である。
図4】本発明の骨材ストックヤードの施工法で施工した骨材ストックヤードの1例を示す斜視図である。
図5】本発明の骨材ストックヤードの施工法で施工した骨材ストックヤードの親綱取付支柱の設置個所を示す側面図である。
図6】従来例の第1工程を示す斜視図である。
図7】従来例の第2工程を示す斜視図である。
図8】従来例の第3工程を示す斜視図である。
図9】従来例を示す側面図である。
図10】従来例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1図3は本発明の骨材ストックヤードの施工法の1実施形態の工程を示す斜視図で、前記従来例を示す図6図9と同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
【0027】
本発明により施工される骨材ストックヤードの全体から説明すると、図4に示すように、間隔を存してフェンス1を並列させてなるものである。また、フェンス1の間にスクリニングスの上屋2を設けてもよい。
【0028】
フェンス1は、H型鋼等の鋼材による支柱と、この支柱とおなじH型鋼等の鋼材による支柱根としての脚体と、波板であるコルゲートシート4の組合せからなる。
【0029】
前記H型鋼等の鋼材による支柱は第1の支柱3aと第2の支柱3bがあり、ともに支柱根としての脚体を有するが、第1の支柱3aは脚体を後述のように波板を結合した状態で自立する脚体5aとして設けた。
【0030】
一例としてこの脚体5aは十字方向に突設したもので、この脚体がフェンス1の連続方向と直交する向きと平行する向きのものになる。
【0031】
一方、第2の支柱3bは脚体5bを横一文字に突設するもので、支柱3bに対して直交方向に設けて逆T字形となるように組み合わせた。この脚体5bがフェンス1の連続方向と直交する向きで相互に平行となるようにして配設することで、前記支柱3bが適宜間隔毎に並列して立設される。
【0032】
このようにして、垂直に立ち上げられた支柱3a,支柱3bの側面に波板としてのコルゲートシート4をこのコルゲートシート4の波の山が連続する方向に対して支柱3の長手方向が直交するように張設することで、このコルゲートシート4は適宜間隔で立設する支柱3a,支柱3b間に掛け渡される。
【0033】
次に本発明の施工法について説明する。図1に示すように鋼材による第1の支柱3aを第1のクレーン13で吊降ろして接地させる。該第1の支柱3aは脚体5aにより自立する。
【0034】
次に、この第1のクレーン13は開放し、図2に示すように支柱3aに対して同じ第1のクレーン13で波板であるコルゲートシート4を波の山の連続方向に対して支柱3aの側面の長手方向が直交するようにして水平に吊降ろして第1の支柱3aとで波板であるコルゲートシート4を結合する。
【0035】
第1の支柱3aと波板であるコルゲートシート4を結合した段階で、波板の下に角材18等によるによる枕をかませる。
【0036】
コルゲートシート4を吊っていた第1のクレーン13を開放し、同じ第1のクレーン13で第1の支柱3aに並ぶように第2の支柱3bを吊り降ろしてこの第2の支柱3bと前記であるコルゲートシート4を結合する。
【0037】
図示は省略するが、さらに、第2の支柱3bに対してコルゲートシート4を吊降ろして結合し、この第2の支柱3bに並ぶように新たな第2の支柱3bを吊降ろし、コルゲートシート4を結合し、このようして第2の支柱3bを何本か並べ、コルゲートシート4を架け渡してフェンス1を完成させるが、その吊降ろしは第1のクレーン13の1台のみで行うことができる。
【0038】
フェンス1の間にスクリニングスの上屋2を設ける場合は、上屋2は、H型鋼等の鋼材を連続させてなる2本の平行な基礎梁を地上に配置し、この基礎梁間にH型鋼等の鋼材による柱と梁9による架構を立設し、該架構間を小梁19で連結し、屋根部にはキーストンプレートによる屋根板11を貼り、側面上部にはシート12を貼りめぐらせた。
【0039】
キーストンプレートによる屋根板11を貼るのに、図4に示すように、パイプによる親綱取付支柱10を設置して、この親綱取付支柱10で親綱15を張りめぐらせて、作業員の安全性を確保する。
【0040】
図中、17は親綱取付支柱13を立設するためのクランプ、16はシート12のホルダーで、シート12はこのホルダー16から引き出し可能なロールであり、コルゲートシート4の上の開口を遮蔽できる。
【符号の説明】
【0041】
1,1a…フェンス 2…上屋
3,3a…支柱 4…コルゲートシート
5,5a…脚体 6…斜材
9…梁 10…親綱取付支柱
11…屋根板 12…シート
13,14…クレーン 15…親綱
16…ホルダー 17…クランプ
18…角材 19…小梁
【要約】
【課題】1台のみのクレーンで施工を可能とし、その結果、工費が低減でき、また、安全性を高めることができる骨材ストックヤードの施工法を提供する。
【解決手段】支柱間に波板を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして掛け渡して構成する骨材ストックヤードにおいて、下端に鋼材による脚体を自立する脚体として設けた鋼材による第1の支柱3aを第1のクレーン13で吊降ろして接地させ、この支柱3aに対して同じ第1のクレーン13で波板であるコルゲートシート4を波の山の連続方向に対して支柱側面の長手方向が直交するようにして水平に吊降ろして第1の支柱3aと結合し、前記同じ第1のクレーンで第1の支柱に並ぶように第2の支柱を吊り降ろしてこの第2の支柱と前記波板であるコルゲートシート4を結合する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10