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特許7502004チタニウム基板を活性化させるための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】チタニウム基板を活性化させるための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 5/38 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
C25D5/38
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019135906
(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2020037737
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】16/045,389
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアラジャ, サクールジャヤラム アール.
【審査官】黒木 花菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-042194(JP,A)
【文献】特開2005-029828(JP,A)
【文献】米国特許第03065154(US,A)
【文献】特開昭56-133456(JP,A)
【文献】特開平08-176852(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007061687(DE,A1)
【文献】特開昭61-119695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板を活性化させるための活性化溶液であって、
水と、
フッ化塩と、
フッ化水素酸と、
硫酸とを含み、
前記フッ化塩が、前記活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり10グラム~1リットルあたり120グラムの範囲内の濃度で存在し、
前記金属基板がチタニウム又はチタニウム合金で形成された基板である、活性化溶液。
【請求項2】
前記フッ化塩が、アルカリ金属陽イオンとアルカリ土類金属陽イオンの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の活性化溶液。
【請求項3】
前記フッ化塩が、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化ルビジウム、フッ化バリウム、及びフッ化ストロンチウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の活性化溶液。
【請求項4】
前記フッ化塩が、前記活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり10グラム~1リットルあたり100グラムの範囲内の濃度で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【請求項5】
前記フッ化水素酸が、前記活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり5ミリリットル~1リットルあたり250ミリリットルの範囲内の濃度で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【請求項6】
前記硫酸が、前記活性化溶液の総容積に基づいて、1容積パーセント~45容積パーセントの範囲内の濃度で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【請求項7】
請求項1に記載の活性化溶液を製造するための方法であって、
第1酸性溶液を作り出すために、前記硫酸と前記水の少なくとも一部とを混合することと、
第2酸性溶液を作り出すために、前記フッ化水素酸と前記第1酸性溶液とを混合することと、
前記フッ化塩を前記第2酸性溶液中に溶解させることとを含む、
方法。
【請求項8】
金属基板上への材料の堆積に先立って、前記金属基板を前処理するための方法であって、
請求項1に記載の活性化溶液中に、所定の期間にわたって、前記金属基板を浸漬させることを含む、
法。
【請求項9】
前記活性化溶液が、大気圧において、かつ15°C~50°Cの範囲内の温度において維持される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の期間が5秒~120秒の時間である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の期間が20秒~40秒の時間である、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の期間が経過した後に、前記金属基板を前記活性化溶液から取り出すことと、
前記金属基板を、取り出した後に、すすぎ流体ですすぐこととを更に含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記すすぎ流体が脱イオン水である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記金属基板を、浸漬した後に、アノード硫酸プロセスに曝露することを更に含む、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、基板上への材料の堆積に関し、より詳細には、金属基板を活性化させるための組成物及び方法、並びに、スズ-ビスマス合金を金属基板上に電着(electrodepositing)させるための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造体アセンブリの2つ以上の構成要素を接合するために、機械的ファスナが広く使用される。例えば、機械的ファスナは、航空機の機体の構造的構成要素同士を接合するために、広範に使用される。
【0003】
航空機は、多種多様なソース(落雷や降水空電など)から電磁効果(EME)を受ける。金属製の航空機構造体は、よく電気を伝えるので、電磁効果の影響を比較的受けにくい。しかし、複合物(例えば炭素繊維強化プラスチック)の航空機構造体は、電磁効果によって生じる大きな電流及び電磁力を、容易に伝えて放出するものではない。そのため、複合物の航空機構造体において機械的ファスナが使用される場合、電磁効果から保護するための対策が施される必要がある。
【0004】
電磁効果からの防護は、導電性金属の表面堆積物(金属メッキなど)の形態で、機械的ファスナに提供されうる。様々な金属表面堆積物が、電磁効果からの防護を付与するのに適した導電性を提供しうるが、航空宇宙産業のための機械的ファスナに関しては、平滑性及び炭素繊維強化プラスチックとのガルバニック適合性(galvanic compatibility)といったその他の因子も考慮される。
【0005】
スズはアルファ相及びベータ相で存在する。アルファスズは、色が灰色であり、粉末状で、スズペスト(pest)を形成する一方、ベータスズは、白色で、正方晶系の体心結晶構造を有する。スズは、ビスマスと、0.4重量パーセントを上回るビスマス濃度で合金化されると、ベータ相として存在し始める。スズ-ビスマスは、その導電性、平滑性、及び炭素繊維強化プラスチックとのガルバニック適合性により、機械的ファスナに適した金属表面堆積物としての将来性が見込まれている。
【0006】
したがって、当業者は、電着の分野における研究開発の努力を続けている。
【発明の概要】
【0007】
水と、フッ化塩と、フッ化水素酸と、硫酸とを含む、活性化溶液。
【0008】
水と、水中に溶解された、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化ルビジウム、フッ化バリウム、及びフッ化ストロンチウムのうちの少なくとも1つと、水中に溶解されたフッ化水素酸と、水中に溶解された硫酸とを含む、活性化溶液。
【0009】
水と、活性化溶液の総容積に基づいて1リットルあたり約5グラム~1リットルあたり約120グラムの範囲内の濃度で水中に溶解された、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化ルビジウム、フッ化バリウム、及びフッ化ストロンチウムのうちの少なくとも1つと、活性化溶液の総容積に基づいて1リットルあたり約5ミリリットル~1リットルあたり約250ミリリットルの範囲内の濃度で水中に溶解されたフッ化水素酸と、活性化溶液の総容積に基づいて約1容積パーセント~約45容積パーセントの範囲内の濃度で水中に溶解された硫酸とを含む、活性化溶液。
【0010】
活性化溶液を製造するための方法であって、(1)第1酸性溶液を作り出すために、硫酸と水とを混合するステップと、(2)第2酸性溶液を作り出すために、フッ化水素酸と第1酸性溶液とを混合するステップと、(3)フッ化塩を第2酸性溶液中に溶解させるステップとを含む、方法。
【0011】
基板上への材料の堆積に先立って、基板を前処理するための方法であって、水と、水中に溶解されたフッ化塩と、水中に溶解されたフッ化水素酸と、水中に溶解された硫酸とを含む活性化溶液中に、所定の期間にわたって、基板を浸漬させるステップを含む、方法。
【0012】
金属基板を活性化させるための本開示の組成物及び方法のその他の態様も、下記の「発明を実施するための形態」、添付図面、及び付随する特許請求の範囲から自明となろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】基板上に材料を堆積させるための開示されている方法を示すフロー図である。
図2図1の方法によりチタニウム基板上に堆積されたスズ-ビスマス合金の顕微鏡写真である。
図3図1の方法による、基板(チタニウム基板など)を活性化させるための開示されている一方法を示すフロー図である。
図4図3の方法により基板を活性化させるためのシステムの概略図である。
図5図1の方法による、基板(チタニウム基板など)を活性化させるための開示されている別の方法を示すフロー図である。
図6図5の方法により基板を活性化させるためのシステムの概略図である。
図7図1の方法による、基板(チタニウム基板など)を活性化させるための開示されている更に別の方法を示すフロー図である。
図8図7の方法により基板を活性化させるためのシステムの概略図である。
図9図1の方法により基板をストライクメッキするためのシステムの概略図である。
図10図1の方法による、基板上にスズ-ビスマス合金を電着させるための開示されている一方法を示すフロー図である。
図11図10の方法によりスズ-ビスマス合金を堆積させるための電着システムの概略図である。
図12】航空機の製造・保守方法のフロー図である。
図13】航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
金属基板(金属ファスナ又はその他の部品/構成要素など)を活性化させるための組成物、システム、及び方法が開示される。金属基板(金属ファスナ又はその他の部品/構成要素など)上に材料を堆積させるための組成物、システム、及び方法も開示される。本開示の組成物、システム、及び方法は、別個に、又は様々な組み合わせで、基板上への望ましい材料堆積を実現するために使用されうる。
【0015】
図1を参照するに、基板上に材料を堆積させるための方法(概括的に10と指定されている)が開示されている。3つの概括的なステップだけが図示されているが、本開示の範囲からの逸脱をもたらすことなく、様々な追加ステップが(提示されているステップの前であるか、後であるか、間であるかを問わず)実施されうることが、当業者には認識されよう。
【0016】
方法10の最初のステップ(ブロック12)は、基板を、基板上での材料(金属堆積物又はその他の金属/非金属の材料など)の受容に適したものにするために、前処理することを含む。様々な前処理(例えば洗浄、脱脂、エッチングなど)が実施されうる。詳細には、前処理ステップ(ブロック12)は、基板の表面を活性化させること(ブロック14)を含みうる。例えば、チタニウム基板の場合、基板の表面を活性化させるステップ(ブロック14)により、基板上に生じることが既知である固着酸化物層が除去されうる(又は、少なくとも実質的に低減されうる)。
【0017】
方法10の中間のステップ(ブロック16)は、前処理された基板をストライクメッキすることを含む。基板の表面をストライクメッキするステップ(ブロック16)によって、基板の表面上に薄型金属層が形成され、これにより、後続の金属堆積物を受容し、かかる金属堆積物と結合するのにより適した表面を有する基板がもたらされうる。ある特定の実行形態では、ストライクメッキのステップ(ブロック16)により、基板の表面上にニッケルの薄層が形成されうる。
【0018】
方法10の最後のステップ(ブロック18)は、ストライクメッキされた基板上への電着を含む。電着のステップ(ブロック18)により、基板の表面上に金属堆積物が形成されうる。ある特定の実行形態では、電着のステップ(ブロック18)により、基板の表面上にスズ-ビスマス合金が堆積されうる。
【0019】
図2を参照するに、チタニウム合金(Ti-6Al-4V)基板の表面上にスズ-ビスマス合金の薄層を堆積させるために、本開示の方法10が使用されている。その結果は、堆積されたスズ-ビスマス合金とその下のチタニウム合金基板との優良な結合というものであった。
【0020】
本開示は主としてチタニウム基板(チタニウム、又はTi-6Al-4Vといったチタニウム合金で形成された基板)を対象としているが、本開示の方法10と、更に本開示の方法10の個々のステップ(例えば、活性化ステップ(ブロック14)、ストライクメッキステップ(ブロック16)、及び/又は電着ステップ(ブロック18))は、非チタニウム基板にも好適でありうると、考えられている。本開示から恩恵を受けうる非チタニウム基板の例は、鉄合金、銅合金、及びニッケル合金(例えばインコネル)を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0021】
活性化
3つの活性化方法(関連する組成物及びシステムを含む)が開示される。金属基板(チタニウム基板など)は、本開示の活性化方法のうちの1つだけを使用して活性化されうる。あるいは、金属基板(チタニウム基板など)は、本開示の活性化方法のうちの一又は複数を含む複数の活性化方法(例えば、複数の活性化方法のシーケンス)を使用して、活性化されうる。
【0022】
図3及び図4を参照するに、第1の活性化方法(概括的に100と指定されている)は、ブロック110(図3)において、図4に示しているように活性化溶液154を包含する槽152を準備するステップで始まりうる。槽152及び活性化溶液154が、第1活性化システム150を構成しうる。
【0023】
槽152は、活性化溶液154を受容し、包含するのに適した任意の容器でありうる。槽152を形成する材料は、組成の点で、活性化溶液154に化学的に適合したものであるべきである。言うまでもなく、槽152は、第1活性化システム150によって活性化されるべき基板156を内部に受容することが可能になるよう、サイズ設定され、成形されるべきである。
【0024】
活性化溶液154は、水(HO)と、水中に溶解されたアンモニウム塩と、水中に溶解された硫酸(HSO)とを含む。活性化溶液154は、大気圧(例えば1アトム)において、かつ約15°C~約50°Cの温度(例えば室温(~21°C))において、維持されうる。しかし、より高い又は低い圧力、及び、より高い又は低い温度を使用することも想定される。かかる圧力及び温度の使用は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものではない。
【0025】
活性化溶液154中のアンモニウム塩は、フッ素含有陰イオンを有しうる。一配合では、活性化溶液154中のアンモニウム塩は酸性フッ化アンモニウム(NHHF)である。別の配合では、活性化溶液154中のアンモニウム塩はテトラフルオロホウ酸アンモニウム(NHBF)である。更に別の配合では、活性化溶液154中のアンモニウム塩は、酸性フッ化アンモニウム(NHHF)とテトラフルオロホウ酸アンモニウム(NHBF)の両方を含む。
【0026】
活性化溶液154中のアンモニウム塩は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約10グラム~1リットルあたり約150グラムの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約20グラム~1リットルあたり約120グラムの範囲となる。別の択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約30グラム~1リットルあたり約110グラムの範囲となる。別の択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約40グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲となる。別の択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約50グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲となる。別の択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約60グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲となる。別の択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約70グラム~1リットルあたり約90グラムの範囲となる。更なる択一的表現では、アンモニウム塩の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、1リットルあたり約80グラムとなる。
【0027】
活性化溶液154中の硫酸は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約1容積パーセント~約70容積パーセントの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約2容積パーセント~約50容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約3容積パーセント~約40容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約4容積パーセント~約30容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約5容積パーセント~約25容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約5容積パーセント~約15容積パーセントの範囲となる。更に別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液154の総容積に基づいて、約10容積パーセントとなる。
【0028】
具体的で非限定的な一例としては、活性化溶液154は、水と、1リットルあたり80グラムの酸性フッ化アンモニウム(NHHF)と、10容積パーセントの硫酸(HSO)とを含む。
【0029】
活性化溶液154は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な方式で製造されうる。1つの特定の実行形態では、活性化溶液154を製造するための本開示の方法は、(1)酸性溶液を作り出すために、硫酸(例えば66ボーメ度の硫酸)と水(例えば脱イオン水)とを混合するステップと、(2)この酸性溶液中にアンモニウム塩(例えば酸性フッ化アンモニウム及び/又はテトラフルオロホウ酸アンモニウム)を溶解させるステップと、(3)求められる総容積の活性化溶液154を作製するために、(必要であれば)更なる水を添加するステップとを、含む。
【0030】
ブロック120(図3)において、基板156が活性化溶液154中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。ブロック130(図3)に示している基板156の活性化溶液154からの取り出しに先立って、基板156は、所定の期間にわたり、活性化溶液154中に浸漬したままにされうる。チタニウム基板(基板156)の場合、所定の期間は、活性化溶液154が、基板156上の固着酸化物層を、この酸化物層の下にあるチタニウム/チタニウム合金を著しく害することなく低減させる/消去するのに十分な時間があるように、選択されうる。一表現では、所定の期間は約5秒間~約120秒間である。別の表現では、所定の期間は約10秒間~約100秒間である。別の表現では、所定の期間は約20秒間~約40秒間である。更に別の表現では、所定の期間は約30秒間である。
【0031】
ブロック140(図3)において、活性化溶液154から取り出された基板156はすすぎ流体ですすがれうる。一例としては、すすぎ流体は水(脱イオン水など)でありうる。
【0032】
図5及び図6を参照するに、第2の活性化方法(概括的に200と指定されている)は、ブロック202(図5)において、図6に示しているように活性化溶液254を包含する槽252を準備するステップで始まりうる。槽252及び活性化溶液254が、第2活性化システム250を構成しうる。
【0033】
槽252は、活性化溶液254を受容し、包含するのに適した任意の容器でありうる。槽252を形成する材料は、組成の点で、活性化溶液254に化学的に適合したものであるべきである。言うまでもなく、槽252は、第2活性化システム250によって活性化されるべき基板256を内部に受容することが可能になるよう、サイズ設定され、成形されるべきである。
【0034】
活性化溶液254は、水(HO)と、水中に溶解されたフッ化塩と、水中に溶解されたフッ化水素酸(HF)と、水中に溶解された硫酸(HSO)とを含む。活性化溶液254は、大気圧(例えば1アトム)において、かつ約15°C~約50°Cの温度(例えば室温(~21°C))において、維持されうる。しかし、より高い又は低い圧力、及び、より高い又は低い温度を使用することも想定される。かかる圧力及び温度の使用は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものではない。
【0035】
活性化溶液254中のフッ化塩は、アルカリ金属陽イオン及び/又はアルカリ土類金属陽イオンを有しうる。一配合では、活性化溶液254中のフッ化塩はフッ化カリウム(KF)である。別の配合では、活性化溶液254中のフッ化塩はフッ化リチウム(LiF)である。別の配合では、活性化溶液254中のフッ化塩はフッ化ナトリウム(NaF)である。別の配合では、活性化溶液254中のフッ化塩はフッ化ルビジウム(RuF)である。別の配合では、活性化溶液254中のフッ化塩はフッ化バリウム(BaF)である。別の配合では、活性化溶液254中のフッ化塩はフッ化ストロンチウム(SrF)である。更に別の配合では、活性化溶液254中のフッ化塩は、フッ化カリウム(KF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化ルビジウム(RuF)、フッ化バリウム(BaF)、及びフッ化ストロンチウム(SrF)のうちの、少なくとも2つを含む。
【0036】
活性化溶液254中のフッ化塩は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約5グラム~1リットルあたり約120グラムの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、フッ化塩の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約10グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化塩の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約15グラム~1リットルあたり約75グラムの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化塩の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約15グラム~1リットルあたり約50グラムの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化塩の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約15グラム~1リットルあたり約30グラムの範囲となる。更なる択一的表現では、フッ化塩の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約20グラムとなる。
【0037】
活性化溶液254中のフッ化水素酸は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約5ミリリットル~1リットルあたり約250ミリリットルの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、フッ化水素酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約10ミリリットル~1リットルあたり約200ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化水素酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約15ミリリットル~1リットルあたり約150ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化水素酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約20ミリリットル~1リットルあたり約150ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化水素酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約30ミリリットル~1リットルあたり約100ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、フッ化水素酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約40ミリリットル~1リットルあたり約80ミリリットルの範囲となる。更に別の択一的表現では、フッ化水素酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、1リットルあたり約60ミリリットルとなる。
【0038】
活性化溶液254中の硫酸は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約1容積パーセント~約45容積パーセントの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約2容積パーセント~約35容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約2容積パーセント~約20容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約3容積パーセント~約15容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約3容積パーセント~約10容積パーセントの範囲となる。更に別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約5容積パーセントとなる。
【0039】
具体的で非限定的な一例としては、活性化溶液254は、水と、1リットルあたり20グラムのフッ化カリウム(KF)と、1リットルあたり60ミリリットルのフッ化水素酸(HF)と、5容積パーセントの硫酸(HSO)とを含む。
【0040】
活性化溶液254は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な方式で製造されうる。1つの特定の実行形態では、活性化溶液254を製造するための本開示の方法は、(1)第1酸性溶液を作り出すために、硫酸(例えば66ボーメ度の硫酸)と水(例えば脱イオン水)とを混合するステップと、(2)第2酸性溶液を作り出すために、フッ化水素酸(例えば水の48重量%)と第1酸性溶液とを混合するステップと、(3)フッ化塩(例えばフッ化カリウム)を第2酸性溶液中に溶解させるステップと、(4)求められる総容積の活性化溶液254を作製するために、(必要であれば)更なる水を添加するステップとを、含む。
【0041】
ブロック204(図5)において、基板256が活性化溶液254中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。ブロック206(図5)に示している基板256の化溶液254からの取り出しに先立って、基板256は、所定の期間にわたり、活性化溶液254中に浸漬したままにされうる。チタニウム基板(基板256)の場合、所定の期間は、活性化溶液254が、基板256上の固着酸化物層を、この酸化物層の下にあるチタニウム/チタニウム合金を著しく害することなく低減させる/消去するのに十分な時間があるように、選択されうる。一表現では、所定の期間は約5秒間~約120秒間である。別の表現では、所定の期間は約10秒間~約100秒間である。別の表現では、所定の期間は約20秒間~約40秒間である。更に別の表現では、所定の期間は約30秒間である。
【0042】
ブロック208(図5)において、活性化溶液254から取り出された基板256はすすぎ流体ですすがれうる。一例としては、すすぎ流体は水(脱イオン水など)でありうる。
【0043】
図7及び図8を参照するに、第3の活性化方法(概括的に300と指定されている)は、ブロック302(図7)において、図8に示しているように活性化溶液354を包含する槽352を準備するステップで始まりうる。槽352及び活性化溶液354は、グラファイト電極358及び電流源360と共に、第3活性化システム350を構成しうる。第3活性化システム350は、本書に記載しているようにアノード硫酸法(第3の活性化方法300)を実施するために使用されうる。
【0044】
槽352は、活性化溶液354を受容し、包含するのに適した任意の容器でありうる。槽352を形成する材料は、組成の点で、活性化溶液354に化学的に適合したものであるべきである。言うまでもなく、槽352は、グラファイトアノード358と第3活性化システム350によって活性化されるべき基板356とを内部に受容することが可能になるよう、サイズ設定され、成形されるべきである。
【0045】
活性化溶液354は、水(HO)と、水中に溶解された硫酸(HSO)とを含む。活性化溶液354は、大気圧(例えば1アトム)において、かつ約15°C~約50°Cの温度(例えば室温(~21°C))において、維持されうる。しかし、より高い又は低い圧力、及び、より高い又は低い温度を使用することも想定される。かかる圧力及び温度の使用は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものではない。
【0046】
活性化溶液354中の硫酸は、活性化溶液354の総容積に基づいて、約5容積パーセント~約45容積パーセントの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、約5容積パーセント~約35容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、約5容積パーセント~約30容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、約5容積パーセント~約25容積パーセントの範囲となる。別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液254の総容積に基づいて、約10容積パーセント~約20容積パーセントの範囲となる。更に別の択一的表現では、硫酸の濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、約15容積パーセントとなる。
【0047】
具体的で非限定的な一例としては、活性化溶液354は、水と、15容積パーセントの硫酸(HSO)とを含む。
【0048】
ブロック304(図7)において、基板356が活性化溶液354中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。導線368が、浸漬された基板356と電流源360の第1端子364とを電気的に連結しうる。
【0049】
ブロック306(図7)において、グラファイト電極358が活性化溶液354中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。導線366が、浸漬されたグラファイト電極358と電流源360の第2端子362とを電気的に連結しうる。
【0050】
ブロック308(図7)において、電流源360が起動されることにより、基板356とグラファイト電極358との間に電流が通される。電流源360は、基板356がアノードとして機能するように構成されてよく、これにより、基板356をエッチングしうる。チタニウム基板(基板356)の場合、アノード硫酸法(第3の活性化方法300)は、基板356上の固着酸化物層を、この酸化物層の下にあるチタニウム/チタニウム合金を著しく害することなく、低減させ/消去しうる。
【0051】
電流を通すステップ(ブロック308)は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な電流密度で実施されうる。電流密度は制御可能なパラメータであり、適切な電流密度の選択には、他にもある因子の中でも電流を通すステップ(ブロック308)の持続時間のような、様々な因子を考慮することが必要になりうると、当業者には認識されよう。一表現では、電流を通すステップ(ブロック308)において通される電流は、基板356の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約10アンペア~1平方フィートあたり約80アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)において通される電流は、基板356の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約20アンペア~1平方フィートあたり約60アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)において通される電流は、基板356の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約20アンペア~1平方フィートあたり約40アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。更に別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)において通される電流は、基板356の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約30アンペアの電流密度を有しうる。
【0052】
電流を通すステップ(ブロック308)は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な持続時間にわたって実施されうる。電流持続時間は制御可能なパラメータであり、適切な持続時間の選択には、他にもある因子の中でも電流密度のような、様々な因子を考慮することが必要になりうると、当業者には認識されよう。一表現では、電流を通すステップ(ブロック308)は、約5秒間~約120秒間にわたって実施されうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)は、約10秒間~約100秒間にわたって実施されうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)は、約10秒間~約60秒間にわたって実施されうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)は、約15秒間~約45秒間にわたって実施されうる。更に別の表現では、電流を通すステップ(ブロック308)は、約20秒間~約30秒間にわたって実施されうる。
【0053】
ブロック310(図7)において、基板356は、電流源360から断接され、活性化溶液354から取り出される。
【0054】
ブロック312(図7)において、基板356はすすぎ流体ですすがれうる。一例としては、すすぎ流体は水(脱イオン水など)でありうる。
【0055】
ストライクメッキ
ニッケルストライクメッキプロセス(例えば、ウッズのニッケルストライク)を含む様々なストライクメッキプロセスが、当該技術分野において既知であり、本開示の範囲から逸脱することなく、図1の方法10において使用されうる。しかし、図2に示しているような基板同士の優良なメッキ結合を生じさせる、ある特定のニッケルストライクメッキ法が開示される。
【0056】
図9を参照するに、ストライクメッキシステム(概括的に450と指定されている)は、槽452と、槽452内に受容された電解質溶液454と、電解質溶液454中に浸漬されたニッケルアノード458と、電流源460とを含む。電流源460は、第1端子462と第2端子464とを含みうる。ニッケルアノード458は、導線468を用いて第2端子464と電気的に連結されうる。
【0057】
槽452は、電解質溶液454を受容し、包含するのに適した任意の容器でありうる。槽452を形成する材料は、組成の点で、電解質溶液454に化学的に適合したものであるべきである。言うまでもなく、槽452は、基板456及びニッケルアノード458を内部に受容することが可能になるよう、サイズ設定され、成形されるべきである。
【0058】
電解質溶液454は、水(HO)と、水中に溶解された塩化ニッケル(NiCl)と、水中に溶解された塩酸(HCl)とを含む。電解質溶液454は、大気圧(例えば1アトム)において、かつ約15°C~約50°Cの温度(例えば室温(~21°C))において、維持されうる。しかし、より高い又は低い圧力、及び、より高い又は低い温度を使用することも想定される。かかる圧力及び温度の使用は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものではない。
【0059】
電解質溶液454中の塩化ニッケルは、活性化溶液354の総容積に基づいて、1リットルあたり約50グラム~1リットルあたり約400グラムの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、塩化ニッケルの濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、1リットルあたり約75グラム~1リットルあたり約350グラムの範囲となる。別の択一的表現では、塩化ニッケルの濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、1リットルあたり約100グラム~1リットルあたり約300グラムの範囲となる。別の択一的表現では、塩化ニッケルの濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、1リットルあたり約125グラム~1リットルあたり約275グラムの範囲となる。別の択一的表現では、塩化ニッケルの濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、1リットルあたり約150グラム~1リットルあたり約250グラムの範囲となる。別の択一的表現では、塩化ニッケルの濃度は、活性化溶液354の総容積に基づいて、1リットルあたり約175グラム~1リットルあたり約225グラムの範囲となる。
【0060】
電解質溶液454中の塩酸は、電解質溶液454の総容積に基づいて、1リットルあたり約25ミリリットル~1リットルあたり約300ミリリットルの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、塩酸の濃度は、電解質溶液454の総容積に基づいて、1リットルあたり約50ミリリットル~1リットルあたり約250ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、塩酸の濃度は、電解質溶液454の総容積に基づいて、1リットルあたり約75ミリリットル~1リットルあたり約225ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、塩酸の濃度は、電解質溶液454の総容積に基づいて、1リットルあたり約100ミリリットル~1リットルあたり約200ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、塩酸の濃度は、電解質溶液454の総容積に基づいて、1リットルあたり約125ミリリットル~1リットルあたり約175ミリリットルの範囲となる。
【0061】
具体的で非限定的な一例としては、電解質溶液454は、水と、1リットルあたり200グラムの塩化ニッケル(NiCl)と、1リットルあたり150ミリリットルの塩酸(HCl)とを含む。
【0062】
図9に示しているように、基板456は、槽452内の電解質溶液454中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。基板456は次いで、導線466を用いて電流源460の第1端子462と電気的に連結される。
【0063】
ストライクメッキを始めるには、電流源460が起動されることにより、基板456とニッケルアノード458との間に電流が通され、基板456上に堆積物が生じる。オプションで、カソードストライクの開始に先立って、基板456をエッチングするために、アノードストライク(基板456がアノードとして機能する)が実施されることもある。
【0064】
アノードストライク(エッチング)は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な電流密度で、かつ様々な持続時間で実施されうる。一表現では、アノードストライクは、基板456の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約25アンペア~1平方フィートあたり約75アンペアの範囲内の電流密度で、約1秒間~約30秒間の範囲内の持続時間にわたって、実施されうる。例えば、アノードストライクは、基板456の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約120アンペアの電流密度で、約10秒間にわたって、実施されうる。
【0065】
カソードストライク(ストライクメッキ)は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な電流密度で、かつ様々な持続時間で実施されうる。一表現では、カソードストライクは、基板456の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約80アンペア~1平方フィートあたり約160アンペアの範囲内の電流密度で、約30秒間~約10分間の範囲内の持続時間にわたって、実施されうる。例えば、カソードストライクは、基板456の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約120アンペアの電流密度で、約5分間にわたって、実施されうる。
【0066】
電流源460が作動停止すると、基板456は、電流源460から断接され、電解質溶液454から取り出されることが可能になる。基板356は次いで、すすぎ流体(脱イオン水など)ですすがれうる。
【0067】
電着
様々なストライク電着プロセスが、本開示の範囲から逸脱することなく、図1の方法10において使用されうる。しかし、ある特定のスズ-ビスマス電着法であって、本開示の活性化方法のうちの1つ、及び本開示のニッケルストライクメッキ法と一続きに使用された場合に、図2に示しているような基板同士の優良なメッキ結合を生じさせる、スズ-ビスマス電着法が開示される。
【0068】
図10及び図11を参照するに、本開示の電着方法(概括的に500と指定されている)は、ブロック502(図10)において、図11に示しているように電解質溶液554を包含する槽552を準備するステップで始まりうる。槽552と活性化溶液554は、アノード558及び電流源560と共に、本開示の電着システム550を構成しうる。電着システム550は、基板556上にスズ-ビスマス合金を堆積させるために使用されうる。
【0069】
基板556は、チタニウム基板(例えばチタニウムの機械的ファスナなど)でありうる。鉄基板、銅基板、及びニッケル基板(例えばインコネル)といった、その他の金属基板556も、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の電着方法500及び電着システム550と共に使用されうる。
【0070】
本開示の電着システム550のアノード558は、スズアノード(例えば99.99パーセントの純スズ)又はスズ-ビスマスアノードでありうる。概括的な一例としては、アノード558は、約2重量パーセント~約5重量パーセントのビスマスを含んでよく、残部は実質的にスズである。具体的な一例としては、アノード558は、約3重量パーセントのビスマスを含んでよく、残部は実質的にスズである。
【0071】
槽552は、電解質溶液554を受容し、包含するのに適した任意の容器でありうる。槽552を形成する材料は、組成の点で、活性化溶液554に化学的に適合したものであるべきである。言うまでもなく、槽552は、アノード558及び基板556を内部に受容することが可能になるよう、サイズ設定され、成形されるべきである。
【0072】
電解質溶液554は、水(HO)と、水中に溶解されたスズ塩(stannous salt )と、水中に溶解されたビスマス塩と、酸とを含む。電解質溶液554は、大気圧(例えば1アトム)において、かつ約15°C~約50°Cの温度(例えば室温(~21°C))において、維持されうる。しかし、より高い又は低い圧力、及び、より高い又は低い温度を使用することも想定される。かかる圧力及び温度の使用は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものではない。
【0073】
電解質溶液554中のスズ塩により、スズ(tin(II)2+)のイオンが提供される。一配合では、電解質溶液554中のスズ塩は硫酸スズ(SnSO)である。別の配合では、電解質溶液554中のスズ塩は塩化スズ(SnCl)である。別の配合では、電解質溶液554中のスズ塩はフッ化スズ(SnF)である。更に別の配合では、電解質溶液554中のスズ塩は、硫酸スズ(SnSO)、塩化スズ(SnCl)、及びフッ化スズ(SnF)のうちの、少なくとも2つを含む。
【0074】
電解質溶液554中のスズ塩は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約15グラム~1リットルあたり約200グラムの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、スズ塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約15グラム~1リットルあたり約150グラムの範囲となる。別の択一的表現では、スズ塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約15グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲となる。別の択一的表現では、スズ塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約20グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲となる。別の択一的表現では、スズ塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約20グラム~1リットルあたり約50グラムの範囲となる。更に別の択一的表現では、スズ塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約25グラム~1リットルあたり約35グラムの範囲となる。
【0075】
電解質溶液554中のビスマス塩により、ビスマス(Bi3+)のイオンが提供される。一配合では、電解質溶液554中のビスマス塩は硫酸ビスマス(Bi(SO)である。別の配合では、電解質溶液554中のビスマス塩は酸化ビスマス(Bi)である。別の配合では、活性化溶液554中のビスマス塩は硝酸ビスマス(Bi(NO)である。別の配合では、電解質溶液554中のビスマス塩は塩化ビスマス(BiCl)である。別の配合では、電解質溶液554中のビスマス塩は三フッ化ビスマス(BiF)である。更に別の配合では、電解質溶液554中のビスマス塩は、硫酸ビスマス(Bi(SO)、酸化ビスマス(Bi)、硝酸ビスマス(Bi(NO)、塩化ビスマス(BiCl)、及び三フッ化ビスマス(BiF)のうちの、少なくとも2つを含む。
【0076】
電解質溶液554中のビスマス塩は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.25グラム~1リットルあたり約10グラムの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、ビスマス塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.25グラム~1リットルあたり約5グラムの範囲となる。別の択一的表現では、ビスマス塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.25グラム~1リットルあたり約2.5グラムの範囲となる。別の択一的表現では、ビスマス塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.25グラム~1リットルあたり約1グラムの範囲となる。別の択一的表現では、ビスマス塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.3グラム~1リットルあたり約0.8グラムの範囲となる。別の択一的表現では、ビスマス塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.4グラム~1リットルあたり約4グラムの範囲となる。更に別の択一的表現では、ビスマス塩の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約0.4グラム~1リットルあたり約0.7グラムの範囲となる。
【0077】
酸により、電解質溶液554のpHが低下する。一配合では、電解質溶液554中の酸は硫酸(HSO)である。別の配合では、電解質溶液554中の酸はスルファミン酸(HNSO)である。更に別の配合では、活性化溶液554中の酸は、硫酸(HSO)とスルファミン酸(HNSO)の両方を含む。
【0078】
電解質溶液554中の酸は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約50ミリリットル~1リットルあたり約150ミリリットルの範囲内の濃度で存在しうる。1つの択一的表現では、酸の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約60ミリリットル~1リットルあたり約140ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、酸の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約70ミリリットル~1リットルあたり約130ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、酸の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約75ミリリットル~1リットルあたり約125ミリリットルの範囲となる。別の択一的表現では、酸の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約80ミリリットル~1リットルあたり約120ミリリットルの範囲となる。更に別の択一的表現では、酸の濃度は、電解質溶液554の総容積に基づいて、1リットルあたり約90ミリリットル~1リットルあたり約110ミリリットルの範囲となる。
【0079】
電解質溶液554には、本開示の範囲から逸脱することなく、更なる成分が含まれうる。電解質溶液554には、様々な担体及び/又は添加物が含まれうる。具体的で非限定的な一例としては、電解質溶液554は、コネチカット州WaterburyのMacDermidから市販されている、TIN MAC HT STARTER A(界面活性物質の商標名)を含みうる。具体的で非限定的な別の例としては、電解質溶液554は、コネチカット州WaterburyのMacDermidから市販されている、TIN MAC HT STARTER B(メタクリル酸のソースの商標名)を含みうる。具体的で非限定的な更に別の例としては、電解質溶液554は、コネチカット州WaterburyのMacDermidから市販されている、TIN MAC HT REPLENISHER(ジプロピレングリコールメチルエーテルと界面活性物質のソースの商標名)を含みうる。
【0080】
具体的で非限定的な一例としては、電解質溶液554は、水と、1リットルあたり30グラムの硫酸スズ(SnSO)と、1リットルあたり0.58グラムの硫酸ビスマス(Bi(SO)と、1リットルあたり105ミリリットルの硫酸(HSO)と、1リットルあたり20ミリリットルのTIN MAC HT STARTER Aと、1リットルあたり5ミリリットルのTIN MAC HT STARTER Bと、1リットルあたり3ミリリットルのTIN MAC HT REPLENISHERとを含む。
【0081】
電解質溶液554は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な方式で製造されうる。1つの特定の実行形態では、電解質溶液554を製造するための本開示の方法は、(1)酸性溶液を作り出すために、酸(例えば66ボーメ度の硫酸)と水(例えば脱イオン水)とを混合するステップと、(2)スズ塩(例えば硫酸スズ(SnSO))を酸性溶液中に溶解させるステップと、(3)ビスマス塩(例えば硫酸ビスマス(Bi(SO))をこの溶液中に溶解させるステップと、(4)オプションで、一又は複数の添加物/担体(例えばTIN MAC HT STARTER A、TIN MAC HT STARTER B、及び/又はTIN MAC HT REPLENISHER)を添加するステップと、(5)求められる総容積の電解質溶液554を作製するために、(必要であれば)更なる水を添加するステップとを、含む。
【0082】
ブロック504(図10)において、基板556が電解質溶液554中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。導線566が、浸漬された基板556と電流源560の第1端子562とを電気的に連結しうる。
【0083】
ブロック506(図10)において、アノード558が電解質溶液554中に浸漬される(例えば完全浸漬される)。導線568が、浸漬されたアノード558と電流源560の第2端子564とを電気的に連結しうる。
【0084】
ブロック508(図10)において、電流源560が起動されることにより、基板556とアノード558との間に電流が通される。この電流により、スズ-ビスマス合金が基板556上に堆積されることになる。
【0085】
電流を通すステップ(ブロック508)は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な電流密度で実施されうる。電流密度は制御可能なパラメータであり、適切な電流密度の選択には、他にもある因子の中でも電流を通すステップ(ブロック508)の持続時間のような、様々な因子を考慮することが必要になりうると、当業者には認識されよう。一表現では、電流を通すステップ(ブロック508)において通される電流は、基板556の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約10アンペア~1平方フィートあたり約80アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)において通される電流は、基板556の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約10アンペア~1平方フィートあたり約50アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)において通される電流は、基板556の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約20アンペア~1平方フィートあたり約40アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)において通される電流は、基板556の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約15アンペア~1平方フィートあたり約30アンペアの範囲内の電流密度を有しうる。更に別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)において通される電流は、基板556の表面積に基づいて、1平方フィートあたり約30アンペアの電流密度を有しうる。
【0086】
電流を通すステップ(ブロック508)は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な持続時間にわたって実施されうる。電流持続時間は制御可能なパラメータであり、適切な持続時間の選択には、他にもある因子の中でも電流密度のような、様々な因子を考慮することが必要になりうると、当業者には認識されよう。一表現では、電流を通すステップ(ブロック508)は、約5分間~約120分間にわたって実施されうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)は、約5分間~約60分間にわたって実施されうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)は、約10分間~約30分間にわたって実施されうる。別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)は、約10分間~約20分間にわたって実施されうる。更に別の表現では、電流を通すステップ(ブロック508)は、約15分間にわたって実施されうる。
【0087】
ブロック510(図10)において、基板556は、電流源560から断接され、電解質溶液554から取り出される。
【0088】
ブロック512(図10)において、基板556はすすぎ流体ですすがれうる。一例としては、すすぎ流体は水(脱イオン水など)でありうる。
【0089】
本開示の例は、図12に示している航空機の製造・保守方法1000、並びに図13に示している航空機1002に照らして説明されうる。製造前段階では、航空機の製造・保守方法1000は、航空機1002の仕様及び設計1004、並びに材料の調達1006を含みうる。製造段階では、航空機1002の構成要素/サブアセンブリの製造1008と、システムインテグレーション1010とが行われる。その後、航空機1002は、認可及び納品1012を経て、運航1014に供されうる。顧客により運航される期間中に、航空機1002には、改造、再構成、改修なども含みうる、定期的な整備及び保守1016が予定される。
【0090】
方法1000の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。この明細書において、システムインテグレータは任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるが、それらに限定されるわけではなく、第三者は任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるが、それらに限定されるわけではなく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0091】
図13に示しているように、例示的な方法1000によって製造された航空機1002は、複数のシステム1020と内装1022とを伴う機体1018を含みうる。複数のシステム1020の例は、推進システム1024、電気システム1026、液圧システム1028、及び環境システム1030のうちの一又は複数を含みうる。任意の数のその他のシステムも含まれうる。
【0092】
本開示の組成物及び方法は、航空機の製造・保守方法1000の一又は複数の任意の段階において使用されうる。一例としては、構成要素/サブアセンブリの製造1008、システムインテグレーション1010、及び/又は整備及び保守1016に対応する構成要素又はサブアセンブリが、本開示の組成物及び方法を使用して作製又は製造されうる。別の例としては、機体1018が、本開示の組成物及び方法を使用して構築されうる。また、一又は複数の装置の例、方法の例、又はこれらの組み合わせは、例えば、航空機1002(機体1018及び/又は内装1022など)の、組立てを大幅に効率化すること又はコストを大幅に削減することにより、構成要素/サブアセンブリの製造1008、及び/又はシステムインテグレーション1010において利用されうる。同様に、システムの例、方法の例、これらの組み合わせのうちの一又は複数は、航空機1002の運航期間中に、例えば(限定するものではないが)整備及び保守1016のために利用されうる。
【0093】
更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0094】
条項1.水と、フッ化塩と、フッ化水素酸と、硫酸とを含む、活性化溶液。
【0095】
条項2.フッ化塩が、アルカリ金属陽イオンとアルカリ土類金属陽イオンの少なくとも一方を含む、条項1に記載の活性化溶液。
【0096】
条項3.フッ化塩が、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化ルビジウム、フッ化バリウム、及びフッ化ストロンチウムのうちの少なくとも1つを含む、条項1又は2に記載の活性化溶液。
【0097】
条項4.フッ化塩がフッ化カリウムである、条項1から3のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0098】
条項5.フッ化塩が、活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり約5グラム~1リットルあたり約120グラムの範囲内の濃度で存在する、条項1から4のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0099】
条項6.フッ化塩が、活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり約10グラム~1リットルあたり約100グラムの範囲内の濃度で存在する、条項1から5のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0100】
条項7.フッ化塩が、活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり約20グラムの濃度で存在する、条項1から6のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0101】
条項8.フッ化水素酸が、活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり約5ミリリットル~1リットルあたり約250ミリリットルの範囲内の濃度で存在する、条項1から7のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0102】
条項9.フッ化水素酸が、活性化溶液の総容積に基づいて、1リットルあたり約20ミリリットル~1リットルあたり約150ミリリットルの範囲内の濃度で存在する、条項1から7のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0103】
条項10.硫酸が、活性化溶液の総容積に基づいて、約1容積パーセント~約45容積パーセントの範囲内の濃度で存在する、条項1から9のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0104】
条項11.硫酸が、活性化溶液の総容積に基づいて、約2容積パーセント~約20容積パーセントの範囲内の濃度で存在する、条項1から9のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0105】
条項12.大気圧において、かつ約15°C~約50°Cの範囲内の温度において維持されている、条項1から11のいずれか一項に記載の活性化溶液。
【0106】
条項13.条項1に記載の活性化溶液を製造するための方法であって、第1酸性溶液を作り出すために、硫酸と水の少なくとも一部とを混合することと、第2酸性溶液を作り出すために、フッ化水素酸と第1酸性溶液とを混合することと、フッ化塩を第2酸性溶液中に溶解させることとを含む、方法。
【0107】
条項14.基板上への材料の堆積に先立って、基板を前処理するための方法であって、条項1に記載の活性化溶液中に、所定の期間にわたって、基板を浸漬させることを含む、方法。
【0108】
条項15.基板がチタニウム基板である、条項14に記載の方法。
【0109】
条項16.所定の期間が約5秒~約120秒の時間である、条項15に記載の方法。
【0110】
条項17.基板がチタニウム基板であり、所定の期間が約20秒~約40秒の時間である、条項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
条項18.所定の期間が経過した後に、基板を活性化溶液から取り出すことと、基板を、取り出した後に、すすぎ流体ですすぐこととを更に含む、条項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
条項19.すすぎ流体が脱イオン水である、条項18に記載の方法。
【0113】
条項20.基板を、浸漬した後に、アノード硫酸プロセスに曝露することを更に含む、条項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
本開示の組成物及び方法は、航空機に照らして説明されている。しかし、本開示の組成物及び方法は多種多様な応用に利用されうることが、当業者には容易に認識されよう。例えば、本開示の組成物及び方法は、例えばヘリコプター、客船、自動車、海洋製品(ボート、モータなど)等を含む、様々な種類の輸送体において実装されうる。
【0115】
金属基板を活性化させるための本開示の組成物及び方法の様々な態様を図示し、説明してきたが、本明細書を読むことで、当業者には複数の改変が想起されうる。本出願は、かかる改変例を含み、かつ、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1
図2
図3
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図10
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図12
図13