IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオリンク インコーポレイテッドの特許一覧

特許7501947微小針アレイを伴う持続的分析物監視システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】微小針アレイを伴う持続的分析物監視システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20240611BHJP
   A61B 5/1486 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61B5/1486
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023114962
(22)【出願日】2023-07-13
(62)【分割の表示】P 2022541217の分割
【原出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023134639
(43)【公開日】2023-09-27
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/058,275
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521146056
【氏名又は名称】バイオリンク インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Biolinq Incorporated
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リチャード チェン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド マイケル モアロック
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム シー. スー
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン エル. スー
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア レイ ウィンドミラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッド ライラン タングニー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アーノルド ペイサー
(72)【発明者】
【氏名】シリラク サッタヤサミトサティト
(72)【発明者】
【氏名】ブッダデヴ, ポール チョウドリー
(72)【発明者】
【氏名】アラン キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】プラドニャ プラカシュ サマント
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0275897(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0224515(US,A1)
【文献】特開平02-022552(JP,A)
【文献】特開2017-108763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物を感知する際の使用のための微小針アレイであって、
半導体基板と、
前記半導体基板から延在する複数の中実微小針であって、前記複数の中実微小針のうちの少なくとも1つの微小針は、ユーザの真皮間質液内の分析物を感知するように構成され、
柱状本体部分と、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面に結合された環状作用電極であって、前記環状作用電極の一部は、前記テーパ状遠位部分の前記表面内に形成された環状陥凹を覆い、前記環状陥凹を越えて延在し、前記環状作用電極は、前記環状陥凹の各側において、前記テーパ状遠位部分の前記表面上に延在する、環状作用電極と
を備える、複数の中実微小針と
を備え、前記環状陥凹の底面は、前記微小針の露出した伝導性コアであり、
前記環状作用電極の前記一部は、前記環状陥凹を覆うことにより前記微小針の前記露出した伝導性コアと接触し、
前記環状作用電極は、遠位縁を備え、前記環状作用電極の前記遠位縁は、前記絶縁された遠位頂点の近位縁の遠位にある、微小針アレイ。
【請求項2】
前記テーパ状遠位部分は、前記柱状本体部分の遠位にある、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項3】
前記環状作用電極は、近位縁をさらに備え、前記テーパ状遠位部分の斜面に沿って測定される前記環状作用電極の長さは、前記斜面に沿って測定される前記テーパ状遠位部分の全長よりも短く、前記環状作用電極の前記近位縁は、前記テーパ状遠位部分の近位縁からオフセットされている、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの微小針は、前記環状作用電極にわたって配列された生体認識層を備え、前記生体認識層は、生体認識要素を備える、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項5】
前記生体認識要素は、グルコース酸化酵素を含む、請求項4に記載の微小針アレイ。
【請求項6】
前記微小針アレイは、電流をソースまたはシンクし、前記環状作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成された対電極を備える少なくとも1つの微小針をさらに備える、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項7】
前記微小針アレイは、前記環状作用電極に関する基準電位を提供するように構成された基準電極を備える少なくとも1つの微小針をさらに備える、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項8】
前記環状作用電極の前記遠位縁は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ前記絶縁された遠位頂点からオフセットされ、前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの微小針の縦方向軸に沿って測定される、請求項3に記載の微小針アレイ。
【請求項9】
前記微小針アレイは、前記半導体基板の裏側上に電気接点をさらに備え、前記複数の中実微小針のうちの前記少なくとも1つの微小針の前記柱状本体部分は、前記電気接点と前記環状作用電極との間の伝導性経路を提供する、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項10】
前記柱状本体部分は、伝導性材料から形成されている、請求項9に記載の微小針アレイ。
【請求項11】
前記柱状本体部分は、埋設された伝導性経路を備える、請求項9に記載の微小針アレイ。
【請求項12】
前記柱状本体部分は、絶縁されている、請求項9に記載の微小針アレイ。
【請求項13】
前記テーパ状遠位部分の前記表面上に延在する前記環状作用電極にわたって配列された生体認識層をさらに備える、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの微小針は、1つのみの環状作用電極を備える、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項15】
前記複数の中実微小針における前記微小針の各々は、
柱状本体部分と、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面上の環状電極と
を備え、
前記環状電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位縁の近位にあり、
前記環状電極は、作用電極、対電極、または、基準電極である、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項16】
前記微小針アレイは、複数の環状作用電極を備え、各環状作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、前記微小針アレイにおける全ての他の環状作用電極から電気的に隔離されている、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項17】
前記微小針アレイは、複数の分析物を検出するように構成されている、請求項16に記載の微小針アレイ。
【請求項18】
前記複数の中実微小針は、四角形または六角形アレイにおいて配列されている、請求項1に記載の微小針アレイ。
【請求項19】
分析物監視デバイスを備える分析物監視システムであって、前記分析物監視デバイスは、
請求項1に記載の微小針アレイと、
装着可能筐体と
を備え、
前記微小針アレイは、前記装着可能筐体から外向きに延在する、分析物監視システム。
【請求項20】
前記複数の中実微小針のうちの前記少なくとも1つの微小針は、前記環状作用電極の前記遠位縁が、前記装着可能筐体から約1mm未満に位置するように、前記装着可能筐体から延在する、請求項19に記載の分析物監視システム。
【請求項21】
前記装着可能筐体は、無線通信モジュールを備える電子機器システムを封入し、前記分析物監視システムは、前記無線通信モジュールとペアリングされるべきモバイルコンピューティングデバイス上で実行可能なソフトウェアアプリケーションをさらに備える、請求項19に記載の分析物監視システム。
【請求項22】
前記装着可能筐体は、ステータス情報を通信するように構成された1つまたは複数のインジケータライトを備えるユーザインターフェースを備える、請求項19に記載の分析物監視システム。
【請求項23】
前記インジケータライトのうちの少なくとも1つは、分析物測定ステータス、前記分析物監視デバイスのステータス、または両方に対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成されている、請求項22に記載の分析物監視システム。
【請求項24】
前記インジケータライトのうちの少なくとも1つは、選択的に照明され、現在の分析物測定レベルを通信するように構成されている、請求項23に記載の分析物監視システム。
【請求項25】
前記ユーザインターフェースは、前記分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信するようにさらに構成されている、請求項22に記載の分析物監視システム。
【請求項26】
前記分析物監視デバイスは、皮膚接着可能パッチである、請求項19に記載の分析物監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年7月29日に出願された米国特許出願第63/058,275号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、持続的グルコース監視等の分析物監視の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病は、身体が血糖を調整するホルモンであるインスリンを生成しない、または適切に利用しない、慢性疾患である。インスリンは、血糖レベルを調整することに役立つために糖尿病患者に投与され得るが、血糖レベルは、それにもかかわらず、タイミングおよび投与量が適切であることを確実にすることに役立つために、慎重に監視されなければならない。その条件の適切な管理を伴わないと、糖尿病患者は、高血糖症(高血糖レベル)または低血糖症(低血糖レベル)からもたらされる種々の合併症に悩まされ得る。
【0004】
血糖モニタは、血液のサンプルから血糖レベルを測定することによって、糖尿病患者が自身の条件を管理することに役立つ。例えば、糖尿病患者は、指先穿刺サンプリング機構を通して血液サンプルを取得し、血液サンプルを、血液サンプルと反応する好適な試薬を伴う試験ストリップに移送し、血糖モニタを使用し、試験ストリップを分析し、その血液サンプルにおけるグルコースレベルを測定し得る。しかしながら、本プロセスを使用する患者は、典型的には、離散的な時点において自身のグルコースレベルを測定することしかできず、これは、タイムリーな様式で高血糖症または低血糖症条件を捕捉することができない場合がある。また、より最近の種々のグルコースモニタは、持続的グルコースモニタ(CGM)デバイスであり、これは、皮下間質液中のグルコースレベルの代理測定によって、血糖レベルを持続的に検出および定量化するために使用される、埋込可能経皮的電気化学センサを含む。しかしながら、従来のCGMデバイスもまた、挿入からの組織外傷および信号待ち時間(例えば、グルコース分析物が毛細血管源からセンサまで拡散するために要求される時間に起因する)を含む、弱点を有する。これらの弱点はまた、電気化学センサが挿入されるときに患者が被る痛み、および、特に、血糖レベルが急速に変化しているときのグルコース測定における限定された正確度等のいくつかの欠点につながる。故に、新しい改良された分析物監視システムの必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの変形例では、分析物を感知する際の使用のための微小針アレイは、複数の微小針(例えば、中実微小針)を含んでもよい。各微小針は、絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極とを含んでもよい。
【0006】
いくつかの変形例では、ユーザを監視するための方法は、分析物監視デバイスを用いて、ユーザの体液にアクセスするステップと、分析物監視デバイスを使用して、体液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップとを含んでもよく、分析物監視デバイスは、複数の中実微小針を含んでもよい。いくつかの変形例では、微小針のうちの少なくとも1つは、絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極とを含んでもよい。
【0007】
いくつかの変形例では、分析物を感知する際の使用のための微小針アレイは、複数の中実微小針を含んでもよく、少なくとも1つの微小針は、絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極の遠位端は、遠位頂点からオフセットされる、電極とを含む。
【0008】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスを滅菌する方法は、分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露するステップを含んでもよく、分析物監視デバイスは、装着可能筐体を備え、微小針アレイが、筐体から延在し、分析物センサを備え、電子機器システムが、筐体内に配列され、微小針アレイに電気的に結合される。分析物監視デバイスは、分析物監視デバイスを滅菌するために十分な滞留時間にわたって滅菌剤ガスに暴露されてもよい。
【0009】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスのための微小針アレイは、複数の感知微小針(例えば、中実微小針)を含んでもよく、各感知微小針は、分析物を感知するように構成される、作用電極を備える、テーパ状遠位部分と、伝導性接続を作用電極に提供する、本体部分とを含む。各感知微小針の本体部分は、各作用電極が、個々にアドレス指定可能であり、微小針アレイにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離されるように、絶縁されてもよい。
【0010】
いくつかの変形例では、身体装着分析物監視デバイスのための微小針アレイは、少なくとも1つの微小針を含んでもよく、該少なくとも1つの微小針は、非円形(例えば、八角形基部)を有する錐状本体部分と、本体部分から延在し、電極を備えるテーパ状遠位部分とを含み、遠位部分は、少なくとも1つの微小針の遠位頂点からオフセットされる、平面表面を備える。
【0011】
いくつかの変形例では、ユーザを監視するための方法は、単一の微小針アレイを備える、統合された分析物監視デバイスを用いて、複数のセンサ場所においてユーザの真皮間質液にアクセスするステップと、微小針アレイにおける複数の作用電極を使用して、真皮間質液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップであって、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、ステップとを含んでもよい。
【0012】
いくつかの変形例では、身体装着分析物監視デバイスは、装着可能筐体と、微小針アレイとを含んでもよい。微小針アレイは、筐体から外向きに延在し、筐体を装着するユーザ内の1つまたはそれを上回る分析物を測定するように構成される、少なくとも1つの微小針を含んでもよく、筐体は、1つまたはそれを上回る分析物の測定を示す情報を通信するように構成される、ユーザインターフェースを含んでもよい。
【0013】
いくつかの変形例では、ユーザを監視するための方法は、装着可能筐体と、1つまたはそれを上回る分析物センサとを備える、身体装着分析物監視デバイスを使用して、ユーザ内の1つまたはそれを上回る分析物を測定するステップと、筐体上のユーザインターフェースを通して、1つまたはそれを上回る分析物の測定を示す情報を通信するステップとを含んでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
分析物を感知する際の使用のための微小針アレイであって、
複数の中実微小針であって、少なくとも1つの微小針は、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、前記電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と
を備える、複数の中実微小針
を備える、微小針アレイ。
(項目2)
前記電極は、少なくとも1つの分析物を感知するように構成される作用電極であり、前記少なくとも1つの微小針は、前記作用電極にわたって配列される生体認識層を備え、前記生体認識層は、生体認識要素を備える、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目3)
前記生体認識要素は、酵素を含む、項目2に記載の微小針アレイ。
(項目4)
前記酵素は、酸化還元酵素である、項目3に記載の微小針アレイ。
(項目5)
前記酸化還元酵素は、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、およびキサンチン酸化酵素のうちの少なくとも1つである、項目4に記載の微小針アレイ。
(項目6)
前記酸化還元酵素は、グルコース酸化酵素である、項目4に記載の微小針アレイ。
(項目7)
前記生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋される、項目2に記載の微小針アレイ。
(項目8)
前記アミン縮合カルボニル化学種は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、およびスクシンアルデヒドのうちの少なくとも1つである、項目7に記載の微小針アレイ。
(項目9)
前記アミン縮合カルボニル化学種は、グルタルアルデヒドである、項目7に記載の微小針アレイ。
(項目10)
前記少なくとも1つの微小針は、前記生体認識層にわたって配列される拡散限定層および親水性層のうちの少なくとも1つを備える、項目2に記載の微小針アレイ。
(項目11)
前記微小針アレイは、電流をソースまたはシンクし、前記作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成される対電極を備える少なくとも1つの微小針を備える、項目2に記載の微小針アレイ。
(項目12)
前記微小針アレイは、前記作用電極に関する基準電位を提供するように構成される基準電極を備える少なくとも1つの微小針を備える、項目2に記載の微小針アレイ。
(項目13)
前記基準電極にわたって配列される伝導ポリマーをさらに備える、項目12に記載の微小針アレイ。
(項目14)
前記伝導ポリマーは、ドーパントを含む、項目13に記載の微小針アレイ。
(項目15)
前記基準電極は、安定した電極電位を伴う金属酸化物を含む、項目13に記載の微小針アレイ。
(項目16)
前記金属酸化物は、酸化イリジウムを含む、項目15に記載の微小針アレイ。
(項目17)
前記基準電極は、安定した電極電位を伴う金属塩を含む、項目13に記載の微小針アレイ。
(項目18)
前記金属塩は、塩化銀を含む、項目17に記載の微小針アレイ。
(項目19)
前記電極の全体は、前記少なくとも1つの微小針のテーパ状遠位部分上にある、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目20)
前記電極は、触媒面を備える、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目21)
前記触媒面は、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金、ルテニウム、チタン、ニッケル、炭素、およびドープダイヤモンドのうちの少なくとも1つを含む、項目20に記載の微小針アレイ。
(項目22)
前記少なくとも1つの微小針は、前記電極にわたって配列される白金黒を含む、項目20に記載の微小針アレイ。
(項目23)
前記電極の遠位端は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ前記遠位頂点からオフセットされ、前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの微小針の縦方向軸に沿って測定される、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目24)
前記電極は、環状である、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目25)
前記作用電極の一部は、前記テーパ状遠位部分の中に陥凹される、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目26)
前記電極は、前記テーパ状遠位部分のある区画のみの上にある、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目27)
電気接点をさらに備え、前記少なくとも1つの微小針は、前記電気接点と前記電極との間の伝導性経路を提供する本体部分を備える、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目28)
前記本体部分は、伝導性材料から形成される、項目27に記載の微小針アレイ。
(項目29)
前記本体部分は、埋設された経路を備える、項目27に記載の微小針アレイ。
(項目30)
前記本体部分は、絶縁される、項目27に記載の微小針アレイ。
(項目31)
前記本体部分は、円形、正方形、または八角形基部を有する、項目27に記載の微小針アレイ。
(項目32)
前記本体部分の少なくともある区画は、柱状である、項目27に記載の微小針アレイ。
(項目33)
前記本体部分の少なくともある区画は、錐状である、項目27に記載の微小針アレイ。
(項目34)
前記本体部分の少なくとも一部は、前記本体部分の基部に対して測定される第1のテーパ角を有し、前記遠位頂点は、前記基部に対して測定される第2のテーパ角を有し、前記第2のテーパ角は、前記第1のテーパ角を上回る、項目33に記載の微小針アレイ。
(項目35)
前記微小針の本体部分および遠位部分のうちの少なくとも1つは、半径方向に非対称である、項目34に記載の微小針アレイ。
(項目36)
前記テーパ状遠位部分は、前記少なくとも1つの微小針の遠位頂点からオフセットされる平面表面を備える、項目35に記載の微小針アレイ。
(項目37)
前記複数の微小針における前記微小針はそれぞれ、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、前記電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と
を備える、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目38)
前記複数の微小針の微小針は、相互から電気的に絶縁される、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目39)
前記微小針アレイは、複数の分析物を検出するように構成される、項目38に記載の微小針アレイ。
(項目40)
前記複数の微小針の微小針は、周期的グリッドにおいて配列される、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目41)
前記周期的グリッドは、長方形アレイを備える、項目40に記載の微小針アレイ。
(項目42)
前記周期的グリッドは、六角形アレイを備える、項目40に記載の微小針アレイ。
(項目43)
前記周期的グリッドにおける前記微小針は、約200μm~約800μmの距離だけ離間される、項目40に記載の微小針アレイ。
(項目44)
前記周期的グリッドにおける前記微小針は、均一に離間される、項目40に記載の微小針アレイ。
(項目45)
前記複数の微小針は、管腔を伴う少なくとも1つの送達微小針を備える、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目46)
前記少なくとも1つの微小針は、ユーザの皮膚を穿刺し、前記ユーザの真皮層内の間質液中の分析物を感知するように構成される、項目1に記載の微小針アレイ。
(項目47)
項目1に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、前記微小針アレイは、前記筐体から外向きに延在する、分析物監視システム。
(項目48)
前記少なくとも1つの微小針は、前記電極の遠位端が、前記筐体から約5mm未満に位置するように、前記筐体から延在する、項目47に記載のシステム。
(項目49)
前記少なくとも1つの微小針は、前記電極の遠位端が、前記筐体から約1mm未満に位置するように、前記筐体から延在する、項目48に記載のシステム。
(項目50)
前記筐体は、プロセッサおよび無線通信モジュールのうちの少なくとも1つを備える電子機器システムを封入する、項目47に記載のシステム。
(項目51)
前記電子機器システムは、無線通信モジュールを備え、前記システムはさらに、前記無線通信モジュールとペアリングされるべきモバイルコンピューティングデバイス上で実行可能なソフトウェアアプリケーションを備える、項目50に記載のシステム。
(項目52)
前記筐体は、ステータス情報を通信するように構成される1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、項目47に記載のシステム。
(項目53)
前記インジケータライトのうちの少なくとも1つは、分析物測定ステータスに対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成される、項目52に記載のシステム。
(項目54)
前記インジケータライトのうちの少なくとも1つは、選択的に照明され、現在の分析物測定レベルを通信するように構成される、項目53に記載のシステム。
(項目55)
ユーザインターフェースは、漸進的シーケンスで選択的に照明され、分析物測定傾向を通信するように構成される複数のインジケータライトを備える、項目53に記載のシステム。
(項目56)
前記複数のインジケータライトは、第1の方向に第1の漸進的シーケンスで選択的に照明され、上昇する分析物測定傾向を通信するように構成され、さらに、第2の方向に第2の漸進的シーケンスで選択的に照明され、下降する分析物測定傾向を通信するように構成される、項目55に記載のシステム。
(項目57)
前記ユーザインターフェースはさらに、前記分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信するように構成される、項目52に記載のシステム。
(項目58)
前記筐体を前記ユーザの皮膚に結合するように構成される接着剤をさらに備える、項目47に記載のシステム。
(項目59)
前記分析物監視システムの少なくとも一部を前記ユーザの皮膚に適用するように構成される適用器をさらに備える、項目47に記載のシステム。
(項目60)
前記分析物監視システムは、皮膚接着パッチである、項目47に記載のシステム。
(項目61)
前記複数の微小針は、管腔を伴う少なくとも1つの送達微小針を備える、項目47に記載のシステム。
(項目62)
前記複数の微小針は、治療物質を含むコーティングを備える少なくとも1つの中実微小針を備える、項目47に記載のシステム。
(項目63)
前記治療物質は、インスリン、グルカゴン、メトホルミン、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、イソブチルフェニルプロピオン酸、レボドパ、スタチン、ヒドロコドン、オピオイド、非ステロイド性抗炎症薬、麻酔剤、鎮痛剤、抗痙攣薬、抗鬱剤、抗精神病薬、鎮静剤、弛緩薬、ホルモン剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤のうちの少なくとも1つを含む、項目62に記載のシステム。
(項目64)
ユーザを監視するための方法であって、
分析物監視デバイスを用いて、前記ユーザの体液にアクセスすることと、
前記分析物監視デバイスを使用して、前記体液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化することと
を含み、
前記分析物監視デバイスは、複数の中実微小針を備え、少なくとも1つの微小針は、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、前記電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と
を備える、方法。
(項目65)
前記体液は、前記ユーザの真皮間質液を含む、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記1つまたはそれを上回る分析物は、グルコースを含む、項目64に記載の方法。
(項目67)
分析物を感知する際の使用のための微小針アレイであって、
複数の中実微小針であって、少なくとも1つの微小針は、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、前記電極の遠位端は、前記遠位頂点からオフセットされる、電極と
を備える、複数の中実微小針
を備える、微小針アレイ。
(項目68)
前記電極は、少なくとも1つの分析物を感知するように構成される作用電極であり、前記少なくとも1つの微小針は、前記作用電極にわたって配列される生体認識層を備え、前記生体認識層は、生体認識要素を備える、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目69)
前記生体認識要素は、グルコース酸化酵素を含む、項目68に記載の微小針アレイ。
(項目70)
前記電極の遠位端は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ前記遠位頂点からオフセットされ、前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの微小針の縦方向軸に沿って測定される、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目71)
前記電極は、環状である、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目72)
少なくとも1つの微小針において、前記作用電極の一部は、前記テーパ状遠位部分の中に陥凹される、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目73)
前記電極は、前記テーパ状遠位部分のある区画のみの上にある、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目74)
電気接点をさらに備え、前記少なくとも1つの微小針は、前記電気接点と前記電極との間の伝導性経路を提供する本体部分を備える、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目75)
前記複数の微小針における前記微小針はそれぞれ、
絶縁された遠位頂点を有するテーパ状遠位部分と、
前記テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、前記電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と
を備える、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目76)
前記微小針アレイは、複数の作用電極を備え、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、前記分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目77)
前記微小針アレイは、複数の分析物を検出するように構成される、項目76に記載の微小針アレイ。
(項目78)
前記複数の微小針の微小針は、六角形アレイにおいて配列される、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目79)
前記少なくとも1つの微小針は、ユーザの皮膚を穿刺し、前記ユーザの真皮層内の間質液中の分析物を感知するように構成される、項目67に記載の微小針アレイ。
(項目80)
項目67に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、前記微小針アレイは、前記筐体から外向きに延在する、分析物監視システム。
(項目81)
前記少なくとも1つの微小針は、前記電極の遠位端が、前記筐体から約5mm未満に位置するように、前記筐体から延在する、項目80に記載のシステム。
(項目82)
前記筐体は、無線通信モジュールを備える電子機器システムを封入し、前記システムはさらに、前記無線通信モジュールとペアリングされるべきモバイルコンピューティングデバイス上で実行可能なソフトウェアアプリケーションを備える、項目80に記載のシステム。
(項目83)
前記筐体は、ステータス情報を通信するように構成される1つまたはそれを上回るインジケータライトを備えるユーザインターフェースを備える、項目80に記載のシステム。
(項目84)
前記インジケータライトのうちの少なくとも1つは、分析物測定ステータスに対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成される、項目83に記載のシステム。
(項目85)
前記分析物監視システムは、皮膚接着パッチを備える、項目83に記載のシステム。
(項目86)
分析物監視デバイスを滅菌する方法であって、前記方法は、
前記分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露することであって、前記分析物監視デバイスは、装着可能筐体を備え、微小針アレイが、前記筐体から延在し、分析物センサを備え、電子機器システムが、前記筐体内に配列され、前記微小針アレイに電気的に結合される、こと
を含み、
前記分析物監視デバイスは、前記分析物監視デバイスを滅菌するために十分な滞留時間にわたって前記滅菌剤ガスに暴露される、方法。
(項目87)
前記滅菌剤ガスは、酸化滅菌のために好適である、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記滅菌剤ガスは、エチレンオキシドを含む、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記分析物センサは、電極を備える、項目86に記載の方法。
(項目90)
前記分析物センサは、前記電極にわたって配列される生体認識層を備え、前記生体認識層は、生体認識要素を備える、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記生体認識要素は、酵素を含む、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記酵素は、酸化還元酵素である、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記酸化還元酵素は、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、およびキサンチン酸化酵素のうちの少なくとも1つである、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記酸化還元酵素は、グルコース酸化酵素である、項目92に記載の方法。
(項目95)
前記生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋される、項目90に記載の方法。
(項目96)
前記アミン縮合カルボニル化学種は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、およびスクシンアルデヒドのうちの少なくとも1つである、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記アミン縮合カルボニル化学種は、グルタルアルデヒドである、項目95に記載の方法。
(項目98)
前記生体認識層は、少なくとも部分的に、前記生体認識要素を架橋し、架橋された生体認識要素集合体を形成し、前記架橋された生体認識要素集合体を伝導ポリマー中に埋設することによって形成される、項目90に記載の方法。
(項目99)
前記架橋された生体認識要素集合体を埋設することは、少なくとも閾値分子量を有する架橋された生体認識要素集合体のみを埋設することを含む、項目98に記載の方法。
(項目100)
前記分析物監視デバイスを前記滅菌剤ガスに暴露することは、前記滅菌剤ガスを、前記分析物監視デバイスを含有するコンパートメントの中に注入し、前記コンパートメントを滅菌温度まで加熱することを含む、項目86に記載の方法。
(項目101)
前記滅菌温度は、摂氏約45度を下回り、前記滞留時間は、少なくとも約2時間である、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記分析物監視デバイスを前記滅菌剤ガスに暴露することに先立って、前記分析物監視デバイスを事前調整することをさらに含み、前記分析物を事前調整することは、前記分析物監視デバイスを蒸気に暴露することを含む、項目86に記載の方法。
(項目103)
分析物監視デバイスのための微小針アレイであって、前記微小針アレイは、
複数の中実感知微小針であって、各感知微小針は、
分析物を感知するように構成される作用電極を備えるテーパ状遠位部分と、
伝導性接続を前記作用電極に提供する本体部分と
を備え、
各感知微小針の前記本体部分は、各作用電極が、個々にアドレス指定可能であり、前記微小針アレイにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離されるように、絶縁される、
複数の中実感知微小針
を備える、微小針アレイ。
(項目104)
少なくとも1つの感知微小針は、前記作用電極にわたって配列される生体認識層を備え、前記生体認識層は、生体認識要素を備える、項目103に記載の微小針アレイ。
(項目105)
前記生体認識要素は、酵素を含む、項目104に記載の微小針アレイ。
(項目106)
前記酵素は、酸化還元酵素である、項目105に記載の微小針アレイ。
(項目107)
前記酸化還元酵素は、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、およびキサンチン酸化酵素のうちの少なくとも1つである、項目106に記載の微小針アレイ。
(項目108)
前記酸化還元酵素は、グルコース酸化酵素である、項目106に記載の微小針アレイ。
(項目109)
前記生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋される、項目104に記載の微小針アレイ。
(項目110)
前記アミン縮合カルボニル化学種は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、およびスクシンアルデヒドのうちの少なくとも1つである、項目109に記載の微小針アレイ。
(項目111)
前記アミン縮合カルボニル化学種は、グルタルアルデヒドである、項目109に記載の微小針アレイ。
(項目112)
前記少なくとも1つの感知微小針は、前記生体認識層にわたって配列される拡散限定層および親水性層のうちの少なくとも1つを備える、項目104に記載の微小針アレイ。
(項目113)
前記微小針アレイはさらに、電流をソースまたはシンクし、前記少なくとも1つの感知微小針の作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成される対電極を備える少なくとも1つの微小針を備える、項目103に記載の微小針アレイ。
(項目114)
前記複数の微小針は、前記作用電極に関する基準電位を提供するように構成される基準電極を備える少なくとも1つの微小針を備える、項目103に記載の微小針アレイ。
(項目115)
前記基準電極にわたって配列される伝導ポリマーをさらに備える、項目114に記載の微小針アレイ。
(項目116)
前記伝導ポリマーは、ドーパントを含む、項目115に記載の微小針アレイ。
(項目117)
前記基準電極は、安定した電極電位を伴う金属酸化物を含む、項目114に記載の微小針アレイ。
(項目118)
前記金属酸化物は、酸化イリジウムを含む、項目117に記載の微小針アレイ。
(項目119)
前記基準電極は、安定した電極電位を伴う金属塩を含む、項目114に記載の微小針アレイ。
(項目120)
前記金属塩は、塩化銀を含む、項目119に記載の微小針アレイ。
(項目121)
少なくとも1つの感知微小針において、前記テーパ状遠位部分は、絶縁された遠位頂点を備え、前記作用電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位にある、項目103に記載の微小針アレイ。
(項目122)
前記作用電極の遠位端は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ前記遠位頂点からオフセットされ、前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの感知微小針の縦方向軸に沿って測定される、項目121に記載の微小針アレイ。
(項目123)
少なくとも1つの感知微小針において、前記作用電極の一部は、前記テーパ状遠位部分の中に陥凹される、項目103に記載の微小針アレイ。
(項目124)
項目103に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、前記微小針アレイは、前記筐体から外向きに延在する、分析物監視デバイス。
(項目125)
前記筐体は、ステータス情報を通信するように構成される1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、項目124に記載の分析物監視デバイス。
(項目126)
前記筐体は、プロセッサおよび無線通信モジュールのうちの少なくとも1つを備える電子機器システムを封入する、項目124に記載の分析物監視デバイス。
(項目127)
前記分析物監視デバイスは、皮膚接着パッチである、項目126に記載の分析物監視デバイス。
(項目128)
身体装着分析物監視デバイスのための微小針アレイであって、前記微小針アレイは、
少なくとも1つの微小針であって、
非円形基部を有する錐状本体部分と、
前記本体部分から延在し、電極を備えるテーパ状遠位部分と
を備え、
前記遠位部分は、前記少なくとも1つの微小針の遠位頂点からオフセットされる平面表面を備える、
少なくとも1つの微小針
を備える、微小針アレイ。
(項目129)
前記本体部分の少なくとも一部は、前記基部に対して測定される第1のテーパ角を有し、前記遠位頂点は、前記基部に対して測定される第2のテーパ角を有し、前記第2のテーパ角は、前記第1のテーパ角を上回る、項目128に記載の微小針アレイ。
(項目130)
前記第2のテーパは、約65度~約75度である、項目128に記載の微小針アレイ。
(項目131)
前記第1のテーパは、約15度~約25度である、項目130に記載の微小針アレイ。
(項目132)
前記平面表面は、前記基部に対して測定される約75度~85度に角度付けられる、項目128に記載の微小針アレイ。
(項目133)
前記テーパ状遠位部分は、絶縁された遠位頂点を備える、項目128に記載の微小針アレイ。
(項目134)
項目128に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、前記微小針アレイは、前記筐体から外向きに延在するように構成可能である、分析物監視デバイス。
(項目135)
前記分析物監視デバイスは、パッチである、項目134に記載の分析物監視デバイス。
(項目136)
ユーザを監視するための方法であって、
単一の微小針アレイを備える統合された分析物監視デバイスを用いて、複数のセンサ場所において前記ユーザの真皮間質液にアクセスすることと、
前記微小針アレイにおける複数の作用電極を使用して、前記真皮間質液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化することであって、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、前記分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、ことと
を含む、方法。
(項目137)
1つまたはそれを上回る分析物を定量化することは、前記複数の作用電極を使用して、前記真皮間質液中の複数の分析物を定量化することを含む、項目136に記載の方法。
(項目138)
前記微小針アレイは、複数の感知微小針を備え、各感知微小針は、個別の作用電極を備える、項目136に記載の方法。
(項目139)
少なくとも1つの感知微小針は、前記作用電極にわたって配列される生体認識層を備え、前記生体認識層は、酵素を含む、項目138に記載の方法。
(項目140)
前記少なくとも1つの微小針は、前記生体認識層にわたって配列される拡散限定層および親水性層のうちの少なくとも1つを備える、項目139に記載の方法。
(項目141)
前記微小針アレイは、電流をソースまたはシンクし、少なくとも1つの作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成される対電極を備える少なくとも1つの微小針を備える、項目136に記載の方法。
(項目142)
前記複数の微小針は、少なくとも1つの作用電極に関する基準電位を提供するように構成される基準電極を備える少なくとも1つの微小針を備える、項目136に記載の方法。
(項目143)
前記基準電極にわたって配列される伝導ポリマーをさらに備える、項目142に記載の方法。
(項目144)
前記伝導ポリマーは、ドーパントを含む、項目143に記載の方法。
(項目145)
前記基準電極は、安定した電極電位を伴う金属酸化物を含む、項目142に記載の方法。
(項目146)
前記金属酸化物は、酸化イリジウムを含む、項目145に記載の方法。
(項目147)
前記基準電極は、安定した電極電位を伴う金属塩を含む、項目142に記載の方法。
(項目148)
前記金属塩は、塩化銀を含む、項目147に記載の方法。
(項目149)
前記1つまたはそれを上回る分析物の定量化を示すステータス情報を通信することをさらに含む、項目136に記載の方法。
(項目150)
前記微小針アレイは、装着可能筐体から外向きに延在し、ステータス情報を通信することは、前記筐体上のユーザインターフェースを介してステータス情報を通信することを含む、項目149に記載の方法。
(項目151)
ステータス情報を通信することは、分析物測定ステータスまたは前記統合された分析物監視デバイスのステータスに対応する照明モードに従って、前記筐体上の1つまたはそれを上回るインジケータライトを選択的に照明することを含む、項目150に記載の方法。
(項目152)
ステータス情報を通信することは、分析物測定ステータスまたは前記統合された分析物監視デバイスのステータスに対応するディスプレイをアクティブ化することを含む、項目150に記載の方法。
(項目153)
身体装着分析物監視デバイスであって、
装着可能筐体と、
微小針アレイであって、前記微小針アレイは、前記筐体から外向きに延在し、前記筐体を装着するユーザ内の1つまたはそれを上回る分析物を測定するように構成される少なくとも1つの微小針を備える、微小針アレイと
を備え、
前記筐体は、前記1つまたはそれを上回る分析物の測定を示す情報を通信するように構成されるユーザインターフェースを備える、デバイス。
(項目154)
前記ユーザインターフェースは、分析物測定ステータスまたは統合された分析物監視デバイスのステータスに対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成される1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、項目153に記載のデバイス。
(項目155)
前記インジケータライトのうちの少なくとも1つは、選択的に照明され、現在の分析物測定レベルを通信するように構成される、項目154に記載のデバイス。
(項目156)
前記ユーザインターフェースは、漸進的シーケンスで選択的に照明され、分析物測定傾向を通信するように構成される複数のインジケータライトを備える、項目154に記載のデバイス。
(項目157)
前記複数のインジケータライトは、第1の方向に第1の漸進的シーケンスで選択的に照明され、上昇する分析物測定傾向を通信するように構成される、項目156に記載のデバイス。
(項目158)
前記複数のインジケータライトは、第2の方向に第2の漸進的シーケンスで選択的に照明され、下降する分析物測定傾向を通信するように構成される、項目156に記載のデバイス。
(項目159)
前記ユーザインターフェースはさらに、前記分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信するように構成される、項目153に記載のデバイス。
(項目160)
前記ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面を備える、項目153に記載のデバイス。
(項目161)
前記分析物監視デバイスは、皮膚接着パッチである、項目153に記載のデバイス。
(項目162)
前記少なくとも1つの微小針は、絶縁された遠位頂点を伴うテーパ状遠位部分と、前記テーパ状遠位部分の表面上の電極とを備え、前記電極は、前記絶縁された遠位頂点の近位に位置する、項目153に記載のデバイス。
(項目163)
前記微小針アレイは、複数の作用電極を備え、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、前記分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、項目153に記載のデバイス。
(項目164)
ユーザを監視するための方法であって、
装着可能筐体と、1つまたはそれを上回る分析物センサとを備える身体装着分析物監視デバイスを使用して、前記ユーザ内の1つまたはそれを上回る分析物を測定することと、
前記筐体上のユーザインターフェースを通して、前記1つまたはそれを上回る分析物の測定を示す情報を通信することと
を含む、方法。
(項目165)
情報を通信することは、分析物測定ステータスに対応する照明モードに従って、前記筐体上の1つまたはそれを上回るインジケータライトを照明することを含む、項目164に記載の方法。
(項目166)
情報を通信することは、前記インジケータライトのうちの少なくとも1つを選択的に照明し、現在の分析物測定レベルを通信することを含む、項目165に記載の方法。
(項目167)
情報を通信することは、前記照明されるインジケータライトの色、前記照明されるインジケータライトの場所、または両方に基づいて、前記現在の分析物測定レベルを通信することを含む、項目166に記載の方法。
(項目168)
情報を通信することは、漸進的シーケンスで前記筐体上の複数のインジケータライトを選択的に照明し、分析物測定傾向を通信することを含む、項目165に記載の方法。
(項目169)
情報を通信することは、第1の方向に第1の漸進的シーケンスで前記複数のインジケータライトを選択的に照明し、上昇する分析物測定傾向を通信することを含む、項目168に記載の方法。
(項目170)
情報を通信することは、第2の方向に第2の漸進的シーケンスで前記複数のインジケータライトを選択的に照明し、下降する分析物測定傾向を通信することを含む、項目168に記載の方法。
(項目171)
前記ユーザインターフェースを通して、前記分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信することをさらに含む、項目164に記載の方法。
(項目172)
前記分析物監視デバイスを用いて、複数のセンサ場所において前記ユーザの真皮間質液にアクセスすることをさらに含み、1つまたはそれを上回る分析物を定量化することは、前記真皮間質液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化することを含む、項目164に記載の方法。
(項目173)
前記分析物監視デバイスは、複数の作用電極を備える微小針アレイを備え、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、前記分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、項目164に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、微小針アレイを伴う分析物監視システムの例証的概略図を描写する。
【0015】
図2A図2Aは、分析物監視デバイスの例証的概略図を描写する。
【0016】
図2B図2Bは、分析物監視デバイスにおける微小針挿入深さの例証的概略図を描写する。
【0017】
図3A図3A-3Cは、それぞれ、分析物監視デバイスの上側斜視図、側面図、および下側斜視図を描写する。図3Dは、接着剤層を含む、図3Aに示される分析物監視デバイスの部分的分解図を描写する。図3Eは、図3Aに示される分析物監視デバイスの分解図を描写する。
図3B図3A-3Cは、それぞれ、分析物監視デバイスの上側斜視図、側面図、および下側斜視図を描写する。図3Dは、接着剤層を含む、図3Aに示される分析物監視デバイスの部分的分解図を描写する。図3Eは、図3Aに示される分析物監視デバイスの分解図を描写する。
図3C図3A-3Cは、それぞれ、分析物監視デバイスの上側斜視図、側面図、および下側斜視図を描写する。図3Dは、接着剤層を含む、図3Aに示される分析物監視デバイスの部分的分解図を描写する。図3Eは、図3Aに示される分析物監視デバイスの分解図を描写する。
図3D図3A-3Cは、それぞれ、分析物監視デバイスの上側斜視図、側面図、および下側斜視図を描写する。図3Dは、接着剤層を含む、図3Aに示される分析物監視デバイスの部分的分解図を描写する。図3Eは、図3Aに示される分析物監視デバイスの分解図を描写する。
図3E図3A-3Cは、それぞれ、分析物監視デバイスの上側斜視図、側面図、および下側斜視図を描写する。図3Dは、接着剤層を含む、図3Aに示される分析物監視デバイスの部分的分解図を描写する。図3Eは、図3Aに示される分析物監視デバイスの分解図を描写する。
【0018】
図3F図3F-3Iは、それぞれ、分析物監視デバイスにおけるセンサアセンブリの上側斜視図、下側斜視図、側面図、および分解図を描写する。
図3G図3F-3Iは、それぞれ、分析物監視デバイスにおけるセンサアセンブリの上側斜視図、下側斜視図、側面図、および分解図を描写する。
図3H図3F-3Iは、それぞれ、分析物監視デバイスにおけるセンサアセンブリの上側斜視図、下側斜視図、側面図、および分解図を描写する。
図3I図3F-3Iは、それぞれ、分析物監視デバイスにおけるセンサアセンブリの上側斜視図、下側斜視図、側面図、および分解図を描写する。
【0019】
図3J図3Jは、分析物監視デバイスにおけるセンサアセンブリの透明側面図を描写する。
【0020】
図4A図4A-4Eは、それぞれ、分析物監視デバイスの斜視図、側面図、底面図、側面断面図、および上側斜視透明図を描写する。
図4B図4A-4Eは、それぞれ、分析物監視デバイスの斜視図、側面図、底面図、側面断面図、および上側斜視透明図を描写する。
図4C図4A-4Eは、それぞれ、分析物監視デバイスの斜視図、側面図、底面図、側面断面図、および上側斜視透明図を描写する。
図4D図4A-4Eは、それぞれ、分析物監視デバイスの斜視図、側面図、底面図、側面断面図、および上側斜視透明図を描写する。
図4E図4A-4Eは、それぞれ、分析物監視デバイスの斜視図、側面図、底面図、側面断面図、および上側斜視透明図を描写する。
【0021】
図5図5Aは、微小針アレイの例証的概略図を描写する。図5Bは、図5Aに描写される微小針アレイにおける微小針の例証的概略図を描写する。
【0022】
図6図6は、複数の分析物を感知するために使用される微小針アレイの例証的概略図を描写する。
【0023】
図7図7Aは、テーパ状遠位端を有する、柱状微小針の断面側面図を描写する。図7Bおよび7Cは、それぞれ、図7Aに示される微小針の実施形態の斜視図および詳細図を描写する、画像である。
【0024】
図8図8は、テーパ状遠位端を有する、柱状微小針の例証的概略図を描写する。
【0025】
図9図9は、テーパ状遠位端を有する、柱状微小針の断面側面図を描写する。
【0026】
図10図10は、テーパ状遠位端を有する、柱状微小針の例証的概略図を描写する。
【0027】
図11A図11Aは、テーパ状遠位端を有する、錐状微小針の断面側面図を描写する。図11Bは、図11Aに示される微小針の実施形態の斜視図を描写する、画像である。図11Cは、図11Bに示されるものに類似する微小針を含む、微小針アレイの例証的変形例を描写する、画像である。
図11B図11Aは、テーパ状遠位端を有する、錐状微小針の断面側面図を描写する。図11Bは、図11Aに示される微小針の実施形態の斜視図を描写する、画像である。図11Cは、図11Bに示されるものに類似する微小針を含む、微小針アレイの例証的変形例を描写する、画像である。
図11C図11Aは、テーパ状遠位端を有する、錐状微小針の断面側面図を描写する。図11Bは、図11Aに示される微小針の実施形態の斜視図を描写する、画像である。図11Cは、図11Bに示されるものに類似する微小針を含む、微小針アレイの例証的変形例を描写する、画像である。
【0028】
図12図12は、テーパ状遠位端を有する、錐状微小針の例証的概略図を描写する。
【0029】
図13-1】図13Aは、テーパ状遠位端と、非対称切断面とを有する、錐状微小針の例証的概略図を描写する。図13Bは、図13Aに示される微小針の例証的変形例を描写する、画像である。
【0030】
図13-2】図13C-13Eは、図13Aに示される錐状微小針を形成するためのプロセスを図示する。
【0031】
図14図14Aは、テーパ状遠位端を有する、柱状-錐状微小針の例証的概略図を描写する。図14Bは、図14Aに描写される微小針の遠位部分の詳細図を描写する。
【0032】
図15図15A-15Dは、微小針アレイ内の伝導性経路の形成の例証的概略図を描写する。
【0033】
図16-1】図16A-16Cは、それぞれ、作用電極、対電極、および基準電極の層状構造の例証的概略図を描写する。
【0034】
図16-2】図16D-16Fは、それぞれ、作用電極、対電極、および基準電極の層状構造の例証的概略図を描写する。
【0035】
図16-3】図16G-16Iは、それぞれ、作用電極、対電極、および基準電極の層状構造の例証的概略図を描写する。
【0036】
図17図17は、微小針アレイ構成の例証的概略図を描写する。
【0037】
図18図18Aおよび18Bは、それぞれ、微小針アレイを含むダイの例証的変形例の斜視図および直交図を描写する。
【0038】
図19-1】図19A-19Jは、微小針アレイ構成の異なる変形例の例証的概略図を描写する。
図19-2】図19A-19Jは、微小針アレイ構成の異なる変形例の例証的概略図を描写する。
図19-3】図19A-19Jは、微小針アレイ構成の異なる変形例の例証的概略図を描写する。
図19-4】図19A-19Jは、微小針アレイ構成の異なる変形例の例証的概略図を描写する。
【0039】
図20図20は、薄型バッテリ保持器の例証的概略図を描写する。
【0040】
図21図21は、分析物監視デバイスを滅菌するための方法の例証的フローチャートを描写する。
【0041】
図22図22は、エチレンオキシド滅菌のために使用可能な滅菌設定の例証的概略図を描写する。
【0042】
図23図23は、エチレンオキシド滅菌プロトコルの例証的変形例を描写する。
【0043】
図24A図24A-24Cは、分析物監視デバイスのためのエチレンオキシド滅菌の実行可能性を示唆する、例示的データを描写する。
図24B図24A-24Cは、分析物監視デバイスのためのエチレンオキシド滅菌の実行可能性を示唆する、例示的データを描写する。
図24C図24A-24Cは、分析物監視デバイスのためのエチレンオキシド滅菌の実行可能性を示唆する、例示的データを描写する。
【0044】
図25図25は、皮膚内への微小針アレイの挿入に応じて分析物監視デバイスのアクティブ化を可能にする、電子回路の例証的概略図である。
【0045】
図26図26は、分析物監視デバイスとモバイルアプリケーションを実行するモバイルコンピューティングデバイスとの間のペアリングの例証的概略図である。
【0046】
図27-1】図27Aおよび27Bは、それぞれ、微小針アレイおよび微小針の例証的概略図を描写する。図27C-27Fは、微小針の例証的変形例の詳細な部分図を描写する。
図27-2】図27Aおよび27Bは、それぞれ、微小針アレイおよび微小針の例証的概略図を描写する。図27C-27Fは、微小針の例証的変形例の詳細な部分図を描写する。
【0047】
図28図28Aおよび28Bは、微小針の例証的変形例を描写する。
【0048】
図29図29Aおよび29Bは、微小針アレイ構成の例証的概略図を描写する。
【0049】
図30図30Aおよび30Bは、微小針アレイ構成の例証的概略図を描写する。
【0050】
図31A図31Aおよび31Bは、インジケータライト要素を伴うユーザインターフェースを含む、分析物監視デバイスの筐体の例証的概略図を描写する。
図31B図31Aおよび31Bは、インジケータライト要素を伴うユーザインターフェースを含む、分析物監視デバイスの筐体の例証的概略図を描写する。
【0051】
図32図32A-32Cは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
【0052】
図33A図33A-33Dは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
図33B図33A-33Dは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
図33C図33A-33Dは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
図33D図33A-33Dは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
【0053】
図34A図34A-34Cは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
図34B図34A-34Cは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
図34C図34A-34Cは、分析物測定データを示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
【0054】
図35A図35Aおよび35Bは、デバイス情報(例えば、動作ステータスおよび/または不良モード)を示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
図35B図35Aおよび35Bは、デバイス情報(例えば、動作ステータスおよび/または不良モード)を示すための分析物監視デバイスにおける照明モードの例証的概略図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0055】
詳細な説明
本発明の種々の側面および変形例の非限定的実施例が、本明細書に説明され、付随の図面に図示される。
【0056】
概して、本明細書に説明されるように、分析物監視システムは、ユーザによって装着され、ユーザの少なくとも1つの分析物を監視するための1つまたはそれを上回るセンサを含む、分析物監視デバイスを含んでもよい。センサは、例えば、少なくとも1つの分析物の電気化学的検出を実施するように構成される、1つまたはそれを上回る電極を含んでもよい。分析物監視デバイスは、センサデータの記憶、表示、および/または分析のために、外部コンピューティングデバイスにセンサデータを通信してもよい。例えば、図1に示されるように、分析物監視システム100は、ユーザによって装着される、分析物監視デバイス110を含んでもよく、分析物監視デバイス110は、持続的分析物監視デバイス(例えば、持続的グルコース監視デバイス)であってもよい。分析物監視デバイス110は、例えば、ユーザの体液中の1つまたはそれを上回る分析物を検出および/または測定するための少なくとも1つの電気化学センサを備える、微小針アレイを含んでもよい。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、好適な適用器160を使用してユーザに適用されてもよい、または手動で適用されてもよい。分析物監視デバイス110は、センサデータに対する分析を実施するための1つまたはそれを上回るプロセッサおよび/またはセンサデータをモバイルコンピューティングデバイス102(例えば、スマートフォン)または他の好適なコンピューティングデバイスに通信するように構成される、通信モジュール(例えば、無線通信モジュール)を含んでもよい。いくつかの変形例では、モバイルコンピューティングデバイス102は、センサデータを取り扱う(例えば、データを表示する、傾向に関してデータを分析する等)、および/またはセンサデータおよび/またはその分析に関連する好適なアラートまたは他の通知を提供するために、モバイルアプリケーションを実行する、1つまたはそれを上回るプロセッサを含んでもよい。いくつかの変形例では、モバイルコンピューティングデバイス102は、センサデータ分析をローカルで実施し得るが、他のコンピューティングデバイスが、代替として、または加えて、遠隔でセンサデータを分析する、および/またはユーザへの表示のためにモバイルコンピューティングデバイス102(または他の好適なユーザインターフェース)を用いてそのような分析に関連する情報を通信し得ることを理解されたい。さらに、いくつかの変形例では、モバイルコンピューティングデバイス102は、分析物監視デバイスのユーザに関連するデータおよび/または他の好適な情報をアーカイブ化するために、センサデータおよび/またはセンサデータの分析を、ネットワーク104を経由して、1つまたはそれを上回る記憶デバイス106(例えば、サーバ)に通信するように構成されてもよい。
【0057】
本明細書に説明される分析物監視デバイスは、持続的グルコース監視(CGM)デバイス等の持続的分析物監視デバイスに関して有利である、いくつかの性質を改良する特性を有する。例えば、本明細書に説明される分析物監視デバイスは、改良された感度(標的分析物の所与の濃度毎に生成されるセンサ信号の量)、改良された選択性(標的分析物の検出に干渉し得る内因性および外因性循環化合物の拒絶)、および分析物監視デバイスの保管および動作を通した経時的なセンサ応答の変化を最小限にすることに役立つ改良された安定性を有する。加えて、従来の持続的分析物監視デバイスと比較して、本明細書に説明される分析物監視デバイスは、埋込に続いてセンサが安定したセンサ信号を迅速に提供することを可能にするより短いウォームアップ時間、およびユーザにおける分析物濃度の変化に続いてセンサが安定したセンサ信号を迅速に提供することを可能にする短い応答時間を有する。さらに、下記にさらに詳細に説明されるように、本明細書に説明される分析物監視デバイスは、種々の装着部位に適用され、そこで機能し、ユーザにとって痛みのないセンサ挿入を提供してもよい。生体適合性、滅菌性、および機械的完全性等の他の性質もまた、本明細書に説明される分析物監視デバイスにおいて最適化される。
【0058】
本明細書に説明される分析物監視システムは、(例えば、2型糖尿病、1型糖尿病を伴う患者における)グルコースの監視を参照して説明され得るが、そのようなシステムが、加えて、または代替として、他の好適な分析物を感知および監視するように構成され得ることを理解されたい。下記にさらに詳細に説明されるように、検出のために好適な標的分析物は、例えば、グルコース、ケトン、乳酸、およびコルチゾールを含んでもよい。1つの標的分析物が、監視されてもよい、または複数の標的分析物が、(例えば、同一の分析物監視デバイスにおいて)同時に監視されてもよい。例えば、他の標的分析物の監視は、ストレス(例えば、上昇するコルチゾールおよびグルコースの検出を通して)およびケトアシドーシス(例えば、上昇するケトンの検出を通して)等の他のインジケーションの監視を可能にし得る。
【0059】
分析物監視システムおよびその使用の方法の例示的変形例の種々の側面が、下記にさらに詳細に説明される。
分析物監視デバイス
【0060】
図2Aに示されるように、いくつかの変形例では、分析物監視デバイス110は、概して、筐体112と、筐体から外向きに延在する、微小針アレイ140とを含んでもよい。筐体112は、例えば、微小針アレイ140が、少なくとも部分的に、ユーザの皮膚の中に延在するように、ユーザの皮膚上に装着されるように構成される、装着可能筐体であってもよい。例えば、筐体112は、分析物監視デバイス110が、ユーザへの適用に関して単純かつ簡単である皮膚接着パッチであるように、接着剤を含んでもよい。微小針アレイ140は、ユーザの皮膚を穿刺し、微小針アレイ140がユーザの皮膚を穿刺した後にアクセス可能である1つまたはそれを上回る標的分析物を測定するために構成される、1つまたはそれを上回る電気化学センサ(例えば、電極)を含むように構成されてもよい。いくつかの変形例では、分析物監視デバイス110は、単一のユニットとして統合または内蔵されてもよく、ユニットは、使い捨てであってもよい(例えば、ある時間周期にわたって使用され、分析物監視デバイス110の別の事例と交換される)。
【0061】
電子機器システム120は、少なくとも部分的に、筐体112内に配列され、信号処理(例えば、電気化学センサのバイアスおよび読出、電気化学センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換すること等)を実施するように構成される、センサ回路124等の種々の電子構成要素を含んでもよい。電子機器システム120はまた、分析物監視デバイス110を制御するための少なくとも1つのマイクロコントローラ122、少なくとも1つの通信モジュール126、少なくとも1つの電源130、および/または他の種々の好適な受動回路127を含んでもよい。マイクロコントローラ122は、例えば、(例えば、ファームウェア内のプログラムされたルーチンを実行することによって)センサ回路124から出力されたデジタル信号を解釈する、種々の好適なアルゴリズムまたは数学的変換(例えば、較正等)を実施する、および/または通信モジュール124に、および/またはそれから処理されたデータをルーティングするように構成されてもよい。いくつかの変形例では、通信モジュール126は、1つまたはそれを上回るアンテナ128を介して外部コンピューティングデバイス102とデータを通信するための好適な無線送受信機(例えば、Bluetooth(登録商標)送受信機または同等物)を含んでもよい。例えば、通信モジュール126は、分析物監視デバイス110とペアリングされる外部コンピューティングデバイス102とのデータの一方向および/または双方向通信を提供するように構成されてもよい。電源130は、電子機器システムのため等、分析物監視デバイス110のための電力を提供してもよい。電源130は、バッテリまたは他の好適な源を含んでもよく、いくつかの変形例では、再充電可能および/または交換可能であってもよい。受動回路127は、他の電子構成要素等の間の相互接続を提供する、種々の無給電電気回路(例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタ等)を含んでもよい。受動回路127は、例えば、雑音低減、バイアス、および/または他の目的を実施するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、電子機器システム120における電子構成要素は、例えば、剛性、半剛性、または可撓性であり得る、1つまたはそれを上回る印刷回路基板(PCB)上に配列されてもよい。電子機器システム120の付加的詳細が、下記にさらに説明される。
【0062】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイス110はさらに、ユーザ監視に関連し得る付加的情報を提供するために、1つまたはそれを上回る付加的センサ150を含んでもよい。例えば、分析物監視デバイス110はさらに、皮膚温度を測定するように構成される、少なくとも1つの温度センサ(例えば、サーミスタ)を含み、それによって、微小針アレイ電気化学センサによって取得されるセンサ測定に関する温度補償を可能にし得る。
【0063】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイス110における微小針アレイ140は、ユーザの皮膚を穿刺するように構成されてもよい。図2Bに示されるように、デバイス110が、ユーザによって装着されるとき、微小針アレイ140は、微小針の遠位領域上の電極が、真皮内に静止するように、ユーザの皮膚の中に延在してもよい。具体的には、いくつかの変形例では、微小針は、電極がこれらの層内の細胞を囲繞する間質液にアクセスすることを可能にするために、皮膚を貫通し、皮膚の上側真皮領域(例えば、真皮乳頭層および上側真皮網状層)にアクセスするように設計されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、微小針は、概して、少なくとも350μm~約515μmに及ぶ高さを有してもよい。いくつかの変形例では、1つまたはそれを上回る微小針は、微小針上の電極の遠位端が、筐体の皮膚インターフェーシング面から約5mm未満、筐体から約4mm未満、筐体から約3mm未満、筐体から約2mm未満、または筐体から約1mm未満に位置するように、筐体から延在してもよい。
【0064】
典型的には、皮膚の皮下または脂肪層において皮膚表面の約8mm~約10mm下に埋込されるセンサを含む、従来的な持続的分析物監視デバイス(例えば、CGMデバイス)と対照的に、分析物監視デバイス110は、多数の利益を提供する、(電極が皮膚の上側真皮領域内に埋込されるように)約0.25mmのより浅い微小針挿入深さを有する。これらの利益は、検出のための1つまたはそれを上回る標的分析物を含む、真皮間質液へのアクセスを含み、これは、少なくとも、真皮間質液の少なくともいくつかのタイプの分析物測定が、血液のものに密接に相関することが見出されているため、有利である。例えば、真皮間質液にアクセスする電気化学センサを使用して実施されるグルコース測定が、有利なこととして、血糖測定と非常に線形に相関することが発見されている。故に、真皮間質液に基づくグルコース測定は、的確に血糖測定値を表す。
【0065】
加えて、分析物監視デバイス110のより浅い微小針挿入深さのため、従来的な持続的分析物監視デバイスと比較して、分析物検出における低減された時間遅延が、取得される。そのようなより浅い挿入深さは、真皮網状層の高密度かつ十分に灌流される毛細血管床に近接近して(例えば、数百マイクロメートルまたはそれを下回るもの以内に)センサ表面を位置付け、毛細血管からセンサ表面までの無視できる拡散遅れをもたらす。拡散時間は、t=x/(2D)に従って、拡散距離に関連し、式中、tは、拡散時間であり、xは、拡散距離であり、Dは、着目分析物の物質拡散係数である。したがって、毛細血管内の分析物の源から2倍遠くに離れて分析物感知要素を位置付けることは、4倍の拡散遅延時間をもたらすであろう。故に、真皮の下の非常に不良に血管形成される脂肪組織内に存在する、従来の分析物センサは、真皮内の脈管からの有意により長い拡散距離をもたらし、したがって、実質的な拡散待ち時間(例えば、典型的には、5~20分)をもたらす。対照的に、分析物監視デバイス110のより浅い微小針挿入深さは、毛細血管からセンサまでのより少ない拡散待ち時間から利益を享受し、それによって、分析物検出における時間遅延を低減させ、リアルタイムまたはほぼリアルタイムでより正確な結果を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、拡散待ち時間は、10分未満、5分未満、または3分未満であり得る。
【0066】
さらに、微小針アレイが、上側真皮領域内に静止するとき、微小針アレイの下の下側真皮は、真皮代謝を支援するための非常に高いレベルの血管形成および灌流を含み、これは、(血管収縮および/または血管拡張を介して)体温調節を可能にし、微小針の周囲の感知環境を安定させることに役立つ障壁機能を提供する。より浅い挿入深さのまた別の利点は、上側真皮層に痛覚受容体が欠如し、したがって、微小針アレイがユーザの皮膚を穿刺するときに低減された痛覚をもたらし、より快適な低侵襲性ユーザ体験を提供することである。
【0067】
したがって、本明細書に説明される分析物監視デバイスおよび方法は、ユーザの1つまたはそれを上回る標的分析物の改良された持続的監視を可能にする。例えば、上記に説明されるように、分析物監視デバイスは、適用が単純かつ簡単であり得、これは、使いやすさおよびユーザコンプライアンスを改良する。加えて、真皮間質液の分析物測定は、非常に正確な分析物検出を提供し得る。さらに、従来的な持続的分析物監視デバイスと比較して、微小針アレイおよびそのセンサの挿入は、より低侵襲性であり、患者に対するより少ない痛みを伴い得る。分析物監視デバイスおよび方法の他の側面の付加的利益が、下記にさらに説明される。
筐体
【0068】
上記に説明されるように、分析物監視デバイスは、筐体を含んでもよい。筐体は、少なくとも部分的に、そのような構成要素の保護のため等、分析物監視デバイスの他の構成要素(例えば、電子構成要素)を囲繞または封入してもよい。例えば、筐体は、粉塵および水分が分析物監視デバイスに進入することを防止することに役立つように構成されてもよい。いくつかの変形例では、接着剤層が、微小針アレイが筐体から外向きに、かつユーザの皮膚の中に延在することを可能にしながら、筐体をユーザの表面(例えば、皮膚)に取り付けてもよい。さらに、いくつかの変形例では、筐体は、概して、非外傷性であり、ユーザによって装着される衣類等との干渉を低減させるように、丸形縁または角を含む、および/または薄型であってもよい。
【0069】
例えば、図3A-3Eに示されるように、分析物監視デバイス300の例示的変形例は、少なくとも部分的に、デバイス300の他の種々の内部構成要素を囲繞するように構成される、筐体310と、筐体310の皮膚対向面(例えば、下側)から外向きに延在する、微小針アレイ330とを含んでもよい。
【0070】
筐体310は、例えば、好適な締結具(例えば、機械的締結具)、機械的相互係止または噛合特徴、および/またはエンジニアリングフィットを介してともに結合し得る、1つまたはそれを上回る剛性または半剛性保護シェル構成要素を含んでもよい。例えば、図3Eに示されるように、筐体は、筐体カバー310aと、筐体基部310bとを含んでもよく、カバー310aおよび基部310bは、1つまたはそれを上回るねじ山付き締結具(例えば、上側および/または下側筐体部分内のねじ山付き孔に係合する締結具)とともに固着されてもよい。カバー310aおよび基部310bは、アール縁および角、および/または他の非外傷性特徴を含んでもよい。ともに結合されるとき、カバー310aおよび基部310bは、デバイス印刷回路基板350(PCB)、センサアセンブリ320、および/またはガスケット312等の他の構成要素等の他の内部構成要素を格納する、内部容積を形成してもよい。例えば、内部容積内に配列される内部構成要素は、図3Eに示されるようなコンパクトな薄型の積み重ねにおいて配列されてもよい。図3Eは、筐体310が複数の筐体構成要素を含むことを図示するが、いくつかの変形例では、筐体310は、内部デバイス構成要素を格納するための内部容積を画定する、単一の構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、筐体310は、温度、湿度、圧力、および光等の有害な環境効果を低減させるために、好適なポッティング化合物(例えば、エポキシ)を用いて充填されてもよい。
【0071】
さらに、分析物監視デバイス300は、筐体310をユーザの表面(例えば、皮膚)に取り付けるように構成される、接着剤層340を含んでもよい。接着剤層340は、例えば、図3Dに描写される変形例に示されるような両面接着剤ライナ344を介して、筐体310の皮膚対向側に取り付けられてもよい。代替として、接着剤層340は、1つまたはそれを上回る好適な締結具(例えば、接着剤、機械的締結具等)を用いて筐体310の皮膚対向側に直接結合されてもよい。接着剤層340は、接着剤を暴露するために、ユーザが皮膚適用に先立って除去する、解放ライナによって保護されてもよい。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、3M(登録商標)から入手可能な3M(登録商標) 1504XLTM両面接着剤および3M(登録商標) 4076TM皮膚対向接着剤を含んでもよい。これらの材料は、それらの通気性、装着性、平均水蒸気透過率(MWVTR)、生体適合性、センサ滅菌方法/方略との適合性、外観、耐久性、粘着性、およびセンサ装着の持続時間にわたって該粘着性を留保する能力に関して選択される。
【0072】
接着剤層340は、いくつかの変形例では、筐体310の外周または周辺よりも遠くに延在する外周を有してもよい(例えば、これは、取付のための表面積を増加させ、保定の安定性またはユーザの皮膚への取付を増加させ得る)。さらに、いくつかの変形例では、接着剤層340は、外向きに延在する微小針アレイ330の通過を可能にする、開口部342を含んでもよい。開口部342は、図3Cに示されるように、微小針アレイ330の形状を密着して囲む(例えば、サイズおよび形状において正方形微小針アレイに密着して対応する正方形開口部)、または微小針アレイの占有面積よりも大きい別の好適なサイズおよび形状を有してもよい(例えば、正方形微小針アレイよりも大きい円形開口部)。
【0073】
図3A-3Eに描写される筐体310は、六角形形状であり、略角柱状であるが、他の変形例では、筐体310が、任意の好適な形状を有し得ることを理解されたい。例えば、他の変形例では、筐体は、略角柱状であり、楕円形(例えば、円形)、三角形、長方形、五角形、または他の好適な形状を有する基部を有してもよい。別の実施例として、図4A-4Cは、ドーム形筐体410を含む、分析物監視デバイス400の例示的変形例を図示する。図4A-4Cに描写されるドーム形筐体410は、略円形であるが、他の変形例では、ドーム形筐体は、別の好適な楕円形形状または多角形形状を有する基部を有してもよい。
【0074】
筐体310と同様に、筐体410は、少なくとも部分的に、分析物監視デバイス400の他の構成要素を囲繞するように構成される、内部容積を含んでもよい。例えば、図4Dの断面図に示されるように、筐体410は、その中でデバイスPCB450および微小針アレイ430を伴うセンサアセンブリが配列され得る内部容積を形成するように、基部410bに結合される、ドーム状カバー410aを含んでもよい。加えて、筐体410は、接着剤層440を介して表面に結合するように構成されてもよく、微小針アレイ430は、筐体から外向きに、かつ接着剤層440を越えて延在してもよい。さらに、図4Dおよび4Eに示されるように、接着剤層440は、筐体410の外周を越えて延在してもよい。
ユーザインターフェース
【0075】
いくつかの変形例では、分析物監視システムは、分析物監視デバイス上のユーザインターフェース(例えば、下記に説明されるようなディスプレイ、インジケータライト等)を介して、ユーザステータス、分析物監視デバイスステータス、および/または他の好適な情報を直接提供してもよい。したがって、単に、情報を別個の周辺デバイス(例えば、モバイル電話等)に通信し得、これが、順に、情報をユーザに通信する分析物監視システムと対照的に、いくつかの変形例では、そのような情報は、分析物監視デバイスによって直接提供されてもよい。有利なこととして、いくつかの変形例では、分析物監視デバイス上のそのようなユーザインターフェースは、ユーザステータスおよび/または分析物監視デバイスステータスを監視するために、ユーザが別個の周辺デバイスを常に維持する必要性(これは、費用、不便等に起因して非実践的であり得る)を低減させてもよい。加えて、分析物監視デバイス上のユーザインターフェースは、ユーザが自身の現在の分析物レベルの不正確な理解を有すること(例えば、ユーザがそれらが実際には低いときに自身の分析物レベルが高いと思い込むことにつながり、これは、例えば、ユーザが不正確な用量の薬物を自己投与する、またはこれが医学的に必要であるときに療法介入を差し控えることをもたらし得る)等、分析物監視デバイスと別個の周辺デバイスとの間の通信の損失と関連付けれるリスクを低減させてもよい。
【0076】
加えて、別個の周辺デバイスから独立して分析物監視デバイス自体を介してユーザに情報を通信する能力は、そのような周辺デバイスがアップグレードされる(例えば、新しいデバイスモデルまたは他のハードウェアと交換される、オペレーティングシステムまたは他のソフトウェアの新しいバージョンを起動する等)際、分析物監視デバイスと別個の周辺デバイスとの間の互換性を維持する必要性を低減または排除してもよい。
【0077】
故に、いくつかの変形例では、筐体は、ユーザステータスおよび/または分析物監視デバイスのステータスに関する情報および/または他の好適な情報を提供するために、視覚的、聴覚的、および/または触覚的様式で情報を提供するためのインターフェース等のユーザインターフェースを含んでもよい。ユーザインターフェースを介して通信され得るユーザステータスの実施例は、ユーザにおける分析物測定を表す情報(例えば、所定の標的分析物測定閾値または範囲を下回ること、所定の標的分析物測定範囲内であること、所定の標的分析物測定閾値または範囲を上回ること、経時的な分析物測定値の増加または減少、分析物測定値の変化率、分析物測定の傾向に関する他の情報、分析物測定と関連付けられる他の好適なアラート等)を含む。ユーザインターフェースを介して通信され得る分析物監視デバイスステータスの実施例は、デバイス動作モード(例えば、デバイスウォームアップ状態、分析物監視状態、低バッテリ等のバッテリ電力ステータス等と関連付けられる)、デバイスエラー状態(例えば、動作エラー、圧力誘発感知減衰、不良、故障モード等)、デバイス電力ステータス、デバイス寿命ステータス(例えば、予想されるセンサの寿命の終わり)、デバイスとモバイルコンピューティングデバイスとの間の接続性のステータス、および/または同等物を含む。
【0078】
いくつかの変形例では、ユーザインターフェースは、デフォルトで、少なくとも分析物監視デバイスが分析物測定を実施しているときは常に、または分析物監視デバイスが電源オンであるときは常に、そのような情報を通信するために有効化または「オン」状態にあり、それによって、情報がユーザに連続的に利用可能であることを確実にすることに役立ち得る。例えば、ユーザインターフェース要素は、ユーザ注意を促す、または是正措置を推奨するためのアラートとしてだけではなく、また、ユーザステータスおよび/またはデバイスステータスが正常であるときにも、ディスプレイまたはインジケータライト(例えば、下記に説明されるような)を通して通信してもよい。故に、いくつかの変形例では、ユーザは、自身の現在の分析物測定レベルを学習するために走査を開始するアクションを実施するように要求されず、そのような情報は、常時、ユーザに容易に利用可能であってもよい。しかしながら、いくつかの変形例では、ユーザは、その後にユーザインターフェースが自動的に再有効化される、または第2のアクションがユーザインターフェースを再有効化するために実施されるまで、所定の時間量(例えば、30分、1時間、2時間等)にわたって等、一時的に(例えば、「スヌーズ」ボタンと同様に)ユーザインターフェースを無効化するアクションを実施してもよい。
【0079】
いくつかの変形例では、筐体のユーザインターフェースは、情報を視覚的に通信するように構成される、ディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、例えば、英数字テキスト(例えば、数字、文字等)、記号、および/または情報をユーザに通信するための好適なグラフィックスを表示するように構成される、ディスプレイ画面(例えば、LCD画面、OLEDディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ等)を含んでもよい。例えば、ディスプレイ画面は、ユーザステータスおよび/または分析物監視デバイスのステータス等の数値情報、テキスト情報、および/または情報のグラフィックス(例えば、傾斜線、矢印等)を含んでもよい。例えば、ディスプレイ画面は、分析物測定レベル、傾向、および/または推奨(例えば、身体活動、低減された食事摂取量等)のテキストまたはグラフィック表現を含んでもよい。
【0080】
別の実施例として、筐体上のディスプレイは、異なるステータスおよび/または他の好適な情報を通信するために、1つまたはそれを上回る所定の照明モードにおいて制御され得る、1つまたはそれを上回るインジケータライト(例えば、LED、OLED、レーザ、電場発光物質、または他の好適な光源、導波管等を含む)を含んでもよい。インジケータライトは、複数の色(例えば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、および/または紫色等)を用いて、または1つのみの色において照明するように制御されてもよい。例えば、インジケータライトは、多色LEDを含んでもよい。別の実施例として、インジケータライトは、異なる色の光源が、選択された色においてインジケータライトを照明するように選択的にアクティブ化され得るように、1つまたはそれを上回る異なる色の光源(例えば、LED)にわたって位置付けられる、透明または半透明材料(例えば、アクリル)を含んでもよい。光源のアクティブ化は、同時か、または順番通りかのいずれかで行われることができる。インジケータライトは、任意の好適な形態(例えば、筐体本体から隆起、同一平面、陥凹等)および/または形状(例えば、円形または他の多角形、リング、伸長ストリップ等)を有してもよい。いくつかの変形例では、インジケータライトは、より大きい光源と同一の強度の光を提示するが、有意により少ない電力要件を伴うピンホールサイズおよび/または形状を有してもよく、これは、分析物監視デバイスにおけるオンボード電力を節約することに役立ち得る。
【0081】
ディスプレイ上のインジケータライトは、異なる種類の情報を通信するために、1つまたはそれを上回る種々の様式で照明されてもよい。例えば、インジケータライトは、情報を通信するために、選択的に照明オンまたはオフにされてもよい(例えば、照明「オン」は、1つのステータスを示す一方、照明「オフ」は、別のステータスを示す)。加えて、または代替として、インジケータライトは、情報を通信するために、選択された色または強度において照明されてもよい(例えば、第1の色または強度における照明は、第1のステータスを示す一方、第2の色または強度における照明は、第2のステータスを示す)。加えて、または代替として、インジケータライトは、情報を通信するために、選択された時間的パターンにおいて照明されてもよい(例えば、第1の時間的パターンにおける照明は、第1のステータスを示す一方、第2の時間的パターンにおける照明は、第2のステータスを示す)。例えば、インジケータライトは、照明頻度(例えば、急速または低速の頻度において繰り返される照明)、規則性(例えば、周期的な繰り返される照明対断続的な照明)、照明「オン」時間の持続時間、照明「オフ」時間の持続時間、照明強度の変化率、デューティサイクル(例えば、照明「オン」時間対照明「オフ」時間の比)、および/または同等物において異なる複数の所定の時間的パターンのうちの1つにおいて選択的に照明されてもよく、各所定の時間的パターンは、個別のステータスを示してもよい。
【0082】
加えて、または代替として、いくつかの変形例では、ディスプレイは、1つまたはそれを上回る所定の空間的および/または時間的パターンに従って、1つまたはそれを上回る所定の照明モードまたはシーケンスで集合的に照明され得る、複数のインジケータライトを含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、ディスプレイ上に配列されるインジケータライトのうちのいくつかまたは全ては、特定のステータスを示すために、同期して、または順番に照明されてもよい。故に、インジケータライトの選択されたサブセット(例えば、照明されるインジケータライトの空間的配列)および/またはそれらが照明される様式(例えば、照明順序、照明率等)は、特定のステータスを示してもよい。加えて、または代替として、複数のインジケータライトが、カラーパレットの多様性を増加させるために、同時に、または順番に照明してもよい。例えば、いくつかの変形例では、赤色、緑色、および青色LEDが、ユーザに白色光の印象を作成するために、立て続けに照明されてもよい。
【0083】
上記に説明される照明モードのうちの1つまたはそれを上回るものが、情報を通信するために、任意の好適な様式(例えば、様々な色、強度、輝度、光度、コントラスト、タイミング、場所等の組み合わせ)で組み合わせられ得ることをさらに理解されたい。加えて、または代替として、周囲光センサが、インジケータライトにおける光レベルの動的調節が、環境光条件を補償することを可能にし、電力を節約することに役立つために、デバイス本体の中に組み込まれてもよい。周囲光センサは、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスが省電力モードまたは低減電力状態に入るための適切な周期をさらに決定するために、運動センサ(例えば、下記にさらに詳細に説明されるような)と併せて使用されてもよい。例えば、暗闇および分析物監視デバイスの運動がないことの検出は、分析物監視デバイスの装着者が眠っていることを示してもよく、これは、省電力モードまたは低減電力状態に入るように分析物監視デバイスをトリガしてもよい。
【0084】
図31Aは、複数のインジケータライト(3122、3124a-3124c)を伴うユーザインターフェース3120を含む、分析物監視デバイス3100の例示的変形例を図示する。インジケータライト3120は、例えば、デバイス状態(例えば、動作モード、エラー状態、電力ステータス、寿命ステータス等)を示すように選択的に照明されてもよい。インジケータライト3122は、記号(例えば、ロゴ)の形状であるが、他の変形例では、インジケータライト3122が、任意の好適な形状(例えば、テキスト、他の幾何学的形状等)を有し得ることを理解されたい。インジケータライト3124a-3124cは、ユーザステータス(例えば、分析物測定を表す情報)を示すように選択的に照明されてもよい。インジケータライト3124a-3124cは、ユーザインターフェースを横断して延在する線形要素(例えば、円形ディスプレイを横断するコード)であるが、他の変形例では、インジケータライト3124a-3124cが、他の好適な形状(例えば、波線、円形等)を有することを理解されたい。いくつかの変形例では、任意の好適な形状のインジケータライトの1次元アレイが、筐体上に配列されてもよい(例えば、行、列、円弧等において配列される)。代替として、筐体は、任意の好適な形状のインジケータライトの多次元アレイを含んでもよい。
【0085】
さらに、いくつかの変形例では、インジケータライトは、分析物情報(例えば、上昇する分析物測定レベル傾向を示すための上矢印、下降する分析物測定レベル傾向を示すための下矢印)、分析物監視デバイスステータス(例えば、デバイスエラー状態を示すための感嘆符)、および/または他の好適な情報を示し得るアイコン(例えば、記号)を含んでもよい。加えて、または代替として、インジケータライトにおける図像が、挙動推奨等のユーザに関する推奨を通信するために使用されてもよい。図像は、例えば、より普遍的または言語に依存しない様式で(例えば、本デバイスを異なる地理的領域またはユーザ選好等に調整するための言語翻訳の必要性を伴わずに)ユーザに推奨を通信する利点を有し得る。例えば、図31Bに示されるように、いくつかの変形例では、グルコース監視の文脈では、分析物監視デバイス3100’のためのユーザインターフェースは、ユーザが身体活動に従事する推奨を示すために、走る人物アイコン3126を含んでもよい。別の実施例として、食物アイコン3128は、ユーザが食物を摂取する推奨(またはユーザが食物を制限する推奨を示すために、「X」アイコン3130と組み合わせて)を示してもよい。別の実施例として、飲料アイコン3132は、ユーザが水等の流体を摂取する推奨(またはユーザが流体を制限する推奨を示すために、「X」アイコン3134と組み合わせて)を示してもよい。別の実施例として、星アイコン3136は、肯定的強化(例えば、分析物測定レベルが所定の時間周期にわたって正常または標的範囲内に留まる成功を示す)を示してもよい。しかしながら、挙動推奨が、監視されている分析物に関するインジケーションに基づいて変動し得ることを理解されたい。例えば、分析物監視デバイスが、加えて、または代替として、コルチゾールを監視するために使用される、いくつかの変形例では、上昇するコルチゾールレベル(および/または上昇するグルコースレベル)は、ユーザストレスの増加に相関し得る。故に、これらの変形例のうちのいくつかでは、分析物監視デバイスは、ストレスに起因する健康への悪影響を及ぼすことを回避するために、ストレス要因への暴露を低減させる、瞑想する等のユーザへの推奨を示すための好適なアイコンを含んでもよい。
【0086】
図31Aおよび31Bに示される変形例では、インジケータライト3124a-3124cはそれぞれ、異なる分析物測定(例えば、標的範囲内であること、標的範囲を下回ること、標的範囲を有意に下回ること、標的範囲を上回ること、標的範囲を有意に上回ること等)を示すように排他的に照明されてもよい。さらに、インジケータライト3124a-3124cは、それらが分析物測定の傾向情報を通信するために、漸進的シーケンスで選択的に照明され得るように、相互に隣接して配列されてもよい(例えば、分析物の測定された数量の増加に対応する第1の方向における照明の漸進的シーケンス、分析物の測定された数量の減少に対応する第2の方向における照明の漸進的シーケンス、分析物の測定された数量の増加または減少の率に対応する第1の方向または第2の方向における照明進行のペース等)。そのような照明の漸進的シーケンスの実施例が、図33A-33Dを参照して下記にさらに説明される。1つのデバイスステータスインジケータライト3120および3つのユーザステータスインジケータライト3124a-3124cが、図31Aおよび31Bに示されるが、他の変形例では、分析物監視デバイスが、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回るデバイスステータスインジケータライトおよび1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回るユーザステータスインジケータライト等の任意の好適な数のインジケータライトを含み得ることを理解されたい。デバイスステータスおよび/またはユーザステータスを通信するためのユーザインターフェース3120の例示的動作に関するさらなる詳細が、下記に(例えば、図32A-32C、33A-33D、34A-34C、および35A-35Bを参照して)説明される。
微小針アレイ
【0087】
図5Aの概略図に示されるように、いくつかの変形例では、1つまたはそれを上回る分析物を感知する際の使用のための微小針アレイ510は、基板面502から張出する、1つまたはそれを上回る微小針510を含んでもよい。基板面502は、例えば、略平面であってもよく、1つまたはそれを上回る微小針510は、平面表面から直交して張出してもよい。概して、図5Bに示されるように、微小針510は、本体部分512(例えば、シャフト)と、ユーザの皮膚を穿刺するように構成される、テーパ状遠位部分514とを含んでもよい。いくつかの変形例では、テーパ状遠位部分514は、絶縁された遠位頂点516において終端してもよい。微小針510はさらに、テーパ状遠位部分の表面上に電極520を含んでもよい。いくつかの変形例では、電極ベースの測定が、身体内に(例えば、微小針全体の外面上に)位置する電極および間質液の界面において実施されてもよい。いくつかの変形例では、微小針510は、中実コア(例えば、中実本体部分)を有してもよいが、いくつかの変形例では、微小針510は、1つまたはそれを上回る管腔を含んでもよく、これは、例えば、薬物送達または真皮間質液のサンプリングのために使用されてもよい。下記に説明されるもの等の他の微小針変形例も、同様に、中実コアまたは1つまたはそれを上回る管腔のいずれかを含んでもよい。
【0088】
微小針アレイ500は、下記にさらに説明されるように、少なくとも部分的に、半導体(例えば、シリコン)基板から形成され、種々の好適な微小電気機械システム(MEMS)製造技法(例えば、堆積およびエッチング技法)を使用して適用および成形される種々の材料層を含んでもよい。微小針アレイは、典型的な集積回路と同様に、回路基板にリフローはんだ付けされてもよい。さらに、いくつかの変形例では、微小針アレイ500は、標的分析物の検出を可能にする電気化学的感知コーティング(酵素等の生体認識要素を含む)を有する作用(感知)電極と、基準電極と、対電極とを含む、3電極設定を含んでもよい。言い換えると、微小針アレイ500は、作用電極を含む少なくとも1つの微小針510と、基準電極を含む少なくとも1つの微小針510と、対電極を含む少なくとも1つの微小針510とを含んでもよい。これらのタイプの電極の付加的詳細が、下記にさらに詳細に説明される。
【0089】
いくつかの変形例では、微小針アレイ500は、複数の微小針における各微小針上の電極が、個々にアドレス指定可能であり、微小針アレイ上の全ての他の電極から電気的に隔離されるように、絶縁される複数の微小針を含んでもよい。微小針アレイ500の結果として生じる個々のアドレス指定可能性は、各電極が、別個にプローブされ得るため、各電極の機能に対するさらなる制御を可能にし得る。例えば、微小針アレイ500は、所与の標的分析物の複数の独立した測定を提供するために使用されてもよく、これは、本デバイスの感知信頼性および正確度を改良する。さらに、いくつかの変形例では、複数の微小針の電極は、増強された信号レベルを生成するために、電気的に接続されてもよい。別の実施例として、同一の微小針アレイ500が、加えて、または代替として、複数の分析物を同時に測定し、生理学的ステータスのより包括的な査定を提供するために、反応測定されてもよい。例えば、図6の概略図に示されるように、微小針アレイは、第1の分析物Aを検出するための微小針の部分と、第2の分析物Bを検出するための微小針の第2の部分と、第3の分析物Cを検出するための微小針の第3の部分とを含んでもよい。微小針アレイが、任意の好適な数の分析物(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回るもの等)を検出するように構成され得ることを理解されたい。検出のための好適な標的分析物は、例えば、グルコース、ケトン、乳酸、およびコルチゾールを含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、ケトンが、米国特許出願第16/701,784号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるものに類似する様式で検出されてもよい。したがって、微小針アレイ500の個々の電気的アドレス指定可能性は、分析物監視デバイスの感知機能に対するさらなる制御および柔軟性を提供する。
【0090】
微小針(例えば、作用電極を伴う微小針)のいくつかの変形例では、電極520は、微小針の絶縁された遠位頂点516の近位に位置してもよい。言い換えると、いくつかの変形例では、電極520は、微小針の頂点を被覆しない。むしろ、電極520は、微小針の頂点または先端からオフセットされてもよい。微小針の絶縁された遠位頂点516の近位にある、またはそれからオフセットされる電極520は、有利なこととして、より正確なセンサ測定を提供する。例えば、本配列は、製造の間の微小針頂点516における電場の集中を防止し、それによって、誤った感知をもたらすであろう、電極表面520上の感知化学の不均一な電着を回避する。
【0091】
別の実施例として、微小針頂点からオフセットされる電極520を設置することはさらに、微小針挿入に応じて、応力によって引き起こされる望ましくない信号アーチファクトおよび/または誤ったセンサ読取値を低減させることによって、感知正確度を改良する。微小針の遠位頂点は、皮膚の中に貫通する最初の領域であり、したがって、皮膚の引裂または切断に付随する機械的剪断現象によって引き起こされる殆どの応力を被る。電極520が、微小針の頂点または先端上に設置された場合、本機械的応力は、微小針が挿入されるときに電極表面上の電気化学的感知コーティングを剥離する、および/または少ないが干渉する量の組織を電極の活性感知部分上に輸送させ得る。したがって、微小針頂点から十分にオフセットされる電極520を設置することは、感知正確度を改良し得る。例えば、いくつかの変形例では、電極520の遠位縁は、微小針の縦方向軸に沿って測定されるように、微小針の遠位頂点または先端から少なくとも約10μm(例えば、約20μm~約30μm)に位置してもよい。
【0092】
微小針510の本体部分512はさらに、電極520と裏側電極または他の電気接点(例えば、微小針アレイの基板の裏側上に配列される)との間に延在する、導電性経路を含んでもよい。裏側電極は、回路基板にはんだ付けされ、伝導性経路を介した電極520との電気連通を可能にし得る。例えば、使用の間、作用電極において測定される(真皮の内側の)生体内感知電流は、裏側電気接点によって反応測定され、裏側電気接点と作用電極との間の電気接続は、伝導性経路によって促進される。いくつかの変形例では、本伝導性経路は、微小針の近位および遠位端の間の微小針本体部分(例えば、シャフト)の内部を通して延設される金属ビアによって促進されてもよい。代替として、いくつかの変形例では、伝導性経路は、本体部分全体が伝導性材料(例えば、ドープシリコン)から形成されることによって提供されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、その上に微小針アレイ500が構築される完全な基板は、導電性であってもよく、微小針アレイ500における各微小針510は、下記に説明されるように、隣接する微小針510から電気的に隔離されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、微小針アレイ500における各微小針510は、電極520と裏側電気接点との間に延在する伝導性経路を囲繞する電気絶縁材料(例えば、二酸化ケイ素等の誘電材料)を含む絶縁障壁を用いて、隣接する微小針510から電気的に隔離されてもよい。例えば、本体部分512は、伝導性経路の周囲にシースを形成する絶縁材料を含み、それによって、伝導性経路と基板との間の電気連通を防止してもよい。微小針間の電気的隔離を可能にする構造の他の例示的変形例が、下記にさらに詳細に説明される。
【0093】
微小針アレイにおける微小針間のそのような電気的隔離は、センサが個々にアドレス指定可能であることを可能にする。本個々のアドレス指定可能性は、有利なこととして、センサ間の独立した並列化された測定および(例えば、異なる分析物への)センサ割当の動的再構成を可能にする。いくつかの変形例では、微小針アレイにおける電極は、冗長な分析物測定を提供するように構成されることができ、これは、従来の分析物監視デバイスに優る利点である。例えば、冗長性は、正確度を改良する(例えば、同一の分析物に関する複数の分析物測定値を平均化し、分析物レベルの決定に対する極端に高いまたは低いセンサ信号の効果を低減させる)、および/または完全な失敗の尤度を低減させることによって本デバイスの信頼性を改良することによって、性能を改良することができる。
【0094】
いくつかの変形例では、微小針の個別の異なる変形例を用いて下記にさらに詳細に説明されるように、微小針アレイは、少なくとも部分的に、好適な半導体および/またはMEMS加工技法および/または機械的切断またはダイシングを用いて形成されてもよい。そのようなプロセスは、例えば、微小針アレイの大規模な費用効率的な製造を可能にするために有利であり得る。例えば、いくつかの変形例では、微小針アレイは、少なくとも部分的に、米国特許出願第15/913,709号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される技法を使用して形成されてもよい。
微小針構造
【0095】
本明細書に説明されるものは、分析物監視デバイスにおける微小針アレイに関する上記に説明される微小針特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを組み込む微小針構造の複数の例示的変形例である。
【0096】
いくつかの変形例では、微小針は、略柱状本体部分と、電極を伴うテーパ状遠位部分とを有してもよい。例えば、図7A-7Cは、基板702から延在する、微小針700の例示的変形例を図示する。図7Aは、微小針700の概略図の側面断面である一方、図7Bは、微小針700の斜視図であり、図7Cは、微小針700の遠位部分の詳細な斜視図である。図7Bおよび7Cに示されるように、微小針700は、柱状本体部分712と、絶縁された遠位頂点716において終端する、テーパ状遠位部分714と、伝導性材料(例えば、Pt、Ir、Au、Ti、Cr、Ni等)を含み、テーパ状遠位部分714上に配列される、環状電極720とを含んでもよい。図7Aに示されるように、環状電極720は、遠位頂点716の近位にあってもよい(またはそれからオフセットまたは離間される)。例えば、電極720は、絶縁材料(例えば、SiO)を含む遠位絶縁面715aによって遠位頂点716から電気的に隔離されてもよい。いくつかの変形例では、電極720はまた、第2の遠位絶縁面715bによって柱状本体部分712から電気的に隔離されてもよい。電極720は、本体部分712に沿って裏側電気接点730(例えば、Ni/Au合金から作製される)または基板702内またはその上の他の電気パッドまで通過する、伝導性コア740(例えば、伝導性経路)と電気連通してもよい。例えば、本体部分712は、伝導性コア材料(例えば、高ドープシリコン)を含んでもよい。図7Aに示されるように、いくつかの変形例では、絶縁材料(例えば、SiO)を含む絶縁モート713が、本体部分712の周囲に(例えば、その外周の周囲に)配列され、少なくとも部分的に、基板702を通して延在してもよい。故に、絶縁モート713は、例えば、伝導性コア740と周辺基板702との間の電気接触を防止することに役立ち得る。絶縁モート713はさらに、本体部分712の表面にわたって延在してもよい。基板702の上側および/または下側面もまた、基板絶縁体704(例えば、SiO)の層を含んでもよい。故に、絶縁モート713および/または基板絶縁体704によって提供される絶縁は、少なくとも部分的に、微小針アレイ内の微小針700の個々のアドレス指定可能性を可能にする、微小針700の電気的隔離に寄与し得る。さらに、いくつかの変形例では、本体部分712の表面にわたって延在する絶縁モート713は、微小針700構造の機械的強度を増加させるように機能してもよい。
【0097】
微小針700は、少なくとも部分的に、乾式エッチングとも呼ばれる、プラズマエッチング等の好適なMEMS加工技法によって形成されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、微小針の本体部分712の周囲の絶縁モート713は、最初に、基板の裏側から深反応性イオンエッチング(DRIE)によってシリコン基板内にトレンチを形成し、次いで、低圧化学蒸着(LPCVD)または他の好適なプロセスによってSiO/多結晶質シリコン(ポリSi)/SiOの挟装構造を用いてそのトレンチを充填することによって作製されてもよい。言い換えると、絶縁モート713は、微小針の本体部分712の表面を不動態化し、微小針の近位部分の近傍の基板702内の埋められた特徴として継続してもよい。主としてシリコンの化合物を含むことによって、絶縁モート713は、良好な充填および接着を隣り合う(例えば、伝導性コア740、基板702等の)シリコン壁に提供し得る。絶縁モート713の挟装構造はさらに、隣接するシリコンとの熱膨張係数(CTE)の優れた合致を提供することに役立ち、それによって、有利なこととして、絶縁構造713における欠陥、亀裂、および/または他の熱的に誘発される弱点を低減させ得る。
【0098】
テーパ状遠位部分は、基板の前側から等方性乾式エッチングによって形作られてもよく、微小針700の本体部分712は、DRIEから形成されてもよい。前側金属電極720は、遠位頂点716をコーティングすることなく、電極720に関する所望の環状領域における金属堆積を可能にする、特殊化されたリソグラフィ(例えば、電子ビーム蒸着)によって遠位部分上に堆積およびパターン化されてもよい。さらに、Ni/Auの裏側電気接点730は、好適なMEMS製造技法(例えば、スパッタリング)によって堆積されてもよい。
【0099】
微小針700は、任意の好適な寸法を有してもよい。例証として、微小針700は、いくつかの変形例では、約300μm~約500μmの高さを有してもよい。いくつかの変形例では、テーパ状遠位部分714は、約60度~約80度の先端角度と、約1μm~約15μmの頂点直径とを有してもよい。いくつかの変形例では、環状電極720の表面積は、約9,000μm~約11,000μmまたは約10,000μmを含んでもよい。図8は、上記に説明される微小針700と同様に、テーパ状遠位部分および環状電極を伴う柱状微小針の例示的変形例の種々の寸法を図示する。
【0100】
図9は、略柱状本体部分を有する、微小針900の別の例示的変形例を図示する。微小針900は、下記に説明されるものを除いて、上記に説明されるような微小針700に類似し得る。例えば、微小針700のように、微小針900は、柱状本体部分912と、絶縁された遠位頂点916において終端する、テーパ状遠位部分914とを含んでもよい。微小針900はさらに、伝導性材料を含み、遠位頂点916の近位の(またはそれからオフセットされる、またはそれから離間される)場所においてテーパ状遠位部分914上に配列される、環状電極920を含んでもよい。微小針900の他の要素は、微小針700の対応する要素に類似する付番を有する。
【0101】
しかしながら、微小針700と比較して、微小針900は、遠位頂点916におけるより鋭的な先端と、修正された絶縁モート913とを有してもよい。例えば、遠位頂点916は、約25度~約45度等のより鋭的な先端角度と、約100nmを下回る頂点半径とを有してもよく、これは、さらなる容易さ、より低い速度、より少ないエネルギー、および/またはより少ない外傷を伴って皮膚を貫通し得るより鋭的な微小針外形を提供する。さらに、絶縁モート713(図7Aに示されるように、基板702を通して、微小針本体部分712の高さに沿って延在する)と対照的に、修正された絶縁モート913は、トレンチ(例えば、上記に説明されるようなDRIEによって作成される)を充填する挟装構造が、基板内の埋められた特徴のみを形成するように、基板902を通してのみ延在してもよい。微小針900の側壁は、基板面に略直交して延在するように図9に示されるが、修正された絶縁モート913は、微小針本体部分712の全高に延在する必要はないため、いくつかの変形例では、微小針900の側壁が、基板に対して非直交角度において角度付けられ得る(例えば、側壁が、約1度~約10度または約5度~約10度のわずかな正のテーパを有し得る)ことを理解されたい。
【0102】
いくつかの変形例では、微小針表面900の残りの部分は(環状電極920は別として)、基板絶縁体904から延在する絶縁材料を含んでもよい。例えば、絶縁材料(例えば、SiO)の層は、本体部分絶縁体918を提供するために、基板902の前側面から延在してもよく、図9に示されるように、電極920の近位縁にわたって上にさらに延在してもよい。絶縁材料の別の領域は、同様に、電極920の遠位縁を被覆し、遠位頂点916を絶縁してもよい。絶縁材料および/または修正された絶縁モート913のそのような領域は、伝導性コア940と周辺基板902との間の電気接触を防止することに役立ち得る。故に、微小針700のように、微小針900は、微小針アレイ内の個々のアドレス指定可能性のために電気的隔離を維持してもよい。いくつかの変形例では、微小針900を形成するためのプロセスは、微小針700を形成するためのプロセスと比較して、より高い収率をもたらす、および/またはより低い生産費用を提供してもよい。
【0103】
微小針900は、任意の好適な寸法を有してもよい。例証として、微小針900は、いくつかの変形例では、約400μm~約600μm、または約500μmの高さを含んでもよい。いくつかの変形例では、テーパ状遠位部分914は、約100nm未満の先端半径を伴って、約25度~約45度の先端角度を有してもよい。さらに、微小針は、約160μm~約200μmのシャフト直径を有してもよい。図10は、上記に説明される微小針900と同様に、テーパ状遠位部分および環状電極を伴う柱状微小針の例示的変形例の付加的な種々の寸法を図示する。
【0104】
図27A-27Fは、略柱状本体部分を有する、微小針2700の別の例示的変形例を図示する。微小針2700は、下記に説明されるものを除いて、上記に説明されるような微小針700に類似し得る。例えば、図27Bに示されるように、微小針700のように、微小針2700は、柱状本体部分2712と、円筒2713上に配列され、絶縁された遠位頂点2716において終端する、テーパ状遠位部分とを含んでもよい。円筒2613は、絶縁され、柱状本体部分2712よりも小さい直径を有してもよい。微小針2700はさらに、伝導性材料を含み、遠位頂点2916の近位の(またはそれからオフセットまたは離間される)場所においてテーパ状遠位部分上に配列される、環状電極2720を含んでもよい。図27A-27Fに示されるような微小針2700の他の要素は、微小針700の対応する要素に類似する付番を有する。
【0105】
しかしながら、微小針2700上の電極2720は、先端接触トレンチ2722を含んでもよい。本接触トレンチは、電極2720と微小針の下層伝導性コア2740との間にオーム接触を確立することに役立つように構成されてもよい。いくつかの変形例では、先端接触トレンチ2722の形状は、電極2720材料が、伝導性コア2740上に堆積されるとき、先端接触トレンチ2722を伴う電極2720が、側面から視認されるときに段状外形を有し得るように、伝導性コア2740の表面内に(例えば、微小針の本体部分の中に、または別様に本体部分内の伝導性経路と接触して)形成される環状陥凹を含んでもよい。先端接触トレンチ2722は、有利なこととして、電極2720と下層伝導性コア2740との間の接触を確実にするために、誤差の範囲を提供することに役立ち得る。本明細書に説明される他の微小針変形例のうちのいずれかもまた、電極(例えば、作用電極、基準電極、対電極等であり得る)と微小針内の伝導性経路との間の接触を確実にすることに役立つために、類似する先端接触トレンチを有してもよい。
【0106】
図28Aおよび28Bは、上記に説明される微小針2700と同様に、テーパ状遠位部分および環状電極を伴う柱状微小針の例示的変形例の付加的な種々の寸法を図示する。例えば、図28Aおよび28Bに示される微小針の変形例は、概して、約80度(または約78度~約82度または約75度~約85度)のテーパ角と、約140μm(または約133μm~約147μmまたは約130μm~約150μm)の円錐直径とを有する、テーパ状遠位部分を有してもよい。テーパ状遠位部分の円錐は、円錐および円筒の全体的な組み合わせられた高さが、約110μm(または約99μm~約116μmまたは約95μm~約120μm)であるように、円筒上に配列されてもよい。テーパ状遠位部分上の環状電極は、約106μm(または約95μm~約117μmまたは約90μm~約120μm)の外径または基部直径と、約33.2μm(または約30μm~約36μmまたは約25μm~約40μm)の内径とを有してもよい。テーパ状遠位部分の斜面に沿って測定されるような環状電極の長さは、約57μm(または約55μm~約65μm)であってもよく、電極の全体的表面積は、約12,700μm(または約12,500μm~約12,900μmまたは約12,000μm~約13,000μm)であってもよい。図28Bに示されるように、電極はさらに、テーパ状遠位部分の円錐の中心領域の周囲に延在する、先端接触トレンチを有してもよく、接点は、テーパ状遠位部分の斜面に沿って測定されるような約11μm(または約5μm~約50μm、約10μm~約12μm、または約8μm~約14μm)の幅と、約1.5μm(または約0.1μm~約5μm、または約0.5μm~約1.5μm、または約1.4μm~約1.6μm、または約1μm~約2μm)のトレンチ深さとを有してもよい。微小針は、約5.5μm(または約5.3μm~約5.8μm、または約5μm~約6μm)の直径を有する絶縁された遠位頂点を有する。
【0107】
いくつかの変形例では、微小針は、略錐状本体部分と、電極を伴うテーパ状遠位部分とを有してもよい。例えば、図11Aは、略錐状本体部分1112と、本体部分1112から延在するテーパ状遠位部分1114とを有する、微小針1100の例示的変形例を図示する。微小針1100はまた、テーパ状遠位部分1114上かつ絶縁された遠位頂点1116の近位に配列される、環状電極1120を含んでもよい。電極1120は、微小針の伝導性コア1140を通した伝導性経路を介して、裏側電気接点1130に伝導的に結合されてもよい。図9に関して上記に説明される微小針900のように、微小針1100は、本体部分1112の基部の周囲に配列され、基板1102を通して延在し、(例えば、個々のアドレス指定可能性のために)微小針1100の周囲に電気絶縁を提供し、伝導性コア1140と周辺基板1102との間の電気接触を防止することに役立つ、絶縁モート1113を含んでもよい。しかしながら、図9に示される絶縁モート913と対照的に、絶縁モート1113は、微小針1100の基部からオフセットされてもよい。モートは、例えば、微小針1100の基部が、これが取り付けられる基板1102に接する場所から約10μm~約400μm、約10μm~約300μm、約10μm~約200μm、または約10μm~約100μmオフセットされてもよい。いくつかの変形例では、絶縁モートは、パリレン、Si、およびSiOを含む充填材材料を含んでもよく、これは、低い熱応力および耐薬品性かつ耐水性である絶縁材料を提供し得る。付加的本体部分絶縁体1118が、基板1102の前側面から、電極1120の近位縁まで延在してもよい。絶縁材料の別の領域は、電極1120の遠位縁から延在し、遠位頂点1116を絶縁してもよい。
【0108】
図11Bに示されるように、いくつかの変形例では、錐状本体部分1112を有する微小針1100は、多角形基部を含んでもよいが、基部は、任意の好適な形状(例えば、円形)を有してもよい。錐状本体部分1112は、それぞれ、微小針の個別の多角形基部から延在する、複数の平面ファセットを含んでもよい。いくつかの変形例では、平面ファセットは、微小針1110の増加された機械的強度(例えば、圧縮強度および剪断強度)および/または非平面ファセット面を伴う円形円錐に対して増加された電極表面積のために、異方性エッチングされた<311>平面ファセットを含んでもよい。例えば、微小針1110は、機械的強度を増加させ、電極表面に関する微小針110の金属化表面を増加させる、異方性エッチングされた<311>平面ファセットを伴う八角形基部を有してもよい。
【0109】
微小針1100は、少なくとも部分的に、好適なMEMS加工技法によって形成されてもよい。例えば、微小針錐状構造は、シリコンウエハ基板の時限異方性湿式エッチングによって形成されてもよい。環状電極表面を形成するために、微小針のテーパ状遠位部分上の金属堆積が、遠位頂点1116をコーティングすることなく、電極720に関して上記に説明されるような特殊化されたリソグラフィ技法を使用して等、実施されてもよい。しかしながら、微小針700を形成するための上記に説明されるプロセスと比較して、微小針1100を形成するためのプロセスの多くは、高価なRIE技法を伴わず、これは、それによって、製造費用を実質的に低減させ得る。さらに、いくつかの変形例では、微小針700に関して上記に説明されるような乾式エッチングプロセスを利用する代わりに、微小針1100を形成するプロセスは、機械的ダイシング、バルクマイクロマシニング、または微小針1100を錐状本体を有するように成形するための他の切断技法を含んでもよい。さらに、そのような技法は、例えば、図11Cに示されるようなアレイにおいて配列される複数の微小針1110を形成するように、大規模に実施されてもよい。
【0110】
微小針1100は、任意の好適な寸法を有してもよい。例証として、微小針1100は、いくつかの変形例では、約400μm~約600μm、または約500μmの高さを有してもよい。いくつかの変形例では、テーパ状遠位部714は、約30度~約50度、または約40度の先端角度を有してもよく、これは、皮膚貫通のための鋭さとその上に電極1120が配置されるべきである傾斜面上でのリソグラフィ加工性との間の良好な平衡を提供し得る。
【0111】
図12は、平面ファセットと、平面ファセットの少なくとも一部の上に配列される電極とを有する、テーパ状遠位部分を伴う錐状微小針の例示的変形例の種々の寸法を図示する。いくつかの変形例では、電極は、錐状微小針上の平面ファセットの全てが、電極に関する金属化表面を含み得る点において、環状または環状様であり得るが、代替として、いくつかの変形例では、錐状微小針上の平面ファセットの一部のみが、金属化表面を含み得る(例えば、八角形基部と、八角形基部から遠位に延在する8つの平面ファセットとを有する、錐状微小針の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの平面ファセット)ことを理解されたい。
【0112】
いくつかの変形例では、錐状微小針は、微小針が図13Aおよび13Bに示されるような非対称形状を有し得ることを除いて、図11Aに関して上記に説明されるものに類似し得る。例えば、図13Aに示されるようないくつかの変形例では、微小針1300は、非円形または多角形(例えば、正方形、八角形)基部を有してもよいが、半径方向に非対称な様式でテーパ状であってもよい。例えば、微小針1300は、微小針の遠位頂点1316からオフセットされる(すなわち、微小針1300の基部から遠位頂点1316に通過するものとして定義される中心z軸を通して延在しない)少なくとも1つの切断面1350(例えば、平面表面)を含んでもよい。絶縁された遠位頂点1316は、電極に関する金属化のための表面積を損なわないように、インタクト(intact)に保たれてもよい。いくつかの変形例では、切断面1350は、図13Aに示されるように、微小針の基部(および/または基板1302の表面)に対して非直交角度において角度付けられてもよい。例えば、いくつかの変形例では、切断面は、約50度未満、40度未満、約30度未満、または約20度未満である、遠位頂点1316における鋭利化された非対称遠位先端を生成するように構成されてもよい。代替として、いくつかの変形例では、切断面1350は、微小針の基部(および/または基板1302の表面)に対して法線に、またはそれに直交して角度付けられてもよい。
【0113】
加えて、または代替として、図13Aに示されるように、非対称微小針1300の例示的変形例は、多角形(例えば、八角形)基部を有するが、異なる角度においてテーパ状である種々の傾斜面を含んでもよい。図13Aに示されるように、微小針1300の本体部分1316は、本体部分の基部(および/または基板1302の表面)に対して測定される、第1のテーパ角(A)と、第2のテーパ角(B)とを有してもよい。第2のテーパ角(B)は、微小針が、安定した機械的に強い基部から延在するより鋭的な貫通先端を有するように、第1のテーパ角(A)を上回ってもよい。例えば、いくつかの変形例では、第1のテーパ角(A)は、約10度~約30度、約15度~約25度、または約20度であってもよい。加えて、いくつかの変形例では、第2のテーパ角(B)は、約60度~約80度、約65度~約75度、または約70度であってもよい。
【0114】
図13C-13Eは、非対称切断面を伴う錐状微小針を形成する例示的変形例における一連のステップを描写する。図13Cに示されるように、2つのテーパ角を伴う対称錐状微小針が、異方性湿式エッチングプロセスを通して形成されてもよい。微小針の2つのテーパ角は、例えば、微小針の基部の近傍に位置する約20度の第1のテーパ角と、第1のテーパ角の遠位に位置する約70度の第2のテーパ角とを含み、それによって、漸進的に傾斜する表面(例えば、錐状微小針の平面ファセットに沿って)を形成してもよい。図13Dに示されるように、ダイシングブレードが、上記に説明される切断面1350に類似する切断面を形成するように、微小針の遠位頂点からオフセットされる角度において適用されてもよい。切断面は、少ない組織外傷をもたらすように、低減された微小針基部直径(例えば、約150μm~約190μm、または約170μm)を残してもよい。図13Eに示されるように、結果として生じる微小針(そのオフセットされた切断面を伴う)は、非対称であるが、インタクトな鋭的遠位頂点を有する。
【0115】
図11Aに関して上記に説明される錐状微小針1100のように、微小針1300は、少なくとも部分的に、異方性エッチングされた<311>平面および錐状形状からその機械的強度を導出してもよい。しかしながら、非対称切断面を伴う非対称錐状微小針は、これが、類似する寸法を有するが、非対称切断が欠如する対称微小針と比較して、縦方向剪断力を低減させ得る点において、有利であり得る。さらに、より鋭的な(例えば、より鋭角の)遠位微小針先端が、そのような非対称切断面を用いて達成されてもよい。切断面1350は、微小針の基部に対して非直交角度において位置付けられるものとして図13Aに示されるが、代替として、上記に説明されるように、いくつかの変形例では、切断面1350は、微小針の基部(および/または基板1302の表面)に対して略直交または法線であってもよく、これは、微小針における縦方向剪断力をさらに低減させ得る。
【0116】
いくつかの変形例では、微小針は、微小針が柱状本体部分および錐状遠位部分を含み得ること除いて、上記に説明されるものに類似し得る。例えば、図14Aに示されるように、柱状-錐状微小針1400は、固有の(アンドープ)シリコン等の非導電性基板1402からの多角形(例えば、八角形)基部から延在し得る、柱状本体部分1412を含んでもよい。加えて、柱状-錐状微小針1400は、複数の平面ファセットを伴う錐状形状を有する、テーパ状遠位部分1414を含んでもよい。例えば、柱状-錐状微小針1400は、八角形柱状本体部分1412から延在する8つのファセットを伴う錐状形状を有する、テーパ状遠位部分1414を含んでもよい。しかしながら、錐状形状は、任意の好適な数の平面ファセット(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、9つ、またはそれを上回るもの)を有してもよい。環状電極1420が、錐状遠位部分1414の全ての平面ファセット上に形成されてもよい、または平面ファセットの一部のみの上に(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つのファセットの上に)電極のための金属化表面を含んでもよい。上記に説明されるものと同様に、柱状本体部分1412は、電極142への、およびそれからの信号のための伝導性経路として機能する、導電性材料を含む伝導性コアを含んでもよい。柱状本体部分1412はさらに、本体部分1412に沿って、電極1420の近位縁まで(またはわずかにそれと重複する)延在し得る、絶縁材料1418を含んでもよい。遠位頂点1416は、類似する絶縁材料によって被覆される場合とそうではない場合がある。
【0117】
いくつかの変形例では、テーパ状遠位部分1414は、図11A-11C、12、および/または13A-13Eに関して上記に説明されるものに類似し得る。例えば、テーパ状遠位部分1414は、異方性湿式エッチング技法を使用して形成されてもよい。電極1420は、リソグラフィ、電着、または他の好適な技法によってテーパ状遠位部分1414上に形成されてもよい。テーパ状遠位部分1414は、次いで、エッチング耐性材料によって保護されてもよい一方、本体部分1412は、乾式エッチング(例えば、DRIE)または他の好適なプロセスによって基板から形成される。
【0118】
微小針1400の柱状および錐状側面の組み合わせは、いくつかの利点を有する。上記に説明されるものと同様に、テーパ状遠位部分1414および頂点1416は、<311>湿式エッチング平面および錐状形状に起因して、高い機械的強度を有する。加えて、基板は、非伝導性材料から形成されるため、上記に説明されるような絶縁「モート」は、微小針を電気的に隔離するために要求されず、それによって、加工を簡略化し、その費用を低減させ得る。絶縁モートの不在はまた、基板における材料連続性を可能にし、これは、全体的微小針アレイ構造のより良好な機会的完全性につながり得る。
【0119】
柱状-錐状微小針1400は、非伝導性基板を含むものとして上記に説明されるが、代替として、いくつかの変形例では、柱状-錐状微小針が、伝導性基板(例えば、ドープシリコン)から延在する伝導性コアを含み得ることを理解されたい。例えば、いくつかの変形例では、柱状本体部分1412は、図7A-7Cおよび8-10に関して上記に説明されるものに類似し得る(例えば、微小針を電気的に隔離するための絶縁モート等を含んでもよい)。
【0120】
1つまたはそれを上回る微小針1400を含む微小針アレイのいくつかの変形例では、伝導性経路が、電極1420との通信を促進するために、非伝導性基板において形成されてもよい。例えば、上記に説明されるように、各微小針の本体部分1412は、伝導性材料を含む伝導性コアを含んでもよい。そのような伝導性材料は、電極1420と基板1402との間に延在してもよい。図15Dに示されるように、微小針アレイは、伝導性材料(例えば、金、アルミニウム)から作製される1つまたはそれを上回るコネクタ1510を含んでもよく、これはそれぞれ、順に、さらなるセンサ通信のために、裏側電気接点1530に結合される。いくつかの変形例では、図15A-15Dに示されるように、1つまたはそれを上回るコネクタ1510は、基板の表面に沿って側方に延在し、次いで、基板内の伝導性ビア1520を用いて裏側電気接点1530に接続してもよい。
【0121】
微小針アレイ構成の例示的変形例の付加的詳細が、下記にさらに詳細に説明される。
電極
【0122】
上記に説明されるように、微小針アレイにおける各微小針は、電極を含んでもよい。いくつかの変形例では、複数の明確に異なるタイプの電極が、微小針アレイにおける微小針間に含まれてもよい。例えば、いくつかの変形例では、微小針アレイは、3つのタイプの電極を伴う電解様式で動作可能な電気化学セルとして機能してもよい。言い換えると、微小針アレイは、少なくとも1つの作用電極と、少なくとも1つの対電極と、少なくとも1つの基準電極とを含んでもよい。したがって、微小針アレイは、3つの明確に異なる電極タイプを含んでもよいが、各電極タイプのうちの1つまたはそれを上回るものが、完全なシステムを形成してもよい(例えば、本システムは、複数の明確に異なる作用電極を含み得る)。さらに、複数の明確に異なる微小針が、効果的な電極タイプを形成するように電気的に継合されてもよい(例えば、単一の作用電極が、作用電極部位を伴う2つまたはそれを上回る接続された微小針から形成されてもよい)。これらの電極タイプはそれぞれ、金属化層を含んでもよく、その電極の機能を促進することに役立つ、金属化層にわたる1つまたはそれを上回るコーティングまたは層を含んでもよい。
【0123】
概して、作用電極は、着目酸化および/または還元反応が着目分析物の検出のために起こる電極である。対電極は、作用電極における電気化学反応を持続するために要求される電子を電流を介してソース(提供)またはシンク(蓄積)するように機能する。基準電極は、本システムに関する基準電位を提供するように機能し、すなわち、作用電極がバイアスされる電位は、基準電極を基準とする。固定された、時変の、または少なくとも制御された電位関係が、作用電極と基準電極との間に確立され、実践的な限界内で、いかなる電流も、基準電極からソースされない、またはそれにシンクされない。加えて、そのような3電極システムを実装するために、分析物監視デバイスは、対電極が着目酸化還元反応を持続するために要求される電位に動的にスイングすることを可能にしながら、(電子フィードバック機構を介して)電気化学システム内の作用電極および基準電極構成物の間の固定された電位関係を維持するために、好適なポテンショスタットまたは電気化学アナログフロントエンドを含んでもよい。
作用電極
【0124】
上記に説明されるように、作用電極は、着目酸化および/または還元反応が起こる電極である。いくつかの変形例では、感知が、身体内に(例えば、微小針全体の外面上に)位置する作用電極および間質液の界面において実施されてもよい。いくつかの変形例では、作用電極は、電極材料と、生体認識要素(例えば、酵素)が選択的分析物定量化を促進するために作用電極上に不動化される、生体認識層とを含んでもよい。いくつかの変形例では、生体認識層はまた、干渉遮断層として機能してもよく、内因性および/または外因性種が電極において直接酸化(または還元)することを防止することに役立ち得る。
【0125】
作用電極において検出される酸化還元電流は、着目分析物の検出される濃度に相関し得る。これは、定常状態の拡散限定システムを仮定して、作用電極において検出される酸化還元電流が、下記のコットレル関係に従うためである。
【化1】

式中、nは、酸化還元反応を軽減する電子の化学量論的数であり、Fは、ファラデー定数であり、Aは、電極表面積であり、Dは、着目分析物の拡散係数であり、Cは、着目分析物の濃度であり、tは、本システムが電位を用いてバイアスされる持続時間である。したがって、作用電極において検出される電流は、分析物濃度と線形に比例する。
【0126】
また、検出される電流は、電極表面積Aの直接関数であるため、電極の表面積は、センサの感度(例えば、分析物の1モルあたりのアンペア)を強化するために、増加されてもよい。例えば、複数の単体の作用電極が、合計有効感知表面積を増加させるために、2つまたはそれを上回る構成要素のアレイに群化されてもよい。加えて、または代替として、冗長性を取得するために、複数の作用電極が、着目分析物の濃度の複数の独立した測定値を取得するために、並列化されたセンサとして動作されてもよい。作用電極は、アノードとして(分析物がその表面において酸化されるように)、またはカソードとして(分析物がその表面において還元されるように)のいずれかで動作されることができる。
【0127】
図16Aは、作用電極1610に関する層の例示的セットの概略図を描写する。例えば、上記に説明されるように、いくつかの変形例では、作用電極1610は、電極材料1612と、生体認識要素を含む生体認識層とを含んでもよい。電極材料1612は、分析物または分析物および生体認識要素の反応の生成物の電気触媒検出を促すように機能する。電極材料1612はまた、オーム接触を提供し、電気触媒反応からの電気信号を処理回路にルーティングする。いくつかの変形例では、電極材料1612は、図16Aに示されるように、白金を含んでもよい。しかしながら、電極材料1612は、代替として、例えば、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金、ルテニウム、チタン、ニッケル、炭素、ドープダイヤモンド、または他の好適な触媒および不活性材料を含んでもよい。
【0128】
いくつかの変形例では、電極材料1612は、白金黒層1613等の高多孔性電気触媒層を用いてコーティングされてもよく、これは、強化された感度のために電極表面積を増大させ得る。加えて、または代替として、白金黒層1613は、生体認識層1614によって促進される生体認識反応の生成物の電気触媒酸化または還元を可能にし得る。しかしながら、いくつかの変形例では、白金黒層1613は、(例えば、図16Dおよび16Gに示されるように)省略されてもよい。電極は、白金黒層1613が存在しない場合、生体認識反応の生成物の電気触媒酸化または還元を可能にし得る。
【0129】
生体認識層1614は、電極材料1612(またはこれが存在する場合、白金黒層1613)にわたって配列されてもよく、生体認識要素を不動化し、安定させるように機能し、これは、長い時間周期にわたって選択的分析物定量化を促進する。いくつかの変形例では、生体認識要素は、酸化酵素等の酵素を含んでもよい。グルコース監視システムにおける使用のための例示的変形例として、生体認識要素は、グルコース酸化酵素を含んでもよく、これは、酸素の存在下で、グルコースを、電極表面において検出され得る電気活性生成物(すなわち、過酸化水素)に変換する。具体的には、本例示的変形例と関連付けられる酸化還元方程式は、グルコース+酸素→過酸化水素+グルコノラクトン(グルコース酸化酵素によって媒介される)、過酸化水素→水+酸素(作用電極において酸化電位を印加することによって媒介される)である。
【0130】
しかしながら、他の変形例では、生体認識要素は、加えて、または代替として、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、および/またはキサンチン酸化酵素等の別の好適な酸化酵素または酸化還元酵素を含んでもよい。
【0131】
いくつかの変形例では、生体認識要素は、生体認識層1614内の生体認識要素を安定させることに役立ち得る、アミン縮合カルボニル化学種と架橋されてもよい。下記にさらに説明されるように、いくつかの変形例では、生体認識要素の架橋は、微小針アレイがエチレンオキシド(EO)滅菌と適合することをもたらし得、これは、同一の滅菌サイクルへの分析物監視デバイス全体(感知要素および電子機器を含む)の暴露を可能にし、それによって、滅菌プロセスを簡略化し、製造費用を低下させる。例えば、生体認識要素は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、および/または他の好適な種と架橋されてもよい。いくつかの変形例では、生体認識要素は、架橋された生体認識要素集合体を形成するために、そのようなアミン縮合カルボニル化学種と架橋されてもよい。少なくとも閾値分子量を有する架橋された生体認識要素集合体は、次いで、伝導ポリマー中に埋設されてもよい。閾値分子量を有するそれらの集合体のみを埋設することによって、いずれの非架橋酵素も、スクリーニングされて除かれ、生体認識層の中に組み込まれ得ない。故に、所望の分子量を有する集合体のみが、伝導ポリマー中での使用のために選択され、十分に安定化された架橋された酵素体のみが、生体認識層内に含まれることを確実にすることに役立ち、それによって、感知性能の損失を伴わずに、EO滅菌に全体的により適した生体認識層に寄与し得る。いくつかの変形例では、グルコース酸化酵素のものの少なくとも2倍である分子量を有する架橋された集合体のみが、伝導ポリマー中に埋設されてもよい。
【0132】
いくつかの変形例では、伝導ポリマーは、その変動がセンサの感度に悪影響を及ぼし得る、循環する中性的電気活性種(例えば、アスコルビン酸、ビタミンC等)に対する生体認識層の堅牢性に寄与するために、選択透過性であってもよい。生体認識層におけるそのような選択透過性伝導ポリマーはさらに、センサ正確度に影響を及ぼし得る間質液中の薬理学的干渉(例えば、アセトアミノフェン)に対してより堅牢であってもよい。伝導ポリマーは、例えば、酸化的電解重合プロセスによって過剰な電荷キャリアを除去することによって、または対イオンドーパントを用いてこれらの電荷キャリアを中和することによって、選択透過性にされ、それによって、伝導ポリマーを非伝導形態に変換し得る。これらの酸化的に重合された伝導ポリマーは、選択透過性を呈し、したがって、ドーパントイオンに類似する電荷極性(正味正または負)のイオンを拒絶する、または伝導ポリマーの高密度かつコンパクトな形態に起因するサイズ排除を介してイオンを拒絶することが可能である。
【0133】
さらに、いくつかの変形例では、伝導ポリマーは、自己シールおよび/または自己治癒性質を呈してもよい。例えば、伝導ポリマーは、酸化的電解重合を受け得、その間、伝導ポリマーは、十分な伝導率の欠如が付加的な伝導ポリマーの堆積を減少させるまで、電極上の堆積された伝導ポリマーの厚さが増加するにつれて、その伝導率を喪失し得る。伝導ポリマーが(例えば、使用の間に)微小な物理的損傷に屈した場合では、ポリマー骨格は、再集合し、自由電荷を中和し、それによって、分子構造の全体的表面エネルギーを低下させ得、これは、自己シールおよび/または自己治癒性質として現れ得る。
【0134】
いくつかの変形例では、作用電極はさらに、生体認識層1614にわたって配列される、拡散限定層1615を含んでもよい。拡散限定層1615は、内因性酸素変動に対するセンサの感度を低減させるために、着目分析物の流束を限定するように機能してもよい。例えば、拡散限定層1615は、これが好気性酵素に対する限界反応物質になるように、着目分析物の濃度を減衰させてもよい。しかしながら、いくつかの変形例では(例えば、生体認識要素が好気性ではない場合)、拡散限定層1615は、省略されてもよい。
【0135】
作用電極はさらに、いくつかの変形例では、例えば、異物応答を低減させるために、生体適合性界面を提供する親水性層1616を含んでもよい。しかしながら、いくつかの変形例では、親水性層1616は、例えば、図16Dおよび16Gに示されるように、(例えば、拡散限定層が本目的を果たすための親水性部分を表す場合)省略されてもよい。
対電極
【0136】
上記に説明されるように、対電極は、作用電極における電気化学反応を持続するために要求される電子を(電流を介して)ソースまたはシンクする電極である。対電極構成要素の数は、対電極の通電容量が作用電極の酸化還元反応を限定しないように、表面積を増大させるために、対電極アレイの形態において増加されることができる。したがって、通電容量限定を回避するために、作用電極面積に対して過剰な対電極面積を有することが、望ましくあり得る。作用電極が、アノードとして動作される場合、対電極は、カソードとしての役割を果たし、逆もまた同様であろう。同様に、酸化反応が、作用電極において起こる場合、還元反応が、対電極において起こり、逆もまた同様である。作用電極または基準電極と異なり、対電極は、作用電極上で着目酸化還元反応を持続するために要求される電位に動的にスイングすることを可能にされる。
【0137】
図16Bに示されるように、対電極1620は、電極材料1612に類似する電極材料1622を含んでもよい。例えば、電極材料1612のように、対電極1620における電極材料1622は、金、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属、炭素、ドープダイヤモンド、および/または他の好適な触媒および不活性材料を含んでもよい。
【0138】
いくつかの変形例では、対電極1620は、電極材料1632にわたって付加的層を殆どまたは全く有していない場合がある。しかしながら、いくつかの変形例では、対電極1620は、これが支援し得る電流の量を増加させるために、表面積の増加から利益を享受し得る。例えば、対電極材料1632は、強化された電流ソースまたはシンク能力のために、電極材料1632の表面積を増大させるような方法でテクスチャ加工される、または別様に粗面化されてもよい。加えて、または代替として、対電極1620は、白金黒の層1624を含んでもよく、これは、作用電極のいくつかの変形例に関して上記に説明されるように、電極面積を増大させ得る。しかしながら、対電極のいくつかの変形例では、白金黒の層は、(例えば、図16Eに示されるように)省略されてもよい。いくつかの変形例では、対電極はさらに、例えば、異物応答を低減させるために、生体適合性界面を提供する親水性層を含んでもよい。
【0139】
加えて、または代替として、図16Hに示されるようないくつかの変形例では、対電極1620は、拡散限定層1625(電極にわたって配列される)を含んでもよい。拡散限定層1625は、例えば、図16Aに関して上記に説明される拡散限定層1615に類似し得る。
基準電極
【0140】
上記に説明されるように、基準電極は、本システムに関する基準電位を提供するように機能し、すなわち、作用電極がバイアスされる電位は、基準電極を基準とする。固定された、または少なくとも制御された電位関係が、作用電極と基準電極との間に確立されてもよく、実践的な限界内で、いかなる電流も、基準電極からソースされない、またはそれにシンクされない。
【0141】
図16Cに示されるように、基準電極1630は、電極材料1612に類似する電極材料1632を含んでもよい。いくつかの変形例では、電極材料1612のように、基準電極1630における電極材料1632は、金属塩または金属酸化物を含んでもよく、これは、周知の電極電位を伴う安定した酸化還元対としての役割を果たす。例えば、金属塩は、例えば、銀-塩化銀(Ag/AgCl)を含んでもよく、金属酸化物は、酸化イリジウム(IrOx/Ir/IrO)を含んでもよい。他の変形例では、貴金属および不活性金属表面は、準基準電極として機能し、金、白金、パラジウム、イリジウム、炭素、ドープダイヤモンド、および/または他の好適な触媒および不活性材料を含んでもよい。さらに、いくつかの変形例では、基準電極1630は、任意の後続層との接着を強化するような方法でテクスチャ加工される、または別様に粗面化されてもよい。電極材料1632上のそのような後続層は、白金黒層1634を含んでもよい。しかしながら、いくつかの変形例では、白金黒層は、(例えば、図16Fおよび16Iに示されるように)省略されてもよい。
【0142】
基準電極1630はさらに、いくつかの変形例では、酸化還元対層1636を含んでもよく、これは、主に、安定した熱力学的電位を伴う表面不動化された固体状態酸化還元対を含有する。例えば、基準電極は、標準水素電極(SHE)に対して安定した標準熱力学的電位において動作してもよい。電極電位の高い安定性は、酸化還元反応の各関与物質の一定の(例えば、緩衝または飽和)濃度を伴う酸化還元系を採用することによって達成されてもよい。例えば、基準電極は、酸化還元対層1636内に飽和Ag/AgCl(E=+0.197V対SHE)またはIrOx(E=+0.177対SHE、pH=7.00)を含んでもよい。酸化還元対層1636の他の実施例は、米国特許公開第2019/0309433号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等のドーパント分子を伴う好適な伝導ポリマーを含んでもよい。いくつかの変形例では、基準電極は、完全な電気化学セルを構築するために、ハーフセルとして使用されてもよい。
【0143】
加えて、または代替として、図16Iに示されるようないくつかの変形例では、基準電極1630は、拡散限定層1635(例えば、電極および/または酸化還元対層にわたって配列される)を含んでもよい。拡散限定層1635は、例えば、図16Aに関して上記に説明される拡散限定層1615に類似し得る。
例示的電極層形成
【0144】
作用電極、対電極、および基準電極の種々の層が、下記に説明されるもの等の好適なプロセスを使用して、微小針アレイに適用される、および/または官能化等をされてもよい。
【0145】
微小針アレイに関する前処理ステップでは、微小針アレイは、電極材料(例えば、上記に説明されるような電極材料1612、1622、および1632)を含む材料の表面をより親水性かつ化学反応性にするために、不活性ガス(例えば、アルゴン等のRF発生不活性ガス)プラズマ環境においてプラズマ洗浄されてもよい。本前処理は、有機物破片および汚染物質を物理的に除去するだけではなく、また、その表面上に続けて堆積されるフィルムの接着を強化するために電極表面を洗浄および準備するように機能する。
作用電極
【0146】
陽極酸化:前処理ステップ後に作用電極を構成するために、電極材料1612は、作用電極機能に関して割り当てられた電極構成要素が、中程度の強度の酸溶液(例えば、0.1~3M HSO)中で好適な時間量(例えば、約30秒~約10分)にわたって固定された高アノード電位(例えば、+1.0~+1.3V対Ag/AgCl基準電極)を受ける、アンペロメトリアプローチを使用した陽極酸化処理を受けてもよい。本プロセスでは、薄いが安定した自然酸化層が、電極表面上に発生され得る。電極表面において生じる低PHのため、いずれの微量汚染物質も、同様に除去され得る。
【0147】
クーロメトリアプローチを使用する代替実施形態では、陽極酸化は、規定された量の電荷が通過する(クーロン単位で測定される)まで、進行することができる。アノード電位は、上記に説明されるように印加されてもよいが、しかしながら、これの持続時間は、規定された量の電荷が通過するまで、変動し得る。
【0148】
活性化:陽極酸化プロセスに続いて、作用電極構成要素は、サイクリックボルタンメトリを使用した活性化プロセスにおいて、周期的に走査される電位波形を受けてもよい。中程度の強度の酸溶液(例えば、0.1~3M HSO)中で行われ得る、活性化プロセスでは、印加される電位は、好適な関数(例えば、鋸歯関数)において時間変動し得る。例えば、電圧は、カソード値(例えば、-0.3~-0.2V対Ag/AgCl基準電極)とアノード値(例えば、+1.0~+1.3V対Ag/AgCl基準電極)との間で交代関数(例えば、15~50個の線形掃引セグメント)において線形に走査されてもよい。本波形の走査率は、1~1,000mV/秒の値をとることができる。アノード掃引(正極への掃引)の間に生じる電流ピークが、化学種の酸化に対応する一方、続くカソード掃引(負極への掃引)の間に生じる電流ピークが、該化学種の還元に対応することに留意されたい。
【0149】
生体認識層の官能化:活性化プロセスに続いて、作用電極構成要素は、上記に説明されるもの等の生体認識層1614を用いて官能化されてもよい。微小針アレイの作用電極構成物が、前述のステップを受けたと仮定して、印加される電位は、鋸歯関数において時間変動し得る。例えば、電圧は、カソード値(例えば、0.0V対Ag/AgCl基準電極)とアノード値(例えば、+1.0V対Ag/AgCl基準電極)との間で交代関数(例えば、10個の線形掃引セグメント)において線形に走査されてもよい。例示的変形例では、本波形の走査率は、捕捉伝導ポリマーのモノマー前駆体と、架橋された生体認識要素(例えば、グルコース酸化酵素等の酵素)とから成る水性溶液中で約1mV/秒~約10mV/秒の値をとることができる。本プロセスでは、分散された架橋された生体認識要素を伴うポリマーから成る生体認識層の薄フィルム(例えば、約10nm~約1,000nm)が、作用電極表面上に発生(例えば、電着または電解重合)されてもよい。いくつかの変形例では、伝導ポリマーは、アニリン、ピロール、アセチレン、フェニレン、フェニレンビニレン、フェニレンジアミン、チオフェン、3,4-エチレンジオキシチオフェン、およびアミノフェニルボロン酸のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。生体認識層は、上記に説明されるように、着目分析物に対する選択的感知能力を付与する。
【0150】
いくつかの変形例では、作用電極表面は、電極材料1612表面(および/または白金黒層)に対する生体認識層の接着を強化するために、電気化学的に粗面化されてもよい。粗面化プロセスは、陰極酸化処理(例えば、カソード堆積、アンペロメトリのサブセット)を伴ってもよく、電極は、その中に溶解された所望の金属カチオンを含有する酸溶液(例えば、0.01~100mM HPtCl)中である時間量(例えば、5秒~10分)にわたって固定されたカソード電位(例えば、-0.4~+0.2V対Ag/AgCl基準電極)を受ける。代替として、電極は、その中に溶解された所望の金属カチオンを含有する酸溶液(例えば、0.01~100mM HPtCl)中である量の電荷が通過するまで(例えば、0.1mC~100mC)、固定されたカソード電位(例えば、約-0.4~+約0.2V対Ag/AgCl基準電極)を受ける。本プロセスでは、金属の薄いが高多孔性の層が、電極表面上に発生され、それによって、電極表面積を劇的に増大させてもよい。加えて、または代替として、上記に説明されるようないくつかの変形例では、元素の白金金属が、白金黒層1613を形成する、または堆積させるために、電極上に堆積されてもよい。
【0151】
拡散限定層の官能化:生体認識層の官能化に続いて、作用電極構成要素は、いくつかの変形例では、拡散限定層を用いて官能化されてもよい。微小針アレイの作用電極構成物が、前述のステップを受けたと仮定して、以下の方法のうちの1つまたはそれを上回るものが、約100nm~約10,000nmの厚さの薄フィルムであり得る、拡散限定層を適用するために採用されてもよい。
【0152】
いくつかの変形例では、拡散限定層は、エアロゾル化したポリマー製剤(水または溶媒中に分散される)が、制御された環境設定において規定されたスプレーパターンおよび持続時間を用いて微小針アレイデバイスに適用される、スプレーコーティング方法によって適用されてもよい。これは、生体認識層への着目分析物の拡散を制限するために要求される、所望の厚さおよび多孔性を伴う薄フィルムを作成する。
【0153】
いくつかの変形例では、拡散限定層は、プラズマ源が、ガス状、エアロゾル化、または液体モノマー前駆体(例えば、ビニルピリジン)内の架橋反応を活性化するためのエネルギーを提供するガス放電を発生させる、プラズマ誘導重合方法によって適用されてもよい。これは、モノマー前駆体を、規定された厚さまで微小針アレイ上に堆積され得るポリマーコーティングに変換し、それによって、生体認識層1614への着目分析物の拡散を制限するために要求される、所望の厚さおよび多孔性を伴う薄フィルムを作成する。
【0154】
さらに、いくつかの変形例では、拡散限定層は、米国特許第10,092,207号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される例示的技法等の電気泳動または誘電泳動堆積によって適用されてもよい。
対電極
【0155】
陽極酸化:いくつかの変形例では、対電極材料は、対電極機能に関して割り当てられた電極構成要素が、中程度の強度の酸溶液中で好適な時間量にわたって固定された高アノード電位を受ける、アンペロメトリアプローチを使用した陽極酸化処理を受けてもよい。対電極に関する陽極酸化プロセスの例示的パラメータおよび他の詳細は、作用電極に関して上記に説明されるものに類似し得る。同様に、対電極に関する陽極酸化は、代替として、上記に説明されるようなクーロメトリアプローチを使用してもよい。
【0156】
活性化:いくつかの変形例では、陽極酸化プロセスに続いて、対電極構成要素は、サイクリックボルタンメトリを使用した活性化プロセスにおいて、周期的に走査される電位波形を受けてもよい。いくつかの変形例では、活性化プロセスは、作用電極に関して上記に説明されるものに類似し得る。
【0157】
粗面化:さらに、いくつかの変形例では、対電極表面は、本電極構成物の電流シンクまたは電流ソース能力を強化するために、電気化学的に粗面化されてもよい。電気化学的粗面化プロセスは、作用電極に関して上記に説明されるものに類似し得る。加えて、または代替として、上記に説明されるようないくつかの変形例では、元素の白金金属が、白金黒層1623を形成する、または堆積させるために、電極上に堆積されてもよい。
基準電極
【0158】
陽極酸化:上記に説明されるような作用電極および対電極のように、基準電極は、対電極機能に関して割り当てられた電極構成要素が、中程度の強度の酸溶液中で好適な時間量にわたって固定された高アノード電位を受ける、アンペロメトリアプローチを使用した陽極酸化処理を受けてもよい。対電極に関する陽極酸化プロセスの例示的パラメータおよび他の詳細は、作用電極に関して上記に説明されるものに類似し得る。同様に、対電極に関する陽極酸化は、
【0159】
活性化:陽極酸化プロセスに続いて、基準電極構成要素は、サイクリックボルタンメトリを使用した活性化プロセスにおいて、周期的に走査される電位波形を受けてもよい。いくつかの変形例では、活性化プロセスは、作用電極に関して上記に説明されるものに類似し得る。
【0160】
官能化:活性化プロセスに続いて、基準電極構成要素は、官能化されてもよい。微小針アレイの基準電極構成物が、前述のステップを受けたと仮定して、固定されたアノード電位(例えば、+0.4~+1.0V対Ag/AgCl基準電極)が、水性溶液中である好適な持続時間(例えば、約10秒~約10分)にわたって印加されてもよい。代替として、基準電極は、水性溶液中である量の電荷が通過するまで(例えば、0.01mC~10mC)、固定されたアノード電位(例えば、約+0.4~約+1.0V対Ag/AgCl基準電極)を受ける。いくつかの変形例では、水性溶液は、伝導ポリマーのモノマー前駆体と、反対の電荷を担持する荷電ドーパント対イオンまたは材料(例えば、ポリ(スチレンスルホン酸塩))とを含んでもよい。本プロセスでは、分散された対イオンまたは材料を伴う伝導ポリマーの薄フィルム(例えば、約10nm~約10,000nm)が、基準電極表面上に発生されてもよい。これは、安定した熱力学的電位を伴う表面不動化された固体状態酸化還元対を作成する。いくつかの変形例では、伝導ポリマーは、アニリン、ピロール、アセチレン、フェニレン、フェニレンビニレン、フェニレンジアミン、チオフェン、3,4-エチレンジオキシチオフェン、およびアミノフェニルボロン酸のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0161】
いくつかの代替実施形態では、自然酸化イリジウムフィルム(例えば、IrOまたはIrまたはIrO)が、酸化プロセスにおいてイリジウム電極表面上に電気化学的に成長されてもよい。これもまた、上記に説明されるように、安定した酸化還元対を作成する。
【0162】
さらに、いくつかの変形例では、基準電極表面は、表面不動化酸化還元対の接着を強化するために、電気化学的に粗面化されてもよい。電気化学的粗面化プロセスは、作用電極に関して上記に説明されるものに類似し得る。加えて、または代替として、上記に説明されるようないくつかの変形例では、元素の白金金属が、白金黒層1633を形成する、または堆積させるために、電極上に堆積されてもよい。
【0163】
基準電極を形成するための他の特徴および技法は、例えば、米国特許公開第2019/0309433号(参照することによって上記に組み込まれた)に説明されるものに類似し得る。
微小針アレイ構成
【0164】
複数の微小針(例えば、そのそれぞれが、上記に説明されるような作用電極、対電極、または基準電極を有し得る、本明細書に説明される微小針変形例のうちのいずれか)が、微小針アレイにおいて配列されてもよい。微小針を構成する方法の考慮事項は、微小針アレイを用いて皮膚を貫通するための所望の挿入力、電極信号レベルおよび他の性能側面の最適化、製造費用および複雑性等の因子を含む。
【0165】
例えば、微小針アレイは、所定のピッチ(1つの微小針の中心とその最近傍の近隣の微小針の中心との間の距離)において離間される、複数の微小針を含んでもよい。いくつかの変形例では、微小針は、微小針アレイに皮膚を貫通させるためにユーザの皮膚に印加される力を分配する(例えば、「針の筵」効果を回避する)ように、十分なピッチを伴って離間されてもよい。ピッチが増加するにつれて、微小針アレイを挿入するために要求される力は、減少する傾向があり、貫通の深さは、増加する傾向がある。しかしながら、ピッチが、低い値(例えば、約150μm未満)においてのみ挿入力に影響を及ぼし始めることが見出されている。故に、いくつかの変形例では、微小針アレイにおける微小針は、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、少なくとも600μm、少なくとも700μm、または少なくとも750μmのピッチを有してもよい。例えば、ピッチは、約200μm~約800μm、約300μm~約700μm、または約400μm~約600μmであってもよい。いくつかの変形例では、微小針は、周期的グリッドにおいて配列されてもよく、ピッチは、全ての方向において、かつ微小針アレイの全ての領域を横断して均一であってもよい。代替として、ピッチは、異なる軸(例えば、X、Y方向)に沿って測定されるように、異なってもよい、および/または微小針アレイのいくつかの領域は、より小さいピッチを含んでもよい一方、その他は、より大きいピッチを含んでもよい。
【0166】
さらに、より一貫した貫通のために、微小針は、相互から等距離(例えば、全ての方向において同一のピッチ)に離間されてもよい。そのために、いくつかの変形例では、微小針アレイにおける微小針は、図17に示されるような六角形構成において配列されてもよい。代替として、微小針アレイにおける微小針は、長方形アレイ(例えば、正方形アレイ)において、または別の好適な対称様式において配列されてもよい。
【0167】
微小針アレイの構成を決定するための別の考慮事項は、微小針によって提供される全体的信号レベルである。概して、各微小針における信号レベルは、アレイにおける微小針要素の合計数に対して不変である。しかしながら、信号レベルは、複数の微小針をアレイにおいてともに電気的に相互接続することによって強化されることができる。例えば、多数の電気的に接続された微小針を伴うアレイは、より少ない微小針を伴うものを上回る信号強度(したがって、増加された正確度)を生成することが予期される。しかしながら、ダイ上のより多数の微小針は、(一定のピッチを前提として)ダイ費用を増加させ、また、皮膚の中に挿入するためにさらなる力および/または速度を要求するであろう。対照的に、ダイ上のより少ない数の微小針は、ダイ費用を低減させ、低減された印加力および/または速度を伴う皮膚の中への挿入を可能にし得る。さらに、いくつかの変形例では、ダイ上のより少ない数の微小針は、ダイの全体的占有面積を低減させ得、これは、より少ない不要な限局性浮腫および/または紅斑につながり得る。故に、いくつかの変形例では、これらの因子間の平衡が、図17に示されるような37個の微小針を含む微小針アレイまたは図29Aおよび29Bに示されるような7つの微小針を含む微小針アレイを用いて達成されてもよい。しかしながら、他の変形例では、アレイにおけるより少ない微小針(例えば、約5~約35個、約5~約30個、約5~約25個、約5~約20個、約5~約15個、約5~約100個、約10~約30個、約15~約25個等)またはアレイにおけるより多い微小針(例えば、37個を上回る、40個を上回る、45個を上回る等)が、存在してもよい。
【0168】
加えて、下記にさらに詳細に説明されるように、いくつかの変形例では、微小針アレイにおける微小針のサブセットのみが、分析物監視デバイスの動作の間に活性であってもよい。例えば、微小針アレイにおける微小針の一部が、不活性であってもよい(例えば、いかなる信号も不活性微小針の電極から読み取られない)。いくつかの変形例では、微小針アレイにおける微小針の一部が、動作の間のある時点で活性化され、本デバイスの動作寿命の残りにわたって活性のままであってもよい。さらに、いくつかの変形例では、微小針アレイにおける微小針の一部が、加えて、または代替として、動作の間のある時点で不活性化され、本デバイスの動作寿命の残りにわたって不活性のままであってもよい。
【0169】
微小針アレイのためのダイの特性を考慮する際、ダイサイズは、微小針アレイにおける微小針の数および微小針のピッチの関数である。より小さいダイサイズは、所与の面積の単一のウエハから形成され得るダイの数が増加するであろうため、より低い費用に寄与するであろうため、製造費用もまた、考慮事項である。さらに、より小さいダイサイズはまた、基板の相対的脆弱性に起因する脆性破断を受けにくいであろう。
【0170】
さらに、いくつかの変形例では、微小針アレイの周辺(例えば、ダイの縁または境界の近傍、筐体の縁または境界の近傍、筐体上の接着剤層の縁または境界の近傍、微小針アレイの外縁に沿った等)における微小針は、微小針アレイまたはダイの中心における微小針と比較して、より良好な貫通に起因して、より良好な性能(例えば、感度)を有することが見出され得る。故に、いくつかの変形例では、作用電極は、より正確および/または精密な分析物測定を取得するために、大部分が、または全体的に、微小針アレイの周辺に位置する微小針上に配列されてもよい。
【0171】
図17は、微小針アレイの例示的変形例において配列される、37個の微小針の例証的概略図を描写する。37個の微小針は、例えば、各微小針の中心と任意の方向におけるそのすぐ近隣の中心との間の約750μm(または約700μm~約800μmまたは約725μm~約775μm)の針間の中心間ピッチを伴って六角形アレイにおいて配列されてもよい。図18Aは、図17に示される微小針配列を含む、ダイの例示的変形例の例証的概略図を描写する。ダイ(例えば、約4.4mm×約5.0mm)および微小針アレイの例示的寸法が、図18Bに示される。
【0172】
図29Aおよび29Bは、微小針アレイ2900の例示的変形例において配列される、7つの微小針2910の例証的概略図の斜視図を描写する。7つの微小針2910は、基板2902上に六角形アレイにおいて配列される。図29Aに示されるように、電極2920は、基板2902の第1の表面から延在する微小針2910の遠位部分上に配列される。図29Bに示されるように、微小針2910の近位部分は、基板2902の第1の表面に対向する基板2902の第2の表面上の個別の裏側電気接点2930に伝導的に接続される。図30Aおよび30Bは、微小針アレイ2900に類似する微小針アレイの例証的概略図の平面図および側面図を描写する。図30Aおよび30Bに示されるように、7つの微小針は、各微小針の中心と任意の方向におけるそのすぐ近隣の中心との間の約750μmの針間の中心間ピッチを伴って六角形アレイにおいて配列される。他の変形例では、針間の中心間ピッチは、例えば、約700μm~約800μmまたは約725μm~約775μmであってもよい。微小針は、約170μm(または約150μm~約190μmまたは約125μm~約200μm)のおおよその外側シャフト直径と、約500μm(または約475μm~約525μmまたは約450μm~約550μm)の高さとを有してもよい。
【0173】
さらに、本明細書に説明される微小針アレイは、作用電極、対電極、および基準電極が微小針アレイ内に位置する場所に関する高度な構成可能性を有してもよい。本構成可能性は、電子機器システムによって促進されてもよい。
【0174】
いくつかの変形例では、微小針アレイは、微小針アレイにおいて対称または非対称様式で2つまたはそれを上回る群に分配される電極を含み、各群は、信号感度および/または冗長性に関する要件に応じて、同一または異なる数の電極構成要素を特徴としてもよい。例えば、同一のタイプの電極(例えば、作用電極)が、微小針アレイにおいて両側的に、または半径方向に対称な様式で分配されてもよい。例えば、図19Aは、7つの作用電極(WE)の2つの対称群を含む微小針アレイ1900Aの変形例を描写し、2つの作用電極群は、「1」および「2」と標識化される。本変形例では、2つの作用電極群は、微小針アレイ内で両側的に対称な様式で分配される。作用電極は、概して、3つの基準電極(RE)の中心領域と20個の対電極(CE)の外側外周領域との間に配列される。いくつかの変形例では、2つの作用電極群はそれぞれ、(例えば、センサ信号を強化するために)それら自体の間で電気的に接続される7つの作用電極を含んでもよい。代替として、作用電極群のうちの一方または両方の一部のみが、それら自体の間で電気的に接続される複数の電極を含んでもよい。また別の代替として、作用電極群は、スタンドアロンであり、他の作用電極に電気的に接続されない作用電極を含んでもよい。さらに、いくつかの変形例では、作用電極群は、非対称またはランダム構成において微小針アレイにおいて分配されてもよい。
【0175】
別の実施例として、図19Bは、3つの作用電極(WE)の4つの対称群を含む微小針アレイ1900Bの変形例を描写し、4つの作用電極群は、「1」、「2」、「3」、および「4」と標識化される。本変形例では、4つの作用電極群は、微小針アレイにおいて半径方向に対称な様式で分配される。各作用電極群は、微小針アレイにおける2つの基準電極(RE)構成要素のうちの1つに隣接し、対称様式で配列される。微小針アレイはまた、不活性である、または他の特徴または動作モードのために使用され得る六角形の頂点上の2つの電極を除いて、微小針アレイの外周の周囲に配列される対電極(CE)を含む。
【0176】
いくつかの変形例では、微小針アレイの一部のみが、活性電極を含んでもよい。例えば、図19Cは、37個の微小針と、両側的に対称な配列における4つの作用電極(「1」、「2」、「3」、および「4」と標識化される)、22個の対電極、および3つの基準電極を含む、低減された数の活性電極とを伴う微小針アレイ1900Cの変形例を描写する。微小針アレイにおける残りの8つの電極は、不活性である。図19Cに示される微小針アレイでは、作用電極はそれぞれ、対電極の群によって囲繞される。作用電極および対電極のそのようなクラスタの2つの群は、3つの基準電極の列によって分離される。
【0177】
別の実施例として、図19Dは、37個の微小針と、両側的に対称な配列における4つの作用電極(「1」、「2」、「3」、および「4」と標識化される)、20個の対電極、および3つの基準電極を含む、低減された数の活性電極とを伴う微小針アレイ1900Dの変形例を描写し、微小針アレイにおける残りの10個の電極は、不活性である。
【0178】
別の実施例として、図19Eは、37個の微小針と、4つの作用電極(「1」、「2」、「3」、および「4」と標識化される)、18個の対電極、および2つの基準電極を含む、低減された数の活性電極とを伴う微小針アレイ1900Eの変形例を描写する。微小針アレイにおける残りの13個の電極は、不活性である。不活性電極は、微小針アレイ全体の部分的外周に沿っており、それによって、活性微小針配列の有効サイズおよび形状をより小さい六角形アレイに縮小する。活性微小針配列内で、4つの作用電極は、概して、半径方向に対称な配列であり、作用電極はそれぞれ、対電極の群によって囲繞される。
【0179】
図19Fは、37個の微小針と、4つの作用電極(「1」、「2」、「3」、および「4」と標識化される)、2つの対電極、および1つの基準電極を含む、低減された数の活性電極とを伴う微小針アレイ1900Fの別の例示的変形例を描写する。微小針アレイにおける残りの30個の電極は、不活性である。不活性電極は、微小針アレイ全体の外周の周囲に2つの層において配列され、それによって、活性微小針配列の有効サイズおよび形状を、基準電極の周囲に心合されるより小さい六角形アレイに縮小する。活性微小針配列内で、4つの作用電極は、両側的に対称な配列であり、対電極は、中心基準電極から等距離である。
【0180】
図19Gは、37個の微小針および低減された数の活性電極を伴う微小針アレイ1900Gの別の例示的変形例を描写する。微小針アレイ1900Gにおける活性電極は、微小針アレイ1900Gが、1つの対電極と、2つの基準電極とを含み、活性微小針のより小さい六角形アレイが、対電極の周囲に心合されることを除いて、図19Fに示される微小針アレイ1900Fにおけるものと類似する様式で配列される。活性微小針配列内で、4つの作用電極は、両側的に対称な配列であり、基準電極は、中心対電極から等距離である。
【0181】
図19Hは、7つの微小針を伴う微小針アレイ1900Hの別の例示的変形例を描写する。微小針配列は、独立した作用電極として割り当てられる2つの微小針(1および2)と、4つの微小針から成る対電極構成物と、単一の基準電極とを含有する。中心基準電極から等距離である、作用電極および対電極の配列における両側対称性が、存在する。加えて、作用電極は、微小針アレイの中心から可能な限り離れて(例えば、ダイまたはアレイの周辺に)配列され、作用電極がさらなる感度および全体的性能を有することが予期される場所を利用する。
【0182】
図19Iは、7つの微小針を伴う微小針アレイ1900Iの別の例示的変形例を描写する。微小針配列は、それぞれ2つの作用電極の2つの独立した群化として割り当てられる4つの微小針(1および2)と、2つの微小針から成る対電極構成物と、単一の基準電極とを含有する。中心基準電極から等距離である、作用電極および対電極の配列における両側対称性が、存在する。加えて、作用電極は、微小針アレイの中心から可能な限り離れて(例えば、ダイまたはアレイの周辺に)配列され、作用電極がさらなる感度および全体的性能を有することが予期される場所を利用する。
【0183】
図19Jは、7つの微小針を伴う微小針アレイ1900Jの別の例示的変形例を描写する。微小針配列は、独立した作用電極として割り当てられる4つの微小針(1、2、3、および4)と、2つの微小針から成る対電極構成物と、単一の基準電極とを含有する。中心基準電極から等距離である、作用電極および対電極の配列における両側対称性が、存在する。加えて、作用電極は、微小針アレイの中心から可能な限り離れて(例えば、ダイまたはアレイの周辺に)配列され、作用電極がさらなる感度および全体的性能を有することが予期される場所を利用する。
【0184】
図19A-19Jは、微小針アレイ構成の例示的変形例を図示するが、これらの図が、限定ではなく、他の微小針構成(異なる数および/または分布の作用電極、対電極、および基準電極、および異なる数および/または分布の活性電極および不活性電極等)も、微小針アレイの他の変形例において好適であり得ることを理解されたい。
ウォームアップ
【0185】
多くの埋込される電気化学センサは、「ウォームアップ」時間またはセンサが埋込に続いて安定した信号値を達成するための時間を要求する。本プロセスは、生理学およびセンサ力学の両方に端を発する。しかしながら、本明細書に説明される分析物監視デバイスの種々の側面は、ウォームアップ時間に寄与する因子を軽減するように構成され、それによって、本明細書に説明される分析物監視デバイスが、従来的なCGMシステムと比較して有意により短いウォームアップ時間を有することを可能にする。例えば、本明細書に説明される分析物監視デバイスは、約30分またはそれを下回る(例えば、約10分~約30分、約15分~約30分、約20分~約30分、約25分~約30分)、約45分またはそれを下回る、約60分またはそれを下回る、約90分またはそれを下回る、または約120分またはそれを下回るウォームアップ時間を有してもよい。いくつかの変形例では、ウォームアップ周期に続いて、分析物監視デバイスは、較正周期の間に較正を行ってもよい。
【0186】
創傷応答:例えば、センサの埋込は、組織の局在性途絶、変位、および破壊に起因して創傷応答を作成する。センサが大きいほど、またはインプラントが深いほど、創傷応答は、より大きくなる。故に、センサを小型化し、減衰された創傷応答を引き出す切実な理論的根拠が、存在し、これは、より迅速なウォームアップをもたらすであろう。
【0187】
タンパク質吸着:加えて、センサの埋込に続いて、異物応答が、直ちに起こる。異物応答は、細胞物質で異物をカプセル化することを目標とする複雑な生化学的カスケードを含む。疎水性表面は、埋込に続いて非常に急速に内在性タンパク質の吸着を受ける傾向があり、これは、生物付着と称される。一方、親水性表面は、高い水分含有量に起因して、生物付着に抵抗する。ヒト血清アルブミン(HSA)は、真皮間質液中の主要なタンパク質であり、全タンパク質の約60%を成し、生理学的pHにおいて負の電荷を維持する。センサが、(分析物監視デバイスのいくつかの変形例におけるように)正電位で分極化されるとき、内在性HASは、電気ドリフトおよびセンサの正(作用)電極への電荷誘引を受ける。これは、センサ表面が生物付着する傾向を増加させ得る。これは、上記にさらに詳細に説明されるように、異物として認識されないようにセンサを効果的に隠すための親水性拡散限定層または外側生体適合性層のいずれかの実装の裏にある理論的根拠である。
【0188】
本明細書に説明されるように、分析物監視デバイスは、例えば、インプラントの浅い性質、変位される組織の最小体積(例えば、現在のCGMシステムと比較して約100~約1,000倍少ない変位される組織、または約200~約600倍少ない変位される組織等、現在のCGMシステムよりも最大約2桁少ない)、埋込の間の該組織への最小量の外傷、および競合するワイヤ埋込CGMシステムの場合のように、擾乱されると、インプラントをカプセル化する加速された試みを生じるであろうより大きい創傷応答を起こし得る、真皮網状層のより深い部分への脈管の浸透の欠如に起因して、ウォームアップ時間に対する上記の生理学的因子の影響を低減させる。
【0189】
平衡の達成:ウォームアップ時間に対するセンサ力学の効果の一実施例は、平衡の達成に関する。電気化学センサは、新しい環境において使用されるとき、平衡を達成するために有限の時間量を要求する。これは、典型的には、電極におけるイオンの吸着された表面層に起因する熱力学的平衡の確立と関連付けられる。殆どの埋込可能電気化学センサにおける基準電極は、電気化学セルの残りの部分からシールされる酸化還元対を伴う内部充填溶液を採用しないため、本基準電極は、安定した基準電位を確立するために、その周辺との平衡を達成しなければならない。
【0190】
センサ層の水和:電極センサ層は、適切に機能するために、水性環境内に浸漬されなければならない。結果として生じる水和プロセスは、電極のポリマー層および生体認識要素を活性化させ得、それらが再配列し、それらの本来の活性立体構造に戻ることを可能にし、これは、主として、それらの活性または一意の性質に関与する。本プロセスは、多くの場合、センサ「湿潤」として公知であり、感知動作が行われる媒体が、センサ層を十分な程度までインターカレートすることを可能にする。
【0191】
非ファラデー性応答の減退:電気化学センサのバイアス(電圧の印加)は、イオンの二重層を電極表面において形成させるであろう。本プロセスは、電極表面上の吸着された種の荷電に起因して、有限の時間量を要求する。これは、二重層静電容量を生じさせる。非ファラデー性時定数は、該二重層静電容量および溶液抵抗の積に等しい。多くの場合、非ファラデー性応答(電流)は、他の物理現象よりも急速に無視できるレベルまで減退し、これは、多くの場合、ウォームアッププロセスにおける律速ステップではない。いったん非ファラデー性応答が、無視できるレベルまで減退すると、ファラデー性応答が、続いて起こり、これは、着目電気化学/酸化還元反応を反映する。
【0192】
本明細書に説明されるように、分析物監視デバイスは、例えば、層が競合する埋込可能CGMシステムよりも急速に水和することを可能にする、薄膜層(約10nm~5,000nm)の実装に起因して、ウォームアップ時間に対するセンサ力学の影響を低減させてもよい。また、本明細書に説明される電極の小さい寸法(例えば、作用電極の幾何学的表面積)のため、非ファラデー性応答は、(低減された二重層静電容量、したがって、二重層の荷電に起因して)より短い持続時間にわたって生じる。いくつかの変形例では、皮膚への本デバイスの適用に続く限定された時間周期にわたる高電位(例えば、>0.75V)バイアスが、平衡および安定した信号レベルを達成するために、センサのバーンインまたはウォームアップをさらに促進し得る。
信号待ち時間
【0193】
典型的には、埋込された電気化学センサはまた、分析物レベルの変化に続いて安定した信号値を達成する際に、遅延または信号待ち時間を被る。本信号待ち時間は、種々の因子の関数である。高レベルにおいて、待ち時間は、3つの明確に異なる効果、すなわち、(1)拡散遅れ(分析物の分子が毛細血管(源)からセンサ表面まで拡散するまでに要求される時間量)、(2)センサ上のセンサ膜/層アーキテクチャによって課される拡散限界、および(3)多くの場合、群遅延をもたらす、データのアルゴリズム処理(平均化、フィルタリング、信号雑音除去、および他の信号処理手段)の関数である。しかしながら、本明細書に説明される分析物監視デバイスの種々の側面は、信号待ち時間に寄与するこれらの因子を最小限にし、それによって、分析物測定に関するより高速の応答時間をもたらす。
【0194】
上記に説明されるように、本明細書に説明される分析物監視デバイスの1つの有意な利点は、センサ設置の場所である。電極表面は、真皮網状層の高密度かつ十分に灌流される毛細血管床に近接近する(例えば、数百マイクロメートルまたはそれを下回るもの以内の)場所に埋込されるため、拡散遅れは、無視できる。これは、真皮の下の非常に不良に血管形成される脂肪組織内に存在し、したがって、真皮内の脈管からの拡散距離および結果として生じる拡散待ち時間が、実質的(例えば、典型的には、5~20分)である、従来の分析物センサに優る有意な利点である。
【0195】
加えて、電極センサ表面上に堆積されるフィルムは、電着方法を使用するため、該フィルムの精密な厚さが、高精度まで制御されることができる。例えば、センサ表面を形成する電着方法は、拡散遅れを低減させ得る、薄フィルム層の一貫した制御された作成を可能にする。また、感知電極への薄フィルム層の空間的局所化は、より薄く、拡散抵抗の少ないフィルムの実現を可能にし、これは、他のフィルム表面から生体認識層への分析物の拡散に起因する待ち時間をさらに低減させる。
【0196】
さらに、微小針アレイによって与えられる高レベルの冗長性(分析物測定の並列チャネル)は、より高い忠実度の測定およびセンサ読取値を補間するためのアルゴリズムに対するより少ない依存を可能にし、これは、さらに低減された遅延または待ち時間を付与する。
電子機器システム
【0197】
分析物監視デバイス110の図2Aの概略図に示されるように、電子機器システム120は、電子機器システム120が、典型的には、複数の物理的に明確に異なるユニット内に構成要素を組み込む従来的なCGMシステムと対照的に、単一のユニットの一部として感知要素(例えば、微小針アレイ)と組み合わせられ得るように、筐体112内に統合されてもよい。電子機器システム120の例示的変形例のさらなる詳細が、下記に説明される。
PCB
【0198】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、1つまたはそれを上回るPCBを含んでもよい。例えば、分析物監視デバイスは、図3Eに示されるように、微小針アレイと、少なくとも1つのデバイスPCB350とを含む、センサアセンブリ320における少なくとも1つのPCBを含んでもよい。
【0199】
例えば、図3F-3Iに示されるように、センサアセンブリ320は、接続PCB324に結合される、センサスタンドオフPCB322を含んでもよい。微小針アレイ330は、機械的強度のためにエポキシアンダーフィルと組み合わせられるはんだ付けプロセスを通して等、センサスタンドオフPCB322(例えば、FR-4、PTFE、Rogers 4350B)に取り付けられてもよい。いくつかの変形例では、エポキシスカートが、上記に説明されるシリコンダイシングプロセスからの鋭的縁を緩和するために、シリコン微小針アレイ330の縁に沿って堆積されてもよい。エポキシはまた、微小針アレイシリコンのシリコン基板の縁からPCB322の縁への遷移を提供してもよい。代替として、本エポキシは、ゴムガスケットまたは同等物によって置換または補完されてもよい。
【0200】
図3Jに示されるように、センサスタンドオフPCB322は、少なくとも部分的に、微小針アレイ330が筐体310から突出する所望の距離を決定するスタンドオフとして機能してもよい。故に、センサスタンドオフPCB322のスタンドオフ高は、微小針アレイ330がユーザの皮膚の中に適切に挿入されることを確実にすることに役立つように選択されてもよい。針挿入の間、筐体310の底面は、針挿入のための停止部として作用するであろう。センサスタンドオフPCB322が、低減された高さを有し、その下側面が、筐体の底面と同一平面またはほぼ同一平面である場合、筐体310は、微小針アレイ330が皮膚の中に完全に挿入されることを防止してもよい。しかしながら、スタンドオフ高を増加させることは、微小針挿入の間に皮膚に対する微小針アレイのより大きい圧力につながり得、これは、皮膚炎症および/または紅斑(皮膚の赤み)につながり得る。
【0201】
センサスタンドオフPCB322は、好適な締結具または同等物を用いて等、筐体310に固着される、および/または筐体の内側の積み重ね内に固着されてもよい。例えば、図3H-3Jに示されるように、センサスタンドオフPCB322(微小針アレイ330を伴う)は、接続PCB324の第1の側に結合されてもよい一方、接続PCB324の第2の反対側は、順に、インターポーザPCBコネクタ326に結合されてもよい。図3Jに示されるように、インターポーザPCBコネクタ326は、下記に説明されるような信号処理のため等、デバイスPCB350に通信可能に結合されてもよい。故に、微小針アレイ330からの信号は、センサスタンドオフPCB322を通して、センサスタンドオフPCB322、接続PCB324、およびインターポーザPCBコネクタ326を介してデバイスPCBに通信されてもよい。しかしながら、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、より少ないPCBを含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、センサアセンブリ320は、微小針アレイ330が、接続PCB324に直接電気的に(またはデバイスPCB350に直接)通信し得るように、センサスタンドオフPCB322を省略してもよい。
【0202】
加えて、または代替として、いくつかの変形例では、センサアセンブリ320におけるPCBのうちの少なくとも1つは、微小針アレイ330と組み合わせて1つまたはそれを上回る付加的センサを含む、またはそれに結合されてもよい。例えば、センサアセンブリ320は、温度センサ(例えば、サーミスタ、抵抗温度検出器、サーモカップル、バンドギャップ基準、非接触温度センサ等)を含んでもよい。いくつかの変形例では、温度測定は、加えて、または代替として、微小針アレイにおける1つまたはそれを上回る分析物非感受性電極によって実施されてもよい。
【0203】
いくつかの変形例では、センサスタンドオフPCB322は、厚さにおいて約0.05インチ~約0.15インチまたは約0.093インチ~約0.127インチであってもよい。センサスタンドオフPCB322は、いくつかの変形例では、電気信号をPCBの前面からPCBの後面にルーティングするように構成される、1つまたは複数の伝導性基板貫通ビアを含んでもよい。いくつかの変形例では、センサスタンドオフPCB322は、電気信号を半導体の前面から半導体の後面にルーティングするように構成される、伝導性基板貫通ビアを伴う半導体(例えば、シリコン)から成ってもよい。また他の変形例では、微小針アレイ330は、センサスタンドオフPCB322を伴わずに、PCB324に直接搭載されてもよい。
アナログフロントエンド
【0204】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスの電子機器システムは、アナログフロントエンドを含んでもよい。アナログフロントエンドは、アナログ電流測定値をマイクロコントローラによって処理され得るデジタル値に変換する、センサ回路(例えば、図2Aに示されるようなセンサ回路124)を含んでもよい。アナログフロントエンドは、例えば、電気化学センサとの併用のために好適である、プログラマブルアナログフロントエンドを含んでもよい。例えば、アナログフロントエンドは、電気化学センサとの併用のための超低電力プログラマブルアナログフロントエンドである、Maxim Integrated(San Jose, CA)から入手可能なMAX30131、MAX30132、またはMAX30134構成要素(それぞれ、1つ、2つ、および4つのチャネルを有する)を含んでもよい。アナログフロントエンドはまた、高精度、インピーダンス、および電気化学フロントエンドである、Analog Devices(Norwood, MA)から入手可能なAD5940またはAD5941構成要素を含んでもよい。同様に、アナログフロントエンドはまた、低電力化学感知用途のための構成可能なアナログフロントエンドポテンショスタットである、Texas Instruments(Dallas, TX)から入手可能なLMP91000を含んでもよい。アナログフロントエンドは、バイアスおよびアナログ-デジタルコンバータ(ADC)を含む完全な測定経路を提供してもよい。超低電力は、測定が身体装着バッテリ動作デバイスを使用して長い持続時間(例えば、7日)にわたって要求されるとき、正確度および高速応答を維持するためにセンサの連続的バイアスを可能にし得る。
【0205】
いくつかの変形例では、アナログフロントエンドデバイスは、DC電流測定、AC電流測定の両方、および電気化学インピーダンス分光法(EIS)測定能力を可能にするため等、2および3端子電気化学センサの両方と互換性があってもよい。さらに、アナログフロントエンドは、内部温度センサおよびプログラマブル電圧基準を含み、外部温度監視および外部基準ソースをサポートし、安全性およびコンプライアンスのためにバイアスおよび供給電圧の電圧監視を統合してもよい。
【0206】
いくつかの変形例では、アナログフロントエンドは、センサ入力を多重化し、複数の信号チャネルを取り扱うために、マルチチャネルポテンショスタットを含んでもよい。例えば、アナログフロントエンドは、米国特許第9,933,387号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等のマルチチャネルポテンショスタットを含んでもよい。
【0207】
いくつかの変形例では、アナログフロントエンドおよび周辺電子機器は、特定用途向け集積回路(ASIC)に統合されてもよく、これは、例えば、費用を低減させることに役立ち得る。本統合された解決策は、いくつかの変形例では、下記に説明されるマイクロコントローラを含んでもよい。
マイクロコントローラ
【0208】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスの電子機器システムは、少なくとも1つのマイクロコントローラ(例えば、図2Aに示されるようなコントローラ122)を含んでもよい。マイクロコントローラは、例えば、統合されたフラッシュメモリを伴うプロセッサを含んでもよい。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスにおけるマイクロコントローラは、分析を実施し、センサ信号を分析物測定値(例えば、グルコース測定値)に相関させるように構成されてもよい。例えば、マイクロコントローラは、ファームウェア内のプログラムされたルーチンを実行し、(例えば、アナログフロントエンドからの)デジタル信号を解釈し、任意の関連するアルゴリズムおよび/または他の分析を実施し、通信モジュールに、および/またはそれから処理されたデータをルーティングしてもよい。分析を分析物監視デバイスにオンボードに保つことは、例えば、各接続されたデバイスが同一の情報を有することを確実にしながら、分析物監視デバイスが分析物測定値を複数のデバイス(例えば、スマートフォンまたはスマートウォッチ等のモバイルコンピューティングデバイス、インスリンペンまたはポンプ等の療法送達システム等)に並行してブロードキャストすることを可能にし得る。
【0209】
いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、1つまたはそれを上回る検出された条件に応じて分析物監視デバイスをアクティブ化および/または非アクティブ化するように構成されてもよい。例えば、本デバイスは、皮膚の中への微小針アレイの挿入に応じて、分析物監視デバイスを電源オンにするように構成されてもよい。これは、例えば、微小針アレイが皮膚内に設置されるまでバッテリが接続解除されており、その時点で本デバイスがセンサデータをブロードキャストし始め得る、電力節約特徴を可能にし得る。そのような特徴は、例えば、分析物監視デバイスの貯蔵寿命を改良する、および/またはユーザのために分析物監視デバイス-外部デバイスペアリングプロセスを簡略化することに役立ち得る。
【0210】
図25は、挿入に応じて分析物監視デバイスの上記に説明されるアクティブ化を可能にする、回路の例示的変形例の概略図を図示する。概して、皮膚の角質層の貫通および高電解性真皮間質液中の微小針構成要素の遠位先端における電極の位置付けに応じて、「Sensor Detect」の抵抗は、有意な程度まで低減し、それによって、pチャネルMOSFET Q401をアクティブ化する。いったんQ401がオンにされると、バッテリ電圧VBATは、VDD_INに流動し、それは、本デバイスのための電力を提供する。マイクロコントローラが電源オンにされると、これが実行する最初のルーチンは、「PwrEnable」を高に設定し、したがって、Q402を通してQ401のゲートを低に引き下げることによって本デバイスの電源を保つことである。これは、微小針が皮膚との接触を保っていないシナリオを軽減するために実施される。本デバイスが、誤起動を受けている場合、「Sensor_Detect」に対する高抵抗が、存在するはずであり、マイクロプロセッサは、「PwrEnable」を低にし、それによって、本デバイスへの電力を除去する(および本デバイスを非アクティブ化する)ことができる。分析物監視デバイスをアクティブ化および/または非アクティブ化するための構造および方法の他の例示的変形例が、米国特許出願第16/051,398号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に説明されている。
【0211】
加えて、または代替として、マイクロコントローラは、微小針アレイを用いて実施されたセンサ測定に基づいて、皮膚の中への微小針アレイの挿入を能動的に確認するように構成されてもよい。例えば、微小針アレイにおける2つまたはそれを上回る微小針が皮膚の中に挿入されたと仮定された後、固定された、または時変の電位または電流が、それらの微小針に印加されてもよい。挿入された微小針の電極の間に発生された信号の測定結果(例えば、電位または電流値)が、測定され、次いで、既知の基準値と比較され、皮膚の中への微小針アレイの正常な挿入を確証する。基準値は、例えば、電圧、電流、抵抗、コンダクタンス、静電容量、インダクタンス、および/またはインピーダンスを含んでもよい。分析物監視デバイスをアクティブ化および/または非アクティブ化するための構造および方法の他の例示的変形例が、米国特許出願第16/051,398号(参照することによって上記に組み込まれた)にさらに詳細に説明されている。
【0212】
いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、8ビット、16ビット、32ビット、または64ビットデータ構造を利用してもよい。好適なマイクロコントローラアーキテクチャは、ARM(登録商標)およびRISC(登録商標)アーキテクチャを含み、フラッシュメモリが、好適なデータ記憶のためにマイクロコントローラに埋設される、またはその外部にあってもよい。いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、シングルコアマイクロコントローラであってもよい一方、いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、本システム内の電力および/または性能を最適化するための柔軟なアーキテクチャを可能にし得る、マルチコア(例えば、デュアルコア)マイクロコントローラであってもよい。例えば、マイクロコントローラにおけるコアは、類似する、または異なるアーキテクチャを含んでもよい。例えば、例示的変形例では、マイクロコントローラは、高性能および高電力アーキテクチャを伴う第1のコアと、低性能および低電力アーキテクチャを伴う第2のコアとを含む、デュアルコアマイクロコントローラであってもよい。第1のコアは、これがより高性能の機能(例えば、センサ測定、アルゴリズム計算等)を処理するために使用され得る一方、第2のコアがより低性能の機能(例えば、バックグラウンドルーチン、データ伝送等)を実施するために使用され得る点において、「主力」として機能してもよい。故に、マイクロコントローラの異なるコアは、それらの個別の機能に関して最適化される異なるデューティサイクルにおいて実行され(例えば、より低性能の機能のための第2のコアは、より高いデューティサイクルにおいて実行され得る)、それによって、全体的電力効率を改良してもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、付加的センサおよび/または微小針アレイとインターフェースをとるため等、埋設されたアナログ回路を含んでもよい。いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、1.2V~3V電源等の0.8V~5V電源を使用して動作するように構成されてもよい。
通信モジュール
【0213】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスの電子機器システムは、1つまたはそれを上回るデバイスと通信するための無線通信モジュール等の少なくとも1つの通信モジュール(例えば、図2Aに示されるような通信モジュール126)を含んでもよい。例えば、通信モジュールは、マイクロコントローラデバイスに統合される無線送受信機を含んでもよい。しかしながら、電子機器システムは、加えて、または代替として、マイクロコントローラデバイスとは別個である通信モジュールを含んでもよい。いくつかの変形例では、通信モジュールは、無線ネットワークを介して(例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC、WiFi、RFID、またはケーブルによって接続されない任意のタイプのデータ伝送を通して)通信してもよい。例えば、デバイスは、対毎の接続(1:1関係、すなわち、ユニキャスト)において、またはハブスポークまたはブロードキャスティング接続(「1対多」または1:m関係、すなわち、マルチキャスト)において相互と直接通信してもよい。別の実施例として、本デバイスは、Bluetooth(登録商標)メッシュネットワーキングを通して等、メッシュネットワーキング接続(例えば、「多対多」、またはm:m関係、またはアドホック)を通して相互と通信してもよい。無線通信は、限定ではないが、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM(登録商標))、拡張データGSM(登録商標)環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、Evolution, Data-Only(EV-DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC-HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離無線通信(NFC)、広帯域符号分割多重アクセス(W-CDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレスフィディリティ(WiFi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、および同等物)、または任意の他の好適な通信プロトコルを含む、複数の通信規格、プロトコル、および技術のうちのいずれかを使用してもよい。いくつかの無線ネットワーク展開は、複数のセルラーネットワークからのネットワークを組み合わせる、またはセルラー、Wi-Fi、および衛星通信の混合物を使用してもよい。例示的変形例では、通信モジュールは、マイクロコントローラに統合され、Bluetooth Special Interest Group 5.0仕様に準拠するBluetooth Low Energy互換性無線を含む、無線送受信機を含んでもよい。
【0214】
通信モジュールはさらに、1つまたはそれを上回るアンテナ(例えば、図2Aに示されるようなアンテナ128)を含む、またはそれに結合されてもよい。例えば、電子機器システムは、PCB上に搭載されるチップアンテナまたはPCB上に直接実装されるアンテナを含んでもよく、これは、費用および複雑性を低減させながら、より良好な範囲を提供し得る。いくつかの変形例では、分析物監視デバイス110を装着するユーザが、アンテナ(例えば、アンテナ128)として機能してもよい。例えば、通信モジュール126のアンテナ入力/出力128は、単一の微小針または複数の微小針に電気的に接続されてもよく、これは、(例えば、図2Bに示される微小針アレイ140と同様に)装着者の皮膚の中に挿入される。これは、アンテナの有効断面積を増加させる、通信モジュールのアンテナ入力/出力と自由空間との間の適正なインピーダンス合致を提供する、および/またはアンテナ利得、アンテナダイバーシティ、無指向性、および通信モジュール受信機感度/送信機効率等の動作メトリックを改良することに役立ち得る。
【0215】
デバイスは、ユーザがシームレスに接続し、デバイスの間で情報を転送することが可能であるように、通信モジュールからの範囲に出入りし、接続および再接続することができる。いくつかの変形例では、各分析物監視デバイス上のマイクロコントローラは、一意のシリアル番号を有してもよく、これは、生産および/または現場使用の間の具体的分析物監視デバイスの追跡を可能にする。
付加的センサ
【0216】
上記に説明されるように、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、微小針アレイに加えて、1つまたはそれを上回るセンサを含んでもよい。例えば、分析物監視デバイスは、皮膚温度を測定するように構成される、1つまたはそれを上回る温度センサを含み、それによって、分析物センサに関する温度補償を可能にし得る。例えば、いくつかの変形例では、温度センサ(例えば、サーミスタ、RTD、半導体接合部、バイメタルセンサ、サーモパイルセンサ)が、温度センサが、筐体112の皮膚対向部分または底部部分の近傍に配列されるように、筐体内のデバイスPCBに結合されてもよい。筐体は、熱抵抗を低減させ、熱伝達、したがって、測定正確度を改良するために、薄化されてもよい。加えて、または代替として、熱伝導性材料が、表面搭載温度センサをユーザの皮膚に熱的に結合してもよい。温度センサが、微小針アレイダイ基板の近傍のデバイスPCBに結合される変形例では、熱伝導性材料は、例えば、ダイの鋭的縁を緩和し、ダイの縁に沿って、かつ主要PCBの表面に沿って被着するために、スカートとして成型されてもよい。
【0217】
いくつかの変形例では、温度センサは、測定された電流および先験的感度(例えば、nA/mMまたはpA/mg/dL)に基づいて、グルコース補間特性を開発するために採用されてもよい。温度不変の場合では、電流特性は、以下の関係、すなわち、y=m[G]によってモデル化されることができ、式中、yは、測定された電流であり、mは、グルコース感度であり、[G]は、補間されたグルコース濃度である。分析物非感受性チャネルbの組み込み等のある場合には、背景信号が、上記の方程式に組み込まれてもよい、すなわち、y=m[G]+bである。温度センサからの測定値を組み込むと、電流特性は、以下の関係、すなわち、y=m[G]+m[T]+bによって表されることができ、式中、mは、温度感度(例えば、pA/℃)であり、Tは、測定された温度であり、bは、背景信号(例えば、pA)である。他の動作シナリオでは、電流特性は、以下の関係、すなわち、y=m[G][T]+bによってモデル化され、式中、mは、先験的に決定された加重係数である。他の動作シナリオでは、電流特性は、温度およびグルコースの畳み込み、すなわち、y={m[T]+m}[G]+bとしてモデル化されることができ、式中、mは、先験的に決定された加重係数である。また他の動作シナリオでは、電流特性は、以下の関係、すなわち、y={m[G]+m}[T][G]+bによって提供される。また他の動作シナリオでは、電流特性は、以下の非線形関係、すなわち、y={mG2[G]+m[G]}[T]+bによって与えられ、式中、mG2は、非線形加重係数である。また他の動作シナリオでは、電流特性は、以下のガウス関係、すなわち、y=m[G]exp{-([T]-[TOPT])/(2σ)}+bによって与えられ、式中、TOPTは、酵素の最大触媒ターンオーバーに関する最適な温度であり、σは、酵素の動作温度範囲である。
【0218】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、既知の温度感度を有する分析物非感受性チャネル(例えば、グルコース非感受性チャネル)として機能するように構成される電極を伴う少なくとも1つの微小針を含んでもよく、そのような既知の温度感度は、温度を補償するために使用されてもよい。例えば、グルコース非感受性チャネルを使用する1つの利点は、グルコースセンサへの近接性(例えば、熱勾配からのより少ない誤差をもたらす)および費用(例えば、センサを皮膚に熱的に結合するための外部構成要素および特殊化されたプロセスを低減させることによって)を含む。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、両方からの情報を利用するアルゴリズムとともに、分析物非感受性チャネルおよびサーミスタの両方を含んでもよい。加えて、または代替として、分析物監視デバイスは、周囲温度を測定する付加的センサを含んでもよく、これもまた、温度補償アルゴリズムにおいて有用であり得る。
【0219】
いくつかの変形例では、分析物非感受性チャネルは、示差測定を実施し、および/または分析物感受性チャネルから背景雑音レベルを減算し、信号忠実度および/または信号対雑音比を改良するために使用されてもよい。分析物非感受性チャネルは、分析物感受性チャネル上で同様に生じる共通モード信号(例えば、内因性および薬理学的干渉、圧力減衰等)に敏感であってもよい。
【0220】
加えて、または代替として、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、少なくとも1つの運動センサを含んでもよい。運動センサは、例えば、位置、変位、軌跡、速度、加速度、および/またはデバイス配向値を捕捉するための加速度計、ジャイロスコープ、および/または慣性測定ユニットを備えてもよい。例えば、そのような測定値は、有限持続時間にわたる装着者の身体活動(例えば、歩行、激しい運動)を推論するために使用されてもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、運動センサは、タッチまたはタップ等の分析物監視デバイスとの装着者相互作用の検出を可能にするために採用されてもよい。例えば、タッチまたはタップ検出は、通知、アラート、およびアラームを消音またはスヌーズする、無線で接続されたモバイルコンピューティングデバイスを制御する、または分析物監視デバイス上のユーザインターフェース(例えば、埋設されたディスプレイまたはインジケータライト)をアクティブ化/非アクティブ化するために採用されることができる。タッチまたはタップは、あるアクション(例えば、ディスプレイまたはインジケータライトの非アクティブ化/アクティブ化)を引き出すために、定義されたシーケンスで、および/または所定の持続時間(例えば、少なくとも3秒、少なくとも5秒)にわたって実施されてもよい。加えて、または代替として、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、運動センサによって測定されるように、少なくとも所定の時間周期(例えば、15分、30分、45分、1時間、または他の好適な時間)にわたる限定された運動または活動(例えば、有意な加速度の不在)の検出に応じて、電力節約モードに入ってもよい。
【0221】
加えて、または代替として、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、少なくとも1つのリアルタイムクロック(RTC)を含んでもよい。リアルタイムクロックは、分析物監視デバイスが保管中または使用中であるとき、絶対時間(例えば、協定世界時、UTC、または現地時間)を追跡するために採用されてもよい。いくつかの変形例では、絶対時間への同期は、分析物監視デバイスの製造に続いて実施されてもよい。リアルタイムクロックは、ユーザ(例えば、分析物監視デバイスの装着者)、自身の支援ネットワーク、または自身の保健医療提供者等による後の精査のため等、接続された周辺デバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス)、クラウド記憶装置、または他の好適なデータ記憶デバイスに通信される時系列データセットを作成するために、分析物監視デバイスの動作の間に分析物測定値(例えば、グルコース測定値)をタイムスタンピングするために採用されてもよい。
電源
【0222】
図2Aに示されるように、分析物監視デバイスは、電力を他の構成要素に提供するように構成される、筐体112内の1つまたはそれを上回る電源130(例えば、バッテリ)を含んでもよい。例えば、分析物監視デバイスは、高エネルギー密度を有し、リチウムバッテリよりも環境に優しい、AgOバッテリを含んでもよい。いくつかの変形例では、一次(例えば、非再充電可能)バッテリが、使用されてもよい。さらに、いくつかの変形例では、二次(例えば、再充電可能)バッテリが、使用されてもよい。しかしながら、リチウムベースのバッテリを含む、任意の好適な電源が、使用されてもよい。
【0223】
いくつかの変形例では、電源は、電子機器の全高を低減させ、それによって、分析物監視デバイスの高さまたは外形を最小限にする、薄型保持器またはマウントを使用してデバイスPCBに結合されてもよい。例えば、従来的なバッテリ保持器は、ばね力を伴う伝導性金属を使用してバッテリの上部側に力を印加する一方、いくつかの変形例では、側方搭載バッテリ保持器が、電気回路を完成させるために、バッテリの側面に接触してもよい。例えば、図20に示されるように、側方搭載バッテリ保持器2020は、垂直の嵩を増加させることなく、バッテリの側面を挟持する、または別様にそれに接触する、弓形クリップを含んでもよい。バッテリ保持器2020はさらに、1つまたはそれを上回る好適な締結具を介してデバイスPCBに結合するための1つまたはそれを上回る搭載孔を含んでもよい(および/または任意の好適な様式でデバイスPCBに結合してもよい)。いくつかの変形例では、筐体は、バッテリをPCBと接触して保つために、デバイスPCBに向かってバッテリに対して垂直または下向き力を印加するように、好適な公差を伴って定寸および/または成形されてもよい。
適用器
【0224】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、手動で適用されてもよい。例えば、ユーザは、接着剤層上の保護フィルムを除去し、所望の装着部位上で自身の皮膚上に本デバイスを手動で押圧してもよい。加えて、または代替として、図1に図示されるように、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、好適な適用器160を使用して皮膚に適用されてもよい。適用器160は、例えば、分析物監視デバイス110の微小針アレイ140が、皮膚の中に(例えば、所望の標的深さまで)挿入され得るように、ユーザの皮膚に向かって分析物監視デバイス110を押勢するように構成されてもよい。
キット
【0225】
いくつかの変形例では、分析物監視システムのいくつかまたは全ての構成要素は、キットにおいて(例えば、ユーザに、臨床医に等)提供されてもよい。例えば、キットは、少なくとも1つの分析物監視デバイス110および/または少なくとも1つの適用器160を含んでもよい。いくつかの変形例では、キットは、所定の時間周期(例えば、1週間、2週間、3週間、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年等)にわたって十分な分析物監視デバイスの供給を形成し得る、複数の分析物監視デバイス110を含んでもよい。キットは、適用器対分析物監視デバイスとの任意の好適な比(例えば、1:1、1:1を下回るもの、1:1を上回るもの)を含んでもよい。例えば、キットは、各適用器が単回使用であり、ユーザに個別の分析物監視デバイスを適用する際のその使用後に廃棄されるように構成される場合等、分析物監視デバイスと同一の数の適用器を含んでもよい。別の実施例として、キットは、適用器が複数の分析物監視デバイスを適用するために再使用されることが意図される場合、または複数の分析物監視デバイスが繰り返される適用のために単一の適用器の中に装填される場合等、キット内の分析物監視デバイスの数よりも少ない数の適用器(例えば、2つまたは3つの分析物監視デバイスあたり1つの適用器)を含んでもよい。別の実施例として、キットは、適用器の紛失または破損等の場合に余分または冗長な適用器を提供するため等、キット内の分析物監視デバイスの数よりも多い数の適用器(例えば、分析物監視デバイスあたり2つの適用器)を含んでもよい。
【0226】
いくつかの変形例では、キットはさらに、分析物監視デバイスおよび/または適用器を動作させるためのユーザ命令(例えば、手動で、または適用器を用いて分析物監視デバイスを適用するための命令、分析物監視デバイスを1つまたはそれを上回る周辺デバイス(例えば、モバイル電話等のコンピューティングデバイス)とペアリングするための命令等)を含んでもよい。
分析物監視デバイスの滅菌
【0227】
上記に説明されるように、本明細書に説明されるもの等の分析物監視デバイス110は、少なくとも、感知要素(例えば、微小針アレイ)および電子機器が1つのユニットに統合される点において、他のCGMデバイスと区別される。本統合の1つの利益は、ユーザが分析物監視デバイス110のいかなる組立も実施することを要求されないことである。しかしながら、そのような統合を可能にすることに対する滅菌関連の課題が、存在する。
【0228】
従来的なCGMデバイスおよび類似する電気化学センサは、典型的には、電子機器と適合しないプロセスを通して滅菌される。例えば、従来の電気化学センサ滅菌は、感知要素を滅菌するために、ガンマ線照射または電子ビーム照射を使用する。しかしながら、これらの滅菌プロセスと関連付けられるボソンまたはフェルミ粒子は、電子機器動作に干渉する。したがって、典型的には、電子構成要素は、別個に滅菌され、エンドユーザが本デバイスのある程度の組立を実施することを要求しなければならないか、または電子構成要素は、単純に、滅菌されず、これは、汚染問題につながり得るかのいずれかである。
【0229】
対照的に、上記に説明されるセンサ技術は、感知要素および電子機器の両方に対して好適である滅菌の形態と適合するように構成される。いくつかの変形例では、上記に説明されるように、微小針アレイにおける作用電極は、架橋された生体認識要素を含む、生体認識層を含んでもよい。例えば、生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋されてもよく、これは、アミン基を架橋することに役立ち、したがって、生体認識層内の生体認識要素を安定させることに役立つ。例えば、生体認識要素は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、および/または他の好適な種と架橋され、次いで、上記に説明されるような伝導ポリマー中に埋設される、酵素(例えば、グルコース酸化酵素)を含んでもよい。
【0230】
上記に説明される架橋された構造の結果、酵素は、これがエチレンオキシド(EO)滅菌等のガス状滅菌方法を受け得るように、十分に安定化され、驚くべきことに、感知性能の観点から感知要素に対して最小限の影響しか伴わない。したがって、電子機器は、EO滅菌を受け得るため、いくつかの変形例では、分析物監視デバイス110は、一意に、かつ有利なこととして、構成要素のいずれのセットも損傷させることなく、それらの電子機器および感知要素が完全に統合され、単一のユニットにおいて同時に滅菌される、「オールインワン」滅菌手順に耐えるように構成される。
【0231】
故に、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスを滅菌する方法は、分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露するステップを含んでもよく、分析物監視デバイスは、筐体(例えば、装着可能筐体)と、筐体から延在し、分析物センサを含む、微小針アレイと、筐体内に配列され、微小針アレイに電気的に結合される、電子機器システムとを含む。分析物監視デバイスは、分析物監視デバイスを滅菌するために十分な滞留時間にわたって滅菌剤ガスに暴露される。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、10-6の無菌性保証レベル(SAL)(すなわち、1,000,000個の滅菌されたデバイスのうち、1つ以下の生存微生物が存在する確率を有する)まで滅菌されてもよい。
【0232】
図21は、分析物監視デバイスを滅菌するための方法2100の例示的変形例を図示する。方法2100は、例えば、滅菌のために好適なチャンバの中に分析物監視デバイスを挿入するステップ2110と、分析物監視デバイスを事前調整するステップ2120と、分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露するステップ2130と、分析物監視デバイスを曝気するステップ2140とを含んでもよい。
【0233】
図22は、分析物監視デバイスを滅菌する際の使用のために好適なチャンバ(または一連のチャンバ)を含む、滅菌システムの例示的変形例の概略図を描写する。例えば、滅菌システムは、事前調整プロセスを実行するための少なくとも1つのチャンバ、滅菌プロセスのための少なくとも1つのチャンバ、および/または曝気プロセスのための少なくとも1つのチャンバを含んでもよい。いくつかの変形例では、同一のチャンバが、方法2100の2つまたはそれを上回るこれらのプロセスのために利用されてもよい。
【0234】
したがって、例えば、分析物監視デバイスは、事前調整プロセス2120のために事前調整チャンバ内に設置されてもよい。上記に説明されるように、分析物監視デバイスは、電気化学感知要素および電子構成要素の両方を含む、統合されたデバイスとしてチャンバ内に設置されてもよい。
【0235】
事前調整するステップは、滅菌チャンバに進入することに先立って、分析物監視デバイスを安定した温度および水分含有量まで加熱および加湿させるように機能してもよく、これは、環境条件にかかわらず、滅菌プロセスの一貫性および信頼性を確実にすることに役立ち得る。図23に示されるように、分析物監視デバイスを事前調整するステップは、チャンバ内の圧力を真空設定点(例えば、1.0psia)まで低減させるステップを含んでもよい。真空は、約2psia/分の率または他の好適な率において等、漸進的に確立されてもよい。さらに、事前調整するステップは、他の環境条件を所定の滞留時間にわたって種々の設定点に設定するステップを含んでもよい。例えば、図23に示されるように、圧力を真空設定点まで低減させた後、蒸気が、所定の設定点において温度、相対湿度、および/または湿度を確立するように、チャンバの中に注入されてもよい。例えば、一実装では、チャンバの内側の温度は、事前調整の間により高い熱から生体認識要素(例えば、酵素)を変性させることを回避するように好適であり得る、摂氏約35度~摂氏約40度、または摂氏約38度に設定されてもよい。別の実施例として、相対湿度は、約45%~約55%(または約51%)に設定されてもよい。温度、相対湿度、および真空設定点は、約90分~約180分、約100分~約160分、約110分~約140分、または約120分、または他の好適な時間周期等の所定の滞留時間にわたって維持されてもよい。滞留時間が経過した後、チャンバは、排気されてもよい、および/または調整された分析物監視デバイスは、除去され、滅菌チャンバ内に設置されてもよい。
【0236】
図21に示されるように、分析物監視デバイスを事前調整した後、本方法は、分析物監視デバイスをエチレンオキシド(EO)等の滅菌剤ガスに暴露するステップ2130を含んでもよい。いくつかの変形例では、EOは、約425mg/L~約475mg/L、または約450mg/Lのガス濃度において滅菌チャンバの中に導入されてもよい。図23に示されるように、滅菌プロセスの間、チャンバ内の圧力は、約5psia~約6psia、または約5.3psiaの滅菌剤設定点に設定されてもよい。いくつかの変形例では、空気の少なくとも約97%が、チャンバの中にEOガスを送達することに先立って、チャンバから排気されなければならない。加えて、または代替として、一連の部分的真空が、チャンバ内に確立され、チャンバから十分な量の空気をパージするために、一連の窒素(N)注入が続いてもよい。事前調整の間の温度と同様に、滅菌の間のチャンバの温度は、摂氏約35度~摂氏約40度、または摂氏約38度に設定されてもよい。温度は、EOが導入される際、温度設定点まで増加されてもよい。チャンバの中にEOガスを導入した後、分析物監視デバイスは、好適な滅菌剤滞留時間または暴露時間にわたってEOガスに暴露されたままであってもよい。好適な滅菌剤滞留時間は、例えば、約90分~約180分、約100分~約160分、約110分~約140分、または約120分、または分析物監視デバイスを滅菌するために十分な他の好適な時間周期に及んでもよい。いくつかの変形例では、EO暴露の間の温度の増加が、必要なEO滞留時間を低減させるであろう(例えば、経験則として、摂氏10度の温度の増加毎に、EO滞留時間は、約半分に低減され得る)ことを理解されたい。滅菌剤滞留時間に続いて、チャンバは、チャンバからEOをパージするために、真空/空気サイクルを受けてもよい。
【0237】
図21に示されるように、方法2100は、分析物監視デバイスを曝気するステップ2140を含んでもよい。EOは、可燃性であり、滅菌後の本デバイス上のいずれの残留EOも、極めて有毒であり得るため、分析物監視デバイスの曝気は、(例えば、包装および保管に先立って)本デバイスからのいずれの残留ガスの付加的除去も可能にし得る。いくつかの変形例では、曝気は、室温において行われてもよい。図23に示されるように、曝気は、徹底的なガス放出を可能にするために十分な所定の時間周期にわたって持続してもよい。例えば、曝気プロセスは、約12時間等の少なくとも約4時間~24時間にわたって持続してもよい。他の変形例では、曝気プロセスは、少なくとも約12時間、少なくとも約15時間、または少なくとも24時間等にわたって持続してもよい。
【実施例
【0238】
EO滅菌サイクルが、本明細書に説明されるもの等の分析物監視デバイスを滅菌する実行可能性に関して評価された。簡潔に言えば、事前調整が、摂氏38度の温度において2時間にわたって行われた。その後、摂氏38度において2時間にわたってEOガスに暴露された。EO暴露後、サンプルは、最低12時間にわたって周囲温度においてEOガスを排出するために曝気された。EO暴露プロトコルの詳細が、表1に示される。
【表1-1】

【表1-2】
【0239】
EOへの暴露に続いて感知化学の安定性を試験するために、6つの官能化された微小針センサが、EO滅菌サイクルを受けた。本実施例では、グルコース酸化酵素のアミド架橋を使用したセンサ化学が、本実行可能性研究において評価された。図24は、EOへの暴露後の6つのセンサ(EO)に関する、および陰性対照として機能する3つのセンサ(処理しない(DNP))に関する留保された感度を示す。全体的に、EOに暴露された全ての6つのセンサは、処理後にグルコースに敏感なままであった。留保された平均パーセンテージ感度は、75%であった。
【0240】
EOに暴露されたセンサのうちの3つはまた、続けて、7日にわたって6mMグルコースを伴うPBS中で動作安定性に関して試験された。センサは、溶液中に保たれ、感度が、1日1回センサを較正することによって測定された。動作安定性試験からの要約結果が、図24Bに示される。センサが、試験の過程にわたって安定したままであったことが分かる。機器エラーに起因して、5日目および6日目に関するいかなるデータも、取得されなかった。本傾向は、ガンマ線照射を用いて滅菌されるセンサに関して観察されるものに類似する。
【0241】
加えて、EOに暴露された3つのセンサが、保管安定性を試験するために使用された。図24Cは、0日目(EO暴露前)、14日目、および28日目の平均感度を示す。センサは、摂氏37度において14日目と28日目との間に乾燥状態で保管された。乾燥保管の14日目~28日目からの留保された平均感度は、92%であった。これは、EOを使用して滅菌し、EOへの暴露後にセンサを保管することが可能である潜在性を示す。
【0242】
したがって、架橋されたセンサ化学は、EO暴露に対して十分に安定することが見出され、EOプロセスを使用することが、架橋されたセンサ化学を含む感知要素を伴う分析物監視デバイスを滅菌するために実行可能であることを示した。加えて、EO暴露後の化学は、7日のアクティブな動作にわたって、また、乾燥保管の間に安定していた。
【0243】
いくつかの変形例では、センサは、電子機器から結合解除され、ガンマ線/粒子を用いた、または十分な加速度ポテンシャルの電子ビームを伴う照射に基づくものを含む、滅菌の他の好適な方法を受けてもよい。滅菌の投与量(例えば、持続時間および粒子エネルギー)は、1E-6未満の無菌性保証レベル(SAL)を含む、満足の行くレベルの無菌性を達成するように制御されてもよい。いくつかの変形例では、電子機器は、それらが傷ついた、または損なわれた皮膚表面に接触しないため、滅菌を要求しない。そのような変形例では、電子機器は、ユーザの皮膚へのシステム全体の適用に先立って、センサに結合されてもよい。
分析物監視システムの使用
【0244】
下記に説明されるものは、分析物監視デバイスおよび周辺デバイス等を含む、分析物監視システムの使用および動作の方法の種々の側面の概観である。
分析物監視デバイスの適用
【0245】
上記に説明されるように、分析物監視デバイスは、本デバイスにおける微小針アレイが、皮膚を貫通し、微小針アレイの電極が、真皮間質液へのアクセスのために上側真皮内に位置付けられるように、ユーザの皮膚に適用される。例えば、いくつかの変形例では、微小針アレイは、皮膚の外側層である角質層を貫通し、表皮を通して穿孔し、真皮乳頭層または上側真皮網状層内で停止するように幾何学的に構成されてもよい。アレイの各微小針構成要素(上記に説明されるような)の遠位範囲における電極に限定される感知領域は、出血のリスクまたは神経末端への過度の影響を伴わずに、循環する真皮間質液(ISF)への適正な暴露を確実にするために、適用に続いて真皮乳頭層または上側真皮網状層内で静止し、着座されたままであるように構成されてもよい。
【0246】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、皮膚に接着し、微小針アレイを定位置に固定するように構成される接着剤層を伴う装着可能筐体またはパッチを含んでもよい。分析物監視デバイスは、手動で(例えば、接着剤層上の保護フィルムを除去し、所望の装着部位上で皮膚上にパッチを手動で押圧して)適用されてもよいが、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、好適な適用器を使用して皮膚に適用されてもよい。
【0247】
分析物監視デバイスは、任意の好適な場所に適用されてもよいが、いくつかの変形例では、厚い、または硬くなった皮膚の解剖学的面積(例えば、掌および足底領域)または有意な撓曲を受ける面積(例えば、肘頭または膝頭)を回避することが、望ましくあり得る。好適な装着部位は、例えば、腕(例えば、上腕、前腕)、肩(例えば、三角筋にわたって)、手の甲、頸部、顔、頭皮、胴体(例えば、胸郭領域、腰部領域、仙骨領域内等の背部上または胸部または腹部上)、臀部、脚(例えば、上脚、下脚等)、および/または足の甲等の上を含んでもよい。
【0248】
上記に説明されるように、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、挿入に応じて自動的にアクティブ化する、および/または皮膚の中への正しい挿入を確認するように構成されてもよい。これらの特徴の詳細が、上記にさらに詳細に説明される。いくつかの変形例では、そのようなアクティブ化および/または確認を実施するための方法は、米国特許出願第16/051,398号(上記に参照することによって組み込まれた)に説明されるものに類似し得る。
周辺デバイスへのペアリング
【0249】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、周辺デバイスが、分析物監視デバイスから、測定データを含む、ブロードキャストまたは別様に伝送されたデータを受信するように、少なくとも1つの周辺デバイスにペアリングされてもよい。好適な周辺デバイスは、例えば、モバイルアプリケーションを実行している場合がある、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ)を含む。
【0250】
加えて、または代替として、分析物監視デバイスは、療法送達デバイス(例えば、インスリンペンまたはポンプ)とペアリングされてもよい(または別様に組み合わせられる)。例えば、分析物監視デバイスは、米国特許出願第62/823,628号および第62/862,658号(そのそれぞれは、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるものに類似する様式で療法送達デバイスと組み合わせられてもよい。研究は、投薬を制御するスマートアルゴリズムを有するインスリン送達デバイスを用いたユーザが、CGMが利用可能であるときの時間の95%を上回って正常血糖範囲(すなわち、健常な血糖レベル)内にあることを示している。インスリン送達デバイスと直接通信する(すなわち、いかなる仲介のスマートフォンも要求されない)分析物監視デバイスの能力は、ユーザが、CGMが(分析物監視デバイスのウォームアップまたはスワップインの間に)利用可能ではないときの時間を排除することによって、有意に増加された範囲内時間を達成することを可能にする。本特徴はまた、ユーザが、異なる分析物を同時に検出する複数の分析物監視デバイスを装着し、データを同一のモバイルアプリケーションに入力することを可能にし得る。
【0251】
上記に説明されるように、ペアリングは、好適な無線通信モジュール(例えば、Bluetooth(登録商標)を実装する)を通して遂行されてもよい。いくつかの変形例では、ペアリングは、分析物監視デバイスが適用され、ユーザの皮膚の中に挿入された後に(例えば、分析物監視デバイスがアクティブ化された後に)行われてもよい。加えて、または代替として、ペアリングは、分析物監視デバイスが適用され、ユーザの皮膚の中に挿入されることに先立って行われてもよい。
【0252】
したがって、ペアリングされたモバイルまたは他のデバイスは、分析物監視デバイスからブロードキャストまたは伝送されたデータを受信してもよい。周辺デバイスは、測定データを表示する、記憶する、および/またはそれをユーザおよび/または保健医療提供者および/または支援ネットワークに伝送してもよい。さらに、いくつかの変形例では、該ペアリングされたモバイルまたはウェアラブルデバイスは、データにアルゴリズム処理を実施し、信号忠実度、正確度、および/または較正等を改良する。いくつかの変形例では、測定データおよび/または他のユーザ情報は、加えて、または代替として、ネットワーク(例えば、クラウドネットワーク)を介して通信および/または記憶されてもよい。
【0253】
例証として、いくつかの変形例では、モバイルコンピューティングデバイスまたは他のコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット等)は、推定されたグルコース値、傾向情報、および履歴データ等を表示するためのインターフェースを提供する、モバイルアプリケーションを実行するように構成されてもよい。下記の説明は、標的分析物としてグルコースに具体的に言及するが、グルコースに関して下記に説明される特徴およびプロセスが、他の種類の分析物に関する用途に同様に適用され得ることを理解されたい。
【0254】
いくつかの変形例では、モバイルアプリケーションは、分析物監視デバイスを走査するために、モバイルコンピューティングデバイスのBluetooth(登録商標)フレームワークを使用してもよい。図26に示されるように、分析物監視デバイスは、これが皮膚に適用されるとすぐに電源オンまたは初期化されてもよく、分析物監視デバイスは、アドバタイジングプロセスを開始してもよい。モバイルアプリケーションは、次いで、分析物監視デバイスに接続し、測定のためにセンサをプライミングし始めてもよい。モバイルアプリケーションが、複数の分析物監視デバイスを検出する場合では、モバイルアプリケーションは、それ自体に近接する最も近い分析物監視デバイスを検出してもよい、および/またはユーザが(例えば、モバイルデバイス上のユーザインターフェースを介して)曖昧性解消を確認することを要求してもよい。いくつかの変形例では、モバイルアプリケーションはまた、複数の分析物監視デバイスに同時に接続することが可能であってもよい。これは、例えば、その寿命の終わりに到達しているセンサを交換するために有用であり得る。
【0255】
いくつかの変形例では、Bluetooth(R) Low EnergyTM(BLE)プロトコルが、接続性のために使用されてもよい。例えば、センサは、分析物監視システムに関するカスタムBLE周辺プロファイルを実装する。データは、分析物監視デバイスとモバイルアプリケーションを実行するスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットとの間の標準的なセキュアなBLE接続を確立した後に交換されてもよい。BLE接続は、センサの寿命にわたって恒久的に維持されてもよい。接続が、何らかの理由(例えば、弱い信号)に起因して切断される場合、分析物監視デバイスは、再びそれ自体をアドバタイジングし始めてもよく、モバイルアプリケーションは、最も早い機会(すなわち、範囲内にある/物理的に近接するとき)に接続を再確立してもよい。
【0256】
いくつかの変形例では、パスコード保護、共有秘密、暗号化、および多要素認証等の1つまたはそれを上回る技法の組み合わせから成る許可されたアクセスを確実にするために、BLE接続の上に実装されるセキュリティの1つまたはそれを上回る付加的層が、存在してもよい。
【0257】
モバイルアプリケーションは、新しい分析物監視デバイスを開始することを通してユーザを誘導してもよい。いったん本プロセスが完了すると、モバイルアプリケーションは、分析物監視デバイスが動作し、測定値を記録するために要求されない。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスに接続されるスマートインスリン送達デバイスは、センサからグルコース読取値を直接受信するようにモバイルアプリケーションから許可されることができる。加えて、または代替として、スマートウォッチのような二次ディスプレイデバイスが、センサからグルコース読取値を直接受信するようにモバイルアプリケーションから許可されることができる。
【0258】
さらに、いくつかの変形例では、モバイルアプリケーションは、加えて、または代替として、分析物監視デバイスを較正することに役立ち得る。例えば、分析物監視デバイスは、モバイルアプリケーションに較正に関する要求を示してもよく、モバイルアプリケーションは、センサを較正するためにユーザから較正入力を要求してもよい。
センサ測定
【0259】
いったん分析物監視デバイスが、挿入され、ウォームアップおよび任意の較正が、完了すると、分析物監視デバイスは、標的分析物のセンサ測定を提供することができる状態であり得る。標的分析物(および任意の必須の補助因子)は、生物学的環境から、作用電極上の生体適合性および拡散限定層を通して、生体認識要素を含む生体認識層に拡散する。補助因子(存在する場合)の存在下で、生体認識要素は、標的分析物を電気活性生成物に変換し得る。
【0260】
バイアス電位が、分析物監視デバイスの作用電極と基準電極との間に印加されてもよく、電流が、対電極から流動し、作用電極と基準電極との間の固定された電位関係を維持してもよい。これは、電気活性生成物の酸化または還元を引き起こし、電流を作用電極と対電極との間で流動させる。電流値は、作用電極における酸化還元反応の率に、具体的には、上記にさらに詳細に説明されるようなコットレル関係による、着目分析物の濃度に比例する。
【0261】
電流は、トランスインピーダンス増幅器によって電圧信号に変換され、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)を用いてデジタルビットストリームに量子化されてもよい。代替として、電流は、電流モードADCを用いてデジタルビットストリームに直接量子化されてもよい。電流のデジタル表現は、分析物監視デバイス内の埋設されたマイクロコントローラにおいて処理され、ブロードキャストまたは伝送のために無線通信モジュールに(例えば、1つまたはそれを上回る周辺デバイスに)中継されてもよい。いくつかの変形例では、マイクロコントローラは、データに付加的アルゴリズム処理を実施し、信号忠実度、正確度、および/または較正等を改良してもよい。
【0262】
いくつかの変形例では、電流のデジタル表現またはセンサ信号は、分析物監視デバイスによる分析物測定値(例えば、グルコース測定値)に相関してもよい。例えば、マイクロコントローラは、ファームウェア内のプログラムされたルーチンを実行し、デジタル信号を解釈し、任意の関連するアルゴリズムおよび/または他の分析を実施してもよい。分析を分析物監視デバイスにオンボードに保つことは、例えば、各接続されたデバイスが同一の情報を有することを確実にしながら、分析物監視デバイスが分析物測定値を複数のデバイスに並行してブロードキャストすることを可能にし得る。したがって、概して、ユーザの標的分析物(例えば、グルコース)値は、推定され、分析物監視デバイス内に記憶され、1つまたはそれを上回る周辺デバイスに通信されてもよい。
【0263】
データ交換が、モバイルアプリケーションによって、または分析物監視デバイスによってのいずれかで開始されることができる。例えば、分析物監視デバイスは、これが利用可能になる際に新しい分析物データをモバイルアプリケーションに通知してもよい。更新の頻度は、例えば、約5秒から約5分の間で変動してもよく、データのタイプに依存してもよい。加えて、または代替として、モバイルアプリケーションは、(例えば、モバイルアプリケーションが、切断に起因して等、これが収集したデータにおいてギャップを識別する場合)分析物監視デバイスからデータを要求してもよい。
【0264】
モバイルアプリケーションが、分析物監視デバイスに接続されない場合、モバイルアプリケーションは、センサ電子機器からデータを受信し得ない。しかしながら、分析物監視デバイスにおける電子機器は、各実際の、および/または推定された分析物データ点を記憶してもよい。モバイルアプリケーションが、分析物監視デバイスに再接続されると、これは、これが切断の周期の間に逃したデータを要求してもよく、分析物監視デバイス上の電子機器は、そのデータのセットも同様に伝送してもよい(例えば、バックフィル)。
【0265】
概して、モバイルアプリケーションは、モバイルアプリケーションを実行するモバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ上で等、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの分析物測定データの表示を提供するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、モバイルアプリケーションは、注意またはフォローアップアクションを要求する分析物測定値(例えば、高い分析物値、低い分析物値、高い変化率、事前設定された範囲外の分析物値等)をユーザに通知するため等、アラート、アラーム、傾向に関する洞察等の分析物測定値の分析に関してユーザインターフェースを通して通信してもよい。いくつかの変形例では、モバイルアプリケーションは、加えて、または代替として、後の読出のために記憶および/またはアーカイブのためのクラウドへの測定データの通信を促進してもよい。
分析物監視デバイスユーザインターフェースの解釈
【0266】
いくつかの変形例では、分析物測定データおよび/または分析物監視デバイスに関する情報が、分析物監視デバイスのユーザインターフェースを介して通信されてもよい。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスのユーザインターフェースは、コンピューティングデバイス上のモバイルアプリケーションを通して等、周辺デバイスを介してそのような情報を通信することに加えて、またはその代替として、ユーザに情報を通信するために使用されてもよい。故に、ユーザおよび/またはユーザの周囲の人は、別個のデバイス(例えば、周辺デバイスまたは分析物監視デバイスから遠隔にあり、それと通信する他のデバイス)を閲覧する必要性を伴わずに、分析物測定データ(例えば、現在の、および/または傾向的分析物測定レベル等の分析物測定ステータス)および/またはデバイスステータスの査定のために、分析物監視デバイス自体を容易かつ直感的に閲覧してもよい。分析物監視デバイス自体の上でそのような情報を直接利用できることはまた、ユーザおよび/またはユーザの周囲の人が、任意の懸念事項(例えば、標的範囲を上回る、または下回る分析物測定値、および/または大変な率で増加または減少している分析物測定値)をより早急にアラートされることを可能にし、それによって、ユーザが、適切な是正措置をより迅速に行うことを可能にし得る。
【0267】
例えば、図32A-32Cは、ユーザステータス(例えば、ユーザにおける分析物測定に関する情報)を通信するように選択的に照明され得る、インジケータライト3224a-3224cを含む、複数のインジケータライトを伴うユーザインターフェース3220を含む、分析物測定デバイス3200の例示的変形例を描写する。ユーザインターフェース3220は、例えば、図31Aおよび/または図31Bに関して上記に説明されるユーザインターフェース3120に類似し得る。ユーザインターフェース3220は、3つのインジケータライト3224a-3224cを含むが、いくつかの変形例では、ユーザインターフェース3220が、3つよりも少ないもの(例えば、1つ、2つ、)または3つを上回るもの(例えば、4つ、5つ、6つ、またはそれを上回るもの)を含む、任意の好適な数のライトを含み得ることを理解されたい。
【0268】
インジケータライト3224a-3224cは、それらの相対的位置が、ユーザがユーザインターフェースによって集合的に通信される情報を直感的に理解することに役立つように、順次的様式で配列されてもよい。例えば、3つのインジケータライト3224a-3224cは、概して、分析物測定値の3つの漸進的レベル(または範囲)を示すように照明されてもよく、最も低いインジケータライト3224aは、概して、3つのレベルのうちの最も低い分析物測定値を示すように照明されてもよく、中間のインジケータライト3224bは、概して、3つのレベルのうちの中間にある分析物測定値を示すように照明されてもよく、最も高いインジケータライト3224cは、概して、3つのレベルのうちの最も高い分析物測定値を示すように照明されてもよい。一例示的変形例では、最も低いインジケータライト3224aは、標的範囲内にある分析物測定値を示すように照明されてもよく(図32A)、中間のインジケータライト3224bは、標的範囲を上回る分析物測定値を示すように照明されてもよく(図32B)、最も高いインジケータライト3224cは、標的範囲を有意に上回る分析物測定値を示すように照明されてもよい(図32C)。別の例示的変形例では、最も低いインジケータライト3224aは、標的範囲を下回る分析物測定値を示すように照明されてもよく、中間のインジケータライト3224bは、標的範囲内にある分析物測定値を示すように照明されてもよく、最も高いインジケータライト3224cは、標的範囲を上回る分析物測定値を示すように照明されてもよい。
【0269】
標的範囲に関する閾値は、任意の好適な値であってもよい。例えば、グルコース監視が実施されているいくつかの変形例では、分析物測定値は、それらが約70mg/dL~約180mg/dL(または約80mg/dLまたは約60mg/dL~約170mg/dLまたは約190mg/dL等)である場合、標的範囲内であると見なされてもよく、それらが約70mg/dLを下回る(または約80mg/dLを下回る、または約60mg/dLを下回る等)場合、標的範囲を下回ると見なされてもよい。標的範囲を「上回る」ものおよび標的範囲を「有意に」上回るものに関する異なる閾値は、任意の好適な値を有してもよい。例えば、いくつかの変形例では、分析物測定値は、これが第1の所定の閾値を上回る(例えば、グルコース監視における高血糖症決定に関して約180mg/dLの閾値を上回る、またはグルコース監視における高血糖症決定に関して約170mg/dL~約200mg/dLである閾値を上回る)場合、標的範囲を「上回る」と見なされてもよく、分析物測定値は、第1の所定の閾値(例えば、グルコース監視における極端な高血糖症決定に関して>240mg/dL)を少なくとも33%上回る、または第1の所定の閾値を少なくとも約25%上回る、第1の所定の閾値を少なくとも約30%上回る、第1の所定の閾値を少なくとも35%上回る、または第1の所定の閾値を少なくとも40%上回る等、これが第1の所定の閾値または他の好適な第2の所定の閾値を所定の量(例えば、パーセンテージ)だけ上回る場合、標的範囲を「有意に上回る」と見なされてもよい。
【0270】
さらに、分析物測定値が標的範囲内である、または標的範囲を下回る、または標的範囲を「上回る」または標的範囲を「有意に上回る」と見なすための閾値(または分析物測定値の他の特徴付け)は、静的または動的であってもよい、および/または履歴測定値および/または傾向または他の履歴データ(例えば、特定の時間におけるユーザに関する平均または予期される分析物測定値または平均または予期される変化率に対して)等のユーザ情報に基づいて変動してもよい。さらに、ユーザインターフェース3220が、3つの順次的インジケータライトを含むが、他の変形例では、分析物監視デバイスの筐体上のユーザインターフェースが、分析物測定値を示すように個々に同様に照明され得る、より少ないもの(例えば、2つ)またはより多いもの(例えば、4つ、5つ、6つ、またはそれを上回るもの)(例えば、それぞれ、分析物測定値の一般的相対レベルに対応する)を含み得ることを理解されたい。
【0271】
いくつかの変形例では、インジケータライト3224a-3224cのうちの1つまたはそれを上回るものに関する異なる照明色および/またはタイミングが、加えて、または代替として、ユーザが、各分析物測定レベルを容易に区別することを可能にし得る。例えば、分析物測定値が、標的範囲内にあるとき、適切なインジケータライトは、第1の色(例えば、青色)において照明されてもよい一方、分析物測定値が、標的範囲外にあるとき、適切なインジケータライトは、別の色(例えば、標的範囲を下回るものに関して白色、標的範囲を上回るものに関して橙色)において照明されてもよい。別の実施例として、分析物測定値が、標的範囲内にあるとき、適切なインジケータライトは、第1の時間的パターン(例えば、照明「オン」時間の長い穏やかなパルス)において照明されてもよい一方、分析物測定値が、標的範囲外にあるとき、適切なインジケータライトは、別の時間的パターン(例えば、照明「オン」時間の短い閃光様パルス)において照明されてもよい。照明「オン」時間のより短いパルスは、例えば、分析物測定値が、標的範囲を下回る、標的範囲を上回る、または標的範囲を有意に上回るとき、ユーザの注意をより良好に引き付ける、および/またはアラートをより直感的に通信するために有用であり得る。より高い周波数の照明は、いくつかの変形例では、さらなるアラートレベル(例えば、標的範囲を有意に下回る、または標的範囲を有意に上回る)に相関してもよい。
【0272】
図33A-33Dおよび表2は、分析物監視デバイスのユーザインターフェース3220を動作させる例示的方法において使用される異なる照明モードを図示する。これらの照明モードの厳密なパラメータ値は、非限定的であり、例証的目的としてのみ例示的変形例に関して含まれる。例えば、「標的範囲を下回る」照明モードでは、照明色は、任意の好適な色であってもよい、および/または照明「オン」時間は、約0.1秒~1秒、約0.2秒~0.5秒、または約0.3秒であってもよい、および/または照明「オフ」時間は、約0.5秒~約5秒、または約1秒~約4秒、または約2秒~約4秒、または約3秒であってもよい、および/または照明「オン」時間と照明「オフ」時間との間の比は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、および/または他の好適な照明パラメータであってもよい。別の実施例として、「標的範囲内」照明モードおよび/または「標的範囲を上回る」照明モードでは、照明色は、任意の好適な色であってもよい、および/または照明「オン」時間は、約0.1秒~約3秒、約0.5秒~約2秒、または約1秒であってもよい、および/または照明「オフ」モードは、約0.5秒~約5秒、または約1秒~約4秒、または約2秒~約4秒、または約3秒であってもよい、および/または照明「オン」時間と照明「オフ」時間との間の比は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、および/または他の好適な照明パラメータであってもよい。別の実施例として、「標的範囲を有意に上回る」では、照明色は、任意の好適な色であってもよい、および/または照明「オン」時間は、約0.2秒~2秒、約0.5秒~約1.5秒、または約0.8秒であってもよい、および/または照明「オフ」時間は、約0.5秒~約5秒、または約1秒~約4秒、または約2秒~約4秒、または約3秒、および/または他の好適な照明パラメータであってもよい。さらに、分析物測定レベルを示すためのより少ないまたはより多い照明モードが、他の変形例において可能であり得る。
【表2】
【0273】
加えて、または代替として、いくつかの変形例では、インジケータライト3224a-3224cは、経時的な分析物測定値の傾向情報を示すために、漸進的シーケンスで照明されてもよい。例えば、図34Aに示されるように、最も低いインジケータライトから最も高いインジケータライトへの第1の方向におけるインジケータライト3224a-3224cの照明の漸進的シーケンス(例えば、インジケータライト3224a、続けてインジケータライト3244b、続けてインジケータライト3224c)は、増加する分析物測定値の傾向を直感的に示し得る。いくつかの変形例では、照明の漸進的シーケンスは、任意の好適な照明色を有し得る。いくつかの変形例では、インジケータライトのそのような上昇する順次的照明は、現在の分析物測定値が標的範囲内にあり、上昇しているか、または現在の分析物測定値が標的範囲を上回り、上昇しているかのいずれかを示すための好適な色であってもよい。例えば、図34Aは、現在の分析物測定値が標的範囲内にあり、上昇していることを示すための第1の色(例えば、青色)における上昇する漸進的照明を図示する一方、図34Bは、現在の分析物測定値が標的範囲を上回り(または有意に上回り)、上昇していることを示すための第2の色(例えば、橙色)における上昇する漸進的照明を図示する。また別の実施例として、第3の色(例えば、白色)における上昇する漸進的照明が、現在の分析物測定値が標的範囲を下回り(または有意に下回り)、上昇していることを示してもよい。
【0274】
別の実施例として、図34Cに示されるように、最も高いインジケータライトから最も低いインジケータライトへの第2の方向(例えば、第1の方向の反対方向)におけるインジケータライト3224a-3224cの照明の漸進的シーケンス(例えば、インジケータライト3224c、続けてインジケータライト3244b、続けてインジケータライト3224a)は、減少する分析物測定値の傾向を直感的に示し得る。図34Aおよび34Bに関して上記に説明されるものと同様に、インジケータライトの照明のそのような下降する漸進的シーケンスは、下降している現在の分析物測定値のステータスを示すための好適な色であってもよい(例えば、現在の分析物測定値が標的範囲内であり、下降していることを示すための第1の色(例えば、青色)における下降する漸進的照明、現在の分析物測定値が標的範囲を上回り(または有意に上回り)、下降していることを示すための第2の色(例えば、橙色)における下降する漸進的照明)、または第3の色(例えば、白色)における下降する漸進的照明が、現在の分析物測定値が標的範囲を下回り(または有意に下回り)、下降していることを示してもよい。
【0275】
照明の漸進的シーケンスの他の変形例も、分析物測定傾向を同様に示すために使用され得ることを理解されたい。例えば、インジケータライトの1次元アレイ(例えば、行、列、円弧等において配列される)が、上昇する分析物測定傾向を示すために、アレイの第1の端部からアレイの第2の端部まで漸進的シーケンスで照明され、下降する分析物測定傾向を示すために、アレイの第2の端部からアレイの第1の端部まで漸進的シーケンスで照明されてもよい。例えば、照明の漸進的シーケンスは、左から右、右から左、上から下、下から上、時計回り、反時計回り等として特徴付けられてもよい。さらに、ユーザインターフェース3220は、3つの順次的インジケータライトを含むが、他の変形例では、分析物監視デバイスの筐体上のユーザインターフェースが、上昇および/または下降する分析物測定傾向を示すように漸進的シーケンスで同様に照明され得る、より少ないもの(例えば、2つ)またはより多いもの(例えば、4つ、5つ、6つ、またはそれを上回るもの)を含み得ることを理解されたい。
【0276】
いくつかの変形例では、インジケータライトを横断する照明の各上昇または下降するシーケンス内で、隣接するインジケータライトの照明は、照明「オフ」周期によって散在してもよい。さらに、いくつかの変形例では、照明がインジケータライトの間で遷移するペースは、分析物測定値の変化率を示してもよい。例えば、照明が最も低いインジケータライトから最も高いインジケータライトに速く遷移するほど、変化率は、より速い(および潜在的に、傾向に対するユーザ注意の緊急性または必要性がより高い)。加えて、または代替として、インジケータライトを横断する照明の各上昇または下降するシーケンスは、上昇するシーケンスと下降するシーケンスとを区別することに役立つために、シーケンス終了照明「オフ」時間によって分離されてもよい。シーケンス終了照明「オフ」時間は、各シーケンス内の照明「オフ」周期よりも長くてもよい。いくつかの変形例では、照明の各上昇または下降するシーケンスの開始または終了は、加えて、または代替として、任意の好適な様式で区切られてもよい(例えば、上昇または下降するシーケンスの開始または終了時に全てのライトを同時に照明する)。
【0277】
表3は、分析物測定傾向を示すために、分析物監視デバイスのユーザインターフェース3220を動作させる例示的方法において使用される異なる照明モードを図示する。これらの照明モードの厳密なパラメータ値は、非限定的であり、例証的目的としてのみ例示的変形例に関して含まれる。例えば、照明の漸進的シーケンス(例えば、いずれか1つまたはそれを上回る好適な照明モードに関する)では、照明色は、任意の好適な色であってもよい、および/または照明「オン」時間は、約0.1秒~1秒、約0.2秒~0.5秒、または約0.3秒であってもよい、および/または隣接するインジケータライトの照明の間の照明「オフ」時間は、約0.05秒~約1秒、約0.1秒~約0.5秒、または約0.18秒であってもよい、および/または照明「オン」時間と照明「オフ」時間との間の比は、約1、約1.5、または約2であってもよい、および/またはシーケンス終了は、約2秒~約5秒、または約3秒にわたる照明「オフ」によって指定されてもよい。さらに、分析物測定傾向を示すためのより少ないまたはより多い照明モードが、他の変形例において可能であり得る。
【表3-1】

【表3-2】
【0278】
加えて、または代替として、インジケータライト3222が、デバイスステータスを通信するように選択的に照明されてもよい。上記に説明されるものと同様に、照明の色および/またはタイミングが、異なるデバイスステータスを示すために、所定の様式で変動されてもよい。ステータスは、例えば、ウォームアップ周期通知、寿命終わり通知、センサ不良状態通知、センサ故障モード(例えば、不適切な挿入)通知、低バッテリ通知、および/またはデバイスエラー通知を含んでもよい。さらに、任意の好適な数のインジケータライトが、異なるデバイスステータスを示すために、個々に、および/または集合的に(例えば、順番に、または同時に)照明されてもよい。例えば、図35Aに示されるように、インジケータライト3222を含むユーザインターフェースは、デバイス「待機」モードを示すために、第1の照明モード(例えば、白色等の第1の照明色および/または第1の時間的照明パターン)において照明されてもよい。待機モードは、例えば、デバイスウォームアップ周期(本明細書の別の場所に説明されるような)、一時的エラーの検出(例えば、圧力誘発センサ減衰の検出)に対応してもよい。別の実施例として、図35Bに示されるように、インジケータライト3222を含むユーザインターフェースは、デバイス「寿命終わり」モード(例えば、下記に説明されるもの等の所定の装着周期の終了の決定、恒久的エラーの検出等)を示すために、第2の照明モード(例えば、赤色等の第2の照明色および/または第2の時間的照明パターン)において照明されてもよい。
【0279】
表4は、デバイスステータスを示すために、分析物監視デバイスのユーザインターフェースを動作させる例示的方法において使用される異なる照明モードを図示する。これらの照明モードの厳密なパラメータ値は、非限定的であり、例証的目的としてのみ例示的変形例に関して含まれる。例えば、「待機」照明モードでは、照明色は、任意の好適な色であってもよい、および/または照明「オン」時間は、約0.1秒~約3秒、約0.5秒~約2秒、または約1秒であってもよい、および/または照明「オフ」モードは、約0.5秒~約5秒、または約1秒~約4秒、または約2秒~約4秒、または約3秒であってもよい、および/または照明「オン」時間と照明「オフ」時間との間の比は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、および/または他の好適な照明パラメータであってもよい。別の実施例として、「寿命終わり」照明モードでは、照明色は、任意の好適な色であってもよい、および/または照明「オン」時間は、約0.01秒~約1秒、約0.01秒~約0.5秒、約0.01秒~約0.3秒、約0.01秒~約0.1秒、または約0.04秒であってもよい、および/または照明「オフ」時間は、約1秒~約10秒、約3秒~約8秒、または約6秒であってもよい、および/または照明「オン」時間と照明「オフ」時間との間の比は、約0.3、約0.2、約0.1、約0.05、約0.01、または約0.01未満、および/または他の好適な照明パラメータであってもよい。2つのみの照明モードが、示されるが、いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、上記のステータス毎に等、より少ないまたはより多い照明モード(例えば、デバイスウォームアップ周期に関する第1の照明モード、一時的エラーの検出に関する第2の照明モード、デバイス寿命の終わりの決定に関する第3の照明モード、恒久的エラーの検出に関する第4の照明モード等)を有してもよい。
【表4】
【0280】
いくつかの変形例では、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光検出器、または他の好適な周囲光センサが、本デバイスのすぐ近くの環境における照明レベルを測定するために採用されてもよい。周囲光測定は、例えば、電力節約モードにおいてバッテリ残量を節約するために、種々の照明シナリオ下のコントラストを改良するために、および/または他の個人へのデバイス可視性を低減させるために、ユーザインターフェース(例えば、ディスプレイ、インジケータライト等)の輝度の調節(例えば、調光)をトリガするために使用されてもよい。例えば、分析物監視デバイスは、本デバイスが装着者の衣類の下に設置されているとき、または装着者が暗い環境において眠っているとき等、周囲光センサからの測定値が周囲光の全般的不在(例えば、少なくとも所定の時間周期にわたる十分な暗さ)を示すことに応答して、電力節約モードに入ってもよい。これらのシナリオでは、電力節約モードは、インジケータライトが、(例えば、衣類の下で)隠され、装着者の視界にないときに限定された有用性を有し得る、または別様に(例えば、眠りの間に)迷惑なものとして知覚され得る等のため、実践的であり得る。周囲光センサからの測定値が周囲光への暴露(例えば、少なくとも所定の時間周期にわたる十分な輝度)を示すことに応答して、分析物監視デバイスは、次いで、電力節約モードを終了し、それに応じて、ユーザインターフェースの輝度を増加させてもよい。
付加的システム機能
【0281】
いくつかの変形例では、モバイルアプリケーションは、ユーザが分析物監視デバイスの寿命および交換を管理することに役立ち得る。例えば、モバイルアプリケーションは、分析物監視デバイスの装着周期が経過すると、データ表示を終了させてもよい。いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、従来のCGMデバイスと比較して、強化された長寿命を有してもよい。例えば、本明細書に説明される分析物監視デバイスは、性能における重大な損失を伴わずに、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも10日、または少なくとも12日、5日~10日、10日~14日等の装着周期(例えば、意図される寿命)を有してもよい。
【0282】
加えて、または代替として、モバイルアプリケーションは、装着周期が経過しようとしているという構成可能なアラートをユーザに提供してもよく、これは、現在の分析物監視デバイスが、依然としてアクティブであるが、終了が迫っているとき、ユーザが新しい分析物監視デバイスを適用することを可能にする。加えて、新しい分析物監視デバイスは、古いユニットが依然として分析物測定値を配信している間にウォームアップすることができる(典型的には、約30分~約2時間)。古い分析物監視デバイスは、次いで、終了に応じて除去されることができる。新しい分析物監視デバイスは、次いで、分析物測定値をモバイルアプリケーションに配信する一次センサになり得る。これは、分析物測定値に関する中断されない有効範囲を提供し得る。加えて、古い分析物監視デバイスからの読取値は、新しい分析物監視デバイスの正確度を較正またはアルゴリズム的に改良するために使用されてもよい。
【0283】
いくつかの変形例では、分析物監視デバイスは、(例えば、電子機器システム内に位置する)マイクロコントローラ内に含有される一意のシリアル番号を有してもよい。本シリアル番号は、センサが、製造から製品の使用全体を通して追跡されることを可能にし得る。例えば、製造および顧客使用を含むセンサデバイス履歴記録が、伝送され、クラウドデータベース内に記憶されてもよい。これは、個々のユーザおよびセンサロットに関するセンサ性能メトリックおよび改良、現場データから製造または供給業者問題に遡っての欠陥のあるセンサロットの非常に迅速な追跡、個々のユーザのための個人化された健康監視特徴等の種々のパラメータに対する追跡および推論が行われることを可能にする。
【0284】
いくつかの変形例では、本システムは、倉庫保管から購入取引、製品使用まで分析物監視デバイスの在庫を追跡することが可能であり得、これは、本システムが、(例えば、ユーザが分析物監視デバイスを使い果たさないことを確実にするために)タイムリーな注文のフルフィルメントにおいてユーザを支援することを可能にし得る。加えて、または代替として、フルフィルメントは、監視デバイス利用が追跡されるため、自動的に実行されることができ、タイムリーな配送が、センサ供給が決して枯渇しないことを確実にすることに役立つために、ユーザの自宅まで行われることができる(例えば、「ジャストインタイム」配送)。これは、仮想または電子薬局、物流センター、および/またはAmazonTM等のウェブベースの販売ポータルとインターフェースをとることができる。
【0285】
ウェブポータルを通して、クラウドインフラストラクチャはまた、ユーザが、自身のリアルタイムおよび履歴のグルコースデータ/傾向を閲覧し、該データを介護者、自身の保健医療提供者、支援ネットワーク、および/または他の好適な人物と共有することを可能にし得る。
列挙される実施形態
【0286】
実施形態I-1.分析物を感知する際の使用のための微小針アレイであって、
複数の中実微小針であって、少なくとも1つの微小針は、
絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、
テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と、
を備える、複数の中実微小針を備える、微小針アレイ。
【0287】
実施形態I-2.電極は、少なくとも1つの分析物を感知するように構成される、作用電極であり、少なくとも1つの微小針は、作用電極にわたって配列される、生体認識層を備え、生体認識層は、生体認識要素を備える、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0288】
実施形態I-3.生体認識要素は、酵素を含む、実施形態I-2に記載の微小針アレイ。
【0289】
実施形態I-4.酵素は、酸化還元酵素である、実施形態I-3に記載の微小針アレイ。
【0290】
実施形態I-5.酸化還元酵素は、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、およびキサンチン酸化酵素のうちの少なくとも1つである、実施形態I-4に記載の微小針アレイ。
【0291】
実施形態I-6.酸化還元酵素は、グルコース酸化酵素である、実施形態I-4に記載の微小針アレイ。
【0292】
実施形態I-7.生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋される、実施形態I-2に記載の微小針アレイ。
【0293】
実施形態I-8.アミン縮合カルボニル化学種は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、およびスクシンアルデヒドのうちの少なくとも1つである、実施形態I-7に記載の微小針アレイ。
【0294】
実施形態I-9.アミン縮合カルボニル化学種は、グルタルアルデヒドである、実施形態I-7に記載の微小針アレイ。
【0295】
実施形態I-10.少なくとも1つの微小針は、生体認識層にわたって配列される、拡散限定層および親水性層のうちの少なくとも1つを備える、実施形態I-2に記載の微小針アレイ。
【0296】
実施形態I-11.微小針アレイは、電流をソースまたはシンクし、作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成される、対電極を備える、少なくとも1つの微小針を備える、実施形態I-2に記載の微小針アレイ。
【0297】
実施形態I-12.微小針アレイは、作用電極に関する基準電位を提供するように構成される、基準電極を備える、少なくとも1つの微小針を備える、実施形態I-2に記載の微小針アレイ。
【0298】
実施形態I-13.基準電極にわたって配列される、伝導ポリマーをさらに備える、実施形態I-12に記載の微小針アレイ。
【0299】
実施形態I-14.伝導ポリマーは、ドーパントを含む、実施形態I-13に記載の微小針アレイ。
【0300】
実施形態I-15.基準電極は、安定した電極電位を伴う金属酸化物を含む、実施形態I-13に記載の微小針アレイ。
【0301】
実施形態I-16.金属酸化物は、酸化イリジウムを含む、実施形態I-15に記載の微小針アレイ。
【0302】
実施形態I-17.基準電極は、安定した電極電位を伴う金属塩を含む、実施形態I-13に記載の微小針アレイ。
【0303】
実施形態I-18.金属塩は、塩化銀を含む、実施形態I-17に記載の微小針アレイ。
【0304】
実施形態I-19.電極の全体は、少なくとも1つの微小針のテーパ状遠位部分上にある、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0305】
実施形態I-20.電極は、触媒面を備える、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0306】
実施形態I-21.触媒面は、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金、ルテニウム、チタン、ニッケル、炭素、およびドープダイヤモンドのうちの少なくとも1つを含む、実施形態I-20に記載の微小針アレイ。
【0307】
実施形態I-22.少なくとも1つの微小針は、電極にわたって配列される、白金黒を含む、実施形態I-20に記載の微小針アレイ。
【0308】
実施形態I-23.電極の遠位端は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ遠位頂点からオフセットされ、オフセット距離は、少なくとも1つの微小針の縦方向軸に沿って測定される、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0309】
実施形態I-24.電極は、環状である、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0310】
実施形態I-25.作用電極の一部は、テーパ状遠位部分の中に陥凹される、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0311】
実施形態I-26.電極は、テーパ状遠位部分のある区画のみの上にある、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0312】
実施形態I-27.電気接点をさらに備え、少なくとも1つの微小針は、電気接点と電極との間の伝導性経路を提供する、本体部分を備える、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0313】
実施形態I-28.本体部分は、伝導性材料から形成される、実施形態I-27に記載の微小針アレイ。
【0314】
実施形態I-29.本体部分は、埋設された経路を備える、実施形態I-27に記載の微小針アレイ。
【0315】
実施形態I-30.本体部分は、絶縁される、実施形態I-27に記載の微小針アレイ。
【0316】
実施形態I-31.本体部分は、円形、正方形、または八角形基部を有する、実施形態I-27に記載の微小針アレイ。
【0317】
実施形態I-32.本体部分の少なくともある区画は、柱状である、実施形態I-27に記載の微小針アレイ。
【0318】
実施形態I-33.本体部分の少なくともある区画は、錐状である、実施形態I-27に記載の微小針アレイ。
【0319】
実施形態I-34.本体部分の少なくとも一部は、本体部分の基部に対して測定される第1のテーパ角を有し、遠位頂点は、基部に対して測定される第2のテーパ角を有し、第2のテーパ角は、第1のテーパ角を上回る、実施形態I-33に記載の微小針アレイ。
【0320】
実施形態I-35.微小針の本体部分および遠位部分のうちの少なくとも1つは、半径方向に非対称である、実施形態I-34に記載の微小針アレイ。
【0321】
実施形態I-36.テーパ状遠位部分は、少なくとも1つの微小針の遠位頂点からオフセットされる平面表面を備える、実施形態I-35に記載の微小針アレイ。
【0322】
実施形態I-37.複数の微小針における微小針はそれぞれ、
絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、
テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と、
を備える、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0323】
実施形態I-38.複数の微小針の微小針は、相互から電気的に絶縁される、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0324】
実施形態I-39.微小針アレイは、複数の分析物を検出するように構成される、実施形態I-38に記載の微小針アレイ。
【0325】
実施形態I-40.複数の微小針の微小針は、周期的グリッドにおいて配列される、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0326】
実施形態I-41.周期的グリッドは、長方形アレイを備える、実施形態I-40に記載の微小針アレイ。
【0327】
実施形態I-42.周期的グリッドは、六角形アレイを備える、実施形態I-40に記載の微小針アレイ。
【0328】
実施形態I-43.周期的グリッドにおける微小針は、約200μm~約800μmの距離だけ離間される、実施形態I-40に記載の微小針アレイ。
【0329】
実施形態I-44.周期的グリッドにおける微小針は、均一に離間される、実施形態I-40に記載の微小針アレイ。
【0330】
実施形態I-45.複数の微小針は、管腔を伴う少なくとも1つの送達微小針を備える、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0331】
実施形態I-46.少なくとも1つの微小針は、ユーザの皮膚を穿刺し、ユーザの真皮層内の間質液中の分析物を感知するように構成される、実施形態I-1に記載の微小針アレイ。
【0332】
実施形態I-47.実施形態I-1に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、微小針アレイは、筐体から外向きに延在する、分析物監視システム。
【0333】
実施形態I-48.少なくとも1つの微小針は、電極の遠位端が、筐体から約5mm未満に位置するように、筐体から延在する、実施形態I-47に記載のシステム。
【0334】
実施形態I-49.少なくとも1つの微小針は、電極の遠位端が、筐体から約1mm未満に位置するように、筐体から延在する、実施形態I-48に記載のシステム。
【0335】
実施形態I-50.筐体は、プロセッサおよび無線通信モジュールのうちの少なくとも1つを備える、電子機器システムを封入する、実施形態I-47に記載のシステム。
【0336】
実施形態I-51.電子機器システムは、無線通信モジュールを備え、本システムはさらに、無線通信モジュールとペアリングされるべきモバイルコンピューティングデバイス上で実行可能なソフトウェアアプリケーションを備える、実施形態I-50に記載のシステム。
【0337】
実施形態I-52.筐体は、ステータス情報を通信するように構成される、1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、実施形態I-47に記載のシステム。
【0338】
実施形態I-53.インジケータライトのうちの少なくとも1つは、分析物測定ステータスに対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成される、実施形態I-52に記載のシステム。
【0339】
実施形態I-54.インジケータライトのうちの少なくとも1つは、選択的に照明され、現在の分析物測定レベルを通信するように構成される、実施形態I-53に記載のシステム。
【0340】
実施形態I-55.ユーザインターフェースは、漸進的シーケンスで選択的に照明され、分析物測定傾向を通信するように構成される、複数のインジケータライトを備える、実施形態I-53に記載のシステム。
【0341】
実施形態I-56.複数のインジケータライトは、第1の方向に第1の漸進的シーケンスで選択的に照明され、上昇する分析物測定傾向を通信するように構成され、さらに、第2の方向に第2の漸進的シーケンスで選択的に照明され、下降する分析物測定傾向を通信するように構成される、実施形態I-55に記載のシステム。
【0342】
実施形態I-57.ユーザインターフェースはさらに、分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信するように構成される、実施形態I-52に記載のシステム。
【0343】
実施形態I-58.筐体をユーザの皮膚に結合するように構成される、接着剤をさらに備える、実施形態I-47に記載のシステム。
【0344】
実施形態I-59.分析物監視システムの少なくとも一部をユーザの皮膚に適用するように構成される、適用器をさらに備える、実施形態I-47に記載のシステム。
【0345】
実施形態I-60.分析物監視システムは、皮膚接着パッチである、実施形態I-47に記載のシステム。
【0346】
実施形態I-61.複数の微小針は、管腔を伴う少なくとも1つの送達微小針を備える、実施形態I-47に記載のシステム。
【0347】
実施形態I-62.複数の微小針は、治療物質を含むコーティングを備える、少なくとも1つの中実微小針を備える、実施形態I-47に記載のシステム。
【0348】
実施形態I-63.治療物質は、インスリン、グルカゴン、メトホルミン、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、イソブチルフェニルプロピオン酸、レボドパ、スタチン、ヒドロコドン、オピオイド、非ステロイド性抗炎症薬、麻酔剤、鎮痛剤、抗痙攣薬、抗鬱剤、抗精神病薬、鎮静剤、弛緩薬、ホルモン剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤のうちの少なくとも1つを含む、実施形態I-62に記載のシステム。
【0349】
実施形態I-64.ユーザを監視するための方法であって、
分析物監視デバイスを用いて、ユーザの体液にアクセスするステップと、
分析物監視デバイスを使用して、体液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップと、
を含み、分析物監視デバイスは、複数の中実微小針を備え、少なくとも1つの微小針は、絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、
テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と、
を備える、方法。
【0350】
実施形態I-65.体液は、ユーザの真皮間質液を含む、実施形態I-64に記載の方法。
【0351】
実施形態I-66.1つまたはそれを上回る分析物は、グルコースを含む、実施形態I-64に記載の方法。
【0352】
実施形態I-67.分析物を感知する際の使用のための微小針アレイであって、
複数の中実微小針であって、少なくとも1つの微小針は、
絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、
テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極の遠位端は、遠位頂点からオフセットされる、電極と、
を備える、複数の中実微小針を備える、微小針アレイ。
【0353】
実施形態I-68.電極は、少なくとも1つの分析物を感知するように構成される、作用電極であり、少なくとも1つの微小針は、作用電極にわたって配列される、生体認識層を備え、生体認識層は、生体認識要素を備える、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0354】
実施形態I-69.生体認識要素は、グルコース酸化酵素を含む、実施形態I-68に記載の微小針アレイ。
【0355】
実施形態I-70.電極の遠位端は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ遠位頂点からオフセットされ、オフセット距離は、少なくとも1つの微小針の縦方向軸に沿って測定される、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0356】
実施形態I-71.電極は、環状である、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0357】
実施形態I-72.少なくとも1つの微小針において、作用電極の一部は、テーパ状遠位部分の中に陥凹される、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0358】
実施形態I-73.電極は、テーパ状遠位部分のある区画のみの上にある、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0359】
実施形態I-74.電気接点をさらに備え、少なくとも1つの微小針は、電気接点と電極との間の伝導性経路を提供する、本体部分を備える、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0360】
実施形態I-75.複数の微小針における微小針はそれぞれ、
絶縁された遠位頂点を有する、テーパ状遠位部分と、
テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極と、
を備える、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0361】
実施形態I-76.微小針アレイは、複数の作用電極を備え、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0362】
実施形態I-77.微小針アレイは、複数の分析物を検出するように構成される、実施形態I-76に記載の微小針アレイ。
【0363】
実施形態I-78.複数の微小針の微小針は、六角形アレイにおいて配列される、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0364】
実施形態I-79.少なくとも1つの微小針は、ユーザの皮膚を穿刺し、ユーザの真皮層内の間質液中の分析物を感知するように構成される、実施形態I-67に記載の微小針アレイ。
【0365】
実施形態I-80.実施形態I-67に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、微小針アレイは、筐体から外向きに延在する、分析物監視システム。
【0366】
実施形態I-81.少なくとも1つの微小針は、電極の遠位端が、筐体から約5mm未満に位置するように、筐体から延在する、実施形態I-80に記載のシステム。
【0367】
実施形態I-82.筐体は、無線通信モジュールを備える、電子機器システムを封入し、本システムはさらに、無線通信モジュールとペアリングされるべきモバイルコンピューティングデバイス上で実行可能なソフトウェアアプリケーションを備える、実施形態I-80に記載のシステム。
【0368】
実施形態I-83.筐体は、ステータス情報を通信するように構成される、1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、ユーザインターフェースを備える、実施形態I-80に記載のシステム。
【0369】
実施形態I-84.インジケータライトのうちの少なくとも1つは、分析物測定ステータスに対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成される、実施形態I-83に記載のシステム。
【0370】
実施形態I-85.分析物監視システムは、皮膚接着パッチを備える、実施形態I-83に記載のシステム。
【0371】
実施形態I-86.分析物監視デバイスを滅菌する方法であって、
分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露するステップであって、分析物監視デバイスは、装着可能筐体を備え、微小針アレイが、筐体から延在し、分析物センサを備え、電子機器システムが、筐体内に配列され、微小針アレイに電気的に結合される、ステップを含み、分析物監視デバイスは、分析物監視デバイスを滅菌するために十分な滞留時間にわたって滅菌剤ガスに暴露される、方法。
【0372】
実施形態I-87.滅菌剤ガスは、酸化滅菌のために好適である、実施形態I-86に記載の方法。
【0373】
実施形態I-88.滅菌剤ガスは、エチレンオキシドを含む、実施形態I-87に記載の方法。
【0374】
実施形態I-89.分析物センサは、電極を備える、実施形態I-86に記載の方法。
【0375】
実施形態I-90.分析物センサは、電極にわたって配列される、生体認識層を備え、生体認識層は、生体認識要素を備える、実施形態I-89に記載の方法。
【0376】
実施形態I-91.生体認識要素は、酵素を含む、実施形態I-90に記載の方法。
【0377】
実施形態I-92.酵素は、酸化還元酵素である、実施形態I-91に記載の方法。
【0378】
実施形態I-93.酸化還元酵素は、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、およびキサンチン酸化酵素のうちの少なくとも1つである、実施形態I-92に記載の方法。
【0379】
実施形態I-94.酸化還元酵素は、グルコース酸化酵素である、実施形態I-92に記載の方法。
【0380】
実施形態I-95.生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋される、実施形態I-90に記載の方法。
【0381】
実施形態I-96.アミン縮合カルボニル化学種は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、およびスクシンアルデヒドのうちの少なくとも1つである、実施形態I-95に記載の方法。
【0382】
実施形態I-97.アミン縮合カルボニル化学種は、グルタルアルデヒドである、実施形態I-95に記載の方法。
【0383】
実施形態I-98.生体認識層は、少なくとも部分的に、生体認識要素を架橋し、架橋された生体認識要素集合体を形成し、架橋された生体認識要素集合体を伝導ポリマー中に埋設することによって形成される、実施形態I-90に記載の方法。
【0384】
実施形態I-99.架橋された生体認識要素集合体を埋設するステップは、少なくとも閾値分子量を有する架橋された生体認識要素集合体のみを埋設するステップを含む、実施形態I-98に記載の方法。
【0385】
実施形態I-100.分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露するステップは、滅菌剤ガスを、分析物監視デバイスを含有するコンパートメントの中に注入し、コンパートメントを滅菌温度まで加熱するステップを含む、実施形態I-86に記載の方法。
【0386】
実施形態I-101.滅菌温度は、摂氏約45度を下回り、滞留時間は、少なくとも約2時間である、実施形態I-100に記載の方法。
【0387】
実施形態I-102.分析物監視デバイスを滅菌剤ガスに暴露することに先立って、分析物監視デバイスを事前調整するステップをさらに含み、分析物を事前調整するステップは、分析物監視デバイスを蒸気に暴露するステップを含む、実施形態I-86に記載の方法。
【0388】
実施形態I-103.分析物監視デバイスのための微小針アレイであって、
複数の中実感知微小針であって、各感知微小針は、
分析物を感知するように構成される、作用電極を備える、テーパ状遠位部分と、
伝導性接続を作用電極に提供する、本体部分と、
を備え、各感知微小針の本体部分は、各作用電極が、個々にアドレス指定可能であり、微小針アレイにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離されるように、絶縁される、複数の中実感知微小針を備える、微小針アレイ。
【0389】
実施形態I-104.少なくとも1つの感知微小針は、作用電極にわたって配列される、生体認識層を備え、生体認識層は、生体認識要素を備える、実施形態I-103に記載の微小針アレイ。
【0390】
実施形態I-105.生体認識要素は、酵素を含む、実施形態I-104に記載の微小針アレイ。
【0391】
実施形態I-106.酵素は、酸化還元酵素である、実施形態I-105に記載の微小針アレイ。
【0392】
実施形態I-107.酸化還元酵素は、乳酸酸化酵素、アルコール酸化酵素、β-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、チロシナーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵素、ピルビン酸酸化酵素、尿酸酸化酵素、ウレアーゼ、およびキサンチン酸化酵素のうちの少なくとも1つである、実施形態I-106に記載の微小針アレイ。
【0393】
実施形態I-108.酸化還元酵素は、グルコース酸化酵素である、実施形態I-106に記載の微小針アレイ。
【0394】
実施形態I-109.生体認識要素は、アミン縮合カルボニル化学種と架橋される、実施形態I-104に記載の微小針アレイ。
【0395】
実施形態I-110.アミン縮合カルボニル化学種は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マロンアルデヒド、およびスクシンアルデヒドのうちの少なくとも1つである、実施形態I-109に記載の微小針アレイ。
【0396】
実施形態I-111.アミン縮合カルボニル化学種は、グルタルアルデヒドである、実施形態I-109に記載の微小針アレイ。
【0397】
実施形態I-112.少なくとも1つの感知微小針は、生体認識層にわたって配列される、拡散限定層および親水性層のうちの少なくとも1つを備える、実施形態I-104に記載の微小針アレイ。
【0398】
実施形態I-113.微小針アレイはさらに、電流をソースまたはシンクし、少なくとも1つの感知微小針の作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成される、対電極を備える、少なくとも1つの微小針を備える、実施形態I-103に記載の微小針アレイ。
【0399】
実施形態I-114.複数の微小針は、作用電極に関する基準電位を提供するように構成される、基準電極を備える、少なくとも1つの微小針を備える、実施形態I-103に記載の微小針アレイ。
【0400】
実施形態I-115.基準電極にわたって配列される、伝導ポリマーをさらに備える、実施形態I-114に記載の微小針アレイ。
【0401】
実施形態I-116.伝導ポリマーは、ドーパントを含む、実施形態I-115に記載の微小針アレイ。
【0402】
実施形態I-117.基準電極は、安定した電極電位を伴う金属酸化物を含む、実施形態I-114に記載の微小針アレイ。
【0403】
実施形態I-118.金属酸化物は、酸化イリジウムを含む、実施形態I-117に記載の微小針アレイ。
【0404】
実施形態I-119.基準電極は、安定した電極電位を伴う金属塩を含む、実施形態I-114に記載の微小針アレイ。
【0405】
実施形態I-120.金属塩は、塩化銀を含む、実施形態I-119に記載の微小針アレイ。
【0406】
実施形態I-121.少なくとも1つの感知微小針において、テーパ状遠位部分は、絶縁された遠位頂点を備え、作用電極は、絶縁された遠位頂点の近位にある、実施形態I-103に記載の微小針アレイ。
【0407】
実施形態I-122.作用電極の遠位端は、少なくとも約10μmのオフセット距離だけ遠位頂点からオフセットされ、オフセット距離は、少なくとも1つの感知微小針の縦方向軸に沿って測定される、実施形態I-121に記載の微小針アレイ。
【0408】
実施形態I-123.少なくとも1つの感知微小針において、作用電極の一部は、テーパ状遠位部分の中に陥凹される、実施形態I-103に記載の微小針アレイ。
【0409】
実施形態I-124.実施形態I-103に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、微小針アレイは、筐体から外向きに延在する、分析物監視デバイス。
【0410】
実施形態I-125.筐体は、ステータス情報を通信するように構成される、1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、実施形態I-124に記載の分析物監視デバイス。
【0411】
実施形態I-126.筐体は、プロセッサおよび無線通信モジュールのうちの少なくとも1つを備える、電子機器システムを封入する、実施形態I-124に記載の分析物監視デバイス。
【0412】
実施形態I-127.分析物監視デバイスは、皮膚接着パッチである、実施形態I-126に記載の分析物監視デバイス。
【0413】
実施形態I-128.身体装着分析物監視デバイスのための微小針アレイであって、
少なくとも1つの微小針であって、
非円形基部を有する、錐状本体部分と、
本体部分から延在し、電極を備える、テーパ状遠位部分と、
を備え、遠位部分は、少なくとも1つの微小針の遠位頂点からオフセットされる、平面表面を備える、
少なくとも1つの微小針を備える、微小針アレイ。
【0414】
実施形態I-129.本体部分の少なくとも一部は、基部に対して測定される第1のテーパ角を有し、遠位頂点は、基部に対して測定される第2のテーパ角を有し、第2のテーパ角は、第1のテーパ角を上回る、実施形態I-128に記載の微小針アレイ。
【0415】
実施形態I-130.第2のテーパは、約65度~約75度である、実施形態I-128に記載の微小針アレイ。
【0416】
実施形態I-131.第1のテーパは、約15度~約25度である、実施形態I-130に記載の微小針アレイ。
【0417】
実施形態I-132.平面表面は、基部に対して測定される約75度~85度に角度付けられる、実施形態I-128に記載の微小針アレイ。
【0418】
実施形態I-133.テーパ状遠位部分は、絶縁された遠位頂点を備える、実施形態I-128に記載の微小針アレイ。
【0419】
実施形態I-134.実施形態I-128に記載の微小針アレイと、装着可能筐体とを備え、微小針アレイは、筐体から外向きに延在するように構成可能である、分析物監視デバイス。
【0420】
実施形態I-135.分析物監視デバイスは、パッチである、実施形態I-134に記載の分析物監視デバイス。
【0421】
実施形態I-136.ユーザを監視するための方法であって、
単一の微小針アレイを備える、統合された分析物監視デバイスを用いて、複数のセンサ場所においてユーザの真皮間質液にアクセスするステップと、
微小針アレイにおける複数の作用電極を使用して、真皮間質液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップであって、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、ステップと、
を含む、方法。
【0422】
実施形態I-137.1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップは、複数の作用電極を使用して、真皮間質液中の複数の分析物を定量化するステップを含む、実施形態I-136に記載の方法。
【0423】
実施形態I-138.微小針アレイは、複数の感知微小針を備え、各感知微小針は、個別の作用電極を備える、実施形態I-136に記載の方法。
【0424】
実施形態I-139.少なくとも1つの感知微小針は、作用電極にわたって配列される、生体認識層を備え、生体認識層は、酵素を含む、実施形態I-138に記載の方法。
【0425】
実施形態I-140.少なくとも1つの微小針は、生体認識層にわたって配列される、拡散限定層および親水性層のうちの少なくとも1つを備える、実施形態I-139に記載の方法。
【0426】
実施形態I-141.微小針アレイは、電流をソースまたはシンクし、少なくとも1つの作用電極に対する電気化学反応を持続するように構成される、対電極を備える、少なくとも1つの微小針を備える、実施形態I-136に記載の方法。
【0427】
実施形態I-142.複数の微小針は、少なくとも1つの作用電極に関する基準電位を提供するように構成される、基準電極を備える、少なくとも1つの微小針を備える、実施形態I-136に記載の方法。
【0428】
実施形態I-143.基準電極にわたって配列される、伝導ポリマーをさらに備える、実施形態I-142に記載の方法。
【0429】
実施形態I-144.伝導ポリマーは、ドーパントを含む、実施形態I-143に記載の方法。
【0430】
実施形態I-145.基準電極は、安定した電極電位を伴う金属酸化物を含む、実施形態I-142に記載の方法。
【0431】
実施形態I-146.金属酸化物は、酸化イリジウムを含む、実施形態I-145に記載の方法。
【0432】
実施形態I-147.基準電極は、安定した電極電位を伴う金属塩を含む、実施形態I-142に記載の方法。
【0433】
実施形態I-148.金属塩は、塩化銀を含む、実施形態I-147に記載の方法。
【0434】
実施形態I-149.1つまたはそれを上回る分析物の定量化を示すステータス情報を通信するステップをさらに含む、実施形態I-136に記載の方法。
【0435】
実施形態I-150.微小針アレイは、装着可能筐体から外向きに延在し、ステータス情報を通信するステップは、筐体上のユーザインターフェースを介してステータス情報を通信するステップを含む、実施形態I-149に記載の方法。
【0436】
実施形態I-151.ステータス情報を通信するステップは、分析物測定ステータスまたは統合された分析物監視デバイスのステータスに対応する照明モードに従って、筐体上の1つまたはそれを上回るインジケータライトを選択的に照明するステップを含む、実施形態I-150に記載の方法。
【0437】
実施形態I-152.ステータス情報を通信するステップは、分析物測定ステータスまたは統合された分析物監視デバイスのステータスに対応するディスプレイをアクティブ化するステップを含む、実施形態I-150に記載の方法。
【0438】
実施形態I-153.身体装着分析物監視デバイスであって、
装着可能筐体と、
筐体から外向きに延在し、筐体を装着するユーザ内の1つまたはそれを上回る分析物を測定するように構成される、少なくとも1つの微小針を備える、微小針アレイと、
を備え、筐体は、1つまたはそれを上回る分析物の測定を示す情報を通信するように構成される、ユーザインターフェースを備える、デバイス。
【0439】
実施形態I-154.ユーザインターフェースは、分析物測定ステータスまたは統合された分析物監視デバイスのステータスに対応する照明モードに従って、選択的に照明されるように構成される、1つまたはそれを上回るインジケータライトを備える、実施形態I-153に記載のデバイス。
【0440】
実施形態I-155.インジケータライトのうちの少なくとも1つは、選択的に照明され、現在の分析物測定レベルを通信するように構成される、実施形態I-154に記載のデバイス。
【0441】
実施形態I-156.ユーザインターフェースは、漸進的シーケンスで選択的に照明され、分析物測定傾向を通信するように構成される、複数のインジケータライトを備える、実施形態I-154に記載のデバイス。
【0442】
実施形態I-157.複数のインジケータライトは、第1の方向に第1の漸進的シーケンスで選択的に照明され、上昇する分析物測定傾向を通信するように構成される、実施形態I-156に記載のデバイス。
【0443】
実施形態I-158.複数のインジケータライトは、第2の方向に第2の漸進的シーケンスで選択的に照明され、下降する分析物測定傾向を通信するように構成される、実施形態I-156に記載のデバイス。
【0444】
実施形態I-159.ユーザインターフェースはさらに、分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信するように構成される、実施形態I-153に記載のデバイス。
【0445】
実施形態I-160.ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面を備える、実施形態I-153に記載のデバイス。
【0446】
実施形態I-161.分析物監視デバイスは、皮膚接着パッチである、実施形態I-153に記載のデバイス。
【0447】
実施形態I-162.少なくとも1つの微小針は、絶縁された遠位頂点を伴うテーパ状遠位部分と、テーパ状遠位部分の表面上の電極であって、電極は、絶縁された遠位頂点の近位に位置する、電極とを備える、実施形態I-153に記載のデバイス。
【0448】
実施形態I-163.微小針アレイは、複数の作用電極を備え、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、実施形態I-153に記載のデバイス。
【0449】
実施形態I-164.ユーザを監視するための方法であって、
装着可能筐体と、1つまたはそれを上回る分析物センサとを備える、身体装着分析物監視デバイスを使用して、ユーザ内の1つまたはそれを上回る分析物を測定するステップと、筐体上のユーザインターフェースを通して、1つまたはそれを上回る分析物の測定を示す情報を通信するステップと、
を含む、方法。
【0450】
実施形態I-165.情報を通信するステップは、分析物測定ステータスに対応する照明モードに従って、筐体上の1つまたはそれを上回るインジケータライトを照明するステップを含む、実施形態I-164に記載の方法。
【0451】
実施形態I-166.情報を通信するステップは、インジケータライトのうちの少なくとも1つを選択的に照明し、現在の分析物測定レベルを通信するステップを含む、実施形態I-165に記載の方法。
【0452】
実施形態I-167.情報を通信するステップは、照明されるインジケータライトの色、照明されるインジケータライトの場所、または両方に基づいて、現在の分析物測定レベルを通信するステップを含む、実施形態I-166に記載の方法。
【0453】
実施形態I-168.情報を通信するステップは、漸進的シーケンスで筐体上の複数のインジケータライトを選択的に照明し、分析物測定傾向を通信するステップを含む、実施形態I-165に記載の方法。
【0454】
実施形態I-169.情報を通信するステップは、第1の方向に第1の漸進的シーケンスで複数のインジケータライトを選択的に照明し、上昇する分析物測定傾向を通信するステップを含む、実施形態I-168に記載の方法。
【0455】
実施形態I-170.情報を通信するステップは、第2の方向に第2の漸進的シーケンスで複数のインジケータライトを選択的に照明し、下降する分析物測定傾向を通信するステップを含む、実施形態I-168に記載の方法。
【0456】
実施形態I-171.ユーザインターフェースを通して、分析物監視デバイスのステータスを示す情報を通信するステップをさらに含む、実施形態I-164に記載の方法。
【0457】
実施形態I-172.分析物監視デバイスを用いて、複数のセンサ場所においてユーザの真皮間質液にアクセスするステップをさらに含み、1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップは、真皮間質液中の1つまたはそれを上回る分析物を定量化するステップを含む、実施形態I-164に記載の方法。
【0458】
実施形態I-173.分析物監視デバイスは、複数の作用電極を備える、微小針アレイを備え、各作用電極は、個々にアドレス指定可能であり、分析物監視デバイスにおける全ての他の作用電極から電気的に隔離される、実施形態I-164に記載の方法。
【0459】
前述の説明は、解説の目的のために、本発明の徹底的な理解を提供するために具体的名称を使用した。しかしながら、具体的詳細が、本発明を実践するために要求されないことが当業者に明白となるであろう。したがって、本発明の具体的実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的のために提示される。それらは、網羅的である、または本発明を開示される精密な形態に限定することを意図しておらず、明白なこととして、多くの修正および変形例が、上記の教示の観点から可能性として考えられる。実施形態は、本発明の原理およびその実践的用途を解説するために選定および説明され、それらは、それによって、当業者が、想定される特定の使用に適するように種々の修正を伴う本発明および種々の実施形態を利用することを可能にする。以下の請求項およびそれらの均等物が、本発明の範囲を定義することを意図している。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13-1】
図13-2】
図14
図15
図16-1】
図16-2】
図16-3】
図17
図18
図19-1】
図19-2】
図19-3】
図19-4】
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25
図26
図27-1】
図27-2】
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33A
図33B
図33C
図33D
図34A
図34B
図34C
図35A
図35B