IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特許7501974電池モジュールおよびこれを含む電池パック
<>
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図1
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図2
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図3
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図4
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図5
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図6
  • 特許-電池モジュールおよびこれを含む電池パック 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20240611BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240611BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240611BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240611BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240611BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/588
H01M50/211
H01M50/204 401D
H01M50/271 S
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022567400
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 KR2021019809
(87)【国際公開番号】W WO2022154311
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0005509
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ・ウク・キム
(72)【発明者】
【氏名】イル・フン・チェ
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017385(JP,A)
【文献】特表2018-529186(JP,A)
【文献】特開2019-197670(JP,A)
【文献】国際公開第2014/142293(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/256271(WO,A1)
【文献】特表2022-518476(JP,A)
【文献】特開2018-063887(JP,A)
【文献】特表2020-522855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、
前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム、および
前記電池セル積層体と前記モジュールフレームの上部面との間に位置する絶縁シート層を含み、
前記モジュールフレームの上部面には開口部が形成され、前記絶縁シート層には前記開口部に挿入される突出部が形成され、
前記絶縁シート層の前記突出部が形成された部分の下端と前記電池セル積層体との間に位置する温度センサーをさらに含む、電池モジュール。
【請求項2】
前記モジュールフレームは、前記電池セル積層体が装着されるフレーム部材と、前記フレーム部材の底部の反対側に位置し、前記開口部が形成された上部プレートとを含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記フレーム部材は、前記底部と、前記底部の両側部からそれぞれ上向きに延長された側面部とを含む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記絶縁シート層の突出部内側には陥没部が形成され、前記陥没部に前記温度センサーの一部が配置される、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記温度センサーは、サーミスタ(thermistor)素子を利用して実現される、請求項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記開口部により前記絶縁シート層の突出部が前記モジュールフレームの外部に露出されている、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記モジュールフレームの開放された第1側と第2側のそれぞれに位置するエンドプレートをさらに含み、
前記開口部は前記電池セル積層体の中央部よりも前記エンドプレートに隣接して形成される、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記絶縁シート層は、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)フィルムを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記絶縁シート層は、前記モジュールフレームの上部面に接着される、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記絶縁シート層の厚さは、0.1mm~0.3mmの範囲にある、請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(ら)との相互引用]
本出願は、2021年1月14日付韓国特許出願第10-2021-0005509号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的に工程性を改善した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、モバイル機器および電気自動車などの多様な製品群においてエネルギー源として大きな関心を受けている。このような二次電池は、化石燃料を使用する既存製品の使用を代替できる有力なエネルギー資源であって、エネルギー使用による副産物が発生せず、環境にやさしいエネルギー源として脚光を浴びている。
【0004】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量の二次電池構造に対する必要性が高まり、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0005】
一方、複数個の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも一つの電池セルからなる電池モジュールを構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールにその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、および電池セル積層体を収容するフレームを含むことができる。
【0007】
図1は従来の電池モジュールを示す分解斜視図である。
【0008】
図1を参照すれば、従来の電池モジュールは、複数の電池セルが積層形成された電池セル積層体10、電池セル積層体10を収容するモノフレーム20、および電池セル積層体の前後面を覆うエンドプレート40を含むことができる。
【0009】
また、電池セル積層体10とエンドプレート40との間にバスバーフレーム41が位置することができ、電池セル積層体10の上部とモノフレーム20との間にカバープレート50が位置することができる。バスバーフレーム41とカバープレート50は互いに結合してバスバーフレームアセンブリーを形成することができる。
【0010】
従来の電池モジュールの場合、カバープレート50を設置することによって、電池セル積層体10とモノフレーム20間の絶縁を確保し、またモノフレーム20に収納される時に発生し得る電池セル積層体10と、電池セル積層体10上に位置した軟性回路基板(図示せず)などの損傷を防止しようとした。
【0011】
しかし、図1に示されているように、電池セル積層体10上に配置されたカバープレート50によりその厚さだけ電池モジュールの高さが増加し、また重量が増加するという問題点がある。
【0012】
このように電池モジュールの大きさが増加する場合、電池モジュールの設置時に設置空間がより多く必要となり、車両にこのような電池モジュールを設置する場合、車両の走行性能を減少させるという問題点がある。
【0013】
また電池モジュールの重量が増加する場合、電池モジュールの活用性が全般的に減少し、同様に車両に重量のある電池モジュールを設置する場合、車両の走行性能が低下して燃費が減少するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、工程性が改善された電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することにある。
【0015】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム、および前記電池セル積層体と前記モジュールフレームの上部面との間に位置する絶縁シート層を含み、前記モジュールフレームの上部面には開口部が形成され、前記絶縁シート層には前記開口部に挿入される突出部が形成され得る。
【0017】
前記モジュールフレームは、前記電池セル積層体が装着されるフレーム部材と、前記フレーム部材の底部反対側に位置し、前記開口部が形成された上部プレートとを含むことができる。
【0018】
前記フレーム部材は、前記底部と、前記底部の両側部からそれぞれ上向きに延長された側面部とを含むことができる。
【0019】
前記電池モジュールは、前記突出部が形成された前記絶縁シート層部分下端と前記電池セル積層体との間に位置する温度センサーをさらに含むことができる。
【0020】
前記絶縁シート層の突出部内側には陥没部が形成され、前記陥没部に前記温度センサーの一部が配置され得る。
【0021】
前記開口部により前記絶縁シート層の突出部が前記モジュールフレーム外部に露出され得る。
【0022】
前記電池モジュールは、前記モジュールフレームの開放された第1側と第2側のそれぞれに位置するエンドプレートをさらに含み、前記開口部は前記電池セル積層体の中央部よりも前記エンドプレートに隣接して形成され得る。
【0023】
前記絶縁シート層は、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)フィルムを含むことができる。
【0024】
前記絶縁シート層は、前記モジュールフレームの上部面に接着され得る。
【0025】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前述した電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、電池セル積層体上に位置する絶縁シート層を通じて複数の電池セルとモジュールフレーム間の絶縁性能を確保することができる。
【0027】
また、部品間の干渉を避けるためにモジュールフレームの上部プレートに開口部を形成し、前記開口部に沿って絶縁シート層が形成されることによって、電池セルの温度を測定する温度センサの空間を確保することができる。
【0028】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来の電池モジュールを示す分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールに対する分解斜視図である。
図3図2の電池モジュールの構成要素が結合した状態を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による電池セルを示す斜視図である。
図5図3の電池モジュールを180度回転させた状態で眺めた斜視図である。
図6】5の電池モジュールに含まれている上部プレートおよび絶縁シート層を示す斜視図である。
図7図5の切断線A-Aに沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0031】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0032】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0033】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0034】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0035】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0036】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュールに対する分解斜視図である。図3図2の電池モジュールの構成要素が結合した状態を示す斜視図である。図4は本発明の一実施形態による電池セルを示す斜視図である。
【0037】
図2乃至図4を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体100、電池セル積層体100を収容するモジュールフレーム180、電池セル積層体100の前面と後面にそれぞれ位置するエンドプレート400、および電池セル積層体100とエンドプレート400との間に位置するバスバーフレーム410を含む。本実施形態によれば、電池セル積層体100とモジュールフレーム180の上部面との間に絶縁シート層500が形成されている。
【0038】
本実施形態によるモジュールフレーム180は、上側が開放されたフレーム部材200、およびフレーム部材200の開放された上側を覆う上部プレート300を含むことができる。
【0039】
ここでフレーム部材200の上側は図2でz軸方向を意味する。フレーム部材200は、底部210、および底部210の両端部で曲がった少なくとも二つの側面部220を含むことができる。この時、フレーム部材200はU字型であり得る。
【0040】
電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましい。例えば、図4を参照すれば、本発明の一実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111、112が互いに対向して電池本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。電池セル110は、電池ケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態で電池ケース114の両端部114a、114bと、これらを連結する一側部114cとを接着することによって製造され得る。言い換えると、本発明の一実施形態による電池セル110は、総3ヶ所のシーリング部114sa、114sb、114scを有し、シーリング部114sa、114sb、114scは、熱融着などの方法によりシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなることができる。電池ケース114の両端部114a、114bの間を電池セル110の長さ方向と定義し、電池ケース114の両端部114a、114bを連結する一側部114cと連結部115との間を電池セル110の幅方向と定義することができる。
【0041】
連結部115は、電池セル110の一縁に沿って長く伸びている領域であり、連結部115の端部にはバットイヤー(bat-ear)と呼ばれる電池セル110の突出部110pが形成され得る。突出部110pは、連結部115の両端部のうちの少なくとも一つに形成され得、連結部115が伸びる方向と垂直な方向に突出し得る。突出部110pは、電池ケース114の両端部114a、114bのシーリング部114sa、114sbのうちの一つと連結部115との間に位置することができる。
【0042】
電池ケース114は、一般的に樹脂層/金属薄膜層/樹脂層のラミネート構造からなる。例えば、電池ケース表面がO(oriented)-ナイロン層からなる場合には、中大型電池モジュールを形成するために多数の電池セルを積層する時、外部衝撃により簡単に滑る傾向にある。したがって、これを防止し、電池セルの安定した積層構造を維持するために、電池ケースの表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時に化学反応により結合される化学接着剤などの接着部材を付着して電池セル積層体100を形成することができる。
【0043】
本発明の実施形態によれば、電池セル110がy軸方向に沿って積層されて電池セル積層体100を形成し、電池セル積層体100がz軸反対方向にモジュールフレーム180内部に収容され得る。電池セル積層体100とフレーム部材200の底部210との間には熱伝導性樹脂層が位置することができる。
【0044】
フレーム部材200は、電池セル積層体100を収容する。フレーム部材200の開放された両側をそれぞれ第1側(x軸方向)と第2側(x軸反対方向)という時、モジュールフレーム180は、前記第1側と前記第2側に対応する電池セル積層体100の外面を除いた残りの外面のうち、下面および前記下面と隣接した両側面を連続的に覆うように曲がった板状型構造で形成され得る。この時、フレーム部材200の底部210は、電池セル積層体100の前記下面を覆うように形成され、フレーム部材200の二つの側面部220は電池セル積層体100の前記両側面を覆うように形成され得る。
【0045】
上部プレート300は、フレーム部材200により囲まれる前記下面および前記両側面を除いた残りの上面を囲む一つの板状型構造で形成され得る。フレーム部材200と上部プレート300は、互いに対応する縁部位が接触された状態で、溶接などにより結合することによって電池セル積層体100を上下左右に覆う構造を形成することができる。フレーム部材200および上部プレート300を通じて電池セル積層体100を物理的に保護することができる。このためにフレーム部材200および上部プレート300は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0046】
エンドプレート400は、モジュールフレーム180の開放された第1側(x軸方向)と第2側(x軸反対方向)に位置して電池セル積層体100を覆うように形成され得る。このようなエンドプレート400は、外部の衝撃から電池セル積層体100およびその他電装品を物理的に保護することができ、電池モジュールマウンティング構造が設けられて電池モジュールをパックフレーム(図示せず)に固定させることができる。
【0047】
また、電池セル積層体100の開放された第1側(x軸方向)と第2側(x軸反対方向)にバスバーフレーム410と分離カバー420が位置することができる。つまり、電池セル積層体100とエンドプレート400との間にバスバーフレーム410と分離カバー420が順に位置することができる。
【0048】
バスバーフレーム410は、電池セル積層体100の第1側(x軸方向)と第2側(x軸反対方向)に位置して電池セル積層体100を覆うと同時に、電池セル積層体100と外部機器との連結を案内する役割をすることができる。具体的には、バスバーフレーム410にはバスバーが装着され得、図4に示された電池セル110の電極リード111、112がバスバーフレーム410に形成されたスリットを通過した後に曲がってバスバーと接合され得る。これによって電池セル積層体100を構成する電池セル110が直列または並列に連結され得る。
【0049】
また、バスバーフレーム410にはターミナルバスバー430が装着され得る。ターミナルバスバー430は、電池セル110の電極リード111、112のうちの少なくとも一つと連結され、一端が分離カバー420とエンドプレート400にそれぞれ形成された開口を通じて外部に露出され得る。このようなターミナルバスバー430を通じて複数の電池セル110が外部機器と電気的に連結され得る。また、バスバーフレーム410にはコネクタ(図示せず)が装着され得る。電池モジュール内部のセンシングアセンブリー(図示せず)を通じて測定された電池セル110の温度や電圧などの情報が前記コネクタを通じて外部BMS(Battery Management System)などに伝達され得る。
【0050】
分離カバー420は、電気的に絶縁を帯びる部材であり、電池セル積層体100、バスバーフレーム410およびその他の電装品などをエンドプレート400や上部プレート300と分離させて外部短絡などが発生することを防止する機能をすることができる。一方、分離カバー420には前記コネクタと外部BMS間の連結を案内することができるように湾入された湾入部421が形成され得る。
【0051】
本実施形態による絶縁シート層500は、電気的に絶縁性能を有する薄いフィルムであり、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)フィルムを含むことができる。絶縁シート層500の厚さは0.1mm乃至0.3mmに薄く形成され得る。したがって、電池モジュールに絶縁シート層500が挿入されても、電池モジュールの高さ増加が大きくないという長所がある。
【0052】
また、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)フィルムを含む絶縁シート層500は耐熱性を有しており、高温環境で長時間露出されてもその形態の変化程度が大きくない。したがって、製品管理に容易であり、熱が発生する電池モジュールの部品への適用に適している。
【0053】
本実施形態では、電池セル積層体100上に絶縁シート層500を配置することによって、電池セル積層体100と上部プレート300が互いに絶縁され得る。つまり、電池モジュールの絶縁性能を確保することができる。図1に示された従来の電池モジュールは、絶縁性能の確保のためにカバープレート50を含むバスバーフレームアセンブリーが挿入されており、これは空間活用や重量の観点では短所として作用した。これとは異なり、本実施形態による絶縁シート層500は、薄いフィルムであり、電池モジュールの絶縁性能を確保することができると共に、電池モジュールの高さと重量を全て減らすことができる。
【0054】
一方、比較例として、電池セル積層体上にパッド形態の絶縁体が位置する場合がある。このような比較例は、本実施形態による絶縁シート層500に比べて重く、より大きい空間が必要である。また、本実施形態による絶縁シート層500は、所望する形状に成形が可能であるため、パッド形態の絶縁体では絶縁距離の確保が不可能な部分まで覆うことができるため、絶縁性能が増大することができる。
【0055】
図5図3の電池モジュールを180度回転させた状態で眺めた斜視図である。図6は5の電池モジュールに含まれている上部プレートおよび絶縁シート層を示す斜視図である。
【0056】
図5および図6を参照すれば、本実施形態によるモジュールフレーム180の上部面には開口部300Aが形成されている。具体的には、上部プレート300に開口部300Aが形成され、絶縁シート層500には開口部300Aに挿入される突出部500pが形成されている。突出部500pは、開口部300Aによりモジュールフレーム180外部に露出され得る。
【0057】
開口部300Aは、電池セル積層体100の中央部よりもエンドプレート400に隣接して形成され得る。
【0058】
本実施形態による絶縁シート層500は、上部プレート300に接着され得る。より具体的には、絶縁シート層500と上部プレート300との間に接着部材(図示せず)が位置することができる。このような接着部材は、接着力を有する物質を含めばその素材や形態の制限はないが、両面テープであり得る。
【0059】
電池モジュールの製造において絶縁シート層500は、上部プレート300に接着された状態で納品され得る。前述したように絶縁シート層500は薄いフィルムで形成されており、上部プレート300に接着させるに容易になり得る。
【0060】
絶縁シート層500が上部プレート300に接着された状態で電池セル積層体100上に配置および組立てられて電池モジュールが製造され得る。つまり、絶縁シート層500が上部プレート300に接着された状態で納品されるため、上部プレート300の組立過程で絶縁シート層500が外れたり離脱する製造工程上の不良を防止することができる。
【0061】
図7図5の切断線A-Aに沿って切断した断面図である。
【0062】
図5乃至図7を参照すれば、本実施形態による電池モジュールは、突出部500pが形成された絶縁シート層500部分下端と電池セル積層体100との間に位置する温度センサー700をさらに含む。温度センサー700は、電池セル110の温度を測定することができる。温度センサー700は、軟性回路基板部800上に形成され得る。
【0063】
温度センサー700は、サーミスタ(thermistor)素子を利用して実現され得る。サーミスタは、温度により抵抗値が変わる現象を利用した半導体素子であり、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、クロム、鉄などの酸化物を混合および焼結する方式で形成され得る。このようなサーミスタは、大きさが小さく、速い温度変化や細密な温度変化にも測定が可能であるという長所がある。
【0064】
このように温度センサー700により測定された温度情報は、電池モジュール外部の他の装置に伝達され得る。例えば、温度センサー700により温度が測定されると、測定された温度情報は電池モジュール外部のBMS(電池管理システム)に伝達されて、電池モジュールを制御することに利用され得る。
【0065】
絶縁シート層500の突出部500p内側には陥没部500Aが形成され、陥没部500Aに温度センサー700の一部が配置され得る。本実施形態によれば、温度センサー700の空間確保のために別途に機械加工をせず、上部プレート300の素材のトリミング(trimming)時に開口部300Aを形成することができる。また、開口部300Aに対応する部分に絶縁シート層500の形状を反映することによって、温度センサー700部品の空間確保をするようになって工程性を向上させることができる。
【0066】
前述した電池モジュールは、電池パックに含まれ得る。電池パックは、本実施形態による電池モジュールを一つ以上集めて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であり得る。
【0067】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0068】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0069】
100:電池セル積層体
180:モジュールフレーム
200:フレーム部材
300:上部プレート
300A:開口部
400:エンドプレート
500:絶縁シート層
500A:陥没部
500P:突出部
700:温度センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7