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特許7501944ガス売上げ予測のシステム、方法、プログラムおよびサーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ガス売上げ予測のシステム、方法、プログラムおよびサーバー
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240611BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023082798
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2019135938の分割
【原出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2023096143
(43)【公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】福島 耕一郎
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-244063(JP,A)
【文献】特開2016-075671(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106682840(CN,A)
【文献】特開2005-250709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給先のガス使用量を計測して指針情報を出力するメータと、
前記指針情報を送出する通信部と、
前記通信部が送出する前記指針情報を中継する中継部と、
前記指針情報を蓄積する指針情報源と、
前記中継部または前記指針情報源から前記指針情報を取得して前記ガス供給先ごとにガス使用量情報を算出するサーバーと、
情報端末と、
を含み、前記サーバーは、前記情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の前記ガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信する、ガス売上げ予測システム。
【請求項2】
前記予測指針情報は、前記指針情報の推移と任意に設定される前記予測算定時点を用いて算出する、請求項1に記載のガス売上予測システム。
【請求項3】
前記予測ガス使用量情報は、前記ガス使用量情報の推移と任意に設定される前記予測算定時点を用いて算出する、請求項1に記載のガス売上予測システム。
【請求項4】
前記予測ガス売上げ情報は、前記予測ガス使用量情報と前記ガス供給先の課金情報を用いて前記ガス供給先ごとに算出する、請求項1に記載のガス売上予測システム。
【請求項5】
ガス供給先のメータが、前記ガス供給先のガス使用量を計測して指針情報を出力する工程と、
通信部が、前記指針情報を送出する工程と、
中継部が、前記通信部が送出する前記指針情報を中継する工程と、
指針情報源が、前記指針情報を蓄積する工程と、
サーバーが、前記中継部または前記指針情報源から前記指針情報を取得して前記ガス供給先ごとにガス使用量情報を算出する工程と、
さらに、前記サーバーが、接続された情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の前記ガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信する工程と、
を含む、ガス売上げ予測方法。
【請求項6】
コンピュータに実行させるプログラムであって、
ガス供給先のメータから指針情報を取得し、または前記ガス供給先の指針情報を蓄積している指針情報源から指針情報を取得して前記ガス供給先ごとにガス使用量情報を算出する機能と、
情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の前記ガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信させる機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
ガス供給先に設置されるメータの指針情報を送出する通信部に中継部を介して接続され、または指針情報源に前記中継部を介して接続され、かつ、情報端末と接続されるサーバーであって、
前記中継部または前記指針情報源から前記ガス供給先の前記指針情報を取得し、前記情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先のガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信する処理部を含む、サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、LPG(Liquefied Petroleum Gas :液化石油ガス)など、ガス供給先のガスメーターの指針情報を用いて売上げ予測を行う予測技術に関する。
【背景技術】
【0002】
LPGは、一般に、ガス事業者からガス供給先にボンベで配送される。ガス使用量は、ガスメーターから得られる指針情報によって管理される。
【0003】
このガス使用量の予測に関し、ガスメーターから指針情報を受け、各指針情報を比較してガス使用量を算出するとともに、指針情報の検針日よりも所定期間前における複数のガス使用量の比較に基づいて過去のガス使用量の変化率を算出し、この変化率に応じてガス使用量を変更し、変更後のガス使用量を将来のガス使用量として予測することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-254414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガス事業者が提供するLPGの売上げは、ガス供給先のガス使用量に依存している。このガス使用量はガスメーターの指針情報に基づいて算出される。当月の指針情報を取得すれば、この指針情報から先月の指針情報を減算することにより、当月度のガス使用量が確定する。このガス使用量に単位使用量あたりの料金を掛け算すれば、ガス売上げ情報を算出することができる。つまり、当月の指針情報が確定しない限り、ガス使用量やガス売上げを求めることはできない。
【0006】
このような課金システムに加え、ガス供給先数や、各ガス供給先のガス使用量は流動的である。このため、ガス事業者におけるガスの仕入れにはガス供給先数やそのガス使用量の変動を予測することが要求される。つまり、ガスの仕入にはガス供給先のガス使用量に基づいたガス売上げの予測は不可欠である。ガス事業者の経営上、ガスの売り上げ予測に基づかないガスの仕入れは時期を失し、経営状態を悪化させるという課題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、ガス供給先のガス使用量に基づきガス売上管理を自動化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のガス売上げ予測システムの一側面によれば、ガス供給先のガス使用量を計測して指針情報を出力するメータと、前記指針情報を送出する通信部と、前記通信部が送出する前記指針情報を中継する中継部と、前記指針情報を蓄積する指針情報源と、前記中継部または前記指針情報源から前記指針情報を取得して前記ガス供給先ごとにガス使用量情報を算出するサーバーと、情報端末とを含み、前記サーバーは、前記情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の前記ガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信する。
【0008】
このガス売上げ予測システムにおいて、前記予測指針情報は、前記指針情報の推移と任意に設定される前記予測算定時点を用いて算出してもよい。
【0009】
このガス売上げ予測システムにおいて、前記予測ガス使用量情報は、前記ガス使用量情報の推移と任意に設定される前記予測算定時点を用いて算出してもよい。
【0010】
このガス売上げ予測システムにおいて、前記予測ガス売上げ情報は、前記予測ガス使用量情報と前記ガス供給先の課金情報を用いて前記ガス供給先ごとに算出してもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のガス売上げ予測方法の一側面によれば、ガス供給先のメータが、前記ガス供給先のガス使用量を計測して指針情報を出力する工程と、通信部が、前記指針情報を送出する工程と、中継部が、前記通信部が送出する前記指針情報を中継する工程と、指針情報源が、前記指針情報を蓄積する工程と、サーバーが、前記中継部または前記指針情報源から前記指針情報を取得して前記ガス供給先ごとにガス使用量情報を算出する工程と、さらに、前記サーバーが、接続された情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の前記ガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信する工程とを含む。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータに実行させるプログラムであって、ガス供給先のメータから指針情報を取得し、または前記ガス供給先の指針情報を蓄積している指針情報源から指針情報を取得して前記ガス供給先ごとにガス使用量情報を算出する機能と、情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の前記ガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信させる機能とを前記コンピュータに実行させる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のサーバーの一側面によれば、ガス供給先に設置されるメータの指針情報を送出する通信部に中継部を介して接続され、または指針情報源に前記中継部を介して接続され、かつ、情報端末と接続されるサーバーであって、前記中継部または前記指針情報源から前記ガス供給先の前記指針情報を取得し、前記情報端末からの要求を契機として、算定時点間の前記指針情報を用いて前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先のガス使用量情報とガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信し、前記情報端末からの要求により、前記情報端末に関連付けられた前記ガス供給先の基準時点から予測算定時点までの予測指針情報、予測ガス使用量情報と予測ガス売上げ情報を算出して前記情報端末に送信するとともに、前記ガス使用量情報、前記ガス売上げ情報、前記予測ガス使用量情報、前記予測ガス売上げ情報、ガス容器の交換時期情報を含む管理情報を生成し、設定された送信時点が到来すると前記管理情報を前記情報端末に送信する処理部を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) ガス供給先のガス使用量に基づきガス売上管理を自動化することができ、人的負荷を軽減できるとともに、処理の迅速化を図ることができる。
(2) ガス供給先の予測ガス使用量および予測ガス売上げ情報を算出するので、この予測ガス売上げ情報を需要予測や投資情報に活用できる。
(3) 予測ガス使用量または予測ガス売上げ情報からガス需要のトレンドを把握することができ、機器の劣化や投資タイミングを図ることができる。
(4) ガス供給先のガス使用量の算定日を分散させることができ、ガス使用量や売上げの予測算出の負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態に係るガス管理工程を示すフローチャートである。
図2】第1の実施の形態に係るガス管理システムを示す図である。
図3】ガス管理ファイル群を示す図である。
図4】Aはガス管理ファイルのガス供給情報部を示す図であり、Bはガス管理ファイルの履歴情報部を示す図である。
図5】指針情報とガス使用量の算定時点の関係を示す図である。
図6】Aはガス使用量の推移を示す図であり、Bはガス売上げ情報の推移を示す図である。
図7】指針情報の推移、検針時点およびガス使用量の算定時点の関係を示す図である。
図8】予測ガス売上げ情報の再計算の処理手順を示すフローチャートである。
図9】ガス使用量の監視動作を示す図である。
図10】第2の実施の形態に係るガス管理システムを示す図である。
図11】ガス供給先端末のハードウェアを示す図である。
図12】管理者端末におけるガス売上げ情報の提示を示す図である。
図13】ガス供給先端末におけるガス売上げ情報の提示を示す図である。
図14】ガス管理の処理シーケンスを示す図である。
図15】ガス供給先端末からの要求情報に対する応答処理を含む処理手順を示すフローチャートである。
図16】第3の実施の形態に係るガス管理の処理手順を示すフローチャートである。
図17】第3の実施の形態に係るガス売上げ情報の提示を示す図である。
図18】第4の実施の形態に係るガス管理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るガス管理工程を示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
このガス管理工程には、ガス供給先10の特定(S101)、ガス管理ファイル22の特定(S102)、指針情報Sの取得(S103)、ガス使用量情報Gの算定時点Tの監視(S104)、ガス使用量情報Gの算出(S105)、ガス売上げ情報Mの算出(S106)、予測ガス使用量情報Gxの算定時点Txの監視(S107)、予測ガス使用量情報Gxの算出(S108)、予測ガス売上げ情報Mxの算出(S109)、ガス管理ファイル22に格納(S110)、提示情報の生成(S111)、提示情報の送出時点の監視(S112)、提示情報の送信(S113)などが含まれる。
【0017】
ガス供給先10の特定(S101): ガス供給先10-1、10-2、・・・、10-N(図2、以下単に「ガス供給先10」と称する)はガス事業者と契約し、たとえば、ガス容器48(図10)を設置し、このガス容器48からLPGを消費するガス消費者などのガスユーザーである。ガスユーザーは個人であるかまたは法人(業者)の何れかを問わない。LPGの使用量はガスメーター50(図10)の指針情報により把握される。そこで、ガス売上げ予測の対象として、斯かるガス供給先10が特定される。
ガス管理ファイル22の特定(S102): ガス管理ファイル22は、ガス供給先10ごとに作成されてガス管理データベースを構成し、ガス供給およびガス売上げの管理に用いられる。管理サーバー4(図2)はガス供給先10の特定に基づき、そのガス供給先10のガス管理ファイル22を特定する。
指針情報Sの取得(S103): ガスメーター50で得られる指針情報Sは各ガス供給先10のガスメーター50に設置された通信部56(図10)から取得してもよいし、指針情報源20(図2)から取得してもよい。ガス供給先10のガスメーター50から得られる指針情報Sを日単位または月単位など、一定の検針間隔で管理サーバー4が取得すればよい。この指針情報Sはガス管理ファイル22に格納される。
ガス使用量情報Gの算定時点Tの監視(S104): 管理サーバー4はカレンダー機能を含むタイマー機能を備え、ガス使用量情報Gの算定時点Tを監視し、ガス供給先10ごとにガス使用量情報Gの算定時点Tを生成する。この算定時点Tの到来を契機に、予測ガス使用量情報Gxの算出モードに移行する。
【0018】
ガス使用量情報Gの算出(S105): ガス供給先10のガスメーター50から得られる指針情報Sを取得した管理サーバー4は日単位または月単位で、ガス供給先10のガス使用量情報Gを算出する。
ガス売上げ情報Mの算出(S106): 管理サーバー4はガス使用量情報Gを用いることによりたとえば、前算定時点から現算定時点までのガス売上げ情報Mを算出する。このガス売上げ情報Mはガス管理ファイル22に格納される。
予測ガス使用量情報Gxの算定時点Txの監視(S107): 管理サーバー4は既述のタイマー機能により予測ガス使用量情報Gxの算定時点Txを監視し、ガス供給先10ごとに予測ガス使用量情報Gxの算定時点Txを生成する。この算定時点Txの到来を契機に、予測ガス使用量情報Gxの算出モードに移行する。
予測ガス使用量情報Gxの算出(S108): 管理サーバー4は既得の指針情報Sを用いて予測ガス使用量情報Gxを算出する。管理サーバー4は指針情報Sを用いることによりたとえば、前検針時点から現針検針時点までの予測ガス使用量情報Gxを算出する。この予測ガス使用量情報Gxはガス管理ファイル22に格納される。
【0019】
予測ガス売上げ情報Mxの算出(S109): 管理サーバー4は既述の予測ガス使用量情報Gxとガス供給先10に設定された契約料金情報(課金情報)とを用いてガス供給先10ごとに予測ガス売上げ情報Mxを算出する。
ガス管理ファイル22に格納(S110): 予測ガス売上げ情報Mxは、指針情報Sと同様に、ガス供給先10の識別情報に関係付けられてガス管理ファイル22に格納される。
提示情報の生成(S111): 管理サーバー4は予測ガス売上げ情報Mxの算出を契機に、提示情報を生成する。この提示情報には、ガス供給先10または全ガス供給先10の識別情報に関係付けられた予測ガス使用量情報Gxまたは予測ガス売上げ情報Mxの何れかまたは双方を含む。
提示情報の送出時期の監視(S112): 管理サーバー4はカレンダー機能を備えることにより、提示情報の送出時期を監視し、ガス供給先10ごとにガス管理ファイル22の格納情報に基づき、提示情報の送出を行う。
提示情報の送信(S113): この提示情報はガス供給先端末12に向けて送信される。
なお、管理サーバー4が既述のタイマー機能により予測ガス売上げ情報Mxの算定時点Txを監視し、ガス供給先10ごとに予測ガス売上げ情報Mxの算定時点Txを生成する。この算定時点Txの到来を契機に、予測ガス売上げ情報Mxの算出モードに移行する処理としてもよい。
【0020】
<ガス管理システム2>
図2のAは、ガス管理システム2を示している。図2のAに示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
このガス管理システム2には管理サーバー4、情報提示部6、情報入力部8が備えられる。管理サーバー4は、各ガス供給先10(=10-1、10-2、・・・・、10-N)に対するLPGの供給、ガス売上げなどを管理するガス事業者に設置される。この管理サーバー4には通信機能を備えるコンピュータが用いられ、取得した指針情報から各ガス供給先10のガス売上げなどの情報処理を実行する。この情報処理には、
a)ガス管理ファイル22の作成および更新
b)ガス供給先10の管理
c)指針情報S-1、S-2、・・・、S-Nの取得
d)ガス使用量の算定時点の生成
e)ガス使用量情報G-1、G-2、・・・、G-Nの算出
f)ガス売上げ情報M-1、M-2、・・・、M-Nの算出
g)予測ガス使用量の予測算定時点の生成
h)予測ガス使用量情報Gx-1、Gx-2、・・・、Gx-Nの算出
i)予測ガス売上げ情報Mx-1、Mx-2、・・・、Mx-Nの算出
j)提示情報の生成および情報提示
k)提示情報の送信
などが含まれる。
情報提示部6は、管理サーバー4と直結される情報提示機器たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)、管理サーバー4と有線制御または無線制御される管理者端末14(図2のB)など、管理サーバー4と情報の授受や、ガス管理ファイル22を含む情報提示が可能な機器であればよい。
情報入力部8にはキーボード、タッチパネルなどの入力機器が用いられる。この情報入力部8はガス供給先10の特定のための入力を含む各種情報入力や処理モードの選択などに用いられる。情報提示部6および情報入力部8はたとえば、管理者端末14で構成してよい。
【0021】
各ガス供給先10にはガス容器48やガスメーター50が設置され、各ガスメーター50から指針情報が得られる。この指針情報は、検針員による検針、ガスメーター管理システムからの所謂ビッグデータの何れでもよい。
ガス供給先端末12-1、12-2、・・・・、12-N(以下、単に「ガス供給先端末12」と称する)はガス供給先10に備える情報端末である。つまり、各ガス供給先端末12は管理サーバー4とたとえば、公衆回線を通じて接続され、情報の授受が可能である。
【0022】
<管理者端末14>
図2のBは、情報提示部6および情報入力部8として機能する管理者端末14を示している。この管理者端末14は、管理サーバー4と通信による情報の授受が可能であり、モニター16および操作入力部18を備える。モニター16は情報提示部6として機能し、操作入力部18は情報入力部8として機能する。モニター16には操作入力部18として機能するタッチパネルを備えてよい。
【0023】
<ガス供給先10の指針情報Sの取得>
各ガス供給先10の指針情報Sは、ガス供給先10におけるガス使用量情報Gやガス売上げ情報Mを算定するための基礎情報である。この指針情報Sは、定期または随時の検針時点でガス供給先10から取得してもよいし、指針情報源20から取得してもよい。この指針情報源20は、ガス供給先情報および検針時点に関係付けた指針情報を管理するガス情報管理システムである。
【0024】
<ガス管理ファイル22>
図3は、ガス管理ファイル22-1、22-2、・・・、22-Nを示している。ガス供給先10ごとに作成されたガス管理ファイル22-1、22-2、・・・、22-N(以下単に「ガス管理ファイル22」と称する)を含むファイル群は、ガス供給先10のガス管理情報を格納する管理データベースを構成する。
各ガス管理ファイル22にはガス供給先10ごとにガス管理情報が格納される。この実施の形態のガス管理ファイル22には、ガス供給先情報部24、ガス供給情報部26、取得条件情報部28、検針時点情報部30、指針情報部32、算定時点情報部34、ガス使用量情報部36、ガス売上げ情報部38、予測ガス使用量情報部40、予測ガス売上げ情報部42、積算情報部44、履歴情報部46が設定されている。
ガス供給先情報部24にはガス供給先10を識別するための識別情報が格納される。ガス供給情報部26(図4のA)にはガス供給先10におけるガス供給に関する属性情報が格納される。
【0025】
取得条件情報部28には、ガス供給先10の指針情報の取得条件に関する情報たとえば、検針員による検針、ガスメーター50からの指針情報の自動送信、指針情報源20からの提供などの取得形態や取得情報が格納される。
検針時点情報部30には検針時点を表す時間情報が格納される。指針情報部32には検針時点で取得した指針情報Sが格納される。算定時点情報部34にはガス使用量情報G、ガス売上げ情報Mまたは予測ガス使用量情報Gx、予測ガス売上げ情報Mxの算定時点を表す時間情報が格納される。
ガス使用量情報部36には指針情報Sにより算出したガス使用量情報Gが格納される。ガス売上げ情報部38にはガス使用量情報Gに対応するガス売上げ情報Mが格納される。
予測ガス使用量情報部40にはガス使用量情報Gから予測した予測ガス使用量情報Gxが格納される。予測ガス売上げ情報部42には予測ガス使用量情報Gxに対応する予測ガス売上げ情報Mxが格納される。
積算情報部44には指針情報S、ガス売上げ情報Mなどの積算情報が格納される。履歴情報部46(図4のB)にはガス使用量異常、予測ガス使用量など再計算、提示情報の送信などを含む各種の情報が格納される。
【0026】
図4のAは、ガス管理ファイル22のガス供給情報部26を示している。このガス供給情報部26には容器容量部26-1、容器数部26-2、容器交換時期部26-3、ガス平均使用量部26-4が設定されている。容器容量部26-1にはガス供給先10に設置されるガス容器48の容量情報が格納される。容器数部26-2にはガス容器48の設置数情報が格納される。容器交換時期部26-3にはガス供給先10ごとの容器交換時期を表す時間情報(カレンダー情報)が格納される。ガス平均使用量部26-4には、ガス供給先10ごとのガス使用量の平均値を表すガス使用量情報Gが格納される。容器容量、容器設置数、容器交換時期および平均使用量は、異常使用量の判定に用いる基準情報である。
【0027】
図4のBは、ガス管理ファイル22の履歴情報部46を示している。この履歴情報部46には異常情報部46-1、再計算情報部46-2、提示情報送信記録部46-3が設定されている。
異常情報部46-1には、ガス使用量に異常が生じた場合、その異常の有無、異常の原因、その日時などを含む異常情報が格納される。
再計算情報部46-2には、ガス使用量に異常が生じた場合、ガス使用量情報G、ガス売上げ情報M、予測ガス使用量情報Gxおよび予測ガス売上げ情報Mxの再計算を表す再計算情報が格納される。
提示情報送信記録部46-3には、管理サーバー4からガス供給先端末12に対して提示した情報およびその送信時点を含む送信記録情報が格納される。
【0028】
<ガス使用量情報Gの算定時点Tと指針情報Sの推移>
図5は、横軸に算定時点、縦軸に指針情報を取り、算定時点に対する指針情報の推移を示している。
ガス使用量の算定時点Tn-4、Tn-3、Tn-2、Tn-1、Tnは、現時点をTnとし、Tnから一定の時間間隔で過去に逆上る時点を示している。たとえば、1カ月単位で算定時点が到来している。
指針情報Sn-4、Sn-3、Sn-2、Sn-1、Snは、算定時点Tn-4、Tn-3、Tn-2、Tn-1、Tnでガス使用量の算定に使用した指針情報である。つまり、指針情報Sn-4、Sn-3、Sn-2、Sn-1、Snは、算定時点Tn-4、Tn-3、Tn-2、Tn-1、Tnで取得した情報である必要はない。
ガス使用量は現時点の指針情報から前回時点の指針情報を減算した値である。したがって、算定時点Tn-3、Tn-2、Tn-1、Tnで算定されるガス使用量情報Gn-3、Gn-2、Gn-1、Gnはそれぞれ次式から算出される。
[Gn-3]=[Sn-3]-[Sn-4] ・・・(1)
[Gn-2]=[Sn-2]-[Sn-3] ・・・(2)
[Gn-1]=[Sn-1]-[Sn-2] ・・・(3)
[Gn]=[Sn]-[Sn-1] ・・・(4)
【0029】
<予測算定時点Txにおける予測指針情報Sxおよび予測ガス使用量情報Gx>
図5において、予測算定時点をTxとし、この予測算定時点Txにおける予測指針情報をSxとすれば、予測ガス使用量情報Gxは次式から算出される。
[Gx]=[Sx]-[Sn] ・・・(5)
【0030】
<ガス使用量情報Gの推移>
図6のAは、横軸に算定時点T、縦軸にガス使用量情報Gを取り、算定時点に対するガス使用量情報Gnの推移を示している。
ガス使用量情報Gn-3、Gn-2、Gn-1、Gnは、式(1) ~(4) の算出結果を示している。
また、予測算定時点Txにおける予測ガス使用量情報Gxは、式(5) の算出結果を示している。
【0031】
<ガス売上げ情報Mの推移>
図6のBは、横軸に算定時点T、縦軸にガス売上げ情報Mを取り、算定時点に対するガス売上げ情報Mnおよび予測ガス売上げ情報Mxの推移を示している。
ガス売上げ情報Mnはガス使用量情報Gnにガス供給先10に適用されるガス料金mrを掛けることにより算出される。
ガス売上げ情報Mn-3、Mn-2、Mn-1、Mnは、次式により算出される。
[Mn-3]=[Gn-3]×[mr] ・・・(6)
[Mn-2]=[Gn-2]×[mr] ・・・(7)
[Mn-1]=[Gn-1]×[mr] ・・・(8)
[Mn]=[Gn]×[mr] ・・・(9)
また、予測算定時点Txにおける予測ガス売上げ情報をMxとすると、予測ガス売上げ情報Mxは、予測ガス使用量情報Gxに同様にガス料金mrを掛けることにより算出される。
[Mx]=[Gx]×[mr] ・・・(10)
【0032】
<検針時点tmと指針情報Sm>
図7は、横軸に検針時点、縦軸に指針情報を取り、指針情報の推移を示している。横軸には括弧書きでガス使用量情報Gの算定時点Tn、Tn-1を付してある。
指針情報S1、S2、・・・、Smは検針時点t1、t2、・・・、tmでガスメーター50から取得される指針データである。
これに対し、算定時点Tは検針時点t1、t2、・・・、tmと一致させる必要はない。
また、算定時点間にはガス使用量の算定に必要な指針情報が存在すればよく、2以上の検針情報として複数のたとえば、指針情報S1、S2、・・・、Smが含まれる。
【0033】
<予測ガス使用量情報Gxの算出>
図8は、予測ガス使用量情報Gxの算出工程を示している。この算出工程にはガスの使用量に異常が生じた場合の予測ガス使用量情報Gxの再計算の処理が含まれる。
この予測ガス使用量情報Gxの算出工程には、指針情報Sの取得(S201)、ガス使用量情報Gの監視(S202、S203)、予測ガス使用量情報Gxの再計算(S204)、予測ガス使用量情報Gxの更新(S205)、予測ガス売上げ情報Mxの再計算(S206)、予測ガス売上げ情報Mxの更新(S207)、情報の提示(S208)が含まれる。
【0034】
指針情報Sの取得(S201): 管理サーバー4はガス供給先10の指針情報Sを取得する。
ガス使用量情報Gの監視(S202、S203): 管理サーバー4はガス供給先10ごとにガス使用量情報Gを監視し(S202)、ガス使用量情報Gに異常が生じたか否かを判断する(S203)。ガス使用量情報Gの異常はたとえば、極端な使用量の上昇や減少により判断する。ガス使用量情報Gに異常がなければ(S203のNO)、継続してガス使用量情報Gの監視を継続する。
【0035】
予測ガス使用量情報Gxの再計算(S204): ガス使用量情報Gに異常があれば(S203のYES)、予測ガス使用量情報Gxの再計算モードに移行し、予測ガス使用量情報Gxの再計算を行う。
予測ガス使用量情報Gxの更新(S205): 現在の予測ガス使用量情報Gxを再計算結果に更新する。
予測ガス売上げ情報Mxの再計算(S206): 再計算結果の予測ガス使用量情報Gxを用いて予測ガス売上げ情報Mxの再計算を行う。
予測ガス売上げ情報Mxの更新(S207): 再計算結果の予測ガス売上げ情報Mxで格納情報を更新する。
情報の提示(S208): 再計算結果を表す予測ガス使用量情報Gxおよび予測ガス売上げ情報Mxを含む情報の再提示を行う。
【0036】
<ガス使用量情報Gの異常判定>
図9のAおよび図9のBは、横軸にガス使用量の算定時点、縦軸にガス使用量を取ってガス使用量の推移を示している。
ガス使用量情報Gdは、ガス平均使用量Gavに比較して異常値(Gd>Gav)を示している。このガス使用量情報Gdとガス平均使用量Gavの差をΔXとすれば、この差ΔXが基準値Grefより大であれば(Gref<ΔX)、異常と判断すればよい。
ガス使用量情報Ggは、ガス平均使用量Gavに比較して異常値(Gg<Gav)を示している。このガス使用量情報Ggとガス平均使用量Gavの差を-ΔXとすれば、この差-ΔXが基準値-Grefより小であれば(-Gref>-ΔX)、異常と判断すればよい。
このようなガス使用量情報Gに大幅な変動を生じた場合に異常と判断し、予測ガス使用量情報Gxの再計算を行う。
【0037】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) ガス供給先10のガス使用量、予測ガス使用量、ガス売上げ、予測ガス売上げを自動的に計算でき、提示することができる。
(2) ガス管理情報をガス供給先10に提供でき、ガス供給先10でのガス使用量などの管理に活用できる。
(3) ガス事業者は投資予測に利用できる。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
図10は、第2の実施の形態に係るガス管理システム2を示す図である。図10において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
各ガス供給先10にはガス事業者から提供される複数のガス容器48-1、48-2が設置されている。ガス容器48-1、48-2はガスメーター50を介してガス機器52に接続され、ガス容器48-1、48-2とガスメーター50との間には切替器54が設置されており、ガス容器48-1、48-2の何れかよりLPGがガス機器52に供給される。ガス機器52はガス給湯器、ガスコンロなど、ガスを消費する機器である。
【0039】
ガスメーター50はたとえば、マイコンメーターであり、LPGの通過量を計測する。この通過量が指針情報Sである。通信部56はガスメーター50に接続され、ガスメーター50から提供される指針情報Sを中継部58に向けて送信する。中継部58はインターネットなどのネットワーク60に有線接続または無線接続により接続されている。指針情報Sは中継部58を通して指針情報源20に提供される。
管理サーバー4は、ガス供給先10から中継部58を通して指針情報Sを取得することができる。また、指針情報Sは指針情報源20からも提供を受けることができる。
【0040】
管理サーバー4は通信機能を備えるコンピュータで構成される。この管理サーバー4にはプロセッサ62、記憶部64、入出力部(I/O)66、タイマー68、通信部70が設置されている。
プロセッサ62は記憶部64にあるOS(Operating System)を用いてガス管理を行うプログラムなどによって既述の情報処理を行う。記憶部64にはOSの他、ガス管理を行うプログラムや、ガス管理ファイル22を含むデータベースが格納されている。この記憶部64には各種情報の記憶手段としてROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が設置される。
タイマー68はプロセッサ62により制御されるカレンダー機能や計時機能を備え、時間情報をプロセッサ62に提供する。
通信部70は、プロセッサ62で制御されてガス供給先10の通信部56、中継部58、ガス供給先端末12、管理者端末14と有線接続または無線接続により通信が可能である。
【0041】
<ガス供給先端末12>
図11は、ガス供給先端末12のハードウェアを示している。このガス供給先端末12には既述のように、通信機能を備えるコンピュータとしてスマートフォンやタブレット端末を用いることができる。このガス供給先端末12はたとえば、プロセッサ72、記憶部74、I/O76、通信部78、情報提示部80、操作入力部82を備えている。
プロセッサ72はガス管理情報を処理する処理部の一例であり、記憶部74にあるOSに基づき、ガス管理プログラムなどの情報処理を行うため、管理サーバー4や管理者端末14との情報の授受を行う。記憶部74は、OSの他、ガス管理プログラムなど、各種のプログラムを格納している。この記憶部74にはROMやRAMなどの記憶素子が用いられる。
I/O76は、プロセッサ72と通信部78、情報提示部80または操作入力部82との情報の授受に用いられる。通信部78はたとえば、公衆回線を用いた管理サーバー4や管理者端末14との通信の他、ガスメーター50側の通信部56との通信に用いてもよい。
情報提示部80は、管理サーバー4から提供されるガス管理ファイル22などの情報提示に用いられる。
操作入力部82は、ガス供給先10の識別情報の入力、ガス売上げ情報Mを要求するための要求情報の入力などに用いられる。
【0042】
<管理者端末14による情報提示>
図12は、管理者端末14による情報提示を示している。管理者端末14は、管理サーバー4に対する情報提示部6を構成する。この情報提示部6の情報提示画面84にはたとえば、指針情報提示部86、ガス使用量情報提示部88およびガス管理情報提示部90が設定されている。
指針情報提示部86には指針情報Sの推移とともに、予測算定時点Txにおける予測指針情報Sxが提示される。
ガス使用量情報提示部88には算定時点(日)ごとのガス使用量情報Gの推移とともに、予測算定時点Txにおける予測ガス使用量情報Gxが提示される。
ガス管理情報提示部90には、ガス供給先10ごとに既述のガス管理ファイル22が提示される。
【0043】
<ガス供給先端末12による情報提示>
図13は、ガス供給先10のガス供給先端末12による情報提示を示している。ガス供給先端末12の情報提示部80の情報提示画面92にはガス供給先10ごとにガス消費情報を提示するための指針情報提示部94、ガス使用量情報提示部96およびガス消費情報提示部98が設定されている。
指針情報提示部94には該当するガス供給先10の指針情報Sの推移とともに、予測算定時点Txにおける予測指針情報Sxが提示される。
ガス使用量情報提示部96には該当するガス供給先10の算定時点(日)ごとのガス使用量情報Gの推移とともに、予測算定時点Txにおける予測ガス使用量情報Gxが提示される。
ガス消費情報提示部98には、ガス供給先10ごとにたとえば、ガス使用量算定時点、ガス使用量、使用ガス料金、予測ガス使用量算定時点、予測ガス使用量、予測ガス料金が提示される。
【0044】
<ガス管理処理>
図14は、ガス管理システム2を用いたガス管理の処理シーケンスを示している。
ガス供給先10の指針情報Sは通信部56から送信され(S301)、管理サーバー4に提供される。また、指針情報源20ではガス供給先10の指針情報Sを管理することができ、この指針情報Sも指針情報源20から送信され(S302)、管理サーバー4に提供される。
管理サーバー4は、指針情報Sの提供を受けたとき、ガス供給先10を特定し(S303)、ガス管理ファイル22を特定し(S304)、指針情報Sを取得し(S305)、ガス管理ファイル22に格納する(S306)。
管理サーバー4は、ガス使用量情報Gの算定時点を管理しており、ガス使用量情報Gの算定時点かを判断する(S307)。ガス使用量情報Gの算定時点であれば(S307のYES)、取得している指針情報Sを用いてガス使用量情報Gを算出し(S308)、ガス売上げ情報Mを算出する(S309)。
【0045】
管理サーバー4は、予測ガス使用量情報Gxの算定時点を管理しており、予測ガス使用量情報Gxの算定時点Txかを判断する(S310)。予測ガス使用量情報Gxの算定時点Txであれば(S310のYES)、取得している指針情報Sを用いて予測ガス使用量情報Gxを算出し(S311)、予測ガス売上げ情報Mxを算出する(S312)。
これらガス使用量情報G、ガス売上げ情報M、予測ガス使用量情報Gx、予測ガス売上げ情報Mxは、ガス管理ファイル22に格納され(S313)、これらの提示情報が生成される(S314)。
管理サーバー4は、提示情報の送信時点かを判断し(S315)、提示情報の送信時点であれば(S315のYES)、この提示情報をガス供給先端末12に送信する(S316)。ガス供給先端末12は、管理サーバー4から提示情報を取得し(S317)、情報提示部80の情報提示画面92に提示する。
【0046】
<ガス供給先端末12からの要求情報に対する応答処理>
図15は、ガス供給先端末12からの要求情報に対する応答処理の処理手順を示している。
ガス供給先10は、ガス供給先端末12を用いてガス消費情報を取得することが可能である。ガス供給先端末12は、任意の時点でガス消費情報の提供を受けるための要求情報を管理サーバー4に送信する(S401)。
管理サーバー4は、斯かる要求を受け、ガス消費情報の提供を要求したガス供給先10におけるガス使用量情報Gを算出し(S402)、ガス売上げ情報Mを算出する(S403)。管理サーバー4は、ガス売上げ情報Mと同情報であるガス消費情報を、ガス消費情報の要求を発したガス供給先端末12に送信する(S404)。ガス供給先端末12は、ガス消費情報を取得し(S405)、このガス消費情報を情報提示部80の情報提示画面92に表示することができる。これにより、ガス供給先10におけるガスユーザーが提供されたガス消費情報を認識できる。
【0047】
また、ガス供給先10は、ガス供給先端末12を用いて予測ガス消費情報を取得することが可能である。ガス供給先端末12は、任意の時点で予測ガス消費情報の提供を受けるための要求情報を管理サーバー4に送信する(S406)。
管理サーバー4は、斯かる要求を受け、予測ガス消費情報の提供を要求したガス供給先10における予測ガス使用量情報Gxを算出し(S407)、予測ガス売上げ情報Mxを算出する(S408)。管理サーバー4は、予測ガス売上げ情報Mxと同情報である予測ガス消費情報を、予測ガス消費情報の要求を発したガス供給先端末12に送信する(S409)。ガス供給先端末12は、予測ガス消費情報を取得し(S410)、この予測ガス消費情報を情報提示部80の情報提示画面92に表示することができる。これにより、ガス供給先10で予測ガス消費情報を認識できる。
【0048】
管理サーバー4は、これらの情報をガス管理ファイル22に格納し(S411)、提示情報を生成する(S412)。管理サーバー4は、提示情報の送信時点かを判断し(S413)、提示情報の送信時点であれば(S413のYES)、提示情報をガス供給先端末12に送信する(S414)。ガス供給先端末12は、情報要求とは別に、管理サーバー4による時期管理に基づき、提示情報を取得する(S415)。これにより、ガス供給先10では、提示されるガス使用量情報G、ガス消費情報、予測ガス使用量情報Gx、予測ガス消費情報を認識することができる。
【0049】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) 指針情報Sの取得形態に関係なく、ガス供給先10のガス使用量やその売上げ情報を一括管理することができる。
(3) 信頼性の高いガス管理システム2を構築できる。
【0050】
〔第3の実施の形態〕
図16は、第3の実施の形態に係るガス管理の処理手順を示している。この第3の実施の形態では、第2の実施の形態に係るガス管理システム2を用いている。
この実施の形態に係る処理手順では、管理サーバー4が指針情報Sを取得し(S501)、ガス管理ファイル22に指針情報Sを格納する(S502)。管理サーバー4は、ガス供給先情報を取得し(S503)、このガス供給先情報をガス管理ファイル22に格納する(S504)。
【0051】
管理サーバー4は、ガス供給先情報を一件ごと取得し(S505)、定期検針が終了しているかを判断する(S506)。定期検針が終了している(S506のYES)ガス供給先10については、定期検針で計上された指針情報Sを用いてガス使用量情報Gおよびガス売上げ情報Mを算出し(S507)、ガス売上げ情報Mを予測積算ガス売上げ情報Mxmに加算する(S508)。
定期検針が終了していなければ(S506のNO)、管理サーバー4は、定期検針以外の検針が終了しているかを判断する(S509)。定期検針以外の検針が終了している(S509のYES)ガス供給先10については、予測指針情報Sxと前回の定期検針時点の指針情報Sとの差を算出する(S510)。管理サーバー4は、このガス供給先10と契約しているガス料金表により当時点のガス売上げ情報Mを計上し(S511)、このガス売上げ情報Mを予測積算ガス売上げ情報Mxmに加算する(S508)。
定期検針以外の検針が終了していない場合(S509のNO)、前定期検針時に計上されたガス売上げ情報Mを計上し(S512)、このガス売上げ情報Mを予測積算ガス売上げ情報Mxmに加算する(S508)。
【0052】
S508の処理の後、管理サーバー4は、全ガス供給先10の算出が終了したかを判断し(S513)、係る算出が終了していない場合(S513のNO)、S504に戻り、S504からS513の処理を継続する。
管理サーバー4は、全ガス供給先10の算出が終了したと判断した場合(S513のYES)、ガス供給先別の予測ガス売上げ情報一覧を生成し(S514)、または経営状況ポータル画面を立ち上げ(S515)、S501に戻る。
【0053】
<ガス供給先別の予測ガス売上げ情報100>
図17は、ガス供給先別の予測ガス売上げ情報100の提示を示している。この予測ガス売上げ情報100は、管理サーバー4の情報提示部6、つまり、管理者端末14の情報提示部6(モニター16)の情報提示画面102に提示される。
この予測ガス売上げ情報100には、ガス供給先情報部104、ガス使用量情報部106、ガス売上げ情報部108、積算情報部110が設定されている。ガス供給先情報部104には、ガス供給先10を特定するための識別情報が格納される。ガス使用量情報部106には、ガス使用量情報Gが格納され、ガス売上げ情報部108にはこのガス使用量情報Gに対応するガス使用料金であるガス売上げ情報Mが格納される。積算情報部110には、ガス使用量情報Gやガス売上げ情報Mを積算した積算情報が格納される。
【0054】
<第3の実施の形態の効果>
この第3の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 上記実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) ガス管理情報をガス事業者におけるガス事業経営に役立てることができる。
【0055】
〔第4の実施の形態〕
図18は、第4の実施の形態に係るガス管理工程を示している。このガス管理工程は、既述のガス管理システム2(図2図10)を用いて実行することができる。
このガス管理工程では、予測ガス売上げ情報Mxがガス売上げ情報Mの蓄積に基づいて算出される。
管理サーバー4は、ガス供給先10を特定し(S601)、ガス売上げ情報Mを蓄積する(S602)。このガス売上げ情報Mの蓄積は既述のガス管理ファイル22(図3)を用いて行えばよい。
管理サーバー4は、タイマー機能により、ガス売上げ情報Mの算定時点Tを監視し、ガス売上げ情報Mの算定時点かを判断する(S603)。ガス売上げ情報Mの算定時点であれば(S603のYES)、その時点のガス売上げ情報Mの算出を行い(S604)、ガス管理ファイル22に格納する。
そして、管理サーバー4は、タイマー機能により、予測ガス売上げ情報Mxの算定時点Txを監視し、予測ガス売上げ情報Mxの算定時点Txかを判断する(S605)。予測ガス売上げ情報Mxの算定時点Txであれば(S605のYES)、その時点の予測ガス売上げ情報Mxの算出を行い(S606)、ガス管理ファイル22に格納するとともに、情報の提示を行う(S607)。この情報提示は管理者端末14の情報提示部6にたとえば、ガス管理ファイル22を更新して提示すればよい。
【0056】
<第4の実施の形態の効果>
この第4の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 上記実施の形態と同様の効果が得られる。
(2) ガス使用量の予測を売上げ情報の蓄積によって行うことができ、管理の簡略化を図ることができる。
【0057】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、ガス供給先に対するガス供給およびその売上げ管理を自動化し、予測精度を高めることができ、ガス事業経営に役立てることができる。
【符号の説明】
【0059】
2 ガス管理システム
4 管理サーバー
6 情報提示部
8 情報入力部
10、10-1、10-2、・・・・、10-N ガス供給先
12、12-1、12-2、・・・・、12-N ガス供給先端末
14 管理者端末
16 モニター
18 操作入力部
20 指針情報源
22、22-1、22-2、・・・、22-N ガス管理ファイル
24 ガス供給先情報部
26 ガス供給情報部
26-1 容器容量部
26-2 容器数部
26-3 容器交換時期部
26-4 ガス平均使用量部
28 取得条件情報部
30 検針時点情報部
32 指針情報部
34 算定時点情報部
36 ガス使用量情報部
38 ガス売上げ情報部
40 予測ガス使用量情報部
42 予測ガス売上げ情報部
44 積算情報部
46 履歴情報部
46-1 異常情報部
46-2 再計算情報部
46-3 提示情報送信記録部
48、48-1、48-2 ガス容器
50 ガスメーター
52 ガス機器
54 切替器
56 通信部
58 中継部
60 ネットワーク
62 プロセッサ
64 記憶部
66 入出力部(I/O)
68 タイマー
70 通信部
72 プロセッサ
74 記憶部
76 入出力部(I/O)
78 通信部
80 情報提示部
82 操作入力部
84 情報提示画面
86 指針情報提示部
88 ガス使用量情報提示部
90 ガス管理情報提示部
92 情報提示画面
94 指針情報提示部
96 ガス使用量情報提示部
98 ガス消費情報提示部
100 予測ガス売上げ情報
102 情報提示画面
104 ガス供給先情報部
106 ガス使用量情報部
108 ガス売上げ情報部
110 積算情報部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18