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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】放熱部材およびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/658 20140101AFI20240611BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240611BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240611BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20240611BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/625
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023515021
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2022005649
(87)【国際公開番号】W WO2022231201
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0056421
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0047511
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドゥハン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】チャンクン・ソン
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/159527(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/061894(WO,A1)
【文献】特開2004-362879(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031736(WO,A1)
【文献】特開2005-116459(JP,A)
【文献】特表2014-534597(JP,A)
【文献】特表2014-504779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/658
H01M 10/613
H01M 10/6554
H01M 10/625
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結されている第1フレームおよび第2フレームを含み、前記第1フレームの内面と前記第2フレームの内面とが互いに対面するように折り畳まれているフレーム部材、
前記第1フレームの外面に付着している第1断熱部材、
前記第2フレームの外面に付着している第2断熱部材、
前記第1フレームの内面と前記第2フレームの内面との間に位置する中央断熱部材、
前記第1フレームの内面と前記中央断熱部材との間に位置する第1熱分散部材、および
前記第2フレームの内面と前記中央断熱部材との間に位置する第2熱分散部材を含む放熱部材。
【請求項2】
前記第1熱分散部材は、前記第1フレームに垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含み、
前記第2熱分散部材は、前記第2フレームに垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含み、
前記第1熱分散部材および前記第2熱分散部材は、互いに反対方向に折り曲げられている、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項3】
前記第1フレームおよび前記第2フレームは、それぞれ少なくとも一つの十字型構造を含む格子フレームである、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項4】
前記第1フレームと前記第2フレームとの間に少なくとも一つのヒンジ結合部が形成されている、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項5】
前記第1フレームの両側にそれぞれ第1側面部が形成されており、
前記第2フレームの両側にそれぞれ第2側面部が形成されている、請求項4に記載の放熱部材。
【請求項6】
前記第1側面部は、前記第1断熱部材の側面、前記第1熱分散部材の側面、および前記中央断熱部材の側面を覆い、
前記第2側面部は、前記第2断熱部材の側面、前記第2熱分散部材の側面、および前記中央断熱部材の側面を覆う、請求項5に記載の放熱部材。
【請求項7】
前記第1フレームおよび前記第2フレームのうちの少なくとも一つの内面に少なくとも一つの突出部が形成されている、請求項4に記載の放熱部材。
【請求項8】
前記突出部は、前記第1熱分散部材、前記第2熱分散部材、および前記中央断熱部材を貫通している、請求項7に記載の放熱部材。
【請求項9】
前記中央断熱部材は、前記第1断熱部材の幅または前記第2断熱部材の幅より大きい幅を有する、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項10】
前記第1熱分散部材上および前記第2熱分散部材上に形成される冷却パッドをさらに含む、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の放熱部材を含み、前記放熱部材は、複数の電池モジュールのうちの隣り合う一対の電池モジュールの間に位置する電池パック。
【請求項12】
前記一対の電池モジュールのうちの一つの電池モジュールの一側面は、前記第1断熱部材と接し、
前記一対の電池モジュールのうちの他の一つの電池モジュールの一側面は、前記第2断熱部材と接する、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記一対の電池モジュールのうちの一つの電池モジュールの上部は、前記第1熱分散部材の少なくとも一部と接し、
前記一対の電池モジュールのうちの他の一つの電池モジュールの上部は、前記第2熱分散部材の少なくとも一部と接する、請求項12に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2021年4月30日付韓国特許出願第10-2021-0056421号および2022年4月18日付韓国特許出願第10-2022-0047511号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、隣り合う電池モジュール間の熱伝播を防止しながらも、効果的に熱が分散される放熱部材およびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールは、可能な限り小さい大きさと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。
【0006】
しかし、従来の技術の電池パックは、複数の電池モジュールを備え、それぞれの電池モジュールの電池セルのうちの一部に熱暴走が発生されることで、発火乃至爆発する場合、隣接した二次電池に熱または火炎が伝達されて2次爆発などが起こる場合があり、2次発火乃至爆発を防止するための努力が続いている。
【0007】
そのために、電池パック内の一部の電池モジュールで発火乃至爆発の際、隣接した電池モジュールに熱伝達されることを防止しながらも、発生した熱が効果的に分散され得る放熱部材およびこれを含む電池パックを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、隣り合う電池モジュール間の熱伝播を防止しながらも、効果的に熱が分散される放熱部材およびこれを含む電池パックに関する。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による放熱部材は、互いに連結されている第1フレームおよび第2フレームを含み、前記第1フレームの内面と前記第2フレームの内面とが互いに対面するように折り畳まれているフレーム部材、前記第1フレームの外面に付着している第1断熱部材、前記第2フレームの外面に付着している第2断熱部材、前記第1フレームの内面と前記第2フレームの内面との間に位置する中央断熱部材、前記第1フレームの内面と前記中央断熱部材との間に位置する第1熱分散部材、および前記第2フレームの内面と前記中央断熱部材との間に位置する第2熱分散部材を含む。
【0011】
前記第1熱分散部材は、前記第1フレームに垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含み、前記第2熱分散部材は、前記第2フレームに垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含み、前記第1熱分散部材および前記第2熱分散部材は、互いに反対方向に折り曲げられていてもよい。
【0012】
前記第1フレームおよび前記第2フレームは、それぞれ少なくとも一つの十字型構造を含む格子フレームであり得る。
【0013】
前記第1フレームと前記第2フレームとの間に少なくとも一つのヒンジ結合部が形成されてもよい。
【0014】
前記第1フレームの両側にそれぞれ第1側面部が形成されており、前記第2フレームの両側にそれぞれ第2側面部が形成されてもよい。
【0015】
前記第1側面部は、前記第1断熱部材の側面、前記第1熱分散部材の側面、および前記中央断熱部材の側面を覆い、前記第2側面部は、前記第2断熱部材の側面、前記第2熱分散部材の側面、および前記中央断熱部材の側面を覆うことができる。
【0016】
前記第1フレームおよび前記第2フレームのうちの少なくとも一つの内面に少なくとも一つの突出部が形成されてもよい。
【0017】
前記突出部は、前記第1熱分散部材、前記第2熱分散部材、および前記中央断熱部材を貫通していてもよい。
【0018】
前記中央断熱部材は、前記第1断熱部材の幅または前記第2断熱部材の幅より大きい幅を有することができる。
【0019】
本発明の他の一実施形態による放熱部材は、前記第1熱分散部材および前記第2熱分散部材上に形成される冷却パッドをさらに含むことができる。
【0020】
本発明のまた他の一実施形態による電池パックは、前述の放熱部材を含み、前記放熱部材は、複数の電池モジュールのうちの隣り合う一対の電池モジュールの間に位置する。
【0021】
前記一対の電池モジュールのうちの一つの電池モジュールの一側面は、前記第1断熱部材と接し、前記一対の電池モジュールのうちの他の一つの電池モジュールの一側面は、前記第2断熱部材と接することができる。
【0022】
前記一対の電池モジュールのうちの一つの電池モジュールの上部は、前記第1熱分散部材の少なくとも一部と接し、前記一対の電池モジュールのうちの他の一つの電池モジュールの上部は、前記第2熱分散部材の少なくとも一部と接することができる。
【発明の効果】
【0023】
実施形態によれば、本発明は、放熱部材およびこれを含む電池パックにおいて、放熱部材に含まれている熱分散部材が断熱部材の間に位置して、隣り合う電池モジュール間の熱伝播を防止しながらも、効果的に熱が分散され得る。
【0024】
本発明の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による電池パックに含まれている一対の電池モジュールおよび放熱部材を簡略に示す図面である。
図2図1の放熱部材を示す斜視図である。
図3図1の放熱部材の正面図である。
図4図1の放熱部材に含まれているフレーム部材を示す図面である。
図5図1の放熱部材に含まれている断熱部材および熱分散部材を示す図面である。
図6図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図7図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図8図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図9図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図10図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図11図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図12図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
図13】本発明の他の一実施形態による放熱部材を示す図面である。
図14】本発明の他の一実施形態による放熱部材を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0028】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0029】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0030】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0031】
以下、本発明の一実施形態による放熱部材を含む電池パックを説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態による電池パックに含まれている一対の電池モジュールおよび放熱部材を簡略に示す図面である。
【0033】
図1を参照すれば、本発明の他の一実施形態による電池パックは、放熱部材100を含み、放熱部材100は、複数の電池モジュールのうちの隣り合う一対の電池モジュール10の間に位置する。
【0034】
ここで、電池モジュール10は、具体的に図示されていないが、複数の電池セル(図示せず)が予め設定された方向に沿って積層された後、モジュールフレームに装着されて構成されてもよい。ここで、複数の電池セル(図示せず)は、その種類に特別な制限がないため、パウチ型二次電池または角型二次電池であり得る。
【0035】
また、本実施形態で、一対の電池モジュール10のうちの一つの電池モジュール10の一側面は、第1断熱部材131(図3)と接し、一対の電池モジュール10のうちの他の一つの電池モジュール10の一側面は、第2断熱部材135(図3)と接することができる。
【0036】
そのために、本実施形態で、一部の電池モジュールで発火または爆発時、隣接した電池モジュール10間の熱移動が放熱部材100の断熱部材130(図3)により遮断され得るため、隣接した電池モジュール10間の熱伝播による連続的な発火または爆発を防止することができる。
【0037】
また、一対の電池モジュール10のうちの一つの電池モジュール10の上部は、第1熱分散部材151(図2)の少なくとも一部と接し、一対の電池モジュール10のうちの他の一つの電池モジュール10の上部は、第2熱分散部材155(図2)の少なくとも一部と接することができる。
【0038】
そのために、本実施形態で、一部の電池モジュールで発火または爆発時、隣接した電池モジュール10で発生した熱は放熱部材100の熱分散部材150(図2)に沿って移動して、電池モジュール10で発生した熱が効果的かつ迅速に分散され得る。
【0039】
以下、本発明の一実施形態による放熱部材をより具体的に説明する。
【0040】
図2図1の放熱部材を示す斜視図である。図3図1の放熱部材の正面図である。図4図1の放熱部材に含まれているフレーム部材を示す図面である。図5図1の放熱部材に含まれている断熱部材および熱分散部材を示す図面である。
【0041】
図2および図3を参照すれば、本発明の一実施形態による放熱部材100は、互いに連結されている第1フレーム111および第2フレーム115を含み、第1フレーム111の内面と第2フレーム115の内面とが互いに対面するように折り畳まれているフレーム部材110、第1フレーム111の外面に付着している第1断熱部材131、第2フレーム115の外面に付着している第2断熱部材135、第1フレーム111の内面と第2フレーム115の内面との間に位置する中央断熱部材170、第1フレーム111の内面と中央断熱部材170との間に位置する第1熱分散部材151、および第2フレーム115の内面と中央断熱部材170との間に位置する第2熱分散部材155を含む。
【0042】
より具体的に、図2および図4を参照すれば、フレーム部材110は、互いに連結されている第1フレーム111および第2フレーム115を含むことができる。より具体的に、フレーム部材110は、第1フレーム111の内面と第2フレーム115の内面とが互いに対面するように折り畳まれていてもよい。
【0043】
一例として、フレーム部材110は、第1フレーム111と第2フレーム115の間に少なくとも一つのヒンジ結合部119が形成されてもよい。ここで、ヒンジ結合部119は、一般的に使用されるヒンジ結合構造を有することができる。
【0044】
そのために、第1フレーム111および第2フレーム115は、ヒンジ結合部119を基準として第1フレーム111の内面と第2フレーム115の内面とが互いに対面する方向に折り畳まれ得る。さらに、ヒンジ結合部119がフレーム部材110の下部に位置して、熱分散部材150および中央断熱部材170の上下離脱を防止することができる。
【0045】
図4を参照すれば、第1フレーム111および第2フレーム115は、それぞれ少なくとも一つの十字型構造を含む格子フレームであり得る。ただし、第1フレーム111および第2フレーム115の形状がこれに限定されるのではなく、フレーム部材110の剛性を維持することができる形状であれば本実施形態に含まれ得る。
【0046】
また、フレーム部材110で、第1フレーム111の両側にそれぞれ第1側面部111a、111bが形成されており、第2フレーム115の両側にそれぞれ第2側面部115a、115bが形成されてもよい。より具体的に、第1側面部111a、111bは、第1フレーム111の広い面を基準として上下方向に伸びており、第2側面部115a、115bは、第2フレーム115の広い面を基準として上下方向に伸びていてもよい。
【0047】
より具体的に、図3および図4を参照すれば、第1フレーム111の第1側面部111a、111bは、第1フレーム111の外面に付着する第1断熱部材131の側面を覆うことができる。さらに、第1フレーム111の第1側面部111a、111bは、第1フレーム111の内面に位置する第1熱分散部材151および中央断熱部材170の側面を覆うことができる。
【0048】
第2フレーム115の第2側面部115a、115bの場合にも同様に、第2フレーム115の外面に付着する第2断熱部材135の側面を覆うことができる。さらに、第2フレーム115の第2側面部115a、115bは、第2フレーム115の内面に位置する第2熱分散部材155および中央断熱部材170の側面を覆うことができる。
【0049】
そのために、フレーム部材110は、第1フレーム111および第2フレーム115の内面あるいは外面に位置する断熱部材130、熱分散部材150、および中央断熱部材170の側面を覆い、断熱部材130、熱分散部材150、および中央断熱部材170の左右離脱を防止し、外部衝撃から保護することができる。
【0050】
図4を参照すれば、フレーム部材110は、第1フレーム111および第2フレーム115のうちの少なくとも一つの内面に少なくとも一つの突出部113が形成されてもよい。一例として、図4のように、突出部113は、第1フレーム111の内面にだけ形成されてもよい。ただし、これに制限されるのではなく、突出部113は第2フレーム115の内面に形成されているか、第1フレーム111および第2フレーム115の内面にそれぞれ形成されてもよい。
【0051】
ここで、突出部113は、第1熱分散部材151、第2熱分散部材155、および中央断熱部材170を貫通していてもよい。より具体的に、第1熱分散部材151、第2熱分散部材155、および中央断熱部材170は突出部113が嵌合され得るホールが予め形成されてもよい。
【0052】
そのために、フレーム部材110は、第1フレーム111および第2フレーム115の内面に位置する熱分散部材150および中央断熱部材170をフレーム部材110内により安定的に固定させることができる。
【0053】
また、フレーム部材110は、ポリカーボネート-アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC-ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)などのような素材からなることができる。ただし、フレーム部材110の素材はこれに限定されるのではなく、フレーム部材110の剛性を維持しながらも熱伝導性が低い素材であれば本実施形態に含まれ得る。
【0054】
図2図3、および図5(a)を参照すれば、断熱部材130は、第1断熱部材131および第2断熱部材135を含むことができ、第1断熱部材131は第1フレーム111の外面に付着しており、第2断熱部材135は第2フレーム115の外面に付着していてもよい。
【0055】
ここで、第1断熱部材131は、第1フレーム111の外面に沿って伸びているが、第1側面部111a、111bまで伸びていてもよい。また、第2断熱部材135は、第2フレーム115の外面に沿って伸びているが、第2側面部115a、115bまで伸びていてもよい。
【0056】
また、断熱部材130は、ケイ素酸化物からなることができる。一例として、前記ケイ素酸化物は、ガラス繊維(Glass fiber)のような素材からなることができる。ただし、断熱部材130の素材は、これに限定されるのではなく、断熱性の高い素材であれば本実施形態に含まれ得る。
【0057】
そのために、本実施形態で、断熱部材130は、隣接した電池モジュール10(図1)の間の熱移動を遮断することができる。
【0058】
図2図3、および図5(b)を参照すれば、中央断熱部材170は、第1フレーム111の内面と第2フレーム115の内面との間に位置することができる。より具体的に、中央断熱部材170は、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155の間に位置することができる。
【0059】
ここで、中央断熱部材170は、断熱部材130の幅より大きい幅を有することができる。より具体的に、中央断熱部材170は、第1断熱部材131の幅または第2断熱部材135の幅より大きい幅を有することができる。
【0060】
一例として、中央断熱部材170の幅は、第1断熱部材131の幅または第2断熱部材135の幅の2倍であり得る。ただし、中央断熱部材170の幅は、これに限定されるのではなく、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155の間の熱移動を遮断できる程度の幅であれば本実施形態に含まれ得る。
【0061】
また、中央断熱部材170は、ケイ素酸化物からなることができる。一例として、前記ケイ素酸化物は、ガラス繊維(Glass fiber)のような素材からなることができる。ただし、中央断熱部材170の素材はこれに限定されるのではなく、断熱性の高い素材であれば本実施形態に含まれ得る。
【0062】
そのために、本実施形態で、電池モジュール10(図1)から第1熱分散部材151および第2熱分散部材155に熱がそれぞれ伝達されても、中央断熱部材170が第1熱分散部材151と第2熱分散部材155との間の熱移動を遮断することができる。
【0063】
図2図3、および図5(c)を参照すれば、熱分散部材150は、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155を含むことができる。より具体的に、第1熱分散部材151は、第1フレーム111の内面と中央断熱部材170との間に位置し、第2熱分散部材155は、第2フレーム115の内面と中央断熱部材170との間に位置することができる。
【0064】
ここで、熱分散部材150は、フレーム部材110と垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含むことができる。より具体的に、第1熱分散部材151は、第1フレーム111に垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含み、第2熱分散部材155は、第2フレーム115に垂直な方向に折り曲げられている面をさらに含むことができる。ここで、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155は、互いに反対方向に折り曲げられていてもよい。
【0065】
また、熱分散部材150は、アルミニウム(Al)、グラファイト(Graphite)などのような素材からなることができる。ただし、熱分散部材150の素材はこれに限定されるのではなく、熱伝導性の高い素材であれば本実施形態に含まれ得る。
【0066】
そのために、本実施形態で、電池モジュール10(図1)の上部は第1熱分散部材151の折り曲げられた面または第2熱分散部材155の折り曲げられた面にそれぞれ隣接するように位置して、電池モジュール10(図1)で発生した熱は第1熱分散部材151または第2熱分散部材155に容易に分散され得る。さらに、第1熱分散部材151の折り曲げられた面または第2熱分散部材155の折り曲げられた面は、パックフレーム(図示せず)の上部に形成された冷却部材と接して、電池モジュール10(図1)で発生した熱が効果的に放熱され得る。
【0067】
以下、本実施形態による放熱部材100の各構成要素が組み立てられる過程を具体的に説明する。
【0068】
図6乃至図12図1の放熱部材が組み立てられる過程を示す図面である。
【0069】
図6を参照すれば、図6(a)のように予め準備されたジグ220に形成された溝210に第1断熱部材131を位置させることができ、図6(b)のように第1断熱部材131は溝210に安定的に固定され得る。
【0070】
次に、図7を参照すれば、図7(a)のように、第1断熱部材131と第1フレーム111の外面が対面するように位置を調整した後、図7(b)のように第1断熱部材131上に第1フレーム111の外面を安着させることができる。
【0071】
次に、図8を参照すれば、第1熱分散部材151の一面が第1フレーム111の内面に安着するが、第1フレーム111に形成された突出部113が第1熱分散部材151を貫通することができる。ここで、第1熱分散部材151は、突出部113と対応する大きさのホールが予め形成されてもよい。
【0072】
次に、図9を参照すれば、第1熱分散部材151上に中央断熱部材170が安着するが、第1フレーム111に形成された突出部113が中央断熱部材170を貫通することができる。ここで、中央断熱部材170の場合にも突出部113と対応する大きさのホールが予め形成されてもよい。
【0073】
次に、図10を参照すれば、中央断熱部材170上に第2熱分散部材155が安着するが、第1フレーム111に形成された突出部113が第2熱分散部材155を貫通することができる。ここで、第2熱分散部材155の場合にも突出部113と対応する大きさのホールが予め形成されてもよい。
【0074】
次に、図11を参照すれば、第2フレーム115が第2フレーム115の内面と第1フレーム111の内面が対面する方向に折り畳まれるが、第2フレーム115の内面は第2熱分散部材155上に安着することができる。
【0075】
次に、図12を参照すれば、第2フレーム115の外面に第2断熱部材135が安着することができる。
【0076】
そのために、本実施形態で、放熱部材100は前述した過程により各構成要素が組立てられてもよく、組立工程が比較的に簡易であり、別途の接着層なしに部品間の機械的結合によって固定され得るため、生産性もより向上することができる。
【0077】
また、図6乃至図12には示されていないが、本発明の他の一実施形態によれば、各構成要素のうちの少なくとも一部にフック構造またはスナップフィット(Snap-fit)構造が形成されており、放熱部材100に含まれている構成要素はフック結合またはスナップフィット(Snap-fit)結合で互いに固定されていてもよい。
【0078】
そのために。本実施形態は、各構成要素間の結合力をより向上させて、放熱部材100の品質もより向上することができる。
【0079】
以下、本発明の他の一実施形態による放熱部材100について説明する。この時、本実施形態による放熱部材は、前記実施形態による放熱部材の構成を全て含むところ、当該記載は重複記載を避けるために省略する。
【0080】
図13および図14は本発明の他の一実施形態による放熱部材を示す図面である。
【0081】
図13および図14を参照すれば、本実施形態による放熱部材100は、熱分散部材150上に形成される冷却パッド190をさらに含むことができる。つまり、本実施形態による放熱部材100は、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155上に形成される冷却パッド190をさらに含むことができる。より具体的に、本実施形態による放熱部材100に含まれる冷却パッド190は、圧縮性冷却パッドから形成され得る。
【0082】
冷却パッド190は、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155の折り曲げられた面の上に形成され得る。この時、冷却パッド190は、前記折り曲げられた面と同一の面積を有するように形成され得、前記折り曲げられた面より小さい面積を有するように形成されることもできる。したがって、第1熱分散部材151および第2熱分散部材155を通じて伝達された熱は冷却パッド190を通じて迅速に冷却および伝達され得る。
【0083】
この時、冷却パッド190は、シリコン系またはアクリル系素材から形成され得る。具体的に、冷却パッド190は、シリコンパッド、シリコンゴムパッド、シリコンポリマーパッドなどであり得、アクリルパッド、アクリルポリマーパッドなどであり得るが、これに制限されるのではない。
【0084】
本実施形態による放熱部材100の熱分散部材150上には冷却パッド190が形成されることによって放熱部材100を含む前記電池パックのパックフレーム(図示せず)と追加的に接することができる。したがって、電池モジュール10で発生した熱は、熱分散部材150および冷却パッド190を通じて前記電池パックのパックフレームに伝達されることによって電池モジュール10で発生した熱が効果的かつ迅速に分散され得る。特に、冷却パッド190は、圧縮性冷却パッドから形成されて前記電池パックのパックフレームと密着して熱接触抵抗を最小化して効果的な熱伝達経路の形成が可能になり得る。
【0085】
一方、本実施形態によるデバイスは、前述した電池パックを含むことができる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0086】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0087】
10:電池モジュール
100:放熱部材
110:フレーム部材
130:断熱部材
150:熱分散部材
170:中央断熱部材
190:冷却パッド
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
図9(a)】
図9(b)】
図10(a)】
図10(b)】
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図13
図14