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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】タッチ検出デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/041 522
G06F3/041 662
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021521776
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2019079211
(87)【国際公開番号】W WO2020084124
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】201811258140.3
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ユーリン
(72)【発明者】
【氏名】ソォン,ユーミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】チアン,イーファン
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/073440(WO,A1)
【文献】特開2009-293315(JP,A)
【文献】特表2007-524970(JP,A)
【文献】特開2018-005781(JP,A)
【文献】特開2014-202491(JP,A)
【文献】特開2018-106616(JP,A)
【文献】特表2017-527095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電製品用のタッチ検出デバイスであって、
- タッチパネル(10)と、
- 前記タッチパネル(10)に取り付けられ、前記タッチパネル(10)に加えられるノックイベントを検出するように構成されている圧電センサ(100)と、
- 前記圧電センサ(100)と電気的に通信する制御回路基板(200)とを備え、
前記制御回路基板(200)は、
前記圧電センサ(100)から出力された検出信号を処理するように構成されている信号処理回路(210)と、
前記処理された検出信号に基づいて、前記ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されているコントローラ(220)とを備えるとともに、
前記コントローラ(220)は、
検出された第1の直流電圧デジタル信号(P1)の終了時間(tc2)と開始時間との第1の時間差(t1)を計算し、
前記検出された第1の直流電圧デジタル信号(P1)の前記開始時間と前記検出された第1の直流電圧デジタル信号(P1)の直後に検出された第2の直流電圧デジタル信号(P2)の開始時間との第2の時間差(t2)を計算し、
計算された前記第1の時間差(t1)および計算された前記第2の時間差(t2)に基づいて、前記ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されており、

計算された前記第1の時間差(t1)が第1の閾値範囲内にあり、計算された前記第2の時間差(t2)が第2の閾値範囲内にある場合、前記コントローラ(220)は、前記ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであると判定し、
計算された前記第1の時間差(t1)が前記第1の閾値範囲を超えている、または計算された前記第2の時間差(t2)が前記第2の閾値範囲を超えている場合、前記コントローラ(220)は、前記ノックイベントが人の指による正しいノックイベントではないと判定する、
タッチ検出デバイス。
【請求項2】
前記信号処理回路(210)は、
- 所定の条件を満たさないノイズ信号を前記検出信号からフィルタリングするように構成されているフィルタ(211)と、
- 前記フィルタリングされた検出信号を所望の範囲に増幅するように構成されている増幅器(212)と、
- 所定の上限閾値電圧(Ref1)を有する上限閾値比較器(2131)および所定の下限閾値電圧(Ref2)を有する下限閾値比較器(2132)を含み、前記増幅された検出信号を第1の直流電圧デジタル信号(P1)および第2の直流電圧デジタル信号(P2)に処理する比較器(2131、2132)と、を備える、
請求項1に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項3】
前記フィルタ(211)は、前記ノイズ信号としての、2KHz超の周波数を有する高周波振動信号を、前記検出信号からフィルタリングするように構成されている、
請求項2に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項4】
前記タッチ検出デバイスは、音波吸収材料(30)をさらに備えている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項5】
前記音波吸収材料(30)は、吸音発泡体またはゴムである、
請求項4に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項6】
前記第1の閾値範囲は300μs~800μsであり、かつ、
前記第2の閾値範囲は300μs~1400μsである、
請求項1からのいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項7】
前記ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであると前記コントローラ(220)が判定する条件で、前記第1の直流電圧デジタル信号(P1)が前記コントローラ(220)によって1度だけ検出された場合、前記コントローラ(220)は、前記ノックイベントがシングルクリックイベントであると判定する、
請求項から6のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項8】
前記ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであると前記コントローラ(220)が判定する条件で、前記第1の直流電圧デジタル信号(P1)が前記コントローラ(220)によって2度検出され、前記コントローラ(220)によって検出された2つの隣接する第1の直流電圧デジタル信号(P1)間の時間間隔が第3の閾値範囲内である場合、前記コントローラ(220)は、前記ノックイベントがダブルクリックイベントであると判定する、
請求項から6のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項9】
前記第3の閾値範囲は200ms~500msである、
請求項8に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項10】
前記タッチパネル(10)は、支持体(20)に取り付けられるように構成され、
前記タッチ検出デバイスは、音波吸収材料(30)をさらに備えており、
前記音波吸収材料(30)は、前記支持体(20)で発生する音波が前記タッチパネル(10)に伝達されることを防ぐように前記タッチパネル(10)を前記支持体(20)から音響的に分離するために、前記タッチパネル(10)と前記支持体(20)との間に設けられるように構成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項11】
前記支持体(20)はハウジングとして形成され、
前記タッチパネル(10)は前記支持体(20)の開口部に埋め込まれ、
前記音波吸収材料(30)は前記タッチパネル(10)の周縁部に配置されている、
請求項10に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項12】
前記タッチパネル(10)は前記支持体(20)の表面に支持され、
前記音波吸収材料(30)は前記タッチパネル(10)の底部に設けられている、
請求項10または11に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項13】
前記タッチパネル(10)は円形パネル、方形パネル、または曲面パネルを含む、
請求項1から12のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項14】
前記タッチパネル(10)はガラス、ステンレス鋼、または木材から形成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項15】
前記圧電センサ(100)は圧電薄膜センサまたは圧電セラミックセンサを含む、
請求項1から14のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月26日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201811258140.3号の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示の少なくとも1つの実施形態は、タッチ検出デバイス、より詳細には、圧電センサを備えるタッチ検出デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
デバイス(例えば、家電製品)の制御の利便性を高めるために、指によってデバイスの表面をタッチまたはノックすることは、視覚的かつ便利なマンマシンインタラクション(Man-Machine Interaction)である。関連出願において、通常、静電容量タッチパネルが使用されている。しかしながら、洗濯機または冷蔵庫の扉全体をタッチ入力面として使用する場合のように、デバイスのタッチ面積が非常に大きい場合、そのコストが非常に高くなる。同時に、静電容量タッチパネルにタッチすると静電容量値が変化するので、タッチ力とタッチ材料とを区別することができない。言い換えると、静電容量タッチパネルは、タッチしさえすれば起動されるため、誤った起動を引き起こすことが多い。状況によっては、デバイスを制御するための入力命令が、デバイスの表面を特定の指の部分、例えば指関節または指先でノックまたはタッチするイベントとして定義される。
例えば、冷蔵庫内のライトをつけるための入力命令は、冷蔵庫の扉におけるダブルクリックイベントとして定義することができる。食器洗浄器を開けるための入力命令は、食器洗浄器の扉におけるノックイベントとして定義することができる。洗濯槽のランプをつけるための入力命令は、洗濯機の扉におけるダブルクリックイベントとして定義することができ、また、洗濯機の扉を開けるための入力命令は、洗濯機の扉におけるトリプルクリックイベントとして定義することができる。
【0004】
静電容量タッチパネルに加えて、関連技術において、デバイスを制御するためのいくつかの他の解決策、例えば、マイクロフォンを使用して音声信号を検出する解決策、または加速度センサを使用して振動信号を検出する解決策も存在する。マイクロフォンを使用して音声信号を検出する解決策では、デバイス内に閉じた音声空洞を形成する必要があるため、デバイスの設置が非常に面倒で、そのコストが高い。加速度センサを使用して振動信号を検出する解決策では、加速度計を回路基板に表面実装式に取り付ける必要があり、加速度計を振動板の振動面に確実にぴったりと接触させる必要がある。ノックすべき振動板が透明ガラスなどの透明材料から形成されていると、回路基板を隠すことが非常に困難になり、大きな設計課題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記の欠点のうちの少なくとも1つの局面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様によれば、タッチパネルと、タッチパネルに取り付けられ、タッチパネルに加えられるノックイベントを検出するように構成されている圧電センサと、圧電センサと電気的に通信する制御回路基板とを備えるタッチ検出デバイスが提供される。制御回路基板は、圧電センサから出力された検出信号を処理するように構成されている信号処理回路と、処理された検出信号に基づいて、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されているコントローラとを備える。
【0007】
本開示の例示的な実施形態によれば、信号処理回路は、所定の条件を満たさないノイズ信号を検出信号からフィルタリングするように構成されているフィルタと、フィルタリングされた検出信号を所望の範囲に増幅するように構成されている増幅器と、所定の上限閾値電圧を有する上限閾値比較器および所定の下限閾値電圧を有する下限閾値比較器を含み、増幅された検出信号を第1の直流電圧デジタル信号および第2の直流電圧デジタル信号に処理する比較器とを備える。
【0008】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コントローラは、検出された第1の直流電圧デジタル信号の終了時間と開始時間との第1の時間差を計算し、検出された第1の直流電圧デジタル信号の開始時間と検出された第1の直流電圧デジタル信号の直後に検出された第2の直流電圧デジタル信号の開始時間との第2の時間差を計算し、計算された第1の時間差および計算された第2の時間差に基づいて、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されている。
【0009】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、計算された第1の時間差が第1の閾値範囲内にあり、計算された第2の時間差が第2の閾値範囲内にある場合、コントローラは、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであると判定する。
【0010】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、計算された第1の時間差が第1の閾値範囲を超えている、または計算された第2の時間差が第2の閾値範囲を超えている場合、コントローラは、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントではないと判定する。
【0011】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第1の閾値範囲は300μs~800μsであり、第2の閾値範囲は300μs~1400μsである。
【0012】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるとコントローラが判定する条件で、第1の直流電圧デジタル信号がコントローラによって1度だけ検出された場合、コントローラは、ノックイベントがシングルクリックイベントであると判定する。
【0013】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるとコントローラが判定する条件で、第1の直流電圧デジタル信号がコントローラによって2度検出され、コントローラによって検出された2つの隣接する第1の直流電圧デジタル信号間の時間間隔が第3の閾値範囲内である場合、コントローラは、ノックイベントがダブルクリックイベントであると判定する。
【0014】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第3の閾値範囲は200ms~500msである。
【0015】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、タッチパネルは支持体に取り付けられるように構成され、タッチ検出デバイスは、支持体で発生する音波がタッチパネルに伝達されることを防ぐようにタッチパネルを支持体から音響的に分離するために、タッチパネルと支持体との間に設けられるように構成されている音波吸収材料をさらに備える。
【0016】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、支持体はハウジングであり、タッチパネルは支持体の開口部に埋め込まれ、音波吸収材料はタッチパネルの周縁部に配置されている。
【0017】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、タッチパネルは支持体の表面に支持され、音波吸収材料はタッチパネルの底部に設けられている。
【0018】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、タッチパネルは円形パネル、方形パネル、または曲面パネルである。
【0019】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、タッチパネルはガラス、ステンレス鋼、または木材から形成されている。
【0020】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、圧電センサは圧電薄膜センサまたは圧電セラミックセンサである。
【0021】
本開示の上記の様々な例示的な実施形態において、タッチ検出デバイスは、タッチパネルに加えられるノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを便利かつ正確に識別することができる。加えて、タッチ検出デバイスの構成は、非常に簡単で、非常に低コストである。
【0022】
添付図面を参照しながら例示的な実施形態を詳細に説明することにより、本開示の上記その他の特徴がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の実施形態によるタッチ検出デバイスの説明図である。
図2】本開示の別の実施形態によるタッチ検出デバイスの説明図である。
図3】本開示のさらに別の実施形態によるタッチ検出デバイスの説明図である。
図4】本開示の実施形態によるタッチ検出デバイスの制御回路基板の機能ブロック図である。
図5図4の制御回路基板の信号処理回路の説明図である。
図6】圧電センサから信号処理回路への入力信号と、信号処理回路によって処理された出力信号とを示す図である。
図7】ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するための、図4の制御回路基板のコントローラのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下で、添付図面を参照しながら本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照符号は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的で完全なものであり、本開示の概念を当業者に十分に伝えるように提示される。
【0025】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細について述べる。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかであろう。他の場合、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスを概略的に示す。
【0026】
本開示の一般的な概念によれば、タッチパネルと、タッチパネルに取り付けられ、タッチパネルに加えられるノックまたはタッチイベントを検出するように構成されている圧電センサと、圧電センサと電気的に通信する制御回路基板とを備えるタッチ検出デバイスが提供される。制御回路基板は、圧電センサから出力された検出信号を処理するように構成されている信号処理回路と、処理された検出信号に基づいて、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されているコントローラとを備える。
【0027】
図1は、本開示の実施形態によるタッチ検出デバイスの説明図である。図4は、本開示の実施形態によるタッチ検出デバイスの制御回路基板の機能ブロック図である。
【0028】
図1および図4に示すように、実施形態において、タッチ検出デバイスは、タッチパネル10と、圧電センサ100と、制御回路基板200とを主に備える。圧電センサ100は、タッチパネル10に取り付けられ、タッチパネル10に加えられるノックイベントを検出するように構成されている。制御回路基板200は、圧電センサ100と電気的に通信する。
【0029】
図1および図4に示すように、実施形態において、圧電センサ100は圧電薄膜センサである。しかしながら、本開示はこれに限定されず、圧電センサは、任意の適切な圧電誘導材料から形成された任意の他の種類の圧電センサであってよい。例えば、圧電センサ100は、圧電セラミックから形成された圧電セラミックセンサであってよい。
【0030】
図5は、図4の制御回路基板の信号処理回路の説明図である。図6は、圧電センサから信号処理回路への入力信号と、信号処理回路によって処理された出力信号とを示す図である。
【0031】
図4図6に示すように、実施形態において、制御回路基板200を電線によって圧電センサ100に接続することができる。制御回路基板200のハードウェアインターフェースは、電源、接地、およびデジタル信号出力を含む。
【0032】
図4図6に示すように、実施形態において、制御回路基板200は、信号処理回路210とコントローラ220とを主に備える。信号処理回路210は、圧電センサ100から出力された検出信号を処理するように構成されている。コントローラ220は、処理された検出信号に基づいて、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されている。
【0033】
図4図6に示すように、実施形態において、信号処理回路210は、フィルタ211と、増幅器212と、比較器2131、2132とを備える。フィルタ211は、所定の条件を満たさないノイズ信号を検出信号からフィルタリングするように構成されている。例えば、指のノック周波数が通常2KHz未満であるため、フィルタ211は、2KHz超の周波数を有する高周波振動信号をフィルタリングすることができる。
【0034】
図4図6に示すように、実施形態において、増幅器212は、フィルタリングされた検出信号を所望の範囲に増幅するように構成されている。比較器2131、2132は、所定の上限閾値電圧Ref1を有する上限閾値比較器2131および所定の下限閾値電圧Ref2を有する下限閾値比較器2132を含む。上限閾値比較器2131は、増幅された検出信号を第1の直流電圧デジタル信号P1に処理するように構成され、下限閾値比較器2132は、増幅された検出信号を第2の直流電圧デジタル信号P2に処理するように構成されている。
【0035】
図7は、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するための、図4の制御回路基板のコントローラのフローチャートである。
【0036】
図4図7に示すように、実施形態において、コントローラ220は、検出された第1の直流電圧デジタル信号P1の終了時間tc2と開始時間との第1の時間差t1を計算し、検出された第1の直流電圧デジタル信号P1の開始時間と検出された第1の直流電圧デジタル信号P1の直後に検出された第2の直流電圧デジタル信号P2の開始時間との第2の時間差t2を計算するように構成されている。そして、コントローラ220は、計算された第1の時間差t1および計算された第2の時間差t2に基づいて、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるかどうかを判定するように構成されている。
【0037】
図4図7に示すように、実施形態において、計算された第1の時間差t1が第1の閾値範囲内にあり、計算された第2の時間差t2が第2の閾値範囲内にある場合、コントローラ220は、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであると判定する。
【0038】
図4図7に示すように、実施形態において、計算された第1の時間差t1が第1の閾値範囲を超えている、または計算された第2の時間差t2が第2の閾値範囲を超えている場合、コントローラ220は、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントではないと判定する。
【0039】
図4図7に示すように、実施形態において、第1の閾値範囲は300μs~800μsであり、第2の閾値範囲は300μs~1400μsである。
【0040】
図4図7に示すように、実施形態において、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるとコントローラ220が判定する条件で、第1の直流電圧デジタル信号P1がコントローラ220によって1度だけ検出された場合、コントローラ220は、ノックイベントがシングルクリックイベントであると判定する。
【0041】
図4図7に示すように、実施形態において、ノックイベントが人の指による正しいノックイベントであるとコントローラ220が判定する条件で、第1の直流電圧デジタル信号P1がコントローラ220によって2度検出され、コントローラ220によって検出された2つの隣接する第1の直流電圧デジタル信号P1間の時間間隔が第3の閾値範囲内である場合、コントローラ220は、ノックイベントがダブルクリックイベントであると判定する。
【0042】
図4図7に示すように、実施形態において、人の指のダブルクリックの時間間隔が200ms~1sの範囲内であるため、第3の閾値範囲は200ms~500msである。
【0043】
図2は、本開示の別の実施形態によるタッチ検出デバイスの説明図であり、図3は、本開示のさらに別の実施形態によるタッチ検出デバイスの説明図である。
【0044】
図1図3に示すように、実施形態において、タッチパネル10は支持体20に取り付けられるように構成されている。タッチ検出デバイスは、タッチパネル10と支持体20との間に設けられている音波吸収材料30をさらに備える。音波吸収材料30は、支持体20で発生する音波がタッチパネル10に伝達されることを防ぐようにタッチパネル10を支持体20から音響的に分離するように構成されている。
【0045】
図1図3に示すように、実施形態において、支持体20はハウジングとして形成されている。タッチパネル10は支持体20の開口部に埋め込まれ、音波吸収材料30はタッチパネル10の周縁部に配置されている。
【0046】
図2に示すように、実施形態において、タッチパネル10は支持体20の表面に支持され、音波吸収材料30はタッチパネル10の底部に設けられている。
【0047】
図1図3に示すように、実施形態において、タッチパネル10は円形パネル、方形パネル、または曲面パネルを含むことができる。
【0048】
図1図3に示すように、実施形態において、タッチパネル10はガラス、ステンレス鋼、または木材から形成することができる。
【0049】
本出願は、圧電薄膜および圧電セラミックなどの圧電材料に基づいてノック信号を検出するように構成されているセンサおよびパネルを提供する。1枚の圧電材料が剛性パネルに取り付けられている。パネルの形状は、平面または任意の3次元表面を有していてもよい。吸音発泡体またはゴムなどの吸音材料が、音を分離するために剛性パネルの周りに設けられている。指がパネルをノックすると、ノックによって発生した音波(機械的な波)が、硬質パネルに沿って、圧電材料を配置した位置に伝播する。圧電材料は、振動により圧電効果を生じさせ、圧電材料の上面および下面に電荷を発生させる。これにより、圧電材料は電圧信号を発生させ、発生した電圧信号は、対応する回路によって増幅およびフィルタリングされた後、所望の信号を得るための特定のアルゴリズムによって処理される。
パネルの外側の領域が指によってノックされた場合、パネルの機械的振動が圧電材料に伝達されることを吸音材料によって防ぐため、機械的振動は圧電材料の位置に伝達されず、したがって、誤った起動を避けることができる。
【0050】
本出願において、圧電センサを、表面実装技術(SMT)によって、ガラス、鏡、ステンレス鋼、および木材などの硬質面に容易に直接取り付けることができる。これには、大きなコスト上の利点がある。加えて、パネルの形状および大きさの制限がなく、圧電センサをパネルの任意の部分に取り付けることができ、デバイス、例えば家電製品の設計に関して制限および課題が少なくなる。
【0051】
本出願において、圧電薄膜センサにより伝達されるノックまたはタッチ信号は、ハードウェア回路によって、ノックまたはタッチ力およびノックまたはタッチ周波数に関連するデジタル信号に処理され、その後、ノックまたはタッチ信号は、人の指によるノックもしくはタッチイベントまたはダブルクリックイベントであるかどうかを判定するためのソフトウェアアルゴリズムによってフィルタリングされる。これにより、人によるノックまたはタッチの検出を非常にインテリジェントに完了することができ、家電製品の異なるユーザの経験に合わせた使用が可能になる。
【0052】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的ではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態について図示および説明したが、本開示の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0054】
本明細書で用いられるように、単数形で記載され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語で始まる要素は、特に明記しない限り、この要素またはステップの複数形を除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」に対する参照は、記載した特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものと解釈されることを意図してはいない。さらに、特に断りのない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さない追加のこのような要素を含んでもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7