IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 双日建材株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社日建ハウジングシステムの特許一覧 ▶ 株式会社カイダー・ベースボード工業の特許一覧

<>
  • 特許-巾木構造 図1
  • 特許-巾木構造 図2
  • 特許-巾木構造 図3
  • 特許-巾木構造 図4
  • 特許-巾木構造 図5
  • 特許-巾木構造 図6
  • 特許-巾木構造 図7
  • 特許-巾木構造 図8
  • 特許-巾木構造 図9
  • 特許-巾木構造 図10
  • 特許-巾木構造 図11
  • 特許-巾木構造 図12
  • 特許-巾木構造 図13
  • 特許-巾木構造 図14
  • 特許-巾木構造 図15
  • 特許-巾木構造 図16
  • 特許-巾木構造 図17
  • 特許-巾木構造 図18
  • 特許-巾木構造 図19
  • 特許-巾木構造 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】巾木構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/04 20060101AFI20240611BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
E04F19/04 101G
E04F19/04 101Z
H02G3/04 087
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019192365
(22)【出願日】2019-10-22
(65)【公開番号】P2021067066
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516140258
【氏名又は名称】双日建材株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598158635
【氏名又は名称】株式会社日建ハウジングシステム
(73)【特許権者】
【識別番号】598088723
【氏名又は名称】株式会社カイダーベースボード工業
(74)【代理人】
【識別番号】100103399
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 清
(72)【発明者】
【氏名】山田 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 いづみ
(72)【発明者】
【氏名】青木 理
(72)【発明者】
【氏名】長岡 愼一郎
(72)【発明者】
【氏名】大澤 祐太
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-291618(JP,A)
【文献】実開昭59-111210(JP,U)
【文献】実開昭62-141807(JP,U)
【文献】特開2015-033227(JP,A)
【文献】特開平09-013553(JP,A)
【文献】実開昭61-003855(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0059066(KR,A)
【文献】欧州特許出願公開第01043822(EP,A1)
【文献】中国実用新案第203640230(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0183874(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/04
H02G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の床面と壁面との境界部分の壁面下端部に設置する巾木と、この巾木を設置する壁面下端部における内部構造と、から構成される巾木構造であって、
前記巾木は、巾木支持体と、この巾木支持体に嵌合可能とした巾木嵌合体と、から構成され、
前記巾木嵌合体を前記巾木支持体に嵌合した時、前記巾木支持体の前端面と、前記巾木嵌合体の前板面と、前記壁面とが略面一になると共に、前記巾木支持体の下端面は、前記床面と当接してなるものであって、
前記巾木支持体は、水平方向に複数の巾木支持分割体に分割され、前記巾木支持分割体は、垂直板部と、上端板部と、先端部に突起部を形成した上下の中間板部と、から構成してなり、
前記巾木嵌合体は、水平方向に複数の巾木嵌合分割体に分割され、前記巾木嵌合分割体は、垂直板部と、先端部に突起部を形成した上端板部と、中間板部と、から構成し、少なくとも1以上の前記巾木嵌合分割体の垂直板部には、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部を形成してなり、
前記巾木嵌合分割体の上端板部の突起部を前記巾木支持分割体の上の中間板部の突起部に係合させ、前記巾木嵌合分割体の中間板部に前記巾木支持分割体の下の中間板部の突起部を嵌合させることによって、前記巾木嵌合分割体を前記巾木支持分割体に嵌着させることを特徴とする巾木構造。
【請求項2】
少なくとも1以上の前記巾木嵌合分割体の垂直板部に、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部に代えて、テーブルタップのタップ本体が嵌合し、固定できる開口部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の巾木構造。
【請求項3】
少なくとも1以上の前記巾木嵌合分割体の垂直板部に、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部に代えて、電源コンセントのコンセント本体が嵌合し、固定できる開口部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の巾木構造。
【請求項4】
前記巾木嵌合分割体に代えて、上側垂直板部と、先端部に突起部を形成した上端板部と、上側部の中間部に嵌凹部を形成したコ型板部と、下側垂直板部と、から構成し、前記コ型板部と前記下側垂直板部とによって嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体を採用し、
少なくとも1以上の前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体の上側垂直板部には、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部、テーブルタップのタップ本体が嵌合し、固定できる開口部、又は、電源コンセントのコンセント本体が嵌合し、固定できる開口部の何れか1を形成してなり、
前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体の上端板部の突起部を前記巾木支持分割体の上の中間板部の突起部に係合させ、前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体のコ型板部の上側部に形成した嵌凹部に前記巾木支持分割体の下の中間板部の突起部を嵌合させることによって、前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体を前記巾木支持分割体に嵌着させることを特徴とする請求項1に記載の巾木構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅、アパート等の室内の床面と壁面との境界部分の壁面下端部に設置する巾木と、その巾木を設置する壁面下端部における内部構造と、の関連構造である巾木構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅、アパート等の室内の床面と壁面との境界部分の壁面下端部には、靴、清掃用具、ワゴン等が衝突して、破損、汚損し易く、又、壁面下端部には、塵埃が蓄積、滞留し易いので、これらの不都合を防止するため、又、壁面下端部の意匠性を向上するため、通常、壁面下端部には巾木が設置される。
しかし、従来の巾木は、壁面に釘、ネジ等によって固設しているため、壁面下端部よりも若干外方に突出した状態で設置され、見た目があまり良くない。
【0003】
一方、壁面下端部には、照明器具、電気製品等に電気を供給するために、電源コンセントが配置されるが、巾木が設置されているために、巾木の上方の壁面に電源コンセントを配置しなければならない。
そうすると、照明器具、電気製品等の接続コードが壁面に沿って垂れ下がり、床面に沿って這い延びることになって、接続コードに人間が足を引っ掛けて、人間自身又は電気製品等が転倒して、極めて危険である上、勿論、見た目も良くない。
【0004】
そこで、壁面下端部に電源コンセントを配置することを考慮した上で、壁面下端部の見た目をより向上させるために、巾木及びそれを設置する壁面下端部における内部構造を適宜工夫した巾木構造が提案されている(特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平4-56854号公報
【文献】特開2005-97937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2の巾木構造は、巾木を長さ方向に分割し、その一部に電源コンセントを装着することによって、電源コンセントの壁面下端部における設置位置をより低位置として、接続コードに人間が足を引っ掛ける可能性を極力低減させると共に、壁面下端部の見た目を向上させている。
【0007】
しかし、特許文献1及び2の巾木構造では、巾木は、依然として壁面下端部よりも外方に突出した状態で設置されるため、壁面下端部における見た目はあまり良くない。
又、壁面又は巾木に電源コンセントが固定されている場合、家具、機器の配置に自由度が少なく、家具、機器の使い勝手も良くないという問題も発生する。
又、巾木のみの部分と電源コンセントを装着した巾木の部分とで段差が生じる上、電源コンセントが露出するので、壁面下端部における見た目が良くない。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するために為されたものであって、電源コンセントが固定された場合における家具、機器の配置、使い勝手等に関する問題を解消し、電気製品等の接続コードに人間が足を引っ掛ける可能性を極力低減させると共に、壁面下端部の巾木部分の見た目をより向上させた巾木構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の巾木構造は、
室内の床面と壁面との境界部分の壁面下端部に設置する巾木と、この巾木を設置する壁面下端部における内部構造と、から構成される巾木構造であって、
前記巾木は、巾木支持体と、この巾木支持体に嵌合可能とした巾木嵌合体と、から構成され、
前記巾木嵌合体を前記巾木支持体に嵌合した時、前記巾木支持体の前端面と、前記巾木嵌合体の前板面と、前記壁面とが略面一になると共に、前記巾木支持体の下端面は、前記床面と当接してなるものであって、
前記巾木支持体は、水平方向に複数の巾木支持分割体に分割され、前記巾木支持分割体は、垂直板部と、上端板部と、先端部に突起部を形成した上下の中間板部と、から構成してなり、
前記巾木嵌合体は、水平方向に複数の巾木嵌合分割体に分割され、前記巾木嵌合分割体は、垂直板部と、先端部に突起部を形成した上端板部と、中間板部と、から構成し、少なくとも1以上の前記巾木嵌合分割体の垂直板部には、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部を形成してなり、
前記巾木嵌合分割体の上端板部の突起部を前記巾木支持分割体の上の中間板部の突起部に係合させ、前記巾木嵌合分割体の中間板部に前記巾木支持分割体の下の中間板部の突起部を嵌合させることによって、前記巾木嵌合分割体を前記巾木支持分割体に嵌着させることを特徴とする。
【0010】
ここで、少なくとも1以上の前記巾木嵌合分割体の垂直板部に、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部に代えて、テーブルタップのタップ本体が嵌合し、固定できる開口部を形成してもよい。
【0011】
又、少なくとも1以上の前記巾木嵌合分割体の垂直板部に、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部に代えて、電源コンセントのコンセント本体が嵌合し、固定できる開口部を形成してもよい。
【0012】
さらに、前記巾木嵌合分割体に代えて、上側垂直板部と、先端部に突起部を形成した上端板部と、上側部の中間部に嵌凹部を形成したコ型板部と、下側垂直板部と、から構成し、前記コ型板部と前記下側垂直板部とによって嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体を採用し、
少なくとも1以上の前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体の上側垂直板部には、テーブルタップの接続コードを挿通できる開口部、テーブルタップのタップ本体が嵌合し、固定できる開口部、又は、電源コンセントのコンセント本体が嵌合し、固定できる開口部の何れか1を形成してなり、
前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体の上端板部の突起部を前記巾木支持分割体の上の中間板部の突起部に係合させ、前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体のコ型板部の上側部に形成した嵌凹部に前記巾木支持分割体の下の中間板部の突起部を嵌合させることによって、前記嵌装溝を画成した巾木嵌合分割体を前記巾木支持分割体に嵌着させるようにしてもよい
【発明の効果】
【0013】
本発明の巾木構造によれば、巾木の表面は壁面下端部の壁面と略面一となると共に、電源コンセントの電源プラグ及び接続コードの大部分は壁面下端部の内部に隠蔽され、巾木より露出しないから、壁面下端部はスッキリとして、極めて見た目が良いものとなる。
又、電源コンセントが固定された場合における家具、機器の配置、使い勝手等に関する問題を解消することができる。
さらに、電源コンセントのコンセント本体を適宜位置に配置することによって、照明器具、電気製品等までの接続コードが床面を這い延びる長さを極力短くして、安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の巾木構造の一実施形態の正面図である。
図2図1に示す巾木構造のA-A線断面図である。
図3図1に示す巾木構造のB-B線断面図である。
図4】本発明の一実施形態の巾木における(A)は巾木嵌合体の断面図、(B)は巾木支持体の断面図、(C)は巾木支持体に巾木嵌合体を嵌合して巾木を構成した状態の断面図である。
図5】本発明の他実施形態の巾木における(A)は巾木嵌合体の断面図、(B)は巾木支持体の断面図、(C)は巾木支持体に巾木嵌合体を嵌合して巾木を構成した状態の断面図である。
図6】本発明の巾木構造の他実施形態の正面図である。
図7図6に示す巾木構造のA-A線断面図である。
図8図6に示す巾木構造のB-B線断面図である。
図9】本発明の巾木構造の他実施形態の正面図である。
図10図9に示す巾木構造のA-A線断面図である。
図11図9に示す巾木構造のB-B線断面図である。
図12】本発明の巾木構造の他実施形態の正面図である。
図13図12に示す巾木構造のA-A線断面図である。
図14図12に示す巾木構造のB-B線断面図である。
図15】本発明の巾木構造の他実施形態の正面図である。
図16図15に示す巾木構造のA-A線断面図である。
図17図15に示す巾木構造のB-B線断面図である。
図18】本発明の巾木構造の他実施形態の正面図である。
図19図18に示す巾木構造のA-A線断面図である。
図20図18に示す巾木構造のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の巾木構造1は、住宅、アパート等の室内の床面2と壁面3との境界部分の壁面下端部3aに設置される巾木4と、その巾木4が設置される壁面下端部3aの内部構造5と、から構成される。
以下、本発明の巾木構造1の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
[実施形態1]
図1乃至4に示すものは、本発明の一実施形態の巾木構造1である。
【0017】
巾木4は、図1乃至4に示すように、床面2と壁面3との境界部分の壁面下端部3aにおいて、水平方向に延長して配設され、巾木支持体6と、この巾木支持体6に嵌合可能とした巾木嵌合体7と、から構成してある。
【0018】
壁面3は、図1乃至4に示すように、合板材等から成る背面板31と、石膏ボード等から成る表面板32と、から構成されている。
【0019】
巾木支持体6は、水平方向に延長して配設されるが、水平方向に複数の巾木支持分割体6A,6B,6C,・・・に分割してある。
巾木支持体6は、図4(B)に示すように、垂直板部6aと、上端板部6bと、上下の中間板部6c,6dと、から構成してあり、中間板部6c,6dの先端部には突起部6pを形成してある。
又、巾木支持体6の適宜巾木支持分割体6Aの垂直板部6aの適宜位置に、図1乃至3に示すように、開口部61を形成してある。
【0020】
巾木嵌合体7は、水平方向に延長して配設されるが、水平方向に複数の巾木嵌合分割体7A,7B,7C,・・・に分割してある。
巾木嵌合体7は、図4(A)に示すように、垂直板部7aと、上端板部7bと、中間板部7cと、から構成してあり、上端板部7bの先端部には突起部7pを、中間板部7cの中間部には嵌凹部7oを形成してある。
又、巾木嵌合体7の適宜巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aの適宜位置に、図1及び2に示すように、開口部71を形成してある。
【0021】
そして、図4(C)に示すように、巾木支持体6の垂直板部6aを壁面3の背面板31の下端部に、上端板部6bを壁面3の表面板32の下端面に当接させ、ネジ等によって締結、固定すれば、壁面下端部3aに巾木支持体6を固定、配設することができる。
次いで、固定した巾木支持体6に巾木嵌合体7を近接させ、上端板部7bの突起部7pを中間板部6cの突起部6pに係合させ、中間板部7cの嵌凹部7oに中間板部6dの突起部6pを嵌合させれば、図4(C)に示すように、巾木嵌合体7を巾木支持体6に嵌着させることができる。
【0022】
この状態において、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態になるように設定してある。
【0023】
巾木4を設置する壁面下端部3aの内部構造5において、図1乃至3に示すように、巾木支持体6の適宜巾木支持分割体6Aの垂直板部6aに形成した開口部61の近傍の壁面3の内側に、両端部を支柱9,9で支持した内部設置板8を配設してある。
【0024】
そして、図1乃至3に示すように、コンセントボックス100の裏面を内部設置板8の適宜位置に固定、設置した時、コンセントボックス100の表面の少なくともコンセント部101が巾木支持分割体6Aの垂直板部6aに形成した開口部61から露出するように設定する。
【0025】
次いで、テーブルタップ200の電源プラグ201及び接続コード202を巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aに形成した開口部71を通過させ、電源プラグ201の差込刃201aをコンセントボックス100のコンセント部101の差込口101aに差込んで、電源プラグ201をコンセント101に接続する。
【0026】
そして、全ての巾木嵌合分割体7A,7B,7C,・・・を巾木支持体6に嵌着させれば、図1乃至3に示すように、電源プラグ201及び接続コード202の大部分は巾木4内に位置して隠蔽されると共に、タップ本体203及び接続コード202の基端部のみが巾木嵌合分割体7Bの開口部71から外方に脱出した状態となる。
【0027】
尚、この開口部71には、切欠部を形成した蓋板体で被覆するようにしてもよい。これによれば、接続コード202が揺動した状態にならず、切欠部から外方に脱出させることができる。
【0028】
以上の説明したように、本発明の巾木構造1によれば、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態となると共に、電源プラグ201及び接続コード202の大部分は巾木4内に位置して隠蔽されるから、壁面下端部3aはスッキリとして、極めて見た目が良く、意匠性に優れたものとなる。
【0029】
又、タップ本体203及び接続コード202の基端部のみが適宜巾木嵌合分割体7Bの開口部71から外方に脱出した状態となるから、照明器具、電気製品等の直近まで接続コード202を露出させないことができ、又、床面2において接続コード202の這い延びる長さを極力短くすることができるから、タップ本体203を適宜位置に配置し、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0030】
尚、巾木嵌合体7に代えて、図5(A)に示す形態のような巾木嵌合体17を採用してもよい。
【0031】
この巾木嵌合体17は、図5(A)に示すように、上側垂直板部17aと、上端板部7bと、コ型板部17cと、下側垂直板部17dと、から構成してあり、上端板部17bの先端部には突起部17pを形成し、コ型板部17cの上側部の中間部には嵌凹部17oを形成してある。
又、上側垂直板部17aと下側垂直板部17dとの間には間隙を設けて、挿入口17iを形成してあり、コ型板部17cと下側垂直板部17dとによって空間を包囲して、嵌装溝17kを画成してある。
【0032】
この巾木嵌合体17の場合も、図5(C)に示すように、固定した巾木支持体6に巾木嵌合体17を近接させ、上端板部17bの突起部17pを中間板部6cの突起部6pに係合させ、コ型板部17cの嵌凹部17oに中間板部6dの突起部6pを嵌合させれば、巾木嵌合体17を巾木支持体6に嵌着させることができる。
【0033】
この状態において、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体17の上側垂直板部17a、下側垂直板部17dの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態になると共に、巾木嵌合体17の下端部に、挿入口17iから挿入し、嵌装溝17k内に嵌装する接続コード202の固定場所が構成される。
【0034】
よって、適宜巾木嵌合分割体7Bの開口部71から外方に脱出した接続コード202の基端部をこの嵌装溝17kに挿入、嵌装すれば、床面2において接続コード202の這い延びる長さをより短くすることができるから、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0035】
[実施形態2]
図6乃至8に示すものは、本発明の他実施形態の巾木構造11である。
【0036】
この巾木構造11において、巾木14は、図6乃至8に示すように、実施形態1の巾木4と略同様の構成であるが、巾木嵌合体7の適宜巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aに形成する開口部72の形状及び寸法が異なる。
【0037】
開口部72は、図6乃至8に示すように、テーブルタップ200のタップ本体203が嵌合して、固定できる形状及び寸法に形成してある。
【0038】
よって、本発明の巾木構造11によれば、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態となると共に、タップ本体203以外の電源プラグ201及び接続コード202は巾木14内に位置して隠蔽されるから、壁面下端部3aはスッキリとして、極めて見た目が良く、意匠性に優れたものとなる。
【0039】
又、タップ本体203のみが適宜巾木嵌合分割体7Bの開口部72から外方に露出した状態となり、床面2において接続コード202を這わせないことができるから、タップ本体203を適宜位置に配置し、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0040】
尚、開口部72を、テーブルタップ200のタップ本体203が遊嵌する形状及び寸法とすれば、図6乃至8に示すように、タップ本体203を開口部72に嵌合し、固定させて、又、タップ本体203及び接続コード202の基端部を開口部72から脱出させて使用することもできる。
【0041】
[実施形態3]
図9乃至11に示すものは、本発明の他実施形態の巾木構造21である。
【0042】
この巾木構造21において、巾木24は、図9乃至11に示すように、実施形態1の巾木4と略同様の構成であるが、巾木支持体6の適宜巾木支持分割体6Aの垂直板部6aの適宜位置に形成する開口部63の形状及び寸法、巾木嵌合体7の適宜巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aに形成する開口部73の形状及び寸法が異なる。
【0043】
開口部63及び開口部73は、図9乃至11に示すように、対応する適宜巾木支持分割体6B及び巾木嵌合分割体7Bに形成し、電源コンセント300のコンセント本体303を装着して、固定できる形状及び寸法に形成してある。
【0044】
又、図9乃至11に示すように、巾木24を設置する壁面下端部3の内部に、案内レール10を水平方向に延長して配設して、この案内レール10に電源コンセント300の電源本体301を摺動自在に設置できるようにしてある。
【0045】
よって、本発明の巾木構造21によれば、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態となると共に、コンセント本体303以外の電源本体301及び接続コード302は巾木24内に位置して隠蔽されるから、壁面下端部3aはスッキリとして、極めて見た目が良く、意匠性に優れたものとなる。
【0046】
又、コンセント本体303のみが適宜巾木嵌合分割体7Bの開口部73から外方に露出した状態となり、床面2において接続コード302を這わせないことができるから、コンセント本体303を適宜位置に配置し、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0047】
[実施形態4]
図12乃至14に示すものは、本発明の他実施形態の巾木構造31である。
【0048】
この巾木構造31において、巾木34は、図12乃至14に示すように、実施形態1の巾木4と略同様の構成であるが、巾木支持体6の適宜巾木支持分割体6Aの垂直板部6aの適宜位置に形成する開口部64の形状及び寸法、巾木嵌合体7の適宜巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aに形成する開口部74の形状及び寸法が異なる。
【0049】
開口部64及び開口部74、図12乃至14に示すように、対応する適宜巾木支持分割体6B及び巾木嵌合分割体7Bに形成し、電源コンセント400を突出できる形状及び寸法に形成してある。
【0050】
又、図12乃至14に示すように、巾木34を設置する壁面下端部3の内部に、案内レール55を水平方向に延長して配設して、この案内レール55に電源コンセント400を摺動自在に設置できるようにしてあり、この案内レール55内に電源コンセント400に電力を供給する配線を這わせることができるようになっている。
【0051】
よって、本発明の巾木構造31によれば、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態となると共に、電源コンセント400以外の配線は巾木34内に位置して隠蔽されるから、壁面下端部3aはスッキリとして、極めて見た目が良く、意匠性に優れたものとなる。
【0052】
又、電源コンセント400のみが適宜巾木嵌合分割体7Bの開口部74から外方に露出した状態となり、床面2において配線を這わせないことができるから、電源コンセント400を適宜位置に配置し、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0053】
[実施形態5]
図15乃至17に示すものは、本発明の他実施形態の巾木構造41である。
【0054】
この巾木構造41において、巾木44は、図15乃至17に示すように、実施形態1の巾木4と略同様の構成であるが、巾木支持体6の適宜巾木支持分割体6Aの垂直板部6aの適宜位置に形成する開口部65の形状及び寸法、巾木嵌合体7の適宜巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aに形成する開口部75の形状及び寸法が異なる。
【0055】
開口部65及び開口部75、図15乃至17に示すように、対応する適宜巾木支持分割体6B及び巾木嵌合分割体7Bに形成し、水平方向に長い溝状の差込口を形成した電源コンセント500のコンセント本体502を装着して、固定できる形状及び寸法に形成してある。
【0056】
又、図15乃至17に示すように、巾木44を設置する壁面下端部3の内部に、電源コンセント500の電源コード501を這わせるようになっている。
【0057】
よって、本発明の巾木構造41によれば、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態となると共に、コンセント本体502以外の電源コード501は巾木44内に位置して隠蔽されるから、壁面下端部3aはスッキリとして、極めて見た目が良く、意匠性に優れたものとなる。
【0058】
又、コンセント本体502のみが適宜巾木嵌合分割体7Bの開口部75から外方に露出した状態となり、床面2において電源コード501を這わせないことができるから、コンセント本体502を適宜位置に配置し、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0059】
[実施形態6]
図18乃至20に示すものは、本発明の他実施形態の巾木構造51である。
【0060】
この巾木構造51において、巾木54は、図18乃至20に示すように、実施形態1の巾木4と略同様の構成であるが、巾木支持体6の適宜巾木支持分割体6Aの垂直板部6aの適宜位置に形成する開口部66の形状及び寸法、巾木嵌合体7の適宜巾木嵌合分割体7Bの垂直板部7aに形成する開口部76の形状及び寸法が異なる。
【0061】
図18乃至20に示すように、開口部66は、巾木支持分割体6A,6B,6C,・・
・の全て又は多数に、電源コンセント600のコンセント本体602のコンセント部が露出する状態で装着し、固定できる形状及び寸法に形成してある。
一方、開口部76は、適宜巾木支持分割体6Bに、コンセント本体602のコンセント部が露出する形状及び寸法に形成してある。
【0062】
又、図18乃至20に示すように、巾木54を設置する壁面下端部3の内部に、電源コンセント600の配線を這わせるようになっている。
【0063】
よって、本発明の巾木構造51によれば、巾木支持体6の上端板部6bの前端面と、巾木嵌合体7の垂直板部7aの表面と、壁面下端部3aの壁面3とは、略面一状態となると共に、巾木嵌合分割体7Bに形成する開口部76に位置が合致しないコンセント本体502及び配線は巾木54内に位置して隠蔽されるから、壁面下端部3aはスッキリとして、極めて見た目が良く、意匠性に優れたものとなる。
【0064】
又、巾木嵌合分割体7Bに形成する開口部76に位置が合致したコンセント本体502のコンセント部のみが巾木嵌合分割体7Bの開口部76から外方に露出した状態となると共に、床面2において配線を這わせないことができるから、適宜位置に配設されたコンセント本体502を使用することができ、極めて安全に照明器具、電気製品等に電気を供給することができる。
【0065】
さらに、本発明の巾木構造によれば、壁面又は巾木に電源コンセントが固定されている訳ではないから、家具、機器の配置に自由度が多くなり、家具、機器の使い勝手等も良好となる。
この点は、特に、可変間仕切りを使用して住宅、アパート等の室内を適宜位置で仕切る場合には、電源コンセントを適宜位置に移動できるから、家具、機器の配置に自由度が多くなり、家具、機器の使い勝手等も良好となる。
【符号の説明】
【0066】
1 巾木構造
2 床面
3 壁面
3a 壁面下端部
4 巾木
5 内部構造
6 巾木支持体
7 巾木嵌合体
7A,7B,7C 巾木嵌合分割体
71,72,73,74,75,76 開口部
200 テーブルタップ
202 接続コード
203 タップ本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20